(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183246
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】取り外し可能なヒーターを備えるエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20221201BHJP
A24F 40/85 20200101ALI20221201BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20221201BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/85
A24F40/42
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022165517
(22)【出願日】2022-10-14
(62)【分割の表示】P 2020168269の分割
【原出願日】2015-07-10
(31)【優先権主張番号】14176829.1
(32)【優先日】2014-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
(72)【発明者】
【氏名】ヘダーシェ ステファーヌ
(57)【要約】
【課題】取り外し可能なヒーターを備えるエアロゾル発生システムを提供する。
【解決手段】エアロゾル発生装置、取り外し可能なエアロゾル形成カートリッジおよび取り外し可能なヒーターを備える電気的に作動するエアロゾル発生システムが提供され、取り外し可能なエアロゾル形成カートリッジおよび取り外し可能なヒーターが互いに分離して提供される。エアロゾル形成カートリッジは、少なくとも1つのエアロゾル形成基体を備え、ヒーターは、少なくとも1つの電気ヒーター要素および該少なくとも1つの電気ヒーター要素に接続された第1の電気接点を備える。エアロゾル発生装置は、主くぼみを画定する本体ならびにエアロゾル形成カートリッジおよび主くぼみ内のヒーターを受ける少なくとも1つの開口部を備える。また、エアロゾル発生装置は、電源および該電源に接続された第2の電気接点を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的に作動するエアロゾル発生システムであって、エアロゾル発生装置と、取り外し可能なエアロゾル形成カートリッジと、取り外し可能なヒーターを備え、前記取り外し可能なエアロゾル形成カートリッジと前記取り外し可能なヒーターは互いに別々に提供され、前記エアロゾル形成カートリッジは、少なくとも1つのエアロゾル形成基体を具備し、前記ヒーターは、少なくとも1つの電気ヒーター要素と、前記少なくとも1つの電気ヒーター要素に接続された第1の電気接点を具備する、前記電気的に作動するエアロゾル発生システムであって、
主くぼみならびに前記エアロゾル形成カートリッジおよび前記主くぼみ内の前記ヒーターを受ける少なくとも1つの開口部を画定する本体と、
電源と、
電源に接続される第2の電気接点とを備える、前記エアロゾル発生装置を備え、
前記エアロゾル形成カートリッジおよび前記ヒーターの両方が前記主くぼみ内に受けられるとき、前記第1の電気接点が前記第2の電気接点と接触して、前記ヒーターが前記エアロゾル形成基体を加熱するように配置され、
前記エアロゾル形成カートリッジおよび前記ヒーターは実質的に平面で、前記主くぼみ内に一緒に受けられるとき、前記エアロゾル形成カートリッジおよび前記ヒーターが実質的に平行で互いに近接するように、前記主くぼみ、前記エアロゾル形成カートリッジおよび前記ヒーターを配置する、システム。
【請求項2】
前記ヒーターおよび前記エアロゾル形成カートリッジが互いに取り外し可能なように接続されるように構成され、エアルゾル形成ヒーター組立品を形成し、前記主くぼみおよび前記少なくとも1つの開口部が前記エアロゾル形成ヒーター組立品を受けるように構成される、請求項1に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記エアロゾル形成カートリッジおよび前記ヒーターが前記エアロゾル形成ヒーター組立品を形成するように互いに取り外し可能なように接続されるとき、前記エアロゾル形成カートリッジが少なくとも部分的に加熱くぼみ内にあるように、前記ヒーターが、前記エアロゾル形成カートリッジを取り外し可能なように受ける前記加熱くぼみを備える、請求項2に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの開口部が単一開口部であり、前記開口部および前記主くぼみのうちの少なくとも1つが、エアロゾル形成ヒーター組立品を前記主くぼみ内の正しい位置に案内する、案内スロット、溝、レールまたは突出部のうちの少なくとも1つを備える、請求項2または3に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの開口部および前記主くぼみが、前記ヒーターおよび前記エアロゾル形成カートリッジの両方を別々に受けるように構成される、請求項1に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記主くぼみおよび前記少なくとも1つの開口部のうちの少なくとも1つが、前記エアロゾル形成カートリッジおよび前記ヒーターのそれぞれを前記主くぼみ内の正しい位置に案内する、案内スロット、溝、レールまたは突出部のうちの少なくとも1つを備える、請求項5に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの開口部が、前記エアロゾル形成カートリッジを受ける第1のスロットおよび前記ヒーターを受ける第2のスロットを備える、請求項5または6に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記エアロゾル形成カートリッジは前記第1のスロットのみに挿入することができ、また前記ヒーターは前記第2のスロットのみに挿入することができるように、前記第1のスロットおよび第2のスロット、前記ヒーターおよび前記エアロゾル形成カートリッジが、それぞれ寸法設定される、請求項7に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記エアロゾル形成カートリッジおよび前記ヒーターが両方とも前記主くぼみ内に受けられるとき、前記エアロゾル形成カートリッジ、前記ヒーターおよび前記エアロゾル発生装置のうちの少なくとも1つが、前記エアロゾル形成基体の少なくとも一部を加熱するように配置された追加のヒーターをさらに備える、請求項1~8のいずれか1項に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記追加のヒーターは、第3の電気接点に接続され、前記エアロゾル発生装置は、前記電源に接続する第4の電気接点をさらに備え、前記エアロゾル形成カートリッジおよび前記ヒーターが両方とも前記主くぼみ内に受けられるとき、前記第3および第4の電気接点が互いに接触する、請求項9に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの電気ヒーター要素が、前記第1の電気接点に接続される第1の電気ヒーター要素を備え、前記追加のヒーターが、前記ヒーター内に設けられ前記第3の電気接点に接続された第2の電気ヒーター要素を備え、前記エアロゾル形成カートリッジおよび前記ヒーターが両方とも前記主くぼみ内に受けられるとき、前記第1および第2の電気ヒーター要素が前記エアロゾル形成カートリッジの異なる部分を加熱するように配置される、請求項10に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記ヒーターが、電気的に絶縁された基体を備え、前記少なくとも1つの電気ヒーター要素が、前記電気的に絶縁された基体上に配置された1つ以上の実質的に平面のヒーター要素を備える、請求項1~11のいずれか1項に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記取り外し可能なヒーターが前記主くぼみに挿入されるとき、前記取り外し可能なヒーターが、前記エアロゾル発生装置と通信するように配置されたデータ保存媒体を備える、請求項1~12のいずれか1項に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記エアロゾル発生装置および前記データ保存媒体が、前記取り外し可能なヒーターが使用された加熱周期の回数を表すデータ保存媒体上のデータを保存するように構成される、請求項13に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【請求項15】
