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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183172
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】圧縮空気乾燥システム
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/26 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
B01D53/26 230
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150294
(22)【出願日】2022-09-21
(62)【分割の表示】P 2021028934の分割
【原出願日】2013-05-08
(31)【優先権主張番号】P 2012148646
(32)【優先日】2012-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】510063502
【氏名又は名称】ナブテスコオートモーティブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106781
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 稔也
(72)【発明者】
【氏名】杉尾 卓也
(72)【発明者】
【氏名】湊 一郎
(57)【要約】
【課題】通過空気に油分が取り込まれることを抑制できるオイルセパレータを提供する。
【解決手段】オイルセパレータ3は、ケース31内に導入した油分を含む空気をウレタンフォーム50に衝突させることで油分を分離して回収する。オイルセパレータ3は、空気を導入する導入口35と、空気を排出する排出口とを筐体の上部に設けられ、ケース31内に導入された空気を膨張させる第1膨張室45、第2膨張室51と、第2膨張室51と鉛直方向において連通して、ウレタンフォーム50を収容して、進入した空気を側方へ排出する収容部材48と、ケース31内と排出口とを連通する連通部32aと、収容部材48の下方に設けられたドレン溜め部54と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
除湿時にコンプレッサから送られる圧縮空気中の水分を乾燥剤にて捕捉し、前記乾燥剤の再生時に水分と油分とを含むパージエアを排出するエアドライヤと、
前記エアドライヤから排出されて筐体内に導入した前記パージエアを衝突材に衝突させることで油分を分離して回収するオイルセパレータと、を備える圧縮空気乾燥システムであって、
前記エアドライヤは、前記パージエアを排出するパージエア排出口を備え、
前記オイルセパレータは、前記パージエアを導入する導入口と、前記筐体の上部に設けられ、前記パージエアから油分を分離した清浄エアを排出する清浄エア排出口とを備え、
前記導入口は、前記パージエア排出口よりも鉛直方向において上方に位置している
圧縮空気乾燥システム。
【請求項2】
前記パージエア排出口は、前記エアドライヤの筐体の下部に設けられ、
前記導入口は、前記オイルセパレータの筐体の上部に設けられる
請求項1に記載の圧縮空気乾燥システム。
【請求項3】
前記導入口と前記パージエア排出口とは、接続ホースを介して接続されている
請求項1又は2に記載の圧縮空気乾燥システム。
【請求項4】
前記導入口と前記清浄エア排出口とが同一方向に開口している
請求項1~3のいずれか一項に記載の圧縮空気乾燥システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮空気乾燥システムに関する。
【背景技術】
【0002】
トラック、バス、建機等の車両は、エンジンと直結したコンプレッサから送られる圧縮空気を利用してブレーキやサスペンション等のシステムを制御している。この圧縮空気には、大気中に含まれる水分やコンプレッサ内を潤滑する油分が含まれている。この水分や油分を含む圧縮空気が各システム内に侵入すると、錆やゴム部材(Oリング等)の膨潤を招き作動不良の原因となる。このため、エア系統のコンプレッサの下流には、圧縮空気中の水分や油分を除去するためのエアドライヤが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
エアドライヤ内には、フィルタ、シリカゲルやゼオライト等の乾燥剤が設けられている。そして、エアドライヤは、水分を除去する除湿作用と、乾燥剤に吸着させた水分を取り除き外部に放出する再生作用とを行う。
【0004】
