(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183425
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】バッゲージクリーナ装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
A61L2/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090736
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】519236192
【氏名又は名称】▲高▼山 正文
(71)【出願人】
【識別番号】521235752
【氏名又は名称】田村 慎太朗
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼山 正文
(72)【発明者】
【氏名】田村 慎太朗
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA25
4C058BB06
4C058DD16
4C058EE02
4C058EE22
4C058KK02
4C058KK22
(57)【要約】
【課題】バッゲージ全体を簡易かつ確実に清潔な状態にすることができるバッゲージクリーナ装置を提供する。
【解決手段】キャリーケースなどのバッゲージXの外面全体に紫外線を照射するバッゲージクリーナ装置は、箱型の装置本体1と、装置本体の内面に設けられた紫外線照射部2と、装置本体1の前面に設けられた扉部3と、バッゲージXを載置する載置台4とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッゲージの外面全体に紫外線を照射するバッゲージクリーナ装置であって、
前記バッゲージが収納され、内面の前後左右上下の6面に紫外線照射部を設けた箱型の装置本体と、
前記装置本体の前面に開閉自在設けられた扉部と、
前記扉部を介して前後方向に進退し、前記バッゲージを載置する載置台と
を備えることを特徴とするバッゲージクリーナ装置。
【請求項2】
請求項1記載のバッゲージクリーナ装置において、
前記載置台は網状の載置面を有し、該載置面を介して下面の紫外線照射部から該バッゲージの下面に紫外線が照射されることを特徴とするバッゲージクリーナ装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のバッゲージクリーナ装置において、
前面の紫外線照射部は、前記扉部の裏面に設けられることを特徴とするバッゲージクリーナ装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか1項記載のバッゲージクリーナ装置において、
前記扉部に該扉部の開閉を検知する開閉検知部を有し、
前記開閉検知部により前記扉部の閉状態である場合に、前記紫外線照射部により紫外線が照射されることを特徴とするバッゲージクリーナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッゲージの外面全体に紫外線を照射するバッゲージクリーナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャリーケースのキャスターに対して洗浄や殺菌処理を行うことによりキャスターの汚れを除去する装置が提案されている(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来のものは、主としてキャスター回りの汚れを除去することはできるが、ケース本体の外面を含めたキャリーケース全体に付着する汚れを除去することを主眼とするものはない。そのため、キャリーケース全体の除菌を行うために、装置内に除菌洗浄液を噴霧する必要が生じ、装置全体が大掛かりなものとなると共に、キャリケースなどのバッケージに除菌洗浄液が付着して濡れてしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、バッゲージ全体を簡易かつ確実に清潔な状態にすることができるバッゲージクリーナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明のバッゲージクリーナ装置は、バッゲージの外面全体に紫外線を照射するバッゲージクリーナ装置であって、
前記バッゲージが収納され、内面の前後左右上下の6面に紫外線照射部を設けた箱型の装置本体と、
前記装置本体の前面に開閉自在設けられた扉部と、
前記扉部を介して前後方向に進退し、前記バッゲージを載置する載置台と
を備えることを特徴とする。
【0007】
第1発明のバッゲージクリーナ装置によれば、紫外線照射部が装置本体の内面の前後左右上下の6面すべてに設けられる。そのため、装置本体に収納されたバッゲージに対して6面方向すべてから紫外線照射することができ、バッゲージの外面全体を簡易かつ確実に清潔な状態にすることができる。
【0008】
第2発明のバッゲージクリーナ装置は、第1発明において、
前記載置台は網状の載置面を有し、該載置面を介して下面の紫外線照射部から該バッゲージの下面に紫外線が照射されることを特徴とする。
【0009】
