(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183173
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】喫煙材を加熱するための装置とともに使用するための物品
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20221201BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20221201BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20221201BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/465
A24F40/40
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022151263
(22)【出願日】2022-09-22
(62)【分割の表示】P 2022076567の分割
【原出願日】2016-08-26
(31)【優先権主張番号】14/840,854
(32)【優先日】2015-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ブランディーノ, トーマス ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ウィルケ, アンドリュー ピー.
(57)【要約】
【課題】喫煙材を加熱して前記喫煙材の成分を揮発させるように構成された装置と共に使用するための新規な物品等を提供する。
【解決手段】喫煙材を加熱してその成分を揮発させるための装置と共に使用するための物品(1、2、3)が開示されている。物品(1、2、3)は、喫煙材を受け入れるための空洞(18)と、変動磁場の侵入によって加熱可能となって空洞(18)を加熱する加熱材のコイル(22)とを備える。物品(1)と装置(100)とを備えるシステム(1000)もまた開示されている。装置(100)は、物品(1)と協働するための境界面(111)と、磁場発生器(112)とを有する。磁場発生器(112)は、物品(1)のコイル(22)に侵入させるための変動磁場を発生させるためのコイル(114)を備える。磁場発生器(112)のコイル(114)のインピーダンスは、物品(1)のコイル(22)のインピーダンスと実質的に等しい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙材を加熱して前記喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように構成された装置とともに使用するための物品であって、
喫煙材を受け入れるように構成された空洞と、
変動磁場の侵入によって加熱可能であり、前記空洞を加熱するヒーター材のコイルと
を備える、物品。
【請求項2】
変動磁場の侵入によって加熱可能なヒーター材の閉回路をさらに備え、前記閉回路がヒーター材の前記コイルを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記コイルが前記空洞内に配置される、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記空洞が細長く、前記コイルが、前記空洞の長手方向軸と実質的に揃えられた長手方向軸に沿って延在している、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
前記ヒーター材が、導電性材料、磁性材料、及び非磁性材料からなる群から選択された1つ以上の材料を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
前記ヒーター材が、金属又は金属合金を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項7】
前記ヒーター材が、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性炭素、グラファイト、普通炭素鋼、ステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、銅、及び青銅からなる群から選択された1つ以上の材料を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
前記ヒーター材が、変動磁場を侵入させたときに前記ヒーター材内に誘導される渦電流の影響を受けやすい、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
前記コイルの第1の部分が、前記コイルの第2の部分よりも、変動磁場の侵入によってその中に誘導される渦電流の影響を受けやすい、請求項1に記載の物品。
【請求項10】
前記空洞を画定する容器をさらに備え、前記容器には、変動磁場の侵入によって加熱可能な材料がない、請求項1に記載の物品。
【請求項11】
前記容器の少なくとも一部分が透明又は半透明である、請求項10に記載の物品。
【請求項12】
前記空洞内に受け入れられた前記喫煙材をさらに備える、請求項1に記載の物品。
【請求項13】
前記ヒーター材が前記喫煙材と接触している、請求項12に記載の物品。
【請求項14】
前記喫煙材が、タバコ、及び/又は1つ以上の保湿剤を含む、請求項12に記載の物品。
【請求項15】
前記空洞と流体連通する通路を画定する吸い口をさらに備える、請求項1に記載の物品。
【請求項16】
前記物品内に画定され、前記空洞を前記物品の外部と流体接続するように構成された通路と、前記通路の断面積を変えるように動作可能なアクチュエータとをさらに備える、請求項1に記載の物品。
【請求項17】
前記空洞が、前記物品の外部から封止される、請求項1に記載の物品。
【請求項18】
使用中に、空気を前記物品の外部から前記空洞内に入れるように構成された通気性の膜をさらに備える、請求項1に記載の物品。
【請求項19】
前記通気性の膜と前記物品の前記外部との間に配置されたシールをさらに備え、前記シールが、前記物品の前記外部から前記通気性の膜を封止し、使用中に前記通気性の膜を前記物品の前記外部と流体連通させるように、前記シールは破ることができ、又は前記物品から取り外すことができる、請求項18に記載の物品。
【請求項20】
喫煙材を受け入れるように構成された空洞と、変動磁場の侵入によって加熱可能となって前記空洞を加熱するヒーター材のコイルとを含む物品と、
前記物品と協働するように構成された境界面と、前記境界面が前記物品と協働しているとき、前記物品の前記コイルに侵入する変動磁場を生成するように構成されたコイルを有する磁場発生器とを有する装置と
を備えるシステムであって、
前記磁場発生器の前記コイルのインピーダンスが、前記物品の前記コイルのインピーダンスと等しい又は実質的に等しい、システム。
【請求項21】
