(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183407
(43)【公開日】2022-12-09
(54)【発明の名称】省エネルギー減速走行制御方法
(51)【国際特許分類】
B60W 30/18 20120101AFI20221202BHJP
B60T 7/12 20060101ALI20221202BHJP
【FI】
B60W30/18
B60T7/12 B
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2022109396
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】301001199
【氏名又は名称】渡邉 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】渡邉雅弘
【テーマコード(参考)】
3D241
3D246
【Fターム(参考)】
3D241BA46
3D241BB07
3D241BC01
3D241CC01
3D241CC08
3D241CE04
3D241CE05
3D241DB01Z
3D241DB02Z
3D241DB05Z
3D246AA08
3D246AA09
3D246DA01
3D246EA03
3D246EA05
3D246GA19
3D246GA20
3D246HA86A
3D246HB25A
3D246JB03
3D246JB12
3D246JB32
(57)【要約】
【課題】車両の目標減速・停止地点への惰性走行主体の省エネルギー減速走行の主要な課題を解決・軽減して実用化を可能にする。
【解決手段】一定の速度範囲で走行中の車両の交差点あるいは横断歩道等の目標減速・停止地点への減速走行を、惰性走行移行許容範囲内速度での目標減速・停止地点上流一定距離の地点からの惰性走行と、それに継続する制動走行(あるいは定速走行および制動走行)、の組み合わせを基本として行う。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
惰性走行移行可能速度範囲(vcmin~vcmax)内で走行している車両において、目標減速・停止地点上流前記惰性走行移行可能速度範囲上限速度(vcmax)での惰性走行可能距離範囲内の一定距離 dr地点から惰性走行を開始し、目標減速・停止地点上流距離
db=v2/(2・αb)の制動走行移行地点で惰性走行から制動走行に移行して目標減速停止地点に到達すること、
但し惰性走行中速度が惰性走行移行可能速度範囲下限速度vcminに到達した時点・地点で、目標減速・停止地点までの残距離dが、
d>{vcmin2/(2・αb)}場合は、残距離dが d={vcmin2/(2・αb)}に達するまでの間は速度v=vcminでの定速走行を行う、また惰性走行移行可能速度範囲内速度vcで惰性走行に移行した後の車両速度vが速度vc以上となる場合は、残距離dが d={vc2/(2・αb)}に達するまでの間は惰性走行から速度vcを保っての通常走行に移行して走行する、ことを特徴とする省エネルギー減速走行制御方法。
ここで αb:制動減速度
v:惰性走行移行後の車両速度、但し vcmin ≤ v ≤ vcmax
である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、車両減速時に車両の有している運動エネルギーを効率的・効果的に車両の減速走行に活用する、従来の制動装置(ブレーキ)は勿論、回生協調ブレーキによる減速走行に比べても、運動エネルギー利用効率に優れた、省エネルギー減速走行制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
走行中の車両の減速に際し、減速開始直前時に車両の有している運動エネルギーを最も有効に減速走行に活用することができる走行形態は惰性走行である。
但し惰性走行は無条件で運動エネルギーの有効利用になるわけではない。
たとえば
図1に示す如く速度(vc+Δv)から速度(vc-Δv)の間(距離d11間)惰性走行し、その後速度(vc-Δv)から速度(vc+Δv)までの間(距離d12間)加速した場合には、この間の走行距離d1(=d11+d12)を速度vcでの走行と同一の運動エネルギー消費、即ち速度vcでの定速走行と同一運動エネルギー消費、となり、省エネルギー走行とはならない。
これに対して
図2に示すごとき単位走行区間走行において、P4からP6までの間制動減速度αbでの減速走行においてはP4-P6間距離が運動エネルギーEvcでの走行距離、P3からP5までの惰性走行減速度αiでの惰性走行と、P5からP6までの制動減速度αbでの制動走行のP3-P5-P6間距離が運動エネルギーEvcでの走行距離となり、P3-P4間距離が惰性走行による省エネルギー走行距離となる。
即ち、目標減速停止点P6に対して、その上流惰性走行可能地点P3からの惰性走行とそれに継続する速度vbからの制動走行によって減速走行開始直前に車両の有していた運動エネルギーEvc=(m・vc
2/2)を有効利用した省エネルギー減速走行が可能となる。
