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特開2022-183102イメージ信号プロセッサを含むイメージセンサ及びその動作方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183102
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】イメージ信号プロセッサを含むイメージセンサ及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/374 20110101AFI20221201BHJP
   H04N 5/378 20110101ALI20221201BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20221201BHJP
   H04N 5/243 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
H04N5/374
H04N5/378
H04N5/232 290
H04N5/243
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085799
(22)【出願日】2022-05-26
(31)【優先権主張番号】10-2021-0069530
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0120528
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】龍 殷 智
(72)【発明者】
【氏名】金 建 東
(72)【発明者】
【氏名】金 嬉 信
(72)【発明者】
【氏名】朴 基 哲
(72)【発明者】
【氏名】宋 東 ヨン
(72)【発明者】
【氏名】李 尚 遇
【テーマコード(参考)】
5C024
5C122
【Fターム(参考)】
5C024CX03
5C024CX21
5C024CY38
5C024EX52
5C024GY01
5C024GY31
5C024HX04
5C024HX17
5C024HX23
5C122EA22
5C122FA18
5C122FB11
5C122FH23
5C122HA82
5C122HA88
5C122HB01
5C122HB06
5C122HB09
5C122HB10
(57)【要約】
【課題】イメージ信号プロセッサを含むイメージセンサ及びその動作方法を提供する。
【解決手段】本発明のイメージセンサは、受信される光信号を電気的信号に変換するピクセルアレイと、電気的信号をアナログ・デジタル変換してイメージデータを生成するリードアウト回路と、イメージデータに対して第1方向及び第1方向とは異なる第2方向にそれぞれ一次元フィルタリングを行ってイメージデータのノイズを除去するイメージ信号プロセッサと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信される光信号を電気的信号に変換するピクセルアレイと、
前記電気的信号をアナログ・デジタル変換してイメージデータを生成するリードアウト回路と、
前記イメージデータに対して第1方向及び前記第1方向とは異なる第2方向にそれぞれ一次元フィルタリングを行って前記イメージデータのノイズを除去するイメージ信号プロセッサと、を備えることを特徴とするイメージセンサ。
【請求項2】
前記イメージ信号プロセッサは、前記第1方向又は前記第2方向に配された複数の同一色相のピクセルに一次元ガウシアンフィルタを適用することにより、前記一次元フィルタリングを行うことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記イメージ信号プロセッサは、M×M行列に配されたM個のピクセルを含むピクセルグループ単位で前記一次元フィルタリングを行い、前記M個のピクセルのそれぞれに対応するM個の一次元ガウシアンフィルタを基に、前記M個のピクセルのそれぞれに対して前記一次元フィルタリングを行うことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記一次元ガウシアンフィルタは、ガウシアン分布を有する複数の係数を含み、前記複数の係数のうちのフィルタリング対象ピクセルに適用される第1係数の値が最大であることを特徴とする請求項2に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記イメージ信号プロセッサは、ゲイン値を基に前記一次元ガウシアンフィルタの強度を調整し、前記一次元ガウシアンフィルタの強度が増大するほど前記一次元ガウシアンフィルタに含まれる複数の係数のうちのフィルタリング対象ピクセルに適用される第1係数の値が低減することを特徴とする請求項2に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
周辺照度が低いほど前記ゲイン値が増大して前記一次元ガウシアンフィルタの強度が上昇することを特徴とする請求項5に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記イメージ信号プロセッサは、
前記イメージデータに含まれるバッドピクセルのピクセル値を校正するバッドピクセル校正ロジックと、
複数の一次元フィルタを基に前記イメージデータに対して前記第1方向及び前記第2方向に前記一次元フィルタリングを行って前記イメージデータのノイズを除去するノイズ低減ロジックと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
前記ノイズ低減ロジックは、
前記イメージデータに対して第1フィルタを基に前記第1方向に一次元フィルタリングを行う第1フィルタリングモジュールと、
前記第1方向に一次元フィルタリングが行われたイメージデータに対して第2フィルタを基に前記第2方向に一次元フィルタリングを行う第2フィルタリングモジュールと、を含み、
前記第1方向は、前記イメージデータの水平方向及び垂直方向のうちの一つであり、前記第2方向は、前記イメージデータの水平方向及び垂直方向のうちの他の一つであることを特徴とする請求項7に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
前記ノイズ低減ロジックは、前記バッドピクセル校正ロジックからピクセルがエッジ領域に該当するか否かを示す方向性情報を受信し、前記方向性情報を基に前記ピクセルに対して前記第1方向への一次元フィルタリングの遂行又は前記第2方向への一次元フィルタリングの遂行をスキップするか否かを決定することを特徴とする請求項7に記載のイメージセンサ。
【請求項10】
前記イメージ信号プロセッサは、前記イメージデータのパターンをベイヤーパターンに変換するリモザイクロジックを更に含むことを特徴とする請求項7に記載のイメージセンサ。
【請求項11】
受信される光信号を電気的信号に変換するピクセルアレイと、
前記電気的信号をアナログ・デジタル変換してイメージデータを生成するリードアウト回路と、
一次元ガウシアンフィルタセットを基に前記イメージデータに対して複数の方向に連続して一次元フィルタリングを行うノイズ低減ロジックと、を備えることを特徴とするイメージセンサ。
【請求項12】
前記ノイズ低減ロジックは、前記イメージデータに対して第1方向に一次元フィルタリングを行った後第2方向に一次元フィルタリングを行い、
前記第1方向は、前記イメージデータの水平方向であり、前記第2方向は、前記イメージデータの垂直方向であることを特徴とする請求項11に記載のイメージセンサ。
【請求項13】
前記ノイズ低減ロジックは、前記一次元ガウシアンフィルタセットに具備されるM個の一次元ガウシアンフィルタを基に、M×M行列に配されたM個のピクセルを含むピクセルグループ単位で前記イメージデータに対して前記一次元フィルタリングを行うことを特徴とする請求項11に記載のイメージセンサ。
【請求項14】
前記ノイズ低減ロジックは、基準係数値及びゲイン値のそれぞれに対して設定された加重値を基に設定された第1ゲインに対して、前記M個の一次元ガウシアンフィルタのそれぞれに具備される複数の係数の係数値を算出することを特徴とする請求項13に記載のイメージセンサ。
【請求項15】
前記ノイズ低減ロジックは、前記イメージデータに対してバッドピクセル校正を行うバッドピクセル校正ロジックを更に含むことを特徴とする請求項11に記載のイメージセンサ。
【請求項16】
信号処理プロセッサを含むイメージセンサの動作方法であって、
ピクセルアレイに受信された光信号を基にイメージデータを生成する段階と、
前記信号処理プロセッサが、前記イメージデータに対して第1ガウシアンフィルタを基に第1方向への一次元フィルタリングを行う段階と、
前記信号処理プロセッサが、前記イメージデータに対して第2ガウシアンフィルタを基に前記第1方向とは異なる第2方向への一次元フィルタリングを行う段階と、を有することを特徴とするイメージセンサの動作方法。
【請求項17】
前記信号処理プロセッサが、前記イメージデータに対してバッドピクセル校正を行う段階を更に含むことを特徴とする請求項16に記載のイメージセンサの動作方法。
【請求項18】
前記信号処理プロセッサが、前記バッドピクセル校正を行う段階で生成されたピクセルの方向性情報を基に前記第1方向への一次元フィルタリング及び/又は前記第2方向への一次元フィルタリングの遂行をスキップするか否かを決定することを特徴とする請求項17に記載のイメージセンサの動作方法。
【請求項19】
前記信号処理プロセッサが、ゲイン値を基に前記第1ガウシアンフィルタ及び前記第2ガウシアンフィルタのそれぞれに具備される複数の係数値を設定する段階を更に含むことを特徴とする請求項16に記載のイメージセンサの動作方法。
【請求項20】
前記第1方向への一次元フィルタリングが行われる前に、前記イメージデータをベイヤーパターンのイメージデータに変換するリモザイク処理を行う段階を更に含むことを特徴とする請求項16に記載のイメージセンサの動作方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージ信号処理に関し、より詳細には、一次元フィルタリングを行うイメージ信号プロセッサを含むイメージセンサ及びその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサは、対象物(object)の二次元的又は三次元的なイメージをキャプチャする装置である。イメージセンサは、対象物から反射される光の強度によって反応する光電変換素子を利用して対象物のイメージを生成する。最近、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)技術が発展し、CMOSを利用したCMOSイメージセンサが広く使用されている。イメージセンサが多様な装置に搭載されることにより解像度及び画質の上昇が要求され、それにより、イメージセンサに具備されるピクセルアレイのピクセルサイズは、小さくなりながらも画質が上昇したイメージセンサが要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-52396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、イメージデータのノイズを除去するイメージセンサ及びその動作方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるイメージセンサは、受信される光信号を電気的信号に変換するピクセルアレイと、前記電気的信号をアナログ・デジタル変換してイメージデータを生成するリードアウト回路と、前記イメージデータに対して第1方向及び前記第1方向とは異なる第2方向にそれぞれ一次元フィルタリングを行って前記イメージデータのノイズを除去するイメージ信号プロセッサと、を備える。
