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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183491
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】繰出容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 40/00 20060101AFI20221206BHJP
   A45D 40/06 20060101ALN20221206BHJP
【FI】
A45D40/00 D
A45D40/06 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090837
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】立藏 亮
(57)【要約】
【課題】棒状内容物を無駄なく使い切ることができる繰出容器を提供する。
【解決手段】スリーブ2と、外筒3と、2重筒状の内筒4と、を備え、内筒4は、第1内筒41と、第1内筒41に内挿され、第1内筒41と接続される第2内筒42と、を有し、第1内筒41は、螺旋溝32aに挿入される第1案内突起43と、棒状内容物7を保持する保持皿部44と、を有し、保持皿部44は、皿本体46と、棒状内容物7に下側から突き刺さる保持爪47と、皿本体46に分離可能に接続される接続体48と、を有し、第2内筒42は、螺旋溝32aに挿入される第2案内突起61と、接続体48と接続される押上げ皿部62と、を有し、第1内筒41が上昇端位置に位置した状態で、外筒3を容器軸O回りに回転させることにより、第2内筒42とともに接続体48が上昇し皿本体46から分離され、押上げ皿部62が、保持爪47よりも上側に移動して棒状内容物7を押し上げる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びる容器軸を中心とするスリーブと、
前記スリーブの径方向外側に配置され、前記スリーブに対して前記容器軸回りに回転可能な外筒と、
前記スリーブの径方向内側に配置され、棒状内容物を保持する2重筒状の内筒と、を備え、
前記スリーブは、前記スリーブの周壁を径方向に貫通し、上下方向に延びるスリットを有し、
前記外筒は、前記外筒の内周面に配置され螺旋状に延びる螺旋溝を有し、
前記内筒は、
前記スリーブに内挿される第1内筒と、
前記第1内筒に内挿され、前記第1内筒と接続される第2内筒と、を有し、
前記第1内筒は、
前記スリットを介して前記螺旋溝に挿入される第1案内突起と、
前記棒状内容物を保持し、前記第1内筒の上昇端位置において前記スリーブの上端よりも下側に位置する保持皿部と、を有し、
前記保持皿部は、
前記第1内筒の周壁から径方向内側に突出する皿本体と、
前記皿本体から上側に突出し、前記棒状内容物に下側から突き刺さる保持爪と、
前記皿本体の径方向内側に配置され、前記皿本体に分離可能に接続される接続体と、を有し、
前記第2内筒は、
前記スリットを介して前記螺旋溝に挿入され、前記第1案内突起よりも下側に位置する第2案内突起と、
前記保持爪よりも下側に位置し、前記接続体と接続される押上げ皿部と、を有し、
前記第1内筒が上昇端位置に位置した状態で、前記外筒を前記容器軸回りに回転させることにより、前記第2内筒とともに前記接続体が上昇し前記皿本体から分離され、前記押上げ皿部が、前記保持爪よりも上側に移動して前記棒状内容物を押し上げる、
繰出容器。
【請求項2】
前記保持皿部は、前記皿本体と前記接続体とを繋ぐ破断可能な弱化部を有する、
請求項1に記載の繰出容器。
【請求項3】
前記第1内筒は、前記保持皿部よりも上側に配置され、前記棒状内容物に対して径方向外側から対向し、径方向内側に撓み変形可能な係止片を有し、
前記スリーブは、前記第1内筒が上昇端位置に位置したときに、前記係止片を径方向内側へ押圧する押圧部を有する、
請求項1または2に記載の繰出容器。
【請求項4】
前記係止片は、前記係止片の内側面から突出する係止リブを有する、
請求項3に記載の繰出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繰出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1の棒状化粧料繰出容器が知られている。この棒状化粧料繰出容器は、外筒と、内筒と、ホルダと、スカートと、突き出し部材と、を備える。特許文献1では、棒状化粧料の残量が少なくなり、ホルダからの突出量が短くなって使いにくくなった時に、突き出し部材をさらに内筒内で上昇せしめることが可能であり、これにより、棒状化粧料の使用不能な部分を少なくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3510354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の繰出容器においては、棒状化粧料(棒状内容物)の使用不能な部分をより少なくして、棒状化粧料を無駄なく使い切る点に改善の余地があった。