すなわち、減速・停止の固定目標地点(交差点、横断歩道等の徐行地点、走行路前方の障害物等)が特定された場合、車両の有している運動エネルギーを最大限活用した惰性走行可能距離を算出し、前記目標地点の上流惰性走行可能距離内にある地点からの惰性走行によって目標減速・停止地点まで走行する省エネルギー・低CO2排出減速走行が可能になる。
【0003】
ただし上記惰性走行距離による惰性走行実行に際しては、
1)惰性走行開始地点が目標減速・停止地点から数百m以上も上流地点になる、即ち惰性走行距離が過大になる。
2)従って、この間の平均走行速度が、惰性走行移行前の走行速度(定速走行速度)に比べて大きく低下する。
3)また前記惰性走行距離の特定には車両個々の、その時点での、惰性走行減速度の特定、従って走行抵抗の特定、が必要であるが、これを個々の車両において事前に必要精度で得ることは実質的には困難である。、
4)惰性走行移行後の道路状態等の走行環境変化、例えば道路勾配変化、による惰性走行速度変動、への対応。
等の問題がある。
【0004】
上記1)、2)の問題に対しては、目標減速・停止地点までの減速走行を惰性走行と制動走行の効率的・効果的な組み合わせによる方法が考えられている。(特許文献1、特許文献2、特許文献3)即ち、惰性走行開始速度をvc、惰性走行終了速度をvbとすると、惰性走行開始時、および惰性走行終了時(制動走行開始時)の車両の有する運動エネルギーEc、Ebは各々(数1)、(数2)、であらわされる。
(数1)
Ec=m・vc2/2
(数2)
Eb=m・vb2/2
ここで m:車両(搭乗者を含む)質量。
従って惰性走行開始速度vc ~ 惰性走行終了速度vbの(惰性走行の)間の運動エネルギー利用効率 ηcbは、
(数3)
ηcb=(vc2 – vb2)/vc2
また前記惰性走行の間の平均速度vcbは、
(数4)
vcb≒(vc+vb)/2
となる。
従って、例えばvc=60km/h、vb=30km/hとすると、
ηcb=0.75
vcb≒45km/h
とすることができる。
即ち、vc、vbを適切に設定することによって上記惰性走行による減速走行は、運動エネルギー利用効率、および惰性走行の間の平均速度、共に許容範囲内とすることができることがわかる。
【0005】
しかし上記 3)の惰性走行距離の特定に関しては、特許文献1、特許文献2、特許文献3の方法いずれも、暫定的に惰性走行距離を設定しそれを実惰性走行によって学習・補正する方法を示しているが、いずれの方法共、実用に際してその学習・補正およびその結果に基づく制御が煩雑であるという問題を有している。
【0006】
一方、減速をすべて制動走行で行う従来の減速走行の場合は、前記惰性走行による減速走行距離長大化の問題は無くなるが、運動エネルギー利用効率は大きく低減する。
また運動エネルギーを回生して、後の走行に活用する回生協調制動走行においても、運動エネルギーの一部は併用する摩擦制動によって消費されること、あるいは回生制動による回生電力も、回生電力蓄積用大容量二次電池パワー密度の特性不足あるいは温度特性等から、充電効率が十分に得られないこと等、運動エネルギー利用効率は惰性走行に比べて劣るという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013-177126
【特許文献2】特開2019-034734
【特許文献3】特許第6788942号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願発明は、走行中の車両の有する運動エネルギーを惰性走行主体の減速走行に活かすことの最大の問題点である、前記 1)減速走行距離の長大化、2)減速走行距離が長大化する結果としての減速走行の間の平均走行速度低下、3)惰性走行減速度の正確な特定・制御の煩雑さ、および 4)惰性走行中の走行環境変化、の各問題を、合理的かつ簡易に解決あるいは軽減することによって従来の回生協調制動による運動エネルギー活用による方法にも総合的に勝る惰性走行を主体とした省エネルギー減速走行制御方法を提供するものである。
【0009】
ここで、惰性走行とは車両駆動源動力の駆動輪への伝達を遮断あるいは疎とした走行を言う。(但し、前記車両駆動原動力は必ずしも停止する必要はない。例えばガソリンエンジン車においてエンジンを停止する即ちフューエルカットする必要は、必ずしも、ない。アイドリング状態に保つことでも、惰性走行の間の燃料消費量の低減により相応の省エネルギー効果は得られる。)
また、車両駆動源動力の駆動輪への伝達を完全に遮断しなくても(即ちクラッチカットしなくても)、例えば、MT4速時のアクセルオフ状態を“擬似惰性走行”とした車両駆動源動力の駆動輪への伝達を疎とした形態でも、相応の省エネルギー効果は得られる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下に、
図3を用いて、本願発明の基本的考え方を説明する。
図3において、直線P4-P6は、走行速度vcmaxでの定速走行車両の、地点P4から地点P6に向けての制動減速度αb での制動減速直線を示している。