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様によるイメージセンサは、受信される光信号を電気的信号に変換するピクセルアレイと、前記電気的信号をアナログ・デジタル変換してイメージデータを生成するリードアウト回路と、一次元ガウシアンフィルタセットを基に前記イメージデータに対して複数の方向に連続して一次元フィルタリングを行うノイズ低減ロジックと、を備える。
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による信号処理プロセッサを含むイメージセンサの動作方法は、ピクセルアレイに受信された光信号を基にイメージデータを生成する段階と、前記信号処理プロセッサが、前記イメージデータに対して第1ガウシアンフィルタを基に第1方向への一次元フィルタリングを行う段階と、前記信号処理プロセッサが、前記イメージデータに対して第2ガウシアンフィルタを基に前記第1方向とは異なる第2方向への一次元フィルタリングを行う段階と、を有する。
【0008】
本発明の一実施形態によるイメージセンサは、受信される光信号を電気的信号に変換するピクセルアレイと、前記電気的信号をアナログ・デジタル変換してイメージデータを生成するリードアウト回路と、前記イメージデータに含まれるバッドピクセルのピクセル値を校正するバッドピクセル校正ロジックと、入力イメージデータに対して一次元ガウシアンフィルタを基に水平方向及び垂直方向に連続して一次元フィルタリングを行うノイズ低減ロジックと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明のイメージ信号プロセッサを含むイメージセンサ及びその動作方法によれば、イメージデータに対して複数の方向に連続して一次元フィルタリングを行うことにより、簡単なアルゴリズムを通してイメージデータのノイズが低減される。それにより、低電力且つイメージデータのノイズを除去することができる高画質のイメージデータが獲得される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態によるイメージセンサを示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態によるノイズ低減ロジックの一例を示す図である。
図3A】本発明の一実施形態によるイメージデータに対する一次元フィルタリングを行う方法を示す図である。
図3B】本発明の一実施形態によるイメージデータに対する一次元フィルタリングを行う方法を示す図である。
図4A図3のピクセルグループの一例を示す図である。
図4B図3のピクセルグループの一例を示す図である。
図5A】本発明の一実施形態による水平方向の一次元フィルタリングを行う方法を示す図である。
図5B】本発明の一実施形態による水平方向の一次元フィルタリングを行う方法を示す図である。
図6A】本発明の一実施形態による垂直方向の一次元フィルタリングを行う方法を示す図である。
図6B】本発明の一実施形態による垂直方向の一次元フィルタリングを行う方法を示す図である。
図7】本発明の一実施形態による一次元ガウシアンフィルタを示すグラフである。
図8】本発明の一実施形態によるノイズ低減ロジックの他の例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態によるゲイン別フィルタ強度を示すグラフである。
図10】本発明の一実施形態による一次元フィルタのフィルタ強度によるガウシアン曲線の変化を示すグラフである。
図11】本発明の一実施形態によるゲイン別加重値を示すテーブルである。
図12】本発明の一実施形態によるイメージ信号プロセッサの一例を概略的に示すブロック図である。
図13】エッジ領域に対する一例を説明する図である。
図14】本発明の一実施形態によるイメージ信号プロセッサの他の例を概略的に示すブロック図である。
図15A】テトラパターンに対する一例を説明する図である。
図15B】ノナパターンに対する一例を説明する図である。
図15C】ヘキサデカパターンに対する一例を説明する図である。
図16】本発明の一実施形態によるイメージセンサの動作方法を示すフローチャートである。
図17A】マルチカメラモジュールを含む電子装置のブロック図である。
図17B図17Aのカメラモジュールの詳細ブロック図である。
図18】本発明の一実施形態によるイメージセンサを含む電子装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態によるイメージセンサを示すブロック図である。
【0013】
イメージセンサ100は、光学レンズLSを介して入射した対象物(object)の光学的信号をイメージデータに変換する。イメージセンサ100は、イメージセンシング機能又は光センシング機能を有する電子機器に搭載される。例えば、イメージセンサ100は、デジタルスチールカメラ、デジタルビデオカメラ、スマートフォン、ウェアラブル機器、事物インターネット(IoT:internet of things)機器、タブレットPC(personal computer)、PDA(personal digital assistant)、PMP(portable multimedia player)、ナビゲーション(navigation)装置のような電子機器に搭載される。また、イメージセンサ100は、車両、家具、製造設備、ドア、各種計測機器などに、部品として具備される電子機器に搭載される。
【0014】
図1を参照すると、イメージセンサ100は、ピクセルアレイ110、リードアウト回路120、及びイメージ信号プロセッサ(ISP:image signal processor)130を含む。イメージ信号プロセッサ130は、ノイズ低減ロジック10を含む。一実施形態において、ピクセルアレイ110、リードアウト回路120、及びイメージ信号プロセッサ130は、1つの半導体チップ又は半導体モジュールとして具現される。他の実施形態において、ピクセルアレイ110及びリードアウト回路120は、1つの半導体チップに具現され、イメージ信号プロセッサ130は、他の1つの半導体チップに具現される。
【0015】
ピクセルアレイ110は、例えばCCD(charge coupled device)又はCMOS(complementary metal oxide semiconductor)のような光電変換素子によって具現され、それ以外にも多様な種類の光電変換素子によって具現される。ピクセルアレイ110は、受信される光信号(光)を電気的信号に変換する複数のセンシングピクセルPXsを含み、複数のセンシングピクセルPXsは行列に配列される。複数のセンシングピクセルPXsのそれぞれは光感知素子を含む。例えば、光感知素子は、フォトダイオード、有機フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトゲート、又はピンドフォトダイオード(pinned photodiode)などを含む。
【0016】
リードアウト回路120は、ピクセルアレイ110から受信される電気的信号をイメージデータに変換する。リードアウト回路120は、電気的信号を増幅し、増幅された電気的信号をアナログ・デジタル変換する。リードアウト回路120で生成されるイメージデータは、ピクセルアレイ110の複数のセンシングピクセルPXsに対応する複数のピクセルを含む。ここで、ピクセルアレイ110のセンシングピクセルPXsは受信される光による信号を生成する物理的構造物であり、イメージデータに具備されるピクセルはセンシングピクセルPXsに対応するデータを示す。リードアウト回路120は、ピクセルアレイ110と共にセンシングコアを構成する。
【0017】
イメージ信号プロセッサ130は、リードアウト回路120から出力されるイメージデータIDT1、言い替えると原本イメージデータ(raw image data)に対してイメージ処理を行う。例えば、イメージ信号プロセッサ130は、イメージデータIDT1に対してバッド(不良)ピクセル補正(bad pixel correction)、リモザイク(remosaic)、ノイズ除去のようなイメージ処理を行う。
【0018】
イメージ信号プロセッサ130は、イメージデータのノイズを低減するノイズ低減ロジック10を含む。ノイズ低減ロジック10は、入力されるイメージデータに対して一次元フィルタリングを行い、イメージデータのノイズを低減する。イメージデータは、リードアウト回路120から出力される原本イメージデータIDT1、又はイメージ信号プロセッサ130に具備される他の処理ロジックにより他のイメージ処理が行われたイメージデータである。
【0019】
一実施形態において、ノイズ低減ロジック10は、一次元フィルタを基にイメージデータに対して一次元フィルタリングを行う。一次元フィルタは、イメージデータの複数のピクセルのうちの一方向に配列されたN個(Nは、3以上の整数である)のピクセルのそれぞれに適用されるN個の係数を含む。一次元フィルタは、ガウシアン(Gaussian)フィルタによって具現される。N個の係数の係数値はガウシアン分布を有する。N個のピクセルのうちの中心に位置するピクセル、言い替えるとフィルタリング対象ピクセル(以下、対象ピクセルとする)に適用される係数の値(以下、係数値とする)が最も大きく、対象ピクセルから遠くにあるピクセルに適用される係数値であればあるほど小さくなる。一実施形態において、係数値は周辺照度に応じて適応的に変更される。
【0020】
一実施形態において、ノイズ低減ロジック10は、M×M行列(Mは、2以上の偶数である)に配されたピクセルを含むピクセルグループ単位で一次元フィルタリングを行い、ピクセルのそれぞれについて設定されるM個の一次元フィルタ、言い替えると一次元フィルタセットを基にイメージデータに対して一次元フィルタリングを行う。
【0021】
一実施形態において、ノイズ低減ロジック10は、イメージデータに対してそれぞれ異なる方向に複数回一次元フィルタリングを行う。例えば、ノイズ低減ロジック10は、イメージデータの行方向(row direction)及び列方向(column direction)に一次元フィルタリングを行う。しかし、それに制限されるものではなく、ノイズ低減ロジック10は、イメージデータの対角線方向(例えば、左側上から右側下に向かう方向)及び/又は逆対角線方向に一次元フィルタリングを更に行うこともできる。
【0022】
一実施形態において、ノイズ低減ロジック10はハードウェアによって具現される。しかし、それに制限されるものではなく、ノイズ低減ロジック10は、ハードウェアとファームウェアとの組み合わせ又はソフトウェアによって具現される。
【0023】
イメージ信号プロセッサ130は、イメージ処理によって変換されたイメージデータIDT2を出力する。変換されたイメージデータIDT2は、外部プロセッサ200(例えば、イメージセンサ100が搭載される電子装置のメインプロセッサ、アプリケーションプロセッサ、又はグラフィックプロセッサなど)に提供される。
【0024】
