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特開2022-18328ロボットトラバースシステム並びにこれを構成する台車ユニット及びレールユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022018328
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】ロボットトラバースシステム並びにこれを構成する台車ユニット及びレールユニット
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/12 20060101AFI20220120BHJP
   E04C 5/02 20060101ALI20220120BHJP
   E04G 21/16 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
E04G21/12 105E
E04C5/02
E04G21/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020121371
(22)【出願日】2020-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】513192742
【氏名又は名称】建ロボテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】特許業務法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】眞部 達也
【テーマコード(参考)】
2E164
2E174
【Fターム(参考)】
2E164AA02
2E164CA11
2E174AA01
2E174BA03
2E174DA17
2E174DA52
(57)【要約】
【課題】作業者が鉄筋結束ロボットを自力で持ち上げることなく他の鉄筋を新たな走行軌道として逆向きに自走させ、鉄筋端部における鉄筋結束ロボットの折り返し作業を簡便に達成することができるロボットトラバースシステムを提供すること。
【解決手段】
複数の第2鉄筋LR上で第2鉄筋LRに対して直交配置する複数のトラバースレール121と複数のトラバースレール121の相互間を等間隔に保持するレール支持体122とを一体に形成したレールユニット120と、レールユニット120のトラバースレール121上を転動するトラバース車輪111とトラバース車輪111の転動によりトラバースレール121上を移動する台車フレーム112と鉄筋結束ロボットRを第2鉄筋LRと台車フレーム112との相互間で乗降自在に移載する乗降補助フレーム113とを一体に形成した台車ユニット110とで構成されているロボットトラバースシステム100。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施工面に並列に敷設された複数の第1鉄筋と該複数の第1鉄筋のそれぞれに交差する方向に延びて該複数の第1鉄筋上に敷設された複数の第2鉄筋との交差部を結束して前記第2鉄筋を走行軌道として自走する鉄筋結束ロボットを前記第2鉄筋の相互間で移動させるロボットトラバースシステムであって、
前記複数の第2鉄筋上で前記第2鉄筋に対して直交配置する複数のトラバースレールと該複数のトラバースレールの相互間を等間隔に保持するレール支持体とを一体に形成したレールユニットと、
前記レールユニットのトラバースレール上を転動するトラバース車輪と該トラバース車輪の転動により前記トラバースレール上を移動する台車フレームと前記鉄筋結束ロボットを前記第2鉄筋と前記台車フレームとの相互間で乗降自在に移載する乗降補助フレームとを一体に形成した台車ユニットとで構成されていることを特徴とするロボットトラバースシステム。
【請求項2】
施工面に並列に敷設された複数の第1鉄筋と該複数の第1鉄筋のそれぞれに交差する方向に延びて該複数の第1鉄筋上に敷設された複数の第2鉄筋との交差部を前記第1鉄筋を検知して結束する鉄筋結束ロボットが前記第2鉄筋を走行軌道として自走する施工空間で、前記複数の第2鉄筋上で前記第2鉄筋に対して直交配置する複数のトラバースレールと該複数のトラバースレールの相互間を等間隔に保持するレール支持体とを一体に形成したレールユニットと共働して前記鉄筋結束ロボットのロボットトラバースシステムを構成する台車ユニットであって、
前記レールユニットのトラバースレール上を転動するトラバース車輪と、
該トラバース車輪の転動により前記トラバースレール上を移動する台車フレームと、
前記第2鉄筋に接続して傾斜するロボット乗降位置と前記第2鉄筋と離間して水平なロボット搭載位置との間で前記トラバースレールと平行な揺動軸部を中心に揺動して前記鉄筋結束ロボットを乗降自在に移載する乗降補助フレームとを一体に形成したことを特徴とする台車ユニット。
【請求項3】
前記トラバース車輪が、内側車輪部と外側車輪部とからなり、
前記揺動軸部が、前記内側車輪部の直近で前記内側車輪部と外側車輪部との間に位置決め配置されていることを特徴とする請求項2に記載の台車ユニット。
【請求項4】
前記乗降補助フレームが、前記鉄筋結束ロボットによる前記第1鉄筋の検知を妨げる鉄筋検知阻害部を有していることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の台車ユニット。