前記エアロゾル形成基体がニコチンを含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の電気的に作動するエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は取り外し可能なヒーターを備えるエアロゾル発生システムに関連する。本発明は、ニコチン含有エアロゾル形成基体を加熱するためのエアロゾル発生システムとして特に適用可能であることが見出される。
【背景技術】
【0002】
一つのタイプのエアロゾル発生システムは、電気的に作動する喫煙システムである。電気ヒーターからなる手持ち式の電気的に作動する喫煙システムと、電池および制御電子回路を含むエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成カートリッジは、既知である。一部の事例では、電気ヒーターは、エアロゾル発生装置の一部を形成する。しかし、電気ヒーターは使用中にエアロゾル形成基体からの材料で汚れ、また装置内部の電気ヒーターを清掃することは、困難であり得る。場合によっては、ヒーターが適切に清掃できない場合、装置全てを廃棄することが必要であり得る。他の実施例では、電気ヒーターを使用後にカートリッジと一緒に廃棄するように、電気ヒーターをエアロゾル形成カートリッジ内に組み込むことでこの課題を解決しようとする。しかし、これによりヒーターを清掃する必要はなくなるが、全てのカートリッジにヒーターを組み込むことが必要なので、システムを製造する費用が著しく増加する。
【0003】
したがって、装置およびカートリッジを製造する費用を最小化すると同時に、ヒーターの汚れの問題に対処する電気的に作動するエアロゾル発生システムを製造することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明にしたがって、取り外し可能なエアロゾル形成カートリッジおよび取り外し可能なヒーターが互いに別々に提供される、エアロゾル発生装置、取り外し可能なエアロゾル形成カートリッジおよび取り外し可能なヒーターを備える電気的に作動するエアロゾル発生システムを提供する。エアロゾル形成カートリッジは、少なくとも1つのエアロゾル形成基体を備え、ヒーターは、少なくとも1つの電気ヒーター要素および少なくとも1つの電気ヒーター要素に接続された第1の電気接点を備える。エアロゾル発生装置は、主くぼみを画定する本体ならびにエアロゾル形成カートリッジおよび主くぼみ内のヒーターを受ける少なくとも1つの開口部を備える。また、エアロゾル発生装置は、電源および電源に接続された第2の電気接点を備える。エアロゾル形成カートリッジおよびヒーターは、両方とも主くぼみ内に受けられ、第1の電気接点は第2の電気接点と接触し、ヒーターは、エアロゾル形成基体を加熱するよう配置される。エアロゾル形成カートリッジおよびヒーターは、実質的に平面で、主くぼみ内に一緒に受けられると、エアロゾル形成カートリッジおよびヒーターが、実質的に平行、かつ互いに近接して配置されるように、主くぼみ、エアロゾル形成カートリッジおよびヒーターは、配置される。
【0005】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生システム」という用語は、本明細書でさらに説明され図示されるように、エアロゾル発生装置、エアロゾル形成カートリッジおよびヒーターを指す。本システム内で、装置、カートリッジおよびヒーターは、協働してエアロゾルを発生する。
【0006】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル形成カートリッジおよびヒーターと相互作用してエアロゾルを発生する装置を指す。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成カートリッジを加熱するヒーターを作動するための電源を含む。
【0007】
本明細書で使用される場合、「カートリッジ」という用語は、エアロゾル発生装置と結合するように構成され、単一ユニットとして結合と分離が可能な単一ユニットとして組み立てられた消耗品を指す。
【0008】
本明細書で使用される時、「エアロゾル形成カートリッジ」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する少なくとも1つのエアロゾル形成基体を含むカートリッジを指す。例えば、エアロゾル形成カートリッジは、エアロゾルを発生する喫煙物品であってもよい。
【0009】
本明細書に使用される場合、「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出することができる基体を説明するために使用される。本発明によるエアロゾル形成カートリッジのエアロゾル形成基体から生成されるエアロゾルは、目に見えても、または見えなくてもよく、蒸気(例えば、室温にて通常、液体または固体である、気体状態にある、物質の微粒子)、ならびに気体および凝縮された蒸気の液滴を含んでもよい。
【0010】
本明細書で使用される場合、「実質的に平面の」という用語は、厚さの幅に対する比が少なくとも1:2である構成要素を指す。厚さの幅に対する比が、構成要素を曲げたり折ったりする危険を最小化するために、約1:20未満であることが好ましい。
【0011】
有利なことには、実質的に平面のヒーターおよび実質的に平面のカートリッジを設けると、装置へのヒーターおよびカートリッジの挿入が容易になる。さらに、平面の構成要素は、製造中に容易に取り扱うことができる。加えて、エアロゾル形成基体が実質的に平面であるとき、かつ空気の流れをエアロゾル形成基体の幅、長さ、またはその両方にわたって引き出すように配置したときに、エアロゾル形成基体からのエアロゾルの発生が改善されることが分かってきた。
【0012】
ヒーターおよびカートリッジが一緒に主くぼみに受けられるとき、それらが実質的に平行でかつ互いに近接するように主くぼみ、ヒーターおよびカートリッジを配置することにより、ヒーターとカートリッジの間の最適な接触を確保し、その結果、ヒーターからカートリッジへの熱転送を最大にするので有利である。また、この配置により、くぼみのサイズを最小化でき、したがって、エアロゾル発生システム全体のサイズも最小化する。
【0013】
エアロゾル発生装置およびエアロゾル形成カートリッジの両方から分離し、取り外し可能な構成要素としてヒーターを設けることにより、エアロゾル形成基体からの材料でヒーターが汚れてきた際に、本発明によるシステムがヒーターを清掃することも容易になる。さらに、ヒーターを複数のエアロゾル形成カートリッジで使うことができるので、各使い捨て可能なカートリッジがヒーター要素を含む既知のシステムに比べて、本システムの費用対効果をより高くする。さらに、必要に応じて、本発明によるシステムのヒーターは、ユーザーがエアロゾル発生装置を取り替える必要なく、取り換えることが可能である。したがって、複数の異なるヒーターを使用して、ただ一つのエアロゾル発生装置を使用する複数の異なるエアロゾル形成物品を加熱することも可能である。
