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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182981
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】蓋体及び容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 55/06 20060101AFI20221201BHJP
   B65D 77/20 20060101ALI20221201BHJP
   B32B 7/028 20190101ALI20221201BHJP
【FI】
B65D55/06 110
B65D55/06 ZAB
B65D77/20 S
B32B7/028
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020171
(22)【出願日】2022-02-14
(31)【優先権主張番号】P 2021088907
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000205306
【氏名又は名称】大阪シーリング印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】林 昌子
(72)【発明者】
【氏名】立井 正則
(72)【発明者】
【氏名】近藤 淳子
(72)【発明者】
【氏名】林 拓也
(72)【発明者】
【氏名】小野 信一
【テーマコード(参考)】
3E067
3E084
4F100
【Fターム(参考)】
3E067AA11
3E067AB01
3E067BA07A
3E067BA10A
3E067BB15A
3E067BB16A
3E067BB18A
3E067BC02A
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3E067FB01
3E067FC01
3E067GD06
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3E084AA12
3E084AB10
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3E084CC03
3E084FD09
3E084GA10
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3E084GB17
3E084JA10
3E084LD30
4F100AA21B
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4F100AA23C
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4F100AA25C
4F100AA25H
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4F100JD10H
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4F100JD14C
(57)【要約】
【課題】容器本体の開口に嵌合するように成型された蓋体に比べて、プラスチック材料の使用量を低減した蓋体及びそれを用いた容器を提供する。
【解決手段】蓋体3の熱収縮性フィルム4の、容器本体2の開口を覆う被覆領域4aの周囲の周辺領域4bに形成されている赤外線吸収層5に、赤外線を照射して発熱させることによって、熱収縮性フィルム4の周辺領域4bを選択的に熱収縮させて容器本体2の周壁2bに密着させて密封する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の上部の開口を覆う蓋体であって、
加熱によって収縮する熱収縮性フィルムと、赤外線を吸収する赤外線吸収層とを備える、
ことを特徴とする蓋体。
【請求項2】
前記赤外線吸収層は、前記熱収縮性フィルムの両面の少なくとも一方の面に形成されている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項3】
前記赤外線吸収層は、前記熱収縮性フィルムの前記少なくとも一方の面に、赤外線吸収剤を含むインキが塗工されてなる、
請求項2に記載の蓋体。
【請求項4】
前記熱収縮性フィルムは、前記容器本体の前記開口を覆う被覆領域と、該被覆領域の周囲の周辺領域とを有し、
前記赤外線吸収層は、前記熱収縮性フィルムの少なくとも前記周辺領域に形成されている、
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項5】
前記赤外線吸収層は、前記熱収縮性フィルムの前記被覆領域の中央部を囲むように環状に形成されている、
請求項4に記載の蓋体。
【請求項6】
前記熱収縮性フィルムの外形形状が、円形または八角以上の多角形である、
請求項4または5に記載の蓋体。
【請求項7】
前記熱収縮性フィルムは、前記周辺領域の一部が外方へ突出した摘み部を有する、
請求項4ないし6のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項8】
前記熱収縮性フィルムは、前記周辺領域の外周端に、周方向に沿って多数の切込みが形成されている、
請求項4ないし6のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項9】
前記熱収縮性フィルムには、該熱収縮性フィルムを破断するための破断線が形成されている、
請求項1ないし8のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項10】
前記破断線が、ミシン目である請求項9に記載の蓋体。
【請求項11】
前記熱収縮性フィルムの外形形状が、四角形である、
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項12】
前記四角形が、正方形または長方形である、
請求項11に記載の蓋体。
【請求項13】
前記熱収縮性フィルムの前記四角形の角部は、前記赤外線吸収層が形成されていない非形成領域である、
請求項11または12に記載の蓋体。
【請求項14】
前記熱収縮性フィルムには、該熱収縮性フィルムを破断するための破断線が形成されている、
請求項11ないし13のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項15】
前記破断線が、ミシン目である請求項14に記載の蓋体。
【請求項16】
前記熱収縮性フィルムには、前記破断線が、前記熱収縮性フィルムの前記四角形の中央部を通って、少なくとも一対の対向辺間に亘って直線状に形成されている、
請求項14または15に記載の蓋体。
【請求項17】
前記熱収縮性フィルムには、前記破断線が、前記熱収縮性フィルムの前記四角形の角部から中央部へ向けて直線状に形成されている、
請求項14または15に記載の蓋体。
【請求項18】
前記熱収縮性フィルムは、前記四角形の少なくとも一対の対向辺間に亘って直線状に形成されている破断線を少なくとも2本有する、
請求項14または15に記載の蓋体。
【請求項19】
前記熱収縮性フィルムは、前記四角形の対向する少なくとも一対の角部を結ぶように直線状に形成されている破断線を少なくとも2本有する、