外部プロセッサ200は、変換されたイメージデータIDT2を保存するか又はディスプレイ装置に表示する。外部プロセッサ200は、変換されたイメージデータIDT2に対してイメージ処理を行う。一実施形態において、外部プロセッサ200は、イメージセンサ100に設定情報IF_Sを提供する。例えば、設定情報IF_Sは、露出情報、アナログゲイン、デジタルゲイン、ピクセルの変換ゲイン設定情報のようなイメージセンサ100を設定するための多様な情報を含む。
【0025】
イメージセンサ100の高解像度及びスリム化によりピクセルアレイ110に具備されるセンシングピクセルPXsのサイズが微細になり、センシングピクセルPXsの微細化によりイメージデータの画質が劣化してノイズ(例えば、ごま塩ノイズ(salt and pepper noise)、色汚れ(color stain)など)が生じる。特に、ピクセルアレイ110に入射する光量が少ない低照度環境でノイズが甚だしく生じる。
【0026】
しかし、本発明の実施形態によるイメージセンサ100は、一次元ガウシアンフィルタを利用して、イメージデータに対して複数の方向に一次元フィルタリングを行う簡単なアルゴリズムを基にイメージデータのノイズを低減することができる。従って、本発明の実施形態によるイメージセンサ100は、低電力且つイメージデータの画質劣化を防止し、低照度環境でも高画質のイメージデータを生成することができる。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態によるノイズ低減ロジックの一例を示す図である。図2のノイズ低減ロジック10aは、図1のノイズ低減ロジック10として適用される。
【0028】
図2を参照すると、ノイズ低減ロジック10aは、第1フィルタリングモジュール11及び第2フィルタリングモジュール12を含む。非制限的な例として、第1フィルタリングモジュール11及び第2フィルタリングモジュール12は、ハードウェアによって具現される。
【0029】
第1フィルタリングモジュール11は、入力イメージデータIDTiに対して第1フィルタを基に第1方向の一次元フィルタリングを行い、続けて第2フィルタリングモジュール12が、第1フィルタリングモジュール11から出力されるイメージデータIDTcに対して第2フィルタを基に第2方向の一次元フィルタリングを行い、出力イメージデータIDToを生成する。
【0030】
一実施形態において、第1方向は入力イメージデータIDTiの水平方向(又は、ロウ(row)方向とする)であり、第2方向はイメージデータIDTcの垂直方向(又は、カラム(column)方向とする)である。言い替えると、第1フィルタリングモジュール11は水平方向(HD)フィルタリングモジュールであり、第2フィルタリングモジュール12は垂直方向(VD)フィルタリングモジュールである。第1フィルタ及び第2フィルタは一次元ガウシアンフィルタであり、第2フィルタは第1フィルタと同一であるか又は異なる。
【0031】
図2において、第1フィルタリングモジュール11及び第2フィルタリングモジュール12を別個の構成として図示しているが、それに制限されるものではなく、第1フィルタリングモジュール11及び第2フィルタリングモジュール12は、1つのモジュールによって具現され得る。
【0032】
ノイズ低減ロジック10aが、第1フィルタリングモジュール11及び第2フィルタリングモジュール12を含み、続けて水平方向及び垂直方向に一次元フィルタリングを行うことを例に挙げて説明したが、それに制限されるものではない。一実施形態において、ノイズ低減ロジック10aは、他方向に一次元フィルタリングを行う1以上のフィルタリングモジュール、例えば第3フィルタリングモジュール及び/又は第4フィルタリングモジュールを更に含む。
【0033】
ノイズ低減ロジック10aは、上述のようにイメージデータIDTiに対して連続して複数の方向に一次元フィルタリングを行い、イメージデータIDTiのノイズを低減する。
【0034】
図3A及び図3Bは、本発明の一実施形態によるイメージデータに対する一次元フィルタリングを行う方法を示す図であり、図4A及び図4Bは、図3のピクセルグループの一例を示す図である。
【0035】
図3A及び図3Bを参照すると、イメージデータ(IDTi、IDTc)は、二次元データであり、水平方向(例えば、X軸方向)及び垂直方向(例えば、Y軸方向)に配列された複数のピクセルPXを含む。イメージデータ(IDTi、IDTc)は、それぞれがM×M行列(Mは、2以上の偶数である)に配列されたピクセルPXを含む複数のピクセルグループPGに区分され、ピクセルグループPG単位で一次元フィルタリングが行われる。
【0036】
図1を参照して説明したように、ノイズ低減ロジック10は、M個のピクセルを含むピクセルグループPG単位で一次元フィルタリングを行い、M個のピクセルのそれぞれに適用されるM個の一次元ガウシアンフィルタ、言い替えると一次元ガウシアンフィルタセットを基に一次元フィルタリングを行う。
【0037】
図3AはイメージデータIDTiに対する水平方向の一次元フィルタリングを示し、図3BはイメージデータIDTcに対する垂直方向の一次元フィルタリングを示す。図2の第1フィルタリングモジュール11が第1フィルタ、例えば一次元ガウシアンフィルタセットを基に水平方向の一次元フィルタリングを行い、第2フィルタリングモジュール12が第2フィルタを基に垂直方向の一次元フィルタリングをそれぞれ行う。しかし、それに制限されるものではなく、一実施形態において、図2の第1フィルタリングモジュール11が垂直方向の一次元フィルタリングを行い、第2フィルタリングモジュール12が水平方向の一次元フィルタリングをそれぞれ行うことができる。
【0038】
図4A及び図4Bを参照すると、ピクセルグループPG(図3)は、ベイヤーパターン(Bayer pattern)を有する。ベイヤーパターンは、人の視覚特性により、緑が50%になり、赤色と青色とがそれぞれ25%になるように交差配置されたパターンを意味する。
【0039】
図4Aを参照すると、ピクセルグループPGaは、2×2ベイヤーパターンによって構成される。ピクセルグループPGaは、第1グリーンピクセルGr、レッドピクセルR、第2グリーンピクセルGb、及びブルーピクセルBを含み、第1グリーンピクセルGr及び第2グリーンピクセルGbが対角線方向に配され、レッドピクセルR及びブルーピクセルBが対角線方向に配される。
【0040】
図4Bを参照すると、ピクセルグループPGbは、4×4ベイヤーパターンによって構成される。ピクセルグループPGbは、それぞれ4個ずつの第1グリーンピクセルGr、レッドピクセルR、第2グリーンピクセルGb、及びブルーピクセルBを含む。それら以外にも、ピクセルグループPG(図3)は、多様なサイズのベイヤーパターンによって構成され得る。
【0041】
図4A及び図4Bを参照して、図3A及び図3BのピクセルグループPGに適用されるパターンについて例示的に説明した。しかし、それらに制限されるものではなく、ピクセルグループPGには、多様な他のパターンのうちの一つが適用され得る。例えば、ピクセルグループPGに、RGBWパターン、RWBパターン、YCbCrパターン、CMYパターン、又はCMYGパターンなどが含まれる。
【0042】
再び図3Aを参照すると、第1フィルタリングモジュール11が入力イメージデータIDTiに対して水平方向の一次元フィルタリングを行う。第1フィルタリングモジュール11は、複数のピクセルグループPGのうちの1つのピクセルグループPG、例えば第1ピクセルグループPG1に対して水平方向の一次元フィルタリングを行った後、水平方向に隣接する他のピクセルグループPG、例えば第2ピクセルグループPG2に対して水平方向の一次元フィルタリングを行う。第1フィルタリングモジュール11は、ピクセルグループPGに含まれるピクセルPX、例えば4個のピクセルPXのそれぞれに対して対応する一次元ガウシアンフィルタを適用する。水平方向の一次元フィルタリングに関する具体的な方法は、図5A及び図5Bを参照して詳細に説明する。
【0043】
図示した点線方向に沿って同じ行に配されたピクセルグループPGのそれぞれに対して順に水平方向の一次元フィルタリングが行われた後、次の行に配されたピクセルグループPGに対して順に水平方向の一次元フィルタリングが行われる。そのような方式により、入力イメージデータIDTiの複数のピクセルグループPGに対して水平方向の一次元フィルタリングが行われる。
【0044】
図3Bを参照すると、図3Aで水平方向の一次元フィルタリングが行われることによって生成されたイメージデータIDTcに対して垂直方向の一次元フィルタリングが行われる。第2フィルタリングモジュール12は、複数のピクセルグループPGのうちの1つのピクセルグループPG、例えば第1ピクセルグループPG1に対して垂直方向の一次元フィルタリングを行った後、垂直方向に隣接する他のピクセルグループPG、例えば第3ピクセルグループPG3に対して垂直方向の一次元フィルタリングを行う。第2フィルタリングモジュール12は、ピクセルグループPGに含まれるピクセルPX、例えば4個のピクセルPXのそれぞれに対して対応する一次元ガウシアンフィルタを適用する。垂直方向の一次元フィルタリングに関する具体的な方法は、図6A及び図6Bを参照して詳細に説明する。
【0045】
図示した点線方向に沿って同じ列に配されたピクセルグループPGのそれぞれに対して順に垂直方向の一次元フィルタリングが行われた後、次の列に配されたピクセルグループPGに対して順に垂直方向の一次元フィルタリングが行われる。そのような方式により、イメージデータIDTcの複数のピクセルグループPGに対して垂直方向の一次元フィルタリングが行われる。
【0046】
一実施形態において、イメージ信号プロセッサ130でイメージ処理が行われるとき、イメージデータは、ラインバッファに複数の行単位でピクセルPXが保存されて更新され、ラインバッファに保存されたイメージデータの複数の行に対してイメージ処理、例えば上述の水平方向及び垂直方向の一次元フィルタリングが連続して行われる。ラインバッファに複数の行が更新されることにより、連続して更新される複数の行に対して水平方向及び垂直方向の一次元フィルタリングが連続して行われる。
【0047】
図5A及び図5Bは、本発明の一実施形態による水平方向の一次元フィルタリングを行う方法を示す図である。図5A及び図5Bは、図2の第1フィルタリングモジュール11で遂行される。
【0048】
図5Aを参照すると、イメージデータIDTに対する水平方向の一次元フィルタリングの遂行時、フィルタリングが行われるターゲットピクセルグループPG_Tと同一行に配された周辺ピクセルPXが利用される。例えば、ターゲットピクセルグループPG_Tの第1グリーンピクセルGr(以下、ターゲットピクセルPX_Tとする)に対して水平方向の一次元フィルタリングが行われるため、ターゲットピクセルPX_Tと同一行に配された周辺の(N-1)個の第1グリーンピクセルGrが利用される。例を挙げて、ターゲットピクセルPX_T、例えば第3ピクセルP_H3の左右に配されたそれぞれ2個の第1グリーンピクセルGr、例えば第1ピクセルP_H1、第2ピクセルP_H2、第4ピクセルP_H4、及び第5ピクセルP_H5が利用される。
【0049】
図5Bを参照すると、一次元フィルタは、ターゲットピクセルPX_Tを含むN個のピクセルにそれぞれ適用されるN個の係数を含む。例えば、一次元フィルタは第1係数C1~第5係数C5を含み、第1係数C1~第5係数C5は、ターゲットピクセルPX_T、例えば第3ピクセルP_H3、並びに周辺の第1ピクセルP_H1、第2ピクセルP_H2、第4ピクセルP_H4、及び第5ピクセルP_H5にそれぞれ適用される。