ところで、乾燥剤の再生時にエアドライヤから放出される空気には水分とともに油分も含まれるため、環境負荷を考慮してエア系統のコンプレッサの下流にオイルセパレータを設けることを考えている。
【0005】
オイルセパレータは、水分や油分を含んだ空気が衝突する衝突材を筐体内に設けたものがある(例えば、特許文献2参照)。このようなオイルセパレータは、空気を衝突材に衝突させて気液分離を行うことで油分を回収し、清浄エアを排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10-296038号公報
【特許文献2】特開2008-2377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記のオイルセパレータはシリンダヘッド用であるため、オイルセパレータの底部から分離した油分をシリンダヘッドに戻している。しかしながら、発明者らは、エア系統のコンプレッサの下流且つエアドライヤの下流にオイルセパレータを設けることを考えているので、エアドライヤとオイルセパレータとを接続することとなる。そこで、エアドライヤとオイルセパレータとを備える圧縮空気乾燥システムの鉛直方向の長さを抑制することが求められている。
【0008】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、鉛直方向の高さが抑制された圧縮空気乾燥システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する圧縮空気乾燥システムは、除湿時にコンプレッサから送られる圧縮空気中の水分を乾燥剤にて捕捉し、前記乾燥剤の再生時に水分と油分とを含むパージエアを排出するエアドライヤと、前記エアドライヤから排出されて筐体内に導入した前記パージエアを衝突材に衝突させることで油分を分離して回収するオイルセパレータと、を備える圧縮空気乾燥システムであって、前記エアドライヤは、前記パージエアを排出するパージエア排出口を備え、前記オイルセパレータは、前記パージエアを導入する導入口を備え、前記導入口は、前記パージエア排出口よりも鉛直方向において上方に位置している。
【0010】
上記構成によれば、導入口がパージエア排出口よりも鉛直方向において上方に位置することで、導入口が設けられるエアドライヤの位置が高くなる。よって、エアドライヤとオイルセパレータとを含む鉛直方向の高さを抑制することができる。
【0011】
上記圧縮空気乾燥システムについて、前記パージエア排出口は、前記エアドライヤの筐体の下部に設けられ、前記導入口は、前記オイルセパレータの筐体の上部に設けられることが好ましい。
【0012】
上記構成によれば、エアドライヤとオイルセパレータとを含む鉛直方向の高さを更に抑制することができる。
【0013】
上記圧縮空気乾燥システムについて、前記導入口と前記パージエア排出口とは、接続ホースを介して接続されていることが好ましい。
【0014】
上記構成によれば、ホースによって接続されているため、エアドライヤとオイルセパレータとの位置に応じて変形することができる。
【0015】
上記圧縮空気乾燥システムについて、油分を分離した清浄エアを排出する清浄エア排出口は、前記オイルセパレータの筐体の上部に設けられ、前記導入口と前記清浄エア排出口とが同一方向に開口していることが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、導入口と清浄エア排出口とが並んで設けられているため、異なる方向に開口しているときよりも圧縮空気乾燥システムの大きさを抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、圧縮空気乾燥システムの鉛直方向の高さを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1の実施形態のエア系統におけるオイルセパレータの設置位置を示すブロック図。
図2】オイルセパレータとエアドライヤとの接続状態を示す図。
図3】オイルセパレータの取付状態を示す図。
図4】オイルセパレータの導入口及び排出口の位置を示す上面図。
図5】オイルセパレータの蓋の内部を示す下面斜視図。
図6】オイルセパレータの内部構造を示す6-6断面図。
図7】第2の実施形態のオイルセパレータの取付状態を示す斜視図。
図8】オイルセパレータの取付状態を示す図。
図9】エアドライヤの排出口に対する接続ホースの接続状態を示す斜視図。
図10】エアドライヤの排出口に対する接続ホースの接続構造を示す分解斜視図。
図11】第3の実施形態のオイルセパレータの構造を示す図。
図12】オイルセパレータの排出口に取り付けられる排気音低減部材の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施形態)
