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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182899
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/22 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
H02K5/22
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090687
(22)【出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】船越 健二
(72)【発明者】
【氏名】畠中 丈瑠
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605AA07
5H605BB10
5H605CC06
5H605DD32
5H605EA09
5H605EB01
5H605EC05
5H605EC07
5H605EC12
5H605GG06
5H605GG18
(57)【要約】
【課題】フレーム外の主回路コネクタと結線板とをリード線を用いずに直結構造とする。
【解決手段】回転子3及び固定子2と、固定子2の巻線端部7aを所定の結線パターンで結線処理する結線基板100と、軸方向に延びるフレーム4と、フレーム4の反負荷側に固定される反負荷側ブラケット13と、反負荷側ブラケット13の径方向の外側に向けて設けられる開口部13Aに係合する主回路コネクタ300と、を有し、固定子2及び結線基板100がフレーム4に対し固定される回転電機1であって、結線基板100の反負荷側の端部に取り付けられた接続端子200と、接続端子200から径方向の外側に向かって突設され、接続端子200と導通する接続ピン250と、主回路コネクタ300と導通して設けられ、当該主回路コネクタ300の開口部13Aへの係合時に接続ピン250を収納して導通する直結用コネクタ400と、と有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転子及び固定子と、
前記固定子の巻線の端部を所定の結線パターンで結線処理する結線板と、
軸方向に延びるフレームと、
前記フレームの前記軸方向の一方側に固定されるブラケットと、
前記ブラケットの径方向の外側に向けて設けられる開口部に係合する主回路コネクタと、
を有し、
前記固定子及び前記結線板が前記フレームに対し固定される回転電機であって、
前記結線板の前記軸方向一方側の端部に取り付けられた接続端子と、
前記接続端子から前記径方向の外側に向かって突設され、前記接続端子と導通する接続ピンと、
前記主回路コネクタと導通して設けられ、当該主回路コネクタの前記開口部への係合時に前記接続ピンを収納して導通する直結用コネクタと、
を有することを特徴とする回転電機。
【請求項2】
前記直結用コネクタと前記接続ピンとの導通時に、当該直結用コネクタと前記接続端子との間に挟持される弾性部材をさらに有する
ことを特徴とする請求項1記載の回転電機。
【請求項3】
前記弾性部材は、
前記接続ピンを貫通させる貫通孔と、
前記貫通孔の前記径方向の外側に突出して設けられ、前記直結用コネクタと前記接続ピンとの前記導通時に前記直結用コネクタと前記接続端子との間で圧縮されて変形する突出部と、
を備えることを特徴とする請求項2記載の回転電機。
【請求項4】
前記接続端子は、
前記直結用コネクタに対向する凸凹形状を形成する複数の段部を有しており、
複数の前記接続ピンが、
互いに異なる前記段部にそれぞれ設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の回転電機。
【請求項5】
前記接続端子における複数の前記接続ピンの設置位置は、
周方向における中心面に関し、当該中心面の一方側と他方側とで非対称となるように構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の回転電機。
【請求項6】
前記接続端子のうち、複数の前記接続ピンの設置領域は、
周方向における中心面に関し、当該中心面の一方側と他方側とで非対称な形状に構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の回転電機。
【請求項7】
前記直結用コネクタの径方向中心線の前記軸方向における位置と、複数の前記接続ピンそれぞれの径方向中心線の前記軸方向における位置とは、当該軸方向に沿って互いにオフセットしている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の回転電機。
【請求項8】
前記固定子及び前記結線板は前記フレームに対し樹脂モールドにより固定されており、
前記接続端子及び前記フレームは、
前記樹脂モールドの際に使用される成形金型が突き当てられる第1突き当て面及び第2突き当て面を、前記軸方向一方側の端面にそれぞれ備えている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の回転電機。
【請求項9】
前記フレームは、
位置決め基準となる基準穴を備えており、
前記ブラケットは、
前記基準穴と同一軸心位置となるように位置決めされる被位置決め穴を備えている
ことを特徴とする請求項8記載の回転電機。
【請求項10】
前記接続ピン、及び、前記基準穴に挿入される所定の治具は、
前記樹脂モールドの際に使用される成形金型が突き当てられる第3突き当て面及び第4突き当て面をそれぞれ備えている
