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特開2022-183119袋を保持する器具と袋及び袋の取り付け方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183119
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】袋を保持する器具と袋及び袋の取り付け方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 23/00 20060101AFI20221201BHJP
   B65F 1/14 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
A01K23/00 B
B65F1/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086254
(22)【出願日】2022-05-26
(31)【優先権主張番号】P 2021125821
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021090705
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】511018550
【氏名又は名称】國信 耕太郎
(72)【発明者】
【氏名】國信 耕太郎
【テーマコード(参考)】
3E023
【Fターム(参考)】
3E023BA03
3E023KA02
(57)【要約】
【課題】 犬の糞や生ごみなどを直接受ける袋において、袋を簡単に枠に保持でき、袋の着脱も簡単で、糞などを受けそこなっても枠が汚れず、破損しやすい紙の袋も着脱可能で、ひとつの器具に複数の袋を取り付けられる器具と袋及び袋の取り付け方法を提供する。
【解決手段】 枠2に柄3を有し、柄とは反対側の枠に先端が丸くなっている棒状の突起1を設けた器具において、袋5の中に前記器具の枠2を差し込み、袋の底に形成されている隅に前記枠2の突起1を位置させたまま枠2を略水平にし、枠2より上方に位置した袋の部分を枠2の内側を通して枠2より下方に移動させることで、物を受けるための空間が形成されるとともに、前記突起1によって袋5が枠2に保持される器具
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋に物を受ける空間を形成し維持するための枠と、前記枠を空中に保持するために枠に取り付けた柄を有する器具に袋を取り付ける方法であって、前記袋の開口部を開いて前記枠を袋の中に差し込み枠を略水平にし、枠の上方に位置した袋の部分を枠の内側を通して枠より下方に移動させることで物を受ける空間を袋に形成しながら枠に袋を取り付けることを特徴とする袋の取り付け方法
【請求項2】
袋に物を受ける空間を形成し維持するための枠と、前記枠を空中に保持するために枠に取り付けた柄と、袋を固定するための少なくともひとつの突起が前記枠における前記柄の取り付け位置と反対側の枠の部分に形成され、前記突起は枠から7mm以上突出した先端が丸くなっている棒状の突起であることを特徴とする袋を保持する器具
【請求項3】
袋の開口部の縁を合わせるように閉じて生じる開口部の2つの端のどちらか一方の端から開口部に平行な方向に1cm以上でかつ開口部の長さの1/3以内の範囲にある任意点までを直線状にすべて、もしくは5cm以内の間隔を開けて開口部を部分的に貼り合わせたことを特徴とする袋
【請求項4】
袋に物を受けるための空間を形成し維持する枠と、前記枠を空中に保持するために枠に取り付けた柄と、袋の開口部の一部を閉じる事のできるクリップが紐状のものを介して前記枠もしくは前記柄につながっていることを特徴とする袋を保持する器具
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物を受けた袋を空中に保持する器具と袋及び袋の取り付け方法に関する。特に犬の糞を受ける器具に最適に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
袋を保持する器具には、ゴミ箱や生ゴミ受け具(三角コーナー)、犬の糞を空中で受ける器具などがある。これらの多くの器具は、本体や枠で袋の開口状態を維持し、袋の底を本体や地面などに接地させることで袋にかかるゴミなどの重さを逃し、袋が落ちないようにしている。
袋を空中に保持しどこにも接地させない場合は、なんらかの器具を用いて本体や枠に袋を取り付ける方法や、袋自体を加工して本体や枠に取り付ける方法などがある。
【0003】
持ち歩いて犬の糞を空中で直接受ける器具では、次のような方法が提案されている。
特許文献1は、枠と袋押さえで袋を挟み込んで強固に袋を取り付ける方法である。
