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▶ 株式会社ノリタケカンパニーリミテドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182890
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】熱処理容器
(51)【国際特許分類】
   F27D 3/12 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
F27D3/12 S
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090670
(22)【出願日】2021-05-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000004293
【氏名又は名称】株式会社ノリタケカンパニーリミテド
(74)【代理人】
【識別番号】100085361
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 治幸
(74)【代理人】
【識別番号】100147669
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 光治郎
(72)【発明者】
【氏名】松田 健児
(72)【発明者】
【氏名】松永 健嗣
(72)【発明者】
【氏名】関川 義博
(72)【発明者】
【氏名】小野田 和洋
【テーマコード(参考)】
4K055
【Fターム(参考)】
4K055AA06
4K055HA02
4K055HA13
4K055HA16
4K055HA27
(57)【要約】
【課題】熱処理容器の蛇行を抑制しつつ熱処理後の熱処理容器の分離が容易であり熱処理炉内の雰囲気の循環が悪化することを抑制できる熱処理容器を提供する。
【解決手段】熱処理容器10や他の熱処理容器10が蛇行しようとすると、熱処理容器10の第1係合突部18と他の熱処理容器10の第2係合突部20とが係合して搬送ローラ16の長手方向における熱処理容器10と他の熱処理容器10との相互の移動が規制されるので、熱処理容器10や他の熱処理容器10の蛇行を抑制することができる。また、熱処理容器10と他の熱処理容器10との間に貫通隙間SPが形成された状態で、熱処理容器10および他の熱処理容器10が熱処理炉12内で搬送されるので、熱処理後の熱処理容器10と他の熱処理容器10との分離が容易になると共に、熱処理炉12内の雰囲気の循環が悪化することを抑制できる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状且つ板状の底壁と、前記底壁の4辺のうちの搬送方向に交差する方向に沿った2辺から一体的に立設された板状の一対の第1側壁および第2側壁と、前記底壁の4辺のうちの前記搬送方向に沿った2辺から一体的に立設された板状の一対の第3側壁および第4側壁とを備えた矩形箱状の熱処理容器であって、
前記第1側壁から曲成された、前記搬送方向へ局所的に突き出す第1係合突部と、
前記第2側壁のうち、前記搬送方向に交差する方向において前記第1係合突部が形成されていない部分から曲成された、前記搬送方向とは反対方向に突き出す第2係合突部と、を含み、
前記熱処理容器の前記第1係合突部は、搬送中において前記熱処理容器に対して前記搬送方向の下流側に隣接する他の熱処理容器から突き出す第2係合突部と前記搬送方向に交差する方向において係合可能であり、
前記熱処理容器の前記第2係合突部は、搬送中において前記熱処理容器に対して前記搬送方向の上流側に隣接する他の熱処理容器から突き出す第1係合突部と前記搬送方向に交差する方向において係合可能であり、
前記第1係合突部および前記第2係合突部が相互に係合が可能な状態において前記熱処理容器と前記下流側に隣接する他の熱処理容器との間および前記熱処理容器と前記上流側に隣接する他の熱処理容器との間にそれぞれ前記底壁に垂直な方向に貫通する貫通隙間を形成するように形成されている
ことを特徴とする熱処理容器。
【請求項2】
前記熱処理容器の前記第1係合突部および前記第2係合突部は、平面視において、直線および曲線、又は曲線により形成されている
ことを特徴とする請求項1の熱処理容器。
【請求項3】
前記第1側壁、前記第2側壁、前記第3側壁および前記第4側壁の相互間、および、前記底壁と前記第1側壁、前記第2側壁、前記第3側壁および前記第4側壁との間は、所定の曲率半径を有するR角部で接続されている
ことを特徴とする請求項1又は2の熱処理容器。
【請求項4】
前記第1側壁、前記第2側壁、前記第3側壁および前記第4側壁は、それぞれ均一な厚みを有する壁であって、相互間において同様な厚みを有する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1の熱処理容器。
【請求項5】
前記熱処理容器の前記第1係合突部および前記第2係合突部は、単一の長手状の矩形突部であり、前記第1係合突部および前記第2係合突部の角側の端部には、前記下流側に隣接する他の熱処理容器との間および前記上流側に隣接する他の熱処理容器との間に前記貫通隙間を形成する切欠きが形成されている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1の熱処理容器。
【請求項6】
前記熱処理容器の前記第1係合突部および前記第2係合突部は、単一の長手状の矩形突部であり、前記第1係合突部の前記下流側に隣接する他の熱処理容器に対向する部分、前記第2係合突部の前記上流側に隣接する他の熱処理容器に対向する部分、又は、前記第1係合突部の前記下流側に隣接する他の熱処理容器に対向する部分および前記第2係合突部の前記上流側に隣接する他の熱処理容器に対向する部分には、前記第1係合突部および前記第2係合突部よりも幅寸法および突出し寸法が小さい第1小突部、又は、前記第1小突部の形状が反転した第1小凹部が形成されている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1の熱処理容器。
【請求項7】
前記第1側壁の前記第1係合突部が形成されていない部分、前記第2側壁の前記第2係合突部が形成されていない部分、又は、前記第1側壁の前記第1係合突部が形成されていない部分および前記第2側壁の前記第2係合突部が形成されていない部分には、前記第1係合突部および前記第2係合突部よりも幅寸法および突出し寸法が小さい第2小突部、又は前記第2小突部の形状が反転した第2小凹部が形成されている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1の熱処理容器。
【請求項8】
前記熱処理容器の前記第1係合突部および前記第2係合突部の一方は、単一の長手状の矩形突部であり、他方は、前記搬送方向に交差する方向において前記単一の長手状の矩形突部を挟む一対の矩形突部である
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1の熱処理容器。
【請求項9】
前記熱処理容器の前記第1係合突部および前記第2係合突部は、それぞれ複数個であり、前記第1係合突部および前記第2係合突部は、それぞれ、先端ほど幅寸法が減少し且つ幅方向に対称形状となるように形成されている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1の熱処理容器。
【請求項10】
前記熱処理容器、前記下流側に隣接する他の熱処理容器、および前記上流側に隣接する他の熱処理容器は、相互に同じ形状である
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1の熱処理容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱処理炉内に配置された複数本の搬送ローラ上を一方向に搬送される熱処理容器に関し、熱処理容器の蛇行を抑制しつつ熱処理後の熱処理容器の分離が容易であり熱処理炉内の雰囲気の循環が悪化することを抑制する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱処理炉内に並列に配置され且つ回転駆動される複数本の搬送ローラ上を、被処理材料を収容した状態で搬送方向に搬送される矩形状の熱処理容器がよく知られている。例えば、特許文献1に記載された熱処理容器がそれである。これによれば、熱処理容器同士が拘束されておらず、搬送ローラの反り、径寸法のばらつきや熱処理容器の底面の凹凸によって、熱処理容器の蛇行が生じ易い。
【0003】
これに対して、特許文献2には、熱処理容器ではなく平板状の熱処理セッターであるが、前方の熱処理セッターに後方の熱処理セッター側に突き出す突部を形成させ、後方の熱処理セッターに突部を嵌め入れる凹部を形成させて、突部と凹部とにより前方の熱処理セッターと後方の熱処理セッターとを連結することが提案されている。これによれば、形成された突部と凹部とにより前方の熱処理セッターと後方の熱処理セッターとが隙間なく接した状態で連結されることによって、前方の熱処理セッターと後方の熱処理セッターとの間の相対移動が拘束されるので、熱処理セッターの蛇行が抑制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-122783号公報
【特許文献2】特開2000-111268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の熱処理容器に特許文献2の技術を適用させて、前方の熱処理容器に形成された突部と後方の熱処理容器に形成された凹部とによって、前方の熱処理容器と後方の熱処理容器とが隙間なく接した状態で前方の熱処理容器と後方の熱処理容器とを連結することが考えられる。しかしながら、上記のような熱処理容器では、前方の熱処理容器と後方の熱処理容器とが隙間なく接しているので、熱処理中の熱処理炉内において熱処理容器の上下の雰囲気の循環が悪くなって、例えば被処理材料を熱処理する処理効率が悪くなってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、熱処理容器の蛇行を抑制しつつ、熱処理炉内の雰囲気の循環が悪化することを抑制できる熱処理容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明の要旨とするところは、(a)矩形状且つ板状の底壁と、前記底壁の4辺のうちの搬送方向に交差する方向に沿った2辺から一体的に立設された板状の一対の第1側壁および第2側壁と、前記底壁の4辺のうちの前記搬送方向に沿った2辺から一体的に立設された板状の一対の第3側壁および第4側壁とを備えた矩形箱状の熱処理容器であって、(b)前記第1側壁から曲成された、前記搬送方向へ局所的に突き出す第1係合突部と、(c)前記第2側壁のうち、前記搬送方向に交差する方向において前記第1係合突部が形成されていない部分から曲成された、前記搬送方向とは反対方向に突き出す第2係合突部と、を含み、(d)前記熱処理容器の前記第1係合突部は、搬送中において前記熱処理容器に対して前記搬送方向の下流側に隣接する他の熱処理容器から突き出す第2係合突部と前記搬送方向に交差する方向において係合可能であり、(e)前記熱処理容器の前記第2係合突部は、搬送中において前記熱処理容器に対して前記搬送方向の上流側に隣接する他の熱処理容器から突き出す第1係合突部と前記搬送方向に交差する方向において係合可能であり、(f)前記第1係合突部および前記第2係合突部が相互に係合が可能な状態において前記熱処理容器と前記下流側に隣接する他の熱処理容器との間および前記熱処理容器と前記上流側に隣接する他の熱処理容器との間にそれぞれ前記底壁に垂直な方向に貫通する貫通隙間を形成するように形成されていることにある。
