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特開2022-183106水分のあるテクスチャー付与タンパク質を製造するためのタンパク質の改変および押し出し成形
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  • 特開-水分のあるテクスチャー付与タンパク質を製造するためのタンパク質の改変および押し出し成形 図1
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  • 特開-水分のあるテクスチャー付与タンパク質を製造するためのタンパク質の改変および押し出し成形 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183106
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】水分のあるテクスチャー付与タンパク質を製造するためのタンパク質の改変および押し出し成形
(51)【国際特許分類】
   A23J 3/14 20060101AFI20221201BHJP
   A23J 3/26 20060101ALI20221201BHJP
   A23L 13/00 20160101ALI20221201BHJP
   A23L 13/60 20160101ALI20221201BHJP
   A23L 11/00 20210101ALI20221201BHJP
【FI】
A23J3/14
A23J3/26 502
A23L13/00 A
A23L13/60 Z
A23L11/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022085906
(22)【出願日】2022-05-26
(31)【優先権主張番号】63/194,530
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/468,369
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522209594
【氏名又は名称】ナウアデイズ インコーポレイテッド, ピービーシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク グラビンスキ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム アール. エイムティス
【テーマコード(参考)】
4B020
4B042
【Fターム(参考)】
4B020LB19
4B020LC02
4B020LC03
4B020LC04
4B020LG09
4B020LK02
4B020LK05
4B020LK07
4B020LK20
4B020LP15
4B020LP20
4B020LP22
4B042AC02
4B042AC03
4B042AC05
4B042AD04
4B042AD18
4B042AD36
4B042AK01
4B042AK09
4B042AK13
4B042AK16
4B042AP17
(57)【要約】
【課題】マメ科植物ベースのタンパク質は、中間の水分のあるテクスチャー付与タンパク質小塊を製造するために、二軸押し出し成形のための主要供給源として使用される。
【解決手段】この小塊は、水和の制御によってさらに加工処理され得、バッター、パン粉、またはコーティングでコーティングされて、食用製品を生産し得る。タンパク質は、押し出し成形した小塊における主要成分(70~95%)である。タンパク質は、エンドウ粉末であり、香味は、酵母抽出物を添加して、牛肉、鶏肉、または豚肉の香味を付与することによって提供される。親水性ポリマーは、水を結合するなどの機能的な特性を付与し、それによって、押し出し成形によって中間の水分のあるテクスチャー付与植物タンパク質製品を製造するのに重要な、発泡、乳化、テクスチャー付与、およびゲル化を補助する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物ベースの食肉代用物であって、前記食肉代用物は、
マメ類、エンドウ、ヒヨコマメ、およびレンズマメからなる群より選択されるマメ科植物に由来するタンパク質、
pHを7.5へと増大させ、押し出し成形を改善するために有効な量のアルカリ、
タンパク質に対するポリマーが3~10%重量/重量の間の量の親水性ポリマー、ならびに
5~12%w/w乾燥物の間の量の酵母抽出物香味剤、
を含む食肉代用物。
【請求項2】
押し出し成形物の形態にある、請求項1に記載の食肉代用物。
【請求項3】
前記マメ科植物は、イエロービーンまたはエンドウである、請求項2に記載の食肉代用物。
【請求項4】
前記アルカリは、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、およびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の食肉代用物。
【請求項5】
前記親水性ポリマーは、処理済みメープル繊維、オーツ繊維、オオバコ繊維、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルカルボキシメチルセルロース、マルトデキストリンおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の食肉代用物。
【請求項6】
タンパク質に対する前記親水性ポリマーは、乾燥重量タンパク質に対して約5%乾燥重量の親水性ポリマーの重量比で存在する、請求項5に記載の食肉代用物。
【請求項7】
エンドウタンパク質を、処理済みメープル繊維、水酸化カルシウムの21%溶液、0.5%の高粘性アルギン酸ナトリウムまたはアルギン酸カルシウムおよび0.5%の低メトキシペクチンとの組み合わせにおいて含む、請求項1に記載の食肉代用物。
【請求項8】
1~10重量%の間の比で存在する1またはこれより多くの酵母抽出物を含む、請求項1に記載の食肉代用物。
【請求項9】
前記酵母抽出物は、牛肉、鶏肉、豚肉、魚肉または海産物からなる群より選択される香味を作り出す、請求項8に記載の食肉代用物。
【請求項10】
少なくとも1.27cmの長さ、高さ、および/または幅を有する小塊の状態にある、請求項1に記載の食肉代用物。
【請求項11】
前記食肉代用物は、乾燥されているか、バッターが付けられているか、パン粉が付けられているか、挽かれているか、またはソース中にある、請求項9に記載の食肉代用物。
【請求項12】
チキンナゲット、フィッシュスティック、牛挽肉、チキンストリップ、およびソースが付けられた製品の形態にある、請求項10に記載の食肉代用物。
【請求項13】
請求項1に記載の食肉代用物を作製する方法であって、前記方法は、前記成分を混合する工程、および次いで、前記混合した成分を、押し出し成形機へとダイを通して供給する工程を包含する方法。
【請求項14】
濃アルカリ溶液、例えば、10%~21%のCaOHまたは21%のCaOHとしてアルカリ、前記親水性ポリマーおよびタンパク質を添加する工程を包含する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記押し出し成形機は、二軸型であり、押し出し成形は、130~165℃の間、好ましくは、155~162℃の間で行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記押し出し成形機は、1~10平方インチ(2.54cm~25.4cm)の間の長さ、高さおよび/もしくは幅、または0.5インチ(1.27cm)の立方体~8インチ(20.32cm)×7インチ(17.78cm)×1インチ(2.54インチ)の小塊の、食肉代用物小塊を生成し得る溝付きのダイを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