【0014】
好ましい実施形態では、ヒーターが、少なくとも5個のエアロゾル形成カートリッジを、より好ましくは少なくとも10個のエアロゾル形成カートリッジを、さらに好ましくは少なくとも15個のエアロゾル形成カートリッジを、最も好ましくは少なくとも20個のエアロゾル形成カートリッジを加熱するために使用することができる。さらに、または、あるいは、ヒーターが加熱するために使用できるエアロゾル形成カートリッジは、30個未満であり、好ましくは25個未満、最も好ましいのは20個未満である。一部の実施形態では、エアロゾル発生装置が特定のヒーターによって加熱されたエアロゾル形成カートリッジ物品の数を監視するように構成される。これらの実施形態では、所定の回数の加熱周期後、ヒーターを清掃または交換することをユーザーに促すよう構成されてもよい。さらに、または、あるいは、ヒーターが清掃または交換のため取り外されるまで、装置は、そのさらなる動作を妨げるよう構成されてもよい。ヒーターが装置から取り外されて再挿入されても、ヒーターが、エアロゾル発生装置が特定のヒーターを使用した加熱周期の回数の記録を保持できるようにデータ保存装置を備えてもよい。記録は、ヒーターのデータ保存装置に記録されてもよい。あるいは、ヒーターのデータ保存装置は、異なるヒーター間を見分けて識別するためにエアロゾル発生装置が使用することのできる一意的なデータセットを備え、エアロゾル発生装置は、装置と共に使用される各ヒーターの加熱周期の回数を記録する第2のデータ保存装置を備えてもよい。
【0015】
上述の実施形態のいずれにおいても、ヒーターおよびエアロゾル形成カートリッジが互いに取り外し可能なように接続されるように構成されてエアロゾル形成ヒーター組立品を形成してもよい。これらの実施形態では、主くぼみおよび少なくとも1つの開口部がエアロゾル形成ヒーター組立品を受けられるように構成される。ヒーターおよびエアロゾル形成カートリッジが装置に挿入される前に組み合わされるこの構成では、ヒーターとエアロゾル形成カートリッジのうちの少なくとも1つが相対的に薄い実施形態において、特に有利であってもよい。具体的には、ヒーターとエアロゾル形成カートリッジの組み合わせは各構成要素それぞれより厚いので、一つの組立品としてヒーターとカートリッジの両方を装置に入れることで、ヒーターとカートリッジのうちの少なくとも1つを曲げたり破損したりする危険を減らすことができる。
【0016】
ヒーターおよびエアロゾル形成カートリッジが互いに取り外し可能なように接続してエアロゾル形成ヒーター組立品を形成することができる実施形態では、エアロゾル形成カートリッジとヒーターが互いに取り外し可能なように接続するとき、エアロゾル形成カートリッジが少なくとも一部分加熱くぼみ内にあるようにエアロゾル形成カートリッジを取り外し可能なように受ける加熱くぼみを、ヒーターが備えてもよい。カートリッジを挿入する加熱くぼみを利用することにより、カートリッジとヒーターの間の接続を容易に確実にすることができる。また、加熱くぼみを使用することにより、システム作動中にヒーターからエアロゾル形成基体への熱転送を最適化することができる。
【0017】
さらに、カートリッジがヒーターと接続するとき、加熱くぼみは、また、エアロゾル形成基体を配置する気流くぼみを形成してもよい。気流くぼみは、空気吸込み口と空気出口の間に、エアロゾル発生システムを貫通する空気流れを制御するよう構成される気流チャネルを形成してもよい。例えば、空気が気流チャネルを通って引き込まれるとき、乱流境界層空気流を発生するように構成された1つ以上の流れかく乱デバイスを気流チャネルの内壁表面が、備えてもよい。
【0018】
ヒーターとエアロゾル形成カートリッジが互いに取り外し可能なように接続してエアロゾル形成ヒーター組立品を形成することができる上述の実施形態のいずれにおいても、少なくとも1つの開口部が単一開口部であってもよく、開口部および主くぼみの少なくとも1つが、エアロゾル形成ヒーター組立品を主くぼみ内の正しい位置に案内する、案内スロット、溝、レールまたは突出部のうちの少なくとも1つを備える。
【0019】
互いに取り外し可能なように接続してエアロゾル形成ヒーター組立品を形成することができるヒーターおよびエアロゾル形成カートリッジの代替として、少なくとも1つの開口部および主くぼみがヒーターとエアロゾル形成カートリッジの両方を別々に受けるように構成されてもよい。すなわち、装置は、ヒーターとカートリッジの両方を同時に受けることができるが、ヒーターおよびカートリッジをそれぞれ独立して装置に挿入し、取り外すことができる。有利なことには、この構成では、エアロゾル形成カートリッジを交換するたびにヒーターを取り外し、再挿入する必要がなくなる。代わりに、ヒーターを清掃または交換のために取り外す必要が来るまで、ヒーターは複数のエアロゾル形成カートリッジと使用するために装置内に留まることができる。
【0020】
ヒーターおよびエアロゾル形成カートリッジが独立してエアロゾル発生装置内に挿入され、そこから取り外される実施形態では、主くぼみおよび少なくとも1つの開口部のうちの少なくとも1つが、エアロゾル形成カートリッジおよびヒーターのそれぞれを主くぼみ内の正しい位置に案内するための案内スロット、溝、レールまたは突出部のうちの少なくとも1つを備えるのが好ましい。
【0021】
さらに、または、あるいは、少なくとも1つの開口部が、エアロゾル形成カートリッジを受けるための第1のスロットおよびヒーターを受けるための第2のスロットを備えてもよい。これらの実施形態では、第1および第2のスロット、ヒーターおよびエアロゾル形成カートリッジが、エアロゾル形成カートリッジは第1のスロットだけに挿入でき、ヒーターは第2のスロットだけに挿入できるようにそれぞれ寸法形成されるのが望ましい。したがって、そのような構成では、装置、ヒーターおよびエアロゾル形成カートリッジのうちの少なくとも1つに損傷を与える可能性がある、エアロゾル形成カートリッジおよびヒーターのうちの1つまたは両方を装置の間違ったスロットにユーザーが挿入することを防ぐ。例えば、第1のスロットおよびエアロゾル形成カートリッジはそれぞれ最大幅および最大高さを備え、第2のスロットおよびヒーターはそれぞれ第1のスロットおよびエアロゾル形成カートリッジの最大幅より広い最大幅を備え、第2のスロットおよびヒーターはそれぞれ第1のスロットおよびエアロゾル形成カートリッジの最大高さより低い最大高さを備えてもよい。
【0022】
さらに、エアロゾル発生システムはヒーターおよびカートリッジが装置の正しいスロットに挿入されたかどうかを判定する電子的手段を備えてもよい。例えば、装置は第1のスロットおよび第2のスロットのそれぞれに挿入された構成要素にかかる電気的負荷を測定するように構成されてもよい。測定された電気的負荷に基づいて、装置は、ヒーターおよびカートリッジが正しいスロットに挿入されたかどうかを判定することができる。ヒーターおよびカートリッジが間違ったスロットに挿入された場合、装置を作動することができないように構成するのが好ましい。ヒーターおよびカートリッジが間違ったスロットに挿入されたことをユーザーに通知する表示器を装置が備えることが望ましい。
【0023】
上述の実施形態のいずれにおいても、エアロゾル形成カートリッジ、ヒーターおよびエアロゾル発生装置のうちの少なくとも1つが、エアロゾル形成カートリッジとヒーターの両方が主くぼみ内に受けられたとき、エアロゾル形成基体の少なくとも一部を加熱するように配置された追加のヒーターをさらに備えてもよい。これらの実施形態では、追加のヒーターは第3の電気接点に接続されてもよく、エアロゾル発生装置は、電源に接続される第4の電気接点をさらに備え、エアロゾル形成カートリッジとヒーターの両方が主くぼみ内に受けられると、第3および第4の電気接点が、互いに接触する。
