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特開2022-183092単線のLEDライトストリング及び照明装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183092
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】単線のLEDライトストリング及び照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 4/10 20160101AFI20221201BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20221201BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20221201BHJP
【FI】
F21S4/10
F21V23/00 160
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085270
(22)【出願日】2022-05-25
(31)【優先権主張番号】202110577412.1
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522207176
【氏名又は名称】珠海博傑電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhuhai Bojay Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1-4 Floor, Room 1, No.10 Futian Rd., Xiangzhou District Zhuhai, Guangdong 519000,China
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【弁理士】
【氏名又は名称】扇谷 一
(72)【発明者】
【氏名】單 西萬
(72)【発明者】
【氏名】楊 土秀
(72)【発明者】
【氏名】李 群林
(72)【発明者】
【氏名】艾 雲東
(72)【発明者】
【氏名】張 傑
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 景天
(72)【発明者】
【氏名】何 華
(72)【発明者】
【氏名】劉 ▲啓▼明
(72)【発明者】
【氏名】陳 ▲悦▼
(72)【発明者】
【氏名】▲閻▼ 肅
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】イベントや各場合ごとにフェスティバルの雰囲気を高めることができる単線のLEDライトストリング及び照明装置を提供する。
【解決手段】単線のLEDライトストリングは、複合導線コア11を含む1本の導線10であって、複合導線コアは、導線の軸方向に延びる少なくとも1つの第1の導体層111と、導線の軸方向に延びる少なくとも1つの第2の導体層112と、これらの間の絶縁層113とからなる、1本の導線と、導線の軸方向に沿って所定の間隔をおいて配列されるいくつかの電球であって、電球はいずれも少なくとも1つのチップLED発光部材21と、少なくとも1つのチップLED発光部材の表面に被覆された封止コロイド22とを含み、少なくとも1つのチップLED発光部材の正極211および負極212はそれぞれ、少なくとも1つの第1の導体層および少なくとも1つの第2の導体層に電気的に接続されている、いくつかの電球と、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合導線コアを含む1本の導線であって、前記複合導線コアは、前記導線の軸方向に延びる少なくとも1つの第1の導体層と、前記導線の軸方向に延びる少なくとも1つの第2の導体層と、これらの間の絶縁層とからなる、1本の導線と、
前記導線の軸方向に沿って所定の間隔をおいて配列されるいくつかの電球であって、前記電球はいずれも少なくとも1つのチップLED発光部材と、少なくとも1つの前記チップLED発光部材の表面に被覆された封止コロイドとを含み、少なくとも1つの前記チップLED発光部材の正極および負極はそれぞれ、少なくとも1つの前記第1の導体層および少なくとも1つの前記第2の導体層に電気的に接続されている、いくつかの電球と、を含む
ことを特徴とする単線のLEDライトストリング。
【請求項2】
少なくとも1つの前記第1の導体層と少なくとも1つの前記第2の導体層とは、前記導線の軸方向と直交する方向に配列されている
ことを特徴とする請求項1に記載の単線のLEDライトストリング。
【請求項3】
前記電球の少なくとも1つの前記チップLED発光部材は、前記複合導線コアの一側に位置し、またはそれぞれ前記複合導線コアが対向している両側に位置し、かつ同一の側の前記チップLED発光部材の正極および負極は、方向が同一または反対である、
