(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183302
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】ターゲットRANノード、5Gコアネットワークノード、及びこれらの方法
(51)【国際特許分類】
H04W 36/14 20090101AFI20221201BHJP
H04W 36/10 20090101ALI20221201BHJP
【FI】
H04W36/14
H04W36/10
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167447
(22)【出願日】2022-10-19
(62)【分割の表示】P 2021132596の分割
【原出願日】2017-05-16
(31)【優先権主張番号】P 2016158279
(32)【優先日】2016-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】二木 尚
(72)【発明者】
【氏名】林 貞福
(57)【要約】
【課題】RAT間ハンドオーバにおいてターゲットRATのASレイヤ設定を適切に行うことに寄与する。
【解決手段】5Gコアネットワークノードに接続されたターゲットRANノードは、当該5Gコアネットワークノードに接続されたソースeNodeBからターゲットRANノードへの無線端末のハンドオーバ中に、PDUセッションに関するリスト情報を含むハンドオーバ要求メッセージを5Gコアネットワークノードから受信する。リスト情報は、フロー識別子及びフローQoSパラメータを含む。ハンドオーバ要求メッセージに応答して、ターゲットRANノードは、無線リソース設定情報を包含するトランペアレントコンテナを含むハンドオーバ要求承認メッセージを5Gコアネットワークノードに送信する。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット無線アクセスネットワーク(RAN)ノードであって、
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、Fifth Generation(5G)コアネットワークの5Gコアネットワークノードに接続されたソースeNodeBから前記5Gコアネットワークノードに接続された前記ターゲットRANノードへの無線端末のハンドオーバ中に、Protocol Data Unit(PDU)セッションに関するリスト情報を含むHandover Requestメッセージを前記5Gコアネットワークノードから受信するよう構成され、
前記PDUセッションに関するリスト情報は、フロー識別子及びフローQuality of Service(QoS)パラメータを含み、
前記Handover Requestメッセージに応答して、無線リソース設定情報を包含するTarget to Source Transparent Containerを含むHandover Request Acknowledgeメッセージを前記5Gコアネットワークノードに送信するよう構成される、
ターゲットRANノード。
【請求項2】
前記無線リソース設定情報は前記PDUセッションに関するリスト情報に基づき生成された情報である、
請求項1に記載のターゲットRANノード。
【請求項3】
前記PDUセッションは、前記PDUセッション内で特定される少なくとも1つのフローを含み、
前記少なくとも1つのフローのQoSは、フロー毎に処理される、
請求項1または2に記載のターゲットRANノード。
【請求項4】
前記無線リソース設定情報は、前記5Gコアネットワークノードから前記ソースeNodeBに転送される、
請求項1乃至3のいずれか1つに記載のターゲットRANノード。
【請求項5】
Fifth Generation(5G)コアネットワークの5Gコアネットワークノードであって、
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記5Gコアネットワークノードに接続されたソースRANノードから前記5Gコアネットワークノードに接続されたターゲット無線アクセスネットワーク(RAN)ノードへの無線端末のハンドオーバ中に、Protocol Data Unit(PDU)セッションに関するリスト情報を含むHandover Requestメッセージを前記ターゲットRANノードに送信するよう構成され、
前記PDUセッションに関するリスト情報は、フロー識別子及びフローQuality of Service(QoS)パラメータを含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記Handover Requestメッセージに応答して、無線リソース設定情報を包含するTarget to Source Transparent Containerを含むHandover Request Acknowledgeメッセージを前記ターゲットRANノードから受信するよう構成される、
5Gコアネットワークノード。
【請求項6】
前記無線リソース設定情報は前記PDUセッションに関するリスト情報に基づき生成された情報である、
請求項5に記載の5Gコアネットワークノード。
【請求項7】
前記PDUセッションは、前記PDUセッション内で特定される少なくとも1つのフローを含み、
前記少なくとも1つのフローのQoSは、フロー毎に処理される、
請求項5または6に記載の5Gコアネットワークノード。
【請求項8】
前記無線リソース設定情報は、前記5Gコアネットワークノードから前記ソースeNodeBに転送される、
請求項5乃至7のいずれか1つに記載の5Gコアネットワークノード。
【請求項9】
ターゲット無線アクセスネットワーク(RAN)ノードにおける方法であって、
Fifth Generation(5G)コアネットワークの5Gコアネットワークノードに接続されたソースRANノードから前記5Gコアネットワークノードに接続された前記ターゲットRANノードへの無線端末のハンドオーバ中に、Protocol Data Unit(PDU)セッションに関するリスト情報を含むHandover Requestメッセージを前記5Gコアネットワークノードから受信すること、及び
前記Handover Requestメッセージに応答して、無線リソース設定情報を包含するTarget to Source Transparent Containerを含むHandover Request Acknowledgeメッセージを前記5Gコアネットワークノードに送信すること、
を備え、
前記PDUセッションに関するリスト情報は、フロー識別子及びフローQuality of Service(QoS)パラメータを含む、
方法。
【請求項10】
前記無線リソース設定情報は前記PDUセッションに関するリスト情報に基づき生成された情報である、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記PDUセッションは、前記PDUセッション内で特定される少なくとも1つのフローを含み、
前記少なくとも1つのフローのQoSは、フロー毎に処理される、
請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記無線リソース設定情報は、前記5Gコアネットワークノードから前記ソースRANノードに転送される、
請求項9乃至11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
Fifth Generation(5G)コアネットワークの5Gコアネットワークノードにおける方法で
あって、
前記5Gコアネットワークノードに接続されたソースRANノードから前記5Gコアネットワークノードに接続されたターゲット無線アクセスネットワーク(RAN)ノードへの無線端末のハンドオーバ中に、Protocol Data Unit(PDU)セッションに関するリスト情報を含むHandover Requestメッセージを前記ターゲットRANノードに送信すること、及び
前記Handover Requestメッセージに応答して、無線リソース設定情報を包含するTarget to Source Transparent Containerを含むHandover Request Acknowledgeメッセージを前記ターゲットRANノードから受信すること、
を備え、
前記PDUセッションに関するリスト情報は、フロー識別子及びフローQuality of Service(QoS)パラメータを含む、
方法。
【請求項14】
前記無線リソース設定情報は前記PDUセッションに関するリスト情報に基づき生成された情報である、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記PDUセッションは、前記PDUセッション内で特定される少なくとも1つのフローを含み、
前記少なくとも1つのフローのQoSは、フロー毎に処理される、
請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記無線リソース設定情報は、前記5Gコアネットワークノードから前記ソースeNodeBに転送される、
請求項13乃至15のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信システムに関し、特に異なるRadio Access Technologies(RATs)の間での無線端末のハンドオーバに関する。
【背景技術】
【0002】
3rd Generation Partnership Project(3GPP(登録商標))は、2020年移行の導入に向けた第5世代移動通信システム(5G)の標準化作業を3GPP Release 14として2016年に開始している(非特許文献1を参照)。5Gは、LTE及びLTE-Advancedの継続的な改良・発展(enhancement/evolution)と新たな5Gエア・インタフェース(新たなRadio Access Technology(RAT))の導入による革新的な改良・発展の組合せで実現されると想定されている。新たなRATは、例えば、LTE/LTE-Advancedの継続的発展が対象とする周波数帯(e.g., 6 GHz以下)よりも高い周波数帯、例えば10 GHz以上のセンチメートル波帯及び30 GHz以上のミリ波帯をサポートする。
【0003】
本明細書では、第5世代移動通信システムは、Next Generation (NextGen) System(NG System)とも呼ばれる。NG Systemのための新たなRATは、New Radio(NR)、5G RAT、又はNG RATと呼ばれる。NG Systemのための新たな無線アクセスネットワーク(Radio Access Network(RAN))及びコアネットワークは、それぞれNextGen RAN(NG RAN)及びNextGen Core(NG Core)と呼ばれる。NG Systemに接続する無線端末(User Equipment(UE))は、NextGen UE(NG UE)と呼ばれる。NG SystemのためのRAT、UE、無線アクセスネットワーク、コアネットワーク、ネットワーク・エンティティ(ノード)、及びプロトコルレイヤ等の正式な名称は、標準化作業が進む過程で将来的に決定されるであろう。
【0004】
また、本明細書で使用される“LTE”との用語は、特に断らない限り、NG Systemとのインターワーキングを可能とするためのLTE及びLTE-Advancedの改良・発展を含む。NG System とのインターワークのためのLTE及びLTE-Advancedの改良・発展は、LTE-Advanced Pro、LTE+、又はenhanced LTE(eLTE)とも呼ばれる。さらに、本明細書で使用される“Evolved Packet Core (EPC)”、“Mobility Management Entity (MME)”、“Serving Gateway (S-GW)”、及び“Packet Data Network (PDN) Gateway (P-GW)”等のLTEのネットワーク又は論理的エンティティに関する用語は、特に断らない限り、NG Systemとのインターワーキングを可能とするためのこれらの改良・発展を含む。改良されたEPC、MME、S-GW、及びP-GWは、例えば、enhanced EPC(eEPC)、enhanced MME(eMME)、enhanced S-GW(eS-GW)、及びenhanced P-GW(eP-GW)とも呼ばれる。
【0005】
LTE及びLTE-Advancedでは、Quality of Service(QoS)及びパケットルーティングのために、QoSクラス毎且つPDNコネクション毎のベアラがRAN(i.e., Evolved Universal Terrestrial RAN)及びコアネットワーク(i.e., Evolved Packet core(EPC))の両方で使用される。すなわち、Bearer-based QoS(or per-bearer QoS)コンセプトでは、UEとEPC内のP-GWとの間に1又は複数のEvolved Packet System (EPS) bearersが設定され、同じQoSクラスを持つ複数のサービスデータフロー(Service Data Flows(SDFs))はこれらのQoSを満足する1つのEPS bearerを通して転送される。SDFは、Policy and Charging Control (PCC) ルールに基づくSDFテンプレート(i.e., packet filters)にマッチする1又は複数のパケットフローである。また、パケットルーティングのために、EPS bearerを通って送られる各パケットは、このパケットがどのベアラ(i.e., General Packet Radio Service (GPRS) Tunneling Protocol(GTP)トンネル)に関連付けられているかを見分ける(identify)ための情報を包含する。
【0006】
これに対して、NG Systemでは、無線ベアラがNG RAN において使用されるかもしれないが、NG Core及びNG CoreとNG RANの間のインタフェースにおいてベアラは使用されないことが検討されている(非特許文献1を参照)。具体的には、EPS bearerの代わりにPDU flowsが定義され、1又は複数のSDFsは、1又は複数のPDU flowsにマップされる。NG UEとNG Core内のユーザプレーン終端エンティティ(i.e., EPC内のP-GWに相当するエンティティ)との間のPDU flowは、EPS Bearer-based QoSコンセプトにおけるEPSベアラに相当する。すなわち、NG Systemは、Bearer-based QoSコンセプトの代わりにFlow-based QoS(or per-flow QoS)コンセプトを採用する。Flow-based QoS コンセプトでは、QoSはPDU flow単位で取り扱われる(handled)。なお、UEとデータネットワークとの間の関連付け(association)は、PDUセッション(PDU session)と呼ばれる。PDUセッションは、LTE及びLTE-AdvancedのPDNコネクション(PDN connection)に相当する用語である。複数のPDU flowsが1つのPDUセッション内に設定されることができる。
【0007】
本明細書では、LTE及びLTE-Advancedシステムのように、UEとコアネットワーク内のエッジノード(e.g., P-GW)との間にend-to-endベアラ(e.g., EPS bearer)を設定し、Bearer-based QoSコンセプトを採用するシステムを、“bearer-based system”又は“bearer-based network”と呼ぶ。一方、NG Systemのように、コアネットワーク及びコアネットワークとRANのインタフェースにおいてベアラを使用せず、Flow-based QoSコンセプトを採用するシステムを“bearer-less system”又は“bearer-less network”と呼ぶ。上述したNG Systemのように、bearer-less networkのRANでは無線ベアラが使用されてもよい。“bearer-less”との用語は、例えば、GTP-less, (PDN) connection-less, tunnel-less, (IP) flow-based, SDF-based, stream-based, 又は(PDU) session-basedと言い換えることもできる。
【0008】
さらに、NG Systemがnetwork slicingをサポートすることも検討されている(非特許文献1を参照)。Network slicingは、Network Function Virtualization(NFV)技術及びsoftware-defined networking(SDN)技術を使用し、複数の仮想化された論理的なネットワークを物理的なネットワークの上に作り出すことを可能にする。各々の仮想化された論理的なネットワークは、ネットワークスライス(network slice)又はネットワークスライス・インスタンス(network slice instance)と呼ばれ、論理的なノード(nodes)及び機能(functions)を含み、特定のトラフィック及びシグナリングのために使用される。NG RAN若しくはNG Core又はこれら両方は、Slice Selection Function(SSF)を有する。SSFは、NG UE及びNG Coreの少なくとも一方によって提供される情報に基づいて、当該NG UEのために適した1又は複数のネットワークスライスを選択する。
【0009】
なお、特許文献1は、bearer-less network(e.g., 5G)からbearer-based network(e.g., LTE)へのハンドオーバ、及びbearer-based network(e.g., LTE)からbearer-less network(e.g., 5G)へのハンドオーバに関する開示を含む。特許文献1に示された5GからLTEへのハンドオーバでは、5Gコア(NG Core)のsource制御ノード(i.e., Access Control Server (ACS)/eMME)は、bearer-less network(5G)のservice flowsのQoS parametersをbearer-based network (LTE)のEPS-bearer-level QoSにマップする。5Gのservice flowsのQoS parameters は、例えば、DiffServ code point (DSCP) valuesである。LTEのEPS-bearer-level QoSは、例えば、QoS class identifier(QCI)及びallocation and retention priority(ARP)である。DSCP valuesのEPS bearersへのマッピングは、一対一またはn対一で行われてもよい。Source ACS/eMMEは、EPS-bearer-level QoS の情報を含むAPN information をtarget MMEに送る。Target MMEは、受信したAPN informationに従って、UEのためのGTP tunnelsをセットアップする。
【0010】
また、特許文献1に示されたLTEから5Gへのハンドオーバでは、LTEコア(i.e., EPC)のsource MMEは、必要な bearer context informationを包含するforward relocation requestを5Gコア(NG Core)のtarget ACS/eMMEに送る。target ACS/eMMEは、LTE(i.e., source MME)から取得したQCI valuesを5G QoS parameters (i.e., DSCP values)にマップし、これを5Gコア(NG Core)の転送ノード(i.e., Mobility Gateway Access Router (M-GW/AR) 又は Mobility Gateway Edge Router (M-GW/ER))に供給する。これにより、Target ACS/eMMEは、UEのservice flows(i.e., IP packets)を送るための少なくとも1つのGeneric Routing Encapsulation (GRE) tunnelをセットアップする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】3GPP TR 23.799 V0.6.0 (2016-07) “3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Study on Architecture for Next Generation System (Release 14)”, July 2016
