(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182801
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】表示装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0488 20220101AFI20221201BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20221201BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20221201BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20221201BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20221201BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20221201BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
G06F3/0488
G06F3/0481
G06F3/041 595
H04N1/00 350
B41J29/00 T
B41J29/42 F
G03G21/00 386
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090535
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】中屋 友希
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AS02
2C061BB10
2C061CQ04
2C061CQ05
2C061CQ23
2C061CQ24
2C061CQ34
2H270LA58
2H270NA05
2H270QA13
2H270QA46
2H270QA64
2H270QB14
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA05
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB40
5C062AB46
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC58
5E555AA71
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA27
5E555BB05
5E555BB06
5E555BB27
5E555BC04
5E555BE08
5E555CA13
5E555CB10
5E555CB12
5E555CB14
5E555CB55
5E555CC03
5E555DB05
5E555DB18
5E555DB20
5E555DB41
5E555DC13
5E555DC21
5E555DC63
5E555DD11
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】生体情報等の事前登録を要することなくユーザーの操作手を特定して、特定された操作手に適した画面を表示できる表示装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】表示装置を含む画像形成装置は、制御部を含む。制御部は、タッチパネルに対するタッチ操作の検知領域に基づいて、ユーザーの操作手が右手及び左手のうちのいずれであるかを判定し、操作手が右手であると判定した場合に、右手操作用として予め定められた第1画面としてのホーム画面を表示部に表示させ、操作手が左手であると判定した場合に、左手操作用として予め定められた第2画面としてのホーム画面を表示部に表示させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域に画面を表示する表示部と、
前記表示領域に重ねて配置されるタッチパネルと、
