(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183327
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】ラック及びレセプタクル上の機械可読マークを読み取るためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
G01N35/02 C
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168229
(22)【出願日】2022-10-20
(62)【分割の表示】P 2020185747の分割
【原出願日】2016-10-24
(31)【優先権主張番号】62/245,930
(32)【優先日】2015-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500169900
【氏名又は名称】ジェン-プローブ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド オパルスキー
(57)【要約】
【課題】サンプル処理装置又はサンプルアッセイ装置を提供すること
【解決手段】サンプル処理装置又はサンプルアッセイ装置は、可動支持体を備える。可動支持体は、第1の機械可読マークを有する第1の物体を収容するように構成される第1のポケットを画定する。可動支持体は、第2の機械可読マークを有する第2の物体を収容するように構成される第2のポケットを画定する。可動支持体はまた、第1の基準機械可読マーク及び第2の基準機械可読マークを備える。装置はまた、第1の基準機械可読マーク及び第1の物体の第1の機械可読マークを含む第1の画像を取り込む画像取込デバイスを備える。画像取込デバイスは、第2の基準機械可読マーク及び第2の物体の第2の機械可読マークを含む第2の画像を取り込む。装置はまた、第1及び第2の機械可読マークから復号される情報を可動支持体上の第1及び第2の位置と関連付けるように構成されるプロセッサを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイス、システム、方法等。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年10月23日に出願された米国仮特許出願第62/245,930号の利益を主張し、当該出願の全内容はここに引用することにより組み込まれる。
【0002】
本開示の実施形態は、サンプルラック及びレセプタクル、例えば分子アッセイを行うのに使用されるラック及びレセプタクル、上の機械可読マークを読み取るためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
アッセイ装置は、流体サンプル物質のアッセイを行う。例えば、臨床検査室の状況では、分析システムは、多工程分析プロセス(例えば、ウイルス又は細菌等の微生物を検出するように設計された核酸検査(NAT))を行うように構成することができる。多工程分析プロセスは、サンプル、固体支持体、緩衝液、油、プライマー、ポリメラーゼ、ヌクレオチド、ラベル、プローブ、又は他の反応液等の物質(例えば、流体)をレセプタクルに入れること、及び/若しくはレセプタクルから物質を除去すること、レセプタクルを攪拌してその内容物を混合すること、レセプタクルの内容物の温度を維持すること及び/若しくは変更すること、レセプタクルの内容物を加熱すること若しくは冷却すること、レセプタクルの1つ又は複数の内容物成分の濃度を変更すること、レセプタクルの内容物の構成成分を分離すること若しくは単離すること、レセプタクルの内容物から電磁信号放射(例えば、光)を検出すること、進行中の反応を不活性化すること若しくは停止させること、又はこのようなプロセスの2つ以上の任意の組み合わせを含む。
【0004】
所望の分析プロセスを行うために、アッセイ装置を自動化することができる。このような用途では、分析プロセスの結果を特定のサンプルに確実に一致させる必要がある。これを行うために、アッセイ装置は、装置上に置かれたサンプル容器の位置を把握する必要がある。結果を得るために使用される試薬及び消耗品の同様の追跡を行うことも望ましい。本開示は、携帯若しくは自動画像ベースのバーコードリーダ又は同様のイメージングシステムを使用して、サンプル、試薬及び消耗品を追跡する方法を説明する。サンプル追跡の典型的な方法では、サンプル容器は、機械可読ラベル、例えばバーコードでラベル付けされる。サンプル容器は装置上のホルダー又はラックの中に置かれ、装置は自動で容器を移動させるか、又は手動で移動させた容器の位置を監視する。装置又はオペレータは、内蔵バーコードリーダがサンプル容器上のラベルを読み取る場所へサンプルを移動させる。装置は、特定のサンプルの位置を能動的に移動又は監視するため、サンプルの位置を「把握する」。装置はホルダー内の特定の位置又はスロットのサンプルをそのバーコードと関連付けることができ、特定のサンプルのすべての処理をそのサンプルのバーコードにより確実に追跡することができる。
【0005】
装置が位置を監視している間に、オペレータがサンプルをリーダへ移動させることができるように、取り付けられたバーコードリーダ又は機械の前でサンプルを移動させるアクチュエータは、装置の実装コストを高め、サイズを大きくする可能性があり、装置の信頼性に確実に悪影響を及ぼし得る。この開示で説明される方法は、携帯バーコードリーダ、及び装置内で特別にラベル付けされたラック若しくはラベル付けされたポジションにより、サンプルとラック内の位置とを確実に関連付ける、又は試薬若しくは他の消耗品と装置内の位置とを確実に関連付けることを可能にする、代替方法を示す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
可動支持体上及びサンプル装置の物体上の機械可読マークを読み取る方法は、可動支持体が第1の位置から第2の位置へ移動する場合に、画像取込デバイスを用いて可動支持体の第1の画像を取り込むことを含む。この方法はまた、可動支持体上の第1の基準機械可読マークが第1の画像内にあるかどうかを判定することを含む。この方法はまた、第1の基準機械可読マークが第1の画像内にある場合、可動支持体に連結された物体上の第1の機械可読マークが、第1の画像内において、第1の基準機械可読マークに対して所定の位置にあるかどうかを判定することを含む。この方法は、物体上の第1の機械可読マークが第1の画像内にある場合、第1の画像内の第1の機械可読マークを復号することを更に含む。またこの方法は、物体上の第1の機械可読マークから復号された情報を、第1の基準機械可読マークと関連付けられた可動支持体上の第1の位置と関連付けることを含む。
【0007】
サンプル装置は、第1の位置から第2の位置へ移動するように構成される可動支持体を備える。可動支持体は、第1の機械可読マークを有する第1の物体を収容するように構成される第1のポケットを画定する。可動支持体は、第2の機械可読マークを有する第2の物体を収容するように構成される第2のポケットも画定する。可動支持体は、第1の基準機械可読マークの位置を識別する情報を含む第1の基準機械可読マークと、第2の基準機械可読マークの位置を識別する情報を含む第2の基準機械可読マークとを含む。装置はまた、第1の画像を取り込む視野を有する画像取込デバイスを含む。第1の画像は第1の基準機械可読マークと、第1の物体が第1のポケット内に収容される場合、第1の物体の第1の機械可読マークとを含む。画像取込デバイスはまた、可動支持体が第1の位置から第2の位置へ移動する場合、第2の画像を取り込む。第2の画像は第2の基準機械可読マークと、第2の物体が第2のポケット内に収容される場合、第2の物体の第2の機械可読マークとを含む。装置はまた、第1の画像内の第1の機械可読マーク及び第1の基準機械可読マークを復号するように構成されるプロセッサを備える。プロセッサは、第1の機械可読マークから復号された情報を、第1の基準機械可読マークと予め関連付けられた可動支持体上の第1の位置と関連付けるように構成される。プロセッサはまた、第2の画像内の第2の機械可読マーク及び第2の基準機械可読マークを復号することもできる。プロセッサは、第2の機械可読マークから復号された情報を、第2の基準機械可読マークと予め関連付けられた可動支持体上の第2の位置と関連付けるように構成される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
サンプル装置であって、
第1の位置から第2の位置へ移動するように構成される可動支持体であって、前記可動支持体は、第1の機械可読マークを有する第1の物体を収容するように構成される第1のポケットを画定し、及び、第2の機械可読マークを有する第2の物体を収容するように構成される第2のポケットを画定し、前記可動支持体は、第1の基準機械可読マークの位置を識別する情報を含む前記第1の基準機械可読マーク、及び第2の基準機械可読マークの位置を識別する情報を含む前記第2の基準機械可読マークを含む、可動支持体と、
前記第1の基準機械可読マークと、前記第1の物体が前記第1のポケット内に収容される場合に前記第1の物体の前記第1の機械可読マークとを含む第1の画像を取り込み、及び、前記可動支持体が前記第1の位置から前記第2の位置へ移動するとき、前記第2の基準機械可読マークと、前記第2の物体が前記第2のポケット内に収容される場合に前記第2の物体の前記第2の機械可読マークとを含む第2の画像を取り込む、視野を有する、画像取込デバイスと、
プロセッサであって、
前記第1の画像内の前記第1の機械可読マーク及び前記第1の基準機械可読マークを復号し、
前記第1の機械可読マークから復号される情報を、前記第1の基準機械可読マークと予め関連付けられる前記可動支持体上の第1の位置と関連付け、