ことを特徴とする請求項9記載の回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、結線板と、フレーム外に設けたリセプタクルとを、リード線で接続したモータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-233436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
結線板とフレーム外の主回路コネクタとをリード線で接続する場合、リード線と主回路コネクタとの誤配線、リード線と回転子との接触による耐圧不良、等の確実な抑制の面で改良の余地があった。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、フレーム外の主回路コネクタと結線板とをリード線を用いずに直結構造とすることができる回転電機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、回転子及び固定子と、 前記固定子の巻線の端部を所定の結線パターンで結線処理する結線板と、軸方向に延びるフレームと、前記フレームの前記軸方向の一方側に固定されるブラケットと、前記ブラケットの径方向の外側に向けて設けられる開口部に係合する主回路コネクタと、を有し、前記固定子及び前記結線板が前記フレームに対し固定される回転電機であって、前記結線板の前記軸方向一方側の端部に取り付けられた接続端子と、前記接続端子から前記径方向の外側に向かって突設され、前記接続端子と導通する接続ピンと、前記主回路コネクタと導通して設けられ、当該主回路コネクタの前記開口部への係合時に前記接続ピンを収納して導通する直結用コネクタと、を有するモータ制御装置が適用される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フレーム外の主回路コネクタと結線板とをリード線を用いずに直結構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態の回転電機の全体構成を表す縦断面図である。
図2図1中のII-II断面による横断面図である。
図3図1に表される、樹脂モールドにより一体化されている固定子及びフレームを抽出して表す模式的断面図である。
図4図3の要部拡大断面図である。
図5】結線基板の反負荷側から見た詳細構造を表す図である。
図6】樹脂モールドによりフレームに固定された結線基板と、結線基板に固定された接続端子及び接続ピンを反負荷側から見た詳細構造を表す図である。
図7図6の要部拡大図である。
図8図7に示した構造から樹脂モールドを省略して表した図である。
図9】接続端子の詳細構造を表す、反負荷側から見た図、及び、上面図である。
図10】弾性部材の詳細構造を表す、外観斜視図、上面図、反負荷側から見た図、及び、反負荷側からの縦断面図である。
図11】コネクタ体の外観構造を表す側面図である。
図12】主回路コネクタが開口部に取り付けられる時に直結用コネクタ内に接続端子の接続ピンが収納される挙動を表す、反負荷側から見た図である。
図13】治具を用いて接続端子の位置決めを行う挙動を表す、反負荷側に相当する側から見た図である。
図14図13中のY-Y断面による縦断面図である。
図15】樹脂モールド時における金型を用いた位置決め挙動を説明するための概念的側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、開示の実施形態の本質に関わらない部分は、適宜、詳細な説明を省略する。
【0010】
<回転電機の全体構成>
図1図2図3図4を用いて、本実施形態の回転電機1の全体構成について説明する。なお、以下の説明において、「上側」「下側」「負荷側」「反負荷側」は、図1に適宜示す矢印方向に対応している。図1及び図2において、この例では、回転電機1は、三相交流電動機である。すなわち、回転電機1は、固定子2と、回転子3と、軸方向に延びるフレーム4と、を備えている。回転子3は、軸心kを備えた回転軸10の外周面に固定されている。
【0011】
固定子2は、フレーム4の内周面に設けられている。固定子2は、複数の積層鉄心体5(図3図4参照)と、複数の積層鉄心体5がそれぞれ挿通された複数のボビン6と、複数のボビン6にそれぞれ巻き回された複数の固定子巻線7と、を有している。フレーム4の反負荷側(軸方向一方側の一例。図1図3図4中左側)には、反負荷側ブラケット13(ブラケットの一例)が固定され、フレームの負荷側(図1図3図4中右側)には、負荷側ブラケット11が固定されている。
【0012】
各ボビン6は、積層鉄心体5と固定子巻線7とを電気的に絶縁するために、樹脂等の絶縁性材料で構成されている。複数のボビン6の反負荷側には、円環状の結線基板100(結線板の一例)が設けられている。結線基板100は、複数の固定子巻線7の端部7a(以下適宜、単に「巻線端部7a」と称する。図4(b)参照)を所定の結線パターンで結線処理する。巻線端部7aは、半田H(後述の図5も参照)により結線基板100に固定されている。固定子巻線7を含む固定子2全体と結線基板100とは、樹脂モールド部15(各図における図示の煩雑を避けるためハッチングを省略)によって一体的に覆われ、フレーム4に対し当該樹脂モールド部15によって固定されている。
【0013】
回転子3は、固定子2の径方向内側に対向するように設けられ、ヨーク8と永久磁石9とを有している。回転軸10は、負荷側ブラケット11に外輪が嵌合された負荷側軸受12と、反負荷側ブラケット13に外輪が嵌合された反負荷側軸受14とにより回転自在に支持されている。
