(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183458
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】シート収納箱
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20221206BHJP
B65D 5/54 20060101ALI20221206BHJP
A47K 10/42 20060101ALI20221206BHJP
A47K 10/20 20060101ALI20221206BHJP
A47K 7/00 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
B65D83/08 G
B65D5/54 E
A47K10/42 D
A47K10/20 A
A47K7/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090791
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】惟村 晴美
【テーマコード(参考)】
3E014
3E060
【Fターム(参考)】
3E014MC08
3E060AB05
3E060BA03
3E060CE12
3E060CE18
3E060CE22
3E060CE25
3E060CF05
3E060DA30
3E060EA08
(57)【要約】
【課題】置き場所が制限されにくいシート収納箱を提供すること。
【解決手段】積層された複数枚のシートを収容する直方体状のシート収納箱であって、シート取出口が形成され、前記シート収納箱の長手方向に延びる第1面と、前記第1面と前記シートの積層方向に対向し、前記長手方向に延びる第2面と、前記積層方向と直交し且つ前記長手方向と直交する方向に対向し、前記長手方向に延びる第3面及び第4面と、前記長手方向に対向する第5面及び第6面と、を有し、前記第2面に形成され、前記第2面の前記第3面側の端縁から前記第2面の前記第4面側の端縁に延びる線状の第1切欠と、前記第3面に形成され、前記第1切欠と連続して前記第3面の前記第2面側の端縁から延びて前記第5面側に屈曲する第2切欠と、前記第4面に形成され、前記第1切欠と連続して前記第4面の前記第2面側の端縁から延びて前記第5面側に屈曲する第3切欠と、を有する、シート収納箱。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された複数枚のシートを収容する直方体状のシート収納箱であって、
シート取出口が形成され、前記シート収納箱の長手方向に延びる第1面と、
前記第1面と前記シートの積層方向に対向し、前記長手方向に延びる第2面と、
前記積層方向と直交し且つ前記長手方向と直交する方向に対向し、前記長手方向に延びる第3面及び第4面と、
前記長手方向に対向する第5面及び第6面と、を有し、
前記第2面に形成され、前記第2面の前記第3面側の端縁から前記第2面の前記第4面側の端縁に延びる線状の第1切欠と、
前記第3面に形成され、前記第1切欠と連続して前記第3面の前記第2面側の端縁から延びて前記第5面側に屈曲する第2切欠と、
前記第4面に形成され、前記第1切欠と連続して前記第4面の前記第2面側の端縁から延びて前記第5面側に屈曲する第3切欠と、を有する、シート収納箱。
【請求項2】
前記第2切欠および前記第3切欠は、L字状である、請求項1に記載のシート収納箱。
【請求項3】
前記第1切欠は、前記第2面の前記第5面側に形成されている、請求項1または2に記載のシート収納箱。
【請求項4】
前記第2面、前記第3面、及び前記第4面に連続する開裂用切目線が形成され、
前記第1切欠、前記第2切欠、及び前記第3切欠は、前記開裂用切目線で囲まれた領域に形成される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシート収納箱。
【請求項5】
前記開裂用切目線で囲まれた領域内に前記領域の一部を開口する第1フラップが形成される、請求項4に記載のシート収納箱。
【請求項6】
前記第1フラップが、前記第2面の前記第3面寄りまたは第4面寄りに形成される、請求項5に記載のシート収納箱。
【請求項7】
前記第1フラップが、前記第1切欠の中央領域に対応する前記第2面の第1部分に形成される、請求項5に記載のシート収納箱。
【請求項8】
前記第2面の一部で構成され、前記シート収納箱の内側に傾斜して互いに係止される一対の第2フラップが、前記第2面の前記第6面側に形成される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシート収納箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、感染症予防対策として衛生意識が高まり、今まで複数人で使用される手拭き用の布タオルの代わりに、使い捨てができるペーパータオルやティシューペーパーの使用が増加している。ペーパータオルなどのシートは、厚紙等で作られた箱(カートンともいう)に収納され、該箱の天面に開口する取出口から引き出されるシート収納箱の形態で使用される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシート収納箱は、シートがカートンに収納されているため、洗面所まわり等の狭い場所では、置き場所が限定される。
【0005】
本発明の課題は、置き場所が制限されにくいシート収納箱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る第1の態様は、積層された複数枚のシートを収容する直方体状のシート収納箱であって、シート取出口が形成され、前記シート収納箱の長手方向に延びる第1面と、前記第1面と前記シートの積層方向に対向し、前記長手方向に延びる第2面と、前記積層方向と直交し且つ前記長手方向と直交する方向に対向し、前記長手方向に延びる第3面及び第4面と、前記長手方向に対向する第5面及び第6面と、を有し、前記第2面に形成され、前記第2面の前記第3面側の第1から前記第2面の前記第4面側の端縁に延びる線状の第1切欠と、前記第3面に形成され、前記第1切欠と連続して前記第3面の前記第2面側の端縁から延びて前記第5面側に屈曲する第2切欠と、前記第4面に形成され、前記第1切欠と連続して前記第4面の前記第2面側の端縁から延びて前記第5面側に屈曲する第3切欠と、を有する、シート収納箱である。
【0007】
第1の態様では、第2面の第3面側の端縁から第2面の第4面側の端縁に延びる線状の切欠を有することで、シート取出口が形成される第1面とシートの積層方向に対向する第2面に、長手方向と直交する方向に延びる切欠が構成される。また、第3面の第2面側の端縁および第4面の第2面側の端縁からそれぞれ延びて第5面側に屈曲する切欠を有することで、第3面および第4面に、第2面の切欠と連続して第5面側に屈曲する切欠が構成される。