前記第2の画像内の前記第2の機械可読マーク及び前記第2の基準機械可読マークを復号し、
前記第2の機械可読マークから復号される情報を、前記第2の基準機械可読マークと予め関連付けられる前記可動支持体上の第2の位置と関連付けるように構成される、プロセッサと
を備える、サンプル装置。
(項目2)
前記第1の物体は前記第2の物体と異なる寸法を有する、項目1に記載のサンプル装置。
(項目3)
前記可動支持体はサンプルラックであり、前記第1の物体は第1のサンプルレセプタクルであり、及び前記第2の物体は第2のサンプルレセプタクルである、項目1又は2に記載のサンプル装置。
(項目4)
前記可動支持体は試薬引き出しであり、前記第1の物体は第1の試薬容器であり、及び前記第2の物体は第2の試薬容器である、項目1又は2に記載のサンプル装置。
(項目5)
前記可動支持体は消耗品引き出しであり、前記第1の物体は第1の消耗品であり、及び前記第2の物体は第2の消耗品である、項目1又は2に記載のサンプル装置。
(項目6)
前記サンプル装置はサンプルアッセイ装置である、項目1~5に記載のサンプル装置。(項目7)
前記サンプル装置はサンプル処理装置である、項目1~5に記載のサンプル装置。
(項目8)
前記第1の基準機械可読マークは第1の2次元バーコードであり、及び前記第2の基準機械可読マークは第2の2次元バーコードである、項目1~7に記載のサンプル装置。
(項目9)
前記第1の基準機械可読マークは前記第2の基準機械可読マークと異なる、項目8に記載のサンプル装置。
(項目10)
前記第1の基準機械可読マークは前記第1のポケットの下方にあり、及び前記第2の基準機械可読マークは前記第2のポケットの下方にある、項目1~9に記載のサンプル装置。
(項目11)
前記第1の基準機械可読マークは前記第1のポケットの上方にあり、及び前記第2の基準機械可読マークは前記第2のポケットの上方にある、項目1~9に記載のサンプル装置。
(項目12)
前記第1の基準機械可読マークは前記第1のポケットの側面に配置され、及び前記第2の基準機械可読マークは前記第2のポケットの側面に配置される、項目1~9に記載のサンプル装置。
(項目13)
前記第1の機械可読マークは第1の1次元バーコードであり、及び前記第2の機械可読マークは第2の1次元バーコードである、項目1~12に記載のサンプル装置。
(項目14)
前記第1の機械可読マークは前記第2の機械可読マークと異なる、項目13に記載のサンプル装置。
(項目15)
前記プロセッサは更に、
前記第1の画像内の前記第1の基準機械可読マークの前記位置に対する前記第1の画像内の前記第1の機械可読マークの所定の位置に基づいて、前記第1の画像内の前記第1の機械可読マークを識別し、
前記第2の画像内の前記第2の基準機械可読マークの前記位置に対する前記第2の画像内の前記第2の機械可読マークの所定の位置に基づいて、前記第2の画像内の前記第2の機械可読マークを識別するように構成される、項目1~14に記載のサンプル装置。
(項目16)
前記プロセッサは更に、
前記第1の画像内の前記第1の基準機械可読マークの前記位置に対する前記第1の画像内の前記第1の機械可読マークの前記所定の位置を含む前記第1の画像の一部のみを処理することにより、前記第1の画像内の前記第1の機械可読マークを識別し、
前記第1の画像内の前記第2の基準機械可読マークの前記位置に対する前記第2の画像内の前記第2の機械可読マークの前記所定の位置を含む前記第2の画像の一部のみを処理することにより、前記第2の画像内の前記第2の機械可読マークを識別するように構成される、項目15に記載のサンプル装置。
(項目17)
前記プロセッサは更に、
前記第1の画像全体を処理することにより前記第1の画像内の前記第1の機械可読マークを識別し、
前記第1の画像全体を処理することにより前記第2の画像内の前記第2の機械可読マークを識別するように構成される、項目15に記載のサンプル装置。
(項目18)
前記プロセッサは更に、
前記第1の画像の所定の部分のみを処理して、前記第1の画像内の前記第1の基準機械可読マークを識別し、
前記第2の画像の所定の部分のみを処理して、前記第2の画像内の前記第2の基準機械可読マークを識別するように構成される、項目1~17に記載のサンプル装置。
(項目19)
前記プロセッサは更に、
前記第1の画像全体を処理して、前記第1の画像内の前記第1の基準機械可読マークを識別し、
前記第2の画像全体を処理して、前記第2の画像内の前記第2の基準機械可読マークを識別するように構成される、項目1~17に記載のサンプル装置。
(項目20)
前記可動支持体は、前記第1の位置から前記第2の位置まで手動で移動する、項目1~19に記載のサンプル装置。
(項目21)
前記画像取込デバイスはカメラである、項目1~20に記載のサンプル装置。
(項目22)
サンプル装置の可動支持体及び物体上の機械可読マークを読み取る方法であって、
前記可動支持体が第1の位置から第2の位置へ移動するとき、画像取込デバイスを用いて前記可動支持体の第1の画像を取り込むことと、
前記可動支持体上の第1の基準機械可読マークが前記第1の画像内にあるかどうかを判定することと、
前記第1の基準機械可読マークが前記第1の画像内にある場合、前記可動支持体に連結される物体上の第1の機械可読マークが、前記第1の画像内において前記第1の基準機械可読マークに対して所定の位置にあるかどうかを判定することと、
前記物体上の前記第1の機械可読マークから復号される情報を、前記第1の基準機械可読マークと関連付けられる前記可動支持体上の第1の位置と関連付けることと
を含む、方法。
(項目23)
前記可動支持体が前記第1の位置から前記第2の位置へ移動するとき、前記画像取込デバイスを用いて前記可動支持体の第2の画像を取り込むことと、
前記可動支持体上の第2の基準機械可読マークが前記第2の画像内にあるかどうかを判定することと、
前記第2の基準機械可読マークが前記第1の画像内にある場合、前記可動支持体に連結される第2の物体上の第2の機械可読マークが、前記第2の画像内において前記第2の基準機械可読マークに対して所定の位置にあるかどうかを判定することと、
前記第2の物体上の前記第2の機械可読マークから復号される情報を、前記第2の基準機械可読マークと関連付けられる前記可動支持体上の第2の位置と関連付けることと
を更に含む、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記可動支持体はサンプルラックであり、及び前記物体はサンプルレセプタクルである、項目22又は23に記載の方法。
(項目25)
前記可動支持体は試薬引き出しであり、及び前記物体は試薬容器である、項目22又は23に記載のサンプル装置。
(項目26)
前記可動支持体は消耗品引き出しであり、及び前記物体は消耗品である、項目22又は23に記載のサンプル装置。
(項目27)
前記サンプル装置は、サンプルアッセイ装置である、項目22~26に記載の方法。
(項目28)
前記サンプル装置は、サンプル処理装置である、項目22~26に記載の方法。
(項目29)
前記第1の基準機械可読マークは、2次元バーコードである、項目22~28に記載の方法。
(項目30)
前記可動支持体上の前記第1の基準機械可読マークが前記第1の画像内にあるかどうかを判定することは、前記第1の画像の一部のみを処理することを含む、項目22~29に記載の方法。
(項目31)
前記可動支持体上の前記第1の基準機械可読マークが前記第1の画像内にあるかどうかを判定することは、前記第1の画像の全体を処理することを含む、項目22~29に記載の方法。
(項目32)
前記可動支持体に連結される前記物体上の前記第1の機械可読マークが、前記第1の画像内において前記第1の基準機械可読マークに対して前記所定の位置にあるかどうかを判定することは、前記所定の位置を含む前記第1の画像の一部のみを処理することを含む、項目22~31に記載の方法。
(項目33)
前記可動支持体に連結される前記物体上の前記第1の機械可読マークが、前記第1の画像内において前記第1の基準機械可読マークに対して前記所定の位置にあるかどうかを判定することは、前記第1の画像全体を処理することを含む、項目22~31に記載の方法。
(項目34)
前記第1の画像内に存在する前記第1の基準機械可読マークを復号することを更に含む、項目22に記載の方法。
(項目35)
前記第1の基準機械可読マークと関連付けられる前記可動支持体上の前記第1の位置は、前記第1の画像内に存在する前記第1の基準機械可読マークからの復号される情報に基づいて判定される、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記第1の基準機械可読マークに対する前記所定の位置は、前記第1の画像内に存在する前記第1の基準機械可読マークから復号される情報に基づいて識別される、項目34に記載の方法。
(項目37)
前記第1の基準機械可読マークからの前記復号される情報は、前記物体を収容するように構成される、前記可動支持体により画定されるポケットと関連付けられる固有の情報を含む、項目34に記載の方法。
(項目38)
前記第1の基準機械可読マークが前記第1の画像内にない場合、前記物体を収容するように構成される、前記可動支持体により画定されるポケット内の第2の機械可読マークが、前記第1の画像内において前記第1の基準機械可読マークに対して第2の所定の位置にあるかどうかを更に含む、項目22に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、実施形態を例示し、記述と共に、更に実施形態の原理を説明し、関連技術分野の当業者が実施形態を実施及び使用する助けとなる。
【
図1】