前記境界面が、前記物品の少なくとも一部分を受け入れるように構成された凹部を画定する、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記凹部が細長く、前記磁場発生器の前記コイルが、前記凹部の長手方向軸と実質的に揃えられた長手方向軸に沿って延在している、請求項21に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置とともに使用するための物品、並びにこのような物品及びこのような装置を備えるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻タバコ、葉巻タバコなどの喫煙品は、使用の間、タバコを燃焼させてタバコ煙を発生させる。燃焼させずに化合物を放出する製品を創出することによってこれらの喫煙品に代わるものを提供する試みがなされている。そのような製品の例としては、いわゆる「非燃焼・加熱式(heat-not-burn)」製品、又はタバコ加熱装置もしくはタバコ加熱製品がある。これらは、材料を燃焼するのではなく加熱することで化合物を放出する。その材料は、例えば、タバコでもよいし、他の非タバコ製品でもよい。非タバコ製品は、ニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様は、喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置とともに使用するための物品を提供し、本物品は、
喫煙材を受け入れるように構成された空洞と、
変動磁場の侵入によって加熱可能であり、以て、空洞を加熱するヒーター材又は加熱材のコイルと
を備える。
【0004】
例示的な実施形態では、本物品は、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材の閉回路を備え、閉回路はコイルを備える。
【0005】
例示的な実施形態では、コイルは空洞内に配置される。
【0006】
例示的な実施形態では、空洞は細長く、コイルは、空洞の長手方向軸と実質的に揃えられた長手方向軸に沿って延在している。
【0007】
例示的な実施形態では、加熱材は、導電性材料、磁性材料、及び非磁性材料からなる群から選択された1つ以上の材料を含む。
【0008】
それぞれの例示的な実施形態では、加熱材は、金属又は金属合金を含む。
【0009】
例示的な実施形態では、加熱材は、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性炭素、グラファイト、普通炭素鋼、ステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、銅、及び青銅からなる群から選択された1つ以上の材料を含む。
【0010】
例示的な実施形態では、加熱材は、変動磁場を侵入させたときに加熱材内に誘導される渦電流の影響を受けやすい。
【0011】
例示的な実施形態では、コイルの第1の部分は、コイルの第2の部分よりも、変動磁場の侵入によってその中に誘導される渦電流の影響を受けやすい。
【0012】
例示的な実施形態では、本物品は、空洞を画定する容器を備える。
【0013】
例示的な実施形態では、容器には、変動磁場の侵入によって加熱可能な材料がない。
【0014】
例示的な実施形態では、容器の少なくとも一部分は透明又は半透明である。
【0015】
例示的な実施形態では、容器は、ガラス又はプラスチック材料で作られる。
【0016】
例示的な実施形態では、コイルは、空洞に対して固定位置にある。
【0017】
例示的な実施形態では、コイルは本物品から取り外すことができる。
【0018】
例示的な実施形態では、本物品は、空洞内に喫煙材を備える。
【0019】
例示的な実施形態では、加熱材は喫煙材と接触している。
【0020】
例示的な実施形態では、喫煙材は、タバコ、及び/又は1つ以上の保湿剤を含む。
【0021】
例示的な実施形態では、物品は、空洞と流体連通する通路を画定する吸い口を備える。
【0022】
例示的な実施形態では、本物品は、空洞を本物品の外部と流体接続するための通路と、通路の断面積を変えるように動作可能なアクチュエータとを備える。
【0023】
例示的な実施形態では、空洞は、本物品の外部から封止される。
【0024】
例示的な実施形態では、本物品は、空気を本物品の外部から空洞内に入れるための通気性の膜を備える。
【0025】
例示的な実施形態では、本物品は、通気性の膜と本物品の外部との間にシールを備え、シールは、本物品の外部から通気性の膜を封止し、使用中に通気性の膜を本物品の外部と流体連通させるように、シールは破ることができ、又は本物品から取り外すことができる。
【0026】
例示的な実施形態では、本物品は、使用中に空洞で生成された蒸気を本物品の外部に流すための蒸気透過性の膜を備える。
【0027】
例示的な実施形態では、本物品は、蒸気透過性の膜と物品の外部との間にシールを備え、シールは、本物品の外部から蒸気透過性の膜を封止し、使用中に蒸気透過性の膜を本物品の外部と流体連通させるように、シールは破ることができ、又は本物品から取り外すことができる。
【0028】
例示的な実施形態では、本物品は、断熱材の塊を空洞の周りに備える。断熱材は、エアロゲル、真空断熱材、綿、フリース、不織布材料、不織布フリース、織物材料、編物材料、ナイロン、発泡体、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエステルフィラメント、ポリプロピレン、ポリエステルとポリプロピレンとの混紡、酢酸セルロース、紙又は厚紙、及び波形の紙又は厚紙などの波形の材料からなる群から選択された1つ以上の材料を含むことができる。
【0029】
例示的な実施形態では、本物品は、コイルにコイルの表面よりも滑らか又は硬いコーティングを備える。
【0030】
例示的な実施形態では、本物品は、コイルの少なくとも一部分に触媒材料を備える。
【0031】
例示的な実施形態では、物品は、カートリッジの温度を検出するための温度検出器を備える。いくつかの実施形態では、物品は、使用時に装置の温度モニタと接続させるために、温度検出器に接続された1つ以上の端子を備える。
【0032】
例示的な実施形態では、本物品のコイルは第1のコイルであり、本物品は、変動磁場の侵入によって加熱可能となって空洞を加熱する加熱材の第2のコイルを備える。
【0033】
本発明の第2の態様はシステムを提供し、本システムは、
本発明の第1の態様による物品と、
物品と協働するための境界面と、境界面が物品と協働しているとき、物品のコイルに侵入するための変動磁場を発生させるためのコイルを備える磁場発生器とを有する装置と
を備え、
磁場発生器のコイルのインピーダンスは、物品のコイルのインピーダンスと等しい又は実質的に等しい。
【0034】
例示的な実施形態では、境界面は、物品の少なくとも一部分を受け入れるための凹部を備える。
【0035】
例示的な実施形態では、凹部は細長く、磁場発生器のコイルは、凹部の長手方向軸と実質的に揃えられた長手方向軸に沿って延在している。
【0036】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置とともに使用するための物品の例の概略斜視図である。
【
図2】空洞内に喫煙材を有し、端閉鎖部が取り付けられた
図1の物品の概略断面図である。
【
図3】喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置とともに使用するための別の物品の例の概略部分断面図である。
【
図4】喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置とともに使用するための別の物品の例の概略部分断面図である。
【
図5】
図2の物品と、喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置とを備えるシステムの例の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本書では、用語「喫煙材」は、加熱されると揮発成分を、典型的には蒸気又はエアロゾルの形態で供する材料を含む。「喫煙材」は非タバコ含有材料であってもよいし、タバコ含有材料であってもよい。「喫煙材」は、例えば、タバコ自体、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ抽出物、均質化タバコ、又はタバコ代替品のうちの1つ以上を含んでいてもよい。喫煙材は、挽きタバコ、刻みラグタバコ、押出タバコ、液体、ゲル、ゲル化シート、粉末、又は塊の形態とすることが可能である。「喫煙材」は、他に非タバコ製品を含んでいてもよい。この非タバコ製品は、製品によってニコチンを含んでもよいし、含まないでもよい。「喫煙材」は、1つ以上の保湿剤、例えばグリセロール又はプロピレングリコール、を含んでいてもよい。