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本件発明者等は、bearer-based network(e.g., LTE)とbearer-less network(e.g., 5G)との間のハンドオーバに関して検討を行い、いくつかの課題を見出した。例えば、特許文献1は、bearer-based network(e.g., LTE)からbearer-less network(e.g., 5G)へのハンドオーバにおいて、5Gコア(NG Core)内のtarget ACS/eMMEが、LTE(i.e., source MME)から取得したQCI valuesを5G QoS parameters (i.e., DSCP values)にマップし、これを5Gコア(NG Core)の転送ノード(i.e., Mobility Gateway Access Router (M-GW/AR) 又は Mobility Gateway Edge Router (M-GW/ER))に供給することを開示している。しかしながら、特許文献1は、LTEから5Gへのハンドオーバ手順の間に、UE、E-UTRAN内のsource eNodeB(eNB)、及び5G RAN(NG RAN)内のtarget 5G Access Point(AP)によって行われる処理(特に、Access Stratum(AS)レイヤの処理)の詳細について記載していない。
【0014】
したがって、本明細書に開示される実施形態が達成しようとする目的の1つは、bearer-based network(e.g., LTE)とbearer-less network(e.g., 5G)との間のハンドオーバにおいてtarget RATのASレイヤ設定を適切に行うことに寄与する装置、方法、及びプログラムを提供することである。なお、この目的は、本明細書に開示される複数の実施形態が達成しようとする複数の目的の1つに過ぎないことに留意されるべきである。その他の目的又は課題と新規な特徴は、本明細書の記述又は添付図面から明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
一態様では、ベアラレス・ネットワークに関連付けられたターゲット無線アクセスネットワーク(RAN)ノードは、少なくとも1つのメモリと、前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、ベアラベースド・ネットワークから前記ベアラレス・ネットワークへの無線端末のハンドオーバを要求するhandover requestメッセージをコアネットワークから受信するよう構成されている。前記handover requestメッセージは、前記無線端末の少なくとも1つのパケットフローを転送するために前記ベアラレス・ネットワーク内で確立される少なくとも1つのセッションに関するフロー情報を含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、前記handover requestメッセージに応答して、Target to Source Transparent Containerを包含するhandover request acknowledgeメッセージを前記コアネットワークに送信するよう構成されている。前記Target to Source Transparent Containerは、前記フロー情報から導かれる無線リソース設定情報を包含し、且つ前記コアネットワークを介して前記ベアラベースド・ネットワークに関連付けられたソースRANノードにフォワードされる。
【0016】
一態様では、ベアラベースド・ネットワークに関連付けられたソース無線アクセスネットワーク(RAN)ノードは、少なくとも1つのメモリと、前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、前記ベアラベースド・ネットワークからベアラレス・ネットワークへの無線端末のハンドオーバを開始するためのhandover requiredメッセージをコアネットワークに送信し、Target to Source Transparent Containerを包含するhandover commandメッセージを前記コアネットワークから受信するよう構成されている。前記Target to Source Transparent Containerは、前記ベアラレス・ネットワークに関連付けられたターゲットRANノードによって生成され、前記無線端末の少なくとも1つのパケットフローを転送するために前記ベアラレス・ネットワーク内で確立される少なくとも1つのセッションに関連付けられた無線コネクションを確立するために前記無線端末にとって必要となる無線リソース設定情報を包含する。前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、前記無線リソース設定情報を包含し且つ前記ベアラレス・ネットワークへのハンドオーバを示すmobility commandメッセージを前記無線端末に送信するよう構成されている。
【0017】
一態様では、無線端末は、少なくとも1つのメモリと、前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、ベアラベースド・ネットワークからベアラレス・ネットワークへのハンドオーバを示すmobility commandメッセージを前記ベアラベースド・ネットワークに関連付けられた無線アクセスネットワーク(RAN)ノードから受信するよう構成されている。前記mobility commandメッセージは、前記ベアラレス・ネットワークに関連付けられたターゲットRANノードによって生成され、前記無線端末の少なくとも1つのパケットフローを転送するために前記ベアラレス・ネットワーク内で確立される少なくとも1つのセッションに関連付けられた無線コネクションを確立するために前記無線端末にとって必要となる無線リソース設定情報を包含する。前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、前記無線リソース設定情報を用いて、前記ベアラレス・ネットワークに関連付けられた前記ターゲットRANノードとの前記無線コネクションを確立するよう構成されている。
【0018】
一態様では、ベアラレス・ネットワークに関連付けられたターゲット無線アクセスネットワーク(RAN)ノードにおける方法は、
ベアラベースド・ネットワークから前記ベアラレス・ネットワークへの無線端末のハンドオーバを要求するhandover requestメッセージをコアネットワークから受信すること、ここで、前記handover requestメッセージは、前記無線端末の少なくとも1つのパケットフローを転送するために前記ベアラレス・ネットワーク内で確立される少なくとも1つのセッションに関するフロー情報を含み;及び
前記handover requestメッセージに応答して、Target to Source Transparent Containerを包含するhandover request acknowledgeメッセージを前記コアネットワークに送信すること、ここで、前記Target to Source Transparent Containerは、前記フロー情報から導かれる無線リソース設定情報を包含し、且つ前記コアネットワークを介して前記ベアラベースド・ネットワークに関連付けられたソースRANノードにフォワードされる;
を含む。
【0019】
一態様では、ベアラベースド・ネットワークに関連付けられたソース無線アクセスネットワーク(RAN)ノードにおける方法は、
前記ベアラベースド・ネットワークからベアラレス・ネットワークへの無線端末のハンドオーバを開始するためのhandover requiredメッセージをコアネットワークに送信すること;
Target to Source Transparent Containerを包含するhandover commandメッセージを前記コアネットワークから受信すること、ここで、前記Target to Source Transparent Containerは、前記ベアラレス・ネットワークに関連付けられたターゲットRANノードによって生成され、前記無線端末の少なくとも1つのパケットフローを転送するために前記ベアラレス・ネットワーク内で確立される少なくとも1つのセッションに関連付けられた無線コネクションを確立するために前記無線端末にとって必要となる無線リソース設定情報を包含し;及び
前記無線リソース設定情報を包含し且つ前記ベアラレス・ネットワークへのハンドオーバを示すmobility commandメッセージを前記無線端末に送信すること;
を含む。
【0020】
一態様では、無線端末における方法は、
ベアラベースド・ネットワークからベアラレス・ネットワークへのハンドオーバを示すmobility commandメッセージを前記ベアラベースド・ネットワークに関連付けられた無線アクセスネットワーク(RAN)ノードから受信すること、ここで、前記mobility commandメッセージは、前記ベアラレス・ネットワークに関連付けられたターゲットRANノードによって生成され、前記無線端末の少なくとも1つのパケットフローを転送するために前記ベアラレス・ネットワーク内で確立される少なくとも1つのセッションに関連付けられた無線コネクションを確立するために前記無線端末にとって必要となる無線リソース設定情報を包含し;及び
前記無線リソース設定情報を用いて、前記ベアラレス・ネットワークに関連付けられた前記ターゲットRANノードとの前記無線コネクションを確立すること;
を含む。
【0021】
一態様では、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、上述の態様に係る方法をコンピュータに行わせるための命令群(ソフトウェアコード)を含む。
【発明の効果】
【0022】
上述の態様によれば、bearer-based network(e.g., LTE)とbearer-less network(e.g., 5G)との間のハンドオーバにおいてtarget RATのASレイヤ設定を適切に行うことに寄与する装置、方法、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】いくつかの実施形態に係る無線通信ネットワークの構成例を示す図である。
【
図2】いくつかの実施形態に係る無線通信ネットワークの構成例を示す図である。
【
図3A】第1の実施形態に係る、LTE SystemからNG Systemへのinter-RATハンドオーバ手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図3B】第1の実施形態に係る、LTE SystemからNG Systemへのinter-RATハンドオーバ手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図4A】第1の実施形態に係る、LTE SystemからNG Systemへのinter-RATハンドオーバ手順の他の例を示すシーケンス図である。
【
図4B】第1の実施形態に係る、LTE SystemからNG Systemへのinter-RATハンドオーバ手順の他の例を示すシーケンス図である。
【
図5】第1の実施形態に係るコアネットワークにより行われる方法の一例を示すフローチャートである。
【
図6】第1の実施形態に係るターゲットNR NodeB(NR NB)により行われる方法の一例を示すフローチャートである。
【
図7】第1の実施形態に係るソースLTE eNBにより行われる方法の一例を示すフローチャートである。
【
図8】第1の実施形態に係る無線端末により行われる方法の一例を示すフローチャートである。
【
図9A】第2の実施形態に係る、NG SystemからLTE Systemへのinter-RATハンドオーバ手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図9B】第2の実施形態に係る、NG SystemからLTE Systemへのinter-RATハンドオーバ手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図10A】第2の実施形態に係る、NG SystemからLTE Systemへのinter-RATハンドオーバ手順の他の例を示すシーケンス図である。
【
図10B】第2の実施形態に係る、NG SystemからLTE Systemへのinter-RATハンドオーバ手順の他の例を示すシーケンス図である。
【
図11】幾つかの実施形態に係る無線端末の構成例を示すブロック図である。
【
図12】幾つかの実施形態に係る基地局の構成例を示すブロック図である。
【
図13】幾つかの実施形態に係る基地局の構成例を示すブロック図である。
【
図14】幾つかの実施形態に係るコアネットワークノードの構成例を示すブロック図である。
【
図15A】Mobility from EUTRA commandメッセージのフォーマットの一例を示す図である。
【
図15B】Mobility from EUTRA commandメッセージのフォーマットの一例を示す図である。
【
図16】Handover Requiredメッセージのフォーマットの一例を示す図である。
【
図17】Source NR NB to Target NR NB Transparent Containerのフォーマットの一例を示す図である。
【
図18】Source NR NB to Target NR NB Transparent Containerのフォーマットの一例を示す図である。
【
図19】Source NR NB to Target NR NB Transparent Containerのフォーマットの一例を示す図である。
【
図20】Source NR NB to Target NR NB Transparent Containerのフォーマットの一例を示す図である。
【
図21】(NR) Handover Requestメッセージのフォーマットの一例を示す図である。
【
図22】(NR) Handover Requestメッセージのフォーマットの一例を示す図である。
【
図23】(NR) Handover Requestメッセージのフォーマットの一例を示す図である。
【
図24】Slice Informationのフォーマットの一例を示す図である。
【
図25】Session Endpoint IDのフォーマットの一例を示す図である。
【
図26】(NR) Handover Request Acknowledgeメッセージのフォーマットの一例を示す図である。
【
図27】Target to Source Transparent Containerのフォーマットの一例を示す図である。
【
図28】(NR) Handover Request Acknowledgeのフォーマットの一例を示す図である。
【
図29】(NR) Handover Request Acknowledgeのフォーマットの一例を示す図である。
【
図30】Forwarding Addressのフォーマットの一例を示す図である。
【
図31】S1AP Handover Commandメッセージのフォーマットの一例を示す図である。
【
図32】NG2AP Handover Commandメッセージのフォーマットの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じてこれらに関する重複説明は省略される。
【0025】
以下に説明される複数の実施形態は、独立に実施されることもできるし、適宜組み合わせて実施されることもできる。これら複数の実施形態は、互いに異なる新規な特徴を有している。したがって、これら複数の実施形態は、互いに異なる目的又は課題を解決することに寄与し、互いに異なる効果を奏することに寄与する。
【0026】
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態を含む幾つかの実施形態に係る無線通信ネットワークの構成例を示している。
図1の例では、無線通信ネットワークは、無線端末(UE)1、LTE基地局(i.e., eNB)2、New Radio (NR) 基地局(i.e., NR NodeB (NR NB))3、EPC4、及びNextGen (NG) Core5を含む。UE1は、LTE eNB2及びEPC4を含むLTEシステムに接続する能力を有し、且つNR NB3及びNG Core5を含むNextGen(NG)システムに接続する能力を有する。
【0027】
図1の例では、EPC4はNG Core5に接続されている。具体的には、EPC4内の1又は複数のノードは、コントロールプレーン・インタフェースを介してNG Core5内の1又は複数のノードに接続される。幾つかの実装において、EPC4内のMMEは、コントロールプレーン・インタフェースを介してNG Core5内のMMEの機能の少なくとも一部を有する制御ノード(i.e., Control Plane Function (CPF)ノード)に接続されてもよい。さらに、EPC4内の1又は複数のノードは、ユーザプレーン・インタフェースを介してNG Core5内の1又は複数のデータノード(i.e., User Plane Function (UPF)ノード)に接続されてもよい。ここで、該データノード(UPFノード)は、S-GWの機能の少なくとも一部を有するノードでもよい。すなわち、EPC4は、NG Core5を含むNG Systemとのインターワーキングを行うよう改良(enhanced)されていて、eEPCと呼ばれてもよい。
【0028】
同様に、NR NB3は、コントロールプレーン・インタフェース(e.g., NG2インタフェース)を介してNG Core5内の1又は複数のCPFノードに接続されてもよい。また、NR NB3は、ユーザプレーン・インタフェース(e.g., NG3インタフェース)を介してNG Core5内の1又は複数のUPFノードに接続されてもよい。さらに、UE1は、コントロールプレーン・インタフェース(e.g., NG1インタフェース)を介してNG Core5内の1又は複数のCPFノードに接続されてもよい。ここで、NG1インタフェースは、NASレイヤの情報を転送するための論理インタフェースとして定義され、当該NASレイヤの情報の送信は、NG2インタフェース、及びNR NB3とUE1の間の無線インタフェース(NG Uu)を介して行われてもよい。
【0029】
図2は、本実施形態を含む幾つかの実施形態に係る無線通信ネットワークの他の構成例を示している。
図2の例では、LTE eNB2は、NG Core5に接続されている。すなわち、LTE eNB2は、コントロールプレーン・インタフェース(e.g., NG2インタフェース)を介してNG Core5内のMME又はMMEの機能の少なくとも一部を有する制御ノード(i.e., CPFノード)に接続され、ユーザプレーン・インタフェース(e.g., NG3インタフェース)を介してNG Core5内のServing Gateway(S-GW)又はS-GWの機能の少なくとも一部を有するデータノード(i.e., UPFノード)に接続される。このようにLTE eNB2は、NG Core5と接続されるよう改良(enhanced)されていて、eLTE eNBと呼ばれてもよい。幾つかの実装において、NG Core5は、論理的なEPCノード(nodes)及びEPC機能(functions)を提供する仮想化されたネットワークスライスをセットアップしてもよい。幾つかの実装において、LTE eNB2を含むE-UTRAN及びNR NB3を含むNG RANは、同じネットワークスライスに接続されもよい。これに代えて、LTE eNB2を含むE-UTRAN及びNR NB3を含むNG RANは、互いに異なるネットワークスライスに接続されてもよい。