図1は、一実施形態によるサンプルベイを備える分析装置システムの部分斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施形態による
図1の分析装置システムの断面平面図である。
【
図3】
図3は、一実施形態によるサンプルベイの正面斜視図である。
【
図4】
図4は、一実施形態によるサンプルレセプタクルを支持するサンプルラックの部分側面図である。
【
図5】
図5は、別の実施形態によるサンプルレセプタクルを支持するサンプルラックの部分側面図である。
【
図6】
図6は、更に別の実施形態によるサンプルレセプタクルを支持するサンプルラックの部分側面図である。
【
図7】
図7は、別の実施形態によるサンプルレセプタクルを支持するサンプルラックの部分側面図である。
【
図8】
図8は、更に別の実施形態によるサンプルレセプタクルを支持するサンプルラックの部分側面図である。
【
図9】
図9は、一実施形態によるサンプルベイのハウジング内にラックが一部分挿入されたサンプルベイの正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態の特徴及び利点は、添付の図面と用いて合わせて読めば、以下に述べる詳細な説明からより明らかになるであろう。図面では、同様の参照符号は、全体を通して対応する要素を識別する。図面において、同様の参照番号は、概ね同一の、機能的に類似の、及び/又は構造的に類似の要素を示す。
【0010】
ここで、添付の図面に例示される本発明の実施形態に関して詳細に説明する。「一実施形態」、「ある実施形態」、「いくつかの実施形態」、「別の実施形態」、「例示的実施形態」、「例えば」、「一例」等への言及は、記載された実施形態が、特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、全ての実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含む必要はない。更に、このような表現は、必ずしも同じ実施形態を指す必要はない。更に、特定の特徴、構造、又は特性が、実施形態に関連して説明される場合、明示的に記載されているか否かに関わらず、別の実施形態と関連するこのような特徴、構造、又は特性に影響を及ぼすことは、当業者の知識の範囲内であると考えられる。
【0011】
本出願に記載の実施形態は、サンプル装置、例えば、サンプル処理装置又はサンプルアッセイ装置で用いられる可動支持体(例えば、サンプルラック、試薬引き出し、又は消耗品引き出し)上の機械可読マーク(例えば、1次元バーコード、2次元バーコード、英数字、記号、又は任意の別の適切な機械可読マーク)、及び可動支持体に取り外し可能に連結する物体(例えば、サンプルレセプタクル、試薬容器、及び消耗品)を読み取るシステム及び方法を提供する。例えば、アッセイ装置は、機械可読マーク、例えば1次元又は2次元バーコード、を各々が有する複数の物体を取り外し可能に保持する1つ又は複数の可動支持体を収容するように構成されることができる。可動支持体は、複数の物体を収容するための複数のポケットを画定し、可動支持体により画定される各ポケットに対応する少なくとも1つの機械可読基準マークを有する。可動支持体上の少なくとも1つの機械可読基準マークの各々の位置は既定(即ち、予め設定されている)である。アッセイ装置は、サンプルラック及びサンプルレセプタクル上の機械可読マークを含む画像を取り込むように構成される画像取込デバイス、例えばカメラ、を備えることができる。システムはまた、取り込んだ画像を処理して、取り込まれた画像内の機械可読マークを識別し復号するプロセッサを備える。プロセッサはまた、サンプルラック上の識別され復号された機械可読マークからの情報を、サンプルレセプタクル上の対応する識別され復号化された機械可読マークからの情報と関連付けることもできる。サンプルラック及びサンプルレセプタクル上の機械可読マークを読み取るためのこのようなシステム及び方法は、流体サンプル物質のアッセイを行うため、及びサンプルレセプタクルの内容、例えば患者情報(例えば、患者識別番号)を識別するために使用されることができる。
【0012】
本出願において、「サンプル装置」は、サンプル処理装置又はサンプルアッセイ装置である。本出願において、「サンプルアッセイ装置」は、サンプルを分析して結果を表示することができる任意の装置である。例えば、サンプルのハイブリダイゼーションアッセイ、増幅アッセイ、配列決定アッセイ、又はイムノアッセイを行うことができる任意の装置が、アッセイ装置である。アッセイ装置は、サンプル処理を行なわずにサンプルに対して直接アッセイを行うことができ、又は、アッセイ装置は、アッセイを行う前にサンプルを更に処理することができる。いくつかの実施形態では、サンプルをアッセイの工程にかける前に何らかの形態のサンプル処理を必要とするサンプルとしては、細胞サンプル、組織サンプル、便サンプル、粘液サンプル、精液サンプル、脳脊髄液サンプル、血液サンプル、骨髄サンプル、血清サンプル、尿サンプル、胆汁サンプル、呼吸のサンプル(respiratory samples)、喀痰サンプル、及びエキソソームサンプル等が挙げられる。例示的なアッセイ装置としては、Tigris(登録商標)及びPanther(登録商標)システム(Hologic, Inc., San Diego, CA)が挙げられる。本開示では、「サンプル処理装置」は、サンプルのアッセイを行う前にレセプタクル内に収容されたサンプルに処理工程を行うことができるが、サンプルを分析し結果を表示することができない任意の装置である。例示的なサンプル処理装置としては、Tomcat(登録商標)装置(Hologic, Inc., San Diego,
CA)が挙げられる。本開示において、「サンプル」は、供給源にかかわらず、分析される任意の物質である。物質は、その本来の形態又は任意の処理段階であってもよい(例えば、物質は化学的に改変されてもよく、又はサンプルの1つ若しくは複数の他の成分から分離及び/若しくは精製された1つ若しくはサンプルの複数の成分であってもよい)。サンプルは、動物、環境、食品、工業、又は水の供給源を含む任意の供給源から得ることができるが、これらに限定されない。動物サンプルには、末梢血、血漿、血清、骨髄、尿、胆汁、粘液、痰、唾液、脳脊髄液、便、リンパ節を含む生検組織、呼吸器組織又は滲出液、胃腸組織、子宮頸部スワブサンプル、精液又は他の身体又は細胞の液体、組織、又は分泌物が含まれるが、これらに限定されない。サンプルを、希釈剤、輸送媒体、防腐剤溶液又は他の液体を含むレセプタクル内で希釈又は収容することができる。したがって、「サンプル」という用語は、サンプルを保持することを意図した希釈剤、輸送媒体、及び/又は保存剤若しくは他の流体内に含まれるサンプルを包含することを意図している。
【0013】
図1及び
図2は、例示的なサンプル装置100、即ち、サンプルのアッセイを行うサンプルアッセイ装置の斜視図及び平面断面図をそれぞれ例示する。いくつかの実施形態では、サンプルアッセイ装置100は、多工程分析プロセス(例えば、ウイルス又は細菌等の微生物を検出するように設計された核酸試験(NAT))、又は他の化学的、生化学的若しくは生物学的プロセスを行うように構成される。例示的なプロセス工程としては、例えば、サンプル、固体支持体、緩衝液、油、プライマー、ポリメラーゼ、ヌクレオチド、ラベル、プローブ、若しくは他の反応液等の物質(例えば、流体)をレセプタクルに入れること、及び/若しくはレセプタクルから物質を除去すること、レセプタクルを攪拌してその内容物を混合すること、(例えば、複数の反応レセプタクルを収容し、そのレセプタクルを高温環境下に維持するように構成される加熱インキュベーターを使用して)レセプタクルの内容物の温度を維持すること及び/若しくは変更すること、(例えば、反応レセプタクルの内容物の温度を上昇させるように構成される温度勾配ステーション、若しくはレセプタクルの内容物の温度を低下させるように構成される冷却モジュールを用いて)レセプタクルの内容物を加熱すること若しくは冷却すること、レセプタクルの1つ若しくは複数の内容物成分の濃度を変更すること、(例えば、磁気応答性固体支持体上に固定された標的核酸をレセプタクルの内容物から単離するように構成される磁気分離洗浄ステーションを使用して)レセプタクルの内容物の構成成分を分離すること若しくは単離すること、(例えば、反応レセプタクルの内容物により放出される信号(例えば、光信号)を検出するように構成される検出器を使用して)レセプタクルの内容物から電磁信号放射(例えば、光)を検出すること、進行中の反応を不活性化すること若しくは停止させること、又はこのようなプロセスの2つ以上の任意の組み合わせを挙げることができる。流体サンプル物質としては、例えば、尿、血液、血漿、痰、唾液、粘液、膿、精液、羊水、脳脊髄液、滑液及び培養液等が挙げられる。
【0014】
いくつかの実施形態では、サンプルは、サンプルベイ102を介してサンプルアッセイ装置100に導入される。
図2は一実施形態によるサンプルアッセイ装置100の断面平面図を例示する。
図2に示されるように、サンプルアッセイ装置100は、以下に更に記載される複数のサンプルラックを収容するように構成されるサンプルベイ102を備える。いくつかの実施形態では、サンプルアッセイ装置100は、試薬ベイ104も備える。試薬ベイ104は、多工程分析プロセス中に使用される試薬の1つ又は複数の容器を保存するように構成される。いくつかの実施形態では、サンプルアッセイ装置100は、試薬ベイ104内の可動引出し上に保管された試薬容器上の機械可読マーク、例えば1次元又は2次元バーコードを読み取るように構成されるリーダ105、例えば、画像取込デバイス又はレーザバーコードリーダを備える。いくつかの実施形態では、サンプルアッセイ装置100は、サンプルアッセイ装置100の流体移送デバイス(