【0008】
第2発明の要旨とするところは、第1発明において、前記熱処理容器の前記第1係合突部および前記第2係合突部は、平面視において、直線および曲線、又は曲線により形成されていることにある。
【0009】
第3発明の要旨とするところは、第1発明又は第2発明において、前記第1側壁、前記第2側壁、前記第3側壁および前記第4側壁の相互間、および、前記底壁と前記第1側壁、前記第2側壁、前記第3側壁および前記第4側壁との間は、所定の曲率半径を有するR角部で接続されていることにある。
【0010】
第4発明の要旨とするところは、第1発明から第3発明のいずれか1の発明において、前記第1側壁、前記第2側壁、前記第3側壁および前記第4側壁は、それぞれ均一な厚みを有する壁であって、相互間において同様な厚みを有することにある。
【0011】
第5発明の要旨とするところは、第1発明から第4発明のいずれか1の発明において、前記熱処理容器の前記第1係合突部および前記第2係合突部は、単一の長手状の矩形突部であり、前記第1係合突部および前記第2係合突部の角側の端部には、前記下流側に隣接する他の熱処理容器との間および前記上流側に隣接する他の熱処理容器との間に前記貫通隙間を形成する切欠きが形成されていることにある。
【0012】
第6発明の要旨とするところは、第1発明から第4発明のいずれか1の発明において、前記熱処理容器の前記第1係合突部および前記第2係合突部は、単一の長手状の矩形突部であり、前記第1係合突部の前記下流側に隣接する他の熱処理容器に対向する部分、前記第2係合突部の前記上流側に隣接する他の熱処理容器に対向する部分、又は、前記第1係合突部の前記下流側に隣接する他の熱処理容器に対向する部分および前記第2係合突部の前記上流側に隣接する他の熱処理容器に対向する部分には、前記第1係合突部および前記第2係合突部よりも幅寸法および突出し寸法が小さい第1小突部、又は、前記第1小突部の形状が反転した第1小凹部が形成されていることにある。
【0013】
第7発明の要旨とするところは、第1発明から第4発明のいずれか1の発明において、前記第1側壁の前記第1係合突部が形成されていない部分、前記第2側壁の前記第2係合突部が形成されていない部分、又は、前記第1側壁の前記第1係合突部が形成されていない部分および前記第2側壁の前記第2係合突部が形成されていない部分には、前記第1係合突部および前記第2係合突部よりも幅寸法および突出し寸法が小さい第2小突部、又は前記第2小突部の形状が反転した第2小凹部が形成されていることにある。
【0014】
第8発明の要旨とするところは、第1発明から第4発明のいずれか1の発明において、前記熱処理容器の前記第1係合突部および前記第2係合突部の一方は、単一の長手状の矩形突部であり、他方は、前記搬送方向に交差する方向において前記単一の長手状の矩形突部を挟む一対の矩形突部であることにある。
【0015】
第9発明の要旨とするところは、第1発明から第4発明のいずれか1の発明において、前記熱処理容器の前記第1係合突部および前記第2係合突部は、それぞれ複数個であり、前記第1係合突部および前記第2係合突部は、それぞれ、先端ほど幅寸法が減少し且つ幅方向に対称形状となるように形成されていることにある。
【0016】
第10発明の要旨とするところは、第1発明から第9発明のいずれか1の発明において、前記熱処理容器、前記下流側に隣接する他の熱処理容器、および前記上流側に隣接する他の熱処理容器は、相互に同じ形状であることにある。
【発明の効果】
【0017】
第1発明の熱処理容器によれば、(b)前記第1側壁から曲成された、前記搬送方向へ局所的に突き出す第1係合突部と、(c)前記第2側壁のうち、前記搬送方向に交差する方向において前記第1係合突部が形成されていない部分から曲成された、前記搬送方向とは反対方向に突き出す第2係合突部と、を含み、(d)前記熱処理容器の前記第1係合突部は、搬送中において前記熱処理容器に対して前記搬送方向の下流側に隣接する他の熱処理容器から突き出す第2係合突部と前記搬送方向に交差する方向において係合可能であり、(e)前記熱処理容器の前記第2係合突部は、搬送中において前記熱処理容器に対して前記搬送方向の上流側に隣接する他の熱処理容器から突き出す第1係合突部と前記搬送方向に交差する方向において係合可能であり、(f)前記第1係合突部および前記第2係合突部が相互に係合が可能な状態において前記熱処理容器と前記下流側に隣接する他の熱処理容器との間および前記熱処理容器と前記上流側に隣接する他の熱処理容器との間にそれぞれ前記底壁に垂直な方向に貫通する貫通隙間を形成するように形成されている。これにより、熱処理容器や他の熱処理容器が蛇行しようとすると、熱処理容器の第1係合突部と他の熱処理容器の第2係合突部とが係合して搬送方向に交差する方向における熱処理容器と他の熱処理容器との相互の移動が規制されるので、熱処理容器や他の熱処理容器の蛇行を抑制することができる。また、熱処理容器と他の熱処理容器との間に貫通隙間が形成された状態で、熱処理容器および他の熱処理容器が熱処理炉内で搬送されるので、熱処理炉内の雰囲気の循環が悪化することを抑制できる。
【0018】
第2発明の熱処理容器によれば、前記熱処理容器の前記第1係合突部および前記第2係合突部は、平面視において、直線および曲線、又は曲線により形成されている。これにより、第1側壁および第2側壁において、第1係合突部および第2係合突部が応力集中の少ない形状で形成されているので、例えば無機材料から成形された成形品を焼成することにより得られる熱処理容器の製造歩留りが高められる。
【0019】
第3発明の熱処理容器によれば、前記第1側壁、前記第2側壁、前記第3側壁および前記第4側壁の相互間、および、前記底壁と前記第1側壁、前記第2側壁、前記第3側壁および前記第4側壁との間は、所定の曲率半径を有するR角部で接続されている。これにより、第1側壁、第2側壁、第3側壁および第4側壁の相互間、および底壁と第1側、壁第2側壁、第3側壁および第4側壁との間が、応力集中の少ない所定の曲率半径を有するR角部で接続されているので、例えば無機材料から成形された成形品を焼成することにより得られる熱処理容器の製造歩留りが高められる。
【0020】
第4発明の熱処理容器によれば、前記第1側壁、前記第2側壁、前記第3側壁および前記第4側壁は、それぞれ均一な厚みを有する壁であって、相互間において同様な厚みを有する。これにより、第1側壁、第2側壁、第3側壁、および第4側壁自体の局所間および壁相互間の収縮差が抑制されるので、例えば無機材料から成形された成形品を焼成することにより得られる熱処理容器の製造歩留りが高められる。
【0021】
第5発明の熱処理容器によれば、前記熱処理容器の前記第1係合突部および前記第2係合突部は、単一の長手状の矩形突部であり、前記第1係合突部および前記第2係合突部の角側の端部には、前記下流側に隣接する他の熱処理容器との間および前記上流側に隣接する他の熱処理容器との間に前記貫通隙間を形成する切欠きが形成されている。これにより、熱処理容器と他の熱処理容器との間に貫通隙間が形成された状態で、熱処理容器および他の熱処理容器が熱処理炉内で搬送されるので、熱処理後の熱処理容器と他の熱処理容器との分離が容易になると共に熱処理炉内の雰囲気の循環が悪化することを抑制できる。
【0022】
第6発明の熱処理容器によれば、前記熱処理容器の前記第1係合突部および前記第2係合突部は、単一の長手状の矩形突部であり、前記第1係合突部の前記下流側に隣接する他の熱処理容器に対向する部分、前記第2係合突部の前記上流側に隣接する他の熱処理容器に対向する部分、又は、前記第1係合突部の前記下流側に隣接する他の熱処理容器に対向する部分および前記第2係合突部の前記上流側に隣接する他の熱処理容器に対向する部分には、前記第1係合突部および前記第2係合突部よりも幅寸法および突出し寸法が小さい第1小突部、又は、前記第1小突部の形状が反転した第1小凹部が形成されている。これにより、熱処理容器と他の熱処理容器との間に貫通隙間が形成された状態で、熱処理容器および他の熱処理容器が熱処理炉内で搬送されるので、熱処理後の熱処理容器と他の熱処理容器との分離が容易になると共に熱処理炉内の雰囲気の循環が悪化することを抑制できる。
【0023】
第7発明の熱処理容器によれば、前記第1側壁の前記第1係合突部が形成されていない部分、前記第2側壁の前記第2係合突部が形成されていない部分、又は、前記第1側壁の前記第1係合突部が形成されていない部分および前記第2側壁の前記第2係合突部が形成されていない部分には、前記第1係合突部および前記第2係合突部よりも幅寸法および突出し寸法が小さい第2小突部、又は前記第2小突部の形状が反転した第2小凹部が形成されている。これにより、熱処理容器と他の熱処理容器との間に貫通隙間が形成された状態で、熱処理容器および他の熱処理容器が熱処理炉内で搬送されるので、熱処理後の熱処理容器と他の熱処理容器との分離が容易になると共に熱処理炉内の雰囲気の循環が悪化することを抑制できる。
【0024】
第8発明の熱処理容器によれば、前記熱処理容器の前記第1係合突部および前記第2係合突部の一方は、単一の長手状の矩形突部であり、他方は、前記搬送方向に交差する方向において前記単一の長手状の矩形突部を挟む一対の矩形突部である。これにより、第1係合突部と第2係合突部との係合により、搬送方向に交差する方向の両方向において熱処理容器と他の熱処理容器とが相互に拘束されるので、好適に蛇行が抑制される。
【0025】
