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特開2022-183539ウォーターサーバへの水容器の接続補助装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183539
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】ウォーターサーバへの水容器の接続補助装置
(51)【国際特許分類】
   B67D 3/00 20060101AFI20221206BHJP
   B62B 3/00 20060101ALI20221206BHJP
   B66F 9/06 20060101ALN20221206BHJP
【FI】
B67D3/00 Z
B62B3/00 D
B66F9/06 T
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090903
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】521235914
【氏名又は名称】加藤 友信
(74)【代理人】
【識別番号】100092163
【弁理士】
【氏名又は名称】穴見 健策
(72)【発明者】
【氏名】加藤 友信
【テーマコード(参考)】
3D050
3E082
3F333
【Fターム(参考)】
3D050AA22
3D050BB08
3D050BB22
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE15
3D050HH01
3E082AA01
3E082BB01
3E082CC01
3E082FF09
3F333AA01
3F333AB13
(57)【要約】
【課題】軽作業で簡単に水を収容した水容器を反転状態とし、さらにウォーターサーバへ上面へ搭載させるウォーターサーバへの水容器の接続補助装置を提供する。
【解決手段】
ウォーターサーバ3へ給水する水容器2をウォーターサーバへ接続する際の接続補助装置1は、ウォーターサーバ3へ給水する水容器の給水口21を下方に向けて反転した状態で水容器2を支持する支持体10と、支持体10に係合しつつ反転状態の水容器を上下駆動させるリフト20と、支持体10を着脱自在に吊支する着脱吊支機構60と、を含む。地上側で反転吊支可能な支持体10を着脱吊支機構に接続して簡単な操作により、軽作業でウォーターサーバ上へ水容器を搭載して接続することができる。

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォーターサーバへ給水する水容器をウォーターサーバへ接続する際の接続補助装置であり、
ウォーターサーバへ給水する水容器の給水口を下方に向けて反転した状態で水容器を支持する支持体と、
支持体に係合しつつ反転状態の水容器を上下駆動させるリフトと、
支持体を着脱自在に吊支する着脱吊支機構と、を含むことを特徴とするウォーターサーバへの水容器の接続補助装置。
【請求項2】
着脱吊支機構は、リフトの上下動装置に駆動されて少なくともウォーターサーバの高さより高い位置と地面との間を上下移動する第1着脱部と、
水容器に取り付けられ水容器を反転させた状態で第1着脱部と着脱接続される第2着脱部と、を含むことを特徴とする請求項1記載のウォーターサーバへの水容器の接続補助装置。
【請求項3】
第1及び/又は第2着脱部は、フック体を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のウォーターサーバへの水容器の接続補助装置。
【請求項4】
支持体は、水容器自体の外郭形状の複数個所に係合しつつ水容器に対して着脱自在に装着されることを特徴とする請求項1記載のウォーターサーバへの水容器の接続補助装置。
【請求項5】
支持体は、水容器の外郭を包むように装着される袋装置であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のウォーターサーバへの水容器の接続補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水容器のウォーターサーバの給水口への装着を補助するウォーターサーバへの水容器の接続補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
