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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183097
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】極低温容器
(51)【国際特許分類】
   F16J 13/00 20060101AFI20221201BHJP
   F17C 13/04 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
F16J13/00
F17C13/04 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022085645
(22)【出願日】2022-05-26
(31)【優先権主張番号】2105512
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】521565475
【氏名又は名称】クライオラー
【氏名又は名称原語表記】CRYOLOR
【住所又は居所原語表記】Pole Industriel d’Ennery 57640 ARGANCY FRANCE
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】リュシアン・バラシ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・カドー
(72)【発明者】
【氏名】バンサン・エンベール
【テーマコード(参考)】
3E172
3J046
【Fターム(参考)】
3E172AA03
3E172AA06
3E172BA06
3E172BB03
3E172BB12
3E172BB17
3E172BD04
3E172DA04
3E172JA05
3J046AA07
3J046AA09
3J046AA12
3J046BB10
3J046BC15
3J046BD02
3J046DA10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】据置き型タンクの外装又は移動可能なセミトレーラの外装を壁間空間における過圧から保護する。
【解決手段】極低温容器1は、貯蔵容積を画定する内壁2と、内壁の周囲に真空断熱壁間空間4を有して配設された外壁3と、を備え、外壁には、壁間空間における過剰圧力を排出するように構成された過圧弁5を設ける。過圧弁は、開口部内部に位置するガイドシステムを介して、その第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり且つ垂直方向にガイドされ、キャップが、壁間空間における決定された閾値より大きい過圧によって第2の位置に向かって移動され、決定された閾値より大きい過圧が停止すると、重力によって第1の位置に向かって戻るように構成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温容器(1)、特に極低温流体貯蔵用タンクであって、貯蔵容積を画定する内壁(2)と、前記内壁(2)の周囲に真空断熱壁間空間(4)を有して配設された外壁(3)と、を備え、
前記外壁(3)には、前記壁間空間(4)における過剰圧力を排出するように構成された過圧弁(5)が設けられており、
前記過圧弁(5)は、前記壁間空間(4)と連通する開口部(7)に対して、前記開口部(7)を閉じる第1の位置と前記開口部(7)を開く第2の位置との間で移動可能であるように取り付けられたキャップ(6)を備え、
前記キャップ(6)は、前記開口部(7)内部に位置するガイドシステム(9、10)を介して、その第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり且つ垂直方向にガイドされ、
前記キャップ(6)は、前記壁間空間(4)における決定された閾値より大きい過圧によって前記第2の位置に向かって移動され、前記決定された閾値より大きい前記過圧が停止すると、重力によって前記第1の位置に向かって戻るように構成されている、極低温容器(1)において、
前記ガイドシステム(9、10)が、前記キャップ(6)に固定されたシャフト(10)と、前記開口部(7)内に取り付けられた、前記シャフト(10)のガイド(9)と、を備えることを特徴とする、極低温容器。
【請求項2】
前記キャップ(6)及び/又は前記開口部(7)が、前記開口部(7)がその第1の位置において緊密に閉じられることを確実にするシール等の密封部材(8)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の極低温容器。
【請求項3】
前記密封部材(8)が、前記開口部を画定する壁と、その第1の位置における前記キャップ(6)との間で圧縮されることを特徴とする、請求項2に記載の極低温容器。
【請求項4】
前記シャフト(10)の前記ガイド(9)が、摺動式に前記シャフト(10)を受容する管状部を備え、前記シャフト(10)の前記ガイド(9)が、前記開口部(7)を画定する壁に締結された一組の支持アーム(11)を介して前記開口部内に保持されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の極低温容器。
【請求項5】
前記シャフト(10)の前記ガイド(9)が、前記シャフト(10)の横断寸法の少なくとも2倍に等しい垂直方向の長さに沿って前記シャフト(10)をガイドすることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の極低温容器。
【請求項6】
前記シャフト(10)が、前記シャフト(10)の底部垂直位置を制限する停止部を形成する横断ブロッキング部材(14)を備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の極低温容器。
