(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183137
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】車両のセンサレイアウト
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20221201BHJP
B60W 50/00 20060101ALI20221201BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20221201BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20221201BHJP
B60R 1/22 20220101ALI20221201BHJP
【FI】
B60R11/02 C
B60W50/00
B60W60/00
B60W40/02
B60R1/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022086944
(22)【出願日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】202110594439.1
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521254764
【氏名又は名称】北京図森智途科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】▲計▼ 平元
(72)【発明者】
【氏名】▲かく▼ 佳男
【テーマコード(参考)】
3D020
3D241
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BA20
3D020BB02
3D020BC18
3D020BD03
3D241BA61
(57)【要約】 (修正有)
【課題】周囲環境の環境情報を確実に感知することができる車両を開示する。
【解決手段】車両は、第1カメラセットは第1カメラサブセットを含み、第1カメラサブセットのカメラは車両の前方を向く第1カメラセットと、第2カメラセットであって、第2カメラセットのカメラの焦点距離は第1カメラセットのカメラの焦点距離よりも小さく、第2カメラセットは第2カメラサブセット及び第3カメラサブセットを含み、第2カメラサブセットのカメラは車両の前方を向き、第3カメラサブセットのカメラは車両の側面前方及び/又は側方を向き、第3カメラセットであって、第3カメラセットのカメラの焦点距離は第2カメラセットのカメラの焦点距離よりも小さく、第3カメラセットは第4カメラサブセット及び第5カメラサブセットを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両であって、
第1カメラセットであって、前記第1カメラセットは第1カメラサブセットを含み、第1カメラサブセットのカメラは車両の前方を向く第1カメラセットと、
第2カメラセットであって、前記第2カメラセットのカメラの焦点距離は第1カメラセットのカメラの焦点距離よりも小さく、前記第2カメラセットは第2カメラサブセット及び第3カメラサブセットを含み、前記第2カメラサブセットのカメラは車両の前方を向き、前記第3カメラサブセットのカメラは車両の側面前方又は側方を向く第2カメラセットと、
第3カメラセットであって、前記第3カメラセットのカメラの焦点距離は第2カメラセットのカメラの焦点距離よりも小さく、前記第3カメラセットは第4カメラサブセット及び第5カメラサブセットを含み、前記第4カメラサブセットのカメラは車両の前方を向き、前記第5カメラサブセットのカメラは車両の側面前方又は側方を向く第3カメラセットと、を含む車両。
【請求項2】
前記第1カメラセットは、カメラが車両の後方を向く第6カメラサブセットをさらに含み、
前記第2カメラセットは、カメラが車両の後方を向く第7カメラサブセットをさらに含み、又は
前記第3カメラセットは、カメラが車両の後方を向く第8カメラサブセットをさらに含む請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記第1カメラセット及び前記第2カメラセットのカメラは前記車両の天井部に装着される請求項1に記載の車両。
【請求項4】
前記第4カメラサブセットは少なくとも1つのカメラを含み、前記少なくとも1つのカメラは前記車両の前面に装着され、高さが前記第1カメラセット及び前記第2カメラセットのカメラの高さよりも低く、前記第5カメラサブセットのカメラは前記車両の側面の天井部に近い位置に装着される請求項3に記載の車両。
【請求項5】
前記第2カメラサブセットのカメラの焦点距離は異なる請求項1に記載の車両。
【請求項6】
第1組のレーザーレーダーをさらに含み、前記第1組のレーザーレーダーは、前記車両の天井部に装着され車両の前方を向く少なくとも1つのレーザーレーダーと、車両の側面の天井部に近い位置に装着され車両の後方を向く少なくとも1つのレーザーレーダーと、を含む請求項1に記載の車両。
【請求項7】
第2組のレーザーレーダーをさらに含み、前記第2組のレーザーレーダーはそれぞれ前記車両の前面の両側に装着される少なくとも2つのレーザーレーダーを含む請求項6に記載の車両。
【請求項8】
第3組のレーザーレーダーをさらに含み、前記第3組のレーザーレーダーは、車両の側面の天井部に近い位置に装着され車両の後方を向く少なくとも1つのレーザーレーダーと、前記車両の前面に装着される少なくとも1つのレーザーレーダーと、を含む請求項7に記載の車両。
【請求項9】
前記第1組のレーザーレーダーの最大感知距離は前記第2組のレーザーレーダーの最大感知距離よりも大きく、前記第2組のレーザーレーダーの最大感知距離は前記第3組のレーザーレーダーの最大感知距離よりも大きい請求項8に記載の車両。
【請求項10】
前記車両の前面の中間部に装着される第1組のミリ波レーダーと、
第2組のミリ波レーダーであって、前記第2組のミリ波レーダーは、前記車両の前面の両側に装着される少なくとも2つのミリ波レーダーと、前記車両の後部の両側に装着される少なくとも2つのミリ波レーダーと、前記車両の後部の中間部に装着される少なくとも1つのミリ波レーダーと、を含み、前記第2組のミリ波レーダーの動作周波数は前記第1組のミリ波レーダーの動作周波数よりも小さい第2組のミリ波レーダーと、をさらに含む請求項1に記載の車両。
【請求項11】
前記車両の前面の中間部に装着される少なくとも1つのミリ波レーダーと、前記車両の後部の両側に装着される少なくとも2つのミリ波レーダーとを含み、前記第3組のミリ波レーダーの動作周波数は前記第2組のミリ波レーダーの動作周波数よりも小さい第3組のミリ波レーダーをさらに含む請求項10に記載の車両。
【請求項12】
車両であって、
車両からの距離が第1距離よりも小さく且つ第2距離よりも大きい物体を感知するように構成される第1組のセンサと、
車両からの距離が第3距離よりも小さく且つ第4距離よりも大きい物体を感知するように構成される第2組のセンサと、
車両からの距離が第5距離よりも小さい物体を感知するように構成される第3組のセンサと、を含み、
前記第1距離は前記第3距離よりも大きく、前記第3距離は前記第2距離以上であり、前記第2距離は前記第4距離よりも大きく、前記第5距離は前記第4距離以上であり、且つ前記第2距離よりも小さく、
第1組のセンサの水平視野角は第2組のセンサの水平視野角以下であり、第2組のセンサの水平視野角は第3組のセンサの水平視野角以下である車両。
【請求項13】
前記第1組のセンサは、
車両の天井部に装着される少なくとも1つのカメラ又は少なくとも1つのレーザーレーダーを含む請求項12に記載の車両。
【請求項14】
前記第2組のセンサは、
ルーフに装着され異なる方向を向く複数のカメラ、
少なくとも1つが車両の、前記複数のカメラよりも低く且つ前記車両の前方に近い位置に装着される複数のレーザーレーダー、又は
車両の、前記複数のカメラよりも低い位置に装着され、少なくとも1つが前記レーザーレーダーよりも低い位置に装着される複数のミリ波レーダーを含む請求項12に記載の車両。
【請求項15】
前記第3組のセンサは、
少なくとも1つが前記車両の前面に装着され、少なくとも1つが前記車両の後部に装着され、少なくとも1つが前記車両の天井部又は側面に装着される複数のカメラ、
少なくとも1つが前記車両の前面に装着され、少なくとも1つが前記車両の後部に装着される複数のレーザーレーダー、又は
少なくとも1つが前記車両の前面に装着され、少なくとも1つが前記車両の後部に装着される複数のミリ波レーダーを含む請求項12に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は車両に関し、より具体的には車両のセンサレイアウトに関する。
【背景技術】
【0002】
車両は、様々な運転環境に直面している場合、正確かつ安全な判断を下すには、周囲環境を確実に感知することが非常に重要であり、特に自動運転の分野では、感知能力は自動運転に重要な影響を及ぼす。車両には通常、周囲環境の環境情報を感知するカメラなどが搭載されており、様々な走行環境で確実に周囲環境の環境情報を感知に車両することを確保し、車両の走行信頼性を確保するために、車両のカメラを合理的に配置する必要がある。
【発明の概要】
【0003】
周囲環境の環境情報を確実に感知することができる車両を開示する。
【0004】