【0005】
本発明は、棒状内容物を無駄なく使い切ることができる繰出容器を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の繰出容器の一つの態様は、上下方向に延びる容器軸を中心とするスリーブと、前記スリーブの径方向外側に配置され、前記スリーブに対して前記容器軸回りに回転可能な外筒と、前記スリーブの径方向内側に配置され、棒状内容物を保持する2重筒状の内筒と、を備え、前記スリーブは、前記スリーブの周壁を径方向に貫通し、上下方向に延びるスリットを有し、前記外筒は、前記外筒の内周面に配置され螺旋状に延びる螺旋溝を有し、前記内筒は、前記スリーブに内挿される第1内筒と、前記第1内筒に内挿され、前記第1内筒と接続される第2内筒と、を有し、前記第1内筒は、前記スリットを介して前記螺旋溝に挿入される第1案内突起と、前記棒状内容物を保持し、前記第1内筒の上昇端位置において前記スリーブの上端よりも下側に位置する保持皿部と、を有し、前記保持皿部は、前記第1内筒の周壁から径方向内側に突出する皿本体と、前記皿本体から上側に突出し、前記棒状内容物に下側から突き刺さる保持爪と、前記皿本体の径方向内側に配置され、前記皿本体に分離可能に接続される接続体と、を有し、前記第2内筒は、前記スリットを介して前記螺旋溝に挿入され、前記第1案内突起よりも下側に位置する第2案内突起と、前記保持爪よりも下側に位置し、前記接続体と接続される押上げ皿部と、を有し、前記第1内筒が上昇端位置に位置した状態で、前記外筒を前記容器軸回りに回転させることにより、前記第2内筒とともに前記接続体が上昇し前記皿本体から分離され、前記押上げ皿部が、前記保持爪よりも上側に移動して前記棒状内容物を押し上げる。
【0007】
本発明の繰出容器では、スリーブに対して外筒を容器軸回りに回転させると、第1案内突起および第2案内突起がスリットを介して螺旋溝内を摺動することで、内筒つまり第1内筒および第2内筒が、一体的にスリーブ内を上昇移動する。これにより、棒状内容物をスリーブの上端から突出させて使用することができる。
【0008】
そして、棒状内容物の残量が少なくなり、第1内筒が上昇端位置に位置した状態においても、棒状内容物のスリーブからの突出量が小さくなった場合には、さらに外筒を容器軸回りに回転させることで、第2内筒とともに接続体が上昇移動し、接続体が皿本体から分離させられる。すなわち、第2内筒および接続体が、第1内筒のうち接続体以外の部分から分離される。
【0009】
分離した第2内筒の押上げ皿部が、保持皿部の保持爪よりも上昇させられるときに、押上げ皿部が棒状内容物を下側から押し上げることで、棒状内容物の下端部から保持爪が抜き出され、保持爪による棒状内容物の保持状態が解除される。これにより、上記分離前まで保持爪に保持されていた棒状内容物の下端部を、押上げ皿部によってスリーブの上端から上側に突出させることが可能となり、棒状内容物を最後まで無駄なく使用することができる。
【0010】
以上より、本発明の繰出容器によれば、棒状内容物を無駄なく使い切ることができる。
【0011】
上記繰出容器において、前記保持皿部は、前記皿本体と前記接続体とを繋ぐ破断可能な弱化部を有することが好ましい。
【0012】
この場合、棒状内容物の使用初期などにおいては、弱化部を介して皿本体と接続体とが一体的に安定して上下動させられ、つまり第1内筒と第2内筒とが一体的に安定して上下動する。また、棒状内容物の残量が少なくなったときには、第1内筒が上昇端位置に位置した状態で、さらに外筒を容器軸回りに回転させることにより弱化部が破断され、第2内筒および接続体が、第1内筒のうち接続体以外の部分から分離される。
【0013】
上記構成によれば、部品点数を少なく抑えた簡素な構造により、皿本体と接続体とを分離可能に接続できる。また、弱化部を破断させる構造とすることで、不用意に第2内筒を繰り上げてしまう事態(誤操作)が起こりにくい。
【0014】
上記繰出容器において、前記第1内筒は、前記保持皿部よりも上側に配置され、前記棒状内容物に対して径方向外側から対向し、径方向内側に撓み変形可能な係止片を有し、前記スリーブは、前記第1内筒が上昇端位置に位置したときに、前記係止片を径方向内側へ押圧する押圧部を有することが好ましい。
【0015】
この場合、第1内筒が上昇端位置に配置されたときに、スリーブの押圧部が第1内筒の係止片を径方向内側に押圧し、係止片が撓み変形することで、係止片により棒状内容物が保持される。棒状内容物の残量が少なくなったときに、第2内筒の押上げ皿部が保持爪よりも上昇させられ、保持爪による棒状内容物の保持状態が解除されても、棒状内容物を係止片によって安定して保持することができる。
