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特開2022-183026歯科診療の記録及び患者説明支援システム、及び診療の記録シート
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183026
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】歯科診療の記録及び患者説明支援システム、及び診療の記録シート
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20221201BHJP
【FI】
G16H10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073648
(22)【出願日】2022-04-27
(31)【優先権主張番号】P 2021089413
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】398065520
【氏名又は名称】メディア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】辻 啓延
(72)【発明者】
【氏名】川口 明敏
(72)【発明者】
【氏名】辻 啓和
(72)【発明者】
【氏名】辻 洋祐
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】歯科医における多岐にわたる必要知識・業務を、診療台脇(チェアサイド)や訪問診療先で、診療の流れの中で効率的に、正確に把握・実施することができ、院内外での情報共有を円滑にすることができ、更には歯科患者の安心と医療安全とを確保することができる、歯科診療の記録及び患者説明支援システム、及びそのための診療の記録シートを提供すること。
【解決方法】歯科診療の記録及び患者説明支援システムであって、歯科診療の支援に必要な情報を記載した診療の記録シートと、診療の記録シートへの情報を入力する歯科診療の記録及び患者説明支援システム入力部と、診療の記録シートを記憶する歯科診療の記録及び患者説明支援システム記憶部と、歯科診療の記録及び患者説明支援システム入力部及び歯科診療の記録及び患者説明支援システム記憶部を制御する歯科診療の記録及び患者説明支援システム制御部とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科診療の支援に必要な情報を記載した診療の記録シートと、
前記診療の記録シートへの情報を入力する歯科診療の記録及び患者説明支援システム入力部と、
前記診療の記録シートを記憶する歯科診療の記録及び患者説明支援システム記憶部と、
前記歯科診療の記録及び患者説明支援システム入力部及び歯科診療の記録及び患者説明支援システム記憶部を制御する歯科診療の記録及び患者説明支援システム制御部と
を有する歯科診療の記録及び患者説明支援システム。
【請求項2】
前記診療の記録シート、または、前記診療の記録シートに入力された情報を画像として保存することを特徴としてもよい。
【請求項3】
前記診療の記録シートの真正性を確保するための真正性確保手段を有することを特徴とする請求項1に記載の歯科診療の記録及び患者説明支援システム。
【請求項4】
患者が健康保険の被保険者であり、治療内容が保険診療である場合には、厚生労働省が提供するオンライン保険資格確認システムと連携することを特徴とする請求項1に記載の歯科診療の記録及び患者説明支援システム。
【請求項5】
歯科における前記診療は、自由診療であることを特徴とする請求項1に記載の歯科診療の記録及び患者説明支援システム。
【請求項6】
前記自由診療がインプラント治療であることを特徴とする請求項5に記載の歯科診療の記録及び患者説明支援システム。としてもよい。
【請求項7】
前記診療の記録シートは、タッチパネルを有するディスプレイ上に表示できるものであって、入力手段としてタッチパネルと接触あるいは近接させる入力手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の歯科診療の記録及び患者説明支援システム。
【請求項8】
前記診療の記録シート、または、前記診療の記録シートに入力された情報を画像として保存することを特徴とする請求項7に記載の歯科診療の記録及び患者説明支援システム。
【請求項9】
前記診療の記録シートは、入力すべき情報の一部または全部の項目につき、選択肢を網羅して表示するように形成したことを特徴とする請求項1に記載の歯科診療の記録及び患者説明支援システム。
【請求項10】
前記診療の記録シートは、前記選択肢を有する項目の選択肢につき、複数の診療支援判断基準の表示手段を設けたことを特徴とする請求項9に記載の歯科診療の記録及び患者説明支援システム。
【請求項11】
前記診療の記録シートに記載された内容を患者プロファイル情報システムに提供し、及び/または、前記患者プロファイル情報システムから情報の提供を受けることを特徴とする請求項1に記載の歯科診療の記録及び患者説明支援システム。
【請求項12】
前記タッチパネルを有するディスプレイが、歯科診療台の近傍に設けられることを特徴とする請求項7に記載の歯科診療の記録及び患者説明支援システム。
【請求項13】
歯科における診療の記録シートであって、入力すべき情報の一部または全部の項目につき、選択肢を網羅して表示するように形成した歯科における診療の記録シート。
【請求項14】
前記診療の記録シートは、前記選択肢を有する項目の選択肢につき、複数の診療支援判断基準の表示手段を設けたことを特徴とする請求項13に記載の歯科における診療の記録シート。
【請求項15】
前記診療の記録シートは、タッチパネルを有するディスプレイ上に表示できるものであって、入力手段としてタッチパネルと接触あるいは近接させる入力手段を用いることを特徴とする請求項13に記載の歯科における診療の記録シート。
【請求項16】
-本発明の第1の態様の歯科診療の記録及び患者説明支援システムと、
-歯科診療の記録及び患者説明支援システムと接続可能な拡張型患者説明支援システム用サーバと、
-前記拡張型患者説明支援システム用サーバと接続可能な患者端末と
を含む拡張型の歯科診療の記録及び患者説明支援システム。
【請求項17】
更に、前記拡張型患者説明支援システム用サーバに接続可能で可搬の訪問診療用歯科医師端末を含むことを特徴とする請求項16に記載の拡張型の歯科診療の記録及び患者説明支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科医の診療及び診療内容の記録、インフォームド・コンセントを含む患者説明を支援するシステム、及びそれに関する診療の記録シートに係る。
【背景技術】
【0002】
歯科医による診療(診断と治療)については、通常の医科のような分業体制(検査技師、内科医、外科医、麻酔医など)で行われることは少なく、一人あるいは少人数の歯科医がX線撮影、その読影、診断、外科的処置を含む治療を行う場合が多い。
【0003】
そのため、歯科医の業務は多岐にわたり、それらを診療室や診療台脇(チェアサイド)、訪問診療先で、素早く、正確に実施するための、支援システムが求められてきた。
【0004】
例えば、特許文献1には、診療を支援することによって治療の質を向上させることができる歯科診療用の診療支援システムおよび診療支援装置を提供することを課題とし、解決手段として、患者の各種状態を医院スタッフが数値化した情報を含む患者評価データを入力する入力部と、患者評価データを用いて診療を支援するための診療支援情報を作成する評価演算部と、評価演算部で作成した診療支援情報を出力する出力部と、通信ネットワークに入力部および出力部を接続するための通信部とを備える歯科診療用の診療支援システムの技術思想が開示されている。
【0005】