【請求項5】
施工面に並列に敷設された複数の第1鉄筋と該複数の第1鉄筋のそれぞれに交差する方向に延びて該複数の第1鉄筋上に敷設された複数の第2鉄筋との交差部を結束して前記第2鉄筋を走行軌道として自走する施工空間で、レールユニットのトラバースレール上を転動するトラバース車輪と該トラバース車輪の転動により前記トラバースレール上を移動する台車フレームと前記第2鉄筋に接続して傾斜するロボット乗降位置と前記第2鉄筋と離間して水平なロボット搭載位置との間で前記トラバースレールと平行な揺動軸部を中心に揺動して鉄筋結束ロボットを乗降自在に移載する乗降補助フレームとを一体に形成した台車ユニットと共働して前記鉄筋結束ロボットのロボットトラバースシステムを構成するレールユニットであって、
前記複数の第2鉄筋上で前記第2鉄筋に対して直交配置する複数のトラバースレールと該複数のトラバースレールの相互間を等間隔に保持するレール支持体と前記第1鉄筋に係合する係合フックとを一体に形成したことを特徴とするレールユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋を走行軌道として自走する鉄筋結束ロボットを鉄筋の相互間で移動させるロボットトラバースシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄筋を走行軌道として自走する鉄筋結束ロボットについては、鉄筋終端部の近傍に到達したことを検知して自動停止し、人力により鉄筋の相互間を移動させるもの(特許文献1参照)、鉄筋結束ロボットが乗降機能を備えたクローラ機構を備えるもの(参考文献2参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6633720号公報
【特許文献2】特開第2019-39174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の鉄筋結束ロボットは、作業者が鉄筋結束ロボットを自力で持ち上げて鉄筋間を移動する必要があり、特許文献2に記載の鉄筋結束ロボットは、ロボット自体の構成が複雑化し、また正確なクローラを行うための調整が難しいという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、作業者が鉄筋結束ロボットを自力で持ち上げることなく他の鉄筋を新たな走行軌道として逆向きに自走させ、鉄筋端部における鉄筋結束ロボットの折り返し作業を簡便に達成することができるロボットトラバースシステム並びにロボットトラバースシステムを構成する台車ユニット及びレールユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本請求項1に係る発明は、施工面に並列に敷設された複数の第1鉄筋と該複数の第1鉄筋のそれぞれに交差する方向に延びて該複数の第1鉄筋上に敷設された複数の第2鉄筋との交差部を結束して前記第2鉄筋を走行軌道として自走する鉄筋結束ロボットを前記第2鉄筋の相互間で移動させるロボットトラバースシステムであって、前記複数の第2鉄筋上で前記第2鉄筋に対して直交配置する複数のトラバースレールと該複数のトラバースレールの相互間を等間隔に保持するレール支持体とを一体に形成したレールユニットと、前記レールユニットのトラバースレール上を転動するトラバース車輪と該トラバース車輪の転動により前記トラバースレール上を移動する台車フレームと前記鉄筋結束ロボットを前記第2鉄筋と前記台車フレームとの相互間で乗降自在に移載する乗降補助フレームとを一体に形成した台車ユニットとで構成されていることにより、前述した課題を解決するものである。
【0007】
本請求項2に係る発明は、施工面に並列に敷設された複数の第1鉄筋と該複数の第1鉄筋のそれぞれに交差する方向に延びて該複数の第1鉄筋上に敷設された複数の第2鉄筋との交差部を前記第1鉄筋を検知して結束する鉄筋結束ロボットが前記第2鉄筋を走行軌道として自走する施工空間で、前記複数の第2鉄筋上で前記第2鉄筋に対して直交配置する複数のトラバースレールと該複数のトラバースレールの相互間を等間隔に保持するレール支持体とを一体に形成したレールユニットと共働して前記鉄筋結束ロボットのロボットトラバースシステムを構成する台車ユニットであって、前記レールユニットのトラバースレール上を転動するトラバース車輪と、該トラバース車輪の転動により前記トラバースレール上を移動する台車フレームと、前記第2鉄筋に接続して傾斜するロボット乗降位置と前記第2鉄筋と離間して水平なロボット搭載位置との間で前記トラバースレールと平行な揺動軸部を中心に揺動して前記鉄筋結束ロボットを乗降自在に移載する乗降補助フレームとを一体に形成したことにより、前述した課題を解決するものである。
【0008】
本請求項3に係る発明は、前記トラバース車輪が、内側車輪部と外側車輪部とからなり、 前記揺動軸部が、前記内側車輪部の直近で前記内側車輪部と外側車輪部との間に位置決め配置されていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0009】
本請求項4に係る発明は、前記乗降補助フレームが、前記鉄筋結束ロボットによる前記第1鉄筋の検知を妨げる鉄筋検知阻害部を有していることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0010】