【0016】
上記繰出容器において、前記係止片は、前記係止片の内側面から突出する係止リブを有することが好ましい。
【0017】
この場合、係止片の内側面つまり径方向内側を向く面から突出する係止リブが設けられるため、係止片が撓み変形したときに、係止リブによって棒状内容物をさらに安定して保持できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一つの態様の繰出容器によれば、棒状内容物を無駄なく使い切ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本実施形態の繰出容器を示す縦断面図であり、容器軸の右側は未使用または使用初期の状態を表し、容器軸の左側は使用後期の状態を表す。
図2図2は、繰出容器の一部を示す横断面図である。
図3図3は、図1のIII部を拡大して示す図である。
図4図4は、繰出容器を示す縦断面図であり、棒状内容物の残量が少なくなった状態を表す。
図5図5は、図4の繰出容器の上端部を示す部分斜視図である。
図6図6は、図5のVI-VI断面を示す縦断面図である。
図7図7は、繰出容器の上端部を示す部分斜視図であり、接続体が皿本体から分離し、第2内筒とともに上昇移動した状態を表す。
図8図8は、繰出容器の上端部を示す部分斜視図であり、接続体および第2内筒が、図7の状態よりもさらに上昇移動した状態を表す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一実施形態の繰出容器1について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の繰出容器1は、容器軸Oを中心とする筒状のスリーブ2と、有底筒状の外筒3と、押さえリング5と、内筒4と、有頂筒状のキャップ8と、棒状内容物7と、を備える。スリーブ2、外筒3、押さえリング5、内筒4、キャップ8および棒状内容物7は、容器軸Oを共通軸として互いに同軸に配置される。
【0021】
本実施形態では、容器軸Oが延びる方向、つまり容器軸Oと平行な方向を上下方向と呼ぶ。上下方向のうち、外筒3の底壁3aからキャップ8の頂壁8aへ向かう方向を上側と呼び、キャップ8の頂壁8aから外筒3の底壁3aへ向かう方向を下側と呼ぶ。
上下方向から見た平面視で、容器軸Oと直交する方向を径方向と呼ぶ。径方向のうち、容器軸Oに近づく方向を径方向内側と呼び、容器軸Oから離れる方向を径方向外側と呼ぶ。
容器軸O回りに周回する方向を周方向と呼ぶ。周方向のうち、所定方向を周方向一方側と呼び、所定方向とは反対方向を周方向他方側と呼ぶ。
【0022】
図1は、繰出容器1の容器軸Oに沿う断面を示す縦断面図であり、図1において容器軸Oの右側部分は未使用または使用初期の状態を表しており、容器軸Oの左側部分は使用後期の状態を表している。
図1に示すように、スリーブ2は、上下方向に延びる円筒状である。スリーブ2は、スリット21と、押圧部22と、を有する。
【0023】
スリット21は、スリーブ2の周壁を径方向に貫通し、上下方向に延びる。スリット21は、スリーブ2のうち下側部分に配置されており、スリーブ2の外周面、内周面および下端面に開口する。
スリット21は、スリーブ2に複数設けられる。複数のスリット21は、スリーブ2の周壁に、周方向に互いに間隔をあけて配置される。本実施形態ではスリット21が、スリーブ2に一対(2つ)設けられる。一対のスリット21は、周方向に等ピッチで配置される。
【0024】
図5および図6に示すように、押圧部22は、スリーブ2の周壁の上端部に配置される。押圧部22は、スリーブ2の周壁の内周面から径方向内側に突出する凸状である。
押圧部22は、スリーブ2に複数設けられる。複数の押圧部22は、スリーブ2の周壁に、周方向に互いに間隔をあけて配置される。本実施形態では押圧部22が、スリーブ2に4つ設けられる。4つの押圧部22は、周方向に等ピッチで配置される。
【0025】
図1に示すように、外筒3は、上下方向に延びる有底の円筒状である。外筒3は、スリーブ2の径方向外側に配置され、スリーブ2に対して容器軸O回りに回転可能である。外筒3の上下方向の寸法は、スリーブ2の上下方向の寸法よりも小さい。外筒3は、スリーブ2の周壁のうちスリット21が配置される下側部分を、径方向外側から覆う。また外筒3は、スリーブ2の下端面を、下側から覆う。スリーブ2の上側部分は、外筒3の上端面よりも上側に突出する。
【0026】
外筒3は、化粧筒31と、螺旋筒32と、を有する。
化粧筒31は、容器軸Oを中心とする有底筒状であり、上下方向に延びる。化粧筒31は、周壁31aと、底壁31b(3a)と、挿入筒部31cと、を有する。
【0027】
周壁31aは、上下方向に延びる筒状である。
底壁31bは、外筒3の底壁3aを構成する。底壁31bは、容器軸Oを中心とする円環板状である。底壁31bの上側を向く板面つまり上面は、スリーブ2の下端面と隙間をあけて対向し、または摺動自在に接触する。底壁31bの外周部は、周壁31aの下端部と接続される。