【0050】
ターゲットピクセルPX_Tのピクセル値が水平方向の一次元フィルタリングによって変換され、変換されたピクセル値PV_Hは、下記数式1によって算出される。
【0051】
【数1】
【0052】
ここで、Kは係数を示すビットの個数であり、例えば係数が13ビットによって表現される場合、係数は、213個、即ち8192個の値のうちの一つを有し、係数の最小値は「1」であり、最大値は「8192」である。
【0053】
例えば、第1係数C1~第5係数C5の係数値が第1ピクセルP_H1~第5ピクセルP_H5のピクセル値にそれぞれ乗じられた後、乗じられた値が合算される。その後、合算された値が最大係数値、例えば8192で除された値がターゲットピクセルPX_Tの変換されたピクセル値PV_Hとして算出される。
【0054】
同様に、ターゲットピクセルグループPG_Tの他のピクセル、例えばレッドピクセルR、ブルーピクセルB、及び第2グリーンピクセルGbのそれぞれに対する水平方向の一次フィルタリングにそれらの左右に配された(N-1)個(例えば、4個)の同一色相のピクセルPXが利用される。
【0055】
上述のように、ターゲットピクセルグループPG_Tの複数のピクセル、即ち第1グリーンピクセルGr、レッドピクセルR、ブルーピクセルB、及び第2グリーンピクセルGbのそれぞれに対してそれぞれ異なる一次元フィルタ、例えば一次元ガウシアンフィルタが適用される。
【0056】
図6A及び図6Bは、本発明の一実施形態による垂直方向の一次元フィルタリングを行う方法を示す図である。図6A及び図6Bは、図2の第2フィルタリングモジュール12で遂行される。
【0057】
図6Aを参照すると、イメージデータIDTに対する垂直方向の一次元フィルタリングの遂行時、フィルタリングが行われるターゲットピクセルグループPG_Tと同一列に配された周辺ピクセルPXが利用される。例えば、ターゲットピクセルグループPG_Tの第1グリーンピクセルGr(以下、ターゲットピクセルPX_Tとする)に対して垂直方向の一次元フィルタリングが行われるため、ターゲットピクセルPX_Tと同一列に配された周辺の(N-1)個の第1グリーンピクセルGrが利用される。例えば、ターゲットピクセルPX_T、例えば第3ピクセルP_V3の上下に配されたそれぞれ2個の第1グリーンピクセルGr、例えば第1ピクセルPV_1、第2ピクセルP_V2、第4ピクセルP_V4、及び第5ピクセルP_V5が利用される。
【0058】
図6Bを参照すると、一次元フィルタは、ターゲットピクセルPX_Tを含むN個のピクセルにそれぞれ適用されるN個の係数を含む。例えば、一次元フィルタは第1係数C1~第5係数C5を含み、第1係数C1~第5係数C5は、ターゲットピクセルPX_T、例えば第3ピクセルP_V3、並びに周辺の第1ピクセルP_V1、第2ピクセルP_V2、第4ピクセルP_V4、及び第5ピクセルP_V5にそれぞれ適用される。
【0059】
図5Aの水平方向の一次元フィルタリング方法と比較すると、水平方向の一次元フィルタリング時にはフィルタの第1係数C1~第5係数C5が水平方向に配列された第1ピクセルP_H1~第5ピクセルP_H5に適用され、図6Bの垂直方向の一次元フィルタリング時にはフィルタの第1係数C1~第5係数C5が垂直方向に配列された第1ピクセルP_V1~第5ピクセルP_V5に適用される。
【0060】
一実施形態において、垂直方向の一次元フィルタリングの遂行時に利用される一次元フィルタは、図5Bの水平方向の一次元フィルタリング時に利用される一次元フィルタと同一である。言い替えると、第1係数C1~第5係数C5は、図5Bの第1係数C1~第5係数C5と同一である。しかし、それに制限されるものではなく、垂直方向の一次元フィルタリングの遂行時に利用される一次元フィルタは、図5Bの水平方向の一次元フィルタリング時に利用される一次元フィルタとは異なってもよい。
【0061】
垂直方向の一次元フィルタリングによるターゲットピクセルPX_Tの変換されたピクセル値PV_Vは、下記数式2によって算出される。
【0062】
【数2】
【0063】
例えば、第1係数C1~第5係数C5の係数値が第1ピクセルP_V1~第5ピクセルP_V5のピクセル値のそれぞれに乗じられた後、乗じられた値が合算される。その後、合算された値が最大係数値、例えば8192で除された値がターゲットピクセルPX_Tの変換されたピクセル値PVとして算出される。
【0064】
同様に、ターゲットピクセルグループPG_Tの他のピクセル、例えばレッドピクセルR、ブルーピクセルB、及び第2グリーンピクセルGbのそれぞれに対する垂直方向の一次フィルタリングにそれらの上下に配された(N-1)個(例えば、4個)の同一色相のピクセルPXが利用される。
【0065】
図7は、本発明の一実施形態による一次元ガウシアンフィルタを示すグラフである。
【0066】
図7を参照すると、横軸は係数が適用されるピクセルの位置を示し、縦軸は係数値を示す。一次元ガウシアンフィルタはN個の係数を含み、N個の係数はそれぞれ2個の係数値のうちの一つを有し、係数値の分布はガウシアン曲線で示される。
【0067】
例えば、一次元ガウシアンフィルタは、第1係数C1~第5係数C5を含む。係数が13ビットによって表現される場合、第1係数C1~第5係数C5は213個、即ち8192個の値のうちの一つを有し、係数の最小値は「0」であり、最大値は「8191」である。
【0068】
図5B及び図6Bを参照して説明したように、例えばターゲットピクセルPX_T(図5A)を中心にターゲットピクセルと同じ行又は同じ列の周辺ピクセルにN個の個数が適用される。例えば、第1係数C1~第5係数C5がターゲットピクセル及びその周辺ピクセルを含む5個のピクセルにそれぞれ適用され、このとき、ターゲットピクセルに適用される第3係数C3の係数値が最も大きく、ターゲットピクセルから遠くなるピクセルであればあるほど適用される係数の係数値が小さくなる。第1係数C1~第5係数C5の和は2-1、例えば「8191」(Kは、13である)である。
【0069】
一実施形態において、イメージセンサ100(図1)の周辺照度に応じて係数値の分布、言い替えるとガウシアン曲線の傾斜度は可変される。
【0070】
図8は、本発明の一実施形態によるノイズ低減ロジックの他の例を示す図である。図8のノイズ低減ロジック10bは、図1のノイズ低減ロジック10として適用される。
【0071】
図8を参照すると、ノイズ低減ロジック10bは、第1フィルタリングモジュール11、第2フィルタリングモジュール12、及びフィルタ設定モジュール13を含む。非制限的な例として、第1フィルタリングモジュール11及び第2フィルタリングモジュール12はハードウェアによって具現され、フィルタ設定モジュール13はファームウェアによって具現される。
【0072】
第1フィルタリングモジュール11は、入力イメージデータIDTiに対して第1フィルタを基に第1方向の一次元フィルタリングを行い、続けて第2フィルタリングモジュール12が、1フィルタリングモジュール11から出力されるイメージデータIDTcに対して第2フィルタを基に第2方向の一次元フィルタリングを行い、出力イメージデータIDToを生成する。
【0073】
第1フィルタリングモジュール11及び第2フィルタリングモジュール12の動作は、図2を参照して詳細に説明したため、重複説明は省略する。
【0074】
フィルタ設定モジュール13は、第1フィルタ及び第2フィルタを設定する。上述のように、第1フィルタ及び第2フィルタは、それぞれ一次元ガウシアンフィルタによって具現され、M個のピクセルのそれぞれに適用されるM個の一次元ガウシアンフィルタを含む。一次元ガウシアンフィルタは、N個のピクセルにそれぞれ適用されるN個の係数を含む。
【0075】
フィルタ設定モジュール13は、第1フィルタリングモジュール11及び第2フィルタリングモジュール12でそれぞれ使用される一次元ガウシアンフィルタのN個の係数の係数値を調整する。一実施形態において、フィルタ設定モジュール13は、イメージセンサ100(図1)の周辺照度に応じて係数値の分布、言い替えるとガウシアン曲線の傾斜度を調整する。例えば、フィルタ設定モジュール13は、リードアウト回路120(図1)に適用されるゲイン情報GNを受信し、ゲイン情報GNを基に一次元ガウシアンフィルタのガウシアン曲線の傾斜度を調整する。
【0076】
図9は、本発明の一実施形態によるゲイン別フィルタ強度を示すグラフである。
【0077】
図9を参照すると、横軸はゲイン値を示し、縦軸はフィルタ強度を示す。ゲイン値が低いほど高照度(又は、一般照度)環境を示し、ゲイン値が高いほど低照度環境を示す。ゲイン値が低いとき、例えばゲインG0以下では、言い替えると高照度環境では、本実施形態による連続的な一次元フィルタリングが行われない。ゲインG0以上から、言い替えるとゲイン(G0、G1、G2、G3、G4)において連続した一次元フィルタリングが行われ、ゲイン値が高くなるほど一次元ガウシアンフィルタのフィルタ強度が増大する。
【0078】
イメージセンサ100(図1)が搭載されるイメージ装置は、イメージセンサ100の周辺照度をセンシングし、周辺照度に応じてイメージセンサ100にゲイン設定情報を提供する。イメージ装置のプロセッサ(例えば、メインプロセッサ、アプリケーションプロセッサ(AP)など)が露出情報やアナログゲイン及びデジタルゲインなどをイメージセンサ100に提供する。イメージセンサ100のリードアウト回路120(図1))は、ピクセルアレイ110(図1)で受信されるセンシング信号をアナログ・デジタル変換するアナログ回路(例えば、比較器など)及びデジタル変換された信号を処理するデジタル回路を含み、アナログゲインはアナログ回路に適用され、デジタルゲインはデジタル回路に適用される。周辺照度が低いほどアナログゲイン及びデジタルゲインは高くなる。アナログゲイン及びデジタルゲインを基にゲイン値、言い替えるとトータルゲインが算出される。例えば、アナログゲインとデジタルゲインとの積がゲイン値として算出される。
【0079】
低照度環境において、イメージデータの明るさを増大させるためにアナログゲイン及び/又はデジタルゲインが高く設定される。従って、高照度環境でゲイン値が低く、低照度環境でゲイン値が高い。このとき、周辺照度が低いほどイメージデータに生じるノイズの量が増大する。従って、イメージデータのノイズ低減のために、図9に示すように、ゲイン値が増大するほどフィルタ強度が高く設定される。
【0080】
図10は、本発明の一実施形態による一次元フィルタのフィルタ強度によるガウシアン曲線の変化を示すグラフである。
【0081】
図10を参照すると、横軸は一次元フィルタの係数が適用されるピクセルの位置を示し、縦軸は係数値を示す。一次元フィルタの係数値の分布は、ガウシアン曲線で示される。図9を参照して説明したように、ゲイン値が高い場合に一次元フィルタの強度が高く設定され、ゲイン値が低い場合に一次元フィルタの強度が低く設定される。一次元フィルタの強度が強くなるということはガウシアン曲線の傾斜度が緩くなることを意味し、一次元フィルタの強度が弱くなるということはガウシアン曲線の傾斜度が急になることを意味する。従って、図10に示すように、ゲイン値が大きくなるほどガウシアン曲線の傾斜度が緩くなるように第1フィルタの係数値が設定される。
【0082】
再び図8を参照すると、一実施形態において、例えばゲイン別(ゲインG0、G1、G2、G3、G4(図9)毎)にM個の一次元ガウシアンフィルタの係数値が事前に設定され、フィルタ設定モジュール13は、M個の一次元ガウシアンフィルタに設定されたゲインGNによる係数値を適用する。