本開示の一態様によれば、第1カメラセットであって、前記第1カメラセットは第1カメラサブセットを含み、第1カメラサブセットのカメラは車両の前方を向く第1カメラセットと、第2カメラセットであって、前記第2カメラセットのカメラの焦点距離は第1カメラセットのカメラの焦点距離よりも小さく、前記第2カメラセットは第2カメラサブセット及び第3カメラサブセットを含み、前記第2カメラサブセットのカメラは車両の前方を向き、前記第3カメラサブセットのカメラは車両の側面前方及び/又は側方を向く第2カメラセットと、第3カメラセットであって、前記第3カメラセットのカメラの焦点距離は第2カメラセットのカメラの焦点距離よりも小さく、前記第3カメラセットは第4カメラサブセット及び第5カメラサブセットを含み、前記第4カメラサブセットのカメラは車両の前方を向き、前記第5カメラサブセットのカメラは車両の側面前方及び/又は側方を向く第3カメラセットと、を含む車両を提供する。
【0005】
本開示の別の態様によれば、車両からの距離が第1距離よりも小さく且つ第2距離よりも大きい物体を感知するように構成される第1組のセンサと、車両からの距離が第3距離よりも小さく且つ第4距離よりも大きい物体を感知するように構成される第2組のセンサと、車両からの距離が第5距離よりも小さい物体を感知するように構成される第3組のセンサと、を含み、前記第1距離は前記第3距離よりも大きく、前記第3距離は前記第2距離以上であり、前記第2距離は前記第4距離よりも大きく、前記第5距離は前記第4距離以上であり、且つ前記第2距離及び前記第3距離よりも小さく、第1組のセンサの水平視野角は第2組のセンサの水平視野角以下であり、第2組のセンサの水平視野角は第3組のセンサの水平視野角以下である車両を提供する。
【0006】
図面、明細書及び特許請求の範囲において、開示されている技術の上記及びほかの態様の特徴はさらに詳しく説明される。
【0007】
図面の図では、様々な実施例は制限的ではなく例示的に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本明細書に開示されている様々な技術を実現できる車両の模式図である。
【
図2】例示的な実施例による車両センサシステムのブロック図を示す。
【
図3】車両の正面図であり、一例において車両の前方から見たセンサ配置の模式図を示す。
【
図4】車両の上面図であり、一例において車両の上方から見たセンサ配置の模式図を示す。
【
図5】別の例示的な実施例における車両センサシステムのブロック図を示す。
【
図6】コンピュータシステムの例示的な形態とされる機械を示し、該コンピュータシステムにおける命令セットが実行されると、該機械に本明細書で検討された方法のいずれか1種又は複数種を実行させる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
可能な場合、図に共通する同じ要素は同じ符号で示されている。1つの実現で開示されている要素は、具体的な記述がないと、ほかの実現で有益に使用され得る。
【0010】
以下の説明では、解釈の目的で、様々な実施例の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が説明される。理解できるように、開示されている趣旨の範囲から逸脱せずに、ほかの実施例を使用したり構造変更を行ったりすることができる。本開示を実現及び実施するために、以下の特徴及び要素の任意の組合せが想到し得る。
【0011】
明細書では、同一又は類似の特徴は同一符号で示され得る。本明細書で使用されるように、「例示的」は例、実現又は態様を指示し得、且つ好み又は好ましい実現を制限又は指示するものではないと理解すべきである。
【0012】
現在、車両は、特に自動運転の分野でいくつかの技術的制約に直面しており、これらの技術的制約は車両の現実世界での相互作用及び適応性を妨げている。
【0013】
現在、自動運転の分野では、自動運転技術は通常反応的であり、つまり、判断は現在の状況又は状態に基づいて下される。例えば、自動運転車両は道路上の物体を道路中の障害物すると緊急停止するように、プログラミング可能である。しかしながら、現在の自動運転技術では、周囲環境の物体に対する車両の感知能力及び環境適応性は限られている。車両の周囲環境の環境情報を確実に感知することを確保するために、車両のセンサを合理的に配置する必要があり、それにより車両の走行信頼性が確保され、例えば、センサの配置は走行の安全性を脅かす死角がないようにする必要がある。できるだけ広い感知範囲を提供して自動運転制御ユニットが車両の走行経路又は軌跡を合理的に計画するように、車両のセンサを合理的に配置する必要がある。センサ数を節約し、車両の限られた電力供給を満たすように、車両のセンサを合理的に配置する必要がある。車両の限られた電力供給のため、車両に装着可能な電力消費機器の数は制限されている。
【0014】
本開示は、周囲環境の環境情報を確実に感知し、周囲環境の物体に対する車両(特に自動運転車両)の感知能力及び環境適応性を向上させることができる車両を説明する。
【0015】
現在、
図1に示すように、
図1は本明細書に開示されている様々な技術を実現できる車両100の模式図である。車両100は乗用車、トラック、オートバイ、バス、船、飛行機、ヘリコプター、芝刈り機、油圧ショベル、スノーモービル、航空機、観光バス、遊園地車両、農場装置、建設装置、路面電車、ゴルフカート、汽車、無軌道電車、又はほかの車両であり得る。車両100は完全又は部分的に自動運転モードで動作し得る。車両100は自動運転モードでそれ自体を制御し得、例えば、車両100は車両の現在の状態及び車両が位置する環境の現在の状態を決定し、該環境における少なくとも1つのほかの車両の予測行為を決定し、該少なくとも1つのほかの車両が予測行為を実行する可能性に対応する信頼等級を決定し、決定された情報に基づいて車両100自体を制御し得る。自動運転モードでは、車両100は人の介入なしに動作し得る。
【0016】
車両100は、例えば、駆動システム142、センサシステム144、制御システム146、ユーザーインターフェースシステム148、コンピューティングシステム150及び通信システム152のような様々な車両システムを含み得る。車両100はより多い又はより少ないシステムを含み得、各システムは複数のユニットを含み得る。さらに、車両100の各システムとユニットは相互接続され得る。例えば、コンピューティングシステム150は駆動システム142、センサシステム144、制御システム146、ユーザーインターフェースシステム148及び通信システム152のうちの1つ又は複数とデータ通信を行うようにしてもよい。それにより、車両100の1つ又は複数の説明された機能は付加的な機能的部材又は物理的部材に分割されるか、又は組み合わせてより少数の機能的部材又は物理的部材を形成し得る。さらなる例では、付加的な機能的部材又は物理的部材は
図1に示す例に追加され得る。
【0017】
駆動システム142は車両100に運動エネルギーを提供する複数の操作可能部材(又はユニット)を含み得る。一実施例では、駆動システム142はエンジン又は電気モーター、車輪、変速機、電子システム、及び動力(又は動力源)を含み得る。エンジン又は電気モーターは、内燃機関、モーター、蒸気エンジン、燃料電池エンジン、プロパンエンジン、又はほかの形態のエンジン又は電気モーターの任意の組合せであり得る。いくつかの実施例では、エンジンは動力源を機械的エネルギーに変換することができる。いくつかの実施例では、駆動システム142は様々なエンジン又は電気モーターを含み得る。例えば、燃料-電気ハイブリッド車両はガソリンエンジン及び電気モーターを含み得、ほかの状況を含み得る。
【0018】
車両100の車輪は標準的な車輪であり得る。車両100の車輪は、一輪、二輪、三輪、又は四輪の形態を含む様々な形態の車輪であり得、例えば、乗用車又はトラックの四輪が挙げられる。例えば、6つ以上の車輪などほかの数の車輪も可能である。車両100の1つ又は複数の車輪は、ほかの車輪の回転方向とは異なるように操作され得る。車輪は変速機に固定して接続される少なくとも1つの車輪であり得る。車輪は、金属とゴムとの組合せ、又はほかの物質の組合せを含み得る。変速機はエンジンの機械的動力を車輪に伝達するように操作され得るユニットを含み得る。この目的から考えると、変速機はギアボックス、クラッチ、ディファレンシャルギア及びドライブシャフトを含み得る。変速機はほかのユニットをさらに含み得る。ドライブシャフトは車輪にマッチングする1つ又は複数の車軸を含み得る。電子システムは車両100の電子信号を伝送又は制御するためのユニットを含み得る。これらの電子信号は、車両100の複数のライト、複数のサーボ機構、複数の電気モーター、及びほかの電子駆動又は制御装置を始動することに用いられ得る。動力源は完全又は部分的にエンジン又は電気モーターに動力を提供するエネルギーであり得る。即ち、エンジン又は電気モーターは動力源を機械的エネルギーに変換することができる。例示的には、動力源はガソリン、石油、石油類燃料、プロパン、ほかの圧縮ガス燃料、エタノール、燃料電池、ソーラーパネル、電池及びほかの電気エネルギーを含み得る。動力源は、追加的又は選択可能に、燃料タンク、電池、コンデンサ、又はフライホイールの任意の組合せを含み得る。動力源はさらに車両100のほかのシステムにエネルギーを提供し得る。
【0019】
