(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182808
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】搬送機構および小袋移載装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/91 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
B65G47/91 B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090545
(22)【出願日】2021-05-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1) 公開場所 MGCエージレス株式会社 白河事業所(〒961-0005 福島県白河市豊地箭内小屋1-8) 公開日 令和2年7月31日 (2) 公開場所 株式会社旭金属(〒602-8176 京都府京都市上京区下立売通智恵光院西入下丸屋町505番地) 公開日 令和3年4月19日~21日
(71)【出願人】
【識別番号】390000538
【氏名又は名称】株式会社旭金属
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】田辺 孝亘
(72)【発明者】
【氏名】淺田 昌之
【テーマコード(参考)】
3F072
【Fターム(参考)】
3F072AA30
3F072GA10
3F072GB07
3F072GB10
3F072GE03
3F072GG01
3F072JA01
3F072KC02
3F072KC07
3F072KC10
3F072KC17
(57)【要約】
【課題】小袋に所定の処理を施した上で所定の位置に搬送することが可能な搬送機構を実現する。
【解決手段】搬送機構(30)は、第1回転軸(311)と、第1回転軸の周りで回転可能な第1アーム(312)と、第1アームの先端において小袋を保持する第1保持機構(313)と、を備え、所定の第1位置に存在する小袋を第1保持機構が保持し、所定の第2位置および所定の第3位置へ、この順で変位させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1回転軸と、
前記第1回転軸に平行でない方向に延在し、前記第1回転軸の周りで回転可能な第1アームと、
前記第1アームの先端において小袋を保持する第1保持機構と、を備え、
所定の第1位置に存在する前記小袋を前記第1保持機構が保持した後、前記第1アームが前記第1回転軸の周りで回転することで、前記小袋の位置を、前記第1位置から所定の第2位置および所定の第3位置へ、この順で変位させる搬送機構。
【請求項2】
前記第1回転軸に平行な第2回転軸と、
前記第2回転軸に平行でない方向に延在する第2アームと、
前記第2アームの先端において前記小袋を保持する第2保持機構と、をさらに備え、
所定の第4位置に存在する前記小袋を前記第2保持機構が保持した後、前記第2アームが前記第2回転軸の周りで所定の角度だけ回動することで、前記小袋の位置を、前記第4位置から前記第1位置へ変位させ、
前記第1保持機構は、前記第1位置において前記第2保持機構から前記小袋を受け取る請求項1に記載の搬送機構。
【請求項3】
前記第1保持機構は、前記小袋を吸着する吸着機構である請求項1または2に記載の搬送機構。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の搬送機構と、
前記第2位置において前記小袋に所定の処理を施す処理機構とを備える小袋移載装置。
【請求項5】
前記第2位置と前記第3位置との間に位置する所定の第5位置において、前記所定の処理が正常に行われたか否かを検査する検査機構をさらに備える請求項4に記載の小袋移載装置。
【請求項6】
前記第5位置と前記第3位置との間の第6位置において、前記所定の処理が正常に行われなかった前記小袋を回収する請求項5に記載の小袋移載装置。
【請求項7】
前記所定の処理は、前記小袋に接着剤を塗布する処理である請求項5または6に記載の小袋移載装置。
【請求項8】
前記小袋が載置される載置対象を搬送する載置対象搬送機構をさらに備え、
