IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブルーム エネルギー コーポレイションの特許一覧

特開2022-183404非絶縁型一入力二出力双方向昇降圧DC-DCコンバータ
<>
  • 特開-非絶縁型一入力二出力双方向昇降圧DC-DCコンバータ 図1
  • 特開-非絶縁型一入力二出力双方向昇降圧DC-DCコンバータ 図2
  • 特開-非絶縁型一入力二出力双方向昇降圧DC-DCコンバータ 図3
  • 特開-非絶縁型一入力二出力双方向昇降圧DC-DCコンバータ 図4
  • 特開-非絶縁型一入力二出力双方向昇降圧DC-DCコンバータ 図5
  • 特開-非絶縁型一入力二出力双方向昇降圧DC-DCコンバータ 図6A
  • 特開-非絶縁型一入力二出力双方向昇降圧DC-DCコンバータ 図6B
  • 特開-非絶縁型一入力二出力双方向昇降圧DC-DCコンバータ 図6C
  • 特開-非絶縁型一入力二出力双方向昇降圧DC-DCコンバータ 図6D
  • 特開-非絶縁型一入力二出力双方向昇降圧DC-DCコンバータ 図7A
  • 特開-非絶縁型一入力二出力双方向昇降圧DC-DCコンバータ 図7B
  • 特開-非絶縁型一入力二出力双方向昇降圧DC-DCコンバータ 図7C
  • 特開-非絶縁型一入力二出力双方向昇降圧DC-DCコンバータ 図7D
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183404
(43)【公開日】2022-12-09
(54)【発明の名称】非絶縁型一入力二出力双方向昇降圧DC-DCコンバータ
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20221202BHJP
   H01M 8/04537 20160101ALI20221202BHJP
   H01M 8/04858 20160101ALI20221202BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20221202BHJP
【FI】
H02M3/155 H
H01M8/04537
H01M8/04858
H01M8/12 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022075648
(22)【出願日】2022-05-02
(31)【優先権主張番号】63/188,011
(32)【優先日】2021-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514116578
【氏名又は名称】ブルーム エネルギー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】ランガナタン グルナタン
(72)【発明者】
【氏名】ラケッシュ ロイ
(72)【発明者】
【氏名】バラ スブラマニヤム クチバットラ
(72)【発明者】
【氏名】スリニバス ラオ ポッタ
(72)【発明者】
【氏名】ディーパック バラクリシュナン
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
5H730
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H127AA03
5H127AA04
5H127AA07
5H127AB29
5H127BA02
5H127BA03
5H127BA04
5H127BA05
5H127BA13
5H127BA57
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB37
5H127DB69
5H127DC89
5H730AS04
5H730AS05
5H730AS08
5H730BB13
5H730BB14
5H730CC01
5H730DD04
5H730EE59
5H730EE61
5H730FD01
5H730FF09
5H730FG05
5H730FG12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】非絶縁型一入力二出力(SIDO)双方向昇降圧直流(DC)-DC(DC-DC)コンバータ及びその制御方法を提供する。
【解決手段】方法は、コントローラが、第一負荷の第一電圧を決定することを含む動作を実行することと、コントローラが、第二負荷の第二電圧を決定することを含む動作を実行ことと、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの第一部分にわたって測定される第一電圧を第一負荷の電圧未満に維持し、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの第二部分にわたって測定される第二電圧を第二負荷の電圧未満に維持するように、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御することと、を含む。
【選択図】図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源、第一負荷、及び第二負荷に接続された非絶縁型一入力二出力(SIDO)双方向昇降圧直流(DC)-直流(DC-DC)コンバータを制御する方法であって、
前記第一負荷の第一電圧を決定するステップと、
前記第二負荷の第二電圧を決定するステップと、
前記非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの第一部分にわたって測定される第一電圧が前記第一負荷の第一電圧未満に維持され、前記非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの第二部分にわたって測定される第二電圧が前記第二負荷の第二電圧未満に維持されるように、前記非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御するステップと、を含む方法。
【請求項2】
非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御する、請求項1に記載の方法であって、
前記第一負荷の第一電圧及び前記第二負荷の第二電圧に少なくとも部分的に基づいて、前記非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの最大効率及び最小電力変換を達成するような主デューティサイクル値を決定するステップと、
前記非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを、決定された前記主デューティサイクル値に設定するステップと、を含む方法。
【請求項3】
前記第一負荷の第一電圧及び前記第二負荷の第二電圧に少なくとも部分的に基づいて前記主デューティサイクル値を決定する、請求項2に記載の方法であって、前記第一負荷の第一電圧と、前記第二負荷の第二電圧と、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの第一部分にわたって測定された第一電圧と、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの第二部分にわたって測定された第二電圧と、に少なくとも部分的に基づいて前記主デューティサイクル値を決定するステップを含む方法。
【請求項4】
前記第一負荷の第一電圧及び前記第二負荷の第二電圧に少なくとも部分的に基づいて前記主デューティサイクル値を決定する、請求項2に記載の方法であって、前記第一負荷の第一電圧と、前記第二負荷の第二電圧と、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの第二部分にわたって測定された第二電圧と、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの第三部分にわたって測定された第三電圧と、に少なくとも部分的に基づいて前記主デューティサイクル値を決定するステップを含む方法。
【請求項5】
非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御する、請求項1に記載の方法であって、
前記第一負荷の第一電圧と、前記第一負荷の第一電圧と前記第二負荷の第二電圧との差と、に少なくとも部分的に基づいて、前記第一負荷に関連する第一昇圧制御デューティサイクルを決定するステップと、
前記第二負荷の第二電圧と、前記第一負荷の第一電圧と前記第二負荷の第二電圧との差と、に少なくとも部分的に基づいて、前記第二負荷に関連する第二昇圧制御デューティサイクルを決定するステップと、
決定された前記第一昇圧制御デューティサイクル及び決定された前期第二昇圧制御デューティサイクルに従って、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの分割昇圧部を制御するステップと、を含む方法。
【請求項6】
非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御する、請求項1に記載の方法であって、
前記第一負荷の第一電圧を前記第二負荷の第二電圧に加算した結果を正の制御値として決定するステップと、
前記第一負荷の第一電圧から前記第二負荷の第二電圧を減算した結果を負の制御値として決定するステップと、
前記正の制御値から前記負の制御値を減算した差に少なくとも部分的に基づいて、前記第一負荷に関連する第一昇圧制御デューティサイクルを決定するステップと、
前記正の制御値と前記負の制御値を加算した和に少なくとも部分的に基づいて、前記第二負荷に関連する第二昇圧制御のデューティサイクルを決定するステップと、
決定された前記第一昇圧制御デューティサイクル及び決定された前記第二昇圧制御デューティサイクルに従って、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの分割昇圧部を制御するステップと、を含む方法。
【請求項7】
直流電源が固体酸化物形燃料電池(SOFC)システムである、請求項1~6の何れかに記載の方法。
【請求項8】
非絶縁型一入力二出力(SIDO)双方向昇降圧直流(DC)-直流(DC-DC)コンバータであって、
直流電源の正極端子に接続するように構成された第一入力端子と、
直流電源の負極端子に接続するように構成された第二入力端子と、
第一側と第二側をそれぞれ有する第一制御可能スイッチであって、該第一制御可能スイッチの第一側は、前記第一入力端子に接続されている、第一制御可能スイッチと、
第一側と第二側をそれぞれ有する第二制御可能スイッチであって、該第二制御可能スイッチの第一側は前記第一制御可能スイッチの第二側に接続され、該第二制御可能スイッチの第二側は前記第二入力端子に接続されている、第二制御可能スイッチと、
第一側と第二側をそれぞれ有する第一インダクタであって、該第一インダクタの第一側は、前記第一制御可能スイッチの第二側及び前記第二制御可能スイッチの第一側に接続される、第一インダクタと、
第一側と第二側をそれぞれ有する第三制御可能スイッチであって、該第三制御可能スイッチの第一側は、前記第一インダクタの第二側に接続される、第三制御可能スイッチと、
第一側と第二側をそれぞれ有する第四制御可能スイッチであって、該第四制御可能スイッチの第一側は、前記第三制御可能スイッチの第二側に接続されている、第四制御可能スイッチと、
第一側と第二側をそれぞれ有する第二インダクタであって、該第二インダクタの第一側は前記第四制御可能スイッチの第二側に接続され、該第二インダクタの第二側は前記第二制御可能スイッチの第二側及び前記第二入力端子に接続される第二インダクタと、