図2に図示せず)により使用される複数のチップを保管するように構成される1つ又は複数の可動チップ引出し106を備える。いくつかの実施形態では、サンプルアッセイ装置100は、ターゲットキャプチャー試薬(TCR)の1つ又は複数の容器を支持及び回転するように構成されるターゲットキャプチャー試薬カルーセル108を備える。いくつかの実施形態では、サンプルアッセイ装置100は、TCRカルーセル108上のTCR容器上の機械可読マーク、例えば1次元又は2次元バーコード、を読み取るように構成されるリーダ110、例えば画像取込デバイス又はレーザバーコードリーダ、を備える。
【0015】
図3は一実施形態によるサンプルベイ102の正面斜視図を例示する。サンプルベイ102は、サンプルベイ102内の画定されたレーンに沿って複数のサンプルラック112を収容するように構成される。サンプルラック112の各々は、各々がサンプルを含む複数のサンプルレセプタクル(
図3には図示せず)を支持する。例えば、
図3に示すように、サンプルベイ102は、サンプルベイ102内の画定されたレーンに沿って移動する8つのサンプルラック112を収容するように構成される。別の実施形態では、サンプルベイ102は、8つより少ない又は8つより多いサンプルラック112を収容するように構成される。
【0016】
サンプルベイ102は、サンプルラック112を収容する内部の区画を画定するハウジング114を備える。ハウジング114は、
図3に示すような長方形又は任意の別の適切な形状とすることができる。いくつかの実施形態では、ハウジング114は、例えば平面状で長方形のベース116を備える。ハウジング114はまた、ベース116の対向側から延在する第1の側壁118及び第2の側壁120と、第1の側壁118と第2の側壁120との間のベース116の裏側から延在する後壁(
図3には図示せず)を備える。ハウジング114は、その前端に開口部122を有し、サンプルラック112がハウジング114によって画定される区画内に挿入され、そこから取り外されることを可能にする。
【0017】
ハウジング114は、サンプルラック112が移動する複数のレーン、例えば
図3に示すように8レーン、を画定する。いくつかの実施形態では、ベース116は、ハウジング114のレーンを画定する複数のガイド123を備える。ガイド123は、ベース116から延在し、サンプルラック112の対応する凹部と動作可能にかみ合うように構成される突出部であることができる。サンプルラック112がサンプルベイ102によって画定された区画内を移動する場合に、ガイド123により、確実にサンプルラック112がハウジング114の画定されたレーン内に、正確にかつ繰り返し配置することができる。
図3に示すように、レーンは直線状であり、ハウジング114の前端からハウジング114の後端まで延在する。
【0018】
いくつかの実施形態では、ハウジング114は、天板124も備える。いくつかの実施形態では、天板124は、ガイド123と共にサンプルラック112が移動するレーンを画定する複数のガイド126を備える。ガイド126は、天板124からベース116へ向かって延在し、サンプルラック112上の対応する凹部と動作可能にかみ合うように構成される突出部であることができる。いくつかの実施形態では、天板124は、
図3に示されるようないくつかの実施形態において、行と列の長方形のアレイに配列された複数のサンプルレセプタクルアクセス開口部127を画定する。例えば、アッセイ装置101がサンプルラック112により保持されるレセプタクルに容易にアクセスできるように、開口部126の各列は、それぞれのサンプルラック112に整列される。
【0019】
また、サンプルベイ102は、サンプルラック112上の機械可読マーク(例えば、1次元バーコード、2次元バーコード、英数字、記号、及び任意の別の適切な機械可読マーク)の画像を取り込み、及びサンプルラック112により支持されるサンプルレセプタクル上の機械可読マーク(例えば、一次元バーコード、二次元バーコード、英数字、記号、及び任意の別の適切な機械可読マーク)の画像を取り込むように構成される、画像取込デバイス128も備える。いくつかの実施形態では、
図3に示すように、サンプルベイ102は、画像取込デバイス128を支持するように構成され、ハウジング114にしっかり連結された画像取込デバイス支持体130を備える。画像取込デバイス128は、画像取込デバイス支持体130に連結され、したがってハウジング114に固定して連結される。
図3に示すように、画像取込デバイス支持体130は、ハウジング114に連結され、例えば側壁120、に固定して連結される。いくつかの実施形態では、上から見る場合、画像取込デバイス支持体130は実質的にU字形であり、画像取込デバイス128を収容し支持する大きさの区画を形成する。また、画像取込デバイス128は、画像取込デバイス支持体130に連結され、いくつかの実施形態ではハウジング114に対して画像取込デバイス128の位置を固定する。
【0020】
側壁120は、画像取込デバイス128が開口部132を介してハウジング114内のサンプルラック112上のラベルを読み取ることができるように、ハウジング114により画定された内部区画に延在する開口132を画定することができる。いくつかの実施形態では、画像取込デバイス128は、サンプルラック112がハウジング114に挿入されるか、ハウジング114から取り外される場合に、機械可読マークを読み取るように構成される。別の実施形態では、画像取込デバイス128は、サンプルラック112がハウジング114内に完全に挿入された後に、機械可読マークを読み取るように構成される。
【0021】
いくつかの実施形態では、画像取込デバイス128は、
図3に示すように、ハウジング114の外側に配置され、開口部132から離間される。別の実施形態(図示せず)では、画像取込デバイス128は、ハウジング114の外側に開口部132に直接隣接して配置されるか、又は画像取込デバイス128がハウジング114内に配置される。更に別の実施形態では、画像取込デバイス128は、ハウジング114とは別個の携帯デバイスであり、サンプルラックがサンプルベイ102内に挿入される前に、ユーザが手動で操作してサンプルラック112上、及びラック112により保持されたレセプタクル上の機械可読マークを読み取る。
【0022】
いくつかの実施形態では、
図3に示すように、サンプルベイ102は、ハウジング114の内部を照らすように構成される光源、例えばストロボ光を含む。例えば、光源は、ハウジング114内のサンプルラック112上及びサンプルラック112により保持されるサンプルレセプタクル上の機械可読マークを照らすことができる。
図3に示すように、例えば、光源は画像取込デバイス128の近くにあり、画像取込デバイス支持体130に連結されている。いくつかの実施形態では、光源はLEDの配列を含む。いくつかの実施形態(図示せず)では、光源は、ハウジング114の内側に、又は任意の別の適切な位置に配置される。いくつかの実施形態では、光源は画像取込デバイス128内で具体化される。
【0023】
図3及び
図9に最もよく示されているように、いくつかの実施形態では、各サンプルラック112は、ユーザがサンプルラック112をつかみ、手動で移動させることができるように構成される取手144を備え得る。例えば、ユーザは取手144をつかみ、サンプルラック112をサンプルベイ102のハウジング114へ挿入、又はサンプルベイ102のハウジング114から取り外すことができる。いくつかの実施形態では、
図9に最もよく示されているように、取手144は、ユーザの指が通り抜けることができるように構成される開口部146を画定する。いくつかの実施形態では、開口部146により、画像取込デバイス128が画像を取り込む光路は1つのサンプルラック112を通過して、開口部146の反対側に位置する別のサンプルラック112上の機械可読マークを画像取込デバイス128から読み取ることができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、
図9に示すように、サンプルラック112は、固有のラック識別情報、例えばラック識別番号、を提供するラック識別子を含む。いくつかの実施形態(図示せず)では、ラック識別子はRFIDタグである。このようなRFIDの実施形態では、サンプルベイ102は、サンプルラック112がサンプルベイ102内にある場合、RFIDタグからデータを得るように構成されるRFIDリーダを備える。別の実施形態では(
図9に示すように)、ラック識別子は、機械可読マーク148、例えば(
図9に示すように)1次元バーコート又は2次元バーコード、である。画像取込デバイス128は、ラック識別機械可読マーク148を含む画像を取り込むように構成されることができる。いくつかの実施形態では、
図9に示すように、ラック識別機械可読マーク148をサンプルラック112の取手144の近くに配置することができる。
【0025】
図4~
図8は、サンプルラック112、サンプルレセプタクル136、及び画像取込デバイス128の視野の様々な実施形態を例示する。
【0026】
図4を参照すると、サンプルラック112は、複数のサンプルレセプタクル136を保持するように構成されている。例えば、サンプルラック112は、15個のサンプルレセプタクル136を保持するように構成され得る。サンプルレセプタクル136は、サンプルの処理中の任意の時点で、サンプルを収容するように構成される、例えばチューブ、バイアル、キュベット、カートリッジ、マイクロタイタープレート等を含む任意のタイプの流体容器とすることができる。いくつかの実施形態では、サンプルラック112により支持される各サンプルレセプタクル136は、少なくとも1つの機械可読マーク147を含む。機械可読マーク147は、(例えば、
図4、
図5、及び
図6に示すような)1次元バーコード、(
