(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183115
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】サイクルまたはモータサイクル用のブレーキディスクのための中央ディスク
(51)【国際特許分類】
F16D 65/12 20060101AFI20221201BHJP
B62L 1/00 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
F16D65/12 R
F16D65/12 X
B62L1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086109
(22)【出願日】2022-05-26
(31)【優先権主張番号】102021000013853
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】522209918
【氏名又は名称】サンスター エンジニアリング ユーロップ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィデ バッソ
【テーマコード(参考)】
3J058
【Fターム(参考)】
3J058AA41
3J058BA25
3J058CB14
3J058CB17
3J058CB28
3J058CB29
3J058DE17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】きれいなままであり、時間に亘って軸線方向浮動を維持するブレーキディスクを実現する。
【解決手段】ブレーキディスクの外側リングの内縁から中央ディスク(10)に向かって延びる多数の突出部またはリブを取り付けるようになった多数の第1の半径方向溝(20)を含む荷重支持本体(11)を含む、中央ディスクにおいて、前記荷重支持本体(11)は、複数の第2の半径方向溝(30)を含み、各第2の半径方向溝(30)は、前記多数の第1の半径方向溝の各第1の半径方向溝(20)に対応して配置されており、各第2の半径方向溝(30)は、前記多数の第1の半径方向溝(20)の各第1の半径方向溝(20)と、制動作用から生じる摩擦粉末流れ連通している、中央ディスク(10)。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイクルまたはモータサイクル用のブレーキディスクの中央ディスク(10)であって、
前記中央ディスク(10)は、サイクルまたはモータサイクル用のホイールハブ上にキー留めするように構成されており、
前記中央ディスク(10)は、前記ブレーキディスクの外側リングを支持しており、前記外側リングは、制動のための摩擦手段を備えた接触帯域を含む、中央ディスク(10)において、
前記中央ディスク(10)は、前記ブレーキディスクの前記外側リングの内縁から前記中央ディスク(10)に向かって延びる多数の突出部またはリブを取り付けるようになった多数の第1の半径方向溝(20)を含む荷重支持本体(11)を含む、中央ディスクにおいて、前記荷重支持本体(11)は、複数の第2の半径方向溝(30)を含み、各第2の半径方向溝(30)は、前記多数の第1の半径方向溝の各第1の半径方向溝(20)に対応して配置されており、
各第2の半径方向溝(30)は、前記第1の半径方向溝(20)と前記第2の半径方向溝(30)の間で前記荷重支持本体(11)内で湾曲されている貫通スロット(40)を通して、前記多数の第1の半径方向溝(20)の各第1の半径方向溝(20)と、制動作用から生じる摩擦粉末流れ連通している、ことを特徴とする、中央ディスク(10)。
【請求項2】
前記中央ディスク(10)の前記荷重支持本体(11)は、前面(13)および後面(14)を含み、
前記第1の半径方向溝(20)は、前記中央ディスク(10)の前記荷重支持本体(11)を前記後面(14)を湾曲させることによって得られ
前記第2の半径方向溝(30)は、前記中央ディスク(10)の前記荷重支持本体(11)の前記前面(13)を湾曲させることによって得られる、ことを特徴とする、請求項1に記載の中央ディスク(10)。
【請求項3】
前記第2の半径方向溝(30)は、前記第1の半径方向溝(20)の幅を増大させる拡大前部分(35)を含み、
前記第2の半径方向溝(30)の幅は、時計廻り方向および反時計廻り方向の両方で中央ディスク(10)の回転方向に沿った寸法を意味する、ことを特徴とする、請求項1または2に記載の中央ディスク(10)。
【請求項4】
前記拡大前部分(35)は、前部分に向かって幅を増大させることにより軸線方向に前記第2の半径方向溝(30)の幅を増大させる、ことを特徴とする、請求項3に記載の中央ディスク(10)。
【請求項5】
前記拡大前部分(35)は、時計廻り方向および反時計廻り方向の両方で前記中央ディスク(10)の回転方向に沿って前記貫通スロット(40)に対応してのみ前記第2の溝(30)の幅を増大させる、ことを特徴とする、請求項3または4に記載の中央ディスク(10)。
【請求項6】
前記中央ディスク(10)の前記荷重支持本体(11)は、多数の外側本体(19)を含む外側部分(18)を含み、前記第1の半径方向溝(20)および前記第2の半径方向溝(30)は、湾曲されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の中央ディスク(10)
【請求項7】
前記中央ディスク(10)の前記荷重支持本体(11)は、第1の幾何学的平面(Σ)上の横たわる後面を含む内側部分(15)を含み、