第2発明のバッゲージクリーナ装置によれば、載置台を網状の載置面により構成することで、載置面により下面からの紫外線照射が遮られることなく、バッゲージの下面にも紫外線を確実に照射することができる。
【0010】
第3発明のバッゲージクリーナ装置は、第1または第2発明のバッゲージクリーナ装置において、
前面の紫外線照射部は、前記扉部の裏面に設けられることを特徴とする。
【0011】
第3発明のバッゲージクリーナ装置によれば、前面の紫外線照射部を扉部の裏面に設けることで、扉部をも設けた場合にも、前面からバッゲージの前面に確実に紫外線を照射することができる。
【0012】
第4発明のバッゲージクリーナ装置は、第1~第3発明のいずれかにおいて、
前記扉部に該扉部の開閉を検知する開閉検知部を有し、
前記開閉検知部により前記扉部の閉状態である場合に、前記紫外線照射部により紫外線が照射されることを特徴とする。
【0013】
第4発明のバッゲージクリーナ装置によれば、扉部に開閉検知部を設け、扉部が閉状態の場合に紫外線照射部により紫外線照射可能に構成することで、扉部が開いた状態で紫外線が照射されることを回避することができ、装置本体に収納されたバッゲージのみに確実に紫外線を照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態バッゲージクリーナ装置の外観を示す説明図。
【
図2】
図1のバッゲージクリーナ装置の内部を示す説明図。
【
図3】
図1のバッゲージクリーナ装置の作動説明図。
【
図4】本実施形態のバッゲージクリーナ装置の変更例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示すように、本実施形態のバッゲージクリーナ装置は、キャリーケースなどのバッゲージXの外面全体に紫外線を照射するバッゲージクリーナ装置であって、箱型の装置本体1と、装置本体の内面に設けられた紫外線照射部2と、装置本体1の前面に設けられた扉部3と、バッゲージXを載置する載置台4とを備える。
【0016】
装置本体1は、大きさの異なる各種バッゲージが収納可能(キャリケースのS、M、Lのいずれのサイズも収納可能)な筐体である。
【0017】
装置本体1の前面上部には、操作用スイッチとして、スタートボタン11と、原点復帰ボタン12と、非常停止ボタン13とが設けられている。なお、これら操作用のスイッチは、押し込み式のボタンスイッチであってもよいが、ボタンへの接触を避けるために、非接触式のタッチセンサスイッチを採用することが望ましい。
【0018】
図2Aに示すように、装置本体1は、金属製のフレーム10にパネルを貼り付けた構造となっている。
【0019】
図2Bに示すように、紫外線照射部2は、装置本体1の内面の前後左右上下の6面に、それぞれ設けられた前面紫外線照射部21と、後面紫外線照射部22と、左面紫外線照射部23と、右面紫外線照射部24と、上面紫外線照射部25と、下面紫外線照射部26とを備える。
【0020】
図2Cに示すように、扉部3は、載置台4の前後方向への進退動作に連動して開閉する一対の観音扉であって、扉部3の裏面(装置本体の内面側)には、それぞれ前面紫外線照射部21が設けられている。
【0021】
また、扉部3には、閉状態で扉部3が接触する位置にマグネット付きの扉センサ31(
図2A参照。本発明の開閉検知部に相当する)が設けられており、扉センサ31を介して、扉部3の開閉状態が検知可能に構成されている。
【0022】
載置台4は、網状の載置面41と、載置面41を前側で立設して支持する前支持部42と、載置面41を後側で支持する後支持部43とを有する。
【0023】
前支持部42には接地面との間にキャスターが設けられ、後支持部43は、駆動モータ44により、タイミングベルト45を介して支持軸46に対して進退自在に支持されている。
【0024】
また、支持軸46の少なくとも前端部には、後支持部43との接近を検知して載置台4の前進停止を指示する接近センサが設けれている。なお、載置台4の後退時には、初期位置への後退であるため、接近センサは不要であるが、支持軸46の後端部にも接近センサを設けてもよい。
【0025】
なお、扉部3は、後支持部43に扉連結アーム47を介して連結されて、後支持部43の進退動作に合わせて、扉部3が開閉動作するように構成される。
【0026】
また、本実施形態のバッゲージクリーナ装置において、載置台4のほか、装置本体1の上部にハンガーポールを横渡しに設けて、バッゲージXに加えてまたは代えて、バック等のクリーニングを可能に構成してもよい。
【0027】
以上がバッゲージクリーナ装置の構成である。
【0028】
次に、
図3を参照して、バッゲージクリーナ装置の動作について説明する。
【0029】
ユーザが、(A)スタートボタン11をONすると、駆動モータ44が駆動して、扉部3が開状態となり、載置台4が前方へ移動して待機状態となる。
【0030】
かかる待機状態では、載置台4が装置本体1の前面よりも突出した位置となっている。
ため、載置台4へのキャリケースなど積み込みの際に、装置本体1の前面パネルや上面パネルが邪魔になることもない。
【0031】
次に、(B)載置台4にキャリケースなどのクリーニング対象物であるバッケージXを載置して、スタートボタンをONにする。これにより載置台4が後方に移動して装置本体1内に収納されると共に、これに連動して扉部3が閉状態となる。