ことを特徴とする請求項2に記載の単線のLEDライトストリング。
【請求項4】
少なくとも1つの前記第1の導体層と少なくとも1つの前記第2の導体層とは、前記導線の中心軸を中心として円周方向に配列されている
ことを特徴とする請求項1に記載の単線のLEDライトストリング。
【請求項5】
前記電球は二つ以上のチップLED発光部材を有し、二つ以上の前記チップLED発光部材は前記導線の中心軸を中心として円周方向に配列されている
ことを特徴とする請求項4に記載の単線のLEDライトストリング。
【請求項6】
少なくとも1つの前記第1の導体層と少なくとも1つの前記第2の導体層とは、前記導線の中心軸から、内側から外側に向かって同軸状に配列されている
ことを特徴とする請求項1に記載の単線のLEDライトストリング。
【請求項7】
前記導線の中心軸の一側又は両側で前記複合導線コアの前記電球に対応する部分が前記導線の軸方向に沿って切り出されることによって、前記第1の導体層、前記第2の導体層が露出して第1の溶接部及び第2の溶接部を形成し、前記チップLED発光部材の正極及び負極はそれぞれ前記第1の溶接部及び前記第2の溶接部に電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項6に記載の単線のLEDライトストリング。
【請求項8】
前記複合導線コアは、断面が円形、楕円形、多角形、または矩形である
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の単線のLEDライトストリング。
【請求項9】
前記チップLED発光部材の前記複合導線コアに対向する面に、前記複合導線コアの表面形状に合わせた凹部が設けられる
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の単線のLEDライトストリング。
【請求項10】
前記第1の導体層及び前記第2の導体層は、材質がCu、Al、Ag又はこれらの合金であり、または、前記絶縁層は、材料が非金属または金属酸化物である
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の単線のLEDライトストリング。
【請求項11】
前記導線は、前記複合導線コアの表面の一部または全部に被覆された絶縁シースをさらに含む
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の単線のLEDライトストリング。
【請求項12】
前記絶縁シースは、材質が絶縁塗料又は絶縁プラスチックである
ことを特徴とする請求項11に記載の単線のLEDライトストリング。
【請求項13】
前記チップLED発光部材は、LED、ICLED、またはHVLEDである
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の単線のLEDライトストリング。
【請求項14】
部分的透明又は全部透明又は半透明とするいくつかの装飾部材をさらに有し、いくつかの前記装飾部材は、いくつかの前記電球をそれぞれ外側から覆う
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の単線のLEDライトストリング。
【請求項15】
コントロールボックスと、請求項1から14のいずれか1項に記載の単線のLEDライトストリングとを備え、前記コントロールボックスの正極出力端および負極出力端はそれぞれ前記LEDライトストリングの前記第1の導体層および前記第2の導体層に電気的に接続されている
ことを特徴とする照明装置。
【請求項16】
前記コントロールボックスは、少なくとも1つの第1の接続線と、少なくとも1つの第2の接続線と、貫通孔とを備える接続回路基板を有し、前記貫通孔の内壁には、少なくとも1つの前記第1の接続線に接続される少なくとも1つの第1の導電部と、少なくとも1つの前記第2の接続線に接続される少なくとも1つの第2の導電部とが設置され、前記LEDライトストリングの前記導線の一端が前記貫通孔に挿入され、前記導線の少なくとも1つの前記第1の導体層および少なくとも1つの前記第2の導体層がそれぞれ少なくとも1つの前記第1の導電部および少なくとも1つの前記第2の導電部に溶接される
ことを特徴とする請求項15に記載の照明装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は照明の技術分野に関して、特に、単線のLEDライトストリング及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDライトは小型、低消費電力、長寿命、高輝度、低熱、環境保護などの利点を有するので、広く使用されている。LED技術の発展に伴い、LEDライトの多様化が進んでいる。LED製品であるLEDライトストリングとしてはクリスマスなどの各種フェスティバルのつきあう装飾だけでなく、家庭用装飾、都市照明、各種エンターテイメントなどにも使用されている。LEDライトは従来の白熱電球に比べて、多彩な色、色の多様な変化、エネルギー消費の低減などの利点がある。また、LEDライトで構成されて7色による色変化ライトは照明の役割を果たすだけでなく、その装飾効果により、イベントや各場合ごとにフェスティバルの雰囲気を高めることができる。