【0008】
このような構成により、第1の態様では、タオル掛けのバーを、第2面の第1切欠からシート収納箱の内側に挿入することができ、第3面及び第4面の第2切欠および第3切欠に係止することができる。これにより、シート収納箱の長手方向がタオル掛けのバーが延びる方向と垂直になるように、シート収納箱をタオル掛けに吊り下げることができる。
【0009】
そのため、第1の態様では、洗面所まわり等の狭い場所でも、タオル掛け等の設備(以下、タオル掛け等という)を利用してシート収納箱を設置することができる。また、シート収納箱の置き場所が確保できる場合は、取出口が形成される第1面を天面にしてシート収納箱を設置することができる。従って、第1の態様によれば、置き場所が制限されにくいシート収納箱を提供することができる。
【0010】
また、第1の態様では、タオル掛け等に設置されたシート収納箱の取出口からはシートを水平ないし下方に引き出すことができるので、取出口から水滴や埃が入りにくくなる。そのため、第1の態様によれば、シート収納箱を衛生的に使用することができる。
【0011】
本発明に係る第2の態様は、前記第2切欠および第3切欠は、L字状である、シート収納箱である。
第2の態様では、第2切欠および第3切欠の形状をL字状にすることで、タオル掛けのバーが第2切欠および第3切欠に係止しやすくなる。そのため、第2の態様によれば、タオル掛け等に設置されたシート収納箱が外れにくくなる。
【0012】
また、第2の態様では、第2切欠および第3切欠の形状をL字状にすることで、第2切欠および第3切欠を第2面寄りに形成することができる。そのため、シート収納箱をタオル掛け等に吊り下げた場合でも、タオル掛けのバーがシート収納箱の内側で邪魔になりにくい。
【0013】
本発明に係る第3の態様は、前記第1切欠は、前記第2面の前記第5面側に形成されている、シート収納箱である。
【0014】
第3の態様では、第1切欠が第2面の第5面側に形成されていることで、タオル掛け等に吊り下げられたシート収納箱が、タオル掛け等が取り付けられた壁等に対して大きく傾くのを防ぐことができる。これにより、第3の態様では、タオル掛け等に設置されたシート収納箱が外れにくくなる。
【0015】
本発明に係る第4の態様は、前記第2面、前記第3面、及び前記第4面に連続する開裂用切目線が形成され、前記第1切欠、前記第2切欠、及び前記第3切欠は、前記開裂用切目線で囲まれた領域に形成される、シート収納箱である。
【0016】
本明細書において、開裂用切目線は、カットとタイ(2つのカット間のカットされていない部分)が交互に配置され、タイが破断すると両隣のカットが連続したカットになる切目線を示す。
【0017】
第4の態様では、第2面、第3面、及び第4面に設けられた開裂用切目線が開裂すると第2面、第3面、及び第4面に切欠が形成されることで、シート収納箱の使用前または置き場所が十分に確保できる場合は、開裂用切目線が開裂しない限り切欠は形成されない。また、シート収納箱をタオル掛け等に設置する場合(置き場所が確保できない場合)は、開裂用切目線を開裂させ、第2面、第3面、及び第4面に切欠を形成することができる。
【0018】
本発明に係る第5の態様は、前記開裂用切目線で囲まれた領域内に前記領域の一部を開口する第1フラップが形成される、シート収納箱である。
【0019】
第5の態様では、開裂用切目線で囲まれた領域内に該領域の一部を開口する第1フラップを設けることで、該開口に挿入した指を第1フラップに引っかけて上方に引くと少ない力で開裂用切目線を開裂することができる。また、第1フラップをシート収納箱の内側に押し込むことで、開裂用の指かけ孔(トリガー)を容易に形成することができる。
【0020】
本発明に係る第6の態様は、前記第1フラップが、前記第2面の前記第3面寄りまたは第4面寄りに形成される、シート収納箱である。
【0021】
第6の態様では、第1フラップが、前記第2面の前記第3面寄りまたは第4面寄りに形成されることで、開裂用切目線で囲まれた領域に開裂用の指かけ孔(トリガー)を形成する際に、第2面が撓みにくくなる。そのため、第6の態様では、開裂用切目線で囲まれた領域に開裂用の指かけ孔(トリガー)を容易に形成することができる。
【0022】
本発明に係る第7の態様は、前記第1フラップが、前記第1切欠の中央領域に対応する前記第2面の第1部分に形成される、シート収納箱である。
【0023】
本明細書において、第1切欠の中央領域は、第1切欠の重心を含む第1切欠全体の20%から50%の広さの領域を示す。
【0024】
第7の態様では、第1フラップを第1切欠の中央領域に対応する第2面の第1部分に形成することで、開裂用切目線で囲まれた領域に形成される開裂用の指かけ孔(トリガー)を、第2面の見やすい位置に形成することができる。これにより、第7の態様では、開裂用切目線で囲まれた領域に開裂用の指かけ孔(トリガー)を容易に形成することができる。
【0025】
本発明に係る第8の態様は、前記第2面の一部で構成され、前記シート収納箱の内側に傾斜して互いに係止される一対の第2フラップが、前記第2面の前記第6面側に形成される、シート収納箱である。
【0026】
第8の態様では、シート収納箱の内側に傾斜して互いに係止される一対の第2フラップを、第2面の一部で構成し、第2面の第6面側に形成することで、シート収納箱の第6面側でシート収納箱内のシートを積層方向に押し付けることができる。これにより、第8の態様では、シート収納箱がタオル掛け等に吊り下げられた場合に、積層された複数枚のシートが下方にずれ落ちるのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の一態様によれば、置き場所が制限されにくいシート収納箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】シート収納箱を第1面(天面)側から見た斜視図である。
【
図2】シート収納箱の箱体に収容されるシートを示す図である。
【
図3】シート収納箱を第2面(底面)側から見た斜視図である。
【
図5】第2面(底面)における第1切欠の一例を示す図である。
【
図6】第3面(側面)における第2切欠の一例を示す図である。
【
図7】第4面(側面)における第3切欠の一例を示す図である。
【
図8】第2面(底面)における一対の第2フラップを示す図である。
【
図9】第2面(底面)における一対の第2フラップを係止した状態を示す図である。
【
図10】シート収納箱をタオル掛けに吊り下げた状態を示す図である。
【
図11】一対の第2フラップを係止してシート収納箱をタオル掛けに吊り下げた状態を示す断面図である。
【
図12】第2面(底面)における第1切欠の第1変形例を示す図である。
【
