(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182942
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】薬剤供給装置、薬剤供給装置の制御プログラム、およびこの制御プログラムを記録した記録媒体
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
A61J3/00 310F
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021150580
(22)【出願日】2021-09-15
(31)【優先権主張番号】P 2021088254
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592246705
【氏名又は名称】株式会社湯山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(72)【発明者】
【氏名】寺田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】湯山 裕之
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA17
4C047CC15
4C047JJ10
4C047JJ28
4C047JJ31
4C047JJ34
(57)【要約】
【課題】手撒きユニットを備えた薬剤供給装置において、手撒き作業における人為的ミスを防ぐために、手撒きユニットのそれぞれのセルに設けられたLEDにより、ユーザに対して分かりやすい案内を行う。
【解決手段】薬剤手撒き装置100は、複数のセル41に区切られ、前記複数のセル41の各々に薬剤が投入されるトレイと、前記複数のセル41の各々に対応して設けられたLED42と、LED42を制御する制御部11とを備える。制御部11は、処方データに基づいて、前記トレイに対する前記薬剤の投入作業の進捗状況に応じて、前記複数のセル41の各々に対して前記薬剤の投入作業が完了したか否かをユーザが識別可能な態様で、LED42の点灯状態を変化させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルに区切られ、前記複数のセルの各々に薬剤が投入されるトレイと、
前記複数のセルの各々に対応して設けられた発光部と、
前記発光部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、処方データに基づいて、前記トレイに対する前記薬剤の投入作業の進捗状況に応じて、前記複数のセルの各々に対して前記薬剤の投入作業が完了したか否かをユーザが識別可能な態様で、前記発光部の点灯状態を変化させる、薬剤供給装置。
【請求項2】
ユーザからの操作を受け付ける操作部をさらに備え、
前記制御部は、一種類の薬剤の投入作業が完了した後に前記操作部に対して行われるユーザの操作に基づいて、前記発光部の点灯状態を更新する、請求項1に記載の薬剤供給装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数のセルの各々に対して投入すべき薬剤の残数に応じて、前記発光部の点灯状態を変化させる、請求項1または2に記載の薬剤供給装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記複数のセルの各々に対して投入すべき薬剤の残数に応じて、前記発光部の点灯色を異ならせる、請求項3に記載の薬剤供給装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記複数のセルの各々に対して投入すべき薬剤の残数がゼロになった場合、当該セルに対応する発光部を消灯させる、請求項3に記載の薬剤供給装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記処方データに含まれる薬剤のいずれかがユーザによって選択された場合、前記処方データに基づいて、前記複数のセルのうち、選択された前記薬剤を投入すべきセルに対応する発光部を点滅させる、請求項1~5のいずれか一項に記載の薬剤供給装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記処方データに含まれる薬剤のいずれかがユーザによって選択された場合、当該薬剤の投入作業が完了済みであれば、前記発光部の点灯状態を変化させない、請求項1~6のいずれか一項に記載の薬剤供給装置。
【請求項8】
前記処方データに基づいて作業支援画面を表示するモニタをさらに備え、
前記作業支援画面は、前記トレイの前記複数のセルをセル配置に対応して模式的に表したセルイメージを表示するセルイメージ領域を含み、
前記制御部は、前記処方データに基づいて、前記セルイメージにおいて、前記複数のセルのうち薬剤を投入すべきセルの位置に、当該セルに投入すべき薬剤の個数を表示する、請求項1~7のいずれか一項に記載の薬剤供給装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記トレイにおいて前記薬剤を投入すべきセルに対応する発光部の点灯状態に合致するよう、前記作業支援画面の前記セルイメージを生成する、請求項8に記載の薬剤供給装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記処方データに基づいて、前記トレイの前記複数のセルの各々に投入すべき薬剤の個数に応じて、前記作業支援画面の前記セルイメージを生成する、請求項8に記載の薬剤供給装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記ユーザが選択した薬剤が管理薬品または投入単位が1錠未満の薬品であった場合、当該薬剤を投入するセルに対応する発光部の点灯状態を、他のセルに対応する発光部の点灯状態とは異ならせる、請求項1~10のいずれか一項に記載の薬剤供給装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記ユーザが選択した薬剤が管理薬品または投入単位が1錠未満の薬品であった場合、当該薬剤を投入するセルに対応する発光部の点灯色を、他のセルに対応する発光部の点灯色とは異ならせる、請求項11に記載の薬剤供給装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記ユーザが選択した薬剤が管理薬品または投入単位が1錠未満の薬品であった場合、当該薬剤を投入するセルに対応する発光部を点滅させる、請求項11または12に記載の薬剤供給装置。
【請求項14】
前記制御部は、同じ薬剤が投入されるセルに対応する発光部を同一の点灯状態とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の薬剤供給装置。
【請求項15】
前記制御部は、同じ薬剤が同じ錠数投入されるセルに対応する発光部を同一の点灯状態とする、請求項14に記載の薬剤供給装置。
【請求項16】
前記制御部は、朝食後、昼食後、および夕食後に対応する発光部を同一の点灯状態とする、請求項14または15に記載の薬剤供給装置。
【請求項17】
複数のセルに区切られ、前記複数のセルの各々に薬剤が投入されるトレイと、前記複数のセルの各々に対応して設けられた発光部とを備えた薬剤供給装置において、前記トレイへの薬剤の投入作業を支援するための支援プログラムであって、
前記薬剤供給装置のプロセッサに、
処方データに基づいて、前記トレイに対する前記薬剤の投入作業の進捗状況に応じて、前記複数のセルの各々に対して前記薬剤の投入作業が完了したか否かをユーザが識別可能な態様で、前記発光部の点灯状態を変化させる処理を実行させる命令を含む、支援プログラム。
【請求項18】
請求項17に記載の支援プログラムを記憶した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤供給装置に関し、特に、手撒きでの作業を支援する機能を備えた薬剤供給装置と、この装置の動作を制御する制御プログラムと、この制御プログラムを記録した記録媒体とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、処方された薬剤を1回の服用分ずつ個別包装(分包)することができる薬剤供給装置が知られている。薬剤供給装置によれば、例えば、起床時、朝食後、昼食後、夕食後、または寝る前、等の服薬タイミングに分けて、処方にしたがって必要な薬剤が分包される。また、個々の包装材に患者氏名や服薬タイミングを印刷することもできる。これにより、薬の飲み忘れや飲み間違いを防止できるという利点がある。
【0003】
薬剤供給装置は、一般的に、処方に従って薬剤を1回の服用分ずつに分割して収容する複数のマスを備えたトレイと、前記のマスから分包紙に薬剤を送り込み、熱溶着等によって、薬剤を1回分の服薬量に分けて密封包装する分包ユニットとを備えている。従来の薬剤供給装置には、粉末状、粒状、またはカプセル状等の固形薬剤を、処方に応じて、自動的にトレイに分割する仕組みの他に、薬剤師等のユーザがトレイのマスに手で薬剤を投入する作業(いわゆる「手撒き」)が行える仕組みを備えたものもある。
【0004】
例えば、下記の特許文献1には、手撒き作業の際に誤った区画に薬剤を投入することを防止するために、トレイの収納区画に表示手段を設け、この表示手段の点灯により、薬剤の種類に応じて当該薬剤を投入すべき収納区画を切換案内する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複数種類の薬剤を分包する際に手撒き作業を伴う場合には、薬剤トレイの複数のセルに、処方データで指定されたとおりの薬剤を正しい数だけ投入しなければならない。そのため、手撒きユニットを備えた薬剤供給装置においては、手撒き作業における人為的ミスを防ぐために、手撒きユニットのそれぞれのセルに設けられたLEDにより、ユーザに対して分かりやすい案内を行うことが望ましい。
【0007】
上記の要求を鑑み、本発明は、手撒き作業における人為的ミスを未然に防ぐために、手撒き作業を支援する機能を備えた薬剤供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、以下に開示する薬剤供給装置は、
複数のセルに区切られ、前記複数のセルの各々に薬剤が投入されるトレイと、
前記複数のセルの各々に対応して設けられた発光部と、
前記発光部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、処方データに基づいて、前記トレイに対する前記薬剤の投入作業の進捗状況に応じて、前記複数のセルの各々に対して前記薬剤の投入作業が完了したか否かをユーザが識別可能な態様で、前記発光部の点灯状態を変化させる。
【発明の効果】
【0009】
上記の構成によれば、手撒き作業における人為的ミスを未然に防ぐことに寄与する薬剤供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、薬剤供給装置の機能的な概略構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、手撒きユニットが備える薬剤トレイの外観を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、モニタに表示される手撒き作業支援画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、モニタに表示される手撒き作業支援画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、手撒きユニットのLEDの点灯状態を示す模式図である。
【
図7】
図7は、薬剤供給装置の制御部の処理フローを示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、手撒きユニットのLEDの点灯状態を示す模式図である。
【
図10】
図10は、手撒きユニットのLEDの点灯状態を示す模式図である。
【
図11】
図11は、薬剤供給装置の制御部の処理フローを示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、手撒きユニットのLEDの点灯状態を示す模式図である。
【
図14】
図1は、薬剤供給装置の制御部の処理フローを示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、手撒きユニットのLEDの点灯状態を示す模式図である。
【
図16】
図16は、薬剤供給装置の制御部の処理フローを示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、手撒きユニットのLEDの点灯状態を示す模式図である。
【
図18】
図18は、薬剤供給装置の制御部の処理フローを示すフローチャートである。
【
図19】
図19は、手撒きユニットのLEDの点灯状態を示す模式図である。
【
図20】
図20は、薬剤供給装置の制御部の処理フローを示すフローチャートである。
【
図21】
図21は、手撒きユニットのLEDの点灯状態を示す模式図である。
【
図22】
図22は、薬剤供給装置の制御部の処理フローを示すフローチャートである。
【
図23】
図23は、手撒きユニットのLEDの点灯状態を示す模式図である。
【
図24】
図24は、薬剤供給装置の制御部の処理フローを示すフローチャートである。
【
図25】
図25は、手撒きユニットのLEDの点灯状態を示す模式図である。