【0014】
<結線基板>
図5に示すように、結線基板100は、固定子2の上記巻線端部と接続される、同心円状に配置された複数の円弧状(又は円環状)の複数個(この例では4個)の導電部材110a~dと、これら導電部材110a~dの表面の少なくとも一部を被覆する略円環状の絶縁部材120とを有している。
【0015】
<導電部材>
図5において、導電部材110a~dは半径方向に4重となるように略同心円状に配置されており、径方向外側から径方向内側に向かって、導電部材110a、導電部材110b、導電部材110c、導電部材110dの順に配列されている。以下適宜、これら導電部材110a~dを単に「導電部材110」と総称する。
【0016】
もっとも外側の導電部材110aには、後述の接続端子200の支持脚部200bが挿入されて取り付けられる支持穴230bが設けられており、外側から2番目の導電部材110bには、後述の接続端子200の支持脚部200a,200cが挿入されて取り付けられる支持穴230a,230cが設けられている。
【0017】
なお、各導電部材110は、この例では、例えば単一の線材である被覆平角線を渦巻状に成型した後、例えば所定の箇所を分断し欠損させることによって、形成されている(欠損により形成された端部114を参照)。このとき、各導電部材110の長手方向両端部における幅方向略中心位置には、巻線端部7aを回転軸方向に貫通させる貫通孔110p(図4(b)参照)が設けられている。この貫通孔110pを貫通した巻線端部7aが、導電部材110の上記反負荷側の表面に、半田Hによって固定されている。
【0018】
<絶縁部材>
絶縁部材120は、例えば樹脂材料によるインサート成型によって形成された円環状の部材である。この絶縁部材120は、各導電部材110を回転軸方向に略垂直である同一平面上となるように所定の位置に固定しつつ、各導電部材110間の絶縁を確保する。
【0019】
絶縁部材120には、周方向の複数個所(この例では10箇所)に、軸方向一方側(反負荷側)の樹脂モールド部15に突出する樹脂固定用の突起部124a~124jが備えられている。以下適宜、突起部124a~jを単に「突起部124」と総称する。上記複数箇所の突起部124のうち、少なくとも1つの突起部124は、バインド部125を一体に備えている。バインド部125は、径方向に並んだ複数の導電部材110を束ねるように、絶縁部材120の内周側から外周側までにわたって径方向に設けられている。絶縁部材120は、突起部124及びバインド部125の部分では、導電部材110の上記反負荷側の表面を被覆するが、突起部124及びバインド部125以外の部分では、導電部材110の上記反負荷側の表面を露出させている。
【0020】
また、この例では、突起部124a~jのうち、突起部124a,124bを除く8個の突起部124c~jは、側面視が略等脚台形となるような、頂部に平坦面のある略円錐形状を備えている。突起部124c~jは大部分が樹脂モールド部15によって覆われ、突起部124c~jの上記頂部の平坦面は露出される。突起部124a,124bは、突起部124c~jと異なり扁平な円板形状である。突起部124a,124bの反負荷側の端部124Aは、樹脂モールド部15に被覆されず、当該樹脂モールド部15から露出している(前述の図4(a)参照)。
【0021】
<接続端子>
図1図2図3に戻り、結線基板100の反負荷側の端部には、接続端子200が取り付けられている。接続端子200から径方向外側に向かって、当該接続端子200と導通する複数個(この例では3個)の接続ピン250A~Cが設けられている。なお、接続ピン250A~Cを以下適宜総称し、単に「接続ピン250」と称する。
【0022】
具体的には、図6及び図7に示すように、接続端子200は、その負荷側に上記接続ピン250A,250B,250Cに対応してそれぞれ設けられた複数個(この例では3個)の支持脚部200a,200b,200c(後述の図9参照)が、結線基板100の上記導電部材110の支持穴230a,230b,230cに挿入された状態で、半田(図示せず)によって固定されている。このとき、前述のように結線基板100を覆う樹脂モールド部15のうち、接続端子200に対応する部分には、開口部15Aが設けられている。接続端子200は、少なくとも接続ピン250が、後述の弾性部材270とともに上記樹脂モールド部15の開口部15Aから反負荷側へ露出するように、設けられている。
【0023】
<接続端子及び接続ピン>
図8及び図9に示すように、接続端子200は、前述の結線基板100の導電部材110に沿うような略円弧形状を備えたベース部200dと、このベース部200dの上部へ(言い換えれば径方向外側へ)突出するような凹凸形状を形成する、複数(この例では3つ)の段部200A,200B,200Cと、を有している。図示の例では、図中の中央に位置する段部200Bがベース部200dの内縁から上方への突出寸法LBが最も大きく、図中の左側に位置する段部200Aの突出寸法LA及び図中の右側に位置する段部200Cの突出寸法LCは、段部200Bの突出寸法LBよりも小さい。この結果、それら段部200A~Cにより、後述の直結用コネクタ400に対向するような、周方向中央が凸でその両側が凹となる上記凸凹形状が形成されている。
【0024】
また、上記接続ピン250A~Cは、互いに異なる上記段部200A~Cにそれぞれ設けられている。詳細には、接続ピン250Aは段部200Aに設けられ、接続ピン250Bは段部200Bに設けられ、接続ピン250Cは段部200Cに設けられている。この結果、図中の中央に位置する接続ピン250Bの先端位置が最も上側にあり、図中の左側に位置する接続ピン250A及び図中の右側に位置する接続ピン250Cの先端位置は、上記接続ピン250Bの先端位置よりも下方にある。