センサシステム144は複数のセンサを含み得、これらのセンサは車両100の環境及び条件の情報を検知することに用いられる。例えば、センサシステム144は、慣性測定ユニット(IMU)、全地球航法衛星システム(GNSS)トランシーバー(例えば、全地球測位システム(GPS)トランシーバー)、無線検出及び測距装置(RADAR、ミリ波レーダーと略称)、レーザー検出及び測距システム(LIDAR、レーザーレーダーと略称)、音響センサ、超音波センサ及び画像キャプチャ装置(例えば、カメラ)を含み得る。センサシステム144は車両100を監視するための複数のセンサ(例えば、酸素(O2)モニタ、燃料ゲージセンサ、エンジン油圧センサ、及び温度、湿度、圧力センサなど)を含み得る。さらにほかのセンサは配置され得る。センサシステム144に含まれる1つ又は複数のセンサは、1つ又は複数のセンサの位置、方向、又は両方を更新するように、個別に駆動されるか又は集合的に駆動され得る。
【0020】
IMUは、センサの組合せ(例えば、加速器とジャイロスコープ)を含み得、慣性加速に基づいて車両100の位置変化及び方向変化を感知することに用いられる。GPSトランシーバーは、車両100の地理的位置を推定するための任意のセンサであり得る。この目的から考えると、GPSトランシーバーは、地球に対する車両100の位置情報を提供するように受信機/送信機を含み得る。なお、GPSは全地球航法衛星システムの一例であり、従って、いくつかの実施例では、GPSトランシーバーは北斗衛星ナビゲーションシステムトランシーバー又はガリレオ衛星ナビゲーションシステムトランシーバーに置き換えられ得る。レーダーユニットは、無線信号を使用して車両100が位置する環境の対象を感知することができる。いくつかの実施例では、感知対象に加えて、レーダーユニットはさらに車両100に接近する物体の速度及び進行方向を感知することに用いられ得る。LIDARユニットはレーザーを使用して車両100が位置する環境の物体を感知する任意のセンサであり得る。一実施例では、LIDARユニットはレーザー源、レーザースキャナー、及び検出器を含み得る。LIDARユニットは連続(例えば、ヘテロダイン検出を使用する)検出モード又は非連続検出モードで動作することに用いられ得る。画像キャプチャ装置は車両100が位置する環境の複数の画像をキャプチャするための装置を含み得る。画像キャプチャ装置の一例はカメラであり、カメラは静止画像カメラ又は動画カメラであり得る。
【0021】
制御システム146は車両100及びその部材(又はユニット)に対する操作を制御することに用いられる。対応して、制御システム146は、ステアリングユニット、動力制御ユニット、ブレーキユニット及びナビゲーションユニットなどの様々なユニットを含み得る。
【0022】
ステアリングユニットは車両100の進行方向を調整する機械の組合せであり得る。動力制御ユニット(例えば、アクセル)は、例えば、エンジンの運転速度を制御し、さらに車両100の速度を制御することに用いられ得る。ブレーキユニットは車両100を減速させるための機械の組合せを含み得る。ブレーキユニットは標準的な手段で摩擦力を利用して車両を減速させるようにしてもよい。ほかの実施例では、ブレーキユニットは車輪の運動エネルギーを電流に変換し得る。ブレーキユニットはさらにほかの形態を使用し得る。ナビゲーションユニットは車両100の運転経路又はパスを決定する任意のシステムであり得る。ナビゲーションユニットはさらに車両100の走行中に運転経路を動的に更新し得る。制御システム146はさらに追加的又は選択可能に、ほかの図示又は説明されていない部材(又はユニット)を含み得る。
【0023】
ユーザーインターフェースシステム148は、車両100と、外部センサ、ほかの車両、ほかのコンピュータシステム及び/又は車両100のユーザーとの対話を許可することに用いられ得る。例えば、ユーザーインターフェースシステム148は、標準的な視覚表示装置(例えば、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、タッチスクリーンディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ、又はほかの類似のディスプレイ)、スピーカー又はほかのオーディオ出力装置、マイク又はほかのオーディオ入力装置を含み得る。例えば、ユーザーインターフェースシステム148は、ナビゲーションインターフェース、及び車両100の内部環境(例えば、温度、ファンなど)を制御するインターフェースをさらに含み得る。
【0024】
通信システム152は、車両100に1つ又は複数の機器又は周囲のほかの車両と通信する方式を提供するようにしてもよい。例示的な実施例では、通信システム152は直接又は通信ネットワークを介して1つ又は複数の機器と通信し得る。通信システム152は、例えば、無線通信システムであり得る。例えば、通信システムは3Gセルラー通信(例えば、CDMA、EVDO、GSM/GPRS)又は4Gセルラー通信(例えば、WiMAX(登録商標)又はLTE)を使用し得、5Gセルラー通信を使用し得る。選択可能に、通信システムは無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と通信し得る(例えば、WIFI(登録商標)を使用する)。いくつかの実施例では、通信システム152は、例えば、赤外線、ブルートゥース(登録商標)、又はZIGBEE(登録商標)を使用して1つ又は複数の機器又は周囲のほかの車両と直接通信し得る。例えば、様々な車載通信システムなどのほかの無線プロトコルも本願に開示されている範囲に属する。例えば、通信システムは1つ又は複数の専用狭域通信(DSRC)装置、V2V装置又はV2X装置を含み得、これらの装置は車両及び/又は路傍局と公的又は私的なデータ通信を行う。
【0025】
コンピューティングシステム150は車両100の一部又はすべての機能を制御することができる。コンピューティングシステム150の自動運転制御ユニットは車両100が位置する環境における潜在的な障害物を識別、評価、及び回避又は克服することに用いられ得る。通常、自動運転制御ユニットはドライバーなしで車両100を制御するか、又はドライバーによる車両制御を支援することに用いられる。いくつかの実施例では、自動運転制御ユニットは、例えば、GPSトランシーバーのデータ、レーダーデータ、LIDARデータ、カメラデータなどのセンサからのデータとほかの車両システムからのデータとを組み合わせて車両100の走行経路又は軌跡を決定することに用いられる。自動運転制御ユニットは、車両100が自動運転モードで運転できるようにトリガーされる。
【0026】
コンピューティングシステム150は少なくとも1つのプロセッサを含み得(少なくとも1つのマイクロプロセッサを含み得る)、プロセッサは不揮発性コンピュータ可読媒体(例えば、データ記憶装置又はメモリ)に記憶される処理命令(即ち、機械実行可能命令)を実行する。コンピューティングシステム150は複数のコンピューティング機器からなり得、これらのコンピューティング機器は車両100の部材又はシステムを分散して制御する。いくつかの実施例では、メモリには、プロセッサによって実行されて車両100の様々な機能を実現する処理命令(例えば、プログラムロジック)が含まれ得る。一実施例では、コンピューティングシステム150は駆動システム142、センサシステム144、制御システム146、ユーザーインターフェースシステム148、及び/又は通信システム152とデータ通信を行うことができる。コンピューティングシステムのインターフェースはコンピューティングシステム150と駆動システム142、センサシステム144、制御システム146、ユーザーインターフェースシステム148、及び通信システム152とのデータ通信を促進することに用いられる。
【0027】
メモリは、データ送信用の命令、データ受信用の命令、対話用の命令、又は駆動システム142、センサシステム144、又は制御システム146又はユーザーインターフェースシステム148を制御するための命令を含めるほかの命令をさらに含み得る。
【0028】
処理命令を記憶することに加えて、メモリは、例えば、画像処理パラメータ、道路地図、及び経路情報などの様々な情報又はデータを記憶し得る。車両100が自動モード、半自動モード及び/又は手動モードで動作する期間に、これらの情報は車両100及びコンピューティングシステム150に使用され得る。
【0029】
自動運転制御ユニットはプロセッサ及びメモリと分離すると見なされるにもかかわらず、理解できるように、いくつかの実施形態では、自動運転制御ユニットの一部又はすべての機能は1つ又は複数のメモリ(又はデータ記憶装置)に常駐されるプログラムコード命令を使用して実現され且つ1つ又は複数のプロセッサによって実行され得、場合によっては、自動運転制御ユニットは同じプロセッサ及び/又はメモリ(又はデータ記憶装置)を使用して実現され得る。いくつかの実施形態では、自動運転制御ユニットは少なくとも部分的に様々な特定用途向け回路ロジック、様々なプロセッサ、様々なフィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、様々な特定用途向け集積回路(「ASIC」)、様々なリアルタイムコントローラ及びハードウェアを使用して実現され得る。
【0030】
コンピューティングシステム150は、様々な車両システム(例えば、駆動システム142、センサシステム144、及び制御システム146)から受信した入力、又はユーザーインターフェースシステム148から受信した入力に応じて、車両100の機能を制御するようにしてもよい。例えば、コンピューティングシステム150は制御システム146からの入力を使用して、センサシステム144によって検出された障碍物を回避するようにステアリングユニットを制御するようにしてもよい。一実施例では、コンピューティングシステム150は車両100及びそのシステムの様々な側面を制御することに用いられ得る。