【0039】
本明細書では、用語「ヒーター材」及び「加熱材」は、変動磁場の侵入によって加熱可能な材料を指す。
【0040】
本書では、用語「香料」及び「香味料」は、成人消費者用の製品において所望の味又は香りを生成するために(現地の規制によって許可される場合に)使用することができる材料を指す。これらの材料は、抽出物(例えば、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ピーマン、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、又はハッカ属の任意の種からのハッカ油など)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤もしくは感覚受容体部位刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、並びに他の添加物(例えば、チャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤)を含んでいてもよい。これらは、模造品、合成材料又は天然材料、あるいはこれらの混合物であってもよい。これらは、油、液体、ゲル、粉末など、任意の適切な形態をとることができる。
【0041】
誘導加熱は、導電性物体に変動磁場を侵入させることによってその物体を加熱するプロセスである。このプロセスは、ファラデーの電磁誘導の法則及びオームの法則によって説明される。誘導ヒーターは、電磁石と、この電磁石に交流電流などの変動電流を流すための装置を備えることができる。加熱しようとする物体と電磁石が、電磁石によって生じた変動磁場がこの物体に侵入するような適切な相対位置に配置されると、この物体内に1つ以上の渦電流が発生する。この物体は電流の流れに対する抵抗を有する。したがって、この物体内にこのような渦電流が発生すると、渦電流が物体の電気抵抗に抗して流れ、それによってこの物体が加熱される。このプロセスは、ジュール加熱、オーム加熱、又は抵抗加熱と呼ばれる。誘導加熱することができる物体は、サセプタとして知られている。
【0042】
サセプタが閉回路の形態のときは、使用時におけるサセプタと電磁石との磁気結合が強くなり、その結果、ジュール加熱が増大し、又は改善されることが分かっている。
【0043】
磁気ヒステリシス加熱は、磁性材料からなる物体に変動磁場が侵入することによって物体を加熱するプロセスである。磁性材料は、原子スケールの磁石即ち磁気双極子を多く含んでいると考えることができる。磁場がこのような材料に侵入すると、磁気双極子は磁場に沿って整列する。したがって、交流磁場(例えば、電磁石によって生じたもの)などの変動磁場が磁性材料に侵入すると、磁気双極子の向きは、印加された変動磁場に応じて変化する。このような磁気双極子の再配向によって、磁性材料内に熱が発生する。
【0044】
物体が導電性及び磁性の両方を有するときは、その物体に変動磁場を侵入させると、物体にジュール加熱及び磁気ヒステリシス加熱の両方を生じさせることができる。さらに、磁性材料を使用すると、変動磁場を強めることができ、それによりジュール加熱を強めることができる。
【0045】
上記のプロセスのそれぞれにおいて、熱は、外部熱源によって熱伝導により発生するのではなく、物体自体の内部で発生するので、物体内の急速な温度上昇と、より均一な熱分布を達成することができる。これは、特に、物体の材料及び幾何形状を適切に選び、その物体に対して変動磁場の大きさ及び向きを適切に選ぶことによって達成することができる。さらに、誘導加熱及び磁気ヒステリシス加熱は、変動磁場の源と物体との間に物理的な接続部を設ける必要がないので、喫煙材の残渣物などの物体上の材料の堆積はさほど問題にならず、設計自由度が広がり得、加熱プロファイルをよりよく制御でき、コストをより低くすることができる。
【0046】
図1を参照すると、本発明の実施形態による物品の例の概略斜視図が示されている。物品1は、喫煙材30を受け入れるための空洞18を画定する容器10と、変動磁場の侵入によって加熱可能となって空洞18を加熱する加熱材のコイル22とを備える。即ち、加熱材は、変動磁場を加熱材に侵入させることによって加熱可能であり、加熱材に変動磁場を侵入させると、加熱材は温度が上がって熱エネルギーを空洞18に伝達して空洞18を加熱するように、コイル22は空洞18に対して配置される。物品1は、喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置とともに使用するためのものである。このような装置の例を下記で説明する。
【0047】
この実施形態では、容器10は、本体12及び端部部材14を備える。この実施形態では、本体12は管状で、空洞18を取り囲む。この実施形態では、本体12は、実質的に円形の断面を有する細長い円筒状である。しかしながら、他の実施形態では、本体12は、円形以外の断面を有することができ、及び/又は、細長くなくてもよく、及び/又は、円筒状でないものとすることができる。端部部材14は、管状の本体12の第1の開放端又は開口を塞ぐ。この実施形態では、端部部材14は、摩擦又は接着剤などによって管状の本体12の第1の開放端に固定されたプラグを備える。しかしながら、他の実施形態では、端部部材14は異なる形態をとることができる、又は本体12と一体にすることができる。
【0048】
この実施形態では、物品1は、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材の閉回路20を備える。さらに、この実施形態では、閉回路20はコイル22と、コイル22の両端を互いに接続する加熱材の部材24とを備える。他の実施形態では、部材24を省略することができ、その結果、コイル22の両端は、コイル22そのものだけで互いに接続される。いくつかの実施形態では、これによって、使用時、コイル22と電磁石との間の磁気結合を強くすることができ、その結果、ジュール加熱が増大し、又は改善される。
【0049】
この実施形態では、コイル22は円形螺旋である。即ち、コイル22はその長さに沿って実質的に一定の半径を有する。他の実施形態では、コイル22の半径は、その長さに沿って変えることができる。例えば、いくつかの実施形態では、コイル22は円錐螺旋又は楕円螺旋を含むことができる。この実施形態では、コイル22はその長さに沿って実質的に一定のピッチを有する。即ち、コイル22の長手方向軸に平行に測ると、コイル22の隣接する任意の2つの巻きの間の隙間の幅は、コイル22の隣接する他の任意の2つの巻きの間の隙間の幅と実質的に同じである。他の実施形態では、このようにしないことができる。
【0050】
この実施形態では、コイル22は、空洞18に対して固定位置にある。この実施形態では、これは、閉回路20が端部部材14に取り付けられることによって行われる。いくつかの実施形態では、コイル22は、例えば清掃のために、物品1から取り外すことができる。このような脱着性は、例えば、コイル22を端部部材14から取り外すことができることによって、又は、端部部材14とコイル22とを組み合わせたものを容器10の本体12から取り外すことができることによって与えることができる。