挿入筒部31cは、容器軸Oを中心とする円筒状である。挿入筒部31cは、底壁31bの上面から、上側に突出する。挿入筒部31cは、スリーブ2の下端開口部に内挿される。
【0028】
螺旋筒32は、容器軸Oを中心とする筒状であり、上下方向に延びる。螺旋筒32は、化粧筒31に内挿される。螺旋筒32は、化粧筒31に対して周方向に回転不能とされて、化粧筒31内に嵌合する。このため、螺旋筒32と化粧筒31とは、周方向に一体的に回転させられる。螺旋筒32の上端面は、化粧筒31の上端面よりも下側に位置する。螺旋筒32の下端面は、化粧筒31の底壁31bの上面と対向する。螺旋筒32は、径方向において化粧筒31とスリーブ2との間に配置される。
【0029】
螺旋筒32は、螺旋溝32aと、空転溝32bと、を有する。
螺旋溝32aは、螺旋筒32の内周面に配置され、容器軸Oを中心として螺旋状に延びる。すなわち、外筒3は、外筒3の内周面に配置され螺旋状に延びる螺旋溝32aを有する。螺旋溝32aは、上下方向において、スリット21の上端部と下端部との間に位置する。本実施形態では螺旋溝32aが、螺旋筒32の内周面に複数(一対)設けられる。
【0030】
空転溝32bは、螺旋筒32の内周面の上端部に配置される。空転溝32bは、周方向に延びる溝状である。空転溝32bは、螺旋溝32aの上端部と接続される。本実施形態では空転溝32bが、螺旋筒32の内周面および上端面に開口する。空転溝32bは、スリット21の上端部に径方向外側から対向する。
【0031】
押さえリング5は、容器軸Oを中心とする環状である。押さえリング5は、略筒状であり、上下方向に延びる。押さえリング5は、スリーブ2に対して外筒3を回転自在に支持する。また押さえリング5は、外筒3に対してスリーブ2が上側に抜け出すことを規制する。
【0032】
押さえリング5は、中具51と、リング52と、を有する。
中具51は、上下方向に延びる筒状である。中具51のうち下側部分は、化粧筒31の上端部内に嵌合する。中具51のうち上側部分は、キャップ8の下端部内に着脱可能に嵌合する。
リング52は、上下方向に延びる筒状である。リング52は、中具51の下側部分の内側に嵌合する。またリング52は、スリーブ2に外嵌される。リング52の下端面は、螺旋筒32の上端面に上側から対向する。
【0033】
内筒4は、容器軸Oを中心として上下方向に延びる2重筒状であり、棒状内容物7を保持する。内筒4は、スリーブ2の径方向内側に配置される。内筒4の上下方向の寸法は、スリーブ2の上下方向の寸法よりも小さい。内筒4は、スリーブ2に対して周方向に回転不能であり、かつ、上下方向に移動可能である。
【0034】
内筒4は、第1内筒41と、第2内筒42と、を有する。
第1内筒41は、容器軸Oを中心とする筒状であり、上下方向に延びる。第1内筒41は、スリーブ2に内挿される。
【0035】
第1内筒41は、第1案内突起43と、保持皿部44と、スリット部41aと、係止片45と、を有する。
第1案内突起43は、第1内筒41の周壁から径方向外側に突出する。第1案内突起43は、径方向に延びる円柱状の突起である。第1案内突起43は、第1内筒41の下端部に配置される。第1案内突起43は、スリット21を介して螺旋溝32aに挿入される。
第1案内突起43は、第1内筒41に複数設けられる。複数の第1案内突起43は、第1内筒41の周壁に、周方向に互いに間隔をあけて配置される。本実施形態では第1案内突起43が、第1内筒41に一対設けられる。一対の第1案内突起43は、周方向に等ピッチで配置される。
【0036】
図1の容器軸Oの右側部分は、第1内筒41の下降端位置を表しており、容器軸Oの左側部分は、第1内筒41の上昇端位置を表している。使用者が、スリーブ2に対して化粧筒31つまり外筒3を周方向に回転させることにより、螺旋溝32aに係合する第1案内突起43が螺旋溝32a内を摺動して、第1内筒41は、外筒3およびスリーブ2に対して、下降端位置と上昇端位置との間で上下方向に移動する。第1内筒41が上昇端位置に位置した状態で、第1内筒41の上端と、スリーブ2の上端とは、上下方向において略同じ位置に配置される。
【0037】
詳しくは、スリーブ2に対して外筒3を周方向一方側へ回転させることにより、第1内筒41は、上側に移動する。また、スリーブ2に対して外筒3を周方向他方側へ回転させることにより、第1内筒41は、下側に移動する。
【0038】
なお、第1内筒41が上昇端位置に達する際、第1案内突起43は、螺旋溝32aから空転溝32b内に進入する。またこのとき、スリット21(の内壁)の上端は、第1案内突起43に対して上側から接触し、または隙間をあけて対向する。これにより、使用者が、第1内筒41の上昇端位置において、さらに外筒3を周方向一方側に回転させても、第1案内突起43が空転溝32bに位置した状態が維持され、第1内筒41が上昇端位置よりも上側に移動することは抑制される。