【0031】
図1には車両100に集積された様々な部材(又はユニット)が示されているが、これらの部材(又はユニット)のうちの1つ又は複数は車両100に搭載されるか、又は単独で車両100に関連付けられるようにしてもよい。例えば、コンピューティングシステムは部分的又は完全に車両100から独立して存在し得る。それにより、車両100は分離するか又は集積された機器ユニットの形態として存在し得る。車両100を構成する機器ユニットは有線通信又は無線通信によって相互通信を実現し得る。いくつかの実施例では、付加的な部材又はユニットを各システムに追加するか、又はシステムから1つ以上の部材又はユニット(例えば、
図1に示すLiDAR又はレーダー)を取り外すようにしてもよい。
【0032】
図2は例示的な実施例で周囲環境の環境情報を確実に感知することを実現できる車両100のセンサシステム144の一部のセンサユニットのブロック図を示す。センサシステム144は複数のセンサユニットを含み得、様々な走行環境で車両100の周囲環境の環境情報を確実に感知するように構成される。
図2に示すセンサシステム144の一部のセンサユニットは、例えば、カメラユニット201、レーザーレーダーユニット202、ミリ波レーダーユニット203及び超音波レーダーユニット204を含む。
【0033】
カメラユニット201は、物体、道路状況、交通標識、交通信号、天気状況、及び車両の軌跡に関するほかの情報を検出するように構成され得る少なくとも1つのカメラを含む。カメラは、釘、ネジ、テープ、接着剤、溶接、はんだ付け、ボルト又は類似の材料を使用して車両に連結又は固定され得る。いくつかの実施例では、カメラは車両の天井部又は底部に沿ってルーフラック又はブラケットに連結又は固定され得る。カメラは、車両の天井部、側面、前面又は後部に連結又は固定され得る。カメラは、車両のフロントグリル、フェンダー又は反射鏡にアタッチ又は固定され得る。カメラは、車両の任意の外部部分に連結又は固定され得る。
【0034】
カメラユニット201は第1カメラセットを含み得、第1カメラセットは第1カメラサブセットを含み、第1カメラサブセットには、車両100に連結又は固定され且つ車両100の前方を向くように配向される少なくとも1つのカメラが含まれる。即ち、第1カメラサブセットのカメラは車両100の前方を向くように位置決めされ得る。第1カメラサブセットのカメラは、車両100の前方に視野を有するように構成され得る。第1カメラサブセットのカメラは、ルーフ上のルーフラック又はブラケットにアタッチ又は固定され得る。第1カメラサブセットのカメラは車両100の天井部のエッジに沿って配置され得る。
【0035】
図3及び
図4はそれぞれ車両の前方及び上方から見たセンサ配置の1つの具体例を示す。
図3及び
図4に示すように、第1カメラセットの第1カメラサブセットはルーフのブラケット101に配置され、例えば、カメラC4及びカメラC10などの少なくとも2つのカメラを含む。カメラC4及びカメラC10は焦点距離が10mm~30mmであり、車両の前方を向く。カメラC4及びカメラC10は両眼システムを形成することができ、カメラC4とカメラC10との間隔(即ち、ベースライン長さ)は1メートル以上、又は1.5メートル以上、又は2メートル以上であり得る。カメラC4とカメラC10とのベースライン距離が大きいため、広い測距範囲は可能である。例えば、カメラC4とカメラC10とのベースライン距離が2メートルである場合、両眼の測距能力は300m以上に達することができる。必要に応じて、カメラC4とカメラC10はそれぞれ独立して動作し得、このとき、各カメラの測距範囲は500m以上に達することができる。
【0036】
カメラユニット201は第2カメラセットをさらに含み得、第2カメラセットのカメラの焦点距離は第1カメラセットのカメラの焦点距離よりも小さく、第2カメラセットは第2カメラサブセット及び第3カメラサブセットを含み、該第2カメラサブセットのカメラは車両100の前方を向き、該第3カメラサブセットのカメラは車両100の側面前方及び/又は側方を向く。側面前方は、左前方及び右前方のうちの少なくとも一方を含み得、側方は左側方向及び右側方向のうちの少なくとも一方を含み得る。
【0037】
第2カメラサブセットのカメラは、車両100の前方に視野を有するように構成され得る。第3カメラサブセットのカメラは、車両100の側面前方及び/又は側方に視野を有するように構成され得る。第2カメラサブセット及び第3カメラサブセットのカメラはルーフ上のルーフラック又はブラケットにアタッチ又は固定され得る。第3カメラサブセットのカメラは車両の天井部のエッジに沿って配置され得る。
【0038】
図3及び4の例では、第2カメラサブセットはルーフのブラケット101に配置され、例えば、車両の前方を向くカメラC1及びカメラC3などの少なくとも2つのカメラを含み、カメラC1の焦点距離は2mm~8mm、カメラC3の焦点距離は6mm~15mmであり得る。つまり、カメラC1の焦点距離はカメラC3の焦点距離よりも小さい。第3カメラサブセットは、ルーフのブラケット101に配置され、車両の左前方を向くカメラC2、車両の右前方を向くカメラC5、車両の左側方向を向くカメラC6、及び車両の右側方向を向くカメラC7を含む。第3カメラサブセット(例えば、カメラC2、C5、C6、C7)の焦点距離は2mm~8mmであり得る。
【0039】
なお、本願では、車両の前方とは、車両の軸線又は前進方向(車両が前へ直進するときの方向)にほぼ平行な方向であり、車両の側面前方とは、車両の軸線又は前進方向と鋭角をなす方向であり、車両の側方とは、車両の軸線又は前進方向にほぼ垂直な方向であり、車両の後方とは、車両の軸線にほぼ平行であるが車両の前進方向とは反対の方向である。
図4には車両の軸線が示されており、車両は該軸線に沿ってほぼ左右対称である。
【0040】
さらになお、
図3及び4ではトラクタ(例えば、トラックのトラクタ)を例として本願の手段を説明したが、当業者が理解できるように、本願の手段はトラクタに限定されず、いくつかの実施例では、トラクタはコンテナ、トレーラー、セミトレーラー又はプレートなどを接続し得る。
【0041】
カメラユニット201は第3カメラセットをさらに含み得、第3カメラセットのカメラの焦点距離は第2カメラセットのカメラの焦点距離よりも小さく、第3カメラセットは第4カメラサブセット及び第5カメラサブセットを含む。第4カメラサブセットのカメラは車両の前方を向くように位置決めされ、第4カメラサブセットのカメラは車両100の前方に視野を有するように構成され得る。第5カメラサブセットのカメラは車両の側面前方及び/又は側方を向くように位置決めされる。側面前方は左前方及び右前方のうちの少なくとも一方を含み得、側方は左側方向及び右側方向のうちの少なくとも一方を含み得、第5カメラサブセットのカメラは車両100の側面前方及び/又は側方に視野を有するように構成され得る。
【0042】
いくつかの実施例では、第4カメラサブセットは少なくとも1つのカメラを含み、該少なくとも1つのカメラは車両の前面に装着され、高さは第1カメラセット及び前記第2カメラセットのカメラの高さよりも低く、第5カメラサブセットのカメラは車両の側面の天井部に近い位置に装着される。
【0043】
図3及び4の例では、第4カメラサブセットは車両の前面の下寄りの位置に配置され、例えば、カメラC31を含み、カメラC31は車両の前方を向き、焦点距離が2mm~8mmの広角カメラであり得る。しかし、カメラC31の焦点距離は第2カメラセットのカメラC1、C2、C5、C6、C7の焦点距離よりも小さい。第5カメラサブセットはブラケット102及びブラケット103に配置され、車両の左側方向を向くカメラC32、及び車両の右側方向を向くカメラC33を含む。カメラC32及びC33は、焦点距離が2mm~8mmの広角カメラであり得る。しかし、カメラC32及びC33の焦点距離は第2カメラセットのカメラC1、C2、C5、C6、C7の焦点距離よりも小さい。
【0044】
いくつかの実施例では、第1カメラセットは第6カメラサブセットをさらに含み、第6カメラサブセットのカメラは車両の後方を向くように位置決めされ、第6カメラサブセットのカメラは車両100の後方に視野を有するように構成され得る。いくつかの実施例では、第2カメラセットは第7カメラサブセットをさらに含み、第7カメラサブセットのカメラは車両の後方を向くように位置決めされ、第7カメラサブセットのカメラは、車両100の後方に視野を有するように構成され得る。いくつかの実施例では、第3カメラセットは第8カメラサブセットをさらに含み、第8カメラサブセットのカメラは車両の後方を向くように位置決めされ、第8カメラサブセットのカメラは、車両100の後方に視野を有するように構成され得る。
【0045】
第6カメラサブセット、及び第7カメラサブセットのカメラはルーフルーフラック又はブラケットにアタッチ又は固定され得る。第6カメラサブセット、及び第7カメラサブセットのカメラは車両の天井部のエッジに沿って配置され得る。
【0046】
いくつかの実施例では、それぞれブラケット102及びブラケット103に2つのカメラが第6カメラサブセットのカメラとして設けられ得、第6カメラサブセットのカメラは、例えば、焦点距離が10mm~30mmであり、且つ車両の後方を向くようにしてもよい。