交換式のタンクから冷水や熱水を供給する機器としてウォーターサーバが知られている。ウォーターサーバは飲用水の供給販売で用いられ、イオンや塩類など水以外の不純物は透過しない性質の逆浸透膜(RO膜)を用いて処理された水や天然水の飲用水を提供することができることから、カルキ臭を嫌う消費者などに支持されて利用される場合が多い。ウォーターサーバは冷温水を生成してそれぞれを提供する機能を有するサーバ本体の上面に、水タンクを載置して重力によりサーバ本体内の冷温水タンクへ水を供給する構造のものが広く普及している。
【0003】
サーバ本体へ供給する水タンクは家庭用としては例えば12リットル容器が用いられる場合が多い。なお、事業所等でも利用されていて更に大きい容量のものがある。そして、設置したウォーターサーバに水容器を接続する場合ウォーターサーバの上面以上高さまで12kg程度の水容器を持ち上げてサーバ本体の取水口に水容器の給水口を位置合わせして接続しなければならず、家庭内作業を負担する主婦や管理する非力な人にとって大きな作業負担となる。従来、ウォーターサーバへの水容器の接続作業負担を軽減し得るものとして特許文献1の装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-88247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のウォーターサーバ用リフトは、ウォーターサーバの高さよりも高いリフトの本体フレームと、ウォーターサーバの上端面の取水口に接続される水容器を保持する保持部と、保持部を本体フレーム内で上下動させる昇降機構を備え、保持部の上昇上限位置を、水容器を保持した状態のままウォーターサーバの上端面に接続した場合に保持部が位置する仮想接続高さよりも上に設定したものであり、これによって、水容器をウォーターサーバの高さよりも上にあげるので、人が水容器を抱えて高く上げる必要がなく作業負担を軽減させることを企図している。
【0006】
しかしながら、特許文献1の装置では、水容器を上下動させる保持部53は、アーム71、ハンド72、進退ロッド73等を含み、これらを操作して水容器を保持部に保持させた状態で上昇させるものであるから、保持部53への水容器の組付け手順が複雑で、組付け作業に時間がかかり実用性に劣る。また、ウォーターサーバのリフトの構成が複雑化、重量化、大型化しかつ、コスト高となる問題があった。
【0007】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、簡単な構成により水を収容した水容器を軽作業で簡単に反転吊支前状態への作業を行うことができ、さらに吊支状態で上方移動させて簡単かつ短時間にウォーターサーバの上面側に水容器を接続させることのできるウォーターサーバへの水容器の接続補助装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、簡単な構成で低コストのウォーターサーバへの水容器の接続補助装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、ウォーターサーバへ給水する水容器をウォーターサーバへ接続する際の接続補助装置であり、ウォーターサーバ3へ給水する水容器2の給水口21を下方に向けて反転した状態で水容器を支持する支持体10と、支持体10に係合しつつ反転状態の水容器を上下駆動させるリフト20と、支持体10を着脱自在に吊支する着脱吊支機構60と、を含むウォーターサーバへの水容器の接続補助装置1から構成される。
【0009】
その際、着脱吊支機構60は、リフト20の上下動装置50に駆動されて少なくともウォーターサーバ3の高さより高い位置と地面Gとの間を上下移動する第1着脱部56と、水容器2に取り付けられ水容器を反転させた状態で第1着脱部56と着脱接続される第2着脱部72と、を含むとよい。
【0010】
また、第1及び/又は第2着脱部56、72は、フック体58を含むとよい。
【0011】
また、支持体10は、水容器2自体の外郭形状の複数個所に係合しつつ水容器2に対して着脱自在に装着されるようにするとなおよい。
【0012】
また、支持体10は、水容器2の外郭を包むように装着される袋装置(38)であるとよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のウォーターサーバへの水容器の接続補助装置によれば、家事や管理を担当する非力な人でも簡単かつ短時間にウォーターサーバに対して水容器を接続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係るウォーターサーバへの水容器の接続補助装置の背面側斜視説明図であり、ウォーターサーバと共に示している。