第9発明の熱処理容器によれば、前記熱処理容器の前記第1係合突部および前記第2係合突部は、それぞれ複数個であり、前記第1係合突部および前記第2係合突部は、それぞれ、先端ほど幅寸法が減少し且つ幅方向に対称形状となるように形成されている。これにより、搬送方向に交差する方向において熱処理容器と他の熱処理容器とが相互に移動しようとすると、熱処理容器の第1係合突部と他の熱処理容器の第2係合突部とが好適に係合し、蛇行が抑制される。また、熱処理容器と他の熱処理容器とが接近すると、先端ほど幅寸法が減少した形状の第1係合突部と第2係合突部との係合によって相対位置が修正される。
【0026】
第10発明の熱処理容器によれば、前記熱処理容器、前記下流側に隣接する他の熱処理容器、および前記上流側に隣接する他の熱処理容器は、相互に同じ形状である。これにより、搬送方向に交差する方向において熱処理容器と他の熱処理容器とが相互に移動しようとすると、熱処理容器の第1係合突部と他の熱処理容器の第2係合突部とが好適に係合し、蛇行が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明が好適に適用された熱処理容器を搬送する連続搬送式の熱処理炉の搬送構成を説明する斜視図である。
図2図1の熱処理炉内に設けられた複数個の熱処理容器のうちの一つを拡大して示す斜視図である。
図3図2の熱処理容器の断面図である。
図4】熱処理容器の搬送方向における他の熱処理容器との位置関係を示す図である。
図5】本発明の他の実施例(実施例2)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図6】本発明のさらに他の実施例(実施例3)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図7】本発明のさらに他の実施例(実施例4)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図8】本発明のさらに他の実施例(実施例5)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図9】本発明のさらに他の実施例(実施例6)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図10】本発明のさらに他の実施例(実施例7)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図11】本発明のさらに他の実施例(実施例8)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図12】本発明のさらに他の実施例(実施例9)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図13】本発明のさらに他の実施例(実施例10)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図14】本発明のさらに他の実施例(実施例11)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図15】本発明のさらに他の実施例(実施例12)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図16】本発明のさらに他の実施例(実施例13)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図17】本発明のさらに他の実施例(実施例14)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図18】本発明のさらに他の実施例(実施例15)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図19】本発明のさらに他の実施例(実施例16)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図20】本発明のさらに他の実施例(実施例17)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図21】本発明のさらに他の実施例(実施例18)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図22】本発明のさらに他の実施例(実施例19)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図23】本発明のさらに他の実施例(実施例20)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図24】本発明のさらに他の実施例(実施例21)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図25】本発明のさらに他の実施例(実施例22)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図26】本発明のさらに他の実施例(実施例23)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図27】本発明のさらに他の実施例(実施例24)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図28】本発明のさらに他の実施例(実施例25)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図29】本発明のさらに他の実施例(実施例26)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図30】本発明のさらに他の実施例(実施例27)の熱処理容器を説明する図であって、図4に相当する図である。
図31】搬送方向における相互に形状が異なる熱処理容器と他の熱処理容器との位置関係を示す図であって、図4に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比及び形状等は必ずしも正確に描かれていない。
【実施例0029】
図1は、本発明が好適に適用された連続搬送式の熱処理炉12の搬送構成を説明する斜視図である。図2は箱型の熱処理容器10を拡大して示す斜視図である。図3は熱処理容器10の断面図である。図4は、熱処理炉12内における熱処理容器10の搬送方向F1における他の熱処理容器10との位置関係を示す図である。なお、図3図4のIII-III視断面図である。
【0030】
熱処理炉12は、粉体状或いはペレット状の被処理材料W(図4参照)を収容した熱処理容器10を、Al、SiCなどの耐熱性無機材料の焼結体である複数本の搬送ローラ16によって連続的に且つ直線的にそれぞれ搬送して、所定の炉内雰囲気下例えば酸化雰囲気下或いは不活性ガス雰囲気下で熱処理容器10内の被処理材料Wを所定温度で熱処理するローラハースキルンである。なお、熱処理炉12は、図1に示すように、熱処理炉12内に並列に且つ同間隔で水平に配置された相互に同径の円柱状の搬送ローラ16と、搬送ローラ16をそれぞれ同期して回転駆動させる駆動装置(図示しない)と、を備えており、熱処理炉12では、搬送ローラ16上に並列に配置された矩形箱状の熱処理容器10が搬送ローラ16に直交する方向すなわち搬送方向F1に搬送されるようになっている。また、被処理材料Wは、例えば、電池材料であり、好ましくは、全固体電池の電極材料、リチウムイオン電池の電極材料である。また、図2は、図1の熱処理炉12内において搬送される複数個の熱処理容器10のうちの一つを拡大した拡大して示す斜視図である。
【0031】
例えば、熱処理炉12内では、図1に示すように、熱処理容器10が例えば複数個ずつ搬送方向F1に搬送されるようになっている。なお、図1に示す複数の熱処理容器10は、それぞれ同じ形状すなわちそれぞれ矩形状(矩形箱状)であり、それら熱処理容器10は、それぞれ、ムライト・コーディエライト、ムライト、コーディエライト、アルミナ、スピネル、SiC、チタン酸アルミニウムなどの耐熱性無機材料からなるプレス成形品或いは流込み成形品を焼成した焼結体から構成されている。
【0032】
複数個の熱処理容器10は、図2に示すように、それぞれ、正方形状の底壁14aと、底壁14aの4つの側縁(4辺)のうちの搬送方向F1に交差する方向F2に沿った、好適には、搬送方向F1に直交する方向F2に沿った、搬送方向F1側および搬送方向F1と反対方向F3側の一対の側縁(2辺)からそれぞれ立設された一対の第1側壁14bおよび第2側壁14cと、底壁14aの4つの側縁(4辺)のうちの搬送方向F1に沿った、搬送方向F1に向かって右側および左側の一対の側縁(2辺)からそれぞれ立設された一対の第3側壁14dおよび第4側壁14eと、を一体に備えている。
【0033】
第1側壁14b、第2側壁14c、第3側壁14dおよび第4側壁14eは、各壁内において均一な厚みT1を有し、且つ各壁の相互間において同様な厚みT1を有するように成形されている。底壁14aも、壁内において均一な厚みT2を有し、好適には、第1側壁14b、第2側壁14c、第3側壁14dおよび第4側壁14eの厚みT1と同様な厚みを有している。
【0034】
図2および図3に示すように、第1側壁14b、第2側壁14c、第3側壁14dおよび第4側壁14eの相互間、および底壁14aと第1側壁14b、第2側壁14c、第3側壁14dおよび第4側壁14eとの間は、所定の曲率半径たとえば厚みT1の1倍から3倍程度の曲率を有するR角部RCにより接続されている。また、後述の第1係合突部18および第2係合突部20は、平面視において、直線および曲線、又は曲線により形成されている。成形後の乾燥時および焼成時に生じる収縮による応力集中により割れを回避するためである。また、第1側壁14b、第2側壁14c、第3側壁14dおよび第4側壁14eと底壁14aとの間の開き角度は、直角よりも大きく、直角に対して1~3度程度の僅かな開き角θpが付与されていてもよい。
【0035】
熱処理容器10は、図2の斜視図に拡大して示すように、第1側壁14bの一部が搬送方向F1へ局所的に突き出すように曲成された第1係合突部18と、第2側壁14cのうち、搬送方向F1に交差する方向F2の位置において第1係合突部18が形成されていない部分が搬送方向F1とは反対方向F3に突き出すように曲成された第2係合突部20とを備えている。本実施例では、第1係合突部18は、第1側壁14bのうちの搬送方向F1に向かって左側半分から突設された単一の長手状の矩形突部であり、第2係合突部20は、第2側壁14cのうちの搬送方向F1に向かって右側半分から搬送方向F1と反対方向F3へ突設された単一の長手状の矩形突部である。
【0036】
