(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183450
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】送風システム、集中制御装置、送風装置
(51)【国際特許分類】
F24F 11/54 20180101AFI20221206BHJP
F24F 11/80 20180101ALI20221206BHJP
F24F 11/74 20180101ALI20221206BHJP
F24F 11/52 20180101ALI20221206BHJP
【FI】
F24F11/54
F24F11/80
F24F11/74
F24F11/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090769
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】末広 善文
(72)【発明者】
【氏名】岩川 幹生
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AA20
3L260BA01
3L260BA74
3L260FA03
3L260FA04
3L260FA07
3L260GA30
3L260JA12
(57)【要約】
【課題】離れた位置に存在する複数のユーザに対する臨場感を向上する技術を提供する。
【解決手段】第1送風装置100aは、第1空調空間20aに空調空気を供給する。第2送風装置100bは、第2空調空間20bに空調空気を供給する。集中制御装置500は、第1送風装置100aと第2送風装置100bにネットワーク400を介して接続される。集中制御装置500は、空調空気の温度と空調空気の風量の指示を第1送風装置100aと第2送風装置100bとに送信する。第1送風装置100aと第2送風装置100bは、集中制御装置500から受信した指示に応じて、空調空気の温度と空調空気の風量を制御する。第2送風装置100bに対する指示は、第1送風装置100aに対する指示に合わされる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1空調空間に空調空気を供給する第1送風装置と、
前記第1空調空間とは異なる第2空調空間に空調空気を供給する第2送風装置と、
前記第1送風装置と前記第2送風装置にネットワークを介して接続される集中制御装置とを備え、
前記集中制御装置は、前記空調空気の温度と前記空調空気の風量の指示を前記第1送風装置と前記第2送風装置とに送信し、
前記第1送風装置と前記第2送風装置は、前記集中制御装置から受信した前記指示に応じて、前記空調空気の温度と前記空調空気の風量を制御し、
前記第2送風装置に対する前記指示は、前記第1送風装置に対する前記指示に合わされる送風システム。
【請求項2】
第1温度および第1風量を有する第1気流と、第2温度および第2風量を有する第2気流とを混合した第1混合気流を第1空調空間に供給する第1送風装置と、
第3温度および第3風量を有する第3気流と、第4温度および第4風量を有する第4気流とを混合した第2混合気流を、前記第1空調空間とは異なる第2空調空間に供給する第2送風装置と、
前記第1送風装置と前記第2送風装置にネットワークを介して接続される集中制御装置とを備え、
前記集中制御装置は、前記第1温度と前記第1風量と前記第2温度と前記第2風量の第1指示を前記第1送風装置に送信し、前記第3温度と前記第3風量と前記第4温度と前記第4風量の第2指示を前記第2送風装置に送信し、
前記第1送風装置は、前記集中制御装置から受信した前記第1指示に応じて、前記第1温度と前記第1風量と前記第2温度と前記第2風量を制御し、
前記第2送風装置は、前記集中制御装置から受信した前記第2指示に応じて、前記第3温度と前記第3風量と前記第4温度と前記第4風量を制御し、
前記第2送風装置に対する前記第2指示における前記第3温度と前記第3風量と前記第4温度と前記第4風量は、前記第1送風装置に対する前記第1指示における前記第1温度と前記第1風量と前記第2温度と前記第2風量にそれぞれ合わされる送風システム。
【請求項3】
前記第1空調空間における前記第1混合気流の下流側に配置される第1運動装置と、
前記第2空調空間における前記第2混合気流の下流側に配置される第2運動装置とをさらに備える請求項2に記載の送風システム。
【請求項4】
第1温度および第1風量を有する第1気流と、第2温度および第2風量を有する第2気流とを混合した第1混合気流を第1空調空間に供給する第1送風装置と、
前記第1空調空間における前記第1混合気流の下流側に配置される第1運動装置と、
第3温度および第3風量を有する第3気流と、第4温度および第4風量を有する第4気流とを混合した第2混合気流を、前記第1空調空間とは異なる第2空調空間に供給する第2送風装置と、
前記第2空調空間における前記第2混合気流の下流側に配置される第2運動装置と、
前記第1送風装置と前記第1運動装置と前記第2送風装置と前記第2運動装置とにネットワークを介して接続される集中制御装置とを備え、
前記集中制御装置は、前記第1運動装置から受信した運動に関する情報に応じて、前記第1温度と前記第1風量と前記第2温度と前記第2風量を決定し、前記第1温度と前記第1風量と前記第2温度と前記第2風量の第1指示を前記第1送風装置に送信し、
前記集中制御装置は、前記第2運動装置から受信した運動に関する情報に応じて、前記第3温度と前記第3風量と前記第4温度と前記第4風量を決定し、前記第3温度と前記第3風量と前記第4温度と前記第4風量の第2指示を前記第2送風装置に送信し、
前記第1送風装置は、前記集中制御装置から受信した前記第1指示に応じて、前記第1温度と前記第1風量と前記第2温度と前記第2風量を制御し、
前記第2送風装置は、前記集中制御装置から受信した前記第2指示に応じて、前記第3温度と前記第3風量と前記第4温度と前記第4風量を制御する送風システム。
【請求項5】
前記第1空調空間に向かって第1映像を表示する第1映像表示装置と、
前記第2空調空間に向かって第2映像を表示する第2映像表示装置とをさらに備え、
前記集中制御装置は、前記第1指示に同期した前記第1映像を前記第1映像表示装置に表示させ、前記第2指示に同期した前記第2映像を前記第2映像表示装置に表示させ、
前記第1映像と前記第2映像は同一である請求項2から4のいずれか1項に記載の送風システム。
【請求項6】
第1空調空間に空調空気を供給する第1送風装置と、前記第1空調空間とは異なる第2空調空間に空調空気を供給する第2送風装置とにネットワークを介して接続される集中制御装置であって、
前記集中制御装置は、前記空調空気の温度と前記空調空気の風量の指示を前記第1送風装置と前記第2送風装置とに送信し、