図13】第3面(側面)における第2切欠の第1変形例を示す図である。
【
図14】第2面(底面)における第1切欠の第2変形例を示す図である。
【
図15】第3面(側面)における第2稿の第2変形例を示す図である。
【
図16】第2面(底面)における第1切欠の第3変形例を示す図である。
【
図17】第3面(側面)における第2切欠の第3変形例を示す図である。
【
図18】第3面(側面)における第2切欠の第4変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、各図において、各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。
【0030】
また、本明細書において、直交、水平、垂直などの方向には、実施形態の作用、効果を損なわない程度のずれが許容される。角部の形状は、直角に限られず、弓状に丸みを帯びてもよい。直交、水平、垂直には、略直交、略水平、略垂直が含まれてもよい。
【0031】
本明細書では、3軸方向(X方向、Y方向、Z方向)の3次元直交座標系を用い、シート収納箱の短手方向をX方向、シートが積層される方向(積層方向)をY方向、長手方向をZ方向とする。また、上方とは、シート収納箱の長手方向(Z方向)において、箱体の一方の妻面の上側を示し、下方とは、シート収納箱の長手方向(Z方向)において、箱体の他方の妻面の下側を示す。
【0032】
図1は、本実施形態のシート収納箱を第1面(天面)側から見た斜視図である。
図2は、シート収納箱の箱体に収容されるシートを示す図である。
図3は、シート収納箱を第2面(底面)側から見た斜視図である。
図4は、シート収納箱の展開図である。
【0033】
本実施形態に係るシート収納箱100は、複数枚のシートSが収容される箱体10と、該シートSが取り出し可能な取出口20と、を有する。箱体10において、箱体10は、シートSの取出口20が設けられた天面11、底面12、一対の側面13、14、及び一対の妻面15、16を有する。
【0034】
箱体10は、シートSが収容される容器である。本実施形態では、
図1に示すように、箱体10が略直方体状に形成されている。天面11と底面12は、シートSの積層方向(Y方向)に対向し、側面13、14は、シート収納箱100の短手方向(X方向)に対向し、妻面15、16は、シート収納箱100の長手方向(Z方向)に対向する。
【0035】
なお、本実施形態のシート収納箱100において、天面11は、シートの取出口(シート取出口)20が形成され、シート収納箱100の長手方向(Z方向)に延びる。天面11は、本実施形態のシート収納箱における第1面の一例である。底面12は、天面11とシートSの積層方向(Y方向)に対向し、長手方向(Z方向)に延びる。底面12は、本実施形態のシート収納箱における第2面の一例である。
【0036】
一対の側面13、14は、積層方向(Y方向)と直交し且つ長手方向(Z方向)と直交する方向(X方向)に対向し、長手方向(Z方向)に延びる。側面13、14は、本実施形態のシート収納箱における第3面及び第4面の各一例である。一対の妻面15、16は、長手方向(Z方向)に対向する。妻面15、16は、本実施形態のシート収納箱における第5面及び第6面の各一例である。
【0037】
箱体10は、
図4に示すように、底面12の端縁12Cに接着剤(図示せず)が設けられた貼代17が接続されている。貼代17は、側面13の端縁13D側に接合される。
【0038】
妻面15は、天面フラップ151、底面フラップ152、側面フラップ153、側面フラップ154とで構成されている。妻面16は、天面フラップ161、底面フラップ162、側面フラップ163、側面フラップ164とで構成されている。
【0039】
具体的には、
図4に示すように、天面11の端縁11Aから天面フラップ151が延出し、天面11の端縁11Bから天面フラップ161が延出する。また、底面12の端縁12Aから底面フラップ152が延出し、底面12の端縁12Bから底面フラップ162が延出する。
【0040】
さらに、側面13の端縁13Aから側面フラップ153が延出し、側面13の端縁13Bから側面フラップ163が延出する。また、側面14の端縁14Aから側面フラップ154延出し、側面14の端縁14Bから側面フラップ164が延出する。
【0041】
なお、天面11の端縁11A、11B、11C、11D、底面12の端縁12A、12B、12C、12D、側面13の端縁13A、13B、13C、13D、及び側面14の端縁14A、14B、14C、14Dには、いずれも折り目(一点破線で示した部分)が設けられている。
【0042】
各折り目では、天面11に対して側面13、14及び天面フラップ151、161が、底面12に対して側面フラップ154、底面フラップ152、162、及び貼代17が、側面13に対して天面11、側面フラップ153、163が、側面14に対して天面11、底面12、側面フラップ154、164が、それぞれ折り曲げ可能である。
【0043】
妻面15において、天面フラップ151は、底面フラップ152及び側面フラップ153、154の外側に配置され、底面フラップ152は、側面フラップ153、154の外側に配置される。また、妻面16において、天面フラップ161は、底面フラップ162及び側面フラップ163、164の外側に配置され、底面フラップ162は、側面フラップ163、164の外側に配置される。
【0044】
なお、妻面15において、天面フラップ151、底面フラップ152及び側面フラップ153、154を接合する態様は、特に限定されない。また、妻面16において、天面フラップ161、底面フラップ162及び側面フラップ163、164を接合する態様は、特に限定されない。
【0045】
例えば、天面フラップ151は、底面フラップ152と側面フラップ153、154に接合され、天面フラップ161は、底面フラップ162と側面フラップ163、164に接合される。また、底面フラップ152は、側面フラップ153、154とは接合され、底面フラップ162は、側面フラップ163、164とは接合される。
【0046】
具体的には、接着剤(図示せず)を介して、天面フラップ151と底面フラップ152とが接合され、天面フラップ161と底面フラップ162とが接合される。また、接着剤(図示せず)を介して、天面フラップ151と側面フラップ153、154とが接合され、天面フラップ161と側面フラップ163、164とが接合される。
【0047】
さらに、接着剤(図示せず)を介して、底面フラップ152と側面フラップ153、154とが接合され、底面フラップ162と側面フラップ163、164とが接合される。この状態で、妻面15、16が形成される(
図4)。
【0048】
なお、妻面15の天面フラップ151および底面フラップ152において、接着剤(図示せず)が設けられる位置は任意である。また、妻面16の天面フラップ161および底面フラップ162において、接着剤(図示せず)が設けられる位置は任意である。