【0024】
一部の実施形態では、ヒーターが1次ヒーターを形成し、追加のヒーターが2次ヒーターまたはブースタヒーターを形成してもよい。すなわち、1次ヒーターはエアロゾル形成基体を第1の温度に加熱し、追加のヒーターが選択的な追加の熱入力を実現し、選択的にエアロゾル形成基体をより高い第2の温度に上げてもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、異なる加熱プロファイルを要求するそれぞれが異なるエアロゾル形成基体を備える2つ以上の異なる型のエアロゾル形成カートリッジと作動するよう構成されてもよい。これらの実施形態では、追加のヒーターは、所定の型式のエアロゾル形成カートリッジが装置に挿入されたときだけ、エアロゾル形成基体をより高い、第2の温度に加熱するよう構成されてもよい。あるいは、追加のヒーターを装置の動作期間中にユーザーが選択的に作動して、ユーザーへのエアロゾルの送達量を一時的に増加してもよい。
【0025】
あるいは、各エアロゾル形成カートリッジ上の少なくとも1つのエアロゾル形成基体は、2つ以上のエアロゾル形成基体を備えてもよく、ヒーターおよび追加のヒーターが異なるエアロゾル形成基体を順次加熱して、システムの動作期間全般にわたって、均一なエアロゾルの送達を行うための連続ヒーターとして構成される。
【0026】
一部の実施形態では、少なくとも1つの電気ヒーター要素が、第1の電気接点に接続された第1の電気ヒーター要素を備え、追加のヒーターが、ヒーター内に設けられ第3の電気接点に接続された第2の電気ヒーター要素を備え、エアロゾル形成カートリッジとヒーターの両方が主くぼみ内に受けられる時、第1および第2の電気ヒーター要素が、エアロゾル形成カートリッジの異なる部分を加熱するように配置される。この構成は、上述のように、2つ以上のエアロゾル形成基体を備えるエアロゾル形成カートリッジに特に適する。
【0027】
上述の実施形態のいずれにおいても、ヒーターは電気的に絶縁された基体を備え、少なくとも1つの電気ヒーター要素が電気的に絶縁された基体上に配置された1つ以上の実質的に平面のヒーター要素を備える。基体は、可撓性であってもよい。基体は、高分子であってもよい。基体は、多層高分子材料であってもよい。1つ以上の発熱体が、基体内の1つ以上の開口部にまたがって延びてもよい。
【0028】
使用においては、ヒーターは、伝導、対流、輻射のうちの1つまたは複数によって、エアロゾル形成基体を加熱するよう配置されてもよい。ヒーターは、伝導を用いてエアロゾル形成基体を加熱してもよく、少なくともエアロゾル形成基体と部分的に接触してもよい。別の方法として、あるいは、追加の方法として、ヒーターからの熱は熱伝導性要素を用いてエアロゾル形成基体に伝導されてもよい。別の方法として、あるいは、追加の方法として、ヒーターは、使用中のカートリッジを通って引き込まれて、またはカートリッジを通り越して、入ってくる外気に熱を伝達してもよく、これが対流によってエアロゾル形成基体を加熱する。
【0029】
ヒーターは、少なくとも部分的にエアロゾル形成基体に挿入するための内部電気発熱体を備えてもよい。内部発熱体は、エアロゾル形成材料に挿入するのに好適なものである。あるいは、または、さらに、電気ヒーターが外部発熱体を備えてもよい。「外部発熱体」という用語は、少なくとも部分的にエアロゾル形成カートリッジを囲繞するものを指す。ヒーターは、1つ以上の内部発熱体および1つ以上の外部発熱体を備えてもよい。ヒーターは、単一の発熱体を有しうる。別の方法として、発熱体は2つ以上の発熱体を備えうる。
【0030】
少なくとも1つの発熱体は、電気抵抗性の材料を含んでもよい。適切な電気抵抗性の材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金およびセラミック材料および金属材料でできた複合材料が挙げられるが、これに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含む場合がある。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープシリコン炭化物が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な合金の例は、ステンレス鋼、ニッケル-、コバルト-、クロミウム-、アルミニウム-チタン-ジルコニウム-、ハフニウム-、ニオビウム-、モリブデン-、タンタル-、タングステン-、スズ-、ガリウム-、マンガン-および鉄を含有する合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)および鉄-マンガン-アルミニウム系の合金を含む。複合材料では、電気抵抗性の材料は、必要なエネルギー移動の動態学および外部の物理化学的性質に応じて、随意に断熱材料へ埋込、封入、または塗布されてもよく、あるいはその逆であってもよい。別の方法として、ヒーターは赤外線発熱体、光子供給源、または誘導発熱体を備えうる。
【0031】
ヒーターは任意の適切な形態をとりうる。例えば、ヒーターは発熱ブレードの形態をとる場合がある。別の方法として、ヒーターは、異なる導電性部分または電気抵抗性の金属チューブを持つケーシングまたは基体の形態をとりうる。別の方法として、ヒーターは、エアロゾル形成基体の中心を貫通する1つ以上の発熱針または発熱棒を備えてもよい。あるいは、ヒーターは、ディスク型の(末端の)ヒーターまたは発熱針または棒を備えるディスク型ヒーターの組み合わせであってもよい。ヒーターは、ステンレス鋼などの、1つ以上の電気抵抗性の材料の打ち抜き部でもよい。その他の代替物は、例えばNi-Cr(ニッケル・クロム)、プラチナ、タングステンまたは金属製のワイヤまたは加熱板など、加熱用のワイヤまたはフィラメントを含む。
【0032】
所定の好ましい実施形態では、ヒーターは複数の導電性フィラメントを備える。複数の導電性フィラメントは、フィラメントのメッシュまたはアレイを形成してもよく、または織物または不織布を含んでもよい。
【0033】
導電性フィラメントはフィラメント間の隙間を画定でき、隙間の幅は10μm~100μmとしうる。フィラメントは、隙間内に毛細管作用を引き起こさせることが好ましく、その結果、ヒーターが液体含有エアロゾル形成基体と接触して配置されると、気化されることになる液体が隙間内に引き込まれてヒーター組立品と液体の間の接触面積が増える。導電性フィラメントは160~600メッシュ(アメリカ式)(+/-10%)(すなわち、1インチ当たりのフィラメント数が160~600個(+/-10%))のサイズのメッシュを形成しうる。隙間の幅は75μm~25μmが好ましい。メッシュの合計面積に対する隙間の面積の比であるメッシュの開口部分の面積率は25%~56%が好ましい。メッシュは異なるタイプの織物または格子の構造を使用して形成してもよい。導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維はまた、当業界において周知の通り、液体を保持するその能力によって特性付けられうる。導電性フィラメントの直径は10μm~100μmとすることができ、8μm~50μmであることが好ましく、8μm~39μmであることがより好ましい。フィラメントは、丸い断面を有してもよく、または平坦な断面を有してもよい。ヒーターフィラメントは、シート材料(箔など)のエッチングによって形成されうる。これは、ヒーターが一連の平行のフィラメントを含む時、特に有利でありうる。ヒーターがメッシュまたはフィラメントの織物を含む場合、フィラメントは個別に形成され、まとめて編まれうる。導電性フィラメントは、メッシュ、アレイまたは繊維として提供されうる。導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維の面積は、手持ち式システムへの組み込みが許容されるよう、小さくて、25mm2以下であることが好ましい。導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維は、例えば長方形で5mm×2mmの寸法を持つものでもよい。導電性フィラメントのメッシュまたはアレイは、ヒーターの面積の10%~50%の面積を覆うことが好ましい。導電性フィラメントのメッシュまたはアレイは、ヒーターの面積の15~25%の面積を覆うことがより好ましい。
