(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182893
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】リバーシブルバッグ
(51)【国際特許分類】
A45C 3/04 20060101AFI20221201BHJP
A45C 3/00 20060101ALI20221201BHJP
A45C 13/02 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
A45C3/04 E
A45C3/00 T
A45C13/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090675
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】521233851
【氏名又は名称】鈴置 忍
(74)【代理人】
【識別番号】100166785
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100165593
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 淳也
(72)【発明者】
【氏名】鈴置 忍
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 尚子
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA53
3B045CE07
3B045CE08
3B045CE09
3B045DA41
3B045EA02
3B045FA00
3B045GA01
3B045GB01
3B045GC01
3B045KA03
3B045KB03
3B045LA04
3B045LB02
(57)【要約】
【課題】通常のバッグとしての使用とエコバッグとしての使用を容易に兼用でき、且つ、形状が崩れやすい食料品と重い食料品の両方を適切に持ち運ぶことが可能なリバーシブルバッグを提供する。
【解決手段】バッグ本体10は、第1使用状態と、第1使用状態から表裏を反転させた第2使用状態に変形される。機能変更布30は、バッグ本体10の前側接続部12Fと後側接続部12Rの各々に接続される。機能変更布30のうち、前側接続部12Fに接続される部位から後側接続部12Rに接続される部位までの長さは、バッグ本体10の袋形状に沿う方向の長さよりも短い。機能変更布30は、第1使用状態において、バッグ本体10を外側から取り囲むことで、バック本体10の形状を調整する。機能変更布30は、第2使用状態において、バッグ本体10の内側の空間を上下に仕切る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部の開口部を開放可能な袋状に形成され、持ち手および肩掛けベルトの少なくともいずれかが装着されると共に、第1使用状態と、前記第1使用状態から表裏を反転させた第2使用状態に変形可能なバッグ本体と、
前記バッグ本体のうち、前記開口部の前側の縁部における前側接続部と、前記開口部の後側の縁部における後側接続部の各々に接続される布である機能変更布と、
を備え、
前記機能変更布のうち、前記前側接続部に接続される部位から前記後側接続部に接続される部位までの長さが、袋状である前記バッグ本体のうち、前記前側接続部から底部を通過して前記後側接続部に至るまでの長さよりも短く形成されており、
前記機能変更布は、
前記第1使用状態において、前記バッグ本体の前面、底面、および後面を外側から取り囲むことで、前記バック本体の形状を調整する形状調整布として機能すると共に、
前記第2使用状態において、前記バッグ本体の内側の空間を上下に仕切る仕切り布として機能することを特徴とするリバーシブルバッグ。
【請求項2】
請求項1に記載のリバーシブルバッグであって、
前記機能変更布は、前記バッグ本体における前記前側接続部および前記後側接続部のうちの少なくとも一方に対して着脱可能であることを特徴とするリバーシブルバッグ。
【請求項3】
請求項1に記載のリバーシブルバッグであって、
前記機能変更布は、前記バッグ本体における前記前側接続部および前記後側接続部の両方に対して着脱可能であることを特徴とするリバーシブルバッグ。
【請求項4】
請求項2または3に記載のリバーシブルバッグであって、