【0030】
図1及び
図2の例において、LTE eNB2は、ダイレクト基地局間インタフェース(e.g., X3インタフェース)によってNR NB3と接続されてもよい。ダイレクト基地局間インタフェースは、LTE eNB2とNR NB3との間のシグナリング若しくはユーザパケット転送又はこれら両方に使用されてもよい。しかしながら、LTE eNB2とNR NB3との間のダイレクト基地局間インタフェースは存在しなくてもよい。
【0031】
NG Systemは、上述のNG1, NG2, NG3インタフェースに加え、さらに他のインタフェースを含んでもよい。インタフェースは、参照点(reference point)とも呼ばれる。NG RAN間(異なるNR NB間)は、NX2インタフェースを介して接続されてもよい。モビリティ管理機能(Mobility Management Function: MMF)及びセッション管理機能(Session Management Function: SMF)のいずれか又は両方を有するCPFノードは、UPFノードにコントロールプレーン・インタフェース(e.g., NG4インタフェース)を介して接続されてもよい。異なるUPFノード間は、ユーザプレーン・インタフェース(e.g., NG9インタフェース)を介して接続されてもよい。異なる機能を有するCPFノード間はコントロールプレーン・インタフェースを介して接続されてもよい。例えば、MMF及びSMFを有するCPFノードは、ポリシー制御機能(Policy Control Function: PCF)を有するCPFノードと、コントロールプレーン・インタフェース(e.g., NG7インタフェース)を介して接続されてもよい。MMF及びSMFを有するCPFノードは、加入者データ管理機能(Subscriber Data Management: SDM)を有するノードと、コントロールプレーン・インタフェース(e.g., NG8インタフェース)を介して接続されてもよい。CPFノードは、アプリケーション機能(Application Function: AF)を有するノードとコントロールプレーン・インタフェース(e.g., NG5インタフェース)を介して接続されてもよい。UPFノードは、外部またはローカルのデータネットワーク(Data Network: DN)とユーザプレーン・インタフェース(e.g., NG6インタフェース)を介して接続されてもよい。なお、SMFは、ユーザまたは端末の認証(Authentication)、サービスまたはネットワークスライシングの承認(Authorization)の機能を含んでもよい。なお、上述のネットワークノードのそれぞれを指して、又はそれらを総称してネットワーク機能(Network Function(s): NF(s))とも呼ぶ。
【0032】
NR NB3及びNG Core5を含むNG Systemは、上述したFlow-based QoS(or per-flow QoS)コンセプトに基づくデータ転送をサポートする。NR NB3及びNG Core5を含むNG Systemは、さらに、QoSクラス毎且つPDUセッション毎のベアラを用いるベアラベースド転送をサポートするよう構成されてもよい。NG Systemのベアラは、ネットワーク機能(Network Functions(NFs))のペアの間、例えば、NR NB3とNG Core5内のユーザプレーン機能の間、又はNG Core5内の2つのユーザプレーン機能の間に設定されてもよい。これに代えて、NG Systemのベアラは、UE1とNG Core5内のユーザプレーン機能の間にNR NB3を介して設定されてもよい。NG SystemのベアラはNG-EPS-bearerと呼ばれてもよく、NG Systemの無線アクセスベアラはNG-RABと呼ばれてもよい。NG Systemのベアラは、複数のパケットフロー(PDU flows)の転送に利用されることができる。
【0033】
NG-RABは、UE1(NG UE)とNR NB3との間に設定される無線ベアラと、NR NB3とNG Core5内のユーザプレーン機能(e.g., Edge Gateway(Edge GW))との間に設定されるベアラ(e.g., NG3ベアラ)とから構成されてもよい。NG-EPS-bearerは、NG-RABと、NG Core5内のユーザプレーン機能の間(e.g., Edge GWとData Network Gateway(DN GW)との間)に設定されるコアネットワークベアラ(e.g., NG9ベアラ)とから構成されてもよい。Edge GWは、無線アクセスネットワークとのゲートウェイであり、LTEのS-GWのユーザプレーン機能に相当する。ただし、LTEのS-GWとは異なり、NG SystemではUE1が複数のEdge GWと接続されてもよい。DN GWは、外部ネットワーク(i.e., Data Network)とのゲートウェイであり、LTEのP-GWのユーザプレーン機能に相当する。なお、LTEのP-GWと同様に、NG SystemではUE1が複数のDN GWと接続されてもよい。
【0034】
より具体的に述べると、NG-EPS-bearerは、UE1(NG UE)とNG Core5内のスライス固有ユーザプレーン機能(Slice specific User plane NF (SUNF))との間に設定されてもよい。NG-RABは、UE1(NG UE)とNG Core5内の共通ユーザプレーン機能(Common User plane NF (CUNF))との間に設定されてもよい。この場合、CUNFはEdge GWの機能を提供し、SUNFはDN GWの機能を提供する。CUNFは、NG-RABとコアネットワークベアラ(e.g., NG9ベアラ)との間を関連付けてもよい。すなわち、NG-EPS-bearerは、UE1(NG UE)とCUNFとの間のNG-RABと、CUNFとSUNFとの間のコアネットワークベアラ(e.g., NG9ベアラ)とから構成されてもよい。
【0035】
ベアラベースド転送をサポートするNG Systemは、さらに、データフロー(PDU flow)毎のQoSハンドリング(e.g., パケット破棄)のためにベアラ内のデータフロー(PDU flow)を特定するよう構成されてもよい。例えば、NR NB3は、NR NB3とNG Core5内のユーザプレーン機能の間に設定されたベアラ(e.g., NG3ベアラ)を無線ベアラに関連付け、当該ベアラ(e.g., NG3ベアラ)と当該無線ベアラの間のパケットフォワーディングを行い、さらにベアラ内のデータフロー(PDU flow)毎のQoSハンドリング(e.g., パケット破棄)を行ってもよい。
【0036】
なお、(e)LTE eNB2がNG Core5にNG2インタフェースで接続される場合、LTEのEPS Radio Access Bearer(E-RAB)に相当する無線アクセスベアラは、NG EPS Radio Access Bearer(NE-RAB)として定義され、LTEのEPS bearerに相当するベアラはNG EPS bearer(NEPS bearer)として定義されてもよい。NE-RABは、UE1とLTE eNB2との間に設定される無線ベアラと、LTE eNB2とNG Core5内のユーザプレーン機能(e.g., Edge GW又はCUNF)との間に設定されるベアラ(e.g., NG3ベアラ)とから構成されてもよい。NEPS bearerは、NE-RABと、NG Core5内のユーザプレーン機能の間(e.g., Edge GWとDN GWとの間、又はCUNFとSUNFとの間)に設定されるコアネットワークベアラ(e.g., NG9ベアラ)とから構成されてもよい。
【0037】
NG Systemに接続されるLTE eNB2は、データフロー(PDU flow)毎のQoSハンドリング(e.g., パケット破棄)のためにNE-RAB内のデータフロー(PDU flow)を特定するよう構成されてもよい。例えば、LTE eNB2は、LTE eNB2とNG Core5内のユーザプレーン機能の間に設定されたベアラ(e.g., NG3ベアラ)を無線ベアラに関連付け、当該ベアラ(e.g., NG3ベアラ)と当該無線ベアラの間のパケットフォワーディングを行い、さらにベアラ内のデータフロー(PDU flow)毎のQoSハンドリング(e.g., パケット破棄)を行ってもよい。
【0038】
本実施形態は、LTE System(i.e., bearer-based network)からNG System(i.e., bearer-less network)へのUE1のハンドオーバ方法を提供する。
図3A及び
図3Bは、
図1に示された無線通信ネットワークの構成例におけるLTE SystemからNG SystemへのUE1のハンドオーバ手順の一例を示している。
図3Aは、ハンドオーバの準備(preparation)フェーズを示し、
図3Bは、ハンドオーバの実施(execution)フェーズを示している。
【0039】
図3A及び
図3Bに示された手順では、ソース基地局(i.e., LTE eNB2)は、ソース基地局(i.e., LTE eNB2)とコアネットワーク(i.e., EPC4)との間のインタフェース(又は参照点(reference point))上でHandover Requiredメッセージを送ることによって、ハンドオーバを開始する。したがって、
図3A及び
図3Bに示された手順は、LTEの“E-UTRAN to UTRAN Iu mode Inter RAT handover”の改良・発展であってもよい。あるいは、
図3A及び
図3Bに示された手順は、LTEのMME relocationを伴う“S1-based handover”の改良・発展であってもよい。
【0040】
ステップ301では、UE1は、LTE eNB2に接続され、コネクテッド状態(i.e., RRC_Connected)である。UE1は、測定設定(Measurement Configuration)をLTE eNB2から受信し、当該測定設定に従ってE-UTRAN (LTE) cells及びNG-RAN cellsを含む隣接セル測定(neighbor cell measurements)及び異種無線アクセス技術(Radio Access Technology)測定(inter-RAT measurements)を実行し、測定報告(measurement report)をLTE eNB2に送る。測定設定は、例えばE-UTRANからUEへ送信されるRRC Connection Reconfigurationメッセージに含まれる。
【0041】
ステップ302では、LTE eNB2は、NR NB3のセルへのinter-RATハンドオーバを決定し、Handover RequiredメッセージをEPC4内のソース制御ノード(i.e., ソースMME)に送る。当該Handover Requiredメッセージは、ターゲットNR NB3の識別子を包含する。さらに、当該Handover Requiredメッセージは、LTEからNRへのハンドオーバであることを示すハンドオーバ種別 情報要素(Handover Type Information Element (IE))を包含してもよい。Handover Type IEは、例えば、“LTEtoNR”がセットされる。さらに又はこれに代えて、当該Handover Requiredメッセージは、ターゲットNR-NB識別子 情報要素(Target NR-NB Identifier IE)を包含してもよい。当該Handover Requiredメッセージは、Source to Target Transparent Container IEを包含してもよい。Source to Target Transparent Container IEは、RRCレイヤの情報(RRC container)を含んでもよく、さらにベアラ(e.g., E-RAB)情報を含んでもよい。RRCレイヤの情報(RRC container)は、例えば、NR NB3の無線リソースの設定に必要となる、LTE eNB2が管理するUE1のサービングセルにおける無線リソース設定(Radio Resource Configuration)の少なくとも一部を含む。
【0042】
ステップ303では、EPC4内のソースMMEは、受信したHandover Requiredメッセージ内のHandover Type IE又はTarget NR-NB Identifier IEから、当該ハンドオーバの種別がNR(又はNG System)へのInter-RATハンドオーバであることを判定する。EPC4内のソースMMEは、NG Core5内のターゲット制御ノードを選択する。ターゲット制御ノードは、EPC4内のMMEの機能の少なくとも一部を有するノードである。EPC4内のソースMMEは、Forward Relocation Requestメッセージをターゲット制御ノードに送ることによって、ハンドオーバリソース割り当て手順(Handover resource allocation procedure)を開始する。当該Forward Relocation Requestメッセージは、Mobility Management (MM) Context、及びUE1のためにソースシステム(i.e., LTEシステム)においてアクティブである全てのPDNコネクションを包含する。各PDNコネクションは、associated APN及びEPS Bearer Contextsのリストを含む。MM Contextは、EPS bearer context(s)についての情報、及びセキュリティ関連情報(security related information)を含む。さらに、当該Forward Relocation Requestメッセージは、各EPS bearer contextに関連付けられた1又は複数のサービスデータフローを特定するための情報(e.g., SDF templates、又はTraffic Flow Templates(TFTs))を含む。
【0043】
ステップ304では、NG Core5内のターゲット制御ノードは、ベアラレス・セッションの生成(creation)手順を行う。具体的には、ターゲット制御ノードは、UE1のためのパケット転送ノード(ゲートウェイ)が再配置(relocated)される必要があることを判定し、NG Core5内のターゲット転送ノード(ゲートウェイ)を選択する。ターゲット転送ノード(ゲートウェイ)は、EPC4内のS-GWの機能の少なくとも一部を有するノードである。ターゲット制御ノードは、ターゲット転送ノード(ゲートウェイ)にCreate Session Requestメッセージを送る。当該Create Session Requestメッセージは、各EPS bearer contextに関連付けられた1又は複数のサービスデータフローを特定するための情報(e.g., SDF templates、又はTraffic Flow Templates(TFTs))を含む。当該1又は複数のサービスデータフローを特定するための情報は、EPC4内のソースMMEからNG Core5内のターゲット制御ノードに送られるForward Relocation Requestメッセージから導かれる。ターゲット転送ノード(ゲートウェイ)は、そのローカルリソースを割り当て、Create Session Responseメッセージをターゲット制御ノードに返信する。
【0044】
さらに、ステップ304では、NG Core5内のターゲット制御ノード(e.g., CPF)は、ハンドオーバ後のUE1に接続させるネットワークスライスを決定(選択)してもよい。一例において、NG Core5内のターゲット制御ノード(CPF)は、UE1のEPS bearer(s)又はSDF(s)のために必要なQoSに基づいてUE1のためのネットワークスライスを選択してもよい。さらに又はこれに代えて、EPC4内のソースMMEによって送られるForward Relocation Requestメッセージ(ステップ303)は、ネットワークスライス支援情報(network slice assistance information)をさらに包含してもよい。ネットワークスライス支援情報は、ターゲット制御ノードによるネットワークスライスの選択、設定、又は承認をアシストする。EPC4内のソースMMEは、ネットワークスライス支援情報の少なくとも一部をUE1から受信し、これをNG Core5内のターゲット制御ノードに送ってもよい。NG Core5内のターゲット制御ノードは、選択されたネットワークスライス・インスタンスの生成(creation)を実行してもよい。
【0045】
ネットワークスライス支援情報は、例えば、UE1の種別(e.g., Device Type, UE Category)、UE1のアクセス用途(e.g., UE Usage Type)、UE1が希望するサービス種別(e.g., Requested/Preferred Service Type, MDD、Multi-Dimensional Descriptor (MDD))、UE1が選択したスライス情報(e.g., Selected Slice Type、Selected Slice Identity (ID), Selected Network Function (NF) ID)、UE1が予め承認されたスライス情報(e.g., Authorized Slice Type, Authorized Slice ID, Authorized NF ID)、及びUE1の許容レイテンシ(e.g., Allowed Latency, Tolerable Latency)のいずれか又は任意の組合せを示してもよい。Service Typeは、例えば、Use Caseの種別(e.g., 広帯域通信(enhanced Mobile Broad Band: eMBB)、高信頼・低遅延通信(Ultra Reliable and Low Latency Communication: URLLC)、又は多接続M2M通信(massive Machine Type Communication: mMTC)又はこれらに準ずるもの)を示してもよい。Slice IDは、例えば、スライス・インスタンス情報(Network Slice Instance (NSI) ID)、個別ネットワーク情報(Dedicated Core Network (DCN) ID )、及びネットワーク・ドメイン・ネーム情報(Domain Network Name (DNN) ID)のいずれか又は任意の組み合わせを示してもよい。NF IDは、例えば、共通ネットワーク機能(Common NF (CNF))、共通コントロールプレーン機能(Common Control plane NF (CCNF))、共通ユーザプレーン機能(Common User plane NF (CUNF))、及びデータ・ゲートウェイ(Data Network Gateway (DN GW))のいずれか又は任意の組み合わせの識別情報(ID)を示してもよい。
【0046】
ステップ305では、NG Core5内のターゲット制御ノードは、ターゲットNR NB3にNR Handover Requestメッセージを送る。当該NR Handover Requestメッセージは、フロー情報(Flow Information)を包含する。フロー情報は、UE1の少なくとも1つのパケットフロー(i.e., PDU flow(s))を転送するためにbearer-less network(i.e., NG system)内で確立される少なくとも1つのセッション(i.e., PDU session(s))に関する。UE1の各パケットフロー(i.e., PDU flow)に関して、フロー情報は、フロー識別子(e.g., PDU flow ID)、NG Core5内の転送ノードのアドレス(Transport Layer Address)及びアップリンク(UL)のセッション・エンドポイント識別子(Session Endpoint Identifier(SEID))、並びにフローQoSパラメータを含む。セッション・エンドポイント識別子(SEID)は、例えばTunnel Endpoint Identifier (TEID)、又はネットワーク機能(ノード)識別子(NF ID)でもよい。TEIDは、例えば、GTP-TEID又はGRE-TEIDであってもよい。