本請求項5に係る発明は、施工面に並列に敷設された複数の第1鉄筋と該複数の第1鉄筋のそれぞれに交差する方向に延びて該複数の第1鉄筋上に敷設された複数の第2鉄筋との交差部を結束して前記第2鉄筋を走行軌道として自走する施工空間で、前記レールユニットのトラバースレール上を転動するトラバース車輪と該トラバース車輪の転動により前記トラバースレール上を移動する台車フレームと前記第2鉄筋に接続して傾斜するロボット乗降位置と前記第2鉄筋と離間して水平なロボット搭載位置との間で前記トラバースレールと平行な揺動軸部を中心に揺動して前記鉄筋結束ロボットを乗降自在に移載する乗降補助フレームとを一体に形成した台車ユニットと共働して前記鉄筋結束ロボットのロボットトラバースシステムを構成するレールユニットであって、前記複数の第2鉄筋上で前記第2鉄筋に対して直交配置する複数のトラバースレールと該複数のトラバースレールの相互間を等間隔に保持するレール支持体と前記第1鉄筋に係合する係合フックとを一体に形成したことにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に係る発明のロボットトラバースシステムによれば、施工面に並列に敷設された複数の第1鉄筋と複数の第1鉄筋のそれぞれに交差する方向に延びて複数の第1鉄筋上に敷設された複数の第2鉄筋との交差部を結束して第2鉄筋を走行軌道として自走する鉄筋結束ロボットを第2鉄筋の相互間で移動させるロボットトラバースシステムであって、複数の第2鉄筋上で第2鉄筋に対して直交配置する複数のトラバースレールと複数のトラバースレールの相互間を等間隔に保持するレール支持体とを一体に形成したレールユニットと、レールユニットのトラバースレール上を転動するトラバース車輪とトラバース車輪の転動によりトラバースレール上を移動する台車フレームと鉄筋結束ロボットを第2鉄筋と台車フレームとの相互間で乗降自在に移載する乗降補助フレームとを一体に形成した台車ユニットとで構成されていることにより、鉄筋結束ロボットが第2鉄筋を走行軌道として自走して鉄筋相互の交差部を結束しながら第2鉄筋の端部付近まで到達した際に、台車ユニットの乗降補助フレームが鉄筋結束ロボットを第2鉄筋と台車フレームとの相互間で乗降自在に移載するとともに鉄筋結束ロボットが台車フレームに移載してトラバースレールに沿って他の第2鉄筋まで移動可能となるため、作業者が鉄筋結束ロボットを自力で持ち上げることなく他の第2鉄筋を新たな走行軌道として逆向きに自走させ、その結果、鉄筋結束ロボットの折り返し作業を簡便に達成することができる。
【0012】
本発明の請求項2に係る発明の台車ユニットによれば、施工面に並列に敷設された複数の第1鉄筋と複数の第1鉄筋のそれぞれに交差する方向に延びて複数の第1鉄筋上に敷設された複数の第2鉄筋との交差部を第1鉄筋を検知して結束する鉄筋結束ロボットが前記第2鉄筋を走行軌道として自走する施工空間で、複数の第2鉄筋上で前記第2鉄筋に対して直交配置する複数のトラバースレールと複数のトラバースレールの相互間を等間隔に保持するレール支持体とを一体に形成したレールユニットと共働して鉄筋結束ロボットのロボットトラバースシステムを構成する台車ユニットであって、レールユニットのトラバースレール上を転動するトラバース車輪と、トラバース車輪の転動によりトラバースレール上を移動する台車フレームと、第2鉄筋に接続して傾斜するロボット乗降位置と第2鉄筋と離間して水平なロボット搭載位置との間でトラバースレールと平行な揺動軸部を中心に揺動して鉄筋結束ロボットを乗降自在に移載する乗降補助フレームとを一体に形成したことにより、鉄筋結束ロボットが第2鉄筋を走行軌道として自走して鉄筋相互の交差部を結束しながら第2鉄筋の端部付近まで到達した際に、第2鉄筋に接続して傾斜する乗降補助フレームのロボット乗降位置で鉄筋結束ロボットを自走させるため、鉄筋結束ロボットを第2鉄筋と台車ユニットとの間でスムーズに移載することができる。
【0013】
また、第2鉄筋と離間して水平な乗降補助フレームのロボット搭載位置で鉄筋結束ロボットを搭載保持するため、台車ユニットをトラバースレールに沿って安定して他の第2鉄筋まで移動させることができる。
【0014】
本請求項3に係る発明の台車ユニットによれば、請求項2に係る発明の台車ユニットが奏する効果に加えて、トラバース車輪が、内側車輪部と外側車輪部とからなり、揺動軸部が、内側車輪部の直近で内側車輪部と外側車輪部との間に位置決め配置されていることにより、鉄筋結束ロボットが第2鉄筋と乗降補助フレームとの間を乗降する際に、鉄筋結束ロボットの荷重が揺動軸部を介して内側車輪部と外側車輪部との間の位置に加わるため、外側車輪部が持ち上がることなく安定的に乗降することができる。
【0015】
本請求項4に係る発明の台車ユニットによれば、請求項2又は請求項3に記載の台車ユニットが奏する効果に加えて、乗降補助フレームが、鉄筋結束ロボットによる第1鉄筋の検知を妨げる鉄筋検知阻害部を有していることにより、乗降補助フレームの上で鉄筋結束ロボットが第1鉄筋を検知して行う結束動作が起きないため、不要な結束動作による鉄筋結束ロボットと第1鉄筋及び第2鉄筋との干渉を避けて、台車ユニットを安全に移動させることができる。
【0016】