図2図1のウォーターサーバへの水容器の接続補助装置の正面側斜視説明図である。
図3】(a)は、本発明の実施形態に係る水容器の正面図である。(b)は、水容器を内包した状態と仮定して紐部材で示した支持体の説明図である。
図4】(a)は、横倒し状に表した紐部材の支持体の説明図である。(b)は、図3の(a)の水容器を横倒しにして示した図である。
図5図1のウォーターサーバへの水容器の接続補助装置の側面説明図である。
図6】(a)は、反転吊支状態の水容器をウォーターサーバ上面への接続直前の状態を示す説明図、(b)は、(a)の状態からウォーターサーバ上面へ接続させた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下添付図面を参照しつつ本発明のウォーターサーバへの水容器の接続補助装置の実施形態について説明する。
【0016】
図1ないし図6は、本発明の実施形態に係るウォーターサーバへの水容器の接続補助装置(以下、「接続補助装置」という。)1の概略構成を示しており、図1、2において接続補助装置1は、支持体10と、リフト20と、着脱吊支機構60と、を含む。
【0017】
さらに、図1,2において、リフト20は、反転状態の水容器2を吊支状態で上下移動させる水容器の上下移動手段であり、実施形態において、リフト20は縦長枠体のフレーム32と、基台枠30と、ワイヤの一端側を上下駆動させる上下動装置50と、を含む。リフト20は、水容器2を反転吊支可能に保持させる支持体10を着脱吊支機構60を介して連結した状態で上下移動させる。なおリフト20は、基部にキャスタや走行ローラ等を取り付けて躯体自体が自走可能としたり、一部の脚部にゴム脚やストッパ付き転動体を取り付けた構成とすることもできる。
【0018】
実施形態において、フレーム32は、例えば公知のウォーターサーバ3の上面4よりも高い高さの縦長矩形状の本体機枠33と、本体機枠33から所要高さにおいて前方側にL字状に突設された突設枠34と、を含む。実施形態において、基台枠30は所要間隔幅で前方側に伸びるように平行に配置された基台アーム30a,30bとそれらの長手一端(後端)寄り位置でそれぞれのアームに直角状に連結する連結アーム30cを含む。そして、両アーム30a、30bと連結アーム30cとの連結位置でそれぞれのアームに直角状に縦長の本体機枠33が立設固定されている。本体機枠33と基台枠30は、直角状に連結されて組付け固定されている。なお、本体機枠33の高さは必ずしもウォーターサーバ3の上面4よりも高く設定する必要はない。なお、リフト20の本体機枠としてのフレーム32は、この実施例構成のみに限定されるものではない。フレーム32から前方側へ突設された突設枠34による水容器の上下動の動きを妨げない範囲で任意のフレーム構成とすることができる。例えば、基台枠30から1本の金属その他の強度のある剛性フレームとしてもよい。また、その場合、その1本のフレーム高さ中間位置にワイヤ巻き取り機を設置してもよい。本体機枠33、基台枠30,突設枠34は金属、軽金属、木製、竹、プラスチック、それらの複合材料で構成することができる。また、リフト全体をコンパクト化するために本体機枠、基台枠、突設枠等を適宜折り畳み、展開式としてもよい。
【0019】
図1,2において、基台枠30は前方に向けて開口を形成し内側に空隙を形成するようにコ字状枠体で形成されている。そして、コ字の空隙を上から塞ぐように本体機枠33側と基台枠30側とに変位可能なように倒伏自在に台板37が設けられている。また、基台枠30のアーム30a,30bの後端下部にはそれぞれ移動用車輪49a、49aが取り付けられると共に、前端下部にはそれぞれストッパ付きキャスタ49b、49bが取り付けられている。基台枠30の背面側の連結アーム30cには下端にゴム部材等を取り付けたフリーロック(棒ストッパー)55が上下移動可能に取り付けられており、ストッパアームの下端のゴム部材の着地、非着地動作を介して機枠33全体の移動、停止を切り替えることができる。機枠33全体の移動時には前端側キャスタ49b、49b及び後部のフリーロックのロックを解除し、所定位置での停止据え置きとする場合には、両者を停止ロック状態にセットする。なお、前端側キャスタ49b、49bはロック機能を有しないキャスターやローラを用いてもよい。また、後部側の移動用車輪49a自体をブレーキ機能付きの車輪として移動、停止を簡易に切り替え得るようにしてもよい。さらに、本体固定や地震時に倒れないように家屋や建物設備に連結する倒伏防止機構を設けるようにしてもよい。