【0047】
当該フロー情報は、さらに、UE1のためのEPS bearersとPDU flowsとのマッピングを示してもよい。例えば、当該フロー情報は、UE1の各EPS bearerにマッピングされる1又は複数のSDFsと、これら1又は複数のSDFsの各々に割り当てられたフロー識別子(e.g., PDU flow ID)を示してもよい。さらに、フロー情報は、優先度情報(priority indicator)、フロータイプ情報(flow type indicator)、又は、フロー・クラス(Flow Class)を含んでもよい。優先度情報は、例えば複数フロー間の相対的な優先順位を示してもよいし、各フローの絶対的な優先順位を示してもよい。フロータイプ情報は、例えば、どのUse Case又はサービスに対応するフローかを示してもよい。また、フロー・クラスは、例えば、予め規定されたフロータイプ(e.g., loss-less, delay tolerant, delay sensitive, mission critical)のうち1つを示してもよい。
【0048】
さらに、ステップ305のNR Handover Requestメッセージは、スライス情報(Slice Information)を包含してもよい。スライス情報は、ハンドオーバ後のUE1に接続する(接続される)NG Core5のネットワークスライスに関する情報、UE1に接続が許可されるNG Core5のネットワークスライスに関する情報、及びUE1が接続可能なNG Core5のネットワークスライスに関する情報のうち少なくとも1つを含む。
【0049】
具体的には、スライス情報は、決定(選択)されたスライス(Network Slice: NS)の識別情報、ネットワークノード(NF)の識別情報、若しくはスライスの種別情報又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。スライスの識別情報は、例えば、Slice ID, NSI ID, MDD, DCN ID,及びDNNのいずれか又は任意の組み合わせでもよい。ネットワークノードの識別情報は、例えば、NF ID, CNF ID, CCNF ID, SCNF ID, CUNF ID, SUNF ID, UPF ID, 及びDN GW IDのいずれか又は任意の組み合わせを含んでもよい。スライスの種別情報は、例えば、Service Type, Service Category, 及びUse Caseのいずれか又は任意の組み合わせを示すSlice Typeを含んでもよい。さらに又はこれに代えて、スライスの種別情報は、Use Case又は契約形態(Subscription Group, e.g. home UE or roaming UE)を示すTenant IDを含んでもよい。スライスの種別情報は、Slice Type及びTenant IDを要素に含むMDDを含んでもよい。なお、上述のスライス情報のコンテンツはネットワークスライス毎に指定されてもよい。従って、UE1が同時に複数のネットワークスライスに接続される場合、当該スライス情報は、UE1が接続されるネットワークスライスの数に相当する複数セットの情報を含んでもよい。
【0050】
スライス情報は、さらにモビリティ・クラス(Mobility Class)若しくはセッション・クラス(Session Class)又は両方を含んでもよい。Mobility Classは、予め規定されたモビリティ・レベル(e.g., high mobility, low mobility, no mobility)のうち1つを示してもよい。例えば、high mobilityは、ネットワークスライスがUE1のためにモビリティをサポートする(UE1にモビリティを許可する)地理的範囲(geographical area)がlow mobilityのそれよりも広く、ハンドオーバ時のサービス(PDU session)の継続性(continuity)の要求度が高いことを意味する。No mobilityは、ネットワークスライスがUE1のためにごく限られた地理的範囲内でのみモビリティをサポートする(UE1にモビリティを許可する)ことを意味する。Mobility Classは、UE毎に指定されてもよいし、ネットワークスライス毎に指定されてもよい。Session Classは、予め規定されたセッション・タイプ(e.g., Session pre-setup, Session post-setup, No PDU session)のうち1つを示してもよい。例えば、Session pre-setupは、既存のハンドオーバのようにモビリティに応じてサービス(PDU Session)を維持するために、UEがターゲット(セル、ビーム、その他エリア)に移動完了するより先にPDU sessionを確立することが要求されることを示してもよい。これに対し、Session post-setupは、UEがターゲットに移動した後にPDU sessionが確立されればよいことを示してもよい。Session ClassはPDU session毎に指定されてもよい。Mobility Class及びSession Classは、Slice Type に包含されてもよい。言い換えると、Slice Typeは、Mobility Class及びSession Classを含む複数の属性を包含してもよい。なお、上述のフロー情報が、Mobility Class、Session Class、又は両方を含んでもよい。
【0051】
スライス情報は、ネットワークスライス支援情報の少なくとも一部を含んでもよい。すなわち、ステップ305において、NG Core5内のターゲット制御ノードは、EPC4内のソースMMEから受信したネットワークスライス支援情報の少なくとも一部を、NR Handover Requestメッセージ内のスライス情報に含めてターゲットNR NB3に転送(Forwarding)してもよい。
【0052】
ステップ306では、ターゲットNR NB3は、フロー情報を包含するNR Handover Requestメッセージの受信に応答して、パケットフロー(i.e., PDU flow(s))についての情報及びセキュリティ・コンテキストを含むUEコンテキストを生成(create)し、リソースを割り当てる。さらに、ターゲットNR NB3は、bearer-less network(i.e., NG System)に関連付けられた無線コネクション(e.g., RRCコネクション、無線ベアラ)を確立するためにUE1にとって必要となる無線リソース設定情報(e.g., 無線パラメータ)を、フロー情報に基づいて生成する(又は、フロー情報から導出する)。無線リソース設定情報は、フロー情報に含まれる少なくとも1つのパラメータを含んでもよい。無線リソース設定情報は、ターゲットNR NB3のセル(又は、モビリティ・エリア、ビームカバーエリア)におけるシステム情報(System Information Block: SIB)、UE間共通の無線リソース設定(Common Resource Configuration)、又は、UE個別の無線リソース設定(Dedicated Resource Configuration)を含んでもよい。さらに、無線リソース設定情報は、ソースLTE eNB2のセルにおけるベアラ(e.g., EPS bearer, Data Radio Bearer (DRB))とターゲットNR NB3のセルにおいて確立されるフロー(e.g., PDU flow)とのマッピングを示す情報を含んでもよい。
【0053】
そして、ターゲットNR NB3は、Target to Source Transparent Containerを包含するNR Handover Request Acknowledgeメッセージをターゲット制御ノードに送る。当該Target to Source Transparent Containerは、ターゲットNR NB3によって生成された無線リソース設定情報を包含する。後述するように、Target to Source Transparent Containerは、コアネットワーク(i.e., EPC4及びNG Core5)を介してソースLTE eNB2にフォワードされる。
【0054】
さらに、ステップ306では、ターゲットNR NB3は、スライス情報を包含するNR Handover Requestメッセージに基づいて、アドミッション制御を行ってもよい。例えば、ターゲットNR NB3は、ベアラ毎またはフロー毎に、ベアラ又はフローを受け入れるか否かを決定してもよい。さらに又はこれに代えて、ターゲットNR NB3は、スライス情報に基づいて、UE1が接続するネットワークスライス毎のアドミッション制御を行ってもよい。このとき、NR NB3は、各ネットワークスライスを受け入れることが可能か否かを判定してもよい、NR NB3は、受け入れることが不可能な(又は、受け入れない)ネットワークスライスがある場合、当該ネットワークスライスを特定のネットワークスライス(e.g., デフォルト・ネットワークスライス)にマッピングしてもよいし、当該ネットワークスライスを特定のNF(e.g., CUPF)に接続するようにしてもよい。あるいは、NR NB3は、当該ネットワークスライスの受け入れの失敗を決定してもよい。
【0055】
ステップ306では、ターゲットNR NB3は、NR Handover Requestメッセージに包含されているスライス情報を、UEコンテキスト及び無線リソース設定情報(e.g., 無線パラメータ)の生成のために考慮してもよい。
【0056】
スライス情報から導かれる無線リソース設定情報は、ネットワークスライス毎(又はユースケース毎)の無線(又はRAN)パラメータを含んでもよい。ユースケースは、例えば、enhanced mobile broadband (eMBB)、massive machine-type communications(mMTC)、及びUltra-reliable and low-latency communications(URLLC)を含む。ネットワークスライス毎(又はユースケース毎)の無線パラメータは、基本的な物理チャネル・パラメータ、若しくは基本的なレイヤ2/レイヤ3(L2/L3)設定であってもよい。基本的な物理チャネル・パラメータは、例えば、frame/subframe structure、Transmission Time. Interval (TTI) length、subcarrier spacing、及びPhysical Random Access Channel (PRACH) resourceを含んでもよい。PRACH resourceは、preamble index 若しくは time/frequency resources又はこれら両方であってもよい。基本的なL2/L3設定は、例えば、frame/subframe pattern、及びL2プロトコル・サブレイヤの設定(L2 configuration. E.g., PDCP config, RLC config, or MAC config)を含んでもよい。
【0057】
さらに、又はこれに代えて、スライス情報から導かれる無線リソース設定情報を指定する(示す)RRCレイヤのシグナリングにおいて、メッセージ構成、情報要素(IE)のフォーマット、パラメータ値、並びに情報の構造定義を示すASN.1(Abstract Syntax Notation One)のエンコード及びデコードの対象、の少なくともいずれかは、スライス毎に異なっていてもよい。
【0058】
ステップ307では、NG Core5内のターゲット制御ノードは、Target to Source Transparent Container を包含するForward Relocation ResponseメッセージをEPC4内のソースMMEに送る。さらに、Forward Relocation Responseメッセージは、ダウンリンク・データフォワーディングのために割り当てられたアドレス(Addresses)及びTEIDを含んでもよい。インダイレクト・ダウンリンク・フォワーディングが使用される場合、当該アドレス及びTEIDは、EPC4内のS-GWへのアドレス及びTEIDであってもよい。ダイレクト・ダウンリンク・フォワーディングが使用される場合、当該アドレス及びTEIDは、ターゲットNR NB3へのアドレス及びTEIDであってもよい。
【0059】
ステップ308では、ソースMMEは、ソースLTE eNB2にTarget to Source Transparent Container を包含するHandover Commandメッセージを送る。Handover Commandメッセージは、さらに、ダウンリンク・データフォワーディングの対象とされるベアラのリスト(bearers subject to data forwarding list)を包含してもよい。“Bearers Subject to Data forwarding list”IEは、例えば、address(es) 及び TEID(s) for user traffic data forwarding、並びにデータフォワーディングの対象とされるフロー(PDU flow(s))の識別子を含む。ソースLTE eNB2は、“Bearers Subject to Data forwarding list”IEにより指定されたベアラ又はフロー(PDU flow(s))のためのデータフォワーディングを開始する。
【0060】
ステップ309では、ソースLTE eNB2は、Handover Commandメッセージを包含するRadio Resource Control(RRC)メッセージをUE1に送る。当該Handover Commandメッセージは、ターゲットNR NB3が準備(preparation)フェーズにおいてセットアップした無線リソース設定情報を包含するtransparent containerを含む。当該RRCメッセージは、例えば、Mobility from EUTRA commandメッセージであってもよいし、RRC Connection Reconfigurationメッセージであってもよい。
【0061】
ステップ310では、UE1は、Handover Commandメッセージを包含するRRCメッセージの受信に応答して、ターゲットRAN(i.e., NG RAN)に移動し、Handover Commandメッセージにおいて供給された無線リソース設定情報に従ってハンドオーバを実施する。すなわち、UE1は、bearer-less network(i.e., NG System)に関連付けられたターゲットNR NB3との無線コネクションを確立する。ステップ311では、UE1は、ターゲットセルに首尾よく(successfully)同期した後に、Handover Confirm for NRメッセージをターゲットNR NB3に送る。ステップ311のメッセージは、NR RRC Connection Reconfiguration Completeメッセージであってもよい。
【0062】
ステップ312では、UE1がターゲットNR NB3に首尾よく(successfully)アクセスした場合に、ターゲットNR NB3は、NR Handover Notifyメッセージを送ることによって、NG Core5内のターゲット制御ノードに知らせる。
【0063】
ステップ313では、NG Core5内のターゲット制御ノードは、UE1がターゲットサイドに到着したことを知り、Forward Relocation Complete Notification メッセージを送ることによって、EPC4内のソースMMEに知らせる。ソースMMEは、Forward Relocation Complete Acknowledge メッセージをターゲット制御ノードに送る。
【0064】
ステップ314では、NG Core5内のターゲット制御ノードは、フロー修正(modification)手順を実施することによって、Inter-RAT ハンドオーバ手順を完了する。例えば、ターゲット制御ノードは、NG Core5内の転送ノードに、セッション(i.e., PDU session)毎のModify Flow Requestメッセージを送信してもよい。Modify Flow Requestメッセージは、フロー識別子(e.g., PDU flow ID)、並びにターゲットNR NB3のアドレス及びダウンリンク(DL)のセッション・エンドポイント識別子(SEID)を包含してもよい。セッション・エンドポイント識別子(SEID)は、例えばTunnel Endpoint Identifier (TEID)であってもよい。NG Core5内の転送ノードは、inter-RAT HOによる転送ノードの再配置(relocation)又はRAT種別の変更をEPC4内のエッジノード(i.e., (e)P-GW)に知らせるために、EPC4内のエッジノード(i.e., eP-GW)と通信してもよい。具体的には、NG Core5内の転送ノードは、セッション(i.e., PDN connection)毎のModify Bearer RequestメッセージをEPC4内のエッジノードに送信してもよい。EPC4内のエッジノードは、Modify Bearer ResponseメッセージをNG Core5内の転送ノードに送信してもよい。NG Core5内の転送ノードは、ターゲット制御ノードにModify Flow Responseメッセージを返信してもよい。
【0065】
図3A及び
図3Bに示された手順に従ってハンドオーバが完了した後に、UE1のデータ転送のために以下の経路が使用されてもよい。NR NB3及びNG Core5を含むNG System がNG Core5内のベアラベースド転送をサポートし、ハンドオーバ後のUE1のためにベアラ(e.g., NG-EPS-bearer)が使用される場合、例えば、アップリンク経路及びダウンリンク経路は、(source 又はold)S/P-GWとNG Core5内の(target又はNew)User plane Function(e.g., CUNF)との間のパス(e.g., GTPトンネル又はGREトンネル)を含んでもよい。すなわち、S/P-GWはNG Core5内のUser plane Function(e.g., CUNF)にダウンリンク・データを転送し、NG Core5内のUser plane Function(e.g., CUNF)はS/P-GWにアップリンク・データを転送してもよい。
【0066】
一方、ハンドオーバ後のUE1のためにベアラ(e.g., NG-EPS-bearer)が使用されない場合、例えば、(source 又はold)S/P-GWと(target又はNew)User plane Function(e.g., NW Slicingの機能を有するSUNF)との間をCUNFが仲介してもよい。すなわち、S/P-GWはNG Core5内のCUNFにダウンリンク・データを転送し、CUNFは、フロー単位制御機能を有する別のUNFにダウンリンク・データを転送してもよい。これに代えて、CUNF を介さずに、S/P-GWとSUNFとの間で直接的にデータ転送が行われてもよい。以下に述べる他のハンドオーバ手順においても、ここで説明されたハンドオーバ後のデータ転送経路が使用されてもよい。
【0067】
図4A及び
図4Bは、
図2に示された無線通信ネットワークの構成例におけるLTE SystemからNG SystemへのUE1のハンドオーバ手順の一例を示している。
図4Aは、ハンドオーバの準備(preparation)フェーズを示し、
図4Bは、ハンドオーバの実施(execution)フェーズを示している。
【0068】
図3A及び
図3Bに示された手順と同様に、
図4A及び
図4Bに示された手順では、ソース基地局(i.e., LTE eNB2)は、ソース基地局(i.e., LTE eNB2)とコアネットワーク(i.e., NG Core5)との間のインタフェース上でHandover Requiredメッセージを送ることによって、ハンドオーバを開始する。したがって、