前記第3位置において前記小袋を前記載置対象に載置する請求項4から7のいずれか1項に記載の小袋移載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小袋を搬送する搬送機構、および当該搬送機構を備える小袋移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一方向に搬送されたパウチを吸着して他の方向に搬送し、定位置に投入する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
小袋について、単に搬送して定位置に投入するのではなく、所定の処理を施すことが考えられる。例えば小袋の内容物が酸素検知剤であり、脱酸素剤に接着させて用いられるものである場合、小袋に接着剤を塗布する処理を行った上で搬送し、脱酸素剤に接着させる必要がある。
【0005】
本発明の一態様は、小袋に所定の処理を施した上で所定の位置に搬送することが可能な搬送機構などを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る搬送機構は、第1回転軸と、前記第1回転軸に平行でない方向に延在し、前記第1回転軸の周りで回転可能な第1アームと、前記第1アームの先端において小袋を保持する第1保持機構と、を備え、所定の第1位置に存在する前記小袋を前記第1保持機構が保持した後、前記第1アームが前記第1回転軸の周りで回転することで、前記小袋の位置を、前記第1位置から所定の第2位置および所定の第3位置へ、この順で変位させる。
【0007】
上記の構成によれば、搬送機構は、第1位置に存在する小袋を、第1アームの先端において第1保持機構により保持する。その状態で第1アームが第1回転軸の周りで回転することで、小袋の位置を第1位置から第2位置および第3位置へこの順で搬送する。したがって、小袋を、第1位置から第2位置を経由して第3位置へ搬送できる。
【0008】
また、本発明の一態様に係る搬送機構は、前記第1回転軸に平行な第2回転軸と、前記第2回転軸に平行でない方向に延在する第2アームと、前記第2アームの先端において前記小袋を保持する第2保持機構と、をさらに備え、所定の第4位置に存在する前記小袋を前記第2保持機構が保持した後、前記第2アームが前記第2回転軸の周りで所定の角度だけ回動することで、前記小袋の位置を、前記第4位置から前記第1位置へ変位させ、前記第1保持機構は、前記第1位置において前記第2保持機構から前記小袋を受け取ってもよい。
【0009】
上記の構成によれば、搬送機構は、第4位置に存在する小袋を、第2アームの先端において第2保持機構により保持する。その状態で第2アームが第2回転軸の周りで所定の角度だけ回動することで、小袋を第4位置から第1位置へ搬送する。第1保持機構は、第1位置において第2保持機構から小袋を受け取り、第2位置を経由して第3位置へ搬送する。したがって、搬送機構による小袋の搬送の開始位置の自由度が向上する。
【0010】
また、本発明の一態様に係る搬送機構において、前記第1保持機構は、前記小袋を吸着する吸着機構であってもよい。
【0011】
上記の構成によれば、第1保持機構は、小袋を吸着することで保持することができる。
【0012】
また、本発明の一態様に係る小袋移載装置は、上記のいずれかの搬送機構と、前記第2位置において前記小袋に所定の処理を施す処理機構とを備える。
【0013】
上記の構成によれば、小袋移載装置は、搬送機構により小袋を第1位置から第3位置へ搬送する過程で、第2位置において小袋に所定の処理を施すことができる。
【0014】
また、本発明の一態様に係る小袋移載装置は、前記第2位置と前記第3位置との間に位置する所定の第5位置において、前記所定の処理が正常に行われたか否かを検査する検査機構をさらに備えてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、小袋移載装置は、小袋に所定の処理が正常に行われたか否かを検査することができる。
【0016】
また、本発明の一態様に係る小袋移載装置は、前記第5位置と前記第3位置との間の第6位置において、前記所定の処理が正常に行われなかった前記小袋を回収してもよい。
【0017】
上記の構成によれば、小袋移載装置は、検査機構による検査で所定の処理が正常に行われなかった小袋を回収できる。
【0018】
また、本発明の一態様に係る小袋移載装置において、前記所定の処理は、前記小袋に接着剤を塗布する処理であってよい。
【0019】
上記の構成によれば、小袋移載装置は、小袋を移載する過程で第2位置において接着剤を塗布することができる。
【0020】