【0025】
また、接続端子200における上記3つの接続ピン250A,250B,250Cの設置領域は、周方向における中心面に関し、当該中心面の一方側と他方側とで非対称な形状に構成されている。例えば図9に示す例では、接続端子200における上記周方向における中心面は、接続ピン250Bの中心をとおる径方向の面Xbである(以下適宜、「接続ピン250Bの中心面」のように称する。以下同様)。図9(a)及び図9(b)に示すように、この例では、段部200A,200B,200Cにより形成される上記凹凸形状が、接続ピン250Bの中心面Xbよりも周方向一方側(図示左側)と周方向他方側(図示右側)とで、互いに異なり、言い換えれば接続ピン250Bの中心面に関して非対称となっている。
【0026】
また、この例ではさらに、接続ピン250Aの中心面Xaと接続ピン250Bの中心面Xbとの間の距離Labと、接続ピン250Bの中心面Xbと接続ピン250Cの中心面Xcとの間の距離Lbcと、が互いに異なる大きさとなっている。すなわち、接続端子200における接続ピン250A~Cの設置位置が、周方向における中心面である接続ピン250Bの中心面Xbに関し、当該中心面Xbの一方側(図示左側)の接続ピン250Aの設置位置と他方側(図示右側)の接続ピン250Cの設置位置とで非対称となるように構成されている。
【0027】
なお、接続端子200のベース部200dの周方向両端には、後述する位置決めのための位置決め端面200p,200qが上下方向かつ上記軸方向に設けられるとともに、位置決め端面200r,200sが上下方向に直交する水平方向かつ上記軸方向に沿って設けられている。これら位置決め端面200p,200q,200r,200sについては後述する。
【0028】
<弾性部材>
上述した形状の接続端子200の上部に、例えばゴム等により略シート状に構成された弾性部材270が、被せるように設けられる。図10(a)~(d)に示すように、弾性部材270は、前述の接続端子200の複数(前述の例では3つ)の段部200A,200B,200Cにそれぞれ対応する、複数(この例では3つ)の段部270A,270B,270Cを備えている。これら段部270A,270B,270Cは、前述の接続端子200の各段部200A,200B,200Cの上部形状に略倣う下部形状を備えており、この結果、弾性部材270は、全体として、前述の接続端子200と同様、周方向中央がその両側よりも上方へ突出するような凹凸形状を形成している。
【0029】
段部270Aは、対応する接続ピン250Aを貫通させる貫通孔275aと、貫通孔275aに対応して設けられた突出部270aと、を備えている。突出部270aは、貫通孔275aの外周側において、上記結線基板100の径方向外側(言い換えれば上側)へ向かって突出して設けられている(図7参照)。
同様に、段部270Bは、対応する接続ピン250Bを貫通させる貫通孔275bと、貫通孔275bに対応して設けられた突出部270bと、を備えている。突出部270bは、貫通孔275bの外周側において、上記結線基板100の径方向外側へ向かって突出して設けられている。
同様に、段部270Cは、対応する接続ピン250Cを貫通させる貫通孔275cと、貫通孔275cに対応して設けられた突出部270cと、を備えている。突出部270cは、貫通孔275cの外周側において、上記結線基板100の径方向外側へ向かって突出して設けられている。
【0030】
なお、段部270A,270B,270Cそれぞれにおいて、貫通孔275a,275b,275cの下部に、当該貫通孔275a,275b,275cに連通する、大径の開口部276a,276b,276cが設けられている。
【0031】
上記段部270A,270B,270Cにより形成される前述の凹凸形状は、接続ピン250Bに対応した段部270Bの貫通孔275bの中心軸を通る、結線基板100の径方向に向く中心面Ybよりも周方向一方側(図示左側)と周方向他方側(図示右側)とで、互いに異なり、言い換えれば当該中心面Ybに関して非対称となっている。このとき、前述の接続ピン250A~Cの非対称配列に対応し、接続ピン250Aに対応した段部270Aの貫通孔275aの中心軸を通る中心面Yaと上記中心面Ybとの間の距離Mabと、接続ピン250Cに対応した段部270Cの貫通孔275cの中心軸を通る中心面Ycと中心面Ybとの間の距離Mbcと、が互いに異なる大きさとなっている。すなわち、各貫通孔275a,275b,275cの位置が、上記中心面Ybに関し、当該中心面Ybの一方側(図示左側)の貫通孔275aの位置と他方側(図示右側)の貫通孔275cの位置とで非対称となるように構成されている。
【0032】
<コネクタ体>
本実施形態では、上記図1に示すように、前述の反負荷側ブラケット13に、径方向の外側に向けて開口部13Aが設けられている。この開口部13Aにコネクタ体CB(後述の図11参照)が装着されることにより、回転電機1の内部機器と回転電機1外部の主回路との接続が行われ、それらの間の通電及び信号授受が行われる。
【0033】
図11に示すように、コネクタ体CBは、主回路コネクタ300と、主回路コネクタ300と導通して設けられる直結用コネクタ400とを含み、それら主回路コネクタ300と直結用コネクタ400とが着脱可能に一体に構成されている。
【0034】
主回路コネクタ300は、図1及び図2に示すように、上記開口部13Aに下部が挿入されるとともにその開口部13Aの上縁に対しフランジ部310が当接することで、開口部13Aに係合される。