図3A及び
図3Bに示された手順と同様に、
図4A及び
図4Bに示された手順は、LTEの“E-UTRAN to UTRAN Iu mode Inter RAT handover”の改良・発展、又はMME relocationを伴う“S1-based handover”の改良・発展であってもよい。
【0069】
図4Aのステップ401及び402の処理は、
図3Aのステップ301及び302の処理と同様である。ただし、ステップ402では、LTE eNB2は、Handover RequiredメッセージをNG Core5に送る。なお、既に説明したとおり、
図2のネットワーク構成例では、LTE eNB2を含むE-UTRAN及びNR NB3を含むNG RANは、同じネットワークスライスに接続されもよい。この実装では、LTE eNB2からNR NB3へのUE1のハンドオーバは、1つのネットワークスライス内に生成された1又は複数の論理的な制御ノード(i.e., コントロールプレーン機能)及び1又は複数の論理的な転送ノード(i.e., ユーザプレーン機能)の間のシグナリングによって実現される。この実装では、ステップ402のHandover Requiredメッセージは、MMEに相当する新たな又は改良された制御ノードに送られてもよい。
【0070】
これに代えて、LTE eNB2を含むE-UTRAN及びNR NB3を含むNG RANは、互いに異なるネットワークスライスに接続されてもよい。この実装では、LTE eNB2からNR NB3へのUE1のハンドオーバは、LTE eNB2が接続されるEPCに相当するネットワークスライス・インスタンスとNR NB3が接続される純粋なNG Coreに相当するネットワークスライス・インスタンスとの間のスライス間通信によって実現される。この実装では、ステップ402のHandover Requiredメッセージは、LTE eNB2が接続されたネットワークスライス・インスタンス内のMMEに送られてもよい。
【0071】
図4Aのステップ403~405の処理は、
図3Aのステップ303~307の処理と同様である。
図4Aの手順では、
図3Aに示されたステップ303及び307の図示が省略されている。ステップ303及び307に対応する処理は、NG Core5内で行われる。
【0072】
図4Bのステップ406~411の処理は、
図3Bのステップ308~314の処理と同様である。
図4Bの手順では、
図3Bに示されたステップ313の図示が省略されている。ステップ313に対応する処理は、NG Core5内で行われる。
【0073】
図5は、コアネットワークによって行われる方法の一例(処理500)を示すフローチャートである。コアネットワークは、
図1のEPC4及びNG Core5、又は
図2のNG Core5である。ステップ501では、コアネットワークは、bearer-based network(LTE)からbearer-less network(5G)へのUE1のハンドオーバを開始するためのHandover RequiredメッセージをソースLTE eNB2から受信する。ステップ501は、
図3Aのステップ302又は
図4Aのステップ402に対応する。
【0074】
ステップ502では、コアネットワークは、bearer-less network内でUE1のために確立される少なくとも1つのセッションに関するフロー情報を包含する(NR) Handover RequestメッセージをターゲットNR NB3に送る。ステップ502は、
図3Aのステップ305又は
図4Aのステップ404に対応する。
【0075】
ステップ503では、コアネットワークは、Target to Source Transparent Containerを包含する(NR) Handover Request AcknowledgeメッセージをターゲットNR NB3から受信する。当該Target to Source Transparent Containerは、bearer-less networkに関連付けられた無線コネクションを確立するためにUE1にとって必要となる無線リソース設定情報を包含する。ステップ503は、
図3Aのステップ306又は
図4Aのステップ405に対応する。
【0076】
ステップ504では、コアネットワークは、Target to Source Transparent Container を包含するHandover CommandメッセージをソースLTE eNB2に送る。ステップ504は、
図3Bのステップ308又は
図4Bのステップ406に対応する。
【0077】
図6は、ターゲットNR NB3によって行われる方法の一例(処理600)を示すフローチャートである。ステップ601では、ターゲットNR NB3は、bearer-less network内でUE1のために確立される少なくとも1つのセッションに関するフロー情報を包含する(NR) Handover Requestメッセージをコアネットワーク(i.e., NG Core5)から受信する。ステップ601は、
図3Aのステップ305又は
図4Aのステップ404に対応する。
【0078】
ステップ602では、ターゲットNR NB3は、Target to Source Transparent Containerを包含する(NR) Handover Request Acknowledgeメッセージをコアネットワークに送る。当該Target to Source Transparent Containerは、bearer-less networkに関連付けられた無線コネクションを確立するためにUE1にとって必要となる無線リソース設定情報を包含する。ステップ602は、
図3Aのステップ306又は
図4Aのステップ405に対応する。
【0079】
ステップ603では、ターゲットNR NB3は、当該無線リソース設定情報に基づいて、bearer-less networkに関連付けられた無線コネクションをUE1のために確立する。ステップ603は、
図3Bのステップ310又は
図4Bのステップ408に対応する。
【0080】
図7は、ソースLTE eNB2によって行われる方法の一例(処理700)を示すフローチャートである。ステップ701では、ソースLTE eNB2は、bearer-based network(LTE)からbearer-less network(5G)へのUE1のハンドオーバを開始するためのHandover Requiredメッセージをコアネットワーク(i.e., EPC4又はNG Core5)に送る。ステップ701は、
図3Aのステップ302又は
図4Aのステップ402に対応する。
【0081】
ステップ702では、ソースLTE eNB2は、Target to Source Transparent Container を包含するHandover Commandメッセージをコアネットワークから受信する。当該Target to Source Transparent Containerは、bearer-less networkに関連付けられた無線コネクションを確立するためにUE1にとって必要となる無線リソース設定情報を包含する。ステップ702は、
図3Bのステップ308又は
図4Bのステップ406に対応する。
【0082】
ステップ703では、ソースLTE eNB2は、無線リソース設定情報を包含し且つベアラレス・ネットワークへのハンドオーバを示すmobility commandメッセージ(e.g., Handover Commandメッセージ)をUE1に送る。ステップ703は、
図3Bのステップ309又は
図4Bのステップ407に対応する。
【0083】
図8は、UE1によって行われる方法の一例(処理800)を示すフローチャートである。ステップ801では、UE1は、mobility commandメッセージ(e.g., Handover Commandメッセージ)をソースLTE eNB2から受信する。当該mobility commandメッセージは、bearer-less networkに関連付けられた無線コネクションを確立するためにUE1にとって必要となる無線リソース設定情報を包含する。ステップ801は、
図3Bのステップ309又は
図4Bのステップ407に対応する。
【0084】
ステップ802では、UE1は、当該無線リソース設定情報を用いて、bearer-less networkに関連付けられたターゲットNR NB3との無線コネクションを確立する。ステップ802は、
図3Bのステップ310又は
図4Bのステップ408に対応する。
【0085】
本実施形態に係るbearer-based network(LTE)からbearer-less network(5G)への詳細なハンドオーバ手順は、例えば上述された具体例であってもよいが、これらに限定されない。例えば、上述された幾つかのハンドオーバ手順例に示されたメッセージ名は、例示に過ぎない。上述された幾つかのハンドオーバ手順例は、メッセージの順序が異なってもよいし、幾つかのメッセージが省略されてもよいし、追加のメッセージを含んでもよい。
【0086】
以上の説明から理解されるように、本実施形態で説明されたbearer-based network(LTE)からbearer-less network(5G)へのハンドオーバ手順は、以下を含む:
・コアネットワーク(NG Core5)によって、フロー情報を、ターゲットNR NB3に送ること;
・ターゲットNR NB3によって、bearer-less network(i.e., NG System)に関連付けられた無線コネクション(e.g., RRCコネクション、無線ベアラ)を確立するためにUE1にとって必要となる無線リソース設定情報を、フロー情報に基づいて生成すること;及び
・ターゲットNR NB3によって、ソースLTE eNB2を介してUE1に当該無線リソース設定情報を送ること。
したがって、UE1は、ターゲットNR NB3によってフロー情報に基づいて生成された無線リソース設定情報を用いることにより、bearer-less network(e.g., 5G)に関連付けられたtarget RATのAccess Stratum(AS)レイヤ設定を適切に行うことができる。
【0087】
なお、既に説明したように、NR NB3及びNG Core5を含むNG Systemは、QoSクラス毎且つPDUセッション毎のベアラを用いるベアラベースド転送をサポートするよう構成されてもよく、データフロー(PDU flow)毎のQoSハンドリング(e.g., パケット破棄)のためにベアラ内のデータフロー(PDU flow)を特定するよう構成されてもよい。例えば、NR NB3は、NR NB3とNG Core5内のユーザプレーン機能の間に設定されたベアラ(e.g., NG3ベアラ)を無線ベアラに関連付け、当該ベアラ(e.g., NG3ベアラ)と当該無線ベアラの間のパケットフォワーディングを行い、さらにベアラ内のデータフロー(PDU flow)毎のQoSハンドリング(e.g., パケット破棄)を行ってもよい。
【0088】
この場合、本実施形態で説明されたフロー情報は、UE1のためのベアラ(e.g., NG-RAB又はNG3ベアラ)と当該ベアラを介して転送されるUE1の1又は複数のパケットフロー(i.e., PDU flow(s))との関連付けを示してもよい。言い換えると、NG Core5内の制御ノード(e.g., CPF)は、UE1のためのベアラ(e.g., NG-RAB又はNG3ベアラ)と当該ベアラを介して転送されるUE1の1又は複数のパケットフロー(i.e., PDU flow(s))との関連付けをNR NB3に知らせるために、フロー情報をNR NB3に送ってもよい。NR NB3は、NG Core5内の制御ノードからフロー情報を受信し、当該フロー情報に従って、NR NB3とNG Core5内のユーザプレーン機能の間に設定されたベアラ(e.g., NG3ベアラ)内のデータフロー(PDU flow)毎のQoSハンドリング(e.g., パケット破棄)を行ってもよい。
【0089】
<第2の実施形態>
本実施形態は、NG System(i.e., bearer-less network)からLTE System(i.e., bearer-based network)へのUE1のハンドオーバ方法を提供する。
図9A及び
図9Bは、
図1に示された無線通信ネットワークの構成例におけるNG SystemからLTE SystemへのUE1のハンドオーバ手順の一例を示している。
図9Aは、ハンドオーバの準備(preparation)フェーズを示し、
図9Bは、ハンドオーバの実施(execution)フェーズを示している。
【0090】
図9A及び
図9Bに示された手順では、ソース基地局(i.e., NR NB3)は、ソース基地局(i.e., NR NB3)とコアネットワーク(i.e., NG Core5)との間のインタフェース(又は参照点(reference point))上でHandover Requiredメッセージを送ることによって、ハンドオーバを開始する。したがって、
図9A及び
図9Bに示された手順は、LTEの“UTRAN Iu mode to E-UTRAN Inter RAT handover”の改良・発展であってもよい。あるいは、
図9A及び
図9Bに示された手順は、LTEのMME relocationを伴う“S1-based handover”の改良・発展であってもよい。
【0091】
ステップ901では、UE1は、NR NB3に接続され、コネクテッド状態(e.g., RRC_Connected)である。UE1は、測定設定(Measurement Configuration)をNR NB3から受信し、当該測定設定に従ってNG-RAN cells及びE-UTRAN (LTE) cellsを含む隣接セル測定(neighbor cell measurements)及び異種RAT測定(inter-RAT measurements)を実行し、測定報告(measurement report)をNR NB3に送る。
【0092】
ステップ902では、NR NB3は、LTE eNB2のセルへのinter-RATハンドオーバを決定し、Handover RequiredメッセージをNG Core5内のソース制御ノードに送る。当該Handover Requiredメッセージは、ターゲットLTE eNB2の識別子を包含する。さらに、当該Handover Requiredメッセージは、NRからLTEへのハンドオーバであることを示すハンドオーバ種別 情報要素(Handover Type Information Element (IE))を包含してもよい。Handover Type IEは、例えば、“NRtoLTE”がセットされる。これに代えて、当該Handover Requiredメッセージは、ターゲットLTE eNB識別子 情報要素(Target LTE eNB Identifier IE)を包含してもよい。当該Handover Requiredメッセージは、Source to Target Transparent Container IEを包含してもよい。
【0093】
ステップ903では、NG Core5内のソース制御ノードは、受信したHandover Requiredメッセージ内のHandover Type IE又はTarget LTE eNB Identifier IEから、当該ハンドオーバの種別がLTEシステムへのInter-RATハンドオーバであることを判定する。NG Core5内のソース制御ノードは、EPC4内のターゲットMMEを選択する。NG Core5内のソース制御ノードは、Forward Relocation RequestメッセージをターゲットMMEに送ることによって、ハンドオーバリソース割り当て手順(Handover resource allocation procedure)を開始する。当該Forward Relocation Requestメッセージは、Mobility Management (MM) Context、及びUE1のためにソースシステム(i.e., NG System)においてアクティブである全てのPDUセッションを包含する。各PDNセッションは、associated APN及びPDU flow Contextsのリストを含む。MM Contextは、PDU flow(s)についての情報、及びセキュリティ関連情報(security related information)を含む。さらに、当該Forward Relocation Requestメッセージは、各PDU flow contextに関連付けられた1又は複数のサービスデータフローを特定するための情報(e.g., SDF templates、又はTraffic Flow Templates(TFTs))を含む。
【0094】
ステップ904では、EPC4内のターゲットMMEは、ベアラベースド・セッションの生成(creation)手順を行う。具体的には、ターゲットMMEは、UE1のためのパケット転送ノード(ゲートウェイ)が再配置(relocated)される必要があることを判定し、EPC4内のターゲット転送ノード(i.e., S-GW)を選択する。ターゲットMMEは、ターゲットS-GWにCreate Session Requestメッセージを送る。当該Create Session Requestメッセージは、各PDU flow contextに関連付けられた1又は複数のサービスデータフローを特定するための情報(e.g., SDF templates、又はTraffic Flow Templates(TFTs))を含む。当該1又は複数のサービスデータフローを特定するための情報は、NG Core5内のソース制御ノードからEPC4内のターゲットMMEに送られるForward Relocation Requestメッセージから導かれる。ターゲットS-GWは、そのローカルリソースを割り当て、Create Session ResponseメッセージをターゲットMMEに返信する。
【0095】
ステップ905では、EPC4内のターゲットMMEは、ターゲットLTE eNB2にHandover Requestメッセージを送る。
【0096】
ステップ906では、ターゲットLTE eNB2は、Handover Requestメッセージの受信に応答して、EPS bearer(s)についての情報及びセキュリティ・コンテキストを含むUEコンテキストを生成(create)し、リソースを割り当てる。そして、ターゲットLTE eNB2は、Target to Source Transparent Containerを包含するHandover Request AcknowledgeメッセージをターゲットMMEに送る。
【0097】
ステップ907では、EPC4内のターゲットMMEは、Target to Source Transparent Container を包含するForward Relocation ResponseメッセージをNG Core5内のソース制御ノードに送る。さらに、Forward Relocation Responseメッセージは、ダウンリンク・データフォワーディングのために割り当てられたアドレス(Addresses)及びTEIDを含んでもよい。インダイレクト・ダウンリンク・フォワーディングが使用される場合、当該アドレス及びTEIDは、NG Core5内の転送ノードへのアドレス及びTEIDであってもよい。ダイレクト・ダウンリンク・フォワーディングが使用される場合、当該アドレス及びTEIDは、ターゲットLTE eNB2へのアドレス及びTEIDであってもよい。
【0098】
ステップ908では、ソース制御ノードは、ソースNR NB3にTarget to Source Transparent Container を包含するHandover Commandメッセージを送る。さらに、Handover Commandメッセージは、ダウンリンク・データフォワーディングの対象とされるフロー(PDU flow(s))のリスト(flows subject to data forwarding list)を包含してもよい。“Flows Subject to Data forwarding list”IEは、例えば、address(es) 及び TEID(s) for user traffic data forwarding、並びにデータフォワーディングの対象とされるフロー(PDU flow(s))の識別子を含む。ソースNR NB3は、“flows Subject to Data forwarding list”IEにより指定されたフロー(PDU flow(s))のためのデータフォワーディングを開始する。