前記荷重支持本体(11)の前面(13)において、前記第2の半径方向溝(30)は、前記第1の幾何学的平面(Σ)と平行な第2の幾何学的平面(Λ)上に湾曲されて横わたっており、
前記第2の幾何学的平面(Λ)は、該第2の幾何学的平面(Λ)が、前記第1の幾何学的平面(Σ)に対して軸線方向に沿って前記前部分に向かって最も外側であるように前記第1の幾何学的平面(Σ)から軸線方向スペースによって分離されている、ことを特徴とする、請求項2~6のいずれか1項に記載の中央ディスク(10)。
【請求項8】
前記荷重支持本体(11)は、多数の半径方向ロッド(16)を含み、前記多数の半径方向ロッド(16)は、前記内側ディスク(15)から半径方向に突出しており、前記第1の幾何学的平面(Σ)と第2の幾何学的平面(Λ)が、同一平面上にないように、前記第1の幾何学的平面(Σ)に対して0~40°の角度(θ)だけ前部に向かって傾いている、ことを特徴とする、請求項7に記載の中央ディスク(10)。
【請求項9】
前記荷重支持本体(11)は、多数の分離ロッド(17)を含み、前記多数の分離ロッド(17)は、1つの外側本体(19)ともう1つの外側本体の間に配置されている、請求項6~8のいずれか1項に記載の中央ディスク(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイクルまたはモータサイクル用のブレーキディスクのための中央ディスクに関する
【背景技術】
【0002】
技術状態では、外側リング、および、内側支持体の中央ディスクを含むブレーキディスクが知られている。外側リングは、制動に適した摩擦手段を備えた接触領域を構成する互いに平行な2つの平らな面を形成する。外側リングは、外縁および内縁を含み、外縁および内縁から、多数の突出部またはリブが半径方向に突出しており、前記多数の突出部またはリブは、内側支持体の中央ディスクに取り付けられるようになっており、内側支持体の中央ディスクは、サイクルまたはモータサイクルの回転手段のハブ上に中央でキー留めするようになっている。中央ディスクは、半径方向に配置され、外側リングを支持する外側リングの前記多数の突出部またはリブを取り付けるようになっている前記それぞれの多数の突出部を取り付けるようになった多数の溝を含む。
【0003】
不利なことに、制動作用から生じる摩擦粉末は、中央ディスクの半径方向溝の下側部分に蓄積する
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、きれいなままであり、時間に亘って軸線方向浮動を維持するブレーキディスクを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この課題は、請求項1に記載のサイクルまたはモータサイクル用のブレーキディスクの中央ディスクによって達成される。
【0006】
他の特徴が、従属請求項で提供されている。
【0007】
本発明の特徴および利点は、添付の図面を参照してなされる、例示的であり、制限しないものとして理解されるべきである、以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明によるサイクル用またはモータサイクル用のブレーキディスクの中央ディスクの正面図である。
【
図2】
図1の線II-IIによる中央ディスクの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
前記の図面を参照すると、サイクルまたはモータサイクル用のブレーキディスクの中央ディスクが示されている。
【0010】
ブレーキディスクはまた、制動のための摩擦手段を備えた接触帯域を含む外側リングを含む。
【0011】
中央ディスク10は、ブレーキディスクの前記外側リングのための内側支持体である。
【0012】
中央ディスク10は、通常の使用から生じる軸線方向荷重を構造的に支持し、ここで、車軸は、サイクルの、または、モータサイクルのホイールの回転軸線を意味する。
【0013】
半径方向は、前記サイクルまたはモータサイクルホイールの半径に沿った方向を意味する。
【0014】
中央ディスク10は、ブレーキディスクの外側リングの内縁から中央ディスク10に向かって半径方向に延びるそれぞれの多数の突出部またはリブを取り付けるようになった多数の第1の半径方向溝20を含む。
【0015】
中央ディスク10は、サイクルの、または、モータサイクルのホイールハブ上にキー留めするように構成されている。
【0016】
中央ディスク10は、荷重支持構造体11を含み、ここで、多数の第1の半径方向溝20が得られる。
【0017】
第1の半径方向溝20は、ブレーキディスクの外側リングの内縁上の突出部またはリブの形状と相補的な形状を有する。
【0018】
中央ディスク10の荷重支持本体11は、荷重支持本体11に一旦取り付けられると、外側リングを中央ディスク10に固定的取り付けることによって中央ディスク10の第1の半径方向溝20内に突出部またはリブを保持する封止要素に結合されるようになる貫通穴12を含む。
【0019】
中央ディスク10の荷重支持本体11は、前面13および後面14を含む。
【0020】
中央ディスク10の荷重支持本体11はまた、荷重支持本体11の前面13で湾曲されている多数の第2の半径方向溝30を含む。
【0021】
第2の半径方向溝30は、各第1の半径方向溝20とのみ対応して配置されている。
【0022】