図1および図4に示すように、搬送ローラ16による搬送中においては、第1係合突部18は、搬送方向F1の下流側に隣接する他の熱処理容器10から突き出す第2係合突部20と搬送方向F1に交差する方向F2において係合可能であり、第2係合突部20は、搬送方向F1の上流側すなわち搬送方向F1と反対方向F3側に隣接する他の熱処理容器10から突き出す第1係合突部18と搬送方向F1に交差する方向F2において係合可能である。
【0037】
また、熱処理容器10は、第1係合突部18および第2係合突部20が相互に係合が可能な、図1に示す熱処理容器10の密接配置状態において、熱処理容器10とそれに隣接する他の熱処理容器10との間に底壁14aに垂直な方向すなわち上下方向に貫通する貫通隙間SPを形成する隙間形成部を、備えている。本実施例では、第1係合突部18および第2係合突部20のうちの熱処理容器10の角側の端部には、隙間形成部に対応する面取状の切欠き18aおよび20aが形成されている。切欠き18aは、搬送方向F1の下流側に隣接する他の熱処理容器10との間に貫通隙間SPを形成し、切欠き20aは、搬送方向F1の上流側に隣接する他の熱処理容器10との間に貫通隙間SPを形成する。
【0038】
以上のように構成された熱処理容器10では、搬送ローラ16の長手方向F2において所定の熱処理容器10とそれに搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器10とが相互に移動しようとすると、図4に示すように、熱処理容器10の第1係合突部18と他の熱処理容器10の第2係合突部20とが係合して搬送ローラ16の長手方向F2における熱処理容器10と他の熱処理容器10との相互の移動が規制される。これにより、複数個の熱処理容器10において例えば搬送方向F1において熱処理容器10の蛇行が抑制される。また、熱処理炉12内では、所定の熱処理容器10とそれに隣接する他の熱処理容器10との間には、切欠き18aおよび20aによって貫通隙間SPが形成された状態で搬送されるので、熱処理後の熱処理容器10と他の熱処理容器10との間の温度差により発生する熱衝撃を好適に緩和することができると共に、熱処理後の熱処理容器10と他の熱処理容器10との間の分離が容易になり、また、貫通隙間SPを通した雰囲気ガスの移動が容易となって熱処理炉12内の雰囲気の循環が好適に行なわれる。
【0039】
上述のように、本実施例の熱処理容器10は、矩形状且つ板状の底壁14aと、底壁14aの4辺のうちの搬送方向F1に交差する方向F2に沿った2辺から一体的に立設された板状の一対の第1側壁14bおよび第2側壁14cと、底壁14aの4辺のうちの搬送方向F1に沿った2辺から一体的に立設された板状の一対の第3側壁14dおよび第4側壁14eとを備え、熱処理炉12内に並列に配置され且つ回転駆動される複数本の搬送ローラ16上において、被処理材料Wを収容した状態で搬送方向F1へ搬送される矩形箱状の熱処理容器10であって、第1側壁14bの一部が搬送方向F1へ局所的に突き出すように曲成された第1係合突部18と、第2側壁14cのうち、搬送方向F1に交差する方向F2の位置において第1係合突部18が形成されていない部分が搬送方向F1とは反対方向F3に突き出すように曲成された第2係合突部20とを、含み、第1係合突部18は、搬送中において搬送方向F1の下流側に隣接する他の熱処理容器10から突き出す第2係合突部20と搬送方向に交差する方向F2において係合可能であり、第2係合突部20は、搬送中において搬送方向F1の上流側に隣接する他の熱処理容器10から突き出す第1係合突部18と搬送方向F1に交差する方向F2において係合可能であり、第1係合突部18および第2係合突部20が相互に係合が可能な状態において熱処理容器10とそれに隣接する他の熱処理容器10との間に底壁に垂直な方向に貫通する貫通隙間SPを形成するように形成されている。
【0040】
これにより、熱処理容器10や他の熱処理容器10が蛇行しようとすると、熱処理容器10の第1係合突部18と他の熱処理容器10の第2係合突部20とが係合して搬送ローラ16の長手方向における熱処理容器10と他の熱処理容器10との相互の移動が規制されるので、熱処理容器10や他の熱処理容器10の蛇行を抑制することができる。また、熱処理容器10と他の熱処理容器10との間に貫通隙間SPが形成された状態で、熱処理容器10および他の熱処理容器10が熱処理炉12内で搬送されるので、熱処理炉12内の雰囲気の循環が悪化することを抑制できる。
【0041】
また、本実施例の熱処理容器10によれば、第1係合突部18および第2係合突部20は平面視において、図4に示すように、直線および曲線、又は曲線により形成されている。これにより、第1側壁14bおよび第2側壁14cにおいて、第1係合突部18および第2係合突部20が応力集中の少ない形状で形成されているので、無機材料から成形された成形品を焼成することにより得られる熱処理容器10の製造歩留りが高められる。
【0042】
また、本実施例の熱処理容器10によれば、第1側壁14b、第2側壁14c、第3側壁14dおよび第4側壁14eの相互間、および底壁14aと14b、第2側壁14c、第3側壁14dおよび第4側壁14eとの間は、所定の曲率半径を有するR角部RCで接続されている。これにより、第1側壁14b、第2側壁14c、第3側壁14dおよび第4側壁14eの相互間、および底壁14aと第1側壁14b、第2側壁14c、第3側壁14dおよび第4側壁14eとの間が、応力集中の少ない所定の曲率半径を有するR角部RCで接続されているので、無機材料から成形された成形品を焼成することにより得られる熱処理容器10の製造歩留りが高められる。
【0043】
また、本実施例の熱処理容器10によれば、第1側壁14b、第2側壁14c、第3側壁14dおよび第4側壁14eは、それぞれ均一な厚みT1を有する壁であって、相互間において同様な厚みを有することから、第1側壁14b、第2側壁14c、第3側壁14dおよび第4側壁14e自体の局所間および壁相互間の収縮差が抑制されるので、無機材料から成形された成形品を焼成することにより得られる熱処理容器10の製造歩留りが高められる。
【0044】
また、本実施例の熱処理容器10によれば、熱処理容器10の第1係合突部18および第2係合突部20は、単一の長手状の矩形突部であり、第1係合突部18および第2係合突部20の角側の端部には、搬送方向F1の下流側に隣接する他の熱処理容器10および搬送方向F1の上流側に隣接する他の熱処理容器10との間に貫通隙間SPを形成する切欠き18aおよび20aが形成されている。これにより、熱処理容器10と他の熱処理容器10との間に貫通隙間SPが形成された状態で、熱処理容器10および他の熱処理容器10が熱処理炉12内で搬送されるので、熱処理後の熱処理容器10と他の熱処理容器10との分離が容易になると共に、熱処理炉12内の雰囲気の循環が悪化することを抑制できる。
【0045】
また、本実施例の熱処理容器10によれば、熱処理容器10、下流側に隣接する他の熱処理容器10、および前記上流側に隣接する他の熱処理容器10は、相互に同じ形状である。これにより、搬送方向F1に交差する方向において熱処理容器10と他の熱処理容器10とが相互に移動しようとすると、熱処理容器10の第1係合突部18と他の熱処理容器10の第2係合突部20とが好適に係合し、蛇行が抑制される。
【0046】
次に、本発明の他の実施例を説明する。尚、以下の説明において実施例相互に共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【実施例0047】
図5は、本発明の他の実施例の熱処理容器24を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器24と共に示している。図5に示す熱処理容器24は、前述の図4に示す熱処理容器10に比較して、第1係合突部18のみに切欠き18aが設けられておらず、第2係合突部20に切欠き20aが形成されている点で相違するが、他は熱処理容器10と同様に構成されている。本実施例の熱処理容器24は、前述の熱処理容器10等と同様の作用効果が得られる。
【実施例0048】
図6は、本発明の他の実施例の熱処理容器25を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器25と共に示している。図6に示す熱処理容器25は、前述の図4に示す熱処理容器10に比較して、第2係合突部20に切欠き20aが設けられておらず、第1係合突部18のみに切欠き18aが形成されている点で相違するが、他は熱処理容器10と同様に構成されている。本実施例の熱処理容器25は、前述の熱処理容器10等と同様の作用効果が得られる。
【実施例0049】
図7は、本発明の他の実施例の熱処理容器26を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器26と共に示している。図7に示す熱処理容器26は、前述の図4に示す熱処理容器10に比較して、第1係合突部18に設けられた切欠き18a、および第2係合突部20に設けられた切欠き20aが、共に、円弧状すなわちR面取り状に形成されている点で相違するが、他は熱処理容器10と同様に構成されている。本実施例の熱処理容器26は、前述の熱処理容器10等と同様の作用効果が得られる。
【実施例0050】
図8は、本発明の他の実施例の熱処理容器27を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器27と共に示している。図8に示す熱処理容器27は、前述の図4に示す熱処理容器10に比較して、第1係合突部18に設けられた切欠き18aが、円弧状すなわちR面取り状に形成されている点で相違するが、他は熱処理容器10と同様に構成されている。本実施例の熱処理容器27は、前述の熱処理容器10等と同様の作用効果が得られる。
【実施例0051】
図9は、本発明の他の実施例の熱処理容器28を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器28と共に示している。図8に示す熱処理容器28は、前述の図4に示す熱処理容器10に比較して、第2係合突部20に設けられた切欠き20aが、円弧状すなわちR面取り状に形成されている点で相違するが、他は熱処理容器10と同様に構成されている。本実施例の熱処理容器28は、前述の熱処理容器10等と同様の作用効果が得られる。
【実施例0052】
図10は、本発明の他の実施例の熱処理容器29を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器29と共に示している。図10に示す熱処理容器29は、前述の図4に示す熱処理容器10に比較して、第1係合突部18が第1側壁14bのうちの搬送方向F1に向かって右半分から突出し、第2係合突部20が第2側壁14cのうちの搬送方向F1とは反対方向F3に向かって右半分から突出している点で相違するが、他は熱処理容器10と同様に構成されている。本実施例の熱処理容器29は、図4に示す前述の熱処理容器10を上下反転させた形状である。