第一側と第二側をそれぞれ有する第五制御可能スイッチであって、該第五制御可能スイッチの第二側は、前記第一インダクタの第二側と前記第三制御可能スイッチの第一側に接続される、第五制御可能スイッチと、
第一側と第二側をそれぞれ有する第六制御可能スイッチであって、該第六制御可能スイッチの第一側は、前記第四制御可能スイッチの第二側及び前記第二インダクタの第一側に接続される、第六制御可能スイッチと、
第一側と第二側をそれぞれ有する第一電圧出力回路部であって、該第一電圧出力回路部の第一側は、前記第五制御可能スイッチの第二側に接続され、該第一電圧出力回路部は、第一直流電圧を第一負荷に出力するように構成される、第一電圧出力回路部と、
第一側と第二側をそれぞれ有する第二電圧出力回路部であって、該第二電圧出力回路部の第一側は、前記第一電圧出力回路部の第二側、前記第三制御可能スイッチの第二側、及び前記第四制御可能スイッチの第一側と、互いに接続され、該第二電圧出力回路部の第二側は、前記第六制御可能スイッチの第二側に接続され、該第二電圧出力回路部は、第二直流電圧を第二負荷に出力するように構成される、第二電圧出力回路部と、
前記第一制御可能スイッチ、前記第二制御可能スイッチ、前記第三制御可能スイッチ、前記第四制御可能スイッチ、前記第五制御可能スイッチ、及び前記第六制御可能スイッチに接続されたコントローラであって、該コントローラは、主デューティサイクルに従って、第一制御可能スイッチと第二制御可能スイッチとを制御し、且つ、主デューティサイクルに少なくとも部分的に基づく第一昇圧制御デューティサイクルに従って、第三制御可能スイッチ及び第五制御可能スイッチを制御し、且つ、主デューティサイクルの少なくとも一部に基づく第二昇圧制御デューティサイクルに従って、第四制御可能スイッチ及び第六制御可能スイッチを制御し、且つ、前記第一負荷が前記第二負荷よりも大きいときには前記第一昇圧制御デューティサイクルが前記第二昇圧制御デューティサイクルよりも大きく、前記第二負荷が前記第一負荷よりも大きいときには前記第二昇圧制御デューティサイクルが前記第一昇圧制御デューティサイクルよりも大きくなるように前記主デューティサイクル、第一昇圧制御デューティサイクル、第二昇圧制御デューティサイクルを制御する、コントローラと、を含む、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ。
【請求項9】
前記第一制御可能スイッチ、前記第二制御可能スイッチ、前記第三制御可能スイッチ、前記第四制御可能スイッチ、前記第五制御可能スイッチ、及び前記第六制御可能スイッチは、金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)である、請求項8に記載の非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ。
【請求項10】
直流(DC)電源と、
第一負荷と、
第二負荷と、
前記直流電源、前記第一負荷、及び前記第二負荷に接続された非絶縁型一入力二出力(SIDO)双方向昇降圧直流-直流(DC-DC)コンバータと、を含む発電システム。
【請求項11】
前記直流電源は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)システムである、請求項10に記載の発電システム。
【請求項12】
非絶縁型一入力二出力(SIDO)双方向昇降圧直流(DC)-直流(DC-DC)コンバータであって、
直流電源の正極端子に接続するように構成された第一入力端子と、
直流電源の負極端子に接続するように構成された第二入力端子と、
第一側及び第二側をそれぞれ有する第一キャパシタであって、該第一キャパシタの第一側は前記第一入力端子に接続される、第一キャパシタと、
第一側及び第二側をそれぞれ有する第二キャパシタであって、該第二キャパシタの第一側は前記第一キャパシタの第二側に接続され、該第二キャパシタの第二側は前記第二入力端子に接続される、第二キャパシタと、
第一側及び第二側をそれぞれ有する第一制御可能スイッチであって、該第一制御可能スイッチの第一側は、前記第一入力端子と第一キャパシタの第一側に接続される、第一制御可能スイッチと、
第一側及び第二側をそれぞれ有する第二制御可能スイッチであって、該第二制御可能スイッチの第一側は前記第一制御可能スイッチの第二側に接続され、該第二制御可能スイッチの第二側は第二入力端子に接続されている、第二制御可能スイッチと、
第一側及び第二側をそれぞれ有する第一インダクタであって、該第一インダクタの第一側は、前記第一制御可能スイッチの第二側及び前記第二制御可能スイッチの第一側に接続される、第一インダクタと、
第一側及び第二側をそれぞれ有する第三制御可能スイッチであって、該第三制御可能スイッチの第一側は、前記第一インダクタの第二側に接続される、第三制御可能スイッチと、
第一側及び第二側をそれぞれ有する第四制御可能スイッチであって、該第四制御可能スイッチの第一側は、前記第三制御可能スイッチの第二側に接続されている、第四制御可能スイッチと、
第一側及び第二側をそれぞれ有する第二インダクタであって、該第二インダクタの第一側は前記第四制御可能スイッチの第二側に接続され、該第二インダクタの第二側は前記第二制御可能スイッチの第二側、前記第二入力端子、及び前記第二キャパシタの第二側に接続されている、第二インダクタと、
第一側及び第二側をそれぞれ有する第五制御可能スイッチであって、該第五制御可能スイッチの第二側は、前記第一インダクタの第二側と前記第三制御可能スイッチの第一側とに接続される、第五制御可能スイッチと、
第一側及び第二側をそれぞれ有する第六制御可能スイッチであって、該第六制御可能スイッチの第一側は、前記第四制御可能スイッチの第二側と、第二インダクタの第一側とに接続される、第六制御可能スイッチと、
第一側及び第二側をそれぞれ有する第一電圧出力回路部であって、該第一電圧出力回路部の第一側は、第五制御可能スイッチの第二側に接続され、該第一電圧出力回路部は、第一直流電圧を第一負荷に出力するように構成される、第一電圧出力回路部と、
第一側と第二側をそれぞれ有する第二電圧出力回路部であって、該第二電圧出力回路部の第一側は、前記第一電圧出力回路部の第二側、前記第三制御可能スイッチの第二側、及び前記第四制御可能スイッチの第一側、前記第一キャパシタの第二側、及び前記第二キャパシタの第一側と、互いに接続され、該第二電圧出力回路部の第二側は、前記第六制御可能スイッチの第二側に接続され、該第二電圧出力回路部は、第二直流電圧を第二負荷に出力するように構成される、第二電圧出力回路部と、
前記第一制御可能スイッチ、前記第二制御可能スイッチ、前記第三制御可能スイッチ、前記第四制御可能スイッチ、前記第五制御可能スイッチ、及び前記第六制御可能スイッチに接続されたコントローラであって、該コントローラは、主デューティサイクルに従って、第一制御可能スイッチと第二制御可能スイッチとを制御し、且つ、主デューティサイクルに少なくとも部分的に基づく第一昇圧制御デューティサイクルに従って、第三制御可能スイッチ及び第五制御可能スイッチを制御し、且つ、主デューティサイクルの少なくとも一部に基づく第二昇圧制御デューティサイクルに従って、第四制御可能スイッチ及び第六制御可能スイッチを制御し、第一インダクタと第三制御可能スイッチとの両端で測定される第一制御電圧が前記第一直流電圧未満に維持され、第二キャパシタの両端で測定される第二制御電圧が前記第二直流電圧未満に維持されるように、主デューティサイクル、第一昇圧制御デューティサイクル、及び第二昇圧制御デューティサイクルを制御するコントローラと、を含む、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ。
【請求項13】
前記第一制御可能スイッチ、前記第二制御可能スイッチ、前記第三制御可能スイッチ、前記第四制御可能スイッチ、前記第五制御可能スイッチ、及び前記第六制御可能スイッチは、金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)である、請求項12に記載の非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ。
【請求項14】
直流(DC)電源と、
第一負荷と、
第二負荷と、
前記直流電源、前記第一負荷、及び前記第二負荷に接続された、請求項12に記載の非絶縁型一入力二出力(SIDO)双方向昇降圧直流-直流(DC-DC)コンバータと、を含む発電システム。
【請求項15】
前記直流電源は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)システムである、請求項14に記載の発電システム。
【請求項16】
直流(DC)電源と、
第一負荷と、
第二負荷と、
前記直流電源、前記第一負荷、及び前記第二負荷に接続された非絶縁型一入力二出力(SIDO)双方向昇降圧DC-DCコンバータと、を備え、
前記非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータは、該非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの動作を制御して請求項1に記載の方法の動作を行うように構成されるコントローラを含む、発電システム。
【請求項17】
前記直流電源は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)システムである、請求項16に記載の発電システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、発電システム、特に、発電システム用の直流(DC)-直流(DC-DC)コンバータに向けられたものである。
【背景技術】
【0002】
燃料電池のような電気化学デバイスは、燃料に蓄えられたエネルギーを高い効率で電気エネルギーに変換することができる。固体酸化物形燃料電池(SOFC)などの燃料電池システムでは、酸化流は燃料電池のカソード側を通過し、燃料入口流は燃料電池のアノード側を通過する。酸化流は通常空気であり、燃料流はメタン、天然ガス、ペンタン、エタノール、メタノールなどの炭化水素燃料とすることができる。燃料電池は、負に帯電した酸素イオンをカソード流からアノード流に輸送し、イオンが遊離水素又は炭化水素分子内の水素と結合して水蒸気を生成し、及び/又は一酸化炭素と結合して二酸化炭素を生成することを可能にする。負に帯電したイオンの余剰電子は、アノードとカソードの間に完成した電気回路を通って燃料電池のカソード側に戻され、その結果、回路に電流が流れる。
【0003】
SOFCシステムは、多くの異なる配置の下で多くの異なるデバイスに電力を供給するために使用され得る。例えば、SOFCはバッテリーの充電及び/又はマイクログリッドへの電力供給に使用されることがある。SOFCシステムでは、システムの高効率な運転を実現するため、直流(DC)-直流(DC-DC)コンバータが広く用いられている。具体的には、双方向バッテリーコンバータは、バッテリー充電やマイクログリッドのアプリケーションに広く使用されている。
【0004】
したがって、他の技術的な利点を提供することに加えて、上記の一つ以上の制限を克服することができる技術が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
この要約は、簡略化された形で提示された概念を紹介する目的でのみ提供されている。これは、クレームされた発明の本質的な特徴を特定したり、発明の範囲を何らかの方法で限定したりすることを意図したものではない。
【0006】
種々の実施形態は、非絶縁型一入力二出力(SIDO)双方向昇降圧直流(DC)-直流(DC-DC)コンバータを提供し得る。種々の実施形態は、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの第一部分にわたって測定される第一電圧が第一負荷の電圧未満に維持され、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの第二部分にわたって測定される第二電圧が第二負荷の電圧未満に維持されるような非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御する方法を提供し得る。