【0083】
一実施形態において、基準ガウシアン曲線、言い替えると基準係数値が事前に設定され、フィルタ設定モジュール13が基準ガウシアン曲線を基に設定されたゲイン値によるフィルタ強度を算出する。例えば、ゲインG1に関する一次元フィルタの係数値が基準係数値として事前に設定される。フィルタ設定モジュール13は、ゲイン別に加重値を事前に保存して設定されたゲインGNに対応する加重値を基準係数値に乗じ、ゲインGNに関する一次元フィルタの係数値、言い替えるとガウシアン曲線を設定する。
【0084】
図11は、本発明の一実施形態によるゲイン別加重値を示すテーブルである。
【0085】
図11を参照すると、テーブルTBは、ゲイン、及びゲインについて設定された加重値を含む。N個のゲイン(G0~GN)に関するN個の加重値(W0~WN)が設定される。例えば、加重値は、一次元フィルタの係数のそれぞれに関する値を有する。
【0086】
例えば、設定されたゲインがゲインG3である場合、フィルタ設定モジュール13(図8)は、基準係数値に加重値W0を乗じ、ゲインG3に関する第1フィルタの係数値を算出する。
【0087】
上述のように、第1フィルタ及び第2フィルタのゲイン別係数値が事前に設定されて保存され、設定された係数値がフィルタ設定モジュール13(図8)に提供されるのではなく、フィルタ設定モジュール13(図8)が基準係数及びゲイン別加重値を基に設定されたゲイン値に関する係数値を算出する。従って、ゲイン別係数値がフィルタ設定モジュール13(図8)にローディングされる時間が短縮され、第1フィルタ及び第2フィルタを設定するための設定時間(settling time)が短縮される。
【0088】
図12は、本発明の一実施形態によるイメージ信号プロセッサの一例を概略的に示すブロック図である。図12のイメージ信号プロセッサ130aは、図1のイメージ信号プロセッサ130として適用される。
【0089】
図12を参照すると、イメージ信号プロセッサ130aは、バッドピクセル校正ロジック20、ノイズ低減ロジック10、及びゲイン算出器30を含む。非制限的な例として、バッドピクセル校正ロジック20及びノイズ低減ロジック10はハードウェアによって具現され、ゲイン算出器30はファームウェアによって具現される。
【0090】
イメージ信号プロセッサ130aは、入力される第1イメージデータIDT1に対してバッドピクセル校正処理及びノイズ低減処理を行う。第1イメージデータIDT1は、ベイヤーパターンを有するイメージデータである。
【0091】
バッドピクセル校正ロジック20は、第1イメージデータIDT1に含まれるバッドピクセルのピクセル値を校正する。ここで、バッドピクセルは、周辺ピクセルとピクセル値との差が基準値以上であるピクセルであるか、或いは第1イメージデータIDT1が特定階調のイメージを示すときに特定階調に該当するピクセル値を有さないピクセルを称する。バッドピクセル校正ロジック20は、設定されたアルゴリズムを基にバッドピクセル校正を行い、例えば周辺ピクセルのピクセル値に基づく補間(interpolation)を通してバッドピクセルに関するピクセル値を設定するか、或いは周辺ピクセルのピクセル値を平均して平均値をバッドピクセルに関するピクセル値として設定する。
【0092】
ノイズ低減ロジック10は、図2図11を参照して説明したように、バッドピクセル校正ロジック20から出力されるイメージデータに対して複数の方向に連続して一次元フィルタリングを行うことによりイメージデータのノイズを低減する。ノイズ低減ロジック10は、ノイズが低減されたイメージデータ、例えば第2イメージデータIDT2を出力する。
【0093】
ゲイン算出器30は、外部プロセッサから受信されるゲイン情報IF_GN、例えば露出情報、アナログゲイン又はデジタルゲインを基にゲインGN、例えばトータルゲインを算出する。例えば、ゲイン算出器30は、デジタルゲイン及びアナログゲインを乗じてゲインGNを算出する。
【0094】
ゲイン算出器30は、算出されたゲインGNをバッドピクセル校正ロジック20及びノイズ低減ロジック10に提供する。バッドピクセル校正ロジック20は、バッドピクセルのピクセル値の校正時にゲインGNを利用する。また、図8を参照して説明したように、ノイズ低減ロジック10に具備されるフィルタ設定モジュール13(図8)がゲインGNを基にノイズ低減ロジック10で利用される一次元フィルタの係数値を設定する。一実施形態において、ゲイン算出器30は、ノイズ低減ロジック10のフィルタ設定モジュール13の一部として具現される。
【0095】
一実施形態において、バッドピクセル校正ロジック20は、第1イメージデータIDT1に対するバッドピクセルの校正過程で方向性情報DIを生成し、方向性情報DIをノイズ低減ロジック10に提供する。ここで、方向性情報DIは、特定ピクセルがエッジ領域に属するか否かということを示す。図14を参照して、エッジ領域について説明する。
【0096】
図13は、エッジ領域に対する一例を説明する図である。
【0097】
図13を参照すると、イメージデータIDTは、階調が急変するエッジ領域EARを含む。例えば、図14に示すイメージデータIDTのピクセルは、全体的にホワイトに該当する階調値、例えば最大階調に該当するピクセル値を有し、第1エッジ領域EA1~第4エッジ領域EA4は、最大階調と所定の階調以上差がある階調に該当する階調値をピクセル値として有する。第3エッジ領域EA3及び第4エッジ領域EA4は、水平方向、例えばX軸方向のエッジ領域であり、水平エッジ領域と称される。第1エッジ領域EA1及び第2エッジ領域EA2は、垂直方向、例えばY軸方向のエッジ領域であり、垂直エッジ領域と称される。
【0098】
エッジ領域、例えば第1エッジ領域EA1~第4エッジ領域EA4に対して一次元フィルタリングを行う場合、エッジ領域の鮮明度が低減されてイメージデータIDTの画質が劣化する。従って、エッジ領域に対して一次元フィルタリングは行われない。
【0099】
再び図12を参照すると、方向性情報DIは、ピクセルが水平エッジ領域に属するか又は水平エッジ領域に属するかということを示す。ノイズ低減ロジック10は、方向性情報DIを基に水平エッジ領域に属するピクセルに対して水平方向の一次元フィルタリングをスキップし、垂直エッジ領域に属するピクセルに対して垂直方向の一次元フィルタリングをスキップする。
【0100】
複数のピクセルに対応するイメージ信号プロセッサ130aは、第1イメージデータIDT1に関するイメージ処理を行う前に第1イメージデータIDT1からオフセット値を除去する。イメージ信号プロセッサ130aは、オフセット値が除去された第1イメージデータIDT1に対してイメージ処理を行い、第2イメージデータIDT2を生成して第2イメージデータIDT2に更にオフセット値を適用する。
【0101】
図14は、本発明の一実施形態によるイメージ信号プロセッサの他の例を概略的に示すブロック図である。図15A図15B、及び図15Cは、イメージデータのパターンに対する一例を説明する図である。図14のイメージ信号プロセッサ130bは、図1のイメージ信号プロセッサ130として適用される。
【0102】
図14を参照すると、イメージ信号プロセッサ130bは、バッドピクセル校正ロジック20、リモザイクロジック40、ノイズ低減ロジック10、及びゲイン算出器30を含む。非制限的な例として、バッドピクセル校正ロジック20、リモザイクロジック40、及びノイズ低減ロジック10はハードウェアによって具現され、ゲイン算出器30はファームウェアによって具現される。
【0103】
イメージ信号プロセッサ130bに入力される第1イメージデータIDT1は、ベイヤーパターンではない他のパターンを有する。例えば、第1イメージデータIDT1は、図15Aのテトラパターン(tetra pattern)、図15Bのノナパターン(nona pattern)、又は図15Cのヘキサデカパターン(hexadeca pattern)を有する。テトラパターン、ノナパターン、及びヘキサデカパターンは、ベイヤーパターンの変形されたパターンである。
【0104】
図15Aを参照すると、テトラパターンは、それぞれ2×2行列に配列された4個の第1グリーンピクセルGr、4個のレッドピクセルR、4個のブルーピクセルB、及び4個の第2グリーンピクセルGbを含む。4個の第1グリーンピクセルGr及び4個の第2グリーンピクセルGbが対角線方向に配され、4個のレッドピクセルR及び4個のブルーピクセルBが対角線方向に配される。
【0105】
図15Bを参照すると、ノナパターンは、それぞれ3×3行列に配列された9個の第1グリーンピクセルGr、9個のレッドピクセルR、9個のブルーピクセルB、及び9個の第2グリーンピクセルGbを含む。9個の第1グリーンピクセルGr及び9個の第2グリーンピクセルGbが対角線方向に配され、9個のレッドピクセルR及び9個のブルーピクセルBが対角線方向に配される。
【0106】
図15Cを参照すると、ヘキサデカパターンは、それぞれ4×4行列に配列された16個の第1グリーンピクセルGr、16個のレッドピクセルR、16個のブルーピクセルB、及び16個の第2グリーンピクセルGbを含む。16個の第1グリーンピクセルGr及び16個の第2グリーンピクセルGbが対角線方向に配され、16個のレッドピクセルR及び16個のブルーピクセルBが対角線方向に配される。
【0107】
再度図14を参照すると、バッドピクセル校正ロジック20が第1イメージデータIDT1に対してバッドピクセル校正を行った後、リモザイクロジック40がバッドピクセル校正ロジック20から出力されるイメージデータに対してリモザイク処理を行う。リモザイクロジック40は、ベイヤーパターン以外のパターン(例えば、テトラパターン、ノナパターン、ヘキサデカパターンなど)を有するイメージデータをベイヤーパターンに変換する。
【0108】
ノイズ低減ロジック10は、ベイヤーパターンに変換されたイメージデータに対してノイズ低減処理を行い、ノイズが低減された第2イメージデータIDT2を出力する。第2イメージデータIDT2は、ベイヤーパターンを有する。
【0109】
一実施形態において、バッドピクセル校正ロジック20、リモザイクロジック40、及びノイズ低減ロジック10は、ゲイン算出器30から提供されるゲインGNを基にバッドピクセル校正、リモザイク処理、及びノイズ低減処理を行う。
【0110】
一実施形態において、バッドピクセル校正ロジック20は方向性情報DIをリモザイクモジュール40及びノイズ低減モジュール10に提供し、リモザイクモジュール40は方向性情報DIを基にリモザイクを行い、ノイズ低減モジュール10は方向性情報DIを基に特定ピクセルに対する一次元フィルタリングの遂行をスキップする。
【0111】
図16は、本発明の一実施形態によるイメージセンサの動作方法を示すフローチャートである。図16の方法は図1のイメージセンサ100で行われ、イメージセンサ100について述べた内容は本実施形態に適用される。
【0112】
図1及び図16を参照すると、イメージセンサ100は、イメージデータを生成する(段階S110)。リードアウト回路120がピクセルアレイ110から受信されるセンシング信号をアナログ・デジタル変換してイメージデータを生成する。
【0113】