【0020】
図において、本体機枠33と突設枠34に案内部材としての複数の案内ローラ39,40,41,42が取り付けられており、これらの案内部材にワイヤ43が掛け回されている。案内ローラ39,40は、それぞれ本体機枠33の上部横杆33a及び本体機枠の下端側となる基台枠30の連結アーム30cに取り付けられ、ワイヤ43を縦長方向に調帯移動させる。案内ローラ41,42は、突設枠34の隅部内側34bと、突設枠34の突設端下部に取り付けられており、案内ローラ39,40に掛け回されたワイヤ43の先端を案内ローラ42を介して突設枠34の突設端34cから鉛直方向に向けて上下移動可能に案内する。
【0021】
上下動装置50はワイヤ43の一端側を上下駆動させる装置であり、実施形態において、上下動装置50は、本体機枠33に取り付けられた手動式ロック機能付きのワイヤ巻き取り機45と、ワイヤ巻き取り機の駆動力を伝達するワイヤ43と、を含む。実施形態のワイヤ巻き取り機45は機台46に回動自在に支持された図示しないドラムとハンドル48とを含む。ワイヤ巻き取り機45は逆転防止用の係止爪等のロック装置を有している。そして、各案内ローラ39,40,41,42を掛け回して一端をローラ42から垂下させたワイヤ43をワイヤ巻き取り機45において巻き取り、巻き戻し自在に巻き付けた状態で、ハンドル48を回動操作することによりワイヤ43の一端をローラ42と地面Gとの間で直線状に移動させる。ワイヤ43は、ワイヤ巻き取り機の駆動力を伝達する索条であり、実施形態において金属ワイヤが用いられているが、金属ワイヤに限ることなく、繊維、紐、合成樹脂プラスチック材、これらの複合材料等で構成したものでもよい。案内ローラ構成もこの実施形態のみに限られるものではない。例えば、突設枠の隅部内側のローラ41と、突設枠の突設端下部側のローラ42のみとして、ワイヤ巻き取り機45からローラ41、ローラ42の順での掛け回し構成でワイヤを案内させるようにすることもできる。
【0022】
水容器2は、図3,4に示すように例えば透明プラスチック容器で形成され、実施形態においては円筒形で一端面側中央に水の出し入れ口としての給水口21を有すると共に他端側は容器の底部を形成している。なお、実施形態の容器の胴部には周面から外方に突出した補強用のリブ部が複数設けられている。水容器形状は、リブ部を有しないものもある。さらに円筒のほか立方体状、四角柱状、六角柱状、その他の形状のものがある。水を充満すると約12kg程度あるいはそれ以上の重量となる。
【0023】
支持体10は、水容器2に対して着脱自在に装着され水容器を反転状態にしてリフトの上下動装置38に着脱自在に連結させる着脱連結部を含む。実施形態において、支持体10は上下動装置38のワイヤ43に着脱自在に連結する第2着脱連結部を含む。
【0024】
支持体10は、水容器の外形形状に1か所又は複数個所で係合し係合部分を介して水容器全体を吊下げ可能とするように水容器に装着される支持具手段であり、好ましくは、水容器全体を包んだ状態として、その一部あるいは複数部、又は一端ないしは複数端を吊り上げた状態で水容器全体を吊支可能とする水容器への袋装置で構成される。例えば、紐、綱、布、ロープ、ベルト、チェーン、プラスチック、アルミニウム等の複合素材の索体を連結し、編みつけ、組み合わせて袋としての機能を有するようにしたもの、水容器の給水口21部分を露出させてそれ以外の部分を被覆するような布状袋体、これら索体、袋体の組合せによるもの、等を用いることができる。また、複数の硬質成型プラスチック等を組み合わせて袋樹あるいはケース収容体として構成してもよい。支持体の材質は強度を保持できる範囲で繊維、プラスチック合成樹脂、軽金属、金属、竹、木等を選択してよい。また、これらを水容器の外形部分に係着させるものとしては、索体の一部をコードストッパや、口締め紐等で絞った状態で止めたり、バッグクローザー形式の止め部材やバックル装置等を用いるようにすることができる。また、雌雄のループの結合、離脱により着脱を実現する面ファスナ形式の着脱機構を用いることができる。このように、支持体10は、水容器2の外郭を包むように装着されるネット状袋装置を含む袋装置38として構成されるのが好ましい。そして、後述するように支持体10を吊支する第1着脱部56としてフック体56が好適に用いられる。
【0025】