【0034】
一実施形態では、電気ヒーターの1つ以上の発熱体が約セ氏180度~310度の間の温度に到達するまで、電気エネルギーが電気ヒーターに供給される。任意の好適な温度センサおよび制御回路が、1つ以上の発熱体の発熱を制御して、所要の温度に達するために使用されてもよい。このことは、たばこおよび紙巻たばこラッパーの燃焼がセ氏800℃に達しうる従来的な紙巻たばことは対照的である。
【0035】
好ましくは、電気ヒーターと少なくとも1つのエアロゾル形成基体の間の解消間隔は50μm未満であり、カートリッジは、電気ヒーターとエアロゾル形成基体の間の間隔が毛細繊維の層1つ以上であることが好ましい。
【0036】
ヒーターは、少なくとも1つのエアロゾル形成基体の上に1つ以上の発熱体を備えてもよい。あるいは、ヒーターは、少なくとも1つのエアロゾル形成基体の下に1つ以上の発熱体を備えてもよい。この構成により、エアロゾル形成基体の加熱とエアロゾルの放出がエアロゾルカートリッジの両側で起こる。これは、たばこ含有材料を含むエアロゾル形成基体にとって、特に効果的であることがわかってきた。ある一定の実施形態において、ヒーターが、エアロゾル形成基体の両側に近接して配置される1つ以上の発熱体を備える。発熱体は、エアロゾル形成基体の異なる部分を加熱するように配置される複数の発熱体を備えるのが好ましい。特定の好ましい実施形態では、少なくとも1つのエアロゾル形成基体が、基層上に別々に配置された複数のエアロゾル形成基体を備え、かつ、ヒーターが、複数のエアロゾル形成基体のうちの異なる1つを加熱するようにそれぞれが配置される複数の発熱体を備える。
【0037】
上述の実施形態のいずれにおいても、少なくとも1つのエアロゾル形成基体が、ニコチンを含んでもよい。例えば、少なくとも1つのエアロゾル形成基体は加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含む、たばこ含有材料を含みうる。
【0038】
少なくとも1つのエアロゾル形成基体が、加熱に伴いエアロゾルを発生する物資である、エアロゾル形成体を備えるのが好ましい。エアロゾル形成体は、例えば、ポリオールアエロゾル形成体または非ポリオールエアロゾル形成体であってもよい。常温で個体または液体であるが、好ましくは、常温で液体である。好適なポリオールは、プロピレングリコールまたはトリエチレングリコールなどのソルビトール、グリセロールおよびグリコールを含む。好適なノンポリオールは、メンソールなどの一価アルコール、高沸点炭化水素、乳酸などの酸、ジアセチン、トリアセチン、クエン酸トリエチルまたはミリスチン酸イソプロピルなどのエステルを含む。また、ステアリン酸メチルなどの脂肪族カルボン酸エステル、ドデカンニ酸ジメチルおよびテトラデカンニ酸ジメチルをエアロゾル形成体として用いてもよい。エアロゾル形成体の組み合わせを均等、または、異なる割合で用いてもよい。ポリエチレングリコールおよびグリセロールは、特に好ましいかもしれず、トリアセチンは安定させることがより難しい一方で、製品内での移動を防ぐために封入する必要があるかもしれない。少なくとも1つのエアロゾル形成基体は、ココア、リコリッシュ、有機酸、またはメンソールなどの1つ以上の香料を含んでもよい。
【0039】
少なくとも1つのエアロゾル形成基体は固体の基体であってもよい。固体基体は、例えば、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこおよび膨化たばこのうち1つ以上を含む、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートのうち一つ以上を含みうる。随意に、固体基体は、基体の加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含みうる。任意に、固体基体は、例えば、追加のたばこ、または非たばこ揮発性風味化合物を含むカプセルを含んでもよい。そのようなカプセルは、個体エアロゾル形成基体の加熱中に溶解し得る。あるいは、または、さらに、そのようなカプセルは、個体エアロゾル形成基体の加熱の前、加熱中、または加熱後に粉砕されてもよい。
【0040】
少なくとも1つのエアロゾル形成基体が均質化したたばこ材料を含む固体基体を含む場合、均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成され得る。均質化したたばこは、シートの形態としうる。均質化したたばこ材料は、乾燥質量で5%より多いエアロゾル形成体含有量を持ちうる。別の方法では、均質化したたばこ材料は、乾燥質量で約5~約30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を持ちうる。均質化したたばこ材料のシートは、たばこの葉薄片およびたばこの葉茎のうちの1つまたは両方を研削、または粉砕することにより取得された、粒子状たばこを凝集することにより形成されてもよく、あるいは、または、さらに、複数枚の均質化したたばこ材料は、例えば、たばこの処理中、荷役中、および出荷中などに形成された、たばこの粉末、たばこの微粉、および他の粒子のたばこ副産物のうちの1つ以上を含んでもよい。均質化したたばこ材料のシートは、粒子状たばこを凝集するのを補助するために1つ以上の固有の結合剤を含んでもよく、それはたばこ内因性結合剤、1つ以上の外因性結合剤であり、それはたばこ外来性結合剤またはそれらの組み合わせである。別の方法として、または加えて、均質化したたばこ材料のシートは、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成剤、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填剤、水性および非水性の溶媒およびこれらの組み合わせを含むが限定されないその他の添加剤を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこおよびコンベヤーベルトまたはその他の支持表面上の1つ以上の結合剤を含むスラリーを鋳込み、均質化したたばこ材料シートを形成するために鋳込まれたスラリーを乾燥させ、均質化したたばこ材料シートを支持表面から除去することを一般的に含むタイプの鋳造過程により形成されることが好ましい。
【0041】
随意に、固体の基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもまたはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートなどの形態をとりうる。別の方法として、担体は、その内側表面上(第US-A-5 505 214号、第US-A-5 591 368号および第US-A-5 388 594号で開示されているものなど)、またはその外側表面上、またはその内側および外側の表面両方に配置された固体基体の薄い層を持つ、管状の担体としうる。こうした管状の担体は、例えば、紙、または紙様の材料、不織布炭素繊維マット、質量の小さく目の粗いメッシュ金属スクリーン、または穴あきの金属箔またはその他の任意の熱的に安定した高分子マトリクスで形成しうる。固体の基体は、例えば、シート、泡、ゲルまたはスラリーの形態で担体の表面上に沈着してもよい。固体の基体は、担体の全表面上に沈着してもよく、または代わりに、使用の間、所定のまたは均一でない風味送達を提供するために一定のパターンにおいて沈着してもよい。別の方法として、担体は、第EP-A-0 857 431号に説明されているものなど、たばこ成分が組み込まれた不織布繊維または繊維の束としうる。不織布繊維または繊維の束は、例えば、炭素繊維、天然セルロース繊維、またはセルロース誘導体繊維を含みうる。