その後、イメージセンサ100は、イメージデータに対してイメージ処理を行う。イメージセンサ100は、イメージデータに対してバッドピクセル校正を行う(段階S120)。また、イメージセンサ100は、イメージデータに対してノイズ低減処理を行う(段階S130)。一実施形態において、イメージデータがベイヤーパターン以外のパターンを有する場合、ノイズ低減処理の前にイメージデータに対してリモザイク処理が行われる。それにより、イメージデータがベイヤーパターンを有し、ベイヤーパターンのイメージデータに対してノイズ低減処理が行われる。
【0114】
段階S130において、イメージデータに対して第1方向、例えば水平方向に一次元フィルタリングが行われる(段階S131)。その後、水平方向に一次元フィルタリングが行われたイメージデータに対して第2方向、例えば垂直方向に一次元フィルタリングが行われる(段階S132)。一実施形態において、他方向への一次元フィルタリングが更に行われる。一次元フィルタリングは一次元ガウシアンフィルタを基に行われ、垂直方向への一次元フィルタリング及び水平方向への一次元フィルタリングに利用される一次元ガウシアンフィルタは、同一であるか又は異なる。
【0115】
ノイズ低減処理されたイメージデータは、外部プロセッサに提供される。しかし、それに制限されるものではなく、ノイズ低減処理されたイメージデータに対して他のイメージ処理が行われるか又はイメージデータに対して圧縮処理が行われ、他のイメージ処理又は圧縮処理されたイメージデータが外部プロセッサに提供される。
【0116】
図17Aは、マルチカメラモジュールを含む電子装置のブロック図である。図17Bは、図17Aのカメラモジュールの詳細ブロック図である。
【0117】
図17Aを参照すると、電子装置1000は、カメラモジュールグループ1100、アプリケーションプロセッサ1200、PMIC(power management integrated circuit)1300、及び外部メモリ1400を含む。
【0118】
カメラモジュールグループ1100は、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)を含む。図面には、3個のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)が配された実施形態を図示しているが、本実施形態は、それに制限されるものではない。一実施形態において、カメラモジュールグループ1100は、2個のカメラモジュールだけを含むように変形されて実施される。また、一実施形態において、カメラモジュールグループ1100は、k個(kは、4以上の自然数である)のカメラモジュールを含むように変形されて実施される。
【0119】
以下、図17Bを参照し、カメラモジュール(1100b)の詳細構成について更に具体的に説明するが、以下の説明は、一実施形態により、他のカメラモジュール(1100a、1100c)についても同一に適用される。
【0120】
図17Bを参照すると、カメラモジュール1100bは、プリズム1105、光学経路フォールディング要素(OPFE:optical path folding element)1110、アクチュエータ1130、イメージセンシング装置1140、及び保存部1150を含む。プリズム1105は、光反射物質の反射面1107を含み、外部から入射する光Lの経路を変形する。
【0121】
一実施形態において、プリズム1105は、第1方向Xから入射する光Lの経路を第1方向Xに垂直である第2方向Yに変更する。また、プリズム1105は、光反射物質の反射面1107を、中心軸1106を中心にA方向に回転させるか、又は中心軸1106をB方向に回転させて第1方向Xから入射する光Lの経路を垂直である第2方向Yに変更する。このとき、OPFE1110も、第1方向X及び第2方向Yに垂直である第3方向Zに移動する。
【0122】
一実施形態において、図示するように、プリズム1105のA方向の最大回転角度は、プラス(+)A方向には15°以下であり、マイナス(-)A方向には15°よりも大きいが、本実施形態はそれに制限されるものではない。
【0123】
一実施形態において、プリズム1105は、プラス(+)B方向又はマイナス(-)B方向に20°前後、又は10°から20°、又は15°から20°で動き、ここで、動く角度は、プラスB方向(+)又はマイナス(-)B方向に同一角度で動くか、又は1°前後の範囲で略類似した角度まで動く。
【0124】
一実施形態において、プリズム1105は、光反射物質の反射面1107を中心軸1106の延長方向に平行な第3方向(例えば、Z方向)に移動する。
【0125】
OPFE1110は、例えばm(ここで、mは、自然数である)個のグループからなる光学レンズを含む。m枚のレンズは、第2方向Yに移動してカメラモジュール1100bの光学ズーム倍率(optical zoom ratio)を変更する。例えば、カメラモジュール1100bの基本光学ズーム倍率をZとすると、OPFE1110に含まれるm枚の光学レンズを移動させる場合、カメラモジュール1100bの光学ズーム倍率は、3Z又は5Z又は5Z以上の光学ズーム倍率に変更される。
【0126】
アクチュエータ1130は、OPFE1110又は光学レンズ(以下、光学レンズとする)を特定位置に移動する。例えば、アクチュエータ1130は、正確なセンシングのために、イメージセンサ1142が光学レンズの焦点距離(focal length)に位置するように光学レンズの位置を調整する。
【0127】
イメージセンシング装置1140は、イメージセンサ1142、制御ロジック1144、及びメモリ1146を含む。イメージセンサ1142は、光学レンズを介して提供される光Lを利用してセンシング対象のイメージをセンシングする。図1図17を参照して説明したイメージセンサ100及びイメージセンサ100の動作方法がイメージセンサ1142に適用される。イメージ信号プロセッサがイメージデータに対して複数の方向に連続して一次元フィルタリングを行うことにより、イメージデータのノイズが低減される。
【0128】
制御ロジック1144は、カメラモジュール1100bの全般的な動作を制御する。例えば、制御ロジック1144は、制御信号ラインCSLbを介して提供される制御信号によりカメラモジュール1100bの動作を制御する。
【0129】
メモリ1146は、校正データ1147のようなカメラモジュール1100bの動作に必要な情報を保存する。校正データ1147は、カメラモジュール1100bが外部から提供された光Lを利用してイメージデータを生成するのに必要な情報を含む。校正データ1147は、例えば回転度(degree of rotation)に関する情報、焦点距離に関する情報、光学軸(optical axis)に関する情報などを含む。カメラモジュール1100bが光学レンズの位置によって焦点距離が変わるマルチステート(multi state)カメラ形態に具現される場合、校正データ1147は、光学レンズの各位置別(又はステート別)の焦点距離値及びオートフォーカシング(auto focusing)に関する情報を含む。
【0130】
保存部1150は、イメージセンサ1142を介してセンシングされたイメージデータを保存する。保存部1150は、イメージセンシング装置1140の外部に配され、イメージセンシング装置1140を構成するセンサチップにスタックされた形態で具現される。
【0131】
一実施形態において、保存部1150は、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)によって具現されるが、本実施形態は、それに制限されるものではない。一実施形態において、イメージセンサ1142はピクセルアレイによって構成され、制御ロジック1144はアナログデジタルコンバータ(analog to digital converter)及びセンシングされたイメージ処理のためのイメージ信号処理部を含む。
【0132】
図17A及び図17Bを共に参照すると、一実施形態において、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)のそれぞれは、アクチュエータ1130を含む。それにより、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)のそれぞれは、その内部に含まれるアクチュエータ1130の動作によるそれぞれ同一であるか又は異なる校正データ1147を含む。
【0133】
一実施形態において、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)のうちの例えば1つのカメラモジュール1100bは、上述のプリズム1105及びOPFE1110を含む屈曲レンズ(folded lens)形態のカメラモジュールであり、例えば残りのカメラモジュール(1100a、1100c)は、プリズム1105及びOPFE1110が含まれないバーティカル(vertical)形態のカメラモジュールであるが、本実施形態は、それに制限されるものではない。
【0134】
一実施形態において、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)のうちの例えば1つのカメラモジュール1100cは、IR(infrared ray)を利用して深さ(depth)情報を抽出するバーティカル形態のデプスカメラ(depth camera)である。その場合、アプリケーションプロセッサ1200は、そのようなデプスカメラから提供されたイメージデータとは異なる例えばカメラモジュール(1100a又は1100b)から提供されたイメージデータを併合して(merge)三次元デプスイメージ(3D depth image)を生成する。
【0135】
一実施形態において、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)のうちの例えば少なくとも2つのカメラモジュール(1100a、1100b)は、互いに異なる観測視野(視野角)(field of view)を有する。その場合、例えば複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)のうちの例えば少なくとも2つのカメラモジュール(1100a、1100b)の光学レンズは互いに異なるが、それに制限されるものではない。
【0136】
また、一実施形態において、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)のそれぞれの視野角はそれぞれ異なる。例えば、カメラモジュール1100aはウルトラワイド(ultrawide)カメラであり、カメラモジュール1100bはワイド(wide)カメラであり、カメラモジュール1100cはテレ(tele)カメラであるが、それに制限されるものではない。その場合、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)のそれぞれに含まれる光学レンズもそれぞれ異なるが、それに制限されるものではない。
【0137】
一実施形態において、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)の各々は、それぞれ物理的に分離されて配される。即ち、1つのイメージセンサ1142のセンシング領域を複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)が分割して使用するのではなく、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)のそれぞれの内部に独立したイメージセンサ1142が配される。
【0138】