【
図26】
図26は、薬剤供給装置の制御部の処理フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の第1の構成にかかる薬剤供給装置は、
複数のセルに区切られ、前記複数のセルの各々に薬剤が投入されるトレイと、
前記複数のセルの各々に対応して設けられた発光部と、
前記発光部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、処方データに基づいて、前記トレイに対する前記薬剤の投入作業の進捗状況に応じて、前記複数のセルの各々に対して前記薬剤の投入作業が完了したか否かをユーザが識別可能な態様で、前記発光部の点灯状態を変化させる。
【0012】
第1の構成によれば、制御部は、処方データに基づき、前記トレイに対する前記薬剤の投入作業の進捗状況に応じて、前記複数のセルの各々に対して前記薬剤の投入作業が完了したか否かをユーザが識別可能な態様で、前記発光部の点灯状態を変化させる。したがって、ユーザは、必要なセルに対して手撒き作業を正しく完了したかどうかを、発光部の点灯状態によって容易に確認することができる。
【0013】
本発明の第2の構成にかかる薬剤供給装置は、第1の構成において、ユーザからの操作を受け付ける操作部をさらに備え、前記制御部は、一種類の薬剤の投入作業が完了した後に前記操作部に対して行われるユーザの操作に基づいて、前記発光部の点灯状態を更新する。この第2の構成によれば、ある薬剤の投入作業が完了したことを、操作部に対するユーザの操作で検知して、発光部の点灯状態を更新するので、ユーザが薬剤の投入状況を確認しながら作業を進めることができる。
【0014】
本発明の第3の構成にかかる薬剤供給装置は、第1または第2の構成において、前記制御部が、前記複数のセルの各々に対して投入すべき薬剤の残数に応じて、前記発光部の点灯状態を変化させる。この構成によれば、ユーザは、発光部の点灯状態の変化を見ることにより、必要なセルに対して手撒き作業を正しく進められているどうかを、容易に確認することができる。
【0015】
本発明の第4の構成にかかる薬剤供給装置は、第3の構成において、前記制御部が、前記複数のセルの各々に対して投入すべき薬剤の残数に応じて、前記発光部の点灯色を異ならせる。この構成によれば、ユーザは、発光部の点灯色の変化を見ることにより、必要なセルに対して手撒き作業を正しく進められているどうかを、容易に確認できる。
【0016】
本発明の第5の構成にかかる薬剤供給装置は、第3の構成において、前記制御部が、前記複数のセルの各々に対して投入すべき薬剤の残数がゼロになった場合、当該セルに対応する発光部を消灯させる。この構成によれば、ユーザは、発光部が消灯していれば、それに対応するセルへの手撒き作業が完了していると判断することができる。
【0017】
本発明の第6の構成にかかる薬剤供給装置は、第1~第5のいずれかの構成において、前記制御部が、前記処方データに含まれる薬剤のいずれかがユーザによって選択された場合、前記処方データに基づいて、前記複数のセルのうち、選択された前記薬剤を投入すべきセルに対応する発光部を点滅させる。この構成によれば、ユーザは、発光部が点滅しているセルが、薬剤を投入すべきセルであると容易に判断することができるので、誤ったセルへ薬剤を投入するという人為的ミスを防止できる。
【0018】
本発明の第7の構成にかかる薬剤供給装置は、第1~第6のいずれかの構成において、前記制御部が、前記処方データに含まれる薬剤のいずれかがユーザによって選択された場合、当該薬剤の投入作業が完了済みであれば、前記発光部の点灯状態を変化させない。この構成によれば、ユーザは、手撒き作業を完了した薬剤を誤って再度選択した場合であっても、発光部の点灯状態が変化しないので、同じ薬剤を重複して投入するという人為的ミスを防止できる。
【0019】
本発明の第8の構成にかかる薬剤供給装置は、第1~第7のいずれかの構成において、
前記処方データに基づいて作業支援画面を表示するモニタをさらに備え、
前記作業支援画面は、前記トレイの前記複数のセルをセル配置に対応して模式的に表したセルイメージを表示するセルイメージ領域を含み、
前記制御部は、前記処方データに基づいて、前記セルイメージにおいて、前記複数のセルのうち薬剤を投入すべきセルの位置に、当該セルに投入すべき個数を表示する。
【0020】
この構成によれば、ユーザは、作業支援画面を見ながら、セルに投入すべき薬剤の個数を確認できるので、処方データで指定されたとおりの個数をミスなく投入できるという利点がある。
【0021】
本発明の第9の構成にかかる薬剤供給装置は、第8の構成において、前記制御部が、前記トレイにおいて前記薬剤を投入すべきセルに対応する発光部の点灯状態に合致するよう、前記作業支援画面の前記セルイメージを生成する。この構成によれば、発光部の点灯状態と作業支援画面のセルイメージが合致しているので、ユーザにとって見やすいという利点がある。
【0022】
本発明の第10の構成にかかる薬剤供給装置は、第8の構成において、前記制御部が、前記処方データに基づいて、前記トレイの前記複数のセルの各々に投入すべき薬剤の個数に応じて、前記作業支援画面の前記セルイメージを生成する。この構成によれば、作業支援画面において、トレイの前記複数のセルの各々に投入すべき薬剤の個数に応じたセルイメージが生成されるので、処方データで指定された個数を正しく投入することができる。
【0023】
本発明の第11の構成にかかる薬剤供給装置は、第1~第10のいずれかの構成において、前記制御部が、前記ユーザが選択した薬剤が管理薬品または投入単位が1錠未満の薬品であった場合、当該薬剤を投入するセルに対応する発光部の点灯状態を、他のセルに対応する発光部の点灯状態とは異ならせる。この構成によれば、管理薬品または投入単位が1錠未満の薬品が処方データに含まれていた場合に、より慎重な作業を行うように、ユーザに対して注意喚起を行うことができる。
【0024】
本発明の第12の構成にかかる薬剤供給装置は、第11の構成において、前記制御部が、前記ユーザが選択した薬剤が管理薬品または投入単位が1錠未満の薬品であった場合、当該薬剤を投入するセルに対応する発光部の点灯色を、他のセルに対応する発光部の点灯色とは異ならせる。例えば、管理薬品等を投入するセルに対応する発光部の点灯色を、より目立ちやすい色に設定すれば、注意喚起の効果がさらに向上する。
【0025】
本発明の第13の構成にかかる薬剤供給装置は、第11の構成において、前記制御部が、前記ユーザが選択した薬剤が管理薬品または投入単位が1錠未満の薬品であった場合、当該薬剤を投入するセルに対応する発光部を点滅させる。この構成によれば、点滅によって注意喚起の効果がさらに向上する。
【0026】
本発明の第14の構成にかかる薬剤供給装置は、第1~第13の構成のいずれかの構成において、前記制御部が、同じ薬剤が投入されるセルに対応する発光部を同一の点灯状態とする。この場合、前記制御部は、同じ薬剤が同じ錠数投入されるセルに対応する発光部を同一の点灯状態とすることが好ましい。また、例えば、前記制御部は、朝食後、昼食後、および夕食後に対応する発光部を同一の点灯状態とすることも好ましい。これらの構成によれば、同じ薬剤が投入されるセルが同色で点灯されるので、ユーザにとって見やすい点灯状態を提供できる。
【0027】
本発明は、
複数のセルに区切られ、前記複数のセルの各々に薬剤が投入されるトレイと、前記複数のセルの各々に対応して設けられた発光部とを備えた薬剤供給装置において、前記トレイへの薬剤の投入作業を支援するための支援プログラムであって、
前記薬剤供給装置のプロセッサに、
処方データに基づいて、前記トレイに対する前記薬剤の投入作業の進捗状況に応じて、前記複数のセルの各々に対して前記薬剤の投入作業が完了したか否かをユーザが識別可能な態様で、前記発光部の点灯状態を変化させる処理を実行させる命令を含む、支援プログラム、としても実施できる。
【0028】
また、本発明は、上記の支援プログラムを記憶した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、としても実施できる。
【0029】
[実施の形態]
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0030】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る薬剤供給装置の機能的な概略構成を示すブロック図である。
図1および
図2に示すように、薬剤供給装置100は、制御ユニット1、錠剤供給ユニット2、散薬供給ユニット3、手撒きユニット4、分包ユニット5、バーコードリーダ6などを備えている。制御ユニット1、錠剤供給ユニット2、散薬供給ユニット3、手撒きユニット4、および分包ユニット5は、内部バス7によって相互に接続されている。
【0031】
[制御ユニット1]
制御ユニット1は、処方データを読み込み、操作画面を表示して、薬剤供給装置100のユーザ(薬剤師等)からの指示を受け付ける。すなわち、制御ユニット1は、薬剤供給装置100を操作するための入出力インタフェースとして機能する。このため、制御ユニット1は、制御部11、記憶部12、モニタ13、操作部14、および通信IF15等を備える。
【0032】
制御ユニット1は、薬剤供給装置100の内蔵ユニットとして構成しても良いし、パーソナルコンピュータ、タブレット端末またはPDA端末などの、薬剤供給装置100とは別体のハードウェアとして実現しても良い。制御ユニット1を薬剤供給装置100とは別体に構成する場合、制御ユニット1と薬剤供給装置100との間の通信は、有線および無線のいずれであっても良い。
【0033】
制御部11は、CPU、RAM、ROMおよびEEPROM(いずれも図示せず)などを有する。制御部11は、前記ROM、前記EEPROM、または記憶部12などに予め記憶された各種のプログラムを、前記CPUによって実行する。なお、前記RAMおよび前記EEPROMは、前記CPUによって各種の処理を実行する際に、一時記憶メモリ(作業領域)として利用される。なお、制御部11は、ASICまたはDSPなどの集積回路であってもよい。
【0034】
記憶部12は、ハードディスク装置またはSSD(Solid State Drive)などである。記憶部12には、制御部11のCPUに様々な処理を実行させるためのプログラムが予め記憶されている。
【0035】
前記プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記録媒体に記録されており、不図示のディスクドライブなどの読取装置によって前記記録媒体から読み取られて記憶部12にインストールされる。あるいは、有線または無線の通信回線を介して前記プログラムを記憶部12にダウンロードするよう構成しても良い。本発明は、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な前記記録媒体の発明としても捉えることができる。
【0036】
また、記憶部12には、例えば医薬品マスタ、患者マスタ、カセットマスタ、および薬局マスタなどの各種のデータベースも記憶されている。なお、制御部11は、コンピュータ読み取り可能な任意の記録媒体から不図示のディスクドライブなどの読取装置によって読み取られたデータに基づいて、記憶部12に記憶されている前記各種のデータベースを更新することが可能である。あるいは、有線または無線の通信回線を介して外部から受信したデータに基づいて、前記各種のデータベースを更新するよう構成しても良い。また、制御部11は、操作部14に対するユーザ操作に応じて前記各種のデータベースの内容を変更することも可能である。
【0037】
前記医薬品マスタには、薬ID、薬品コード、薬品名、JANコード(またはRSSコード)、薬瓶コード、区分(剤形:散薬、錠剤、水剤、外用薬など)、錠剤のサイズ(高さおよび幅)、比重、薬品種(普通薬、毒薬、麻薬、劇薬、抗精神薬、治療薬など)、配合変化、賦形薬品、注意事項などの医薬品各々に関する情報が含まれる。また、医薬品マスタには、錠剤の画像またはイラストが含まれていても良い。前記患者マスタには、患者ID、氏名、性別、年齢、既往歴、処方薬履歴、家族情報、診療科、病棟、および病室などの患者に関する情報が含まれる。前記薬局マスタには、薬局名、薬剤師の氏名、薬剤師のIDなどの薬局に関する情報が含まれる。
【0038】
前記カセットマスタは、後述する錠剤供給ユニット2の錠剤カセットの各々に付与されているカセット識別情報と、各カセットに収容された薬品についての薬品情報との対応関係を示す情報である。前記カセットマスタの情報は、例えば、薬剤供給装置100の初期設定時に、操作部14のユーザ操作に応じて制御部11によって登録される。
【0039】
モニタ13は任意のディスプレイで実現することができる。モニタ13には、制御部11が処方データに基づいた制御を行うことにより、手撒き作業支援画面が表示される。手撒き作業支援画面は、ユーザが手撒きユニット4を使用して手撒き作業を行う際に、手撒きユニット4の複数のセル(後に説明する)のうち、どのセルに対してどの薬剤を何錠投入すれば良いかを分かりやすく表示する。
【0040】
操作部14は、ユーザ操作を受け付けるキーボード、マウスおよびタッチパネル等の操作手段であり、ユーザ操作に対応する操作信号を制御部11に入力する。通信IF15は、薬剤供給装置100を、通信網を介して外部の処方入力端末200に接続するための通信インタフェースである。通信IF15は、処方入力端末200などの上位システムとの間でデータ通信を実行する。処方入力端末200は、例えば病院および老健施設などに配置される電子カルテシステム、院内または院外の薬局に配置される調剤管理システムなどである。通信IF15は、前記バーコードリーダ6等の各種の無線通信機器との間で無線データ通信を行う無線通信カードなどの無線通信インタフェースも備えている。
