(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183066
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】検出システム、シュレッダ管理システム及び検出方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20120101AFI20221201BHJP
B02C 18/06 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
B02C18/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084303
(22)【出願日】2022-05-24
(31)【優先権主張番号】P 2021088096
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150072
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 賢司
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】奥村 明彦
(72)【発明者】
【氏名】福永 旭
【テーマコード(参考)】
4D065
5L049
【Fターム(参考)】
4D065CA12
4D065EB12
4D065ED35
4D065ED50
4D065EE20
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】シュレッダの故障の予兆検出をより高精度に行なうことが可能な検出システム、シュレッダ管理システム及び検出方法を提供する。
【解決手段】検出システムは、シュレッダの故障の予兆検出を行なう。シュレッダは、回転刃と、モータとを備える。回転刃は、シート材を細断する。モータは、回転刃を回転させる。検出システムは、取得部と、検出部とを備える。取得部は、シート材の細断時にモータに供給される電流の大きさを示す電流値のうちピーク値に関するピーク値情報を取得する。検出部は、シュレッダの使用に伴うピーク値情報の変化に基づいて上記予兆検出を行なう。ピーク値情報は、ピーク後における上記電流値に基づいてピーク値を補正することによって得られた補正後ピーク値である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シュレッダの故障の予兆検出を行なう検出システムであって、
前記シュレッダは、
シート材を細断する回転刃と、
前記回転刃を回転させるモータとを備え、
前記検出システムは、
前記シート材の細断時に前記モータに供給される電流の大きさを示す電流値のうちピーク値に関するピーク値情報を取得する取得部と、
前記シュレッダの使用に伴う前記ピーク値情報の変化に基づいて前記予兆検出を行なう検出部とを備え、
前記ピーク値情報は、ピーク後における前記電流値に基づいて前記ピーク値を補正することによって得られた補正後ピーク値である、検出システム。
【請求項2】
前記検出部は、前記ピーク値情報の移動平均値を算出し、前記移動平均値の変化に基づいて前記予兆検出を行なう、請求項1に記載の検出システム。
【請求項3】
前記ピーク値情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記検出部は、
前記記憶部に記憶された複数のピーク値情報の各々が異常値であるか否かを判定し、
前記複数のピーク値情報のうち前記異常値以外の前記ピーク値情報に基づいて前記移動平均値を算出し、
前記異常値は、前記複数のピーク値情報の平均値から所定値以上離れた値である、請求項2に記載の検出システム。
【請求項4】
前記ピーク値情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記検出部は、
前記記憶部に記憶された複数のピーク値情報の各々が異常値であるか否かを判定し、
前記複数のピーク値情報における前記異常値の発生頻度に基づいて前記予兆検出を行ない、
前記異常値は、前記複数のピーク値情報の平均値から所定値以上離れた値である、請求項1又は請求項2に記載の検出システム。
【請求項5】
前記検出部は、前記複数のピーク値情報における前記異常値の発生頻度に基づいて前記予兆検出を行なう、請求項3に記載の検出システム。
【請求項6】
前記モータを制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記シート材の細断時に前記モータを第1方向に回転させる一方、所定タイミングにおいて前記モータを前記第1方向とは反対の第2方向に回転させる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の検出システム。
【請求項7】
前記検出部によって前記予兆検出が行なわれた場合に、前記シュレッダのユーザに報知する報知部をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の検出システム。
【請求項8】
シュレッダと、
前記シュレッダと通信するように構成されたサーバとを備え、
前記シュレッダは、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の検出システムと、
前記回転刃と、
前記モータと、
前記サーバへ情報を送信する送信部とを備え、
前記送信部は、前記検出部による検出結果を示す情報を前記サーバへ送信する、シュレッダ管理システム。
【請求項9】
シュレッダと、
前記シュレッダと通信するように構成されたサーバとを備え、
前記サーバは、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の検出システムを備え、
前記シュレッダは、
前記回転刃と、
前記モータと、
前記サーバへ前記電流値に関する情報を送信する送信部とを備える、シュレッダ管理システム。
【請求項10】
シュレッダの故障の予兆検出を行なう検出方法であって、
前記シュレッダは、
シート材を細断する回転刃と、
前記回転刃を回転させるモータとを備え、
前記検出方法は、
前記シート材の細断時に前記モータに供給される電流の大きさを示す電流値のうちピーク値に関するピーク値情報を取得するステップと、
前記シュレッダの使用に伴う前記ピーク値情報の変化に基づいて前記予兆検出を行なうステップとを含み、
前記ピーク値情報は、ピーク後における前記電流値に基づいて前記ピーク値を補正することによって得られた補正後ピーク値である、検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出システム、シュレッダ管理システム及び検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2014-178923号公報(特許文献1)は、シュレッダ管理システムを開示する。このシュレッダ管理システムは、シュレッダと管理装置とを含んでいる。シュレッダは、用紙等を細断する細断機構と該細断機構の駆動機構とを含んでいる。用紙の細断時における駆動機構の駆動電流の大きさは、シュレッダの使用期間に応じて大きくなる。管理装置においては、例えば、用紙の細断時における駆動機構の駆動電流の大きさに基づいて、シュレッダの保守又は修理の必要性が判定される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
用紙の細断時における駆動機構の駆動電流の大きさは、例えば、細断機構によって同時に細断される用紙の枚数等によっても変化する。すなわち、用紙の細断時における駆動機構の駆動電流の大きさは、シュレッダの劣化以外の要因によっても変化する。したがって、用紙の細断時における駆動機構の駆動電流の大きさを参照するだけでは、シュレッダの故障の予兆検出を必ずしも高精度に行なうことができない。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、シュレッダの故障の予兆検出をより高精度に行なうことが可能な検出システム、シュレッダ管理システム及び検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある局面に従う検出システムは、シュレッダの故障の予兆検出を行なう。シュレッダは、回転刃と、モータとを備える。回転刃は、シート材を細断する。モータは、回転刃を回転させる。検出システムは、取得部と、検出部とを備える。取得部は、シート材の細断時にモータに供給される電流の大きさを示す電流値のうちピーク値に関するピーク値情報を取得する。検出部は、シュレッダの使用に伴うピーク値情報の変化に基づいて上記予兆検出を行なう。ピーク値情報は、ピーク後における上記電流値に基づいてピーク値を補正することによって得られた補正後ピーク値である。