特許文献2は、環状ゴムで窄められた特別な袋を枠の側面に取り付けるものである。
特許文献3は、枠に設けた滑り止めと柄の根元のクリップを用い袋の一部を枠に保持するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-000006
【特許文献2】特開2003-079264
【特許文献3】特開2009-296985
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の方法では、「袋を枠に押さえる部品」を用いて枠に袋を取り付ける。この方法では、袋が糞を受けても枠に押さえられて保持されているので、枠からはずれて落ちることはないが、袋の着脱に手間がかかることと、袋を押さえる部品が袋よりも外側に位置するので、糞を受け損なうと袋を押さえる部品が汚れる可能性がある。
【0006】
特許文献2の方法では、環状ゴムで窄められた特殊な袋を使って枠に袋を取り付けるものである。袋を枠に強く密着させるほど、縮む力が強い環状ゴムが必要になるため袋の取り付けが難しくなる。犬の排便のような日常的な行為に特殊な袋はコスト面で問題がある。
【0007】
特許文献3は、枠体表面の滑り止めと、柄に設けられたクリップとを併用して、袋を枠に引っ付けて取り付ける方法である。滑り止めには、枠の先端に設けられたゴム状突起を利用する例が記載されている。
引用文献3の袋の保持方法では、枠や滑り止めのゴム状突起が袋に隠れるので糞で汚れない。しかし、ほこりや経年変化で滑り止めの機能が低下すると袋を保持できなくなる。また、逆に新しい状態の滑り止めがついた枠の表面は袋が滑りにくいため、袋の着脱がしにくい。
これら先行技術の器具に対し用いられる一般的な袋の取り付け方法(図4)では、糞を袋に受ける際に小型犬や排泄時の犬の姿勢によっては袋の外側が地面に接することになり袋の外側が汚れる可能性がある。
【0008】
また、特許文献にはないが、回収した糞をできるだけ早く処理したい要望に応えるために「水洗トイレに糞ごと流せる紙袋」が市販されている。この紙袋は、地面に落ちた糞を袋越しに手でつかんで回収することを前提にしているため、外側が水溶性の紙袋で内側がポリ袋の二重構造になっている。
地面に落ちた糞を回収する場合には、砂や枯草などの異物が糞に付着しやすいため水洗トイレを壊す可能性がある。
【0009】
このため「水洗トイレに糞ごと流せる紙袋」は、犬の糞を空中で直接受ける器具へ取り付けての利用が望ましい。しかし、従来の取り付け方法で先行文献の器具へ取り付けるには、外側をポリ袋、内側を水溶性の紙袋に入れ替えてから枠に取り付ける必要があり、破損しやすい水溶性の紙袋を入れ替えることは簡単ではない。
また、多頭での散歩や1回の散歩で複数回の排便をする場合は、従来の袋の取り付け方法では袋を重ねて取り付けられないので、糞を受けるたびに袋を取り外し、新しい袋を取り付ける作業が必要になりわずらわしい。
【0010】
本発明は、このような従来技術の問題点に着目してなされたものであって、袋の着脱が簡単で、経年変化の影響を受けずに袋を枠に保持でき、糞などを受けそこなっても枠が汚れず、破損しやすい紙の袋も着脱可能で、ひとつの器具に複数の袋を取り付けられるという課題の少なくともひとつを解決するための器具と袋及び袋の取り付け方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するための請求項1の袋の取り付け方法は、袋に物を受ける空間を形成し維持するための枠と、前記枠を空中に保持するために枠に取り付けた柄を有する器具に袋を取り付ける方法であって、前記袋の開口部を開いて前記枠を袋の中に差し込み枠を略水平にし、枠の上方に位置した袋の部分を枠の内側を通して枠より下方に移動させることで物を受ける空間を袋に形成しながら枠に袋を取り付けることを特徴とする。
【0012】
前記課題を解決するための請求項2の袋を保持する器具は、袋に物を受ける空間を形成し維持するための枠と、前記枠を空中に保持するために枠に取り付けた柄と、袋を固定するための少なくともひとつの突起が前記枠における前記柄の取り付け位置と反対側の枠の部分に形成され、前記突起は枠から7mm以上突出した先端が丸くなっている棒状の突起であることを特徴とする。
【0013】
「柄の取り付け位置と反対側の枠の部分」とは、面積が等しくなるように柄の向きの直角方向に枠を2分割した時に柄の取り付け部分が属さない部分を言う。柄が複数ある場合は「柄の取り付け位置と反対側の枠の部分」も複数存在するが、そのすべての部分を言う。
先端が丸くなっている突起とは、ポリ袋は穴が空くと裂けやすくなるため、袋に穴を開けないように先端が丸くなっている棒状や板状の突起である。
棒状の突起には図1に示したように針金で外形が棒状や板状に形成されたものを含む。