前記第2送風装置に対する前記指示は、前記第1送風装置に対する前記指示に合わされる集中制御装置。
【請求項7】
第1温度および第1風量を有する第1気流を供給する第1気調ユニットと、
第2温度および第2風量を有する第2気流を供給する第2気調ユニットと、
ネットワークを介して集中制御装置に接続される制御部とを備え、
前記制御部は、前記第1温度と前記第1風量と前記第2温度と前記第2風量の指示を前記集中制御装置から受信すると、前記指示に応じて、前記第1温度と前記第1風量と前記第2温度と前記第2風量を制御することによって、前記第1気流と前記第2気流とを混合した混合気流を空調空間に供給する送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、送風技術に関し、特に複数の空調空間に気流を送出する送風システム、集中制御装置、送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像表示装置に送風機を備え、視聴者が見ている画面を挟んで互いに離れた箇所にある送風口から画面の中央に向けて気流を送風し、これらの気流を互いに衝突させることで、画面から前方に向けて気流を送出する画像表示装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の画像表示装置は、気流の温度を制御しておらず、ユーザに対して気流が吹き出されるという状況の臨場感(体感性)を十分に提供できているとはいえない可能性がある。さらなる臨場感(体感性)の向上、特に離れた位置に存在する複数のユーザに対する臨場感の向上が求められる。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、離れた位置に存在する複数のユーザに対する臨場感を向上する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の送風システムは、第1空調空間に空調空気を供給する第1送風装置と、第1空調空間とは異なる第2空調空間に空調空気を供給する第2送風装置と、第1送風装置と第2送風装置にネットワークを介して接続される集中制御装置とを備える。集中制御装置は、空調空気の温度と空調空気の風量の指示を第1送風装置と第2送風装置とに送信し、第1送風装置と第2送風装置は、集中制御装置から受信した指示に応じて、空調空気の温度と空調空気の風量を制御し、第2送風装置に対する指示は、第1送風装置に対する指示に合わされる。
【0007】
本開示の別の態様もまた、送風システムである。この送風システムは、第1温度および第1風量を有する第1気流と、第2温度および第2風量を有する第2気流とを混合した第1混合気流を第1空調空間に供給する第1送風装置と、第3温度および第3風量を有する第3気流と、第4温度および第4風量を有する第4気流とを混合した第2混合気流を、第1空調空間とは異なる第2空調空間に供給する第2送風装置と、第1送風装置と第2送風装置にネットワークを介して接続される集中制御装置とを備える。集中制御装置は、第1温度と第1風量と第2温度と第2風量の第1指示を第1送風装置に送信し、第3温度と第3風量と第4温度と第4風量の第2指示を第2送風装置に送信し、第1送風装置は、集中制御装置から受信した第1指示に応じて、第1温度と第1風量と第2温度と第2風量を制御し、第2送風装置は、集中制御装置から受信した第2指示に応じて、第3温度と第3風量と第4温度と第4風量を制御し、第2送風装置に対する第2指示における第3温度と第3風量と第4温度と第4風量は、第1送風装置に対する第1指示における第1温度と第1風量と第2温度と第2風量にそれぞれ合わされる。
【0008】
本開示のさらに別の態様もまた、送風システムである。この送風システムは、第1温度および第1風量を有する第1気流と、第2温度および第2風量を有する第2気流とを混合した第1混合気流を第1空調空間に供給する第1送風装置と、第1空調空間における第1混合気流の下流側に配置される第1運動装置と、第3温度および第3風量を有する第3気流と、第4温度および第4風量を有する第4気流とを混合した第2混合気流を、第1空調空間とは異なる第2空調空間に供給する第2送風装置と、第2空調空間における第2混合気流の下流側に配置される第2運動装置と、第1送風装置と第1運動装置と第2送風装置と第2運動装置とにネットワークを介して接続される集中制御装置とを備える。集中制御装置は、第1運動装置から受信した運動に関する情報に応じて、第1温度と第1風量と第2温度と第2風量を決定し、第1温度と第1風量と第2温度と第2風量の第1指示を第1送風装置に送信し、集中制御装置は、第2運動装置から受信した運動に関する情報に応じて、第3温度と第3風量と第4温度と第4風量を決定し、第3温度と第3風量と第4温度と第4風量の第2指示を第2送風装置に送信し、第1送風装置は、集中制御装置から受信した第1指示に応じて、第1温度と第1風量と第2温度と第2風量を制御し、第2送風装置は、集中制御装置から受信した第2指示に応じて、第3温度と第3風量と第4温度と第4風量を制御する。
【0009】
本開示のさらに別の態様は、集中制御装置である。この装置は、第1空調空間に空調空気を供給する第1送風装置と、第1空調空間とは異なる第2空調空間に空調空気を供給する第2送風装置とにネットワークを介して接続される集中制御装置であって、集中制御装置は、空調空気の温度と空調空気の風量の指示を第1送風装置と第2送風装置とに送信し、第2送風装置に対する指示は、第1送風装置に対する指示に合わされる。
【0010】
本開示のさらに別の態様は、送風装置である。この装置は、第1温度および第1風量を有する第1気流を供給する第1気調ユニットと、第2温度および第2風量を有する第2気流を供給する第2気調ユニットと、ネットワークを介して集中制御装置に接続される制御部とを備える。制御部は、第1温度と第1風量と第2温度と第2風量の指示を集中制御装置から受信すると、指示に応じて、第1温度と第1風量と第2温度と第2風量を制御することによって、第1気流と第2気流とを混合した混合気流を空調空間に供給する。
【0011】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、離れた位置に存在する複数のユーザに対する臨場感を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施例1に係る送風システムを使用した運動支援システムの構成を示す図である。
【
図2】
図1の第1ルームユニットの構成を示す図である。
【
図3】
図1、
図2の第1ルームユニットの機能ブロックの構成を示す図である。
【
図5】
図5(a)-(b)は、
図4の第1吹出口と第2吹出口の構成を示す図である。
【
図6】