前記タッチパネルに対する操作の検知結果に基づいて、ユーザーの操作手が右手及び左手のうちのいずれであるかを判定し、前記操作手が右手であると判定した場合に、右手操作用として予め定められた第1画面を前記表示部に表示させ、前記操作手が左手であると判定した場合に、左手操作用として予め定められた第2画面を前記表示部に表示させる制御部と、を備える、表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記タッチパネルに対するタッチ操作の検知領域が楕円形状である場合に、前記表示領域の縦方向に伸びる予め定められた基準軸と、前記検知領域の長軸との成す角の角度を算出し、前記角度が反時計回り方向の角度である場合に前記操作手が右手であると判定し、前記角度が時計回り方向の角度である場合に前記操作手が左手であると判定する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記タッチパネルに対するスワイプ操作の終点が当該スワイプ操作の起点よりも前記表示領域において右側に位置する場合に前記操作手が右手であると判定し、前記終点が前記起点よりも前記表示領域において左側に位置する場合に前記操作手が左手であると判定する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記操作手を特定できない場合において、前記タッチパネルを介して前記操作手として右手を選択するための指示を受付けた場合、前記第1画面を前記表示部に表示させ、前記タッチパネルを介して前記操作手として左手を選択するための指示を受付けた場合、前記第2画面を前記表示部に表示させる、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記操作手を特定できない場合、前記第1画面を前記表示部に表示させた上で、前記操作手として左手を選択するか否かを問うメッセージを前記表示部に更に表示させ、前記タッチパネルを介して前記操作手として左手を選択するための指示を受付けた場合には、前記第1画面から切換えて前記第2画面を前記表示部に表示させる、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の表示装置と、
画像を記録媒体に形成する画像形成部と、を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び画像形成装置に関し、特に、画面を切替えて表示するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルを操作する手が右手及び左手のいずれであるかを判定するための技術が知られている。例えば、特許文献1は、ユーザーの指静脈を示す画像、及び、当該画像が右手及び左手のいずれに対応するのかを示す情報を、指情報として予めユーザー毎に登録しておき、生体情報読取部によって読取られたユーザーの指静脈と指情報とに基づいて、タッチパネルを操作する手が右手であると判定した場合に、右手での操作に適した画面を表示部に表示させ、左手であると判定した場合に、左手での操作に適した画面を表示部に表示させる技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている技術では、ユーザーの操作手を特定するための生体情報等を事前に登録する必要があるため、手間がかかる。また、生体情報等を事前に登録していない場合には、ユーザーの操作手を特定できないため、操作手に適した画面を表示できないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、生体情報等の事前登録を要することなくユーザーの操作手を特定して、特定された操作手に適した画面を表示できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に係る表示装置は、表示領域に画面を表示する表示部と、表示領域に重ねて配置されるタッチパネルと、タッチパネルに対する操作の検知結果に基づいて、ユーザーの操作手が右手及び左手のうちのいずれであるかを判定し、操作手が右手であると判定した場合に、右手操作用として予め定められた第1画面を表示部に表示させ、操作手が左手であると判定した場合に、左手操作用として予め定められた第2画面を表示部に表示させる制御部と、を備える。
【0007】
本発明の他の一局面に係る画像形成装置は、上記した表示装置と、画像を記録媒体に形成する画像形成部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、タッチパネルに対する操作の検知結果に基づいてユーザーの操作手を特定するので、生体情報等の事前登録を要することなくユーザーの操作手を特定して、特定された操作手に適した画面を表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の構造を示す正面断面図である。
【
図2】画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図3】第1操作手判別処理を示すフローチャートである。
【
図4】タッチパネルに対するタッチ操作の一例を示す図である。
【
図8】第2操作手判別処理を示すフローチャートである。
【