【0099】
ステップ909では、ソースNR NB3は、Handover Commandメッセージを包含するRRCメッセージをUE1に送る。当該Handover Commandメッセージは、ターゲットLTE eNB2が準備(preparation)フェーズにおいてセットアップした無線リソース設定情報を包含するtransparent containerを含む。当該RRCメッセージは、例えば、Mobility from NR commandメッセージであってもよいし、RRC Connection Reconfigurationメッセージであってもよい。
【0100】
ステップ910では、UE1は、Handover Commandメッセージを包含するRRCメッセージの受信に応答して、UE1は、ターゲットRAN(i.e., E-UTRAN)に移動し、Handover Commandメッセージにおいて供給された無線リソース設定情報に従ってハンドオーバを実施する。すなわち、UE1は、bearer-based network(i.e., LTE System)に関連付けられたターゲットLTE eNB2との無線コネクションを確立する。ステップ911では、UE1は、ターゲットセルに首尾よく(successfully)同期した後に、Handover Confirm for EUTRAメッセージをターゲットLTE eNB2に送る。ステップ911のメッセージは、RRC Connection Reconfiguration Completeメッセージであってもよい。
【0101】
ステップ912では、UE1がターゲットLTE eNB2に首尾よく(successfully)アクセスした場合に、ターゲットLTE eNB2は、Handover Notifyメッセージを送ることによって、EPC4内のターゲットMMEに知らせる。
【0102】
ステップ913では、EPC4内のターゲットMMEは、UE1がターゲットサイドに到着したことを知り、Forward Relocation Complete Notification メッセージを送ることによって、NG Core5内のソース制御ノードに知らせる。ソース制御ノードは、Forward Relocation Complete Acknowledge メッセージをターゲットMMEに送る。
【0103】
ステップ914では、EPC4内のターゲット(e)MMEは、ベアラ修正(modification)手順を実施することによって、Inter-RAT ハンドオーバ手順を完了する。例えば、ターゲットMMEは、EPC4内の(e)S-GWに、セッション(i.e., PDN connection)毎のModify Bearer Requestメッセージを送信してもよい。Modify Bearer Requestメッセージは、ベアラ識別子(e.g., EPS Bearer ID)、並びにターゲットLTE eNB2のアドレス及びダウンリンク(DL)TEIDを包含してもよい。EPC4内の(e)S-GWは、inter-RAT HOによる転送ノードの再配置(relocation)又はRAT種別の変更をNG Core5内のエッジノードに知らせるために、NG Core5内のエッジノードと通信してもよい。具体的には、EPC4内のS-GWは、ベアラレス・セッション(i.e., PDU session)毎のModify Flow RequestメッセージをNG Core5内のエッジノードに送信してもよい。NG Core5内のエッジノードは、Modify Flow ResponseメッセージをEPC4内のS-GWに送信してもよい。EPC4内のS-GWは、ターゲットMMEにModify Bearer Responseメッセージを返信してもよい。
【0104】
図10A及び
図10Bは、
図2に示された無線通信ネットワークの構成例におけるNG SystemからLTE SystemへのUE1のハンドオーバ手順の一例を示している。
図10Aは、ハンドオーバの準備(preparation)フェーズを示し、
図10Bは、ハンドオーバの実施(execution)フェーズを示している。
【0105】
図9A及び
図9Bに示された手順と同様に、
図10A及び
図10Bに示された手順では、ソース基地局(i.e., NR NB3)は、ソース基地局(i.e., NR NB3)とコアネットワーク(i.e., NG Core5)との間のインタフェース上でHandover Requiredメッセージを送ることによって、ハンドオーバを開始する。したがって、
図9A及び
図9Bに示された手順と同様に、
図10A及び
図10Bに示された手順は、LTEの“UTRAN Iu mode to E-UTRAN Inter RAT handover”の改良・発展、又はMME relocationを伴う“S1-based handover”の改良・発展であってもよい。
【0106】
図10Aのステップ1001~1005の処理は、
図9Aのステップ901~907の処理と同様である。
図10Aの手順では、
図9Aに示されたステップ903及び907の図示が省略されている。ステップ903及び907に対応する処理は、NG Core5内で行われる。
【0107】
図10Bのステップ1006~1011の処理は、
図9Bのステップ908~914の処理と同様である。
図10Aの手順では、
図9Bに示されたステップ913の図示が省略されている。ステップ913に対応する処理は、NG Core5内で行われる。
【0108】
本実施形態に係るbearer-less network(5G)からbearer-based network(LTE)への詳細なハンドオーバ手順は、例えば上述された具体例であってもよいが、これらに限定されない。例えば、上述された幾つかのハンドオーバ手順例に示されたメッセージ名は、例示に過ぎない。上述された幾つかのハンドオーバ手順例は、メッセージの順序が異なってもよいし、幾つかのメッセージが省略されてもよいし、追加のメッセージを含んでもよい。
【0109】
続いて以下では、上述の複数の実施形態に係るUE1、LTE eNB2、NR NB3、及びコアネットワークノードの構成例について説明する。
図11は、UE1の構成例を示すブロック図である。LTEトランシーバ1101は、LTE eNB2と通信するために、LTE RATのPHYレイヤに関するアナログRF信号処理を行う。LTEトランシーバ1101により行われるアナログRF信号処理は、周波数アップコンバージョン、周波数ダウンコンバージョン、及び増幅を含む。LTEトランシーバ1101は、アンテナ1102及びベースバンドプロセッサ1105と結合される。すなわち、LTEトランシーバ1101は、変調シンボルデータ(又はOFDMシンボルデータ)をベースバンドプロセッサ1105から受信し、送信RF信号を生成し、送信RF信号をアンテナ1102に供給する。また、LTEトランシーバ1101は、アンテナ1102によって受信された受信RF信号に基づいてベースバンド受信信号を生成し、これをベースバンドプロセッサ1105に供給する。
【0110】
New Radio(NR)トランシーバ1103は、NR NB3と通信するために、NG RATのPHYレイヤに関するアナログRF信号処理を行う。New 5Gトランシーバ1103は、アンテナ1104及びベースバンドプロセッサ1105と結合される。
【0111】
ベースバンドプロセッサ1105は、無線通信のためのデジタルベースバンド信号処理(データプレーン処理)とコントロールプレーン処理を行う。デジタルベースバンド信号処理は、(a) データ圧縮/復元、(b) データのセグメンテーション/コンカテネーション、(c) 伝送フォーマット(伝送フレーム)の生成/分解、(d) 伝送路符号化/復号化、(e) 変調(シンボルマッピング)/復調、及び(f) Inverse Fast Fourier Transform(IFFT)によるOFDMシンボルデータ(ベースバンドOFDM信号)の生成などを含む。一方、コントロールプレーン処理は、レイヤ1(e.g., 送信電力制御)、レイヤ2(e.g., 無線リンク制御、及びhybrid automatic repeat request(HARQ)処理)、及びレイヤ3(e.g., アタッチ、モビリティ、及びパケット通信に関するシグナリング)の通信管理を含む。
【0112】
例えば、LTEおよびLTE-Advancedの場合、ベースバンドプロセッサ1105によるデジタルベースバンド信号処理は、Packet Data Convergence Protocol(PDCP)レイヤ、Radio Link Control(RLC)レイヤ、MACレイヤ、およびPHYレイヤの信号処理を含んでもよい。また、ベースバンドプロセッサ1105によるコントロールプレーン処理は、Non-Access Stratum(NAS)プロトコル、RRCプロトコル、及びMAC CEの処理を含んでもよい。
【0113】
ベースバンドプロセッサ1105は、デジタルベースバンド信号処理を行うモデム・プロセッサ(e.g., Digital Signal Processor(DSP))とコントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサ(e.g., Central Processing Unit(CPU)、又はMicro Processing Unit(MPU))を含んでもよい。この場合、コントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサは、後述するアプリケーションプロセッサ1106と共通化されてもよい。
【0114】
アプリケーションプロセッサ1106は、CPU、MPU、マイクロプロセッサ、又はプロセッサコアとも呼ばれる。アプリケーションプロセッサ1106は、複数のプロセッサ(複数のプロセッサコア)を含んでもよい。アプリケーションプロセッサ1106は、メモリ1108又は図示されていないメモリから読み出されたシステムソフトウェアプログラム(Operating System(OS))及び様々なアプリケーションプログラム(例えば、メータリングデータ又はセンシングデータを取得する通信アプリケーション)を実行することによって、UE1の各種機能を実現する。
【0115】
いくつかの実装において、
図11に破線(1107)で示されているように、ベースバンドプロセッサ1105及びアプリケーションプロセッサ1106は、1つのチップ上に集積されてもよい。言い換えると、ベースバンドプロセッサ1105及びアプリケーションプロセッサ1106は、1つのSystem on Chip(SoC)デバイス1107として実装されてもよい。SoCデバイスは、システムLarge Scale Integration(LSI)またはチップセットと呼ばれることもある。
【0116】
メモリ1108は、揮発性メモリ若しくは不揮発性メモリ又はこれらの組合せである。メモリ1108は、物理的に独立した複数のメモリデバイスを含んでもよい。揮発性メモリは、例えば、Static Random Access Memory(SRAM)若しくはDynamic RAM(DRAM)又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、マスクRead Only Memory(MROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの任意の組合せである。例えば、メモリ1108は、ベースバンドプロセッサ1105、アプリケーションプロセッサ1106、及びSoC1107からアクセス可能な外部メモリデバイスを含んでもよい。メモリ1108は、ベースバンドプロセッサ1105内、アプリケーションプロセッサ1106内、又はSoC1107内に集積された内蔵メモリデバイスを含んでもよい。さらに、メモリ1108は、Universal Integrated Circuit Card(UICC)内のメモリを含んでもよい。
【0117】
メモリ1108は、上述の複数の実施形態で説明されたUE1による処理を行うための命令群およびデータを含む1又は複数のソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)1109を格納してもよい。いくつかの実装において、ベースバンドプロセッサ1105又はアプリケーションプロセッサ1106は、当該ソフトウェアモジュール1109をメモリ1108から読み出して実行することで、上述の実施形態で説明されたUE1の処理を行うよう構成されてもよい。
【0118】
図12は、上述の実施形態に係るLTE eNB2の構成例を示すブロック図である。
図12を参照すると、LTE eNB2は、LTEトランシーバ1201、ネットワークインターフェース1203、プロセッサ1204、及びメモリ1205を含む。LTEトランシーバ1201は、UE1を含むLTE RATをサポートするUEsと通信するためにアナログRF信号処理を行う。LTEトランシーバ1201は、複数のトランシーバを含んでもよい。LTEトランシーバ1201は、アンテナ1202及びプロセッサ1204と結合される。LTEトランシーバ1201は、変調シンボルデータ(又はOFDMシンボルデータ)をプロセッサ1204から受信し、送信RF信号を生成し、送信RF信号をアンテナ1202に供給する。また、LTEトランシーバ1201は、アンテナ1202によって受信された受信RF信号に基づいてベースバンド受信信号を生成し、これをプロセッサ1204に供給する。
【0119】
ネットワークインターフェース1203は、ネットワークノード(e.g., EPC4内のMME及びS-GW)と通信するために使用される。ネットワークインターフェース1203は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインターフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0120】
プロセッサ1204は、無線通信のためのデジタルベースバンド信号処理(データプレーン処理)とコントロールプレーン処理を行う。例えば、LTEおよびLTE-Advancedの場合、プロセッサ1204によるデジタルベースバンド信号処理は、PDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ、およびPHYレイヤの信号処理を含んでもよい。また、プロセッサ1204によるコントロールプレーン処理は、S1プロトコル、RRCプロトコル、及びMAC CEの処理を含んでもよい。
【0121】
プロセッサ1204は、複数のプロセッサを含んでもよい。例えば、プロセッサ1204は、デジタルベースバンド信号処理を行うモデム・プロセッサ(e.g., DSP)とコントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサ(e.g., CPU又はMPU)を含んでもよい。
【0122】
メモリ1205は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。揮発性メモリは、例えば、SRAM若しくはDRAM又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、例えば、MROM、PROM、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの組合せである。メモリ1205は、プロセッサ1204から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1204は、ネットワークインターフェース1203又は図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ1205にアクセスしてもよい。
【0123】
メモリ1205は、上述の複数の実施形態で説明されたLTE eNB2による処理を行うための命令群およびデータを含む1又は複数のソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)1206を格納してもよい。いくつかの実装において、プロセッサ1204は、当該1又は複数のソフトウェアモジュール1206をメモリ1205から読み出して実行することで、上述の実施形態で説明されたLTE eNB2の処理を行うよう構成されてもよい。
【0124】
図13は、上述の実施形態に係るNR NB3の構成例を示すブロック図である。
図13を参照すると、NR NB3は、New Radio(NR)トランシーバ1301、ネットワークインターフェース1303、プロセッサ1304、及びメモリ1305を含む。NRトランシーバ1301は、UE1を含むNG RATをサポートするUEsと通信するためにアナログRF信号処理を行う。NRトランシーバ1301は、複数のトランシーバを含んでもよい。NRトランシーバ1301は、アンテナ1302及びプロセッサ1304と結合される。NRトランシーバ1301は、変調シンボルデータをプロセッサ1304から受信し、送信RF信号を生成し、送信RF信号をアンテナ1302に供給する。また、NRトランシーバ1301は、アンテナ1302によって受信された受信RF信号に基づいてベースバンド受信信号を生成し、これをプロセッサ1304に供給する。
【0125】
ネットワークインターフェース1303は、ネットワークノード(e.g., NG Core5内の制御ノード及び転送ノード)と通信するために使用される。ネットワークインターフェース1303は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインターフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0126】
プロセッサ1304は、無線通信のためのデジタルベースバンド信号処理(データプレーン処理)とコントロールプレーン処理を行う。プロセッサ1304は、複数のプロセッサを含んでもよい。例えば、プロセッサ1304は、デジタルベースバンド信号処理を行うモデム・プロセッサ(e.g., DSP)とコントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサ(e.g., CPU又はMPU)を含んでもよい。
【0127】
メモリ1305は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。揮発性メモリは、例えば、SRAM若しくはDRAM又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、例えば、MROM、PROM、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの組合せである。メモリ1305は、プロセッサ1304から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1304は、ネットワークインターフェース1303又は図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ1305にアクセスしてもよい。
【0128】
メモリ1305は、上述の複数の実施形態で説明されたNR NB3による処理を行うための命令群およびデータを含む1又は複数のソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)1306を格納してもよい。いくつかの実装において、プロセッサ1304は、当該1又は複数のソフトウェアモジュール1306をメモリ1305から読み出して実行することで、上述の実施形態で説明されたNR NB3の処理を行うよう構成されてもよい。
【0129】
図14は、上述の実施形態に係るコアネットワークノード1400の構成例を示すブロック図である。コアネットワークノード1400は、例えば、EPC4内のMME、又はNG Core5内の制御ノードである。