【0041】
通信IF15は、処方入力端末200から処方データを取得し、取得した処方データを制御部11に入力する。例えば、通信IF15は、処方入力端末200に設けられた記憶手段の所定の記憶領域に処方データが記憶されたか否かを監視しており、前記所定の記憶領域に処方データが記憶された場合に、その処方データを前記所定の記憶領域から読み出す。通信IF15は、処方入力端末200から送信された処方データを受信するものであってもよい。
【0042】
[錠剤供給ユニット2]
錠剤供給ユニット2は、錠剤カセットを収容可能に構成されている。錠剤カセットは、カセット内部に充填された錠剤を、処方データにしたがって、1錠(単位量)ずつ必要量だけ払い出すことが可能である。なお、錠剤であっても、錠剤カセットを用いることができない薬剤、あるいは、錠剤カセットの使用が効率的ではないまたは適さない薬剤等が、後述する手撒きユニット4を使用して分包される。
【0043】
錠剤カセットのそれぞれには、それぞれのカセットを識別するカセット識別情報や収容薬剤を特定する薬剤情報等を記憶するために、例えばRFIDタグ(図示せず)が付与されている。錠剤供給ユニット2には、錠剤カセットのRFIDタグを読み取るためのタグリーダが設けられており、処方データにしたがって、錠剤カセットから、目標の錠剤が収容されているカセットを選び出す。選び出されたカセットは、錠剤供給ユニット2内で、モータ機構等によって錠剤払出部(図示せず)まで移送され、処方データにしたがって、錠剤が必要量ずつ払い出される。なお、錠剤供給ユニット2内で錠剤カセットを移送するための構成については、ここでは詳述しない。錠剤カセットから払い出された錠剤は、前記の錠剤払出部から1分包分ずつ分包ユニット5へ送られて分包される。
【0044】
[散薬供給ユニット3]
散薬供給ユニット3は、処方散薬を分包単位に分割する機能を有する。ユーザが処方散薬の総量を計量して、散薬供給ユニット3へ投入すると、散薬供給ユニット3は、これを処方データにしたがって分包単位(1回の服用量)に均等分割し、分包ユニット5へ送り出す。これにより、分包ユニット5において、散薬が1回の服用量ずつ分包される。なお、散薬供給ユニット3が処方散薬を分包単位に分割するための構成については、ここでは詳述しない。
【0045】
[手撒きユニット4]
手撒きユニット4は、例えば、冷所での保管等の特別な管理が必要であったり、処方頻度が少なかったり等の理由で、錠剤カセットでの管理に適さない錠剤を、ユーザが手作業で分包単位に分配するために用いられる。
図2は、手撒きユニット4が備える薬剤トレイの外観を示す斜視図である。手撒きユニット4の薬剤トレイは、
図2に示すように、マトリクス状に区分された複数のセル41を備えている。処方データにしたがい、ユーザによって、1回の服薬量の薬剤が、1つのセル41に投入される。
【0046】
図2に例示した手撒きユニット4の薬剤トレイには、6行8列で合計48個のセル41が設けられている。以下、セル41のそれぞれを区別して説明する際には、41
01~41
48の参照符号を用いる。なお、
図2においては、図示の簡略化のために、参照符号41
01~41
48の一部のみを表記している。本実施形態においては、薬剤トレイにおけるセル41の個数は48個とするが、セルの個数はこの例に限定されず、任意である。
【0047】
ユーザが、処方データにしたがってセル41へ薬剤の手撒きを完了すると、処方データで指定された用法・用量のとおりに正しく薬剤が投入されているか否かが、有資格者(薬剤師)により確認される。
【0048】
手撒きユニット4の薬剤トレイの下には、図示していないが、もう一枚のマストレイが設けられている。マストレイには、
図2の薬剤トレイのセル41と同数のセルが形成されており、それらのセルのそれぞれの底面は、個別に開閉するように構成されている。
図2の薬剤トレイに薬剤を撒き終えて確認が終了すると、薬剤トレイの底面のシャッターが開き、薬剤トレイのセル41に撒かれた薬剤が、マストレイの対応するセルに一斉に落下する。また、手撒きユニット4は、
図1に示すように、マストレイのセルの底面の開閉を個別に制御するために、セル開閉制御部44を備えている。セル開閉制御部44は、分包ユニット5と連動する。マストレイの1つのセルの底面が開口すると、当該セル内の薬剤が分包ユニット5へ送り出される。マストレイのセルの底面の開閉と、分包ユニット5の動作とは連動する。すなわち、確認が完了した後、薬剤師が分包処理をスタートさせるスタートボタンを操作することにより、マストレイのセルの底面が一つずつ開口して、セル内の薬剤が分包ユニット5へ順次送り出される。分包ユニット5へ送り出された薬剤は、後に説明するように、分包ユニット5において1セル分ずつ分包される。以上の動作により、1回の服用分ずつセル41に投入された薬剤が、マストレイを介して1セル分ずつ分包ユニット5へ送られ、分包ユニット5において個別に分包される。
【0049】
手撒きユニット4においては、
図2に示すように、それぞれのセル41の枠の一辺に、LED42が埋め込まれている。LED42は、セル毎に独立してON/OFF制御され、複数色を切り替えて表示することも可能である。また、LED42は、ON状態の場合、点灯を継続する状態と、点滅する状態とを切り替えることも可能である。LED42のON/OFFや表示色を制御するために、
図1に示すように、手撒きユニット4はLED制御部43を備えている。LED制御部43は、制御ユニット1の制御部11からの指示を受けて、手撒きユニット4のLED42のON/OFFや発光色を制御する。このLED制御部43によるLED42の制御については、後に詳述する。
【0050】
[分包ユニット5]
分包ユニット5は、錠剤供給ユニット2、散薬供給ユニット3、または手撒きユニット4から送り出されてくる薬剤を分包する。分包紙は、紙またはセロハン等を材料としており、熱圧着によって、薬剤を1回分の服薬量毎に分けて密封包装する。
【0051】
分包ユニット5は、分包紙を供給する供給装置を有する。供給装置には、分包紙がロールペーパーの状態で装着される。ロールペーパーは、帯状の分包紙(包装紙)を管状の芯部材に巻いてロール状にしたものである。本実施形態のロールペーパーは、二つ折りにされた状態で帯状となった分包紙をロール状にしたものである。ただし、分包ユニット5に装着されるロールペーパーはこれに限らない。
【0052】
また、分包ユニット5は、図示しない印刷機構を有している。分包ユニット5では、ロールペーパーから繰り出された分包紙が印刷機構に導入される。印刷機構は、例えば患者名、薬剤の名称、および服用時期(服用日時)等の情報(処方に関する情報であり、提供する薬剤に関する情報)を分包紙に印刷する。その後、これらの情報が印刷された分包紙は、上向きに開口された状態にされる。そして、その状態で、供給口から落下した(供給された)薬剤を受け入れる。
【0053】
さらに、分包ユニット5は、図示しないシール機構を有する。分包ユニット5では、薬剤を受け入れた分包紙は、シール機構に導入される。シール機構は、薬剤を受け入れた分包紙を縦方向および横方向にシールすることにより、受け入れた薬剤を順次包装していく。
【0054】
また、上記したロールペーパーの芯部材には、識別子が付与されていてもよい。識別子は、例えばロールペーパーを個別に識別可能な情報を記憶した記憶素子である。ロールペーパーを個別に識別可能な情報の例として、例えばロールペーパーのメーカー等に関する情報(メーカー名等)、製造年月日等に関する情報、または当該芯部材に巻かれたロールペーパーの種類が挙げられる。また、ロールペーパーを個別に識別可能な情報の別の例として、ロールペーパーの受注番号、出荷日、納品先の顧客情報、当該ロールペーパーが装着される分包ユニット5の機種名、機種コード、またはその他ID(Identification)等が挙げられる。このような識別子の具体例としてICタグ等のメモリが挙げられる。また、識別子は、一次元コード(バーコード)または二次元コードのようなコードであってもよい。識別子としてコードを採用する場合、識別子はロールペーパーのラベルに付されていてもよい。
【0055】
制御ユニット1は、ロールペーパーが分包ユニット5に装着される場合に、前記の識別子の情報を読み取り、当該ロールペーパーが分包ユニット5に装着されるものとして正しいか否かを判別してもよい。また、識別子は、ロールペーパーが未使用であることを識別するための情報を記憶していてもよい。この場合、制御ユニット1は、分包ユニット5にロールペーパーが装着される場合に、当該ロールペーパーが未使用か否かを判別してもよい。
【0056】
さらに、識別子は、分包紙の残量に関する情報を記憶してもよい。この場合、制御ユニット1は、薬剤を分包ユニット5により包装する分包動作の途中の任意のタイミングで、分包紙の残量を識別子に記憶させてもよい。また、制御ユニット1は、分包ユニット5による分包動作の終了後における分包紙の残量を識別子に記憶させてもよい。すなわち、制御ユニット1は、分包ユニット5による分包動作における、任意のタイミングでの分包紙の残量に関する情報を記憶させてよい。
【0057】
[バーコードリーダ6]
バーコードリーダ6は、薬品を識別するコードを読み取るものであり、薬局の薬品棚などに設けられた錠剤の収容容器(箱、瓶など)またはPTPシートなどに記載されたJANコード、RSSコード、またはQRコード(登録商標)を読み取るコード読取手段であって、例えばPDAなどの携帯端末である。なお、バーコードリーダ6は、例えば薬剤師などが薬品を保管庫から取り出す際に使用する従来周知の補助装置などであってもよい。前記補助装置は、薬剤師等が処方箋に従って薬品棚から薬品を取り出して手動で調剤する際に用いられ、例えば、前記収容容器に記載されたJANコードから薬品を読み取って、その読み取られた薬品と処方データとの照合を行う。
【0058】
バーコードリーダ6により読み取られた情報は、バーコードリーダ6から無線通信により制御ユニット1に入力される。このように無線通信を利用すれば、バーコードリーダ6を薬剤供給装置100または薬品棚などに自由に持ち運び可能であり、錠剤カセットへの錠剤の投入作業を任意の場所で行うことも可能となる。また、手撒きユニット4においては、薬剤トレイとは別の部材として、予備撒きトレイを使用することも可能である。予備撒きトレイは、例えば、
図2に示した薬剤トレイと同数で同じ大きさのセルを有するように形成され、薬剤トレイに被せて使用される。手撒きユニット4での手撒き作業を行う前に、この予備撒きトレイに対して、処方データにしたがってあらかじめ薬剤の投入作業を行うことで、次の手撒きユニット4に投入すべき薬剤の準備を事前に行うことができる。バーコードリーダ6を持ち運び可能としておけば、その投入作業を任意の場所で行うことができる。もちろん、バーコードリーダ6が制御ユニット1に有線接続されることも考えられる。なお、薬局内に薬剤供給装置100が複数台設けられる場合には、薬剤供給装置100の各々に予め対応付けられたバーコードリーダ6が個別に設けられる。
【0059】
[手撒き作業支援画面]
次に、薬剤供給装置100において手撒き作業を支援するために設けられている機能について説明する。薬剤供給装置100においては、手撒き作業が行われる際に、制御ユニット1と手撒きユニット4とが連動し、制御ユニット1のモニタ13に手撒き作業支援画面を表示すると共に、手撒きユニット4において、薬剤トレイのどのセル41にどの薬剤を投入すべきかを案内するために、LED42が点灯する。
【0060】
なお、ここでは、手撒き作業用の処方データとして、
図3に示す内容の処方データが薬剤供給装置100へ入力されたものとして、説明を行う。
図3に示す処方データは、A薬品、B薬品、およびC薬品の3種類の薬剤を、服用時期を1日3回(毎食後)として5日分処方するものである。したがって、この処方データにしたがって分包される薬包の総数は15である。すなわち、手撒き作業に際しては、手撒きユニット4の48個のセル41のうち、15個のセル41が使用される。また、
図3における「連続」とは、薬包シートにおいて、朝食後5日分の薬包が連続し、次に昼食後5日分の薬包が連続し、最後に夕食後5日分の薬包が連続して形成されることを意味する。なお、ここに示した具体的な数値(薬剤の種類、服用時期の数、処方日数、およびセルの数等)は、本発明を限定するものではなく、適宜に変更することが可能である。
【0061】
図4は、手撒き作業の際に、制御ユニット1のモニタ13に表示される手撒き作業支援画面110の一例である。
図4に示すように、手撒き作業支援画面110は、セルイメージ領域111、薬剤リスト領域112、薬剤画像領域113、および、用量表示領域114を含む。セルイメージ領域111は、手撒きユニット4の薬剤トレイの複数のセル41を、実際のセル配置に対応して模式的に表したものである。すなわち、セルイメージ領域111には、手撒きユニット4のセル41と同じ個数(48個)のセル部111c
01~111c
48が、手撒きユニット4の薬剤トレイ上の配置と同じ行列数(6行×8列)で表示されている。なお、
図4においては、図示の簡略化のために、セル部111c
01~111c
48の参照符号を一部のみ表記している。手撒き作業支援画面において、セルイメージ領域111のセル部111c
01の位置は、手撒きユニット4のセル41
01の位置に対応する。以下同様に、セル部111c
02~111c
48の配置は、手撒きユニット4のセル41
02~41
48の配置に対応する。