【0007】
ピーク後における電流値は、回転刃によって細断されているシート材の枚数及び厚さ等によって変化する。この検出システムにおいては、シュレッダの故障の予兆検出に、ピーク後における電流値に基づいて補正された補正後ピーク値が用いられる。したがって、この検出システムによれば、回転刃によって細断されているシート材の枚数及び厚さ等がピーク値に与える影響を考慮した上でピーク値に基づいた予兆検出が行なわれるため、より高精度にシュレッダの故障の予兆検出を行なうことができる。
【0008】
上記検出システムにおいて、検出部は、ピーク値情報の移動平均値を算出し、移動平均値の変化に基づいて上記予兆検出を行なってもよい。
【0009】
例えば、複数のシート材がステープラの針によって留められた状態を考える。この場合に、複数のシート材がシュレッダに投入されると、ステープラの針の影響で、電流値の大きさが瞬間的に非常に大きくなる。シュレッダの故障の予兆以外の要因で瞬間的に大きくなった電流値に基づいてシュレッダの故障の予兆検出が行なわれることは、予兆検出の精度低下の原因になる。この検出システムにおいては、ピーク値情報の移動平均値の変化に基づいてシュレッダの故障の予兆検出が行なわれるため、例えば、シュレッダの故障の予兆以外の要因で電流値が瞬間的に大きくなったとしてもその影響が抑制される。したがって、この検出システムによれば、より高精度にシュレッダの故障の予兆検出を行なうことができる。
【0010】
上記検出システムは、ピーク値情報を記憶する記憶部をさらに備え、検出部は、記憶部に記憶された複数のピーク値情報の各々が異常値であるか否かを判定し、複数のピーク値情報のうち異常値以外のピーク値情報に基づいて移動平均値を算出し、異常値は、複数のピーク値情報の平均値から所定値以上離れた値であってもよい。
【0011】
この検出システムにおいては、異常値以外のピーク値情報に基づいて移動平均値が算出され、移動平均値に基づいてシュレッダの故障の予兆検出が行なわれる。したがって、シュレッダの故障の予兆以外の要因で電流値が瞬間的に大きくなったとしてもその影響が抑制される。その結果、この検出システムによれば、より高精度にシュレッダの故障の予兆検出を行なうことができる。
【0012】
上記検出システムは、ピーク値情報を記憶する記憶部をさらに備え、検出部は、記憶部に記憶された複数のピーク値情報の各々が異常値であるか否かを判定し、複数のピーク値情報における異常値の発生頻度に基づいて上記予兆検出を行ない、異常値は、複数のピーク値情報の平均値から所定値以上離れた値であってもよい。
【0013】
例えば、回転刃を回転させるための歯車又は回転刃自身の一部が欠けた場合に、電流値のピーク値が異常値になる可能性が高まる。この検出システムによれば、異常値の発生頻度に基づいてシュレッダの故障の予兆検出が行なわれるため、より高精度に故障の予兆検出を行なうことができる。
【0014】
上記検出システムはモータを制御する制御部をさらに備え、制御部は、シート材の細断時にモータを第1方向に回転させる一方、所定タイミングにおいてモータを第1方向とは反対の第2方向に回転させてもよい。
【0015】
例えば、回転刃に紙紛が付着すると、シート材の細断時におけるモータの負荷が増大し、シュレッダの故障の予兆と関係なくモータに供給される電流のピーク値が上昇する。シュレッダの故障の予兆と関係なく電流のピーク値が上昇することは、故障の予兆検出の精度低下の原因になる。この検出システムにおいては、所定タイミングにおいて回転刃が逆回転(第2方向の回転)する。したがって、この検出システムによれば、回転刃の逆回転によって紙紛が回転刃から振り落とされるため、シュレッダの故障の予兆と関係なく電流のピーク値が上昇することを抑制することができる。その結果、この検出システムによれば、より高精度にシュレッダの故障の予兆検出を行なうことができる。
【0016】
上記検出システムは、検出部によって予兆検出が行なわれた場合に、シュレッダのユーザに報知する報知部をさらに備えてもよい。
【0017】
この検出システムによれば、故障の予兆検出が行なわれた場合にユーザへの報知が行なわれるため、シュレッダのメンテナンスが必要であることをシュレッダの故障前にユーザに知らせることができる。
【0018】
本発明の他の局面に従うシュレッダ管理システムは、シュレッダと、シュレッダと通信するように構成されたサーバとを備える。シュレッダは、上記検出システムと、回転刃と、モータと、サーバへ情報を送信する送信部とを備える。送信部は、上記検出部による検出結果を示す情報をサーバへ送信する。
【0019】
本発明の他の局面に従うシュレッダ管理システムは、シュレッダと、シュレッダと通信するように構成されたサーバとを備える。サーバは、上記検出システムを備える。シュレッダは、回転刃と、モータと、サーバへ上記電流値に関する情報を送信する送信部とを備える。
【0020】
本発明の他の局面に従う検出方法は、シュレッダの故障の予兆検出を行なう方法である。シュレッダは、回転刃と、モータとを備える。回転刃は、シート材を細断する。モータは、回転刃を回転させる。検出方法は、シート材の細断時にモータに供給される電流の大きさを示す電流値のうちピーク値に関するピーク値情報を取得するステップと、シュレッダの使用に伴うピーク値情報の変化に基づいて上記予兆検出を行なうステップとを含む。ピーク値情報は、ピーク後における上記電流値に基づいてピーク値を補正することによって得られた補正後ピーク値である。
【0021】
この検出方法によれば、回転刃によって細断されているシート材の枚数及び厚さ等がピーク値に与える影響を考慮した上でピーク値に基づいた予兆検出が行なわれるため、より高精度にシュレッダの故障の予兆検出を行なうことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、シュレッダの故障の予兆検出をより高精度に行なうことが可能な検出システム、シュレッダ管理システム及び検出方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】シュレッダ管理システムの概略構成を模式的に示す図である。
【
図2】シュレッダの概略構成を模式的に示す図である。
【
図4】シュレッダにおけるデータ収集動作を示すフローチャートである。
【
図5】電流値情報を管理する管理テーブルの一例を模式的に示す図である。
【
図6】シュレッダからサーバへのデータ送信動作を示すフローチャートである。
【
図7】シュレッダの故障の予兆検出動作を示すフローチャートである。
【
図8】複数の電流値情報をプロットすることによって形成された電流値の波形を模式的に示す図である。
【
図9】
図7のステップS300における処理内容を示すフローチャートである。
【
図10】
図7のステップS310における処理内容を示すフローチャートである。
【
図11】シュレッダにおける自動逆回転動作を示すフローチャートである。
【
図12】実施の形態2に従うシュレッダの概略構成を模式的に示す図である。
【
図13】実施の形態2に従うシュレッダ管理システムにおける故障の予兆検出動作を示すフローチャートである。
【
図14】実施の形態3におけるシュレッダの故障の予兆検出動作を示すフローチャートである。
【
図15】シュレッダの使用状況に応じて電流センサによって検出される電流値がどのように変化するかを示す図である。
【
図16】実施の形態4におけるシュレッダの欠陥部位を特定する動作を示すフローチャートである。
【
図17】うねりが表れた波形の一例を模式的に示す図である。
【
図18】実施の形態5に従うシュレッダの概略構成を模式的に示す図である。
【
図19】実施の形態5における故障の予兆検出動作を示すフローチャートである。
【
図20】シュレッダの外観構成を模式的に示す斜視図である。
【
図21】本体主要部の内部の一部を第1方向から模式的に示す図である。
【
図22】本体主要部の内部の一部を第2方向から模式的に示す図である。
【
図24】蓋部の内側の構造物が本体主要部に取り付けられた状態を模式的に示す図である。
【
図25】シュレッダの前面の一部を含む斜視図である。
【
図27】ドア部の内部の一部を含み、かつ、ドア部の前面が省略された斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0025】
[1.実施の形態1]
<1-1.シュレッダ管理システムの概要>