【0049】
また、側面フラップ153、154の天面フラップ151に接合される部分(接着剤が塗布される部分)は、天面フラップ151に接合された状態で、天面フラップ151側に突出していてもよい。また、側面フラップ163、164の天面フラップ161に接合される部分(接着剤が塗布される部分)は、天面フラップ161に接合された状態で、天面フラップ161側に突出していてもよい。
【0050】
なお、妻面15では、天面フラップ151の全体が露出し、底面フラップ152の天面フラップ151と重なる部分が隠蔽され、底面フラップ152の天面フラップ151と重なる部分を除く部分が露出する。さらに、側面フラップ153、154は、天面フラップ151及び底面フラップ152の内側に隠蔽される(
図4)。
【0051】
また、妻面16では、天面フラップ161の全体が露出し、底面フラップ162の天面フラップ161と重なる部分が隠蔽され、底面フラップ162の天面フラップ161と重なる部分を除く部分が露出する。さらに、側面フラップ163、164は、天面フラップ161及び底面フラップ162の内側に隠蔽される(
図4)。
【0052】
なお、妻面15、16は、シート収納箱100を使用後に解体するための解体構造(図示せず)にしてもよい。このような解体構造は、例えば、特開2020-19490号公報に開示されている。
【0053】
箱体10の材質は、限定されず、例えば、パルプを主原料とする原紙が用いられる。ここで、原紙は、箱体10を組み立てるための材料となる堅くて厚い紙を示す。原紙のパルプ組成は、箱体における公知の組成を用いることができる。例えば、パルプの配合割合を、50質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%とすることができる。本実施形態では、原紙としてバージンパルプ、古紙パルプなどを原料とするコートボール紙が用いられている。
【0054】
箱体10の寸法は、限定されず、収納されるシートSの量や寸法などにより定めることができる。例えば、箱体10の長手方向(Z方向)の長さは、100mm以上300mm以下にすることができ、好ましくは150mm以上280mm以下にする。
【0055】
また、箱体10の短手方向(X方向)の幅は、100mm以上150mm以下にすることができ、好ましくは100mm以上130mm以下にする。さらに、箱体10の高さ方向(Z方向)の高さは、30mm以上150mm以下にすることができ、好ましくは40mm以上100mm以下にする。
【0056】
箱体10の坪量は、限定されないが、使用に耐え得る十分な強度を確保する観点から、原紙の坪量が200g/m2以上500g/m2以下であり、好ましくは230g/m2以上450g/m2以下であり、より好ましくは270g/m2以上430g/m2以下である。なお、本明細書において、坪量は、JIS P 8124(2011)の規定に準じて測定される。
【0057】
箱体10の厚みは、特に限定されず、JIS P 8111(1998)の環境下で測定された紙厚を採用することができる。例えば、箱体10がコートボール紙の場合、箱体10の紙厚は、0.1mm以上3mm以下にすることができ、好ましくは0.3mm以上2mm以下、より好ましくは0.5mm以上1mm以下である。
【0058】
本実施形態では、箱体10に収容される複数枚のシートSは、複数枚のシートSが積層方向(Y方向)に積層されたシート積層体SLで構成されている(
図2)。
【0059】
シートSの材質は、特に限定されず、例えば、紙、不織布または布等のシートを用いることができ、好ましくは紙のシート(以下、紙シートという)である。パルプ組成は、紙シートにおける公知の組成を用いることができる。パルプの配合割合は、例えば、50質量%以上にすることができ、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%である。
【0060】
また、シートSの坪量は、特に限定されないが、プライ数に応じて、紙の場合は5g/m2以上80g/m2以下、不織布の場合は20g/m2以上100g/m2以下のものが望ましい。なお、坪量は、JIS P 8124(2011)の規定に準拠して測定される。
【0061】
また、シートSの厚みは、特に限定されず、JIS P 8111(1998)の環境下で測定された紙厚を採用することができる。例えば、シートSを構成する紙シートの紙厚は、1プライ(2プライの場合は2プライあたり)、50μm以上500μm以下にすることができ、好ましくは60μm以上330μm以下である。
【0062】
シートSの形態は、特に限定されず、例えば、ペーパータオル、ティシューペーパー、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ベビー用または介護用の紙おむつ、生理用ナプキン等の物品に適用可能である。なお、ペーパータオル、ティシューペーパー等の衛生薄葉紙には、保湿成分を含んだ衛生薄葉紙(例えば、ローションティシュー等)も含まれる。また、シートSの用途は、産業用、家庭用、携帯用のいずれにも適用できる。
【0063】
シートSのプライ数は、1プライ以上にすることができ、好ましくは1プライ及び2プライ(2枚重ね)である。また、シートSの形状は、特に限定されず、例えば、1プライまたは2プライのシートが折り畳まれた状態の形状が平面視で長方形であることが好ましい。
【0064】
シート積層体SLの形態は、特に限定されず、例えば、各シートSが折り込まれた状態で互い違いに積層されたもの(いわゆるポップアップ式のシート積層体SL)、複数枚(または複数組)のシートSが単に積層されたもの、各シートSが折り畳まれた状態で積層されたもの等が挙げられる。なお、シートSを1枚または1組ずつ引き出す観点から、シート積層体SLの形態は、ポップアップ式のシート積層体SLが好ましい。
【0065】
シート積層体SLの寸法は、例えば、ペーパータオルの場合、長手方向(Z方向)の長さが150mm以上250mm以下であり、短手方向(X方向)の長さが60mm以上130mm以下であり、積層方向(Y方向)の高さ20mm以上110mm以下である。このようなシート積層体は、例えば、ロータリー式又はマルチスタンド式インタフォルダによって製造することができる。
【0066】
取出口20は、箱体10の天面11に形成され、箱体10に収容されているシート(ティシューペーパー)Sを天面11側から取り出すことができる形状になっている。取出口20は、天面11の長手方向(Z方向)の中央に形成され、天面11の長手方向(Z方向)に沿う方向が取出口20の長手方向となる略長方形状または楕円形状の開口OP1を構成する(
図1、
図4、
図10)。
【0067】
