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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182799
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】駐車支援装置及び駐車支援方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/06 20060101AFI20221201BHJP
   B60W 40/02 20060101ALI20221201BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
B60W30/06
B60W40/02
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090533
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石野田 真
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241BA22
3D241BA50
3D241BB03
3D241BC01
3D241BC02
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC11
3D241CC17
3D241CE04
3D241DB01Z
3D241DC25Z
3D241DC33Z
3D241DC50Z
5H181AA01
5H181CC04
5H181CC11
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
5H181LL17
(57)【要約】
【課題】車両が駐車枠内の適切な位置に駐車し、駐車に要する時間を短縮させることができる駐車支援装置及び駐車支援方法を提供する。
【解決手段】駐車支援装置100は、決定した駐車枠Wに自車両1Aが駐車する駐車経路R2を生成する生成位置S3と、生成位置S3に自車両1Aが移動する移動経路R1とを生成する経路生成部135と、自車両1Aが走行するための駆動装置80を制御する制御情報であって、移動経路R1に従って自車両1Aが移動する制御情報を生成し、生成した制御情報を、駆動装置80を制御する車両制御ユニット70に出力する制御情報生成部136と、を備え、経路生成部135は、自車両1Aの後端の少なくとも一部が駐車枠内に位置するように生成位置S3を決定し、自車両1Aが生成位置に到着した後に、生成位置S3において、自車両1Aが駐車枠Wに駐車する駐車経路R2を生成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の後端を含む複数の位置に搭載された車載センサに接続された入出力インターフェイスと、
車両の周囲の状況を示す周囲情報が、前記入出力インターフェイスを介して前記車載センサから入力されると、入力された前記周囲情報に基づいて前記車両が駐車する駐車枠を決定する駐車位置決定部と、
決定した前記駐車枠に前記車両が駐車する駐車経路を生成する位置である生成位置を決定し、前記生成位置に前記車両が移動する移動経路を生成する経路生成部と、
前記車両が走行するための駆動装置を制御する制御情報であって、前記移動経路に従って前記車両が移動する前記制御情報を生成し、生成した前記制御情報を、前記入出力インターフェイスを介して前記駆動装置の駆動を制御する制御装置に出力する制御情報生成部と、を備え、
前記経路生成部は、
前記車両の後端の少なくとも一部が前記駐車枠内に位置するように前記生成位置を決定し、
前記車両が前記生成位置に到着した後に、前記生成位置において、前記車両が前記駐車枠に駐車する駐車経路を生成する、ことを特徴とする駐車支援装置。
【請求項2】
前記経路生成部が生成する前記移動経路には、後退旋回経路が含まれ、
前記経路生成部は、
前記後退旋回経路として後方に右旋回する経路を生成する場合、前記駐車枠に前記車両が後退駐車したときに前記車両の右側に位置する障害物との距離が予め設定された範囲内の距離となるように前記生成位置を決定し、決定した前記生成位置に前記車両が移動する前記移動経路を生成し、
前記後退旋回経路として後方に左旋回する経路を生成する場合、前記駐車枠に前記車両が後退駐車したときに前記車両の左側に位置する障害物との距離が予め設定された範囲内の距離となるように前記生成位置を決定し、決定した前記生成位置に前記車両が移動する前記移動経路を生成する、ことを特徴とする請求項1記載の駐車支援装置。
【請求項3】
前記経路生成部は、前記生成位置に前記車両が位置する場合の前記車両の車長方向と、前記駐車枠の長手方向とのなす角度を算出し、算出した前記角度が小さくなるように前記後退旋回経路を変更する、ことを特徴とする請求項2記載の駐車支援装置。
【請求項4】
車両の周囲の状況を示す周囲情報が、前記車両の後端を含む複数の位置に搭載された車載センサから入力されると、入力された前記周囲情報に基づいて前記車両が駐車する駐車枠を決定する決定ステップと、
決定した前記駐車枠に前記車両が駐車する駐車経路を生成する位置である生成位置を決定し、前記生成位置に前記車両が移動する移動経路を生成する経路生成ステップと、
前記車両が走行するための駆動装置を制御する制御情報であって、前記移動経路に従って前記車両が移動する前記制御情報を生成し、生成した前記制御情報を、前記駆動装置の駆動を制御する制御装置に出力する出力ステップと、を含み、
前記経路生成ステップは、前記車両の後端の少なくとも一部が前記駐車枠内に位置するように前記生成位置を決定し、