また、本発明の一態様に係る小袋移載装置は、前記小袋が載置される載置対象を搬送する載置対象搬送機構をさらに備え、前記第3位置において前記小袋を前記載置対象に載置してもよい。
【0021】
上記の構成によれば、小袋移載装置は、第2位置において処理を施された小袋を、載置対象に載置することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様によれば、小袋に所定の処理を施した上で所定の位置に搬送することが可能な搬送機構などを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態に係る小袋移載装置の側面図である。
【
図3】小袋移載装置の、
図1とは別の側面図である。
【
図4】第2アームが第4位置の方向を向いている状態を示す斜視図である。
【
図5】第2アームが第1位置の方向を向いている状態を示す斜視図である。
【
図6】ある時点における小袋移載装置の状態を示す側面図である。
【
図7】ある時点における小袋移載装置の状態を示す側面図である。
【
図8】ある時点における小袋移載装置の状態を示す側面図である。
【
図9】ある時点における小袋移載装置の状態を示す側面図である。
【
図10】ある時点における小袋移載装置の状態を示す側面図である。
【
図11】ある時点における小袋移載装置の状態を示す側面図である。
【
図12】ある時点における小袋移載装置の状態を示す側面図である。
【
図13】小袋移載装置1の動作の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る小袋移載装置1の側面図である。
図2は、小袋移載装置1の平面図である。
図3は、小袋移載装置1の、
図1とは別の側面図である。
図1~
図3に示すように、小袋移載装置1は、小袋投入機構10、小袋コンベア20、搬送機構30、真空ポンプ35、ホットメルトガン40(処理機構)、ホットメルト源45、熱センサ50、回収箱55、脱酸素剤コンベア60(載置対象搬送機構)、操作パネル70および制御部75を備える。
【0026】
小袋投入機構10は、小袋100(
図6~
図12参照)を小袋コンベア20に供給する装置である。本実施形態において、小袋100は、脱酸素剤に接着される酸素検知剤を封入した小袋である。小袋コンベア20は、小袋投入機構10によって供給された小袋100を搬送機構30の下方まで搬送するコンベアである。脱酸素剤コンベア60は、小袋100が接着される脱酸素剤(載置対象、不図示)を搬送するコンベアである。
【0027】
搬送機構30は、小袋コンベア20上の小袋100を搬送して脱酸素剤コンベア60上の脱酸素剤に載置する機構である。搬送機構30は、第1搬送部31および第2搬送部32を有する。
【0028】
第1搬送部31は、小袋100の位置を、所定の第1位置P1(
図9参照)から所定の第2位置P2(
図10参照)および第3位置P3(
図12参照)へこの順で変位させる。第1搬送部31は、第1回転軸311、第1アーム312、および第1保持機構313を備える。
【0029】
第1回転軸311は、略円筒形状を有し、当該略円筒形状の中心軸の周りで回転可能である。第1アーム312は、第1回転軸311に平行でない方向に延在し、第1回転軸311の周りで回転可能である。第1アーム312は、基端部3121と、シリンダ部3122とを備える。基端部3121は、第1回転軸311に対して固定されている。このため、第1回転軸311が回転することで、第1アーム312も第1回転軸311の周りで回転する。シリンダ部3122は、基端部3121に対して移動可能である。シリンダ部3122が基端部3121に対して移動することで、第1アーム312が伸縮する。
【0030】
第1保持機構313は、第1アーム312の先端において小袋100を保持する。本実施形態においては、第1保持機構313は、小袋100を吸着する吸着機構である。具体的には、第1保持機構313は、第1アーム312の先端に設けられた吸着パッドである。ただし、第1保持機構313は、吸着機構に限定されず、例えば小袋100を挟持する機構であってもよい。
【0031】