【0003】
従来のLEDライトストリングは一般的に、平行に配置された2本以上の導線と、導線の長手方向に沿ってある間隔を置いて導線に実装されたいくつかのチップLEDと、チップLEDを封止するための封止コロイドとからなり、2本以上の導線は独立したエナメル線や絶縁ゴムシースで接続されたゴムシース付き線である。LEDライトストリングは、体積が大きく、重量が重く、柔軟性が低く、導線やチップLEDのサイズによる制限により、表示パネルなどの微細な用途には適しない。この問題を解決するために、例えば、CN209926070U中国特許において、従来のLEDライトストリングは導線の直径及びチップLEDのサイズを縮小してLEDライトストリングの体積を縮小するが、LEDライトストリングの強度への要求を確保するためには導線の直径を縮小する範囲に限界があるので、LEDライトストリングの体積を縮小することは制限されている。また、従来のLEDライトストリングはコストが高い。
【発明の概要】
【0004】
上記従来技術に対し、本発明が解決しようとする技術的課題は、小型軽量で単線のLEDライトストリングを提供することである。本発明が解決しようとする他の技術的課題は、該単線のLEDライトストリングを用いた照明装置を提供することである。
【0005】
上記技術的課題を解決するために、本発明は複合導線コアを含む1本の導線であって、前記複合導線コアは、前記導線の軸方向に延びる少なくとも1つの第1の導体層と、前記導線の軸方向に延びる少なくとも1つの第2の導体層と、これらの間の絶縁層とからなる、1本の導線と、前記導線の軸方向に沿って所定の間隔をおいて配列されるいくつかの電球であって、前記電球はいずれも少なくとも1つのチップLED発光部材と、少なくとも1つの前記チップLED発光部材の表面に被覆された封止コロイドとを含み、少なくとも1つの前記チップLED発光部材の正極および負極はそれぞれ、少なくとも1つの前記第1の導体層および少なくとも1つの前記第2の導体層に電気的に接続されている、いくつかの電球と、を含む単線のLEDライトストリングを提供する。
【0006】
本発明は、単線のLEDライトストリングは、従来のエナメル線またはゴムシース付き線の代わりに複合導線を用いる。複合導線コアの導体層と絶縁層とは一体的に構成される。この複合導線コア11は従来のエナメル線やゴムシース付き線に比べて断面積が小さく軽量であり、LEDライトストリングのサイズや重量を低減させ、LEDライトストリングの品質の向上、LEDライトストリングの用途の拡大を図ることができる。
【0007】
一実施形態において、少なくとも1つの前記第1の導体層と少なくとも1つの前記第2の導体層とは、前記導線の軸方向と直交する方向に配列されている。
【0008】
一実施形態において、前記電球の少なくとも1つの前記チップLED発光部材は、前記複合導線コアの一側に位置し、またはそれぞれ前記複合導線コアが対向している両側に位置し、かつ同一の側の前記チップLED発光部材の正極および負極は、方向が同一または反対である。
【0009】
一実施形態において、少なくとも1つの前記第1の導体層と少なくとも1つの前記第2の導体層とは、前記導線の中心軸を中心として円周方向に配列されている。
【0010】
一実施形態において、前記電球は二つ以上のチップLED発光部材を有し、二つ以上の前記チップLED発光部材は前記導線の中心軸を中心として円周方向に配列されている。
【0011】
一実施形態において、少なくとも1つの前記第1の導体層と少なくとも1つの前記第2の導体層とは、前記導線の中心軸から、内側から外側に向かって同軸状に配列されている。
【0012】
一実施形態において、前記導線の中心軸の一側又は両側で前記複合導線コアの前記電球に対応する部分が前記導線の軸方向に沿って切り出されることによって、前記第1の導体層、前記第2の導体層が露出して第1の溶接部及び第2の溶接部を形成し、前記チップLED発光部材の正極及び負極はそれぞれ前記第1の溶接部及び前記第2の溶接部に電気的に接続されている。
【0013】
一実施形態において、前記複合導線コアは、断面が円形、楕円形、多角形、または矩形である。
【0014】
一実施形態において、前記チップLED発光部材の前記複合導線コアに対向する面に前記複合導線コアの表面形状に合わせた凹部が設けられる。
【0015】
一実施形態において、前記第1の導体層及び前記第2の導体層は、材質がCu、Al、Ag又はこれらの合金であり、または、前記絶縁層は、材料が非金属または金属酸化物である。
【0016】
一実施形態において、前記導線は、前記複合導線コアの表面の一部または全部に被覆された絶縁シースをさらに含む。
【0017】