【0042】
個体たばこベースのエアロゾル形成基体の代わりに、少なくとも1つのエアロゾル形成基体は、液体基体を含んでもよく、カートリッジが1つ以上の容器などの液体基体を保持するための手段を備えてもよい。別の方法としてまたはさらに、カートリッジは、第WO-A-2007/024130号、第WO-A-2007/066374号、第EP-A-1 736 062号、第WO-A-2007/131449号および第WO-A-2007/131450号に説明のある通り、その内部に液体基体が吸収されうる多孔性担体材料を含みうる。
【0043】
液体基体は、ニコチン、ニコチン塩基、ニコチン塩(ニコチン-HCl、ニコチン酒石酸塩、またはニコチン二酒石酸塩など)、またはニコチン誘導体のうちの1つ以上を含むニコチン源が好ましい。
【0044】
ニコチン供与源は天然ニコチンまたは合成ニコチンを含んでもよい。
【0045】
ニコチン供与源は純粋なニコチン、水性溶剤または非水性溶剤中のニコチン溶液、あるいは液体たばこ抽出物を含んでもよい。
【0046】
ニコチン供与源は電解質形成化合物をさらに含んでもよい。電解質形成化合物はアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、およびこれらの組み合わせから成る群より選択されてもよい。
【0047】
例えば、ニコチン供与源は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酸化リチウム、酸化バリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸アンモニウムおよびこれらの組み合わせから成る群より選択された電解質形成化合物を含んでもよい。
【0048】
ある一定の実施形態において、ニコチン供与源はニコチン、ニコチン塩基、ニコチン塩、またはニコチン誘導体および電解質形成化合物の水溶液を含んでもよい。
【0049】
別の方法としてまたは追加的に、ニコチン供与源は、天然風味、人工風味、および酸化防止剤が挙げられるがこれに限定されない他の構成成分をさらに含んでもよい。
【0050】
ニコチン含有エアロゾル形成基体に加えて、エアロゾル形成カートリッジは、気相のニコチンと反応してユーザーへのニコチンの送達を促進する揮発性送達促進化合物供与源をさらに含んでもよい。
【0051】
揮発性送達促進化合物は単一の化合物を含んでいてもよい。あるいは、揮発性送達促進化合物は2つ以上の異なる化合物を含んでいてもよい。
【0052】
揮発性送達促進化合物は揮発性液体であるのが好ましい。
【0053】
揮発性送達促進化合物は、1つ以上の化合物の水溶液を含んでもよい。あるいは、揮発性送達促進化合物は、1つ以上の化合物の非水溶液を含んでもよい。
【0054】
揮発性送達促進化合物は2つ以上の異なる揮発性化合物を含む場合がある。例えば、揮発性送達促進化合物は、2つ以上の異なる揮発性液体化合物の混合物を含んでもよい。
【0055】
あるいは、揮発性送達促進化合物は、1つ以上の不揮発性化合物および1つ以上の揮発性化合物を含んでもよい。例えば、揮発性送達促進化合物は、揮発性溶剤中の1つ以上の不揮発性化合物の溶液、または1つ以上の不揮発性液体化合物と1つ以上の揮発性液体化合物との混合物を含んでもよい。
【0056】
一実施形態では、揮発性送達促進化合物は酸を含む。揮発性送達促進化合物は有機酸または無機酸を含んでもよい。揮発性送達促進化合物は有機酸を含むことが好ましく、カルボン酸がより好ましく、α-ケト酸または2-オキソ酸が最も好ましい。
【0057】
好ましい実施形態で、揮発性送達促進化合物は、3-メチル-2-オキソペンタン酸、ピルビン酸、2-オキソペンタン酸、4-メチル-2-オキソペンタン酸、3-メチル-2-オキソブタン酸、2-オキソオクタン酸およびこれらの組み合わせから成る群より選択される酸を含む。特に好ましい実施形態で、揮発性送達促進化合物はピルビン酸を含む。
【0058】
個体または液体エアロゾル形成基体の代替として、少なくとも1つのエアロゾル形成基体は、例えば、ガス基体、ジェル基体、または説明された様々な基体タイプの任意の組み合わせなど、その他任意の種類の基体としうる。
【0059】
上述の実施形態のいずれにおいても、少なくとも1つのエアロゾル形成基体が単一のエアロゾル形成基体を備えてもよい。あるいは、少なくとも1つのエアロゾル形成基体が、複数のエアロゾル形成基体を備えてもよい。複数のエアロゾル形成基体が、実質的に同じ成分を含んでもよい。あるいは、複数のエアロゾル形成基体が、実質的に異なる成分を有する2つ以上のエアロゾル形成基体を備えてもよい。複数のエアロゾル形成基体が基層に一緒に貯蔵されうる。あるいは、複数のエアロゾル形成基体が別々に貯蔵されうる。エアロゾル形成基体の2つ以上の異なる部分を別々に貯蔵することにより、同じカートリッジに全く互換性のない2つの物質を貯蔵することができる。有利なことには、エアロゾル形成基体の2つ以上の異なる部分を別々に貯蔵することにより、カートリッジの寿命を延ばすことができる。また、それにより、2つの互換性のない物質を同じカートリッジに貯蔵されうる。さらに、それにより、例えば、各エアロゾル形成基体を別々に加熱することで、エアロゾル形成基体を別々にエアロゾル化することができる。したがって、異なる加熱プロファイル要求を有するエアロゾル形成基体を改良されたエアロゾル形成用に異なるように加熱することができる。より揮発性の高い物質を揮発性の低い物質と別に、より少ない量にすることができるので、より効果的なエネルギーの使用も可能になり得る。カートリッジが使用されるたびに、新しいエアロゾル形成基体を確実にエアロゾル化するために、例えば、使用のたびに複数のエアロゾル形成基体のうちの違うものを加熱することにより、別々のエアロゾル形成基体も、所定の順序でエアロゾル化することができる。液体ニコチンエアロゾル形成基体および揮発性送達促進化合物エアロゾル形成基体を備える実施形態では、有利なことには、システムが動作中のときだけ、ニコチンおよび揮発性送達促進化合物が別々に貯蔵され、気相で一緒に反応させられる。
【0060】
少なくとも1つのエアロゾル形成基体が実質的に平面であることが好ましい。少なくとも1つのエアロゾル形成基体が任意の好適な断面形状をしている。少なくとも1つのエアロゾル形成基体が、非円形断面形状をしていることが、好ましい。所定の好ましい実施形態では、少なくとも1つのエアロゾル形成基体が、実質的に矩形の断面形状をしている。ある一定の実施形態において、少なくとも1つのエアロゾル形成基体が、細長い、実質的に直方体形状をしている。
【0061】
所定の好ましい実施形態では、少なくとも1つのエアロゾル形成基体は、蒸発温度がセ氏約60度~約320度であり、好ましくは、セ氏約70度~230度、好ましくは、セ氏約90度~180度である。本明細書で使用される場合、「蒸発温度」という用語は、ちょうどの温度を指す。
【0062】