なお、取出口20の長手方向(Z方向)の長さや短手方向(X方向)の幅は、シートSの大きさ等に基づいて適宜定めることができる。また、本実施形態では、取出口20は、シート収納箱100の天面11の短手方向(X方向)の中間に長手方向(Z方向)に沿って略楕円形状に形成されているが、これに限定されず、シートSを取り出すことができれば、天面11の他の位置に配置し、他の形状を採用してもよい。
【0068】
シート収納箱100は、使用前の段階では、天面11に、開裂用切目線21を介してシート収納箱100と一体に形成された蓋22を有する。使用時には、蓋22を開裂用切目線21に沿って切り離し、天面11に取出口20(開口OP1)を形成する。これにより、箱体10の内のシートSは、取出口20(開口OP1)から取り出すことができる(
図1、
図10参照)。
【0069】
なお、本実施形態において、開裂用切目線21は、シート収納箱100の使用時において蓋22を切り離すミシン目等の切り取り線を示す(
図1、
図4)。開裂用切目線21は、カットC1とタイT1(2つのカットC1、C1間のカットされていない部分)が交互に配置され、タイT1が破断すると両隣のカットC1が連続したカットになるミシン目である。
【0070】
開裂用切目線21において、各カットC1の長さは、0.3mm以上40mm以下とすることができ、好ましくは0.5mm以上35mm以下であり、より好ましくは1mm以上30mm以下である。また、各タイT1の長さは、0.3mm以上2.5mm以下とすることができ、好ましくは0.5mm以上1.5mm以下であり、より好ましくは0.8mm以上1.2mm以下である。
【0071】
取出口20の蓋22には、長手方向(Z方向)の両端部にトリガー22A、22Bが設けられている。トリガー22A、22Bは、開裂用切目線23で構成されている。開裂用切目線23は、カットC2とタイT2(2つのカットC2、C2間のカットされていない部分)が交互に配置され、タイT2が破断すると両隣のカットC2が連続したカットになるミシン目である。
【0072】
なお、開裂用切目線23において、各カットC2の長さは、0.3mm以上40mm以下とすることができ、好ましくは0.5mm以上35mm以下であり、より好ましくは1mm以上30mm以下である。また、各タイT2の長さは、0.3mm以上2.5mm以下とすることができ、好ましくは0.5mm以上1.5mm以下であり、より好ましくは0.8mm以上1.2mm以下である。
【0073】
本実施形態では、開裂用切目線23が開裂すると、開口(図示せず)と一部が蓋22(一点破線で示した部分)に接続するフラップ(図示せず)が形成される。そして、該開口に指先を挿入して折り曲げたフラップと蓋22を引き上げることで、蓋22が天面11から切り離され、取出口20(開口OP1)が形成される(
図1、
図10)。
【0074】
また、天面11の取出口20には、取出口20を天面11の裏面(シート収納箱100の箱体10の内側)から覆うように長手方向(Z方向)にスリットを有する樹脂フィルム(図示せず)を設けてもよい。
【0075】
樹脂フィルムは、天面11の裏面に、取出口20の周囲に塗布された接着剤などにより固定される。シートSは、樹脂フィルムのスリットを通して外部に取り出される。なお、この樹脂フィルムの材質としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどを用いることができるが、これらに限定されない。
【0076】
本実施形態では、底面12、及び側面13、14に亘って連続する切欠30が形成される。具体的には、切欠30は、底面12に形成される線状の第1切欠31と、側面13に形成されて第1切欠31に対して屈曲する第2切欠32と、側面14に形成されて第1切欠31に対して屈曲する第3切欠33とで構成されている(
図5~
図7)。
【0077】
なお、第1切欠31は、本実施形態のシート収納箱における一対の第1切欠の一例である。また、第2切欠32及び第3切欠33は、本実施形態のシート収納箱における一対の第2切欠の一例である。
【0078】
第1切欠31は、底面12の側面13側の第1端縁31Aから側面14側の第2端縁31Bに延びる(
図4、
図5)。具体的には、第1切欠31は、所定の幅W1で底面12の短手方向(X方向)に延びるように構成される。なお、所定の幅W1は、通常のタオル掛けFのバーBの断面の最大幅より大きい寸法であり、例えば、15mm以上30mm以下であることが好ましい(
図10参照)。
【0079】
第2切欠32は、第1切欠31の第1端縁31Aに連続して形成され、側面13の底面12側の端縁32Aから妻面15側の端縁32Bまで延びる。第2切欠32は、所定の幅W1で積層方向(Y方向)から長手方向(Z方向)に向かって曲がるL字状に構成される。所定の幅W1は、第1切欠31と同様に、通常のタオル掛けFのバーBの断面の最大幅より大きい寸法であり、好ましくは15mm以上30mm以下である(
図10参照)。
【0080】
第3切欠33は、第1切欠31の第2端縁31Bに連続して形成され、側面14の底面12側の端縁33Aから妻面15側の端縁33Bまで延びる。具体的には、第3切欠33は、所定の幅W1で積層方向(Y方向)から長手方向(Z方向)に向かって曲がるL字状に構成される。所定の幅W1は、第1切欠31と同様に、通常のタオル掛けのバーの断面の最大幅より大きい寸法であり、好ましくは15mm以上30mm以下である(
図10参照)。
【0081】
本実施形態では、切欠30は、底面12の長手方向(Z方向)の上方側に設けられている。具体的には、第1切欠31が、底面12の妻面15側に形成されている。この構成により、第2切欠32も、側面13の妻面15側に形成され、第3切欠33も、側面14の妻面15側に形成されている。
【0082】
本実施形態のシート収納箱100には、底面12、側面13、及び側面14に連続する開裂用切目線M1が形成されている。切欠30(第1切欠31、第2切欠32、及び第3切欠33は、開裂用切目線M1で囲まれた領域R1に形成される。なお、側面13の第2切欠32と重なる貼代17の部分には、切欠34が形成される。切欠34は、貼代17が側面13に貼り付けられた状態で、第2切欠32の一部を構成する(
図4)。
【0083】
開裂用切目線M1は、カットC3とタイT3(2つのカットC3、C3間のカットされていない部分)が交互に配置され、タイT3が破断すると両隣のカットC3が連続したカットになるミシン目である(
図1、
図3~
図5)。
【0084】
なお、開裂用切目線M1において、各カットC3の長さは、0.3mm以上40mm以下とすることができ、好ましくは0.5mm以上35mm以下であり、より好ましくは1mm以上30mm以下である。また、各タイT3の長さは、0.3mm以上2.5mm以下とすることができ、好ましくは0.5mm以上1.5mm以下であり、より好ましくは0.8mm以上1.2mm以下である。