この診療支援システムは、実施例として、う蝕予防評価システム、う蝕リスク評価システム、歯科診療予約システム、栄養指導システム及び副作用情報共有システムが挙げられている。
【0006】
しかしながら、これらのシステムにおいては、いずれも入力した情報に対して、データベースを参照して、評価演算をすることを特徴としており、歯科医の業務を正確に、かつ効率的に実施する点についての技術開示はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2021-26458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の問題点を踏まえ、歯科医における多岐にわたる必要知識・業務を、診療台脇(チェアサイド)や訪問診療先で、診療の流れの中で効率的に、正確に把握・実施することができ、院内外での情報共有を円滑にすることができ、更には歯科患者の安心と医療安全とを確保することができる、歯科診療の記録及び患者説明支援システム及びそのための診療の記録シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するため、本発明の第1の態様の歯科診療の記録及び患者説明支援システムは、
歯科診療の支援に必要な情報を記載した診療の記録シートと、
前記診療の記録シートへの情報を入力する歯科診療の記録及び患者説明支援システム入力部と、
前記診療の記録シートを記憶する歯科診療の記録及び患者説明支援システム記憶部と、
前記歯科診療の記録及び患者説明支援システム入力部及び歯科診療の記録及び患者説明支援システム記憶部を制御する歯科診療の記録及び患者説明支援システム制御部と
を有することを特徴とする。
【0010】
ここで、診療の記録シートは、紙媒体によるものや、PCなどの画面に表示するものなど、どのような形態でもよい。
【0011】
また、歯科診療の記録及び患者説明支援システム入力部も、筆記具によるものや、キーボード、スキャナ、タッチパネルなどによるものなど、どのようなものであってもよい。
【0012】
また、歯科診療の記録及び患者説明支援システム記憶部は、タッチパネルなどから入力されたあるいは紙媒体をスキャンした画像情報、及び、入力されたあるいは画像情報から得られたデジタル情報を記憶できる記録装置が好適であるが、紙媒体の保管をできるファイルなどであってもよい。
【0013】
このようにすると、歯科医が診療に必要な情報への追加情報、例えば、検査や診察の結果の情報、患者の状況に関する情報、診療の結果の情報、今後の治療方針に関する情報などを入力し、その結果を歯科診療の記録及び患者説明支援システム記憶部に記憶できることから、歯科医の診療の支援に大いに役立つ。
【0014】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様の歯科診療の記録及び患者説明支援システムであって、前記診療の記録シート、または、前記診療の記録シートに入力された情報を画像として保存することを特徴としてもよい。
【0015】
特に、画像として保存する(記憶する)ことにより、医療機関と患者やその家族、あるいは医療機関同士でもデータ連携がしやすく、かつ、環境(端末、OS、ネットワークなど)に依存しないという利点がある。
【0016】
具体的には、電子カルテに画像を貼ることでカルテの充実化・エビデンス化が実現できる、画像予診票によって院内・院外を問わず、簡単に予診票を作成できる、などの効果が期待できる。
【0017】
また、本発明の第3の態様は、第1の態様の歯科診療の記録及び患者説明支援システムであって、前記診療の記録シートの真正性を確保するための真正性確保手段を有することを特徴としてもよい。
【0018】
ここで、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」によれば、真正性とは、正当な権限において作成された記録に対し、虚偽入力、書き換え、消去及び混同が防止されており、かつ、第三者から見て作成の責任の所在が明確であることである。なお、混同とは、患者を取り違えた記録がなされたり、記録された情報間での関連性を誤ったりすることをいうとされている。
【0019】
なお、真正性とは、これに限定せず、一般に診療の記録シートの内容が正しいものであることを証明できることを含むものとする。
【0020】
真正性確保手段としては、作成日時や改竄がなされていないことを証明するタイムスタンプや、患者への説明を実施した歯科医の署名、説明を受けた患者の治療方針に同意した旨の意思表示あるいは署名などを含むがそれに限定されず、真正性を確保できる手段であればどのようなものであってもよい。
【0021】
そのようにすると、インフォームド・コンセントが適切になされたものと認められ、後日のトラブルの回避に役立つ。
【0022】
なお、歯科医師法でカルテ(診療録)について「遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない」と義務づけられているが、様式や記載事項が規定されている保険診療カルテとは異なり、自由診療では正式な様式や記載事項に関する規定がない。
【0023】
従って、多くの歯科医療機関で自由診療に関する治療や費用の根拠となる記録に乏しい状況である。そのような状況下であるが、自由診療は拡大傾向にあり、診療内容や費用等に関するトラブルも絶えない。
【0024】
本発明は、このような状況を打開すべく一定のフォーマットを提案するものであり、またデジタル上ではあるが記載者や患者の署名を残すことで真正性の確保に努めることを推進するものである。
【0025】
また、本発明の第4の態様は、第1の態様の歯科診療の記録及び患者説明支援システムであって、患者が健康保険の被保険者であり、治療内容が保険診療である場合には、厚生労働省が提供するオンライン保険資格確認システムと連携することを特徴としてもよい。
【0026】
そのようにすると、診療日の時点で有効な保険資格を有しているかどうかが確認できるため、適切な診療計画が策定できる。
【0027】
また、マイナンバーカードを健康保険証として使用し、かつ、患者本人が承諾している場合は、薬剤情報や健診情報(メタボ健診など)をはじめとした医療関連情報も取得することができるため、更に適切な治療を行うことができる。
【0028】
なお、オンライン保険資格確認システムとは、歯科診療の記録及び患者説明支援システムが、直接、または、歯科医院内の電子カルテシステムやレセプトコンピュータを介して、オンライン資格確認端末を用いて接続することで、健康保険資格情報などのデータ連携が可能となるものである。
【0029】
また、本発明の第5態様は、第1の態様の歯科診療の記録及び患者説明支援システムであって、歯科における前記診療は、自由診療であることを特徴としてもよい。
【0030】
ここで、自由診療とは、公的医療保険(健康保険)による診療ではない診療で、自費診療などとも呼ばれており、インプラント治療、矯正治療、審美治療、その他様々な歯科領域の医療サービスなどが含まれる。
【0031】
公的医療保険による診療、すなわち保険診療では保険組合への診療報酬請求のためにレセプト作成が必須であり、そのために規定に従った診療内容の記録が必須となっているが、自由診療の場合は、様式や記載事項に関する規定がないため、十分に記録されていないことも多い。
【0032】
しかしながら、自由診療は高額になることも多く、万一トラブルが生じた場合は患者からの損害賠償などの要求や訴訟になることもある。
【0033】
その場合に、十分な診療内容の記録があり、かつ、インフォームド・コンセントの証拠が残っている場合には、歯科医の診療が適切であったことの証拠になることから、歯科医にとって安心して自由診療を行うことができる。
【0034】
また、本発明の第6の態様は、第5の態様の歯科診療の記録及び患者説明支援システムであって、前記自由診療がインプラント治療であることを特徴としてもよい。