図1は、本実施の形態1に従うシュレッダ管理システム10の概略構成を模式的に示す図である。
図1に示されるように、シュレッダ管理システム10は、シュレッダ100と、サーバ200と、端末300とを含んでいる。端末300は、例えば、スマートフォン、タブレット又はPC(Personal Computer)によって構成される。
【0026】
シュレッダ100においては、例えば、回転刃によって用紙(シート材の一例)の細断が行なわれる。回転刃は、モータから受けた動力によって回転する。シュレッダ100においては、モータに供給される電流の大きさを示す情報(以下、「電流値情報」とも称する。)が蓄積される。シュレッダ100の劣化が進むと、用紙の細断時にモータに供給される電流の大きさが大きくなる。蓄積された電流値情報は、例えば、定期的にシュレッダ100からサーバ200へ送信される。
【0027】
サーバ200においては、シュレッダ100から受信した電流値情報に基づいて、シュレッダ100の故障の予兆検出が行なわれる。故障の予兆があると判定されると、例えば、サポート担当者の端末300へサーバ200からサポート依頼が送信される。サポート依頼を受け付けたサポート担当者は、例えば、シュレッダ100のユーザへメンテナンスの要否を問い合わせる。このように、シュレッダ管理システム10によれば、シュレッダ100の故障の未然防止が可能となる。以下、シュレッダ管理システム10について詳細に説明する。
【0028】
<1-2.構成>
(1-2-1.シュレッダの構成)
図2は、シュレッダ100の概略構成を模式的に示す図である。
図2に示されるように、シュレッダ100は、モータ170と、複数のギヤ180と、複数の回転刃190と、電源IC(Integrated Circuit)140と、電流センサ150と、温度センサ160と、制御部110と、記憶部120と、通信I/F(interface)130とを含んでいる。
【0029】
モータ170は、例えば、交流モータによって構成される。モータ170は、シュレッダ100の外部の交流電源(以下、「外部電源」とも称する。)から供給される電力を受けて回転する。モータ170の回転は、複数のギヤ(歯車)180を介して回転刃190へ伝達される。モータ170の回転に従って回転刃190が回転することによって、シュレッダ100に投入されるシート材S1が細断される。回転刃190によってシート材S1に施される細断の種類は特に限定されない。すなわち、回転刃190は、シート材S1に、例えば、ストレートカットを施してもよいし、クロスカットを施してもよいし、マイクロカットを施してもよい。
【0030】
電源IC140は、外部電源から供給される電力をシュレッダ100内の各構成要素に供給する。電源IC140は、例えば、外部電源から供給される交流電力の直流電力への変換、及び、外部電源から供給される電圧の変換を行なう。また、電源IC140は、例えば、モータ170へ交流電力を供給する。
【0031】
電流センサ150は、電源IC140からモータ170へ供給される電流の大きさ(電流値)を検出する。電流センサ150によって検出された電流値を示す電流値情報は、制御部110へ出力される。温度センサ160は、モータ170の温度を検出する。温度センサ160によって検出された温度を示す温度情報は、制御部110へ出力される。
【0032】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等(不図示)を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行なう。また、制御部110はタイマ115を含む。制御部110は、タイマ115を利用することによって、例えば、モータ170の通電時間を認識することができる。
【0033】
記憶部120は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部120は、例えば、制御プログラム121を記憶している。制御プログラム121が制御部110(CPU)によって実行されることによって、シュレッダ100における各種機能が実現される。
【0034】
通信I/F130は、インターネットを通じて、サーバ200(
図1)と通信する。通信I/F130は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール、無線LANモジュール、又は、LTE(Long Term Evolution)若しくは5G等の通信規格(セルラー方式)に準拠した通信モジュールで構成される。
【0035】
(1-2-2.サーバの構成)
図3は、サーバ200の概略構成を模式的に示す図である。本実施の形態において、サーバ200は、例えば、汎用コンピュータによって実現される。
図3に示されるように、サーバ200は、制御部210と、記憶部220と、通信I/F230とを含んでいる。各構成は、バスを介して電気的に接続されている。
【0036】
制御部210は、CPU211、RAM212及びROM213等を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行なうように構成されている。
【0037】
記憶部220は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部220は、例えば、制御プログラム221を記憶している。制御プログラム221が制御部210(CPU)によって実行されることによって、サーバ200における各種機能が実現される。
【0038】
通信I/F230は、インターネットを通じて、シュレッダ100及び端末300と通信する。通信I/F230は、例えば、有線LANモジュール、無線LANモジュール、又は、LTE若しくは5G等の通信規格(セルラー方式)に準拠した通信モジュールで構成される。
【0039】
<1-3.動作>
(1-3-1.シュレッダにおけるデータ収集動作)
シュレッダ100においては、シート材S1の細断時におけるシュレッダ100の動作状態を示す各種データが収集される。シュレッダ100においては、例えば上述のように、シート材S1の細断時における電流値情報が収集される。
【0040】
図4は、シュレッダ100におけるデータ収集動作を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、シュレッダ100の制御部110によって実行される。
【0041】
図4を参照して、制御部110は、回転刃190によるシート材S1の細断が開始されたか否かを判定する(ステップS100)。シート材S1の細断が開始されていないと判定されると(ステップS100においてNO)、制御部110は、シート材S1の細断が開始されるまで待機する。
【0042】
一方、シート材S1の細断が開始されたと判定されると(ステップS100においてYES)、制御部110は、各種センサから収集されたデータ等を記憶部120に記憶させる(ステップS110)。制御部110は、例えば、電流センサ150から得られた電流値情報、及び、温度センサ160から得られた温度情報を記憶部120に記憶させる。記憶部120においては、例えば、各種データの取得時刻に関する情報と各種データとを対応付ける管理テーブルが記憶される。
【0043】
図5は、電流値情報を管理する管理テーブルD1の一例を模式的に示す図である。
図5に示されるように、管理テーブルD1においては、電流値情報の取得時刻(t1,t2,t3,t4,t5・・・)と、電流値情報(A1,A2,A3,A4,A5・・・)とが対応付けられている。記憶部120には、例えば、管理テーブルD1が記憶される。
【0044】
再び
図4を参照して、ステップS110において収集された各種データが記憶されると、制御部110は、回転刃190によるシート材S1の細断が終了したか否かを判定する(ステップS120)。シート材S1の細断が終了していないと判定されると(ステップS120においてNO)、制御部110は、各種センサから得られたデータ等を記憶部120に記憶させる処理を継続する。
【0045】
一方、シート材S1の細断が終了したと判定されると(ステップS120においてYES)、制御部110は、再びステップS100の処理を実行する。このような処理を通じて、シュレッダ100においては、シート材S1の細断時におけるシュレッダ100の動作状態を示す各種データが収集される。
【0046】
(1-3-2.シュレッダからサーバへのデータ送信動作)
図6は、シュレッダ100からサーバ200へのデータ送信動作を示すフローチャートである。左側のフローチャートに示される処理はシュレッダ100の制御部110によって実行され、右側のフローチャートに示される処理はサーバ200の制御部210によって実行される。