図7及び8に示すような)2次元バーコード、英数字、記号、及び任意の別の適切な機械可読マークとすることができる。1次元バーコードは、情報を一方向、例えば、水平方向又は垂直方向のいずれかで表わす。1次元バーコードの例としては、Code 39コード、Code 128コード、ITF(インターリーブド 2 of 5)コード、及びCodabarコードが挙げられる。2次元バーコードは、情報を2方向、例えば水平及び垂直方向で表現し、スタック型バーコード及びマトリックス型バーコードを含む。2次元バーコードの例としては、Aztecコード、PDF417コード、MaxiCode、Codablockコード、Data Matrixコード、及びQRコード(登録商標)が挙げられる。2次元バーコードは、復号精度を向上させ、1次元バーコードに比べてバーコード内に含まれる情報量を増加させることができる。いくつかの実施形態では、各レセプタクル136の機械可読マーク147は、以下の情報項目のうちの1つ又は複数を含む。固有の患者識別子(例えば、患者名又は患者識別番号)、患者のメタデータ(例えば、生年月日、年齢、性別、身長、又は体重)、病歴、又は任意の別の所望の患者情報等の患者情報、並びにアッセイを要求する医療提供者、サンプルの種類、サンプルが収集された日付、収集場所、実施されるアッセイのタイプ、アッセイの試験結果、及び別の適切な情報等のサンプル情報。
【0027】
図4に示すように、サンプルラック112は、サンプルレセプタクル136をぴったりと収容するための複数のポケット140を画定するベース138を備える。いくつかの実施形態では、垂直隔壁142によりポケット140を互いに分離することができる。
図4に示すように、レセプタクル136がポケット140内に配置された場合、サンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147が画像取込デバイス128に見えるように、垂直隔壁142はそれらの間に間隙を形成するように構成される。
【0028】
サンプルラック112は、少なくとも1つの基準機械可読マーク150と、いくつかの実施形態では、サンプルラック112の各ポケット140に対する少なくとも1つの基準機械可読マークとを含む。基準機械可読マーク150は、例えば、1次元バーコード、(
図4~8に示すような)2次元バーコード、英数字、記号、及び任意の別の適切な機械可読マークとすることができる。2次元バーコードは、復号精度を向上させ、基準機械可読マーク150内に含まれる情報量を増加させることができる。いくつかの実施形態では、各基準機械可読マーク150は、サンプルラック112上の基準機械可読マーク150の位置を識別するために使用できる情報を含む。例えば、各基準機械可読マーク150は、サンプルラック112上の特定の位置と既定の関連付けを有する固有の情報、例えば固有の識別番号、値、又は文字を含むことができる。基準機械可読マーク150に含まれる、例えば、固有の情報を含む基準機械可読マーク150とサンプルラック112上の特定の位置との間の関連付けを、いくつかの実施形態では、サンプルアッセイ装置100のメモリに格納することができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、基準機械可読マーク150は、隣接するポケット140を互いに隔てる隔壁142の外面に配置される。(以下に更に説明する)別の実施形態では、基準機械可読マーク150は、サンプルラック112のポケット140内に保持されたサンプルレセプタクル136の上に合うように構成されるカバー上に配置される。(以下に更に説明する)別の実施形態では、基準機械可読マーク150は、サンプルラック112のポケット140の下方にあるサンプルラック112のベース138の一部の上に配置される。
【0030】
いくつかの実施形態では、
図4及び
図5に示すように、サンプルラック112は、各ポケット140の左側及び右側に1つの基準機械可読マーク150を備えることができる。そして、いくつかの実施形態では、
図4及び
図5に示すように、基準機械可読マーク150は、一直線に(例えば、水平に)整列される。いくつかの実施形態では、
図6に示すように、サンプルラック112は、各ポケット140の左側及び右側に2つの垂直に整列した基準機械可読マーク150を備えることができる。いくつかの実施形態では、
図7に示すように、サンプルラック112は、各ポケット140の上側上及び底部側上に1つの基準機械可読マーク150を備えることができる。そして、いくつかの実施形態では、
図8に示すように、サンプルラック112は、各ポケット140の下方にあり、垂直に整列された1つの基準機械可読マーク150を備えることができる。
【0031】
サンプルラック112はまた、いくつかの実施形態では、サンプルラック112の各ポケット140内に機械可読マーク158を備えることができる。基準機械可読マーク158は、例えば、(
図4-8に示すような)1次元バーコード、2次元バーコード、英数字、記号、及び任意の別の適切な機械可読マークとすることができる。機械可読マーク158は、サンプルレセプタクル136が、対応するポケット140内に収容されない場合、それらが画像取込デバイス128に見えるように、各ポケット140内に配置される。例えば、
図4に示すように、サンプルラック112のポケット140D内及び140E内には、これらの2つのポケット140D及び140Eがサンプルレセプタクル136を保持していないため、空ポケット識別機械可読マーク158が示されている。
【0032】
サンプルレセプタクル136がポケット140内に置かれた場合、それぞれの基準機械可読マーク150に対するサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147の位置は既定されており、 それぞれの基準機械可読マーク150に対するサンプルラック112上の空ポケット識別機械可読マーク158の位置は既定されている。これらの既定の相対位置を、サンプルアッセイ装置100のメモリに保存することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、
図4に示すように、画像取込デバイス128は、(1)少なくとも1つの基準機械可読マーク150、並びに(2)(a)それぞれのポケット140に収容された少なくとも1つのサンプルレセプタクル136上の少なくとも1つの機械可読マーク147、及び(b)それぞれのポケット140内の少なくとも1つの空ポケット識別機械可読マーク158、の少なくとも1つ、を含む画像を取り込むのに十分な視野を有する。例えば、
図4に示すように、画像取込デバイス128は、(1)1組の基準機械可読マーク150(それぞれのポケット140の左側の1つのマーク150と、それぞれのポケット140の右側の1つのマーク150)、及び(2)それぞれのポケットポケット内に収容されたサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147、又はそれぞれのポケット140が空である場合それぞれのポケット140内の空ポケット識別機械可読マーク158のいずれか、を含む画像を取り込むのに十分な視野を有する。
図4に示すように、画像取込デバイス128は、(1)ポケット140Aの左側の基準機械可読マーク150A、(2)ポケット140Aの右側の基準機械可読マーク150B、及び(3)ポケット140A内のサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147、を含む画像152Aを取り込むのに十分な視野を有する。画像取込デバイス128は、その後、(サンプルラック112がサンプルベイ102内に挿入される場合)、(1)ポケット140Bの左側の基準機械可読マーク150B、(2)ポケット140Bの右側の基準機械可読マーク150C、及び(3)ポケット140B内のサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147、を含む画像152Bを取り込むのに十分な視野を有する。画像取込デバイス128は、その後、基準機械可読マーク150C、150D、150E等、及びポケット140C、140D、140E等内のサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147の同様な画像を取り込むことができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、
図5に示すように、画像取込デバイス128は、(1)1つの基準機械可読マーク150(例えば、それぞれのポケット140の左側のマーク150)のみ、及び、(2)それぞれのポケット140内に収容されたサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147、又はそれぞれのポケット140が空である場合それぞれのポケット140内の空ポケット識別機械可読マーク158のいずれか、を含む画像を取り込む視野を有する。