図1の集中制御装置の機能ブロックの構成を示す図である。
【
図7】実施例2に係る送風システムを使用した運動支援システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施例1)
本開示の実施例を具体的に説明する前に、実施例の概要を説明する。本実施例は、複数の送風装置を集中制御装置により制御する送風システムに関する。複数のルームユニットのそれぞれには送風装置と映像表示装置と運動装置が設置されており、ユーザは、映像表示装置に表示される映像を見ながら、運動装置により運動を実行する。その際、送風装置は、映像に合わせて気流の温度と風量を調節し、気流を運動装置に向かって供給する。これにより、ユーザは、映像と気流による臨場感を得ながら運動を実行可能である。さらに、複数のルームユニットのそれぞれにおける映像と気流のタイミングを合わせることによって、複数のルームユニットが離れた位置に存在していても、各ユーザは、同一の臨場感により一体感を得ることができる。以下の説明において、風量とは、単位時間、例えば1時間あたりの風量を示す。
【0015】
以下に説明する実施例は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示す。よって、以下の実施例で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、並びに、ステップ(工程)およびステップの順序などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。したがって、以下の実施例における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0016】
図1は、送風システム1000を使用した運動支援システムの構成を示す。送風システム1000は、送風装置100と総称される第1送風装置100a、第2送風装置100b、映像表示装置200と総称される第1映像表示装置200a、第2映像表示装置200b、運動装置300と総称される第1運動装置300a、第2運動装置300b、ネットワーク400、集中制御装置500を含む。
【0017】
第1送風装置100a、第1映像表示装置200a、第1運動装置300aは、第1ルームユニット10aに設置され、第2送風装置100b、第2映像表示装置200b、第2運動装置300bは、第2ルームユニット10bに設置される。第1ルームユニット10a、第2ルームユニット10bは、ルームユニット10と総称される。ここでは、ルームユニット10の数、送風装置100の数、映像表示装置200の数、運動装置300の数が「2」とされているが、これらの数は「3」以上であってもよい。
【0018】
第1ルームユニット10aは、送風システム1000において空調制御がなされる空間であり、第1空調空間20a、第1気調空間22aを含む。第1空調空間20aには第1運動装置300aが配置され、第1気調空間22aには第1送風装置100aが設置される。第1送風装置100aは、第1空調空間20aに空調空気を供給する。第1気調空間22aあるいは第1空調空間20aには第1映像表示装置200aが配置されており、第1映像表示装置200aは映像(以下、「第1映像」という)を第1空調空間20aに向かって表示する。これより、第1空調空間20aのユーザは、第1映像表示装置200aに表示される第1映像を視聴し、かつ第1送風装置100aからの空調空気を受けながら、第1運動装置300aを使用して運動する。
【0019】
第2ルームユニット10bは、第1ルームユニット10aと同様に構成され、第2空調空間20b、第2気調空間22bを含む。第2空調空間20bには第2運動装置300bが配置され、第2気調空間22bには第2送風装置100bが設置される。第2送風装置100bは、第2空調空間20bに空調空気を供給する。第2気調空間22bあるいは第2空調空間20bには第2映像表示装置200bが配置されており、第2映像表示装置200bは映像(以下、「第2映像」という)を第2空調空間20bに向かって表示する。ここで、第1映像と第2映像とは同一の内容の映像である。これより、第2空調空間20bのユーザは、第2映像表示装置200bに表示される第2映像を視聴し、かつ第2送風装置100bからの空調空気を受けながら、第2運動装置300bを使用して運動する。
【0020】
第1送風装置100a、第1映像表示装置200a、第2送風装置100b、第2映像表示装置200bは、ネットワーク400を介して集中制御装置500に接続される。集中制御装置500は、第1映像を第1映像表示装置200aに送信するとともに、空調空気の温度と空調空気の風量の指示(以下、「第1指示」という)を第1送風装置100aに送信する。第1映像には、第1映像を再生すべきタイミングに関する指示が含まれており、第1映像表示装置200aは、当該タイミングに合わせて第1映像を再生して表示する。また、第1送風装置100aは、集中制御装置500から受信した第1指示に応じて、空調空気の温度と空調空気の風量を制御する。
【0021】
集中制御装置500は、第2映像を第2映像表示装置200bに送信するとともに、空調空気の温度と空調空気の風量の指示(以下、「第2指示」という)を第2送風装置100bに送信する。第2映像にも、第2映像を再生すべきタイミングに関する指示が含まれており、第2映像表示装置200bは、当該タイミングに合わせて第2映像を再生して表示する。また、第2送風装置100bは、集中制御装置500から受信した第2指示に応じて、空調空気の温度と空調空気の風量を制御する。
【0022】
ここで、第1映像と第2映像は同一であり、かつ第2映像を再生すべきタイミングは、第1映像を再生すべきタイミングに合わされる。すなわち、第2映像を再生すべきタイミングは、第1映像を再生するタイミングを基準にして決められており、第1映像と第2映像のタイミングは同期している。また、第2指示は、第1指示に合わされる。すなわち、第2指示は、第1指示を基準にして決められており、第1指示と第2指示のタイミングは同期している。このような処理において、第1ルームユニット10aと第2ルームユニット10bでは、同一の映像が同期して表示されながら、空調空気の温度と空調空気の風量が同期して制御される。
【0023】
まず、
図2と
図3を使用して、第1ルームユニット10aの概略構成を説明する。第2ルームユニット10bも第1ルームユニット10aと同様に構成される。
図2は、第1ルームユニット10aの構成を示す。
図3は、第1ルームユニット10aの機能ブロックの構成を示す。
図2以降の図面では、映像表示装置200を正面から見た状態で左右を規定して説明する。
【0024】