図1,3,5,6において、支持体10は、例えば布製の紐を編み結びして下端側に締め紐11を締め込み弛緩自在に開閉する口締め部12を形成した紐組みのネット状袋体から構成されている。したがって、例えば水容器2が非力者にとっては12kg程度の重量物でも図4(b)に示すように横倒し状態とした水容器2の底部側から口締め部12をあてがって包むように装着し、その後、口締め紐を締め込んで結びつけるだけで水容器2を反転吊支可能状態とさせることができる。口締め部12を小さくして締め込んだ状態でコードストッパや、バックル装置、ファスナ装置等の任意の緩み止め手段36により締め込んだ状態をロック保持する。支持体の水容器への装着に際しては、水容器を横倒しの他、一部着地させた状態で傾けて上下左右等いずれからも装着可能である。また、水容器を反転状態で載置し得る受台を予め用意し、反転状態の水容器の上から被せるようにして袋装置38を装着してもよい。支持体10は、水容器2を梱包状あるいは包装状に係着離脱可能に係着する装置として構成してもよい。
【0026】
この場合、水容器の底部側となる口締め部12の他端側に適宜の吊支端13が形成されるから、この部分が着脱吊支機構60の第2着脱部72とされる。なお、第2着脱部は、水容器2の底部に吊下げ可能な提げ手部を容器に一体に取り付けたものとしてもよい。この場合、提げ手部が支持体10を構成する。
【0027】
着脱吊支機構60は、水容器2を上下反転状態で支持する支持体10に着脱自在に係合しつつ吊支する着脱吊支手段であり、第1着脱部56と、第2着脱部72と、を含む。
【0028】
図1,2,5において、第1着脱部56は、リフト20の駆動装置としてのワイヤ巻き取り機45に駆動されて少なくともウォーターサーバ3の上面高さより高い位置と地面Gとの間を上下移動するリフト20側の着脱部であり、実施形態において、案内ローラ42から垂下するワイヤ43の下端部に取り付けられたフック体58で構成されている。実施形態ではばね付勢された図示しないロックアームが取り付けられ係着後は容易に離脱しないようになっている。ワイヤ巻き取り機45のハンドル48を回動操作すると第1着脱部56としてのフック体58が上下動する。
【0029】
第2着脱部72は、前述したように、上下反転状態で水容器2を支持する支持体10に取り付けられ第1着脱部56に着脱接続される水容器2側の着脱部である。この実施形態では第1着脱部56としてのフック体58で第2着脱部72としての支持体10の吊支端13を引っ掛けることにより水容器2を上下反転吊支している。
【0030】
第1着脱部56及び第2着脱部72は、リフト支持側と、反転した水容器と、を着脱自在に連結させればよく、例えば、第2着脱部72側にフック体を取り付けて第1着脱部56側にリングやループ部材、その他これに着脱係合する部材を設けてもよい。双方をフック体どうしで着脱接続させるようにしてもよい。また、着脱自在構成は、フック体とリングやループ方式にかぎることなく、任意の構成を採用することができる。例えば、雌雄嵌合方式、挿し込み固定方式、その他任意の方法を採用することができる。
【0031】
次に、本実施形態の接続補助装置1を用いて水容器をウォーターサーバ上面に搭載するに際しては、図2に示すようにワイヤ巻き取り機45のハンドル48を操作して突設枠34の突設端34cからワイヤ43を下降移動させ、着脱吊支機構60の第1着脱部56としてのフック体58を地面G近くまで下降させる。一方、図4に示すように水容器2を床に置いて例えば横倒しにして袋装置38を底面側から装着したり、また通常の据え置き姿勢で水容器の上面側から被せて装着したり、さらには、適宜傾きを与えたり動かしたりしながら支持体10としての袋装置38を水容器2の外表面に装着し一端側を結着しつつ他端側に吊支端13を形成させる。そして、図2の状態の接続補助装置1を水容器の近くに移動させ、ワイヤ下端の第1着脱部56としてのフック体58を水容器2側の第2着脱部としての吊支端13に引っ掛けて開口をロックする。その状態で、ワイヤ巻き取り機45のハンドル操作により図1のように反転吊支状態の水容器2をウォーターサーバの上面より高位に上昇移動させる。この状態で、接続補助装置1を移動させてウォーターサーバ3に近接移動させ、さらに、基台枠30のコ字内側の空隙内にウォーターサーバ3が収容されて突設枠34の突設端34cを通る垂線上にウォーターサーバの取水口が位置するように位置を調整する。この状態で、図6(a),(b)に示すようにワイヤ巻き取り機45のハンドル48を操作して下降移動させ水容器2とウォーターサーバ3の給水受口4と水容器給水口21とを接続させて水供給ルートを開く。これによって、ウォーターサーバ3上への水容器搭載の補助作業を軽作業で簡単かつ短時間に完了することが可能となる。なお、本体機枠33側と基台枠30上面側とに倒伏自在に設けられた台板37は、基台枠30の上面側を覆蓋した状態でその上面に予備の水容器や使用済み等の水容器の運搬用としてリフト20を用いることができる。