【0014】
前記課題を解決するための請求項3の袋は、袋の開口部の縁を合わせるように閉じて生じる開口部の2つの端のどちらか一方の端から開口部に平行な方向に1cm以上でかつ開口部の長さの1/3以内の範囲にある任意点までを直線状にすべて、もしくは5cm以内の間隔を開けて開口部を部分的に貼り合わせたことを特徴とする。
開口部を貼り合わせるとは、貼り合わせた開口部が簡単に開かないように熱や接着剤、シールなどを用いて溶着、融着、接着などすることである。
【0015】
前記課題を解決するための請求項4の袋を保持する器具は、袋に物を受けるための空間を形成し維持する枠と、前記枠を空中に保持するために枠に取り付けた柄と、袋の開口部の一部を閉じる事のできるクリップが紐状のものを介して前記枠もしくは前記柄につながっていることを特徴とする。
紐状のものとは、金属製のバネ、プラスティック製のコイルやゴム紐などのように物どうしを結びつけるものであればよい。
【0016】
請求項1の袋の取り付け方法に関する作用と効果について図2を用い述べる。
請求項1の袋の取り付け方法は、袋の内部に枠を差し込み(図2(a))、略水平にした枠の上方に位置している袋を枠の内側を通して下方に移動させる。これにより物を受ける空間が形成され、かつ袋が枠に保持される(図2(b))。請求項1の袋の取り付け方法では、袋の中に枠があるため枠が汚れないし、袋の外側で物を受けることになる。
【0017】
請求項1の方法で取り付けた袋を取り外す方法は、袋の開口部の下端(図2のC部分)を指でつまんで、「物を受けた底の部分(図3のA部分)」の下をくぐるように枠の先端上方(図3のG方向)に移動させると簡単に袋が外れる。
この時に袋の内側と外側が入れ替わり、汚れていない内側が外側になるので、枠からはずした後も扱いやすい。また、外側から剥がすように袋を外すので袋を重ねて取り付けておくことができ、内側の袋は外側の袋で覆われているので汚れることがない。
さらに、袋の外側で物を受けることと、袋を外すときに袋の内側と外側が入れ替わる特徴は、外側に水溶性の袋があり内側にポリ袋の二重構造になった市販の「水洗トイレに糞ごと流せる紙袋」の利用に都合が良い。
【0018】
前述のように請求項1の袋の取り付け方法は簡単であり、従来と全く異なる取り付け方法なので様々な効果があるが、袋の保持が不安定である。
請求項1の方法で取り付けた袋が物を受けると、図2(b)に示すように力X,Y、Zが働く。条件が整うと袋Qの部分がこの力Xを受け止めるため袋が袋を支え、枠に袋が保持されるが、条件が少し異なると袋の開口部Eから物を受けた部分Aがずり落ち袋が枠から外れる。
請求項1の方法で取り付けた袋を枠に安定的に保持するために考えられたのが請求項2乃至4の器具と袋である。
【0019】
請求項2の器具の作用を説明する前に、突起で袋を保持する原理を説明する。
底部が直線状に溶着されているポリ袋は、2方向が閉じられた隅(図2のA、B)を持つ。2方向が閉じられたとは、図2(a)の袋の隅Bは、辺BAと辺BCの隅Bを中心とした2方向が閉じられていることを指す。
【0020】
二つの隅を持つ袋の中に先端の丸い棒を差し込み、棒の先端を袋の隅に当てた状態で袋を指先でつかんで引っ張っても、袋の隅は2方向が閉じられているため隅から棒の先端が動かない。柔らかい材質の袋では棒に袋がまとわりさらに動きにくくなる。これは隅の周辺部でも同様である。
しかし、隅から離れた場所に棒の先端を当て同様に引っ張ると、どちらの方向も閉じられていないため棒の先端は袋の表面を滑り袋から外れる。
このように請求項2の袋を保持する原理は、袋にキズや穴をあけて保持するものではないので、突起の先端は丸くなっている。
【0021】
請求項2の袋を保持する器具では上述の原理を利用して、枠に形成した棒状の突起を袋の隅またはその周辺に位置させることで、袋を保持することができる。
また、一般的な袋の隅は少なくともふたつあり、マチがある袋では隅は4か所になる。複数の突起を形成した枠を用い同時に複数の隅に位置させることで、より安定的に袋を保持することができる。
なお、従来から行われている図4に示すような枠への袋の取り付け方法では、枠の上から袋を差し込み、袋の開口部周辺を枠に固定するため、袋の隅やその周辺に枠に形成された突起を位置させることができない。
【0022】
請求項2の袋を保持する器具に対する、請求項1を用いた袋の取り付け方法を述べる。図1に示した突起が形成された枠を袋の開口部から差し込み(図2(a)と同じ)、図3(a)に示したように枠の突起を袋の隅Bの周辺に位置させながら枠を水平になるように回転させ、次に枠の上方に位置するもう一つの隅Aを含む袋の部分を枠の内側を通して押し下げる。これにより袋の隅Bまたはその周辺に突起1を位置させ袋を枠に固定させるとともに、物を受ける空間を形成することができる。