【0047】
図6の左側に示されるフローチャートを参照して、シュレッダ100の制御部110は、所定時刻が到来したか否かを判定する(ステップS200)。制御部110は、例えば、タイマ115を利用することによって現在時刻を認識する。所定時刻としては、1つの時刻が設定されていてもよいし、複数の時刻が設定されていてもよい。
【0048】
所定時刻が到来していないと判定されると(ステップS200においてNO)、制御部110は、所定時刻が到来するまで待機する。一方、所定時刻が到来したと判定されると(ステップS200においてYES)、制御部110は、記憶部120に記憶された電流値情報をサーバ200へ送信するように通信I/F130を制御する(ステップS210)。例えば、管理テーブルD1(
図5)に管理されている電流値情報のうち、サーバ200に未だに送信されていない全ての電流値情報がサーバ200へ送信される。
【0049】
図6の右側に示されるフローチャートを参照して、サーバ200の制御部210は、シュレッダ100から電流値情報を受信したか否かを判定する(ステップS250)。シュレッダ100から電流値情報を受信していないと判定されると(ステップS250においてNO)、制御部210は、シュレッダ100から電流値情報を受信するまで待機する。
【0050】
一方、シュレッダ100から電流値情報を受信したと判定されると(ステップS250においてYES)、制御部210は、受信された電流値情報を記憶部220に記憶させる(ステップS260)。このような処理を通じて、シュレッダ100において収集された各種データがサーバ200へ送信される。
【0051】
(1-3-3.故障の予兆検出動作)
図7は、シュレッダ100の故障の予兆検出動作を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、シュレッダ100からサーバ200へ電流値情報が送信された後に、サーバ200の制御部210によって実行される。サーバ200においては、電流値情報に基づいて生成されたピーク値情報の変化量に基づいてシュレッダ100の故障の予兆が検出される。
【0052】
図7を参照して、制御部210は、記憶部220に記憶されている電流値情報に基づいて複数のピーク値情報を取得する(ステップS300)。ピーク値情報について説明する前に、まず電流値のピーク値について説明する。
【0053】
図8は、複数の電流値情報をプロットすることによって形成された電流値の波形を模式的に示す図である。
図8を参照して、横軸は時間を示し、縦軸は電流値を示す。波形W1は、例えば、X1枚のシート材S1を同時に細断した場合の波形である。波形W2は、例えば、X2枚(X2<X1)のシート材S1を同時に細断した場合の波形である。
【0054】
波形W1におけるピーク値はP1であり、波形W2におけるピーク値はP2である。各波形におけるピーク値は、シート材S1が回転刃190に突入する瞬間に表れる。各波形において、電流値は、ピーク値が表れた後に、ピーク値よりも低い値で定常状態となる。例えば、この例では、時刻t11-t12の間が定常域となっている。
【0055】
細断するシート材S1の枚数及び厚さ等によって電流値は変わる。例えば、波形W1の電流値は、各時刻において波形W2の電流値よりも大きい。例えば細断枚数が異なるため、波形W1のピーク値P1と波形W2のピーク値P2とを直接比較することによってシュレッダ100の劣化状態を判定することは難しい。そこで、サーバ200においては、各波形のうち定常域における電流値から回転刃190によるシート材S1の細断枚数等が推定される。サーバ200においては、推定された細断枚数(例えば、5枚)におけるピーク値を基準となる細断枚数(例えば、3枚)におけるピーク値に変換する補正係数が予め準備されている。該補正係数は、記憶部220に記憶されている。サーバ200においては、推定された細断枚数におけるピーク値に補正係数を積算することによって、基準となる細断枚数におけるピーク値が算出される。このような補正後のピーク値がピーク値情報である。
【0056】
サーバ200においては、取得された複数のピーク値の各々が必要に応じて補正される。補正によって各ピーク値の前提条件(例えば、細断枚数)が揃えられ、補正後の各ピーク値の比較を通じてシュレッダ100の故障の予兆が検出される。
【0057】
図9は、
図7のステップS300における処理内容を示すフローチャートである。
図9を参照して、制御部210は、記憶部220に記憶されている複数の電流値情報からピーク値を取得する(ステップS400)。制御部210は、ピーク後の電流値(例えば、定常域における電流値)に基づいて細断枚数等を推定し、必要に応じてピーク値を補正し、ピーク値情報を生成する(ステップS410)。
【0058】
制御部210は、全ピーク値に関し処理が終了したか否かを判定する(ステップS420)。全ピーク値に関し処理が終了していないと判定されると(ステップS420においてNO)、制御部210は、全ピーク値に関し処理が終了するまでステップS400-S410の処理を繰り返す。一方、全ピーク値に関し処理が終了したと判定されると(ステップS420においてYES)、本フローチャートに示される処理は終了する。
【0059】
再び
図7を参照して、ステップS200において複数のピーク値情報が取得されると、制御部210は、複数のピーク値情報から異常値以外のピーク値情報を抽出する(ステップS310)。次に、異常値以外のピーク値情報の抽出手順について説明する。
【0060】
図10は、
図7のステップS310における処理内容を示すフローチャートである。
図10を参照して、制御部210は、複数のピーク値情報の平均値を算出する(ステップS500)。制御部210は、複数のピーク値情報のうち1つのピーク値情報と平均値との差が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS510)。
【0061】
ピーク値情報と平均値との差が所定値以上でないと判定されると(ステップS510においてNO)、制御部210は、該ピーク値情報が正常値であると判定する(ステップS520)。一方、ピーク値情報と平均値との差が所定値以上であると判定されると(ステップS510においてYES)、制御部210は、該ピーク値情報が異常値であると判定する(ステップS530)。
【0062】
制御部210は、該ピーク値情報と判定結果とを対応付けて記憶部220に記憶させる(ステップS540)。制御部210は、全ピーク値情報に関しステップS510-S540の処理が終了したか否かを判定する(ステップS550)。全ピーク値情報に関しステップS510-S540の処理が終了していないと判定されると(ステップS550においてNO)、制御部210は、全ピーク値情報に関しステップS510-S540の処理が終了するまでステップS510-S540の処理を繰り返す。
【0063】
一方、全ピーク値情報に関しステップS510-S540の処理が終了したと判定されると(ステップS550においてYES)、制御部210は、複数のピーク値情報から正常値と判定されたピーク値情報のみを抽出する(ステップS560)。これにより、本フローチャートに示される処理は終了する。
【0064】
再び
図7を参照して、ステップS310において異常値以外のピーク値情報が抽出されると、制御部210は、抽出されたピーク値情報の移動平均値を算出する(ステップS320)。制御部210は、算出された移動平均値の変化量が所定値以上か否かを判定する(ステップS330)。例えば、制御部210は、シュレッダ100の導入直後における移動平均値と現在の移動平均値との差が所定値以上か否かを判定する。また、例えば、制御部210は、シュレッダ100の導入直後における移動平均値に対する現在の移動平均値の増加率が所定値以上か否かを判定する。
【0065】
算出された移動平均値の変化量が所定値以上でないと判定されると(ステップS330においてNO)、制御部210は、シュレッダ100が正常である(故障の予兆がない)と判定する(ステップS340)。これにより、本フローチャートに示される処理は終了する。
【0066】
一方、ステップS330において、算出された移動平均値の変化量が所定値以上であると判定されると(ステップS330においてYES)、制御部210は、シュレッダ100が劣化しており故障の予兆があると判定する(ステップS350)。その後、制御部210は、サポート担当者の端末300(