【請求項7】
前記キャップ(6)及び/又は前記ガイドシステム(9、10)が、前記キャップ(6)を重力によって前記第1の位置に向かって付勢するために、フライウエイト(12)を備えることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の極低温容器。
【請求項8】
前記フライウエイト(12)が、前記シャフト(10)に固定されていることを特徴とする、請求項7に記載の極低温容器。
【請求項9】
前記フライウエイト(12)が、前記シャフト(10)の下端部に位置しており、前記キャップ(6)の頂部垂直位置を制限する停止部を形成していることを特徴とする、請求項8に記載の極低温容器。
【請求項10】
前記開口部(7)が、前記外壁(3)に接続された管状壁部分(13)によって画定されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の極低温容器。
【請求項11】
前記管状壁部分(13)が、垂直であり、ベンドを介して前記外壁(3)の側面に接続されていることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の極低温容器。
【請求項12】
前記垂直な管状壁部分(13)の末端部が、前記外壁(3)の上端部と同じ高さ又はそれより下に位置することを特徴とする、請求項11に記載の極低温容器。
【請求項13】
極低温容器(1)が極低温流体貯蔵用タンクであり、前記内壁(2)が、前記極低温流体についての貯蔵容積を画定していることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の極低温容器。
【請求項14】
極低温容器(1)が極低温コンポーネントを収容する極低温設備のコールドボックスであることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の極低温容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極低温容器に関し、特に極低温流体貯蔵用タンクに関する。
【0002】
本発明は、より詳細には、極低温容器、特に極低温流体貯蔵用タンクであって、貯蔵容積を画定する内壁と、内壁の周囲に真空断熱壁間空間を有して配設された外壁と、を備え、外壁には、壁間空間における過剰圧力を排出するように構成された過圧弁が設けられており、過圧弁は、壁間空間と連通する開口部に対して、開口部を閉じる第1の位置と開口部を開く第2の位置との間で移動可能であるように取り付けられたキャップを備える、極低温容器に関する。
【0003】
本発明は、特に、(据置き型又は移動可能な)任意の極低温容器又は極低温装置用の過圧弁に関し、特に、可燃性の極低温液体(特に水素)を貯蔵するためのタンク用の過圧弁に関する。
【背景技術】
【0004】
本発明は、特に、据置き型タンクの外装(壁)又は移動可能なセミトレーラの外装(壁)を、(内部タンクを形成する内壁と、外装を形成する壁との間の)壁間空間における過圧から保護することを可能にする。
【0005】
具体的には、障害(fault)や壁間空間における過圧の場合、この過圧を排出し、次いで、再び真空にするときに、周囲空気をポンピングすること回避することが可能である必要がある。
【0006】
特に、可燃性液体の漏洩の場合に、爆発性ガス体積(explosive gas volume)を発生させることを回避することが重要である。
【0007】
しかしながら、既知の過圧弁(一般に「真空栓」と呼ばれる)は、概して扱いにくく、高価で不満足なものである。特に、それらの自動開閉機構は、大型であり、及び/又はあまり信頼できない。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、先行技術の上記に示した欠点のうちの全て又はいくつかを克服することである。
【0009】
この目的のために、さもなければ上記序文で与えられたその包括的定義に従う、本発明による容器は、本質的に、キャップが、開口部内部に位置するガイドシステムを介して、その第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり且つ垂直方向にガイドされること、及び、キャップが、壁間空間における決定された閾値より大きい過圧によって第2の位置に向かって移動され、前述の決定された閾値より大きい過圧が停止すると、重力によって第1の位置に向かって戻るように構成されていること、を特徴とする。
【0010】
更に、本発明の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を備え得る:
- キャップ及び/又は開口部は、開口部がその第1の位置において緊密に閉じられることを確実にするシール等の密封部材を備える、
- 密封部材は、開口部を画定する壁と、その第1の位置におけるキャップとの間で圧縮される、
- ガイドシステムは、キャップに固定されたシャフトと、開口部内に固定式に取り付けられた、シャフトのガイドと、を備える、
- シャフトのガイドは、摺動式にシャフトを受容する管状部を備え、シャフトの前述のガイドは、開口部を画定する壁に締結された一組の支持アームを介して開口部内に保持されている、
- シャフトのガイドは、シャフトの横断寸法の少なくとも2倍に等しい垂直方向の長さに沿ってシャフトをガイドする、
- シャフトは、シャフトの底部垂直位置を制限する停止部を形成する横断ブロッキング部材(transverse blocking member)を備える、
- キャップ及び/又はガイドシステムは、キャップを重力によって第1の位置に向かって付勢するために、フライウエイト(flyweight)を備える、
- フライウエイトは、シャフトに固定されている、