再び図17Aを参照すると、アプリケーションプロセッサ1200は、イメージ処理装置1210、メモリコントローラ1220、内部メモリ1230を含む。アプリケーションプロセッサ1200は、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)から分離されて具現される。例えば、アプリケーションプロセッサ1200と複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)とは、別途の半導体チップで互いに分離されて具現される。
【0139】
イメージ処理装置1210は、複数のサブイメージプロセッサ(1212a、1212b、1212c)、イメージ生成器1214、及びカメラモジュールコントローラ1216を含む。
【0140】
イメージ処理装置1210は、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)の個数に対応する個数の複数のサブイメージプロセッサ(1212a、1212b、1212c)を含む。
【0141】
それぞれのカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)から生成されたイメージデータは、それぞれ分離されたイメージ信号ライン(ISLa、ISLb、ISLc)を介して対応するサブイメージプロセッサ(1212a、1212b、1212c)に提供される。例えば、カメラモジュール1100aから生成されたイメージデータはイメージ信号ラインISLaを介してサブイメージプロセッサ1212aに提供され、カメラモジュール1100bから生成されたイメージデータはイメージ信号ラインISLbを介してサブイメージプロセッサ1212bに提供され、カメラモジュール1100cから生成されたイメージデータはイメージ信号ラインISLcを介してサブイメージプロセッサ1212cに提供される。そのようなイメージデータ伝送は、例えばMIPI(mobile industry processor interface)に基づくカメラ直列インターフェース(CSI:camera serial interface)を利用して行われるが、本実施形態は、それに制限されるものではない。
【0142】
なお、一実施形態において、1つのサブイメージプロセッサが複数のカメラモジュールに対応するように配される。例えば、サブイメージプロセッサ1212a及びサブイメージプロセッサ1212cが、図示しているように互いに分離されて具現されるものではなく、1つのサブイメージプロセッサに統合されて具現され、カメラモジュール1100a及びカメラモジュール1100cから提供されたイメージデータは、選択素子(例えば、マルチプレクサ)などを介して選択された後、統合されたサブイメージプロセッサに提供される。このとき、サブイメージプロセッサ1212bは、統合されずにカメラモジュール1100bからイメージデータが提供される。
【0143】
そして、サブイメージプロセッサ1212bで処理されたイメージデータはイメージ生成器1214に即座に提供されるが、サブイメージプロセッサ1212aで処理されたイメージデータとサブイメージプロセッサ1212cで処理されたイメージデータとは、選択素子(例えば、マルチプレクサ)などを介していずれか一つが選択された後、イメージ生成器1214に提供される。
【0144】
それぞれのサブイメージプロセッサ(1212a、1212b、1212c)は、カメラモジュール(1100a、1100b、1100c)から提供されたイメージデータに対してバッドピクセル補正、3A(auto-focus correction、auto-white balance、auto-exposure)調整、ノイズ除去(noise reduction)、シャープニング(sharpening)、ガンマ調整(gamma control)、リモザイクのようなイメージ処理を行う。
【0145】
一実施形態において、リモザイク信号処理は、それぞれのカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)で行われた後、サブイメージプロセッサ(1212a、1212b、1212c)に提供される。
【0146】
それぞれのサブイメージプロセッサ(1212a、1212b、1212c)で処理されたイメージデータは、イメージ生成器1214に提供される。イメージ生成器1214は、イメージ生成情報(generating information)又はモード信号(mode signal)に応じて、それぞれのサブイメージプロセッサ(1212a、1212b、1212c)から提供されたイメージデータを利用して出力イメージを生成する。
【0147】
具体的に、イメージ生成器1214は、イメージ生成情報又はモード信号に応じて、それぞれ異なる視野角を有するカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)から生成されたイメージデータのうちの少なくとも一部を併合して出力イメージを生成する。また、イメージ生成器1214は、イメージ生成情報又はモード信号に応じて、それぞれ異なる視野角を有するカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)から生成されたイメージデータのうちのいずれか一つを選択して出力イメージを生成する。
【0148】
一実施形態において、イメージ生成情報は、ズーム信号(zoom signal又はzoom factor)を含む。また、一実施形態において、モード信号は例えばユーザから選択されたモードに基づく信号である。
【0149】
イメージ生成情報がズーム信号(ズームファクタ)であり、それぞれのカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)がそれぞれ異なる観測視野(視野角)を有する場合、イメージ生成器1214は、ズーム信号の種類によってそれぞれ異なる動作を遂行する。例えば、ズーム信号が第1信号である場合、サブイメージプロセッサ1212aから出力されたイメージデータ及びサブイメージプロセッサ1212cから出力されたイメージデータのうち、サブイメージプロセッサ1212aから出力されたイメージデータ及びサブイメージプロセッサ1212bから出力されたイメージデータを利用して出力イメージを生成する。ズーム信号が第1信号とは異なる第2信号である場合、イメージ生成器1214は、サブイメージプロセッサ1212aから出力されたイメージデータ及びサブイメージプロセッサ1212cから出力されたイメージデータのうち、サブイメージプロセッサ1212cから出力されたイメージデータ及びサブイメージプロセッサ1212bから出力されたイメージデータを利用して出力イメージを生成する。ズーム信号が第1信号及び第2信号とは異なる第3信号である場合、イメージ生成器1214は、そのようなイメージデータ併合を行わず、それぞれのサブイメージプロセッサ(1212a、1212b、1212c)から出力されたイメージデータのうちのいずれか一つを選択して出力イメージを生成する。しかし、本実施形態は、それらに制限されるものではなく、必要に応じてイメージデータを処理する方法は、多様に変形して実施することができる。
【0150】
一実施形態において、イメージ処理装置1210は、サブイメージプロセッサ(1212a、1212b、1212c)の出力を選択してイメージ生成器1214に伝達する選択部を更に含む。
【0151】
その場合、選択部は、ズーム信号又はズームファクタによってそれぞれ異なる動作を遂行する。例えば、選択部は、ズーム信号が例えば第4信号(ズーム倍率が第1倍率である)である場合、サブイメージプロセッサ(1212a、1212b、1212c)の出力のうちのいずれか一つを選択してイメージ生成器1214に伝達する。また、選択部は、ズーム信号が例えば第4信号とは異なる第5信号(ズーム倍率が第2倍率である)である場合、サブイメージプロセッサ(1212a、1212b、1212c)の出力のうちのp個(pは、2以上の自然数である)の出力を順次にイメージ生成器1214に伝達する。例えば、選択部は、サブイメージプロセッサ1212b及びサブイメージプロセッサ1212cの出力を順次にイメージ生成器1214に伝達する。また、選択部は、サブイメージプロセッサ1212a及びサブイメージプロセッサ1212bの出力を順次にイメージ生成器1214に伝達する。イメージ生成器1214は、順次に提供されたp個の出力を併合して1つの出力イメージを生成する。
【0152】
ここで、デモザイク(demosaic)、ビデオ/プレビュー(video/preview)解像度サイズのダウンスケーリング(down scaling)、ガンマ補正、HDR(high dynamic range)処理のようなイメージ処理は、サブイメージプロセッサ(1212a、1212b、1212c)で事前に行われた後、処理されたイメージデータがイメージ生成器1214に伝達される。従って、処理されたイメージデータが選択部を介して1本の信号ラインでイメージ生成器1214に提供されても、イメージ生成器1214のイメージ併合動作は、高速に遂行される。
【0153】
一実施形態において、イメージ生成器1214は、複数のサブイメージプロセッサ(1212a、1212b、1212c)のうちの少なくとも一つから露出時間が異なる複数のイメージデータを受信し、複数のイメージデータに対してHDR処理を行うことにより、ダイナミックレンジが増大した併合されたイメージデータを生成する。
【0154】
カメラモジュールコントローラ1216は、それぞれのカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)に制御信号を提供する。カメラモジュールコントローラ1216から生成された制御信号は、それぞれ分離された制御信号ライン(CSLa、CSLb、CSLc)を介して対応するカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)に提供される。
【0155】
複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)のうちのいずれか一つはズーム信号を含むイメージ生成情報又はモード信号に応じて例えばマスター(master)カメラ1100bに指定され、例えば残りのカメラモジュール(1100a、1100c)はスレーブ(slave)カメラに指定される。そのような情報は、制御信号に含まれ、それぞれ分離された制御信号ライン(CSLa、CSLb、CSLc)を介して対応するカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)に提供される。
【0156】
ズームファクタ又は動作モード信号に応じてマスター及びスレーブとして動作するカメラモジュールが変更される。例えば、カメラモジュール1100aの視野角がカメラモジュール1100bの視野角よりも広くズームファクタが低いズーム倍率を示す場合、カメラモジュール1100bがマスターとして動作し、カメラモジュール1100aがスレーブとして動作する。反対に、ズームファクタが高いズーム倍率を示す場合、カメラモジュール1100aがマスターとして動作し、カメラモジュール1100bがスレーブとして動作する。
【0157】