なお、棒状の突起が袋の隅または隅の近くに位置するには、枠の大きさや枠の形(略三角形や細長い楕円形等)の影響を受けるため、棒状の突起の長さは、枠から少なくとも7mm以上、望ましくは1cm以上の長さがある突起が望ましい。
【0023】
請求項1の方法で取り付けた袋を取り外す方法について図3を用いて説明する。袋の開口部Eの下端Cを指でつかみ「物を受けた袋の底の部分(保持に利用しなかった隅A周辺)」の下をくぐるように矢印Gの方向に移動させ、枠より上に持ち上げると突起にまとわっていた袋が外れるので、簡単に袋を枠から外すことができる。この時に袋の内側と外側が入れ替わり、汚れていない内側が外側になるので袋を扱いやすい。
【0024】
本発明の請求項2の袋を保持する器具に、請求項1の方法で袋を取り付けた場合、隅Bが枠の突起に固定されるため袋の隅Aも動かなくなるので、奥深い袋(AD間が長い袋)では、袋の開口部の端Dを固定せずともAD間が長いため、枠から端Dが外れにくい。
しかし、底が浅い袋(AD間が短い袋)を利用する場合や、袋で物を受けた後に器具を前後にゆすって袋の端Dが引っ張られるような力が袋のAD間に加わった場合は、袋の端Dが枠から外れる可能性がある。
このような場合は、図3(a)に示すように、袋の端D周辺を柄に巻くようにクリップなどで固定すると、開口部を確実に維持することができる。
【0025】
本発明の請求項3の袋は、最初から袋の開口部の一部を溶着や接着、粘着テープなどで貼り合わせた袋で、袋で袋を支えることで枠への保持が可能になる。
図8を用いて本発明の袋5gの枠2gへの取り付け方法と作用を説明する。図8に示したように袋5gの開口部Kから枠をいれ枠を略水平に位置させる。袋の貼り合わせた開口部の端Sの部分が枠より最下方になるように枠を軸に袋を回転させる。
次いで枠の上方に位置する袋の隅P部分やその周辺を枠の内側を通して開口部の端Sの部分まで押し下げる。
【0026】
このような状態で袋に物を受けると、開口部の端S周辺は貼り合わされているため、袋5gの隅P部分が開口部から抜け落ちず、開口部の端S周辺にX方向の力が加わり、Y1やZ1方向に袋が引っ張られる。また袋はYやZ方向にも引っ張られるので、力のつりあいがとれ、袋で袋を支えることになる。
【0027】
図8のように袋の開口部の一部(L1,L2)のみを貼り合わせる場合、貼り合わせによって生じる端Sと張り合わせた部分との間隔(図8のS-L2間)から図11(b)のように袋がすり抜ける可能性がある。請求項3では端Sと張り合わせた部分との間隔(図8のS-L2間)は最大で5cmなので、円形として考えた場合は、円周10cmの直径3.18cmの円と同じになる。
よって、枠が直径3.18cmより大きな円なら袋がすり抜けて落ちることがない。もし枠がこれ以上に小さな場合は端Sと張り合わせた部分との間隔(図8のS-L2間)を狭めるなど、枠の大きさにより端Sと張り合わせた部分との間隔(図8のS-L2間)を決める。
【0028】
保持された袋を取り外す方法は、図8の袋の開口部の溶着部分L1を指でつかみ、袋Pの部分が袋の開口部Kを通り抜けるようにG方向に移動させる。または袋の開口部の溶着などで張り合わせた部分L1、L2を指で引き離し、開口部の端Sの部分をG方向に移動させると袋5eを器具から簡単に外すことができる。
【0029】
本発明の請求項4の袋を保持する器具は、請求項3の袋の開口部の溶着をクリップに変えたものである。よって、枠に袋を保持する作用やクリップを止める位置は請求項3と同じである。
請求項4の袋を保持する器具には、袋の事前加工や特殊な器具などが不要である。
【発明の効果】
【0030】
本発明の請求項1の袋の取り付け方法を用いると、枠を袋内に入れて袋を取り付けるので枠が汚れにくい。袋を外すときは、袋の内側と外側が入れ替わり、汚れていない内側が外側になるので袋を扱いやすい。
また、請求項1の袋の取り付け方法では、あらかじめ複数の袋を重ねて器具に取り付け、外側から順次利用できるので、1回の散歩で何度も排便する犬や多頭の散歩でも散歩中に袋を頻繁に取り付けなくても良い。また、次に利用する袋を現在の袋が完全に覆っているので糞を受け損なっても次の袋が汚れる恐れがない。
【0031】
さらに、請求項1の袋の取り付け方法を用いると、市販されている水溶性の紙袋とポリ袋が2重になった「水洗トイレに流せる袋」の取り付け、取り外しが簡単にできる。特に破損しやすい水溶性の紙袋を、枠の上方から枠の内側を通して下方に移動させるだけなので、従来の取り付け方法に比べ紙袋への負担が少なく、破損させずに取り付けられる。
本発明によって、「水洗トイレに流せる紙袋」に直接糞を受けることができるので、小石や土、枯れ葉などの異物によってトイレが故障することを防げる。
【0032】
本発明の請求項1の袋の取り付け方法によって、請求項2乃至請求項4の器具や袋を用い枠に袋を保持することができる。
