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  • 特開-ハウジングウィル総合システム 図1
  • 特開-ハウジングウィル総合システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183486
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】ハウジングウィル総合システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20221206BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090832
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】597077414
【氏名又は名称】三井住友信託銀行株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074169
【弁理士】
【氏名又は名称】広瀬 文彦
(72)【発明者】
【氏名】谷口 佳充
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】住宅ローン新規実行顧客向けの自筆証書遺言書を保管して、ライフイベントの発生やニーズの変化に応じた顧客に対する自動的・継続的フォローを可能にしたハウジングウィル総合システムを提供する。
【解決手段】自筆遺言書を保持・管理するためのハウジングウィル総合システムにおいて、管理サーバは、記憶部と、演算部と、入力部と、出力部と、を備える。記憶部は、顧客の自筆遺言書を管理する遺言書管理データベースを備える。遺言書管理データベースは、顧客管理テーブルと宅ローン支払管理テーブルと遺言書管理テーブルとを備える。演算部は、顧客の書誌事項の登録を行う顧客情報登録手段と、自筆遺言書の内容を電子化する電子遺言書作成手段と、電子化された自筆遺言書の内容を遺言書管理テーブルに登録する遺言書登録手段と、顧客管理テーブルに登録された各顧客に対して現在の遺言内容の案内を送信する案内送信手段と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自筆遺言書を保持・管理するためのハウジングウィル総合システム(1)が、
住宅ローンを契約している顧客の自筆遺言書(10)の管理を行う管理サーバ(100)からなり、
前記管理サーバ(100)は、各種データを記録するための一または複数からなる記憶部(110)と、該記憶部に記録された各種データに対して演算処理を行う演算部(120)と、前記記憶部に対する入力処理および前記演算部に対する処理指示を行う入力部(130)と、前記演算部による演算処理の結果を視認可能に出力する出力部(140)と、からなり、
前記記憶部(110)は、顧客の自筆遺言書(10)を管理するための遺言書管理データベース(200)を備え、該遺言書管理データベースは、顧客に関する情報を記録する顧客管理テーブル(210)と、顧客が保有する物件のローン支払状況を管理する住宅ローン支払管理テーブル(220)と、自筆遺言書を顧客ごとに管理する遺言書管理テーブル(230)と、を備え、
前記演算部(120)は、顧客の書誌事項の登録を行うための顧客情報登録手段(122)と、自筆遺言書の内容を電子化する電子遺言書作成手段(124)と、電子化された自筆遺言書の内容を前記遺言書管理テーブル(230)に登録する遺言書登録手段(126)と、前記顧客管理テーブル(210)に登録された各顧客に対して現在の遺言内容の案内を送信する案内送信手段(128)と、を備え、
前記演算部(120)は、前記顧客情報登録手段(122)が、前記入力部(130)より入力された顧客の属性に係る情報を前記顧客管理テーブル(210)に登録する処理を行うとともに、前記電子遺言書作成手段(124)が、前記入力部(130)から入力された自筆遺言書(10)の内容を基に新たに自筆遺言書を作成・更新する処理を行い、前記遺言書登録手段(126)が、作成・更新された自筆遺言書(10)を前記遺言書管理テーブル(230)に登録する処理を行うものであり、
前記演算部(120)は、更に顧客ステータス確認手段(129)を備え、該顧客ステータス確認手段が、前記顧客管理テーブル(210)および/または前記住宅ローン支払管理テーブル(220)を検索して各顧客の現在のステータス情報(20)を入手するとともに、案内条件に一致したステータス情報からなる顧客、およびステータス情報の変更が検出された顧客を抽出した上で、該顧客に自筆遺言書に係る案内を送信するように前記案内送信手段(128)に指示を出すことを特徴とするハウジングウィル総合システム。
【請求項2】
前記案内条件は、現在の月数と顧客の誕生月との一致からなることを特徴とする請求項1に記載のハウジングウィル総合システム。
【請求項3】