【0032】
そして、(C)扉部3が完全に閉じて、バッケージXが載置された載置台4が所定の収納位置に達すると、紫外線照射部2により紫外線照射が開始される。
【0033】
このとき、紫外線照射部2は、装置本体1の内面の前後左右上下の6面に、それぞれ設けられた前面紫外線照射部21と、後面紫外線照射部22と、左面紫外線照射部23と、右面紫外線照射部24と、上面紫外線照射部25と、下面紫外線照射部26とから対象物であるバッケージXに紫外線が照射される。このため、バッケージXの外表面全体に対して、所望の照射強度で紫外線を照射することができる。
【0034】
ここで、バッケージXの底面と、下面紫外線照射部26との間には、載置台4があるため、下面紫外線照射部26からの照射光が載置台4により遮られかねないが、載置台4の載置面41を網状とすることで、下面紫外線照射部26からの照射光がバッケージXの底面に確実に照射することができる。
【0035】
なお、本実施形態では、載置面41を装置本体1のフレームに対してスライドする縦格子で構成したが、下面紫外線照射部26からの照射光がバッケージXの底面に照射されれば、網状のほか、紫外線透過ガラスや樹脂(紫外線劣化しないもの)などであってもよい。
【0036】
また、前面紫外線照射部21は、一対の扉部3の裏面にそれぞれ配置されているので、開閉する扉部3の部分を避けて紫外線照射部を設置した場合には、照射に斑が生じ得るところ、このような斑が生じることもない。
【0037】
次に、(D)所定の紫外線照射線量となる照射時間が経過すると(約20秒間の照射後)、紫外線照射部2の照射が終了し、扉部3が再び開状態に移行すると共に、これに連動して載置台4が前方に移動して、クリーニングが完了したバッケージXが取り出せる状態となる。
【0038】
なお、この場合にも(バッケージXの載置の場合と同様に)載置台4全体が装置本体1の前面パネルより前方まで突出した状態であるため、バッケージXを真上に持ち上げた場合にもバッケージXが前面パネルや上面パネルと干渉することがなく、容易に取り出すことができる。
【0039】
なお、これら一連の基本動作の過程において、当該バッゲージクリーナ装置の動作を停止させたい場合には、非常停止ボタン13をONさせることで、どの動作状態においても動作を停止するように構成されている。
【0040】
また、これら一連の基本動作において、当該バッゲージクリーナ装置の動作を終了してバッゲージXを取り出したい場合には、非常停止ボタン13をONさせて動作を停止させた上で原点復帰ボタン12をONすることで、どの動作状態からも待機状態に復帰するように構成されている。
【0041】
以上詳しく説明したように本実施形態のバッゲージクリーナ装置によれば、装置本体1に収納されたバッゲージXに対して6面方向すべてから紫外線照射することができ、バッゲージXの外面全体を簡易かつ確実に清潔な状態にすることができる。
【0042】
次に、
図4を参照して、本実施形態のバッゲージクリーナ装置の変更例について説明する。なお、同一構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0043】
図4Aに示すように、変更例では、載置台4´がリフト台座41´により構成され、リフト台座41´は、例えば、リフトアーム43´からなるリンク機構により昇降可能に構成される。
【0044】
図4Bに示すように、リフト台座41´は、リフトアーム43´の一端に連結されたリンク42´に支持されて、リフトアーム43´の他端が上下方向の往復運動に連動してリンク42´が円弧状に回転運動することで、リフト台座41´がリフトアップまたはリフトダウンされる。
【0045】
なお、リフトアーム43´の他端には、例えば、2本のリフトアーム43´を横一線に連結した連結部が設けられ、該連結部が駆動モータなどにより上下方向に変位するように構成されている。
【0046】
このように構成された本実施形態のバッゲージクリーナ装置の変更例によれば、
図4A~
図4Cに示すように、クリーニング対象のバッゲージXを、そのキャスタ間にリフト台座41´が位置するようにスライドして配置するだけで、リフト台座41´が昇降するため、バッゲージXを持ち上げる必要がない。
【0047】
なお、本実施形態のバッゲージクリーナ装置の変更例においても、ハンガーポールを併せて設けてもよい。また、この場合に、ハンガーポール5は、リフト台座41´の動きと連動させて装置本体1から突出位置および収納位置の間を変位させてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1…装置本体、2…紫外線照射部、3…扉部、4…載置台、5…ハンガーポール、11…スタートボタン、12…原点復帰ボタン、13…非常停止ボタン、21…前面紫外線照射部、22…後面紫外線照射部、23…左面紫外線照射部、24…右面紫外線照射部、25…上面紫外線照射部、26…下面紫外線照射部、31…扉センサ(開閉検知部)、41…載置面、41´…リフト台座、42…前支持部、42´…リンク、43…後支持部、43´…リフトアーム、44…駆動モータ、45…タイミングベルト、46…支持軸、47…扉連結アーム、X…バッゲージ(キャリケース)。