【0047】
図3及び4の例では、第7カメラサブセットは、ルーフの両側のブラケット102及び103に配置され得、車両の後方を向くカメラC8及びC9を含み、カメラC8及びC9の焦点距離は2mm~8mmであり得る。
【0048】
いくつかの実施例では、第8カメラサブセットは、焦点距離が2mm~8mmの広角カメラであり得、車両の後部の中間位置に配置され得る。
【0049】
いくつかの実施例では、以上説明された第1、第2及び/又は第3カメラセットのカメラは、車両に夜間や薄暗い環境の情報感知能力を提供する赤外線カメラである。
【0050】
いくつかの実現では、第1カメラセットのカメラは少なくとも1つの赤外線カメラ及び少なくとも1つのカラーカメラを含む。いくつかの実現では、第2カメラセットのカメラは少なくとも1つの赤外線カメラ及び少なくとも1つのカラーカメラを含む。いくつかの実現では、第3カメラセットのカメラは少なくとも1つの赤外線カメラ及び少なくとも1つのカラーカメラを含む。
【0051】
いくつかの実現では、以上説明された第1、第2及び/又は第3カメラセットのカメラは、昼間や照明が十分な条件での感知に用いられるカラーカメラである。また、第1、第2及び/又は第3カメラセットは少なくとも1つの赤外線カメラをさらに含み、車両に夜間や薄暗い環境の情報感知能力を提供する。第1、第2及び/又は第3カメラセットの赤外線カメラは、車両の前方、左前方、右前方、左側、右側又は後方を向くように設けられる1つ又は複数の赤外線カメラを含む。例えば、第1カメラセットの第1カメラサブセットは車両の前方を向く赤外線カメラをさらに含み得る。第2カメラサブセットは車両の前方を向く赤外線カメラをさらに含み得、前記第3カメラサブセットは車両の側面前方及び/又は側方を向く赤外線カメラをさらに含み得、第7カメラサブセットは車両の後方を向く赤外線カメラをさらに含み得る。
【0052】
例えば、
図3に示すように、夜間や薄暗い条件での感知を提供するために、第1カメラセットの第1カメラサブセットはルーフのブラケット101に配置される赤外線カメラC24をさらに含み得る。カメラC24は焦点距離が10mm~30mmであり(カメラC24の焦点距離はカメラC4及びカメラC10の焦点距離と同じであり得る)、車両の前方を向くものであり得る。カメラC24は、例えば、ブラケット101の中間位置に装着され得る。
【0053】
図3に示すように、第2カメラセットの第2カメラサブセットは、ブラケット101に配置され、車両の前方を向く赤外線カメラC21及び赤外線カメラC23をさらに含み得る。カメラC21の焦点距離は2mm~8mm、カメラC23の焦点距離は6mm~15mmであり得る。つまり、赤外線カメラC21の焦点距離は赤外線カメラC23の焦点距離よりも小さい。第2カメラセットの第3カメラサブセットは、ルーフのブラケット101に配置され、車両の左側方向を向く赤外線カメラC26、及び車両の右側方向を向く赤外線カメラC27をさらに含み得る。第2カメラセットの第7カメラサブセットは車両の後方を向く赤外線カメラC28及び赤外線カメラC29をさらに含み得る。カメラC26、C27、C28、C29の焦点距離は2mm~8mmであり得る。
【0054】
いくつかの実施例では、第2カメラサブセットは、焦点距離が異なる少なくとも2つのカメラを含む。例えば、第1カメラC1及び第2カメラC3を含み、第1カメラの焦点距離は第2カメラの焦点距離よりも小さい。第1カメラは車両の前方10メートル~100メートルの範囲内の環境情報を感知することに用いられ、第2カメラは車両の前方の100メートル~200メートルの範囲内の環境情報を感知することに用いられ、これら2つのカメラを組み合わせて使用することで、第2カメラサブセットの前方の感知範囲は車両の前方10メートル~200メートルの範囲を含む。
【0055】
カメラの異なる焦点距離は異なる距離範囲内の環境情報を検出することに用いられる。異なる焦点距離のカメラは異なる距離範囲内の環境情報を提供する。いくつかの実現では、2mm~8mmの焦点距離範囲内のカメラは5m~100mの距離範囲内の環境情報を提供し得る(即ち、2mm~8mmの焦点距離範囲内のカメラは5m~100mの範囲内の感知距離を有し得る)。いくつかの実現では、6mm~15mmの焦点距離範囲内のカメラは10m~200mの距離範囲内の環境情報を提供し得る(即ち、6mm~15mmの焦点距離範囲内のカメラは10m~200mの範囲内の感知距離を有し得る)。いくつかの実現では、10mm~30mmの焦点距離範囲内のカメラは50m~1000mの距離範囲内の環境情報を提供し得る(即ち、10mm~30mmの焦点距離範囲内のカメラは50m~1000mの範囲内の感知距離を有し得る)。
【0056】
以上説明された第1、第2及び/又は第3カメラセットのカメラを使用することで、ほとんどの状況で車両100の環境感知を実現することができる。冗長性のために、又は補足として(いくつかの複雑な状況で環境感知を実現するために)、カメラに加えて、車両100はレーザーレーダー、ミリ波レーダー及び/又は超音波レーダーなどのセンサをさらに含み得る。
【0057】
例えば、車両100はレーザーレーダーユニット202をさらに含み得、レーザーレーダーユニット202は、物体、道路状況、交通標識、交通信号、天気状況、及び車両の軌跡に関するほかの情報を検出するように構成され得る少なくとも1つのレーザーレーダーを含む。レーザーレーダーは、釘、ネジ、テープ、接着剤、溶接、はんだ付け、ボルト又は類似の材料を使用して車両に連結又は固定され得る。いくつかの実施例では、レーザーレーダーは、車両の天井部又は底部に沿ってルーフラック又はブラケットに連結又は固定され得る。レーザーレーダーは、車両の天井部、側面、前面又は後部に連結又は固定され得る。レーザーレーダーは、車両のフロントグリル、フェンダー又は反射鏡にアタッチ又は固定され得る。レーザーレーダーは、車両の任意の外部部分に連結又は固定され得る。
【0058】
レーザーレーダーユニット202は第1組のレーザーレーダーを含み得、第1組のレーザーレーダーは、車両の天井部に装着され車両の前方を向く少なくとも1つのレーザーレーダーと、車両の側面の天井部に近い位置に装着され車両の後方を向く少なくとも1つのレーザーレーダーを含む。いくつかの実現では、第1組のレーザーレーダーの最大感知距離は500m以上である。
【0059】
例えば、
図3及び
図4の例では、第1組のレーザーレーダーのうち車両の前方を向くレーザーレーダーL3及びレーザーレーダーL4、及び車両の後方を向くレーザーレーダーL5及びレーザーレーダーL6が示されている。レーザーレーダーL3及びレーザーレーダーL4はブラケット101に装着され得、レーザーレーダーL5及びレーザーレーダーL6はブラケット102及び103に装着され得る。
【0060】
レーザーレーダーユニット202は第2組のレーザーレーダーをさらに含み得、第2組のレーザーレーダーはそれぞれ車両の前面の両側に装着される少なくとも2つのレーザーレーダーを含む。いくつかの実現では、前記少なくとも2つのレーザーレーダーは360度回転式レーザーレーダーであり、それぞれ車両の前面と車両の左右両側との2つの境界部に設けられる。
【0061】
例えば、
図3及び
図4の例では、第2組のレーザーレーダーのうちそれぞれ車両の前面と車両の左右2つの側面との2つの境界部に設けられる360度回転式レーザーレーダーL1及び360度回転式レーザーレーダーL2が示されており、L1は車両の左側及び前側の270度範囲の感知をカバーでき、L2は車両の右側及び前側の270度範囲の感知を実現できる。これら2つのレーザーレーダーを組み合わせて使用することで、車両の直線時の周囲200m範囲内の感知を実現することができる。
【0062】
いくつかの実現では、360度回転式レーザーレーダーは複数の非回転式レーザーレーダーを接合して得られ得る。いくつかの実現では、360度回転式レーザーレーダーは3つ~4つの非回転式レーザーレーダーを接合して得られ得る。
【0063】
レーザーレーダーユニット202は、それぞれ車両の後部の両側に装着される少なくとも2つのレーザーレーダー、車両の前面の中間位置に装着される少なくとも1つのレーザーレーダー及び/又は車両の後部の中間位置に装着される少なくとも1つのレーザーレーダーを含む第3組のレーザーレーダーをさらに含み得る。
【0064】
例えば、
図3及び
図4の例では、第3組のレーザーレーダーのうち車両の後方を向く2つのレーザーレーダーL7及びL8、及び車両の前面の中間位置に装着され車両の前方を向くレーザーレーダーL9が示されている。
図3及び4に示すように、レーザーレーダーL7及びL8はそれぞれ車両の両側の天井部に近いブラケット102及びブラケット103に装着され、当業者が理解できるように、レーザーレーダーL7及びL8は、例えば、車両の後部の両側などの車両のほかの位置に装着され得、例えば、ミリ波レーダーR8及びミリ波レーダーR9の傍らに装着される。
【0065】
いくつかの実施例では、第1組のレーザーレーダーの最大感知距離は第2組のレーザーレーダーの最大感知距離よりも大きく、第2組のレーザーレーダーの最大感知距離は第3組のレーザーレーダーの最大感知距離よりも大きい。
【0066】
いくつかの実現では、第1組のレーザーレーダーのうちのレーザーレーダーの最大感知距離は500m以上であり、第1組のレーザーレーダーのうちのレーザーレーダーの感知範囲は50m~500mの距離範囲を含み、第2組のレーザーレーダーのうちのレーザーレーダーの最大感知距離は150m以上であり、第2組のレーザーレーダーのうちのレーザーレーダーの感知範囲は5m~150mの距離範囲を含み、第3組のレーザーレーダーのうちのレーザーレーダーの最大感知距離は80以上であり、第3組のレーザーレーダーのうちのレーザーレーダーの感知範囲は0m~80mの距離範囲を含む。