前記車両が前記生成位置に到着した後に、前記生成位置において、前記車両が前記駐車枠に駐車する駐車経路を生成する、ことを特徴とする駐車支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車支援装置及び駐車支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の周囲の状況を検出し、検出した周囲の状況に基づいて駐車経路を生成し、生成した駐車経路に従って車両を走行させ、目的の駐車位置に駐車させる駐車支援装置が知られている。
例えば、特許文献1に記載の駐車支援装置は、目標駐車位置まで車両が後退走行する駐車経路を算出する駐車経路算出手段と、駐車経路算出手段が算出した駐車経路に沿って車両が後退走行することを支援する支援手段と、駐車空間に隣接する障害物に対して、後退時に後方測距手段で検出した位置と、前進時に検出した位置との比較をもとに、前進時に検出した障害物の位置を補正する障害物位置補正手段と、障害物位置補正手段によって補正された補正量に応じて目標駐車位置を補正する目標駐車位置補正手段と、を備え、駐車経路算出手段は、補正された目標駐車位置と車両の現在位置に基づいて、その目標駐車位置まで車両が走行する駐車経路を再計算する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-54912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車載センサの検出精度が低い場合、入力される車両の周囲の状況を示す周囲情報の精度が低く、車両が駐車枠内の好適な位置に駐車することができない場合があった。また、特許文献1のように障害物の位置を補正しながら車両が駐車位置に駐車する場合、駐車完了までに時間を要した。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、車両が駐車枠内の適切な位置に駐車し、駐車に要する時間を短縮することができる駐車支援装置及び駐車支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の駐車支援装置は、車両の後端を含む複数の位置に搭載された車載センサに接続された入出力インターフェイスと、車両の周囲の状況を示す周囲情報が、前記入出力インターフェイスを介して前記車載センサから入力されると、入力された前記周囲情報に基づいて前記車両が駐車する駐車枠を決定する駐車位置決定部と、決定した前記駐車枠に前記車両が駐車する駐車経路を生成する位置である生成位置を決定し、前記生成位置に前記車両が移動する移動経路を生成する経路生成部と、前記車両が走行するための駆動装置を制御する制御情報であって、前記移動経路に従って前記車両が移動する前記制御情報を生成し、生成した前記制御情報を、前記入出力インターフェイスを介して前記駆動装置の駆動を制御する制御装置に出力する制御情報生成部と、を備え、前記経路生成部は、前記車両の後端の少なくとも一部が前記駐車枠内に位置するように前記生成位置を決定し、前記車両が前記生成位置に到着した後に、前記生成位置において、前記車両が前記駐車枠に駐車する駐車経路を生成する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車載センサの検出精度が低くても、車両が駐車枠内の適切な位置に駐車でき、駐車に要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】車載装置の構成を示すブロック図である。
図2】移動経路の一例を示す図である。
図3】駐車枠内のずれた位置に駐車した状態を示す図である。
図4】初期位置と中間位置とに位置する自車両を示す図である。
図5】車両の旋回角度が上限値を超えた状態を示す図である。
図6】生成位置を示す図である。
図7】生成位置を示す図である。
図8】経路生成部が後退旋回経路として生成しない経路の例を示す図である。
図9】経路生成部が後退旋回経路として生成しない経路の例を示す図である。
図10】経路生成部が後退旋回経路として生成しない経路の例を示す図である。
図11】生成位置への移動後に生成される駐車経路を示す図である。
図12】駐車支援装置の動作を示すフローチャートである。
図13】駐車支援装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。
図1は車載装置3の構成を示すブロック図である。以下では、車載装置3を搭載した車両を自車両1Aと表記し、自車両1A以外の車両を他車両1Bと表記する。
車載装置3は、位置検出ユニット10、検出装置20、表示部50、車両制御ユニット70、駆動装置80及び駐車支援装置100を備える。
【0010】
位置検出ユニット10は、自車両1Aの位置を検出する。位置検出ユニット10は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信器と、プロセッサとを備える(いずれも不図示)。GNSS受信器は、衛星から送信される信号を受信する。プロセッサは、GNSS受信器が受信した信号に基づいて自車両1Aの位置情報である緯度及び経度や、算出した位置情報の差分により自車両1Aの方位を演算する。位置検出ユニット10は、演算して求めた自車両1Aの位置情報及び方位情報を駐車支援装置100に出力する。
【0011】
検出装置20は、複数の車載センサを備える。本実施形態の検出装置20は、複数のカメラを有する撮影部30と、ソナーユニット40とを車載センサとして備える。