【0035】
直結用コネクタ400は、図2に示すように、接続端子200に設けられた前述の接続ピン250A,250B,250Cに対応した収納穴410A,410B,410Cを備えている。直結用コネクタ400は、図12(a)~(c)に示す挙動で主回路コネクタ300が開口部13Aへ係合されるときに、開口部13A内に挿入される(図1及び図2参照)。なおこのとき、図1に示すように、直結用コネクタ400の径方向中心線(言い換えればコネクタ体CBの径方向中心線)kcの軸方向位置と、各接続ピン250A~Cそれぞれの径方向中心線kpの軸方向位置とは、当該軸方向(図1中の左右方向)に沿って距離xだけ互いにオフセットしている。そして、詳細な図示及び説明を省略するが、結線基板100に対し前述のように取り付けられた接続端子200の接続ピン250A,250B,250Cが、直結用コネクタ400の収納穴410A,410B,410Cにそれぞれ挿入されて収納される。各収納穴410A,410B,410C内には、直結用コネクタ400内の内部配線を介して上記主回路コネクタ300と導通可能な導通金具(図示せず)がそれぞれ設けられており、それら導通金具が上記収納時に接続ピン250A,250B,250Cと導通する。
【0036】
なお、図12(a)~(c)に示す挙動により直結用コネクタ400が接続ピン250A,250B,250Cと導通する時に、前述の弾性部材270は、それらに図示するように、当該直結用コネクタ400と接続端子200との間で挟持されて押圧される。その際、弾性部材270の上記突出部270a,270b,270cは、直結用コネクタ400と接続端子200との間で圧縮され、押し広がるように変形する(図12(c)参照)。
【0037】
<樹脂モールド時の位置決め>
本実施形態の回転電機1では、前述したように、コネクタ体CBの直結用コネクタ400に導通する接続ピン250及び接続端子200は、結線基板100に取り付けられる。一方、結線基板100は、固定子2とともに樹脂モールド部15によってフレーム4に対し固定される。したがって、接続ピン250と直結用コネクタ400との正確な導通のためには、樹脂モールドが行われる際に高精度に結線基板100を位置決めすることが重要である。
【0038】
<フレームの位置決め基準穴>
本実施形態では、以下に述べる手法で各部の位置決めを行う際のすべての位置決めの基準となる基準穴がフレーム4に設けられる。すなわち、前述の図6に示すように、フレーム4の径方向外周部の4か所に厚肉部となるボス4aが設けられており、各ボス4aに、基準穴500A,500B,500C,500Dが軸方向に形成されている。以下適宜、これら基準穴500A~Dを単に「基準穴500」と総称する。基準穴500は、リーマ加工等の適宜の公知の手法により十分な高精度にて加工されている。
【0039】
<接続端子の結線基板への位置決め>
本実施形態ではまず、上記樹脂モールドに先立ち、上記フレーム4の基準穴500を用いて、結線基板100がフレーム4に対して位置決めされ、次に接続端子200が結線基板100に対し位置決めされて取り付けられる。その取付の際には、図13及び図14に示す、位置決め用の治具600が用いられる。
【0040】
治具600は、略平板状の本体部601と、本体部601の一方側(図13中の上側)に設けられた厚肉部611と、本体部601の他方側(図13中の下側)に設けられた厚肉部612と、厚肉部611において本体部601の面方向と直交する方向に孔設された貫通孔621と、厚肉部612において本体部601の面方向と直交する方向に孔設された貫通孔622と、本体部601の厚肉部612寄りの領域から厚肉部612にかけて設けられた貫通孔631,632,633と、を有する。
【0041】
図14に示すように、高精度に加工されたピンP1,P2がフレーム4の基準穴500A、500Cに予め貫入される。その後、治具600は、貫通孔621,622の位置が、フレーム4の基準穴500A,500Cにそれぞれ重ね合わされるように配置される。これにより、治具600が、フレーム4に対し、回転方向(言い換えれば周方向、以下同様)において高精度に位置決めされる。
【0042】
次に、予め組付けられている固定子2に結線基板100を挿入した組付体において、治具600の貫通孔631,632,633に対し、結線基板100から突出している前述の突起部124d,124e,124fがそれぞれ貫入される(図13参照)。これにより、結線基板100が治具600に対し上記回転方向において位置決めされる。
【0043】
本体部601は、上記一方側(図13中の上側)の端部に、略L字状に切り込むように設けられた位置決め端部601p,601rと、位置決め端部601sと、を備えている。
【0044】
接続端子200の位置決めにおいて、接続端子200の上記位置決め端面200pに対し治具600の位置決め端部601pが突き当てられ、位置決め端面200rに対し位置決め端部601rが突き当てられ、位置決め端面200sに対し位置決め端部601sが突き当てられる。これにより、接続端子200が治具600に対して上記回転方向位置決めされる。そしてその状態で、結線基板100の導電部材110aの支持穴230bに支持脚部200bが挿入されるとともに、導電部材110bの支持穴230a,230cに支持脚部200a,200cが挿入され、半田により固定される。こうして、治具600を介し、結線基板100と接続端子200とが、互いに回転方向に高精度に位置決めされた状態で固定された後、治具600及びピンP1,P2がフレーム4から取り外される。
【0045】