【0032】
上記実施形態中の上下動装置50は、手動のワイヤ巻き取り機を用いるようにしているが、これに限ることなくモータ、油圧機構、その他の動力駆動としてもよい。また、駆動力伝達をワイヤのみに依らしめているが、全部又は一部にラック・ピニオン機構、ギヤ連結機構、その他の動力伝達機構を用いてもよい。
【0033】
以上説明した、実施形態のウォーターサーバへの水容器の接続補助装置では、ウォーターサーバへ給水する水容器2をウォーターサーバ3へ接続する際の接続補助装置1であり、ウォーターサーバ3へ給水する水容器2の給水口を下方に向けて反転した状態で水容器を支持する支持体10と、支持体に係合しつつ反転状態の水容器2を上下駆動させるリフト20と、支持体10を着脱自在に吊支する着脱吊支機構60と、を含む構成とすることにより、非力な人にとっては重量物である水容器を軽作業で簡単かつ短時間でウォーターサーバ上面に水容器を搭載させることが可能である。
【0034】
また、着脱吊支機構60は、リフト20の上下動装置50に駆動されて少なくともウォーターサーバ3の高さより高い位置と地面Gとの間を上下移動する第1着脱部56と、水容器2に取り付けられ水容器を反転させた状態で第1着脱部56と着脱接続される第2着脱部72と、を含むことにより、リフト20の駆動装置を操作して第1着脱部を床面付近まで下降させ、その状態で水容器に装着された支持体に連結する第2着脱部を第1着脱部に係着させるだけで水容器の反転支持を準備を完了させ、以後、ハンドル操作等による支持体の上昇とウォーターサーバ上面への反転水容器の給水口の位置合わせ調整のみで水容器のウォーターサーバ上への搭載を完了でき、軽作業かつ簡易操作により短時間に作業を終了させることができる。
【0035】
また、第1及び/又は第2着脱部は、フック体を含むことにより、フックとループ体との係着操作のみでワンタッチでリフトによる駆動装置と反転吊支した水容器を連結することができる。
【0036】
また、支持体10は、水容器2自体の外郭形状の複数個所に係合しつつ水容器に対して着脱自在に装着されることにより、例えば紐、帯紐、布、プラスチック、アルミニウム複合素材等の編成、組合せ等により袋状の収容体を形成して床面上等で簡単に水容器の反転支持準備を行うことができる。
【0037】
さらに、支持体10は、水容器の外郭を包むように装着されるネット状袋装置(38)であることにより、簡単な構成で軽量、低コストの支持体を形成することが可能である。
【0038】
本発明のウォーターサーバへの水容器の接続補助装置は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変された形態を用いるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明のウォーターサーバへの水容器の接続補助装置は、5kg以上程度の水容器のウォーターサーバへの接続補助に用いて有効に利用できる。
【符号の説明】
【0040】
1 ウォーターサーバへの接続補助装置
2 水容器
3 ウォーターサーバ
10 支持体
13 吊支端
20 リフト
30 基台枠
33 本体機枠
34 突設枠
34c 突設端
30a、30b 基台アーム
39,40,41,42 案内ローラ
43 ワイヤ
45 ワイヤ巻き取り機
48 ハンドル
50 上下動装置
56 第1着脱部
58 フック体
60 着脱吊支機構
72 第2着脱部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォーターサーバへ給水する水容器をウォーターサーバへ接続する際の接続補助装置であり、
ウォーターサーバへ給水する水容器の給水口を下方に向けて反転した状態で水容器を支持する支持体と、
支持体に係合しつつ反転状態の水容器を上下駆動させるリフトと、
支持体を着脱自在に吊支する着脱吊支機構と、を含み、
支持体は、着脱吊支機構により着脱吊支されるネット状袋体であって、水容器を上下反転状態で支持し吊支端を有する紐組みのネット状袋体からなることを特徴とするウォーターサーバへの水容器の接続補助装置。
【請求項2】
リフトは、縦長枠体のフレームと、フレームの下端側から直角状に連結された基台枠と、を含み、