本実施形態において、第1搬送部31は、第1アーム312および第1保持機構313を、第1回転軸311の周方向において90°間隔で4組備える。また、第1搬送部31は、第1アーム312および第1保持機構313を、第1回転軸311の軸方向において等間隔で4組備える。したがって、第1搬送部31は、第1アーム312および第1保持機構313を、併せて16組備える。ただし、第1搬送部31が備える第1アーム312および第1保持機構313の数はこれに限らない。なお、本実施形態においては、第1回転軸311の軸方向において隣接する2つの第1アーム312の基端部3121は一体であり、シリンダ部3122だけが別個である。しかし、第1アーム312においては基端部3121も別個であってもよい。または、第1回転軸311の軸方向において隣接する、全ての第1アーム312の基端部3121が一体であってもよい。
【0032】
第2搬送部32は、小袋100の位置を、所定の第4位置P4(
図6参照)から第1位置P1へ変位させる。第2搬送部32は、第2回転軸321、第2アーム322、および第2保持機構323を備える。
【0033】
第2回転軸321は、略円筒形状を有し、当該略円筒形状の中心軸の周りで回動可能である。第2アーム322は、第1回転軸311に平行でない方向に延在し、第2回転軸321の周りで所定の角度だけ回動する回動可能である。第2アーム322は、基端部3221と、シリンダ部3222とを備える。基端部3221は、第2回転軸321に対して固定されている。このため、第2回転軸321が回動することで、第2アーム322も第2回転軸321の周りで回動する。シリンダ部3222は、基端部3221に対して移動可能である。シリンダ部3222が基端部3221に対して移動することで、第2アーム322が伸縮する。
【0034】
第2保持機構323は、第2アーム322の先端において小袋100を保持する。本実施形態においては、第2保持機構323は、小袋100を吸着する吸着パッドである。ただし、第2保持機構323は、小袋100を吸着するものに限定されず、例えば複数の爪により小袋100を挟持するものであってもよい。
【0035】
本実施形態において、第2搬送部32は、第2アーム322および第2保持機構323を、第2回転軸321の軸方向において等間隔で4組備える。ただし、第2搬送部32が備える第2アーム322および第2保持機構323の数はこれに限らない。なお、本実施形態においては、第2回転軸321の軸方向において隣接する2つの第2アーム322の基端部3221は一体であり、シリンダ部3222だけが別個である。しかし、第2アーム322においては基端部3221も別個であってもよい。または、第2回転軸321の軸方向において隣接する、全ての第2アーム322の基端部3221が一体であってもよい。
【0036】
真空ポンプ35は、第1保持機構313および第2保持機構323により小袋100を吸着するためのポンプである。真空ポンプ35は、図示しない管路により、複数の第1保持機構313および第2保持機構323と接続されている。真空ポンプ35は、複数の第1保持機構313および第2保持機構323による小袋100の吸着および解放を個別に制御可能な機構を有する。真空ポンプ35は、
図1では小袋コンベア20の下方に位置している。ただし、真空ポンプ35の位置はこれに限らない。
【0037】
ホットメルトガン40は、搬送機構30により搬送される小袋100にホットメルトを塗布する処理を行う処理機構である。ホットメルトは、熱により溶融する接着剤である。ホットメルトは、加熱されて溶融した状態で小袋100に塗布される。また、ホットメルトは、小袋100の2箇所に塗布されることが好ましい。この場合、脱酸素剤に接着された状態での小袋100の回転を防止できる。
【0038】
ホットメルト源45は、ホットメルトガン40にホットメルトを供給する機器である。ホットメルト源45は、図示しない管路により、ホットメルトガン40と接続されている。ホットメルト源45は、
図1では小袋コンベア20の下方に位置している。ただし、ホットメルト源45の位置はこれに限らない。
【0039】
熱センサ50は、所定の第5位置P5(
図10参照)において、小袋100にホットメルトが正常に塗布されたか検査する検査機構である。第5位置P5は、第2位置P2と第3位置P3との間の位置である。具体的には、熱センサ50は、小袋100の温度を計測する温度センサである。上述したとおり、ホットメルトは、加熱されて溶融した状態で小袋100に塗布される。このため、ホットメルトが正常に塗布された状態では小袋100の温度が上昇する。小袋移載装置1は、熱センサ50により、小袋100にホットメルトが正常に塗布されたか否かを検査することができる。
【0040】
回収箱55は、所定の第6位置P6(