即ち速度vcmaxで定速走行中の車両は、通常は地点P4まで定速走行し、地点P4から制動減速度αbで停止点P6に向けて制動走行する。 この結果速度vcmax で走行中の車両の有する運動エネルギーは、地点P4-P6間の制動走行ですべて消費され、この間の車両の運動エネルギー車両走行への利用効果、即ち走行距離は地点P4-P6間距離のみとなる。
これに対して本発明による省エネルギー減速走行は、惰性走行移行許容速度範囲、即ち速度vcmin~速度vcmax の範囲、内で走行中の車両は地点P6から一定距離dr上流の地点P3において、通常走行(加速走行あるいは定速走行)状態から(減速のための)惰性走行状態に移行する。
【0011】
速度vcmin~速度vcmaxの惰性走行移行許容速度範囲内で地点P3を通過して惰性走行する車両は、
図3に示す如く、速度vcmin以上では惰性走行を、速度vcminに到達後は速度vcminでの定速走行を制動開始地点P4まで行い、それ以降は制動減速度αbの制動走行で目標減速・停止地点P6に到達する。
ここで地点P5-地点P6間距離は速度vcmin から速度0までの制動走行距離即ち
db=(vcmin
2/(2・αb))である。
また、地点P3を速度vcmin未満で通過する車両は、制動減速直線P4―P6までの間地点P3通過時の速度を保って定速走行を継続する。
【0012】
また地点P3において、惰性走行移行速度vcで通常走行から惰性走行に移行後、何らかの原因(例えば道路勾配等)で惰性走行速度が、惰性走行移行速度vc以上となる場合は、惰性走行を中止して通常走行に移行しての速度vcでの走行を制動走行移行地点(目標減速停止地点から距離db={vc2/(2・αb)})まで行いそれ以降は減速度αbでの制動走行で地点P6に到達する。
【0013】
ここで地点P3~地点P6間距離drは、運動エネルギー利用効率の観点からは、速度vcmaxでの惰性走行可能距離であることが望ましいが、惰性走行移行許容速度上限値vcmaxでの惰性走行主体の減速走行の運動エネルギー利用効率、あるいは惰性走行の間の平均速度、がいずれも許容範囲内にあれば、必ずしも惰性走行可能距離である必要はない。
即ち前記問題3)は、暫定惰性走行距離の実走行による学習・補正を惰性走行のたびに行うことなく、事前に暫定的に特定した惰性走行開始地点P3からの惰性走行結果が、運動エネルギー利用効率および惰性走行の間の平均速度が前記許容範囲内に収まるのであれば、速度vcmin ~ 速度vcmaxにおける惰性走行開始地点P3を地点P6からの一定距離dr上流地点とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
この結果、本発明によって、惰性走行主体の減速走行に際しての惰性走行可能距離を、特許文献1、特許文献2、特許文献3に示される如くに、暫定惰性走行距離を設定しての実惰性走行による学習・更新・制御の如く必ずしも正確に特定・制御する必要はなくなる。
但しこの場合は、前記の如く、惰性走行による運動エネルギーの利用効率あるいはこの間の走行速度を許容範囲内である程度犠牲にすることになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】本願発明による省エネルギー減速走行制御方法の基本的考え方説明図
【
図4】本願発明による省エネルギー減速走行制御支援装置における処理手順例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本願発明による省エネルギー減速走行制御方法は、経路探索・誘導機能を有する現状のカーナビゲーション装置の一部改良で実現可能である。
具体的には、出発地において目的地までの経路探索を行い、その結果から、出発地から目的地までの(複数の)単位走行区間を特定し、各単位走行区間における目標減速・停止地点位置情報を特定・取得するとともに、各単位走行区間における車両の周期的な速度情報・位置情報の取得結果から車両現在位置-前記目標減速停止地点間の距離情報を得て前記惰性走行あるいは制動走行支援を行う機能を有する必要がある。
【0017】
また、本願発明は、上記の如く、現行のガソリン/ディーゼル 車あるいはEV等電動車の
手動操作車両(ドライバーによって運転される車両)への上記現行カーナビゲーションシステムの一部改良による省エネルギー減速走行制御方法およびその支援装置として有効であるが、自動運転車への適用も勿論可能である。
【実施例0018】
図4に本願発明による省エネルギー減速走行制御方法およびその支援装置における処理手順例を示す。
但し本手順例は、一単位走行区間内走行を意図している車両が目標減速・停止地点を特定した後、惰性走行主体の減速走行に移行してのち目標減速・停止地点で停止する間の手順に限定したものである。
また、この処理手順の間、車両速度および車両現在位置情報は、バックグラウンドにおいて、必要な頻度・精度で周期的に特定されるものとする。
【0019】
図4において、
401は、本手順例開始点、
402は、車両の(次の)目標減速・停止点位置(
図3 P6地点)が特定されているか否かを判定するP6地点特定済判定処理、