請求項2の袋を保持する器具は、枠に設けた棒状の突起により、袋の取り付け取り外しが簡単にでき、枠の突起で袋を保持できる。
ただし、袋の形によっては柄側の袋の端がずり落ち枠より外れるので、柄側の袋の端をクリップで止める必要がある。
袋も市販の一般的なポリ袋を利用できるため安価である。枠の構造も簡単なので破損しにくく、ホコリなどの影響や経年劣化がない。
【0033】
請求項3の袋は、袋の開口部の一部が溶着などしている袋である。袋の取り付け取り外しが簡単にでき、袋で袋を支えるために特別な装置や枠などが不要である。
袋自体は開口部の一部が予め溶着された特殊な袋を利用するが、簡単な加工であるため、安価に製造できる。
【0034】
請求項4の袋を保持する器具は、袋で袋を支えて枠に保持するために、袋の開口部の一部を閉じるクリップを備える。クリップ以外に特別な装置や枠、袋の加工が不要である。このため手軽に利用でき、袋の取り付け取り外しも簡単にできる。
【0035】
また、本願の請求項の袋を保持する器具や袋は犬の糞用だけでなく、ゴミ箱や台所の三角コーナーに代わるフレームにも利用できる。三角コーナーに代わるフレームでは、水切り袋を枠だけで空中に保持できるので、三角コーナーに比べ掃除が簡単で、水切り袋が流しに密着しないので流しを汚すことも少なく、水切り効果も高い。
【0036】
以上のように本発明によって、袋の取り付け取り外しが簡単にでき、単純な方法と構造のため経年変化の影響を受けずに袋を枠に保持でき、器具や袋が汚れず、コストのかかる袋の加工が不要で、破損しやすい紙の袋も着脱可能で、ひとつの器具に複数の袋を取り付けられるなど、従来にはない便利さを持つ器具と袋、袋の取り付け方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本実施例1における犬の糞を受ける器具の斜視図である。
図2】本実施例1における袋の取り付け方法を示す図である。
図3】本実施例1における袋にかかる力と外し方を示す図である。
図4】従来の方法で枠に取り付けた袋の図である。
図5】本実施例1の変形例を示す枠の図である。
図6】本実施例1の他の変形例を示す枠の図である。
図7】本実施例2の枠の3面図である。
図8】本実施例3における袋の取り付け方法と作用を示す図である。
図9】本実施例4における犬の糞を受ける器具の斜視図である。
図10】本実施例4における袋にかかる力を示す図である。
図11】本実施例4におけるクリップの位置の影響を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本実施例で利用する袋は、ポリエチレンやポリプロピレンなどを原料とする防水性のあるポリ袋で、図2に示すように袋の底が直線状に溶着され、袋の底に少なくとも2か所の隅を持つ袋である。このような袋はホームセンターやスーパーで容易に入手できる。本実施例では説明のために、袋の底を直線状にし開口部を閉じた状態にしたときの袋の四隅をA、B、C、Dと称し、うちA、Bは袋の底部の隅、C、Dは袋の開口部の端とする。
【0039】
利用する袋の大きさは、枠の大きさや用途などを考慮して選択する。本実施例では、枠が直径12cmの円形なので、一般的に売られている幅(AB間)23cm、深さ(AD間、BC間)35mの袋を利用するが、例として用いただけでこの大きさの袋に限定するものではない。なお、図はスペースの関係でこの大きさや割合になっていない。
実施例の枠は、通常の力では簡単には曲がらない太さ3mmの針金によって形成されたものである。
本実施例の数値や材質などは実施例であって、特に断りのない限り請求項を制限するものではない。
【実施例0040】
(実施例1)
本発明の実施例1について図1から図4を用いて説明する。実施例1は、請求項2に該当する犬の糞を受ける器具の例である。この器具は請求項1の袋の取り付け方法によって効果を生じることも併せて説明する。
【0041】
図1に示すように実施例1の器具は、枠2が柄3を介して握り手4とつながっている犬の糞を受ける器具である。枠2は直径12cmの円形の枠で、太さが3mmの断面が円形の針金でできている。枠2の中心に対し柄3と反対側になる枠2の部分に、枠2を形成する針金自体を曲げて、棒状の突起1が形成されている。棒状の突起1は、枠2から遠心方向(枠の中心に向かう方向とは反対方向)に向けて15mm突出している。この枠2は袋が糞を受けるための空間を維持し、糞が落ちないように保持する。
【0042】
実施例1の器具と袋の取り付け方法を図2図3により説明する。実施例1で利用する袋5は、市販されている一般的なポリ袋で、袋の幅ABが23cmで、深さADが35cmである。袋の底部は直線状に融着されていて、底部の端Aと端Bには隅をひとつずつもつ。
【0043】