請求項14または15に記載の蓋体。
【請求項20】
前記2本の破断線が、互いに平行であって、前記2本の破断線に挟まれた帯状の部分が、前記容器本体の上部の開口を覆うように前記容器本体に装着された当該蓋体を開封するための開封片である、
請求項18または19に記載の蓋体。
【請求項21】
前記熱収縮性フィルムは、前記四角形の中央部よりも前記四角形の一対の各対向辺にそれぞれ近接した位置であって、かつ、他の一対の対向辺間に亘って直線状に形成されている破断線を少なくとも2本有する、
請求項14または15に記載の蓋体。
【請求項22】
上部に開口を有する容器本体と、該容器本体の前記開口を覆う前記請求項1ないし21のいずれか一項に記載の蓋体とを備える、
ことを特徴とする容器。
【請求項23】
前記容器本体は、前記上部の開口の周りに周壁を有し、
前記熱収縮性フィルムは、前記容器本体の開口を覆うと共に、熱収縮して前記容器本体の前記周壁の外周面に密着している、
請求項22に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体の開口を覆う蓋体及び容器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、パスタ、ラーメン、うどん等の麺類、チャーハン等のご飯物類などのさまざまな調理済み食品のデリバリーサービス、あるいは、コンビニエンスストア、ファストフード店等のテイクアウト形式の飲食品の販売では、容器本体に飲食品が充填され、配送や持ち歩く際に、飲食品がこぼれないように、成型されたプラスチック製の蓋体を、容器本体の開口に着脱可能に嵌着して提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-145281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、海洋汚染の問題等から、プラスチック材料の使用量の低減が求められており、プラスチック材料を、容器本体の開口に嵌着されるように成型されたプラスチック製の蓋体等においても、プラスチック材料の使用量の低減が求められる。
【0005】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、容器本体の開口に嵌合するように成型された蓋体に比べて、プラスチック材料の使用量を低減した蓋体及びそれを備える容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0007】
(1)本発明に係る蓋体は、容器本体の上部の開口を覆う蓋体であって、加熱によって収縮する熱収縮性フィルムと、赤外線を吸収する赤外線吸収層とを備える。
【0008】
本発明の蓋体によると、赤外線が照射された赤外線吸収層は、赤外線を吸収して発熱するので、その発熱によって熱収縮性フィルムを熱収縮させることができる。したがって、熱収縮性フィルムの所要の領域に対応する赤外線吸収層に赤外線を照射して発熱させることによって、前記所要の領域の熱収縮性フィルムを熱収縮させることができる。これによって、所要の領域として、例えば、容器本体の開口を覆うように被せられた熱収縮性フィルムの開口を覆う領域の周囲の領域を熱収縮させて、容器本体の周壁の外周面に密着させて密封するといったことが可能となる。
【0009】
このように熱収縮性フィルムと赤外線吸収層とを備える蓋体によって、容器本体の開口を閉塞できるので、容器本体の開口に応じた蓋体を、プラスチック材料で成型する必要がなく、プラスチック材料の使用量を低減することができる。
【0010】
(2)本発明の一実施態様では、前記赤外線吸収層は、前記熱収縮性フィルムの両面の少なくとも一方の面に形成されている。
【0011】
この実施態様によると、熱収縮性フィルムの少なくとも一方の面に形成されている赤外線吸収層に、赤外線を照射して発熱させることによって、熱収縮性フィルムを効率的に加熱して収縮させることができる。
【0012】
(3)本発明の他の実施態様では、前記赤外線吸収層は、前記熱収縮性フィルムの前記少なくとも一方の面に、赤外線吸収剤を含むインキが塗工されてなる。
【0013】
この実施態様によると、赤外線吸収層は、赤外線吸収剤を含むインキを熱収縮性フィルムの少なくとも一方の面に塗工して、容易に形成することができる。
【0014】
(4)本発明の好ましい実施態様では、前記熱収縮性フィルムは、前記容器本体の前記開口を覆う被覆領域と、該被覆領域の周囲の周辺領域とを有し、前記赤外線吸収層は、前記熱収縮性フィルムの少なくとも前記周辺領域に形成されている。
【0015】
この実施態様によると、赤外線吸収層は、少なくとも被覆領域の周囲の周辺領域に形成されているので、赤外線が照射された赤外線吸収層の発熱によって、容器本体の開口を覆う被覆領域の周囲の周辺領域の熱収縮性フィルムを熱収縮させて、容器本体の開口の周囲の周壁の外周面に密着させて密封することができる。
【0016】
このように周辺領域の熱収縮性フィルムを熱収縮させて、容器本体の開口の周りの周壁の外周面に密着させて密封するので、赤外線吸収層は、熱収縮性フィルムの周辺領域の全領域に形成されるのが好ましいが、必ずしも周辺領域の全領域に形成されていなくてもよい。
【0017】
(5)本発明の一実施態様では、前記赤外線吸収層は、前記熱収縮性フィルムの前記被覆領域の中央部を囲むように環状に形成されている。
【0018】
この実施態様によると、赤外線吸収層は、熱収縮性フィルムの被覆領域の中央部を囲むように、環状に形成されているので、赤外線が照射された赤外線吸収層の発熱によって、容器本体の開口を覆う被覆領域の周囲の熱収縮性フィルムを熱収縮させて、熱収縮性フィルムを、容器本体の周壁の全周に亘って密着させることができる。
【0019】
(6)本発明の他の実施態様では、前記熱収縮性フィルムの外形形状が、円形または八角以上の多角形である。
【0020】
この実施態様によると、熱収縮性フィルムの外形形状が、円形または八角以上の多角形であるので、熱収縮性フィルムの周辺領域に形成された赤外線吸収層が、赤外線を照射されて発熱し、周辺領域の熱収縮性フィルムが熱収縮して容器本体の周壁の外周面に密着したときに、熱収縮性フィルムの外周端が、容器本体の周壁の全周に亘って略等しい位置まで密着し、周方向に沿って均等に密封することができる。
【0021】
(7)本発明の一実施態様では、前記熱収縮性フィルムは、前記周辺領域の一部が外方へ突出した摘み部を有する。
【0022】
熱収縮した後の熱収縮性フィルムは、熱収縮前に比べて硬くなるので、摘み部を、熱収縮前の軟らかい状態のままにしておくためには、摘み部には、赤外線の照射によって発熱する赤外線吸収層を形成しない方が好ましいが、赤外線吸収層を形成してもよい。
【0023】
この実施態様によると、熱収縮性フィルムは、被覆領域の周囲の周辺領域の一部が外方に突出した摘み部を有するので、熱収縮して容器本体の周壁の外周面に密着したときに、熱収縮性フィルムの外周端の一部から前記摘み部が突出することになる。これによって、この摘み部を指で摘まんで、容器本体の開口を覆っている熱収縮性フィルムを、容器本体の周壁から剥がして、開封することができる。
【0024】
(8)本発明の他の実施態様では、前記熱収縮性フィルムは、前記周辺領域の外周端に、周方向に沿って多数の切込みが形成されている。
【0025】