乾式押し出し成形または湿式押し出し成形プロセスのいずれかが使用される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記押し出し成形した食肉代用物は乾燥される、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記食肉代用物は、挽かれている、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記食肉代用物は、ソースの中にパッケージされている、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記食肉代用物は、海産物または魚肉代用物へと配合される、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本開示は、押し出し成形した植物ベースのタンパク質製品を生成するためのプロセスを改変するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
植物ベースの食肉代替物は、より洗練されつつあり、食肉特異的な属性を呈するようになってきている。味、テクスチャー、香り、および外見は、食肉を模倣するように配合されているべきである。タンパク質レベルおよび組成は、食肉に匹敵するべきである。食肉代替物は、牛肉、豚肉、家禽肉、および海産物のような品目の完全な置き換え物として認識されているべきである。
【0003】
栄養および健康は、植物ベースの食肉代替物の消費に関する最大の駆動因子である。配合者は、上記代替物をタンパク質および繊維で強化し得、塩、脂肪または糖が置き換えられる場合に、味を維持する方法を見出し得る。味は、味覚調整成分(taste-modulating ingredient)(例えば、マリネ液、揉み込みだれ(rubs)、グレーズ(照り)、調味料、食肉フレーバー、燻製およびグリルフレーバー、ならびに味のよい(savory)香味を増強する酵母ベースの系および非酵母ベースの系を含めることによって改質され得る。Kerryによれば、クリーンラベルとして認識されている天然のフレーバーおよび抽出物、天然の保存剤、および調味料が好まれる。
【0004】
タンパク質基材(base)は、植物ベースの食肉代替物の味、粘稠度、および安定性、ならびにそれらをどのように調理するかに影響を及ぼす。ある調査において、植物タンパク質の最も好ましい供給源は、62%が豆類(beans)/マメ科植物、および55%がナッツ類であった。他の好ましい供給源は、48%がマッシュルーム、46%がレンズマメ、46%がジャガイモ、46%がコメ、45%がキヌア、42%が豆腐、41%が供給源のブレンドおよび40%が種子類であった。人々は、ソーセージ、ストリップおよびナゲット、ならびにタコス、ブリトー、朝食用の品目およびピザのトッピング用において使用されるそぼろの形式を含めた、より多くの植物ベースの選択肢を見て確かめたがっている。
【0005】
食肉代替物の需要は成長しており、かつ上昇し続けると思われるが、産業界には、世界の種々の地域で克服するべきハードルがなおある。市場調査会社EuromonitorがCNBCに語ったところによれば、世界の食肉代用物部門は、現在207億ドルの価値があり、2024年までには232億ドルに成長すると推定される。その成長は、動物福祉から食品安全保障およびCovid-19パンデミックまでの範囲に及ぶ懸念によって拍車がかかっている。
【0006】
しかし、新興市場には障害が未だにある。概して、植物ベースの食肉代用物の生産には、多くの加工処理ステージが関わる。その得られる製品品質に関して、混合は、製造プロセス全体においてとりわけ、最も決定的な工程である。これは、代替食肉製品の基材混合物がしばしば、水分、密度、粒径、レオロジー、および安定性に関して非常に異なる物理的特性を有する30を超える異なる構成要素を含むことが理由である。いくつかの植物ベースの食肉製品に関しては、そのプレミックスは、乾燥した粉状の成分から専らなる。他の製品は、高い割合の液体を既に含むペースト状の軟らかいプレミックスを使用する。
【0007】
植物ベースの食肉代用物はしばしば、連続プロセスにおいて製造、運搬、およびパッケージングされる。これは、容易には流動しない粘着性の製品、および大気中の酸素への長期間曝露に伴って劣化する製品に、特に該当する。
【0008】
連続生産プロセスは、レシピ変更の頻度および混合される必要のある個々の構成要素の数に応じて、非常に複雑になり得る。液体とは異なり、異なる粉末は、分散させた場合に、非常に異なる挙動を示し得、これは、連続生産のためにこの加工処理工程を自動化することを困難にし得る。この理由から、しばしば、バルク粉末の暫定的な混合物を調製するためにバッチ生産方法を使用することは最も意味のあることである。
【0009】
従って、本発明の目的は、所望の色、香味およびテクスチャーを有する、食肉代用物としての使用のための植物ベースの製品を作製する経済的で、再現性のあるプロセスを提供することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の要旨
マメ科植物ベースのタンパク質、特に、エンドウタンパク質は、中間の水分のあるテクスチャー付与タンパク質小塊を製造するために、二軸押し出し成形のための主な供給源として使用される。この小塊は、水和の制御によってさらに加工処理され得、バッター(衣)、パン粉、またはコーティングでコーティングされて食用製品を生成し得る。
【0011】
タンパク質は、押し出し成形した小塊における主要成分(70~95%)である。好ましい実施形態において、上記タンパク質は、エンドウ粉末であり、香味は、酵母抽出物を添加して、牛肉、鶏肉、または豚肉の香味を付与することによって提供される。好ましい実施形態において、着色剤は添加されない。親水性ポリマーおよびアルカリ(alkalai)の形態にあるさらなる構成要素は、所望のテクスチャーおよび取り扱い特性を確実にするために、押し出し成形する前に添加される。上記親水性ポリマーは、水を結合するなどの機能的な特性を付与し、それによって、押し出し成形によって中間の水分のあるテクスチャー付与植物タンパク質製品を製造するのに重要な、発泡、乳化、テクスチャー付与、およびゲル化を補助する。
【0012】
上記添加成分は、押し出し成形前に上記タンパク質とともにブレンドされて、1)タンパク質機能性を改質する(アルカリ化剤(例えば、NaOH、CaOH、NaCO3、NaHCO)、ならびに必要に応じて、ジスルフィド結合を破壊する薬剤(例えば、アスコルビン酸、尿素)、およびメタ重亜硫酸ナトリウム、メチオニン、システイン、チアミン、またはこれらの組み合わせのような化合物、2)粒子密度を増大させる(例えば、繊維、デンプン、酵母抽出物(香味付けにも使用される))、3)押し出し成形機バレルに対する潤滑を提供する(例えば、親水性ポリマーおよび酵母抽出物)、ならびに押し出し成形物の過剰テクスチャー付与およびテクスチャーが硬い押し出し成形物を作り出すのを防止する、ならびに4)押し出し成形した粒子において水分を制御する(例えば、親水性ポリマーおよび酵母抽出物)。好ましい実施形態において、上記製品は、脂肪および/または塩を含まない。