【0039】
保持皿部44は、第1内筒41の周壁の径方向内側に配置される。図1の容器軸Oの右側部分に示すように、保持皿部44は、第1内筒41の上端部に位置し、棒状内容物7を下側から保持する。また、図1の容器軸Oの左側部分に示すように、保持皿部44は、第1内筒41の上昇端位置において、スリーブ2の上端よりも下側に位置する。
【0040】
図2は、繰出容器1の一部(スリーブ2およびその内側部分)の容器軸Oに垂直な断面を示す横断面図である。また図3は、図1のIII部を拡大して示す縦断面図である。
図2および図3に示すように、保持皿部44は、皿本体46と、保持爪47と、接続体48と、弱化部49と、を有する。
【0041】
皿本体46は、第1内筒41の周壁から径方向内側に突出する。すなわち、保持皿部44は、第1内筒41の周壁から径方向内側に突設される。皿本体46は、板状であり、一対の板面が上下方向を向く。本実施形態では皿本体46が、多角形板状であり、具体的には四角形板状である。
皿本体46は、保持皿部44に複数設けられる。複数の皿本体46は、周方向に互いに間隔をあけて配置される。本実施形態では皿本体46が、保持皿部44に4つ設けられる。4つの皿本体46は、周方向に等ピッチで配置される。
【0042】
保持爪47は、皿本体46から上側に突出する。具体的に、保持爪47は、皿本体46の上側を向く板面つまり上面のうち、径方向内端部から上側に突出する板状である。図5に示すように、保持爪47は、周方向に延びる長方形板状である。図3に示すように、保持爪47は、上側へ向かうに従い径方向外側に位置する。また保持爪47は、上側へ向かうに従い板厚が薄くなる。図1の容器軸Oの右側部分、および図4に示すように、保持爪47は、棒状内容物7に下側から突き刺さる。これにより保持爪47は、棒状内容物7の下端部を保持する。
【0043】
図2に示すように、保持爪47は、保持皿部44に複数設けられる。複数の保持爪47は、周方向に互いに間隔をあけて配置される。本実施形態では保持爪47が、保持皿部44に4つ設けられる。4つの保持爪47は、周方向に等ピッチで配置される。各保持爪47は、各皿本体46の内周部に配置される。
【0044】
接続体48は、容器軸Oを中心とする環状である。図4に示すように、本実施形態では、接続体48が筒状であり、上下方向に延びる。接続体48は、皿本体46の径方向内側に配置され、皿本体46に分離可能に接続される。本実施形態では接続体48が、複数の皿本体46の各径方向内端部に、弱化部49を介して分離可能に接続される。なお接続体48は、内リング体と言い換えてもよい。
【0045】
図6に示すように、接続体48は、第1係止突起48aを有する。
第1係止突起48aは、接続体48の外周面から径方向外側に突出する。図2に示すように、第1係止突起48aは、接続体48に複数設けられる。複数の第1係止突起48aは、周方向に互いに間隔をあけて配置される。本実施形態では第1係止突起48aが、接続体48に4つ設けられる。4つの第1係止突起48aは、周方向に等ピッチで配置される。
【0046】
図3に示すように、弱化部49は、皿本体46と接続体48とを繋ぐ。本実施形態では弱化部49が、皿本体46と接続体48とを径方向に接続する。弱化部49は、所定以上の外力が加えられることにより、破断可能である。
図2に示すように、弱化部49は、保持皿部44に複数設けられる。本実施形態では弱化部49が、保持皿部44に4つ設けられる。4つの弱化部49は、周方向に等ピッチで配置される。各弱化部49は、各皿本体46と接続体48との間にそれぞれ配置される。
【0047】
図5に示すように、スリット部41aは、第1内筒41の周壁の上端部に配置される。スリット部41aは、第1内筒41の周壁を径方向に貫通し、上下方向に延びる。スリット部41aは、第1内筒41の周壁の外周面、内周面および上端面に開口する。
スリット部41aは、第1内筒41に複数設けられる。複数のスリット部41aは、第1内筒41の周壁に、周方向に互いに間隔をあけて配置される。図2に示すように、本実施形態ではスリット部41aが、第1内筒41に8つ設けられる。
【0048】
図5および図6に示すように、係止片45は、第1内筒41の周壁の上端部に配置される。係止片45は、保持皿部44よりも上側に配置され、棒状内容物7に対して径方向外側から対向する。係止片45は、周方向に隣り合う一対のスリット部41a間に配置される。係止片45は、径方向内側に撓み変形可能である。
係止片45は、第1内筒41に複数設けられる。複数の係止片45は、第1内筒41の周壁に、周方向に互いに間隔をあけて配置される。図2に示すように、本実施形態では係止片45が、第1内筒41に4つ設けられる。4つの係止片45は、周方向に等ピッチで配置される。
【0049】