一実施形態において、前記絶縁シースは、材質が絶縁塗料又は絶縁プラスチックである。
【0018】
一実施形態において、前記チップLED発光部材は、LED、ICLED、またはHVLEDである。
【0019】
一実施形態において、部分的透明又は全部透明又は半透明とするいくつかの装飾部材をさらに有し、いくつかの前記装飾部材は、いくつかの前記電球をそれぞれ外側から覆う。
【0020】
もう一つの一実施形態において、コントロールボックスと、前記の単線のLEDライトストリングとを備え、前記コントロールボックスの正極出力端および負極出力端はそれぞれ前記LEDライトストリングの前記第1の導体層および前記第2の導体層に電気的に接続されている。
【0021】
一実施形態において、前記コントロールボックスは、少なくとも1つの第1の接続線と、少なくとも1つの第2の接続線と、貫通孔とを備える接続回路基板を有し、前記貫通孔の内壁には、少なくとも1つの前記第1の接続線に接続される少なくとも1つの第1の導電部と、少なくとも1つの前記第2の接続線に接続される少なくとも1つの第2の導電部とが設置され、前記LEDライトストリングの前記導線の一端が前記貫通孔に挿入され、前記導線の少なくとも1つの前記第1の導体層および少なくとも1つの前記第2の導体層がそれぞれ少なくとも1つの前記第1の導電部および少なくとも1つの前記第2の導電部に溶接される。
【0022】
本発明は、付加技術的特徴及び利点が明細書の実施形態に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は本発明の第1の実施形態に係る単線のLEDライトストリングの軸側図である。
図2図2図1に示す単線のLEDライトストリングの正面図である。
図3図3図1のC-C線に沿った断面図である。
図4図4図1に示す単線のLEDライトストリングの回路原理図である。
図5図5は本発明の第2の実施形態に係る単線のLEDライトストリングの軸側図である。
図6図6は本発明の第3の実施形態に係る封止コロイドを省略した単線のLEDライトストリングの断面図である。
図7図7は本発明の第4の実施形態に係る封止コロイドを省略した単線のLEDライトストリングの断面図である。
図8図8は本発明の第5の実施形態に係る封止コロイドを省略した単線のLEDライトストリングの断面図である。
図9図9は本発明の第6の実施形態に係る封止コロイドを省略した単線のLEDライトストリングの断面図である。
図10図10は本発明の第7の実施形態に係る単線のLEDライトストリングの軸側図である。
図11図11は本発明の第7の実施形態に係る封止コロイドを省略した単線のLEDライトストリングの断面図である。
図12図12は本発明の第8の実施形態に係る封止コロイドを省略した単線のLEDライトストリングの断面図である。
図13図13は本発明の第9の実施形態に係る封止コロイドを省略した単線のLEDライトストリングの断面図である。
図14図14は本発明の第10の実施形態に係る封止コロイドを省略した単線のLEDライトストリングの断面図である。
図15図15図1に示す単線のLEDライトストリングを備える照明装置の概略構成図である。
図16図16はLEDライトストリングの導線とコントロールボックスとの接続を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は添付の図面を参照して、実施形態に関連して詳細に説明される。なお、互いに矛盾しない限り、本発明の以下の実施形態及び特徴は組み合わせることができる。
【0025】
本明細書では「前」、「後」、「上」、「下」のような位置語は、図中の部品が図面にあること、及び部品間の相対的な位置によって定義され、技術案を明確かつ便利に説明するために使用されるだけである。これらの位置語の使用は本発明の範囲を限定するものではないことが理解されている。
【0026】
図1は本発明の実施形態1に係る単線のLEDライトストリングの軸側図である。図2図1に示す単線のLEDライトストリングの正面図である。図3図1のC-C線に沿った断面図、図4図1に示す単線のLEDライトストリングの回路原理図である。図1-4に示すように、実施形態1において、単線のLEDライトストリングは1本の導線10と、導線10の軸方向に沿ってある間隔をおいて配置されたいくつかの電球20とを含む。
【0027】
導線10は中心軸Xを有し、複合導線コア11を含む。複合導線コア11は、中心軸Xに沿って延びる少なくとも1つの第1の導体層111と、中心軸Xに沿って延びる少なくとも1つの第2の導体層112と、それらの間の絶縁層113とを含む。第1の導体層111および第2の導体層112の材料はCu、Al、Agまたはこれらの合金であってもよい。絶縁層113の材料は非金属または金属酸化物であってもよい。金属酸化物はNi、Nb、Cr、Fe、Al、Zr、Ti、V、W、Mo、Cuの1種又は多種の金属元素の酸化物であってもよい。複合導線コア11は従来のエナメル線やゴムシース付き線に比べて、断面積が小さく、軽量であるので、LEDライトストリングのサイズ及び重量を大幅に低減し、LEDライトストリングの品質を向上させ、LEDライトストリングの用途を拡大することができる。