【0007】
実施形態は、直流電源、第一負荷、及び第二負荷に接続された非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータを制御するための方法を含む。この方法は、第一負荷の第一電圧を決定すること、第二負荷の第二電圧を決定すること、を含む。この方法は、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの第一部分にわたって測定される第一電圧が第一負荷の第一電圧未満に維持され、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの第二部分にわたって測定される第二電圧が第二負荷の第二電圧未満に維持されるように、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御することを含む。
【0008】
別の実施形態では、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータが開示される。この非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータは、直流電源の正極端子に接続するように構成された第一入力端子を含む。非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータは、直流電源の負極端子に接続するように構成された第二入力端子と、第一側及び第二側をそれぞれ含む第一制御可能スイッチと、をさらに含む。第一制御可能スイッチの第一側は、第一入力端子に接続される。第二制御可能スイッチは、第一側及び第二側をそれぞれ含む。第二制御可能スイッチの第一側は第一制御可能スイッチの第二側に接続され、第二制御可能スイッチの第二側は第二入力端子に接続される。さらに、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータは、第一側及び第二側をそれぞれ含む第一インダクタを含む。第一インダクタの第一側は、第一制御可能スイッチの第二側と第二制御可能スイッチの第一側とに接続される。非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータは、第一側及び第二側をそれぞれ含む第三制御可能スイッチを含む。第三制御可能スイッチの第一側は、第一インダクタの第二側に接続される。第四制御可能スイッチは、第一側及び第二側をそれぞれ含む。第四制御可能スイッチの第一側は、第三制御可能スイッチの第二側に接続される。さらに、第二インダクタは、第一側及び第二側をそれぞれ含む。第二インダクタの第一側は第四制御可能スイッチの第二側に接続され、第二インダクタの第二側は第二制御可能スイッチの第二側と第二入力端子とに接続される。第五制御可能スイッチは、第一側及び第二側をそれぞれ含む。第五制御可能スイッチの第二側は、第一インダクタの第二側と第三制御可能スイッチの第一側とに接続される。第六制御可能スイッチは、第一側及び第二側をそれぞれ含む。第六制御可能スイッチの第一側は、第四制御可能スイッチの第二側と第二インダクタの第一側とに接続される。第一電圧出力回路部は、第一側及び第二側をそれぞれ含む。第一電圧出力回路部の第一側は、第五制御可能スイッチの第二側に接続される。第一電圧出力回路部は、第一直流電圧を第一負荷に出力するように構成される。第二電圧出力回路部は、第一側及び第二側をそれぞれ含む。第一電圧出力回路部の第二側と、第二電圧出力回路部の第一側と、第三制御可能スイッチの第二側と、第四制御可能スイッチの第一側とは、互いに接続される。第二電圧出力回路部の第二側は、第六制御可能スイッチの第二側に接続される。さらに、第二電圧出力回路部は、第二直流電圧を第二負荷に出力するように構成される。非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータは、第一制御可能スイッチ、第二制御可能スイッチ、第三制御可能スイッチ、第四制御可能スイッチ、第五制御可能スイッチ、及び第六制御可能スイッチに接続されるコントローラを含む。コントローラは、少なくとも第一制御可能スイッチと第二制御可能スイッチとを主デューティサイクルに従って制御するように構成される。コントローラは、主デューティサイクルの少なくとも一部に基づく第一昇圧制御デューティサイクルに従って、第三制御可能スイッチ及び第五制御可能スイッチを制御するように構成される。さらに、コントローラは、主デューティサイクルの少なくとも一部に基づく第二昇圧制御デューティサイクルに従って、第四制御可能スイッチ及び第六制御可能スイッチを制御するように構成される。コントローラは、第一負荷が第二負荷よりも大きい場合、第一昇圧制御デューティサイクルが第二昇圧制御デューティサイクルよりも大きく、第二負荷が第一負荷よりも大きい場合、第二昇圧制御デューティサイクルが第一昇圧制御デューティサイクルよりも大きくなるように、主デューティサイクル、第一昇圧制御デューティサイクル及び第二昇圧制御デューティサイクルを制御するよう構成される。
【0009】
別の実施形態では、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータが開示される。非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータは、直流電源の正極端子に接続するように構成された第一入力端子と、直流電源の負極端子に接続するように構成された第二入力端子と、を含む。第一キャパシタは、第一側及び第二側をそれぞれ含む。第一キャパシタの第一側は、第一入力端子に接続される。第二キャパシタは、第一側及び第二側をそれぞれ含む。第二キャパシタの第一側は第一キャパシタの第二側に接続され、第二キャパシタの第二側は第二入力端子に接続される。第一制御可能スイッチは、第一側及び第二側をそれぞれ含む。第一制御可能スイッチの第一側は、第一入力端子と第一キャパシタの第一側に接続される。第二制御可能スイッチは、第一側及び第二側をそれぞれ含む。第二制御可能スイッチの第一側は第一制御可能スイッチの第二側に接続され、第二制御可能スイッチの第二側は第二入力端子に接続される。第一インダクタは、第一側及び第二側をそれぞれ含む。第一インダクタの第一側は、第一制御可能スイッチの第二側と第二制御可能スイッチの第一側と、に接続される。第三制御可能スイッチは、第一側及び第二側をそれぞれ含む。第三制御可能スイッチの第一側は、第一インダクタの第二側に接続される。第四制御可能スイッチは、第一側及び第二側をそれぞれ含む。第四制御可能スイッチの第一側は、第三制御可能スイッチの第二側に接続される。第二インダクタは、第一側及び第二側をそれぞれ含む。第二インダクタの第一側は、第四制御可能スイッチの第二側に接続され、第二インダクタの第二側は第二制御可能スイッチの第二側、第二入力端子、及び第二コンデンサの第二側に接続される。第五制御可能スイッチは、第一側及び第二側をそれぞれ含む。第五制御可能スイッチの第二側は、第一インダクタの第二側と第三制御可能スイッチの第一側とに接続される。第六制御可能スイッチは、第一側及び第二側をそれぞれ含む。第六制御可能スイッチの第一側は、第四制御可能スイッチの第二側と第二インダクタの第一側とに接続される。第一電圧出力回路部は、第一側及び第二側をそれぞれ含む。第一電圧出力回路部の第一側は、第五制御可能スイッチの第二側に接続される。第一電圧出力回路部は、第一直流電圧を第一負荷に出力するように構成される。第二電圧出力回路部は、第一側及び第二側をそれぞれ含む。第一電圧出力回路部の第二側と、第二電圧出力回路部の第一側と、第三制御可能スイッチの第二側と、第四制御可能スイッチの第一側と、第一キャパシタの第二側と、第二キャパシタの第一側と、は互いに接続される。第二電圧出力回路部の第二側は、第六制御可能スイッチの第二側に接続される。第二電圧出力回路部は、第二直流電圧を第二負荷に出力するように構成される。非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータは、第一制御可能スイッチと、第二制御可能スイッチと、第三制御可能スイッチと、第四制御可能スイッチと、第五制御可能スイッチと、第六制御可能スイッチと、に接続されるコントローラをさらに含む。コントローラは、少なくとも、第一制御可能スイッチ及び第二制御可能スイッチを主デューティサイクルに従って制御し、第三制御可能スイッチ及び第五制御可能スイッチを主デューティサイクルの少なくとも一部に基づく第一昇圧制御デューティサイクルに従って制御するように構成されている。コントローラは、主デューティサイクルの少なくとも一部に基づく第二昇圧制御デューティサイクルに従って、第四制御可能スイッチ及び第六制御可能スイッチを制御するように構成される。コントローラは、第一インダクタと第三制御可能スイッチとの間で測定される第一制御電圧が第一直流電圧未満に維持され、第二キャパシタの両端で測定される第二制御電圧が第二直流電圧未満に維持されるように、主デューティサイクル、第一昇圧制御デューティサイクル、及び第二昇圧制御デューティサイクルを制御可能に構成される。
【0010】
さらに別の実施形態では、発電システムが開示される。この発電システムは、直流電源と、第一負荷と、第二負荷と、直流電源、第一負荷、及び第二負荷に接続された非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータと、を含む。非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータは、上記の方法のいずれかに従って非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの動作を制御するように構成されたコントローラを含み、及び/又は、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータは、上記の実施形態のいずれかの非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータである。種々の実施形態において、直流電源は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)システムである。
【0011】
本開示の例示的な実施形態の理解のために、添付の図面と関連する下記の説明を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】種々の実施形態に係る燃料電池システムの斜視図である。
図2】種々の実施形態に係るホットボックスの模式的な側断面図である。
図3】種々の実施形態に係るシステムの模式図である。
図4】種々の実施形態に係る非絶縁型一入力二出力(SIDO)双方向昇降圧直流(DC)-直流(DC-DC)コンバータの回路図である。
図5】種々の実施形態に係る非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの回路図である。
図6A図6A図6B図6C、及び図6Dは、集合的に、種々の実施形態に係る非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御するための方法を示すプロセスフロー図を表す。
図6B図6A図6B図6C、及び図6Dは、集合的に、種々の実施形態に係る非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御するための方法を示すプロセスフロー図を表す。