この実施態様によると、熱収縮性フィルムの周辺領域が、熱収縮して容器本体の周壁の外周面に密着するときに、隣り合う切込み間の熱収縮性フィルムが熱収縮する結果、各切込みがそれぞれ拡開して、指で摘まみ易い部分が、周方向に沿って多数形成されるので、その部分を摘み部として利用することができる。
【0026】
(9)本発明の一実施態様では、前記熱収縮性フィルムには、該熱収縮性フィルムを破断するための破断線が形成されている。
【0027】
この実施態様によると、熱収縮して容器本体の周壁の外周面に密着した熱収縮性フィルムを、その破断線に沿って破断して開封することができる。
【0028】
(10)本発明の他の実施態様では、前記破断線が、ミシン目である。
【0029】
この実施態様によると、ミシン目に沿って熱収縮性フィルムを容易に破断することができる。
【0030】
(11)本発明の一実施態様では、前記熱収縮性フィルムの外形形状が、四角形である。
【0031】
この実施態様によると、熱収縮性フィルムの外形形状は、直線で囲まれた四角形であり、熱収縮性フィルムの外形形状が円形である場合に比べて製造が容易であり、製造コストを低減することができる。
【0032】
(12)本発明の好ましい実施態様では、前記四角形が、正方形または長方形である。
【0033】
この実施態様によると、熱収縮性フィルムは、4つの角が直角の正方形または長方形であるので、製造が一層容易であり、製造コストの低減に有効である。
【0034】
(13)本発明の他の実施態様では、前記熱収縮性フィルムの前記四角形の角部は、前記赤外線吸収層が形成されていない非形成領域である。
【0035】
四角形の熱収縮性フィルムでは、円形の熱収縮性フィルムとは異なり、四角形の中心から外周端までの長さが一定ではないので、熱収縮性フィルムを、その中央部で容器本体の上部の開口を覆うように、容器本体に被せて熱収縮させると、中心から外周端までの長さが、他の部分に比べて長い角部は、容器本体の周壁の外周面に充分に密着せず、外方へやや突出した状態となる。熱収縮性フィルムは、熱収縮すると、熱収縮前に比べて硬くなるので、硬くなった角部が外方へ突出していると、手指が不用意に接触し易く、好ましくない。
【0036】
この実施態様によると、四角形の角部は、赤外線吸収層が形成されていない非形成領域となっているので、赤外線を照射しても発熱せず、したがって、熱収縮しないので、熱収縮性フィルムを、容器本体の上部の開口を覆うように容器本体に被せて熱収縮させたときに、外方へ突出した角部は、軟らかい状態のままであり、熱収縮して硬くなった熱収縮性フィルムの角部に手指が接触することもない。
【0037】
(14)本発明の更に他の実施態様では、前記熱収縮性フィルムには、該熱収縮性フィルムを破断するための破断線が形成されている。
【0038】
この実施態様によると、熱収縮して容器本体の周壁の外周面に密着した熱収縮性フィルムを、その破断線に沿って破断して開封することができる。
【0039】
(15)本発明の他の実施態様では、前記破断線が、ミシン目である。
【0040】
この実施態様によると、ミシン目に沿って熱収縮性フィルムを容易に破断することができる。
【0041】
(16)本発明の更に他の実施態様では、前記熱収縮性フィルムには、前記破断線が、前記熱収縮性フィルムの前記四角形の中央部を通って、少なくとも一対の対向辺間に亘って直線状に形成されている。
【0042】
四角形の熱収縮性フィルムを、その中央部で容器本体の上部の開口を覆うように容器本体に被せて熱収縮させると、熱収縮性フィルムの中央部は、容器本体の開口を閉塞する天面を構成する。したがって、四角形の熱収縮性フィルムの中央部を通るように形成された直線状の破断線は、前記天面を横切ることになる。
【0043】
この実施態様によると、前記天面を横切る直線状の破断線を挟んで、その両側を押し下げて、破断線に沿って破断させることで、天面を下方へ押し開いて開封することができる。
【0044】
(17)本発明の他の実施態様では、前記熱収縮性フィルムには、前記破断線が、前記熱収縮性フィルムの前記四角形の角部から中央部へ向けて直線状に形成されている。
【0045】
四角形の熱収縮性フィルムの角部は、熱収縮性フィルムを、その中央部で容器本体の上部の開口を覆うように容器本体に被せて熱収縮させると、容器本体の周壁の外周面に密着する熱収縮性フィルムの外周端に位置することになる。
【0046】
この実施態様によると、容器本体の周壁の外周面に密着する熱収縮性フィルムの外周端の破断線の始端から、熱収縮性フィルムの中央部、すなわち、容器本体の開口を閉塞する天面へ向けて、破断線に沿って熱収縮性フィルムを破断させて開封することができる。
【0047】
(18)本発明の好ましい実施態様では、前記熱収縮性フィルムは、前記四角形の少なくとも一対の対向辺間に亘って直線状に形成されている破断線を少なくとも2本有する。
【0048】
この実施態様によると、四角形の熱収縮性フィルムの一対の対向辺間に亘って直線状に形成されている2本の破断線で挟まれた部分を、2本の破断線に沿って破断して分離することによって、熱収縮して容器本体の周壁の外周面に密した熱収縮性フィルムを開封することができる。
【0049】
(19)本発明の他の実施態様では、前記熱収縮性フィルムは、前記四角形の対向する少なくとも一対の角部を結ぶように直線状に形成されている破断線を少なくとも2本有する。
【0050】
この実施態様によると、四角形の熱収縮性フィルムの一対の角部を結ぶように直線状に形成されている2本の破断線で挟まれた部分を、2本の破断線に沿って破断して分離することによって、熱収縮して容器本体の周壁の外周面に密着した熱収縮性フィルムを開封することができる。
【0051】
(20)本発明の他の実施態様では、前記2本の破断線が、互いに平行であって、前記2本の破断線に挟まれた帯状の部分が、前記容器本体の上部の開口を覆うように前記容器本体に装着された当該蓋体を開封するための開封片である。
【0052】
この実施態様によると、熱収縮性フィルムに形成されている互いに平行な2本の直線状の破断線によって挟まれた帯状の開封片を、引っ張り上げることで、2本の破断線に沿って開封片を分離させて開封することができる。
【0053】
(21)本発明の更に他の実施態様では、前記熱収縮性フィルムは、前記四角形の中央部よりも前記四角形の一対の各対向辺にそれぞれ近接した位置であって、かつ、他の一対の対向辺間に亘って直線状に形成されている破断線を少なくとも2本有する。
【0054】
この実施態様によると、四角形の熱収縮性フィルムを、容器本体の上部の開口を覆うように、容器本体に被せて熱収縮させて、容器本体の周壁の外周面に密着させたときに、熱収縮性フィルムの各対向辺にそれぞれ近接するように形成されている各破断線の端は、容器本体の周壁の外周面に位置することになり、容器本体の周壁に密着した熱収縮性フィルムの外周端にある各破断線の始端から熱収縮性フィルムを破断させて開封することができる。
【0055】
(22)本発明に係る容器は、上部に開口を有する容器本体と、該容器本体の前記開口を覆う上記(1)ないし(21)のいずれかの蓋体とを備える。
【0056】
本発明の容器によると、赤外線が照射された蓋体の赤外線吸収層は、赤外線を吸収して発熱するので、その発熱によって蓋体の熱収縮性フィルムを熱収縮させることができる。
【0057】
したがって、熱収縮性フィルムの所要の領域に対応する赤外線吸収層に赤外線を照射して発熱させることによって、前記所要の領域の熱収縮性フィルムを熱収縮させることができる。これによって、所要の領域として、例えば、容器本体の開口を覆うように被せられた熱収縮性フィルムの開口を覆う領域の周囲の領域を熱収縮させて、容器本体の周壁の外周面に密着させて密封するといったことが可能となる。