第1ルームユニット10aはボックス型の部屋であり、ユーザUが運動するための第1空調空間20aと、第1空調空間20aに対して第1送風装置100aから供給する空調空気を生成して貯蔵するための第1気調空間22aとを有する。このような第1ルームユニット10aにおいて、ユーザUは、第1映像表示装置200aに映し出される映像(風景あるいは状況等)に応じた臨場感(体感性)のある環境内で、継続的な運動を楽しみながら第1運動装置300aを使用する。
【0025】
第1空調空間20aの中央には、第1運動装置300a(例えば、自転車エルゴメータ)が設置され、第1空調空間20aの壁面であって、かつ第1運動装置300aの前方の壁面には、第1映像表示装置200aと第1送風装置100aが設けられる。また、第1運動装置300aの後方の壁面には、第1空調空間20aへの出入口となるドア12が設けられる。
【0026】
第1気調空間22aには、第1送風装置100aと第1映像表示装置200aが設置される。第1送風装置100aは、気調ユニット110と総称される第1気調ユニット110a、第2気調ユニット110b、制御部112を含む。第1気調ユニット110aは、第1気調部130a、第1送風機140aを含み、第1気調部130aは、第1空調装置132a、第1調湿装置134aを含む。第2気調ユニット110bは、第2気調部130b、第2送風機140bを含み、第2気調部130bは、第2空調装置132b、第2調湿装置134bを含む。第1気調部130a、第2気調部130bは、気調部130と総称され、第1空調装置132a、第2空調装置132bは、空調装置132と総称され、第1調湿装置134a、第2調湿装置134bは、調湿装置134と総称され、第1送風機140a、第2送風機140bは、送風機140と総称される。
【0027】
気調ユニット110は、空調装置132と調湿装置134によって、内部における空気の温度および湿度を所定の条件に調節する。ここで、空調装置132は、気調ユニット110の内部における空気を取り込んで、取り込んだ空気の温度制御を行って気調ユニット110の内部に送出する。調湿装置134は、気調ユニット110の内部における空気を取り込んで、取り込んだ空気の湿度制御を行って気調ユニット110の内部に送出する。その結果、気調ユニット110の内部には、所定の条件(温度および湿度)となった空調空気が貯蔵される。この空調空気は、第1空調空間20aに対して供給するための空気である。送風部120は、気調ユニット110によって調節された空調空気を送風部120に送出する。
【0028】
さらに具体的に説明すると、第1空調装置132aによって温度制御がなされ、かつ第1調湿装置134aによって湿度制御がなされた空調空気が第1気調ユニット110aに貯蔵される。第1送風機140aは、第1気調ユニット110aの空調空気をダクト(図示せず)を流通させて第1送風部120aに送出する。また、第2空調装置132bによって温度制御がなされ、かつ第2調湿装置134bによって湿度制御がなされた空調空気が第2気調ユニット110bに貯蔵される。第2送風機140bは、第2気調ユニット110bの空調空気をダクト(図示せず)を流通させて第2送風部120bに送出する。
【0029】
略矩形状の第1映像表示装置200aの両端に設けられた第1送風部120a、第2送風部120bのそれぞれは、空調空気を気流として第1映像表示装置200aの表示面の中央部分に流す。これらの気流は衝突してから、映像表示装置200の表示面の前方に向けて送出される。
【0030】
制御部112は、ネットワーク400(
図1)を介して集中制御装置500(
図1)に接続される。制御部112は、第1温度と第1風量と第1湿度と第2温度と第2風量と第2湿度の第1指示を集中制御装置500から受信する。制御部112は、第1温度を第1空調装置132aに設定し、第1湿度を第1調湿装置134aに設定し、第1風量を第1送風機140aに設定する。第1空調装置132a、第1調湿装置134a、第1送風機140aは、設定にしたがって動作するので、第1気調ユニット110aは、第1温度および第1風量および第1湿度を有する空調空気を第1気流として供給する。
【0031】
制御部112は、第2温度を第2空調装置132bに設定し、第2湿度を第2調湿装置134bに設定し、第2風量を第2送風機140bに設定する。第2空調装置132b、第2調湿装置134b、第2送風機140bは、設定にしたがって動作するので、第2気調ユニット110bは、第2温度および第2風量および第2湿度を有する空調空気を第2気流として供給する。第1気流と第2気流は第1混合気流として混合され、第1混合気流が第1空調空間20aに供給される。
【0032】
次に、
図4および
図5(a)-(b)も使用しながら、第1送風装置100aから送出される第1混合気流を説明する。
図4は、第1送風装置100aの構成を示す。
図5(a)-(b)は、第1吹出口152aと第2吹出口152bの構成を示す。
図5(a)は、第1送風装置100aに形成された第1吹出口152a、第2吹出口152bが含まれるように、映像表示装置200の表示面220と平行な面で第1送風装置100aを切断した概略断面図である。
図5(b)は、第1吹出口152a、第2吹出口152bが含まれるように水平面で第1送風装置100aを切断した概略断面図である。
【0033】
第1映像表示装置200aは、例えば、様々な映像あるいは文字を表示する情報媒体であるデジタルサイネージ等の大型の表示画面を有する。本実施例における第1映像表示装置200aは、集中制御装置500から受信した運動支援プログラム(例えば、自然の中をサイクリングする映像プログラム)に応じた第1映像を表示する。第1映像表示装置200aの両端には、第1送風部120a、第2送風部120bが設置され、第1送風部120a、第2送風部120bは、表示面220を挟んで対向する位置からそれぞれ表示面220と略平行な向きに気流(第1気流30a、第2気流30b)を吹き出す。
【0034】
具体的に説明すると、第1送風装置100aは、第1映像表示装置200aの筐体210の一辺である左辺に設置される第1吹出部材150aと、左辺と対向する筐体210の他辺である右辺に設置される第2吹出部材150bとを備える。
【0035】
第1吹出部材150aは、第1送風部120aの筐体である。また、第1吹出部材150aでは、筐体210の左辺より右辺に向く第一方向に、表示面220に対して略平行に第1気流30aを吹き出す第1吹出口152aが形成される。特に、第1吹出部材150aには、第1吹出口152aより吹き出される第1気流30aを水平方向に調整するための第1ルーバ156aが複数設けられる。また、第1吹出部材150aの内部には、第1空気導通路154aが形成されており、第1空気導通路154aは、第1吹出口152aと連通する。第1吹出部材150a(第1送風部120a)の後方の流路には、第1送風機140aが設けられる。第1送風機140aから第1空気導通路154aへ空調空気を送風することにより、空調空気が、第1空気導通路154aを介して第1吹出口152aより第1気流30aとして吹き出される。