一実施形態において、カメラモジュールコントローラ1216からそれぞれのカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)に提供される制御信号は、シンクイネーブル(sync enable)信号を含む。例えば、カメラモジュール1100bがマスターカメラであり、カメラモジュール(1100a、1100c)がスレーブカメラである場合、カメラモジュールコントローラ1216は、カメラモジュール1100bにシンクイネーブル信号を伝送する。そのようなシンクイネーブル信号が提供されたカメラモジュール1100bは、提供されたシンクイネーブル信号を基にシンク信号(sync signal)を生成し、生成されたシンク信号を、シンク信号ラインSSLを介してカメラモジュール(1100a、1100c)に提供する。カメラモジュール1100b及びカメラモジュール(1100a、1100c)は、そのようなシンク信号に同期化されてイメージデータをアプリケーションプロセッサ1200に伝送する。
【0158】
一実施形態において、カメラモジュールコントローラ1216から複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)に提供される制御信号は、モード信号によるモード情報を含む。そのようなモード情報に基づき、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)は、センシング速度に関連して第1動作モード及び第2動作モードで動作する。
【0159】
複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)は、第1動作モードにおいて、例えば第1速度でイメージ信号を生成(第1フレームレートのイメージ信号を生成)し、それを例えば第1速度よりも速い第2速度でエンコーディング(第1フレームレートよりも速い第2フレームレートのイメージ信号をエンコーディング)し、エンコーディングされたイメージ信号をアプリケーションプロセッサ1200に伝送する。このとき、第2速度は第1速度の30倍以下である。
【0160】
アプリケーションプロセッサ1200は、受信されたイメージ信号、言い替えるとエンコーディングされたイメージ信号を内部に具備される内部メモリ1230又はアプリケーションプロセッサ1200外部の外部メモリ1400に保存し、その後内部メモリ1230又は外部メモリ1400からエンコーディングされたイメージ信号を読み取ってデコーディングし、デコーディングされたイメージ信号に基づいて生成されたイメージデータをディスプレイする。例えば、イメージ処理装置1210の複数のサブプロセッサ(1212a、1212b、1212c)のうちの対応するサブプロセッサがデコーディングを行い、またデコーディングされたイメージ信号に対してイメージ処理を行う。
【0161】
複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)は、第2動作モードにおいて、例えば第1速度よりも遅い第3速度でイメージ信号を生成(第1フレームレートよりも遅い第3フレームレートのイメージ信号を生成)し、イメージ信号をアプリケーションプロセッサ1200に伝送する。アプリケーションプロセッサ1200に提供されるイメージ信号は、エンコーディングされていない信号である。アプリケーションプロセッサ1200は、受信されるイメージ信号に対してイメージ処理を行うか、或いはイメージ信号を内部メモリ1230又は外部メモリ1400に保存する。
【0162】
PMIC1300は、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)のそれぞれに電力、例えば電源電圧を供給する。例えば、PMIC1300は、アプリケーションプロセッサ1200の制御下で、パワー信号ラインPSLaを介してカメラモジュール1100aに第1電力を供給し、パワー信号ラインPSLbを介してカメラモジュール1100bに第2電力を供給し、パワー信号ラインPSLcを介してカメラモジュール1100cに第3電力を供給する。
【0163】
PMIC1300は、アプリケーションプロセッサ1200からの電力制御信号PCONに応答して、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)のそれぞれに対応する電力を生成し、また電力レベルを調整する。電力制御信号PCONは、複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)の動作モード別に電力調整信号を含む。例えば、動作モードは、低電力モード(low power mode)を含み、このとき電力制御信号PCONは、低電力モードで動作するカメラモジュール及び設定される電力レベルに関する情報を含む。複数のカメラモジュール(1100a、1100b、1100c)のそれぞれに提供される電力のレベルは、それぞれ同一であるか又は異なる。また、電力レベルは動的に変更される。
【0164】
図18は、本発明の一実施形態によるイメージセンサを含む電子装置を示すブロック図である。図18の電子装置2000は、携帯用端末機である。
【0165】
図18を参照すると、電子装置2000は、メインプロセッサ2100、イメージセンサ2200、ディスプレイ装置2600、ワーキングメモリ2300、保存部2400、ユーザインターフェース2700、及び無線送受信部2500を含む。
【0166】
メインプロセッサ2100は、電子装置2000の全般的な動作を制御し、応用プログラム、オペレーティングシステム(OS)などを駆動するシステムオンチップ(SoC:system-on-chip)によって具現される。メインプロセッサ2100は、イメージセンサ2200から提供されるイメージデータをディスプレイ装置2600に提供するか、或いは保存部2400に保存する。一実施形態において、メインプロセッサ2100は、イメージ処理回路を具備し、イメージセンサ2200から受信されるイメージデータに対して画質調整、データフォーマット変更のようなイメージ処理を行う。
【0167】
図1図17A及び図17Bを参照して説明したイメージセンサ100がイメージセンサ2200として適用される。イメージセンサ2200はイメージ信号プロセッサ(ISP)を含み、イメージ信号プロセッサ(ISP)はイメージデータに対して複数の方向に連続して一次元フィルタリングを行う。それにより、イメージデータのノイズが低減される。
【0168】
ワーキングメモリ2300は、DRAM(dynamic random access memory)、SRAM(static random access memory)のような揮発性メモリ、又はPRAM(phase change random access memory)、ReRAM(resistive random access memory)のような不揮発性の抵抗性メモリによって具現される。保存部2400に保存された運用プログラム又はアプリケーションプログラムなどがワーキングメモリ2300にローディングされて実行される。また、電子装置2000の動作中に生成されるデータがワーキングメモリ2300に臨時保存される。
【0169】
保存部2400は、NANDフラッシュ、抵抗性メモリのような不揮発性メモリ装置によって具現され、例えば保存部2400は、メモリカード(MMC、eMMC、SD、micro SD)などによって提供される。保存部2400は、イメージセンサ2200から提供されるイメージデータを保存する。また、保存部2400は、電子装置2000の運用プログラム、アプリケーションプログラムなどを保存する。
【0170】
ユーザインターフェース2700は、キーボード、投影型キーパネル、タッチパネル、指紋センサ、マイクのような、ユーザ入力を受信することができる多様な装置によって具現される。ユーザインターフェース2700は、ユーザ入力を受信し、受信されたユーザ入力に対応する信号をメインプロセッサ2100に提供する。
【0171】
無線送受信部2500は、トランシーバ2510、モデム2520、及びアンテナ2530を含む。無線送受信部2500は、外部装置と無線通信を行い、外部装置からデータを受信するか又は外部装置にデータを送信する。
【0172】
以上で開示された1以上の要素は、論理回路を含むハードウェア、ソフトウェアを実行するプロセッサのようなハードウェア/ソフトウェアの組み合わせ、又はそれらの組み合わせのような1以上の処理回路を含むか、或いはそれらによって具現される。例えば、1以上の処理回路は、中央処理装置(CPU)、算術論理装置(ALU)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、FPGA(field programmable gate array)、システムオンチップ(SoC)、プログラマブルロジックユニット、マイクロプロセッサ、ASIC(application specific integrated circuit)などを含む。
【0173】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0174】
10、10a、10b ノイズ低減ロジック
11 第1フィルタリングモジュール(HD)
12 第2フィルタリングモジュール(VD)
13 フィルタ設定モジュール
20 バッドピクセル校正ロジック
30 ゲイン算出器
40 リモザイクロジック
100、2200 イメージセンサ
110 ピクセルアレイ
120 リードアウト回路
130、130a、130b イメージ信号プロセッサ
200 外部プロセッサ
1000、2000 電子装置
1100 カメラモジュールグループ
1100a~1100c カメラモジュール
1110 光学経路フォールディング要素(OPFE)
1105 プリズム
1106 中心軸
1107 反射面
1130 アクチュエータ
1140 イメージセンシング装置
1142 イメージセンサ
1144 制御ロジック
1146 メモリ
1147 校正データ
1150 保存部
1200 アプリケーションプロセッサ
1210 イメージ処理装置
1212a~1212c サブイメージプロセッサ
1214 イメージ生成器
1216 カメラモジュールコントローラ
1220 メモリコントローラ
1230 内部メモリ
1300 PMIC
1400 外部メモリ
2100 メインプロセッサ
2300 ワーキングメモリ
2400 保存部
2500 無線送受信部
2510 トランシーバ
2520 モデム
2530 アンテナ
2600 ディスプレイ装置
2700 ユーザインターフェース
B ブルーピクセル
C1~C5 第1~第5係数
CSLa~CSLc 制御信号ライン
DI 方向性情報
EA1~EA4 第1~第4エッジ領域
EAR エッジ領域
G0~GN ゲイン
Gb、Gr 第2、第1グリーンピクセル
IDT イメージデータ
IDT1、IDT2 (第1、第2)イメージデータ
IDTc イメージデータ
IDTi 入力イメージデータ
IDTo 出力イメージデータ
IF_GN ゲイン情報
IF_S 設定情報
ISLa~ISLc イメージ信号ライン
LS 光学レンズ
P_H1~P_H5 第1~第5ピクセル
P_V1~P_V5 第1~第5ピクセル
PCON 電力制御信号
PG ピクセルグループ
PG_T ターゲットピクセルグループ
PG1、PG2、PG3 第1~第3ピクセルグループ
PGa、PGb ピクセルグループ
PSLa~PSLc パワー信号ライン
PX ピクセル
PX_T ターゲットピクセル
R レッドピクセル
SSL シンク信号ライン
W0~WN 加重値

図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図16
図17A
図17B
図18