【0058】
このように熱収縮性フィルムと赤外線吸収層とを備える蓋体によって、容器本体の開口を閉塞できるので、容器本体の開口に応じた蓋体を、プラスチック材料で成型する必要がなく、プラスチック材料の使用量を低減することができる。
【0059】
(23)本発明の一実施態様では、前記容器本体は、前記上部の開口の周りに周壁を有し、前記熱収縮性フィルムは、前記容器本体の開口を覆うと共に、熱収縮して前記容器本体の前記周壁の外周面に密着している。
【0060】
この実施態様によると、赤外線が照射されて発熱した赤外線吸収層によって、容器本体の開口を覆う熱収縮性フィルムを熱収縮させて、容器本体の開口の周りの周壁に密着させて密封することができる。
【発明の効果】
【0061】
本発明によれば、熱収縮性フィルムと赤外線吸収層とを備える蓋体によって、容器本体の開口を閉塞できるので、容器本体の開口に応じた蓋体を、プラスチック材料で成型する必要がなく、プラスチック材料の使用量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1図1は本発明の一実施形態に係る容器の斜視図である。
図2図2は蓋体を容器本体に装着する前の斜視図である。
図3図3図2の蓋体を示す平面図である。
図4図4は蓋体の一部拡大断面図である。
図5図5は蓋体を容器本体に装着する手順を説明するための斜視図である。
図6図6は蓋体を容器本体に装着する手順を説明するための概略断面図である。
図7図7は本発明の他の実施形態の蓋体を示す平面図である。
図8図8図7の実施形態の蓋体を容器本体に装着した容器の斜視図である。
図9図9は本発明の更に他の実施形態の蓋体を示す平面図である。
図10図10は蓋体を供給する状態を説明するための図である。
図11図11は本発明の他の実施形態の蓋体を示す平面図である。
図12図12図11の実施形態の蓋体を容器本体に装着した容器の斜視図である。
図13図13は本発明の他の実施形態の蓋体を示す平面図である。
図14図14は本発明の更に他の実施形態の蓋体を示す平面図である。
図15図15図14の実施形態の蓋体を容器本体に装着した容器の斜視図である。
図16図16は本発明の他の実施形態の蓋体を示す平面図である。
図17図17は本発明の更に他の実施形態の蓋体を示す平面図である。
図18図18は本発明の他の実施形態の蓋体を示す平面図である。
図19図19は本発明の更に他の実施形態の蓋体の平面図である。
図20図20は本発明の他の実施形態の蓋体の平面図である。
図21図21は本発明の更に他の実施形態の蓋体の平面図である。
図22図22は本発明の他の実施形態の蓋体の平面図である。
図23図23は本発明の他の実施形態の蓋体の平面図である。
図24図24図23の蓋体の一部拡大断面図である。
図25図25図23の蓋体を容器本体に装着する手順を説明するための概略断面図である。
図26図26は本発明の他の実施形態の蓋体の平面図である。
図27図27は本発明の他の実施形態の蓋体の平面図である。
図28図28は蓋体を供給する状態を説明するための図である。
図29図29は本発明の他の実施形態の容器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0064】
図1は、本発明の一実施形態に係る容器の斜視図であり、図2は、蓋体を容器本体に装着する前の状態を示す斜視図であり、図3は、図2の蓋体を示す平面図であり、図4は、蓋体の一部拡大断面図である。
【0065】
この実施形態の容器1は、上部に開口2aを有する容器本体2と、この容器本体2の開口2aを覆って密封する蓋体3とを備えている。
【0066】
容器本体2は、図2に示すように、上部に開口2aを備えると共に、開口2aの周りに底壁の外周部から斜め上方へ立ち上がった周壁2bを備えている。この容器本体2には、調理済み食品等の図示しない内容物が収容され、上部の開口2aが蓋体3によって後述のようにして閉塞される。
【0067】
蓋体3は、図4の断面図に示されるように、加熱によって収縮する熱収縮性フィルム4の片面、この例では上面に、赤外線吸収層5が部分的に形成されて構成されている。この赤外線吸収層5は、後述のように、カーボンブラックを含有して黒色であり、図1図3及び後述の各図では、黒色の赤外線吸収層5は、ハッチングを施して示している。
【0068】
この実施形態の熱収縮性フィルム4は、図3に示すように、平面視の外形形状が円形であって、容器本体2の円形の開口2aを覆う円形の被覆領域4aと、その周囲の環状の周辺領域4bとを備えている。なお、図3では、被覆領域4aと周辺領域4bとの境界を破線で示している。
【0069】
赤外線吸収層5は、熱収縮性フィルム4の周辺領域4b及びその内周側の被覆領域4aの一部に亘って環状に形成されている。したがって、熱収縮性フィルム4の円形の被覆領域4aは、その外周側の一部を除いて、熱収縮性フィルム4が露出している。
【0070】
熱収縮性フィルム4は、加熱によって収縮するシュリンクフィルムであり、この熱収縮性フィルム4は、例えば、一軸延伸のポリエチレンフィルム(PE)であり、この実施形態の熱収縮性フィルム4は、透明である。
【0071】
熱収縮性フィルム4は、一軸延伸のポリエチレンフィルムに限らず、例えば、熱収縮性ポリスチレンフィルム(PS)、熱収縮性PETフィルム、熱収縮性PP(ポリプロピレン)フィルム、熱収縮性PV(ポリ塩化ビニル)フィルム、あるいは、PS(ポリスチレン)とPET(ポリエチレンテレフタレート)の積層系であるハイブリッド熱収縮性フィルム等を使用することができ、一軸延伸に限らず、二軸延伸の熱収縮性フィルムを使用してもよい。
【0072】
熱収縮性フィルム4の材質や厚み等は、容器1の用途等に応じて適宜選択される。
【0073】
上記のように、熱収縮性フィルム4の、容器本体2の開口2aを覆う円形の被覆領域4aは、赤外線吸収層5が形成されている外周側の一部を除いて、熱収縮性フィルム4が露出している。したがって、被覆領域4aの透明な熱収縮性フィルム4を通して容器本体2に収容されている内容物を目視確認することができる。
【0074】
この被覆領域4aの赤外線吸収層5が形成されていない領域には、内容物に関する情報やデザイン等を印刷してもよい。赤外線吸収層5が形成されていない領域は、後述のように、熱収縮性フィルム4が熱収縮しない領域であるので、印刷した情報等が熱によって変形するといったことがない。
【0075】
この実施形態では、赤外線吸収層5は、熱収縮性フィルム4の片面に、例えば、凸版印刷あるいはグラビア印刷等の印刷によって形成している。この赤外線吸収層5の形成は、印刷に限らず、コータ等によって熱収縮性フィルム4に塗工して形成してもよい。なお、赤外線吸収層5は、熱収縮性フィルム4の両面に形成してもよい。
【0076】
次に、調理済み食品等の内容物が収容された容器本体2の上部に、蓋体3を装着して容器本体2の開口2aを閉塞する手順について、図5及び図6を参照して説明する。
【0077】
先ず、蓋体3を、熱収縮性フィルム4の被覆領域4aが容器本体2の開口2aを覆うように位置を合せて、内容物が収容された容器本体2の上端に載置する。更に、蓋体3の上に、蓋体3を容器本体2に押し付ける押圧部材6を載置する。この実施形態では、押圧部材6として矩形の透明なガラス板を使用している。
【0078】