前記案内条件は、顧客の家族構成の変化フラグの検出、または住宅ローン支払い完了フラグの検出からなることを特徴とする請求項1に記載のハウジングウィル総合システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自筆証書遺言書を保持・管理するためのシステムに関し、特に、住宅ローン新規実行顧客向けの自筆証書遺言書を保管するものであり顧客のローン契約の進捗や、顧客の死亡などの様々な事象を取得し、その事象に応じて登録されている遺言書を案内することで、ライフイベントの発生やニーズの変化に応じて、顧客に対する自動的・継続的にサービス内容の確認・更新・変更のフォローを行うことを可能にしたハウジングウィル総合システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、顧客の遺言等を取り扱うためのシステムが数多く開発されている。遺言の管理には、贈与・相続などの専門知識を有する手続きが付随するため、金融商品に係る代行業務として様々な商品が創設されており、遺言信託のような金融商品を専門的に取り扱う管理・運用システムも開発されている。また、同様に、住宅ローンに関する管理システムも同様に数多く開発されて使用されているのが現状である
【0003】
顧客の遺言を管理するためのシステムに関する技術として、例えば、特開2017-151521号公報が存在する。ここでは、自署以外の遺言において真正性の担保が困難な場合や、法的に遺言として取り扱われない場合において遺言の付帯事項やエンディングノートとしてメッセージを残したい場合など、あらゆる状況に応じて、効率的かつ的確に遺言を管理する遺言管理システムに関する技術が開示されている。
【0004】
また、特開2020-46801号公報では、相続可能な様々な資産に関する情報を予め登録し、その資産を相続発生時まで的確に把握・管理するための技術として、被相続人情報と、金融資産、不動産資産及び動産資産のうちの少なくとも1つの情報を登録し、登録されたデータに基づいて、財産に関するリストを作成・記憶・出力することが出来るように財産を管理するためのシステムに関する技術が開示されている。
【0005】
これらの技術によれば、確かに、顧客の自筆証書遺言書を管理することが可能となるとも考えられるが、顧客のステータスの管理や、住宅ローン契約の支払状況の進捗を同時に管理しつつ、顧客へのきめ細かいフォローを行うことが困難であるという問題点があった。
【0006】
自筆証書遺言書の管理は、銀行や信託銀行など専門性を有する金融機関が行うことにより顧客は安心して管理を任せることが出来る。また、住宅ローンについては金融機関が取り扱うものであるが、契約者に相続等の事象が生じた場合に、その後の取扱いに専門知識が要求される。このような、遺言書の管理と住宅ローンの取り扱いを関連付けて、専門知識を持って統合されて同時に取り扱うためのシステムの開発が待たれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2017-151521号公報
【特許文献2】特開2020-46801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題を解決するため、自筆証書遺言書を住宅ローンと関連付けて保持・管理するためのシステムであって、特に、住宅ローン新規実行顧客向けの自筆証書遺言書を保管するとともに、顧客のローン契約の経年による進捗や、顧客の不意な死亡などの様々な事象を取得した上で、その事象に応じてサービス内容の案内・確認・更新・変更等のアクションを行うことで、ライフイベントの発生やニーズの変化に応じた顧客に対する自動的・継続的フォローを可能にしたハウジングウィル総合システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために本発明に係る自筆遺言書を保持・管理するためのハウジングウィル総合システムは、住宅ローンを契約している顧客の自筆遺言書の管理を行う管理サーバからなり、前記管理サーバは、各種データを記録するための一または複数からなる記憶部と、該記憶部に記録された各種データに対して演算処理を行う演算部と、前記記憶部に対する入力処理および前記演算部に対する処理指示を行う入力部と、前記演算部による演算処理の結果を視認可能に出力する出力部と、からなり、前記記憶部は、顧客の自筆遺言書を管理するための遺言書管理データベースを備え、該遺言書管理データベースは、顧客に関する情報を記録する顧客管理テーブルと、顧客が保有する物件のローン支払状況を管理する住宅ローン支払管理テーブルと、自筆遺言書を顧客ごとに管理する遺言書管理テーブルと、を備え、前記演算部は、顧客の書誌事項の登録を行うための顧客情報登録手段と、自筆遺言書の内容を電子化する電子遺言書作成手段と、電子化された自筆遺言書の内容を前記遺言書管理テーブルに登録する遺言書登録手段と、前記顧客管理テーブルに登録された各顧客に対して現