図11参照)において、ホットメルトが正常に塗布されなかった小袋100が回収される箱である。小袋移載装置1は、第6位置P6において、ホットメルトが正常に塗布されなかった小袋100を回収する。第6位置P6は、第5位置P5と第3位置P3との間の位置である。これにより、ホットメルトが正常に塗布されなかった小袋100が脱酸素剤に載置される可能性が低減される。
【0041】
操作パネル70は、小袋移載装置1に対するユーザの操作を受け付ける入力装置である。制御部75は、操作パネル70により受け付けた入力に基づいて小袋移載装置1の動作を統括的に制御する。
図1においては操作パネル70および制御部75が互いに近傍に配されている。ただし、小袋移載装置1において、操作パネル70および制御部75は互いに離隔して配されていてもよい。
【0042】
図4は、第2アーム322が第4位置P4(
図6参照)の方向を向いている状態を示す斜視図である。
図4には、互いに異なる方向から見た斜視図が、符号401および402で示されている。
図5は、第2アーム322が第1位置P1(
図9参照)の方向を向いている状態を示す斜視図である。
図5には、互いに異なる方向から見た斜視図が、符号501および502で示されている。簡単のため、
図4および
図5においては、第1アーム312について、第1位置P1の方向を向いているものにのみ符号を付している。
【0043】
第2アーム322は、第4位置P4の方向を向いている状態(
図4)と、第1位置P1の方向を向いている状態(
図5)とを切り換え可能である。第2アーム322が第4位置P4の方向を向いている状態で、第2アーム322が伸長することで、第2保持機構323は第4位置P4に存在する小袋100を吸着可能である。第2アーム322は、第2保持機構323が小袋100を保持した後、第2回転軸321の周りで所定の角度だけ回動することで、小袋100の位置を第4位置P4から第1位置P1へ変位させる。本実施形態における所定の角度は90°であるがこれに限らない。第2アーム322は、第1位置P1の方向を向いている状態では、第1位置P1において小袋100を、第1位置P1の方向を向いている第1アーム312に受け渡すことが可能である。
【0044】
図6~
図12は、それぞれ、ある時点における小袋移載装置1の状態を示す側面図である。
図6~
図12は、いずれも
図3と同じ方向から小袋移載装置1を見た場合における側面図である。
図6~
図12を参照して、1つの小袋100が小袋コンベア20上から小袋移載装置1により移載される過程について説明する。簡単のため、
図6~
図12においては、説明に係る第1アーム312および第1保持機構313にのみ符号を付している。また、簡単のため、
図6~
図12においては、説明に関係のない部材については適宜図示を省略している。また、簡単のため、以下の説明では、制御部75ではなく、個々の機構が小袋100に対して動作するものとして説明する。
【0045】
小袋移載装置1による移載の開始前には、小袋100は、
図6に示すように、小袋コンベア20上の第4位置P4に配されている。小袋移載装置1による移載では、まず、
図7に示すように、第2保持機構323が小袋100を吸着する。その状態で、第2アーム322が第2回転軸321の周りで回動し、
図8に示すように、第1アーム312と対向する。
【0046】
第2アーム322が伸長することで、
図9に示すように、第1位置P1において、第1保持機構313および第2保持機構323の両方が小袋100に接した状態となる。この状態から、第1保持機構313は小袋100を吸着する。一方、第2保持機構323は小袋100を解放し、その後、第2アーム322は縮小する。その結果、小袋100が第1保持機構313から第2保持機構323へ受け渡される。この時点では、小袋100は依然として第1位置P1に存在する。
【0047】
第1保持機構313が小袋100を吸着した状態で、第1アーム312が第1回転軸311の周りで回転することで、
図10に示すように、小袋100が第2位置P2へ搬送される。第2位置P2は、小袋100がホットメルトガン40と対向する位置である。この状態でホットメルトガン40は、小袋100にホットメルトを塗布する。
【0048】
小袋100へのホットメルトの塗布の後、第1アーム312が第1回転軸311の周りで回転することで、同じく
図10に示すように、小袋100が第5位置P5へ搬送される。第5位置P5は、小袋100が熱センサ50と対向する位置である。この状態で熱センサ50は、小袋100の温度を計測する。