以下、本発明のオイルセパレータをエアドライヤの排気系統に具体化した第1の実施形態について図1図5を参照して説明する。
【0020】
図1に示されるように、トラック、バス、建機等の車両は、コンプレッサ1から送られる圧縮空気を利用してブレーキやサスペンション等のシステムを制御している。このため、エア系統のコンプレッサ1の下流には、圧縮空気中の油水分を除去し、乾燥空気を提供するためのエアドライヤ2が設けられている。エアドライヤ2内には、乾燥剤が設けられている。そして、エアドライヤ2は、油水分を除去する除湿作用と、乾燥剤に吸着させた油水分を取り除き外部に放出する再生作用とを行う。
【0021】
そこで、本実施例では、乾燥剤の再生時にエアドライヤ2から放出される空気(パージエア)には水分とともに油分も含まれるため、環境負荷を考慮してエア系統のコンプレッサ1の下流にオイルセパレータ3を設ける。特に、オイルセパレータ3は、エアドライヤ2の排気系統に設けられ、エアドライヤ2を再生する際に排出されるパージエアから油水分を分離して回収する。
【0022】
オイルセパレータ3は、油水分を含んだ空気が衝突する複数の衝突材を筐体内に設けた衝突方式である。この衝突方式のオイルセパレータ3は、油水分を含んだ空気を衝突材に衝突させて気液分離を行うことで油分を回収し、清浄エアを排出する。分離された油水分を以下ではドレンと記載する。
【0023】
図2に示されるように、エアドライヤ2は、鉛直上方が閉じた有底円筒状のケース21と、当該ケース21の開口部を閉蓋するとともにケース21を支持する支持部材22とを備えている。支持部材22の下部には、乾燥剤の再生時にパージエアを排出するパージエア排出口23が形成されている。パージエア排出口23には、接続ホース25が接続されるパージエア排出カバー24が取り付けられている。接続ホース25は、オイルセパレータ3に接続されている。接続ホース25は、クリップ26によって車両のシャーシ等に固定される。なお、エアドライヤ2の支持部材22には、コンプレッサ1で圧縮された圧縮空気を導入する導入口(図示略)が設けられるとともに、乾燥圧縮空気を排出する排出口(図示略)が設けられている。
【0024】
オイルセパレータ3は、鉛直方向に延出した有底円筒状の筐体としてのケース31と、当該ケースの開口部を閉蓋する蓋32とを備えている。ケース31の底部31aには、溜まったドレンを排出するためのドレン排出口33が設けられている。ドレン排出口33には、ドレンを取り出す際に使用するドレンホース34が接続されている。蓋32には、接続ホース25を介してエアドライヤ2からパージエアを導入する導入口35と、油分を分離した清浄エアを排出する排出口40とが別々に形成されている。導入口35と接続ホース25とは、連結部材27によって接続されている。
【0025】
オイルセパレータ3の導入口35は、パージエア排出カバー24の接続口よりも鉛直方向において上方に位置している。このため、エアドライヤ2とオイルセパレータ3とを含む鉛直方向の高さを抑制することができる。
【0026】
オイルセパレータ3の排出口40には、水平方向から鉛直上方へ曲がったエルボ部材41が接続されている。エルボ部材41の先端には、液垂防止部材42が取り付けられるとともに、ごみ等の侵入を防ぐカバー43が取り付けられている。
【0027】
図3に示されるように、オイルセパレータ3の蓋32には、取付部材37が一体に蓋32に対して立設されている。取付部材37は、ボルト39によってシャーシ38に固定されている。
【0028】
また、ドレンホース34の先端は、車両のシャーシ等に固定された支持板44に引っ掛けられている。ドレンホース34の先端は、オイルセパレータ3の蓋32よりも上方に位置している。
【0029】
図4に示されるように、蓋32には、導入口35と排出口40とが同一方向に開口している。そして、導入口35には、連結部材27を介して接続ホース25が接続されている。また、排出口40には、エルボ部材41が接続されている。つまり、連結部材27とエルボ部材41とが並んで設けられている。
【0030】
図5に示されるように、蓋32は、鉛直上方が閉じた有底円筒状である。蓋32の導入口35の近傍内壁には、導入口35から導入されたパージエアの進行方向に対して直交するよう2枚の邪魔板46が立設されている。蓋32の内部空間は、導入口35から導入されたパージエアを膨張させる第1膨張室45として機能する。蓋32には、ケース31内から排出口40に連通する連通部32aが形成されている。
【0031】