図9】タッチパネルに対する右手によるスワイプ操作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態に係る表示装置を含む画像形成装置について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の構造を示す正面断面図である。
図2は、画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
【0011】
図1及び
図2を参照して、画像形成装置1は、コピー機能、送信機能、プリンター機能、及びファクシミリ機能等の複数の機能を備える複合機である。画像形成装置1の筐体には、画像形成装置1の様々な機能を実現するための複数の機器が収容されている。例えば、筐体には、画像読取部11、画像形成部12、定着部13、及び給紙部14等が収容されている。
【0012】
画像形成装置1は、制御ユニット100を含む。制御ユニット100は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を含む。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。
【0013】
制御ユニット100は、ROM又はHDD18に記憶されている制御プログラムが上記プロセッサーによって実行されることにより、制御部10として機能する。なお、制御部10は、上記制御プログラムに基づく動作によらず、ロジック回路により構成されてもよい。
【0014】
制御部10は、画像形成装置1の全体制御を司る。より詳細には、制御部10は、画像形成装置1の各部の動作、及び、ネットワークを介して接続されているPC(Personal Computer)23等との通信を制御する。制御部10はまた、後述する第1判別プログラムにしたがって動作することによって、タッチパネル16Aに対するタッチ操作の検知領域に基づいて、ユーザーの操作手が右手及び左手のうちのいずれであるかを判定し、操作手が右手であると判定した場合に、右手操作用として予め定められた第1画面を表示部15に表示させ、操作手が左手であると判定した場合に、左手操作用として予め定められた第2画面を表示部15に表示させる第1操作手判別処理を実行する。
【0015】
制御ユニット100は、原稿搬送部6、画像読取部11、画像形成部12、定着部13、給紙部14、表示部15、タッチパネル16Aを含む操作部16、搬送部17、HDD18、画像処理部19、画像メモリー20、ファクシミリ通信部21、及び通信部22等と電気的に接続されている。表示部15、タッチパネル16Aを含む操作部16、及び制御ユニット100は、表示装置2を構成する。
【0016】
画像読取部11は、原稿台に載置されている原稿を搬送する原稿搬送部6と、原稿搬送部6によって搬送されてくる原稿又はプラテンガラス7に載置されている原稿を光学的に読み取るスキャナーと、を含むADF(Auto Document Feeder)である。画像読取部11は、光照射部により原稿を照射し、その反射光をCCD(Charge-Coupled Device)センサーで受光することによって、原稿を読取って、原稿画像を示す画像データを生成する。
【0017】
画像形成部12は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、及び転写装置を含む。画像形成部12は、画像読取部11によって生成された画像データ、又は、通信部22を介して入力された画像データ等に基づいて、搬送部17によって搬送路Tに沿って搬送されてくる記録紙Pに、トナー像によって構成されている画像を形成する。
【0018】
定着部13は、画像形成部12によってトナー像が形成された記録紙Pを加熱及び加圧することによってトナー像を記録紙Pに定着させる。定着部13によってトナー像が定着された記録紙Pは、排出トレイ8に排出される。
【0019】
給紙部14は、手差しトレイ、及び複数の給紙カセットを備える。給紙部14は、複数の給紙カセットのいずれかに収容されている記録紙P、又は手差しトレイに載置されている記録紙をピックアップローラーによって一枚ずつ引出して、搬送路Tに給紙する。
【0020】
表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機EL(Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイ等によって構成されている表示装置である。表示部15は、制御部10の制御にしたがって、画像形成装置1によって実行可能な各機能についての各種の画面を表示領域に表示する。本実施形態では、表示部15の表示領域の形状は、横方向に長い形状であるものとする。
【0021】