【0049】
熱センサ50が小袋100の温度を計測した後、第1アーム312が第1回転軸311の周りで回転することで、
図11に示すように、小袋100が第6位置P6へ搬送される。第6位置P6は、回収箱55の直上の位置である。熱センサ50が計測した小袋100の温度が設定値以下であった場合、第1保持機構313は第6位置P6において小袋100を解放する。その結果、小袋100が回収箱55へ回収される。設定値は、小袋100にホットメルトが正常に塗布されている場合に想定される、当該小袋100の温度の下限値である。
【0050】
熱センサ50が計測した小袋100の温度が設定値以下でなかった場合、さらに第1アーム312が第1回転軸311の周りで回転することで、
図12に示すように、小袋100が第3位置P3へ搬送される。また、小袋移載装置1においては、第3位置P3の直下に、脱酸素剤コンベア60(
図1参照)により脱酸素剤が搬送される。小袋100が第3位置P3へ到達した後、第1アーム312は脱酸素剤へ向けて伸長する。さらに、第1保持機構313は小袋100を解放する。その結果、小袋100は脱酸素剤に接着される。
【0051】
以上のとおり、搬送機構30は、第1搬送部31の動作により、小袋100の位置を、第1位置P1から第2位置P2および第3位置P3へ、この順で変位させる。したがって、搬送機構30によれば、小袋100を、第1位置P1から第2位置P2を経由して第3位置P3へ搬送できる。特に、小袋移載装置1によれば、第2位置P2において小袋100にホットメルトを塗布した上で、第3位置P3へ搬送することができる。
【0052】
また、小袋移載装置1は、脱酸素剤コンベア60をさらに備え、第3位置P3において小袋100を脱酸素剤に載置する。これにより、ホットメルトが塗布された小袋100を脱酸素剤に接着できる。
【0053】
小袋移載装置1は、小袋100に接着剤を塗布する処理を実行するホットメルトガン40の代わりに、小袋100に別の所定の処理を施す処理機構を備えていてもよい。別の所定の処理の例としては、小袋100にマーキングを施す処理、小袋100に印字する処理、または小袋100について検査を行う処理などが挙げられる。この場合、小袋移載装置1は、熱センサ50の代わりに、上述した所定の処理が正常に行われたか否かを検査する別の検査機構を備えていてもよい。別の検査機構の例として、小袋100の画像を撮像し、処理が正常に行われたか否かを画像認識により検査するものが挙げられる。
【0054】
また、搬送機構30は、第2搬送部32の動作により、小袋100の位置を、第4位置P4から第1位置P1へ変位させる。第1搬送部31の第1保持機構313は、第1位置P1において、第2搬送部32の第2保持機構323から小袋100を受け取る。その後に、第1搬送部31が小袋100の位置を変位させる。このため、搬送機構30が第1搬送部31のみを備える場合と比較して、搬送機構30による搬送の開始点の自由度が向上する。
【0055】
小袋100は、酸素検知剤を封入したものに限定されない。また、小袋100が接着される対象は脱酸素剤に限定されない。すなわち、小袋移載装置1は、任意の内容物を封入した小袋100を、任意の対象に接着するものであってよい。また、任意の対象の形状は、袋状、箱状、またはカップ状などであってよい。
【0056】
図13は、小袋移載装置1の動作の例を示すフローチャートである。小袋移載装置1の動作について、
図13を参照して以下に説明する。
図13に示したフローチャートの開始時点では、第1アーム312およびその先端の第1保持機構313は、第1回転軸311の周方向における位置に応じて、第1位置P1、第2位置P2、第5位置P5、および第3位置P3のいずれかの方向を向いている。当該開始時点では、第1位置P1の方向を向いている第1保持機構313には、小袋100が吸着されておらず、その他の第1保持機構313には小袋100が吸着されている。換言すれば、第2位置P2、第5位置P5、および第3位置P3に小袋100が存在する。また、当該開始時点では、第2アーム322および第2保持機構323は、第1位置P1の方向を向いている。第2アーム322は縮小した状態である。第2保持機構323は、小袋100を吸着した状態である。
【0057】