容器本体2に、蓋体3及び押圧部材6を載せた図6に示される状態では、蓋体3の外周部、すなわち、熱収縮性フィルム4の赤外線吸収層5が形成されている周辺領域4bが、容器本体2の開口2aの外側にはみ出して下方へ垂れている。
【0079】
この状態で、図示しないハロゲンランプや白熱ランプ等の光源から矢符Aで示すように、光を、例えば、数秒~十数秒間程度照射する。光源からの光は、直接、あるいは、ミラーで反射されて照射される。
【0080】
光を照射された蓋体3の熱収縮性フィルム4の被覆領域4aの外周側の一部及び周辺領域4bに形成されている赤外線吸収層5が、赤外線を吸収して発熱する。この赤外線吸収層5の発熱によって、主に、押圧部材6で押圧されていない容器本体2の開口2aの外側にはみ出して下方へ垂れている熱収縮性フィルム4の周辺領域4bが熱収縮する。
【0081】
このとき、容器本体2の開口2aの外側にはみ出して下方へ垂れている熱収縮性フィルム4の周辺領域4bは、内方の容器本体2へ向けて、容器本体2の周壁2bの外周面に沿って上方へ収縮する。
【0082】
これによって、図1に示すように、蓋体3の熱収縮性フィルム4の赤外線吸収層5が形成されている周辺領域4bが、容器本体2の上部の周壁2bの外周面の全周に亘って密着して密封することができる。
【0083】
このように蓋体3を、開口2aを覆うように容器本体2に被せて、押圧部材6を載せ、赤外線を照射して赤外線吸収層5を発熱させて、熱収縮性フィルム4を加熱する。これによって、主に、押圧部材6によって押圧されていない容器本体2の外側へはみ出している熱収縮性フィルム4の周辺領域4bを熱収縮させて、容器本体2の上部の周壁2bの外周面に、密着させて開口2aを閉塞することができる。
【0084】
この図5及び図6の例では、熱収縮性フィルム4の上面に赤外線吸収層5が形成されており、熱収縮性フィルム4の赤外線吸収層5が形成されている面が押圧部材6によって押圧される例を示している。これに対して、蓋体3の上下面を反転させて、熱収縮性フィルム4の赤外線吸収層5が形成されていない面を押圧部材6によって押圧するようにしても、同様に容器本体2の開口2aの外側にはみ出して下方へ垂れている熱収縮性フィルム4の周辺領域4bを、熱収縮させて容器本体2の周壁2bの外周面に密着させることができる。
【0085】
このように赤外線吸収層5が、熱収縮性フィルム4の上下のいずれの面に形成されていても、容器本体2の開口2aを覆って密封できるので、いずれの面を選択するかは任意であるが、例えば、容器本体2の内容物が食品である場合には、食品に対向する面は、赤外線吸収層5が形成されていない面とするのが好ましく、内容物が食品以外の場合には、内容物に対向する面は、赤外線吸収層5が形成されている面としてもよい。
【0086】
この実施形態では、赤外線吸収層5は、赤外線吸収剤としてカーボンブラックを含有するインキを印刷して形成されているので、黒色の赤外線吸収層5によって、効率的に赤外線を吸収して発熱する。これによって、熱収縮性フィルム4を効率的に加熱して収縮させることができる。
【0087】
このようにして蓋体3によって密封された容器1は、容器本体2の上部の周壁2bの外周面に密着している熱収縮性フィルム4の下方の外周端を、指で摘まんで上方へ引き剥がすようにして、開封することができる。
【0088】
蓋体3は、容器本体2の開口2aの周りの周壁2bに密着できる領域が確保できればよいので、容器本体2の開口2aのサイズが多少異なる容器本体であっても、同一サイズの蓋体3を兼用して使用することができる。
【0089】
上記のように本実施形態によれば、赤外線吸収層5が形成された熱収縮性フィルム4からなる蓋体3によって、容器本体2の開口2aを閉塞できるので、容器本体の開口に応じた蓋体を、プラスチック材料で成型する必要がなく、プラスチック材料の使用量を低減することができる。
【0090】
図7は、本発明の他の実施形態の蓋体3を示す平面図であり、図8は、この蓋体3を装着した容器1の斜視図である。
【0091】
この実施形態の蓋体3では、図7に示すように、熱収縮性フィルム4の被覆領域4aの周囲の周辺領域4bの一箇所には、外方へ突出した摘み部7が形成されている。この蓋体3も上記実施形態の蓋体3と同様に、熱収縮性フィルム4の周辺領域4bを熱収縮させて、図8に示すように、容器本体2の上部の周壁2bの外周面の全周に亘って密着させて、容器本体2の開口2aを閉塞することができる。
【0092】
この蓋体3が装着されて密封された容器1は、容器本体2の周壁2bの外周面に密着している熱収縮性フィルム4の外周端の一部から摘み部7が下方に延びている。この摘み部7を指で摘まんで、容器本体2に装着された蓋体3の熱収縮性フィルム4を、容器本体2から上方へ引き剥がして容易に開封することができる。
【0093】
なお、図7では、摘み部7には、赤外線吸収層5を形成したが、摘み部7には、赤外線吸収層5を形成しなくてもよい。この場合、摘み部7が熱収縮せず、容器本体2に密着しないので、摘み部7を指で容易に摘まんで、蓋体3を容器本体2から上方へ引き剥がすことができる。
【0094】
この実施形態の蓋体3では、熱収縮性フィルム4の周辺領域4bから外方へ突出した摘み部7を形成したが、本発明の他の実施形態として、図9に示す蓋体3のように、熱収縮性フィルム4の周辺領域4bの外周端に、周方向に沿って中心方向に向かう多数の切込み8を形成してもよい。この蓋体3では、熱収縮性フィルム4を、熱収縮させて容器本体2の周壁2bの外周面に密着させたときに、隣合う切込み8の間の熱収縮性フィルム4が収縮することによって、各切込み8が開くので、指で摘まんで上方へ引き剥がして開封するのが容易となる。
【0095】
調理済み食品等の内容物が収容された容器本体2に、上記図5及び図6で説明したように、蓋体3を装着して容器本体2の開口2aを閉塞するのであるが、この蓋体3の装着は、例えば、専用の装着装置を準備し、この装着装置によって行うのが好ましい。装着装置では、例えば、調理済み食品等の内容物を収容した容器本体2を、所定の位置にセットする。
【0096】
次に、蓋体3が、容器本体2の上端に自動的に供給され、押圧部材6が降下して蓋体3を容器本体2に押圧し、この状態で、ハロゲンランプや白熱ランプ等の光源によって光を所定時間に亘って照射する。これによって、蓋体3を上記のように熱収縮させて容器本体2の周壁2bに密着させて密封する。その後、押圧部材6を上昇させて、蓋体3によって密封された容器1の取り出しを許容する。
【0097】
この場合、蓋体3は、例えば、図10に示すように、熱収縮性フィルム4の周辺領域4bの一部を連結させた多数の蓋体3の連続体を、ロール状に巻回しておき、ロールで1枚分ずつ供給してカットするのが好ましい。
【0098】
なお、摘み部7を有する蓋体3の場合には、仮想線で示す摘み部7が、供給方向に直交する方向(図10の左右方向)における熱収縮性フィルム4の幅Wを超えないように形成しておくのが、蓋体3を安定して供給案内する上で好ましい。
【0099】
蓋体3等の供給は、ロール式に限らず、枚葉式で供給してもよい。
【0100】
上記各実施形態では、蓋体3,3,3の熱収縮性フィルム4の熱収縮前の外形形状は、円形であったが、ダイロール等を必要とする円形に比べて、スリッターで製造が可能な直線で囲まれた四角形、特に、正方形や長方形の外形形状とするのが、製造コストを低減する上で好ましい。
【0101】
図11は、本発明の他の実施形態の蓋体3の平面図であり、上記実施形態の図3に対応する平面図である。
【0102】