基台枠を構成するアームには、下端のゴム部材を着地、非着地可能に上下動させるロック部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のウォーターサーバへの水容器の接続補助装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水容器のウォーターサーバの給水口への装着を補助するウォーターサーバへの水容器の接続補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
交換式のタンクから冷水や熱水を供給する機器としてウォーターサーバが知られている。ウォーターサーバは飲用水の供給販売で用いられ、イオンや塩類など水以外の不純物は透過しない性質の逆浸透膜(RO膜)を用いて処理された水や天然水の飲用水を提供することができることから、カルキ臭を嫌う消費者などに支持されて利用される場合が多い。ウォーターサーバは冷温水を生成してそれぞれを提供する機能を有するサーバ本体の上面に、水タンクを載置して重力によりサーバ本体内の冷温水タンクへ水を供給する構造のものが広く普及している。
【0003】
サーバ本体へ供給する水タンクは家庭用としては例えば12リットル容器が用いられる場合が多い。なお、事業所等でも利用されていて更に大きい容量のものがある。そして、設置したウォーターサーバに水容器を接続する場合ウォーターサーバの上面以上高さまで12kg程度の水容器を持ち上げてサーバ本体の取水口に水容器の給水口を位置合わせして接続しなければならず、家庭内作業を負担する主婦や管理する非力な人にとって大きな作業負担となる。従来、ウォーターサーバへの水容器の接続作業負担を軽減し得るものとして特許文献1の装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-88247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のウォーターサーバ用リフトは、ウォーターサーバの高さよりも高いリフトの本体フレームと、ウォーターサーバの上端面の取水口に接続される水容器を保持する保持部と、保持部を本体フレーム内で上下動させる昇降機構を備え、保持部の上昇上限位置を、水容器を保持した状態のままウォーターサーバの上端面に接続した場合に保持部が位置する仮想接続高さよりも上に設定したものであり、これによって、水容器をウォーターサーバの高さよりも上にあげるので、人が水容器を抱えて高く上げる必要がなく作業負担を軽減させることを企図している。
【0006】
しかしながら、特許文献1の装置では、水容器を上下動させる保持部53は、アーム71、ハンド72、進退ロッド73等を含み、これらを操作して水容器を保持部に保持させた状態で上昇させるものであるから、保持部53への水容器の組付け手順が複雑で、組付け作業に時間がかかり実用性に劣る。また、ウォーターサーバのリフトの構成が複雑化、重量化、大型化しかつ、コスト高となる問題があった。
【0007】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、簡単な構成により水を収容した水容器を軽作業で簡単に反転吊支前状態への作業を行うことができ、さらに吊支状態で上方移動させて簡単かつ短時間にウォーターサーバの上面側に水容器を接続させることのできるウォーターサーバへの水容器の接続補助装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、簡単な構成で低コストのウォーターサーバへの水容器の接続補助装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、ウォーターサーバへ給水する水容器をウォーターサーバへ接続する際の接続補助装置であり、ウォーターサーバ3へ給水する水容器2の給水口21を下方に向けて反転した状態で水容器を支持する支持体10と、支持体10に係合しつつ反転状態の水容器を上下駆動させるリフト20と、支持体10を着脱自在に吊支する着脱吊支機構60と、を含み、支持体10は、着脱吊支機構60により着脱吊支されるネット状袋体であって、水容器を上下反転状態で支持し吊支端13を有する紐組みのネット状袋体からなるウォーターサーバへの水容器の接続補助装置1から構成される。
【0009】
その際、リフト20は、縦長枠体のフレーム32と、フレームの下端側から直角状に連結された基台枠30と、を含み、基台枠30を構成するアーム30cには、下端の摩擦部材を着地、非着地可能に上下動させるロック部材55が取り付けられているとよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明のウォーターサーバへの水容器の接続補助装置によれば、家事や管理を担当する非力な人でも簡単かつ短時間にウォーターサーバに対して水容器を接続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係るウォーターサーバへの水容器の接続補助装置の背面側斜視説明図であり、ウォーターサーバと共に示している。