図13に示す例において、制御部75は、まず第2アーム322を伸長させ(S1)、第2保持機構323から小袋100を解放する(S2)。その後、制御部75は、第2アーム322を縮小させ(S3)、第2アーム322を第2回転軸321の周りで所定の角度だけ回動させる(S4)。その結果、第2アーム322は第4位置P4の方向を向いた状態となる。
【0058】
制御部75は、第2アーム322を伸長させ(S5)、小袋コンベア20上の小袋100を第2保持機構323により吸着し(S6)、その状態で第2アーム322を縮小させる(S7)。さらに、制御部75は、第2アーム322を回動させる(S8)。これにより、第2アーム322および第2保持機構323は、上述した開始時点の状態に戻る。
【0059】
ステップS8と並行して、制御部75は小袋コンベア20を駆動させ(S9)、小袋投入機構10により小袋100を小袋コンベア20上に投入する(S10)。投入された小袋100が、第2保持機構323により吸着される位置に達すると、制御部75は小袋コンベア20を停止させる(S11)。
【0060】
一方、制御部75は、第1位置P1の方向を向いている第1アーム312の先端に位置する第1保持機構313により、第2保持機構323により吸着された小袋100を吸着する(S12)。制御部75は、ステップS1、S12およびS2をこの順で実行することで、第2アーム322から第1アーム312へ、第1位置P1に存在する小袋100を受け渡す。
【0061】
ステップS12と並行して、制御部75は、第2位置P2に存在する小袋100に対して、ホットメルトガン40からホットメルトを塗布する(S13)。また、ステップS12およびS13と並行して、制御部75は、第5位置P5に存在する小袋100の温度を熱センサ50により計測する(S14)。
【0062】
さらに、ステップS12、S13およびS14のそれぞれと並行して、制御部75は、第3位置P3に存在する小袋100を保持している第1アーム312を伸長させ(S15)、小袋100を解放する(S16)。その後、制御部75は、第1アーム312を再び縮小させる(S17)。
【0063】
ステップS12~S17の終了後、制御部75は、第5位置P5に存在する小袋100が第6位置P6に変位するように、第1アーム312を回動させる(S18)。その状態で、制御部75は、ステップS14において熱センサ50が検知した温度が所定の設定値以下であるか判定する(S19)。ステップS14において熱センサ50が検知した温度が設定値以下だった場合(S19でNo)、制御部75は、第6位置P6に存在する小袋100を解放する(S20)。解放された小袋100は回収箱55へ回収される。
【0064】
ステップS14において熱センサ50が検知した温度が設定値以下でない場合(S19でYes)、制御部75は、ステップS20をスキップする。その後、制御部75は、第1アーム312および第1保持機構313を回動させる(S21)。これにより、第1アーム312および第1保持機構313は、上述した開始時点の状態に戻る。ただし、個々の第1アーム312および第1保持機構313が向いている方向は、上述した開始時点の状態から第1回転軸311の周方向に90°だけ回転した方向となる。
【0065】
ステップS8、S11およびS21の終了後、制御部75は、
図13に示した一連の処理を最初から繰り返す。1つの小袋100は、
図13に示した一連の処理が4回繰り返されることで、
図6~
図12を参照して上述したとおり、小袋コンベア20上から脱酸素剤コンベア60上の脱酸素剤へ移載され、接着される。
【0066】
〔ソフトウェアによる実現例〕
小袋移載装置1(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部75)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0067】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0068】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0069】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0070】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0071】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0072】
1 小袋移載装置
30 搬送機構
40 ホットメルトガン
50 熱センサ