図5に示すように、画像取込デバイス128は、(1)ポケット140Aの左側の基準機械可読マーク150A、及び(2)ポケット140A内のサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147(又はサンプルレセプタクル136がポケット140A内にない場合、機械可読マーク158)を含む画像152Aを取り込むのに十分な視野を有する。画像取込デバイス128は、その後、(サンプルラック112がサンプルベイ102内に挿入される場合)(1)ポケット140Bの左側の基準機械可読マーク150B、及び(2)ポケット140B内のサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147(又はサンプルレセプタクル136がポケット140B内にない場合、機械可読マーク158)を含む画像152Bを取り込むのに十分な視野を有する。画像取込デバイス128は、その後、(サンプルラック112がサンプルベイ102内に更に挿入される場合)(1)ポケット140Cの左側の基準機械可読マーク150C、及び(2)ポケット140C内のサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147(又はサンプルレセプタクル136がポケット140C内にない場合、機械可読マーク158)を含む画像152Cを取り込むのに十分な視野を有する。画像取込デバイス128は、その後、基準機械可読マーク150D、150E等、及びポケット140D、140E等内のサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147(又はポケット140D、140E等内にサンプルレセプタクル136がない場合、機械可読マーク158)の同様な画像を取り込むことができる。
【0035】
図6に示すように、画像取込デバイス128は、(1)それぞれのポケット140の左側の一対の基準機械可読マーク150、及びそれぞれのポケット140の右側の一対の基準機械可読マーク150、及び(2)それぞれのポケット内に収容されたサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147、又はそれぞれのポケット140が空である場合それぞれのポケット140内の空ポケット識別機械可読マーク158のいずれか、を含む画像を取り込むのに十分な視野を有する。
図6に示すように、画像取込デバイス128は、(1)ポケット140Aの左側の基準機械可読マーク150A及び150A’、(2)ポケット140Aの右側の基準機械可読マーク150B及び150B’、並びに(3)ポケット140A内のサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147、を含む画像152Aを取り込むのに十分な視野を有する。画像取込デバイス128は、その後、(サンプルラック112がサンプルベイ102内に挿入される場合)(1)ポケット140Bの左側の基準機械可読マーク150B及び150B’、(2)ポケット140Bの右側の基準機械可読マーク150C及び150C’、並びに(3)ポケット140B内のサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147を含む画像152Bを取り込むのに十分な視野を有する。画像取込デバイス128は、その後、基準機械可読マーク150C、150C’、150D、150D’、150E、150E’等、及びポケット140C、140D、140E等内のサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147(又はポケット140C、140D、140E等内にサンプルレセプタクル136がない場合、機械可読マーク158)の同様な画像を取り込むことができる。
【0036】
図7に示すように、画像取込デバイス128は、それぞれが、(1)1組の基準機械可読マーク150(それぞれのポケット140の上側上の1つのマーク150と、それぞれのポケット140の底部側上の1つのマーク150)、及び、(2)それぞれのポケット内に収容されたサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147、又はそれぞれのポケット140が空である場合、それぞれのポケット140内の空ポケット識別機械可読マーク158のいずれか、を含む画像を取り込むのに十分な視野を有する。
図7に示すように、画像取込デバイス128は、(1)ポケット140Aの上側上の基準機械可読マーク150A、(2)ポケット140Aの底部側上の基準機械可読マーク150A’、及び(3)ポケット140A内のサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147、を含む画像152Aを取り込むのに十分な視野を有する。画像取込デバイス128は、その後、(サンプルラック112がサンプルベイ102内に挿入される場合)(1)ポケット140Bの上側上の基準機械可読マーク150B、(2)ポケット140Bの底部側上の基準機械可読マーク150B’、並びに(3)ポケット140B内のサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147、を含む画像152Bを取り込むのに十分な視野を有する。画像取込デバイス128は、その後、(サンプルラック112がサンプルベイ102内に更に挿入される場合)(1)ポケット140Cの上側上の基準機械可読マーク150C、(2)ポケット140Cの底部側上の基準機械可読マーク150C’、及び(3)ポケット140C内のサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147(又はサンプルレセプタクル136がポケット140C内にない場合、機械可読マーク158)を含む画像152Cを取り込むのに十分な視野を有する。画像取込デバイス128は、その後、基準機械可読マーク150D、150D’、150E、150E’等、及びポケット140D、140E等内のサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147(又はポケット140D、140E等内にサンプルレセプタクル136がない場合、機械可読マーク158)の同様な画像を取り込むことができる。
【0037】
図7に示すように、いくつかの実施形態では、サンプルラック112は、サンプルラック112のベース138に解放可能に固定されるように構成されるカバー151を備える。いくつかの実施形態では、基準機械可読マーク150A~150Eがカバー151上に配置され、基準機械可読マーク150A’~150E’が、ポケット140の下方にあるサンプルラック112のベース138の一部分154上に配置される。いくつかの実施形態では、カバー151は、機械可読マーク156、例えば、(
図9に示すように)1次元バーコート又は2次元バーコードも備える。ラベル156は、カバー151がベース138に連結されているかどうか、及び/又はベース138に対して適切に配置されているかどうかを判定するのに使用されるように構成される。
【0038】
図8に示すように、画像取込デバイス128は、(1)ポケット140Aの底部側上の基準機械可読マーク150A、及び(2)ポケット140A内のサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147(又はサンプルレセプタクル136がポケット140A内にない場合、機械可読マーク158)を含む画像152Aを取り込むのに十分な視野を有する。画像取込デバイス128は、その後、(サンプルラック112がサンプルベイ102内に挿入される場合)(1)ポケット140Bの底部側上の基準機械可読マーク150B、及び(2)ポケット140B内のサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147(又はサンプルレセプタクル136がポケット140B内にない場合、機械可読マーク158)を含む画像152Bを取り込むのに十分な視野を有する。画像取込デバイス128は、その後、(サンプルラック112がサンプルベイ102内に更に挿入される場合)(1)ポケット140Cの底部側上の基準機械可読マーク150C、及び(2)ポケット140C内のサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147(又はサンプルレセプタクル136がポケット140C内にない場合、機械可読マーク158)を含む画像152Cを取り込むのに十分な視野を有する。画像取込デバイス128は、その後、基準機械可読マーク150D、150E等、及びポケット140D、140E等内のサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147(又はポケット140D、140E等内にサンプルレセプタクル136がない場合、機械可読マーク158)の同様な画像を取り込むことができる。
【0039】
画像取込デバイス128は、サンプルラック112が移動する、ハウジング114内のサンプルベイ102により画定される各レーンを含む作動距離範囲を有するように構成されることができる。
【0040】
サンプルアッセイ装置100は、画像取込デバイス128により取り込まれた画像を処理して、サンプルラック112上にある各サンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147に含まれる情報を特定の場所、例えばサンプルラック112上の特定のポケット140、と関連付けるように構成されるプロセッサを備えることができる。例えば、プロセッサは、取り込まれた画像を処理して、画像内の少なくとも1つの基準機械可読マーク150を識別することができる。そして、識別された基準機械可読マーク150に対するサンプルレセプタクル136上のそれぞれの機械可読マーク147の既定の所定の位置に基づいて、プロセッサは、それぞれのサンプルレセプタクル136上のそれぞれの機械可読マーク147を識別して復号することができる。そして、プロセッサは、それぞれの機械可読マーク147から復号された情報を、画像内の識別された基準機械可読マーク150との関連付けが既定されているサンプルラック112上の特定の位置又はポケットと、関連付けることができる。
プロセッサはまた、いくつかの実施形態では、それぞれの機械可読マーク147から復号された情報と、サンプルラック112上の特定の位置との又はポケットとのこの関連付けを、サンプルアッセイ装置100のメモリに保存することもできる。