本請求項5に係る発明のレールユニットによれば、施工面に並列に敷設された複数の第1鉄筋と複数の第1鉄筋のそれぞれに交差する方向に延びて複数の第1鉄筋上に敷設された複数の第2鉄筋との交差部を結束して第2鉄筋を走行軌道として自走する施工空間で、レールユニットのトラバースレール上を転動するトラバース車輪とトラバース車輪の転動によりトラバースレール上を移動する台車フレームと第2鉄筋に接続して傾斜するロボット乗降位置と第2鉄筋と離間して水平なロボット搭載位置との間でトラバースレールと平行な揺動軸部を中心に揺動して鉄筋結束ロボットを乗降自在に移載する乗降補助フレームとを一体に形成した台車ユニットと共働して鉄筋結束ロボットのロボットトラバースシステムを構成するレールユニットであって、複数の第2鉄筋上で第2鉄筋に対して直交配置する複数のトラバースレールと複数のトラバースレールの相互間を等間隔に保持するレール支持体と第1鉄筋に係合する係合フックとを一体に形成したことにより、係合フックが第1鉄筋に係合して第1鉄筋に対するレールユニットの位置が固定されるため、鉄筋結束ロボットが第2鉄筋と乗降補助フレームとの間で乗降動作を行う際にレールユニットの位置づれを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明のロボットトラバースシステムにより移動させる鉄筋結束ロボットが施工面に敷設された鉄筋上を自走している様子を示す模式図。
図2】本発明の台車ユニットを示す模式的斜視図。
図3】本発明のレールユニットを示す模式的斜視図。
図4】施工面に敷設された鉄筋上に、本発明のロボットトラバースシステムを配置した様子を示す説明図。
図5】鉄筋上を自走する鉄筋結束ロボットが本発明の台車フレームに移載する過程を示す模式図。
図6A】鉄筋上を自走する鉄筋結束ロボットが本発明の台車フレームに移載する過程を示す模式図。
図6B】本発明の台車ユニットの主要部を示す模式図。
図7A】本発明の台車ユニットの乗降補助フレームの動作を示す模式図。
図7B】本発明の台車ユニットの乗降補助フレームの動作を示す模式図。
図7C図7Bの主要部の拡大図。
図8A】本発明のロボットトラバースシステムを使用した移動の過程を示す模式図。
図8B】本発明のロボットトラバースシステムを使用した移動の過程を示す模式図。
図9】鉄筋結束ロボットが自走して本発明の台車ユニットから鉄筋上に移載する過程を示す模式図。
図10】鉄筋結束ロボットが本発明の台車ユニットから移載して他の鉄筋上を自走する様子を示す模式図。
図11】鉄筋結束ロボットが本発明の台車ユニットから移載して他の鉄筋上を自走する様子を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のロボットトラバースシステムは、施工面に並列に敷設された複数の第1鉄筋と複数の第1鉄筋のそれぞれに交差する方向に延びて複数の第1鉄筋上に敷設された複数の第2鉄筋との交差部を結束して第2鉄筋を走行軌道として自走する鉄筋結束ロボットを第2鉄筋の相互間で移動させるロボットトラバースシステムであって、複数の第2鉄筋上で第2鉄筋に対して直交配置する複数のトラバースレールと複数のトラバースレールの相互間を等間隔に保持するレール支持体とを一体に形成したレールユニットと、レールユニットのトラバースレール上を転動するトラバース車輪とトラバース車輪の転動によりトラバースレール上を移動する台車フレームと鉄筋結束ロボットを第2鉄筋と台車フレームとの相互間で乗降自在に移載する乗降補助フレームとを一体に形成した台車ユニットとで構成されていることにより、作業者が鉄筋結束ロボットを自力で持ち上げることなく他の第2鉄筋を新たな走行軌道として逆向きに自走させ、その結果、鉄筋結束ロボットの折り返し作業を簡便に達成することができるものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
【0019】
また、本発明の台車ユニットは、施工面に並列に敷設された複数の第1鉄筋と複数の第1鉄筋のそれぞれに交差する方向に延びて複数の第1鉄筋上に敷設された複数の第2鉄筋との交差部を第1鉄筋を検知して結束する鉄筋結束ロボットが前記第2鉄筋を走行軌道として自走する施工空間で、複数の第2鉄筋上で前記第2鉄筋に対して直交配置する複数のトラバースレールと複数のトラバースレールの相互間を等間隔に保持するレール支持体とを一体に形成したレールユニットと共働して鉄筋結束ロボットのロボットトラバースシステムを構成する台車ユニットであって、レールユニットのトラバースレール上を転動するトラバース車輪と、トラバース車輪の転動によりトラバースレール上を移動する台車フレームと、第2鉄筋に接続して傾斜するロボット乗降位置と第2鉄筋と離間して水平なロボット搭載位置との間でトラバースレールと平行な揺動軸部を中心に揺動して鉄筋結束ロボットを乗降自在に移載する乗降補助フレームとを一体に形成したことにより、鉄筋結束ロボットを第2鉄筋と台車ユニットとの間でスムーズに移載することができるものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
【0020】