前記機能変更布は、前記バッグ本体に対してボタンによって着脱可能に装着されることを特徴とするリバーシブルバッグ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のリバーシブルバッグであって、
前記機能変更布の左右の縁部の各々には、縁部に沿ってゴムが設けられていることを特徴とするリバーシブルバッグ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のリバーシブルバッグであって、
前記第1使用状態における前記バッグ本体の内側に、前記バッグ本体よりも小型の袋状のポケットが設けられていることを特徴とするリバーシブルバッグ。
【請求項7】
請求項6に記載のリバーシブルバッグであって、
前記ポケットに、上部の開口部を開閉する開閉部が設けられていることを特徴とするリバーシブルバッグ。
【請求項8】
請求項6または7に記載のリバーシブルバッグであって、
深さが互いに異なる複数の前記ポケットが設けられていることを特徴とするリバーシブルバッグ。
【請求項9】
請求項6から8のいずれかに記載のリバーシブルバッグであって、
少なくともいずれかの前記ポケットは、上部において前記バッグ本体に接続されることで、接続部分を中心として前記バッグ本体に対して回動可能に設けられていることを特徴とするリバーシブルバッグ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載のリバーシブルバッグであって、
前記バッグ本体を構成する生地がメッシュ生地であることを特徴とするリバーシブルバッグ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載のリバーシブルバッグであって、
前記肩掛けベルトの2か所の各々を、前記バッグ本体に対して回転可能な状態で装着する回転装着部をさらに備えたことを特徴とするリバーシブルバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表裏を反転させて使用することが可能なリバーシブルバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
表裏を反転させてリバーシブルで使用することが可能なリバーシブルバッグが知られている。例えば、特許文献1に記載のバッグは、両面に複数のポケットを備えると共に、両脇のマチ部分にオープンファスナーを備える。オープンファスナーを開放させることで、バッグの表裏が反転される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、食料品店で提供される買い物袋(レジ袋)の消費量を抑制して環境保護に貢献するために、エコバッグ(「マイバッグ」「リユーザブルバッグ」等と言われる場合もある)を食料品店に持参することが推奨されている。多くのユーザは、急に食料品を購入することが必要となった場合に備えて、書類、化粧品、財布等の種々の物品を持ち運ぶために通常使用するバッグの中に、エコバッグを入れて持ち歩いている。従って、エコバッグは非常に簡易な構成であることが多い。
【0005】
簡易な構成のエコバッグは、デザイン性に欠けることが多い。従って、エコバッグを、書類等を持ち運ぶための通常のバッグとして兼用しているユーザはごく僅かである。また、簡易な構成のエコバッグに種々の食料品を入れると、形状が崩れやすい食料品(例えば、卵、パン、豆腐、および弁当等)が、重い食料品と接触して潰されてしまう場合も多い。以上のように、従来のバッグでは、通常のバッグとしての使用とエコバッグとしての使用を兼用することも、形状が崩れやすい食料品と重い食料品の両方を適切に持ち運ぶことも、共に困難であった。
【0006】
本開示の典型的な目的は、通常のバッグとしての使用とエコバッグとしての使用を容易に兼用でき、且つ、形状が崩れやすい食料品と重い食料品の両方を適切に持ち運ぶことが可能なリバーシブルバッグを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示における典型的な実施形態が提供するリバーシブルバッグは、上部の開口部を開放可能な袋状に形成され、持ち手および肩掛けベルトの少なくともいずれかが装着されると共に、第1使用状態と、前記第1使用状態から表裏を反転させた第2使用状態に変形可能なバッグ本体と、前記バッグ本体のうち、前記開口部の前側の縁部における前側接続部と、前記開口部の後側の縁部における後側接続部の各々に接続される布である機能変更布と、を備え、前記機能変更布のうち、前記前側接続部に接続される部位から前記後側接続部に接続される部位までの長さが、袋状である前記バッグ本体のうち、前記前側接続部から底部を通過して前記後側接続部に至るまでの長さよりも短く形成されており、前記機能変更布は、前記第1使用状態において、前記バッグ本体の前面、底面、および後面を外側から取り囲むことで、前記バック本体の形状を調整する形状調整布として機能すると共に、前記第2使用状態において、前記バッグ本体の内側の空間を上下に仕切る仕切り布として機能する。