各第1の半径方向溝20は、第1の半径方向溝20と対応する第2の半径方向溝30の間に配置された貫通スロット40によって、制動作用から生じる摩擦粉末の流れを対応する第2の半径方向溝30と連通させる。
【0023】
特に
図5に示されているように、貫通スロット40は、第1の半径方向溝20と第2の半径方向溝30の間で荷重支持本体11で湾曲されている。
【0024】
複数の半径方向スロット40の各半径方向スロット40は、粉末が重力によって下向きに貫通スロット40を通って第2の半径方向スロット30から外に落ちることができるように、制動作用から生じる摩擦粉末流れを第1の半径方向スロット20および対応する第2の半径方向スロット30と連通させる。
【0025】
より好ましくは、特に
図3に示されているように、第2の半径方向溝30は、拡大前部分35を含み、拡大前部分35は、制動粉末のより容易な通過を可能にするように、第2の半径方向溝30の幅を増大させる。第2の溝30の幅は、時計廻りおよび反時計廻り方向の両方で、中央ディスク10の回転方向に沿った寸法を意味する。
【0026】
拡大前部分35は、制動粉末のさらにより容易な通過を可能にするように、第2の半径方向溝30の底からの初期幅から始まって、前部分に向かって、前面13の外側面に対応する第2の半径方向溝30のより大きな最終幅に到達するまで、幅を増大させることによって、軸線方向において第2の半径方向溝30の幅を増大させる。
【0027】
さらに、なおより好ましくは、拡大前部分35は、制動粉末のなお一層より容易な通過を可能にするように、時計廻りおよび反時計廻り方向の両方で、中央ディスク10の回転方向に沿って貫通スロット40に対応してのみ第2の溝30の幅を増大させる。
【0028】
さらにより好ましくは、図面に示されているように、中央ディスク10の荷重支持本体11は、内側部分15および外側部分18を含む。
【0029】
中央ディスク10の荷重支持本体11の内側部分15は、サイクルの、または、モータサイクルのホイールハブ上にキー留めするようになっている。
【0030】
中央ディスク10の荷重支持本体11の外側部分18は、多数の外側本体19を含み、第1の半径方向溝20および第2の半径方向溝30が、湾曲されている。
【0031】
第1の半径方向溝20は、外側本体19の後面14で湾曲されており、他方、第2の半径方向溝30は、外側本体19の前面13で湾曲されている。
【0032】
各外側本体19は、1対の貫通穴12を含む。
【0033】
荷重支持本体11は、内側ディスク15から半径方向に延びる多数の半径方向ロッド16を含む。
【0034】
半径方向ロッド16は、多数の外側本体19を支持する。
【0035】
荷重支持本体11は、1つの外側本体19ともう1つの外側本体の間に配置された多数の分離ロッド17を含む。
【0036】
内側部分15は、第1の幾何学的平面Σ上に配置された後面を含む。
【0037】
外側本体19の前面13は、前記第1の幾何学的平面Σと平行な第2の幾何学的平面Λ上に横たわっている。
【0038】
半径方向ロッド16は、内側ディスク15から半径方向に突出しており、前記第1の幾何学的平面Σと第2の幾何学的平面Λが、同一平面上にないように、0~40°の角度θだけ前部に向かって傾いている、
【0039】
角度θの傾きは、制動作用により生じた制動粉末がブレーキディスクを汚さず、しかし、サイクルの、または、モータサイクルの外側に向かって落ちるように、重力により、摩擦粉末の蓄積を排出する。
【0040】
図面に示されているように、貫通スロット40は、第1の半径方向溝20と第2の半径方向溝30の間で外側本体19で湾曲されている。
【0041】
より一般的には、荷重支持本体11の前面13において、第2の半径方向溝30が、中央ディスク10の内側部分15の後面が上に横たわる第1の幾何学的平面Σと平行な第2の幾何学的平面Λ上に湾曲されて横たわり、第2の幾何学的平面Λは、第1の幾何学的平面Σに対して軸線方向に沿って前部分に向かって最も外側にあるように考えることが可能である。このようにして、制動作用から生じる摩擦粉末が、サイクルの、または、モータサイクルのブレーキディスクまたは任意の他の構成要素を汚さないように、制動作用から生じる摩擦粉末の蓄積が、サイクルの、または、モータサイクルの外側に向かって重力により排出される。
【0042】
代替的には、圧力ブロアが、残留制動粉末を除去するために、使用されることができる。
【0043】
代替的には、中央ディスク10は、ロッド16を有することができないが、中央ディスク10の形状が、中央部分15の後面が第1の幾何学的平面Σ上に横たわり、半径方向溝20、30が湾曲されている荷重支持本体11の外側部分19が、前部分に向かって軸線方向にシフトされている第2の幾何学的平面Λ上に横たわる前面13を含むように作られることが考えらえることができる。
【0044】
有利には、本発明による中央ディスク10は、きれいなままであり、時間に亘って軸線方向浮動を維持するブレーキディスクを実現することを可能にする。
【0045】
かくして考えられている本発明は、多くの変更および変形を受け入れ、すべては同じ発明概念内に入る。実際、使用される材料およびそれらの寸法は、技術的要件に従う任意の型式のものであることができる
【符号の説明】
【0046】
10 中央ディスク
11 荷重支持本体
12 貫通穴
13 前面
14 後面
15 内側部分
16 半径方向ロッド
17 分離ロッド
18 外側部分
19 外側本体
20 第1の半径方向溝
30 第2の半径方向溝
35 拡大前部分
40 貫通スロット
Σ 第1の幾何学的平面
Λ 第2の幾何学的平面