図5および図6はそれぞれ、スリーブ2に対して第1内筒41が上昇端位置に配置された状態を表している。第1内筒41が上昇端位置に位置したときに、スリーブ2の各押圧部22は、各係止片45を径方向内側へ押圧する。これにより係止片45は、径方向内側に撓み変形し、棒状内容物7を径方向外側から押さえる。
【0050】
係止片45は、係止リブ45aを有する。
係止リブ45aは、係止片45の径方向内側を向く面、すなわち係止片45の内側面から、径方向内側に突出する。係止リブ45aは、係止片45の内側面上を、周方向に沿って延びる。
図2に示すように、係止リブ45aは、各係止片45にそれぞれ設けられる。すなわち係止リブ45aは、周方向に互いに間隔をあけて複数(4つ)設けられる。本実施形態では、4つの係止リブ45aが、周方向に等ピッチで配置される。
【0051】
図1に示すように、第2内筒42は、容器軸Oを中心とする筒状であり、上下方向に延びる。第2内筒42は、第1内筒41に内挿され、第1内筒41と接続される。特に図示しないが、第1内筒41と第2内筒42とは、第1内筒41の下端部から上下方向に延びる溝部(スリット)と第2内筒42の下端部から上下方向に延びるリブ部との係合により、周方向への相対回転が規制されている。
【0052】
第2内筒42の下端部は、第1内筒41よりも下側に位置する。第2内筒42の下端部の直径は、第2内筒42の下端部以外の部分の直径よりも大きい。本実施形態では、第2内筒42の下端部の外径寸法が、第1内筒41の外径寸法と略同じである。第2内筒42のうち下端部以外の部分は、第1内筒41の周壁の径方向内側に配置される。
【0053】
第2内筒42は、第2案内突起61と、押上げ皿部62と、切欠き部63と、を有する。
第2案内突起61は、第2内筒42の下端部に配置される。第2案内突起61は、第2内筒42の周壁から径方向外側に突出する。第2案内突起61は、径方向に延びる円柱状の突起である。第2案内突起61は、スリット21を介して螺旋溝32aに挿入される。第2案内突起61は、第1案内突起43よりも下側に位置する。
第2案内突起61は、第2内筒42に複数設けられる。複数の第2案内突起61は、第2内筒42の周壁に、周方向に互いに間隔をあけて配置される。本実施形態では第2案内突起61が、第2内筒42に一対設けられる。一対の第2案内突起61は、周方向に等ピッチで配置される。
【0054】
図1の容器軸Oの右側部分は、第2内筒42の下降端位置を表しており、容器軸Oの左側部分は、第2内筒42の上昇端位置を表している。使用者が、スリーブ2に対して化粧筒31を周方向に回転させることにより、螺旋溝32aに係合する第2案内突起61が螺旋溝32a内を摺動して、第2内筒42は、下降端位置と上昇端位置との間で上下方向に移動可能である。第2内筒42が上昇端位置に位置した状態で、第2内筒42の上端と、スリーブ2の上端および第1内筒41の上端とは、上下方向において略同じ位置に配置される。
ただし、図4に示すように、弱化部49が破断する前の状態では、第2内筒42は、図1の容器軸Oの左側部分に示す上昇端位置よりも、下側に位置する。
【0055】
詳しくは、スリーブ2に対して外筒3を周方向一方側へ回転させることにより、第2内筒42は、上側に移動する。また、スリーブ2に対して外筒3を周方向他方側へ回転させることにより、第2内筒42は、下側に移動する。
【0056】
図5および図6に示すように、押上げ皿部62は、第2内筒42の上端部に位置し、保持皿部44を介して棒状内容物7を下側から保持する。押上げ皿部62は、第2内筒42の周壁から径方向内側に突出する。押上げ皿部62は、保持皿部44と上下動不能に固定される。押上げ皿部62は、保持爪47よりも下側に位置し、接続体48と接続される。
【0057】
押上げ皿部62は、皿板部64と、筒部65と、を有する。
皿板部64は、第2内筒42の周壁から径方向内側に突出する。皿板部64は、板状であり、一対の板面が上下方向を向く。図2に示すように、本実施形態では皿板部64が、略扇形板状であり、周方向に延びる。図2に示すように上下方向から見て、皿板部64と係止片45とは、径方向に並んで配置される。図3に示すように、皿板部64の上側を向く板面つまり上面と、皿本体46の上面とは、互いに面一であり、すなわち上下方向の位置が同じである。
【0058】
図2に示すように、皿板部64は、押上げ皿部62に複数設けられる。複数の皿板部64は、周方向に互いに間隔をあけて配置される。本実施形態では皿板部64が、押上げ皿部62に4つ設けられる。4つの皿板部64は、周方向に等ピッチで配置される。
皿本体46、保持爪47および弱化部49と、皿板部64とは、周方向において交互に並ぶ。
【0059】
図6に示すように、筒部65は、容器軸Oを中心とする筒状であり、上下方向に延びる。筒部65は、複数の皿板部64の各径方向内端部に接続される。筒部65は、皿板部64の内周部から下側に垂下設される。筒部65は、接続体48に外嵌され、接続体48と固定される。