図6C図6A図6B図6C、及び図6Dは、集合的に、種々の実施形態に係る非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御するための方法を示すプロセスフロー図を表す。
図6D図6A図6B図6C、及び図6Dは、集合的に、種々の実施形態に係る非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御するための方法を示すプロセスフロー図を表す。
図7A図7A図7B図7C、及び図7Dは、集合的に、種々の実施形態に係る非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御するための例示的動作を示す制御論理図を表す。
図7B図7A図7B図7C、及び図7Dは、集合的に、種々の実施形態に係る非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御するための例示的動作を示す制御論理図を表す。
図7C図7A図7B図7C、及び図7Dは、集合的に、種々の実施形態に係る非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御するための例示的動作を示す制御論理図を表す。
図7D図7A図7B図7C、及び図7Dは、集合的に、種々の実施形態に係る非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御するための例示的動作を示す制御論理図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で参照される図は、例示のみを目的として、本開示の実施形態を描いている。当業者は、下記の説明から、本明細書に記載された開示内容の原理から逸脱することなく、本明細書に例示されたシステム及び方法の代替的な実施形態が採用され得ることを容易に認識することができる。
【0014】
詳細な開示
下記の開示では、説明のために、本開示の広い理解を提供するための多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、当業者にとって、本開示は、これらの具体的な詳細がなくても実施可能であることは、明らかであろう。他の例では、本開示が不明瞭になることを避けるために、システム及び方法をブロック図の形式でのみ示している。
【0015】
本明細書における「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、本開示の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の各所で「一実施形態において」という表現が登場するのは、必ずしも全てが同じ実施形態を指すものではなく、また、別個の実施形態や代替的な実施形態が他の実施形態と相互に排他的であるわけでもない。さらに、ある実施形態では発揮され、他の実施形態では発揮されないかもしれない様々な特徴が説明される。同様に、ある実施形態では要件となり得るが、他の実施形態では要件とならない様々な要件が説明される。
【0016】
さらに、下記の説明には説明のために多くの詳細が含まれているが、当業者であれば、前記詳細に対する多くの変形及び/又は変更が本開示の範囲内であることを理解することができる。同様に、本開示の特徴の多くは、互いに、又は互いに関連して説明されているが、当業者は、これらの特徴の多くが、他の特徴から独立して提供され得ることを理解するであろう。したがって、本開示の説明は、本開示の一般性を損なうことなく、また、本開示に制限を課すことなく記載される。
【0017】
概要
本開示の種々の実施形態は、電源システムを提供する。電源システムは、非絶縁型一入力二出力(SIDO)双方向昇降圧直流-直流(DC-DC)コンバータを介して二つの下流負荷及び/又は下流デバイスと通信する直流(DC)電源を含む。種々の実施形態において、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータは、直流電源から二つの下流負荷に直流電圧を均等に又は不均等に出力するように制御可能であってもよい。種々の実施形態において、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータのデューティサイクルは、二つの下流負荷及び/又は下流デバイスの電力需要が不均等である場合に、負荷電力の関数として制御され得る。種々の実施形態は、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの第一部分にわたって測定される第一電圧が第一負荷の電圧未満に維持され、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの第二部分にわたって測定される第二電圧が第二負荷の電圧未満に維持されるような非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御する方法を提供し得る。一実施形態では、直流電源は、燃料電池システム、光起電力システム、熱電システムなどの直流電源であってよい。
【0018】
以下、図1から図7A図7Dを参照して、本開示の様々な例示的な実施形態について説明する。
【0019】
図1は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許番号8,440,362に記載される例示的なモジュール式燃料電池システムを示す。モジュールシステムは、2015年11月17日に発行された米国特許番号9,190,693、名称「Modular Fuel Cell System」に記載されたモジュール及びコンポーネントと同様に、上記に記載されたモジュール及びコンポーネントを含むことができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。燃料電池システム筐体10のモジュール設計は、柔軟なシステム設置及び運用を提供する。
【0020】
モジュール式燃料電池システム筐体10は、複数のパワーモジュールハウジング12(燃料電池パワーモジュール部を含む)、一つ以上の燃料入力(すなわち燃料処理)モジュールハウジング16、及び一つ以上の電力調整(すなわち電気出力)モジュールハウジング18を含む。例えば、システムエンクロージャ10は、二~三十個のパワーモジュール、例えば6~12個のパワーモジュールなど、任意の所望の数のモジュールを含んでもよい。図1は、共通のベース20上に、六つの電力モジュール(6つのモジュールを横に積み重ねた一列)、一つの燃料処理モジュール、及び一つの電力調整モジュールを含むシステムエンクロージャ10を例示している。各モジュールは、それ自身のキャビネット又はハウジングを構成してもよい。あるいは、電力調整モジュール及び燃料処理モジュールは、一つのキャビネット又はハウジング14に配置された一つの入力/出力モジュールに結合されてもよい。簡潔さのために、各ハウジング12、14、16、18は、以下、「モジュール」と呼ばれる。
【0021】
一列のパワーモジュール12が示されているが、システムは一列以上のパワーモジュール12から構成されてもよい。例えば、システムは、背中合わせに積み重ねられた2列のパワーモジュールから構成されてもよい。
【0022】
各パワーモジュール12は、一つ以上のホットボックス13を収容するように構成される。各ホットボックスには、燃料電池の一つ以上のスタック又はカラム(分かりやすくするために図示せず)、例えば、導電性相互接続プレートによって分離されたセラミック酸化物電解質を有する固体酸化物形燃料電池の一つ以上のスタック又はカラムが含まれる。その他、PEM、溶融炭酸塩型、リン酸型などの燃料電池を使用することもできる。
【0023】
モジュール式燃料電池システム筐体10はまた、一つ以上の入力又は燃料処理モジュール16を含む。燃料処理モジュール16は、脱硫床などの燃料の前処理に使用される構成要素を収納するキャビネットを含む。燃料処理モジュール16は、異なる種類の燃料を処理するように設計されてもよい。例えば、ディーゼル燃料処理モジュール、天然ガス燃料処理モジュール、エタノール燃料処理モジュールは、同じキャビネットに設けてもよいし、別々のキャビネットに設けてもよい。特定の燃料に合わせた異なる床組成を、各燃料処理モジュール16に設けてもよい。燃料処理モジュール16は、パイプラインから供給される天然ガス、圧縮天然ガス、メタン、プロパン、液体石油ガス、ガソリン、ディーゼル、家庭用暖房油、灯油、JP-5、JP-8、航空燃料、水素、アンモニア、エタノール、メタノール、合成ガス、バイオガス、バイオディーゼル、及び他の適切な炭化水素又は水素含有燃料から選ばれる少なくとも一つの燃料を処理し得る。必要に応じて、改質器17が燃料処理モジュール16に配置されてもよい。あるいは、改質器17を燃料電池スタック(複数可)と熱的に統合することが望ましい場合、別々の改質器17をそれぞれのパワーモジュール12内の各ホットボックス13に配置してもよい。さらに、内部改質型燃料電池を使用する場合は、外部改質器(改質器17など)を完全に省略することも可能である。
【0024】
モジュール式燃料電池システム筐体10はまた、一つ以上の電力調整モジュール18を含む。電力調整モジュール18は、燃料電池スタック生成直流電力を交流電力に変換するための構成要素を含むキャビネット、交流電力をグリッドに出力するための電気コネクタ、電気的過渡現象を管理するための回路、システムコントローラ(例えば、コンピュータ又は専用の制御論理装置又は回路)、を含む。電力調整モジュール18は、燃料電池モジュールからの直流電力を異なる交流電圧及び周波数に変換するように設計されてもよい。208V、60Hz、480V、60Hz、415V、50Hz、その他一般的な電圧や周波数に対応した設計を提供することができる。
【0025】
燃料処理モジュール16と電力調整モジュール18は、一つの入出力キャビネット14に収容することができる。単一の入力/出力キャビネット14が提供される場合、モジュール16及び18は、キャビネット14内で垂直(例えば、燃料処理モジュール16脱硫器キャニスタ/ベッドの上の電力調整モジュール18コンポーネント)又は横に並んで配置されてもよい。
【0026】
図1の例示的な一実施形態に示すように、一つの入出力キャビネット14は、入出力モジュール14の片側で直線的に並んでいる六つのパワーモジュール12の一列に対して提供される。パワーモジュールの列は、例えば、システムが電力を供給する建物に隣接して配置されてもよい(例えば、モジュールのキャビネットの背面が建物の壁に面するように)。一列のパワーモジュール12が示されているが、システムは二列以上のパワーモジュール12で構成されてもよい。例えば、前述のように、二列のパワーモジュールを背中合わせに積み重ねたシステムでもよい。
【0027】
パワーモジュール12及び入出力モジュール14の各々は、モジュールの内部構成要素に(例えば、保守、修理、交換などのために)アクセスすることを可能にするドア30(例えば、ハッチ、アクセスパネルなど)を含んでいる。)一実施形態によれば、パワーモジュール12、14は、各キャビネットの一方の面のみにドア30を有する線形アレイに配置され、システムの連続した列を端部で互いに隣接して設置することができる。このように、燃料電池筐体10の大きさや容量は、既存のパワーモジュール12や14やベース20に必要な配置換えを最小限にして、パワーモジュール12や14やベース20を追加して調整することが可能である。必要に応じて、パワーモジュール14へのドア30は、キャビネットの前面ではなく側面に設けてもよい。
【0028】