【0051】
この実施形態では、コイル22は空洞18内に配置される。したがって、使用時、喫煙材30が空洞18内に配置されると、コイル22の巻きは喫煙材30によって取り囲まれ、又は実質的に取り囲まれて、熱をコイル22から喫煙材30に効果的に伝達することができる。即ち、使用時、コイル22を喫煙材30内に埋め込むことができる。コイル22は、空洞18内を通る曲がりくねった流路を生成し、これによって、空洞18内を通る空気に乱流を生じさせて、喫煙材30が加熱されたときに生成される揮発材を空気が受け取る助けとなり得る。コイル22はまた、長手方向の単位長さ当たり大きな表面積を有し、その結果、加熱材のジュール加熱を増大させる、又は改善することができ、したがって、喫煙材30の加熱を増大させる、又は改善することができる。他の実施形態では、コイル22は、空洞18内以外に配置することができる。例えば、コイル22は、容器10自体の材料内に配置することができ、その場合、コイル22は空洞18を取り囲むことになる。
【0052】
この実施形態では、空洞18は細長く、コイル22は、空洞18の長手方向軸A-Aと実質的に揃えられた長手方向軸に沿って延在する。これは、使用時に喫煙材30をより均一に加熱する助けとなり得、物品1の製造をしやすくすることもできる。この実施形態では、これらの揃えられた軸は一致する。この実施形態の変形例では、揃えられた軸は互いに平行とすることができる。しかしながら、他の実施形態では、軸は互いに傾けることができる。いくつかの実施形態では、コイル22は、空洞18の長手方向の両側の端部の一方又は両方まで延在することができる。これは、使用時、喫煙材30をより広く加熱する、又はさらにより均一に加熱する助けとなり得る。
【0053】
加熱材は、導電性材料、磁性材料、及び非磁性材料からなる群から選択された1つ以上の材料を含むことができる。加熱材は、金属又は金属合金を含むことができる。加熱材は、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性炭素、グラファイト、普通炭素鋼、ステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、銅、及び青銅からなる群から選択された1つ以上の材料を含むことができる。他の実施形態では、他の(1つ以上の)材料を使用することができる。この実施形態では、コイル22の加熱材は導電性材料を含む。したがって、この加熱材は、変動磁場を侵入させたときに加熱材内に誘導される渦電流の影響を受けやすい。したがって、コイル22は、変動磁場を受けたとき、サセプタとして働くことができる。加熱材として磁性導電材を用いると、使用時、コイル22と装置のコイルとの間の磁気結合を強くすることができることが分かっている。これは、磁気ヒステリシス加熱を潜在的に可能にすることに加えて、コイル22のジュール加熱を増大させる、又は改善することができ、したがって、喫煙材30の加熱を増大させる、又は改善することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、容器10は、変動磁場の侵入によって加熱可能な材料がないものとすることができる。容器10は、非磁性及び非導電性の材料から作ることができる。このような構成によって、変動磁場のエネルギーが容器10によって吸収されるのを避けることができ、その結果、変動磁場のより多くのエネルギーがコイル22を加熱するために利用することができる。この実施形態では、容器10はガラスで作ることができる。他の実施形態では、容器10は、プラスチック材料などの異なる材料から作ることができる。いくつかの実施形態では、容器10の少なくとも一部分は、透明又は半透明とすることができ、その結果、使用者は空洞18の内容物を見ることができる。この実施形態では、容器10の本体12は透明であるが、端部部材14は不透明である。他の実施形態では、例えば、本体12を半透明又は不透明にすることができる。
【0055】
この実施形態では、コイル22の第1の部分22aは、コイル22の第2の部分22bよりも、変動磁場の侵入によってその中に誘導される渦電流の影響を受けやすい。コイル22の第1の部分22aが第1の材料で作られ、コイル22の第2の部分22bが異なる第2の材料で作られ、第1の材料が第2の材料よりもその中に誘導される渦電流の影響の受けやすさが高い結果、コイル22の第1の部分22aは影響をより受けやすくすることができる。例えば、第1の部分22a及び第2の部分22bのうちの一方を鉄で作り、第1の部分22a及び第2の部分22bのうちの他方をグラファイトで作ることができる。これに代えて又はこれに加えて、コイル22の第1の部分22の巻きがコイル22の第2の部分22bの巻きと異なる厚さ及び/又は材料密度を有する結果、コイル22の第1の部分22aは影響をより受けやすくすることができる。
【0056】
影響の受けやすさが高い部分22aを、物品1の吸い口端にしようとする部分の近くに配置してもよいし、影響の受けやすさが低い部分22bを、物品1の吸い口端にしようとする部分の近くに配置してもよい。後者の場合、影響の受けやさが低い部分22bは、影響の受けやすさが高い部分22aよりも喫煙材30を加熱する度合いを低くすることができ、したがって、加熱する度合いが低い喫煙材は、喫煙材30の加熱中に、発生した蒸気の温度を下げるように、又は物品内で発生した蒸気の刺激を弱くするように、フィルタとして働くことができる。
【0057】
図1では、第1の部分22aと第2の部分22bとは、物品1又はコイル22の長手方向に互いに隣接して配置されているが、他の実施形態ではこのようにする必要はない。例えば、いくつかの実施形態では、第1の部分22aと第2の部分22bとは、物品1又はコイル22の長手方向に垂直な方向に互いに隣接して配置することができる。
【0058】
コイル22が、その中に誘導される渦電流の影響の受けやすさをこのように変えると、喫煙材30を漸進的に加熱し、以て、蒸気を漸進的に生成する助けとなり得る。例えば、影響の受けやすさが高い部分22aは、喫煙材30の第1の領域を比較的急速に加熱して、喫煙材30の第1の領域で、喫煙材30の少なくとも1つの成分の揮発及び蒸気の形成を開始させることが可能であってもよい。影響の受けやすさが低い部分22bは、喫煙材30の第2の領域を比較的ゆっくり加熱して、喫煙材30の第2の領域で、喫煙材30の少なくとも1つの成分の揮発及び蒸気の形成を開始させることが可能であってもよい。したがって、蒸気は、使用者が吸入するために比較的迅速に形成されることができ、喫煙材30の第1の領域が蒸気の生成を終えた後でさえ、使用者が引き続き吸入するためにその後も蒸気が形成され続けることができる。喫煙材30の揮発可能な成分を使い尽くすと、喫煙材30の第1の領域は蒸気の生成を終えることができる。
【0059】