在の遺言内容の案内を送信する案内送信手段と、を備え、前記演算部は、前記顧客情報登録手段が、前記入力部より入力された顧客の属性に係る情報を前記顧客情報テーブルに登録する処理を行うとともに、前記電子遺言書作成手段が、前記入力部から入力された自筆遺言書の内容を基に新たに自筆遺言書を作成・更新する処理を行い、前記遺言書登録手段が、作成・更新された自筆遺言書を前記遺言書管理テーブルに登録する処理を行うものであり、前記演算部は、更に顧客ステータス確認手段を備え、該顧客ステータス確認手段が、前記顧客管理テーブルおよび/または前記住宅ローン支払管理テーブルを検索して各顧客の現在のステータス情報を入手するとともに、案内条件に一致したステータス情報からなる顧客、およびステータス情報の変更が検出された顧客を抽出した上で、該顧客に自筆遺言書に係る案内を送信するように前記案内送信手段に指示を出す構成である。
【0010】
また、前記案内条件は、現在の月数と顧客の誕生月との一致からなる構成である。
更に、前記案内条件は、顧客の家族構成の変化フラグの検出、または住宅ローン支払い完了フラグの検出からなる構成である。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、上記詳述した通りの構成であるので、以下のような効果がある。
1.遺言書管理データベースが、顧客管理テーブルと住宅ローン支払管理テーブルと遺言書管理テーブルを備える構成としたため、遺言書の管理と住宅ローンの管理について、専門知識を持って統合されて同時に取り扱うことが可能となる。また、顧客ステータス確認手段を設けたため、タイムリーに顧客に自筆遺言書に係る案内を送信することが可能となり、顧客に対するきめ細かいフォローが可能となる。
2.案内条件として、現在の月数と顧客の誕生月との一致を条件としたため、必要に応じて誕生月ごとに顧客に対してフォローを行うことが可能となる。
3.顧客の家族構成の変化や住宅ローン支払い完了を案内条件としたため、相続等の必要性が生じた場合における住宅ローンに関する手続を迅速に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係るハウジングウィル総合システムを、図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係るハウジングウィル総合システムの概略図であり、図2は、記憶部の概要図である。
【0013】
本発明に係るハウジングウィル総合システム1は、図1に示すように、管理サーバ100を備える構成であり、該管理サーバ100は、住宅ローンを契約している顧客の自筆遺言書10の管理を行うとともに、顧客に関する様々なイベントを取得した上で、そのイベントに応じて案内等のアクションを行うことで、ライフイベントの発生やニーズの変化に応じた顧客に対する自動的・継続的フォローを可能にした自筆遺言書を保持・管理するためのシステムである。
【0014】
自筆遺言書10は、本実施例では、主に自筆証書遺言を指し、例えば遺言書に記載されている内容を電子データ化した上で記憶保存し、本人の意思により必要があれば内容を変更可能にした構成である。本実施例では、住宅ローンに係る信託に係る業務に用いられることを想定しているため、顧客の死後における信託財産の帰属権利者への支払などについても管理することが可能である。
【0015】
管理サーバ100は、本発明に係るハウジングウィル総合システムの中枢となる装置であり、自筆遺言書10の管理を行うためのサーバ機器である。管理サーバ100は、単体で構成することも可能であるが、顧客および契約数が増えるに伴って総処理件数が膨大になることが想定されるため、管理サーバ100には、高い処理能力および信頼性が要求される。このような状況に対応するため、複数のサーバコンピュータを導入して分散処理等を行う構成とすることが可能である。
【0016】
また、管理サーバ(または管理サーバ群)は、事業所のサーバ管理室などに配置することが想定されるが、例えば、遠隔地に分散配置することも可能である。更に、データ管理の安全性およびデータの長期管理の観点、システムの運用・保守の簡便化、負荷分散の観点から、クラウドコンピューティング技術を用いたデータ管理を行う構成としてもよい。
【0017】
管理サーバ100は、本実施例では、図1に示すように、少なくとも、記憶部110と、演算部120と、入力部130と、出力部140と、を装備した構成である。
【0018】
記憶部110は、自筆遺言書10を含む各種データを記録し保持するための記憶装置であり、管理サーバ100に装備される一または複数のハードディスクやフラッシュメモリ等の記憶装置または記憶装置群からなる。本実施例では、記憶・保持するデータ量が膨大となることから、例えば、記憶部110として外部にストレージシステムを構築し、一または複数の管理サーバ100から分離させ、各サーバからストレージシステムにアクセスする構成(NAS等)とすることが望ましい。また、記憶部110として、別途、一または複数のサーバ(データベースサーバ)を構築し、管理サーバ100からアクセスする構成とすることも可能である。