図2は、燃料電池スタック又はカラム40を含む燃料電池システムホットボックス13の平面図である。ホットボックス13は、燃料電池スタック又はカラム40を含むように示されている。しかし、ホットボックス13は、2つ以上のスタック又はカラム40を含んでいてもよい。スタック又はカラム40は、電気的に接続された燃料電池45を互いに積み重ね、燃料電池45の間にインターコネクト50が配置されたものを含んでもよい。スタック又はカラムの最初と最後の燃料電池45は、それぞれのエンドプレート60とインターコネクト50の間に配置される。エンドプレート60は、燃料電池スタック又はカラム40の電気出力に電気的に接続されている。ホットボックス13は、燃料導管、空気導管、シール、電気接点などの他の構成要素を含んでもよく、バランスオブプラント構成要素を含む燃料電池システムに組み込んでもよい。燃料電池45は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)又はスカンジア安定化ジルコニア(SSZ)などのセラミック電解質、ニッケル-YSZ、ニッケル-SSZ又はニッケル-サマリアドープセリア(SDC)サーメットなどのアノード電極、ランタンストロンチウムマンガン石(LSM))などのカソード電極)を含む固体酸化物形燃料電池であってもよい。インターコネクト50及び/又はエンドプレート60は、任意の適切なガス不透過性及び導電性材料、例えば、4~6wt%の鉄と残部のクロムを含む合金のようなクロム-鉄合金を含むことができる。インターコネクト50は、隣接する燃料電池45を電気的に接続し、燃料電池45に到達するための燃料及び空気の流路を提供する。
【0029】
図3は、実施形態に係る燃料電池発電システム300の簡略図である。図3に示すように、システム300は、入出力モジュール(IOM)310、燃料電池システム(SOFCシステムなど)320、非絶縁型SIDO双方向昇降圧型DC-DCコンバータなどのDC-DCコンバータ330a、及び2つの負荷350、及び360を含み得る。負荷350、及び360は、無停電電源システム(UPS)、「マイクログリッド」、様々なコンピュータ又は/及びサーバ(例えば、サーバファームに配置されたサーバ)、電気機械装置、照明器具、気候制御システムなど、SOFCシステム320から電力を引き出すことを意図した任意のデバイス又はデバイス群を含んでいてもよい。また、負荷350、及び360は、SOFCシステム320が負荷350、及び360が必要とするよりも少ない電力を提供しているときに負荷350、及び360が任意に電力を引き出すことができるように、他のコンポーネント(グリッド301、代替電源、電池などを含む)に任意に別々に接続されてもよい。負荷350、360が直流負荷である場合、これらはDC-DCコンバータ330aに直接電気的に接続されてもよい。負荷350、360が交流(AC)負荷である場合、DC-DCコンバータ330aの出力と負荷350、360の入力との間にDC-ACインバータが配置されてもよい。
【0030】
IOM310は、SOFCシステム320を電力網301に接続し得る。IOM310は、図3に示すように、SOFCシステム320からのDC出力をパワーグリッド301によって使用するためのACに変換するためのインバータ310aを含み得る。IOM310はまた、コントローラ、抵抗負荷バンク、回路ブレーカ、及びリレーを含むがこれらに限定されない他の適切なコンポーネント(図示せず)を含むことが可能である。IOM310は、燃料電池システム320をグリッド301に接続するのと同様に、任意であることを理解されたい。IOM310の特徴又は構成要素は、燃料電池システム320などの他の構成要素に組み込まれてもよいことがさらに理解される。
【0031】
燃料電池システム320は、図3において、便宜上、一般的な電源320aを含むように示されている。燃料電池システム320及び/又は電源320aは、例えば、図1及び図2に示すホットボックス13を含む、図1に示すSOFCシステムを含んでもよい。以下では、簡潔にするために、燃料電池システム320を「SOFCシステム320」と呼ぶ。しかしながら、燃料電池システム320は、PEM燃料電池、溶融炭酸塩燃料電池などの他の種類の燃料電池を含んでもよいことが理解されるべきである。SOFCシステム320は、エネルギー貯蔵装置(例えば、バッテリー又はスーパーキャパシタ)、燃料弁、燃料及び空気ブロワ、回路遮断器、温度計など、多数の他の適切な構成要素(図示せず)を含むこともできる。
【0032】
SOFCシステム320は、コントローラ320bを含んでもよい(図3に示すように)。コントローラ320bは、SOFCシステム320及び/又は電源320aの特定の態様を制御することができる任意の適切なロジックを含んでもよい。例えば、制御装置320bは、SOFCシステムへの燃料流量、SOFCシステムからの出力電圧、SOFCシステムへの空気流量、及びSOFCシステムにおける燃料リサイクル率等を制御してもよい。例えば、コントローラ320bは、システム300の他の構成要素、例えば、IOM310及び/又はDC-DCコンバータ330aへの、SOFCシステム320の出力電圧及び/又は電力を制御することができる。さらに、コントローラ320bは、直接又は間接的に、システム300内の他のコンポーネント及び/又は遠隔制御端末と通信することができる。
【0033】
DC-DCコンバータ330aは、SOFCシステム320からのDC電圧出力を、負荷350と負荷360に適合したより高い及び/又はより低い電圧で提供してもよい。図3に示すように、DC-DCコンバータ330aは、コントローラ330bを含んでもよい。コントローラ330bは、SOFCシステム320の文脈で上述したように、コントローラ320bと類似していてもよく、DC-DCコンバータ330aに対して適宜、コントローラ320bと同様の機能をいくつか実行してもよい。あるいは、一つのコントローラがSOFCシステム320とDC-DCコンバータ330aの両方を制御してもよい。コントローラ330bは、DC-DCコンバータ330aの様々な構成要素に接続されてもよい。コントローラ330bは、SOFCシステム320の出力電圧、負荷350と負荷360の抵抗値、負荷350と負荷360の電圧引き込みなどのパラメータを介して、コントローラ320b、負荷350と負荷360などの他の構成要素と間接的に通信してもよい。様々な実施形態において、コントローラ330bは、一つ以上の制御可能スイッチ(例えば、サイリスタ、電界効果トランジスタ、例えば、金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、接合電界効果トランジスタ(JFET)又は金属-半導体電界効果トランジスタ(MESFET)、バイポーラトランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、直列接続MOSFET(例えば、CMOS)、リレー、サイリスタエミュレータ、及び/又は絶縁ゲート型バイポーラトランジスタと直列接続されたダイオード)のDC-DCコンバータ330aを使用して、負荷350と負荷360への出力電圧を調整する。例えば、コントローラ330bは、制御可能スイッチのデューティサイクルを制御して、DC-DCコンバータ330aの降圧デューティサイクルを制御してもよい。
【0034】
様々な実施形態において、DC-DCコントローラ330aは、図4に図示された非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ400などの非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータであってもよい。非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ400は、様々な制御可能スイッチ402、404、407、410、412、414を含んでもよい。図4ではMOSFET419とダイオード403の組として図示されているが、制御可能スイッチ402、404、407、410、412、及び414は任意のタイプの制御可能スイッチであってよく、MOSFET419及びダイオード403の組に限定されるものではない。制御可能スイッチ402、404、407、410、412、及び414は、サイリスタ、電界効果トランジスタ、例えば金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、接合電界効果トランジスタ(JFET)又は金属-半導体電界効果トランジスタ(MESFET)、バイポーラトランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、直列接続MOSFET(例えば、CMOS)、リレー、サイリスタエミュレータ、及び/又は絶縁ゲート型バイポーラトランジスタと直列接続されたダイオードなどである。さらに、同じタイプであるように図示されているが、制御可能スイッチ402、404、407、410、412、及び414は、異なるタイプのスイッチの様々な組合せであってもよい。各制御可能スイッチ402、404、407、410、412、及び414は、それぞれの第一側及び第二側を有してもよい。各制御可能スイッチ402、404、407、410、412、414は、制御可能スイッチ402、404、407、410、412、414の一方の側から制御可能スイッチ402、404、410、412、414の他方の側へ、その制御可能スイッチ402、404、407、410、412、414にわたって電流が流れるのを防ぐために開放されてもよい。制御可能スイッチ402、404、407、410、412、及び414を開放することは、制御可能スイッチ402、404、407、410、412、及び414を電流が流れない「OFF」状態(又は非作動状態)にすることと称することがある。各制御可能スイッチ402、404、407、410、412、及び414は、制御可能スイッチ402、404、407、410、412、及び414の一方の側から制御可能スイッチ402、404、410、412、及び414の他方の側へその制御可能スイッチ402、404、407、410、412、及び414にわたって電流が流れるように閉じても良い。制御可能スイッチ402、404、407、410、412、及び414を閉じることは、制御可能スイッチ402、404、407、410、412、及び414を電流が流れる「ON」状態(又は作動状態)にすることと称することができる。制御可能スイッチ402、404、407、410、412、及び414がある時間の間「ON」状態(又は作動状態)にある時間の割合は、制御可能スイッチ402、404、407、410、412、及び414のデューティサイクルと呼ばれ得る。
【0035】
制御可能スイッチ402、404、407、410、412、及び414は、コントローラ450(例えば、上述のコントローラ330b)に接続されてもよい。コントローラ450は、主デューティサイクル「D」、第一昇圧制御デューティサイクル「D1」、及び第二昇圧制御デューティサイクル「D2」などの種々のデューティサイクルに従って制御可能スイッチ402、404、407、410、412、及び414を制御するように構成されてもよい。様々な実施形態において、主デューティサイクル「D」、第一昇圧制御デューティサイクル「D1」、及び第二昇圧制御デューティサイクル「D2」などの異なるデューティサイクルは、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ400の降圧デューティサイクルを制御するためにコントローラ450によって決定及び/又は調整されてもよい。単一の制御ユニットとして図示されているが、コントローラ450は、主デューティサイクル「D」、第一昇圧制御デューティサイクル「D1」、及び第二昇圧制御デューティサイクル「D2」などの異なるデューティサイクルを決定及び/又は調整することによって非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ400の降圧デューティサイクルを制御するために一緒に動作する通信中の一つ以上の別々の制御ユニットであってもよい。