図1)へサポート依頼を送信するように通信I/F230を制御する(ステップS360)。これにより、本フローチャートに示される処理は終了する。なお、ステップS360においては、例えば、シュレッダ100の故障の予兆があることを示すメールが、シュレッダ100のユーザの端末(不図示)へ送信されてもよい。
【0067】
このように、サーバ200においては、シュレッダ100の故障の予兆検出に、ピーク後における電流値に基づいて補正された補正後ピーク値(ピーク値情報)が用いられる。したがって、サーバ200によれば、回転刃190によって細断されているシート材S1の枚数及び厚さ等がピーク値に与える影響を考慮した上でピーク値に基づいた予兆検出が行なわれるため、より高精度にシュレッダ100の故障の予兆検出を行なうことができる。
【0068】
また、複数のシート材S1がステープラの針によって留められた状態を考える。この場合に、複数のシート材S1がシュレッダ100に投入されると、ステープラの針の影響で、電流値の大きさが瞬間的に非常に大きくなる。シュレッダ100の故障の予兆以外の要因で瞬間的に大きくなった電流値に基づいてシュレッダ100の故障の予兆検出が行なわれることは、予兆検出の精度低下の原因になる。サーバ200においては、ピーク値情報の移動平均値の変化に基づいてシュレッダ100の故障の予兆検出が行なわれるため、例えば、シュレッダ100の故障の予兆以外の要因で電流値が瞬間的に大きくなったとしてもその影響が抑制される。したがって、サーバ200によれば、より高精度にシュレッダ100の故障の予兆検出を行なうことができる。
【0069】
また、サーバ200においては、異常値以外のピーク値情報に基づいて移動平均値が算出され、移動平均値に基づいてシュレッダ100の故障の予兆検出が行なわれる。したがって、シュレッダ100の故障の予兆以外の要因で電流値が瞬間的に大きくなったとしてもその影響が抑制される。その結果、サーバ200によれば、より高精度にシュレッダ100の故障の予兆検出を行なうことができる。
【0070】
(1-3-4.自動逆回転動作)
例えば、回転刃190に紙紛が付着すると、シート材S1の細断時におけるモータ170の負荷が増大し、シュレッダ100の故障の予兆と関係なくモータ170に供給される電流のピーク値が上昇する。シュレッダ100の故障の予兆と関係なく電流のピーク値が上昇することは、故障の予兆検出の精度低下の原因になる。そこで、シュレッダ100においては、所定タイミングにおいて回転刃190が逆回転する。すなわち、所定タイミングにおいて、シート材S1の細断時における回転刃190の回転方向(第1回転方向)と反対の方向(第2回転方向)に回転刃190が回転する。
【0071】
シュレッダ100によれば、回転刃190の逆回転によって紙紛が回転刃190から振り落とされるため、シュレッダ100の故障の予兆と関係なく電流のピーク値が上昇することを抑制することができる。その結果、シュレッダ管理システム10によれば、より高精度にシュレッダ100の故障の予兆検出を行なうことができる。
【0072】
図11は、シュレッダ100における自動逆回転動作を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、シュレッダ100の制御部110によって実行される。
【0073】
図11を参照して、制御部110は、所定タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS600)。所定タイミングは、例えば、前回の自動逆回転時から所定時間の経過時である(例えば、前回の自動逆回転時から48時間経過時)。所定タイミングが到来していないと判定されると(ステップS600においてNO)、制御部110は、所定タイミングが到来するまで待機する。一方、所定タイミングが到来したと判定されると(ステップS600においてYES)、制御部110は、回転刃190を逆回転させるようにモータ170を制御する(ステップS610)。
【0074】
<1-4.効果等>
以上のように、サーバ200においては、シュレッダ100の故障の予兆検出に、ピーク後における電流値に基づいて補正された補正後ピーク値(ピーク値情報)が用いられる。したがって、サーバ200によれば、回転刃190によって細断されているシート材S1の枚数及び厚さ等がピーク値に与える影響を考慮した上でピーク値に基づいた予兆検出が行なわれるため、より高精度にシュレッダ100の故障の予兆検出を行なうことができる。
【0075】
[2.実施の形態2]
上記実施の形態1においては、シュレッダ100の故障の予兆検出がサーバ200において実行された。しかしながら、シュレッダ100の故障の予兆検出は、必ずしもサーバ200において実行されなくてもよい。シュレッダ100の故障の予兆検出は、例えば、シュレッダ100において実行されてもよい。本実施の形態2においては、シュレッダ100Aの故障の予兆検出がシュレッダ100Aにおいて実行される。以下では、上記実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。なお、本実施の形態2に従うシュレッダ管理システム10A(不図示)は、シュレッダ100Aとサーバ200A(不図示)とを含んでいる。サーバ200Aは制御部210A(不図示)を含んでいる。
【0076】
<2-1.シュレッダの構成>
図12は、本実施の形態2に従うシュレッダ100Aの概略構成を模式的に示す図である。
図12に示されるように、シュレッダ100Aは、制御部110Aと、記憶部120Aと、報知部135とを含んでいる。
【0077】
制御部110Aは、CPU、RAM及びROM等(不図示)を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行なう。また、制御部110Aはタイマ115を含む。制御部110Aは、タイマ115を利用することによって、例えば、モータ170の通電時間を認識することができる。
【0078】
記憶部120Aは、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部120Aは、例えば、制御プログラム121Aを記憶している。制御プログラム121Aが制御部110A(CPU)によって実行されることによって、シュレッダ100Aにおける各種機能が実現される。
【0079】
報知部135は、例えば、LED(Light Emitting Diode)若しくは液晶ディスプレイ等のインジケータ、又は、スピーカで構成される。報知部135は、例えば、シュレッダ100Aの故障の予兆が検出された場合にユーザに報知する。
【0080】
<2-2.故障の予兆検出動作>
図13は、本実施の形態2に従うシュレッダ管理システム10Aにおける故障の予兆検出動作を示すフローチャートである。左側のフローチャートに示される処理はシュレッダ100Aの制御部110Aによって実行され、右側のフローチャートに示される処理はサーバ200Aの制御部210Aによって実行される。
【0081】
図13の左側のフローチャートを参照して、シュレッダ100Aの制御部110Aは、記憶部120Aに記憶されている電流値情報に基づいて故障の予兆検出処理を実行する(ステップS700)。この予兆検出処理は、
図7のフローチャートに示される処理(ステップS360以外)をシュレッダ100Aの制御部110Aが実行するものである。
【0082】
制御部110Aは、予兆検出処理の結果、シュレッダ100Aが劣化判定(故障予兆判定)されたか否かを判定する(ステップS710)。劣化判定されていないと判定されると(ステップS710においてNO)、本フローチャートに示される処理は終了する。
【0083】
一方、劣化判定されたと判定されると(ステップS710においてYES)、制御部110Aは、ユーザに報知するように報知部135を制御する(ステップS720)。報知部135がLEDである場合に、制御部110Aは、例えばLEDを点滅させる。また、報知部135が液晶ディスプレイである場合に、制御部110Aは、例えば故障の予兆がある旨を液晶ディスプレイに表示させる。また、報知部135がスピーカである場合に、制御部110Aは、例えばスピーカに音声を出力させる。シュレッダ管理システム10Aによれば、故障の予兆検出が行なわれた場合にユーザへの報知が行なわれるため、シュレッダ100Aのメンテナンスが必要であることをシュレッダ100Aの故障前にユーザに知らせることができる。
【0084】
その後、制御部110Aは、故障の予兆がある旨を示すデータをサーバ200へ送信するように通信I/F130を制御する(ステップS730)。これにより、本フローチャートに示される処理は終了する。
【0085】