【0008】
本開示に係るリバーシブルバッグによると、ユーザは、通常のバッグとしての使用とエコバッグとしての使用を容易に兼用でき、且つ、形状が崩れやすい食料品と重い食料品の両方を適切に持ち運ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1使用状態のリバーシブルバッグ1を右斜め前方から見た斜視図である。
【
図2】第2使用状態のリバーシブルバッグ1の正面図である。
【
図3】第2使用状態のリバーシブルバッグ1の背面図である。
【
図4】
図2におけるA-A線矢視方向部分断面図である。
【
図5】広げた状態の機能変更布30の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<概要>
本開示で例示するリバーシブルバッグは、バッグ本体と機能変更布を備える。バッグ本体は、上部の開口部を開放可能な袋状に形成されており、持ち手および肩掛けベルトの少なくともいずれかが装着される。バッグ本体は、第1使用状態と、第1使用状態から表裏を反転させた第2使用状態に変形させることが可能である。機能変更布は、バッグ本体のうち、開口部の前側の縁部における前側接続部と、開口部の後側の縁部における後側接続部の各々に接続される布である。機能変更布のうち、前側接続部に接続される部位から後側接続部に接続される部位までの長さ(以下、単に「機能変更布の長さ」という)は、袋状であるバッグ本体のうち、前側接続部から底部を通過して後側接続部に至るまでの長さ(以下、「バッグ本体の袋形状に沿う方向の長さ」という)よりも短く形成されている。機能変更布は、第1使用状態において、バッグ本体の前面、底面、および後面を外側から取り囲むことで、バック本体の形状を調整する形状調整布として機能する。また、機能変更布は、第2使用状態において、バッグ本体の内側の空間を上下に仕切る仕切り布として機能する。
【0011】
本開示で例示するリバーシブルバッグでは、機能変更布の長さが、バッグ本体の袋形状に沿う方向の長さよりも短い。従って、機能変更布がバッグ本体の外側に位置する第1使用状態では、機能変更布が、バッグ本体の前面、底面、および後面を外側から取り囲んで形状を調整する。その結果、リバーシブルバッグのデザイン性が向上する。また、機能変更布がバッグ本体の内側に位置する第2使用状態では、機能変更布が、バッグ本体の内側の空間を上下に仕切る。従って、ユーザは、形状が崩れやすい食料品と重い食料品を、機能変更布で仕切られた上下の空間の各々に分けて入れることで、形状が崩れやすい商品が潰されてしまう可能性を低下させることができる。よって、本開示のリバーシブルバッグによると、ユーザは、通常のバッグとしての使用とエコバッグとしての使用を容易に兼用でき、且つ、形状が崩れやすい食料品と重い食料品の両方を適切に持ち運ぶことができる。
【0012】
機能変更布は、バッグ本体における前側接続部および後側接続部のうちの少なくとも一方に対して着脱可能であってもよい。この場合、ユーザは、第2使用状態において、バッグ本体の前側接続部または後側接続部から機能変更布を取り外すことで、機能変更布よりも下方の空間への物品の挿入、および、下方の空間からの物品の取り出しを容易に行うことができる。
【0013】
機能変更布は、バッグ本体における前側接続部および後側接続部の両方に対して着脱可能であってもよい。この場合、ユーザは、前述したように、バッグ本体の前側接続部または後側接続部から機能変更布を取り外すことで、機能変更布よりも下方の空間への物品の出し入れを容易に行うことができる。さらに、ユーザは、バッグ本体の前側接続部および後側接続部の両方から機能変更布を完全に取り外すことができるので、デザインが異なる機能変更布をバッグ本体に付け替えることで、リバーシブルバッグのデザインを容易に変更することができる。また、バッグ本体および機能変更布の一方のみを洗濯することも可能である。
【0014】