さらに、本発明のレールユニットは、施工面に並列に敷設された複数の第1鉄筋と複数の第1鉄筋のそれぞれに交差する方向に延びて複数の第1鉄筋上に敷設された複数の第2鉄筋との交差部を結束して第2鉄筋を走行軌道として自走する施工空間で、レールユニットのトラバースレール上を転動するトラバース車輪とトラバース車輪の転動によりトラバースレール上を移動する台車フレームと第2鉄筋に接続して傾斜するロボット乗降位置と第2鉄筋と離間して水平なロボット搭載位置との間でトラバースレールと平行な揺動軸部を中心に揺動して鉄筋結束ロボットを乗降自在に移載する乗降補助フレームとを一体に形成した台車ユニットと共働して鉄筋結束ロボットのロボットトラバースシステムを構成するレールユニットであって、複数の第2鉄筋上で第2鉄筋に対して直交配置する複数のトラバースレールと複数のトラバースレールの相互間を等間隔に保持するレール支持体と第1鉄筋に係合する係合フックとを一体に形成したことにより、係合フックが第1鉄筋に係合して第1鉄筋に対するレールユニットの位置が固定されるため、鉄筋結束ロボットが第2鉄筋と乗降補助フレームとの間で乗降動作を行う際にレールユニットの位置づれを防止することができるものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
【実施例0021】
本発明の実施例であるロボットトラバースシステムについて、図1乃至図11に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明のロボットトラバースシステムにより移動させる鉄筋結束ロボットが施工面に敷設された鉄筋上を自走している様子を示す模式図であり、図2は、本発明の台車ユニットを示す模式的斜視図であり、図3は、本発明のレールユニットを示す模式的斜視図であり、図4は、施工面に敷設された鉄筋上に、本発明のロボットトラバースシステムを配置した様子を示す説明図であり、図5は、鉄筋上を自走する鉄筋結束ロボットが本発明の台車フレームに移載する過程を示す模式図であり、図6Aは、鉄筋上を自走する鉄筋結束ロボットが本発明の台車フレームに移載する過程を示す模式図であり、図6Bは、本発明の台車ユニットの主要部を示す模式図であり、図7Aは、本発明の台車ユニットの乗降補助フレームの動作を示す模式図であり、図7Bは、本発明の台車ユニットの乗降補助フレームの動作を示す模式図であり、図7Cは、図7Bの主要部の拡大図であり、図8Aは、本発明のロボットトラバースシステムを使用した移動の過程を示す模式図であり、図8Bは、本発明のロボットトラバースシステムを使用した移動の過程を示す模式図であり、図9は、鉄筋結束ロボットが自走して本発明の台車ユニットから鉄筋上に移載する過程を示す模式図であり、図10は、鉄筋結束ロボットが本発明の台車ユニットから移載して他の鉄筋上を自走する様子を示す模式図であり、図11は、鉄筋結束ロボットが本発明の台車ユニットから移載して他の鉄筋上を自走する様子を示す模式図である。
【0022】
まず、図1乃至図4を参照して、本実施例のロボットトラバースシステム100の構成を説明する。
【0023】
本実施例であるロボットトラバースシステム100は、図1に示す施工面に敷設された第2鉄筋LR上を自走して第1鉄筋TRと第2鉄筋LRとの交差部を結束する鉄筋結束ロボットRを他の第2鉄筋LR上に移動するためのものであり、図2に示す台車ユニット110と図3に示すレールユニット120とが共働して鉄筋結束ロボットRのロボットトラバースシステム100を構成している。
【0024】
台車ユニット110は、後述のレールユニット120と共働して鉄筋結束ロボットRのロボットトラバースシステム100を構成するものであり、レールユニット120のトラバースレール121上を転動するトラバース車輪111と、トラバース車輪111の転動によりレールユニット120上を移動する台車フレーム112と、第2鉄筋LRに接続して傾斜するロボット乗降位置と第2鉄筋LRと離間して水平なロボット搭載位置との間でトラバースレール121と平行な揺動軸部113aを中心に揺動して鉄筋結束ロボットRを乗降自在に移載する乗降補助フレーム113とから一体に形成されている。
【0025】
トラバース車輪111は、鉄筋結束ロボットRが乗降する側に配置された一対の内側車輪部111aと、内側車輪部111aに対応して反対側に配置された一対の外側車輪部111bとから構成されている。
【0026】
台車フレーム112は、トラバース車輪111の上側に配置され、内側車輪部111aの直近で内側車輪部111aと外側車輪部111bとの間の位置に一対の軸受け部112aを備えている。
【0027】
乗降補助フレーム113は、一対の揺動軸部113aを備える揺動ベース部材113bと、揺動ベース部材113bに固定された中央レール部113hと、中央レール部113hに固定された補助レール間隔調整部材113dと、揺動ベース部材113b及び補助レール間隔調整部材113dにより間隔調整自在に固定されている一対の乗降補助レール部113cと、中央レール部113hに固定されて一対の乗降補助レール部113cの間に配置された鉄筋検知阻害部113gとを備えている。
【0028】
揺動ベース部材113bは、一対の揺動軸部113aにおいて、台車フレーム112を構成している一対の軸受け部112aにより揺動自在に軸止されている。この結果、揺動軸部113aは、内側車輪部111aの直近で内側車輪部111aと外側車輪部111bとの間に位置決め配置されている。
【0029】
一対の乗降補助レール部113cは、それぞれ逆U字状の断面を有しており、それらの間隔は、揺動ベース部材113b及び補助レール間隔調整部材113dにそれぞれ設けられた補助レール間隔調整孔部113eとこれに螺合する補助レール固定ネジ部113fにより調整、固定するように構成されている。
【0030】