【0013】
高い水分結合を有するタンパク質は、押し出し成形した時に過剰に拡がらない押し出し成形した小塊を提供し、かみ応え(chewability)を維持し、調理済みの食肉タンパク質に類似の繊維性のテクスチャーを提供するために、中間の水分のあるテクスチャー付与植物タンパク質押し出し成形物において重要である。これらは、ほんの60~90%のタンパク質(その残りは、中間の水分のあるテクスチャー付与タンパク質粒子の作製に干渉する夾雑成分である)から構成される植物ベースのタンパク質に伴う問題を克服する。これらの夾雑物質としては、デンプン、繊維、ミネラル、糖、および脂質が挙げられる。アルカリ化のような改質および他の化学処理は、タンパク質を、そのタンパク質とブレンドされる他の成分(例えば、繊維、酵母抽出物)に対してより反応性にする。これらの改質因子なしの植物タンパク質の押し出し成形は、水分が低くテクスチャーが非常に硬い小塊を生じるか、またはデンプン糊化から拡がる小塊を生じるかのいずれかである。
【0014】
その得られた押し出し成形した中間の水分のあるテクスチャー付与タンパク質は、冷凍または冷蔵の食肉代替物製品を生産するために使用される。中間の水分のある押し出し成形した小塊は、さらなる改質なしに消費者によって調理に直接使用され得る。あるいは、上記中間の水分のある押し出し成形物は、コーティングされるか、バッターが付けられるか、またはパン粉が付けられた食用製品(例えば、「チキン」ナゲットおよび「フィッシュ」スティック)を製造するために、他の成分と合わされ得る。上記製品は、カットしたかもしくは挽いた、またはパン粉を付けた、あるいは異なるソースおよび調理レシピにおいて調理される可能性がある。1つの利点は、その製品がより長期間にわたって、天然の動物由来の食肉に匹敵する所望の温度を維持することである。香味付けおよびテクスチャーは、牛肉、鶏肉または魚肉を模倣するために使用され得る。
【0015】
特定の実施形態において、例えば、以下の項目が提供される:
[項目1] 植物ベースの食肉代用物であって、上記食肉代用物は、
マメ類、エンドウ、ヒヨコマメ、およびレンズマメからなる群より選択されるマメ科植物に由来するタンパク質、
pHを7.5へと増大させ、押し出し成形を改善するために有効な量のアルカリ、
タンパク質に対するポリマーが3~10%重量/重量の間の量の親水性ポリマー、ならびに
5~12%w/w乾燥物の間の量の酵母抽出物香味剤、
を含む食肉代用物。
[項目2] 押し出し成形物の形態にある、先行項目のいずれか1つに記載の食肉代用物。
[項目3] 上記マメ科植物は、イエロービーンまたはエンドウである、先行項目のいずれか1つに記載の食肉代用物。
[項目4] 上記アルカリは、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、およびこれらの混合物からなる群より選択される、先行項目のいずれか1つに記載の食肉代用物。
[項目5] 上記親水性ポリマーは、処理済みメープル繊維、オーツ繊維、オオバコ繊維、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルカルボキシメチルセルロース、マルトデキストリンおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、先行項目のいずれか1つに記載の食肉代用物。
[項目6] タンパク質に対する上記親水性ポリマーは、乾燥重量タンパク質に対して約5%乾燥重量の親水性ポリマーの重量比で存在する、先行項目のいずれか1つに記載の食肉代用物。
[項目7] エンドウタンパク質を、処理済みメープル繊維、水酸化カルシウムの21%溶液、0.5%の高粘性アルギン酸ナトリウムまたはアルギン酸カルシウムおよび0.5%の低メトキシペクチンとの組み合わせにおいて含む、先行項目のいずれか1つに記載の食肉代用物。
[項目8] 1~10重量%の間の比で存在する1またはこれより多くの酵母抽出物を含む、先行項目のいずれか1つに記載の食肉代用物。
[項目9] 上記酵母抽出物は、牛肉、鶏肉、豚肉、魚肉または海産物からなる群より選択される香味を作り出す、先行項目のいずれか1つに記載の食肉代用物。
[項目10] 少なくとも1.27cmの長さ、高さ、および/または幅を有する小塊の状態にある、先行項目のいずれか1つに記載の食肉代用物。
[項目11] 上記食肉代用物は、乾燥されているか、バッターが付けられているか、パン粉が付けられているか、挽かれているか、またはソース中にある、先行項目のいずれか1つに記載の食肉代用物。
[項目12] チキンナゲット、フィッシュスティック、牛挽肉、チキンストリップ、およびソースが付けられた製品の形態にある、先行項目のいずれか1つに記載の食肉代用物。
[項目13] 先行項目のいずれか1つに記載の食肉代用物を作製する方法であって、上記方法は、上記成分を混合する工程、および次いで、上記混合した成分を、押し出し成形機へとダイを通して供給する工程を包含する方法。
[項目14] 濃アルカリ溶液、例えば、10%~21%のCaOHまたは21%のCaOHとしてアルカリ(alkali)、上記親水性ポリマーおよびタンパク質を添加する工程を包含する、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
[項目15] 上記押し出し成形機は、二軸型であり、押し出し成形は、130~165℃の間、好ましくは、155~162℃の間で行われる、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
[項目16] 上記押し出し成形機は、1~10平方インチ(2.54cm~25.4cm)の間の長さ、高さおよび/もしくは幅、または0.5インチ(1.27cm)の立方体~8インチ(20.32cm)×7インチ(17.78cm)×1インチ(2.54インチ)の小塊の、食肉代用物小塊を生成し得る溝付きのダイを含む、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
[項目17] 乾式押し出し成形または湿式押し出し成形プロセスのいずれかが使用される、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
[項目18] 上記押し出し成形した食肉代用物は乾燥される、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
[項目19] 上記食肉代用物は、挽かれている、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
[項目20] 上記食肉代用物は、ソースの中にパッケージされている、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
[項目21] 上記食肉代用物は、海産物または魚肉代用物へと配合される、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
【0016】
[摘要]