100 小袋
311 第1回転軸
312 第1アーム
313 第1保持機構
321 第2回転軸
322 第2アーム
323 第2保持機構
P1 第1位置
P2 第2位置
P3 第3位置
P4 第4位置
P5 第5位置
P6 第6位置
【手続補正書】
【提出日】2021-11-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1回転軸と、
前記第1回転軸に平行でない方向に延在し、前記第1回転軸の周りで回転可能な第1アームと、
前記第1アームの先端において小袋を保持する第1保持機構と、を備え、
所定の第1位置に存在する前記小袋を前記第1保持機構が保持した後、前記第1アームが前記第1回転軸の周りで回転することで、前記小袋の位置を、前記第1位置から所定の第2位置および所定の第3位置へ、この順で変位させる搬送機構と、
前記第2位置において前記小袋に所定の処理を施す処理機構と、を備える小袋移載装置。
【請求項2】
前記搬送機構は、
前記第1回転軸に平行な第2回転軸と、
前記第2回転軸に平行でない方向に延在する第2アームと、
前記第2アームの先端において前記小袋を保持する第2保持機構と、をさらに備え、
所定の第4位置に存在する前記小袋を前記第2保持機構が保持した後、前記第2アームが前記第2回転軸の周りで所定の角度だけ回動することで、前記小袋の位置を、前記第4位置から前記第1位置へ変位させ、
前記第1保持機構は、前記第1位置において前記第2保持機構から前記小袋を受け取る請求項1に記載の小袋移載装置。
【請求項3】
前記第1保持機構は、前記小袋を吸着する吸着機構である請求項1または2に記載の小袋移載装置。
【請求項4】
前記第2位置と前記第3位置との間に位置する所定の第5位置において、前記所定の処理が正常に行われたか否かを検査する検査機構をさらに備える請求項1から3のいずれか1項に記載の小袋移載装置。
【請求項5】
前記第5位置と前記第3位置との間の第6位置において、前記所定の処理が正常に行われなかった前記小袋を回収する請求項4に記載の小袋移載装置。
【請求項6】
前記所定の処理は、前記小袋に接着剤を塗布する処理である請求項4または5に記載の小袋移載装置。
【請求項7】
前記小袋が載置される載置対象を搬送する載置対象搬送機構をさらに備え、
前記第3位置において前記小袋を前記載置対象に載置する請求項1~6のいずれか1項に記載の小袋移載装置。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1回転軸と、
前記第1回転軸に平行でない方向に延在し、前記第1回転軸の周りで回転可能な第1アームと、
前記第1アームの先端において小袋を保持する第1保持機構と、を備え、
所定の第1位置に存在する前記小袋を前記第1保持機構が保持した後、前記第1アームが前記第1回転軸の周りで回転することで、前記小袋の位置を、前記第1位置から所定の第2位置および所定の第3位置へ、この順で変位させる搬送機構と、
前記第2位置において前記小袋に所定の処理を施す処理機構と、を備え、
前記第2位置と前記第3位置との間に位置する所定の第5位置において、前記所定の処理が正常に行われたか否かを検査する検査機構をさらに備える小袋移載装置。
【請求項2】
前記搬送機構は、
前記第1回転軸に平行な第2回転軸と、
前記第2回転軸に平行でない方向に延在する第2アームと、
前記第2アームの先端において前記小袋を保持する第2保持機構と、をさらに備え、
所定の第4位置に存在する前記小袋を前記第2保持機構が保持した後、前記第2アームが前記第2回転軸の周りで所定の角度だけ回動することで、前記小袋の位置を、前記第4位置から前記第1位置へ変位させ、
前記第1保持機構は、前記第1位置において前記第2保持機構から前記小袋を受け取る請求項1に記載の小袋移載装置。
【請求項3】
前記第1保持機構は、前記小袋を吸着する吸着機構である請求項1または2に記載の小袋移載装置。
【請求項4】
前記第5位置と前記第3位置との間の第6位置において、前記所定の処理が正常に行われなかった前記小袋を回収する請求項1から3のいずれか1項に記載の小袋移載装置。
【請求項5】
前記所定の処理は、前記小袋に接着剤を塗布する処理である請求項1から4のいずれか1項に記載の小袋移載装置。
【請求項6】
前記小袋が載置される載置対象を搬送する載置対象搬送機構をさらに備え、
前記第3位置において前記小袋を前記載置対象に載置する請求項1から5のいずれか1項に記載の小袋移載装置。