図6に示されるように、ケース31と蓋32との間には、ケース31を閉蓋するとともに、蓋32を閉蓋する円盤状のカバー47が設けられている。カバー47は、ケース31と一緒に蓋32にボルト36によって締結されている。すなわち、蓋32に設けられたフランジ部32bに形成されたねじ穴にボルト36が締結される。また、ケース31に設けられたフランジ部31bに形成された貫通孔にボルト36の螺子部が貫通される。カバー47には、ボルト36のねじ部が貫通する貫通孔が形成されている。よって、ケース31のフランジ部31bの貫通孔とカバー47のフランジ部47aの貫通孔とにボルト36のねじ部を貫通して、蓋32のフランジ部32bのねじ穴にボルト36を螺着することで、蓋32とカバー47とケース31とが締結されている。カバー47には、ケース31内から排出口40へ連通する連通孔47cが形成されている。
【0032】
また、蓋32とカバー47とによって形成された空間が第1膨張室45として機能する。カバー47には、スポンジ等のウレタンフォーム50を収容する鉛直上方が閉じた有底円筒状の収容部材48がボルト36によって固定されている。なお、ウレタンフォーム50が衝突材として機能する。収容部材48の上端縁部と下端縁部とには、フランジ部48aとフランジ部48bとが形成されている。収容部材48の上端縁部に形成されたフランジ部48aにボルト36が貫通されて、収容部材48がカバー47に締結されている。カバー47と収容部材48の上面とによって形成された空間が第2膨張室51として機能する。カバー47には、第1膨張室45と第2膨張室51とを連通する複数の貫通孔47bが形成されている。収容部材48の上底部49の中央部分には、複数の貫通孔49aが形成されている。カバー47の貫通孔47bと収容部材48の上底部49の貫通孔49aとは対向しない位置に形成されている。収容部材48の側面の下端部側には、複数の貫通孔48cが径方向に間隔をおいて形成されている。
【0033】
収容部材48の下端縁部に形成されたフランジ部48bには、収容したウレタンフォーム50を支持する円盤状の支持蓋52がねじ53によって固定されている。支持蓋52は、ケース31の内径とほぼ同径に形成されている。支持蓋52には、ウレタンフォーム50によって除去された油水分を落下させる複数の貫通孔52aが形成されている。よって、ケース31内の下部がドレン溜め部54として機能する。ドレン溜め部54には、溜まったドレンを加熱して、水分を蒸発させるためのヒータ55が設置されている。ヒータ55は、図示しないサーモスタットによって加熱を制御する。
【0034】
ドレンホース34は、透明であって、ドレン溜め部54の容量に対応した目盛り34aが設けられている。例えば、目盛り34aは、ドレン溜め部54の上面と、ヒータ55の上面と、ドレン溜め部54の下面とに対応して設けられている。そして、ドレンホース34内のドレンの量を見ることで、ドレン溜め部54内のドレンの量を容易に把握することができる。
【0035】
次に、前述のように構成されたオイルセパレータの作用について説明する。
図2に示されるように、エアドライヤ2から排出されたパージエアがオイルセパレータ3に導入される。パージエアには、油水分が含まれた空気である。
【0036】
図5に示されるように、導入口35から導入されたパージエアは、邪魔板46に衝突して邪魔板46に沿ってオイルセパレータ3内に導入され、第1膨張室45内で膨張する。
図6に示されるように、第1膨張室45内で膨張した空気は、カバー47に形成された貫通孔47bから第2膨張室51に進入する。第2膨張室51内で膨張した空気は、収容部材48の上底部49の貫通孔49aから収容部材48内に進入し、ウレタンフォーム50に衝突した油水分が空気から分離される。ウレタンフォーム50によって捕獲された水分と油分とを含むドレンは、ウレタンフォーム50内を伝って支持蓋52の上面に達し、支持蓋52の貫通孔52aからドレン溜め部54に落下して、ドレン溜め部54に溜まる。ドレン溜め部54内に溜まったドレンは、ドレン排出口33からドレンホース34内に進入する。ドレン溜め部54内に溜まったドレンは、ヒータ55によって加熱されてドレン内の水分が蒸発される。また、ドレンホース34内に溜まったドレンの量を確認することで、ドレン溜め部54内に溜まったドレンの量を把握することができ、ドレンの量が上限に近くなったら、ドレン溜め部54からドレンホース34を介して排出する。
【0037】
一方、収容部材48の上底部49の貫通孔49aから収容部材48内に進入して油水分が分離された空気は、収容部材48の側面の貫通孔48cからケース31内に進入する。ケース31内に進入した空気は、カバー47の連通孔47cと蓋32の連通部32aとを通過して排出口40から排出される。よって、ケース31内に進入した空気は、ドレン溜め部54のドレンにほとんど触れることなく、排出口40から排出される。排出口40から排出される空気は、油分を含まない清浄エアとなっている。
【0038】