この実施形態では、蓋体3を構成する熱収縮性フィルム9の平面視の外形形状は、四角形、この例では正方形である。この熱収縮性フィルム9は、容器本体2の円形の開口2aを覆う円形の被覆領域9aと、その周囲の周辺領域9bとを備えている。なお、図11では、被覆領域9aと周辺領域9bの境界を破線で示している。
【0103】
上記各実施形態の熱収縮性フィルム4では、円形の被覆領域4a以外の全領域に赤外線吸収層5を形成した。これに対して、この実施形態の正方形の熱収縮性フィルム9では、円形の被覆領域9a以外の領域の内、正方形の4つの各角部9cの三角形の領域は、黒色の赤外線吸収層5が形成されていない非形成領域としている。この非形成領域は、熱収縮性フィルム9が露出して透明となっている。
【0104】
四角形の熱収縮性フィルム9からなる蓋体3では、上記各実施形態の円形の熱収縮性フィルム4からなる蓋体3,3,3とは異なり、容器本体2の開口2aを覆う被覆領域9aの中心から外周端までの長さが一定ではない。このため、ハロゲンランプ等の光源から光を照射して熱収縮させて、容器本体2の上部の周壁2bの外周面に密着させたときに、前記中心から外周端までの長さが、他の部分に比べて長い角部9cが、容器本体2の周壁2bに十分に密着せず、周壁2bから外方へやや突出した状態となる。
【0105】
熱収縮後の熱収縮性フィルム9は、熱収縮前に比べて硬いので、硬くなった角部9cが、容器本体2の周壁2bから外方へ突出していると、手指に不用意に接触し易く、好ましくない。
【0106】
この実施形態の熱収縮性フィルム9では、上記のように正方形の各角部9cを、赤外線吸収層5を形成しない三角形の非形成領域としている。この例では、各角部9cの非形成領域は、二等辺三角形となっており、図11に示す正方形の一辺に沿う等辺の長さLは、例えば、20mm~45mmであり、30mm程度が好ましい。なお、この非形成領域は、三角形に限らず、底辺が円弧状であってもよく、また、四角形やその他の形状であってもよい。
【0107】
このように熱収縮性フィルム9の各角部9cを、赤外線吸収層5を形成しない非形成領域としているので、各角部9cは、光が照射されても発熱せず、したがって、熱収縮することもない。
【0108】
この実施形態の蓋体3は、熱収縮性フィルム9の外形形状が正方形であって、各角部9cが、赤外線吸収層5が形成されていない非形成領域となっている以外は、上記図3の外形形状が円形の熱収縮性フィルム4の蓋体3の構成と同様である。
【0109】
図12は、図11の蓋体3を、容器本体2の開口2aを覆うように被せて、熱収縮させて容器本体2に装着した容器1の斜視図である。
【0110】
この図12に示すように、熱収縮性フィルム9の、赤外線吸収層5が形成されていない透明の角部9cが、容器本体2の周壁2bの外周面から外方へやや突出しているが、熱収縮していないので、軟らかいフィルム状態のままである。これによって、手指が、熱収縮によって硬くなった熱収縮性フィルムの角部に不用意に接触するといったことがない。
【0111】
図13は、本発明の他の実施形態の蓋体3の平面図であり、上記図11の実施形態の変形例である。
【0112】
この実施形態の蓋体3を構成する熱収縮性フィルム9では、この蓋体3を、熱収縮させて容器本体2に装着した場合に、蓋体3を容易に開封できるように次のように構成している。
【0113】
すなわち、正方形の熱収縮性フィルム9には、正方形を2分割する破断線としてのミシン目10が、正方形の中央部を通って一対の上下の対向辺12,13間に亘って直線状に形成されている。
【0114】
中央部とは、四角形の中心から各辺までの距離をDとしたときに、四角形の中心から、例えば、D/2の長さまでの四角形の範囲をいう。
【0115】
この正方形の熱収縮性フィルム9を、その中央部の被覆領域4aで容器本体2の上部の開口2aを覆うように、容器本体2に被せて熱収縮させると、熱収縮性フィルム9の中央部の被覆領域4aは、容器本体2の開口2aを閉塞する天面を構成することになる。したがって、正方形の熱収縮性フィルム9を2分割するミシン目10は、容器本体2の開口2aを閉塞する天面を、図13では上下に横切ることになる。
【0116】
この実施形態では、容器本体2に装着された熱収縮性フィルム9の前記天面を横切る中央付近のミシン目10を挟んでその両側、図13では、ミシン目10を挟んでその左右から押し下げ、その間のミシン目10を破断させて、天面を下方へ押し開いて開封することができる。
【0117】
その他の構成は、図11の実施形態と同様である。
【0118】
図14は、本発明の他の実施形態の蓋体3の平面図である。
【0119】
上記のように図13の実施形態の蓋体3では、ミシン目10は1本であって、容器本体2の開口2aを覆うように装着された蓋体3の天面を押し下げて、ミシン目10を破断させて下方へ押し開くようにしている。このため、熱収縮性フィルム9の下面に印刷が施されているような場合には、下方へ押し開かれて破断した熱収縮性フィルム9の下面の印刷が、容器の内容物に接触する虞がある。
【0120】
この実施形態では、正方形の熱収縮性フィルム9には、正方形の中央部を通って、一対の上下の対向辺12,13間に亘って互いに平行な2本のミシン目10,10が形成されている。この2本の互いに平行なミシン目10,10に挟まれた帯状の部分を、容器本体2の開口2aを覆うように装着された蓋体3を開封するための開封片11としている。
【0121】
すなわち、容器本体2の開口2aを覆うように装着された蓋体3の熱収縮性フィルム9の帯状の開封片11の両端部のいずれか一方側の端縁を摘まんで、引っ張り上げるようにして、両ミシン目10,10に沿って破断させて開封片11を分離し、容易に開封することができる。
【0122】
更に、この実施形態では、図13に示すように、熱収縮性フィルム9に、単にミシン目10が形成されているだけではなく、円形の被覆領域9aの周囲の周辺領域9bの内、各ミシン目10の形成領域は、赤外線吸収層5が形成されていない透明領域となっている。この透明領域は、各ミシン目10を含む両側に、狭い幅で、ミシン目10に沿って細長く形成されている。これによって、開封片11の前記透明領域に挟まれた部分の赤外線吸収層は、周辺領域9bの赤外線吸収層5から分離された分離部11a,11aとなっている。
【0123】
このように開封片11の両端部の黒色の各分離部11a,11aは、周囲の透明領域によって区画されて視覚的に目立った領域となる。したがって、図15に示すように、蓋体3を容器本体2に装着した容器1では、その天面の中央部を横断する開封片11の長手方向の各端部、すなわち、開封片11を指で摘まんで開封すべき位置を、分離部11a,11aによって容易に認識することができ、開封が容易となる。
【0124】
また、熱収縮性フィルム9の赤外線吸収層が形成されていない透明領域は、その幅が狭く、開封片11の分離部11a,11aは、赤外線吸収層であるので、熱収縮性フィルム9を熱収縮させて、容器本体2に装着した場合に、容器本体2の周壁2bの外周面への熱収縮性フィルム9の密着に影響を与えることがない。
【0125】
なお、図14の蓋体3の変形例として、図16に示されるように、蓋体3の開封片11における分離部11a,11aを短くして、外周側の透明領域を広くして、開封片11の両端部であることを一層容易に視認できるようにしてもよい。
【0126】
図17は、本発明の他の実施形態の蓋体3の平面図である。
【0127】