本実施形態では、検出装置20がカメラ及びソナーを備える場合について説明するが、検出装置20の車載センサは、カメラ及びソナーに限定されない。例えば、電波や光等を利用して物体との間の距離を測定可能なレーダーやライダー(LiDAR:Laser Imaging Detection and Ranging)を検出装置20に搭載してもよい。検出装置20は、撮影部30の撮影画像やソナーユニット40のセンサデータを、周囲状況を示す周囲情報として駐車支援装置100に出力する。
【0012】
撮影部30は、自車両1Aの前方を撮影するフロントカメラ31、自車両1Aの後方を撮影するリアカメラ32、自車両1Aの左側方を撮影する左サイドカメラ33、及び自車両1Aの右側方を撮影する右サイドカメラ34を備える。これらのカメラは、それぞれCCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)等のイメージセンサと、イメージセンサの受光状態から画像を生成するデータ処理回路とを備える。撮影部30は、4台のカメラにより自車両1Aを中心に360°の範囲を撮影可能となるように画角が調整されている。フロントカメラ31、リアカメラ32、左サイドカメラ33及び右サイドカメラ34は、各々の撮影範囲を所定のフレームレートで撮影して撮影画像を生成する。フロントカメラ31、リアカメラ32、左サイドカメラ33及び右サイドカメラ34は、生成した撮影画像を駐車支援装置100に出力する。
【0013】
ソナーユニット40は、自車両1Aの前端、後端、左側方及び右側方等の複数箇所に搭載され、超音波を用いて自車両1Aの周囲に存在する物体を検出する。具体的には、ソナーユニット40は、物体の位置や、物体までの距離を検出する。
【0014】
表示部50は、表示パネル51及びタッチセンサ53を備える。表示パネル51には、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等が用いられる。タッチセンサ53は、抵抗膜方式や静電容量方式等の一般的に知られた方式のセンサが用いられる。タッチセンサ53は、表示パネル51に対して行われるタッチ操作を検出し、検出したタッチ操作の操作位置を示す座標情報を生成する。タッチセンサ53は、生成した座標情報を含む操作信号を駐車支援装置100に出力する。
【0015】
車両制御ユニット70は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)等のコンピュータ装置であり、自車両1Aに搭載された駆動装置80を制御する制御装置である。駆動装置80には、操舵装置81、動力装置83、制動装置85及び変速装置87が含まれる。車両制御ユニット70は、イーサネット(登録商標)や、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)等の規格に従う通信バス5を介して駐車支援装置100に接続される。車両制御ユニット70は、駐車支援装置100から入力される制御情報に従って操舵装置81、動力装置83、制動装置85及び変速装置87を制御する。
【0016】
操舵装置81は、自車両1Aの操舵輪を操舵するアクチュエータを含む装置である。
動力装置83は、自車両1Aの駆動輪の駆動力を調整するアクチュエータを含む装置である。このアクチュエータには、自車両1Aの動力源がエンジンである場合にはスロットルアクチュエータが該当し、動力源がモータである場合には当該モータが該当する。
制動装置85は、駐車支援装置100からの情報に基づいて、自車両1Aに設けられたブレーキシステムを制御し、自車両1Aの車輪に付与する制動力を制御するアクチュエータを含む装置である。
変速装置87は、変速機及びアクチュエータを含む装置である。変速装置87は、アクチュエータを駆動して変速機のシフト位置を制御し、変速機の変速比や、自車両1Aの前進及び後進を切り替える。
【0017】
また、車両制御ユニット70は、駐車支援装置100に完了通知や、停止通知を出力する。車両制御ユニット70は、制御情報に基づく駆動装置80の制御が完了し、自車両1Aが制御情報に設定された目的の位置に到着すると、完了通知を駐車支援装置100に出力する。
また、車両制御ユニット70は、駆動装置80の制御の途中で障害物等を検出して自車両1Aの走行を停止したり、運転者の操作により自車両1Aの走行が停止したりした場合、停止通知を駐車支援装置100に出力する。
【0018】
駐車支援装置100は、入出力インターフェイス110、メモリ120及びプロセッサ130を備えるコンピュータ装置である。駐車支援装置100は、これらの装置の他に、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等のストレージ装置等を備える構成であってもよい。以下、インターフェイスをI/Fと略記する。
【0019】
入出力I/F110は、通信バス5に接続され、通信バス5に接続された外部の装置と相互にデータ通信を行う。外部の装置には、位置検出ユニット10、検出装置20、表示部50及び車両制御ユニット70が含まれる。
【0020】
メモリ120は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等により構成される。また、メモリ120を、フラッシュメモリ等の不揮発性の半導体メモリにより構成してもよい。メモリ120は、プロセッサ130が実行するコンピュータプログラムや、プロセッサ130がコンピュータプログラムの実行時に処理されるデータや処理結果のデータを記憶する。また、メモリ120は、撮影部30が撮影した撮影画像や、ソナーユニット40が出力したセンサデータを記憶する。
プロセッサ130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Microprocessor Unit)等により構成される。