機能変更布は、バッグ本体に対してボタンによって着脱可能に装着されてもよい。この場合、ユーザは、ボタンを着脱するだけで、機能変更布とバッグ本体を容易に着脱することができる。
【0015】
なお、ボタンは、バッグ本体側と機能変更布側の各々に固定される凹凸のパーツを備えるスナップボタンであってもよい。この場合、ユーザは、凹凸のパーツ同士を押し付け合うことで、容易にボタンを留めることができる。また、バッグ本体の前側接続部および後側接続部の一方、または各々に、複数のボタンが使用されてもよい。この場合、複数のボタンの全てを留めることで、機能変更布の上に物品を載せた場合でも、安定した状態で物品が機能変更布に保持される。
【0016】
ただし、ボタン以外の部材(例えばファスナー等)によって、機能変更布がバッグ本体に着脱可能に装着されてもよい。
【0017】
また、機能変更布は、バッグ本体における前側接続部および後側接続部の両方に対して着脱できない状態で固定されていてもよい。この場合でも、ユーザは、機能変更布とバッグ本体の間の隙間から、機能変更布よりも下方の空間への物品の出し入れを行うことができる。
【0018】
機能変更布の左右の縁部の各々には、縁部に沿ってゴム(例えば、ゴムの一種であるゴム紐等)が設けられていてもよい。この場合、リバーシブルバッグを第1使用状態とした際に、リバーシブルバッグ全体の左右が中央部分に比べて適度に絞られる。その結果、バッグ本体の内側に入れた物品が、左側または右側に片寄り難くなり、物品がバッグ本体の中央に収まり易くなる。また、リバーシブルバッグを第2使用状態とした際に、仕切り布として機能する機能変更布の左右が、ゴムによって適度に絞られる。その結果、機能変更布の上に載せた物品が、布の中央部分に収まり易くなる。よって、ユーザは、第1使用状態および第2使用状態のいずれにおいても、物品を安定した状態で持ち運びやすくなる。
【0019】
第1使用状態におけるバッグ本体の内側に、バッグ本体よりも小型の袋状のポケットが設けられていてもよい。この場合、ユーザは、リバーシブルバッグを第1使用状態とした際に、バッグ本体の内部で複数の物品を分けて収納することができる。また、ユーザは、リバーシブルバッグを第2使用状態とした際に、食料品以外の物品(例えば、財布、携帯電話、および鍵等の少なくともいずれか)をポケットに入れることで、食料品と食料品以外の物品を適切に分けて収納することができる。さらに、ユーザは、食料品以外の物品の全てをポケットに入れておけば、物品をバッグ本体から取り出さなくても(つまり、物品をポケットに入れた状態のまま)、バッグ本体の表裏を反転させるだけで、第1使用状態と第2使用状態を容易に切り替えることができる。リバーシブルバッグを使用しない場合には、ポケット以外の全体を折りたたんでポケットに収納することで、形状を小型化することも可能である。よって、利便性がさらに向上する。
【0020】
ポケットには、上部の開口部を開閉する開閉部が設けられていてもよい。この場合、物品をポケットに入れた状態のまま、バッグ本体の表裏を反転させても、物品がポケットから外に出にくくなる。よって、利便性がさらに向上する。なお、開閉部には、例えばボタン、ファスナー等の種々の部材を使用できる。
【0021】
深さが互いに異なる複数のポケットが設けられていてもよい。この場合、ユーザは、深さが浅いポケットに重い物品(例えば、携帯電話、スマートフォン等)を入れることで、第1使用状態においてリバーシブルバッグ全体の形状が崩れることを容易に抑制できる。また、ユーザは、深さが深いポケットに多くの物品を入れることができる。
【0022】
ポケットの上部が、バッグ本体に対して接続されていてもよい。ポケットは、バッグ本体との間の接続部分を中心として、バッグ本体に対して回動可能に設けられていてもよい。この場合、ユーザは、ポケットを引っ張り出して、バッグ本体の上部の開口部を覆う位置に移動させることで、ポケットを開口部の蓋として機能させることもできる。なお、ポケットを蓋として機能させる場合、ポケットに何らかの物品を入れた方が、開口部が閉鎖され易くなる。また、ポケットが回動可能である場合には、ポケット以外の全体を折りたたんでポケットに収納することも容易である。
【0023】
バッグ本体を構成する生地は、メッシュ生地であってもよい。この場合、リバーシブルバッグの重量が容易に軽量化され、且つ洗濯も容易になる。なお、バッグ本体は、二重にしたメッシュ生地によって構成されていてもよい。この場合、バッグ本体に収納された物品の形状が外部に表れにくくなるので、利便性がさらに向上する。
【0024】