操作部16は、各処理の実行開始を指示するためのスタートキー等の複数のハードキーを含む。操作部16はまた、表示部15の表示領域に重ねて配置されるタッチパネル16Aを含む。タッチパネル16Aとしては、一般的なものであれば特に限定されないが、静電容量方式のタッチパネルが好ましい。ユーザーは、操作部16を介して、画像形成装置1によって実行可能な各機能についての指示等の各種の情報を入力する。
【0022】
搬送部17は、搬送ローラー対17A及び排出ローラー対17B等と、搬送ローラー対17A及び排出ローラー対17B等と接続されている搬送モーターとを含む。制御部10は、搬送モーターを駆動させて搬送ローラー対17A及び排出ローラー対17B等を回転させることによって、画像形成部12及び排出トレイ8に向けて、給紙部14によって給紙された記録紙Pを搬送路Tに沿って搬送させる。
【0023】
HDD18は、画像読取部11によって生成された画像データ等の各種データを記憶するための大容量の記憶装置である。HDD18は、画像形成装置1の一般的な動作を実現するための各種制御プログラムを記憶する。HDD18は、各種制御プログラムの1つとして、本発明の一実施形態に係る第1操作手判別処理を実行するための第1判別プログラムを記憶している。
【0024】
画像処理部19は、画像読取部11によって生成された画像データに対して、必要に応じて画像処理を実行する。画像メモリー20は、画像読取部11によって生成された画像データを一時的に記憶する領域を含む。ファクシミリ通信部21は、公衆回線への接続を行ない、公衆回線を介して画像データの送受信を行なう。
【0025】
通信部22は、LAN(Local Area Network)ボード等の通信モジュールを含む。画像形成装置1は、通信部22を介して、ネットワークを介して接続されているPC23等とデータ通信を行なう。
【0026】
画像形成装置1の各部には電源が接続されており、当該電源から電力が供給されることによって、画像形成装置1の各部が動作する。
【0027】
[動作]
図3は、第1操作手判別処理を示すフローチャートである。
図4は、タッチパネルに対するタッチ操作の一例を示す図である。
図5は、第1画面の一例を示す図である。
図6は、第2画面の一例を示す図である。
図7は、確認画面の一例を示す図である。以下、
図3乃至
図7等を参照して、第1操作手判別処理の実行時における画像形成装置1の動作について説明する。
【0028】
第1の実施形態では、制御部10は、操作手が右手及び左手のうちのいずれであるかを判定するに際し、タッチパネル16Aに対するタッチ操作の検知領域(すなわち、タッチパネル16Aとユーザーの指との接触領域)の形状が、操作手が右手である場合には、表示領域の縦方向に伸びる基準軸に対して反時計回り方向に傾斜し、操作手が左手である場合には、当該基準軸に対して時計回り方向に傾斜するという第1の特性を利用するものとする。
【0029】
画像形成装置1の電源が投入されると、制御部10は、
図3に示す第1操作手判別処理の実行を開始する。第1操作手判別処理の実行を開始すると、制御部10は、表示部15に対し、例えば「タッチパネルに触れて下さい。」等の、ユーザーに対してタッチ操作を促すための第1メッセージを表示させる(ステップS11)。ステップS11の処理後、制御部10は、タッチパネル16Aがタッチ操作を検知するまで、タッチ操作を受付けていないと判定する処理を繰返す(ステップS12にてNO)。
【0030】
(1)操作手が右手である場合
このような状況で、ユーザーは、
図4に示すように、タッチパネル16Aを右手41の人差し指でタッチしたものとする。タッチパネル16Aが当該タッチ操作を検知すると、制御部10は、タッチ操作を受付けたと判定し(ステップS12にてYES)、タッチパネル16Aにおける当該タッチ操作の検知領域を取得する(ステップS13)。この場合、制御部10は、楕円形状の検知領域42を取得する。
【0031】
ステップS13の処理後、制御部10は、取得された検知領域が楕円形状であるか否かを判定する(ステップS14)。この場合、制御部10は、取得された検知領域42が楕円形状であると判定し(ステップS14にてYES)、予め定められた基準軸X1と、検知領域の長軸X2との成す角(鋭角)の角度θを算出する(ステップS15)。この場合、制御部10は、基準軸X1として、表示部15の表示領域の縦方向(すなわち、当該表示領域の短手方向)に伸びる軸を設定している。
【0032】
ここで、制御部10は、基準軸X1に対して時計回り方向の角度を正の値として算出し、基準軸X1に対して反時計回り方向の角度を負の値として算出するものとする。この場合、制御部10は、角度θとして、「-20」度を算出したものとする。ステップS15の処理後、制御部10は、算出された角度が反時計回り方向の角度であるか否かを判定する(ステップS16)。
【0033】