【0021】
駐車支援装置100は、機能的構成として、位置取得部131、状況取得部132、周辺マップ生成部133、駐車位置決定部134、経路生成部135及び制御情報生成部136を備える。これらの機能的構成は、プロセッサ130が、コンピュータプログラムを実行して演算を行うことで実現される機能である。
【0022】
位置取得部131には、位置検出ユニット10により算出された自車両1Aの位置情報及び方位情報が入力される。位置取得部131は、位置検出ユニット10から入力された位置情報や方位情報を、周知のデッドレコニングの手法を用いて補正する。位置取得部131は、補正した位置情報及び方位情報を周辺マップ生成部133及び経路生成部135に出力する。
【0023】
状況取得部132は、撮影部30に撮影を実行させ、撮影部30が生成した撮影画像を周囲情報として取得する。状況取得部132は、撮影部30から取得した撮影画像をメモリ120に一時的に記憶させる。
また、状況取得部132は、ソナーユニット40にセンシングを実行させ、ソナーユニット40のセンシング結果であるセンサデータを周囲情報として取得する。状況取得部132は、ソナーユニット40から取得したセンサデータをメモリ120に一時的に記憶させる。
【0024】
周辺マップ生成部133は、位置取得部131から入力される位置情報及び方位情報や、メモリ120に記憶した撮影画像及びセンサデータに基づき、自車両1Aの周囲の状況を示す周辺マップを生成する。周辺マップには、自車両1Aの周囲に存在する物体の位置や物体までの距離、駐車場の路面にペイントされた白線等の駐車枠の位置等が記録される。周辺マップに記録される物体には、例えば、駐車枠に駐車した他車両1Bや、駐車場の柱等の構造物等が含まれる。駐車枠は、所定の太さで路面にペイントされているため、白線の太さに相当する間隔が周期的な特徴として検出される。
【0025】
駐車位置決定部134は、周辺マップ生成部133が生成した周辺マップを参照して、自車両1Aが駐車する駐車枠W(図2参照)を決定する。例えば、駐車位置決定部134は、周辺マップに記録された駐車枠の中から、障害物が検出されず、自車両1Aからの距離が予め設定された設定距離以下の駐車枠Wを選択する。駐車位置決定部134は、選択した駐車枠W内に自車両1Aが駐車する位置や角度を設定して駐車位置Pを決定する。
【0026】
経路生成部135は、生成位置S3(図2参照)を決定し、決定した生成位置S3に自車両1Aが移動する移動経路R1を生成する。経路生成部135は、周辺マップを参照して、公知の手段により移動経路R1を生成する。
生成位置S3は、経路生成部135が駐車経路R2を生成する位置である。駐車経路R2は、自車両1Aの位置が、生成位置S3から駐車位置Pに移動する経路である。駐車支援装置100は、タッチパネル等により駐車支援の開始操作を受け付けた位置とは異なる他の位置を生成位置S3として決定し、決定した生成位置S3において駐車経路R2を生成する。また、生成位置S3は、自車両1Aの後端の少なくとも一部が駐車枠W内に位置するように生成される。生成位置S3及び移動経路R1の決定手順については、図2図11を参照しながら後述する。なお、本明細書では、経路の目的地が駐車位置Pである経路を駐車経路といい、経路の目的地が駐車位置P以外の位置である経路を移動経路という。
【0027】
図2は、移動経路R1の一例及び駐車枠を示す図である。図2には、図面視で、駐車位置Pの右隣りの駐車枠に他車両1Bが駐車し、図面視で、駐車位置Pの左隣りは柱等の駐車場の構造物7が配置された例を示す。
図2に示すように移動経路R1には、前進旋回経路R1A、中間位置S2及び後退旋回経路R1Bが含まれる。
前進旋回経路R1Aは、自車両1Aが旋回しながら前進する経路であり、経路の一部に自車両1Aが前方に直進する経路を含んでもよい。
後退旋回経路R1Bは、自車両1Aが旋回しながら後退する経路であり、経路の一部に自車両1Aが後方に直進する経路を含んでもよい。
中間位置S2は、自車両1Aの進行方向を前進から後退に切り替える位置であり、自車両1Aの走行が一旦停止し、シフト操作を行って自車両1Aの進行方向が前進から後退に変更する位置である。
また、図2に示す位置S1は、駐車支援の開始操作をタッチパネルにより受け付けて、駐車支援装置100が移動経路R1を生成した位置である。以下、位置S1を初期位置S1という。
【0028】
図3は、自車両1Aが駐車枠W内のずれた位置に駐車した状態を示す図である。
ここで、駐車支援装置100が、初期位置S1ではなく、生成位置S3において駐車経路R2を生成する理由について説明する。
自車両1Aに搭載されたソナーユニット40の検出精度が低い場合、駐車枠や障害物の検出精度が低く、駐車位置Pに駐車したときに自車両1Aが駐車枠W内のずれた位置に駐車してしまう場合がある。図3に破線で示す自車両1Aは、自車両1Aが駐車枠Wの適切な位置に駐車した場合を示し、図3に実線で示す自車両1Aは、自車両1Aが図面視で駐車枠Wの右側にずれ、さらに駐車枠Wに対して斜めに駐車した場合を示す。図3に示すようなずれた位置に自車両1Aが駐車した場合、自車両1Aの運動特性により駐車位置を補正することができず、自車両1Aの右側に駐車する他車両1Bとの距離が近くなり、自車両1Aのドアを開閉したときに他車両1Bに接触してしまう場合もある。
【0029】
駐車支援装置100は、ソナーユニット40の検出精度のため、図2に示すように、自車両1Aの後端の少なくとも一部が、駐車枠W内に位置するように移動経路R1及び生成位置S3を決定する。ソナーユニット40は、測定対象との距離が近いほど、検出精度を高めることができる。