【0062】
薬剤リスト領域112には、処方データにしたがって、薬品名、容量(総量)、形状(錠型イメージ)、およびDTAパターンが表示される。錠型イメージの画像データは、記憶部12の医薬品マスタから取得することができる。薬剤リスト領域112の「DTAパターン」の欄には、処方データに基づき、服用時期毎の錠数が表示される。
図4の例では、薬剤リスト領域112の「DTAパターン」の欄は、最も左の列が朝食後の薬剤(A薬品5錠とC薬品1錠)を示し、真ん中の列が昼食後(A薬品2錠)、最も右の列が夕食後の薬剤(B薬品3錠とC薬品2錠)を示す。
【0063】
手撒き作業を行うユーザが、薬剤の容器等に付与されているバーコードを、バーコードリーダ6で読み取ると、バーコードリーダ6で読み取られたバーコード情報が、制御ユニット1へ送信される。制御ユニット1の制御部11は、ここで読み取られたデータに基づいて、バーコードリーダ6で読み取られた容器の薬剤が、処方データ上の薬剤のいずれかと一致するか否かを判断する。
【0064】
ここで、例えば、バーコードリーダ6で読み取られた容器の薬剤が、
図3に示した処方データの「A薬品」と一致していたとすると、制御部11は、手撒き作業支援画面の表示を
図5に示す状態に切り替える。
図5の手撒き作業支援画面では、薬剤リスト領域112において、A薬品の行112Aが強調表示される。強調表示の態様は、
図5に示すように、A薬品の行112Aを太枠線で囲んだ状態としても良いし、A薬品の行112Aの背景を他の行とは異なる色としても良い。また、
図5の手撒き作業支援画面では、用量表示領域114において、A薬品のイメージが表示されている箇所(領域114Aおよび領域114B)が、太枠線で囲んだ状態または背景色を他の領域とは異ならせた状態とすることにより、強調表示される。また、
図5においては図示を省略しているが、A薬品の画像またはイラストが、薬剤画像領域113に表示される。
【0065】
また、
図5の手撒き作業支援画面においては、セルイメージ領域111のセル部111c
01~111c
48のうち、ユーザが選択した薬剤(ここではA薬品)を投入すべきセル41に対応するセル部111c
01~111c
15において、背景色が他のセル部とは異なる色で表示される(詳しくは後述する)と共に、各セルに投入すべき薬剤の個数が数字で表示される。これにより、手撒き作業を行うユーザは、選択した薬剤をどのセルに何個投入すべきかを容易に確認することができる。
【0066】
なお、本実施形態に係る薬剤供給装置100においては、処方データにしたがって一つの薬剤の手撒き作業を完了する度に、手撒き作業の進捗に応じて、手撒きユニット4のLED42の表示態様とモニタ13の手撒き作業支援画面が変化する。これにより、次の薬剤を手撒きする際に、どのセルに薬剤を投入すべきかを分かりやすく案内する構成となっている。
【0067】
以下では、手撒きユニット4の薬剤トレイのLED42の表示態様とモニタ13の手撒き作業支援画面の変化の例をいくつか説明する。なお、以下に示す表示態様はあくまでも一例であって、この他にも様々な表示態様があり得る。
【0068】
[第1の表示態様]
第1の表示態様では、薬剤を投入すべきセル41のLED42を、投入すべき薬剤の残数に応じた色で点灯させると共に、薬剤の投入が完了したセル41についてはLED42を消灯する。また、ユーザが一つの薬剤を選択すると、その薬剤を投入すべきセル41のLED42が点滅する。以下、第1の表示態様における、手撒き作業の進捗に伴うLED42の点灯状態の変化について、図面を参照しながら説明する。
【0069】
例えば、残数に応じたLED42の表示色が、C1~C6の6色を使用して、(1個:C1(例えば赤色))、(2個:C2(例えば緑色))、(3個:C3(例えば黄色))、(4個:C4(例えば青色))、(5個:C5(例えば紫色))、(6個以上)C6(例えば水色))のように設定されているものとする。また、ここでも、
図3に示した処方データにしたがって手撒き作業を行うものとする。処方データは、処方入力端末200から通信IF15を介して、記憶部12に格納されている。制御部11は、この処方データを読み出し、最初は、
図6の(a)に示すように、これから手撒き作業により薬剤を投入すべきセル41のLED42を点灯させるように、手撒きユニット4のLED制御部43へ指示を送る。なお、
図6および以降の同様の図面においては、図示の簡略化のために、セル41
01~41
18の表示態様のみを示している。なお、
図6の(a)~(f)のそれぞれにおいて、最も右の列の最下行のマスがセル41
01を表し、図面上方に向かってセル41
02~セル41
06までが続く。また、真ん中の列の最下行のマスが、セル41
07を表し、図面上方に向かってセル41
08~セル41
12までを表す。また、最も左の列の最下行のマスが、セル41
13を表し、図面上方に向かってセル41
14~セル41
18までを表す。また、
図6の(a)~(f)において、セル41内の「C1」等の記号は、そのセル41のLED42の表示色(点灯色)を表す。また、
図6の(a)~(f)において、「C1」等の記号が破線の矩形で囲まれている場合、LED42が点滅状態であることを表す。さらに、
図6の(a)~(f)において、セル41内に何も記載されていない場合は、そのセル41のLED42が消灯されていることを表す。
図6以降の同様の図においても、同様の表現を用いる。
【0070】
再び
図6の(a)を参照すると、手撒き作業の開始時には、セル41
01~セル41
05については、朝食後の服用に処方されている薬剤の総数は6個であるため(
図3参照)、LED制御部43の制御により、LED42はC6の色を表示する。セル41
06~セル41
10については、昼食後の服用に処方されている薬剤の総数は2個であるため、LED42はC2の色を表示する。セル41
11~セル41
15については、夕食後の服用に処方されている薬剤の総数は5個であるため、LED42はC5の色を表示する。セル41
16~セル41
18については、投入される薬剤は無いのでLED42は消灯されている。
【0071】
次に、ユーザが、A薬品を選択し、その容器のバーコードをバーコードリーダ6で読み取ると、その情報は制御部11へ送られ、制御部11からLED制御部43へ、LED42の表示を切り替えるよう指示が送られる。これにより、LED42の表示状態は、
図6の(b)に示す状態となる。すなわち、制御部11は、処方データ(
図3参照)を参照し、A薬剤を投入すべきセルが、朝食後と昼食後の分包に対応するセル41
01~セル41
10であるものと判断し、セル41
01~セル41
10のLED42を点灯状態から点滅状態へと切り替える指示を、LED制御部43へ送る。これにより、
図6の(b)に示すように、セル41
01~セル41
05のLED42はC6の色で点滅し、セル41
06~セル41
10のLED42はC2の色で点滅する。
【0072】
ユーザは、LED42の点滅に案内され、セル4101~セル4110へA薬品を投入する。なお、このとき、手撒き作業支援画面において、セル4101~セル4110に対応するセル部111c01~111c10には、それぞれのセルに投入すべきA薬品の個数が数字で表示される。また、セル部111c01~111c10の背景色は、セル4101~セル4110のLED42の表示色と同じ色(各セルへの投入薬剤の残数に応じた色)としても良いが、それぞれのセルへ投入すべきA薬品の個数に応じた色で表示することも、投入数を間違えることを防止する点において好ましい。このように、LED42の点滅による案内に加えて、モニタ13の手撒き作業支援画面において、各セルへ投入する薬剤の個数を数字および背景色で表示することにより、正しいセルに正しい個数の薬剤を投入するように、ユーザの手撒き作業を補助することができる。
【0073】
A薬品の手撒きが完了すると、ユーザは、モニタ13に表示されている手撒き作業支援画面の完了ボタン115(
図5参照)を操作する。完了ボタン115が操作されたことを検知すると、制御部11は、処方データを参照し、手撒き作業によって投入すべき薬剤の残数を計算する。そして、制御部11は、計算で求めた残数に基づいて、LED42の表示状態を更新する。すなわち、
図3の処方データによれば、A薬品の手撒きを完了した後は、朝食後の服用分としてC薬品が1個、昼食後の服用分の残数は0個、夕食後の服用分としてB薬品が3個とC薬品が2個の合計5個、が手撒き作業の残数となる。したがって、
図6の(c)に示すように、朝食後の分包に対応するセル41
01~セル41
05のLED42はC1の色を表示する。昼食後の分包に対応するセル41
06~セル41
10のLED42は消灯されるので、これ以降、セル41
06~セル41
10には薬剤の投入が不要であることを、ユーザが容易に認識できる。夕食後の分包に対応するセル41
11~セル41
15のLED42はC5の色を表示する。
【0074】
次に、ユーザがB薬品を選択し、容器のバーコードをバーコードリーダ6で読み取ると、その情報は制御部11へ送られ、制御部11からLED制御部43へ、LED42の表示を切り替えるよう指示が送られる。これにより、LED42の表示状態は、
図6の(d)に示す状態となる。すなわち、制御部11は、処方データ(
図3参照)を参照し、B薬品を投入すべきセルが、夕食後の分包に対応するセル41
11~セル41
15であるものと判断し、セル41
11~セル41
15のLED42を点灯状態から点滅状態へと切り替える指示を、LED制御部43へ送る。これにより、
図6の(d)に示すように、セル41
11~セル41
15のLED42はC5の色で点滅状態となる。このときも、手撒き作業支援画面において、セル41
11~セル41
15に対応するセル部111c
11~111c
15には、それぞれのセルに投入すべきB薬品の個数(3個)が数字で表示される。また、セル部111c
11~111c
15の背景色は、セル41
11~セル41
15のLED42の表示色と同じ色(各セルへの投入薬剤の残数に応じた色であるC5)としても良いが、それぞれのセルへ投入すべきB薬品の個数に応じた色(C3)で表示することも、投入数を間違えることを防止する点において好ましい。
【0075】
ユーザが、LED42の点滅にガイドされてセル41
11~セル41
15へB薬品を投入し、完了ボタン115を操作すると、上記と同様に、制御部1が処方データを参照して手撒き作業によって投入すべき薬剤の残数を計算し、LED42の表示状態を更新する。これにより、LED42の表示状態は
図6の(e)に示すとおりに切り替わる。すなわち、
図3の処方データによれば、A薬品に続いてB薬品の手撒きを完了した後は、朝食後の服用分としてC薬品が1個、昼食後の服用分の残数は0個、夕食後の服用分としてC薬品が2個、が手撒き作業の残数となる。したがって、
図6の(e)に示すように、朝食後の分包に対応するセル41
01~セル41
05のLED42はC1の色を表示する。昼食後の分包に対応するセル41
06~セル41
10のLED42は消灯のままである。夕食後の分包に対応するセル41
11~セル41
15のLED42はC2の色を表示する。
【0076】
その後、ユーザがC薬品を選択し、容器のバーコードをバーコードリーダ6で読み取ると、その情報は制御部11へ送られ、制御部11からLED制御部43へ、LED42の表示を切り替えるよう指示が送られる。これにより、LED42の表示状態は、
図6の(f)に示す状態となる。すなわち、制御部11は、処方データ(
図3参照)を参照し、C薬品を投入すべきセルが、朝食後の分包に対応するセル41
01~セル41
05と、夕食後の分包に対応するセル41
11~セル41
15であるものと判断し、セル41
11~セル41
15のLED42を点灯状態から点滅状態へと切り替える指示を、LED制御部43へ送る。これにより、
図6の(f)に示すように、セル41
01~セル41
05のLED42は、C1の色で点滅し、セル41
11~セル41
15のLED42はC2の色で点滅する。このときも、手撒き作業支援画面において、セル41
01~セル41
05とセル41
11~セル41
15に対応するセル部111c
01~111c
05には、投入すべきC薬品の個数を表す「1」が表示される。また、セル部111c
11~111c
15には、投入すべきC薬品の個数を表す「2」が表示される。また、これらのセル部の背景色は、対応するセル41のLED42の表示色と同じ色で表示される。
【0077】
ユーザがセル4101~セル4105およびセル4111~セル4115へのC薬品の投入を完了し、完了ボタン115を操作すると、処方データに含まれる全ての薬剤の手撒き作業が完了するので、制御部11はLED制御部43へ指示を送り、全てのLED42が消灯する。
【0078】
図7は、第1の表示態様を実現するための制御部11の動作手順を示すフローチャートである。制御部11は、処方データを入力すると(ステップS1)、処方データに基づいて、これから手撒き作業で薬剤トレイのセル41のそれぞれへ投入すべき薬剤の個数(残数)を算出し、算出した残数に応じて、セル41のそれぞれのLED42の表示色をLED制御部43へ指示する(ステップS2)。
【0079】
そして、制御部11は、バーコードリーダ6からバーコードの入力があった場合(ステップS3においてYES)、入力されたバーコードが表す薬剤が処方データに含まれるか否かと、入力されたバーコードが表す薬剤の手撒き作業が未完了であるかを判定する(ステップS4)。ステップS4の結果がYESであれば、制御部11は、LED制御部43へ、ステップS3で入力されたバーコードが表す薬剤を投入すべきセル41のLED42を点滅させる指示を送る(ステップS5)。