他の実施形態では、コイル22のすべてが、変動磁場の侵入によってコイル22内に誘導される渦電流の影響を等しく又は実質的に等しく受けやすくすることができる。いくつかの実施形態では、コイル22はこのような渦電流の影響を受けやすくなくてもよい。そのような実施形態では、加熱材は非導電性の磁性材料の場合があり、したがって、上記の磁気ヒステリシスプロセスによって加熱可能とすることができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、物品は、複数の個別のコイル22を備えることができる。この場合、コイル22のそれぞれは、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材を備える。複数のコイル22の少なくとも1つは、複数のコイル22の他のコイルの少なくとも1つよりも、変動磁場の侵入によってその中に誘導される渦電流の影響を受けやすくすることができる。これは、例えば、上記のように、コイル22を異なる加熱材から作る、並びに/又は、コイル22の巻きを異なる厚さ及び/もしくは材料密度にすることによって行うことができる。この場合もまた、コイル22がこのように影響の受けやすさを変えると、上記と同じ態様で、喫煙材30を漸進的に加熱し、以て、蒸気を漸進的に生成する助けとなり得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、物品1は、コイル22の少なくとも一部分に触媒材料を備えることができる。触媒材料は、コイル22のすべてに、又はコイル22の(1つ以上の)いずれかの部分だけに設けることができる。触媒材料は、コイル22上のコーティングの形態をとることができる。このような触媒材料をコイル22に設けることは、使用時、物品1が、加熱された化学的に活性な表面を有することができることを意味する。使用時、触媒材料は、潜在的な刺激物を刺激性のより少ないものに変換する、又はその変換率を上げるように働くことができる。使用時、触媒材料は、例えば、ギ酸をメタノールに変換する、又はその変換率を上げるように働くことができる。他の実施形態では、触媒材料は、他の化学物質を変換する、例えば、水素化によってアセチレンをエタンに変換する、もしくはアンモニアを窒素と水素に変換する、又はその変換率を上げるように働くことができる。これに加えて又はこれに代えて、触媒物質は、一酸化炭素と水蒸気とを反応させて二酸化炭素と水素とを形成する(水性ガスシフト反応即ちWGSR:water-gas shift reaction)、又はその反応速度を上げるように働くことができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、物品1は、コイル22にコイル22自体の表面よりも滑らか又は硬いコーティングを備えることができる。このようなより滑らか又は硬いコーティングによって、物品1の使用後にコイル22を容易に清掃することができる。コーティングは、例えば、ガラス又はセラミック材料で作ることができる。他の実施形態では、コイル22は粗い又は不均一な表面を有することができ、これによって、コイル22が喫煙材30と接触する表面積を増大することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、物品1は、断熱材の塊を空洞18の周りに備えることができる。このような塊は、容器10の内側に配置してもよいし、容器10の外側に配置してもよいし、容器10を形成してもよい。断熱材は、エアロゲル、真空断熱材、綿、フリース、不織布材料、不織布フリース、織物材料、編物材料、ナイロン、発泡体、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエステルフィラメント、ポリプロピレン、ポリエステルとポリプロピレンとの混紡、酢酸セルロース、紙又は厚紙、及び波形の紙又は厚紙などの波形の材料からなる群から選択された1つ以上の材料を含むことができる。断熱材は、これに加えて又はこれに代えて、空隙を含むことができる。このような断熱材は、装置の構成部品への熱損失を防ぐのに役立つことができ、空洞18をより効率的に加熱することができる。いくつかの実施形態では、断熱材は、1ミリメートルまでの厚さ、例えば、0.5ミリメートルまでの厚さを有することができる。
【0064】
加熱材は、誘導電流、及び/又は誘導された磁気双極子の再配向のほとんどが生じる外側の領域である表皮深さを有することができる。加熱材の厚さを比較的薄くすることによって、加熱材の他の寸法に比べて比較的長い奥行き又は厚さを有する加熱材と比べると、所与の変動磁場によって加熱材のより大きな割合を加熱可能にすることができる。したがって、材料をより効率的に使用することになる。それはコストを削減する。
【0065】
図2を参照すると、空洞18内に喫煙材30を有し、端閉鎖部16が本体10の第2の開放端又は開口に取り付けられた、
図1の物品1の概略断面図が示されている。
【0066】
この実施形態では、コイル22の加熱材は喫煙材30と接触している。したがって、加熱材が、変動磁場の侵入によって加熱されると、加熱材から喫煙材30に熱を直接伝達することができる。他の実施形態では、加熱材は喫煙材30と接触しないようにすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、物品1は、加熱材を喫煙材30から離間する熱伝導遮蔽物を備えることができる。いくつかの実施形態では、熱伝導遮蔽物は、上記のような触媒コーティング又は滑らかなコーティングなどのコイル22上の熱伝導コーティングとすることができる。このような熱伝導遮蔽物を設けると、加熱材の加熱が終わった後に物品1内に熱を保持するのを助けることに有利となることができる。
【0067】
喫煙材30は、本明細書で言及した喫煙材のタイプのうちのいずれかを含むことができる。喫煙材30は、本明細書で言及した喫煙材のいずれかの形態のものとすることができる。いくつかの実施形態では、喫煙材30は、液体と粉末との混合物を含むことができる。粉末は、液体中の懸濁物とすることができる。液体は保温を助けることができる。粉末はタバコの粉末とすることができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、端部部材14及び端閉鎖部16は、物品1の外部から空洞18を一緒に封止するそれぞれのシールとして働き、その結果、喫煙材30の新鮮さを維持する。いくつかの実施形態では、端部部材14及び端閉鎖部16のうちの一方又は両方は、使用前に開くことができても、穴をあけることができても、又は物品1から取り外すことができてもよく、その結果、空気を空洞18内に流す、したがって、喫煙材30を通して流すことができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、端部部材14及び端閉鎖部16のうちの一方又は両方は、通気性の膜又はカバーを備えて、空気を、空洞18と物品1の外部との間を通過させることができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、物品1は、空気を物品1の外部から空洞18内に入れるための通気性の膜と、通気性の膜と物品1の外部との間のシール(例えば、端閉鎖部16)とを備える。シールは、物品1の外部から通気性の膜を封止し、また、通気性の膜、したがって、空洞18を物品1の外部と流体連通させるように、シールは破ることができ、又は物品1から取り外すことができる。いくつかの実施形態では、物品1は、空洞18内で生成された蒸気を物品1の外部に流すための蒸気透過性の膜と、蒸気透過性の膜と物品1の外部との間のシール(例えば、端部部材14)とを備える。このシールは、物品1の外部から蒸気透過性の膜を封止し、また、蒸気透過性の膜、したがって、空洞18を物品1の外部と流体連通させるように、破ることができ、又は物品1から取り外すことができる。
【0070】
いくつかの実施形態、例えば、喫煙材が液体を含むいくつかの実施形態では、液体が空洞18から逃げることを防ぐのを助けるために、端部部材14及び端閉鎖部16のうちの一方又は両方が疎水性の膜又はカバーを備えることができる。実際、本明細書で論じる通気性の膜又は蒸気透過性の膜のいずれかは、液体が空洞18から逃げることを防ぐのを助けるために、疎水性の膜又はカバーを備えることができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、物品は、空洞18と流体連通する通路を画定する吸い口を備える。
図3を参照すると、本発明の実施形態による物品2の例の概略部分断面図が示されている。符号50が付いた物品2の部分は、