また、ソナーユニット40の検出精度は、自車両1Aの前方や側方よりも、自車両1Aの後端のほうが検出精度が高くなるように設定されている。これは、自車両1Aの後方は、運転者の死角が多いため、自車両1Aの後方の安全性を高める観点からこのような設計になっている。このため、駐車支援装置100は、自車両1Aの後端を駐車位置Pの方向に向け、自車両1Aの後端の少なくとも一部が駐車枠W内に入るように移動経路R1及び生成位置S3を設定することで、ソナーユニット40の検出精度に起因した障害物等の検出精度の低下を抑制している。
【0030】
また、経路生成部135は、自車両1Aが生成位置S3に移動すると、自車両1Aが生成位置S3から駐車位置Pに移動する駐車経路R2を生成する。経路生成部135は、自車両1Aが生成位置S3に到着した後、生成位置S3において状況取得部132が取得したセンサデータ及び撮影画像や、これらの情報に基づいて周辺マップ生成部133が生成した周辺マップに基づいて駐車経路R2を生成する。
【0031】
次に、生成位置S3の決定方法について説明する。
経路生成部135は、まず、前進旋回経路R1Aを設定する。経路生成部135は、移動距離t1と、旋回角度θ1との2つのパラメータを変更することにより前進旋回経路R1A及び中間位置S2を設定する。
移動距離t1は、例えば、自車両1Aの車幅方向の移動距離である。
旋回角度θ1は、例えば、自車両1Aが初期位置S1に位置しているときの車長方向を基準方向とし、この基準方向に対する右回りの回転角度である。
【0032】
図4は、初期位置S1と中間位置S2とに位置する自車両1Aを示す図である。
図4において、自車両1Aが初期位置S1に位置しているときの車長方向(基準方向)をm0と表記し、車幅方向をn0と表記する。また、自車両1Aが中間位置S2に移動したときの自車両1Aの車長方向をm1と表記し、車幅方向をn1と表記する。
移動距離t1は、図4に示すように初期位置S1と中間位置S2との車幅方向n0の距離である。また、旋回角度θ1は、初期位置S1の車長方向m0と、中間位置S2の車長方向m1とのなす角度である。
【0033】
移動距離t1には、上限値が設定されている。移動距離t1の上限値は、予め設定された値であってもよいし、自車両1Aが位置する通路の通路幅を撮影画像やソナーユニット40のセンサデータにより算出し、算出した通路幅に基づいて決定してもよい。つまり、通路を挟んで駐車位置Pの反対側にも駐車枠が設けられている場合に、この反対側の駐車枠に駐車した他車両1Bと衝突しないように移動距離t1の上限値が設定されていればよい。
【0034】
旋回角度θ1にも上限値が設定されている。図5は、自車両1Aの旋回角度θ1が上限値を超えた状態を示す図である。
経路生成部135は、例えば、旋回角度θ1が、初期位置S1における車長方向m0と車幅方向n0とのなす角度よりも大きくなった場合に、旋回角度θ1の上限値を超えたと判定する。
【0035】
経路生成部135は、前進旋回経路R1Aと中間位置S2とを決定すると、次に決定した中間位置S2から自車両1Aが後退する後退旋回経路R1Bと、生成位置S3とを決定する。経路生成部135は、旋回角度θ2のパラメータを変更しながら後退旋回経路R1Bと生成位置S3とを決定する。旋回角度θ2には、θ2の値を変更可能な範囲が予め設定されている。
【0036】
図6及び図7は、生成位置S3を示す図である。特に、図6は、自車両1Aが中間位置S2から後方右旋回した場合の後退旋回経路R1Bを示す図である。また、図7は、自車両1Aが中間位置S2から後方左旋回した場合の後退旋回経路R1Bを示す図である。
経路生成部135は、旋回角度θ2を変更しながら、後退経路R1Bと生成位置S3とを決定する。経路生成部135は、図6に示すように自車両1Aの後端と障害物との距離が予め設定された設定範囲内に近づく経路を後退旋回経路R1Bとして生成する。図6に示すように後退旋回経路R1Bとして後方右旋回の経路を生成する場合、自車両1Aの右側に位置する障害物である他車両1Bの側面と、自車両1Aの後端との距離が予め設定された設定範囲以内となるように後退旋回経路R1Bを生成する。
また、経路生成部135は、図7に示すように後退旋回経路R1Bとして後方左旋回の経路を生成する場合、自車両1Aの左側に位置する障害物である構造物7の側面と、自車両1Aの後端との距離が予め設定された設定範囲以内となるように後退旋回経路R1Bを生成する。自車両1Aの後端と、他車両1Bや構造物7の側面との距離が予め設定された設定範囲以内となる経路を後退旋回経路R1Bとして生成することで、後退旋回経路R1Bとして、自車両1Aの後端の少なくとも一部が駐車枠W内に入り込む経路を生成することができる。
【0037】
経路生成部135は、自車両1Aの後端と、障害物との距離が予め設定された設定範囲以内となるように後退旋回経路R1Bを生成すると、この後退旋回経路R1Bの末端位置に自車両1Aが位置するときの自車両1Aの車長方向m2と、駐車枠Wの長手方向W1とのなす角度θ3を算出する。
経路生成部135は、角度θ3の算出が初回である場合、算出した角度θ3をメモリ120に記憶する。また、経路生成部135は、メモリ120に角度θ3の値が記憶している場合、算出した角度θ3と、メモリ120に記憶した角度θ3と比較する。経路生成部135は、算出した角度θ3が、メモリ120に記憶した角度θ3よりも小さい場合、この角度θ3、及び、この角度θ3のときのパラメータである移動距離t1、旋回角度θ1、θ2をメモリ120に記憶する。
後退旋回経路R1Bとして、角度θ3が小さくなる経路を生成することで、自車両1Aが駐車枠Wの車長方向に平行となるように後退旋回経路R1Bが設定され、生成位置S3に移動した自車両1Aが駐車位置Pに移動する駐車経路R2の生成が容易になる。