エアロゾル形成カートリッジは、任意の好適な寸法でよい。カートリッジは、手持ち式でエアロゾル発生装置と共に使用するのに好適な寸法であるのが好ましい。ある一定の実施形態において、カートリッジは、約5mm~約200mmの長さで、好ましくは、約10mm~約100mmであり、より好ましくは、約20mm~約35mmである。ある一定の実施形態において、カートリッジは、約5mm~約12mmの幅で、好ましくは、約7mm~約10mmである。ある一定の実施形態において、カートリッジは、約2mm~約10mmの高さで、好ましくは、約5mm~約8mmである。
【0063】
使用においては、エアロゾル形成カートリッジおよびエアロゾル発生装置のうちの少なくとも1つは、マウスピース部の下流端で吸うことにより、カートリッジを通るか、またはカートリッジに近い空気の流れをユーザーが引き寄せることができる、分離したマウスピース部に接続されてもよい。そのような実施形態では、マウスピース部の下流端の引き出し抵抗が約50mmWG~約130mmWGで、より好ましくは、約80mmWG~約120mmWGで、さらに好ましくは、約90mmWG~約110mmWG、最も好ましくは、約95mmWG~約105mmWGであるように、カートリッジが構成される。本明細書で使用される場合、「引き出し抵抗」という用語は、試験用に22℃、101kPa(760Torr)において、17.5m/secの速さで、物体の全長さを貫通して空気を通すのに必要な圧力を指す。引き出し抵抗は一般に水柱ミリメートル(mmWG)で表わされ、ISO 6565:2011に従い測定される。
【0064】
ヒーターは、エアロゾル発生装置内の電源からヒーターに電力を供給するよう配置された少なくとも第1の電気接点を備える。さらに、少なくとも第1の電気接点は、データをヒーターへ転送し、またはヒーターから受信し、またはその両方を行うよう配置されてもよい。ヒーターに備えられた電気接点は、ヒーターの外側からアクセス可能でもよい。電気接点はヒーターの1つ以上の縁部に沿って配置されてもよい。ある一定の実施形態において、電気接点はヒーターの側縁部に沿って配置されてもよい。例えば、電気接点はヒーターの上流縁部に沿って配置されてもよい。あるいは、または、さらに、電気接点はヒーターの単一長手方向縁部に沿って、配置されてもよい。
【0065】
さらに、エアロゾル形成カートリッジは、1つ以上の電気接点を備えてもよい。エアロゾル形成カートリッジに設けられた電気接点は、カートリッジの外側からアクセス可能でもよい。電気接点は、カートリッジの1つ以上の縁部に沿って配置されてもよい。ある一定の実施形態において、電気接点は、カートリッジの側縁部に沿って配置されてもよい。例えば、電気接点は、カートリッジの上流縁部に沿って配置されてもよい。あるいは、または、さらに、電気接点は、カートリッジの単一長手方向縁部に沿って配置されてもよい。カートリッジ上の電気接点は、データをカートリッジへ転送し、またはカートリッジから受信し、またはその両方を行うよう構成されてもよい。
【0066】
上述の任意の電気接点が、任意の好適な形状をしてもよい。電気接点は、実質的に平面としうる。有利なことには、実質的に平面の電気接点は、電気的接続を確立するのにより信頼性が高いことが分かっていて、かつ、より簡単に製造できる。電気接点は、USB-A、USB-B、USB-mini、USB-micro、SD、miniSD、またはmicroSD型の接続を含むが、それらに限定されない、標準化された電気的接続の一部を備えるのが、好ましい。電気接点は、USB-A、USB-B、USB-mini、USB-micro、SD、miniSD、またはmicroSD型の接続を含むが、それらに限定されない、標準化された電気的接続のオス部を備えるのが好ましい。本明細書で使用される場合、「標準化された電気的接続」という用語は、工業規格によって特定されている電気的接続を指す。
【0067】
上述の実施形態のいずれにおいても、カートリッジは基層に固定され、少なくとも1つのエアロゾル形成基体の少なくとも一部を覆う被覆層を備える。有利なことには、被覆層は、少なくとも1つのエアロゾル形成基体を基層上の定位置に保持する。被覆層は、気相に直接固定されるか、または、1つ以上の中間層または構成要素を介して間接的に固定されてもよい。エアロゾル形成基体により放出されるエアロゾルは、被覆層内、基層内、またはその両方の中の1つ以上の開口部を貫通してもよい。被覆層は、エアロゾル形成基体により放出されたエアロゾルが被覆層を貫通することを可能にする少なくとも1つのガス透過性窓を有してもよい。ガス透過性窓は実質的に開いていてもよい。あるいは、ガス透過性窓は、有孔膜、または、被覆層内の開口部を横切って延びる格子を備えてもよい。格子は、横線格子、縦線格子、またはメッシュ格子などの任意の好適な形状でよい。被覆層は、基層を封止してもよい。被覆層は、基層を気密封止してもよい。被覆層は、少なくとも被覆層が基層に固定されるところには高分子被覆を備え、高分子被覆は、被覆層と基層との間を封止してもよい。
【0068】
エアロゾル形成カートリッジは、少なくとも1つのエアロゾル形成基体の少なくとも一部の上に配置された保護箔を備えてもよい。保護箔はガス不透過性であってもよい。保護箔は、カートリッジ内にエアロゾル形成基体を密閉するよう配置されてもよい。本明細書で使用される場合、「密閉する」という用語は、エアロゾル形成基体内の揮発性化合物の重量が2週間にわたり、好ましくは、2か月にわたり、より好ましくは、2年にわたり、2%未満のみ変化することを意味する。
【0069】
基層は、エアロゾル形成基体を保持する少なくとも1つのくぼみを備えてもよい。これらの実施形態では、保護箔が1つ以上のくぼみを閉じるように配置されてもよい。保護箔は、少なくとも1つのエアロゾル形成基体を露出させるために少なくとも部分的に取り外し可能であってもよい。好ましくは、保護箔は、取り外し可能である。複数のエアロゾル形成基体を保持する複数のくぼみを基層が備える場合、保護箔が段階的に取り外し可能で、エアロゾル形成基体の1つ以上を選択的に開封してもよい。例えば、保護箔は、1つ以上の取り外し可能な部分を備えてもよく、保護箔の残りから取り外されたとき、それぞれが、くぼみの1つ以上を露呈するように配置される。あるいは、または、さらに、保護箔は、ユーザーへの意図を示して、要求される取り外しの力が、取り外す様々な段階の間で変化するように取り付けられてもよい。例えば、要求される取り外しの力は、ユーザーが保護箔を故意に強く引いて、保護箔を外し続けるように、隣り合った段階の間では、強くてもよい。これは、任意の好適な手段で達成されてよい。例えば、接着剤層の型、量、または形状を変えること、または、保護箔が取り付けられる溶接線の形状もしくは量を変えることで、引っ張る力を変化させてもよい。
【0070】
保護箔は、1つ以上の中間構成要素を介して直接または間接的に基層に取り外し可能なように取り付けられてもよい。カートリッジが上述のように被覆層を備える場合、保護箔は被覆層に取り外し可能なように取り付けられてもよい。被覆層が1つ以上のガス透過性窓を有する場合、保護箔は、1つ以上のガス透過性窓を横切って延び、かつ閉鎖してもよい。保護箔は、任意の好適な方法で、例えば、接着剤を用いて、取り外し可能なように取り付けられてもよい。保護箔は、超音波溶接により取り外し可能なように取り付けられてもよい。保護箔は、溶接線に沿って超音波溶接により、取り外し可能なように取り付けられてもよい。溶接線は、連続してもよい。溶接線が、横並びに配置された2本以上の連続した溶接線を含んでもよい。この構成では、連続した溶接線の少なくとも1つがそのままであれば、封止が維持され得る。
【0071】
保護箔は、可撓性フィルムであってもよい。保護箔は、1つ以上の適切な任意の材料を含みうる。例えば、保護箔は、例えば、ポリプロピレン(PP)または、ポリエチレン(PE)などの、高分子箔を含んでもよい。保護箔が、多層高分子箔を含んでもよい。
【0072】
エアロゾル発生装置は、ヒーターへの電力供給を制御するよう構成されたコントローラをさらに含みうる。