図1及び
図2に示した構造物のいずれか、又はそれらの構造物の上記の変形例のいずれかを備えることができる。吸い口60及びその通路62は、この構造物に接続されるように示されており、通路62は、この構造物の空洞18と流体連通するように位置合わせされている。吸い口60は、プラスチック材、ボール紙、又はゴムなどの任意の適切な材料から作ることができる。
【0072】
使用時、喫煙材30が、加熱された加熱材によって加熱されると、喫煙材30の揮発成分は使用者によって容易に吸入することができる。物品が消耗品である実施形態では、物品内の喫煙材30の揮発成分(複数可)のすべて又は実質的にすべてが消費されると、使用者は吸い口を物品の残りの部分と一緒に処分することができる。これは、複数の物品で同じ吸い口を使用するよりも衛生的とすることができ、吸い口が確実に喫煙材と正しく位置合わせされるのに役立つことができ、使用者が別の物品を使用することを望むたびに清潔で新しい吸い口を使用者に提供する。
【0073】
吸い口60は、それがある場合には、香味料を備えることができる、又は含浸することができる。香味料は、使用時、蒸気が吸い口60の通路62を通過するときに高温の蒸気によって受け取られるように配置することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、物品は、空洞18を物品1、2の外部と流体接続するための通路と、通路の断面積を変えるように動作可能なアクチュエータとを備えることができる。
図4を参照すると、本発明の実施形態による物品3の例の概略部分断面図が示されている。符号50が付いた物品3の部分は、
図1、
図2、及び
図3に示した構造物のいずれか、又はそれらの構造物の上記の変形例のいずれかを備えることができる。
【0075】
この実施形態では、物品3は、空洞18を物品3の外部と流体接続する通路72を画定する要素70を備える。要素70は、使用者が操作できて可変収縮部76に動作可能に接続されたアクチュエータ74を備える。アクチュエータ74は、例えば、押しボタン、トグルスイッチ、ダイヤル、タッチスクリーンなどを備えることができる。使用者がアクチュエータ74を操作すると、可変収縮部76は通路72の断面積を変え、その結果、物品3を通る空気流量の度合いを変える。これによって、使用時、空洞18から喫煙材30の(1つ以上の)揮発成分を吸い出すために使用者が必要とする力を変えることができ、吸い出しと吸い出しの間で使用者が空洞18内に喫煙材30の(1つ以上の)揮発成分を保持する助けともなり得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、要素70は、空洞18の吸い口端又は下流端に設けることができる。他の実施形態では、要素70は、空洞18の吸い口端の反対側の空洞18の端部に設けることができる。いくつかの実施形態では、要素70は、
図3に示した吸い口60などの物品の吸い口が接続する空洞18の端部の反対側の空洞18の端部に設けることができる。いくつかの実施形態では、要素70は、空洞18と、
図3に示した吸い口60などの物品の吸い口との間に設けることができる。いくつかの実施形態では、要素70は、
図3に示した吸い口60などの物品の吸い口と組み合わせることができ、その結果、断面積が可変である通路は吸い口の通路となる。
【0077】
上記の物品1、2、3及びそれらの変形例のそれぞれは、喫煙材30を加熱して喫煙材30の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置とともに使用することができる。この装置は、喫煙材30を燃焼させずに、喫煙材30を加熱して喫煙材30の少なくとも1つの成分を揮発させるためのものとすることができる。物品1、2、3(複数可)のいずれか1つとこのような装置とは、システムとして一緒に提供することができる。システムは、物品1、2、3が本装置とは別個のものであるキットの形態をとることができる。これに代えて、システムは、物品1、2、3が本装置と組み合わされた組立体の形態をとることができる。次に、このようなシステムの例を説明する。
【0078】
図5を参照すると、本発明の実施形態によるシステムの例の概略断面図が示されている。この実施形態のシステム1000は、
図2の物品1と、物品2内の喫煙材30を加熱して喫煙材30の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置100とを備える。概して、装置100は、物品2と協働するための境界面111と、境界面111が物品2と協働しているときに物品2のコイル22に侵入させるための変動磁場を発生させるためのコイル114を備える磁場発生器112とを備える。
【0079】
この実施形態の装置100は、本体110及び吸い口120を備える。吸い口120は、この中を通る通路122を画定する。吸い口120は、凹部111内への開口を覆うように本体110に対して配置可能である。吸い口120を本体110に対してこのように配置すると、吸い口120の通路122は凹部111と流体連通する。使用時、通路122は、凹部111に挿入された物品2の空洞18から揮発材が装置100の外部に流れることを可能にするための通路として働く。この実施形態では、装置100の吸い口120は、吸い口120を本体110に接続するように本体110と取外し可能に係合可能である。他の実施形態では、吸い口120と本体110とは、蝶番又は可撓性部材などによって永続的に接続することができる。装置100の吸い口120は、香味料を備える、又は含浸することができる。香味料は、使用時、蒸気が吸い口120の通路122を通過するときに加熱された蒸気によって受け取られるように配置することができる。いくつかの実施形態、例えば、物品2自体が吸い口を備えるいくつかの実施形態では、装置100の吸い口120を省略することができる。
【0080】
この実施形態では、本体110は境界面111を備える。この実施形態では、境界面111は、物品2の少なくとも一部分を受け入れるための凹部111を備える。他の実施形態では、境界面111は、棚、面、又は突起などの凹部以外のものとすることができ、物品1、2、3と協働するために物品1、2、3と機械的に接合することを必要とすることがある。この実施形態では、凹部111は細長く、物品2を受け入れるような大きさと形状である。この実施形態では、凹部111は物品2全体を収容する。他の実施形態では、凹部111は物品2の一部分だけ受け入れることができる。
【0081】
この実施形態では、磁場発生器112は、電源113と、コイル114と、コイル114に交流電流などの変動電流を流すためのデバイス116と、制御器117と、制御器117を使用者が操作するためのユーザインターフェース118とを備える。
【0082】
この実施形態では、電源113は充電式電池である。他の実施形態では、電源113は、例えば、非充電式電池、キャパシタ、又は商用電源への接続部など、充電式電池以外とすることができる。
【0083】
コイル114は任意の適切な形態をとることができる。この実施形態では、コイル114は、銅などの導電性材料の螺旋コイルである。いくつかの実施形態では、磁場発生器112は、コイル114が巻かれた透磁性コアを備えることができる。このような透磁性コアは、使用時、コイル114によって生成される磁束を集中させ、磁場をより強力にする。透磁性コアは、例えば鉄で作ることができる。いくつかの実施形態では、透磁性コアは、コイル114の長さに沿って部分的にだけ延在して、特定の領域のみに磁束を集中させることができる。
【0084】