【0080】
続いて、制御部11は、ユーザによって完了ボタン115が操作されたことを検知すると(ステップS6でYES)、処方データに含まれる全薬剤について手撒き作業が完了したか否かを判断し(ステップS7)、未完了の薬剤があれば、ステップS2へ戻る。以上の処理を、処方データに含まれる全薬剤の手撒き作業が完了するまで繰り返す。
【0081】
第1の表示態様によれば、セル41のそれぞれのLED42を、投入すべき薬剤の残数に応じた色で点灯させると共に、薬剤の投入が完了したセル41についてはLED42を消灯する。これにより、手撒き作業が完了したセルと未完了のセルとを容易に見分けることができ、作業負担や作業ミスが低減する。また、ユーザが一つの薬剤を選択すると、その薬剤を投入すべきセル41のLED42が点滅するので、誤ったセル41へ薬剤を投入することが防止される。
【0082】
また、ステップS4において、ユーザが選択した薬剤の手撒き作業が未完了であるか否かを確認し、ステップS4の判断結果がNOであれば、LED42を点滅させるステップS5へは進まずにステップS2へ戻る。これにより、既に投入済みの薬剤を、重複して投入してしまうことが防止される。なお、このときに、ユーザが選択した薬剤の手撒き作業が完了済みであることを警告するメッセージ等を出力しても良い。
【0083】
[第2の表示態様]
第2の表示態様では、処方データにしたがい、薬剤を投入すべきセル41のLED42を服用時期毎に異なる色で点灯する。例えば、服用時期に応じたLED42の表示色が、C1~C3の3色を使用して、(朝食後:C1(例えば青色))、(昼食後:C2(例えば赤色))、(夕食後:C3(例えば緑色))のように設定されているものとする。また、ここでは、
図8に示した処方データが入力されて手撒き作業を行うものとする。
【0084】
図8に示した処方データは、A薬品、B薬品、およびC薬品の3種類の薬剤を、服用時期を1日3回(毎食後)として5日分処方するものである。したがって、この処方データにしたがって分包される薬包の総数は15である。すなわち、手撒き作業に際しては、手撒きユニット4の48個のセル41のうち、15個のセル41
01~セル41
15が使用される。また、
図8における「連続」とは、薬包シートにおいて、朝食後5日分の薬包が連続し、次に昼食後5日分の薬包が連続し、最後に夕食後5日分の薬包が連続して形成されることを意味する。
【0085】
処方データは、処方入力端末200から通信IF15を介して、記憶部12に格納されている。制御部11は、この処方データを読み出し、最初は、
図9の(a)に示すように、これから手撒き作業により薬剤を投入すべきセル41のLED42を点灯させるように、手撒きユニット4のLED制御部43へ指示を送る。
図9の(a)では、朝食後の分包に対応するセル41
01~セル41
05のLED42をC1の色で点灯させる。また、昼食後の分包に対応するセル41
06~セル41
10のLED42をC2の色で、夕食後の分包に対応するセル41
10~セル41
15のLED42をC3の色で、それぞれ点灯させる。
【0086】
そして、ユーザがA薬品を選択しても、LED42の点灯状態は
図9の(b)に示すとおりであり、
図9の(a)に示した初期状態から変化しない。しかし、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、A薬品1錠を投入すべきセル41
01~セル41
05に対応するセル部111c
01~111c
05に、投入すべき個数を表す「1」が表示される。また、A薬品0.5錠を投入すべきセル41
06~セル41
10に対応するセル部111c
06~111c
10に、投入すべき個数を表す「0.5」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。ユーザは、手撒き作業支援画面を見ながら、対応するセルにA薬品を所定の個数だけ投入することができる。
【0087】
ユーザがA薬品の投入を完了して、「閉じる」ボタン116(
図5参照)を操作すると、A薬品の選択状態は解除される。ただし、セル41のLED42の表示状態は、
図9の(c)に示すとおり、
図9の(a)に示した初期状態から変化しない。
【0088】
その後、ユーザがB薬品を選択しても、LED42の点灯状態は
図9の(d)に示すとおりであり、
図9の(a)に示した初期状態から変化しない。しかし、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、B薬品1錠を投入すべきセル41
11~セル41
15に対応するセル部111c
11~111c
15に、投入すべき個数を表す「1」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。
【0089】
ユーザがB薬品の投入を完了して、「閉じる」ボタン116(
図5参照)を操作すると、B薬品の選択状態は解除される。ただし、セル41のLED42の表示状態は、
図9の(e)に示すとおり、
図9の(a)に示した初期状態から変化しない。
【0090】
その後、ユーザがC薬品を選択して手撒きを完了するまでの処理は、上記と同様であり、セル41のLED42の表示状態は、
図9の(f)に示すとおり、
図9の(a)に示した初期状態から変化しない。
【0091】
以上のとおり、第2の表示態様では、薬剤を投入するセル41のLED42が、服用時期毎に異なる色で点灯するが、手撒き作業の開始から終了まで、セル41のLED42の点灯状態は初期状態のままで変化しない。したがって、ユーザによって、服用時期を誤って薬剤が投入されることが防止される。また、各セルへ投入する薬剤の個数はモニタ13の手撒き作業支援画面で確認することができる。
【0092】
また、第2の表示態様においては、1日あたりの分包数をユーザが任意に設定することが可能である。例えば、
図9では、1日あたりの分包数が3(朝食後、昼食後、夕食後)である具体例を示したが、ユーザが操作部14から所望の分包数として、2あるいは4等を指定することができる。例えば、ユーザが分包数数「2」を選択した場合、薬剤トレイの48個のセルのLED42が、2色に色分けされる。また、ユーザが分包数数「3」を選択した場合、薬剤トレイの48個のセルのLED42が、3色に色分けされる。この色分けのためのLED42の発光色の設定は、LED42が発光可能な色の中から、操作部14によってユーザが任意に選択することが可能である。
【0093】
[第3の表示態様]
第3の表示態様は、ユーザによって薬剤が選択された場合、その薬剤を投入すべきセル41のLED42が点滅する点において、第2の表示態様と異なる。なお、服用時期毎のLED42の表示色の設定と、入力される処方データ(
図8参照)は第2の表示態様で例示したものと同じであるとして、以下の説明を行う。
【0094】
制御部11は、最初に、
図10の(a)に示すように、これから手撒き作業により薬剤を投入すべきセル41のLED42を点灯させるように、手撒きユニット4のLED制御部43へ指示を送る。
図10の(a)では、朝食後の分包に対応するセル41のLED42をC1の色で点灯させる。また、昼食後の分包に対応するセル41
06~セル41
10のLED42をC2の色で、夕食後の分包に対応するセル41
10~セル41
15のLED42をC3の色で、それぞれ点灯させる。
【0095】
そして、ユーザがA薬品を選択すると、
図10の(b)に示すとおり、A薬品を投入すべきセル41
01~セル41
10のLED42が点滅状態となる。また、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、A薬品1錠を投入すべきセル41
01~セル41
05に対応するセル部111c
01~111c
05に、投入すべき個数を表す「1」が表示される。また、A薬品0.5錠を投入すべきセル41
06~セル41
10に対応するセル部111c
06~111c
10に、投入すべき個数を表す「0.5」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。ユーザは、手撒き作業支援画面を見ながら、対応するセルにA薬品を所定の個数だけ投入することができる。
【0096】
ユーザがA薬品の投入を完了して、「閉じる」ボタン116(
図5参照)を操作すると、A薬品の選択状態は解除される。そして、セル41のLED42の表示状態は、
図10の(c)に示すとおり、
図10と同じ(a)の初期状態に戻る。
【0097】
その後、ユーザがB薬品を選択すると、LED42の点灯状態は
図10の(d)に示すように、B薬品を投入すべきセル41
11~セル41
15のLED42が点滅状態となる。また、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、B薬品1錠を投入すべきセル41
11~セル41
15に対応するセル部111c
11~111c
15に、投入すべき個数を表す「1」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。
【0098】
ユーザがB薬品の投入を完了して、「閉じる」ボタン116(
図5参照)を操作すると、B薬品の選択状態は解除される。そして、セル41のLED42の表示状態は、
図10の(e)に示すとおり、
図10の(a)と同じ初期状態に戻る。
【0099】
その後、ユーザがC薬品を選択すると、
図10の(f)に示すように、C薬品を投入すべきセル41
01~セル41
05および41
11~セル41
15のLED42が、点滅状態となる。また、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、C薬品1錠を投入すべき41
01~セル41
05およびセル41
11~セル41
15に対応するセル部111c
01~111c
05および111c
11~111c
15に、投入すべき個数を表す「1」がそれぞれ表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。ユーザがC薬品の投入を完了して、「閉じる」ボタン116(
図5参照)を操作すると、C薬品の選択状態は解除される。そして、セル41のLED42の表示状態は、図示を省略するが、
図10と同じ(a)の初期状態に戻る。
【0100】
図11は、第3の表示態様を実現するための制御部11の動作手順を示すフローチャートである。第1の表示態様に関して
図7で説明した処理と同じ部分については、詳しい説明を省略する。制御部11は、処方データを入力すると(ステップS1)、薬剤を投入すべきセル41のそれぞれのLED42の表示色をLED制御部43へ指示する(ステップS2A)。なお、ここでの表示色は、服用時期毎に異なる色が設定されている。また、ユーザによって薬剤が選択された場合、制御部11は、薬剤を投入するセル41のLED42を点滅させるように、LED制御部43へ指示を送る(ステップS5A)。
【0101】
以上のとおり、第3の表示態様では、薬剤を投入するセル41のLED42が、服用時期毎に異なる色で点灯し、ユーザがいずれかの薬剤を選択すると、その薬剤を投入すべきセル41のLED42が点滅状態となる。したがって、ユーザが誤ったセルへ薬剤を投入することが防止される。また、各セルへ投入する薬剤の個数を、モニタ13の手撒き作業支援画面で確認することができる。
【0102】
[第4の表示態様]
第4の表示態様は、手撒き作業が進むにしたがい、処方データで指定された薬剤の投入が完了したセル41のLED42が消灯される点において、第2の表示態様と異なる。なお、服用時期毎のLED42の表示色の設定は第2の表示態様と同じであるが、入力される処方データは
図12に示すとおりであるものとして、以下の説明を行う。
【0103】
制御部11は、最初に、
図13の(a)に示すように、これから手撒き作業により薬剤を投入すべきセル41のLED42を点灯させるように、手撒きユニット4のLED制御部43へ指示を送る。
図13の(a)では、朝食後の分包に対応するセル41
01~セル41
05のLED42をC1の色で点灯させる。また、昼食後の分包に対応するセル41
06~セル41
10のLED42をC2の色で、夕食後の分包に対応するセル41
10~セル41
15のLED42をC3の色で、それぞれ点灯させる。
【0104】
ユーザがA薬品を選択しても、
図13の(b)に示すとおり、セル41のLED42の表示状態は、
図13の(a)の初期状態のままである。ただし、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、A薬品1錠を投入すべきセル41
01~セル41
05に対応するセル部111c
01~111c
05に、「1」が表示される。また、A薬品0.5錠を投入すべきセル41
06~セル41
10に対応するセル部111c
06~111c
10に、「0.5」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。ユーザは、手撒き作業支援画面を見ながら、対応するセルにA薬品を所定の個数だけ投入することができる。
【0105】
ユーザがA薬品の投入を完了して、「完了」ボタン115(
図5参照)を操作すると、A薬品の選択状態は解除される。そして、制御部11は、処方データを参照し、まだ投入が完了していない薬剤の個数を計算する。ここでは、A薬品(朝食後1錠、昼食後0.5錠)の投入が完了したことにより、A薬品だけが処方された昼食後の分包に対応するセル41
06~セル41
10については、手撒き作業が完了している。したがって、制御部11は、LED制御部43に指示を送り、