マメ科植物ベースのタンパク質、特に、エンドウタンパク質は、中間の水分のあるテクスチャー付与タンパク質小塊を製造するために、二軸押し出し成形のための主要供給源として使用される。この小塊は、水和の制御によってさらに加工処理され得、バッター、パン粉、またはコーティングでコーティングされて、食用製品を生産し得る。タンパク質は、押し出し成形した小塊における主要成分(70~95%)である。好ましい実施形態において、上記タンパク質は、エンドウ粉末であり、香味は、酵母抽出物を添加して、牛肉、鶏肉、または豚肉の香味を付与することによって提供される。親水性ポリマーおよびアルカリの形態にあるさらなる構成要素もまた、所望のテクスチャーおよび取り扱い特性を確実にするために、押し出し成形する前に添加される。上記親水性ポリマーは、水を結合するなどの機能的な特性を付与し、それによって、押し出し成形によって中間の水分のあるテクスチャー付与植物タンパク質製品を製造するのに重要な、発泡、乳化、テクスチャー付与、およびゲル化を補助する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、実施例において使用されるスクリュー型押し出し成形機の斜視図である。
図2A図2Aは、溝付きのダイの図である。
図2B図2Bは、押し出し成形機エンドプレートの端面図である。
図3図3A~3Cは、種々のサンプルの吸水指数のグラフ(3A);%水溶性指数(3B);および%水分保持能力(3C)のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
発明の詳細な説明
1.定義
アルカリ溶液は、7.0より大きいpHを有する可溶性塩基の溶液である。
【0019】
親水性ポリマーは、水中に溶けるか、または水によって膨潤されるポリマーであり、天然の起源の多くのポリマーが挙げられる。多くの食物(実質的な量の箪笥化物およびタンパク質を含む)は、親水性ポリマーとして分類され得る。産業において使用される親水性または水溶性ポリマーのうちの2/3超は、天然起源のポリマーに由来する。
【0020】
食肉代用物または食肉類似物は、特定の食肉のある特定の美的品質(主に、テクスチャー、香味よび外見)または化学的特徴に近い。代用物はしばしば、ダイズ、グルテン、エンドウ、またはマメ科植物に基づく。
【0021】
マメ科植物は、Fabaceae(またはLeguminosae)科の植物、またはそのような植物の莢果または種子である。乾燥穀粒として使用される場合、その種子は、豆といわれる。マメ科植物としては、アルファルファ、クローバー、マメ類、エンドウ、ヒヨコマメ、レンズマメ、ハウチワマメ、メスキート、イナゴマメ、ダイズ、落花生、およびタマリンドが挙げられる。全てのマメ科植物が、最適な食肉代用物または代替物を生じるわけではない。
【0022】
酵母抽出物は、パン、ビールおよびワインを作るために使用されるものと同じ酵母の細胞内構成要素であり、これは、細胞壁から分離されている。酵母抽出物は、ブイヨンのものに匹敵する味のよい味を有し、牛肉、豚肉、鶏肉または他の食肉のような味であり得る。
【0023】
II.組成物
マメ科植物タンパク質源
使用され得るマメ科植物は、最も代表的には、マメ類、エンドウ、ヒヨコマメ、およびレンズマメであるが、他のものも使用され得る。これらを、タンパク質を提供し、製品の大部分を形成するために使用した。
【0024】
好ましい実施形態において、上記タンパク質源は、エンドウタンパク質単離物(改質されていないかまたは改質されているかのいずれか)である。PURIS(登録商標)タンパク質(Cargill)が好ましいが、他の非ダイズタンパク質も使用され得る。PURIS(登録商標)エンドウタンパク質は、米国のイエローピー種子品種から生産され、通常豆に原因があるとされる異臭を最小限にするために選択される。それは、最低80%のタンパク質含有量を有し、遺伝的に改変されておらず(「非GMO」)、有機、完全菜食主義者、グルテン非含有およびダイズ非含有の認証を受けている。
【0025】
アルカリ溶液または粉末
所望の押し出し成形特性を生じるための重要な添加剤は、アルカリ(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、またはこれらの混合物)である。上記アルカリ組成物は、溶液または乾燥形態で提供され得る。それは、好ましくは水溶液中にあり、押し出し成形機への注入の前に、上記タンパク質および繊維組成物へと添加される。繊維および水酸化カルシウムのブレンドは、蠕動ポンプで二軸型押し出し成形機へと注入されるので、上記溶液は、上記押し出し成形プロセスの間に反応し得る(pHは、7.5へと増大され、繊維は、押し出し成形した塊の中に組み込まれる)。
【0026】
上記アルカリは、押し出し成形の間にもその後にも、除去も中和もされない。
【0027】
一例では、10%のCaOH;または21%のCaOHのいずれかが、以下の実施例において示されるとおり、使用され得る。
【0028】
親水性ポリマー
親水性ポリマーは、含水量を増大させ、テクスチャーを改善するために使用される。タンパク質に対して3~10%重量/重量の間の親水性ポリマー、好ましくは、約5%乾燥重量が、添加される。代表的な親水性ポリマーとしては、以下の実施例において記載されるとおりのメープル繊維NOURAVANT(登録商標)(RENMATRIX(登録商標))、オーツ繊維、オオバコ繊維、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロースもしくはカルボキシメチルセルロース、マルトデキストリンが挙げられる。大部分の場合には、これらは、テクスチャーを最小限にするために、およびほとんどないし全く香味を有しないように、加工処理されている。
【0029】
化学的添加剤
なし。
【0030】
酵母抽出物香味剤
酵母抽出物は、多くの商業的供給業者から市販されており、供給源および濃縮培養物に応じて、種々の香味を有する。自己融解した酵母抽出物は、味のよいかつ肉様の香味を有し、これは、構成要素の中でもとりわけ、グルタミン酸、ペプチド、ヌクレオチド、アミノ酸のその含有量に帰する可能性があり得る。グルタミン酸は、この味のよい香味を担う天然に存在するアミノ酸である。これらは、明確な肉様のフレーバーの特色(例えば、牛肉様、鶏肉、豚肉、海産物および燻製にした肉様の特色)を提供し得る香味を形成する。それは、特異的かつ明確な香味の特色をなし、複雑な味のプロフィール、後味、および多汁性を底上げする。1~10重量%の間で含まれる種々のタイプおよび量の酵母抽出物(例えば、1~7種の異なる酵母抽出物)が、所望の香味を生じるために利用され得る。最終製品における代表的な濃度範囲は、5~12%w/wの乾燥重量(「DM」)である。
【0031】
他の香味調節因子(例えば、MycothechnologyのCLEAR TASTE(登録商標)(0.05~0.2%含有))、他の天然のフレーバーおよび香味調節因子、0~1%までの塩、および天然の着色または漂白成分がまた、添加されてもよい。
【0032】
III.作製方法
植物ベースの食肉代替物(PBMA)の製造は、3段階、食肉のような構造(テクスチャーを含む)を作り出す工程、食肉様の外見を作り出す工程、および食肉香味を再度作り出す工程を包含する。安全管理および植物タンパク質源の選択は、PBMAの生産には極めて重要である。構造化プロセスは、最も根本的なPBMA製造プロセスである。なぜならそれは、肉様テクスチャー形成の根本であるからである。PBMAの顕著な特徴は、その繊維状の構造およびテクスチャーである。その構造化プロセスの間に使用される技術は、種々の食肉類似物に対して異なる。しかし、これらの技術は、トップダウンまたはボトムアップのいずれかとして分類され得る。トップダウンは、その強靱さおよびより多くの容積を生産する能力に起因して、商業運転のために広く認容されている。