【0036】
非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ400は、SOFCシステム320などの直流電源の正極端子に接続するように構成された第一入力端子401aを含むことができる。非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ400は、SOFCシステム320などの直流電源の負極端子に接続するように構成された第二入力端子401bを含んでもよい。制御可能スイッチ402は、一方が第一入力端子401aに接続され、他方が制御可能スイッチ404及びインダクタ406に接続されてもよい。制御可能スイッチ404は、一方の側が制御可能スイッチ402及びインダクタ406に、他方の側が第二入力端子401b及びインダクタ409に接続されてもよい。インダクタ406は、一方の側を制御可能スイッチ402及び制御可能スイッチ404に接続し、他方の側を制御可能スイッチ407及び制御可能スイッチ412に接続してもよい。インダクタ409は、片側が制御可能スイッチ404に接続され、第二入力端子401bが制御可能スイッチ410及び制御可能スイッチ414に接続されてもよい。
【0037】
非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ400は、負荷350に関連する第一電圧出力回路部417と、負荷360に関連する第二電圧出力回路部429と、を含んでもよい。負荷350、360は、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ400の図示では、それぞれ抵抗/抵抗「R1」、「R2」で表されている。第一電圧出力回路部417及び第二電圧出力回路部429は、負荷350、及び360と並列に接続されたそれぞれのコンデンサ416、及び418を含んでもよい。なお、第一電圧出力回路部417と第二電圧出力回路部429とは、互いに接続してもよい。第一電圧出力回路部417の一方は制御可能スイッチ412に接続し、第一電圧出力回路部417の他方は制御可能スイッチ407、制御可能スイッチ410及び第二電圧出力回路部429に接続しても良い。第二電圧出力回路部429の一方は制御可能スイッチ414に接続し、第二電圧出力回路部429の他方は制御可能スイッチ407、制御可能スイッチ410、及び第一電圧出力回路部417に接続してもよい。なお、第一電圧出力回路部417は、直流電圧を負荷350に出力してもよく、第二電圧出力回路部429は、直流電圧を負荷360に出力してもよい。コントローラ450は、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ400及び/又はシステム300内の点から、例えば、負荷350、及び360の電圧、抵抗、電流、及び/又は電力、SOFCシステム320の電圧、抵抗、電流、及び/又は電力出力、制御可能スイッチ402、404、407、410、412、及び414の一つ以上における又はそれらにわたる電圧及び/又は電流測定、及び/又はインダクタ406、及び409、又は他の任意のパラメータなど、様々なパラメータを受信してもよい(例えば、測定値、表示など)。このようなパラメータは、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ400及び/又はシステム300に設置されたセンサ又は測定装置から受信することができる。コントローラ450は、制御可能スイッチ402、404、407、410、412、及び414のトランジスタ419のゲート電極に有線又は無線接続(図4に文字A~Fでラベル付け)を介して指示(すなわち電圧を印加)を伝達して、制御可能スイッチ402、404、407、410、412及び/又は414をON又はOFFにする場合がある。
【0038】
制御可能スイッチ402及び制御可能スイッチ404は、主デューティサイクル「D」に従って制御されてもよい。例えば、制御可能スイッチ402は、主デューティサイクル「D」に対応するデューティサイクルを有するようにコントローラ450によって制御されてもよく、制御可能スイッチ404は、1から主デューティサイクル「D」を引いたデューティサイクル(即ち、1-D)を有するようにコントローラ450によって制御されてもよい。
【0039】
制御可能スイッチ407及び制御可能スイッチ412は、負荷350に関連する第一昇圧制御デューティサイクル「D1」に従って制御され得る。例えば、制御可能スイッチ407は、第一昇圧制御デューティサイクル「D1」に対応するデューティサイクルを有するようにコントローラ450によって制御されてもよく、制御可能スイッチ412は、1から第一昇圧制御デューティサイクル「D1」を引いたデューティサイクル(即ち、1-D1)を有するようにコントローラ450によって制御されてもよい。
【0040】
制御可能スイッチ410及び制御可能スイッチ414は、負荷360に関連する第二昇圧制御デューティサイクル「D2」に従って制御され得る。例えば、制御可能スイッチ410は、第二昇圧制御デューティサイクル「D2」に対応するデューティサイクルを有するようにコントローラ450によって制御されてもよく、制御可能スイッチ414は、1から第二昇圧制御デューティサイクル「D2」を引いたデューティサイクル(即ち、1-D2)を有するようにコントローラ450によって制御されてもよい。
【0041】
様々な実施形態において、コントローラ450は、負荷350が負荷360よりも大きいとき(即ち、負荷350によって引き出される電圧V1が負荷360によって引き出される電圧V2よりも大きいとき)、第一昇圧制御デューティサイクル「D1」は第二昇圧制御デューティサイクル「D2」よりも大きくなり、且つ、負荷360が負荷350よりも大きいとき(即ち、負荷350によって引き出される電圧V1が負荷360によって引き出される電圧V2よりも小さいとき)、第二昇圧制御デューティサイクル「D2」は第一昇圧制御デューティサイクル「D1」よりも大きくなる。
【0042】
非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ400において、負荷350への電圧出力「V1」は、コントローラ450により、次の式に従って決定され、制御されてもよい:
【数1】
【0043】
ここで、「k」は、V1=V2/kとなるような負荷350への電圧出力「V1」と負荷360への電圧出力「V2」とを関係付ける電圧定数であり、「V」はSOFCシステム320などの電源の電圧出力「V」である。負荷360の抵抗「R2」が無限大に近づくと(すなわち、負荷360が無負荷状態になるか、SOFCシステム320から電力を引き出すのを止める方向に向かう、別の言い方をするとR2→∞)、負荷350への電圧出力「V1」は、次の式に従ってコントローラ450によって決定及び制御されてもよい:
【0044】
【数2】
【0045】
制御性(降圧の出力)を失うことなく分割昇圧部に印加できる最大入力電圧「maxV」は、第一昇圧制御デューティサイクル「D1」がゼロであり、次の式に従ってコントローラ450が決定し制御するときであってよい:
【0046】
【数3】
【0047】
昇圧を有効に利用するために、昇圧への入力電圧がこの最大入力電圧「maxV」に達するまで、降圧デューティサイクル(又は主デューティサイクル「D」)を1に維持するように、コントローラ450によって制御してもよい。
【0048】
同様に、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ400において、負荷360への電圧出力「V2」は、次の式に従ってコントローラ450により決定され、制御されてもよい:
【0049】
【数4】
【0050】
ここで、「k」は、V2=V1*kとなるような、負荷360への電圧出力「V2」と負荷350への電圧出力「V1」とを関係付ける電圧定数であり、「V」は、SOFCシステム320などの電源の電圧出力「V」である。負荷350の抵抗「R1」が無限大に近づくと(すなわち、負荷350が無負荷状態になるか、SOFCシステム320からの電力の引き出しを停止する方向に向かう、別の言い方をするとR1→∞)、負荷360への電圧出力「V2」は、次の式に従ってコントローラ450によって決定及び制御されてもよい:
【0051】
【数5】
【0052】
第1昇圧制御デューティサイクル「D1」及び第2昇圧制御デューティサイクル「D2」である制御パラメータデューティサイクルは、次のそれぞれの式によってコントローラ450が決定し制御してもよい:
【0053】
【数6】
【0054】
【数7】
【0055】
様々な実施形態において、コントローラ450は、負荷350への電圧出力「V1」及び負荷360への電圧出力「V2」について正規化するように、「R2」が「R1」よりも大きい場合、「D2」は「D1」よりも大きくなるように、同様に、「R1」が「R2」よりも大きい場合、「D1」は「D2」よりも大きくなるように、構成されうる。コントローラ450は、負荷350、及び360が不均等である場合に、制御デューティサイクルが負荷電力の関数となるように構成されてもよい。また、制御変更の方向は、負荷350、360が均等に配分されているか、不均等に配分されているかなどの配分方法に依存してもよい。負荷360の抵抗値「R2」が無限大に近づくと(すなわち、負荷360が無負荷状態になるか、SOFCシステム320からの電力の取り込みを停止する方向に向かう、別の言い方をするとR2→∞)、コントローラ450は、第2昇圧制御デューティサイクル「D2」が1に向かう(又は、別の言い方をするとD2→1)ように構成されてもよい。負荷350の抵抗値「R1」が無限大に近づくと(すなわち、負荷350が無負荷状態になるか、SOFCシステム320からの電力の取り込みを停止する方向に向かう、別の言い方をするとR1→∞)、コントローラ450は、第1昇圧制御デューティサイクル「D1」が1に向かう(又は、別の言い方をすると、D1→1)ように構成されてよい。
【0056】
非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ400は、インダクタ406と制御可能スイッチ407との間の電圧を電圧「Va」として、インダクタ409と制御可能スイッチ410との間の電圧を電圧「Vb」として測定するように構成され得る。電圧「Va」及び/又は電圧「Vb」は、コントローラ450に供給され、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ400の動作を制御するために使用されてもよい。
【0057】
図5は、DC-DCコントローラ330aとして使用され得る実施形態による非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ500の代替構成を示す図である。非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ500は、キャパシタ502及び503が、お互いに、及び、制御可能スイッチ407、制御可能スイッチ410、第一電圧出力回路部417、及び第二電圧出力回路部429に接続されてもよいことを除いて、図4の非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ400と同様でありうる。また、キャパシタ502は、第一入力端子401a及び制御可能スイッチ402に接続されてもよい。また、キャパシタ503は、第二入力端子401b、制御可能スイッチ404、及びインダクタ409に接続されてもよい。非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ400について上述した測定及びセンシングに加えて、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ500は、インダクタ406及び制御可能スイッチ407にわたる電圧を電圧「Va」として、キャパシタ503両端の電圧を電圧「Vb」として、及びキャパシタ502両端の電圧を電圧「Vc」として、測定するように構成されてもよい。電圧「Va」、電圧「Vb」、及び/又は電圧「Vc」は、コントローラ450に供給され、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ500の動作を制御するために使用されてもよい。