図13の右側のフローチャートを参照して、サーバ200Aの制御部210Aは、故障の予兆がある旨を示すデータがシュレッダ100Aから受信されたか否かを判定する(ステップS750)。故障の予兆がある旨を示すデータがシュレッダ100Aから受信されていないと判定されると(ステップS750においてNO)、制御部210Aは、故障の予兆がある旨を示すデータがシュレッダ100Aから受信されるまで待機する。
【0086】
一方、故障の予兆がある旨を示すデータがシュレッダ100Aから受信されたと判定されると(ステップS750においてYES)、制御部210Aは、サポート担当者の端末300(
図1)へサポート依頼を送信するように通信I/F230を制御する(ステップS760)。
【0087】
<2-3.効果等>
以上のように、シュレッダの故障の予兆検出動作は、シュレッダ100Aにおいて実行されてもよい。また、シュレッダ100Aによれば、故障の予兆検出が行なわれた場合にユーザへの報知が行なわれるため、シュレッダ100Aのメンテナンスが必要であることをシュレッダ100Aの故障前にユーザに知らせることができる。
【0088】
[3.実施の形態3]
上記実施の形態1に従うシュレッダ管理システム10においては、ピーク値情報のうち異常値以外のピーク値情報の移動平均値に基づいてシュレッダ100の故障の予兆が検出された。しかしながら、シュレッダ管理システム10においては、他の情報に基づいてシュレッダ100の故障の予兆が検出されてもよい。なお、以下で説明する予兆検出動作は、上記実施の形態1において説明された動作に追加しても実行されてもよいし、上記実施の形態1において説明された動作の代わりに実行されてもよい。
【0089】
<3-1.故障の予兆検出動作(異常値の発生頻度の利用)>
図14は、本実施の形態3におけるシュレッダ100の故障の予兆検出動作を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、シュレッダ100からサーバ200へ電流値情報が送信された後に、サーバ200の制御部210によって実行される。なお、
図7のステップS300,S310に示される処理は既に実行されているものとする。
【0090】
制御部210は、記憶部220に記憶されている複数のピーク値情報における異常値の割合(発生頻度)を算出する(ステップS800)。
【0091】
図15は、シュレッダ100の使用状況に応じて電流センサ150によって検出される電流値がどのように変化するかを示す図である。
図15(A)は、シュレッダ100によるシート材S1(紙)の切断枚数が0枚-600枚における電流値の変化を示す図である。
図15(B)は、シュレッダ100によるシート材S1の切断枚数が4200枚-4800枚における電流値の変化を示す図である。
図15(C)は、シュレッダ100によるシート材S1の切断枚数が8400枚-9000枚における電流値の変化を示す図である。
図15(A)、(B)及び(C)の各々において、横軸は時間を示し、縦軸は電流値を示す。
【0092】
図15(A)を参照して、シュレッダ100の使用開始直後は、初期馴染みが完了していないため、電流値が多少ばらつく。
図15(B)を参照して、シュレッダ100の使用開始後一定期間が経過すると、電流値は安定する。
図15(C)を参照して、シュレッダ100の使用開始後長期間が経過すると、電流値が大きくばらつき出し、電流値が異常値となる頻度が高くなる。電流値が大きくばらつき出し、その後、シュレッダ100の故障が発生する傾向がある。
【0093】
再び
図14を参照して、制御部210は、ステップS800において算出された割合が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS810)。算出された割合が所定値以上でないと判定されると(ステップS810においてNO)、制御部210は、シュレッダ100が正常である(故障の予兆がない)と判定する(ステップS820)。これにより、本フローチャートに示される処理は終了する。
【0094】
一方、ステップS810において、算出された割合が所定値以上であると判定されると(ステップS810においてYES)、制御部210は、シュレッダ100が劣化しており故障の予兆があると判定する(ステップS830)。その後、制御部210は、サポート担当者の端末300(
図1)へサポート依頼を送信するように通信I/F230を制御する(ステップS840)。これにより、本フローチャートに示される処理は終了する。
【0095】
<3-2.効果等>
例えば、回転刃190を回転させるためのギヤ180又は回転刃190自身の一部が欠けた場合に、電流値のピーク値が異常値になる可能性が高まる。本実施の形態3に従うサーバ200によれば、異常値の発生頻度に基づいてシュレッダ100の故障の予兆検出が行なわれるため、より高精度に故障の予兆検出を行なうことができる。なお、本実施の形態3における予兆検出動作は、シュレッダ100において実行されてもよい。
【0096】
[4.実施の形態4]
例えば、上記実施の形態1に従うシュレッダ管理システム10において、シュレッダ100の故障の予兆検出機能に加えて、故障の原因となる部位(欠陥部位)を特定する機能が加えられてもよい。なお、以下で説明する欠陥部位特定動作は、上記実施の形態1において説明された動作に追加しても実行されてもよいし、上記実施の形態1において説明された動作の代わりに実行されてもよい。本実施の形態4に従うシュレッダ管理システム10の目的は、シュレッダ100の故障の原因となる部位を特定可能なシュレッダ管理システムを提供することである。
【0097】
<4-1.欠陥部位の特定動作>
図16は、シュレッダ100の欠陥部位を特定する動作を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、シュレッダ100からサーバ200へ電流値情報が送信された後に、サーバ200の制御部210によって実行される。
【0098】
図16を参照して、制御部210は、複数の電流値情報をプロットすることによって形成された波形のうちピーク後の領域(定常域)における周波数を算出する(ステップS900)。例えば、モータ170、ギヤ180又は回転刃190が劣化すると、電流値情報の推移を示す波形において「うねり」が生じる。モータ170、ギヤ180又は回転刃190の劣化の一例としては、損傷、湾曲及び軸受けの経時変化等が挙げられる。本実施の形態4においては、この「うねり」の周波数に基づいてシュレッダ100の欠陥部位が特定される。
【0099】
図17は、うねりが表れた波形の一例を模式的に示す図である。
図17に示されるように、例えば、モータ170、ギヤ180又は回転刃190が劣化すると、定常域においてうねりが生じる。
【0100】
再び
図16を参照して、制御部210は、ステップS900において算出された周波数に基づいて欠陥部位を特定する(ステップS910)。例えば、サーバ200においては、モータ170、各ギヤ180及び各回転刃190の回転速度が予め記憶されている。モータ170、各ギヤ180及び各回転刃190のうち劣化している部位の回転速度と、「うねり」の周波数とは相関を有するはずである。したがって、制御部210は、例えば、モータ170、各ギヤ180及び各回転刃190の回転速度と、「うねり」の周波数とを比較することによって欠陥部位を特定する。
【0101】
<4-2.効果等>
以上のように、本実施の形態4に従うサーバ200において、記憶部220は複数の電流値情報を記憶する。制御部210は、複数の電流値情報によって示される波形のうちピーク後の波形における周波数に基づいてシュレッダ100における欠陥部位を特定する。具体的には、制御部210は、回転刃190等の回転速度と上記周波数とを比較することによって欠陥部位を特定する。本実施の形態4に従うサーバ200によれば、シュレッダ100内の欠陥部位を特定することができる。なお、本実施の形態4における欠陥部位の特定動作は、シュレッダ100において実行されてもよい。
【0102】
[5.実施の形態5]
上記実施の形態1-4においては、電流値情報に基づいてシュレッダ100,100Aの故障の予兆が検出された。しかしながら、故障の予兆の検出方法はこれに限定されない。例えば、ギヤ180における潤滑油不足、又は、ギヤ180への異物の侵入に起因してギヤ180が摩耗し、ギヤ180間の摺動抵抗が増加し、その結果、ギヤ180が破損する場合がある。このような場合には、例えば、シュレッダ100における振動及び騒音が、「初期馴染み」を経て一旦減少し、その後徐々に増加し、最終的に急激に増加する。その後、シュレッダ100の故障が生じる。そこで、本実施の形態5に従うシュレッダ100Bにおいては、シュレッダ100Bにおける振動又は騒音に基づいてシュレッダ100Bの故障の予兆が検出される。以下では、上記実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