この場合、算出された角度は負の値であるので、制御部10は、算出された角度θが反時計回り方向の角度である、すなわち、ユーザーの操作手が右手であると判定し(ステップS16にてYES)、右手操作用として予め定められた第1画面を、表示部15の表示領域に表示させる(ステップS17)。
【0034】
この場合、制御部10は、
図5に示すように、第1画面として、領域51に含まれるヘルプボタン51A等が、表示部15の表示領域の長手方向一端側、すなわち右側寄りに配置されたホーム画面50を、当該表示領域に表示させる。ステップS17の処理後、制御部10は、第1操作手判別処理を終了する。
【0035】
(2)操作手が左手である場合
一方、ユーザーが、タッチパネル16Aを左手の人差し指でタッチしたものとする。タッチパネル16Aが当該タッチ操作を検知すると、制御部10は、タッチ操作を受付けたと判定して(ステップS12にてYES)、上記と同様にして、ステップS13からステップS15までの処理を実行する。この場合、制御部10は、ステップS15において、角度θとして、「+20」度を算出したものとする。
【0036】
この場合、算出された角度は正の値であるので、制御部10は、算出された角度θが反時計回り方向の角度ではなく時計回り方向の角度である、すなわち、ユーザーの操作手が左手であると判定し(ステップS16にてNO)、左手操作用として予め定められた第2画面を、表示部15の表示領域に表示させる(ステップS18)。
【0037】
この場合、制御部10は、
図6に示すように、第2画面として、領域61に含まれるヘルプボタン61A等が、表示部15の表示領域の長手方向他端側、すなわち左側寄りに配置されたホーム画面60を、当該表示領域に表示させる。ステップS18の処理後、制御部10は、第1操作手判別処理を終了する。
【0038】
(3)操作手を特定できない場合
制御部10は、取得された検知領域が楕円形状ではないと判定した場合(ステップS14にてNO)、すなわち、操作手を特定できない場合、
図7に示すように、操作手として左手を選択するためのソフトキー71と、操作手として右手を選択するためのソフトキー72とを含む確認画面70を、表示部15の表示領域に表示させる(ステップS19)。
【0039】
ステップS19の処理後、制御部10は、ソフトキー71又はソフトキー72がタッチされるまで、操作手として右手を選択するための指示を受付けていないと判定する処理(ステップS20にてNO)、及び、操作手として左手を選択するための指示を受付けていないと判定する処理(ステップS21にてNO)を繰返す。
【0040】
このような状況で、ユーザーがソフトキー72をタッチした場合、制御部10は、右手を選択するための指示を受付けたと判定し(ステップS20にてYES)、ステップS17の処理に進む。一方、ユーザーがソフトキー71をタッチした場合、制御部10は、左手を選択するための指示を受付けたと判定し(ステップS21にてYES)、ステップS18の処理に進む。
【0041】
第1の実施形態によれば、制御部10は、タッチパネル16Aに対するタッチ操作の検知領域に基づいて、ユーザーの操作手が右手及び左手のうちのいずれであるかを判定し、操作手が右手であると判定した場合に、第1画面としてのホーム画面50を表示部15に表示させ、操作手が左手であると判定した場合に、第2画面としてのホーム画面60を表示部15に表示させる。
【0042】
具体的には、制御部10は、タッチパネル16Aに対するタッチ操作の検知領域42が楕円形状である場合に、基準軸X1と、検知領域42の長軸X2との成す角度θを算出し、角度θが反時計回り方向の角度である場合に操作手が右手であると判定し、角度θが時計回り方向の角度である場合に操作手が左手であると判定する。
【0043】
このように、上記した第1の特性にしたがって、タッチ操作の検知領域に基づいてユーザーの操作手を特定するので、生体情報等の事前登録を要することなくユーザーの操作手を特定して、特定された操作手に適した画面を表示できる。
【0044】
また第1の実施形態によれば、制御部10は、操作手を特定できない場合において、タッチパネル16Aを介して操作手として右手を選択するための指示を受付けた場合、ホーム画面50を表示部15に表示させ、タッチパネル16Aを介して操作手として左手を選択するための指示を受付けた場合、ホーム画面60を表示部15に表示させる。
【0045】
このように、タッチ操作の検知領域に基づいて操作手を特定できない場合であっても、ユーザーは、タッチパネル16Aを用いて操作手を特定するための指示を入力することで、操作手に適した画面を表示部15に表示させることができる。したがって、ユーザーの利便性が向上する。
【0046】
また第1の実施形態によれば、画像形成装置1は、表示装置2と、画像形成部12と、を備える。これにより、画像形成を実行するための指示等を入力するための画面が、操作手に適した状態で表示部15に表示される。したがって、ユーザーの操作性に優れる画像形成装置を提供できる。