【0028】
本実施例において、少なくとも1つの第1の導体層111および少なくとも1つの第2の導体層112は中心軸Xに垂直な方向(すなわち、図3の矢印Aで示す方向)に配置されている。一例として、第1の導体層111、第2の導体層112、絶縁層113の数はそれぞれ1つである。絶縁層113の断面形状は「一」形状である。第1の導体層111および第2の導体層112の断面形状はそれぞれ略半円形状である。第1の導体層111と第2の導体層112とは絶縁層113を挟んで対向するように配置されることで、複合導線コア11の断面形状が円形となっている。無論、複合導線コア11の断面形状は楕円形、多角形、または矩形であってもよい。
【0029】
好ましくは、第1の導体層111および第2の導体層112が他の導電体と接触することによる漏電を防止するために、本実施例において、導線10は複合導線コア11の表面の一部または全部に被覆された絶縁シース12をさらに含む。絶縁シース12の材質は絶縁塗料または絶縁プラスチックであってもよい。なお、本実施例において、2つの導体層が絶縁層113によって互いに分離されているので、2つの導体層の間に短絡することがなく、漏電に対する要求が高くない場所では絶縁シース12を省略することができる。
【0030】
いくつかの電球20(一例として、本実施形態において、電球20の数は7個)が中心軸Xに沿って設定された間隔をおいて配置され、各電球20はいずれも少なくとも1つのチップLED発光部材21と、少なくとも1つのチップLED発光部材21の表面に被覆された封止コロイド22とを含む。少なくとも1つのチップLED発光部材21の正極211および負極212はそれぞれ、少なくとも1つの第1の導体層111および少なくとも1つの第2の導体層112に電気的に接続されている。本実施例において、各電球20はいずれも複合導線コア11の一方の側に位置する1つ以上のチップLED発光部材21を含む。チップLED発光部材21の正極211および負極212はそれぞれ第1の導体層111および第2の導体層112にレーザ溶接により電気的に接続されている。
【0031】
好ましくは、チップLED発光部材21の複合導線コア11に対向する面に複合導線コア11の表面形状に合わせた凹部213が設けられている。ことにより、チップLED発光部材21と複合導線コア11とを密着させることができ、電球の体積をより小さくすることができる。
【0032】
本実施例において、チップLED発光部材21はICLEDである。ICLEDは、ICを標準のLEDサイズ内に直接封止することにより、製造上では工程の難しさを低減し、体積上ではICを独立して外部に配置するために必要な追加スペースを省いて、カラー上では単一点でフルカラーを制御する能力を満たしている。ICLEDはキャリア信号処理モジュールを内蔵する。ICLEDの制御信号を伝送する方式は2つある。1つは、第1の導体層111と第2の導体層112に信号を伝送するための波形を搭載し、電力と信号が同一導線上で伝送されるようにすることである。もう一つは、絶縁層113として金属酸化物絶縁材料を用い、絶縁層113に信号を伝送するための波形を搭載する。チップLED発光部材21は白色LED、青色LED、フラッシュLED等の通常の単色LEDであってもよい。また、チップLED発光部材21はHVLED(高電圧LED)であってもよい。
【0033】
封止コロイド22はUV接着剤または通常の硬化接着剤である。封止コロイド22の断面の輪郭は円形、楕円形、正方形等とすることができる。
【0034】
好ましくは、単線のLEDライトストリングは、さらに、部分的透明または全部透明または半透明で、いくつかの前記電球を外側から覆ういくつかの装飾部材(図示せず)を含む。装飾部材は製品の見た目を高め、電球を保護することができる。装飾部材はLEDライトストリングとともに射出成形により直接一体成形されることができる。または、まずはLEDライトストリングを製造し、後はLEDライトストリングと複数の装飾部材を組み立てるようにしてもよい。
【0035】
図5は本発明の第2の実施形態に係る単線のLEDライトストリングの軸側図である。本実施例において、図5に示すように、各電球20はいずれも複合導線コア11の方向の同一側に位置する2つのチップLED発光部材21を有し、一方のチップLED発光部材21の正極211及び負極212の方向は他方のチップLED発光部材21のものと逆である。このように、順方向に通電された場合(すなわち、第1の導体層111が電源の正極に接続され、第2の導体層112が電源の負極に接続された場合)、左側に位置するチップLED発光部材21は発光するが、右側に位置するチップLED発光部材21は発光しない。逆方向に通電された場合(すなわち、第1の導体層111が電源の負極に接続され、第2の導体層112が電源の正極に接続された場合)、右側に位置するチップLED発光部材21は発光するが、左側に位置するチップLED発光部材21は発光しない。極性に不敏感な効果が得られ、使用が容易になる。