【0073】
電力供給源はDC電圧供与源であってもよい。望ましい実施形態で、電源は電池である。例えば、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウムベースの電池、例えばリチウムコバルト、リチウム鉄リン酸電池またはリチウムポリマー電池としうる。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置としうる。電源は再充電を必要とすることがあり、またエアロゾル発生装置を1つ以上のエアロゾル発生物品とともに使用するのに十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を持つものとしうる。
【0074】
エアロゾル発生装置は、ヒーターおよび1つ以上のエアロゾル形成基体のうちの少なくとも1つの温度を検知するよう構成された1つ以上の温度センサを備えてもよい。そのような実施形態では、提供されるコントローラは、検知された温度に基づいて、ヒーターへの電力供給を制御するよう構成されてもよい。
【0075】
ヒーターが少なくとも1つの抵抗発熱体を備えるこれらの実施形態では、少なくとも1つのヒーター要素が、温度と比抵抗の間で画定された関係を持つ金属を使用して形成されてもよい。こうした実施形態で、金属は2層の適切な絶縁材の間のトラックとして形成しうる。この方法で形成されるヒーター要素は、ヒーターおよび温度センサの両方として使用されてもよい。
【0076】
上述の実施形態のいずれにおいても、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置が他の電気装置と接続されることが可能になる外部プラグまたは外部ソケットを備えてもよい。例えば、エアロゾル発生装置はUSBプラグまたはUSBソケットを備えて、エアロゾル発生装置の他のUSB対応装置との接続を可能にしてもよい。例えば、USBプラグまたはUSBソケットは、エアロゾル発生装置のUSB充電装置への接続を可能にして、エアロゾル発生装置内の再充電可能電源を充電してもよい。さらに、または、あるいは、USBプラグまたはUSBソケットは、エアロゾル発生装置へのデータ転送またはエアロゾル発生装置からのデータ転送、あるいはその両方を支持してもよい。例えば、装置は、利用状況データなどのデータを装置からダウンロードするためにコンピュータに接続されてもよい。さらに、または、あるいは、装置は、エアロゾル発生装置内のデータ保存装置に保存されている、新しいまたは更新されたエアロゾル形成カートリッジ用の新しい加熱プロファイルなどのデータを装置に転送するためにコンピュータに接続されてもよい。
【0077】
装置がUSBプラグまたはUSBソケットを備えるこれらの実施形態では、措置が、使用されていないとき、USBプラグまたはUSBソケットを覆う取り外し可能なカバーをさらに備えてもよい。USBプラグまたはUSBソケットがUSBプラグである実施形態では、USBプラグが追加的にまたは代替として、選択的に装置内に格納可能でもよい。 ここで、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明するが、これは例証としてのみである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態による、ヒーターの部分分解図を示す。
【
図2】
図2は、完全に組み立てられた構成状態の
図1のヒーターを示す。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態によるエアロゾル形成カートリッジを示す。
【
図4】
図4は、エアロゾル形成ヒーター組立品を形成するために
図2のヒーターに挿入された
図3のエアロゾル形成カートリッジを示す。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態によるエアロゾル発生システムを形成するためにエアロゾル発生装置に挿入された
図4のエアロゾル形成ヒーター組立品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0079】
図1および
図2は、本発明の実施形態によるヒーター10を示す。ヒーター10は、多重電気ヒーター要素14を設ける電気的に絶縁された基体層12を備える。多重電気接点16は、また、ヒーター10の上流端で電気的に絶縁された基体層12上に設けられる。電気接点16は、ヒーター10がエアロゾル発生装置に接続されると、電気ヒーター要素14に電力を提供する。
【0080】
ヒーター10は、ヒーターの長手方向縁に沿って延在する1組の案内レール18およびヒーターの上流側縁部を横切って延びる端止め20をさらに備える。長手方向縁に沿って延在する各案内レール18の内側縁は、絶縁性基体層12から離間して、エアロゾル形成カートリッジを受ける長手方向溝19を形成する。端止め20は、電気接点16から離間して、エアロゾル発生装置上の対応する電気接点を受けるスロット22を形成する。
【0081】
図3は、本発明の実施形態によるエアロゾル形成カートリッジ30を示す。カートリッジ30は、基層32および基層32と被覆層34の間に挟まれた多重エアロゾル形成基体の上に重なる被覆層34を備える。被覆層34は、エアロゾル形成基体の上に重なるメッシュ格子36を備え、エアロゾル粒子が加熱中にエアロゾル形成カートリッジ30から漏れ出るのを可能にする。取り外し可能な高分子フィルム38がメッシュ格子36の上に重なり、揮発性成分がエアロゾル形成基体から早期に漏れ出るのを防ぐ。カートリッジ30を用いる前に、高分子フィルム38が取り外される。
【0082】
図4は、本発明の実施形態によるエアロゾル形成ヒーター組立品40を形成するために
図2のヒーター10に挿入された
図3のエアロゾル形成カートリッジ30を示す。取り外し可能な高分子フィルム38がカートリッジ30から取り外されて、カートリッジ30が案内レール18とヒーター10の絶縁性基体層12との間の長手方向の溝19に挿入される。
図4は、ヒーター10に部分的に挿入されたカートリッジ30を示す。カートリッジ30がヒーター10に完全に挿入されると、カートリッジ30は端止め20に隣接する。
【0083】
図5は、本発明の実施形態により、エアロゾル発生システム70を形成するためにエアロゾル発生装置50に挿入された
図4のエアロゾル形成ヒーター組立品40を示す。エアロゾル発生装置50は、ヒーター組立品40を受ける主くぼみを画定する本体51およびヒーター組立品40が貫通して主くぼみに挿入される装置50の下流端の開口部を備える。ヒーター組立品40を装置50に完全に挿入することにより、装置50の主くぼみ内に複数の電気接点を備えるヒーター10上の複数の電気接点16と接触する。電気接点は、装置50内の再充電可能電池からヒーター要素14に電気を伝導する。取り外し可能なマウスピース52が装置50の上流端に備えられ、マウスピース52は、ヒーター組立品40を装置50に挿入できるように装置50から取り外され、またマウスピース52は、ヒーター組立品40が完全に挿入された後、装置50に取り付けられる。取り外し可能なマウスピースカバー54は、装置50が使用されていないとき、マウスピース52を覆う。
【0084】
USBプラグ56が好適なUSBソケットに挿入するために装置50の下流端に設けられる。USBプラグ56は、装置50内の再充電可能電池を充電するため、ならびに装置50とデータを交換するために使用することができる。例えば、USBプラグは、装置50から利用状況データをダウンロードするため、ならびに新しい加熱プロファイルなどの新しいデータを装置50にアップロードするために使用することができる。取り外し可能なカバー58は、USBプラグ56が使用されていないとき、USBプラグ56を覆う。
【外国語明細書】