【0041】
いくつかの実施形態では、例えば、プロセッサは、画像取込デバイス128により取り込まれた画像が、基準機械可読マーク150を含むかどうかを判定する。いくつかの実施形態では、プロセッサは、取り込まれた画像全体を処理して、基準機械可読マーク150の存在を判定する。別の実施形態では、プロセッサは、基準機械可読マーク150を含むことが分かっている取り込まれた画像の一部のみを処理して、取り込まれた画像内の基準機械可読マーク150の存在を判定する。
【0042】
取り込まれた画像が基準機械可読マーク150を含まない場合、プロセッサは次の取り込まれた画像の処理を開始する。
【0043】
取り込まれた画像が基準機械可読マーク150を含む場合、プロセッサは、サンプルレセプタクル136が識別された基準機械可読マーク150と関連付けられたポケット140内にある場合にはサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147が存在するであろう位置に対応する、取り込まれた画像が取り込まれた画像内の識別された基準機械可読マーク150に対して、既定の位置に機械可読マークを含むかどうかを判定する。いくつかの実施形態では、プロセッサは、機械可読マークが既定の相対位置にあるかどうかを判定するために、取り込まれた画像全体を処理する。別の実施形態では、プロセッサは、既定の相対位置を含む取り込まれた画像の一部のみを処理して、機械可読マークが既定の相対位置にあるかどうかを判定する。取り込まれた画像が既定の相対位置に機械可読マーク147を含む場合、プロセッサは、機械可読マーク147を復号し、復号された情報を取り込まれた画像内の識別された基準機械可読マーク150との関連付けが既定されているサンプルラック112上の特定の位置又はポケットと関連付ける。そして、プロセッサは、この関連付けをサンプルアッセイ装置100のメモリに格納することができる。次に、プロセッサは、次の取り込まれた画像の処理を開始し、上記の工程を繰り返すことができる。
【0044】
取り込まれた画像が既定の位置に機械可読マーク147を含まない場合、プロセッサは、レセプタクル136が識別された基準機械可読マーク150と関連付けられたポケット140内にない場合には機械可読マーク158が存在するであろう位置に対応する、取り込まれた画像が取り込まれた画像内の識別された基準機械可読マーク150に対して、既定の位置に機械可読マークを含むかどうかを判定する。取り込まれた画像が機械可読マーク158を含む場合、プロセッサは次の取り込まれた画像の処理を開始し、上記工程を繰り返す。いくつかの実施形態では、プロセッサは、機械可読マーク158が既定の相対位置にあるかどうかを判定するために、取り込まれた画像全体を処理する。別の実施形態では、プロセッサは、既定の相対位置を含む取り込まれた画像の一部のみを処理して、機械可読マーク158が既定の相対位置にあるかどうかを判定する。
【0045】
例えば、
図5又は
図8のいずれかを参照すると、プロセッサは、取り込まれた画像152Aを処理し、例えば、画像152Aの一部又は画像152Aの全体を処理することにより、画像152Aが基準機械可読マーク150Aを含むことを判定する。次に、プロセッサは、例えば、画像152A全体又は画像152Aの一部を処理することにより、レセプタクル136が識別された基準機械可読マーク150Aと関連付けられたポケット140A内にある場合にはサンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147が存在するであろう位置に対応する、取り込まれた画像152Aが取り込まれた画像152A内の識別された基準機械可読マーク150Aに対して、既定の位置に機械可読マーク147を含むことを判定する。次に、プロセッサは、画像152A内の機械可読マーク147を復号し、復号された情報を、取り込まれた画像152A内の識別された基準機械可読マーク150との関連付けが既定されているサンプルラック112上の特定の位置又はポケットと、関連付ける。そして、プロセッサは、この関連付けをサンプルアッセイ装置100のメモリに格納することができる。次に、プロセッサは、次の取り込まれた画像152Bの処理を開始し、上記の工程を繰り返すことができる。
【0046】
別の処理の実施形態では、プロセッサは、画像取込デバイス128により取り込まれた各画像を処理して、取り込まれた画像152内の各機械可読マークを識別する。次に、プロセッサは、取り込まれた画像内の識別された機械可読マークのいずれか1つが、サンプルラック112上の基準機械可読マーク150であるかどうかを判定する。そして、取り込まれた画像内の識別された機械可読マークが基準機械可読マーク150を含む場合、プロセッサは、レセプタクル136が識別された基準機械可読マーク150と関連付けられた対応するポケット140内にある場合にはレセプタクル136上の機械可読マーク147が存在するであろう位置に対応する、取り込まれた画像内の識別された機械可読マークのいずれかが取り込まれた画像内の識別された機械可読マーク150に対して、既定の位置に配置されているかどうかを判定する。取り込まれた画像152内の識別された機械可読マークが、取り込まれた画像内の識別された機械可読マーク150に対して既定の位置に機械可読マーク147を含む場合、プロセッサは、機械可読マーク147を復号し、機械可読マーク147内の復号された情報を、識別された機械可読マーク150に対応する特定の位置又はポケット140と関連付ける。そして、プロセッサは、この関連付けをサンプルアッセイ装置100のメモリに格納することができる。レセプタクル136が対応するポケット140内にある場合にはレセプタクル136上のいずれかの機械可読マーク147が存在するであろう位置に対応する、取り込まれた画像152内の識別された機械可読マーク150に対して既定の位置に、取り込まれた画像内の識別された機械可読マークが機械可読マーク158を含まない場合、プロセッサは、空ポケット140に対応する機械可読マーク158が識別された基準機械可読マーク150と関連付けられた位置に対応する、取り込まれた画像内の識別された機械可読マークのいずれかが取り込まれた画像内の識別された機械可読マーク150に対して、既定の位置に位置するかどうかを判定する。取り込まれた画像152内の識別された機械可読マークが、取り込まれた画像内の識別された機械可読マーク(単数複数)150に対して既定の位置に機械可読マーク158を含む場合、プロセッサは、機械可読マーク158を復号し、空の状態を識別された機械可読マーク150に対応する特定の位置又はポケット140と関連付ける。そして、プロセッサは、この関連付けをサンプルアッセイ装置100のメモリに格納することができる。プロセッサは各々の取り込まれた画像152についてこれらの工程を繰り返すことができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、サンプルベイ102は、サンプルラック112がサンプルベイ102のハウジング114内に手動で挿入されるように構成される。本開示では、「手動で挿入される」、「手動で移動される」、又は同様なフレーズは、サンプルラック112が自動化された装置要素も電気的な装置構成要素も使用せずに挿入又は移動されることを意味する。即ち、ユーザの手だけを用いて、サンプルラック112は画定されたレーンに沿ってハウジング114内に挿入又は移動される。いくつかの実施形態では、サンプルラック112を手動で移動させる場合、サンプルラック112を、100mm/秒を超える高速で、例えば300mm/秒、500mm/秒、600mm/秒、又は1000mm/秒等で、移動することができる。
【0048】
別の実施形態では、サンプルベイ102は、サンプルベイ102のハウジング114内でサンプルラック112を自動的に移動するように構成される。例えば、サンプルベイ102は、サンプルベイ102のハウジング114内でサンプルラック112を完全に挿入された位置へ移動させる自動アクチュエータを含むことができる。いくつかの実施形態では、サンプルラック112を、自動的にハウジング114内で既定の一定速度で移動させる。
【0049】
図9を参照すると、サンプルラック112をサンプルベイ102のハウジング114内に挿入するために、ユーザは、サンプルラック112をベース116上のガイド123と合わせる。次に、ユーザは、サンプルベイ102のハウジング114内の第1の初期位置から第2の完全に挿入された位置まで、ガイド123により画定されたレーンに沿った(
図9に示すような)方向158にサンプルラック112を移動させる。
図9に示すように、サンプルレセプタクル136は、機械可読マーク147が隣接するポケット140を互いに隔てる隔壁142により画定される開口部と一列に整列するように、サンプルラック112内に配置される。したがって、機械可読マーク147は、ハウジング114の側壁120に画定された開口部132を通して画像取込デバイス128に見える。したがって、サンプルラック112が初期位置から完全に挿入された位置へ移動すると、画像取込デバイス128は、ポケット識別基準機械可読マーク150、ラック識別機械可読マーク148、カバー識別機械可読マーク156、及び空ポケット識別機械可読マーク158だけでなく、サンプルラック112上の各サンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147を読むことができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、画像取込デバイス128は、画像152を取り込むように構成される視野を有する。いくつかの実施形態では、画像取込デバイス128は、サンプルラック112が移動する、ハウジング114内に画定された各レーンを備えるのに十分大きい作動距離範囲を有することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、画像取込デバイス128は、十分な被写界深度を有し、基準機械可読マーク150、各サンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147、ラック識別機械可読マーク148、カバー識別機械可読識別マーク156、及び空ポケット識別機械可読マーク158の各々は、取り込まれた画像に十分に焦点が合い、プロセッサが取り込まれた画像を上述したように処理することができる。例えば、基準機械可読マーク150、ラック識別機械可読マーク148、及びカバー識別機械可読マーク156は、