【0033】
混合は、PBMAの製造プロセスにおいて最もダイナミックな工程のうちの1つである。植物ベースの食肉代用物はしばしば、連続プロセスにおいて加工処理され、運搬され、パッケージされる。これは、粘着性の、容易には流動しない製品にとっては苦闘である。大気中の酸素への曝露の際に劣化する成分は、もう1つの大きなハードルである。PBMAの基材ミックスはしばしば、含水量、粒径、レオロジーおよび安定性が異なる、種々の物理的および機能的特性を有する30を超える異なる成分を含む。連続生産プロセスは、頻繁なレシピ変更およびプラミックスされる必要がある多すぎる個々の構成要素を扱うことができない。
【0034】
上記プレミックス中の可溶性および不溶性の構成要素のパーセンテージは、構造形成にとって重要である。この一連は、連続プロセスのためにこの加工処理工程を自動化することを困難にする。製造業者は、暫定的な混合物を調製して、複雑さを回避するために、バッチ生産法(これは、時間を経てコストがかかる)に固執する。
【0035】
本物の食肉製品は、ただ1回の熱加工処理を必要とする。しかし、PBMAは、構造化プロセスの間に遙かにより多くの入り組んだ熱処理を必要とする。プロセスパラメーターの一群は、最終製品品質を決定する。二軸型押し出し成形機は、それらの汎用性のために広く認容されており、より高いエネルギー一貫性および均一な熱分布を達成するために使用される。例えば、最終製品のテクスチャーは、押し出し成形プロセスの温度に大きく依存する。なぜならそれは、種々の架橋反応および特異的融解温度が関わるからである。剪断誘導性構造化方法論は、小さなサイズのシアーセルを達成する。95℃という最適な加工処理温度および低速(例えば、20RPM)での原材料を回転させる工程は、繊維構造を改善し得る。
【0036】
色は、味および全体的な製品認容における認識に対する大きな寄与因子である。なぜならそれは、食品において注目される最初の要素だからである。食肉代替物は、未調理の際には赤色に、および調理の際には褐色に似た外見を得ようと努力されている。しかし、グルテンまたはダイズを含む大部分の代替物は、黄色またはベージュ色である。PBMAの生産において、生肉の赤色は、ビーツジュースまたはダイズレグヘモグロビンを添加することによって得られる。熱安定性の成分(例えば、カラメル、モルト抽出物、還元糖(メイラード反応の際))は、通常は、褐色の外見を有する最終製品を再現するために添加される。これらの色の成分はまた、熱安定性およびpH感受性を助ける。マルトデキストリンおよび水和アルギネートはまた、最終製品において色移りを低減することによって、色を保持する助けとなる着色剤として使用される。
【0037】
香味形成のプロセスは、色の形成より複雑である。香味付け剤は、香りおよび味に基づいて、揮発性または不揮発性のいずれかとして分類され得る。食肉の香りの複雑さに起因して、PBMAにおいて食肉の香りを再現することは、かなりの難題である。メイラード反応および脂質劣化は、PBMAの調理中に起こり得るが、PBMAおよび本物の食肉における最もわずかな差異は、その生じる芳香族化合物において大きなばらつきを示す。芳香成分(例えば、香辛料)および塩に加えて、製造業者はまた、ビタミンであるチアミン、アミノ酸、および還元糖を添加して、PBMAにおいて芳香のある食肉の印象を作り出す。鶏肉様のおよび牛肉様の香味は、加水分解ダイズタンパク質から生成され得る。
【0038】
PBMAの構造および機能的な組織化は、タンパク質特性(例えば、その水分、ゲル化および可溶化能力を保持するその能力)に依存する。現在、非食肉タンパク質から昆虫タンパク質にまで及ぶ、広い範囲の植物ベースのタンパク質が使用されている。しかし、ダイズおよびエンドウは、それらのコストの低さに起因して、マメ科植物(例えば、ヒヨコマメおよびダイズ)から得られるタンパク質に優先して根本的な供給源である。全ての市販のタンパク質がそれらの分子挙動が似ているわけではなく、押し出し成形を含む生産において広く異なった製品を生産し得る。従って、押し出し成形の間に、消費者によって十分に受け入れられる原線維構造を構築するタンパク質製品を注意深く選択するかまたは改質することが必要である。
【0039】
成分のブレンド
成分を混合し、次いで、押し出し成形機へと供給する。
【0040】
押し出し成形
標準的な押し出し成形機を使用する。二軸型押し出し成形機が好ましい。上記押し出し成形を、130~165℃の間、好ましくは155~162℃の間で行う。
【0041】
押し出し成形の代表的な時間は、62mm直径;1240mmの長さのスクリューを有する押し出し成形機を使用して、5~7分間である。
【0042】
製品は、好ましくは、1~10平方インチ(2.54cm~25.4cm)の長さ、高さおよび/または幅の間の小塊を生産するために、溝付きのダイで押し出し成形されるが、製品は、0.5インチ(1.27cm)の立方体からはるかにより大きなサイズの8インチ(20.32cm)×7インチ(17.78cm)×1インチ(2.54インチ)の小塊まで変動するサイズおよび形状の範囲において生産され得る。
【0043】
乾式押し出し成形または湿式押し出し成形プロセスのいずれかが使用され得る。最終製品は乾燥している。なぜなら水およびタンパク質は押し出し成形機の中で一緒に混合され、その結果、上記タンパク質に結合していないいかなる水分も、それが押し出し成形機を離れたときに蒸気として蒸発するからである。
【0044】
押し出し成形後の加工処理
最終製品は、後の加工処理が行われ得る(例えば、パン粉付けされるかまたはコーティングされる、挽かれる、ソースと混合される、乾燥させてまたは凍結させてパッケージされる)。その製品は、ピザおよびサラダの肉のそぼろ代用物、ナゲット、ストリップ、シュニッツェル、フィッシュスティック、シーフードバイツおよびリング(6種全てパン粉付けされていてもされていなくても)、ソース中の食肉(シチューサイズから大きなステーキまで)、挽肉のパティー(grounded or minces patties)から利用され得る。
【0045】
最終製品は、牛肉、豚肉、鶏肉、または海産物もしくは魚肉製品として市場に出され得る。
【0046】
上記製品は、使用前のさらなる再水和のために乾燥させて販売され得るか、湿った状態で凍結され得るか、または湿式押し出し成形生産ラインから直接使用され得る。
【0047】
以下の非限定的な実施例は、その作製方法および得られる製品をさらに示す。
【0048】
本発明は、以下の非限定的実施例を参照することによってさらに理解される。
【0049】
実施例1: エンドウタンパク質単独または酵母抽出物ありのエンドウタンパク質の押し出し成形のためのテクスチャー改質因子の添加
材料および方法
所望のテクスチャーおよび押し出し成形の容易さを有する製品の生産を最適化するために、試験を行った。試験を、食物繊維成分およびpH調整因子である水酸化カルシウム[Ca(OH)]の添加を使用して行った。
【0050】
以下の材料および方法を、試験のために使用した:
スクリュー型押し出し成形機
実施例において使用したスクリュー型押し出し成形機を、図1に示す。そのダイを図2Aに示し、そのエンドプレートを図2Bに示す。
【0051】
MSDFサニタリミキサー:
BCTG PolytwinTM 二軸型押し出し成形機(62mm直径、20:1 L/d(5バレル)、フレックスブレード付きのロータリーカッター)。224kW(300hp)で、1000RpMの最大スクリュー速度を駆動する。