【0036】
第2吹出部材150bは、第2送風部120bの筐体である。また、第2吹出部材150bでは、筐体210の右辺より左辺に向く第二方向に、表示面220に対して略平行に第2気流30bを吹き出す第2吹出口152bが形成される。特に、第2吹出部材150bには、第2吹出口152bより吹き出される第2気流30bを水平方向に調整するための第2ルーバ156bが複数設けられる。また、第2吹出部材150bの内部には、第2空気導通路154bが形成されており、第2空気導通路154bは、第2吹出口152bと連通する。第2吹出部材150b(第2送風部120b)の後方の流路には、第2送風機140bが設けられる。第2送風機140bから第2空気導通路154bへ空調空気を送風することにより、空調空気が、第2空気導通路154bを介して第2吹出口152bより第2気流30bとして吹き出される。
【0037】
ここで、
図5(a)-(b)を参照しながら、第1送風装置100aの動作原理について説明する。まず、第1吹出口152aおよび第2吹出口152bによって表示面220の前方に向けて気流(第1気流30aおよび第2気流30b)が送出される動作原理について説明する。
【0038】
第1吹出口152aより、筐体210の左辺から右辺に向く第一方向に、表示面220に対して略平行に空気が吹き出されると、吹き出された空気は、コアンダ効果による誘引現象によって表示面220に沿って第1気流30aを形成する。コアンダ効果とは、吹き出された空気と表示面220との間に負圧領域が発生し、吹き出された空気が負圧領域側に誘引される現象である。また、第2吹出口152bより、筐体210の右辺から左辺に向く第二方向に、表示面220に対して略平行に空気が吹き出されると、吹き出された空気は、コアンダ効果による誘引現象によって表示面220に沿って第2気流30bを形成する。
【0039】
第1吹出口152aおよび第2吹出口152bは対向しており、第1吹出口152aによって形成された第1気流30aと、第2吹出口152bによって形成された第2気流30bとは、表示面220の前面領域32で衝突する。衝突した第1気流30aと第2気流30bは、表示面220が壁となって、その表示面220から前方に押し出され、第1混合気流34aとして送出される。第1空調空間20aにおける第1混合気流34aの下流側には、第1運動装置300aが配置される。
【0040】
第1送風装置100a(および第2送風装置100b)は、本実施例の形態に限定されない。例えば、第1気流30aおよび第2気流30bは、表示面220に沿わず、表示面220から離れる方向、例えば第1運動装置300aが配置される方向に吹き出すようにしてもよい。この場合、第1気流30aと第2気流30bの衝突位置は、表示面220から離れた位置となる。
【0041】
あるいは、第1吹出口152aおよび第2吹出口152bから吹き出す第1気流30aと第2気流30bを混合させる混合チャンバを設けてもよい。この場合、第1気流30aと第2気流30bを混合させた後、混合チャンバに設けた吹出口から第1混合気流34aが吹き出される。
【0042】
前述のごとく、第2ルームユニット10bも第1ルームユニット10aと同様に構成される。第2ルームユニット10bの第2送風装置100bは、第1気調ユニット110aの代わりに第3気調ユニットを有し、第2気調ユニット110bの代わりに第4気調ユニットを有し、第1送風部120aの代わりに第3送風部を有し、第2送風部120bの代わりに第4送風部を有する。
【0043】
第3気調ユニットは、第1気調部130aの代わりに第3気調部を有し、第1送風機140aの代わりに第3送風機を有し、第3気調部は、第1空調装置132aの代わりに第3空調装置を有し、第1調湿装置134aの代わりに第3調湿装置を有する。また、第1吹出部材150a、第1吹出口152a、第1空気導通路154a、第1ルーバ156aの代わりに、第3吹出部材、第3吹出口、第3空気導通路、第3ルーバがそれぞれ配置される。
【0044】
第4気調ユニットは、第2気調部130bの代わりに第4気調部を有し、第2送風機140bの代わりに第4送風機を有し、第4気調部は、第2空調装置132bの代わりに第4空調装置を有し、第2調湿装置134bの代わりに第4調湿装置を有する。また、第2吹出部材150b、第2吹出口152b、第2空気導通路154b、第2ルーバ156bの代わりに、第4吹出部材、第4吹出口、第4空気導通路、第4ルーバがそれぞれ配置される。
【0045】
第2送風装置100bの制御部は、ネットワーク400(
図1)を介して集中制御装置500(
図1)に接続される。制御部は、第1温度と第1風量と第1湿度と第2温度と第2風量と第2湿度の第1指示の代わりに、第3温度と第3風量と第3湿度と第4温度と第4風量と第4湿度の第2指示を集中制御装置500から受信する。制御部は、第3温度を第3空調装置に設定し、第3湿度を第3調湿装置に設定し、第3風量を第3送風機に設定する。第3空調装置、第3調湿装置、第3送風機は、設定にしたがって動作するので、第3気調ユニットは、第3温度および第3風量および第3湿度を有する空調空気を第3気流として供給する。
【0046】
制御部は、第4温度を第4空調装置に設定し、第4湿度を第4調湿装置に設定し、第4風量を第4送風機に設定する。第4空調装置、第4調湿装置、第4送風機は、設定にしたがって動作するので、第4気調ユニットは、第4温度および第4風量および第4湿度を有する空調空気を第4気流として供給する。第3気流と第4気流は第2混合気流として混合され、第2混合気流が第2空調空間20bに供給される。また、第2空調空間20bにおける第2混合気流の下流側に第2運動装置300bが配置される。
【0047】
図6は、集中制御装置500の機能ブロックの構成を示す。集中制御装置500は、通信部510、制御部512、記憶部514を含む。通信部510は、第1送風装置100aと第2送風装置100bにネットワーク400(
図1)を介して接続される。
【0048】