【0035】
自由診療の中でも、インプラント治療は高額となるため、治療方針の十分な説明が必要であり、また、患者の治療方針への理解が必要である。そのために、本発明の歯科診療の記録及び患者説明支援システムが極めて有効である。
【0036】
特に、インプラント治療を行ってから、長期間が経過し、インプラント自体や周辺の状態が変化し、インプラント部分を除去する必要が生じる場合があり、その際に適切な治療を行うためには、初めにインプラント治療を行った際の情報が重要となる。
【0037】
それらの情報は、例えば、インプラント治療(手術)の術式、インプラントシステム(メーカー、製品名)、サイズ、ロット番号など、将来のメインテナンス時に必要となるデータであり、それらが記録されていることが必要である。
【0038】
また、その際に、それらの内容を記録したシートを、紙媒体、電子ファイル、クラウドサービスなどの形で、患者に提供するようにしてもよい。そのようにすると、将来、患者が別の歯科医を受診する場合にも、適切な診療が受けられるという利点がある。
【0039】
また、本発明の第7の態様は、第1の態様の歯科診療の記録及び患者説明支援システムであって、前記診療の記録シートは、タッチパネルを有するディスプレイ上に表示できるものであって、入力手段としてタッチパネルと接触あるいは近接させる入力手段を含むことを特徴としてもよい。
【0040】
すなわち、タブレット型PCやスマートホン、タッチ入力機能を有する液晶モニターのように、タッチパネルを有するディスプレイ上で診療の記録シートを表示し、そのシートへの情報の入力に際しては、その全て、あるいは一部の操作にタッチパネルへの接触または近接による入力手段、例えばタッチペンや手指などを用いるようにしたものである。
【0041】
この方法によれば、キーボードなどの別置きの入力手段を用いるよりも、簡便に、かつ、歯科医自身及び患者にシートの情報を表示した状態での情報入力ができ、正確に、効率的に入力ができるとともに、患者との緊密なコミュニケーションが取れることから、患者へのインフォームド・コンセント、及び安全に医療を提供する医療安全の観点からも極めて有効である。
【0042】
また、本発明の第8の態様は、第7の態様の歯科診療の記録及び患者説明支援システムであって、前記診療の記録シート、または、前記診療の記録シートに入力された情報を画像として保存することを特徴としてもよい。
【0043】
先に、入力手段によらず、診療の記録シート、または、診療の記録シート入力された情報を画像として保存する(記憶する)ことの利点は説明したが、更に、タッチパネルを用いて、手指またはタッチペンなどで入力された情報をそのまま保存できるようにすると、変換などに伴う誤りが発生しない、臨場感のある、オリジナルの情報を保存し、活用することができ、医療の安心・安全に大きく貢献する。
【0044】
また、本発明の第9の態様は、第1の態様の歯科診療の記録及び患者説明支援システムであって、前記診療の記録シートは、入力すべき情報の一部または全部の項目につき、選択肢を網羅して表示するように形成したことを特徴としてもよい。
【0045】
このようにすると、診療に際し、必要な事項の確認や入力漏れを防止することができ、かつ、容易に入力することができるという効果がある。
【0046】
特に、自由診療の場合には、残すべき記録の項目や内容が明確でないため、記録の漏れや不備が生じることになるが、このように選択肢を網羅して表示するようにすれば、確認や入力漏れを防止することができる。
【0047】
また、本発明の第10の態様は、第9の態様の歯科診療の記録及び患者説明支援システムであって、前記診療の記録シートは、前記選択肢を有する項目の選択肢につき、複数の診療支援判断基準の表示手段を設けたことを特徴としてもよい。
【0048】
なお、ここで、診療支援基準とは、診察や治療について歯科医を支援する基準を意味するが、診療の評価基準、すなわち、診療を行う際の評価(アセスメント)の基準ということもできる。
【0049】
すなわち、歯科診療のうちでも、手術を伴うような治療、例えば、インプラント治療において、診療支援判断基準の表示手段として、3段階の基準を設け、全身疾患に関し「骨粗鬆症」の項目で、選択肢として、「なし」「既往あり」「加療中」を選択できるようにした場合、「なし」を選択すると治療実施につき低リスクとの所見で画面上は青色、「既往あり」を選択すると治療実施につき高リスクとの所見で画面上は黄色、「加療中」を選択すると治療実施につき禁忌との所見で画面上は赤色で表示するようにする。
【0050】
このように、診療支援判断基準の表示手段としての項目を多数準備することによって、歯科医師に対して、治療の可否についての判断あるいは評価を支援することができ、治療に伴うリスクなどを低減させることができる。
【0051】
なお、項目の内容については、主観的情報(S)、客観的情報(O)、アセスメント(評価)(A)、計画(P)のいわゆるSOAPに対応するものであることが好適であるが、それに限定せず、順序を入れ替えたり、項目の内容の追加・削除をしたりしてもよく、診療支援判断基準の段階も3段階に限定せず、2段階や4段階以上であってもよい。
【0052】
また、本発明の第11の態様は、第1の態様の歯科診療の記録及び患者説明支援システムであって、前記診療の記録シートに記載された内容を患者プロファイル情報システムに提供し、及び/または、前記患者プロファイル情報システムから情報の提供を受けることを特徴としてもよい。
【0053】
患者プロファイル情報システムとは、特開2019-57282に開示されているような、それぞれの医療機関にて記入された問診票や医療情報等ならびに患者自身が入力した生活情報等からなり、一生涯分の患者情報を管理する情報システムである。
【0054】
ここで、歯科診療の記録及び患者説明支援システムから、患者プロファイル情報システムへは、本発明の診療の記録シートに記載された、すべてのあるいは一部の内容を提供する。
【0055】
一方、歯科診療の記録及び患者説明支援システムは、患者プロファイル情報システムから、特定の患者についての歯科診療に役立つ情報の提供を受けられるようにする。
【0056】
このようにすると、患者プロファイル情報システムとしては、その内容が充実し、更なる活用が可能となると共に、歯科診療の記録及び患者説明支援システムにとっては、歯科診療に役立つとともに患者説明にも有用な情報の提供を受けられる。
【0057】
なお、厚生労働省が推進するデータヘルス計画は、健康保険組合が把握できる保険治療結果(レセプト)や特定健診などの情報をベースにしており、自由診療の情報の把握は困難である。本発明のこの態様によれば、患者プロファイル情報システムは自由診療の内容も網羅した全方位型の医療データベースとなることが期待できる。
【0058】
また、本発明の第12の態様は、第7の態様の歯科診療の記録及び患者説明支援システムであって、前記タッチパネルを有するディスプレイが、歯科診療台の近傍に設けられることを特徴としてもよい。
【0059】
そのようにすると、歯科医師が診療開始直前、診療中、及び診療終了直後に、患者が歯科診療台(チェア)に在席の状態で、診療方針、診療経過、診療結果などの説明を、ディスプレイを用いて、かつ、タッチパネルにタッチする手段を用いて、詳細に説明することができるため、歯科医師の負担の軽減ならびに患者の満足度を向上させることができる。
【0060】
次に、本発明の第13の態様は、歯科における診療の記録シートであって、入力すべき情報の一部または全部の項目につき、選択肢を網羅して表示するように形成したことを特徴としてもよい。
【0061】
このようにすると、診療に際し、必要な事項の確認や入力漏れを防止することができ、かつ、容易に入力することができるという効果がある。
【0062】