以上、説明した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)導入口35と排出口40とが筐体の上部に設けられ、導入口35から筐体内に導入された空気が鉛直上方から収容部材48に進入して、収容部材48の側方へ排出して、連通部を介して排出口40から清浄エアが排出される。また、ドレン溜め部54が収容部材48の下方に位置する。このため、収容部材48の側方から排出された空気が収容部材48の下方に位置するドレン溜め部54に溜まったドレンに触れることが抑制される。よって、通過空気に油分が取り込まれることを抑制できる。
【0039】
(2)導入口35の内部側の正面に邪魔板46が設置されているので、導入された空気の速度を減少させて、空気を拡散させることができる。
(3)第1膨張室45と第2膨張室51との複数に分割されているので、膨張を繰り返して、空気に含まれる油水分を凝集し易くなる。
【0040】
(4)ケース31のフランジ部31bと蓋32のフランジ部32bとによって鉛直方向において締結されるので、ケース31と蓋32とを容易に組み付けられるとともに、容易に分離することができる。
【0041】
(5)ドレン溜め部54にヒータ55を備えたので、ドレンを加熱して水分を蒸発させることができる。
(6)ケース31の下部にドレンを排出するドレンホース34が接続されているので、ドレンを容易に排出することができる。
【0042】
(7)ドレンホース34が透明であるので、ドレンホース34内のドレンの量を把握することができる。また、ドレン溜め部54の容量に対応した目盛り34aがドレンホース34に設けられているので、ドレンホース34のドレンの量からドレン溜め部54内のドレンの量を容易に把握することができる。
【0043】
(第2の実施形態)
以下、図7図10を参照して、オイルセパレータの第2の実施形態について説明する。この実施形態のオイルセパレータは、排出口40に排出ホースが接続される点、及び導入口35に接続される接続ホース25とエアドライヤ2のパージエア排出口23とが分離型の接続部材によって接続される点が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、この実施形態のオイルセパレータは、図6に示す第1の実施形態のオイルセパレータとほぼ同様の構成を備えている。
【0044】
図7及び図8に示されるように、オイルセパレータ3は、取付部材37を介してシャーシ38に固定されている。オイルセパレータ3は、シャーシ38に対して車両の外側に位置している。オイルセパレータ3の導入口35には、エアドライヤ2のパージエア排出口23に接続される接続ホース25が接続されている。オイルセパレータ3の排出口40には、排出ホース60がL字型の接続部材61を介して接続されている。排出ホース60は、接続部材61からシャーシ38の下方に延出して設置されている。排出ホース60は、シャーシ38に固定された固定部材62によって固定されている。なお、排出ホース60が排気音低減部材として機能する。
【0045】
図9及び図10に示されるように、接続ホース25とエアドライヤ2のパージエア排出口23とは、ドライヤ接続部材70を介して接続されている。ドライヤ接続部材70は、円筒状の嵌装部材71と、継手部材72と、ニップル73とを備えている。嵌装部材71は、パージエア排出口23に嵌装され、リテーニングリング74によってエアドライヤ2に固定される。エアドライヤ2と嵌装部材71との間には、図示しないOリングによって密閉されている。継手部材72は、嵌装部材71に挿入されて嵌装部材71と接続される。ニップル73は、継手部材72に挿入されて継手部材72に接続される。継手部材72は、L字状に貫通して、嵌装部材71とニップル73とを連通する。接続ホース25は、ニップル73に装着されて、ホースバンド75によって固定される。
【0046】
次に、前述のように構成されたオイルセパレータの作用について説明する。
エアドライヤ2において排出されたパージエアは、パージエア排出口23からドライヤ接続部材70を介して接続ホース25に導入される。このとき、パージエアは、ドライヤ接続部材70の嵌装部材71と継手部材72とニップル73とを通過することで接続ホース25に導入されて、オイルセパレータ3の導入口35に導入される。
【0047】
オイルセパレータ3の排出口40から排出される排気は、排出口40に接続された排出ホース60によって車両の内側に誘導されて排出される。このため、排気の排出口40から排出される排出ホース60の先端が車両の外側から遠ざかり、排気音を低減することができる。
【0048】
以上、説明した実施形態によれば、第1の実施形態の(1)~(7)の効果に加え、以下の効果を奏することができる。
(8)排出口40に取り付けられた排気音低減部材である排出ホース60によって排出口40からの排気音を低減することができる。
【0049】