【0058】
非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ500において、DC電圧「Va」及び「Vb」は、コントローラ450によって、次の式に従って決定されてもよい:
【0059】
【数8】
【0060】
【数9】
【0061】
ここで、「k」は、V2=V1*kとなるような、負荷360への電圧出力「V2」と負荷350への電圧出力「V1」とを関係付ける電圧定数、「V」はSOFCシステム320などの電源の電圧出力「V」、「R1」は負荷350の抵抗、「R2」は負荷360の抵抗である。
【0062】
コントローラ450は、「Va」が常に「V1」以下となるように主デューティサイクル「D」を制御するように構成されてもよい。同様に、コントローラ450は、「Vb」が常に「V2」以下となるように主デューティサイクル「D」を制御するように構成されてもよい。このように、コントローラ450は、主デューティサイクル「D」が、「Va」が「V1」未満、「Vb」が「V2」未満となることを保証する値に維持されるように構成されてもよい。主デューティサイクル「D」が、「Va」が「V1」未満、「Vb」が「V2」未満となることを保証する値に維持されることにより、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ500に最高効率と単段電力変換を提供することができる。「V1」と「V2」の値は相互に排他的であるため、これらの条件(例えば、「Va」が「V1」未満、「Vb」が「V2」未満となることを保証する値で主デューティサイクル「D」が維持される)を達成するために基準追跡コントローラと最小/最大コントローラが使用されうる。任意の「V1」と「V2」に対して、最大効率と最小電力変換を達成することができる主デューティサイクル「D」の一意な解が存在しうる。
【0063】
図6A~6Dは、集合的に、様々な実施形態による、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ400、及び500などの非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御する方法600、610、620、及び630を示すプロセスフローダイアグラムを表している。様々な実施形態において、方法600、610、620、及び630の動作は、コントローラ(例えば、コントローラ330b、及び450)により実行されてもよい。
【0064】
図6Aの方法600を参照すると、ブロック602において、コントローラは、第一負荷の第一電圧を決定することを含む動作を実行し得る。例えば、コントローラは、負荷350の電圧「V1」を決定してもよい。
【0065】
ブロック604において、コントローラは、第二負荷の第二電圧を決定することを含む動作を実行しうる。例えば、コントローラは、負荷360の電圧「V2」を決定してもよい。
【0066】
ブロック606において、コントローラは、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの第一部分にわたって測定される第一電圧が第一負荷の第一電圧未満に維持され、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの第二部分にわたって測定される第二電圧が第二負荷の第二電圧未満に維持されるように、非絶縁型SIDO双方向昇圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御することを含む動作を実行し得る。例えば、コントローラは、制御可能スイッチ407及びインダクタ406にわたって測定される電圧「Va」が負荷350の電圧「V1」未満に維持され、キャパシタ503両端の電圧「Vb」が負荷360の電圧「V2」未満に維持されるように、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの主デューティサイクル「D」を制御してもよい。
【0067】
図6Bは、方法600のブロック606において、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御するためにコントローラ(例えば、コントローラ330b、450)により実行され得る方法610を示す図である。
【0068】
図6Bの方法610を参照すると、ブロック612において、コントローラは、第一負荷の第一電圧(例えば、「V1」)及び第二負荷の第二電圧(例えば、「V2」)に少なくとも部分的に基づいて主デューティサイクル値「D1」を決定することを含む動作を実行し、ここでデューティサイクル値は非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータに対する最大効率及び最小電力変換を達成することができる。第一負荷の第一電圧(例えば、「V1」)及び第二負荷の第二電圧(例えば、「V2」)に少なくとも部分的に基づいて主デューティサイクル値「D1」を決定することは、第一負荷の第一電圧(例えば、「V1」)、第二負荷の第二電圧(例えば、「V2」)、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの第一部分にわたって測定された第一電圧(例えば、「Va」)、及び非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの第二部分にわたって測定された第二電圧(例えば、「Vb」)に少なくとも部分的に基づいて、主デューティサイクル値「D1」を決定することを含みうる。第一負荷の第一電圧(例えば、「V1」)及び第二負荷の第二電圧(例えば、「V2」)に少なくとも部分的に基づいて主デューティサイクル値「D1」を決定することは、主デューティサイクル値「D1」を、第一負荷の第一電圧(例えば、「V1」)、第二負荷の第二電圧(例えば、「V2」)、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの第二部分にわたって測定された第二電圧(例えば、「Vb」)、及び非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの第三部分にわたって測定された第三電圧(例えば、「Vc」)に基づいて決定することを含むことができる。
【0069】
ブロック614において、コントローラは、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを決定された主デューティサイクル値「D1」に設定することを含む動作を実行することができる。
【0070】
図6Cは、方法600のブロック606において、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御するためにコントローラ(例えば、コントローラ330b、450)により実行され得る方法620を例示する。
【0071】
図6Cの方法620を参照すると、ブロック622において、コントローラは、第一負荷の第一電圧(例えば、「V1」)と、第一負荷の第一電圧(例えば、「負荷350のV1」)と第二負荷の第二電圧(例えば、「負荷360のV2」)との差、に少なくとも部分的に基づいて、第一負荷(例えば、負荷350)と関連付けられる第一昇圧制御デューティサイクル「D1」を決定することを含む動作を実行することができる。
【0072】
ブロック624において、コントローラは、第二負荷の第二電圧(例えば、「V2」)と、第一負荷の第一電圧(例えば、「負荷350のV1」)と第二負荷の第二電圧(例えば、「負荷360のV2」)との差、に少なくとも部分的に基づいて、第二負荷(例えば、負荷360)と関連付けられる第二昇圧制御デューティサイクル「D2」を決定することを含む動作を実行することができる。
【0073】
ブロック626において、コントローラは、決定された第一昇圧制御デューティサイクルD1及び決定された第二昇圧制御デューティサイクルD2に従って非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの分割昇圧部を制御することを含む動作を実行してもよい。
【0074】
図6Dは、方法600のブロック606において、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御するためにコントローラ(例えば、コントローラ330b、450)により実行され得る方法630を示す図である。
【0075】
図6Dの方法630を参照すると、ブロック632において、コントローラは、第一負荷の第一電圧(例えば、負荷350の「V1」)が第二負荷の第二電圧(例えば、負荷360の「V2」)に加算された結果を正の制御値として決定することを含む動作を実行し得る。
【0076】
ブロック634において、コントローラは、第一負荷の第一電圧(例えば、負荷350の「V1」)から第二負荷の第二電圧(例えば、負荷360の「V2」)が減算された結果を負の制御値として決定することを含む動作を実行することができる。
【0077】
ブロック636において、コントローラは、正の制御値から負の制御値を減算した差に少なくとも部分的に基づいて、第一負荷(例えば、負荷350)に関連する第一昇圧制御デューティサイクル「D1」を決定することを含む動作を実行してもよい。
【0078】
ブロック638において、コントローラは、正の制御値と負の制御値を加算した和に少なくとも部分的に基づいて、第二負荷(例えば、負荷360)に関連する第二昇圧制御デューティサイクル「D2」を決定することを含む動作を実行してもよい。
【0079】
ブロック640において、コントローラは、決定された第一昇圧制御デューティサイクル「D1」及び決定された第二昇圧制御デューティサイクル「D2」に従って非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの分割昇圧部を制御することを含む動作を実行してもよい。
【0080】
図7A~7Dは、集合的に、様々な実施形態による、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ400、及び500などの非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御する例示的動作を示す制御ロジック図である。図7A~7Dは、差分コントローラ、飽和を有する基準追跡コントローラ、最小/最大(min/max)コントローラ、分割コントローラなどの制御モジュール702~754の特定の配置を図示する。図7A~7Dの制御モジュール702~754の特定の配置は、図6A~6Dの非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ400、及び500などの非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルを制御する方法600、610、620、及び630の実装例を表す場合がある。様々な実施形態において、制御モジュール702~754は、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実装されてもよい。