図13の(c)に示すように、セル41
06~セル41
10のLED42を消灯させる。
【0106】
その後、ユーザがB薬品を選択しても、
図13の(d)に示すとおり、セル41のLED42の表示状態は、
図13の(c)から変わらない。ただし、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、B薬品1錠を投入すべきセル41
11~セル41
15に対応するセル部111c
11~111c
15に、投入すべき個数を表す「1」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。
【0107】
ユーザがB薬品の投入を完了して、「完了」ボタン115(
図5参照)を操作すると、B薬品の選択状態は解除される。そして、制御部11は、処方データを参照し、まだ投入が完了していないセル41を確認する。ここでは、A薬品(朝食後1錠、昼食後0.5錠)とB薬品(夕食後1錠)の投入が完了しているので、手撒き作業が完了していないのは、C薬品が投入される朝食後の分包に対応するセル41
01~セル41
05のみである。したがって、制御部11は、LED制御部43に指示を送り、
図13の(e)に示すように、セル41
06~セル41
15のLED42を消灯させ、セル41
01~セル41
05のLED42を初期状態と同じく、C1の色で点灯させる。
【0108】
その後、ユーザがC薬品を選択しても、
図13の(f)に示すように、
図13の(e)の点灯状態が維持される。また、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、C薬品1錠を投入すべき41
01~セル41
05に対応するセル部111c
01~111c
05に、投入すべき個数を表す「1」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。ユーザがC薬品の投入を完了して、「完了」ボタン115(
図5参照)を操作すると、C薬品の選択状態は解除される。そして、セル41のLED42は、図示を省略するが、全消灯の状態となる。
【0109】
図14は、第4の表示態様を実現するための制御部11の動作手順を示すフローチャートである。第2の表示態様に関して
図11で説明した処理と同じ部分については、詳しい説明を省略する。第4の表示態様では、ステップS6で「完了」ボタンが操作されると、制御部11は、LED制御部43に対して、薬剤投入が完了したセル41については、LED42を消灯するよう指示を送る(ステップS6B)。
【0110】
以上のとおり、第4の表示態様では、薬剤を投入するセル41のLED42が、服用時期毎に異なる色で点灯し、処方データで指定された薬剤の投入が完了したセル41のLED42は消灯される。したがって、ユーザが、薬剤の投入が完了したセルへ誤って薬剤を投入することが防止される。また、各セルへ投入する薬剤の個数を、モニタ13の手撒き作業支援画面で確認することができる。
【0111】
[第5の表示態様]
第5の表示態様は、ユーザによって薬剤が選択された場合、その薬剤を投入すべきセル41のLED42が点滅する点において、第4の表示態様と異なる。第5の表示態様は、言わば、第3の表示態様と第4の表示態様の折衷である。なお、服用時期毎のLED42の表示色の設定は第2の表示態様と同じであるが、入力される処方データは
図12に示すとおりであるものとして、以下の説明を行う。
【0112】
制御部11は、最初に、
図15の(a)に示すように、これから手撒き作業により薬剤を投入すべきセル41のLED42を点灯させるように、手撒きユニット4のLED制御部43へ指示を送る。
図15の(a)では、朝食後の分包に対応するセル41のLED42をC1の色で点灯させる。また、昼食後の分包に対応するセル41
06~セル41
10のLED42をC2の色で、夕食後の分包に対応するセル41
10~セル41
15のLED42をC3の色で、それぞれ点灯させる。
【0113】
ユーザがA薬品を選択すると、
図15の(b)に示すとおり、A薬品を投入すべきセル41
01~セル41
10のLED42が点滅状態となる。また、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、A薬品1錠を投入すべきセル41
01~セル41
05に対応するセル部111c
01~111c
05に、投入すべき個数を表す「1」が表示される。また、A薬品0.5錠を投入すべきセル41
06~セル41
10に対応するセル部111c
06~111c
10に、投入すべき個数を表す「0.5」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。ユーザは、手撒き作業支援画面を見ながら、対応するセルにA薬品を所定の個数だけ投入することができる。
【0114】
ユーザがA薬品の投入を完了して、「完了」ボタン115(
図5参照)を操作すると、A薬品の選択状態は解除される。そして、制御部11は、処方データを参照し、まだ投入が完了していない薬剤の個数を計算する。ここでは、A薬品(朝食後1錠、昼食後0.5錠)の投入が完了したことにより、A薬品だけが処方された昼食後の分包に対応するセル41
06~セル41
10については、手撒き作業が完了している。したがって、制御部11は、LED制御部43に指示を送り、
図15の(c)に示すように、セル41
06~セル41
10のLED42を消灯させる。
【0115】
その後、ユーザがB薬品を選択すると、
図15の(d)に示すとおり、B薬品を投入すべきセル41
11~セル41
15のLED42が点滅状態となる。また、ただし、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、B薬品1錠を投入すべきセル41
11~セル41
15に対応するセル部111c
11~111c
15に、投入すべき個数を表す「1」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。
【0116】
ユーザがB薬品の投入を完了して、「完了」ボタン115(
図5参照)を操作すると、B薬品の選択状態は解除される。そして、制御部11は、処方データを参照し、まだ投入が完了していないセル41を確認する。ここでは、A薬品(朝食後1錠、昼食後0.5錠)とB薬品(夕食後1錠)の投入が完了しているので、手撒き作業が完了していないのは、C薬品が投入される朝食後の分包に対応するセル41
01~セル41
05のみである。したがって、制御部11は、LED制御部43に指示を送り、
図15の(e)に示すように、セル41
06~セル41
15のLED42を消灯させ、セル41
01~セル41
05のLED42を初期状態と同じく、C1の色で点灯させる。
【0117】
その後、ユーザがC薬品を選択すると、
図15の(f)に示すように、C薬品を投入すべきセル41
01~セル41
05のLED42が点滅する。また、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、C薬品1錠を投入すべき41
01~セル41
05に対応するセル部111c
01~111c
05に、投入すべき個数を表す「1」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。ユーザがC薬品の投入を完了して、「閉じる」ボタン116(
図5参照)を操作すると、C薬品の選択状態は解除される。そして、セル41のLED42は、図示を省略するが、
図15の(a)と同じ初期状態となる。
【0118】
図16は、第5の表示態様を実現するための制御部11の動作手順を示すフローチャートである。第5の表示態様では、ユーザによって薬剤が選択された場合、制御部11は、薬剤を投入するセル41のLED42を点滅させるように、LED制御部43へ指示を送る(ステップS5A)。また、ステップS6で「完了」ボタンが操作されると、制御部11は、LED制御部43に対して、薬剤投入が完了したセル41については、LED42を消灯するよう指示を送る(ステップS6A)。
【0119】
以上のとおり、第5の表示態様では、薬剤を投入するセル41のLED42が、服用時期毎に異なる色で点灯し、処方データで指定された薬剤の投入が完了したセル41のLED42は消灯される。また、ユーザが一つの薬剤を選択した場合は、その薬剤を投入すべきセル41のLED42が点滅する。したがって、薬剤の投入が完了したセルへ誤って薬剤を投入することが防止されると共に、LED42の点滅に案内されて、正しいセルへ薬剤を投入することができる。また、各セルへ投入する薬剤の個数を、モニタ13の手撒き作業支援画面で確認することができる。
【0120】
[第6の表示態様]
第6の表示態様は、ユーザによって薬剤が選択された場合、その薬剤を投入すべきセル41のLED42のみを点灯させる点において、第2の表示態様と異なる。また、ユーザが選択した薬剤が管理薬品(毒薬、麻薬、劇薬、向精神薬等)であった場合、その薬剤を投入すべきセル41のLED42を点滅させる点においても、第2の表示態様と異なる。なお、服用時期毎のLED42の表示色の設定は第2の表示態様と同じであるが、入力される処方データは
図12に示すとおりであり、かつ、C薬品が管理薬品であるものとして、以下の説明を行う。なお、処方データには、処方された薬剤が管理薬品か否かを表すデータが含まれる。
【0121】
制御部11は、最初に、
図17の(a)に示すように、これから手撒き作業により薬剤を投入すべきセル41のLED42を点灯させるように、手撒きユニット4のLED制御部43へ指示を送る。
図17の(a)では、朝食後の分包に対応するセル41のLED42をC1の色で点灯させる。また、昼食後の分包に対応するセル41
06~セル41
10のLED42をC2の色で、夕食後の分包に対応するセル41
10~セル41
15のLED42をC3の色で、それぞれ点灯させる。
【0122】
ユーザがA薬品を選択すると、
図17の(b)に示すとおり、A薬品を投入すべきセル41
01~セル41
10のLED42のみが点灯され、それ以外のLED42は全て消灯される。また、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、A薬品1錠を投入すべきセル41
01~セル41
05に対応するセル部111c
01~111c
05に、投入すべき個数を表す「1」が表示される。また、A薬品0.5錠を投入すべきセル41
06~セル41
10に対応するセル部111c
06~111c
10に、投入すべき個数を表す「0.5」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。ユーザは、手撒き作業支援画面を見ながら、対応するセルにA薬品を所定の個数だけ投入することができる。
【0123】
ユーザがA薬品の投入を完了して、「閉じる」ボタン116(
図5参照)を操作すると、A薬品の選択状態は解除される。そして、制御部11は、
図17の(c)に示すように、LED42の点灯状態を
図17の(a)と同じ初期状態に戻す。
【0124】
その後、ユーザがB薬品を選択すると、
図17の(d)に示すとおり、B薬品を投入すべきセル41
11~セル41
15のLED42のみが点灯され、それ以外のLED42は全て消灯される。また、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、B薬品1錠を投入すべきセル41
11~セル41
15に対応するセル部111c
11~111c
15に、投入すべき個数を表す「1」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。
【0125】
ユーザがB薬品の投入を完了して、「閉じる」ボタン116(
図5参照)を操作すると、B薬品の選択状態は解除される。そして、制御部11は、
図17の(e)に示すように、LED42の点灯状態を
図17の(a)と同じ初期状態に戻す。
【0126】
その後、ユーザがC薬品を選択すると、制御部11は、処方データを参照してC薬品が管理薬品であることを検出すると、
図17の(f)に示すように、C薬品を投入すべきセル41
01~セル41
05のLED42が点滅する。また、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、C薬品1錠を投入すべき41
01~セル41
05に対応するセル部111c
01~111c
05に、投入すべき個数を表す「1」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。ユーザがC薬品の投入を完了して、「閉じる」ボタン116(
図5参照)を操作すると、C薬品の選択状態は解除される。そして、セル41のLED42は、図示を省略するが、
図17の(a)と同じ初期状態となる。
【0127】
図18は、第6の表示態様を実現するための制御部11の動作手順を示すフローチャートである。第6の表示態様では、ユーザによって薬剤が選択された場合、制御部11は、薬剤を投入するセル41のLED42を点灯させるように、LED制御部43へ指示を送る(ステップS5B)。また、このとき、選択された薬剤が管理薬品であった場合は、その薬剤を投入するセル41のLEDを点滅させる。
【0128】
以上のとおり、第6の表示態様では、薬剤を投入するセル41のLED42が、服用時期毎に異なる色で点灯する。また、ユーザが一つの薬剤を選択した場合は、その薬剤を投入すべきセル41のLED42のみが点灯する。したがって、LED42の点滅に案内されて、正しいセルへ薬剤を投入することができる。また、各セルへ投入する薬剤の個数を、モニタ13の手撒き作業支援画面で確認することができる。さらに、ユーザが選択した薬剤が劇薬等の管理薬品であった場合は、その薬剤を投入すべきセル41のLED42を点滅させることにより、ユーザに注意喚起を行い、より慎重に手撒き作業をさせることができる。