【実施例0053】
図11は、本発明の他の実施例の熱処理容器30を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器30と共に示している。図11に示す熱処理容器30は、前述の図5に示す熱処理容器24に比較して、第1係合突部18が第1側壁14bのうちの搬送方向F1に向かって右半分から突出し、第2係合突部20が第2側壁14cのうちの搬送方向F1と反対方向F3に向かって右半分から突出している点で相違するが、他は熱処理容器24と同様に構成されている。本実施例の熱処理容器30は、図5に示す前述の熱処理容器24を上下反転させた形状である。
【実施例0054】
図12は、本発明の他の実施例の熱処理容器31を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器31と共に示している。図12に示す熱処理容器31は、前述の図6に示す熱処理容器25に比較して、第1係合突部18が第1側壁14bのうちの搬送方向F1に向かって右半分から突出し、第2係合突部20が第2側壁14cのうちの搬送方向F1と反対方向F3に向かって右半分から突出している点で相違するが、他は熱処理容器25と同様に構成されている。本実施例の熱処理容器31は、図6に示す前述の熱処理容器25を上下反転させた形状である。
【実施例0055】
図13は、本発明の他の実施例の熱処理容器32を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器32と共に示している。図13に示す熱処理容器32は、前述の図7に示す熱処理容器26に比較して、第1係合突部18が第1側壁14bのうちの搬送方向F1に向かって右半分から突出し、第2係合突部20が第2側壁14cのうちの搬送方向F1と反対方向F3に向かって右半分から突出している点で相違するが、他は熱処理容器26と同様に構成されている。本実施例の熱処理容器32は、図7に示す前述の熱処理容器26を上下反転させた形状である。
【実施例0056】
図14は、本発明の他の実施例の熱処理容器33を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器33と共に示している。図14に示す熱処理容器33は、前述の図8に示す熱処理容器27に比較して、第1係合突部18が第1側壁14bのうちの搬送方向F1に向かって右半分から突出し、第2係合突部20が第2側壁14cのうちの搬送方向F1と反対方向F3に向かって右半分から突出している点で相違するが、他は熱処理容器27と同様に構成されている。本実施例の熱処理容器33は、図8に示す前述の熱処理容器27を上下反転させた形状である。
【実施例0057】
図15は、本発明の他の実施例の熱処理容器34を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器34と共に示している。図15に示す熱処理容器34は、前述の図9に示す熱処理容器28に比較して、第1係合突部18が第1側壁14bのうちの搬送方向F1に向かって右半分から突出し、第2係合突部20が第2側壁14cのうちの搬送方向F1と反対方向F3に向かって右半分から突出している点で相違するが、他は熱処理容器28と同様に構成されている。本実施例の熱処理容器34は、図9に示す前述の熱処理容器28を上下反転させた形状である。
【実施例0058】
図16は、本発明の他の実施例の熱処理容器35を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器35と共に示している。図16に示す熱処理容器35は、前述の図4に示す熱処理容器10に比較して、第1係合突部18には、切欠き18aに替えて、内側へ凹む第1小凹部21aが形成され、第2係合突部20には、切欠き20aに替えて、外側へ突き出す第1小突部22aが形成されている点で相違するが、他は熱処理容器10と同様に構成されている。第1小凹部21a内には貫通隙間SPが形成されるとともに、第1小突部22aが第1側壁14bに当接した状態で第1側壁14bと第2係合突部20との間には他の貫通隙間SPが形成される。これにより、本実施例の熱処理容器24は、前述の熱処理容器10等と同様の作用効果が得られる。
【実施例0059】
図17は、本発明の他の実施例の熱処理容器36を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器36と共に示している。図17に示す熱処理容器36は、前述の図16に示す熱処理容器35に比較して、第1係合突部18には第1小凹部21aが形成されておらず、第2係合突部20のみに外側へ突き出す第1小突部22aが形成されている点で相違するが、他は熱処理容器35と同様に構成されている。本実施例では、第1小突部22aが第1側壁14bに当接した状態で第1側壁14bと第2係合突部20との間には貫通隙間SPが形成される。本実施例の熱処理容器36は、前述の熱処理容器35等と同様の作用効果が得られる。
【実施例0060】
図18は、本発明の他の実施例の熱処理容器37を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器37と共に示している。図18に示す熱処理容器37は、前述の図16に示す熱処理容器35に比較して、第1係合突部18には、第1小凹部21aに替えて、搬送方向F1又は搬送方向F1の反対方向F3に向かって外側へ突き出す第1小突部22aが設けられている点で相違するが、他は熱処理容器35と同様に構成されている。本実施例では、第1小突部22aが第1側壁14bに当接した状態で第1側壁14bと第2係合突部20との間には貫通隙間SPが形成されるだけでなく、第1小突部22aが第2側壁14cに当接した状態で第2側壁14cと第1係合突部18との間に他の貫通隙間SPが形成される。本実施例の熱処理容器37は、前述の熱処理容器35等と同様の作用効果が得られる。
【実施例0061】
図19は、本発明の他の実施例の熱処理容器38を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器38と共に示している。図19に示す熱処理容器38は、前述の図16に示す熱処理容器35とは異なり、第1係合突部18には第1小凹部21aが設けられておらず、第2係合突部20には第1小突部22aが設けられていない。本実施例の熱処理容器38は、所定の熱処理容器10の第1側壁14bから突き出す第1係合突部18に対向する他の熱処理容器10の第2側壁14cに第2小突部22bが設けられ、他の熱処理容器10の第2側壁14cから突き出す第2係合突部20に対向する所定の熱処理容器10の第1側壁14bに第2小凹部21bが設けられている。他は熱処理容器10と同様に構成されている。本実施例の熱処理容器26は、前述の熱処理容器10等と同様の作用効果が得られる。
【実施例0062】
図20は、本発明の他の実施例の熱処理容器39を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器39と共に示している。図20に示す本実施例の熱処理容器39は、図19に示す熱処理容器38に対して、他の熱処理容器10の第2側壁14cから突き出す第2係合突部20に対向する所定の熱処理容器10の第1側壁14bに第2小凹部21bが設けられていない点で相違し、他は同様に構成されている。本実施例の熱処理容器39は、前述の熱処理容器38等と同様の作用効果が得られる。
【実施例0063】
図21は、本発明の他の実施例の熱処理容器40を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器40と共に示している。図21に示す本実施例の熱処理容器40は、図19に示す熱処理容器38に対して、他の熱処理容器10の第2側壁14cから突き出す第2係合突部20に対向する所定の熱処理容器10の第1側壁14bに、第2小凹部21bに替えて第2小突部22bが設けられている点で相違し、他は同様に構成されている。本実施例の熱処理容器39は、前述の熱処理容器38等と同様の作用効果が得られる。
【実施例0064】
図22は、本発明の他の実施例の熱処理容器41を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器41と共に示している。図22に示す熱処理容器41は、前述の図16に示す熱処理容器35に比較して、第1係合突部18が第1側壁14bのうちの搬送方向F1に向かって右半分から突出し、第2係合突部20が第2側壁14cのうちの搬送方向F1と反対方向F3に向かって右半分から突出している点で相違するが、他は熱処理容器35と同様に構成されている。本実施例の熱処理容器41は、図16に示す前述の熱処理容器35を上下反転させた形状である。
【実施例0065】
図23は、本発明の他の実施例の熱処理容器42を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器42と共に示している。図23に示す熱処理容器42は、前述の図17に示す熱処理容器36に比較して、第1係合突部18が第1側壁14bのうちの搬送方向F1に向かって右半分から突出し、第2係合突部20が第2側壁14cのうちの搬送方向F1と反対方向F3に向かって右半分から突出している点で相違するが、他は熱処理容器36と同様に構成されている。本実施例の熱処理容器42は、図17に示す前述の熱処理容器36を上下反転させた形状である。
【実施例0066】
図24は、本発明の他の実施例の熱処理容器43を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器43と共に示している。図24に示す熱処理容器43は、前述の図18に示す熱処理容器37に比較して、第1係合突部18が第1側壁14bのうちの搬送方向F1に向かって右半分から突出し、第2係合突部20が第2側壁14cのうちの搬送方向F1と反対方向F3に向かって右半分から突出している点で相違するが、他は熱処理容器37と同様に構成されている。本実施例の熱処理容器43は、図18に示す前述の熱処理容器37を上下反転させた形状である。
【実施例0067】
図25は、本発明の他の実施例の熱処理容器44を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器44と共に示している。図25に示す熱処理容器44は、前述の図19に示す熱処理容器38に比較して、第1係合突部18が第1側壁14bのうちの搬送方向F1に向かって右半分から突出し、第2係合突部20が第2側壁14cのうちの搬送方向F1と反対方向F3に向かって右半分から突出している点で相違するが、他は熱処理容器38と同様に構成されている。本実施例の熱処理容器44は、図19に示す前述の熱処理容器38を上下反転させた形状である。