レールユニット120は、台車ユニット110と共働して鉄筋結束ロボットRのロボットトラバースシステム100を構成するものであり、複数の第2鉄筋LR上で第2鉄筋LRに対して直交配置する複数のトラバースレール121と複数のトラバースレール121の相互間を等間隔に保持するレール支持体122と第1鉄筋TRに係合する係合フック123とを一体に形成して構成されている。
【0031】
以上説明したように、本実施例のロボットトラバースシステム100は、施工面に並列に敷設された複数の第1鉄筋TRと複数の第1鉄筋TRのそれぞれに交差する方向に延びて複数の第1鉄筋上TRに敷設された複数の第2鉄筋LRとの交差部を結束して第2鉄筋LRを走行軌道として自走する鉄筋結束ロボットRを第2鉄筋LRの相互間で移動させるためのものであり、複数の第2鉄筋上LRで第2鉄筋LRに対して直交配置する複数のトラバースレール121と複数のトラバースレール121の相互間を等間隔に保持するレール支持体122とを一体に形成したレールユニット120と、レールユニット120のトラバースレール121上を転動するトラバース車輪111とトラバース車輪111の転動によりトラバースレール121上を移動する台車フレーム112と鉄筋結束ロボットRを第2鉄筋LRと台車フレーム112との相互間で乗降自在に移載する乗降補助フレーム113とを一体に形成した台車ユニット110とで構成されている。
【0032】
次に、図5乃至図11を参照して、本実施例のロボットトラバースシステム100を用いて鉄筋結束ロボットRを第2鉄筋LRの相互間で移動させる過程を説明する。
【0033】
ロボットトラバースシステム100は、図5及び図6Aに示すように、施工面に並列に敷設された複数の第1鉄筋TRと複数の第1鉄筋TRのそれぞれに交差する方向に延びて複数の第1鉄筋TR上に敷設された複数の第2鉄筋LRとの交差部を結束して第2鉄筋LRを走行軌道として自走する鉄筋結束ロボットRを第2鉄筋LRの相互間で移動させるために用いる。
【0034】
この鉄筋結束ロボットRは、図5及び図6Aに示すように、ロボット車輪R0によって1番目の第2鉄筋LRと3番目の第2鉄筋LRとを軌道として走行し、第2鉄筋検知装置R2を2番目の第2鉄筋LRに当接させることにより第2鉄筋LRの存在を検知して、前進又は後退を自動制御している。また、鉄筋結束ロボットRの本体に対して上下移動可能な第1鉄筋検知装置R1により、走行中に第1鉄筋TRが直下かつ所定距離以内に存在することを磁気的に検知して、第1鉄筋TRと第2鉄筋LRとの交差部を結束する動作を自動的に行うものである。
【0035】
まず、レールユニット120の一対の乗降補助レール部113Cの間隔を、第2鉄筋LRが敷設されている間隔に対応して調整する。本実施例では、図5に示すように、鉄筋結束ロボットRが1番目と3番目の第2鉄筋LRを軌道として走行しているので、一対の乗降補助レール部113cの間隔を第2鉄筋LRの間隔の2倍に対応させる。
【0036】
具体的には、中央レール部113hを2番目の第2鉄筋LRと対応する位置に配置した際に、一対の乗降補助レール部113cがそれぞれ1番目と3番目の第2鉄筋LRと対応する位置で、かつ、中央レール部113hとそれぞれ平行になるように、補助レール間隔調整孔部113eとこれに螺合する補助レール固定ネジ部113fにより調節し、固定する。
【0037】
次に、鉄筋結束ロボットRが走行軌道としている第2鉄筋LRの端部付近に、レールユニット120を敷設する。この際、図4に示すように、レールユニット120の係合フック123が、第1鉄筋TRに係合するように配置する。
【0038】
そして、レールユニット120の上に台車ユニット110を搭載する。この際、図6Bに示すように、台車ユニット110のトラバース車輪111が、レールユニット120のトラバースレール121上に配置されるように位置決めし、さらに、乗降補助フレーム113を第2鉄筋LRに接続して傾斜するロボット乗降位置に設定する。
【0039】
なお、乗降補助フレーム113は、鉄筋結束ロボットRを乗せていない状態では第2鉄筋LRに接続して傾斜するロボット乗降位置で安定するように重量バランスが設定されている。これにより、逆U字状の断面を有している一対の乗降補助レール部113Cの下端部位が、第2鉄筋LRと係合した状態で安定する。
【0040】
乗降補助フレーム113を構成している揺動ベース部材113bの一対の揺動軸部113aは、一対の軸受け部112aにより揺動自在に軸止されている。この一対の軸受け部112aは、台車ユニット110のトラバース車輪111の内側車輪部111aの直近で内側車輪部111aと外側車輪部111bとの間に配置されているので、図4及び図6Bに示すように、一対の揺動軸部113aは、台車ユニット110のトラバース車輪111の内側車輪部111aの直近で内側車輪部111aと外側車輪部111bとの間に位置決め配置される。
【0041】
以上のようにレールユニット120及び台車ユニット110を配置することにより、図7Aに示すように、第2鉄筋LR上を自走している鉄筋結束ロボットRが自動的に台車フレーム112に移載する。
【0042】
鉄筋結束ロボットRが傾斜している一対の乗降補助レール部113cを上る際には、図7Aに示すように、鉄筋結束ロボットRの第1鉄筋検知装置R1が、乗降補助フレーム113の鉄筋検知阻害部113gに当接して押し上げられるので、第1鉄筋TRの検知が妨げられて結束動作は起きない。
【0043】