【0129】
[第7の表示態様]
第7の表示態様は、ユーザによって薬剤が選択された場合、その薬剤を投入すべきセル41のLED42のみを点灯させる点において、第2の表示態様と異なる。また、投入すべき薬剤が半錠(0.5錠)であった場合、その薬剤を投入すべきセル41のLED42を点滅させる点においても、第2の表示態様と異なる。なお、第7の表示態様では、ユーザが選択した薬剤が管理薬品であるか否かでLED42の点灯状態を異ならせることはしない。また、服用時期毎のLED42の表示色の設定は第2の表示態様と同じであるが、入力される処方データは
図12に示すとおりであり、かつ、C薬品が管理薬品であるものとして、以下の説明を行う。なお、処方データには、処方された薬剤が管理薬品か否かを表すデータが含まれる。
【0130】
制御部11は、最初に、
図19の(a)に示すように、これから手撒き作業により薬剤を投入すべきセル41のLED42を点灯させるように、手撒きユニット4のLED制御部43へ指示を送る。
図19の(a)では、朝食後の分包に対応するセル41のLED42をC1の色で点灯させる。また、昼食後の分包に対応するセル41
06~セル41
10のLED42をC2の色で、夕食後の分包に対応するセル41
10~セル41
15のLED42をC3の色で、それぞれ点灯させる。
【0131】
ユーザがA薬品を選択すると、
図19の(b)に示すとおり、A薬品を投入すべきセル41
01~セル41
10のLED42のみが点灯され、それ以外のLED42は全て消灯される。また、A薬品0.5錠を投入すべきセル41
06~セル41
10のLED42は点滅状態とされる。また、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、A薬品1錠を投入すべきセル41
01~セル41
05に対応するセル部111c
01~111c
05に、投入すべき個数を表す「1」が表示される。また、A薬品0.5錠を投入すべきセル41
06~セル41
10に対応するセル部111c
06~111c
10に、投入すべき個数を表す「0.5」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。ユーザは、手撒き作業支援画面を見ながら、対応するセルにA薬品を所定の個数だけ投入することができる。
【0132】
ユーザがA薬品の投入を完了して、「閉じる」ボタン116(
図5参照)を操作すると、A薬品の選択状態は解除される。そして、制御部11は、
図19の(c)に示すように、LED42の点灯状態を
図19の(a)と同じ初期状態に戻す。
【0133】
その後、ユーザがB薬品を選択すると、
図19の(d)に示すとおり、B薬品を投入すべきセル41
11~セル41
15のLED42のみが点灯され、それ以外のLED42は全て消灯される。また、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、B薬品1錠を投入すべきセル41
11~セル41
15に対応するセル部111c
11~111c
15に、投入すべき個数を表す「1」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。
【0134】
ユーザがB薬品の投入を完了して、「閉じる」ボタン116(
図5参照)を操作すると、B薬品の選択状態は解除される。そして、制御部11は、
図19の(e)に示すように、LED42の点灯状態を
図19の(a)と同じ初期状態に戻す。
【0135】
その後、ユーザがC薬品を選択すると、
図19の(f)に示すように、C薬品を投入すべきセル41
01~セル41
05のLED42が点灯する。なお、第6の表示態様とは異なり、第7の表示態様では、管理薬品であってもLED42の点滅は行わない。また、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、C薬品1錠を投入すべき41
01~セル41
05に対応するセル部111c
01~111c
05に、投入すべき個数を表す「1」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。ユーザがC薬品の投入を完了して、「閉じる」ボタン116(
図5参照)を操作すると、C薬品の選択状態は解除される。そして、セル41のLED42は、図示を省略するが、
図17の(a)と同じ初期状態となる。
【0136】
図20は、第7の表示態様を実現するための制御部11の動作手順を示すフローチャートである。第7の表示態様では、ユーザによって薬剤が選択された場合、制御部11は、薬剤を投入するセル41のLED42を点灯させるように、LED制御部43へ指示を送る(ステップS5C)。また、このとき、選択された薬剤の投入単位が半錠であった場合は、その薬剤を投入するセル41のLEDを点滅させる。
【0137】
以上のとおり、第7の表示態様では、薬剤を投入するセル41のLED42が、服用時期毎に異なる色で点灯する。また、ユーザが一つの薬剤を選択した場合は、その薬剤を投入すべきセル41のLED42のみが点灯する。したがって、LED42の点灯に案内されて、正しいセルへ薬剤を投入することができる。また、各セルへ投入する薬剤の個数を、モニタ13の手撒き作業支援画面で確認することができる。さらに、ユーザが選択した薬剤の投入単位が半錠であった場合は、その薬剤を投入すべきセル41のLED42を点滅させることにより、ユーザに注意喚起を行い、より慎重に手撒き作業をさせることができる。
【0138】
なお、第7の表示態様は、投入単位が0.25錠等の薬品が処方データに含まれる場合にも摘要できる。
【0139】
[第8の表示態様]
第8の表示態様は、ユーザによって薬剤が選択された場合、その薬剤を投入すべきセル41のLED42のみを点灯させる点において、第2の表示態様と異なる。また、投入すべき薬剤が劇薬などの管理薬品であった場合と、半錠(0.5錠)であった場合とにおいて、その薬剤を投入すべきセル41のLED42を点滅させる点においても、第2の表示態様と異なる。なお、服用時期毎のLED42の表示色の設定は第2の表示態様と同じであるが、入力される処方データは
図12に示すとおりであり、かつ、C薬品が管理薬品であるものとして、以下の説明を行う。なお、処方データには、処方された薬剤が管理薬品か否かを表すデータが含まれる。
【0140】
制御部11は、最初に、
図21の(a)に示すように、これから手撒き作業により薬剤を投入すべきセル41のLED42を点灯させるように、手撒きユニット4のLED制御部43へ指示を送る。
図21の(a)では、朝食後の分包に対応するセル41のLED42をC1の色で点灯させる。また、昼食後の分包に対応するセル41
06~セル41
10のLED42をC2の色で、夕食後の分包に対応するセル41
10~セル41
15のLED42をC3の色で、それぞれ点灯させる。
【0141】
ユーザがA薬品を選択すると、
図21の(b)に示すとおり、A薬品を投入すべきセル41
01~セル41
10のLED42のみが点灯され、それ以外のLED42は全て消灯される。また、A薬品0.5錠を投入すべきセル41
06~セル41
10のLED42は点滅状態とされる。また、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、A薬品1錠を投入すべきセル41
01~セル41
05に対応するセル部111c
01~111c
05に、投入すべき個数を表す「1」が表示される。また、A薬品0.5錠を投入すべきセル41
06~セル41
10に対応するセル部111c
06~111c
10に、投入すべき個数を表す「0.5」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。ユーザは、手撒き作業支援画面を見ながら、対応するセルにA薬品を所定の個数だけ投入することができる。
【0142】
ユーザがA薬品の投入を完了して、「閉じる」ボタン116(
図5参照)を操作すると、A薬品の選択状態は解除される。そして、制御部11は、
図21の(c)に示すように、LED42の点灯状態を
図21の(a)と同じ初期状態に戻す。
【0143】
その後、ユーザがB薬品を選択すると、
図21の(d)に示すとおり、B薬品を投入すべきセル41
11~セル41
15のLED42のみが点灯され、それ以外のLED42は全て消灯される。また、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、B薬品1錠を投入すべきセル41
11~セル41
15に対応するセル部111c
11~111c
15に、投入すべき個数を表す「1」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。
【0144】
ユーザがB薬品の投入を完了して、「閉じる」ボタン116(
図5参照)を操作すると、B薬品の選択状態は解除される。そして、制御部11は、
図21の(e)に示すように、LED42の点灯状態を
図21の(a)と同じ初期状態に戻す。
【0145】
その後、ユーザがC薬品を選択すると、
図21の(f)に示すように、C薬品を投入すべきセル41
01~セル41
05のLED42が点滅状態とされ、他のLED42は全て消灯される。また、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、C薬品1錠を投入すべき41
01~セル41
05に対応するセル部111c
01~111c
05に、投入すべき個数を表す「1」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。ユーザがC薬品の投入を完了して、「閉じる」ボタン116(
図5参照)を操作すると、C薬品の選択状態は解除される。そして、セル41のLED42は、図示を省略するが、
図21の(a)と同じ初期状態となる。
【0146】
図22は、第8の表示態様を実現するための制御部11の動作手順を示すフローチャートである。第8の表示態様では、ユーザによって薬剤が選択された場合、制御部11は、薬剤を投入するセル41のLED42を点灯させるように、LED制御部43へ指示を送る(ステップS5D)。また、このとき、選択された薬剤が管理薬品である場合または投入単位が半錠であった場合は、その薬剤を投入するセル41のLEDを点滅させる。
【0147】
以上のとおり、第8の表示態様では、薬剤を投入するセル41のLED42が、服用時期毎に異なる色で点灯する。また、ユーザが一つの薬剤を選択した場合は、その薬剤を投入すべきセル41のLED42のみが点灯する。したがって、LED42の点滅に案内されて、正しいセルへ薬剤を投入することができる。また、各セルへ投入する薬剤の個数を、モニタ13の手撒き作業支援画面で確認することができる。さらに、ユーザが選択した薬剤が劇薬等の管理薬品であった場合、または、薬剤の投入単位が半錠であった場合は、その薬剤を投入すべきセル41のLED42を点滅させることにより、ユーザに注意喚起を行い、より慎重に手撒き作業をさせることができる。
【0148】
[第9の表示態様]
第9の表示態様は、服用時期に関わらず、薬剤を投入すべきセル41のLED42を同じ色(C1:例えば青色)で点灯させる。また、ユーザによって薬剤が選択された場合、その薬剤を投入すべきセル41のLED42のみを点灯させる。さらに、投入すべき薬剤が劇薬などの管理薬品であった場合は、その薬剤を投入すべきセル41のLED42をC1よりも目立つ色(C2:例えば赤色)で点灯させる。さらに、投入単位が半錠(0.5錠)であった場合は、その薬剤を投入すべきセル41のLED42を点滅させる。なお、入力される処方データは
図12に示すとおりであり、かつ、C薬品が管理薬品であるものとして、以下の説明を行う。なお、処方データには、処方された薬剤が管理薬品か否かを表すデータが含まれる。
【0149】
制御部11は、最初に、
図23の(a)に示すように、これから手撒き作業により薬剤を投入すべきセル41のLED42を点灯させるように、手撒きユニット4のLED制御部43へ指示を送る。
図23の(a)では、薬剤が投入されるセル41
01~セル41
15のLED42の全てがC1の色で点灯されている。
【0150】
ユーザがA薬品を選択すると、
図23の(b)に示すとおり、A薬品を投入すべきセル41
01~セル41
10のLED42のみがC1の色で点灯され、それ以外のLED42は全て消灯される。また、A薬品0.5錠を投入すべきセル41
06~セル41
10のLED42は点滅状態とされる。また、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、A薬品1錠を投入すべきセル41
01~セル41
05に対応するセル部111c
01~111c
05に、投入すべき個数を表す「1」が表示される。また、A薬品0.5錠を投入すべきセル41
06~セル41
10に対応するセル部111c
06~111c
10に、投入すべき個数を表す「0.5」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。ユーザは、手撒き作業支援画面を見ながら、対応するセルにA薬品を所定の個数だけ投入することができる。
【0151】
ユーザがA薬品の投入を完了して、「閉じる」ボタン116(
図5参照)を操作すると、A薬品の選択状態は解除される。そして、制御部11は、