<樹脂モールド時の金型を用いた各部の位置決め>
上述のようにして、固定子2及び結線基板100の組付体と接続端子200とが、回転方向の位置決めが互いになされた状態の一体物となっている。次に、この一体物が上記樹脂モールド部15で覆われることでフレーム4に固定される。その樹脂モールドの際に、樹脂モールドで用いられる成形金型DIを用いて、上記一体物のフレーム4に対する軸方向位置決めと回転方向位置決めとが行われる。
【0046】
<軸方向の位置決め>
図15に模式的に示すように、樹脂モールド部15を成形するための成形金型DIは、樹脂モールド時においてフレーム4の反負荷側の突き当て端面4b(第2突き当て面の一例)に突き当てられる端面d1を有している。成形金型DIは、樹脂モールド時において接続端子200の反負荷側の突き当て端面200e(第1突き当て面の一例)に突き当てられる端面d2を有している。すなわち、突き当て端面200eに対し成形金型DIの端面d2が突き当てられることで、当該端面位置の一致が実現されている。
【0047】
このように、極めて高精度に形成される成形金型DIの端面d1に対しフレーム4の突き当て端面4bが突き当てられ、端面d2に対し接続端子200の突き当て端面200eが突き当てられる。これにより、フレーム4と接続端子200との軸方向における位置決めが実現される。
【0048】
<反負荷側ブラケットの被基準穴>
一方、後述するように、本実施形態では、フレーム4に対して反負荷側ブラケット13を位置決めして取り付けるための穴700A,700B,700C,700D(被位置決め穴の一例)が、フレーム4の上記基準穴500A,500B,500C,500Dとそれぞれ対応する位置(同一軸心となる位置)に、反負荷側ブラケット13において軸方向に形成されている。以下適宜、これら穴700A~Dを単に「穴700」と総称する。
【0049】
反負荷側ブラケット13は、上記穴700A,700B,700C,700Dに係合されるボルト710A,710B,710C,710D(以下適宜、これらを単に「ボルト710」と総称する)が上記基準穴500A,500B,500C,500Dに形成された雌ねじに締結されることにより、樹脂モールド部15が形成された後のフレーム4に最終的に固定される。
【0050】
<回転方向の位置決め>
ここで、上記固定子2及び結線基板100の組付体と接続端子200との一体物のフレーム4に対する回転方向の位置決めは、フレーム4の上記基準穴500を用いて行われる。すなわち樹脂モールドの際に、フレーム4の上記基準穴500A~Dのうちのいずれか1つに対し、予め高精度に加工された1つの位置決めピン(治具の一例。図示省略)が樹脂モールド用の治具として挿入される。この位置決めピンは、樹脂モールド時において成形金型DIにより突き当てられる突き当て用の端面(第4突き当て面の一例。図示省略)を備えている。
【0051】
また、接続端子200に設けられる上記接続ピン250A,250B,250Cのうちいずれか1つには、樹脂モールド時において成形金型DIにより突き当てられる突き当て用の端面(第3突き当て面の一例。図示省略)が備えられている。
【0052】
そして、成形金型DIは、樹脂モールド時において上記位置決めピンの突き当て用の端面に突き当てられる端面と、上記接続ピンの突き当て用の端面に突き当てられる端面と、を有している(図示省略)。
【0053】
このように、極めて高精度に形成される成形金型DIの2つの端面に対し上記位置決めピンと接続ピンとがそれぞれ突き当てられることにより、フレーム4と接続ピン250(言い換えれば接続端子200)との回転方向における位置決めが実現される。
【0054】
<反負荷側ブラケットの位置決め>
上記のようにして、フレーム4と接続端子200との軸方向における位置決めが実現され、かつ、フレーム4と接続端子200との回転方向における位置決めが実現された状態で、公知の手法で樹脂モールドが行われて樹脂モールド部15が形成される。これにより、互いに軸方向及び回転方向において高精度に位置決めがなされた、フレーム4、固定子2、結線基板100、接続端子200、及び接続ピン250のモールド結合体が形成される。
【0055】
上記モールド結合体が形成された状態で、当該モールド結合体に含まれるフレーム4の上記基準穴500に対し、反負荷側ブラケット13の穴700に係合するボルト710が締結される。これにより、反負荷側ブラケット13がフレーム4さらには上記モールド結合体に対し、回転方向に高精度に位置決めされた状態で固定される。この結果、反負荷側ブラケット13の上記開口部13Aに係合されるコネクタ体CBの直結用コネクタ400を、モールド結合体に備えられる接続端子200及び接続ピン250に対して、高精度に位置決めすることができる。
【0056】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の回転電機1においては、結線基板100の反負荷側の端部に接続端子200が取り付けられており、その接続端子200には、径方向外側に向かって接続ピン250が突設されている。
一方、フレーム4の反負荷側に固定された反負荷側ブラケット13の径方向外側に向けて開口部13Aが設けられており、主回路コネクタ300がその開口部13Aに対し係合する構造となっている。主回路コネクタ300には、これに導通する直結用コネクタ400が設けられており、上記開口部13Aへの係合の際には、その直結用コネクタ400が上記接続ピン250を収納して導通する。
以上の結果、本実施形態の回転電機1によれば、結線基板100→接続端子200→接続ピン250→直結用コネクタ400→主回路コネクタ300の経路で、結線基板100と主回路コネクタ300とをリード線を用いることなく直結することができる。