図14を参照すると、コアネットワークノード1400は、ネットワークインターフェース1401、プロセッサ1402、及びメモリ1403を含む。ネットワークインターフェース1401は、ネットワークノード(e.g., RANノード、他のコアネットワークノード)と通信するために使用される。ネットワークインターフェース1401は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインタフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0130】
プロセッサ1402は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU、又はCPUであってもよい。プロセッサ1402は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0131】
メモリ1403は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。揮発性メモリは、例えば、SRAM若しくはDRAM又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、例えば、MROM、PROM、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの組合せである。メモリ1403は、プロセッサ1402から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1402は、ネットワークインターフェース1401又は図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ1403にアクセスしてもよい。
【0132】
メモリ1403は、上述の複数の実施形態で説明されたコアネットワークノード(e.g., EPC4内のMME、又はNG Core5内の制御ノード)による処理を行うための命令群およびデータを含む1又は複数のソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)1404を格納してもよい。いくつかの実装において、プロセッサ1402は、当該1又は複数のソフトウェアモジュール1404をメモリ1403から読み出して実行することで、上述の実施形態で説明されたコアネットワークノードの処理を行うよう構成されてもよい。
【0133】
図11~
図14を用いて説明したように、上述の実施形態に係るUE1、LTE eNB2、NR NB3、及びコアネットワークノードが有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。このプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、Programmable ROM(PROM)、Erasable PROM(EPROM)、フラッシュROM、Random Access Memory(RAM))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0134】
<第3の実施形態>
本実施形態では、上述の実施形態で説明されたRRCメッセージ及びRANとコアネットワークとの間の制御メッセージ(i.e., S1及びNG2メッセージ)の具体例が説明される。
【0135】
図15A及び
図15Bは、Mobility from EUTRA commandメッセージのフォーマットの一例を示している。LTE SystemからNG Systemへのハンドオーバの場合、MobilityFromEUTRACommandメッセージは、“handover”とセットされたpurposeと、NG RANに対応する“ngutra”とセットされたtargetRAT-Typeとを含む。さらに、MobilityFromEUTRACommandメッセージは、targetRAT-MessageContainerを含む。targetRAT-MessageContainerは、ターゲットNR NB3によって生成されたRRCConnectionReconfigurationNRメッセージを含む。さらにまた、targetRAT-Type が“OTHERRAN”、つまり“utra”、“geran”、又は“ngutra”であるとき、MobilityFromEUTRACommandメッセージは、nas-SecurityParamFromEUTRAを含む。
【0136】
図16は、LTE eNB2からEPC4内のMMEにS1インタフェース上で送られるHandover Requiredメッセージ(e.g.,
図3Aのステップ302)のフォーマットの一例を示している。このHandover Requiredメッセージは、“LTEtoNR”とセットされたHandover Typeと、Source to Target Transparent Containerとを含む。
【0137】
図17は、LTE eNB2からNG Core5内の制御ノード(e.g., Common Control plane NF(CCNF))にNG2インタフェース上で送られるHandover Requiredメッセージ(e.g.,
図4Aのステップ402)のフォーマットの一例を示している。このHandover Requiredメッセージは、“LTEtoNR”とセットされたHandover Typeと、Source to Target Transparent Containerとを含む。さらに、Handover Requiredメッセージは、CCNF UE NG2AP ID及びeNB UE NG2AP IDを含む。CCNF UE NG2AP IDは、NG2インタフェース上でUE1を識別するために、NG Core5内の制御ノード(CCNF)によって割り当てられた識別子である。eNB UE NG2AP IDは、NG2インタフェース上でUE1を識別するために、LTE eNB2によって割り当てられた識別子である。
【0138】
図18~
図20は、Handover Requiredメッセージ内のSource NR NB to Target NR NB Transparent Containerのフォーマットのいくつかの例を示している。
図18に示された例では、Source NR NB to Target NR NB Transparent Containerは、RRC container及びNextGen (NG)-RABs Information Listを含む。RRC containerは、RRC Handover Preparation Informationメッセージを含む。NG-RABs Information Listは、LTE eNB2からNR NB3へハンドオーバされる無線アクセスベアラ(NG-RABs)のリストを示す。
図18に示されたフォーマットは、NR NB3及びNG Core5を含むNG SystemがQoSクラス毎且つPDUセッション毎のベアラを用いるベアラベースド転送をサポートするよう構成される場合に使用されてもよい。ベアラは、ネットワーク機能(Network Functions(NFs))のペアの間、例えば、NR NB3とNG Core5内のユーザプレーン機能の間、又はNG Core5内の2つのユーザプレーン機能の間に設定される。NG SystemのベアラはNG-EPS-bearerと呼ばれてもよく、NG Systemの無線アクセスベアラはNG-RABと呼ばれてもよい。
【0139】
図19に示されたSource NR NB to Target NR NB Transparent Containerは、
図18のそれと同様に、RRC container及びNG-RABs Information Listを含む。ただし、
図19に示されたNG-RABs Information Listは、各NG-RABにマッピングされるパケットフロー(PDU flows)のリストを示すFlows Information Listを含む。
図19に示されたフォーマットは、NR NB3及びNG Core5を含むNG Systemが、QoSクラス毎且つPDUセッション毎のベアラを用いるベアラベースド転送をサポートし、且つパケットフロー(PDU flow)毎のQoSハンドリング(e.g., パケット破棄)のためにベアラ内のパケットフロー(PDU flow)を特定するよう構成される場合に使用されてもよい。
【0140】
図20に示されたSource NR NB to Target NR NB Transparent Containerは、Sessions Information List及びNG-RABs Information Listのいずれか又は両方を含むことができる。
図20に示されたフォーマットは、NR NB3及びNG Core5を含むNG Systemが、ベアラベースド転送及びフローベースド転送の両方をサポートする場合に使用されてもよい。さらに、
図20に示されたフォーマットは、NR NB3及びNG Core5を含むNG Systemが、フローベースド転送のみをサポートする場合に使用されてもよい。
【0141】
図21は、NG Core5からNR NB3にNG2インタフェース上で送られる(NR) Handover Requestメッセージ(e.g.,
図3Aのステップ305、及び
図4Aのステップ404)のフォーマットの一例を示している。この(NR) Handover Requestメッセージは、CCNF UE NG2AP IDを含む。CCNF UE NG2AP IDは、NG2インタフェース上でUE1を識別するために、NG Core5内の制御ノード(CCNF)によって割り当てられた識別子である。なお、CCNFは一例であり、他のコントロールプレーン・ネットワーク機能又はノードの名称(e.g., CNF、CPF、SMF、MMF)が、CCNFの代わりに使用されてもよい。さらに、この(NR) Handover Requestメッセージは、Security Context及びNAS Security Parameters to NG-UTRANを含む。Security Contextは、例えば、Next Hop parameter(NH)及びNext Hop Chaining Counter parameter(NCC)を示す。NAS Security Parameters to NG-UTRANは、E-UTRANからNG RAN(NG-UTRAN)へのハンドオーバの場合に(NR) Handover Requestメッセージに含まれる。Security Context及びNAS Security Parameters to NG-UTRANは、ネットワークスライス毎にセットされてもよい。
【0142】
さらに、
図21の例では、(NR) Handover Requestメッセージは、NG-RABs To Be Setup Listを含む。NG-RABs To Be Setup Listは、ターゲットNR NB3においてセットアップされるべき無線アクセスベアラ(NG-RABs)のリストを示す。
図21に示されたフォーマットは、NR NB3及びNG Core5を含むNG SystemがQoSクラス毎且つPDUセッション毎のベアラを用いるベアラベースド転送をサポートするよう構成される場合に使用されてもよい。
【0143】
図22は、(NR) Handover Requestメッセージの変形例を示している。
図22の例では、(NR) Handover Requestメッセージは、
図21のそれと同様に、NG-RABs To Be Setup Listを含む。ただし、
図22に示されたNG-RABs To Be Setup Listは、各NG-RABにマッピングされるパケットフロー(PDU flows)のリストを示すFlows Information Listを含む。
図22に示されたフォーマットは、NR NB3及びNG Core5を含むNG Systemが、QoSクラス毎且つPDUセッション毎のベアラを用いるベアラベースド転送をサポートし、且つパケットフロー(PDU flow)毎のQoSハンドリング(e.g., パケット破棄)のためにベアラ内のパケットフロー(PDU flow)を特定するよう構成される場合に使用されてもよい。
【0144】
図23は、(NR) Handover Requestメッセージの更なる変形例を示している。
図23に示された(NR) Handover Requestメッセージは、Session To Be Setup List及びNG-RABs To Be Setup Listのいずれか又は両方を含むことができる。Session To Be Setup Listは、ハンドオーバされるUE1の1又は複数のセッションに関する情報を含む。例えば、Session To Be Setup Listは、セッション毎のスライス情報(Slice Information)を含む。
図23に示されたSlice Informationは、上述の実施形態で説明されたスライス情報に対応する。さらに、Session To Be Setup Listは、セッション毎のセッション・エンドポイント識別子(Session Endpoint Identifier(SEID))を含む。
図23に示されたフォーマットは、NR NB3及びNG Core5を含むNG Systemが、ベアラベースド転送及びフローベースド転送の両方をサポートする場合に使用されてもよい。さらに、
図23に示されたフォーマットは、NR NB3及びNG Core5を含むNG Systemが、フローベースド転送のみをサポートする場合に使用されてもよい。
【0145】
図24は、Slice Informationのフォーマットの一例を示している。第1の実施形態において詳細に説明したように、Slice Informationは、UE1のために決定(選択)されたネットワークスライスの識別子(i.e., Network Slice Instance ID)、及び当該ネットワークスライスに関連付けられたネットワーク機能又はノードの識別子(i.e., Network Function ID)を含む。Slice Informationは、当該ネットワークスライスの種別情報(i.e., Multi-Dimensional Descriptor)を含んでもよい。さらに、Slice Informationは、モビリティ・クラス(Mobility Class)若しくはセッション・クラス(Session Class)又は両方を含んでもよい。
【0146】
図25は、Session Endpoint IDのフォーマットの一例を示している。第1の実施形態において詳細に説明したように、Session Endpoint IDは、GTP-TEID、GRE-TEID、又はネットワーク機能若しくはノードの識別子(NF ID)であってもよい。
【0147】
図26は、NR NB3からNG Core5にNG2インタフェース上で送られる(NR) Handover Request Acknowledgeメッセージ(e.g.,
図3Aのステップ306、及び
図4Aのステップ405)のフォーマットの一例を示している。この(NR) Handover Request Acknowledgeメッセージは、Target to Source Transparent Containerを含む。Target to Source Transparent Containerは、ターゲットNR NB3によって生成された無線リソース設定情報(e.g., 無線パラメータ)を包含する。
図27に示されるように、Target to Source Transparent Containerは、RRC NG-UTRA Handover Command メッセージを包含するRRC Containerを含んでもよい。
【0148】
さらに、
図26の例では、(NR) Handover Request Acknowledgeメッセージは、NG-RABs Admitted Listを含む。NG-RABs Admitted Listは、リソースがターゲットセルにおいて準備された無線アクセスベアラ(NG-RABs)のリストを示す。
図26に示されたフォーマットは、NR NB3及びNG Core5を含むNG SystemがQoSクラス毎且つPDUセッション毎のベアラを用いるベアラベースド転送をサポートするよう構成される場合に使用されてもよい。
【0149】
図28は、(NR) Handover Request Acknowledgeメッセージの変形例を示している。
図28の例では、(NR) Handover Request Acknowledgeメッセージは、
図26のそれと同様に、NG-RABs Admitted Listを含む。ただし、
図28に示されたNG-RABs Admitted Listは、各NG-RABにマッピングされるパケットフロー(PDU flows)のリストを示すFlows Information Listを含む。
図28に示されたフォーマットは、NR NB3及びNG Core5を含むNG Systemが、QoSクラス毎且つPDUセッション毎のベアラを用いるベアラベースド転送をサポートし、且つパケットフロー(PDU flow)毎のQoSハンドリング(e.g., パケット破棄)のためにベアラ内のパケットフロー(PDU flow)を特定するよう構成される場合に使用されてもよい。
【0150】
図29は、(NR) Handover Request Acknowledgeメッセージの更なる変形例を示している。
図29に示された(NR) Handover Request Acknowledgeメッセージは、Session Admitted List及びNG-RABs Admitted Listのいずれか又は両方を含むことができる。Session Admitted Listは、リソースがターゲットセルにおいて準備されたUE1の1又は複数のセッションに関する情報を含む。
図29に示されたフォーマットは、NR NB3及びNG Core5を含むNG Systemが、ベアラベースド転送及びフローベースド転送の両方をサポートする場合に使用されてもよい。さらに、
図29に示されたフォーマットは、NR NB3及びNG Core5を含むNG Systemが、フローベースド転送のみをサポートする場合に使用されてもよい。
【0151】
図30は、
図29に示されたForwarding Addressのフォーマットの一例を示している。Forwarding Addressは、ダウンリンク・データフォワーディングのための情報(i.e., DL Transport Layer Address及びDL Session Endpoint ID)及びアップリンク・データフォワーディングのための情報(i.e., UL Transport Layer Address及びUL Session Endpoint ID)のいずれか又は両方を含む。
【0152】
図31は、EPC4内のMMEからLTE eNB2にS1インタフェース上で送られるS1AP Handover Commandメッセージ(e.g.,
図3Bのステップ308)のフォーマットの一例を示している。このHandover Commandメッセージは、E-RABs Subject to Forwarding Listを含む。E-RABs Subject to Forwarding Listは、データフォワーディングの対象とされるE-RABsを示す。
【0153】
さらに、E-UTRANから“OTHER RAN”へのハンドオーバであるとき、言い換えるとHandover Type IEが“LTEtoNR(若しくはLTEtoNGUTRAN)”、“LTEtoUTRAN”、又は“LTEtoGERAN”であるとき、S1AP Handover Commandメッセージは、NAS Security Parameters from E-UTRANを含む。NAS Security Parameters from E-UTRANは、E-UTRANからのInter-RATハンドオーバのためのセキュリティ関連情報(security related information)を含む。
【0154】
図32は、NG Core5内の制御ノード(e.g., CCNF)からLTE eNB2にNG2インタフェース上で送られるNG2AP Handover Commandメッセージ(e.g.,