また、鉄筋結束ロボットRが、傾斜している一対の乗降補助レール部113cを上る際には、図7Aに示すように、鉄筋結束ロボットRの前進方向の第2鉄筋検知装置R2が、第2鉄筋LRの代わりに中央レール部113hを検知しているため、自動的に前進を続ける。
【0044】
鉄筋結束ロボットRが傾斜している一対の乗降補助レール部113cを上り、鉄筋結束ロボットRの重心が揺動ベース部材113bを越えると、図7Bに示すように、鉄筋結束ロボットRの重量により自動的に乗降補助フレーム113全体が一対の揺動軸部113aを中心に揺動して、第2鉄筋LRと離間して水平なロボット搭載位置で安定する。
【0045】
この時、図7Cに示すように、逆U字状の断面を有している一対の乗降補助レール部113Cの下端部位が跳ね上がり、第2鉄筋LRと係合している状態(実線)から、第2鉄筋LRとの係合から離脱した状態(二点鎖線)になる。
【0046】
乗降補助フレーム113が水平なロボット搭載位置で安定している時には、鉄筋結束ロボットRの第1鉄筋検知装置R1から第1鉄筋TRまでの距離が十分に大きいため第1鉄筋TRを検知せず、鉄筋結束ロボットRが結束動作を起こさない。
【0047】
乗降補助フレーム113が水平なロボット搭載位置まで揺動し、鉄筋結束ロボットRが乗降補助フレーム113の最奥部まで進んだ際には、図7Bに示すように、鉄筋結束ロボットRの前進方向の第2鉄筋検知装置R2が検知する対象物がなくなるため、鉄筋結束ロボットRは前進走行を終了させて自動的に停止する。
【0048】
鉄筋結束ロボットRが乗降補助フレーム113の最奥部まで上り切って完全に移載して停止し、乗降補助フレーム113が第2鉄筋LRと離間して水平なロボット搭載位置で安定的に鉄筋結束ロボットRを搭載保持する状態になった後に、図8Aに矢印で示すように、作業者が台車ユニット110を手動で押すことによりトラバース車輪111を転動させて、レールユニット120のトラバースレール121に沿って移動させる。本実施例では、台車ユニット110が第2鉄筋LRの敷設間隔とちょうど同じ距離だけ移動して停止するよう、不図示のストッパーを設けている。
【0049】
台車ユニット110をトラバースレール121に沿って移動させた後、図8Bに示すように、鉄筋結束ロボットRの走行を再開させる。この場合、走行方向は台車フレーム112に移載する際の前進走行とは逆向きの後退走行になる。
【0050】
鉄筋結束ロボットRが後退走行を開始し、鉄筋結束ロボットRの重心が揺動ベース部材113bを越えると、鉄筋結束ロボットRの重量により自動的に乗降補助フレーム113全体が一対の揺動軸部113aを中心に揺動し、第2鉄筋LRに接続して傾斜するロボット乗降位置で安定する。
【0051】
この時、逆U字状の断面を有している一対の乗降補助レール部113Cの下端部位が下がって、再度、第2鉄筋LRと係合する状態になる。台車ユニット110が第2鉄筋LRの敷設間隔とちょうど同じ距離だけトラバースレール121に沿って移動したことにより、鉄筋結束ロボットRが台車フレーム112に移載する前に走行していた1番目と3番目の第2鉄筋にそれぞれ隣接している、2番目と4番目の第2鉄筋LRに、一対の乗降補助レール部113Cの下端部位が係合することになる。
【0052】
鉄筋結束ロボットRが、傾斜している一対の乗降補助レール部113cを下る際には、鉄筋結束ロボットRの後退方向の第2鉄筋検知装置R2が、第2鉄筋LRの代わりに中央レール部113hを検知しているため、自動的に後退走行を続ける。
【0053】
鉄筋結束ロボットRが傾斜している一対の乗降補助レール部113cを下る際には、図9に示すように、鉄筋結束ロボットRの第1鉄筋検知装置R1が、乗降補助フレーム113の鉄筋検知阻害部113gに当接して押し上げられるので、第1鉄筋TRの検知が妨げられて結束動作は起きない。
【0054】
鉄筋結束ロボットRがさらに後退走行して、図10に示すように、第1鉄筋検知装置R1が乗降補助フレーム113の鉄筋検知阻害部113gと当接しなくなる位置に至ると、第1鉄筋検知装置R1が本来の位置まで下がるため、鉄筋結束ロボットRが第1鉄筋TRを検知することができるようになり、結束動作を再開する。
【0055】
以上の手順により、鉄筋結束ロボットRが1番目及び3番目の第2鉄筋LRを走行軌道として自走して鉄筋相互の交差部を結束しながら1番目及び3番目の第2鉄筋LRの端部付近まで到達した際に、台車ユニット110の乗降補助フレーム113が鉄筋結束ロボットRを1番目及び3番目の第2鉄筋LRと台車フレーム112との相互間で乗降自在に移載するとともに鉄筋結束ロボットRが台車フレーム112に移載してトラバースレール121に沿って2番目及び4番目の第2鉄筋LRまで移動可能となるため、作業者が鉄筋結束ロボットを自力で持ち上げることなく他の第2鉄筋を新たな走行軌道として逆向きに自走させ、その結果、鉄筋結束ロボットの折り返し作業を簡便に達成することができる。
【0056】