【0057】
また、本実施形態では特に、上記のようにして結線基板100と主回路コネクタ300とが直結用コネクタ400及び接続ピン250の導通によって直結される際、接続ピン250が突設される接続端子200と直結用コネクタ400との間に弾性部材270が挟持される。これにより、直結用コネクタ400と接続端子200との間の隙間を介し、接続ピン250が反負荷側ブラケット13の外方に対し露出するのを防止することができる。この結果、回転電機1の内部空間に存在し得る導電性粉末や水分等から接続ピン250を保護することができる。
【0058】
また、本実施形態では特に、直結用コネクタ400と接続ピン250とが導通する際、弾性部材270に設けられた突出部270a~cが直結用コネクタ400と接続端子200との間で圧縮されて変形する。この圧縮時の変形は押しつぶされるように広がるため、直結用コネクタ400と接続端子200との間の隙間を確実に埋めて密閉し、上述の導電性粉末や水分等の侵入を確実に防止することができる。
【0059】
また、本実施形態では特に、複数の接続ピン250が、接続端子200に備えられた互いに異なる段部200A~Cにそれぞれ設けられている。これにより、それら複数の接続ピン250が接続端子200に備えられた1つの共通の平坦面に設けられている場合に比べれば、段差がある分、接続ピン250同士の間の沿面距離を比較的大きく取ることができる。この結果、接続ピン250同士の間の短絡又は地絡をより抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態では特に、上記のように接続端子200に複数の接続ピン250が設けられる際、それら接続ピン250の設置位置が、周方向中心面(前述の例では面Xb)に対し非対称、つまり対称ではないような配置で設けられる。これにより、接続ピン250を直結用コネクタ400へと挿入させて互いに導通させる際に、正しい姿勢であれば直結用コネクタ400をすんなり装着できる一方、それとは逆向きの誤った姿勢であれば直結用コネクタ400を装着できないようにすることができる。この結果、仮に対称であった場合に生じうる、間違った姿勢での誤装着を確実に防止することができる。
【0061】
また、本実施形態では特に、上記のように接続端子200に複数の接続ピン250が設けられる際、接続端子200のうちそれら接続ピン250が設けられる設置領域の形状(上記の例では段部200A,200B,200Cの全体形状)が、周方向中心面(前述の例では面Xb)に対し非対称、つまり対称ではないような形状となっている。これにより、接続ピン250を直結用コネクタ400へと挿入させて互いに導通させる際に、正しい姿勢であれば直結用コネクタ400をすんなり装着できる一方、それとは逆向きの誤った姿勢であれば直結用コネクタ400を装着できないようにすることができる。この結果、仮に対称であった場合に生じうる、間違った姿勢での誤装着を確実に防止することができる。
【0062】
また、本実施形態では特に、固定子2と結線基板100とが樹脂モールド部15によってフレーム4に対し固定される。その際、樹脂モールドに使用される成形金型DIが、接続端子200の反負荷側の端面に備えられる突き当て端面200eと、フレーム4の反負荷側の端面に備えられる突き当て端面4bとの両方に突き当てられる。これにより、成形金型DIを介し、接続端子200とフレーム4とが軸方向に高精度に位置決めされるので、接続端子200の接続ピン250に導通する直結用コネクタ400に固定される主回路コネクタ300の、フレーム4内の固定子2及び回転子3等の電磁部に対する軸方向位置を正確に位置決めできる。この結果、結線基板100と主回路コネクタ300とを直結する前述の構造の組立工程を、比較的容易に自動化することができる。
【0063】
また、本実施形態では特に、フレーム4が位置決め基準となる基準穴500を備えており、反負荷側ブラケット13が基準穴500と同一軸心位置となるように位置決めされる穴700を備えている。これにより、反負荷側ブラケット13の穴700をフレーム4の基準穴500と同一軸心位置となるように位置決めすることで、反負荷側ブラケット13をフレーム4に対し周方向に位置決めすることができる。
【0064】
また、本実施形態では特に、固定子2と結線基板100とが樹脂モールド部15によってフレーム4に対し固定される。その際、樹脂モールドに使用される成形金型DIが、接続ピン250に備えられる突き当て用の端面(第3突き当て面)と、フレーム4の基準穴500に挿入される位置決めピンに備えられる突き当て用の端面(第4突き当て面)と、の両方に突き当てられる。これにより、成形金型DIを介し、接続ピン250と基準穴500とが周方向に高精度に位置決めされる。一方、前述のように、上記基準穴500を基準として、反負荷側ブラケット13及びフレーム4も周方向に高精度に位置決めされているので、接続ピン250、フレーム4、反負荷側ブラケット13を互いに高精度に周方向に位置決めすることができる。したがって、反負荷側ブラケット13の開口部13Aにおいて接続ピン250が挿入される直結用コネクタ400に固定される主回路コネクタ300の、フレーム4内の固定子2及び回転子3等の電磁部に対する周方向位置を正確に位置決めすることができる。この結果、結線基板100と主回路コネクタ300とを直結する前述の構造の組立工程を、比較的容易に自動化することができる。
【0065】
<その他変形例>