リバーシブルバッグは、肩掛けベルトの2か所の各々を、バッグ本体に対して回転可能な状態で装着する回転装着部(例えば、回転カン、回転ナスカン等)をさらに備えていてもよい。この場合、肩掛けベルトをユーザが肩に掛けた状態のまま、バッグ本体の表裏を反転させても、回転装着部が回転するので、肩掛けベルトが捩れない。よって、リバーシブルバッグの利便性がさらに向上する。
【0025】
<実施形態>
以下、本開示における典型的な実施形態の1つについて、図面を参照して説明する。
図1における紙面上側をリバーシブルバッグ1の上側とし、紙面下側をリバーシブルバッグ1の下側とする。
図1における紙面右手前側をリバーシブルバッグ1の前側とし、紙面左奥側をリバーシブルバッグ1の後側とする。
図1における紙面右側をリバーシブルバッグ1の右側とし、紙面左側をリバーシブルバッグ1の左側とする。
【0026】
(全体構成)
まず、本実施形態におけるリバーシブルバッグ1の全体構成について説明する。
図1に示すように、リバーシブルバッグ1は、バッグ本体10と機能変更布30を備える。バッグ本体10は、上部の開口部11を開放可能な袋状に形成されている。ユーザは、バッグ本体10に種々の物品を収納することができる。また、ユーザは、バッグ本体10の表裏を反転させてリバーシブルで使用することができる。機能変更布30は、バッグ本体10に接続されることで、リバーシブルバッグ1に有益な機能を提供する(この詳細は後述する)。
【0027】
本実施形態では、機能変更布30がバッグ本体10を外側から取り囲む状態(
図1に示す状態)を、第1使用状態とする。また、第1使用状態であったバッグ本体10の表裏を反転させて、機能変更布30がバッグ本体10の内側に位置する状態(
図2、
図3、および
図4に示す状態)を、第2使用状態とする。
【0028】
図2は、第2使用状態のリバーシブルバッグ1の正面図である。
図3は、第2使用状態のリバーシブルバッグ1の背面図である。
図2および
図3では、機能変更布30はバッグ本体10の内側に位置しているため、図面上には表れていない。また、
図4は、
図2に示すリバーシブルバッグ1をA-A線で切断し、
図2に示す矢視方向から見た場合の部分断面図である。
【0029】
図1に示すように、機能変更布30は、バッグ本体10のうち、開口部11の前側の縁部(前側接続部12F)と、開口部11の後側の縁部(後側接続部12R)の各々に接続される。本実施形態では、前側接続部12Fおよび後側接続部12R以外の部位では、バッグ本体10と機能変更布30は接続されていない。
【0030】
図4に示すように、機能変更布30のうち、バッグ本体10の前側接続部12Fに接続される部位31Fから、後側接続部12Rに接続される部位31Rまでの長さ(つまり、
図5に示す長さL)を、機能変更布30の長さLという。また、バッグ本体10のうち、前側接続部12Fから底部13を通過して後側接続部12Rに至るまでの布の長さを、バッグ本体10の袋形状に沿う方向の長さという。
図4に示すように、本実施形態のリバーシブルバッグ1では、機能変更布30の長さLは、バッグ本体10の袋形状に沿う方向の長さよりも短く形成されている。
【0031】
従って、
図1に示すように、リバーシブルバッグ1を第1使用状態とすると、バッグ本体10の前面、底面、および後面が機能変更布30によって外側から取り囲まれる。その結果、バッグ本体10の形状が、機能変更布30によって調整される。つまり、第1使用状態では、機能変更布30は、バッグ本体10の形状を調整する形状調整布として機能する。バッグ本体10の形状が機能変更布30によって調整されることで、第1使用状態におけるリバーシブルバッグ1のデザイン性が向上する。また、機能変更布30の表面の柄および色等も自由にデザインできるので、第1使用状態におけるリバーシブルバッグ1のデザイン性はさらに向上する。
【0032】
また、
図4に示すように、機能変更布30がバッグ本体10の内側に位置する第2使用状態では、機能変更布30が、バッグ本体の内側の空間を上下に仕切る。つまり、第2使用状態では、機能変更布30は、バッグ本体10の内側の空間を仕切る仕切り布として機能する。従って、ユーザは、形状が崩れやすい食料品と重い食料品を、機能変更布30で仕切られた上下の空間の各々に分けて入れることで、形状が崩れやすい食料品が潰されてしまう可能性を低下させることができる。
【0033】