【0047】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置1は、HDD18が、第2操作手判別処理を実行するための第2判別プログラムを、上記第1判別プログラムに代えて記憶している点を除き、第1の実施形態に係る画像形成装置1と同じ構成を備える。以下、第2の実施形態において、第1の実施形態とは異なる点について説明する。
【0048】
第2の実施形態では、制御部10は、第2判別プログラムにしたがって動作することによって、タッチパネル16Aに対するスワイプ操作の起点及び終点に基づいて、ユーザーの操作手が右手及び左手のうちのいずれであるかを判定し、操作手が右手であると判定した場合に第1画面を表示部15に表示させ、操作手が左手であると判定した場合に第2画面を表示部15に表示させる第2操作手判別処理を実行する。
【0049】
[動作]
図8は、第2操作手判別処理を示すフローチャートである。
図9は、タッチパネルに対するスワイプ操作の一例を示す図である。以下、
図8及び
図9等を参照して、第2操作手判別処理の実行時における画像形成装置1の動作について説明する。
【0050】
第2の実施形態では、制御部10は、操作手が右手及び左手のうちのいずれであるかを判定するに際し、タッチパネル16Aに対するスワイプ操作の軌跡が、操作手が右手である場合には、表示部15の表示領域の右側(すなわち、当該表示領域の長手方向一端側)に湾曲し、操作手が左手である場合には表示部15の表示領域の左側(すなわち、当該表示領域の長手方向他端側)に湾曲するという第2の特性を利用する。
【0051】
画像形成装置1の電源が投入されると、制御部10は、
図8に示す第2操作手判別処理の実行を開始する。第2操作手判別処理の実行を開始すると、制御部10は、表示部15に対し、例えば「タッチパネルに対して上方向のスワイプ操作を行なって下さい。」等の、ユーザーに対して、表示部15の表示領域の上方向(すなわち、当該表示領域の短手方向一端に向かう方向)のスワイプ操作を促すための第2メッセージを表示させる(ステップS31)。ステップS31の処理後、制御部10は、タッチパネル16Aが上方向のスワイプ操作を検知するまで、スワイプ操作を受付けていないと判定する処理を繰返す(ステップS32にてNO)。
【0052】
(1)操作手が右手である場合
このような状況で、ユーザーは、
図9に示すように、タッチパネル16A上で右手91の人差し指をスワイプさせたものとする。タッチパネル16Aが当該スワイプ操作を検知すると、制御部10は、スワイプ操作を受付けたと判定し(ステップS32にてYES)、タッチパネル16Aにおける当該スワイプ操作の起点の座標と終点の座標とを取得する(ステップS33)。この場合、
図9に示すように、制御部10は、スワイプ操作の終点P2の座標として、起点P1の座標が示す位置よりも表示部15の表示領域の右側(すなわち、当該表示領域の長手方向一端側)の位置を示す座標を取得したものとする。
【0053】
ステップS33の処理後、制御部10は、取得された終点が起点よりも表示領域において右側に位置するか否かを判定する(ステップS34)。この場合、制御部10は、終点P2が起点P1よりも表示領域の右側に位置する、すなわち、ユーザーの操作手が右手であると判定し(ステップS34にてYES)、
図5に示すホーム画面50を、第1画面として表示部15の表示領域に表示させる(ステップS35)。ステップS35の処理後、制御部10は、第2操作手判別処理を終了する。
【0054】
(2)操作手が左手である場合
一方、ユーザーが、タッチパネル16A上で左手の人差し指をスワイプさせたものとする。タッチパネル16Aが当該スワイプ操作を検知すると、制御部10は、スワイプ操作を受付けたと判定して(ステップS32にてYES)、上記と同様にして、ステップS33の処理を実行する。この場合、制御部10は、スワイプ操作の終点の座標として、起点の座標が示す位置よりも表示領域の左側(すなわち、当該表示領域の長手方向他端側)の位置を示す座標を取得したものとする。
【0055】
ステップS33の処理後、制御部10は、取得された終点が起点よりも表示領域において右側に位置しないと判定するとともに(ステップS34にてNO)、取得された終点が起点よりも表示領域において左側に位置する、すなわち、ユーザーの操作手が左手であると判定し(ステップS36にてYES)、
図6に示すホーム画面60を、第2画面として表示部15の表示領域に表示させる(ステップS37)。ステップS37の処理後、制御部10は、第2操作手判別処理を終了する。
【0056】
(3)操作手を特定できない場合