この実施形態では、磁場発生器112のコイル114は、凹部111の長手方向軸と実質的に一致する長手方向軸に沿って延在している。他の実施形態では、これらの軸は、互いに平行にすることによって互いに揃えてもよいし、互いに傾けてもよい。この実施形態では、
図5に示すように、物品2が凹部111に受け入れられると、凹部111の長手方向軸は、物品2の空洞18の長手方向軸と実質的に一致する。
【0085】
この実施形態では、磁場発生器112のコイル114のインピーダンスは、物品2のコイル22のインピーダンスと等しい又は実質的に等しい。もしも、その代わりに、物品2のコイル22のインピーダンスが磁場発生器112のコイル114のインピーダンスよりも低い場合、使用時の物品2のコイル22の両端に発生する電圧は、インピーダンスを一致させたときに物品2のコイル22の両端に生成することができる電圧よりも低くなる可能性がある。あるいは、その代わりに、物品2のコイル22のインピーダンスが磁場発生器112のコイル114のインピーダンスよりも高い場合、使用時の物品2のコイル22に発生する電流は、インピーダンスを一致させたときに物品2のコイル22に生成することができる電流よりも低くなる可能性がある。インピーダンスを一致させると、使用中の加熱時に、物品2のコイル22に生成される加熱電力を最大にするために電圧と電流とのバランスをとる助けとなり得る。
【0086】
この実施形態のシステム1000は、
図2の物品2を備えるが、他の実施形態では、システムは、上記の物品のうちの任意の他の物品を備えることができる。そのような他の物品では、磁場発生器112のコイル114のインピーダンスは、物品のコイルのインピーダンスと等しく又は実質的に等しくすることができる。
【0087】
この実施形態では、コイル114に変動電流を流すためのデバイス116は、電源113とコイル114との間に電気的に接続される。この実施形態では、制御器117もまた、電源113に電気的に接続され、デバイス116に通信可能に接続されてデバイス116を制御する。より詳細には、この実施形態では、制御器117はデバイス116を制御して、電源113からコイル114への電力の供給を制御するためのものである。この実施形態では、制御器117は、プリント回路基板(PCB:printed circuit board)上の集積回路(IC:integrated circuit)などのICを備える。他の実施形態では、制御器117は異なる形態をとることができる。いくつかの実施形態では、本装置は、デバイス116及び制御器117を備える単一の電気又は電子構成部品を有することができる。この実施形態では、制御器117は、ユーザインターフェース118を使用者が操作することによって動作する。ユーザインターフェース118は、本体110の外側に配置される。ユーザインターフェース118は、押しボタン、トグルスイッチ、ダイヤル、タッチスクリーンなどを備えることができる。
【0088】
この実施形態では、使用者がユーザインターフェース118を操作すると、制御器117は、デバイス116に、コイル114に交流電流を流してコイル114に交流磁場を発生させる。物品2が凹部111内に配置されると、装置100のコイル114と物品2のコイル22は、コイル114によって生成された交流磁場が物品2のコイル22の加熱材に侵入するように適切な相対位置に配置される。コイル22の加熱材が導電性材料のとき、加熱材内に1つ以上の渦電流を発生させることができる。渦電流が加熱材の電気抵抗に抗して加熱材内を流れると、加熱材はジュール加熱によって加熱される。上記のように、加熱材が磁性材料で作られているとき、加熱材内の磁気双極子の向きは印加された磁場の変化に応じて変化し、それによって、加熱材内に熱が生成される。
【0089】
この実施形態の装置100は、凹部111の温度を検知するための温度センサ119を備える。温度センサ119は、制御器117に通信可能に接続することができ、その結果、制御器117は凹部111の温度を監視することができる。いくつかの実施形態では、温度センサ119は、凹部、境界面、又は物品1、2、3を光学的に温度測定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、物品1、2、3は、物品1、2、3の温度を検出するために抵抗温度検出器(RTD:resistance temperature detector)などの温度検出器を備えることができる。例えば、温度検出器は、物品1、2、3の容器10内又は容器10上に配置することができる。物品1、2、3は、温度検出器に電気接続などで接続された1つ以上の端子をさらに備えることができる。端子(複数可)は、物品1、2、3が凹部111内にあるとき、又は境界面と協働しているとき、本装置100の温度モニタと電気接続などで接続させるためのものとすることができる。制御器117は温度モニタを備えることができる。したがって、装置100の温度モニタは、装置100とともに使用中の物品1、2、3の温度を測定することができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、物品2のコイル22の加熱材が適切な抵抗を有していれば、温度変化に対する加熱材の反応は、物品2内の温度に関する情報を与えるには十分となり得るであろう。本装置100の温度センサ119は加熱材を分析するためのプローブをさらに備えることができる。
【0091】
制御器117は、凹部111の温度を所定の温度範囲内に確実に維持するために、温度センサ119又は温度検出器から受信された1つ以上の信号に基づいて、必要に応じてコイル114に流す変動電流又は交流電流の特性をデバイス116に調節させることができる。この特性は、例えば、振幅又は周波数とすることができる。使用時、凹部111内に配置された物品1、2、3内の喫煙材30は、所定の温度範囲で、喫煙材30を燃焼させることなく喫煙材30の少なくとも1つの成分を揮発させるのに十分な加熱がなされる。したがって、制御器117、及び装置100は全体として、喫煙材30を加熱して、喫煙材30を燃焼させることなく喫煙材30の少なくとも1つの成分を揮発させるように構成される。いくつかの実施形態では、温度範囲は、約50℃~約250℃、例えば、約50℃と約150℃との間、約50℃と約120℃との間、約50℃と約100℃との間、約50℃と約80℃との間、又は約60℃と約70℃との間である。いくつかの実施形態では、温度範囲は約170℃と約220℃との間である。他の実施形態では、温度範囲は、この範囲以外のことがある。
【0092】
本装置100は、装置100の外部と凹部111とを流体接続する空気入口を画定することができる。このような空気入口は、装置100の本体110によって、及び/又は装置100の吸い口120によって画定することができる。使用者は、吸い口120の通路122を通して(1つ以上の)揮発成分を引き込むことによって喫煙材30の(1つ以上の)揮発成分を吸入することができる。(1つ以上の)揮発成分が物品2の容器10の空洞18から出ると、空気は、装置100の空気入口を経て凹部111内に引き込むことができる。さらに、物品2の容器10の端部部材14及び/又は端閉鎖部16に穴をあけることができる実施形態では、空気を、穴をあけた端部部材14及び端閉鎖部16のうちの一方又は両方を経て容器10の空洞18内に引き込むことができる。あるいは、物品2が、空気を物品2の外部から空洞18内に入れるための通気性の膜と、空洞18で生成された蒸気を物品2の外部に通すための蒸気透過性の膜と、物品2の外部と通気性の膜及び蒸気透過性の膜とのそれぞれの間の第1及び第2のシールとを備える実施形態では、使用者は、装置100及び物品2を使用する前に第1及び第2のシールを破る又は取り外して、空気を、通気性の膜を経て空洞18内に引き込むことを可能にでき、空洞18で生成された蒸気を、蒸気透過性の膜を経て吸い口120の通路122に通すことを可能にできる。