- フライウエイトは、シャフトの下端部に位置しており、キャップの頂部垂直位置を制限する停止部を形成している、
- 開口部は、外壁に接続された管状壁部分によって画定されている、
- 管状壁部分は、垂直であり、ベンドを介して外壁の側面(flank)に接続されている、
- 垂直な管状壁部分の末端部は、外壁の上端部と同じ高さ又はそれより下に位置する、
- 装置は、極低温流体貯蔵用タンクであり、内壁は、流体についての貯蔵容積を画定している、
- 装置は、極低温コンポーネントを収容する極低温設備のコールドボックスである。
【0011】
本発明はまた、特許請求の範囲内の上記又は下記の特徴の任意の組合せを備える任意の代替の装置又は方法に関連し得る。
【0012】
他の特定の特徴及び利点は、図面を参照して与えられる以下の説明を読むことで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明を実装する容器の一例を例示する垂直方向及び長手方向の断面における概略的且つ部分的な図を表す。
図2図2は、図1の容器の過圧弁の詳細の垂直断面における概略的且つ部分的な図を表す。
図3図3は、弁の詳細の概略的、部分的、且つ透過的な斜視図を表す。
図4図4は、前述の過圧弁の半断面の概略的且つ部分的な斜視図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、極低温流体貯蔵用タンクで構成される極低温容器を表す。このタンクは、流体についての貯蔵容積を画定する、例えば円筒形状の概形の内壁又は内装2と、内壁2の周囲に真空断熱壁間空間4を有して配設された外壁3と、を備える。
【0015】
タンクは、従来、弁/複数の弁が設けられた回路を備え、これは、簡潔さのために詳細には説明されない。
【0016】
外壁3は、障害の場合に、壁間空間4における過剰圧力を排出するように構成された過圧弁5によって閉じられる開口部7を備える。開口部7は、例えば、外壁3に接続された管状壁部分13によって画定されている。
【0017】
例示されるように、過圧弁5は、管状壁部分13の末端部において形成され得、管状壁部分13は、使用構成において垂直であり、例えば、ベンドを介して、外壁3の側面に接続されている。
【0018】
過圧弁5は、例えば円板状のキャップ6を備え、これは、壁間空間4と連通する円形開口部7に対して移動可能であるように取り付けられている。
【0019】
キャップ6は、開口部7を閉じる第1の位置と開口部7を開く第2の位置との間で移動可能である。
【0020】
より正確には、キャップ6は、開口部7(又は管状部分13)内部に位置するガイドシステム9、10を介して、その第1の位置と第2の位置との間で移動可能であるように取り付けられ且つ垂直方向にガイドされる。
【0021】
キャップ6は、壁間空間4における決定された閾値より大きい過圧によって第2の位置に向かって自由に移動されるように構成されている。即ち、壁間空間における圧力が、決定された閾値を超えると、この圧力は、開口部7を開くために、キャップを持ち上げる。
【0022】
同様に、この過圧が停止すると、キャップ6は、重力によって第1の位置に向かって自動的に戻る。
【0023】
Oリングシール等の密封部材8が、開口部7が緊密に閉じられることを確実にするように、開口部7の縁部において設けられ得る。したがって、シール8は、キャップ6がその第1の位置にあるときに圧縮され、真空作用下で封止(closure)を生じる。
【0024】
例示される例では、ガイドシステムは、キャップ6に固定されたシャフト10と、開口部7内に取り付けられた、シャフト10のガイド9と、を備える。ガイド9は、好ましくは、開口部に固定されている。例えば、シャフト10の上端部が、キャップ6に螺嵌されている。
【0025】
シャフトのガイド9は、垂直摺動式にシャフト10を受容する管状部を備え得る。このガイド9は、例えば、開口部7を画定する壁に締結された一組の支持アーム11を介して、開口部7内に(好ましくは、管状部分13の中心に置かれて)保持されている。図3に例示される例では、例えば、ガイドの周囲に120度で分布した3つの支持アーム11が設けられている。アームの一端は、ガイド9に溶接され得、アーム11の他端は、管状部分13の内壁に溶接され得る。
【0026】
シャフト10は、例えば、ディスク状の断面を有する円筒形状である。ガイド9は、好ましくは、シャフト10の横断寸法(直径)の少なくとも2倍に等しい垂直方向の長さに沿ってシャフト10をガイドするように寸法決めされている。
【0027】
好ましくは、キャップ6を閉じることに寄与するように、フライウエイト12が設けられている。フライウエイト12は、好ましくは、シャフト10の下側の第2の端部の高さで位置する。フライウエイト12及び/又はシャフトは、キャップ6の頂部位置を制限し、オリフィス及び容器からのその離脱を阻止するように、ガイド9(又は同様のもの)に当接する突出部を形成し得る。
【0028】
図4に例示されるように、シャフト10は、シャフト10の底部垂直位置を制限する停止部を形成する横断ブロッキング部材14を備え得る。シャフト10を貫通して取り付けられた(好ましくは弾性のある)ピンを備え得るこのブロッキング部材14は、キャップ6が外れた場合に、シャフト10が壁間空間4へと落下することを阻止する。その他任意の横断ブロッキング部材が想定され得る。
【0029】
したがって、カバー6のガイド、戻し、及び取付け機構は、オリフィス7内に完全に統合され得る。
【0030】
図1に例示されるように、特に、移動可能な極低温水平タンク(セミトレーラ又は同様のもの)の場合、垂直な管状壁部分13の末端部は、外壁3の上端部と同じ高さ又はそれより下に位置する。
【0031】
当然ながら、本発明は、他の容器、特に、極低温(例えば液化)設備のコールドボックスにも適用され得る。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】