【0085】
本実施形態では、開裂用切目線M1で囲まれた領域R1内に領域R1の一部を開口する第1フラップ40が形成される。第1フラップ40は、開裂用切目線41で構成されている。開裂用切目線41は、カットC4とタイT4(2つのカットC4、C4間のカットされていない部分)が交互に配置され、タイT4が破断すると両隣のカットC4が連続したカットになるミシン目である(
図5)。
【0086】
なお、開裂用切目線41において、各カットC4の長さは、0.3mm以上40mm以下とすることができ、好ましくは0.5mm以上35mm以下であり、より好ましくは1mm以上30mm以下である。また、各タイT4の長さは、0.3mm以上2.5mm以下とすることができ、好ましくは0.5mm以上1.5mm以下であり、より好ましくは0.8mm以上1.2mm以下である。
【0087】
なお、第1フラップ40は、底面の側面13寄りまたは側面14寄りに形成することが好ましい。本実施形態では、
図5に示すように、第1フラップ40が底面12の側面14寄りに設けられている。なお、本実施形態では、第1フラップ40を構成する開裂用切目線41は、側面13側に向かって凸状に形成されているが、第1フラップ40を底面12の側面13寄りに設ける場合は、開裂用切目線41を側面14側に向かって凸状に形成すればよい。
【0088】
また、本実施形態のシート収納箱100では、一対の第2フラップ50(フラップ51、52)が、底面12の妻面16側に形成されている。第2フラップ50は、底面12の一部で構成され、長手方向(Z方向)の下方側に設けられている。一対の第2フラップ50(フラップ51、52)は、シート収納箱100の内側に傾斜して互いに係止される(
図8)。
【0089】
本実施形態では、第2フラップ50は、開裂用切目線M2で構成されている。開裂用切目線M2は、カットC5とタイT5(2つのカットC5、C5間のカットされていない部分)が交互に配置され、タイT5が破断すると両隣のカットC5が連続したカットになるミシン目である(
図8)。
【0090】
なお、開裂用切目線M2において、各カットC5の長さは、0.3mm以上40mm以下とすることができ、好ましくは0.5mm以上35mm以下であり、より好ましくは1mm以上30mm以下である。また、各タイT5の長さは、0.3mm以上2.5mm以下とすることができ、好ましくは0.5mm以上1.5mm以下であり、より好ましくは0.8mm以上1.2mm以下である。
【0091】
第2フラップ50は、開裂用切目線M2が開裂すると、底面12に開口OP3が形成されると同時にフラップ51とフラップ52となる。フラップ51は、基端51A(一点破線で示した部分)で底面12に接続される。フラップ51には、湾曲部51B、51Cが形成される。また、フラップ52は、基端52A(一点破線で示した部分)で底面12に接続される。フラップ52には、湾曲部52B、52Cが形成される(
図8、
図9)。
【0092】
そして、フラップ51の湾曲部51B、51Cとフラップ52の湾曲部52B、52Cとは、適宜係止される。これにより、一対の第2フラップ50(フラップ51、52)は、シート収納箱100の内側に傾斜して互いに係止される(
図9)。
【0093】
本実施形態のシート収納箱100では、上述のように、底面12の側面13側の端縁31Aから底面12の側面14側の端縁31Bに延びる線状の切欠31を有することで、シート取出口20が形成される天面11とシートSの積層方向(Y方向)に対向する底面12に、長手方向(Z方向)と直交する方向(X方向)に延びる切欠31(開口OP2)が構成される(
図10)。これにより、例えば、洗面所の壁Wに固定されたタオル掛けFのバーBを底面12の第1切欠31からシート収納箱100の内側に挿入することができる。
【0094】
また、側面13の底面12側の端縁32Aおよび側面14の底面12側の端縁33Aからそれぞれ延びて妻面15側に屈曲する切欠32、33を有することで、側面13および側面14に、底面12の切欠31と連続して妻面15側に屈曲する切欠32、33(開口OP2)が構成される(
図10)。これにより、底面12から挿入したタオル掛けFのバーBを側面13及び側面14の第2切欠32および第3切欠33に係止することができる。
【0095】
このような構成により、本実施形態では、例えば、洗面所の壁Wに固定されたタオル掛けFのバーBを、底面12の第1切欠31からシート収納箱100の内側に挿入することができ、側面13及び側面14の第2切欠32および第3切欠33に係止することができる。これにより、シート収納箱100の長手方向(Z方向)がタオル掛けFのバーBが延びる方向(X方向)と垂直になるように、シート収納箱100をタオル掛けFに吊り下げることができる(
図10)。
【0096】
そのため、本実施形態では、洗面所まわり等の狭い場所でも、タオル掛けF等の設備(以下、タオル掛けF等という)を利用してシート収納箱100を設置することができる。また、シート収納箱100の置き場所が確保できる場合は、取出口20が形成される天面11を天面にしてシート収納箱100を設置することができる。従って、本実施形態によれば、置き場所が制限されにくいシート収納箱100を提供することができる。
【0097】
また、本実施形態では、タオル掛けF等に設置されたシート収納箱100の取出口20からはシートSを水平ないし下方に引き出すことができるので、取出口20から水滴や埃が入りにくくなる。そのため、本実施形態によれば、シート収納箱100を衛生的に使用することができる(
図10)。
【0098】
本実施形態では、上述のように、第2切欠32および第3切欠33の形状をL字状にすることで、タオル掛けFのバーBが第2切欠32および第3切欠33に係止しやすくなる。そのため、本実施形態によれば、タオル掛けF等に設置されたシート収納箱100が外れにくくなる(
図10)。
【0099】
また、本実施形態では、第2切欠32および第3切欠33の形状をL字状にすることで、第2切欠32および第3切欠33を底面12寄りに形成することができる。そのため、シート収納箱100をタオル掛けF等に吊り下げた場合でも、タオル掛けFのバーBがシート収納箱100の内側で邪魔になりにくい(
図10)。
【0100】
本実施形態では、上述のように、第1切欠31が底面12の妻面15側に形成されていることで、タオル掛けF等に吊り下げられたシート収納箱100が、タオル掛けF等が取り付けられた壁W等に対して大きく傾くのを防ぐことができる。これにより、本実施形態では、タオル掛けF等に設置されたシート収納箱100が外れにくくなる(
図10)。
【0101】