この実施形態の蓋体3では、互いに平行な2本のミシン目10,10が、正方形の熱収縮性フィルム9の対向する2つの角部9c,9cを結ぶように斜めに形成され、両ミシン目10,10によって挟まれた帯状の部分が開封片11となっている。この蓋体3では、上記図14図16の蓋体3,3と異なり、ミシン目10の形成領域に、透明領域は設けられていないが、透明領域を設けてもよい。
【0128】
熱収縮性フィルム9の正方形の各角部9cは、赤外線吸収層5が形成されていない非形成領域であるので、透明な熱収縮性フィルム9が露出している。したがって、開封片11の両端部が、この角部9cの透明な領域に位置することになり、開封の始端となる開封片11の両端部を認識し易いものとなる。更に、角部9cは、赤外線吸収層5が形成されていないので、赤外線を照射しても発熱せず、熱収縮しないので、軟らかいフィルム状態のままであるので、摘み易いものとなる。
【0129】
図18は、本発明の他の実施形態の蓋体3の平面図である。
【0130】
上記図11図17の各実施形態では、ミシン目10は、いずれも蓋体3~3の中央部分である。したがって、容器本体2に装着された蓋体3~3の開口2aを覆う天面を横断するように形成されたが、この実施形態では、容器本体2の周壁2bの外周面に密着した熱収縮性フィルム9の部分、すなわち、容器本体2に装着された熱収縮性フィルム9の周縁部から破断して開封できるように、次のように構成している。
【0131】
すなわち、この実施形態の熱収縮性フィルム9では、2本の各ミシン目10,10は、正方形の中央寄りではなく、対向する左右一対の各対向辺14,15にそれぞれ近接して、各対向辺14,15に沿って直線状に形成されている。2本のミシン目10,10の内の一方のミシン目10は、一方の対向辺14の両端の角部9c,9cを結ぶように、一方の対向辺14に沿って形成されている。2本のミシン目10,10の内の他方のミシン目10は、他方の対向辺15の両端の角部9c,9cを結ぶように、他方の対向辺15に沿って形成されている。
【0132】
この実施形態では、2本のミシン目10,10の間に開封片は形成されず、各ミシン目10,10とそれぞれ近接する各対向辺14,15との間に、開封のきっかけとなる帯状の破断片16,16がそれぞれ形成される。
【0133】
この2つの破断片16,16のいずれか一方の破断片16の一端を摘まんで引っ張ることによって、容器本体2の上部の周壁2bの外周面に密着している熱収縮性フィルム9を、ミシン目10に沿って周方向に破断させて開封する。
【0134】
破断片16,16の両端部は、赤外線吸収層が形成されていないので、透明で軟らかく摘み易いものとなる。
【0135】
図19は、本発明の他の実施形態の蓋体3の平面図である。
【0136】
この実施形態では、2本の各ミシン目10,10を、上記図18の蓋体3に比べて、対向する左右一対の各対向辺14,15からそれぞれ離間した位置に、各対向辺14,15に沿って互いに平行に形成している。
【0137】
このようにミシン目10,10を各対向辺14,15から離間した中央寄りの位置に形成しているので、直線状のミシン目10,10の両端部は、透明な熱収縮性フィルム9が露出している三角形の4つの各角部9cには位置しないことなる。
【0138】
この実施形態では、4つの各角部9cよりも中央寄りの位置であって、かつ、ミシン目10,10の両端部が位置する領域を、各角部9cと同様に、赤外線吸収層5が形成されていない非形成領域9dとしている。
【0139】
この実施形態では、各ミシン目10,10とそれぞれ近接する各対向辺14,15との間の部分が開封のきっかけとなる幅広の破断片16a,16aとなる。
【0140】
この実施形態では、図18の実施形態に比べて、ミシン目10,10が、中央部の被覆領域9a寄りの位置に形成されて、破断片16a,16aが幅広である。これによって、いずれか一方の破断片16aの一端部を引っ張って、容器本体2の周壁2bの外周面に密着している蓋体3を、ミシン目10に沿って破断させる際に、容器本体2の周壁2bから開口2aを覆っている上方の天面へ向けて、熱収縮性フィルム9を確実に破断させることができ、容易に開封することができる。
【0141】
図18図19の蓋体3,3では、ミシン目10は、熱収縮性フィルム9の各対向辺14,15に沿うように互いに平行に形成したが、本発明の他の実施形態として、図20に示す蓋体310に示すように、正方形の各角部9cから中央の被覆領域9aに向けて斜めに延びるように形成してもよい。
【0142】
この実施形態では、4つの角部9cのいずれかの角部9cの頂点付近を摘まんで引っ張ることによって、容器本体2の周壁の外周面に密着している熱収縮性フィルム9を、ミシン目10に沿って、容器本体2の開口2aを覆っている上方の天面まで効率的に破断させることができ、容易に開封することができる。
【0143】
図21は、本発明の他の実施形態の蓋体311の平面図であり、図11の蓋体3の変形例である。
【0144】
上記各実施形態の蓋体3,3~310では、中央の円形の被覆領域9aの赤外線吸収層5が形成されていない透明な領域と、その周囲の赤外線吸収層5が形成されている黒色の領域とは、図11の境界線18で示されるように赤外線吸収層5の有無によって明確に区切られている。境界線18の内側の透明な領域は、赤外線吸収層5が無いために発熱による熱収縮がなく、境界線18の外側の黒色の領域は、赤外線吸収層5が有るために、発熱によって熱収縮することになる。
【0145】
したがって、熱収縮性フィルム911では、境界線18付近での応力の変化が大きなものとなり、歪が生じる虞がある。
【0146】
この実施形態では、この境界線18付近の応力の変化を緩和するために、赤外線吸収層511を形成するための赤外線吸収剤を含むインキの熱収縮性フィルム911に対する塗布量を、外周側から内周側へ向けて徐々に少なくして、境界をぼかしている。この例では、被覆領域911aの外周側の一部が、赤外線吸収剤を含むインキの塗布量が少ない領域となっている。
【0147】
なお、この赤外線吸収層511を形成するための赤外線吸収剤を含むインキの塗布量を変化させる領域を、例えば、図22に示すように広くして、外周側から内周側へ向けて塗布量を、徐々に少なくしてもよい。
【0148】
このような赤外線吸収層511,512が形成されていない透明な領域と、赤外線吸収層511,512が形成されている黒色の領域との境界線18付近において、赤外線吸収剤を含むインキの塗布量を変化させる構成は、図11の蓋体3に限らず、上記各実施形態の蓋体3,3,3,3~310にも適用できるのは勿論である。
【0149】
図23は、本発明の他の実施形態の蓋体313の平面図であり、上記図19の蓋体3の変形例である。
【0150】
上記のように赤外線吸収層を形成するためのインキは、赤外線吸収剤としてカーボンブラックを含有して黒色であり、蓋体3,3,3,3~312の大半の領域が黒色となる。美観を向上させるために、赤外線吸収剤としてカーボンブラックを含有するインキを使用しても、黒色以外の外観を提供できるようにすることが望まれる。
【0151】
この実施形態では、図24に示すように、熱収縮性フィルム9の一方の面(下面)には、赤外線吸収層5を形成し、他方の面(上面)には、黒色以外の色、この例では、白色の印刷層17を形成している。図23では、この白色の印刷層17が形成された上面側を示している。赤外線吸収層5が形成されている熱収縮性フィルム9の下面側は、図19と同じである。
【0152】