【0067】
車両100はミリ波レーダーユニット203をさらに含み得、ミリ波レーダーユニット203は、物体、道路状況、交通標識、交通信号、天気状況、及び車両の軌跡に関するほかの情報を検出するように構成され得る少なくとも1つのミリ波レーダーを含む。ミリ波レーダーは、釘、ネジ、テープ、接着剤、溶接、はんだ付け、ボルト又は類似の材料を使用して車両に連結又は固定され得る。いくつかの実施例では、ミリ波レーダーは車両の天井部又は底部に沿ってルーフラック又はブラケットに連結され得る。ミリ波レーダーは、車両の天井部、側面、前面又は後部に連結又は固定され得る。ミリ波レーダーは、車両のフロントグリル、フェンダー又は反射鏡にアタッチ又は固定され得る。ミリ波レーダーは、車両の任意の外部部分に連結又は固定され得る。
【0068】
ミリ波レーダーユニット203は車両の前面に装着される第1組のミリ波レーダーを含み得る。いくつかの実現形態では、第1組のミリ波レーダーは、車両の前面の中間部にある少なくとも1つのミリ波レーダーを含む。例えば、
図3及び
図4の例では、第1組のミリ波レーダーは車両の前面の中間部にあるミリ波レーダーR1を含む。
【0069】
ミリ波レーダーユニット203は第2組のミリ波レーダーをさらに含み得、第2組のミリ波レーダーは、車両の前面の両側に装着される少なくとも2つのミリ波レーダー、車両の運転室の後面の両側に装着される少なくとも2つのミリ波レーダー、及び車両の後部の中間位置に装着される少なくとも1つのミリ波レーダーを含み、第2組のミリ波レーダーの動作周波数は第1組のミリ波レーダーの動作周波数よりも小さい。例えば、
図3及び
図4の例では、第2組のミリ波レーダーは、それぞれレーザーレーダーL1及びL2の真下に装着される2つのミリ波レーダーR2及びR3と、車両の運転室の後面の左右両側に装着されるミリ波レーダーR4及びミリ波レーダーR5と、車両の後部の中間部に装着されるミリ波レーダーR6と、を含む。
【0070】
ミリ波レーダーユニット203は第3組のミリ波レーダーをさらに含み得、第3組のミリ波レーダーは車両の前面の中間部に装着される少なくとも1つのミリ波レーダーを含み、第3組のミリ波レーダーの動作周波数は第2組のミリ波レーダーの動作周波数よりも小さい。例えば、
図3及び
図4の例では、第3組のミリ波レーダーは車両の前面の中間部に装着されるミリ波レーダーR7を含む。ほかの実施例では、第3組のミリ波レーダーは、車両の後部の両側に装着される少なくとも2つのミリ波レーダー、例えば、車両の後部の両側に装着されるミリ波レーダーR8及びミリ波レーダーR9をさらに含む。
【0071】
動作周波数の異なるミリ波レーダーは異なる距離範囲内の環境情報を感知するように構成され、いくつかの実施例では、第2組のミリ波レーダーのうちのミリ波レーダーは第1組のミリ波レーダーのうちのミリ波レーダーと組み合わせて使用され、第3組のミリ波レーダーのうちのミリ波レーダーの感知距離は第1及び第2組のミリ波レーダーの感知距離よりも小さい。いくつかの実現では、第1組のミリ波レーダーのうちのミリ波レーダーと第2組のミリ波レーダーのうちのミリ波レーダーは組み合わせて使用されると、感知距離は30m~100mの距離範囲内にあり、第3組のミリ波レーダーのうちのミリ波レーダーの感知距離は0m~80mの距離範囲内にある。
【0072】
車両100は超音波レーダーユニット204をさらに含み得、超音波レーダーユニット204は、物体、道路状況、交通標識、交通信号、天気状況、及び車両の軌跡に関するほかの情報を検出するように構成され得る少なくとも1つの超音波レーダーを含む。超音波レーダーは、釘、ネジ、テープ、接着剤、溶接、はんだ付け、ボルト又は類似の材料を使用して車両に連結又は固定され得る。いくつかの実施例では、超音波レーダーは、車両の天井部又は底部に沿ってルーフラック又はブラケットに連結又は固定され得る。超音波レーダーは車両の天井部、側面、前面又は後部に連結され得る。超音波レーダーは、車両のフロントグリル、フェンダー又は反射鏡にアタッチ又は固定され得る。超音波レーダーは、車両の任意の外部部分に連結又は固定され得る。
【0073】
超音波レーダーユニット204は車両の前面、側面及び後部に位置する複数の超音波レーダーを含み得、車両の前面、側面及び後部に位置する複数の超音波レーダーは車両を取り囲み、車両の周辺の環境情報を円周方向に感知し得る。いくつかの実施例では、超音波レーダーの感知範囲は0m~5mの距離範囲を含む。
【0074】
図3及び
図4では、ブラケット102とブラケット103は車両の両側のルーフに近い位置にあるが、当業者が理解できるように、ブラケット102とブラケット103はほかの位置にあってもよく、例えば、ブラケット102とブラケット103はルーフにあってもよく、一例では、ブラケット102とブラケット103はルーフの、ブラケット101よりも車両の後方に近い位置にある。ルーフにある場合、ブラケット102とブラケット103は合併して同一ブラケットを形成し得る。また、当業者がさらに理解できるように、ブラケット102とブラケット103における一部のセンサはブラケット101に装着され得、ブラケット101における一部のセンサはブラケット102とブラケット103に装着され得る。例えば、センサC32及びC33は、ブラケット102とブラケット103ではなくブラケット101に装着され得る。
【0075】
本願のいくつかの実施例によれば、以上に記載の車両は車両(例えば、トラック)のトラクタであり得、少なくとも一部のセンサはトラックの先頭部分(又は運転室)の外部にあり得る。
【0076】
本願のいくつかの実施例によれば、トラクタの後面にトレーラー、セミトレーラー、コンテナ又はプレートがさらに接続されており、このとき、夾角感知ユニットをさらに含み得、夾角感知ユニットはトラクタと、トレーラー、セミトレーラー、コンテナ又はプレートとの間に設けられる単線レーザーレーダー、多線レーザーレーダー及び機械式エンコーダーのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0077】
いくつかの実現では、第8カメラサブセットのカメラは、トレーラー、セミトレーラー、コンテナ又はプレートの尾部に後方を向いて設けられる少なくとも1つのカメラを含み得る。いくつかの実現では、第3組のレーザーレーダー中のレーザーレーダーは、トレーラー、セミトレーラー、コンテナ又はプレートの尾部に後方を向いて設けられる少なくとも1つのレーザーレーダーを含み得る。いくつかの実現では、第3組のミリ波レーダーのうちのミリ波レーダーはトレーラー、セミトレーラー、コンテナ又はプレートの尾部に後方を向いて設けられる少なくとも1つのミリ波レーダーを含み得る。
【0078】
本願のいくつかの実施例では、車両の様々なタイプのセンサを適切に配置して組み合わせてそれらを相互に連携させることで、より良い感知効果を図る。例えば、カメラによってキャプチャされる画像とレーザーレーダー点群データとを融合することで、感知距離を大幅に拡大するようにしてもよい。また、カメラ、レーザーレーダー、ミリ波レーダー及び/又は超音波レーダーを適切に組み合わせることで、様々な環境に適応でき、適切な冗長性を提供するようにしてもよい。
図5に示すように、様々なタイプのセンサを適切に配置し、センサシステム144のセンサを複数組に分けることで、様々な走行環境で車両100の周囲環境の環境情報を確実に感知するようにしてもよい。例えば、センサシステム144のセンサは少なくとも第1組のセンサ301、第2組のセンサ302及び第3組のセンサ303に分けられ得る。
【0079】
第1組のセンサ301のうちのセンサは、車両からの距離が第1距離よりも小さく且つ第2距離よりも大きい物体を感知する(例えば、50~1000mの範囲内の物体を感知する)ように構成され、第2組のセンサ302のうちのセンサは車両からの距離が第3距離よりも小さく且つ第4距離よりも大きい物体を感知する(例えば、10~200mの範囲内の物体を感知する)ように構成され、第3組のセンサ303のうちのセンサは車両からの距離が第5距離よりも小さい物体を感知する(例えば、30mの範囲内の物体を感知する)ように構成される。第1距離は第3距離よりも大きく、第3距離は第2距離以上であり、第2距離は第4距離よりも大きく、第5距離は第4距離以上であり且つ第2距離及び第3距離よりも小さい。第1組のセンサの水平視野角は第2組のセンサの水平視野角以下であり、第2組のセンサの水平視野角は第3組のセンサの水平視野角以下である。例えば、第1組のセンサの水平視野角は90度以下又は60度以下であり、第2及び第3組のセンサの水平視野角は360度に等しい。
【0080】
いくつかの実施例では、第1組のセンサ301は、車両の天井部に装着される少なくとも1つのカメラ及び/又は少なくとも1つのレーザーレーダーを含む。いくつかの実現形態では、車両の天井部に装着される少なくとも1つのカメラは第1カメラセットのカメラであり得る。いくつかの実現形態では、車両の天井部に装着される少なくとも1つのレーザーレーダーは第1組のレーザーレーダーのうちのレーザーレーダーであり得る。
【0081】