本実施形態では、上述のように、底面12、側面13、及び側面14に設けられた開裂用切目線M1が開裂すると底面12、側面13、及び側面14に切欠30(第1切欠31、第2切欠32、第3切欠33)を形成することができる。そのため、シート収納箱100をタオル掛けF等に設置する場合(置き場所が確保できない場合)だけ、開裂用切目線M1を開裂させ、底面12、側面13、14に切欠30を形成することができる。
【0102】
また、本実施形態では、シート収納箱100の使用前または置き場所が十分に確保できる場合は、開裂用切目線M1が開裂しない限り切欠30は形成されない。そのため、置き場所が十分に確保できる場合は、第1開裂用切目線M1が開裂しない限り切欠30は形成されない。そのため、本実施形態では、シート収納箱100の使用前にシート収納箱100内に埃等の異物が入ることを防ぐことができる。
【0103】
本実施形態では、上述のように、開裂用切目線M1で囲まれた領域R1内に領域R1の一部を開口する第1フラップ40を設けることで、該開口に挿入した指を第1フラップ40に引っかけて上方に引くと少ない力で開裂用切目線M1を開裂することができる。また、第1フラップ40をシート収納箱100の内側に押し込むことで、開裂用の指かけ孔(トリガー)を容易に形成することができる。
【0104】
本実施形態では、上述のように、第1フラップ40が、底面12の側面13寄りまたは側面14寄りに形成されることで、開裂用切目線M1で囲まれた領域R1に開裂用の指かけ孔(トリガー)を形成する際に、底面12が撓みにくくなる。そのため、本実施形態では、開裂用切目線M1で囲まれた領域R1に開裂用の指かけ孔(トリガー)を容易に形成することができる。
【0105】
本実施形態では、上述のように、シート収納箱100の内側に傾斜して互いに係止される一対の第2フラップ50(フラップ51、52)を、底面12の一部で構成し、底面12の妻面16側に形成することで、シート収納箱100の妻面16側でシート収納箱100内のシートを積層方向(Y方向)に押し付けることができる。これにより、本実施形態では、シート収納箱100がタオル掛けF等に吊り下げられた場合に、積層された複数枚のシートS(シート積層体SL)が下方にずれ落ちるのを防ぐことができる(
図11)。
【0106】
図12は、第2面(底面)における第1切欠の第1変形例を示し、
図13は、第3面(側面)における第2切欠の第1変形例を示す。なお、
図12、
図13において、
図5、
図6と共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0107】
図12、
図13に示す第1切欠、第2切欠の第1変形例では、第1切欠31および第2切欠32を構成する開裂用切目線M1がカットC31、タイT31で構成され、さらにカットC31とタイT31の間にV字状のカットC32が設けられている。カットC32は、V字状の先端側でカットC31に接続し、V字状の開放側でカットC31との間にタイT31を構成する。
【0108】
なお、第1変形例の開裂用切目線21において、各カットC31の長さは、0.3mm以上40mm以下とすることができ、好ましくは0.5mm以上35mm以下であり、より好ましくは1mm以上30mm以下である。また、各タイT31の長さは、0.3mm以上2.5mm以下とすることができ、好ましくは0.5mm以上1.5mm以下であり、より好ましくは0.8mm以上1.2mm以下である。
【0109】
さらに、V字状のカットC32の長さは、0.3mm以上40mm以下とすることができ、好ましくは0.5mm以上35mm以下であり、より好ましくは1mm以上30mm以下である。
【0110】
第1切欠、第2切欠の第1変形例では、このようなV字状のカットC32が設けられていることで、開裂用切目線M1が予期せぬ方向(カットC31とタイT31が並ぶ方向から外れる方向)に開裂することを防ぐことができる。また、このようなV字状のカットC32は、開裂用切目線M1を開裂する方向を示す目印となるため、開裂用切目線M1の開裂が容易になる(
図12、
図13)。
【0111】
図14は、第2面(底面)における第1切欠の第2変形例を示し、
図15は、第3面(側面)における第2切欠の第2変形例を示す。なお、
図14、
図15において、
図5、
図6と共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0112】
図14に示す第1切欠の第2変形例では、第1フラップ40が、第1切欠31の中央領域31Cに対応する底面12の第1部分12Eに形成される。ここで、第1切欠31の中央領域31Cは、第1切欠31の重心Gを含む第1切欠31全体の20%から50%の広さの領域を示す。
【0113】
第1フラップ40を構成する開裂用切目線41は、第1切欠31の両端縁31A、31Bのいずれか一方側に向かって凸状に形成される。本実施形態では、第1フラップ40が第1切欠31の中央領域31Cに設けられ、開裂用切目線41が側面14側に向かって凸状に形成されている。これにより、第1フラップ40の開裂用切目線41で構成される自由端は、第1切欠31の端縁31A側に向かって凸状に形成される(
図14)。
【0114】
また、第1フラップ40の自由端に対向する固定端には、罫線が設けられていることが好ましい。ここで、罫線は、折り曲げ可能な折り目(または折り筋)を示す。また、罫線は、折り目の代わりに、または折り目とともに断続的な切目(ミシン目)で構成してもよい。
【0115】
本実施形態では、このような罫線として折り目(または折り筋)Fが設けられている(
図14)。第1フラップ40の固定端にこのような罫線(折り目F)が設けられていることで、底面12の第1部分12Eの端縁が持ち手として開裂用切目線を開裂し易くなる。
【0116】
また、本実施形態の第1切欠、第2切欠の第2変形例では、第1切欠31および第2切欠32を構成する開裂用切目線M1がカットC33、タイT33で構成され、さらにカットC33、タイT33の外側に間隔D1をあけてカットC34、タイT34が設けられている。また、内側のカットC33と外側のカットC34とは、千鳥状に配置されている。
【0117】
内側のカットC33と外側のカットC34との間隔D1は、最短で0.3mm以上1.5mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5mm以上1.3mm以下である。
【0118】
なお、第2変形例の開裂用切目線M1において、各カットC33、C34の長さは、0.3mm以上40mm以下とすることができ、好ましくは0.5mm以上35mm以下であり、より好ましくは1mm以上30mm以下である。また、各タイT33、34の長さは、0.3mm以上2.5mm以下とすることができ、好ましくは0.5mm以上1.5mm以下であり、より好ましくは0.8mm以上1.2mm以下である。
【0119】