【0019】
演算部120は、記憶部110が記録・保持する各種データに対して演算処理を行う装置である。本実施例では、演算部120は、自動的にまたはオペレータ等からの指示に従って、管理サーバ100に装備されるCPUからなる演算装置が、記憶部110に記憶された演算ソフトウェアの実行ファイルを読み出した上で実行処理を行うとともに、更に、各種データを読み出した上でデータ処理を行う構成である。
【0020】
入力部130は、記憶部110に対する入力処理や、演算部120に対する実行処理を外部から指示するための装置であり、管理サーバ100に直接データや指示命令を入力するための入力装置である。本実施例では、入力するデータの件数やデータ量が膨大であり、単一の入力部130での作業が困難となることが考えられるため、管理サーバ100に対して、複数のパーソナルコンピュータや携帯端末等をネットワーク経由で接続する構成となっている。複数からなるパーソナルコンピュータを介してオペレータが記憶部110に対する各種データの入力処理を行ったり、演算部120に対する処理命令を出す構成であるが、この構成に限定されることはない。
【0021】
出力部140は、演算部120が行った様々な演算処理の結果を顧客やオペレータが視認可能となるように出力するための装置である。本実施例では、管理サーバ100や管理サーバ100に接続されたパーソナルコンピュータ等に設けられるディスプレイ等の表示画面であるが、その他、ネットワークを介して接続されたプリンタ等も含む構成である。
【0022】
記憶部110は、図1に示すように、遺言書管理データベース200を備える構成である。遺言書管理データベース200は、顧客の自筆遺言書10を管理するためのデータベースであり、本実施例では、文字情報や画像情報などを効率よく保存・管理可能なリレーショナルデータベースによって構成されるが、これに限定されることはなく、他の方式からなる各種データベースによって構築することももちろん可能である。
【0023】
遺言書管理データベース200は、図2に示すように、本実施例では、少なくとも、顧客管理テーブル210と、住宅ローン支払管理テーブル220と、遺言書管理テーブル230と、を備える構成である。
【0024】
顧客管理テーブル210は、顧客に関する情報を記録するテーブルであり、本実施例では、顧客ID、氏名、住所、性別、生年月日、家族構成、契約ID、遺言ID、住宅ローンID等を含む構成であるが、これに限定されることはない。
【0025】
住宅ローン支払管理テーブル220は、顧客が保有する物件のローン支払状況を顧客ごとに管理するために必要な各種情報を記録するテーブルであり、本実施例では、顧客ID、住宅ローンID、住宅ローン残高、住宅ローン完済予定日等の情報を含む構成であるが、これに限定されることはない。
【0026】
遺言書管理テーブル230は、顧客の自筆遺言書10を顧客ごとに管理するテーブルであり、本実施例では、顧客ID、遺言情報、遺言作成年月日等の情報を含む構成であるが、これに限定されることはない。また、通常遺言は一通作成されるため、顧客管理テーブル210と遺言書管理テーブル230とを一つのテーブルに登録する構成とすることも可能である。
【0027】
演算部120は、図1に示すように、少なくとも、顧客情報登録手段122と、電子遺言書作成手段124と、遺言書登録手段126と、案内送信手段128と、を備える構成である。顧客情報登録手段122は、顧客に関する情報の登録を行うための手段であり、入力部130よりフォームを介して入力された顧客に関する各種情報を顧客管理テーブル210に登録する。本実施例では、顧客情報登録手段122は記憶部110に実行ファイルが記憶され演算装置からなる演算部120によって実行されるソフトウェアからなり、例えば、入力内容に誤りがあったり、矛盾がある場合には、エラーメッセージを出力部140に表示させて、誤り箇所の修正を促す構成とすることが可能である。
【0028】
電子遺言書作成手段124は、自筆遺言書10の内容を電子化するための手段であり、入力部130よりフォームを介して入力された自筆遺言書10の内容、または作成された自筆遺言書10を画像化・電子化したものを、遺言書管理テーブル230に登録可能な形式に加工・調整するソフトウェアからなる。本実施例では、例えば、オペレータが出力部140に表示された一定のフォームに自筆遺言書10の内容を入力して登録可能な形式に変換する構成としたり、画像ファイル化(電子化)された自筆遺言書10を登録可能な形式に変換する構成とすることが可能である。
【0029】