なお、このような診療の記録シートは、先に述べた歯科診療の記録及び患者説明支援システムにおいて用いられるのが好適であるが、それ以外のどのような歯科の診療においても用いることができる。
【0063】
また、本発明の第14の態様は、第13の態様の歯科における診療の記録シートであって、前記診療の記録シートは、前記選択肢を有する項目の選択肢につき、複数の診療支援判断基準の表示手段を設けたことを特徴としてもよい。
【0064】
このように、診療支援判断基準の表示手段としての項目を多数準備することによって、歯科医師に対して、治療の可否についての判断を支援することができ、治療に伴うリスクなどを低減させることができる。
【0065】
また、本発明の第15の態様は、第13の態様の歯科における診療の記録シートであって、前記診療の記録シートは、タッチパネルを有するディスプレイ上に表示できるものであって、入力手段としてタッチパネルと接触あるいは近接させる入力手段を用いることを特徴としてもよい。
【0066】
このようにすると、キーボードなどの別置きの入力手段を用いるよりも、簡便に、かつ、歯科医自身及び患者にシートの情報を表示した状態での情報入力ができ、正確に、効率的に入力ができるとともに、患者との緊密なコミュニケーションが取れることから、患者へのインフォームド・コンセント、及び安全に医療を提供する医療安全の観点からも極めて有効である。
【0067】
次に、本発明の第16の態様は、拡張型の歯科診療の記録及び患者説明支援システムであって、
-本発明の第1の態様の歯科診療の記録及び患者説明支援システムと、
-歯科診療の記録及び患者説明支援システムと接続可能な拡張型患者説明支援システム用サーバと、
-前記拡張型患者説明支援システム用サーバと接続可能な患者端末と
を含むことを特徴とする。
【0068】
なお、拡張型患者説明支援システム用サーバは、クラウドコンピューティングとして、クラウド内のハードウェア資源を利用して機能を発揮するものであることが望ましく、クラウドサーバと表現してもよいが、オンプレミスであってもよい。
【0069】
ここで、歯科診療の記録及び患者説明支援システムと拡張型患者説明支援システム用サーバとの間では、拡張型患者説明支援システム用サーバに蓄積されているテンプレート画像などを歯科診療の記録及び患者説明支援システムにダウンロードし、歯科診療の記録及び患者説明支援システムからの情報(画像含む)をアップロードし、拡張型患者説明支援システム用サーバに蓄積することができる。
【0070】
また、患者端末と拡張型患者説明支援システム用サーバとの間では、歯科診療の記録及び患者説明支援システムが生成した情報のうち、患者向けに編集されたものを表示でき、患者が撮影した画像などがアップロードできる。
【0071】
また、本発明の第17の態様は、第16の態様の拡張型の歯科診療の記録及び患者説明支援システムであって、更に、前記拡張型患者説明支援システム用サーバに接続可能で可搬の訪問診療用歯科医師端末を含むことを特徴としてもよい。
【0072】
このようにすると、訪問診療の際に、歯科医師が訪問先に持参した歯科医師端末を拡張型患者説明支援システム用サーバに接続して、歯科医院での診療と同質の診療に関する説明や、患者の同意などを得ることができ、適切な診療の提供及び顧客の満足度向上の効果がある。
【0073】
なお、歯科医師端末から拡張型患者説明支援システム用サーバを介して他の医療機関とも接続し、必要な情報を共有することも可能である。
【0074】
なお、先に述べたテンプレート画像は、拡張型患者説明支援システム用サーバに接続したテンプレート作成端末にて作成し、アップロードしておけばよい。このテンプレート作成端末は、独立の端末でもよいし、これまでに述べたシステム内の機能を用いてもよい。
【0075】
このようにすると、拡張型患者説明支援システム用サーバに画像を含む情報を蓄積することによって、活用範囲が大幅に拡大され、患者にとっては、PHR(Personal Health Record)、すなわち、個々人が自身の医療に関わる情報や健康に関するデータを記録し、それを自身の手元で管理するしくみの実現ができることになる。
【0076】
また、この拡張型のシステムは、歯科医にとっても、通常の診療の際は豊富な情報が安全に蓄積されていることから正確な診療の支援に役立ち、更に、訪問診療や他の歯科医との連携、業務の引継ぎや承継などの場合にも極めて有効である。
【発明の効果】
【0077】
このように、本発明の診療の記録シートを用いた歯科診療の記録、患者説明支援システム及び拡張型患者説明支援システムによれば、歯科医のおける多岐にわたる業務を、効率的に、正確に実施し、更に歯科患者の安心と医療安全とを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
図1】本発明の一実施形態に係る歯科診療の記録及び患者説明支援システムの構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係るシステムの診療の記録シートの書式図である。
図3】本発明の一実施形態に係るシステムの診療の記録シートの書式図である。
図4】本発明の一実施形態に係るシステムの診療の記録シートの書式図である。
図5】本発明の一実施形態に係るシステムの診療の記録シートの書式図である。
図6】本発明の一実施形態に係るシステムの診療の記録シートの書式図である。
図7】本発明の一実施形態に係るシステムの診療の記録シートの書式図である。
図8】本発明の一実施形態に係るシステムの診療の記録シートの書式図である。
図9】本発明の一実施形態に係るシステムの診療の記録シートの書式図である。
図10】本発明の一実施形態に係るシステムの診療の記録シートの書式図である。
図11】本発明の一実施形態に係るシステムの診療の記録シートの書式図である。
図12】本発明の一実施形態に係るシステムの診療の記録シートの書式図である。
図13】本発明の一実施形態に係るシステムの診療の記録シートの書式図である。
図14】本発明の一実施形態に係るシステムの診療の記録シートの書式図である。
図15】本発明の一実施形態に係るシステムの診療の記録シートの書式図である。
図16】本発明の一実施形態に係るシステムの診療の記録シートの記入例の図である。
図17】本発明の一実施形態に係るシステムの診療の記録シート(患者向け情報提供)の書式図である。
図18】本発明の一実施形態に係るシステムの診療の記録シート(患者向け情報提供)の書式図である。
図19】本発明の一実施形態に係るシステムの診療の記録シート(患者向け情報提供)の書式図である。
図20】本発明の一実施形態に係るシステムの診療の記録シートの記入例の図である。
図21】本発明の別の実施形態に係る拡張型歯科診療の記録及び患者説明支援システムの構成図である。
図22】本発明の別の実施形態に係る拡張型のシステムの診療の記録シートの一例の説明図である。
図23】本発明の別の実施形態に係る拡張型のシステムの診療の記録シートの別の例の説明図である。
図24】本発明の別の実施形態に係る拡張型のシステムにおける患者端末の表示画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0079】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る歯科診療の記録及び患者説明支援システムについて説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0080】
<システムの構成>
図1は本発明の一実施形態に係る歯科診療の記録及び患者説明支援システム100の構成図である。歯科診療の記録及び患者説明支援システム100は、歯科診療の記録及び患者説明支援システム制御部110、歯科診療の記録及び患者説明支援システム入力部120、歯科診療の記録及び患者説明支援システム記憶部130を有している。
【0081】