【0052】
高サニタリワンパス乾燥機(2個の加熱ゾーンおよび1個の冷却ゾーン)。
【0053】
Brabender容量供給装置
【0054】
PrioTherm(登録商標)コンディショナー
Netzschプログレッシブキャビティーポンプ(progressive cavity pump)およびEndress-Houserフローメーターを有する液体添加カート(Liquid Addition cart)
【表1】
【表2】
【0055】
表3中の以下の添加剤配合物を調製し、試験した:
【表3】
【0056】
PURIS(登録商標)870、870HG、および860エンドウタンパク質単離物、Roquetteオーツ繊維、RENMATIX(登録商標)メープル繊維溶液、アルギン酸ナトリウム、低メトキシ化ペクチン、オオバコ繊維、水酸化カルシウム、およびRipple Foodsエンドウタンパク質製品(RIPPTEIN(登録商標))。
【0057】
全ての成分は、ヒト消費用の食品グレードであり、BMIN FAC and NU Technologyによって、および顧客によって承認されている。
【0058】
4タイプのエンドウタンパク質成分、すなわちPURIS(登録商標)870、860、870HG(高ゲル化)、およびRipple FoodsのRIPPTEIN(登録商標)エンドウタンパク質製品を使用した。
【0059】
PRIOTHERM(登録商標)コンディショナーおよびさらなる液体注入ポンプを使用した。
【0060】
pH調整済み製品を、その最終pH値に関して試験した。生の成分混合物は、6.0~6.5のpHを有した。pH調整因子を、10%のCa(OH)溶液を3%、または液状の15%のメープル繊維溶液との混合溶液として添加した。
【0061】
結果
試行1: PURIS(登録商標)エンドウタンパク質870は、押し出し成形が非常に困難である。多くの事前調整(例えば、高エネルギーを与える多くの蒸気およびスクリュー形状を使用する)が必要とされる。そうであっても、押し出し成形は、規則正しくはなく、安定化することが困難である。押し出し成形物は、非常にふっくらとしている。
【0062】
試行2: Roquetteエンドウタンパク質P85Gは、より小さなスクリュー圧および事前調整を要するが、より高度に「褐色がかった」色を有するふっくらとした製品を与え、押し出し成形物は一様でなく、密度が非常に低い。
【0063】
試行3: 同じスクリュー形状を使用するRippteinは、ポップコーンに似た押し出し成形物を与える。その製品は、完全に再構築され、大きな塊の押し出し成形に適していない。
【0064】
試行4: 試行1(PURIS(登録商標)870単独)と同じパラメーターを使用するPURIS(登録商標)870+15%の酵母抽出物ブレンド製品は、より均一な押し出し成形を与え、水和される間にブレンドされるエンドウタンパク質と比較して、所望の香味を生じる。上記押し出し成形物はより均一であり、大きな塊を押し出し成形することが可能である。しかし、そのテクスチャーは、なお非常にふっくらとしており、食肉の小塊に似てはいない。
【0065】
実施例2: 可溶性繊維およびアルカリを含有するエンドウタンパク質の押し出し成形
水酸化カルシウムを含有する可溶性繊維を使用して、押し出し成形するのが困難であり得るエンドウタンパク質に対してより凝集した押し出し成形物(ロープ)を生じることを試験した。
【0066】
材料および方法
PURIS(登録商標)870を、親水性繊維およびアルカリを添加する基材として使用した。
【0067】
試験した繊維は、オーツ繊維、15%のメープル繊維液体、0.25%のアルギン酸ナトリウム+0.25%の低メトキシペクチン、およびオオバコ繊維を含んだ。
【0068】
水酸化カルシウム(アルカリ)を、液状メープル繊維(RENMATIX NURAVENT(登録商標))と混合した場合を除いて10%溶液として使用した。その混合物は、10%の水酸化カルシウム溶液を2kg添加した15%繊維のメープル繊維溶液の1個の20kgバッグであった。
【0069】
結果
繊維-水酸化カルシウム-PURIS(登録商標)870ミックスのpHは、10~11の間のpH単位であった。
【0070】
調整因子の添加後に測定した上記押し出し成形物のpH値は、7.0~7.5であった。これは、以下に起因して有利である:1)リジノアラニン反栄養素(anti-nutrient)の生成の確率が低い、2)高pHに起因する最小限の香味効果、および3)押し出し成形物における構造効果を達成するために少量が必要とされる。
【0071】
水酸化カルシウムを添加した可溶性繊維の使用によって、押し出し成形物の構造の凝集性が改善された。
【0072】
エンドウタンパク質単独では、テクスチャー付与された製品が生じるが、これは、細かいないしそぼろ状のスプレー(crumbly spray)としてダイを出る。親水性植物性繊維およびアルカリ性pH調整因子の添加は、スプレーの形成を防止した。押し出し成形物のロープはなお粗かったが、再水和の際に、外見がより滑らかに、かつより均一になった。
【0073】
処理した押し出し成形物は、7.0~7.5の実測pH値を有した。その押し出し成形した製品は、ダイを出てきた外見が滑らかではなかった。pH処理に伴って、それは、いくらかざらざらとした外見とともにより凝集した状態になった。
【表4】
【0074】
低いスクリューRPMは、160℃を超えるエンドプレート温度で最良の押し出し成形物の外見を与えた。
【0075】
実施例3: 大きな塊の生産を可能にするためのアルカリおよび可溶性の他の親水性ポリマーとの組み合わせでのエンドウタンパク質の最適化
さらなる試験から、PURIS(登録商標)870単独では、大きな食肉の塊の生産を可能にしないことが確認された。均一な大きな塊を押し出し成形することは困難であり、押し出し成形プロセスは、それほど安定ではなく、その得られた押し出し成形物は、ふっくらとしていた。
【0076】
PURIS(登録商標)770(70%)とPURIS(登録商標)860(30%)は、同様に良好な結果を与えなかった。押し出し成形は、PURIS(登録商標)870単独と比較して、さらにより困難であった。
【0077】
PURIS(登録商標)870と水酸化カルシウム(おおよそ0.1%)は、押し出し成形の滑らかさを顕著に改善した。視覚的な改善およびより低い押し出し成形ノイズが存在し、製品の流れが規則正しくなり、破断および機械的ノイズなしに非常に規則正しくダイによって排出される。
【0078】
PURIS(登録商標)870と10%のオーツ繊維(VITACEL(登録商標)HF 401-30)とは、PURIS(登録商標)870と1%の水酸化カルシウムに類似の結果を与える。
【0079】
PURIS(登録商標)870に、RENMATIX NURAVENT(登録商標)と水酸化カルシウムの10%溶液とのブレンド(4部のNURAVENT(登録商標)および1部のCaOH)を21%加えたものは、遙かにより滑らかな押し出し成形を与え、上記システムを安定化し、遙かに大きな塊が一様なアスペクトで実行されることを可能にする。
【0080】
PURIS(登録商標)870(より高いゲル化能力)とRENMATIX NURAVENT(登録商標)と水酸化カルシウムの10%溶液(4部のNURAVENT(登録商標)および1部のCaOH)は、押し出し成形規則性および製品規則性のさらなる改善を与える。
【0081】
しかし、これらの製品のうちのいずれも、所望の密度を生じなかった。