遺言書登録手段126は、電子遺言書作成手段124によって遺言書管理データベース200に登録可能となるように電子化された自筆遺言書10の内容を、遺言書管理テーブル230に登録するための手段であり、登録可能な書式に加工・調整された各情報を、遺言書管理テーブル230に書き込み・上書き処理を行うソフトウェアからなる。本実施例では、登録可能な形式に変換された自筆遺言書10を遺言書管理テーブル230に書き込む構成としたり、画像ファイル化された自筆遺言書10を管理サーバ100にアップロードする構成とすることが可能である。
【0030】
案内送信手段128は、顧客管理テーブル210に登録された各顧客に対して現在の遺言内容の案内を送信するための手段であり、顧客管理テーブル210を自動的に、またはオペレータによる検索操作によって検索した上で抽出した顧客に対して、自筆遺言書に係る案内を送信するためのソフトウェアからなる。
【0031】
次に、演算部120の処理内容の詳細について説明する。顧客等による依頼に基づいてオペレータが入力部130を用いて入力処理を開始すると、顧客情報登録手段122は、入力部130より入力された顧客の属性に係る情報を、データ処理を行った上で顧客管理テーブル210に登録する処理を行う。一方、電子遺言書作成手段124は、顧客等による依頼に基づきオペレータによって入力部130から入力された自筆遺言書10の内容を基に、新たに自筆遺言書10をデータ登録可能な形式に変換して作成または更新処理を行う。遺言書登録手段126は、作成・更新された自筆遺言書10に係るデータを、遺言書管理テーブル230に登録する処理を行う。これにより、顧客の依頼に基づき、顧客に係る情報や、自筆遺言書10の内容をハウジングウィル総合システム1に登録することが可能となる。
【0032】
演算部120は、本実施例では、更に、顧客ステータス確認手段129を備える構成である。顧客ステータス確認手段129は、顧客の家族構成の変更や年齢、健康状況、住宅ローンの支払い状況など、顧客の現在の状況を確認して取得する手段である。
【0033】
顧客に係る上記各状況は、顧客管理テーブル210や住宅ローン支払管理テーブル220に登録され常に更新されている。顧客ステータス確認手段129は、顧客管理テーブル210および/または住宅ローン支払管理テーブル220を検索して、各顧客の現在のステータス情報20を自動的/定期的に入手する。その後、事前に設定された案内条件と対比して、案内条件と一致したステータス情報を有する顧客、および、ステータス情報の変更が検出された顧客を抽出する。顧客ステータス確認手段129は、抽出した顧客に自筆遺言書10に係る案内を自動的に送信するよう、案内送信手段128に指示を出す構成である。この構成とすることにより、ライフイベントの発生やニーズの変化に応じて顧客の要望より、または金融機関の必要に応じて自動的・継続的にサービス内容の確認・更新・変更等のフォローを可能にしたハウジングウィル総合システムを提供することが可能となった。
【0034】
顧客ステータス確認手段129が対比判断する案内条件は、本実施例では、現在の月数と顧客の誕生月との一致からなる構成である。この構成とすることにより、顧客の誕生月ごとに、その顧客に対して自筆遺言書10に係る案内などのフォローを確実に行うことが可能となった。
【0035】
また、顧客ステータス確認手段129が対比判断する案内条件は、顧客の家族構成の変化フラグの検出、または住宅ローン支払い完了フラグの検出などからなる構成とすることも可能である。本実施例では、顧客の家族構成が変化したり、住宅ローン支払い完了などのイベントが生じた場合、各テーブルにフラグを立てる(登録する)処理を行う。このフラグを検出することにより、相続等の必要性が生じた場合において、住宅ローンに関する手続を迅速に行うこと、および金融機関の推奨する手続の変更案を自動選択処理により提示することが可能となった。
【0036】
本発明に係るハウジングウィル総合システム1は、例えば、顧客の住宅ローン契約の進捗状況に応じて、金融機関の推奨する自筆遺言書10の変更に係る提案などの案内を行う時期を自動処理により判断して実施する。自筆遺言書10の登録・保管後は、顧客の誕生月に基づいて自筆遺言書10に係る変更などの案内を送信する。この構成により、適切なタイミングで自筆遺言書10に係る案内、新たな提案を行うことが可能となり、ライフイベントの発生や金融商品に係るニーズの変化に基づいて、顧客に対する自動的・継続的フォローを実施することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明に係るハウジングウィル総合システムの概略図
図2】記憶部の概要図
【符号の説明】
【0038】
1 ハウジングウィル総合システム
10 自筆遺言書
20 ステータス情報
100 管理サーバ
110 記憶部
120 演算部
122 顧客情報登録手段
124 電子遺言書作成手段
126 遺言書登録手段
128 案内送信手段
129 顧客ステータス確認手段
130 入力部
140 出力部
200 遺言書管理データベース
210 顧客管理テーブル
220 住宅ローン支払管理テーブル
230 遺言書管理テーブル
図1
図2