【0093】
本装置は、使用者に触覚フィードバックを与えることができる。このフィードバックは、加熱が生じていることを示すことができる、又は、物品1、2、3の喫煙材30の揮発可能な成分(複数可)が、元の量の所定の割合より多く消費されたことを示すようにタイマによってフィードバックを生じさせることができる、などである。この触覚フィードバックは、コイルの相互作用(即ち、磁気的な応答)によって、導電性素子と装置100のコイル114との相互作用によって、不平衡モータの回転によって、圧電素子に繰り返し電流を印加及び除去することによって、などで生じさせることができる。
【0094】
装置100は、2つ以上のコイルを備えることができる。装置100の複数のコイルは、物品1、2、3内の喫煙材30を漸進的に加熱し、以て、蒸気を漸進的に生成するように動作可能とすることができる。例えば、1つのコイルは、加熱材の第1の領域を比較的急速に加熱して、喫煙材30の第1の領域で、喫煙材30の少なくとも1つの成分の揮発及び蒸気の形成を開始させることができる。別のコイルは、加熱材の第2の領域を比較的ゆっくり加熱して、喫煙材30の第2の領域で、喫煙材30の少なくとも1つの成分の揮発及び蒸気の形成を開始させることができる。したがって、蒸気は、使用者が吸入するために比較的迅速に形成することができ、喫煙材30の第1の領域が蒸気の生成を終えた後でさえ、使用者が引き続き吸入するためにその後も蒸気を形成し続けることができる。最初のうちは加熱されていない喫煙材30の第2の領域は、喫煙材30の第1の領域が加熱されている間、生成された蒸気の温度を下げるように、又は生成された蒸気の刺激を弱くするようにフィルタとして働くことができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、物品のコイルは第1のコイルであり、物品は、変動磁場の侵入によって加熱可能となって物品の空洞18を加熱する加熱材の第2のコイルを備えることができる。物品の第1及び第2のコイルは、装置100の複数のコイルそれぞれによって生成された変動磁場によって実質的に別々に加熱可能とすることができる。第1及び第2のコイルのうちの一方は、第1及び第2のコイルのうちの他方よりも、変動磁場の侵入によってその中に誘導される渦電流の影響を受けやすくすることができる。このような構造は、上記と同様な方法で、物品内の喫煙材30を漸進的に加熱し、以て、蒸気を漸進的に生成するように動作可能とすることができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、コイル22の加熱材は、その中に切れ目又は穴を備えることができる。このような切れ目又は穴は、使用時に喫煙材の異なる領域が加熱される度合いを制御するための熱断絶部として機能してもよい。加熱材のうち切れ目又は穴を有する領域は、切れ目又は穴のない領域よりも加熱される程度を低くすることができる。これは、喫煙材を漸進的に加熱し、したがって、蒸気を漸進的に生成する助けとなり得る。
【0097】
上記の実施形態の各々において、喫煙材30はタバコを含んでいる。しかしながら、これらの実施形態の各々の変形例では、喫煙材30は、タバコのみからなるものであってもよいし、ほぼ全体がタバコのみからなるものであってもよいし、タバコとタバコ以外の喫煙材とを含むものであってもよいし、タバコ以外の喫煙材を含むものであってもよいし、タバコを含まないものであってもよい。いくつかの実施形態では、喫煙材30は、蒸気又はエアロゾルの形成剤や、湿潤剤(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、トリアセチン、又はジエチレングリコール)を含んでいてもよい。
【0098】
本発明を具現化する物品は、例えば、カートリッジ又はカプセルとすることができる。
【0099】
上記の物品1、2、3のそれぞれは、消耗品として使用することができる。物品1、2、3の喫煙材30の揮発可能な成分(複数可)のすべて又は実質的にすべてが消費されると、使用者は、本装置100から物品1、2、3を取り外して、物品1、2、3を処分することができる。使用者は、引き続き、物品1、2、3の別なもので本装置100を再使用することができる。しかしながら、他の実施形態では、物品1、2、3は、喫煙材30の再充填が可能で、装置100で再使用可能とすることができる。容器10の本体12から端閉鎖部16を取り外して空洞18にアクセスし、その前に使用した喫煙材の残りを取り除き、空洞18内に新しい喫煙材を入れ、次いで、容器10の本体12の第2の開放端に被せて端閉鎖部16(元々の端閉鎖部16又は新しい端閉鎖部16のどちらか)を取り付けることによってこのような再充填を行うことができる。このように再充填する間、例えば、清掃のために、又は、新しいコイル22と交換するためにコイル22を取り外すことができる。
【0100】
上記の物品1、2、3のそれぞれは、空洞18内に喫煙材30を入れて、又は入れないで供給することができる。
【0101】
いくつかの実施形態では、上記の物品1、2、3は、これらの物品とともに使用可能な装置100とは別個に販売され、供給され、又はその他の方法により提供される。しかしながら、いくつかの実施形態では、装置及び1つ以上の上記物品1、2、3を、キットや組立体などのシステムとして、場合によっては清掃器具などの追加の構成要素とともに一緒に提供してもよい。
【0102】
本発明は、本明細書で説明した物品のいずれか1つと、本明細書で説明した装置のいずれか1つとを備えるシステムとして実施することも可能である。ここで、磁場発生器によって生成される変動磁場の侵入による加熱のための加熱材(例えば、サセプタの形態のもの)は、装置自身がさらに有する。装置自身の加熱材で発生した熱を物品に伝達して、物品内の喫煙材をさらに加熱することができる。
【0103】
様々な課題に対処し、技術を進歩させるために、本開示の全体は様々な実施形態の例を例示的に示しており、これらの実施形態では、特許請求された発明を実施することができ、喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置とともに使用するための優れた物品と、それを備えた優れたシステムとが提供されている。本開示の利点及び特徴は、実施形態のうち代表的な例のものにすぎず、すべての利点や特徴を網羅したものでもなければ、他の利点や特徴を排除するものでもない。これらは、特許請求の範囲などに開示される特徴の理解と教示を助けるためだけに提示されている。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の側面は、特許請求の範囲によって規定されたとおりに本開示を限定するもの、あるいは特許請求の範囲の均等物を制限するものと考えるべきではなく、本開示の範囲や趣旨から逸脱することなく他の実施形態を利用し、変形を施すことができることを理解されたい。様々な実施形態が、開示された要素、構成、特徴、部品、ステップ、手段などの様々な組合せを適切に備え、それらのみから構成され、あるいは実質的にそれらのみから構成されてもよい。本開示は、特許請求の範囲に現在は記載されていないが将来記載される可能性のある他の発明を含む可能性がある。
【符号の説明】
【0104】
1、2、3…物品、22…加熱材のコイル、100…装置、111…境界面、112…磁場発生器、114…変動磁場を発生させるためのコイル。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に明細書本文に記載し図面に示した通りの物品及びシステム。
【外国語明細書】