【実施例0068】
図26は、本発明の他の実施例の熱処理容器45を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器45と共に示している。図26に示す熱処理容器45は、前述の図20に示す熱処理容器39に比較して、第1係合突部18が第1側壁14bのうちの搬送方向F1に向かって右半分から突出し、第2係合突部20が第2側壁14cのうちの搬送方向F1と反対方向F3に向かって右半分から突出している点で相違するが、他は熱処理容器39と同様に構成されている。本実施例の熱処理容器45は、図20に示す前述の熱処理容器39を上下反転させた形状である。
【実施例0069】
図27は、本発明の他の実施例の熱処理容器46を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器46と共に示している。図27に示す熱処理容器46は、前述の図21に示す熱処理容器40に比較して、第1係合突部18が第1側壁14bのうちの搬送方向F1に向かって右半分から突出し、第2係合突部20が第2側壁14cのうちの搬送方向F1と反対方向F3に向かって右半分から突出している点で相違するが、他は熱処理容器40と同様に構成されている。本実施例の熱処理容器46は、図21に示す前述の熱処理容器40を上下反転させた形状である。
【実施例0070】
図28は、本発明の他の実施例の熱処理容器47を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器47と共に示している。図28に示す熱処理容器47は、前述の図4に示す熱処理容器10に比較して、第1係合突部18が第1側壁14bのうちの長手方向の中央部から搬送方向F1に向かって突出し、一対の第2係合突部20Lおよび20Rが第2側壁14cのうちの長手方向両端部から搬送方向F1と反対方向F3に向かってそれぞれ突出している点で相違するが、他は熱処理容器10と同様に構成されている。搬送ローラ16上の搬送状態では、図28に示すように、熱処理容器47の第1係合突部18が隣接する熱処理容器47の一対の第2係合突部20Lおよび20Rの間に嵌め入れられた状態となる。これにより、搬送ローラ16の長手方向における熱処理容器47と他の熱処理容器47との相互の移動が規制されるので、熱処理容器47や他の熱処理容器47の蛇行を抑制することができる。また、一対の第2係合突部20Lおよび20Rの突出し長さL2は、第1係合突部18の突出し長さL1よりも短い(L2<L1)。これにより、熱処理容器47の第1側壁14bとそれに隣接する他の熱処理容器47から突き出す一対の第2係合突部20Lおよび20Rとの間の貫通隙間SPが形成されるので、熱処理後の熱処理容器47と他の熱処理容器47との分離が容易になると共に、熱処理炉12内の雰囲気の循環が悪化することを抑制できる。
【実施例0071】
図29は、本発明の他の実施例の熱処理容器48を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器48と共に示している。図29に示す熱処理容器48は、前述の図4に示す熱処理容器10に比較して、一対の第1係合突部18Lおよび18Rが第1側壁14bから搬送方向F1に向かってそれぞれ突出しており、一対の第2係合突部20Lおよび20Rが第2側壁14cから搬送方向F1と反対方向F3に向かってそれぞれ突出している点で相違するが、他は熱処理容器10と同様に構成されている。一対の第1係合突部18Lおよび18Rと一対の第2係合突部20Lおよび20Rとは、尖端がR面取りされた三角歯状であり、それぞれ、先端ほど幅寸法が減少し且つ幅方向に対称形状となるように形成されている。一対の第1係合突部18Lおよび18Rと一対の第2係合突部20Lおよび20Rとは、搬送ローラ16の長手方向F2において、一対の第1係合突部18Lおよび18Rの先端が一対の第2係合突部20Lおよび20Rの谷に位置するように、一対の第1係合突部18Lおよび18Rの谷が一対の第2係合突部20Lおよび20Rの尖端に位置するように、形成されている。
【0072】
本実施例によれば、一対の第1係合突部18Lおよび18Rと一対の第2係合突部20Lおよび20Rとの係合により、搬送ローラ16の長手方向における熱処理容器48と他の熱処理容器48との相互の移動が規制されるので、熱処理容器48や他の熱処理容器48の蛇行を抑制することができる。また、熱処理容器48と隣接する他の熱処理容器48とが接近すると、先端ほど幅寸法が減少した形状の第1係合突部18Lおよび18Rと第2係合突部20Lおよび20Rとの係合によって相対位置が修正される。また、一対の第1係合突部18Lおよび18Rのうちの一方の第1係合突部18Lは、一対の第2係合突部20Lおよび20Rの谷に嵌め入れられず、隣接する他の熱処理容器48の第2側壁14cに所定の貫通隙間SPを隔てて対向している。また、一対の第2係合突部20Lおよび20Rの一方の第2係合突部20Lは、一対の第1係合突部18Lおよび18Rの谷に嵌め入れられず、隣接する熱処理容器48の第1側壁14bに所定の貫通隙間SPを隔てて対向している。これにより、熱処理後の熱処理容器47と他の熱処理容器47との分離が容易になると共に、熱処理炉12内の雰囲気の循環が悪化することを抑制できる。
【実施例0073】
図30は、本発明の他の実施例の熱処理容器49を搬送方向F1に隣接する他の熱処理容器49と共に示している。図30に示す熱処理容器49は、前述の図29に示す熱処理容器48に比較して、一対の第1係合突部18Lおよび18Rと一対の第2係合突部20Lおよび20Rとが、三角歯状ではなく、半円の歯状である点で相違している。本実施例の一対の第1係合突部18Lおよび18Rと一対の第2係合突部20Lおよび20Rとは、図29の実施例と同様に、それぞれ、先端ほど幅寸法が減少し且つ幅方向に対称形状となるように形成されているので、図29の熱処理容器48と同様の効果が得られる。
【実施例0074】
図31は、図5の熱処理容器24の搬送方向F1における上流側および下流側に、他の熱処理容器として図4の熱処理容器10を配置した図である。図31に示すように、第1係合突部18と第2係合突部20とが係合可能であるので、下流側に隣接する他の熱処理容器10及び上流側に隣接する他の熱処理容器10と、熱処理容器24とが相互に同じ形状でなくても、熱処理容器24や他の熱処理容器10の蛇行を抑制することができる。また、熱処理容器24と他の熱処理容器10との間に貫通隙間SPが形成されるので、熱処理炉12内の雰囲気の循環が悪化することを抑制できる。また、例えば図31に示す熱処理容器24に替えて、熱処理容器25~28を用いた場合や、図31に示す熱処理容器10に替えて、熱処理容器25~28を用いた場合も同様の効果が得られる。
【0075】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0076】
例えば、前述の実施例の熱処理容器10において、熱処理容器10の第3側壁14dおよび第4側壁14eには、第1係合突部18および第2係合突部20と同様の、第1係合突部および第2係合突部が形成されてもよい。この場合には、熱処理容器10の搬送ローラ16の長手方向F2に隣接する他の熱処理容器10との相対移動が抑制される。
【0077】
また、前述の実施例の熱処理容器48及び49において、第1係合突部18Lおよび18R、第2係合突部20L、20Rは、相互に同じ複数個設けられていたが同じ個数でなくともよく、それぞれ複数個設けられていればよい。例えば、第1係合突部18が4個、第2係合突部20が3個などであってもよい。
【0078】
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0079】
10、24~49:熱処理容器
12:熱処理炉
14a:底壁
14b:第1側壁
14c:第2側壁
14d:第3側壁
14e:第4側壁
16:搬送ローラ
18:第1係合突部
18a:切欠き
20:第2係合突部
20a:切欠き
21a:第1小凹部
21b:第2小凹部
22a:第1小突部
22b:第2小突部
F1:搬送方向
F2:搬送方向に交差する方向
F3:搬送方向の反対方向
SP:貫通隙間
W:被処理材料
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
【手続補正書】
【提出日】2021-10-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
状の側壁と、前記底壁の4側縁のうちの搬送方向に交差する方向に沿った2側縁から一体的に立設された板状の一対の第1側壁および第2側壁と、前記底壁の前記4側縁のうちの前記搬送方向に沿った2側縁から一体的に立設された板状の第3側壁および第4側壁とを備え、無機材料からなる箱状の熱処理容器であって、
前記第1側壁から曲成された、前記搬送方向へ局所的に突き出す第1係合突部と、
前記第2側壁のうち、前記搬送方向に交差する方向において前記第1係合突部が形成されていない部分から曲成された、前記搬送方向とは反対方向に突き出す第2係合突部と、を含み、
前記熱処理容器の前記第1係合突部は、搬送中において前記熱処理容器に対して前記搬送方向の下流側に隣接する、前記熱処理容器と同様に第1係合突部および第2係合突部を有する他の熱処理容器から突き出す第2係合突部と前記搬送方向に交差する方向において係合可能であり、
前記熱処理容器の前記第2係合突部は、搬送中において前記熱処理容器に対して前記搬送方向の上流側に隣接する、前記熱処理容器と同様に第1係合突部および第2係合突部を有する他の熱処理容器から突き出す第1係合突部と前記搬送方向に交差する方向において係合可能であり、
前記第1係合突部および前記第2係合突部が相互に係合が可能な状態において前記熱処理容器と前記下流側に隣接する他の熱処理容器との間および前記熱処理容器と前記上流側に隣接する他の熱処理容器との間にそれぞれ前記底壁に垂直な方向に貫通する貫通隙間を形成するように形成されている
ことを特徴とする熱処理容器。
【請求項2】
前記熱処理容器の前記第1係合突部および前記第2係合突部は、平面視において、直線および曲線、又は曲線により形成されている
ことを特徴とする請求項1の熱処理容器。
【請求項3】
前記第1側壁、前記第2側壁、前記第3側壁および前記第4側壁の相互間、および、前記底壁と前記第1側壁、前記第2側壁、前記第3側壁および前記第4側壁との間は、所定の曲率半径を有するR角部で接続されている
ことを特徴とする請求項1又は2の熱処理容器。
【請求項4】