【0081】
図7Aは、主デューティサイクル「D」を出力する降圧制御の制御構成を示す図である。差分コントローラ702は、「Va」と、「V1」以下の基準電圧「Vref1」と、の差分を出力する。その値は、飽和を有する基準追跡コントローラ706に出力され、その結果得られた値は最小/最大コントローラ710に出力される。差分コントローラ704は、「Vb」と、「V2」以下の基準電圧「Vref2」と、の差分を出力する。その値は、飽和を有する基準追跡コントローラ708に出力され、その結果得られた値は最小/最大コントローラ710に出力される。そして、最小/最大コントローラ710は、飽和を有する基準追跡コントローラ706、及び708が出力する値から、最大効率と最小電力変換を実現する主デューティサイクル「D」を出力する。図7Aに示される制御方法は、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの損失を最小化しつつ、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ400、及び500などの非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの効率を最大化し得る。
【0082】
図7Bは、主デューティサイクル「D」を出力する降圧制御の他の制御構成を示す図である。コントローラ720は、「V1」を「Vc」で除算し、コントローラ722は、「V2」を「Vb」で除算してもよい。コントローラ720、及び722から得られた商は、最小/最大コントローラ710に出力されてもよい。そして、最小/最大コントローラ710は、コントローラ720、722が出力した値から得られる、最大効率と最小電力変換を実現する主デューティサイクル「D」を出力する。
【0083】
図7Cは、図7A及び図7Bのいずれかの構成で動作し得る昇圧分割出力制御の制御構成を示す図である。図7Cの構成では、差分コントローラ730と、飽和を有する基準追跡コントローラ736の一つの制御チェーンが「V1」を制御し、差分コントローラ734と飽和を有する基準追跡コントローラ740の別の制御チェーンが「V2」を制御し、差分コントローラ732と飽和を有する基準追跡コントローラ738の第三の制御チェーンが「V1」「V2」間の差分を制御して、他の制御チェーンの出力を加算又は減算して不均衡負荷に対して確実に制御を実現させる。具体的には、基準電圧「Vref1」とフィードバック電圧「V1」は差分コントローラ730に供給され、その結果は飽和を有する基準追跡コントローラ736に供給される。基準電圧「Vref2」とフィードバック電圧「V2」は差分コントローラ734に供給され、その結果は飽和を有する基準追跡コントローラ740に供給される。基準電圧「(V1-V2)_ref」とフィードバック電圧「(V1-V2)_fb」は差分コントローラ732に供給され、その結果は飽和を有する基準追跡コントローラ738に供給される。差分コントローラ742によって、飽和を有する基準追跡コントローラ738の出力が、飽和を有する基準追跡コントローラ736の出力から減算され、第一昇圧制御デューティサイクル「D1」の出力が生成される。飽和を有する基準追跡コントローラ738の出力は、コントローラ744によって飽和を有する基準追跡コントローラ740の出力に加算され、第二昇圧制御デューティサイクル「D2」の出力が生成される。
【0084】
図7Dは、図7A及び図7Bの構成のいずれかで動作し得る昇圧分割出力制御の別の制御構成を示す図である。図7Cの構成では、「V1」を「V2」に加算すること、及び、「V1」から「V2」を減算すること、で昇圧を制御することができる。基準電圧「(V1+V2)_ref」とフィードバック電圧「(V1+V2)_fb」は差分コントローラ750に供給され、その結果は飽和を有する基準追跡コントローラ754に供給される。基準電圧「(V1-V2)_ref」とフィードバック電圧「(V1-V2)_fb」は差分コントローラ732に供給され、その結果は飽和を有する基準追跡コントローラ738に供給される。差分コントローラ742によって、飽和を有する基準追跡コントローラ754の出力が、飽和を有する基準追跡コントローラ738の出力から減算され、第一昇圧制御デューティサイクル「D1」の出力が生成される。飽和を有する基準追跡コントローラ754の出力は、コントローラ744によって飽和を有する基準追跡コントローラ738の出力に加算され、第二昇圧制御デューティサイクル「D2」の出力が生成される。
【0085】
例として、様々な実施形態による、非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータ400、及び500などの非絶縁型SIDO双方向昇降圧DC-DCコンバータの降圧デューティサイクルの制御の、SOFCシステム320などの電源による「V」の出力はDC320~480Vであってもよい。「V1」がDC390V、「V2」がDC390Vの場合は、負荷が均衡し、降圧が必要ないため主デューティサイクル「D1」は1でよい。負荷350の電力「P1」が無負荷で、負荷360の電力「P2」が100%のように負荷が均衡せず、「V」がDC400Vに達すると、「Va」がDC0V、「Vb」がDC400Vとなり昇圧が制御不能になる。昇圧制御を行う場合は、「Vb」がDC390Vを超えないように降圧動作させることができる。昇圧制御は、「D1」が1、「D2」が0となり、「D」が0.975となるように設定することができる。これにより、昇圧はスイッチングを停止し、降圧は「V2」の制御を開始する。また、降圧制御により、VbがDC390Vに達しない限り、Dを1として動作し、負荷が不均衡な状態でも最大限の効率を確保することができる。同様に、反対側の負荷が不均衡な場合(例えば、「Vb」がDC0V、「Va」がDC400Vの場合)、降圧は「V1」の制御を開始する。
【0086】
実施形態において、エネルギー貯蔵システム、エネルギー貯蔵システム技術、及びエネルギー貯蔵システム技術管理システムの機能は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、及び前述の任意の組み合わせで実装され得る。一実施形態において、ハードウェアは、エネルギー貯蔵システム、エネルギー貯蔵システム技術、及び/又はエネルギー貯蔵システム技術管理システムの特定の機能を実装するために設計された回路を含んでもよい。実施形態において、ハードウェアは、エネルギー貯蔵システム、エネルギー貯蔵システム技術、及び/又はエネルギー貯蔵システム技術管理システムの機能を実装するための命令で構成されたプログラマブル処理デバイスを含んでもよい。
【0087】
前述の方法の説明及びプロセスフロー図は、単に例示として提供され、様々な実施形態のステップが提示された順序で実行されなければならないことを要求又は暗示することを意図していない。当業者であれば理解できるように、前述の実施形態におけるステップの順序は、どのような順序で実行されてもよい。さらに、「その後」、「次に」などの言葉は、ステップの順序を限定することを意図したものではなく、これらの言葉は、方法の説明を通じて読者を導くために単に使用されている。
【0088】
一つ又は複数のブロック/フロー図が、例示的な実施形態を説明するために使用されている。ブロック/フロー図の使用は、実行される操作の順序に関して制限することを意図していない。例示的な実施形態の前述の説明は、例示及び説明の目的で提示された。開示された正確な形態に関して網羅的又は限定的であることは意図されておらず、上記の教示に照らして修正及び変形が可能であり、又は開示された実施形態の実践から獲得することが可能である。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義されることが意図されている。
【0089】
制御要素は、特定の機能を実行するための命令でプログラムされたプロセッサ、メモリ、及び他のコンポーネントを含むコンピューティングデバイス(コンピュータなど)を使用して実装してもよいし、特定の機能を実行するために設計されたプロセッサで実装してもよい。プロセッサは、本明細書に記載された様々な実施形態の機能を含む様々な機能を実行するためにソフトウェア命令(アプリケーション)によって構成することができる任意のプログラム可能なマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ又はマルチプロセッサチップ又はチップであってよい。いくつかのコンピューティングデバイスでは、複数のプロセッサが提供される場合がある。一般的に、ソフトウェアアプリケーションは、プロセッサにアクセスしロードされる前に、内部メモリに格納される場合がある。いくつかのコンピューティングデバイスでは、プロセッサは、アプリケーションソフトウェア命令を格納するのに十分な内部メモリを含んでもよい。
【0090】
本明細書に開示された実施形態に関連して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又は両者の組み合わせとして実装され得る。このハードウェアとソフトウェアの互換性を明確に説明するために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、及びステップを、その機能性の観点から一般的に上述してきた。このような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、特定のアプリケーションとシステム全体に課された設計上の制約に依存する。熟練した技術者は、説明した機能を、各特定の用途に応じて様々な方法で実装することができるが、そのような実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱を引き起こすと解釈されるべきではない。
【0091】
本明細書に開示された態様に関連して説明された様々な例示的論理、論理ブロック、モジュール、及び回路を実装するために使用されるハードウェアは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲート又はトランジスタ論理、離散ハードウェア部品、又は本明細書に説明された機能を実行するように設計された任意の組み合わせで実装又は実行されてもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、その代わりに、従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンのいずれであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた一つ以上のマイクロプロセッサ、又は他のそのような構成として実装されてもよい。あるいは、いくつかのブロックやメソッドは、所定の機能に特化した回路によって実行されてもよい。
【0092】
開示された実施形態の前述の説明は、当業者であれば誰でも、説明された実施形態を製造又は使用できるようにするために提供される。これらの実施形態に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般的な原理は、開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用することができる。したがって、本発明は、本明細書に示された実施形態に限定されることを意図するものではなく、以下の請求項と本明細書に開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えるものである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
【外国語明細書】