403は処理402で、目標減速・停止地点(P6地点)が未だ特定されていないと判定された場合、P4地点を特定するP4地点特定処理、
404は、P6地点上流一定距離drである惰性走行移行地点を特定するdr特定処理、
405は車両現在位置-P4間距離d を算出・特定するd 算出・特定処理、
406は、処理404で特定した距離drと、処理405で算出・特定した距離d を比較して惰性走行移行可否を判定する惰性走行移行可否判定処理、
407は、処理406で惰性走行移行可否判定が“否”となった場合通常走行(加速走行あるいは定速走行)を行う通常走行処理、
【0020】
408は、処理406で惰性走行移行可否判定が“可”となった場合車両速度vが惰性走行移行可能速度範囲vcmin~vcmax内か否かを判定する惰性走行移行速度判定処理、
409は、処理408で車両速度vが惰性走行移行可能速度範囲内であると判定された場合、即ち v=vcである場合、惰性走行に移行あるいは惰性走行を継続する惰性走行処理、
410は、車両速度が惰性走行移行速度vcを超えているか否かを判定するv>vc判定処理、
411は、処理410で車両速度vが v>vc と判定された場合、惰性走行を止めて速度v=vcでの定速走行に移行する定速走行移行処理、
412は、処理411の結果、地点P6までの残距離d が vc
2/(2・αb) 以下の制動走行移行距離になったか否かを判定する制動走行移行可否判定処理、
413は、車両現在位置のP6までの距離d が現速度v での制動を開始すべき距離
d≦{v
2/(2・αb)}に達したか否かを判定する制動開始判定処理A、
414は、処理413と同様、車両現在位置のP6までの距離d が制動を開始すべき距離db≦
{v
2/(2・αb)}に達したか否かを判定する制動開始判定処理B、
415は、処理414で車両現在位置のP6までの距離d が制動を開始すべき距離dbに未達と判定された場合、速度vcminで定速走行を行う、vcmin定速走行処理、
416は、処理413あるいは処理414で、車両現在位置のP6までの距離d が現行速度vからの制動を開始すべき距離db≦{v
2/(2・αb)}に達したと判定された場合、制動減速度αbの制動を行う制動走行処理、
417は、処理416による制動走行の結果、車両現在位置のP6までの距離d がd=0 即ち目標減速・停止点位置(
図3 P6地点)に到達したか否かを判定する目標減速・停止点位置到達判定処理、
418は、処理417で判定した目標減速・停止点位置が本走行の、最終目的地か否かを判定する、最終目的地判定処理、
419は、処理418で最終目的地に到達したと判定した場合、本処理手順を終了する本処理手順終了点、
である。
上記1)、2)の問題に対しては、目標減速・停止地点までの減速走行を惰性走行と制動走行の効率的・効果的な組み合わせによる方法が考えられている。(特許文献1、特許文献2、特許文献3)即ち、惰性走行開始速度をvc、惰性走行終了速度をvbとすると、惰性走行開始時、および惰性走行終了時(制動走行開始時)の車両の有する運動エネルギーEc、Ebは各々(数1)、(数2)、であらわされる。
(数1)
Ec=m・vc2/2
(数2)
Eb=m・vb2/2
ここで m:車両(搭乗者を含む)質量。
従って惰性走行開始速度vc ~ 惰性走行終了速度vbの(惰性走行の)間の運動エネルギー利用効率 ηcbは、
(数3)
ηcb=(vc2
-vb2)/vc2
また前記惰性走行の間の平均速度vcbは、
(数4)
vcb≒(vc+vb)/2
となる。
従って、例えばvc=60km/h、vb=30km/hとすると、
ηcb=0.75
vcb≒45km/h
とすることができる。
即ち、vc、vbを適切に設定することによって上記惰性走行による減速走行は、運動エネルギー利用効率、および惰性走行の間の平均速度、共に許容範囲内とすることができることがわかる。
上記1)、2)の問題に対しては、目標減速・惰性走行までの減速走行を惰性走行と制動走行の効率的・効果的な組み合わせによる方法が考えられている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。即ち、惰性走行開始速度をvc、惰性走行終了速度をvbとすると、惰性走行開始時、および惰性走行終了時(制動走行開始時)の車両の有する運動エネルギーEc 、Ebは各々(数1)、(数2)であらわされる。
(数1)
Ec=m・vc2/2
(数2)
Eb=m・vb2/2
ここでm:車両(搭乗者を含む)質量
したがって惰性走行開始速度vc ~惰性走行終了速度vbの(惰性走行の)間の運動エネルギー利用効率ηcbは、
(数3)
ηcb­­=(vc
2
―vb
2
)/vc
2
また前記惰性走行間の平均速度vcbは、
vcb≒(vc+vb)/2
となる。
従って、例えばvc=60km/h、vb=30km/hとすると、
ηcb­­=0.75
vcb≒45km/h
とすることができる。
即ち、vc、vbを適切に設定することによって上記惰性走行による減速走行は、運動エネルギー利用効率および惰性走行の間の平均速度、共に許容範囲内にすることができることがわかる。