更に、歯科診療の記録及び患者説明支援システム出力部140、歯科診療の記録及び患者説明支援システム表示部150、歯科診療の記録及び患者説明支援システム通信インターフェース部160などを有していてもよい。
【0082】
ここで、歯科診療の記録及び患者説明支援システム入力部120は、タブレット端末121とタッチペン122とから構成されている。
【0083】
その他の構成については、ハードウェアとしては、PCあるいはサーバが好適であり、その構成要素を用いて、制御部・記憶部などの機能部分が実現される。なお、クラウドコンピューティングなど、それらの構成要素が分散して設置されてもよいし、先に述べた機能部分が統合あるいは分割されていてもよい。
【0084】
また、先に述べたタブレット端末121とタッチペン122とから構成される歯科診療の記録及び患者説明支援システム入力部120に加えて、あるいは代えて、キーボード(図示せず)などの入力部を設けてもよい。
【0085】
更に、歯科診療の記録及び患者説明支援システム入力部120に、スキャナ(図示せず)などの画像情報を入力できる手段を有していてもよい。
【0086】
歯科診療の記録及び患者説明支援システム制御部110は、CPUなどによってこのシステム全般を制御するものであり、歯科診療の記録及び患者説明支援システム入力部120、歯科診療の記録及び患者説明支援システム記憶部130などと接続されている。
【0087】
なお、歯科診療の記録及び患者説明支援システム入力部120から入力された情報は、入力手段によらず、画像として歯科診療の記録及び患者説明支援システム記憶部130に記憶(保存)してもよいし、デジタル化して記憶(保存)してもよく、それぞれに有利な点がある。
【0088】
例えば、歯科診療の記録及び患者説明支援システム入力部120は、タブレット端末121の画面にタッチペン122を接触あるいは近接させることによって入力された情報を、解読し、あるいは文字認識するなどしてデジタル化する機能を有していてもよい。
【0089】
文字認識の手法としては、書かれた文字を認識する方式や、筆跡の時系列で認識する方式などがあるが、認識のしやすさ、認識精度などを考慮して、適切な手法を選択すればよい。
【0090】
文字認識の結果のテキストデータによって、利用しやすいデータベースを構築することが可能となり、それらのデータは、歯科診療の記録及び患者説明支援システム100の中で用いられるほかにも、外部のシステム(例えば患者プロファイル情報システムなど)にも提供し、活用されることが可能となる。
【0091】
歯科診療の記録及び患者説明支援システム記憶部130は、このシステムの動作に必要なプログラムを保持したり、このシステムで用いられる、あるいは得られた情報を記憶したりする。
【0092】
歯科診療の記録及び患者説明支援システム出力部140は、このシステムで生成した情報を出力するものであり、プリンタが好適である。
【0093】
歯科診療の記録及び患者説明支援システム表示部150は、このシステムに関する情報の表示を行うもので、先に説明したタブレット端末121を充当することもできるが、それに追加してあるいは代えて、液晶ディスプレイ(図示せず)などの表示装置を設けてもよい。
【0094】
歯科診療の記録及び患者説明支援システム通信インターフェース部160は、外部からこのシステムへの情報の受信、このシステムから外部への情報の送信などに用いられ、有線あるいは無線接続を可能にするものである。
【0095】
また、これらのシステムの一部として、診療の記録シート10を有している。これは、歯科診療の記録及び患者説明支援システム記憶部130に記憶されており、歯科診療の記録及び患者説明支援システム入力部120のタブレット端末210に表示して、歯科医のタッチペン122の操作により、入力を可能とするものである。
【0096】
図2から図19は本発明の一実施形態に係る歯科診療の記録及び患者説明支援システムの診療の記録シート10の例を示す書式図であり、歯科診療の中でも自由診療のインプラント治療に関するものである。
【0097】
なお、ここで、これらの各図は、原則として、同一表示内容の一図面を説明用に左右に表示しており、右側の図面には後述する「記載のポイント」が画面上に重畳して(ポップアップして)表示されているものである。
【0098】
図2は診療の記録シート10aであり、インプラント治療を希望する患者の主観的情報(Subjective)21として歯科医が把握しておくべき情報が網羅されている。
【0099】
例えば、患者の主訴、インプラント希望部位、インプラントを希望する理由などが書き込める、あるいは選択肢が表示されておりそれを選択できるようになっており、必要な情報を漏れなく記載できるようになっている。
【0100】
また、診療の記録シート10a上には、右の図のように、記載のポイント22を表示することができ、診療の記録シートの記載に際しての注意事項などが示されている。なお、この記載のポイントは、この後のシートにも設けられている。
【0101】
また、画面中に設けられている操作部23は、画面に対する操作、例えば、前画面に戻る、次画面に進む、入力を戻す、入力を確定する、タッチペンの太さや色を選択するなどの操作が可能なようになっている。なお、この操作部23については、これ以降の診療の記録シート10のいずれにも備えられている。
【0102】
図3は診療の記録シート10bであり、客観的情報(Objective)31として、患者の健康状態や服用中の薬剤などの把握ができるようになっている。
【0103】
例えば、人間ドックの結果、血圧、脈拍、服用中の薬剤などにつき、書き込みができる、あるいは、選択肢が表示されておりそれを選択できるようになっている。
【0104】
なお、ここで、血圧については、測定値を記入できるほか、正常・低い・やや高い・高いの選択肢が表示され、選択できるようになっているが、「正常」の部分は青色311、「低い」「やや高い」の部分は黄色312、「高い」の部分は赤色313で塗られており、青色はインプラント治療実施につき低リスク所見、黄色は高リスク所見、赤色は禁忌所見となっている。
【0105】
このような色分けは、診療の記録シート10の、特に、客観的情報の中の多数の項目に設けられている。
【0106】
図4は診療の記録シート10cであり、客観的情報(Objective)32として、患者の全身疾患についての情報が把握できるようになっている。
【0107】
例えば、全身疾患の既往の有無、有の場合の疾患名(心疾患、糖尿病、骨粗鬆症など)につき、重要なものをほぼ網羅して表示されている。
【0108】
ここでも、先の例と同様に、例えば骨粗鬆症については、「既往なし」の部分が青色321,「既往あり」の部分が黄色322、「加療中」の部分が赤色323で表示されている。
【0109】
図5は診療の記録シート10dであり、客観的情報(Objective)33として、患者の口腔内診査、口腔外所見の情報が把握できるようになっている。
【0110】
ここでは、歯列図(イラスト)331が設けられており、口腔内診査で場所を特定する必要がある場合に用いることができる。
【0111】
口腔内診査では、う歯、歯周病、咬合状態など、口腔外所見では、顎関節症などの項目が設けられており、全項目に選択肢が表示されている。
【0112】
ここで、例えば歯周病の場合、「なし」「軽度」の部分が青色332,「中等度」の部分が黄色333、「重度」の部分が赤色334で表示されている。
【0113】
図6は診療の記録シート10eであり、客観的情報(Objective)34として、患者のX線写真所見が記録できるようになっている。
【0114】
ここでは、正面からの歯列及び上下顎部のイラスト341が示されており、場所を示す必要がある場合にはこの図に記入することもできる。
【0115】
更に、この部分は、外部の歯科X線撮影装置などで得られたパノラマ画像やCT画像などを、歯科診療の記録及び患者説明支援システム通信インターフェース部160などを介して取り込み、歯列及び上下顎部のイラスト341に併せて、あるいはその代わりに表示するようにしてもよい。