図23の(c)に示すように、LED42の点灯状態を
図23の(a)と同じ初期状態に戻す。
【0152】
その後、ユーザがB薬品を選択すると、
図23の(d)に示すとおり、B薬品を投入すべきセル41
11~セル41
15のLED42のみがC1の色で点灯され、それ以外のLED42は全て消灯される。また、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、B薬品1錠を投入すべきセル41
11~セル41
15に対応するセル部111c
11~111c
15に、投入すべき個数を表す「1」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。
【0153】
ユーザがB薬品の投入を完了して、「閉じる」ボタン116(
図5参照)を操作すると、B薬品の選択状態は解除される。そして、制御部11は、
図23の(e)に示すように、LED42の点灯状態を
図21の(a)と同じ初期状態に戻す。
【0154】
その後、ユーザがC薬品を選択すると、
図23の(f)に示すように、C薬品を投入すべきセル41
01~セル41
05のLED42がC2の色で点灯され、他のLED42は全て消灯される。また、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、C薬品1錠を投入すべき41
01~セル41
05に対応するセル部111c
01~111c
05に、投入すべき個数を表す「1」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色であっても良い。ユーザがC薬品の投入を完了して、「閉じる」ボタン116(
図5参照)を操作すると、C薬品の選択状態は解除される。そして、セル41のLED42は、図示を省略するが、
図23の(a)と同じ初期状態となる。
【0155】
図24は、第9の表示態様を実現するための制御部11の動作手順を示すフローチャートである。第9の表示態様では、処方データが入力された後、初期画面においては、薬剤を投入するセル41のLED42をC1の色で表示するよう、制御部1がLED制御部43へ指示を送る(ステップS2B)。また、第9の表示態様では、ユーザによって薬剤が選択された場合、制御部11は、薬剤を投入するセル41のLED42を点灯させるように、LED制御部43へ指示を送る(ステップS5E)。また、このとき、選択された薬剤が管理薬品である場合は、その薬剤を投入するセル41のLED42をより目立つ色(C2)で点灯させる。または投入単位が半錠であった場合は、その薬剤を投入するセル41のLED42を点滅させる。
【0156】
以上のとおり、第9の表示態様では、ユーザが一つの薬剤を選択した場合は、その薬剤を投入すべきセル41のLED42のみが点灯する。したがって、LED42の点滅に案内されて、正しいセルへ薬剤を投入することができる。また、各セルへ投入する薬剤の個数を、モニタ13の手撒き作業支援画面で確認することができる。さらに、ユーザが選択した薬剤が劇薬等の管理薬品であった場合は、その薬剤を投入すべきセル41のLED42を異なる色(より目立つ色が望ましい)で点灯させ、薬剤の投入単位が半錠であった場合は、その薬剤を投入すべきセル41のLED42を点滅させることにより、ユーザに注意喚起を行い、より慎重に手撒き作業をさせることができる。
【0157】
なお、第9の表示態様においては、管理薬品の場合はより目立つ色でLED42を点灯させ、投入単位が半錠の場合はLED42を点滅させるものとしたが、その逆としても良い。すなわち、管理薬品の場合はLED42を点滅させ、投入単位が半錠の場合はより目立つ色でLED42を点灯させるものとしても良い。
【0158】
以上のとおり、第1~第9の表示態様を例示したが、LED42の点灯状態はこれに限定されず、処方データに含まれる薬剤の種別に応じて、様々なバリエーションを想定することが可能である。
【0159】
なお、以上に説明した手順により、処方データに含まれているすべての薬剤の手撒き作業を完了すると、他の薬剤師または手撒き作業を行った薬剤師本人によって、鑑査が行われる。鑑査とは、処方どおりに調剤されていることを確認する手続きである。鑑査が完了すると、薬剤師は、分包ユニット5による分包処理をスタートさせるための分包スタートボタンを押下する。この分包スタートボタンは、モニタ13上の手撒き作業支援画面に組み込まれていても良いし、薬剤供給装置100の操作盤に設けられていても良い。
【0160】
分包スタートボタンが押下されると、前述したように、手撒きユニット4の底面のシャッターが開き、セル4101~4148内の薬剤が薬剤トレイの下のマストレイに一斉に落下する。そして、制御ユニット1の制御にしたがって、マストレイの各セルの底面が順次開口することにより、セル4101~4148に撒かれた薬剤がマストレイを介して分包ユニット5に1薬包分ずつ送り出され、分包ユニット5において分包される。
【0161】
[第10の表示態様]
第10の表示態様は、同じ薬剤が処方される服用時期のセル41のLED42を、同じ色で点灯させる。例えば、「朝食後」、「昼食後」、「夕食後」については、同じ薬剤が同数ずつ処方される可能性が高い。このように、同じ薬剤が同数処方される服用時期については、セル41のLED42を同じ色で点灯させることにより、手撒き作業を行うユーザにとって、より見やすい表示とする。
【0162】
図25に、第10の表示態様の一例を示す。ここでは、朝食後、昼食後、夕食後のそれぞれにA薬品2錠ずつと、就寝前にB薬品1錠とが、4日分処方されているものとする。制御部11は、最初に、
図25の(a)に示すように、これから手撒き作業により薬剤を投入すべきセル41のLED42を点灯させるように、手撒きユニット4のLED制御部43へ指示を送る。
図25の(a)では、朝食後、昼食後、夕食後の分包に対応するセル41
01~41
03、セル41
05~41
07、セル41
09~41
11、セル41
13~41
15、のLED42をC1の色で点灯させる。また、就寝前の分包に対応するセル41
04、セル41
08、セル41
12、セル41
16のLED42をC2の色で点灯させる。このように、服用時期が異なるが、同じ薬剤が同じ錠数だけ処方されている複数種類の服用時期(ここでは、朝食後、昼食後、および夕食後)に対応するセル41を同じ色で点灯させることにより、ユーザは、これらのセル41に同じ薬剤を同数ずつ投入すれば良いことが分かる。
【0163】
ユーザがA薬品を選択すると、
図25の(b)に示すとおり、A薬品を投入すべきセル41
01~41
03、セル41
05~41
07、セル41
09~41
11、セル41
13~41
15のLED42のみが点灯され、それ以外のLED42は全て消灯される。また、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、A薬品2錠を投入すべきセル41
01~41
03、セル41
05~41
07、セル41
09~41
11、セル41
13~41
15に対応する、セル部111c
01~111c
03、111c
05~111c
07、111c
09~111c
11、111c
13~111c
15、投入すべき個数を表す「2」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色と同じ色(C1)であっても良い。ユーザは、手撒き作業支援画面を見ながら、対応するセルにA薬品を所定の個数(2錠)だけ投入することができる。また、このような表示とすることにより、ユーザは、朝食後、昼食後、および夕食後に対応するセル41に対して、同じ薬剤を同数ずつ投入する作業を連続して行うことができるので、作業効率も向上する。
【0164】
ユーザがA薬品の投入を完了して、「閉じる」ボタン116(
図5参照)を操作すると、A薬品の選択状態は解除される。そして、制御部11は、
図25の(c)に示すように、LED42の点灯状態を
図25の(a)と同じ初期状態に戻す。
【0165】
その後、ユーザがB薬品を選択すると、
図25の(d)に示すとおり、B薬品を投入すべきセル41
04、41
08、41
12、41
16のLED42のみが点灯され、それ以外のLED42は全て消灯される。また、手撒き作業支援画面において、処方データにしたがい、B薬品1錠を投入すべきセル41
04、41
08、41
12、41
16に対応するセル部111c
04、111c
08、111c
12、111c
16に、投入すべき個数を表す「1」が表示される。このとき、これらのセル部111の背景色は、対応するLED42の表示色(C2)と同じ色であっても良い。
【0166】
ユーザがB薬品の投入を完了して、「閉じる」ボタン116(
図5参照)を操作すると、B薬品の選択状態は解除される。そして、制御部11は、
図25の(e)に示すように、LED42の点灯状態を
図25の(a)と同じ初期状態に戻す。
【0167】
図26は、第10の表示態様を実現するための制御部11の動作手順を示すフローチャートである。第10の表示態様では、処方データが入力された後、制御部11は、服用時期毎にLED42の表示色を指示するが、朝食後、昼食後、夕食後は同じ色を表示するように指示する(ステップS2C)において、上記の各表示態様の場合とは異なる。その後の処理は、
図7に示したフローチャートと同様である。
【0168】
以上のとおり、第10の表示態様では、薬剤を投入するセル41のLED42が、例えば朝食後、昼食後、および夕食後のように同じ薬剤を同じ錠数だけ処方される服用時期については、共通の色で点灯する。これにより、それぞれの服用時期を異なる色で点灯させる場合と比べて、ユーザにとって見やすい表示を実現できる。
【0169】
なお、上述した具体例においては、同じ薬剤を同じ錠数処方する服用時期に対応するセル41のLED42を同じ色で点灯させるものとした。しかし、同じ薬剤を処方する服用時期については、錠数が異なっていても同じ色で点灯させるものとしても良い。また、朝食後、昼食後、夕食後に限らず、同じ薬剤が処方される複数の服用時期であれば、任意の服用時期について、薬剤を投入するセルを同じ色で点灯させるものとすることができる。また、第10の表示態様を、上述の他の表示態様と組み合わせて実施しても良い。
【0170】
[変形例]
以上、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明の実施形態は上記で説明した態様に限定されず、種々の変更が可能である。
【0171】
例えば、上記の実施形態においては、バーコードリーダ6によって容器のバーコードを読み取ることで、ユーザが選択した薬剤の情報を制御部11が識別できる構成とした。しかし、ユーザが選択した薬剤の情報の取得方法はこれに限定されず、様々な変形例が想定される。例えば、バーコードとリーダとの組み合わせ以外に、様々な記録媒体とその読み取り手段を用いることができる。あるいは、モニタ13上で薬剤リスト領域112に表示された薬剤から、ユーザが操作部14を介して選択するようにしても良い。
【0172】
例えば、上記の実施形態においては、錠剤供給ユニット2、散薬供給ユニット3、および分包ユニット5を備えた薬剤供給装置として本発明を実施する態様を説明した。しかし、上述した構成要素のうち、錠剤供給ユニット2、散薬供給ユニット3、および分包ユニット5の少なくとも一つは省略可能である。最もシンプルな構成としては、錠剤供給ユニット、散薬供給ユニット、および分包ユニットのいずれも備えておらず、手撒きのみを行う薬剤手撒き装置として本発明を実施することも可能である。
【0173】
また、制御ユニット1の記憶部12に医薬品マスタが格納されている構成を例示したが、通信IFおよび外部ネットワーク等を介して、装置外部にある医薬品マスタにアクセス可能な構成としても良い。
【0174】
上記各実施形態で説明した処理の一部または全部は、プログラムにより実現されるものであってもよい。この場合、各処理の一部または全部は、コンピュータにおいて、中央演算装置(CPU)、マイクロプロセッサ、プロセッサ等により行われる。それぞれの処理を行うためのプログラムは、ハードディスク、ROMなどの記憶装置に格納されており、ROMにおいて、あるいはRAMに読み出されて実行される。記憶装置(記憶媒体)は、一時的でない有形のものであり、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。
【0175】
上記の各実施形態で説明した各処理をハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア(OS(オペレーティングシステム)、ミドルウェア、あるいは、所定のライブラリとともに実現される場合を含む。)により実現してもよい。さらに、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現しても良い。なお、上記実施形態に係る表示装置の表示処理をハードウェアにより実現する場合、各処理を行うためのタイミング調整を行う必要があるのは言うまでもない。上記実施形態においては、説明便宜のため、実際のハードウェア設計で生じる各種信号のタイミング調整の詳細については省略している。
【符号の説明】
【0176】
1…制御ユニット
2…錠剤供給ユニット
3…散薬供給ユニット
4…手撒きユニット
5…分包ユニット
6…バーコードリーダ
11…制御部
12…記憶部
13…モニタ
14…操作部
15…通信IF
41…セル
42…LED
43…LED制御部
44…セル開閉制御部
100…薬剤供給装置
111…セルイメージ領域
112…薬剤リスト領域
113…薬剤画像領域
114…用量表示領域