図4Bのステップ406)のフォーマットの一例を示している。このHandover Commandメッセージは、NE-RABs Subject to Forwarding Listを含む。NE-RABs Subject to Forwarding Listは、データフォワーディングの対象とされるNextGen E-RABsを示す。ここで、NextGen E-RAB(NE-RAB)は、NG Coreとのインタフェースをサポートするよう拡張されたeLTE eNBを介してUEとNG Core5内のUser plane Function(e.g., CUNF)との間にセットアップされるE-RABである。
【0155】
<その他の実施形態>
上述の実施形態は、各々独立に実施されてもよいし、実施形態全体又はその一部が適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0156】
上述の実施形態で説明されたE-URAN及びNG RANは、Cloud Radio Access Network(C-RAN)コンセプトに基づいて実装されてもよい。C-RANは、Centralized RANと呼ばれることもある。したがって、上述の実施形態で説明されたLTE eNB2及びNR NB3の各々により行われる処理及び動作は、C-RANアーキテクチャに含まれるDigital Unit(DU)又はDU及びRadio Unit(RU)の組み合せによって提供されてもよい。DUは、Baseband Unit(BBU)又はCentral Unit(CU)と呼ばれる。RUは、Remote Radio Head(RRH)、Remote Radio Equipment(RRE)、又はDistributed Unit(DU)とも呼ばれる。DUとRUは、RAN全体で提供されるASレイヤの機能をDUとRUとで分離して提供してもよい。例えば、ASレイヤの一部(レイヤ2/レイヤ3若しくはそれらのサブレイヤ、又はレイヤの一部機能)をDUに配置し、残りのレイヤ(又はレイヤの一部機能)をRUに配置する構成で、DUとRUとが提供されてもよい。すなわち、上述の実施形態で説明されたLTE eNB2及びNR NB3の各々によって行われる処理及び動作は、任意の1又は複数の無線局(又はRANノード)によって提供されてもよい。
【0157】
NR NB 3は、ASレイヤ(layers)又は機能のDUとRUへの振り分け(allocation)を動的に変更できるように構成されてもよい。言い換えると、NR NB 3は、DUとRUとの間でのASレイヤ(layers)又は機能の分離ポイントを動的に変更できるように構成されてもよい。例えば、NR NB 3は、複数の異なる機能分離オプション(different functional split options)から1つを動的に選択できるように構成されてもよい。この場合、上述したいくつかの実施形態のLTE to NRのHO手順内で、NG Core5は、Forward Relocation Requestメッセージ又はHandover Requiredメッセージの受信に応答して、ASレイヤ又は機能のNR NB3のDUとRUへの振り分けを決定してもよい。これに代えて、NR NB3が、ASサブレイヤ又は機能のNR NB3のDUとRUへの振り分けを決定してもよい。NG Core5又はNR NB 3は、NR NB 3に適用される1つの機能分離オプションを予め定められた複数の機能分離オプションから選択してもよい。
【0158】
一例において、NR NB 3に適用される機能分離オプションは、Forward Relocation Requestメッセージ又はHandover Requiredメッセージに含まれるE-RAB QoS information IE, e.g. QCI, ARP又はフロー情報などに基づいて決定(選択)されてもよい。さらに又はこれに代えて、NR NB 3に適用される機能分離オプションは、NG Core5若しくはNR NB3により生成されるスライス若しくはスライスに関する情報(スライス情報)に基づいて決定されてもよい。さらに又はこれに代えて、NR NB 3に適用される機能分離オプションは、UE1から送信されたNAS情報に含まれるネットワークスライス支援情報に基づいて決定されてもよい。
【0159】
また、上述したいくつかの実施形態において、各ノード間で送受信されるメッセージにUE識別子が含まれてもよい。当該UE識別子は、ハンドオーバされるUE1をハンドオーバ手順内で識別するために使用される。
【0160】
より具体的には、当該UE識別子は、NR NB3とNG Core5のMMEに相当する制御ノードとの間のインタフェース(e.g., Sn インタフェース又はNG2 インタフェース、nは整数)上で使用されるUE識別子であってもよい。このUE識別子は、NR NB UE SnAP ID(NR NB UE Sn Application Protocol Identifier)又はNR NB UE NG2AP IDと表現されてもよい。
【0161】
これに代えて、当該UE識別子は、NR NB3とLTE eNB2との間のインタフェース(e.g., Xnインタフェース、nは整数)上で使用されるUE識別子であってもよい。このUE識別子は、NR NB UE XnAP IDと表現されてもよい。
【0162】
これに代えて、当該UE識別子は、NG Core5のMMEに相当する制御ノードとEPC4内のMMEとの間のインタフェース(e.g., Sm インタフェース、mは整数)上で使用されるUE識別子であってもよい。このUE識別子は、例えばeMME UE SmAP IDと表現されてもよい。
【0163】
これに代えて、当該UE識別子は、NG Core5のMMEに相当する制御ノードとLTE eNB2との間のインタフェース(e.g., Sl インタフェース、lは整数)上で使用され、且つ当該制御ノードによって割り当てられるUE識別子であってもよい。このUEの識別子は、例えばeMME UE SlAP IDと表現されてもよい。
【0164】
さらに、これらのUE識別子がハンドオーバ手順内において各ノード間で転送されてもよい。なお、上述した各インタフェースを識別するためのSn、NG2、Sm、Sl、及びXnは例示であり、他の表記であってもよい。
【0165】
さらに、上述した実施形態は本件発明者により得られた技術思想の適用に関する例に過ぎない。すなわち、当該技術思想は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは勿論である。
【0166】
例えば、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0167】
(付記1)
ベアラレス・ネットワークに関連付けられたターゲット無線アクセスネットワーク(RAN)ノードであって、
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
ベアラベースド・ネットワークから前記ベアラレス・ネットワークへの無線端末のハンドオーバを要求するhandover requestメッセージをコアネットワークから受信するよう構成され、前記handover requestメッセージは、前記無線端末の少なくとも1つのパケットフローを転送するために前記ベアラレス・ネットワーク内で確立される少なくとも1つのセッションに関するフロー情報を含み;
前記handover requestメッセージに応答して、Target to Source Transparent Containerを包含するhandover request acknowledgeメッセージを前記コアネットワークに送信するよう構成され、前記Target to Source Transparent Containerは、前記フロー情報から導かれる無線リソース設定情報を包含し、且つ前記コアネットワークを介して前記ベアラベースド・ネットワークに関連付けられたソースRANノードにフォワードされる;
ターゲットRANノード。
【0168】
(付記2)
前記無線リソース設定情報は、前記ベアラベースド・ネットワークで使用される前記無線端末のためのベアラと前記ベアラレス・ネットワークで使用される前記無線端末のための少なくとも1つのパケットフローとのマッピングを示す情報を含む、付記1に記載のターゲットRANノード。
【0169】
(付記3)
前記フロー情報は、前記無線端末の各パケットフローに関して、フロー識別子及びフローQoSパラメータを含む、
付記1又は2のいずれか1項に記載のターゲットRANノード。
【0170】
(付記4)
ベアラベースド・ネットワークに関連付けられたソース無線アクセスネットワーク(RAN)ノードであって、
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記ベアラベースド・ネットワークからベアラレス・ネットワークへの無線端末のハンドオーバを開始するためのhandover requiredメッセージをコアネットワークに送信するよう構成され;
Target to Source Transparent Containerを包含するhandover commandメッセージを前記コアネットワークから受信するよう構成され、前記Target to Source Transparent Containerは、前記ベアラレス・ネットワークに関連付けられたターゲットRANノードによって生成され、前記無線端末の少なくとも1つのパケットフローを転送するために前記ベアラレス・ネットワーク内で確立される少なくとも1つのセッションに関連付けられた無線コネクションを確立するために前記無線端末にとって必要となる無線リソース設定情報を包含し;
前記無線リソース設定情報を包含し且つ前記ベアラレス・ネットワークへのハンドオーバを示すmobility commandメッセージを前記無線端末に送信するよう構成されている;
ソースRANノード。
【0171】
(付記5)
前記無線リソース設定情報は、前記ベアラベースド・ネットワークで使用される前記無線端末のためのベアラと前記ベアラレス・ネットワークで使用される前記無線端末のための少なくとも1つのパケットフローとのマッピングを示す情報を含む、
付記4に記載のソースRANノード。
【0172】
(付記6)
前記handover commandメッセージは、前記ベアラベースド・ネットワーク内の前記無線端末のためのベアラで転送される少なくとも1つのパケットフローの各々の識別子と、各パケットフローのデータフォワーディングのために割り当てられたアドレス若しくはエンドポイント識別子又はこれら両方とを包含する、
付記4又は5に記載のソースRANノード。
【0173】
(付記7)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのパケットフローの各々の前記識別子と前記アドレス若しくは前記エンドポイント識別子又はこれら両方とを用いて、前記少なくとも1つのパケットフローのデータフォワーディングを行うよう構成されている、
付記6に記載のソースRANノード。
【0174】
(付記8)
無線端末であって、
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
ベアラベースド・ネットワークからベアラレス・ネットワークへのハンドオーバを示すmobility commandメッセージを前記ベアラベースド・ネットワークに関連付けられた無線アクセスネットワーク(RAN)ノードから受信するよう構成され、前記mobility commandメッセージは、前記ベアラレス・ネットワークに関連付けられたターゲットRANノードによって生成され、前記無線端末の少なくとも1つのパケットフローを転送するために前記ベアラレス・ネットワーク内で確立される少なくとも1つのセッションに関連付けられた無線コネクションを確立するために前記無線端末にとって必要となる無線リソース設定情報を包含し;
前記無線リソース設定情報を用いて、前記ベアラレス・ネットワークに関連付けられた前記ターゲットRANノードとの前記無線コネクションを確立するよう構成されている;
無線端末。
【0175】
(付記9)
前記無線リソース設定情報は、前記ベアラベースド・ネットワークで使用される前記無線端末のためのベアラと前記ベアラレス・ネットワークで使用される前記無線端末のための少なくとも1つのパケットフローとのマッピングを示す情報を含む、
付記8に記載の無線端末。
【0176】
(付記10)
ベアラレス・ネットワークに関連付けられたターゲット無線アクセスネットワーク(RAN)ノードにおける方法であって、
ベアラベースド・ネットワークから前記ベアラレス・ネットワークへの無線端末のハンドオーバを要求するhandover requestメッセージをコアネットワークから受信すること、ここで、前記handover requestメッセージは、前記無線端末の少なくとも1つのパケットフローを転送するために前記ベアラレス・ネットワーク内で確立される少なくとも1つのセッションに関するフロー情報を含み;及び
前記handover requestメッセージに応答して、Target to Source Transparent Containerを包含するhandover request acknowledgeメッセージを前記コアネットワークに送信すること、ここで、前記Target to Source Transparent Containerは、前記フロー情報から導かれる無線リソース設定情報を包含し、且つ前記コアネットワークを介して前記ベアラベースド・ネットワークに関連付けられたソースRANノードにフォワードされる;
を備える、方法。
【0177】
(付記11)
ベアラベースド・ネットワークに関連付けられたソース無線アクセスネットワーク(RAN)ノードにおける方法であって、
前記ベアラベースド・ネットワークからベアラレス・ネットワークへの無線端末のハンドオーバを開始するためのhandover requiredメッセージをコアネットワークに送信すること;
Target to Source Transparent Containerを包含するhandover commandメッセージを前記コアネットワークから受信すること、ここで、前記Target to Source Transparent Containerは、前記ベアラレス・ネットワークに関連付けられたターゲットRANノードによって生成され、前記無線端末の少なくとも1つのパケットフローを転送するために前記ベアラレス・ネットワーク内で確立される少なくとも1つのセッションに関連付けられた無線コネクションを確立するために前記無線端末にとって必要となる無線リソース設定情報を包含し;及び
前記無線リソース設定情報を包含し且つ前記ベアラレス・ネットワークへのハンドオーバを示すmobility commandメッセージを前記無線端末に送信すること;
を備える、方法。
【0178】
(付記12)
無線端末における方法であって、
ベアラベースド・ネットワークからベアラレス・ネットワークへのハンドオーバを示すmobility commandメッセージを前記ベアラベースド・ネットワークに関連付けられた無線アクセスネットワーク(RAN)ノードから受信すること、ここで、前記mobility commandメッセージは、前記ベアラレス・ネットワークに関連付けられたターゲットRANノードによって生成され、前記無線端末の少なくとも1つのパケットフローを転送するために前記ベアラレス・ネットワーク内で確立される少なくとも1つのセッションに関連付けられた無線コネクションを確立するために前記無線端末にとって必要となる無線リソース設定情報を包含し;及び
前記無線リソース設定情報を用いて、前記ベアラレス・ネットワークに関連付けられた前記ターゲットRANノードとの前記無線コネクションを確立すること;
を備える、方法。
【0179】
(付記13)
ベアラレス・ネットワークに関連付けられたターゲット無線アクセスネットワーク(RAN)ノードにおける方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、
ベアラベースド・ネットワークから前記ベアラレス・ネットワークへの無線端末のハンドオーバを要求するhandover requestメッセージをコアネットワークから受信すること、ここで、前記handover requestメッセージは、前記無線端末の少なくとも1つのパケットフローを転送するために前記ベアラレス・ネットワーク内で確立される少なくとも1つのセッションに関するフロー情報を含み;及び
前記handover requestメッセージに応答して、Target to Source Transparent Containerを包含するhandover request acknowledgeメッセージを前記コアネットワークに送信すること、ここで、前記Target to Source Transparent Containerは、前記フロー情報から導かれる無線リソース設定情報を包含し、且つ前記コアネットワークを介して前記ベアラベースド・ネットワークに関連付けられたソースRANノードにフォワードされる;
を備える、
プログラム。
【0180】
(付記14)
ベアラベースド・ネットワークに関連付けられたソース無線アクセスネットワーク(RAN)ノードにおける方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、
前記ベアラベースド・ネットワークからベアラレス・ネットワークへの無線端末のハンドオーバを開始するためのhandover requiredメッセージをコアネットワークに送信すること;
Target to Source Transparent Containerを包含するhandover commandメッセージを前記コアネットワークから受信すること、ここで、前記Target to Source Transparent Containerは、前記ベアラレス・ネットワークに関連付けられたターゲットRANノードによって生成され、前記無線端末の少なくとも1つのパケットフローを転送するために前記ベアラレス・ネットワーク内で確立される少なくとも1つのセッションに関連付けられた無線コネクションを確立するために前記無線端末にとって必要となる無線リソース設定情報を包含し;及び
前記無線リソース設定情報を包含し且つ前記ベアラレス・ネットワークへのハンドオーバを示すmobility commandメッセージを前記無線端末に送信すること;
を備える、
プログラム。
【0181】
(付記15)
無線端末における方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、
ベアラベースド・ネットワークからベアラレス・ネットワークへのハンドオーバを示すmobility commandメッセージを前記ベアラベースド・ネットワークに関連付けられた無線アクセスネットワーク(RAN)ノードから受信すること、ここで、前記mobility commandメッセージは、前記ベアラレス・ネットワークに関連付けられたターゲットRANノードによって生成され、前記無線端末の少なくとも1つのパケットフローを転送するために前記ベアラレス・ネットワーク内で確立される少なくとも1つのセッションに関連付けられた無線コネクションを確立するために前記無線端末にとって必要となる無線リソース設定情報を包含し;及び
前記無線リソース設定情報を用いて、前記ベアラレス・ネットワークに関連付けられた前記ターゲットRANノードとの前記無線コネクションを確立すること;
を備える、
プログラム。
【0182】
この出願は、2016年8月10日に出願された日本出願特願2016-158279を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0183】
1 User Equipment (UE)
2 LTE eNodeB (eNB)
3 New Radio (NR) NodeB (NB)
4 Evolved Packet Core(EPC)
5 NextGen (NG) Core
1105 ベースバンドプロセッサ
1106 アプリケーションプロセッサ
1108 メモリ
1204 プロセッサ
1205 メモリ
1304 プロセッサ
1305 メモリ
1402 プロセッサ
1403 メモリ