以上説明したように、本実施例のロボットトラバースシステム100によれば、複数の第2鉄筋LR上で第2鉄筋LRに対して直交配置する複数のトラバースレール121と複数のトラバースレール121の相互間を等間隔に保持するレール支持体122とを一体に形成したレールユニット120と、レールユニット120のトラバースレール121上を転動するトラバース車輪111とトラバース車輪111の転動によりトラバースレール121上を移動する台車フレーム112と鉄筋結束ロボットRを第2鉄筋LRと台車フレーム112との相互間で乗降自在に移載する乗降補助フレーム113とを一体に形成した台車ユニット110とで構成されていることにより、鉄筋結束ロボットRが第2鉄筋LRを走行軌道として自走して鉄筋相互の交差部を結束しながら第2鉄筋LRの端部付近まで到達した際に、台車ユニット110の乗降補助フレーム113が鉄筋結束ロボットRを第2鉄筋LRと台車フレーム112との相互間で乗降自在に移載するとともに鉄筋結束ロボットRが台車フレーム112に移載してトラバースレール121に沿って他の第2鉄筋LRまで移動可能となるため、作業者が鉄筋結束ロボットRを自力で持ち上げることなく他の第2鉄筋LRを新たな走行軌道として逆向きに自走させ、その結果、鉄筋結束ロボットRの折り返し作業を簡便に達成することができる。
【0057】
本実施例の台車ユニット110によれば、レールユニット120のトラバースレール121上を転動するトラバース車輪111と、トラバース車輪111の転動によりトラバースレール121上を移動する台車フレーム112と、第2鉄筋LRに接続して傾斜するロボット乗降位置と第2鉄筋LRと離間して水平なロボット搭載位置との間でトラバースレール121と平行な揺動軸部113aを中心に揺動して鉄筋結束ロボットRを乗降自在に移載する乗降補助フレーム113とを一体に形成したことにより、鉄筋結束ロボットRが第2鉄筋LRを走行軌道として自走して鉄筋相互の交差部を結束しながら第2鉄筋LRの端部付近まで到達した際に、第2鉄筋LRに接続して傾斜する乗降補助フレーム113のロボット乗降位置で鉄筋結束ロボットRを自走させるため、鉄筋結束ロボットRを第2鉄筋LRと台車ユニット110との間でスムーズに移載することができる。
【0058】
また、第2鉄筋LRと離間して水平な乗降補助フレーム113のロボット搭載位置で鉄筋結束ロボットRを搭載保持するため、台車ユニット110をトラバースレール121に沿って安定して他の第2鉄筋LRまで移動させることができる。
【0059】
さらに、乗降補助フレーム113が、揺動ベース部材113bと補助レール間隔調整部材113dと揺動ベース部材113b及び補助レール間隔調整部材113dにより間隔調整自在に固定されている一対の平行な乗降補助レール部113cとを備えていることにより、乗降補助フレーム113が傾斜位置にある際に一対の乗降補助レール部113cの間隔が第2鉄筋LRの敷設間隔と対応するよう調節するため、鉄筋結束ロボットRが第2鉄筋LRと乗降補助フレーム113との間で脱輪することなく乗降移動することができる。
【0060】
さらにまた、トラバース車輪111が、内側車輪部111aと外側車輪部111bとからなり、揺動軸部113aが、内側車輪部111aの直近で内側車輪部111aと外側車輪部111bとの間に位置決め配置されていることにより、鉄筋結束ロボットRが第2鉄筋LRと乗降補助フレーム113との間を乗降する際に、鉄筋結束ロボットRの荷重が揺動軸部113aを介して内側車輪部111aと外側車輪部111bとの間の位置に加わるため、外側車輪部111bが持ち上がることなく安定的に乗降することができる。
【0061】
そして、一対の乗降補助レール部113cが、それぞれ逆U字状の断面を有していることにより、乗降補助フレーム113が第2鉄筋LRに接続して傾斜するロボット乗降位置にある際に、一対の乗降補助レール部113cの下端部位が第2鉄筋LRに係合して段差がごく小さくなるため、鉄筋結束ロボットRが第2鉄筋LRと乗降補助フレーム113との間でスムーズに乗降移動することができる。
【0062】
加えて、乗降補助フレーム113が、鉄筋結束ロボットRによる第1鉄筋TRの検知を妨げる鉄筋検知阻害部113gを有していることにより、乗降補助フレーム113の上で鉄筋結束ロボットRが第1鉄筋TRを検知して行う結束動作が起きないため、不要な結束動作による鉄筋結束ロボットRと第1鉄筋TR及び第2鉄筋LRとの干渉を避けて、台車ユニット110を安全に移動させることができる。
【0063】
本実施例のレールユニット120によれば、複数の第2鉄筋LR上で第2鉄筋LRに対して直交配置する複数のトラバースレール121と複数のトラバースレール121の相互間を等間隔に保持するレール支持体122と第1鉄筋TRに係合する係合フック123とを一体に形成したことにより、鉄筋結束ロボットRが自動的に台車フレーム112に移載する時、係合フック123が第1鉄筋TRに係合して第1鉄筋TRに対するレールユニット120の位置が固定されるため、鉄筋結束ロボットRが第2鉄筋LRと乗降補助フレーム113との間で乗降動作を行う際にレールユニット120の位置づれを防止することができる。
【符号の説明】
【0064】
100 ロボットトラバースシステム
110 台車ユニット
111 トラバース車輪
111a 内側車輪部
111b 外側車輪部
112 台車フレーム
112a 軸受け部
113 乗降補助フレーム
113a 揺動軸部
113b 揺動ベース部材
113c 乗降補助レール部
113d 補助レール間隔調整部材
113e 補助レール間隔調整孔部
113f 補助レール固定ネジ部
113g 鉄筋検知阻害部
113h 中央レール部
120 レールユニット
121 トラバースレール
122 レール支持体
123 係合フック
TR 第1鉄筋
LR 第2鉄筋
R 鉄筋結束ロボット
R0 ロボット車輪
R1 第1鉄筋検知装置
R2 第2鉄筋検知装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9
図10
図11