以上のように、本実施形態のリバーシブルバッグ1では、第1使用状態と第2使用状態が切り換えられることで、機能変更布30によって提供される機能が変更される。つまり、リバーシブルバッグ1の表裏を反転させるだけで、バッグ本体10の形状を調整する機能と、バッグ本体10の内側の空間を仕切る機能が、同一の機能変更布30によって選択的に提供される。よって、ユーザは、通常のバッグとしての使用とエコバッグとしての使用を容易に兼用でき、且つ、形状が崩れやすい食料品と重い食料品の両方を適切に持ち運ぶことができる。
【0034】
(各部の詳細な構成)
以下、本実施形態のリバーシブルバッグ1における各部の詳細な構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態では、バッグ本体10の開口部11を開閉する開閉機構は設けられていない。従って、開口部11は常に開放されている。しかし、開口部11を開閉する開閉機構(例えば、ボタンまたはファスナー等の少なくともいずれか)が設けられていてもよい。
【0035】
図1に示すように、バッグ本体10のうち、開口部11の前側の縁部と後側の縁部の各々には、ユーザによって把持される持ち手15が装着されている。ただし、持ち手15の代わりに、または持ち手15と共に、肩掛けベルトがバッグ本体10に装着されてもよい。持ち手15および肩掛けベルトは、バッグ本体10に着脱可能に装着されてもよいし、バッグ本体10に完全に固定されてもよい。
【0036】
肩掛けベルトを用いる場合、肩掛けベルトの2か所をバッグ本体10に装着する必要がある。この場合、肩掛けベルトの2か所の各々を、バッグ本体10に対して回転可能な状態で装着する回転装着部(例えば、回転カンまたは回転ナスカン等)によって装着することが望ましい。この場合、ユーザが、肩掛けベルトを肩に掛けたままバッグ本体10の表裏を反転させても、回転装着部が回転するので、肩掛けベルトが捩れない。よって、ユーザは、リバーシブルバッグ1を肩に掛けたまま第1使用状態と第2使用状態を切り替えることができる。
【0037】
本実施形態では、バッグ本体10を構成する生地として、メッシュ生地が採用されている。従って、リバーシブルバッグ1の重量が容易に軽量化され、且つ洗濯も容易になる。詳細には、本実施形態のバッグ本体10は、二重にしたメッシュ生地によって構成されている。その結果、バッグ本体10に収納された物品の形状が外部に表れにくくなるので、リバーシブルバッグ1の利便性がさらに向上する。
【0038】
図1に示すように、本実施形態の機能変更布30は、バッグ本体10における前側接続部12Fおよび後側接続部12Rのうちの少なくとも一方に対して着脱可能に装着される。従って、
図4に示すように、ユーザは、第2使用状態において、バッグ本体10の前側接続部12Fまたは後側接続部12Rから機能変更布30を取り外すことで、機能変更布30よりも下方の空間への物品の挿入、および、下方の空間からの物品の取り出しを容易に行うことができる。
【0039】
図1に示すように、本実施形態の機能変更布30は、バッグ本体10における前側接続部12Fおよび後側接続部12Rの両方に対して着脱可能に装着される。従って、ユーザは、バッグ本体10から機能変更布30を完全に取り外すことができる。よって、ユーザは、デザインが異なる機能変更布30をバッグ本体10に付け替えることで、リバーシブルバッグ1のデザインを容易に変更することができる。また、バッグ本体10および機能変更布30の一方のみを洗濯することも可能である。
【0040】
図1に示すように、本実施形態の機能変更布30は、バッグ本体10に対してボタン14によって着脱可能に装着される。従って、ユーザは、ボタン14を着脱するだけで、機能変更布30とバッグ本体10を容易に着脱することができる。詳細には、本実施形態で使用されているボタン14は、バッグ本体10側と機能変更布30側の各々に固定される凹凸のパーツを備えるスナップボタンである。従って、ユーザは、凹凸のパーツ同士を押し付け合うことで、容易にボタン14を留めることができる。
【0041】
また、本実施形態では、バッグ本体10の前側接続部12Fおよび後側接続部12Rの各々に、複数(本実施形態では3個)のボタン14が使用されている。従って、
図4に示すように、第2使用状態において複数のボタン14の全てを留めることで、機能変更布30の上に物品を載せた場合でも、安定した状態で物品が機能変更布30に保持される。
【0042】
図2および
図3に示すように、第2使用状態におけるバッグ本体10の外側(つまり、第1使用状態におけるバッグ本体10の内側)には、バッグ本体10よりも小型の袋状に形成されたポケット21A,21Bが設けられている。従って、ユーザは、リバーシブルバッグ1を第1使用状態(