経路生成部135は、パラメータである移動距離t1、旋回角度θ1、θ2の値を変更しながら、角度θ3が最小となる移動距離t1、旋回角度θ1、θ2の値を算出する。
【0038】
図8図10は、経路生成部135が後退旋回経路R1Bとして生成しない経路を示す図である。
図8は、自車両1Aの後端が、図面視で、駐車位置Pの右側に駐車した他車両1Bの前方に衝突する場合を示す。
経路生成部135は、後退旋回経路R1Bの末端において、自車両1Aの後端が、駐車位置Pの右側に位置する他車両1Bの前方に衝突する場合、この経路を後退旋回経路R1Bの候補から除外する。すなわち、経路生成部135は、この経路を生成するためのパラメータ(移動距離t1及び旋回角度θ1、θ2)をメモリ120には記憶しない。
【0039】
また、経路生成部135は、後退旋回経路R1Bとして後方右旋回の経路を生成する場合、駐車枠Wの右隣の障害物の側面との距離が、予め設定された設定範囲以内とはならない経路は、後退旋回経路R1Bの候補から除外する。同様に、経路生成部135は、後退旋回経路R1Bとして後方左旋回の経路を生成する場合、駐車枠Wの左隣の障害物の側面との距離が、予め設定された設定範囲以内とはならない経路は、後退旋回経路R1Bの候補から除外する。
例えば、図9に示すように、後退旋回経路R1Bとして後方右旋回の経路を生成する場合に、駐車枠Wの左側に位置する障害物である構造物7に接触又は衝突する経路は、後退旋回経路R1Bの候補から除外する。
また、図10に示すように、経路に沿って自車両1Aが移動しても、自車両1Aと障害物との距離が予め設定された設定範囲よりも大きい場合、この経路は、後退旋回経路R1Bの候補から除外する。自車両1Aと障害物との距離が予め設定された設定範囲以内とはならない場合、自車両1Aの移動を停止する他の条件を設定する必要があるが、この条件の設定が一律に決定できないためである。
【0040】
図11は、自車両1Aの生成位置S3への移動後に、経路生成部135が生成する駐車経路R2を示す図である。
経路生成部135は、車両制御ユニット70から完了通知が入力されると、位置検出ユニット10から入力される位置情報及び方位情報により自車両1Aが生成位置S3に移動したか否かを判定する。
経路生成部135は、自車両1Aが後退位置に到着したと判定すると、周辺マップ生成部133が新たに生成した周辺マップに基づいて駐車経路R2を生成する。駐車経路R2には、前進旋回経路R2A、中間位置S4及び後退旋回経路R2Bが含まれる。経路生成部135は、生成した駐車経路R2を制御情報生成部136に出力する。
制御情報生成部136は、駐車支援装置100から入力された駐車経路R2に対応した制御情報を生成する、制御情報生成部136は、生成した制御情報を車両制御ユニット70に出力する。これにより、自車両1Aの駐車位置Pへの駐車が完了する。
【0041】
図12及び図13は、駐車支援装置100の動作を示すフローチャートである。図12及び図13を参照しながら駐車支援装置100の動作について説明する。
まず、駐車支援装置100は、駐車支援の開始操作を表示部50に対するタッチ操作により受け付けたか否かを判定する(ステップS1)。駐車支援装置100は、駐車支援の開始操作を受け付けていない場合(ステップS1/NO)、開始操作を受け付けるまで次の処理の開始を待機する。
【0042】
駐車支援装置100は、駐車支援の開始操作を表示部50に対するタッチ操作により受け付けると(ステップS1/YES)、検出装置20から自車両1Aの周囲の情報である周囲情報を取得する(ステップS2)。駐車支援装置100は、取得した周囲情報に基づき、自車両1Aが駐車する駐車枠Wを決定する(ステップS3)。ステップS3は、決定ステップに相当する。
【0043】
駐車支援装置100は、検出した駐車枠W内に自車両1Aが駐車するときの角度や位置を設定し、自車両1Aが駐車する駐車位置Pを決定する(ステップS4)。次に、駐車支援装置100は、移動経路R1や生成位置S3を決定し(ステップS5)、決定した移動経路R1に対応した制御情報を車両制御ユニット70に出力する(ステップS6)。ステップS5は、経路生成ステップに相当する。ステップS6は、出力ステップに相当する。
【0044】
次に、駐車支援装置100は、生成位置S3への移動が完了したことを通知する完了通知が車両制御ユニット70から入力されたか否かを判定する(ステップS7)。駐車支援装置100は、完了通知の入力がない場合(ステップS7/NO)、完了通知が入力されるまで待機する。
駐車支援装置100は、完了通知が入力されると(ステップS7/YES)、生成位置S3において新たに取得した周囲情報に基づいて周辺マップを生成し、生成した周辺マップに基づいて駐車経路R2を生成する(ステップS8)。
【0045】
駐車支援装置100は、駐車経路R2を生成すると、生成した駐車経路R2に対応した制御情報を生成し、生成した制御情報を車両制御ユニット70に出力する(ステップS9)。
次に、駐車支援装置100は、駐車位置Pへの移動が完了したことを通知する完了通知が車両制御ユニット70から入力されたか否かを判定する(ステップS10)。駐車支援装置100は、完了通知の入力がない場合(ステップS10/NO)、完了通知が入力されるまで待機する。駐車支援装置100は、完了通知が入力されると(ステップS10/YES)、この処理フローを終了する。
【0046】
図13は、ステップS5の詳細を示すフローチャートである。
図13を参照しながらステップS5の詳細な動作について説明する。