【0116】
記載すべき項目としては、上下顎の各々につき、骨量、骨質、骨形態などがあり、それらに関する所見を選択肢にて選択できるようになっている。
【0117】
図7は診療の記録シート10fであり、評価(Assessment)41として、局所的評価が記載できるようになっている。
【0118】
局所的評価は、顎関節、口腔内検査、欠損状態、骨量などにつき、検査の結果、問題があるとされる個所をマークすることで、問題を明確にする。
【0119】
図8は診療の記録シート10gであり、評価(Assessment)42として、診断結果とインフォームド・コンセントについて記載できるようになっている。
【0120】
診断結果は、「問題点がないので適応症421」が青色で、「問題点はあるが、少ないか、」重大問題点がないか、改善できるので適応症422」が黄色で、「問題点が少ないが重大な問題があるか、問題点が多いので不適応症423」が赤色で示されている。
【0121】
これは、歯科医がこれまでの主訴(主観的情報)及び検査結果をはじめとした客観的情報を通して得た評価から総合的な判断を行った結果を記載するものである。
【0122】
また、インフォームド・コンセント欄424では、説明方法(図・写真を用いて、動画を用いて、書面をもって、模型を用いてなど)、同意書の添付、質問事項の有無などを明記する。
【0123】
図9は診療の記録シート10hであり、治療計画(Plan)51として、歯列図も用いて、必要な歯科治療及びインプラント手術方法などが、記載された選択肢を選択し、かつ、追加情報を入力することで記録される。
【0124】
図10は診療の記録シート10iであり、インプラント手術時のチェックリスト61として、術前の全身状態の把握、麻酔法の詳細情報、術後の全身状態、術者氏名(執刀医、助手、麻酔医など)などが、選択肢も用いられて、記録できるようになっている。
【0125】
図11は診療の記録シート10jであり、インプラント手術の実施結果71として、インプラントシステムの名称、適用した各部位のサイズ・ロット番号などが記録される。
【0126】
図12は診療の記録シート10kであり、補助的手術の実施結果72として、実施した補助的手術の内容が記録できる。
【0127】
図13は診療の記録シート10lであり、2次手術の実施結果73として、実施した2次手術の内容などが記録できる。
【0128】
図14は診療の記録シート10mであり、暫間補綴装置の記録74として、部位や装着した装置の種類などが記録できる。
【0129】
図15は診療の記録シート10nであり、実施結果75としてインプラントの上部構造、例えば、種類(単冠、連結冠など)、素材の種類(MBセラミック、金属冠など)、固定法(スクリュー固定、患者可撤式など)が記録できるようになっている。
【0130】
図16は診療の記録シート10oであり、インプラント手術後のメインテナンス76について記録できるようになっている。
【0131】
ここには、メインテナンスの実施時期(術後の年月)、インプラント部の状況の検査結果(例えば上部構造の破損のチェック結果としては、なし、経過観察、要修理など)、次回予定などが記録できる。
【0132】
図17は診療の記録シート10pであり、1次手術年月日、麻酔法、併用手術の有無、部位、埋入したインプラントのメーカー、システム、ロットナンバー、2手術予定日等を記入できるようになっている。これは患者への情報提供用のシートであり、患者自身が所持することを目的としている。印刷または、クラウドサービス等での情報提供を行う。
【0133】
図18は診療の記録シート10qであり、実施結果78としてインプラントの上部構造、例えば、種類(単冠、連結冠など)、素材の種類(MBセラミック、金属冠など)、固定法(スクリュー固定、患者可撤式など)が記録できるようになっている。これは患者への情報提供用のシートであり、患者自身が所持することを目的としている。印刷または、クラウドサービス等での情報提供を行う。
【0134】
図19は診療の記録シート10rであり、インプラント手術後のメインテナンス79について記録できるようになっている。これは患者への情報提供用のシートであり、患者自身が所持することを目的としている。印刷または、クラウドサービス等での情報提供を行う。
【0135】
<システムの運用>
次に、このような構成の歯科診療の記録及び患者説明支援システム100の運用につき、自由診療のインプラント治療を例に、図2から図19を参照して説明する。
【0136】
歯科医のところにインプラント治療を希望する患者が来院した場合、歯科医によってタブレット端末121が起動され、タブレット端末121の画面上に、診療の記録シート10が表示される。
【0137】
患者の記入した情報あるいは予診(問診)、医療面接などを通じて、まず、診療の記録シート10aの主観的情報21が歯科医によって記載される。患者氏名欄には、患者自身に署名をもらってもよい。
【0138】
具体的には、選択肢が示されている項目については、歯科医によって画面上の選択肢がタッチペン122を用いてマーキング(例えば丸で囲む)されることで記載される。
【0139】
また、追加の情報の記入が必要な部分は、歯科医によって、タッチペン122を用いて、数字、文字などが画面上に描かれる。
【0140】
図20は本発明の一実施形態に係るシステムの診療の記録シートの記入例の図であり、後述の診療の記録シート10eの内容ではあるが、図示したように、タブレット端末121のディスプレイの選択肢の部分に、タッチペ122によって丸印335を描いたり、手書き文字336を書き込んだりすることができる。この操作はどの診療の記録シート10においても可能である。
【0141】
これらのタッチペン122による入力は、タブレット端末121のタッチパネル画面にて検知され、検知結果が歯科診療の記録及び患者説明支援システム制御部110にて認識され、その内容が歯科診療の記録及び患者説明支援システム記憶部130に記憶される。
【0142】
なお、これらの作業は、患者と対話しながら、あるいは、患者に結果を示しながら進めることができ、患者は内容を十分理解し、安心して治療を任せることができる。
【0143】
引き続き、診療の記録シート10bの客観的情報31として、患者の健康状態や服用中の薬剤などの情報が歯科医によって記載される。記載方法は、先に述べたように、タブレット端末121上でタッチペン122を用いて行われる。
【0144】
ここで、項目ごとに、リスク判断あるいは評価の支援情報(インプラント実施に関して低リスク所見、高リスク所見、禁忌所見)を示すことによって、歯科医の判断あるいは評価の助けとなる。
【0145】
引き続き、診療の記録シート10cの客観的情報32として、患者の全身疾患についての情報が歯科医によって記載される。
【0146】
引き続き、診療の記録シート10dの客観的情報33として、患者の口腔内診査、口腔外所見の情報が歯科医によって記載される。
【0147】
引き続き、診療の記録シート10eの客観的情報34として、患者のX線写真所見が歯科医によって記載される。
【0148】
次に、診療の記録シート10fの評価41として、局所的評価を記載し、問題があるとされる個所をマークすることで、問題を明確にする。
【0149】
次に、診療の記録シート10gの評価42として、診断結果とインフォームド・コンセントについて歯科医によって記載される。
【0150】
診断結果は、手術が適応か、条件付き適応か、不適応かを示すものとし、歯科医によってこれまでの検査、問題抽出、評価から総合的な判断がなされる。
【0151】
また、インフォームド・コンセントが適切になされたかどうかについても、本シートに歯科医によって記載されることで確認することができる。
【0152】