【0082】
PURIS(登録商標)870とRENMATIX NURAVENT(登録商標)と、水酸化カルシウムと0.5%の高粘性:アルギン酸ナトリウムまたはアルギン酸カルシウム(SATIALGINE(登録商標)S 900NSアルギン酸ナトリウム)と0.5%のLMペクチン(柑橘類の果実の皮から抽出され、植物の細胞壁に最も主要に存在する多糖類の複雑なセットからなる低メトキシペクチン)との21%溶液は、滑らかかつ非常に安定な、食肉の小塊のような外見で、水和されたままであり、かつ繊維状の鶏肉の鮮やかな切断を模倣する、完全な押し出し成形物を与える。
【0083】
他の可溶性/機能的繊維(オーツ、ダイズなど)は、RENMATIX NURAVENT(登録商標)および/またはSATIALGINE(登録商標)の代わりにおよび/または一緒に使用され得る。
【0084】
水酸化カルシウム以外の食品グレードの塩基はまた、押し出し成形されるべき混合物のpHを増大させるために使用され得る。
【0085】
実施例4: 最適なテクスチャーを有するエンドウタンパク質押し出し成形物の調製。
サンプルの組成
種々の組成のテクスチャー付与した植物ベースのタンパク質押し出し成形物の9個のサンプルを、室温で維持した。上記サンプルを表5に列挙する。
【表5】
【0086】
テクスチャー付与したナゲットの物理的分析
バルク密度
上記押し出し成形物のバルク密度を、1リットル容器を使用して、「受容したそのまま」を測定した。その容器を、詰めることなく頂部まで満たし、均し、秤量して、容積あたりの重量を得た。各製品あたり2回の測定を行い、そのバルク密度結果を、2回の読み取りの平均とした。
【0087】
テクスチャープロフィールの分析
水和した押し出し成形物のテクスチャー特性を、Linら, J. Food Sci. 2002, 67, 1066-1072に従って、TA-XT2 Texture Analyzer(Texture Technologies Corp., Scarsdale, NY, USA)で特徴づけた。分析する前に、上記タンパク質押し出し成形物を、室温において、十分な水和が起こるまで(約15~20分)過剰の濾過した水道水中で水和した。
【0088】
剪断力を、ギロチンブロック(guillotine block)を有するWarner Bratzlerナイフを使用して決定した。水和したサンプルを、上記ブロック上に横向きに置いて剪断した。5個の異なるサンプルを剪断した。
【0089】
テクスチャープロフィール分析(TPA)を、35mm直径プラスチックシリンダーを使用して行って、上記サンプルを、各圧縮につき5gの接触力および20gの力の閾値で2回、50%歪みまで圧縮した。処理群あたり4回の反復を測定した。硬度、弾力性、およびかみ応えの属性に関してデータを集めた。硬度は、g単位で最初の圧縮の間のピーク力として測定する。弾力性は、その製品の元の高さに対する2回目の圧縮の開始時のタンパク質製品の高さの比であり、パーセントとして表される。凝集性は、1回目の圧縮曲線下の面積に対する2回目の圧縮曲線下の面積の比である。凝集性は、この試験のテクスチャー付与を評価するために直接的には使用されなかったが、それは、かみ応えの値を計算するために使用された。かみ応えは、硬度×凝集性×弾力性として測定した単位のない数字である。
【0090】
テクスチャー付与したナゲットの化学的分析
サンプル調製
テクスチャー付与したタンパク質ナゲットを、Waring Model WSG30 Professionalスパイスグラインダーを使用して、80~120ミクロンへと挽いた。サンプルを、プラスチック/箔の積層バッグの中に室温において分析するまで貯蔵した。
【0091】
近似分析
全8個のサンプルのタンパク質、脂肪、炭水化物、水分、および灰分の量を、CEM Corporation機器を使用して測定した。タンパク質、水分、および脂肪の含有量を、それぞれ、CEM Sprint、Smart 6、およびOracle機器を使用して測定した。灰分含有量を、700℃に設定したAndwin Scientific Yamato DR200対流式オーブンを使用して測定した。予め秤量したサンプルを一晩乾燥させ、完了時に秤量して、灰分含有量を決定した。
【0092】

タンパク質単離物粉末の色を、Agera測色計(Hunter Labs)を使用して測定した。以下の属性を測定し、報告した:
【0093】
は、明度の尺度である。値0は、黒色を示し、100は、白色を表し、値50は、中間の灰色を示す。
【0094】
は、赤-緑軸を表し、正の値および負の値は、それぞれ、赤および緑を示す。値0は、中間色を示す。
【0095】
は、青-黄色軸を示す;正の値は黄色を表し、負の値は青を表し、0は、中間色を示す。
【0096】
全色差(Total Color Difference)を決定するために、測色計を、白色標準で較正した。色の全差(ΔE)を、以下の式を使用して計算した:
ΔE=[(ΔL+(Δa+(Δb]の平方根 (1)
ここでΔL、Δa、およびΔbは、サンプルの相当する色パラメーターと白色標準(L=95.55、a=90.51、b=102.64)の色パラメーターとの間の差異を示す。その白色度指数(WI)を、以下の式を使用して決定した:
WI=[(100-L+a*2+b*2]の平方根 (2)
【0097】
水分活性
粉末の水分活性を、その機器が測定全体を通じて設定チャンバ温度を維持することを可能にする熱電システムを備えたAquaLab 4TE(Meter Food)を使用して、23℃において二連で測定した。
【0098】
吸水指数および水溶性指数
吸水指数(WAI)を、Andersonら, Starch 1970, 22: 130-135に従って測定した。乾燥した押し出し成形製品を挽いて、篩にかけて、150~250μmの間の均一な粒径を得た。上記サンプルを、2.5g秤量し、室温において30mLの濾過した水道水中に懸濁した。上記サンプルをボルテックスにかけ、次いで、振盪テーブル上で30分間撹拌した。次に、上記サンプルを、Centrifuge 5810 R 15 Amp Version(Eppendorf)を使用して15分間、3,000gにおいて遠心分離した。その上清を蒸発皿へとデカンテーションし、3時間、100℃で乾燥させて、水溶性指数(WSI)を、以下の式を使用してパーセンテージとして得た:
WSI(%)=(Ws/Wd)×100 (3)
ここで「Ws」は、上清から乾燥した固体の重量であり、「Wd」は、乾燥サンプルの重量である。遠心分離チューブの中に残っているゲルを秤量し、吸水指数を、以下の式を使用して比として計算した:
WAI=Wg/Wd (4)
ここで「Wg」は、ゲルの重量であり、「Wd」は、乾燥サンプルの重量である。サンプルを、三連で試験した。
【0099】
水分保持能力
水分保持能力(WHC)を、最終製品が内部で保持し得る水の量として定義し、Applewhite編, Proceedings of the World Congress on Vegetable Protein Utilization in Human Foods and Animal Feedstuffs, 1989に従って測定した。15gのサンプルを、過剰な室温の濾過した水道水中に20分間浸漬した。次いで、上記サンプルを、メッシュスクリーンの上で5分間水を切り、秤量して、上記サンプルの最終重量を決定した。WHCを三連で完了させ、以下の式を使用して計算した:
WHC(%)=[(最終重量-初期重量)/初期重量]×100 (5)