記憶部514は、運動支援プログラム(例えば、自然の中をサイクリングする映像プログラム)に応じた映像を記憶する。映像には、当該映像を再生すべきタイミングに関する指示が含まれる。記憶部514は、映像の内容の時間変化に合わせて変化する温度の情報を記憶する。第1空調装置132a、第2空調装置132b、第3空調装置、第4空調装置のそれぞれに対する温度の情報は第1温度、第2温度、第3温度、第4温度と呼ばれる。また、記憶部514は、映像の内容の時間変化に合わせて変化する湿度の情報を記憶する。第1調湿装置134a、第2調湿装置134b、第3調湿装置、第4調湿装置のそれぞれに対する湿度の情報は第1湿度、第2湿度、第3湿度、第4湿度と呼ばれる。さらに、記憶部514は、映像の内容の時間変化に合わせて変化する風量の情報を記憶する。第1送風機140a、第2送風機140b、第3送風機、第4送風機のそれぞれに対する風量の情報は第1風量、第2風量、第3風量、第4風量と呼ばれる。ここで、第3温度、第3湿度、第3風量、第4温度、第4湿度、第4風量は、第1温度、第1湿度、第1風量、第2温度、第2湿度、第2風量にそれぞれ合わされる。
【0049】
制御部512は、現在の時間に応じた映像を第1映像として記憶部514から取得する。また、制御部512は、記憶部514から第1温度、第1湿度、第1風量、第2温度、第2湿度、第2風量を取得し、第1温度、第1湿度、第1風量、第2温度、第2湿度、第2風量が含まれた第1指示を生成する。第1指示と第1映像は同期している。
【0050】
制御部512は、現在の時間に応じた映像を第2映像として記憶部514から取得する。第1映像を取得する際の時間と、第2映像を取得する際の時間は同一であるので、第1映像と第2映像は同一である。また、制御部512は、記憶部514から第3温度、第3湿度、第3風量、第4温度、第4湿度、第4風量を取得し、第3温度、第3湿度、第3風量、第4温度、第4湿度、第4風量が含まれた第2指示を生成する。第2指示と第2映像は同期している。
【0051】
通信部510は、ネットワーク400を介して第1送風装置100aに第1指示を送信し、ネットワーク400を介して第1映像表示装置200aに第1映像を送信する。また、通信部510は、ネットワーク400を介して第2送風装置100bに第2指示を送信し、ネットワーク400を介して第2映像表示装置200bに第2映像を送信する。
【0052】
第1送風装置100aは、第1指示を受信すると既に説明した処理を実行し、第1映像表示装置200aは、第1映像を受信すると既に説明した処理を実行する。また、第2送風装置100bは、第2指示を受信すると、第1送風装置100aと同様の処理を実行し、第2映像表示装置200bは、第2映像を受信すると第1映像表示装置200aと同様の処理を実行する。つまり、第2送風装置100bは、集中制御装置500から受信した第2指示に応じて、第3温度、第3湿度、第3風量を有する第3気流と、第4温度、第4湿度、第4風量を有する第4気流とを混合した第2混合気流を、第2空調空間20bに供給する。その結果、第1映像表示装置200aにおいて表示される第1映像のタイミングと、第2映像表示装置200bにおいて表示される第2映像のタイミングとが合わされる。また、第1送風装置100aからの第1混合気流34aと、第2送風装置100bからの第2混合気流との変化のタイミングが合わされる。
【0053】
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0054】
本実施例によれば、第2送風装置100bに対する指示は、第1送風装置100aに対する指示に合わされるので、第2送風装置100bにおける空調空気の温度と風量を、第1送風装置100aにおける空調空気の温度と風量に近くできる。また、第2送風装置100bにおける空調空気の温度と風量が、第1送風装置100aにおける空調空気の温度と風量に近くなるので、離れた位置に存在する複数のユーザに対する臨場感を向上できる。また、第2送風装置100bにおける空調空気の温度と風量が、第1送風装置100aにおける空調空気の温度と風量に近くなるので、離れた位置に存在する複数のユーザに対する一体感を向上できる。
【0055】
また、第2送風装置100bに対する第2指示における第3温度と第3風量と第4温度と第4風量は、第1送風装置100aに対する第1指示における第1温度と第1風量と第2温度と第2風量にそれぞれ合わされるので、第2混合気流34bと第1混合気流34aとにおいて温度と風量を近くできる。また、第2混合気流34bと第1混合気流34aとにおいて温度と風量が近くなるので、離れた位置に存在する複数のユーザに対する臨場感を向上できる。また、第2混合気流34bと第1混合気流34aとにおいて温度と風量が近くなるので、離れた位置に存在する複数のユーザに対する一体感を向上できる。
【0056】
また、第1混合気流34aの下流側に第1運動装置300aを配置し、第2空調空間20bにおける第2混合気流34bの下流側に第2運動装置300bを配置するので、第1混合気流34aおよび第2混合気流34bによる臨場感を各ユーザが体感できる。また、第1混合気流34aの下流側に第1運動装置300aを配置し、第2空調空間20bにおける第2混合気流34bの下流側に第2運動装置300bを配置するので、第1混合気流34aおよび第2混合気流34bによる一体感を各ユーザが体感できる。
【0057】
また、第1指示に同期した第1映像を第1映像表示装置200aが表示し、第2指示に同期した第2映像を第2映像表示装置200bが表示するので、第1映像および第2映像による臨場感を各ユーザが体感できる。また、第1指示に同期した第1映像を第1映像表示装置200aが表示し、第2指示に同期した第2映像を第2映像表示装置200bが表示するので、第1映像および第2映像による一体感を各ユーザが体感できる。
【0058】
本実施例で用いる映像表示装置(第1映像表示装置200a、第2映像表示装置200b)は、様々な形式のものが用いられる。例えば、大型のLCD(Liquid Crystal Display)を用いてもよいし、プロジェクタによる投影画面であってもよい。また、ユーザUが装着するヘッドマウントディスプレイであってもよい。また、第1映像表示装置200a、第2映像表示装置200bは同じ種類の映像表示装置でなくてもよい。
【0059】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の送風システム(1000)は、第1空調空間(20a)に空調空気を供給する第1送風装置(100a)と、第1空調空間(20a)とは異なる第2空調空間(20b)に空調空気を供給する第2送風装置(100b)と、第1送風装置(100a)と第2送風装置(100b)にネットワーク(400)を介して接続される集中制御装置(500)とを備える。集中制御装置(500)は、空調空気の温度と空調空気の風量の指示を第1送風装置(100a)と第2送風装置(100b)とに送信し、第1送風装置(100a)と第2送風装置(100b)は、集中制御装置(500)から受信した指示に応じて、空調空気の温度と空調空気の風量を制御し、第2送風装置(100b)に対する指示は、第1送風装置(100a)に対する指示に合わされる。
【0060】