具体的な袋の取り付け方法は、図2(a)に示したように前記袋5の開口部Eから枠2を差し込む。次に枠2の突起1を袋の隅Bもしくは隅Bの近くに位置させたまま、枠2を略水平にしたときに袋5の隅Aが枠2より上方に、開口部の端Cが枠2より下方になるように、必要に応じ枠2を軸に袋5を回転させる。
さらに枠2の上方に位置した袋5の隅Aとその周辺を枠2よりも下方(図2(b)のF方向)に枠2の内側を通して押し下げると、図3(a)に示すように枠2の突起1を袋の隅Bもしくは隅Bの近くに位置させたまま、糞を受けることが可能な空間が形成される。
【0044】
実施例1の作用と効果について図3を用いて説明する。実施例1の方法で取り付けた袋5で糞を受けると隅A周辺に下向きの力Xが加わり、隅Bが隅Aの方向Yへ引っ張られる。袋5の隅Bは辺ABと辺BCのBを中心とした2方向が閉じられているため、引っ張られた袋2の隅B周辺は突起1にまとわって保持される。このため隅Aはこれ以上下がらない。
【0045】
また、袋5の底部(AB間)よりも袋の深さ(AD間)が十分長い袋では、Z方向にある程度引っ張られても余裕があるため、袋の開口部の端Dが枠2から外れない。しかし、袋の深さ(AD間)に余裕がない場合や器具を前後にゆすって袋の端Dが引っ張られるような力が袋のAD間に加わった場合は、袋の端Dが枠から外れる可能性がある。そのような恐れがある場合は、図3(a)に示したようにD部分を柄に巻くようにクリップで閉じるなどにより開口を維持する。なお、クリップは柄に近い部分の下にあるので糞などで汚れにくい。
【0046】
市販品のマチがあるポリ袋は、袋の底が直線上に溶着されているが4箇所の隅がある。袋の底が三角形などの多角形の袋も複数の隅を持つ。このような袋も、前述の袋の取り付け方法を用いれば、隅を利用して実施例1と同様に袋を枠に保持することができる。
請求項1の袋の取り付け方法と従来から行われてきた袋の取り付け方法の作用の違いを明確にするために、図1に示した実施例1の器具に対し従来の袋の取り付けを行い、袋5に物を受けた際の力のかかり方を図4に示した。
【0047】
従来の袋の取り付け方法では、袋5を枠2の開口部に通した後で、枠2の周りを取り囲むように袋5の開口部Eを折りたたむことで枠2に取り付ける。この方法では図4に示すように枠2の突起1が、袋5の隅Aや隅Bの周辺にはないため、袋5に物が入り下向きに(X方向)に引っ張られると、YやZ方向の力が生じるが、袋5は突起1の上を滑るだけでひっかからず、袋5は枠2からずり落ちて外れてしまう。
このように袋5が隅を持ち、枠2が棒状の突起1を備えていても、隅の近くに突起1が位置しない従来の袋の取り付け方法では袋5を保持できない。
【0048】
また、従来の袋の取り付け方法は袋の内側で物を受けるが、本発明の請求項1の袋の取り付け方法では袋の外側で受ける。
回収した糞をトイレに流せる袋は外側が水溶性の紙で内側がポリ袋の2重構造になっており、水溶性の紙はその特性から破れやすい。この袋を実施例1の器具に図4に示した従来の方法で取り付けるには外側と内側の袋を入れ替える必要があるが水溶性の紙は破れやすく困難である。本発明の請求項1の袋の取り付け方法を用いれば、内袋と外袋を入れ替える必要もなく、二重袋に枠を差し込み枠の上方に位置する袋を枠の内側を通して下方に押し込むだけで取り付けができる。
【0049】
請求項1の方法で取り付けた袋5を、実施例1の枠2から外す方法を図3で説明する。クリップ6を外し、袋5の開口部Eの下端Cを指でつかみ袋の隅Aの下をくぐるように矢印Gの方向に移動させ、枠2より上に持ち上げると突起1にまとわっていた袋5が突起1から外れるので、簡単に枠2から袋5を外すことができる。このとき袋の内と外が入れ替わるので、前記のトイレに流せる二重構造の袋の利用に都合が良い。
また、このような方法で糞を受けた袋を外すことができるので、複数の袋を重ねて器具に取り付け外側の袋から使用することができる。1回の散歩で何度も排便する犬や多頭の散歩中に何度も袋を取り付けなくて良いので便利である。
【0050】
以上のように実施例1の犬の糞を受ける器具は、袋の取り付けと取り外しが簡単にでき、袋の固定器具や滑り止めを用いない単純な構造でありながら袋を保持する機能を持ち、糞を受け損ねても器具が汚れず、特別な袋が不要で、複数の袋を重ねた取り付けもできる特徴を持つ。また、トイレに流せる水溶性の紙袋や袋を重ねて取り付けることもできるので従来にはない便利さを持つ。
【0051】
(実施例1の変形例)
実施例1で示した突起の変形例を図5図6に示した。
図5(a)は、突起1aが水平に置かれた枠2aに対し垂直な上方向に向けて形成されている。図5(b)は、突起1bが枠2bの中心方向に向けて形成されている。