前記第1側壁、前記第2側壁、前記第3側壁および前記第4側壁は、それぞれ均一な厚みを有する壁であって、相互間において同様な厚みを有する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1の熱処理容器。
【請求項5】
前記熱処理容器の前記第1係合突部および前記第2係合突部は、単一の長手状の矩形突部であり、前記第1係合突部および前記第2係合突部の角側の端部には、前記下流側に隣接する他の熱処理容器との間および前記上流側に隣接する他の熱処理容器との間に前記貫通隙間を形成する切欠きが形成されている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1の熱処理容器。
【請求項6】
前記熱処理容器の前記第1係合突部および前記第2係合突部は、単一の長手状の矩形突部であり、前記第1係合突部の前記下流側に隣接する他の熱処理容器に対向する部分、前記第2係合突部の前記上流側に隣接する他の熱処理容器に対向する部分、又は、前記第1係合突部の前記下流側に隣接する他の熱処理容器に対向する部分および前記第2係合突部の前記上流側に隣接する他の熱処理容器に対向する部分には、前記第1係合突部および前記第2係合突部よりも幅寸法および突出し寸法が小さい第1小突部、又は、前記第1小突部の形状が反転した第1小凹部が形成されている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1の熱処理容器。
【請求項7】
前記第1側壁の前記第1係合突部が形成されていない部分、前記第2側壁の前記第2係合突部が形成されていない部分、又は、前記第1側壁の前記第1係合突部が形成されていない部分および前記第2側壁の前記第2係合突部が形成されていない部分には、前記第1係合突部および前記第2係合突部よりも幅寸法および突出し寸法が小さい第2小突部、又は前記第2小突部の形状が反転した第2小凹部が形成されている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1の熱処理容器。
【請求項8】
前記熱処理容器の前記第1係合突部および前記第2係合突部の一方は、単一の長手状の矩形突部であり、他方は、前記搬送方向に交差する方向において前記単一の長手状の矩形突部を挟む一対の矩形突部である
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1の熱処理容器。
【請求項9】
前記熱処理容器の前記第1係合突部および前記第2係合突部は、それぞれ複数個であり、前記第1係合突部および前記第2係合突部は、それぞれ、先端ほど幅寸法が減少し且つ幅方向に対称形状となるように形成されている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1の熱処理容器。
【請求項10】
前記熱処理容器、前記下流側に隣接する他の熱処理容器、および前記上流側に隣接する他の熱処理容器は、相互に同じ形状である
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1の熱処理容器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
第1発明の要旨とするところは、(a)状の側壁と、前記底壁の4側縁のうちの搬送方向に交差する方向に沿った2側縁から一体的に立設された板状の一対の第1側壁および第2側壁と、前記底壁の前記4側縁のうちの前記搬送方向に沿った2側縁から一体的に立設された板状の第3側壁および第4側壁とを備え、無機材料からなる箱状の熱処理容器であって、(b)前記第1側壁から曲成された、前記搬送方向へ局所的に突き出す第1係合突部と、(c)前記第2側壁のうち、前記搬送方向に交差する方向において前記第1係合突部が形成されていない部分から曲成された、前記搬送方向とは反対方向に突き出す第2係合突部と、を含み、(d)前記熱処理容器の前記第1係合突部は、搬送中において前記熱処理容器に対して前記搬送方向の下流側に隣接する、前記熱処理容器と同様に第1係合突部および第2係合突部を有する他の熱処理容器から突き出す第2係合突部と前記搬送方向に交差する方向において係合可能であり、(e)前記熱処理容器の前記第2係合突部は、搬送中において前記熱処理容器に対して前記搬送方向の上流側に隣接する、前記熱処理容器と同様に第1係合突部および第2係合突部を有する他の熱処理容器から突き出す第1係合突部と前記搬送方向に交差する方向において係合可能であり、(f)前記第1係合突部および前記第2係合突部が相互に係合が可能な状態において前記熱処理容器と前記下流側に隣接する他の熱処理容器との間および前記熱処理容器と前記上流側に隣接する他の熱処理容器との間にそれぞれ前記底壁に垂直な方向に貫通する貫通隙間を形成するように形成されていることにある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
第1発明の無機材料からなる熱処理容器によれば、(b)前記第1側壁から曲成された、前記搬送方向へ局所的に突き出す第1係合突部と、(c)前記第2側壁のうち、前記搬送方向に交差する方向において前記第1係合突部が形成されていない部分から曲成された、前記搬送方向とは反対方向に突き出す第2係合突部と、を含み、(d)前記熱処理容器の前記第1係合突部は、搬送中において前記熱処理容器に対して前記搬送方向の下流側に隣接する、前記熱処理容器と同様に第1係合突部および第2係合突部を有する他の熱処理容器から突き出す第2係合突部と前記搬送方向に交差する方向において係合可能であり、(e)前記熱処理容器の前記第2係合突部は、搬送中において前記熱処理容器に対して前記搬送方向の上流側に隣接する、前記熱処理容器と同様に第1係合突部および第2係合突部を有する他の熱処理容器から突き出す第1係合突部と前記搬送方向に交差する方向において係合可能であり、(f)前記第1係合突部および前記第2係合突部が相互に係合が可能な状態において前記熱処理容器と前記下流側に隣接する他の熱処理容器との間および前記熱処理容器と前記上流側に隣接する他の熱処理容器との間にそれぞれ前記底壁に垂直な方向に貫通する貫通隙間を形成するように形成されている。これにより、熱処理容器や他の熱処理容器が蛇行しようとすると、熱処理容器の第1係合突部と他の熱処理容器の第2係合突部とが係合して搬送方向に交差する方向における熱処理容器と他の熱処理容器との相互の移動が規制されるので、熱処理容器や他の熱処理容器の蛇行を抑制することができる。また、熱処理容器と他の熱処理容器との間に貫通隙間が形成された状態で、熱処理容器および他の熱処理容器が熱処理炉内で搬送されるので、熱処理炉内の雰囲気の循環が悪化することを抑制できる。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の壁と、前記底壁の4側縁のうちの搬送方向に交差する方向に沿った2側縁から一体的に立設された板状の一対の第1側壁および第2側壁と、前記底壁の前記4側縁のうちの前記搬送方向に沿った2側縁から一体的に立設された板状の第3側壁および第4側壁とを備え、熱処理炉内に並列に配置された複数本の搬送ローラ上で前記搬送方向に整列した状態で前記搬送方向へ搬送される無機材料からなる箱状の熱処理容器であって、
前記第1側壁のうちの前記搬送方向に交差する方向の所定部分全体が前記搬送方向へ突き出して単一の長手状の矩形突部を成すように曲成された第1係合突部と、
前記第2側壁のうち、前記搬送方向に交差する方向において前記第1係合突部に対応していない部分全体が前記搬送方向とは反対方向に突き出して単一の長手状の矩形突部を成すように曲成された第2係合突部とを、含み、
前記熱処理容器の前記第1係合突部は、前記搬送ローラ上において前記熱処理容器に対して前記搬送方向の流側に隣接する第2の熱処理容器であって、板状の第2の底壁と、前記第2の底壁の4側縁のうちの搬送方向に交差する方向に沿った2側縁から一体的に立設された板状の一対の第2の第1側壁および第2の第2側壁と、前記第2の底壁の前記4側縁のうちの前記搬送方向に沿った2側縁から一体的に立設された板状の一対の第2の第3側壁および第2の第4側壁とを備え、前記第2の第1側壁のうちの前記搬送方向に交差する方向の所定部分全体が前記搬送方向へ突き出して単一の長手状の矩形突部を成すように曲成された第2の第1係合突部と、前記第2の第2側壁のうち、前記搬送方向に交差する方向において前記第2の第1係合突部に対応していない部分全体が前記搬送方向とは反対方向に突き出して単一の長手状の矩形突部を成すように曲成された第2の第2係合突部とを含む前記第2の熱処理容器の、前記第2の第2係合突部との係合により、前記搬送方向において前記熱処理容器と整列するように前記第2の熱処理容器の相互の移動を規制するものであり、
前記熱処理容器の前記第2係合突部は、前記搬送ローラ上において前記熱処理容器に対して前記搬送方向の流側に隣接する第3の熱処理容器であって、板状の第3の底壁と、前記第3の底壁の4側縁のうちの搬送方向に交差する方向に沿った2側縁から一体的に立設された板状の一対の第3の第1側壁および第3の第2側壁と、前記第3の底壁の前記4側縁のうちの前記搬送方向に沿った2側縁から一体的に立設された板状の一対の第3の第3側壁および第3の第4側壁とを備え、前記第3の第1側壁のうちの前記搬送方向に交差する方向の所定部分全体が前記搬送方向へ突き出して単一の長手状の矩形突部を成すように曲成された第3の第1係合突部と、前記第3の第2側壁のうち、前記搬送方向に交差する方向において前記第3の第1係合突部に対応していない部分全体が前記搬送方向とは反対方向に突き出して単一の長手状の矩形突部を成すように曲成された第3の第2係合突部とを含む前記第3の熱処理容器の、前記第3の第1係合突部との係合により、前記搬送方向において前記熱処理容器と整列するように前記第3の熱処理容器の相互の移動を規制するものであり、
前記上流側に隣接する前記第2の熱処理容器に対向する部分、前記下流側に隣接する前記第3の熱処理容器に対向する部分、又は、前記上流側に隣接する前記第2の熱処理容器に対向する部分および前記下流側に隣接する前記第3の熱処理容器に対向する部分には、前記第1係合突部および前記第2係合突部よりも幅寸法および突出し寸法が小さい第1小突部、又は、前記第1小突部の形状が反転した第1小凹部が形成されており、前記熱処理容器の前記第1係合突部前記第2の熱処理容器から突き出す第2の第2係合突部とが合した状、および前記熱処理容器の前記第2係合突部と前記第3の熱処理容器から突き出す第3の第1係合突部とが係合した状態において、前記熱処理容器の前記上流側に隣接する第2の熱処理容器との間および前記熱処理容器の前記下流側に隣接する前記第3の熱処理容器との間にそれぞれ前記底壁に垂直な方向に貫通する貫通隙間形成される
ことを特徴とする熱処理容器。
【請求項2】