熱収縮性フィルム9の下面に、赤外線吸収層5が形成され、上面に白色の印刷層17が形成されている蓋体313では、次のようにして容器本体2の上部に、蓋体313を装着して容器本体2の開口2aを密閉する。
【0153】
すなわち、図25に示すように、蓋体313を、熱収縮性フィルム9の黒色の赤外線吸収層5が下側となるように、容器本体2の開口2aを覆うように載置する。更に、蓋体313の上に、蓋体313を容器本体2に押し付ける矩形の透明なガラス板からなる押圧部材6を載置する。
【0154】
容器本体2に、蓋体313及び押圧部材6を載せた図25に示される状態では、蓋体313の外周部、すなわち、熱収縮性フィルム9の被覆領域9aの一部及び周辺領域9bに形成されている赤外線吸収層5が、容器本体2の開口2aの外側にはみ出して下方へ垂れている。
【0155】
この状態で、図示しないハロゲンランプや白熱ランプ等の光源から矢符Aで示すように、下方から下面側の赤外線吸収層5に向けて、光を、例えば、数秒~十数秒間程度照射する。
【0156】
光を照射された熱収縮性フィルム9の容器本体2の外側にはみ出している領域に形成されている赤外線吸収層5は、赤外線を吸収して発熱する。この赤外線吸収層5の発熱によって熱収縮性フィルム9の容器本体2の外側にはみ出している領域が熱収縮する。このとき、容器本体2の外側にはみ出して下方へ垂れている熱収縮性フィルム9の周辺領域9bは、内方の容器本体2へ向けて、容器本体2の周壁2bの外周面に沿って上方へ収縮する。
【0157】
これによって、蓋体313の熱収縮性フィルム9の赤外線吸収層5が形成されている周辺領域9bが、容器本体2の周壁2bの外周面に密着して密封することができる。
【0158】
容器本体2の開口2aを覆う蓋体313の上面、すなわち、天面は、白色の印刷層17となるので、下面側の黒色の赤外線吸収層5は、視認されず、白色の蓋体3として認識される。
【0159】
なお、図25に示すように、熱収縮性フィルム9は、容器本体2の外側にはみ出している領域の赤外線吸収層5に、赤外線を照射して発熱させればよいので、熱収縮性フィルム9を押圧する押圧部材6は、透明なガラス板に限らず、光を透過しない金属板等を使用してもよい。
【0160】
本発明の蓋体では、黒色以外の印刷層や赤外線吸収層形成用のインキの塗布量の調整等によって、各種の装飾模様やデザインを加えて意匠性を高めることができる。
【0161】
図26は、装飾模様を施して意匠性を高めた蓋体314の一例を示す平面図である。
【0162】
この実施形態の蓋体314の熱収縮性フィルム9では、正方形の中心部を挟むように、その両側に直線状の2本のミシン目10,10が、互い平行に形成されており、両ミシン目10,10に挟まれて幅広の上下に長い開封片11が形成されている。
【0163】
この開封片11には、円形の透明な被覆領域9aの上下に、中心へ向かうように頂点が位置する三角形19,19が、互いに対向するように形成されており、各三角形19,19によって、開封片11の開封方向を示している。
【0164】
また、熱収縮性フィルム9には、透明な円形の被覆領域9aを中心として、放射状に複数の略二等辺三角形20が形成されており、開封片11にも、略二等辺三角形20が部分的に形成されている。この略二等辺三角形20は、赤外線吸収層形成用のインキの塗布量を少なくして半透明としている。
【0165】
このように本実施形態では、赤外線吸収層形成用のインキの塗布量を調整して、三角形状の模様を構成し、意匠性を高めている。
【0166】
上記の各実施形態では、外形形状が四角形の熱収縮性フィルムとして、正方形に適用して説明したが、本発明の蓋体は、正方形に限らず、例えば、図27に示すように、熱収縮性フィルム9の外形形状を長方形としてもよい。この図27の蓋体315では、熱収縮性フィルム9の2対の対向辺12,13;14a,15aの内の左右一対の対向辺14a,15aが、上下一対の対向辺12,13よりも長い長方形である。
【0167】
この実施形態の蓋体315では、2本のミシン目10,10に挟まれた開封片11が、長辺である対向辺14a,15aに沿って長く延びて形成されている。これによって、この蓋体315を熱収縮させて容器本体2に装着したときに、開封片11の両端部の端縁となる対向辺12,13が、容器本体2の周壁2bの下方まで延びることになる。これによって、開封片11の各端部の位置が分かり易くなるので、開封片11の端部を摘まんで開封するのが容易となる。
【0168】
熱収縮性フィルムの外形形状が正方形や長方形の蓋体3~315は、例えば、図28に示すように、熱収縮性フィルム9の一対の対向辺が連結された連続体として、ロール状に巻回しておき、ロールで1枚分ずつ供給してカットすることができるので、図10の円形の蓋体3のように周縁部の一部が連結される連続体に比べて、蓋体を安定して供給案内することができる。
【0169】
容器本体2は、収容する内容物の種類や量に応じて、形状、大きさ、或いは、材質等を適宜選択すればよく、例えば、図29の容器116に示すように、飲料を収容するカップ状の容器本体216を、赤外線吸収層516が熱収縮性フィルム4の被覆領域4aの一部及び周辺領域4bに形成された外形形状が円形の蓋体316によって密封してもよい。
【0170】
赤外線吸収層は、所定の赤外線吸収率が得られる限り、他の材料(顔料等)が含まれていてもよく、赤外線吸収剤(色合いは黒色、透明、半透明等)は、赤外線を吸収できる材料であれば制限されないが、特にカーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、フタロシアニングリーン及び酸化鉄の少なくとも1種の赤外線吸収剤を用いることが好ましい。
【0171】
蓋体は、上記印刷層に限らず、他の層を備えていてもよい。
【0172】
上記各実施形態では、容器本体2及びその開口2aは、平面視で円形であったが、容器本体及びその開口の形状は、平面視で円形に限らず、四角形やその他の形状であってもよい。
【0173】
上記各実施形態では、破断線は、ミシン目であったが、ミシン目に限らず、連続溝からなるハーフカット線などの破断線であってもよい。
【0174】
破断線としてのミシン目は、3本以上形成してもよく、交差する方向、例えば、四角形の各一対の対向辺間に亘ってそれぞれ形成してもよい。
【0175】
また、破断線は、熱収縮性フィルムの外形形状が四角形の蓋体に限らず、円形の蓋体に形成してもよいのは勿論であり、円形の熱収縮性フィルムに、開封片等を形成してもよい。
【0176】
上記各実施形態を適宜組み合わせてもよく、例えば、図14に示される中央部に開封片11を有する蓋体3に対して、図18に示される対向辺14,15に近接するミシン目10,10を追加してもよい。
【0177】
上記各実施形態では、四角形として、4つの角が全て等しい正方形及び長方形について説明したが、4つの角が全て等しい四角形に限らず、菱形等の四角形であってもよい。
【符号の説明】
【0178】
1,1,1,1,116 容器
2,216 容器本体
2a 開口
2b 周壁
3,3~316 蓋体
4,9,911,912 熱収縮性フィルム
4a,9a,911a,912a 被覆領域
4b,9b,911b,912b 周辺領域
5,511,512,516 赤外線吸収層
6 押圧部材
10 ミシン目
11 開封片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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