いくつかの実施例では、第2組のセンサ302は1つ又は複数のカメラ、1つ又は複数のレーザーレーダー及び/又は1つ又は複数のミリ波レーダーを含む。カメラはルーフに装着され異なる方向を向き、少なくとも1つのレーザーレーダーは車両の、複数のカメラよりも低く且つ車両の前方に近い位置に装着され、ミリ波レーダーは車両のカメラよりも低い位置に装着され、少なくとも1つのミリ波レーダーはレーザーレーダーよりも低い位置に装着される。いくつかの実現形態では、第2組のセンサに含まれるカメラは第2カメラセットのカメラであり得る。いくつかの実現形態では、第2組のセンサに含まれるレーザーレーダーは第2組のレーザーレーダーのうちのレーザーレーダーであり得る。いくつかの実現形態では、第2組のセンサに含まれるミリ波レーダーは第1組及び第2組のミリ波レーダーのうちのミリ波レーダーであり得る。
【0082】
いくつかの実施例では、第3組のセンサ303は1つ又は複数のカメラ、1つ又は複数のレーザーレーダー、1つ又は複数のミリ波レーダー及び/又は1つ又は複数の超音波レーダーを含む。カメラのうちの少なくとも1つは車両の前面に装着され、少なくとも1つは車両の後部に装着され、少なくとも1つは車両の天井部又は側面に装着され、レーザーレーダーのうちの少なくとも1つは車両の前面に装着され、少なくとも1つは車両の後部に装着され、ミリ波レーダーのうちの少なくとも1つは車両の前面に装着され、少なくとも1つは車両の後部に装着される。
【0083】
いくつかの実現形態では、第3組のセンサに含まれるカメラは第3カメラセットのカメラであり得る。いくつかの実現形態では、第3組のセンサに含まれるレーザーレーダーは第3組のレーザーレーダーのうちのレーザーレーダーであり得る。いくつかの実現形態では、第3組のセンサに含まれるミリ波レーダーは第3組のミリ波レーダーのうちのミリ波レーダーであり得る。いくつかの実現形態では、第3組のセンサは、車両の前面、側面及び後部に位置する複数の超音波レーダーを含み得、車両の前面、側面及び後部に位置する複数の超音波レーダーは、車両を取り囲み、車両の周辺の環境情報を円周方向に感知し得る。いくつかの実施例では、超音波レーダーの感知範囲は0m~5mの距離範囲を含む。
【0084】
いくつかの実施例では、センサシステムは、トラクタと、トレーラー、セミトレーラー、コンテナ又はプレートとの夾角を測定するための夾角感知ユニットをさらに含み得る。
【0085】
例えば、小型乗用車や小型低速輸送などの小型車の場合、体積が小さいため、センサの配置は相対的に容易である。一方、大型車(例えば、トラック)は体積が大きく、トレーラー、セミトレーラー、コンテナ又はプレートなどがある場合、長さが20m程度と高いため、大型車の自動運転の分野では、周囲環境の物体に対する車両の感知能力及び環境適応性は小型車よりも限られている。本開示に係るセンサレイアウトは特に大型車(例えば、トラック)に適用できる。
【0086】
本願の実施例は以上説明された車両のセンサレイアウト方法をさらに提供し、
第1カメラセットであって、前記第1カメラセットは第1カメラサブセットを含み、第1カメラサブセットのカメラは車両の前方を向く第1カメラセットを提供するステップと、
第2カメラセットであって、前記第2カメラセットのカメラの焦点距離は第1カメラセットのカメラの焦点距離よりも小さく、前記第2カメラセットは第2カメラサブセット及び第3カメラサブセットを含み、前記第2カメラサブセットのカメラは車両の前方を向き、前記第3カメラサブセットのカメラは車両の側面前方及び/又は側方を向く第2カメラセットを提供するステップと、
第3カメラセットであって、前記第3カメラセットのカメラの焦点距離は第2カメラセットのカメラの焦点距離よりも小さく、前記第3カメラセットは第4カメラサブセット及び第5カメラサブセットを含み、前記第4カメラサブセットのカメラは車両の前方を向き、前記第5カメラサブセットのカメラは車両の側面前方及び/又は側方を向く第3カメラセットを提供するステップと、を含む。
【0087】
本願の実施例はさらに以上説明された車両のセンサレイアウト方法を提供し、
車両からの距離が第1距離よりも小さく且つ第2距離よりも大きい物体を感知するように構成される第1組のセンサを提供するステップと、
車両からの距離が第3距離よりも小さく且つ第4距離よりも大きい物体を感知するように構成される第2組のセンサを提供するステップと、
車両からの距離が第5距離よりも小さい物体を感知するように構成される第3組のセンサを提供するステップと、を含み、
前記第1距離は前記第3距離よりも大きく、前記第3距離は前記第2距離以上であり、前記第2距離は前記第4距離よりも大きく、前記第5距離は前記第4距離以上であり、且つ前記第2距離よりも小さく、
第1組のセンサの水平視野角は第2組のセンサの水平視野角以下であり、第2組のセンサの水平視野角は第3組のセンサの水平視野角以下である。
【0088】
図6はコンピューティング機器400の例示的な形態とされる機械を示し、該コンピューティング機器内で命令セットが実行され、及び/又は処理ロジックが開始されると、該機械に本明細書に説明及び/又は主張された方法のいずれか1種又は複数種を実行させ、コンピューティング機器400は車両100に集積され得、コンピューティング機器400はコンピューティングシステム150のコンピューティング機器であり得る。代替の実施形態では、機械は独立した機器として操作されるか、又はほかの機械に接続(例えば、ネットワーク化)され得る。ネットワーク化構成では、機械はサーバ-クライアントネットワーク環境ではサーバ又はクライアント機械として操作されるか、又はピアツーピア(又は分散式)ネットワーク環境ではピアマシンとして操作され得る。機械はパーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピューティングシステム、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、スマートフォン、ネットワークアプリケーション、セットトップボックス(STB)、ネットワークルーター、スイッチ、ブリッジ、又は該機械が行う動作を指定する命令セットを(順次又はほかの形態で)実行する又は処理ロジックを開始することができる任意の機械であり得る。さらに、1つの機械のみが図示されているが、用語「機械」は、本明細書で説明及び/又は主張された方法のうちのいずれか1種又は複数種を実行するための命令セット(又は複数の命令セット)単独で又は組み合わせて実行する機械の任意のセットであると理解され得る。
【0089】
例示的なコンピューティング機器400はバス406又はほかのデータ伝送システムを介して相互通信するデータプロセッサ402(例えば、システムチップ(SoC)、汎用処理コア、グラフィックコア及び選択可能なほかの処理ロジック)及びメモリ404(例えば、内部メモリ)を含み得る。コンピューティング機器400は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ、オーディオジャック、音声インターフェース及び選択可能なネットワークインターフェース412などの様々な入力/出力(I/O)機器及び/又はインターフェース410をさらに含み得る。例示的な実施例では、ネットワークインターフェース412は1つ又は複数の無線トランシーバーを含み得、いずれか1つ又は複数の標準的な無線及び/又はセルラープロトコル又はアクセス技術(例えば、セルラーシステムの第2世代(2G)、2.5世代、第3世代(3G)、第4世代(4G)及び次世代の無線アクセス、モバイル通信用グローバルシステム(GSM)、一般パケット無線サービス(GPRS)、拡張型データGSM環境(EDGE)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))、LTE、CDMA2000、WLAN、無線ルーター(WR)メッシュなど)とともに使用されるように構成される。ネットワークインターフェース412はさらに様々なほかの有線及び/又は無線通信プロトコル(TCP/IP、UDP、SIP、SMS、RTP、WAP、CDMA、TDMA、UMTS、UWB、WiFi、WiMax、Bluetooth(登録商標)、IEEE402.11xなどを含む)とともに使用されるように構成され得る。実質的には、ネットワークインターフェース412は実際に任意の有線及び/又は無線通信及びデータ処理機構を含むか又はサポートし得、該機構によって、情報/データはネットワーク414を介してコンピューティング機器400ともう1つのコンピューティング又は通信システムとの間で伝送され得る。
【0090】
メモリ404は、機械可読媒体(又はコンピュータ可読記憶媒体)を示し得、機械可読媒体(又はコンピュータ可読記憶媒体)には、本明細書で説明及び/又は主張された方法又は機能のうちのいずれか1つ又は複数を実施する1つ又は複数の命令セット、ソフトウェア、ファームウェア又はほかの処理ロジック(例えば、ロジック408)が記憶されている。コンピューティング機器400によって実行される期間に、ロジック408又はその一部は完全又は少なくとも部分的にプロセッサ402に常駐され得る。このように、メモリ404及びプロセッサ402は機械可読媒体(又はコンピュータ可読記憶媒体)を構成し得る。ロジック408又はその一部は処理ロジック又はロジックとしてように構成され得、該処理ロジック又はロジックの少なくとも一部は部分的にハードウェアに実現される。ロジック408又はその一部はさらにネットワークインターフェース412を介してネットワーク414によって伝送又は受信され得る。例示的な実施例の機械可読媒体(又はコンピュータ可読記憶媒体)は1種の媒体であり得るが、用語「機械可読媒体」(又はコンピュータ可読記憶媒体)は1つ又は複数の命令セットを記憶する1種の非一時的媒体又は複数種の非一時的媒体(例えば、集中式又は分散式データベース及び/又は関連するキャッシュ及びコンピューティングシステム)を含むと理解されるべきである。用語「機械可読媒体」(又はコンピュータ可読記憶媒体)は、機械によって実行され機械に様々な実施例の方法のいずれか1種又は複数種を実行するように命令セットを記憶、符号化又は携帯することができるか、又はこの命令セットに使用される又はそれに関連付けられたデータ構造を記憶、符号化又は携帯することができる任意の非一時的媒体を含むと理解され得る。従って、用語「機械可読媒体」(又はコンピュータ可読記憶媒体)はソリッドステートメモリ、光学媒体及び磁気媒体を含むが、これらに限定されないと理解され得る。