このような段階を完了し、インプラント手術が実施可能であると歯科医によって評価・判断された場合は、治療(手術)へと進行する。
【0153】
ここで、診療の記録シート10hの治療計画51として、必要な歯科治療及びインプラント手術方法などが歯科医によって記載される。治療計画はインフォームド・コンセントにおいて重要な情報であり、歯列のイラスト52に図示するなどで患者説明を並行で行う。
【0154】
次に、診療の記録シート10iのインプラント手術時のチェックリスト61として、術前の全身状態の把握、麻酔法の詳細情報、術後の全身状態、術者氏名などが、選択肢も用いて、歯科医によって記載される。
【0155】
その後で、インプラント手術が実行される。十分な準備をもって実施されることで、安全に、成功裏に終了することが期待できる。
【0156】
診療の記録シート10jのインプラント手術の実施予定・結果71として、インプラントシステムの名称、適用した各部位のサイズ・ロット番号などが歯科医によって記載される。
【0157】
引き続き、診療の記録シート10kの補助的手術の実施予定・結果72として、実施した補助的手術の内容が歯科医によって記載される。
【0158】
引き続き、診療の記録シート10lの2次手術の実施予定・結果73などが歯科医によって記載される。
【0159】
引き続き、診療の記録シート10mの暫間補綴装置の記録74として、実施予定・結果などが歯科医によって記載される。
【0160】
引き続き、診療の記録シート10nの実施結果75として、インプラントの上部構造、例えば、種類(単冠、連結冠など)、素材の種類(MBセラミック、金属冠など)、固定法(スクリュー固定、患者可撤式など)が歯科医によって記載される。
【0161】
最後に、その後、年月を経た後で、診療の記録シート10oのインプラント手術後のメインテナンス76の内容が歯科医によって記載される。
【0162】
ここには、メインテナンスの実施時期(術後の年月)、インプラント部の状況の検査結果(例えば上部構造の破損のチェック結果としては、なし、経過観察、要修理など)、次回予定などが記録できる。
【0163】
なお、診療の記録シート10p、10qは、1次手術や上部構造装着のタイミングで作成し、患者に情報提供を行う。特に、10pは、長期間経過後に、インプラント部分を除去する必要が生じるなどの場合に、インプラントシステムの名称やサイズなどが不明であると、除去手術が円滑に進まず、患者に多大な負担を掛けることがあるが、このような情報を患者に提供しておけば、同一の歯科医でなくても除去手術が円滑に行えるため、患者にも安心感を与えることができる。
【0164】
また、診療の記録シート10rは、診療の記録シート10oと同様にメインテナンスの度に作成し、患者に情報提供を行う。
【0165】
このように、診療の記録シート10には、インプラント治療に関し、チェックすべき点や注意すべき点が網羅されており、かつ、選択肢を表示してマークさせるだけの項目も多く、チェックすべき事項の漏れや、検査結果や所見、評価についての記載忘れなどが極めて少なくなり、かつ、選択肢形式の場合は歯科医の記入についての負担も小さいため、必要にして十分な歯科の診療支援を行うことができる。
【0166】
なお、これまで説明した実施形態においては、初診時の予診(問診)や、インフォームド・コンセントに関しては別に用意した予診(問診)票や同意書によるものとしたが、この診療の記録シート10にその内容を組みこんでもよい。その場合には、担当歯科医の署名及び患者の署名を、タッチペン122を用いて記入するようにする。
【0167】
また、将来の訴訟などに備えるために、歯科医の説明中の音声の録音、画像の録画などを記録してもよいし、歯科医及び患者の本人確認の厳正化のためには、本人認証手段(顔認証、虹彩認証、指紋認証、声紋認証などを含む生体認証)を設けてもよく、あるいは個人番号カード(マイナンバーカード)を用いるようにしてもよい。
【0168】
更に、真正性(非改竄性)を保証するために、入力した日時を記録したり、タイムスタンプ機能を備えたりしてもよい。
【0169】
具体的には、画面上での(デジタルでの)自筆の署名をキーにして、OCRなどの技術により得られる署名に基づいた氏名のテキストデータ、そのテキストデータに紐づいた医療者IDやカルテ番号等の患者ID、録画や音声データ、作成した年月日と時間(タイムスタンプ)、診療データの全て(または一部)、などを一括管理することが可能となる。
【0170】
現時点では、紙面上あるいは画面上の署名と各データは別々に存在しているケースが多いが、本発明によれば、自筆署名がキックとなり、管理が可能となることが大きな特徴であある。
【0171】
また、実際の運用においては、診療の記録シート10の最初のページに自署を書くことで、他のページにテキストデータで氏名を自動記載することも考えられる。ただし、その場合は真正性を確実にするために、同一年月日であることのシステムチェックは必要となる。
【0172】
なお、これまでの説明で、本発明は歯科の自由診療、特にインプラント治療に適用するとしてきたが、その他の歯科の自由診療、例えば矯正治療や審美治療、その他様々な歯科領域の医療サービスにも適用が可能である。
【0173】
また、自由診療に限らず、歯科の訪問診療や保険診療にも適用可能であり、更には、遠隔診療(オンライン診療)、医科における自由診療あるいは訪問診療や保険診療にも応用が可能である。
【0174】
次に、本発明の別の実施形態に係る拡張型の歯科診療の記録及び患者説明支援システムにつき、説明する。図21は、本発明の別の実施形態に係る拡張型の歯科診療の記録及び患者説明支援システムの構成図である。
【0175】
拡張型の歯科診療の記録及び患者説明支援システム1000は、歯科医院1010内に設けられた歯科診療の記録及び患者説明支援システム100と、それと接続される拡張型患者説明支援システム用サーバ1020と、拡張型患者説明支援システム用サーバ1020と接続される患者端末1030とを含んでいる。
【0176】
拡張型患者説明支援システム用サーバ1020は、歯科医院の外部で、インターネットなどを介して接続されるクラウドシステムに設けられ、情報の蓄積保管・編集・加工などの機能を有する。
【0177】
なお、歯科診療の記録及び患者説明支援システム100が有する機能のうちの一部、例えば、画像認識、文字認識、患者向け情報の編集などの機能は、拡張型患者説明支援システム用サーバ1020側に設けてもよい。
【0178】
患者端末1030は、患者が保持する端末で、スマートホンやタブレットなどの携帯型端末が好適であるが、携帯できないPCなどであってもよい。
【0179】
患者端末1030も、拡張型患者説明支援システム用サーバ1020とインターネットなどを介して接続され、情報の交換を行うことができる。
【0180】
また、拡張型患者説明支援システム用サーバ1020は、訪問診療時の訪問先2020や他の医療機関等2030とも接続できるようになっている。ここで、医療機関等2030には、調剤薬局や救急・救命センタなど、関連する施設・職種を含むものとし、訪問先2020には、歯科訪問診療関係者だけではなく、医科訪問診療関係者や介護関係者などの利用を想定してもよい。
【0181】
更に、拡張型患者説明支援システム用サーバ1020には、テンプレート作成端末2040が接続されており、歯科診療の記録及び患者説明支援システム100で用いられる種々のテンプレートを作成し、拡張型患者説明支援システム用サーバ1020へアップロードできるようになっている。
【0182】
ここで、このテンプレート作成端末2040は、独立のものでもよいし、歯科診療の記録及び患者説明支援システム100の中の機能を利用してもよい。
【0183】
なお、歯科医院は電子カルテシステム2010を保有していることが多いが、歯科診療の記録及び患者説明支援システム100とは連携していることが好ましく、画像情報などの
共有化ができるようになっていてもよい。