(第3の実施形態)
以下、図11及び図12を参照して、オイルセパレータの第3の実施形態について説明する。この実施形態のオイルセパレータは、排出口40にサイレンサが接続される点が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、この実施形態のオイルセパレータは、図6に示す第1の実施形態のオイルセパレータとほぼ同様の構成を備えている。
【0050】
図11に示されるように、オイルセパレータ3の排出口40には、円筒状のサイレンサ80がL字型の接続部材61を介して接続されている。サイレンサ80は、接続部材61によって固定されている。なお、サイレンサ80が排気音低減部材として機能する。
【0051】
図12に示されるように、サイレンサ80は、段付き円筒状のケース81に消音部材を収容している。サイレンサ80の内部には、複数の貫通孔83が形成された2枚の支持板82によって消音部材としてのクラッシュドアルミ84が収容されている。下側の支持板82は、リテーニングリング85によって固定されている。
【0052】
次に、前述のように構成されたオイルセパレータの作用について説明する。
オイルセパレータ3の排出口40から排出される排気は、排出口40に接続されたサイレンサ80内を通過することによって消音されて外部に排出される。このため、排気の排出口40から排出される排気音を低減することができる。
【0053】
以上、説明した実施形態によれば、第1の実施形態の(1)~(7)の効果に加え、以下の効果を奏することができる。
(9)排出口40に取り付けられた排気音低減部材であるサイレンサ80によって排出口40からの排気音を低減することができる。
【0054】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態では、ドレンホース34に目盛り34aを設けたが、ドレンホース34から目盛り34aを省略してもよい。
【0055】
・上記実施形態では、ケース31のドレン排出口33にドレンホース34を接続したが、ドレンホース34を省略して、ドレン排出口33に栓を設けて、ドレン排出口33から直接排出してもよい。
【0056】
・上記実施形態では、第1膨張室45と第2膨張室51とをオイルセパレータ3に設けたが、第1膨張室45と第2膨張室51とのいずれか一方のみにしたり、1つの膨張室としたりしてもよい。
【0057】
・上記実施形態では、ウレタンフォーム50の上流や下流、膨張室45,51内に不織布フィルタ等の部材を配置してもよい。このようにすれば、オイル成分の除去率を向上させることができる。さらに、不織布フィルタ等の部材に静電気を帯びさせてもよい。このようにすれば、オイル成分の除去率を更に向上させることができる。
【0058】
・上記実施形態では、衝突材としてウレタンフォーム50を採用したが、クラッシュドアルミ等の他の部材を採用してもよい。
・上記実施形態では、ヒータ55によってドレン溜め部54を加熱したが、ドレン溜め部54に溜められたドレン自体を直接加熱してもよい。この場合、正確な温度制御を行うために、サーモスタットをケース31の内壁に設置するのが望ましい。このようにすれば、ヒータ55からドレンへの熱伝達が高く、ドレンを間接的に加熱するよりも効率良く加熱することができる。
【0059】
・上記構成において、ヒータ55の数量は必要に応じて変更可能である。
【符号の説明】
【0060】
1…コンプレッサ、2…エアドライヤ、3…オイルセパレータ、21…ケース、22…支持部材、23…パージエア排出口、24…パージエア排出カバー、25…接続ホース、26…クリップ、27…連結部材、31…ケース、31a…底部、31b…フランジ部、32…蓋、32a…連通部、32b…フランジ部、33…ドレン排出口、34…ドレンホース、34a…目盛り、35…導入口、36…ボルト、37…取付部材、38…シャーシ、39…ボルト、40…排出口、41…エルボ部材、42…液垂防止部材、43…カバー、44…支持板、45…第1膨張室、46…邪魔板、47…カバー、47a…フランジ部、47b…貫通孔、47c…連通孔、48…収容部材、48a…フランジ部、48b…フランジ部、48c…貫通孔、49…上底部、49a…貫通孔、50…ウレタンフォーム、51…第2膨張室、52…支持蓋、52a…貫通孔、53…ねじ、54…ドレン溜め部、55…ヒータ、60…排出ホース、61…接続部材、62…固定部材、70…ドライヤ接続部材、71…嵌装部材、72…継手部材、73…ニップル、74…リテーニングリング、75…ホースバンド、80…サイレンサ、81…ケース、82…支持板、83…貫通孔、84…クラッシュドアルミ、85…リテーニングリング。
図1
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図12