【0091】
開示されている実施例及びほかの実施例、モジュール及び本文書で説明された機能操作はデジタル電子回路システム、又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア又はハードウェア(本文書で開示されている構造及びその構造の同等物を含む)又はそれらの1つ又は複数の組合せによって実現され得る。開示されている実施例及びほかの実施例は1つ又は複数のコンピュータプログラム製品として実現され得、つまり、コンピュータ可読媒体に符号化され、データ処理装置によって実行されるか又は該データ処理装置の操作を制御するコンピュータプログラム命令の1つ又は複数のモジュールである。コンピュータ可読媒体は機械可読記憶機器、機械可読記憶基板、メモリ機器、機械可読伝搬信号に影響を与える物質合成物又はそれらの1つ又は複数の組合せであり得る。用語「データ処理装置」はデータを処理するすべての装置、機器及び機械をカバーし、例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ又は複数のプロセッサ又はコンピュータを含む。ハードウェアに加えて、該装置は、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム又はそれらのうちの1つ又は複数の組合せを構成するコードなど検討中のコンピュータプログラムの実行環境を作成するコードをさらに含み得る。伝搬信号は人工的に生成される信号であり、例えば、機械で生成される電気信号、光信号又は電磁信号が挙げられ、該信号は適切な受信機装置に伝送される情報を符号化するように生成される。
【0092】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト又はコードとも呼ばれる)は任意の形態のプログラミング言語(コンパイル言語又は解読言語を含む)で書き込まれ得、且つ該コンピュータプログラムは任意の形態で配置され得、独立したプログラム又はモジュール、部材、サブルーチン又はコンピューティング環境に適用できるもう1つのユニットとして配置されることを含む。コンピュータプログラムは必ずしもファイルシステムのファイルに対応しない。プログラムはほかのプログラム又はデータ(例えば、マークアップ言語ドキュメントにおける1つ又は複数のスクリプトに記憶される)を保持するファイルの一部に記憶されるか、又は検討中のプログラム専用の個別ファイルに記憶されるか、又は複数の連携ファイル(例えば、1つ又は複数のモジュール、サブプログラム又は部分コードを記憶するファイル)に記憶され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータで実行されるか、又は1つのステーションに位置決めされるか、又は複数のステーションに分散し且つ通信ネットワークを介して相互接続される複数のコンピュータで実行され得る。
【0093】
本文書で説明されたプロセス及びロジックフローは、1つ又は複数のコンピュータプログラムを実行する1つ又は複数のプログラマブルプロセッサによって実行され、入力データに対して操作を行って出力を生成することで機能を実行するようにしてもよい。プロセス及びロジックフローはさらに特定用途向けロジック回路システム(例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路))によって実行され得、装置はさらに特定用途向けロジック回路(例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路))として実現され得る。
【0094】
コンピュータプログラムの実行に適するプロセッサは、例えば、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方、並びに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ又は複数のプロセッサを含む。通常、プロセッサは読み取り専用メモリ又はランダムアクセスメモリ又は両方からの命令及びデータを受信する。コンピュータの必要な素子は、命令を実行するためのプロセッサ、及び命令やデータを記憶する1つ又は複数のメモリ機器である。通常、コンピュータはデータを記憶する1つ又は複数の大量記憶機器(例えば、磁気ディスク、磁気光ディスク又は光ディスク)をさらに含むか、又はコンピュータは操作可能に連結されて該1つ又は複数の大量記憶機器からのデータを受信すること又はデータを該1つ又は複数の大量記憶機器に伝送すること又は両方を行い得る。しかしながら、コンピュータはこの機器を有する必要がない。コンピュータプログラム命令及びデータの記憶に適するコンピュータ可読媒体はすべての形態の不揮発性メモリ、媒体及びメモリ機器を含み、例えば、例えば、EPROM、EEPROM及びフラッシュメモリ機器などの半導体メモリ機器、例えば、内部ハードディスク又はリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、磁気光ディスク、及びCD-ROMディスクやDVD-ROMディスクを含む。プロセッサとメモリは特定用途向けロジック回路システムによって補足されるか、又は該特定用途向けロジック回路システムに組み込まれ得る。
【0095】
この特許文書には多くの詳細が含まれているが、これらの詳細は任意の発明の又は主張される可能性がある内容の範囲を限定するものではなく、特定の発明の特定の実施例の特徴についての説明であると理解されるべきである。この特許文書では、単独な実施例の文脈で説明されたいくつかの特徴は1つの実施例に組み合わせて実現され得る。逆に、1つの実施例の文脈で説明された様々な特徴は複数の実施例において単独で又は任意の適切なサブ組合せで実現され得る。また、以上、特徴をいくつかの組合せで機能することを説明し且つ最初にこれらの特徴を同様に主張したとしても、場合によっては組合せから主張される組合せからの1つ又は複数の特徴を削除し得、且つ主張された組合せはサブ組合せ又はサブ組合せに対して変化し得る。
【0096】
同様に、図面において特定の順序で操作が示されているが、示される特定の順序又は順次の順序でこの操作を実行する必要があるか、又は所望の結果を実現するには図示されているすべての操作を実行する必要があると理解されるべきではない。また、この特許文書で説明された実施例における様々なシステム部材の分離はいずれの実施例においてもこの分離が必要であると理解されるべきではない。
【0097】
いくつかの実現及び例を説明したが、ほかの実現、拡張や変化はこの特許文書で説明及び図示されている内容に基づいて行われ得る。
【0098】
本明細書で説明された実施例の説明は、様々な実施例の構造の一般的な理解を提供することを意図しており、本明細書で説明された構造を利用し得る部材及びシステムのすべての素子及び特徴の完全な説明ではない。当業者であれば、本明細書で提供された説明を検討することによって、多くのほかの実施例は明らかになる。ほかの実施例を利用及び想到することができ、本開示の範囲から逸脱せずに構造及びロジックの置換や変更を行うことができる。本明細書の図は代表的なものであり、縮尺に応じて描かれていない可能性がある。場合によっては、縮尺は増大する可能性もあれば、最小化される可能性もある。従って、明細書及び図面は制限的ではなく説明的なものである。
【0099】
いくつかの実施例は、2つ以上の特定の相互接続されるハードウェアモジュール又は機器において機能を実現し、関連する制御及びデータ信号はモジュール間にあり且つモジュールによって伝送されるか、又は特定用途向け集積回路の部分とする。従って、例示的なシステムはソフトウェア、ファームウェア及びハードウェアの実現に適用される。
【0100】
読者が本技術開示の性質を迅速に決定できるように、本開示の要約書は提供されている。理解できるように、本開示の要約書は特許請求の範囲又は意味を解読又は制限するためのものではない。また、上記具体的な実施形態では、本開示の目的を簡素化するために様々な特徴が1つの実施例にグループ化されることがわかる。本開示の方法は、主張された実施例が各請求項に明確に記載されるものよりも多い特徴を主張する意図を反映するものではないと解読されるべきである。逆には、以下の請求項に反映されるように、本発明の趣旨は1つの開示された実施例のすべての特徴よりも少ない。従って、以下の請求項は発明を実施するための形態に組み込まれており、各請求項自体は単独な実施例とされる。
【0101】
以上、本開示の実現を説明したが、本開示の基本的な範囲から逸脱せずに本開示のほかの実現及びさらなる実現を設定することができ、本開示の範囲は添付特許請求の範囲によって定められる。
【外国語明細書】