図5(a)、図5(b)の枠2a、2bに実施例1と同じ方法で袋を取り付けると、枠2a、2bの突起1a、突起1bを袋の隅もしくは隅の近くに位置させることができる。このため、袋に物が入り下方に引っ張られると、実施例1と同じ作用で袋が突起1a、1bにまとわり保持される。
【0052】
図6(a)は枠2cの先端に突起1cが隣接して二つある変形例である。マチ付きの袋は、袋の底部の各端に二つの隅を隣接して持つ。袋の取り付け方法は実施例1と同様であるが、変形例の枠を用いると、マチ付きの袋の隣接する二つの隅または隅の周辺に各突起を位置させることができる。これによって突起が一つよりも安定的に袋を保持できる。
図6(b)は柄3dの反対側の枠2dに離れた二つの突起1dを持つ。袋の取り付け方法は、袋の底にある左右の隅を左右の突起1dにそれぞれ位置させる。次いで枠より上方の袋を枠の内側を通して下方に移動させ物を受ける空間を確保する。
図6(b)も図6(a)と同様に、二つの隅または隅の周辺に二つの突起を位置させることができるので、突起が一つよりも安定的に袋を保持できる。
【0053】
(実施例2)
実施例2について、図7に示した3面図を用いて説明する。実施例2は本発明の請求項2に該当する器具で、台所の生ゴミなどの水切りに使う三角コーナーの代用になるホルダーである。図7の(a)は実施例2のホルダーの正面図、(b)は上面図、(c)は右側面図である。
図7の各図に示したように実施例2のホルダーは、袋が生ゴミを受けるための空間を維持し袋が落ちないように保持する枠2eと、流しに吸着する吸盤7が柄3eを介してつながっているものである。この枠2eは上から見て丸みを帯びた略三角形で、各吸盤7の柄3から反対側にあるホルダーの角に突起1eが形成され、さらに各吸盤7の柄3の近くに突起1fが斜め上向きに設けられている。
【0054】
実施例2で利用する袋は、生ゴミの水切りに使うたくさんの小さな穴が空いた袋又は水を通す不織布などでできた袋で、袋の底部にふたつの隅を持つ袋である。
袋の取り付け方法は、実施例1の変形例で示した図6(b)の取り付け方法と同じで、枠2eの角にある二つの突起1eを袋の底部にある二つの隅または隅の周辺にそれぞれ位置づける。略水平にした枠2eより上方に位置する袋を枠の内側を通して押し下げ生ごみを受ける空間を確保する。
【0055】
実施例2の生ごみホルダーの作用について述べる。前述の方法で取り付けた袋に生ゴミを入れると、枠の角に形成された突起1eに袋がまとわるように押し付けられ、袋が保持される。このため、吸盤7の近くにある他のふたつの突起1fには袋を下げる力だけでなく、角の突起1eの影響を受けた力が新たに加わり、突起1fに袋がまとわるように押し付けられるため袋が枠から外れることなく袋の開口を維持できる。
【0056】
枠2eから袋を外す方法は、枠2eに取り付けた袋の開口部の一部を指でつかみ、生ごみを受けた袋の下をくぐらせ、近くにある吸盤7に隣接する突起1fの外側を通るように上に持ち上げると、ゴミが入ったまま簡単に袋を外すことができる。
以上のように実施例2のゴミ袋のホルダーは、単純な構造でありながら袋を空中に保持できるので、生ごみ袋が流しに接しない。これにより流しの掃除が簡単で水切り効果も高い。また、従来の三角コーナーに比べ器具が汚れず、袋の取り付けと取り外しも簡単にできる。
【0057】
(実施例3)
実施例3について図8を用いて説明する。実施例3は本発明の請求項3に該当する袋で、犬の糞を受ける器具に取り付けて利用する袋である。袋5gは一般的なポリ袋を加工したもので、図8(a)に示すようにP、R、S、Tの四隅を持ち、S、Tは開口部の端である。実施例3の袋は開口部周辺のL1、L2部分を熱で溶着している。開口部の端SからL2の間隔とL2からL1までの間隔は2cmである。袋の開口部Kを左右に少し強く引っ張ると溶着部分が分離するように、溶着面積は小さくしている。
【0058】
実施例3の糞を受ける器具は、袋を保持する枠があればどのようなものでも良いが、例として図1の実施例1の器具から突起を除いたものを使用する。図8に示すように枠2gが柄を介して握り手4gとつながっている器具である。枠2gは直径12cmの円形の枠で、太さが3mmの断面が円形の針金でできている。この枠2gは袋5gが糞を受けるための空間を形成して袋5gを保持する。
袋の取り付け方法は、図8(a)に示すように袋の大きな開口部Kから犬の糞を受ける器具の枠2gを差し込み、図8(b)に示したように枠2gを略水平にし、袋の端Sの部分を最下に位置させたまま、枠2gより上方にあるポリ袋5gを下方(F方向)へ枠2dの内側を通すように押し下げ、端Sの周辺部近くに位置させることで袋を取り付ける。
【0059】
実施例3の作用と効果について、図8を用いて説明する。
図8に示したように、実施例3は袋の開口部の一部であるL1、L2があらかじめ溶着されている。