【0060】
筒部65は、第2係止突起65aと、突き当て部65bと、を有する。
第2係止突起65aは、筒部65の内周面のうち、第2係止突起65aの下側に位置する部分よりも、径方向内側に突出する。図2に示すように、第2係止突起65aは、筒部65に複数設けられる。複数の第2係止突起65aは、周方向に互いに間隔をあけて配置される。本実施形態では第2係止突起65aが、筒部65に4つ設けられる。4つの第2係止突起65aは、周方向に等ピッチで配置される。
【0061】
図6に示すように、各第2係止突起65aは、各第1係止突起48aに対して、上側から係止される。これにより、筒部65と接続体48とはアンダーカット嵌合され、接続体48に対する筒部65の下方移動が規制されている。
【0062】
図3および図5に示すように、突き当て部65bは、筒部65の内周面から径方向内側に突出する。突き当て部65bは、筒部65の内周面上を周方向に延びるリブ状である。
突き当て部65bは、筒部65に複数設けられる。複数の突き当て部65bは、周方向に互いに間隔をあけて配置される。本実施形態では突き当て部65bが、筒部65に4つ設けられる。4つの突き当て部65bは、周方向に等ピッチで配置される。
【0063】
各突き当て部65bは、接続体48の下端面に対して、下側から接触する。これにより、接続体48に対する筒部65の上方移動が規制されている。
【0064】
切欠き部63は、第2内筒42の上端面から下側に延びる切欠き状である。切欠き部63は、第2内筒42の周壁を径方向に貫通する。切欠き部63は、第2内筒42の周壁の外周面、内周面および上端面に開口する。切欠き部63は、周方向に隣り合う一対の皿板部64間に配置される。
切欠き部63は、第2内筒42に複数設けられる。複数の切欠き部63は、第2内筒42の周壁に、周方向に互いに間隔をあけて配置される。本実施形態では切欠き部63が、第2内筒42に4つ設けられる。4つの切欠き部63は、周方向に等ピッチで配置される。
【0065】
図3および図5に示すように、弱化部49が破断される前の状態では、皿本体46は、切欠き部63の上端部に位置する。また、図1の容器軸Oの左側部分、および図8に示すように、弱化部49が破断され、第2内筒42が上昇端位置に位置した状態では、皿本体46は、切欠き部63の下端部に位置する。
【0066】
図4および図5に示すように、第1内筒41が上昇端位置に位置した状態で、外筒3を容器軸O回り(周方向一方側)に回転させることにより、第2内筒42とともに接続体48が上昇し、弱化部49が破断されて、接続体48が皿本体46から分離される。さらに外筒3を容器軸O回り(周方向一方側)に回転させていくと、図7および図8に示すように、押上げ皿部62が、保持爪47よりも上側に移動して棒状内容物7を押し上げる。
すなわち本実施形態では、第1内筒41の上昇端位置から、弱化部49を破断させることでさらに第2内筒42を上昇させることができ、これにより、棒状内容物7を押し上げてスリーブ2の上端開口部からより突出させることができる。
【0067】
図1の容器軸Oの右側部分に示すように、キャップ8は、上下方向に延びる有頂の円筒状である。キャップ8は、スリーブ2の上側部分、および、棒状内容物7のうちスリーブ2から露出する部分を覆う。キャップ8は、押さえリング5に着脱可能に取り付けられる。本実施形態ではキャップ8が、2重筒状である。
【0068】
キャップ8は、外キャップ81と、カプセル82と、を有する。
外キャップ81は、容器軸Oを中心とする有頂筒状であり、上下方向に延びる。外キャップ81の下端開口部は、中具51の上側部分に着脱可能に外嵌される。
【0069】
カプセル82は、容器軸Oを中心とする有頂筒状であり、上下方向に延びる。カプセル82は、外キャップ81内に配置され、外キャップ81と固定される。カプセル82の周壁は、スリーブ2の周壁に摺動自在に外嵌される。カプセル82の頂壁は、スリーブ2の上端面および棒状内容物7の上面に、上側から対向する。
【0070】
棒状内容物7は、容器軸Oを中心として上下方向に延びる棒状である。棒状内容物7は、スリーブ2の上端開口部から上下方向に出没可能とされて、内筒4に保持される。棒状内容物7は、例えば、リップクリーム、口紅、スティックアイシャドウ等の棒状化粧料などである。
【0071】
以上説明した本実施形態の繰出容器1では、スリーブ2に対して外筒3を容器軸O回り(周方向一方側)に回転させると、第1案内突起43および第2案内突起61がスリット21を介して螺旋溝32a内を摺動することで、内筒4つまり第1内筒41および第2内筒42が、一体的にスリーブ2内を上昇移動する。これにより、棒状内容物7をスリーブ2の上端から突出させて使用することができる。
【0072】