制御部10は、取得された終点が、起点に対し表示領域の右側及び左側のいずれにも位置しないと判定した場合(ステップS34にてNO,ステップS36にてNO)、すなわち、操作手を特定できない場合、
図7に示す確認画面70を、表示部15の表示領域に表示させる(ステップS38)。
【0057】
ステップS38の処理後、制御部10は、ソフトキー71又はソフトキー72がタッチされるまで、操作手として右手を選択するための指示を受付けていないと判定する処理(ステップS39にてNO)、及び、操作手として左手を選択するための指示を受付けていないと判定する処理(ステップS40にてNO)を繰返す。
【0058】
このような状況で、ユーザーがソフトキー72をタッチした場合、制御部10は、右手を選択するための指示を受付けたと判定し(ステップS39にてYES)、ステップS35の処理に進む。一方、ユーザーがソフトキー71をタッチした場合、制御部10は、左手を選択するための指示を受付けたと判定し(ステップS40にてYES)、ステップS37の処理に進む。
【0059】
第2の実施形態によれば、制御部10は、タッチパネル16Aに対するスワイプ操作の起点及び終点に基づいて、ユーザーの操作手が右手及び左手のうちのいずれであるかを判定し、操作手が右手であると判定した場合に、第1画面としてのホーム画面50を表示部15に表示させ、操作手が左手であると判定した場合に、第2画面としてのホーム画面60を表示部15に表示させる。
【0060】
具体的には、制御部10は、タッチパネル16Aに対するスワイプ操作の終点が当該スワイプ操作の起点よりも表示領域において右側に位置する場合に操作手が右手であると判定し、終点が起点よりも表示領域において左側に位置する場合に操作手が左手であると判定する。
【0061】
このように、上記した第2の特性にしたがって、スワイプ操作の起点及び終点に基づいてユーザーの操作手を特定するので、生体情報等の事前登録を要することなくユーザーの操作手を特定して、特定された操作手に適した画面を表示できる。
【0062】
(その他の変形例)
上記第1及び第2の実施形態では、第1画面及び第2画面としてホーム画面を例示したが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、第1画面及び第2画面は、コピー機能又はファクシミリ機能等の設定を行なうための設定画面であってもよい。
【0063】
また第1及び第2の実施形態では、表示部15の表示領域の形状は、横方向に長い形状であったが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、表示領域の形状は、縦方向に長い形状であってもよい。
【0064】
また第1及び第2の実施形態では、制御部10は、操作手を特定できない場合、確認画面70を表示部15の表示領域に表示させたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、制御部10は、操作手を特定できない場合、第1画面を表示部15に表示させた上で、操作手として左手を選択するか否かを問う確認メッセージを表示部15に更に表示させてもよい。
【0065】
図10は、第1画面の他の一例を示す図である。この場合、制御部10は、
図10に示すように、第1画面としてのホーム画面50を表示部15に表示させた上で、確認メッセージ101を表示部15に更に表示させる。ユーザーが、移行キー102をタッチした場合、制御部10は、タッチパネル16Aを介して、操作手として左手を選択するための指示を受付けたと判定し、ホーム画面50に代えて、第2画面としてのホーム画面60を、表示部15に表示させる。
【0066】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、画像形成装置として、カラー複合機である画像形成装置1を用いているが、これは一例に過ぎず、モノクロ複合機、コピー機、又はファクシミリ装置等の他の画像形成装置が用いられてもよい。
【0067】
また上記実施形態では、表示装置として、画像形成装置1に備えられた表示装置2を用いているが、これは一例に過ぎず、タブレット端末、又は、スマートフォン等の他の表示装置が用いられてもよい。
【0068】
また上記実施形態では、画像形成部12等は、記録紙Pに画像を形成したが、本発明はそのような実施形態に限定されない。画像形成部12等は、記録紙に限らず、他の記録媒体に画像を形成してもよい。他の記録媒体としては、例えば、OHP(Overhead Projector)シートを例示できる。
【0069】
また、
図1乃至
図10を用いて示した上記実施形態の構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0070】
1 画像形成装置
2 表示装置
10 制御部
12 画像形成部
15 表示部
16A タッチパネル