【0184】
例えば、保険診療のカルテ内容の充実化を目的に、電子カルテ上に、歯科診療の記録及び患者説明支援システム100で得られた情報の添付や貼付を行うことや、保険診療と自由診療を網羅した「一患者一カルテ」を実現するための一括管理を行うことなどにより、大きな連携の効果を発揮することができる。
【0185】
更に、患者プロファイル情報システムとも情報を共有してもよい。ここではクラウド上に設けられた患者プロファイル情報システム用サーバ3000と接続できるようになっている。
【0186】
患者プロファイル情報システムとは、特開2019-57282に開示されているような、それぞれの医療機関にて記入された問診票や医療情報等ならびに患者自身が入力した生活情報等からなり、一生涯分の患者情報を管理する情報システムであり、患者プロファイル情報システム用サーバ3000が当該システムを管理している。
【0187】
更に、歯科診療の記録及び患者説明支援システム100は、オンライン資格確認端末4010を用いて厚生労働省の提供するオンライン資格確認システム4000に接続することで、患者の健康保険資格情報などのデータを入手することができる。
【0188】
なお、オンライン資格確認端末4010は、直接、歯科診療の記録及び患者説明支援システム100に接続される場合以外に、電子カルテ2010あるいはレセプトコンピュータ(図示せず)を経由して接続される場合もあり得る。
【0189】
次に、拡張型の歯科診療の記録及び患者説明支援システム1000の運用について説明する。
【0190】
歯科診療の記録及び患者説明支援システム100において生成され編集された画像を含む情報は、クラウドシステム内の拡張型患者説明支援システム用サーバ1020にアップロードされ蓄積される。
【0191】
なお、歯科診療の記録及び患者説明支援システム100において作成された診療の記録シート10のうち、医療者用と患者向けとは、区分されて保管されるが、歯科医師が医療者用の診療の記録シートを患者に開示することを指示してもよい。
【0192】
図22は本発明の別の実施形態に係る拡張型の歯科診療の記録及び患者説明支援システム1000の診療の記録シート10の医療者用情報10x-1、10x-2の一例の説明図であり、図23は 本発明の別の実施形態に係る拡張型の歯科診療の記録及び患者説明支援システム1000の診療の記録シート10の患者向け情報10yの一例の説明図であり、同一情報を元に、患者向情報10yは患者にとって必要な情報のみが表示されるようになっている。
【0193】
患者が患者端末1030を操作することによって、拡張型患者説明支援システム用サーバ1020が患者向け情報10yなどをダウンロードし、患者端末1030が、その情報を表示、記憶、印刷などをすることができる。
【0194】
図24は本発明の別の実施形態に係る拡張型の歯科診療の記録及び患者説明支援システム1000における患者端末1030の表示画面の一例を示す説明図であり、患者向け情報10yとして、文字情報のほか、イラスト、レントゲン写真や口内写真などの画像、手書き書き込みなどの情報を表示することが可能である。
【0195】
なお、患者に対しては、歯科診療の記録及び患者説明支援システム100からプリントアウトした画像などを提供することもでき、それらは患者によって画像化され、患者端末1030に取り込むことも可能である。
【0196】
このようにして、患者にとっては、PHR(Personal Health Record)、すなわち、個々人が自身の医療に関わる情報や健康に関するデータを記録し、それを自身の手元で管理するしくみの実現ができることになる。
【0197】
更に、歯科医が訪問診療をした場合には、訪問先2020からも拡張型患者説明支援システム用サーバ1020に接続できるようになっており、診療に必要な情報のダウンロードや、表示・記入・訪問診療用の診療の記録シートの記入、診療結果のアップロードなどができる。
【0198】
更にまた、他の医療機関等2030でも、拡張型患者説明支援システム用サーバ1020への接続を可能としてもよい。その場合にも有用な情報のやり取りが可能となる。
【0199】
次に、患者プロファイル情報システムとの連携につき説明する。歯科診療の記録及び患者説明支援システム100から、患者プロファイル情報システムへは、患者プロファイル情報システム用サーバ300に向けて本発明の診療の記録シートに記載された、すべてのあるいは一部の内容を提供する。
【0200】
一方、歯科診療の記録及び患者説明支援システム100は、患者プロファイル情報システムから患者プロファイル情報システム用サーバ300を介して、特定の患者についての歯科診療に役立つ情報の提供を受けることができる。
【0201】
このようにすると、患者プロファイル情報システムの内容が充実し、更なる活用が可能となると共に、歯科診療の記録及び患者説明支援システム100にとっては、歯科診療に役立ち、かつ患者説明にも有用な情報の提供を受けられる。
【0202】
次に、オンライン資格確認システムとの連携につき説明する。歯科診療の記録及び患者説明支援システム100は、オンライン資格確認端末4010を用いて厚生労働省の提供するオンライン資格確認システム4000に接続することで、患者の健康保険資格情報などのデータを入手することができる。
【0203】
そのようにすると、診療日の時点で有効な保険資格を有しているかどうかが確認できるため、適切な診療計画が策定できる。
【0204】
また、マイナンバーカードを健康保険証として使用し、かつ、患者本人が承諾している場合は、薬剤情報(お薬手帳相当のほか、点滴、注射薬など)、健診情報(メタボ健診など)、手術歴などをはじめとした医療関連情報も、現在または将来、取得できるようになるため、更に適切な治療を行うことができる。
【0205】
特に、これらの情報が、歯科診療の記録及び患者説明支援システムの一部として、診療台(チェア)の近傍で確認ができれば、治療方針などの判断に資する有用性は大きい。
【0206】
なお、この拡張型歯科診療の記録及び患者説明支援システムにおいては、いくつかのサーバをクラウド上に設けたとして説明したが、クラウドコンピューティングに限定せず、オンプレミスであってもよい。
【0207】
なお、この拡張型システムは、先に説明した歯科診療の記録及び患者説明支援システム100とは異なるシステムを用いて構成してもよい。その場合、既存の、あるいは新規の歯科向けシステムと拡張型患者説明支援システム用サーバ1020と患者端末1030とから構成し、同様の運用をするようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0208】
本願は、歯科における、特に自費治療を、適切に、安心に実施し、その記録を残し、将来のメインテナンスを容易にすることができ、歯科医、患者双方にメリットがあることから、産業上、大いに利用可能な発明である.
【符号の説明】
【0209】
10 診療の記録シート
100 歯科診療の記録及び患者説明支援システム
110 歯科診療の記録及び患者説明支援システム制御部
120 歯科診療の記録及び患者説明支援システム入力部
121 タブレット端末
122 タッチペン
130 歯科診療の記録及び患者説明支援システム記憶部
140 歯科診療の記録及び患者説明支援システム出力部
150 歯科診療の記録及び患者説明支援システム表示部
160 歯科診療の記録及び患者説明支援システム通信インターフェース部
1000 拡張型の歯科診療の記録及び患者説明支援システム
1010 歯科医院
1020 拡張型患者プロファイル情報システム用サーバ
1030 患者端末
2010 電子カルテシステム
3000 患者プロファイル情報システム用サーバ
4000 オンライン資格確認システム
4010 オンライン資格確認端末
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