そして、棒状内容物7の残量が少なくなり、図4に示すように第1内筒41が上昇端位置に位置した状態においても、棒状内容物7のスリーブ2からの突出量が小さくなった場合には、さらに外筒3を容器軸O回り(周方向一方側)に回転させることで、図7に示すように第2内筒42とともに接続体48が上昇移動し、接続体48が皿本体46から分離させられる。すなわち、第2内筒42および接続体48が、第1内筒41のうち接続体48以外の部分から分離される。
【0073】
分離した第2内筒42の押上げ皿部62が、保持皿部44の保持爪47よりも上昇させられるときに、押上げ皿部62が棒状内容物7を下側から押し上げることで、棒状内容物7の下端部から保持爪47が抜き出され、保持爪47による棒状内容物7の保持状態が解除される。これにより、上記分離前まで保持爪47に保持されていた棒状内容物7の下端部を、押上げ皿部62によってスリーブ2の上端から上側に突出させることが可能となり(図8を参照)、棒状内容物7を最後まで無駄なく使用することができる。
【0074】
以上より、本実施形態の繰出容器1によれば、棒状内容物7を無駄なく使い切ることができる。
【0075】
また本実施形態では、保持皿部44が、皿本体46と接続体48とを繋ぐ破断可能な弱化部49を有する。
この場合、棒状内容物7の使用初期などにおいては、弱化部49を介して皿本体46と接続体48とが一体的に安定して上下動させられ、つまり第1内筒41と第2内筒42とが一体的に安定して上下動する。また、棒状内容物7の残量が少なくなったときには、第1内筒41が上昇端位置に位置した状態で、さらに外筒3を容器軸O回り(周方向一方側)に回転させることにより弱化部49が破断され、第2内筒42および接続体48が、第1内筒41のうち接続体48以外の部分から分離される。
【0076】
上記構成によれば、部品点数を少なく抑えた簡素な構造により、皿本体46と接続体48とを分離可能に接続できる。また、弱化部49を破断させる構造とすることで、不用意に第2内筒42を繰り上げてしまう事態(誤操作)が起こりにくい。
【0077】
また本実施形態では、第1内筒41が上昇端位置に配置されたときに、スリーブ2の押圧部22が第1内筒41の係止片45を径方向内側に押圧し、係止片45が撓み変形することで、係止片45により棒状内容物7が保持される。棒状内容物7の残量が少なくなったときに、第2内筒42の押上げ皿部62が保持爪47よりも上昇させられ、保持爪47による棒状内容物7の保持状態が解除されても、棒状内容物7を係止片45によって安定して保持することができる。
【0078】
また本実施形態では、係止片45の内側面つまり径方向内側を向く面から突出する係止リブ45aが設けられるため、係止片45が撓み変形したときに、係止リブ45aによって棒状内容物7をさらに安定して保持できる。
【0079】
また本実施形態では、第1内筒41が上昇端位置に配置された後、第2内筒42がさらに上昇する際、第2内筒42は摺動抵抗が増加する。詳しくは、押圧部22により押圧され撓み変形した係止片45と、第2内筒42によって押し上げられる棒状内容物7との間の摺動抵抗が増加したり、係止片45と第2内筒42の周壁とが直接的に接触することで摺動抵抗が増加したりする。このため使用者は、棒状内容物7の残量が少なくなったことを感覚的に認識可能である。
【0080】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の変更等が可能である。
【0081】
前述の実施形態では、保持皿部44の皿本体46と接続体48とが、破断可能な弱化部49を介して接続される例を挙げたが、これに限らない。特に図示しないが、皿本体46と接続体48とは、アンダーカット嵌合により分離可能に接続されてもよい。
この場合、棒状内容物7の残量が少なくなったときには、第1内筒41が上昇端位置に位置した状態で、さらに外筒3を容器軸O回り(周方向一方側)に回転させることにより、アンダーカット嵌合が解除され、第2内筒42および接続体48が、第1内筒41のうち接続体48以外の部分から分離され、上昇可能となる。
上記構成によれば、部品点数を少なく抑えた簡素な構造により、皿本体46と接続体48とを分離可能に接続できる。また、アンダーカット嵌合を用いた構造とすることで、不用意に第2内筒42を繰り上げてしまう事態(誤操作)が起こりにくい。
【0082】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した実施形態および変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1…繰出容器、2…スリーブ、3…外筒、4…内筒、7…棒状内容物、21…スリット、22…押圧部、32a…螺旋溝、41…第1内筒、42…第2内筒、43…第1案内突起、44…保持皿部、45…係止片、45a…係止リブ、46…皿本体、47…保持爪、48…接続体、49…弱化部、61…第2案内突起、62…押上げ皿部、O…容器軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8