図9に示すように実質的に同一平面上に配置されるが、幾つかの実施形態では、各サンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147、及び空ポケット識別機械可読マーク158は、レセプタクル136上の位置並びに機械可読マーク147及び空ポケット識別機械可読マーク158がそれぞれ配置されるポケット140の壁のために、画像取込デバイス128から離れる方向に、その平面から外れて配置されることができる。いくつかの実施形態では、画像取込デバイス128は十分な被写界深度を有することができ、例えば、これらの機械可読マークの各々は取り込まれた画像に十分に焦点が合い、上述のプロセスを処理することができる。いくつかの実施形態では、焦点深度は約1インチとすることができ、いくつかの実施形態では、焦点深度はおおよそポケット140の直径とすることができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、画像取込デバイス128はカメラである。例示的なカメラとしては、電荷結合素子(CCD)カメラ又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)カメラが挙げられる。いくつかの実施形態では、サンプルラック112が、例えば100mm/秒、300mm/秒、500mm/秒、及び600mm/秒を含む最大少なくとも1000mm/秒の速度で移動する場合、画像取込デバイス128は、各サンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147、基準機械可読マーク150、ラック識別機械可読マーク148、カバー識別機械可読マーク156、及び空ポケット識別機械可読マーク158の画像を取得するのに十分な速度で複数の画像152を取り込む。例えば、いくつかの実施形態では、画像取込デバイス128は、少なくとも20Hz、例えば25Hz、35Hz、50Hz、又は60Hzの速度で画像152を取り込む。
【0053】
図9を参照すると、サンプルラック112がガイド123により画定されたレーンに沿って(及び方向158へ)サンプルベイ102に挿入されると、画像取込デバイス128は、画像取込デバイス128の視野を通過する時に、サンプルラック112及びそれに含まれるレセプタクル136の複数の画像を取得する。例えば、取得された画像152は、各サンプルレセプタクル136上の機械可読マーク147、基準機械可読マーク150、ラック識別機械可読マーク148、カバー識別機械可読マーク156、及び空ポケット識別機械可読マーク158を含む。いくつかの実施形態では、取得された画像152は、上述のように取得された画像を処理するように構成されるプロセッサに送信される。いくつかの実施形態では、プロセッサは、ハウジング114に結合されるか、ハウジング114内に配置される。いくつかの実施形態では、プロセッサによるこの画像処理は、サンプルラックがハウジング114内に挿入されている間に行われる。別の実施形態では、プロセッサによるこの画像処理は、サンプルラック112がサンプルベイ102のハウジング114内に完全に挿入された後に行われる。
【0054】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、サンプルラック112で画像152が取り込まれるたびに光源を作動させるようにも構成されている。画像152を取得する場合に光源を使用することにより、画像取込デバイス128の必要な性能要件を更に低減することができる。
【0055】
上述の実施形態は、サンプルラック112及びサンプルレセプタクル136を含むが、実施形態は、サンプルラック112及びサンプルレセプタクル136に限定されない。例えば、これらの実施形態を、試薬容器又は他の処理で使用する消耗品を保持するサンプルアッセイ装置100の他のラック及び備品に適用することができる。したがって、上記の実施形態は、それぞれの試薬容器又は他の処理消耗品が置かれるラック又は備品に対して、試薬容器又は他の処理消耗品の位置を決定するために使用され得る。
【0056】
上述の実施形態は、サンプルベイ102に固定連結された画像取込デバイス128を備えるが、開示された実施形態は、固定リーダ128に限定されない。例えば、ユーザが手動で操作する携帯リーダを使用する場合、これらの実施形態を適用することができる。このような携帯用の実施形態は、よりレセプタクル136を非連続的な順序でスキャンする結果となり得るユーザの多様性に対処するのに役立つことができる。
【0057】
いくつかの実施形態は、制御及び計算ハードウェア構成要素、ユーザ作成ソフトウェア、データ入力構成要素、並びにデータ出力構成要素を介して実行される。ハードウェア構成要素は、例えば、1つ又は複数の入力値を受け取り、入力値を操作するか、又はさもなければ入力値に作用するための命令を与え、1つ又は複数の出力値を出力する非一時的機械可読媒体(例えば、ソフトウェア)上に格納された1つ又は複数のアルゴリズムを実行することにより、計算工程及び/又は制御工程を実行するように構成されるプロセッサ、例えばマイクロプロセッサ又はコンピュータ等、を含む。このような出力は、オペレータに情報、例えば装置の状態若しくはそれにより実行されるプロセスに関する情報、を提供するために、オペレータに対して表示されても若しくは指示されてもよく、又は、このような出力は別のプロセス及び/若しくは制御アルゴリズムに対する入力を含み得る。データ入力構成要素は、制御及び計算ハードウェア構成要素が使用するためのデータを入力する要素を含む。このようなデータ入力としては、手動入力要素、例えば、グラフィックユーザインターフェース、キーボード、タッチスクリーン、マイクロホン、スイッチ、手動操作式スキャナ、音声起動式入力等のみならず、画像取込デバイス、位置センサ、モータエンコーダを含む。データ出力構成要素は、ハードドライブ若しくは他の記憶媒体、グラフィックユーザインターフェース、モニタ、プリンタ、インジケータライト、又は可聴信号要素(たとえば、ブザー、ホーン、ベル等)を含むことができる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、画像処理及びシステム制御を実行する単一のモジュールを備えることができる。別の実施形態では、プロセッサは、別々の処理工程及び制御工程を実行する複数のモジュールを備える。いくつかの実施形態では、プロセッサを、画像取込デバイス128のバッファ内に格納された画像を処理(例えば、後処理)する画像取込デバイス128の構成要素とすることができる。
【0058】
ソフトウェアは、制御ハードウェア及びコンピューターハードウェアにより実行される場合、制御ハードウェア及びコンピューターハードウェアに1つ又は複数の自動化又は半自動化プロセスを実行させる、非一時的なコンピュータ可読媒体に格納された命令を含む。いくつかの実施形態では、画像処理のためのソフトウェアは、例えば、画像取込デバイス128上のメモリに格納される。いくつかの実施形態では、画像処理のためのソフトウェアは、プロセッサと通信する外部メモリに格納される。
【0059】
発明の概要及び要約のセクションではなく、発明を実施するための形態のセクションは、請求項を解釈するために使用されるものとすることを理解されよう。発明の概要及び要約のセクションは、発明者が意図した本発明の1つ又は複数の、しかし全てではない例示的な実施形態を示し、したがって本発明及び添付の特許請求の範囲をなんら限定するものではない。
【0060】
特定の機能の実施及びその関係を例示する機能的構成要素を用いて、以上本発明を説明した。これらの機能的構成要素の境界は、説明の便宜上、本明細書において任意に定義されている。指定された機能及びそれらの関係が適切に実行される限り、代わりの境界を定義することができる。
【0061】
特定の実施形態の前述の説明は、他の者が、過度の実験を行うことなく、本発明の一般的な概念から逸脱することなく、当業者の技能範囲内で、このような特定の実施形態を様々な用途に容易に変更及び/又は適合させることができる、本発明の一般的な性質を完全に明らかにするであろう。したがって、このような適合及び変更は、本明細書に提示された教示及び指針に基づいて、開示された実施形態の均等物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書の表現又は用語は、本明細書の用語又は表現が教示及び指針に照らして当業者により解釈されるように、説明を目的とするものであって限定するものではないことを理解されたい。
【0062】
本発明の広がり及び範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれかにより限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物に従ってのみ規定されるべきである。