【0036】
図6は本発明の第3の実施形態に係る封止コロイド22を省略した単線のLEDライトストリングの断面図である。図6に示すように、本実施例において、各電球20はいずれも複合導線コア11の両側に位置する2つのチップLED発光部材21を有している。これにより、LEDの発光面積を大きくすることができ、電球20の輝度を高くすることができ、導線の利用率も向上させることができる。本実施例において、各電球20において、2つのチップLED発光部材21の極性がそれぞれ同一である。すなわち、2つのチップLED発光部材21の正極211はいずれも第1の導体層111に電気的に接続され、2つのチップLED発光部材21の負極212はいずれも第2の導体層112に電気的に接続されている。あるいは、各電球20において、2つのチップLED発光部材21の極性を逆にしてもよい。すなわち、一つのチップLED発光部材21の正極211は第1の導体層111に電気的に接続され、負極212は第2の導体層112に電気的に接続され、もう一つのチップLED発光部材21の正極211は第2の導体層112に電気的に接続され、負極212は第1の導体層111に電気的に接続されている。
【0037】
図7は本発明の第4の実施形態に係る封止コロイド22を省略した単線のLEDライトストリングの断面図である。図7に示すように、本実施例において、複合導線コア11の断面は矩形である。複合導線コア11は1つの第1の導体層111と、2つの第2の導体層112と、これらの間の絶縁層113とを含む。1つの第1の導体層111および2つの第2の導体層112は中心軸Xに垂直な方向(図7の矢印Bで示す方向)に配列されている。各電球20は2つのチップLED発光部材21を含み、2つのチップLED発光部材21の正極211(または負極212)は第1の導体層111にそれぞれ電気的に接続され、2つのチップLED発光部材21の負極212(または正極211)は2つの第2の導体層112にそれぞれ電気的に接続されている。また、2つのチップLED発光部材21の色を異ならせてもよい。
【0038】
図8は本発明の第5の実施形態に係る封止コロイド22を省略した単線のLEDライトストリングの断面図である。図5に示すように、本実施例において、単線のLEDライトストリングの構造は、少なくとも1つの第1の導体層111と少なくとも1つの第2の導体層112とが中心軸Xを中心とする円周方向に沿って配列されていることを除いて、第3実施形態のLEDライトストリングの構造と略同一である。一例として、複合導線コア11の断面が円形であり、第1の導体層111および第2の導体層112の数は2本であり、第1の導体層111及び第2の導体層112の断面は共に90度の扇形であり、絶縁層113の断面は「十」字形である。各電球20の各々は、中心軸Xを中心として円周方向に沿って配列された2つのチップLED発光部材21を有する。一方のチップLED発光部材21の正極211および負極212は一方の第1の導体層111および一方の第1の導体層111にそれぞれ溶接され、他方のチップLED発光部材21の正極211および負極212は他方の第1の導体層111および他方の第1の導体層111にそれぞれ溶接されている。第2の実施形態と比較して、本実施例で同径の場合には、LEDライトストリングは電球20における2つのチップLED発光部材21を独立して制御することができる。
【0039】
図9は本発明の第6の実施形態に係る封止コロイド22を省略した単線のLEDライトストリングの断面図である。図9に示すように、以下のことを除いて、本実施例で単線のLEDライトストリングの構造は第5実施形態のLEDライトストリングの構造とほぼ同じである。すなわち、2つのチップLED発光部材21の正極211と負極212の極性がそれぞれ逆であり、順方向に通電されると、第1のチップLED発光部材21は発光するが、第2のチップLED発光部材21は発光しなく、逆方向に通電されると、第2のチップLED発光部材21は発光するが、第1のチップLED発光部材21は発光しないので、極性に不敏感な効果が得られる。
【0040】
図10は本発明の第7の実施形態に係る単線のLEDライトストリングの軸側図である。図11は封止コロイド22を省略した単線のLEDライトストリングの断面図である。図10、11に示すように、本実施例で単線のLEDライトストリングの構造は、第1の導電体層111と第2の導電体層112とが中心軸Xから、内側から外側に向かって同軸上に配列されていることを除いて、第1の実施形態におけるLEDライトストリングの構造とほぼ同じである。中心軸Xの一側または両側で複合導線コア11の電球20に対応する部分が中心軸Xに沿って切り出されることによって、第1の導体層111、第2の導体層112が露出して第1の溶接部114および第2の溶接部115を形成する。