図8(b)のように袋5gを枠2gに取り付け糞を受けると、図8(b)のX方向に力が加わる。この力は開口部の端S周辺部分にかかりY1方向やZ1方向に引っ張る力となる。また、糞の重さXは袋をY方向やZ方向にも引っ張るために力が釣り合い、袋5gはずり落ちることなく枠2gに保持される。なお、糞を受けた袋5gにとって開口部の端S周辺の隙間(S-L2間、L1-L2間)の間隔は2cmと狭いことと、端Sの周辺部分に重さが加わり下方向の力により開口部は広がらず閉じ気味になるため、袋5gは端S周辺の隙間(S-L2間、L1-L2間)を通り抜けることはない。
【0060】
また、枠2gから袋5gを取り外す方法は、図8(b)のL1部分を指でつかみ、袋Pの部分が袋の開口部Kを通り抜けるように前方(図3(a)のG方向)に移動させる。または袋の開口部の溶着している部分L1、L2を指で引き離し、開口部の端Sの部分を前方に移動させると袋5gを器具から簡単に外すことができる。
このように実施例3の袋5gを利用し、本発明の請求項1の袋の取り付け方法を用いることで、クリップや特殊な枠を使う事なく、物を受けた袋を枠に保持でき、枠への袋の着脱も簡単にできる。また、袋5gの加工も一部を溶着させる単純なものなので、コストを抑えられる。
【0061】
(実施例4)
実施例4について図9から図11を用いて説明する。実施例4は本発明の請求項4に該当する器具で、犬の糞を受ける器具である。
実施例4の器具は、図9に示すように枠2hが柄3hを介して握り手4hとつながり、クリップ6が長さ10cmの紐8を介して柄3hに結びついている器具である。枠2hは直径12cmの円形の枠で、太さが3mmの断面が円形の針金でできている。この枠を利用して袋が糞を受けるための空間を形成し、糞を受けたあとは袋を保持する。実施例1の器具と異なり枠に突起はないが、紐8で柄3hとつながったクリップ6を持つ。
【0062】
本発明の袋の取り付け方法について図10を用いて説明する。実施例4で利用する袋5は、実施例1と同じ市販されている一般的なポリ袋である。
請求項1の方法で袋を取り付け、図10に示したように袋の開口部(図2のE部分)を閉じて、開口部の下端に3cm程度の長さの新たな開口部Hが生じるように開口部Eをクリップ6で留める。留めると袋の開口部Eは小さな開口部Hと大きな開口部Kに分かれる。開口部Hの下端を説明のためにJとする。
クリップで留める位置は例として端Sから3cmとしたが、後述するように枠が円形の場合は、枠の直径の1.5倍以内なら袋がずり落ちないので枠の大きさを目安にクリップで留める位置を決めることができる。
【0063】
実施例4の器具で保持された袋を取り外す方法を図10で説明すると、袋5の開口部を留めているクリップ6を外し、Jの部分を指でつかみ矢印Gの方向に移動させると簡単に器具から袋5を外すことができる。
実施例4は実施例3の袋の溶着の代わりにクリップで閉じたものなので、実施例3と作用は同じである。図11に示すように、仮に開口部Hが広すぎて開口部Hから袋5が通り抜けても、開口部Hの周長が枠の周長より小さければ枠から外れない。
枠の直径をWLとすれば枠の周長は(3.14×WL)、開口部Hの長さがHLなら開口部Hの周長は(2×HL)なので、(3.14×WL)>(2×HL)になり、おおむね1.5×WL>HLである。開口部Hの長さHLが枠の直径の1.5倍以下であれば枠から袋が外れない。実施例1では枠の直径が12cmなので開口部Hの長さHLが18cm以下である。これほど広くあけてクリップで止める必要がないので、ずり落ちずに途中で止まる。
【0064】
実施例4では以上のような作用で、本発明の請求項1の袋の取り付け方法にクリップ6を利用することで簡単に枠2hが袋5を保持できる。また、クリップ6を外せば、袋5は枠2hから簡単に取り外す事ができる。
クリップ6は柄3hと紐8で結ばれているので紛失しにくく、袋5を取り外したあとの作業や犬のコントロールに専念できる。
【符号の説明】
【0065】
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f 突起
2、2a、2b、2c、2d、2e、2g、2h 枠
3、3a、3b、3c、3d、3e、3h 柄
4、4a、4b、4c、4d、4g、4h 持ち手
5、5g ポリ袋
6 クリップ
7 吸盤
8 紐
A、B、P、R 袋の隅
C、D、S、T 袋の開口部の端
Q 重さがかかる袋の部分
E 袋の開口部
F 袋を押し下げる方向
G 袋を外すときの袋の開口部下端の移動方向
H K クリップで閉じたときに生じる新たな開口部
W 枠の開口部
J クリップで閉じたときに生じる新たな開口部の端
L1、L2 袋の開口部の溶着した部分
X、Y、Z 袋が物を受けたときに受ける力の方向
Y1、Z1 袋が物を受けたときに引っ張られる力の方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11