まず、駐車支援装置100は、移動距離t1及び旋回角度θ1を設定し、前進旋回経路R1Aを設定する(ステップS501)。次に、駐車支援装置100は、旋回角度θ2を設定して後退旋回経路R1Bを設定する(ステップS502)。
【0047】
次に、駐車支援装置100は、設定した旋回角度θ2に基づき、後退旋回経路R1Bが後方右旋回であるか否かを判定する(ステップS503)。
駐車支援装置100は、後退旋回経路R1Bが後方右旋回である場合(ステップS503/YES)、設定した前進旋回経路R1A及び後退旋回経路R1Bに沿って自車両1Aが移動した場合に、駐車枠Wの右側に存在する障害物と自車両1Aとの距離が設定範囲内となるか否かを判定する(ステップS504)。
【0048】
駐車支援装置100は、自車両1Aが移動した場合に、障害物との距離が設定範囲内にはならないと判定した場合(ステップS504/NO)、ステップS510の処理に移行し、旋回角度θ2の値を変更する(ステップS510)。駐車支援装置100は、自車両1Aが移動した場合に、障害物との距離が設定範囲内になると判定した場合(ステップS504/YES)、ステップS506の判定に移行する。
【0049】
また、駐車支援装置100は、後退旋回経路R1Bが後方右旋回ではなく、後方左旋回であると判定した場合(ステップS503//NO)、設定した前進旋回経路R1A及び後退旋回経路R1Bに沿って自車両1Aが移動した場合に、駐車枠Wの左側に存在する障害物と自車両1Aとの距離が設定範囲内となるか否かを判定する(ステップS505)。
【0050】
駐車支援装置100は、自車両1Aが移動した場合に、障害物との距離が設定範囲内にならないと判定した場合(ステップS505/NO)、ステップS510の処理に移行し、旋回角度θ2の値を変更する(ステップS510)。駐車支援装置100は、自車両1Aが移動した場合に、障害物との距離が設定範囲内になると判定した場合(ステップS505/YES)、ステップS506の判定に移行する。
【0051】
駐車支援装置100は、ステップS506において、メモリ120にパラメータの値が記憶されているか否かを判定する。駐車支援装置100は、メモリ120にパラメータの値が記憶されている場合(ステップS506/YES)、生成位置S3における自車両1Aの車長方向m2と、駐車枠Wの長手方向W1とのなす角度θ3を算出する(ステップS507)。
【0052】
駐車支援装置100は、算出したなす角度θ3と、メモリ120に生成位置S3の候補として記憶した位置における自車両1Aの車長方向m2と、駐車枠Wの長手方向W1とのなす角度θ3とを比較する。駐車支援装置100は、算出したなす角度θ3が、メモリ120に生成位置S3の候補として記憶した位置におけるなす角度θ3以上である場合(ステップS508/NO)、ステップS510の処理に移行し、旋回角度θ2の値を変更する。
【0053】
また、駐車支援装置100は、算出したなす角度θ3が、メモリ120に生成位置S3の候補として記憶した位置におけるなす角度θ3よりも小さい場合(ステップS508/YES)、パラメータの値、生成位置S3の情報、及び角度θ3の情報をメモリ120に記憶する(ステップS509)。また、駐車支援装置100は、メモリ120にパラメータの値が記憶されていない場合も(ステップS506/NO)、パラメータの値、生成位置S3の情報、及び角度θ3の情報をメモリ120に記憶する(ステップS509)。メモリ120に記憶する生成位置S3の情報は、後退旋回経路R1Bの末端の位置の情報であってもよいし、後退旋回経路R1Bの末端から所定距離だけ中間位置S2の方向に戻った位置の情報であってもよい。
【0054】
次に、駐車支援装置100は、旋回角度θ2の値を変更し(ステップS510)、変更した旋回角度θ2が、旋回角度θ2として設定可能な範囲を超えたか否かを判定する(ステップS511)。駐車支援装置100は、旋回角度θ2が、旋回角度θ2として設定可能な範囲を超えていない場合(ステップS511/NO)、ステップS502に戻り、旋回角度θ2の値を変更し、変更した旋回角度θ2に基づいて後退旋回経路R1Bを設定する(ステップS502)。また、駐車支援装置100は、旋回角度θ2が、旋回角度θ2として設定可能な範囲を超えた場合(ステップS511/YES)、移動距離t1又は旋回角度θ1の値を変更する(ステップS512)。
【0055】
次に、駐車支援装置100は、移動距離t1及び旋回角度θ1を設定可能な範囲内で、すべて設定済みであるか否かを判定する(ステップS513)。すなわち、駐車支援装置100は、ステップS512で値を変更した移動距離t1及び旋回角度θ1の一方が設定可能な範囲よりも大きな値となり、旋回角度θ1及び移動距離t1の他方の値を変更しても設定可能な範囲よりも大きな値となる場合、移動距離t1及び旋回角度θ1を、設定可能な範囲内ですべて設定済みであると判定する。駐車支援装置100は、移動距離t1及び旋回角度θ1を設定可能な範囲内で、すべて設定済みではないと判定した場合(ステップS513/NO)、ステップS501に戻り、移動距離t1及び旋回角度θ1のいずれか一方の値を変更する。また、駐車支援装置100は、移動距離t1及び旋回角度θ1を設定可能な範囲内ですべて設定済みであると判定した場合(ステップS513/YES)、ステップS6の処理に移行する。
【0056】
以上説明したように本実施形態の駐車支援装置100は、入出力I/F110と、駐車位置決定部134と、経路生成部135と、制御情報生成部136とを備える。
入出力I/F110は、自車両1Aの後端を含む複数の位置に搭載された車載センサに接続される。
駐車位置決定部134は、自車両1Aの周囲の状況を示す周囲情報が、入出力I/F110を介して車載センサから入力されると、入力された周囲情報に基づいて自車両1Aが駐車する駐車枠Wを決定する。