【0100】
統計分析
全実験を、上記で別段注記されなければ、少なくとも二連で行った。統計的有意差は、スチューデントのt検定を使用して計算した。使用した有意性のレベルは、P<0.05であった。
【0101】
物理的および機能的特性に対する成分の効果
エンドウタンパク質は、単独成分として押し出し成形されることが困難であると報告されている。エンドウタンパク質単離物は、単独成分として押し出し成形され得るが、ある特定の製造業者およびエンドウタンパク質単離物組成物で成功に達したに過ぎないことが決定された。PURIS, INC.タンパク質は、この試験においてナゲットを生産するために使用した押し出し成形条件下でROQUETTE(結果は報告されない)およびRipple Foodsより遙かに優れていた。
【0102】
表6は、押し出し成形したテクスチャー付与植物タンパク質ナゲットの物理的および機能的特性に対するサンプル成分の効果を示す。好ましいナゲットを、略式の官能分析によって決定される場合の測定値のメジアン範囲においてスコア付けされたサンプル成分から生産した。PURISエンドウタンパク質単離物870(HG)を含むサンプルは、所望のテクスチャー特性を示した。例えば、サンプル4は、PURISエンドウタンパク質単離物870(HG)、処理済みメープル繊維(MF)、ペクチン(PC)、アルギネート(AL)および水酸化カルシウム(CaOH)の混合物を含み、サンプル5は、PURIS、処理済みメープル繊維および水酸化カルシウムの混合物を含んだ。色および組成分析から、全9個の変数がそれほど異ならないことが示された。
【0103】
テクスチャー特性は、これらの植物ベースの「チキン」ナゲットのような製品を消費する場合に、消費者が最も容易に認識する品質特徴である。消費者は、彼らが製品を咀嚼しているときに、硬すぎる(変数1、7、8、および9)またはかみ応えが大きすぎる(1、2、8、および9)製品は欲しない。かみ応えは、口の中でゴムバンドのようとして認識される一方で、硬度は、異常な鶏肉テクスチャーとして説明される。同様に、消費者は、それらが余りに凝集していることを欲しない(例えば、変数1、2、8、および9において注目される)。これは、口蓋(palette)上でガム状として認識されると思われる。
【0104】
色は、含水量、特に、乾燥したナゲット中の含水量によって影響を受けた。水分が増大するにつれて、赤色(a値)もまた増大した一方で、黄色(b値)は、試験において水分レベルによって影響を受けなかった。テクスチャー付与したナゲット中の水分は、スクリュー速度によって押し出し成形機で制御される。これらの試験において、押し出し成形機スクリュー速度は、押し出し成形機バレルの種々のゾーンにおいて加熱している場合に、全9個の変数で非常に類似であった。
【表6-1】
【表6-2】
【0105】
吸水指数および水溶性指数
吸水指数(WAI)は、サンプルが高分子レベルで水を結合する能力を測定する(図3A)。押し出し成形物を挽いたことから、吸水は、加工処理の程度および高分子構造が水を結合または捕捉する能力に影響を及ぼす手段に関連する。よって、WAIは、デンプンの調理を決定するために旧来から使用されている。WAIは、デンプンの量がより多くなるにつれて(Linら,(2002) J. Food Sci. 67:1066-1072)、および糊化からのデンプン劣化の程度が大きくなるにつれて(Oikonomou & Krokida, 2011 Internat. J.of Food Prop. 14(1):199-240)増大する。この試験において、変数3および7は、より高いWAIを有した(表6)。変数3は、優れた吸水剤であることが公知のオオバコ繊維を含んだ。変数7(RIPPTEIN)は、タンパク質単離物中に夾雑物質としてエンドウデンプンを含む可能性が最も高い。デンプン粒は、押し出し成形の間に糊化し、水を吸収し得る。
【0106】
水溶性指数(WSI)は、水中のデンプン溶解度を示し、要求されたデンプン量が存在することを示す(De Mesa, et al. (2009). J. Food Engineering 90:262-270)。WSIレベルが高いほど、押し出し成形機バレル中でより高レベルのデンプンが劣化し、これは次に、WSIを増大させたことを示す。以前の研究から、WSIが、デンプンの濃度がより高くなるにつれて大きくなることが示されている(de Mesaら, 2009; Hashimoto & Grossman, 2003 Intl. J. Food Sci Technol. 38:511-517)。
【0107】
水分保持能力
生肉製品は、55~75%湿量基準の範囲に及ぶ含水量を有する。この特性は、消費者の官能実験にとって、および「多汁性」を説明するために最適である。植物ベースの食肉代替物が、消費者によって最適に認容されるためには、水和のための適切な量の水は、肉様のテクスチャーを模倣し、消費者の認容性を保証するために必須である。水分保持能力(WHC)は、そのままの製品が再水和の際に保持し得る水の量を測定する(図3B)。これは、製品構造が水分を保持する能力への洞察を与え、テクスチャー付与によって一般に影響を及ぼされる(Samard & Ryu,2019 2018 J.Sci.Food Agriculture 99(6))。WHCデータは、押し出し成形物によって保持される水の量が、バルク密度に逆に関連したことを示す。WHCは、0%および50%のCPF処理に関して最も高く(それぞれ、74.1%および76.0%)、これらの製品は、最低のバルク密度を示した。最低密度の製品は、それらの多孔性の内部構造に起因してより多くの水分を保持し得る(Lin, Huff, & Hsieh, 2002 J. Food Sci. 67:1066-1072)。高い多孔性および結果的に高いWHCは、不十分な製品品質の一因になり得る。なぜなら製品中でより多くの水分が保持されると、軟らかいテクスチャーの一因になるからである。最も多孔性が低くかつバルク密度が最も高い製品(10、20、および30%のCPF)は、より低いWHCを有した(55.5~65.9%)。これは、より良好なテクスチャーをもたらす(Ma & Ryu, 2019 Food Sci Biotechnol. 28:67-74)。これは、表6におけるテクスチャー分析によって確認された。
【0108】
まとめ
9個の異なる配合物を、Buhler 62mm二軸型押し出し成形機において押し出し成形した。PURISエンドウタンパク質単離物は、この試験で使用した大部分の押し出し成形条件において最適なタンパク質であることが見出された。PURISには、同様に厳密に試験された限定販売のタンパク質があり、これは、元のPURIS 870製品より押し出し成形が良好に行われることが見出された。その新たなタンパク質単離物は、より良好なゲル化特性を有することが報告されている。この新しいタンパク質は、PURIS 870の先行バージョンより良好な表面活性特性(発泡、ゲル化、および乳化)を有することが確認された。官能的な見方から最適なテクスチャー特性は、試験した上記9個の変数の全体の平均において測定されるものである。ヒトの認識は、略式の官能分析においてこれを確認した。PURIS 870 HGで作製した2個の変数が、最適な配合物であるようである。
【0109】
上記組成物および作製方法の改変およびバリエーションは、前述の詳細な説明から当業者に明らかであり、添付の特許請求の範囲の範囲内に入ることが意図される。
図1
図2A
図2B
図3
【外国語明細書】