チップLED発光部材21の正極211及び負極212はそれぞれ第1の溶接部114及び第2の溶接部115に電気的に接続されている。本実施例において、第1の導体層111、第2の導体層112および絶縁層113の数はそれぞれ1つである。第1の導体層111は中央に位置し、絶縁層113及び第2の導体層112は第1の導体層111上に順次に被覆されている。中心軸Xの一側で複合導線コア11の電球20の位置に対応する部分が中心軸Xに沿って切り出されることによって、第1の導体層111、第2の導体層112が露出して第1の溶接部114および第2の溶接部115を形成する。電球20は一つのチップLED発光部材21を備える。チップLED発光部材1の正極211および負極212はそれぞれ第1の溶接部114および第2の溶接部115に溶接されている。
【0041】
図12は本発明の第8の実施形態に係る封止コロイド22を省略した単線のLEDライトストリングの断面図である。図12に示すように、本実施例で単線のLEDライトストリングの構造は以下のことを除いて、第7の実施形態のLEDライトストリングの構造とほぼ同じである。すなわち、本実施例において、第1の導体層111と絶縁層113の数がいずれも2つであり、第2の導体層112の数が1つであり、中心軸Xの両側で複合導線コア11の電球20に対応する部分は中心軸Xに沿って切り出されることによって、第1の導体層111、第2の導体層112が露出さして第1の溶接部114及び第2の溶接部115を形成し、電球20は複合導線コア11の両側に位置する2つのチップLED発光部材21を有し、1つのチップLED発光部材21の正極211は中間の第1の導体層111の第1の溶接部114に電気的に接続され、該チップLED発光部材21の負極212は第2の導体層112の第2の溶接部115に電気的に接続され、もう一つのチップLED発光部材21の正極211は外側の第1の導体層111の第1の溶着部114に電気的に接続され、該チップLED発光部材21の負極212は第2の導体層112の第2の溶着部115に電気的に接続されている。
【0042】
図13は本発明の第9の実施形態に係る封止コロイド22を省略した単線のLEDライトストリングの断面図である。図示のように、本実施例で単線のLEDライトストリングの構造は、複合導線コア11の断面が矩形であることを除いて、第7の実施形態のLEDライトストリングの構造とほぼ同じである。
【0043】
図14は本発明の第10の実施形態に係る封止コロイド22を省略した単線のLEDライトストリングの断面図である。図示のように、本実施例で単線のLEDライトストリングの構造は、複合導線コア11の断面が矩形であることを除いて、第の8実施形態のLEDライトストリングの構造とほぼ同じである。
【0044】
本発明の他の一実施形態において、照明装置が提供される。図15に示すように、照明装置はコントロールボックス30と、上記第1から第9の実施例での単線のLEDライトストリングとを備える。コントロールボックス30の出力端はLEDライトストリングの第1の導体層111および第2の導体層112にそれぞれ接続される。コントロールボックス30はLEDライトストリングに駆動電圧及び制御信号を供給する。
【0045】
好ましくは、図16に示すように、コントロールボックス30は、少なくとも1つの第1の接続線(図示せず)と、少なくとも1つの第2の接続線(図示せず)と、貫通穴311とを備えた接続回路基板31を含む。貫通穴311の形状は導線の断面形状と合わせている。貫通孔311の内壁には、少なくとも1つの第1の接続線に導通する少なくとも1つの第1の導電部312と、少なくとも1つの第2の接続線に導通する少なくとも1つの第2の導電部313とが設けられている。LEDライトストリングの導線の一端は貫通孔311に挿入され、導線の少なくとも1つの第1の導体層111および少なくとも1つの第2の導体層112はそれぞれ、少なくとも1つの第1の導電部312および少なくとも1つの第2の導電部313に溶接される。このようにLEDライトストリングとコントロールボックス30との接続により、構造が簡単で、コストが低く、組立効率が高いとの利点がある。
【0046】
上記実施例は本発明のいくつかの実施形態に過ぎず、その説明が比較的に具体的かつ詳細であるが、本発明の範囲を限定するものと解釈するものではない。本発明の概念を逸脱することなく種々の変更や改良を行うことができ、かつ、すべて本発明の保護範囲内であることは当業者が理解するべきである。
【0047】
図面番号の説明
10、導線 11、複合導線コア 111、第1の導体層 112、第2の導体層 113、絶縁層 114、第1の溶接部 115、第2の溶接部 12、絶縁シース 20、電球 21、チップLED発光部材 211、正極 212、負極 213、凹部 22、封止コロイド 30、コントロールボックス 31、接続回路基板 311、貫通穴 312、第1の導電部 313、第2の導電部


図1
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