【0103】
<5-1.シュレッダの構成>
図18は、本実施の形態5に従うシュレッダ100Bの概略構成を模式的に示す図である。
図18に示されるように、シュレッダ100Bは、制御部110Bと、記憶部120Bと、センサ165とを含んでいる。
【0104】
制御部110Bは、CPU、RAM及びROM等(不図示)を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行なう。また、制御部110Bはタイマ115を含む。制御部110Bは、タイマ115を利用することによって、例えば、モータ170の通電時間を認識することができる。
【0105】
記憶部120Bは、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部120Bは、例えば、制御プログラム121Bを記憶している。制御プログラム121Bが制御部110B(CPU)によって実行されることによって、シュレッダ100Bにおける各種機能が実現される。
【0106】
センサ165は、例えば、加速度センサ又はマイクで構成される。センサ165は、モータ170、各ギヤ180又は各回転刃190の回転に起因して生じる振動又は騒音を検出する。センサ165によって検出された情報(振動情報又は騒音情報)は、制御部110Bへ出力される。
【0107】
<5-2.故障の予兆検出動作>
図19は、本実施の形態5における故障の予兆検出動作を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、例えば、シュレッダ100Bの制御部110Bによって実行される。
【0108】
図19を参照して、シュレッダ100Bの制御部110Bは、初期馴染み後のセンサ165の出力値が所定値以上か否かを判定する(ステップS1000)。初期馴染み後のセンサ165の出力値が所定値以上でないと判定されると(ステップS1000においてNO)、制御部110Bは、シュレッダ100Bが正常であると判定する(ステップS1010)。これにより、本フローチャートに示される処理は終了する。
【0109】
一方、初期馴染み後のセンサ165の出力値が所定値以上であると判定されると(ステップS1000においてYES)、制御部110Bは、シュレッダ100Bが劣化している(故障の予兆がある)と判定する(ステップS1020)。その後、制御部110Bは、サポート担当者の端末300(
図1)へサポート依頼を送信するように通信I/F130を制御する(ステップS1030)。これにより、本フローチャートに示される処理は終了する。なお、例えば、シュレッダ100Bに報知部を設け、ステップS1030において、故障の予兆があることをユーザに報知してもよい。また、ステップS1030において、故障の予兆があることを示すデータをサーバ200へ送信し、サーバ200から端末300へサポート依頼を送信してもよい。
【0110】
<5-3.効果等>
以上のように、本実施の形態5に従うシュレッダ100Bによれば、シュレッダ100B内の振動又は騒音に基づいてシュレッダ100Bの故障の予兆を検出することができる。なお、本実施の形態5における故障の予兆検出動作は、サーバ200において実行されてもよい。この場合には、シュレッダ100Bにおいて収集された振動又は騒音を示す情報がサーバ200へ送信される。
【0111】
[6.変形例]
以上、実施の形態1-5について説明したが、本発明は、上記実施の形態1-5に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。以下、変形例について説明する。
【0112】
<6-1>
例えば、上記実施の形態1においては、所定時刻が到来すると、電流値情報がシュレッダ100からサーバ200へ送信された。しかしながら、電流値情報の送信タイミングはこれに限定されない。例えば、シュレッダ100の制御部110は、電流センサ150から電流値情報を取得するのに応じて、電流値情報を順次サーバ200へ送信するように通信I/F130を制御してもよい。すなわち、シュレッダ100の使用中は、シュレッダ100からサーバ200へ電流値情報が送信され続けるような構成であってもよい。
【0113】
また、予め決められたイベントの発生時に電流値情報がシュレッダ100からサーバ200へ送信されるような構成であってもよい。イベントの一例としては、シュレッダ100の電源のON/OFF、又は、電流値情報が所定の閾値を超えたことが挙げられる。
【0114】
<6-2>
また、例えば、上記実施の形態1においては、ピーク値情報の移動平均値に基づいてシュレッダ100の故障の予兆が検出された。しかしながら、必ずしも故障の予兆検出にピーク値情報の移動平均値が用いられなくてもよい。例えば、単にピーク値情報の変化量に基づいて故障の予兆検出が行なわれてもよい。
【0115】
<6-3>
また、例えば、上記実施の形態1においては、ピーク値情報の移動平均値の算出時に異常値が除外された。しかしながら、ピーク値情報の移動平均値の算出時に異常値が除外されなくてもよい。
【0116】
<6-4>
また、例えば、実施の形態1においては、電流値情報に基づいてシュレッダ100の故障の予兆が検出された。しかしながら、故障の予兆の検出方法はこれに限定されない。例えば、モータ170の温度、モータ170の通電時間、又は、シュレッダ100におけるシート材S1の総細断枚数に基づいてシュレッダ100の故障の予兆が検出されてもよい。例えば、モータ170の温度が所定値以上となった場合、モータ170の総通電時間が所定値以上となった場合、又は、シュレッダ100におけるシート材S1の総細断枚数が所定値以上となった場合に、シュレッダ100の故障の予兆が検出されてもよい。
【0117】
<6-5>
また、上記実施の形態1-5の各々において、シュレッダは、例えば、以下に示すような構造的特徴を有していてもよい。以下では、代表的にシュレッダ100を取り上げて説明する。
【0118】
図20は、シュレッダ100の外観構成を模式的に示す斜視図である。
図20に示されるように、シュレッダ100は、シュレッダ本体400と、蓋部305とを含んでいる。蓋部305は、シュレッダ本体400に対して開閉可能である。
【0119】
蓋部305が開放された状態で、シュレッダ本体400の上面には複数のシート材S1が配置可能である。シュレッダ本体400の上面に複数のシート材S1が配置された後に蓋部305が閉じられることにより、シュレッダ本体400の上面に配置された複数のシート材S1の細断が開始される。また、蓋部305の上面には投入口H1が形成されている。投入口H1にシート材S1を投入することによって、シート材S1の細断が開始される。
【0120】
シュレッダ本体400は、本体主要部410と、ドア部420とを含んでいる。ドア部420は、本体主要部410の前面に取り付けられている。ドア部420は、本体主要部410に対して開閉可能である。例えば、ドア部420を開放することによって、細断屑を取り出すことができる。
【0121】
図21は、本体主要部410の内部の一部を第1方向から模式的に示す図である。
図22は、本体主要部410の内部の一部を第2方向から模式的に示す図である。
図21及び
図22に示されるように、本体主要部410の内部には、モータ170と、複数のギヤ180と、複数のシャフト195,185と、複数の回転刃190とが設けられている。
【0122】
各シャフト195には、回転刃190が取り付けられている。なお、
図21及び
図22の各々においては、一部の回転刃190のみが表現されており、一部の回転刃190は省略されている。実際にはシャフト195の長さ方向の略全体に渡って回転刃190が設けられている。モータ170の回転に起因して複数のギヤ180が回転し、複数のギヤ180の回転に起因して各シャフト195が回転する。各シャフト195の回転に伴って各回転刃190が回転することにより、シート材S1の細断が行なわれる。
【0123】
また、各シャフト195の回転に起因して複数のギヤ180が回転し、複数のギヤ180の回転に起因して各シャフト185が回転する。各シャフト185は不図示のゴムベルトに連結されており、各シャフト185が回転することによって一対のゴムベルト群が回転する。一対のゴムベルト群の一部は、シュレッダ本体400の上面に露出している。一対のゴムベルト群の回転によって、シュレッダ本体400の上面に配置された複数のシート材S1が本体主要部410の内部に巻き込まれる。本体主要部410の内部に巻き込まれたシート材S1が複数の回転刃190によって細断される。