なお、以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「垂直」「平行」「平面」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」という意味である。
【0066】
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
【0067】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態及び変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
【0068】
その他、一々例示はしないが、上記実施形態等は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0069】
1 回転電機
2 固定子
3 回転子
4 フレーム
4b 突き当て端面(第2突き当て面)
7 固定子巻線
7a 巻線端部
13 反負荷側ブラケット(ブラケット)
13A 開口部
15 樹脂モールド部
100 結線基板(結線板)
200 接続端子
200A~C 段部
200e 突き当て端面(第1突き当て面)
250 接続ピン
270 弾性部材
270a~c 突出部
275a~c 貫通孔
300 主回路コネクタ
400 直結用コネクタ
500 基準穴500
DI 成形金型
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2022-08-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転子及び固定子と、
前記固定子の巻線の端部を所定の結線パターンで結線処理する結線板と、
軸方向に延びるフレームと、
前記フレームの前記軸方向の一方側に固定されるブラケットと、
前記ブラケットの径方向の外側に向けて設けられる開口部に係合する主回路コネクタと、
を有し、
前記固定子及び前記結線板が前記フレームに対し固定される回転電機であって、
前記結線板の前記軸方向一方側の端部に取り付けられた接続端子と、
前記接続端子から前記径方向の外側に向かって突設され、前記接続端子と導通する接続ピンと、
前記主回路コネクタと導通して設けられ、当該主回路コネクタの前記開口部への係合時に前記接続ピンを収納して導通する直結用コネクタと、
前記直結用コネクタと前記接続ピンとの導通時に、当該直結用コネクタと前記接続端子との間に挟持される弾性部材と、
を有し、
前記弾性部材は、
前記接続ピンを貫通させる貫通孔と、
前記貫通孔の外周を覆うように前記径方向の外側に突出して設けられ、前記直結用コネクタと前記接続ピンとの前記導通時に前記直結用コネクタと前記接続端子との間で圧縮されて変形する突出部と、
を備える
ことを特徴とする回転電機。
【請求項2】
前記接続端子は、
前記直結用コネクタに対向する凸凹形状を形成する複数の段部を有しており、
複数の前記接続ピンが、
互いに異なる前記段部にそれぞれ設けられている
ことを特徴とする請求項記載の回転電機。
【請求項3】
前記接続端子における複数の前記接続ピンの設置位置は、
周方向における中心面に関し、当該中心面の一方側と他方側とで非対称となるように構成されている
ことを特徴とする請求項1又は2記載の回転電機。
【請求項4】
前記接続端子のうち、複数の前記接続ピンの設置領域は、
周方向における中心面に関し、当該中心面の一方側と他方側とで非対称な形状に構成されている
ことを特徴とする請求項1又は2記載の回転電機。
【請求項5】
前記直結用コネクタの径方向中心線の前記軸方向における位置と、複数の前記接続ピンそれぞれの径方向中心線の前記軸方向における位置とは、当該軸方向に沿って互いにオフセットしている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の回転電機。
【請求項6】
前記フレームは、
位置決め基準となる基準穴を備えており、
前記ブラケットは、
前記基準穴と同一軸心位置となるように位置決めされる被位置決め穴を備えている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の回転電機。
【請求項7】
回転子及び固定子と、
前記固定子の巻線の端部を所定の結線パターンで結線処理する結線板と、
軸方向に延びるフレームと、
前記フレームの前記軸方向の一方側に固定されるブラケットと、
前記ブラケットの径方向の外側に向けて設けられる開口部に係合する主回路コネクタと、
前記結線板の前記軸方向の一方側の端部に取り付けられた接続端子と、
を有し、
前記固定子及び前記結線板が前記フレームに対し固定される回転電機の製造方法であって、
前記固定子及び前記結線板前記フレームに対し樹脂モールドにより固定することと
前記接続端子の前記軸方向の一方側の端面に備えられた第1突き当て面を、前記樹脂モールドの際に使用される成形金型突き当てることと、
前記フレームの前記軸方向の一方側の端面に備えられた第2突き当て面を、前記樹脂モールドの際に前記成形金型に突き当てることと、
を有することを特徴とする回転電機の製造方法
【請求項8】
前記回転電機は、
前記接続端子から前記径方向の外側に向かって突設され、前記接続端子と導通する接続ピンを有し、
前記フレームは、
位置決め基準となる基準穴を備えており、
前記回転電機の製造方法は、
前記接続ピンに備えられた第3突き当て面を、前記樹脂モールドの際に使用される成形金型突き当てることと、
前記基準穴に挿入される所定の治具に備えられた第4突き当て面を、前記樹脂モールドの際に前記成形金型に突き当てることと、
を有することを特徴とする請求項記載の回転電機の製造方法