本開示の別の態様もまた、送風システム(1000)である。この送風システム(1000)は、第1温度および第1風量を有する第1気流(30a)と、第2温度および第2風量を有する第2気流(30b)とを混合した第1混合気流(34a)を第1空調空間(20a)に供給する第1送風装置(100a)と、第3温度および第3風量を有する第3気流と、第4温度および第4風量を有する第4気流とを混合した第2混合気流を、第1空調空間(20a)とは異なる第2空調空間(20b)に供給する第2送風装置(100b)と、第1送風装置(100a)と第2送風装置(100b)にネットワーク(400)を介して接続される集中制御装置(500)とを備える。集中制御装置(500)は、第1温度と第1風量と第2温度と第2風量の第1指示を第1送風装置(100a)に送信し、第3温度と第3風量と第4温度と第4風量の第2指示を第2送風装置(100b)に送信し、第1送風装置(100a)は、集中制御装置(500)から受信した第1指示に応じて、第1温度と第1風量と第2温度と第2風量を制御し、第2送風装置(100b)は、集中制御装置(500)から受信した第2指示に応じて、第3温度と第3風量と第4温度と第4風量を制御し、第2送風装置(100b)に対する第2指示における第3温度と第3風量と第4温度と第4風量は、第1送風装置(100a)に対する第1指示における第1温度と第1風量と第2温度と第2風量にそれぞれ合わされる。
【0061】
第1空調空間(20a)における第1混合気流(34a)の下流側に配置される第1運動装置(300a)と、第2空調空間(20b)における第2混合気流の下流側に配置される第2運動装置(300b)とをさらに備えてもよい。
【0062】
第1空調空間(20a)に向かって第1映像を表示する第1映像表示装置(200a)と、第2空調空間(20b)に向かって第2映像を表示する第2映像表示装置(200b)とをさらに備えてもよい。集中制御装置(500)は、第1指示に同期した第1映像を第1映像表示装置(200a)に表示させ、第2指示に同期した第2映像を第2映像表示装置(200b)に表示させ、第1映像と第2映像は同一であってもよい。
【0063】
本開示のさらに別の態様は、集中制御装置(500)である。この装置は、第1空調空間(20a)に空調空気を供給する第1送風装置(100a)と、第1空調空間(20a)とは異なる第2空調空間(20b)に空調空気を供給する第2送風装置(100b)とにネットワーク(400)を介して接続される集中制御装置(500)であって、集中制御装置(500)は、空調空気の温度と空調空気の風量の指示を第1送風装置(100a)と第2送風装置(100b)とに送信し、第2送風装置(100b)に対する指示は、第1送風装置(100a)に対する指示に合わされる。
【0064】
本開示のさらに別の態様は、送風装置(100)である。この装置は、第1温度および第1風量を有する第1気流(30a)を供給する第1気調ユニット(110a)と、第2温度および第2風量を有する第2気流(30b)を供給する第2気調ユニット(110b)と、ネットワーク(400)を介して集中制御装置(500)に接続される制御部(112)とを備える。制御部(112)は、第1温度と第1風量と第2温度と第2風量の指示を集中制御装置(500)から受信すると、指示に応じて、第1温度と第1風量と第2温度と第2風量を制御することによって、第1気流(30a)と第2気流(30b)とを混合した混合気流を空調空間に供給する。
【0065】
(実施例2)
次に実施例2を説明する。実施例2は、実施例1と同様に、複数の送風装置を集中制御装置により制御する送風システムに関する。実施例1における送風システムでは、複数のルームユニットが離れた位置に存在していても各ユーザに対して同一の臨場感による一体感を与えるために、複数のルームユニットのそれぞれにおける映像と気流のタイミングを合わせている。一方、実施例2では、各ユーザの運動の状況、例えば自転車エルゴメータの車輪を回転させる速度の違いによって、複数のルームユニットのそれぞれにおける映像と気流のタイミングを変化させる。以下では、実施例1との差異を中心に説明する。
【0066】
図7は、送風システム1000を使用した運動支援システムの構成を示す。送風システム1000は、第1送風装置100a、第2送風装置100b、第1映像表示装置200a、第2映像表示装置200b、第1運動装置300a、第2運動装置300b、ネットワーク400、集中制御装置500を含む。第1送風装置100a、第2送風装置100b、第1映像表示装置200a、第2映像表示装置200b、第1運動装置300a、第2運動装置300bは、ネットワーク400を介して集中制御装置500に接続される。
【0067】
実施例1と同様に、第1送風装置100a、第1映像表示装置200a、第1運動装置300aは、第1ルームユニット10aに配置され、第2送風装置100b、第2映像表示装置200b、第2運動装置300bは、第2ルームユニット10bに配置される。また、第1送風装置100a、第2送風装置100b、第1映像表示装置200a、第2映像表示装置200bは、実施例1と同様の構成を有する。第1運動装置300a、第2運動装置300bは、例えば、実施例1と同様の自転車エルゴメータであるが、前述のごとくネットワーク400に接続される。
【0068】
第1ルームユニット10aにおいてユーザが第1運動装置300aを使用する場合、第1運動装置300aは回転数の累積値を計測する。回転数の累積値は、例えば、第1映像表示装置200aにおいて第1映像の表示が開始されるタイミングを起点として、ユーザの運動によって増加しながら更新される。回転数の累積値の計測には公知の技術が使用されればよい。第1運動装置300aは、更新された回転数の累積値(以下、「第1累積値」という)を含む運転に関する情報(以下、「第1運動情報」という)をネットワーク400経由で集中制御装置500に定期的に送信する。自転車エルゴメータの回転数の累積値は、自転車を漕いだ距離に相当し、ユーザUが使用するギアを係数にして算出される。
【0069】
第2ルームユニット10bにおいてユーザが第2運動装置300bを使用する場合、第2運動装置300bは回転数の累積値を計測する。回転数の累積値は、例えば、第2映像表示装置200bにおいて第2映像の表示が開始されるタイミングを起点として、ユーザの運動によって増加しながら更新される。第2運動装置300bは、更新された回転数の累積値(以下、「第2累積値」という)を含む運転に関する情報(以下、「第2運動情報」という)をネットワーク400経由で集中制御装置500に定期的に送信する。
【0070】
集中制御装置500は、