前記熱処理容器の前記第1係合突部および前記第2係合突部は、平面視において、直線および曲線、又は曲線により形成されている
ことを特徴とする請求項1の熱処理容器。
【請求項3】
前記第1側壁、前記第2側壁、前記第3側壁および前記第4側壁の相互間、および、前記底壁と前記第1側壁、前記第2側壁、前記第3側壁および前記第4側壁との間は、所定の曲率半径を有するR角部で接続されている
ことを特徴とする請求項1又は2の熱処理容器。
【請求項4】
前記第1側壁、前記第2側壁、前記第3側壁および前記第4側壁は、それぞれ均一な厚みを有する壁であって、相互間において同様な厚みを有する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1の熱処理容器。
【請求項5】
前記熱処理容器、前記下流側に隣接する前記第3の熱処理容器、および前記上流側に隣接する前記第2の熱処理容器は、相互に同じ形状である
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1の熱処理容器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
第1発明の要旨とするところは、(a)板状の側壁と、前記底壁の4側縁のうちの搬送方向に交差する方向に沿った2側縁から一体的に立設された板状の一対の第1側壁および第2側壁と、前記底壁の前記4側縁のうちの前記搬送方向に沿った2側縁から一体的に立設された板状の第3側壁および第4側壁とを備え、熱処理炉内に並列に配置された複数本の搬送ローラ上で前記搬送方向に整列した状態で前記搬送方向へ搬送される無機材料からなる箱状の熱処理容器であって、(b)前記第1側壁のうちの前記搬送方向に交差する方向の所定部分全体が前記搬送方向へ突き出して単一の長手状の矩形突部を成すように曲成された第1係合突部と、(c)前記第2側壁のうち、前記搬送方向に交差する方向において前記第1係合突部に対応していない部分全体が前記搬送方向とは反対方向に突き出して単一の長手状の矩形突部を成すように曲成された第2係合突部とを、含み、(d)前記熱処理容器の前記第1係合突部は、前記搬送ローラ上において前記熱処理容器に対して前記搬送方向の流側に隣接する第2の熱処理容器であって、板状の第2の底壁と、前記第2の底壁の4側縁のうちの搬送方向に交差する方向に沿った2側縁から一体的に立設された板状の一対の第2の第1側壁および第2の第2側壁と、前記第2の底壁の前記4側縁のうちの前記搬送方向に沿った2側縁から一体的に立設された板状の一対の第2の第3側壁および第2の第4側壁とを備え、前記第2の第1側壁のうちの前記搬送方向に交差する方向の所定部分全体が前記搬送方向へ突き出して単一の長手状の矩形突部を成すように曲成された第2の第1係合突部と、前記第2の第2側壁のうち、前記搬送方向に交差する方向において前記第2の第1係合突部に対応していない部分全体が前記搬送方向とは反対方向に突き出して単一の長手状の矩形突部を成すように曲成された第2の第2係合突部とを含む前記第2の熱処理容器の、前記第2の第2係合突部との係合により、前記搬送方向において前記熱処理容器と整列するように前記第2の熱処理容器の相互の移動を規制するものであり、(e)前記熱処理容器の前記第2係合突部は、前記搬送ローラ上において前記熱処理容器に対して前記搬送方向の流側に隣接する第3の熱処理容器であって、板状の第3の底壁と、前記第3の底壁の4側縁のうちの搬送方向に交差する方向に沿った2側縁から一体的に立設された板状の一対の第3の第1側壁および第3の第2側壁と、前記第3の底壁の前記4側縁のうちの前記搬送方向に沿った2側縁から一体的に立設された板状の一対の第3の第3側壁および第3の第4側壁とを備え、前記第3の第1側壁のうちの前記搬送方向に交差する方向の所定部分全体が前記搬送方向へ突き出して単一の長手状の矩形突部を成すように曲成された第3の第1係合突部と、前記第3の第2側壁のうち、前記搬送方向に交差する方向において前記第3の第1係合突部に対応していない部分全体が前記搬送方向とは反対方向に突き出して単一の長手状の矩形突部を成すように曲成された第3の第2係合突部とを含む前記第3の熱処理容器の、前記第3の第1係合突部との係合により、前記搬送方向において前記熱処理容器と整列するように前記第3の熱処理容器の相互の移動を規制するものであり、(f)前記上流側に隣接する前記第2の熱処理容器に対向する部分、前記下流側に隣接する前記第3の熱処理容器に対向する部分、又は、前記上流側に隣接する前記第2の熱処理容器に対向する部分および前記下流側に隣接する前記第3の熱処理容器に対向する部分には、前記第1係合突部および前記第2係合突部よりも幅寸法および突出し寸法が小さい第1小突部、又は、前記第1小突部の形状が反転した第1小凹部が形成されており、前記熱処理容器の前記第1係合突部前記第2の熱処理容器から突き出す第2の第2係合突部とが合した状、および前記熱処理容器の前記第2係合突部と前記第3の熱処理容器から突き出す第3の第1係合突部とが係合した状態において、前記熱処理容器の前記上流側に隣接する第2の熱処理容器との間および前記熱処理容器の前記下流側に隣接する前記第3の熱処理容器との間にそれぞれ前記底壁に垂直な方向に貫通する貫通隙間形成されることにある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
発明の要旨とするところは、第1発明から第発明のいずれか1の発明において、前記熱処理容器、前記下流側に隣接する前記第3の熱処理容器、および前記上流側に隣接する前記第2の熱処理容器は、相互に同じ形状であることにある。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
第1発明の無機材料からなる箱状の熱処理容器によれば、(b)前記第1側壁のうちの前記搬送方向に交差する方向の所定部分全体が前記搬送方向へ突き出して単一の長手状の矩形突部を成すように曲成された第1係合突部と、(c)前記第2側壁のうち、前記搬送方向に交差する方向において前記第1係合突部に対応していない部分全体が前記搬送方向とは反対方向に突き出して単一の長手状の矩形突部を成すように曲成された第2係合突部と、を含み、(d)前記熱処理容器の前記第1係合突部は、前記搬送ローラ上において前記熱処理容器に対して前記搬送方向の流側に隣接する第2の熱処理容器であって、板状の第2の底壁と、前記第2の底壁の4側縁のうちの搬送方向に交差する方向に沿った2側縁から一体的に立設された板状の一対の第2の第1側壁および第2の第2側壁と、前記第2の底壁の前記4側縁のうちの前記搬送方向に沿った2側縁から一体的に立設された板状の一対の第2の第3側壁および第2の第4側壁とを備え、前記第2の第1側壁のうちの前記搬送方向に交差する方向の所定部分全体が前記搬送方向へ突き出して単一の長手状の矩形突部を成すように曲成された第2の第1係合突部と、前記第2の第2側壁のうち、前記搬送方向に交差する方向において前記第2の第1係合突部に対応していない部分全体が前記搬送方向とは反対方向に突き出して単一の長手状の矩形突部を成すように曲成された第2の第2係合突部とを含む前記第2の熱処理容器の、前記第2の第2係合突部との係合により、前記搬送方向において前記熱処理容器と整列するように前記第2の熱処理容器の相互の移動を規制するものであり、(e)前記熱処理容器の前記第2係合突部は、前記搬送ローラ上において前記熱処理容器に対して前記搬送方向の流側に隣接する第3の熱処理容器であって、板状の第3の底壁と、前記第3の底壁の4側縁のうちの搬送方向に交差する方向に沿った2側縁から一体的に立設された板状の一対の第3の第1側壁および第3の第2側壁と、前記第3の底壁の前記4側縁のうちの前記搬送方向に沿った2側縁から一体的に立設された板状の一対の第3の第3側壁および第3の第4側壁とを備え、前記第3の第1側壁のうちの前記搬送方向に交差する方向の所定部分全体が前記搬送方向へ突き出して単一の長手状の矩形突部を成すように曲成された第3の第1係合突部と、前記第3の第2側壁のうち、前記搬送方向に交差する方向において前記第3の第1係合突部に対応していない部分全体が前記搬送方向とは反対方向に突き出して単一の長手状の矩形突部を成すように曲成された第3の第2係合突部とを含む前記第3の熱処理容器の、前記第3の第1係合突部と前記搬送方向に交差する方向の係合により、前記搬送方向において前記熱処理容器と整列するように前記第3の熱処理容器の相互の移動を規制するものであり、(f)前記上流側に隣接する前記第2の熱処理容器に対向する部分、前記下流側に隣接する前記第3の熱処理容器に対向する部分、又は、前記上流側に隣接する前記第2の熱処理容器に対向する部分および前記下流側に隣接する前記第3の熱処理容器に対向する部分には、前記第1係合突部および前記第2係合突部よりも幅寸法および突出し寸法が小さい第1小突部、又は、前記第1小突部の形状が反転した第1小凹部が形成されており、前記熱処理容器の前記第1係合突部前記第2の熱処理容器から突き出す第2の第2係合突部とが合した状、および前記熱処理容器の前記第2係合突部と前記第3の熱処理容器から突き出す第3の第1係合突部とが係合した状態において、前記熱処理容器と前記流側に隣接する第2の熱処理容器との間および前記熱処理容器と前記流側に隣接する前記第3の熱処理容器との間にそれぞれ前記底壁に垂直な方向に貫通する貫通隙間形成される。これにより、熱処理容器、第2の熱処理容器、第3の熱処理容器が蛇行しようとすると、熱処理容器の第1係合突部と第2の熱処理容器の第2の第2係合突部とが係合して搬送方向に交差する方向における熱処理容器と第2の熱処理容器との相互の移動が規制され、熱処理容器の第2係合突部と第3の熱処理容器の第3の第1係合突部とが係合して搬送方向に交差する方向における熱4処理容器と第3の熱処理容器との相互の移動が規制されるので、熱処理容器や第2の熱処理容器、第3の熱処理容器の蛇行を抑制することができる。また、熱処理容器と2の熱処理容器および第3の熱処理容器との間に貫通隙間が形成された状態で、熱処理容器および他の熱処理容器が熱処理炉内で搬送されるので、熱処理炉内の雰囲気の循環が悪化することを抑制できる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
発明の熱処理容器によれば、前記熱処理容器、前記下流側に隣接する前記第3の熱処理容器、および前記上流側に隣接する前記第2の熱処理容器は、相互に同じ形状である。これにより、搬送方向に交差する方向において熱処理容器と前記第2の熱処理容器および前記第3の熱処理容器とが相互に移動しようとすると、前記熱処理容器の第1係合突部と前記第2の熱処理容器の第2係合突部とが好適に係合し、前記熱処理容器の第2係合突部と前記第3の熱処理容器の第1係合突部とが好適に係合するので、蛇行が抑制される。