【0124】
図23は、蓋部305の裏面を模式的に示す図である。
図24は、蓋部305の内側の構造物が本体主要部410に取り付けられた状態を模式的に示す図である。蓋部305は、蓋部本体306と、一対のヒンジ部320と、金属フレーム330と、一対の押圧部340とを含んでいる。
【0125】
蓋部本体306の形状は、平面視矩形状である。蓋部本体306は、例えば、樹脂製である。蓋部本体306の裏面の一端には一対のヒンジ部320が取り付けられており、蓋部305は一対のヒンジ部320を介して本体主要部410に取り付けられている。蓋部本体306の裏面の他端には、一対のラッチ部310が設けられている。蓋部305は、一対のラッチ部310が本体主要部410に係合することによって、本体主要部410に対して閉状態で固定される。
【0126】
蓋部本体306の裏面には、平面視ロの字状の金属フレーム330が固定されている。また、金属フレーム330はパイプ状である。すなわち、金属フレーム330の厚み方向の断面形状もロの字状である。一対の押圧部340は、シュレッダ本体400の上面に配置された複数のシート材S1を上方から下方へ向かって押圧するように構成されている。各押圧部340は、蓋部本体306及び金属フレーム330に固定されている。
【0127】
仮に、蓋部本体306内に金属フレーム330が設けられておらず、各押圧部340が蓋部本体306のみに固定されている場合を考える。この場合には、蓋部本体306の剛性が低いため、例えば、蓋部305をシュレッダ本体400に対して閉状態にしたときに蓋部本体306がねじれることがある。蓋部本体306がねじれると、シュレッダ本体400の上面に配置されたシート材S1に一対の押圧部340によって加えられる力の領域毎のばらつきが大きくなる。その結果、シート材S1の細断がスムーズに行なわれないという事態が生じ得る。
【0128】
シュレッダ100においては、蓋部本体306の内側にロの字状の金属フレーム330が固定されており、各押圧部340は蓋部本体306及び金属フレーム330に固定されている。ロの字状の金属フレーム330の剛性が高いため、蓋部305が閉状態となった場合に、蓋部本体306がねじれにくく、結果的に、一対の押圧部340によってシート材S1に加えられる力の領域毎のばらつきが小さくなる。その結果、シュレッダ100によれば、シート材S1の細断をスムーズに行なうことができる。
【0129】
図25は、シュレッダ100の前面の一部を含む斜視図である。
図25に示されるように、シュレッダ100のドア部420には、発光部425が設けられている。発光部425は、シュレッダ100の幅方向に延びている。発光部425の幅方向の長さは、例えば、シュレッダ100の幅方向の長さの50%以上であり、70%以上であることが好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。
【0130】
発光部425は、例えば、シュレッダ100の状態に応じて異なる色の光を発する。例えば、シュレッダ100がスタンバイ状態である場合には発光部425が青色の光を発し、シュレッダ100が動作中である場合には発光部425が緑色の光を発し、シュレッダ100においてエラー(ドア部420開状態、紙詰まり、細断屑満杯等)が発生している場合には発光部425が赤色の光を発する。
【0131】
シュレッダ100においては、発光部425が幅広であり、かつ、発光部425がシュレッダ100の前面に設けられている。したがって、シュレッダ100によれば、例えば、シュレッダ100の上面に小さい発光部が設けられているのみである場合と比較して、ユーザが遠くにいた場合であっても、シュレッダ100の状態をユーザに容易に認識させることができる。
【0132】
図26は、ドア部420の内部の一部を含む斜視図である。
図27は、ドア部420の内部の一部を含み、かつ、ドア部420の前面が省略された斜視図である。
図26及び
図27に示されるように、ドア部420は中空状であり、ドア部420の内側には空間A1が形成されている。ドア部420は、発光部425と、導光部445と、板部430,440と、複数のLED群435とを含んでいる。
【0133】
発光部425は、ドア部420の外部に露出している。発光部425は、例えば、透光性を有する樹脂等で構成されており、ドア部420の幅方向に延びている。発光部425の後方の空間には、導光部445が設けられている。
【0134】
導光部445は、例えば、LGP(Light Guiding Panel)で構成されており、発光部425と同様、ドア部420の幅方向に延びている。導光部445の長手方向の長さは、例えば、シュレッダ100の幅方向の長さの50%以上であり、70%以上であることが好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。導光部445の厚み方向の断面形状は、屈曲部を有する形状である。導光部445は、このような形状を有するため、下方のLED群435が発する光を前方の発光部425へ導く。すなわち、導光部445の厚み方向の断面形状は、下方から入射する光を前方に導く形状である。
【0135】
板部440は、導光部445の下方に設けられており、例えば、透明の部材で構成される。板部440の長手方向の長さは、例えば、シュレッダ100の幅方向の長さの50%以上であり、70%以上であることが好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。また、板部430は、板部440の下方に設けられている。板部430の長手方向の長さは、例えば、シュレッダ100の幅方向の長さの50%以上であり、70%以上であることが好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。
【0136】
板部430の上面には、複数のLED群435が設けられている。例えば、板部430の上面には、板部430の長手方向の一端から他端へ向けて所定間隔を空けて、複数のLED群435が配置されている。複数のLED群435の各々は、赤色LED435Aと、青色LED435Bと、緑色LED435Cとを含んでいる。なお、各LED群435に含まれるLEDの組合せはこれに限定されない。
【0137】
複数のLED群435の各々においては、互いに同期して同色のLEDが発光する。各LED群435の制御は、例えば、制御部110によって行なわれる。例えば、制御部110は、上述のように、シュレッダ100がスタンバイ状態である場合には各青色LED435Bを発光させる制御を行ない、シュレッダ100が動作中である場合には各緑色LED435Cを発光させる制御を行ない、シュレッダ100においてエラーが発生している場合には各赤色LED435Aを発光させる制御を行なう。LED群435によって上方に向けて発された光は、板部440及び導光部445を通過し発光部425からドア部420の外部に発される。これにより、発光部425の略全体が発光する。
【0138】
上述のように、シュレッダ100においては、発光部425が幅広であり、かつ、発光部425がシュレッダ100の前面に設けられている。したがって、シュレッダ100によれば、例えば、シュレッダ100の上面に小さい発光部が設けられているのみである場合と比較して、ユーザが遠くにいた場合であっても、シュレッダ100の状態をユーザに容易に認識させることができる。
【符号の説明】
【0139】
10 シュレッダ管理システム、100,100A,100B シュレッダ、110,110A,110B,210 制御部、115 タイマ、120,120A,120B,220 記憶部、121,121A,121B,221 制御プログラム、130,230 通信I/F、135 報知部、140 電源IC、150 電流センサ、160 温度センサ、165 センサ、170 モータ、180 ギヤ、185,195 シャフト、190 回転刃、200 サーバ、211 CPU、212 RAM、213 ROM、300 端末、305 蓋部、306 蓋部本体、310 ラッチ部、320 ヒンジ部、330 金属フレーム、340 押圧部、400 シュレッダ本体、410 本体主要部、420 ドア部、425 発光部、430,440 板部、435 LED群、435A 赤色LED、435B 青色LED、435C 緑色LED、445 導光部、A1 空間、D1 管理テーブル、H1 投入口、S1 シート材、W1,W2,W3 波形。