本実施形態の第2変形例では、上述のように、第1フラップ40を第1切欠31の中央領域31Cに対応する底面12の第1部分12Eに形成することで、開裂用切目線M1で囲まれた領域R1に形成される開裂用の指かけ孔(トリガー)を、底面12の見やすい位置に形成することができる。これにより、本実施形態では、開裂用切目線M1で囲まれた領域R1に開裂用の指かけ孔(トリガー)を容易に形成することができる。
【0120】
また、本実施形態では、上述のように、カットC33、タイT33の外側に間隔D1をあけてカットC34、タイT34が設けられていることで、開裂用切目線M1がカットC33とタイT33が並ぶ方向の外側に外れる方向に開裂しても外側のカットC34とタイT34が開裂することができる。そのため、開裂用切目線M1が予期せぬ方向に開裂するのを抑制することができる。
【0121】
また、本実施形態では、内側のカットC33と外側のカットC34とが、千鳥状に配置されていることで、内側のタイT33と外側のタイT34とが交互に開裂することができる。そのため、開裂用切目線M1が開裂した後の切欠30(第1切欠31、第2切欠32、第3切欠33)の端縁が滑らかになる。そのため、タオル掛けFのバーBを底面12からシート収納箱100の内側を挿入する際の手指への負担を抑制することができる。
【0122】
図16は、第2面(底面)における第1切欠の第3変形例を示す図であり、
図17は、第3面(側面)における第2切欠の第3変形例を示す図である。なお、
図16、
図17において、
図5、
図6、
図14、
図15と共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0123】
図16、
図17に示す第1切欠の第3変形例では、第1切欠31の中央領域31Cに対応する底面12の第1部分12Eが長手方向(Z方向)に広がっている。具体的には、第1切欠31の第2端縁31B寄りの幅W1に対して、底面12の第1部分12Eの幅W2が大きくなっている。
【0124】
また、
図16、
図17に示す第3変形例では、第1切欠31の中央領域31Cの一方の端部に対応する底面12の第2部分12Fに、長手方向(Z方向)に延びる開裂用切目線M3が形成されている。開裂用切目線M3は、カットC36とタイT36(2つのカットC36、C36間のカットされていない部分)が交互に配置され、タイT36が破断すると両隣のカットC36が連続したカットになるミシン目である(
図16)。
【0125】
なお、開裂用切目線M3において、各カットC36の長さは、0.3mm以上40mm以下とすることができ、好ましくは0.5mm以上35mm以下であり、より好ましくは1mm以上30mm以下である。また、各タイT36の長さは、0.3mm以上2.5mm以下とすることができ、好ましくは0.5mm以上1.5mm以下であり、より好ましくは0.8mm以上1.2mm以下である。
【0126】
第1フラップ40を構成する開裂用切目線41は、底面12の第2部分12F側に向かって凸状に形成されている(
図16)。また、開裂用切目線41は、第1切欠31の中央領域31Cの他方の端部に対応する底面12の第3部分12G側に向かって凸状に形成してもよい。これにより、第1フラップ40の開裂用切目線41で構成される自由端は、底面12の第3部分12G側に向かって凸状に形成される。
【0127】
また、第1フラップ40の自由端に対向する固定端には、罫線として折り目(または折り筋)Fが設けられている(
図16)。第1フラップ40の固定端にこのような罫線(折り目F)が設けられていることで、第3変形例においても、底面12の第1部分12Eの端縁が持ち手として開裂用切目線を開裂し易くなる。
【0128】
本実施形態では、上述のように、第1切欠31の中央領域31Cに対応する底面12の第1部分12Eが長手方向(Z方向)に広がっていることで、第1部分12Eに形成され第1フラップ40がさらに見つけやすくなる。また、開裂用切目線M1が開裂した後の第1切欠31の中央領域31Cが長手方向(Z方向)に広がるため、タオル掛けF等へのシート収納箱100の着脱が容易になる。
【0129】
また、本実施形態では、上述のように、第1切欠31の中央領域31Cの一方の端部に対応する底面12の第2部分12Fに、長手方向(Z方向)に延びる開裂用切目線M3が形成されていることで、第1切欠31の中央領域31Cに対応する底面12の第1部分12Eが開裂し易くなる。これにより、本実施形態では、開裂用切目線M1で囲まれた領域R1に開裂用の指かけ孔(トリガー)を容易に形成することができる。
【0130】
図18は、第3面(側面)における第2切欠の第4変形例を示す図である。
図18では、開裂用切目線M1を開裂した後の状態を示す。なお、
図18において、
図6と共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0131】
図18に示す第2切欠の第4変形例では、第2切欠32及び第3切欠33(図示せず)が天面11側に所定の角度θで傾斜している。なお、所定の角度θは、特に限定されないが、好ましくは40度以上90度未満、より好ましくは50度以上90度未満、さらに好ましくは60度以上90度未満である。
【0132】
本実施形態では、第2切欠32及び第3切欠33(図示せず)が天面11側に傾斜していることで、タオル掛けF等に吊り下げられたシート収納箱100が、タオル掛けF等が取り付けられた壁W等に対して下方に傾く場合でも、天面11の取出口20からシートSが引き出される方向に対してタオル掛けF等のバーBを略垂直に第2切欠32及び第3切欠33に支持することができる。これにより、本実施形態では、タオル掛けF等に設置されたシート収納箱100が使用中に外れにくくなる(
図15)。
【0133】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0134】
100 シート収納箱
S シート(ティシューペーパー)
SL シート積層体
10 箱体
11 天面(第1面)
11A、11B、11C、11D 端縁
12 底面(第2面)
12A、12B、12C、12D 端縁
12E 第1部分
12F 第2部分
12G 第3部分
13 側面(第3面)
13A、13B、13C、13D 端縁
14 側面(第4面)
14A、14B、14C、14D 端縁
15 妻面(第5面)
16 妻面(第6面)
17 貼代
20 取出口
21 開裂用切目線(ミシン目)
22 蓋
22A、22B トリガー
23 開裂用切目線
30 切欠
31 第1切欠
31A 第1端縁
31B 第2端縁
31C 中央領域
32第2切欠
32A 底面側の端縁
32B 妻面側の端縁
33 第3切欠
33A 底面側の端縁
33B 妻面側の端縁
34 切欠
M1 開裂用切目線
R1 領域
40 第1フラップ
41 開裂用切目線
50 第2フラップ
51、52 フラップ
51A、52A 基端
51B、52B 湾曲部
M2 開裂用切目線
F 折り目
OP1、OP2、OP3 開口
W1 幅
D1 間隔