経路生成部135は、決定した駐車枠Wに自車両1Aが駐車する駐車経路R2を生成する生成位置S3と、生成位置S3に自車両1Aが移動する移動経路R1とを生成する。
制御情報生成部136は、自車両1Aが走行するための駆動装置80を制御する制御情報であって、移動経路R1に従って自車両1Aが移動する制御情報を生成し、生成した制御情報を、入出力I/F110を介して駆動装置80の駆動を制御する車両制御ユニット70に出力する。
経路生成部135は、自車両1Aの後端の少なくとも一部が駐車枠内に位置するように生成位置S3を決定し、自車両1Aが生成位置に到着した後に、生成位置S3において、自車両1Aが駐車枠Wに駐車する駐車経路R2を生成する。
車載センサは、センシング対象との距離が近いほど、センサデータの精度を高めることができるので、自車両1Aの後端の少なくとも一部が駐車枠Wに位置するように生成位置S3に決定することで、精度の高いセンサデータが得られ、自車両1Aが駐車枠W内に精度よく駐車することができる。
また、経路を補正しながら自車両1Aが移動することがないため、駐車完了までの時間を短縮することができる。
【0057】
経路生成部135が生成する後退旋回経路R1Bには、旋回経路が含まれる。
経路生成部135は、後退旋回経路R1Bとして自車両1Aが後方に右旋回する経路を生成する場合、駐車枠に自車両1Aが後退駐車したときに自車両1Aの右側に位置する障害物との距離が予め設定された範囲内の距離となるように生成位置S3を決定し、決定した生成位置S3に自車両1Aが移動する移動経路R1を生成する。
また、経路生成部135は、後退旋回経路R1Bとして自車両1Aが後方に左旋回する経路を生成する場合、駐車枠に自車両1Aが後退駐車したときに自車両1Aの左側に位置する障害物との距離が予め設定された範囲内の距離となるように生成位置S3を決定し、決定した生成位置S3に自車両1Aが移動する移動経路R1を生成する。
従って、自車両1Aの後端の少なくとも一部が駐車枠W内に位置する生成位置S3を容易に決定し、決定した生成位置S3に自車両1Aが移動する移動経路R1を容易に生成することができる。
【0058】
経路生成部135は、生成位置に自車両1Aが位置する場合の自車両1Aの車長方向と、駐車枠の長手方向とのなす角度を算出し、算出した角度が小さくなるように後退旋回経路R1Bを変更する。
従って、自車両1Aの後端を駐車枠Wの方向に向けることができ、自車両1Aの後端に搭載した車載センサにより出力されるセンサデータの精度をさらに高めることができる。
【0059】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示したものであって、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば、図1に示す駐車支援装置100の構成を示すブロック図は、本願発明を理解容易にするために、構成要素を主な処理内容に応じて分類して示した概略図であり、構成要素は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0060】
また、図1において、駐車支援装置100が、位置検出ユニット10及び検出装置20の少なくとも一方を一体として備える構成であってもよい。
【0061】
また、本発明の駐車支援方法を、コンピュータを用いて実現する場合、このコンピュータに実行させるプログラムを記録媒体、又はこのプログラムを伝送する伝送媒体の態様で構成することも可能である。記録媒体には、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD(Hard Disk Drive)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu-ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、上記記録媒体は、駐車支援装置100が備えるROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。
【0062】
また、図7及び図8に示すフローチャートの処理単位は、駐車支援装置100の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。駐車支援装置100の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割してもよい。また、駐車支援装置100の処理は、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。
【符号の説明】
【0063】
1A 車両
1B 他車両
3 車載装置
5 通信バス
7 構造物
10 位置検出ユニット
20 検出装置
30 撮影部
31 フロントカメラ
32 リアカメラ
33 左サイドカメラ
34 右サイドカメラ
40 ソナーユニット
53 タッチセンサ
70 車両制御ユニット
80 駆動装置
81 操舵装置
83 動力装置
85 制動装置
87 変速装置
100 駐車支援装置
110 入出力I/F
120 メモリ
130 プロセッサ
131 位置取得部
132 状況取得部
133 周辺マップ生成部
134 駐車位置決定部
135 経路生成部
136 制御情報生成部
P 駐車位置
R1 移動経路
R1A、R2A 前進旋回経路
R1B、R2B 後退旋回経路
R2 第2駐車経路
S1 初期位置
S2 中間位置
S3 生成位置
S3 ステップ
S4 中間位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13