図1参照)とした際に、バッグ本体10の内部で複数の物品を分けて収納することができる。また、ユーザは、リバーシブルバッグ1を第2使用状態(
図2~
図4参照)とした際に、食料品以外の物品(例えば、財布、携帯電話、および鍵等の少なくともいずれか)をポケット21A,21Bに入れることで、食料品と食料品以外の物品を適切に分けて収納することができる。さらに、ユーザは、食料品以外の物品の全てをポケット21A,21Bに入れておけば、物品をバッグ本体10から取り出さなくても(つまり、物品をポケット21A,21Bに入れた状態のまま)、バッグ本体10の表裏を反転させるだけで、第1使用状態と第2使用状態を容易に切り替えることができる。リバーシブルバッグ1を使用しない場合には、ポケット21A,21B以外の全体を折りたたんでポケット21A,21Bに収納することで、形状を小型化することも可能である。よって、利便性がさらに向上する。
【0043】
本実施形態では、第2使用状態におけるバッグ本体10の前側に、ポケット21A(
図2参照)が設けられている。また、第2使用状態におけるバッグ本体10の後側に、ポケット21B(
図3参照)が設けられている。つまり、本実施形態のリバーシブルバッグ1は2つのポケット21A,21Bを備える。
図2および
図3に示すように、本実施形態における2つのポケット21A,21Bの深さは、互いに異なる。従って、ユーザは、深さが浅いポケット21Bに重い物品(例えば、携帯電話、スマートフォン等)を入れることで、第1使用状態においてリバーシブルバッグ1の全体の形状が崩れることを容易に抑制できる。また、ユーザは、深さが深いポケット21Aに多くの物品を入れることができる。
【0044】
ポケット21A,21Bには、上部の開口部を開閉する開閉部(本実施形態ではスナップボタン)22が設けられている。従って、物品をポケット21A,21Bに入れた状態のまま、バッグ本体10の表裏を反転させても、物品がポケット21A,21Bから外に出にくくなる。よって、利便性がさらに向上する。
【0045】
図4に示すように、本実施形態のポケット21A,21Bは、上部においてバッグ本体10に接続されている。その結果、ポケット21A,21Bは、上部におけるバッグ本体10との間の接続部分を中心として、バッグ本体10に対して回動することができる。従って、ユーザは、ポケット21A,21Bのいずれかを引っ張り出して、バッグ本体10の上部の開口部11(
図1参照)を覆う位置に移動させることで、ポケット21A,21Bを開口部11の蓋として機能させることもできる。また、ポケット21A,21Bが回動可能である場合には、ポケット21A,21B以外の全体を折りたたんでポケット21A,21Bに収納することも容易である。
【0046】
図5は、広げた状態の機能変更布30を示す。
図5に示すように、本実施形態の機能変更布30は、矩形に広げることができる。ただし、機能変更布30の形状を変更することも可能である。本実施形態の機能変更布30のうち、左右の縁部の各々には、縁部に沿ってゴム(本実施形態ではゴム紐)32が設けられている(なお、
図5では、構成の理解を容易にするために、ゴム32が縮んでいない状態の機能変更布30を示している)。従って、
図1に示すように、リバーシブルバッグ1を第1使用状態とした際に、リバーシブルバッグ1全体の左右の各々が、中央部分に比べて適度に絞られる。その結果、バッグ本体10の内側に入れた物品が、左側または右側に片寄り難くなり、物品がバッグ本体10の中央に収まり易くなる。また、リバーシブルバッグ1を第2使用状態とした際に、仕切り布として機能する機能変更布30の左右が、ゴム32によって適度に絞られる。その結果、機能変更布30の上に載せた物品が、布の中央部分に収まり易くなる。よって、ユーザは、第1使用状態および第2使用状態のいずれにおいても、物品を安定した状態で持ち運びやすくなる。
【0047】
上記実施形態および変形例で開示された技術は一例に過ぎない。従って、上記実施形態および変形例で例示された技術を変更することも可能である。例えば、上記実施形態および変形例で例示した複数の技術の一部のみを採用してもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 リバーシブルバッグ
10 バッグ本体
11 開口部
12F 前側接続部
12R 後側接続部
13 底部
14 ボタン
21A,21B ポケット
22 開閉部
30 機能変更布
32 ゴム