図6と同様の構成を有し、記憶部514は、映像を記憶する。映像では、例えば、複数の画像が時間軸に沿って並べられており、再生すべき画像と累積値の対応関係も記憶部514に記憶される。このような対応関係によって、累積値が増加するほど、時間が経過した画像が再生対象とされる。記憶部514は、映像の内容の時間変化に合わせて変化する温度の情報、湿度の情報、風量の情報を記憶する。温度の情報、湿度の情報、風量の情報も、累積値に対応づけられて構成される。温度の情報、湿度の情報、風量の情報は、これまでと同様に、第1温度、第2温度、・・・、第1湿度、第2湿度、・・・、第1風量、第2風量、・・・と示される。ここでも、第3温度、第3湿度、第3風量、第4温度、第4湿度、第4風量は、第1温度、第1湿度、第1風量、第2温度、第2湿度、第2風量にそれぞれ合わされる。
【0071】
通信部510は、第1運動情報を第1運動装置300aから定期的に受信するとともに、第2運動情報を第2運動装置300bから定期的に受信する。通信部510は、第1運動情報と第2運動情報を制御部512に出力する。制御部512は、第1運動情報を受けつけると、第1運動情報から第1累積値を抽出する。制御部512は、映像のうち、第1累積値に対応した画像を第1映像として記憶部514から取得する。また、制御部512は、第1累積値に対応した第1温度、第1湿度、第1風量、第2温度、第2湿度、第2風量を記憶部514から取得し、第1温度、第1湿度、第1風量、第2温度、第2湿度、第2風量が含まれた第1指示を生成する。第1指示と第1映像は同期している。
【0072】
制御部512は、第2運動情報を受けつけると、第2運動情報から第2累積値を抽出する。制御部512は、映像のうち、第2累積値に対応した画像を第2映像として記憶部514から取得する。そのため、第1累積値と第2累積値が異なれば、第1映像と第2映像は異なる。また、制御部512は、第2累積値に対応した第3温度、第3湿度、第3風量、第4温度、第4湿度、第4風量を記憶部514から取得し、第3温度、第3湿度、第3風量、第4温度、第4湿度、第4風量が含まれた第2指示を生成する。第2指示と第2映像は同期している。
【0073】
通信部510は、ネットワーク400を介して第1送風装置100aに第1指示を送信し、ネットワーク400を介して第1映像表示装置200aに第1映像を送信する。また、通信部510は、ネットワーク400を介して第2送風装置100bに第2指示を送信し、ネットワーク400を介して第2映像表示装置200bに第2映像を送信する。
【0074】
第1送風装置100aは、第1指示を受信すると既に説明した処理を実行し、第1映像表示装置200aは、第1映像を受信すると既に説明した処理を実行する。また、第2送風装置100bは、第2指示を受信すると、第1送風装置100aと同様の処理を実行し、第2映像表示装置200bは、第2映像を受信すると第1映像表示装置200aと同様の処理を実行する。仮に第1累積値が第2累積値よりも大きい場合、第1映像は第2映像よりも先の画像となる。また、第1指示に含まれる第1温度等も、第2指示に含まれる第3温度等よりも先の情報となる。その結果、ユーザの運動に応じた映像と混合気流が提供される。
【0075】
また、第1累積値と第2累積値の相対比較に基づいて、第1指示、第2指示に記憶部514に記憶された指示値に変化をつけてもよい。例えば、自転車エルゴメータを使った運動において、第1累積値が第2累積値よりも少しだけ大きい場合、第1ルームユニット10aを使っているユーザが少し前を先行し、第2ルームユニット10bを使っているユーザが少し遅れていることになる。この場合、第2指示の風量を所定値よりも小さくし、第1指示の風量を所定値よりも大きくしてもよい。このように第1指示、第2指示に変化をつけることによって、第2ルームユニット10bを使っているユーザは前走者(第1ルームユニット10aを使っているユーザ)のスリップストリームを走行するような感覚を得ることができる。
【0076】
本実施例によれば、各運動装置300から受信した運動に関する情報に応じて、温度および風量を決定するので、運動に関する情報に応じた温度と風量の制御を実行できる。また、運動に関する情報に応じた温度と風量の制御が実行されるので、運動量に応じた臨場感をユーザが体感できる。
【0077】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のさらに別の態様もまた、送風システム(1000)である。この送風システム(1000)は、第1温度および第1風量を有する第1気流(30a)と、第2温度および第2風量を有する第2気流(30b)とを混合した第1混合気流(34a)を第1空調空間(20a)に供給する第1送風装置(100a)と、第1空調空間(20a)における第1混合気流(34a)の下流側に配置される第1運動装置(300a)と、第3温度および第3風量を有する第3気流と、第4温度および第4風量を有する第4気流とを混合した第2混合気流を、第1空調空間(20a)とは異なる第2空調空間(20b)に供給する第2送風装置(100b)と、第2空調空間(20b)における第2混合気流の下流側に配置される第2運動装置(300b)と、第1送風装置(100a)と第1運動装置(300a)と第2送風装置(100b)と第2運動装置(300b)とにネットワーク(400)を介して接続される集中制御装置(500)とを備える。集中制御装置(500)は、第1運動装置(300a)から受信した運動に関する情報に応じて、第1温度と第1風量と第2温度と第2風量を決定し、第1温度と第1風量と第2温度と第2風量の第1指示を第1送風装置(100a)に送信し、集中制御装置(500)は、第2運動装置(300b)から受信した運動に関する情報に応じて、第3温度と第3風量と第4温度と第4風量を決定し、第3温度と第3風量と第4温度と第4風量の第2指示を第2送風装置(100b)に送信し、第1送風装置(100a)は、集中制御装置(500)から受信した第1指示に応じて、第1温度と第1風量と第2温度と第2風量を制御し、第2送風装置(100b)は、集中制御装置(500)から受信した第2指示に応じて、第3温度と第3風量と第4温度と第4風量を制御する。
【0078】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0079】
10 ルームユニット、 12 ドア、 20 空調空間、 22 気調空間、 30 気流、 32 前面領域、 34 混合気流、 100 送風装置、 110 気調ユニット、 112 制御部、 120 送風部、 130 気調部、 132 空調装置、 134 調湿装置、 140 送風機、 150 吹出部材、 152 吹出口、 154 空気導通路、 156 ルーバ、 200 映像表示装置、 210 筐体、 220 表示面、 300 運動装置、 400 ネットワーク、 500 集中制御装置、 510 通信部、 512 制御部、 514 記憶部、 1000 送風システム。