図2図1のウォーターサーバへの水容器の接続補助装置の正面側斜視説明図である。
図3】(a)は、本発明の実施形態に係る水容器の正面図である。(b)は、水容器を内包した状態と仮定して紐部材で示した支持体の説明図である。
図4】(a)は、横倒し状に表した紐部材の支持体の説明図である。(b)は、図3の(a)の水容器を横倒しにして示した図である。
図5図1のウォーターサーバへの水容器の接続補助装置の側面説明図である。
図6】(a)は、反転吊支状態の水容器をウォーターサーバ上面への接続直前の状態を示す説明図、(b)は、(a)の状態からウォーターサーバ上面へ接続させた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下添付図面を参照しつつ本発明のウォーターサーバへの水容器の接続補助装置の実施形態について説明する。
【0013】
図1ないし図6は、本発明の実施形態に係るウォーターサーバへの水容器の接続補助装置(以下、「接続補助装置」という。)1の概略構成を示しており、図1、2において接続補助装置1は、支持体10と、リフト20と、着脱吊支機構60と、を含む。
【0014】
さらに、図1,2において、リフト20は、反転状態の水容器2を吊支状態で上下移動させる水容器の上下移動手段であり、実施形態において、リフト20は縦長枠体のフレーム32と、基台枠30と、ワイヤの一端側を上下駆動させる上下動装置50と、を含む。リフト20は、水容器2を反転吊支可能に保持させる支持体10を着脱吊支機構60を介して連結した状態で上下移動させる。なおリフト20は、基部にキャスタや走行ローラ等を取り付けて躯体自体が自走可能としたり、一部の脚部にゴム脚やストッパ付き転動体を取り付けた構成とすることもできる。
【0015】
実施形態において、フレーム32は、例えば公知のウォーターサーバ3の上面4よりも高い高さの縦長矩形状の本体機枠33と、本体機枠33から所要高さにおいて前方側にL字状に突設された突設枠34と、を含む。実施形態において、基台枠30は所要間隔幅で前方側に伸びるように平行に配置された基台アーム30a,30bとそれらの長手一端(後端)寄り位置でそれぞれのアームに直角状に連結する連結アーム30cを含む。そして、両アーム30a、30bと連結アーム30cとの連結位置でそれぞれのアームに直角状に縦長の本体機枠33が立設固定されている。本体機枠33と基台枠30は、直角状に連結されて組付け固定されている。なお、本体機枠33の高さは必ずしもウォーターサーバ3の上面4よりも高く設定する必要はない。なお、リフト20の本体機枠としてのフレーム32は、この実施例構成のみに限定されるものではない。フレーム32から前方側へ突設された突設枠34による水容器の上下動の動きを妨げない範囲で任意のフレーム構成とすることができる。例えば、基台枠30から1本の金属その他の強度のある剛性フレームとしてもよい。また、その場合、その1本のフレーム高さ中間位置にワイヤ巻き取り機を設置してもよい。本体機枠33、基台枠30,突設枠34は金属、軽金属、木製、竹、プラスチック、それらの複合材料で構成することができる。また、リフト全体をコンパクト化するために本体機枠、基台枠、突設枠等を適宜折り畳み、展開式としてもよい。
【0016】
図1,2において、基台枠30は前方に向けて開口を形成し内側に空隙を形成するようにコ字状枠体で形成されている。そして、コ字の空隙を上から塞ぐように本体機枠33側と基台枠30側とに変位可能なように倒伏自在に台板37が設けられている。また、基台枠30のアーム30a,30bの後端下部にはそれぞれ移動用車輪49a、49aが取り付けられると共に、前端下部にはそれぞれストッパ付きキャスタ49b、49bが取り付けられている。基台枠30の背面側の連結アーム30cには下端にゴム部材等を取り付けたフリーロック(棒ストッパー)55が上下移動可能に取り付けられており、ストッパアームの下端のゴム部材の着地、非着地動作を介して機枠33全体の移動、停止を切り替えることができる。機枠33全体の移動時には前端側キャスタ49b、49b及び後部のフリーロックのロックを解除し、所定位置での停止据え置きとする場合には、両者を停止ロック状態にセットする。なお、前端側キャスタ49b、49bはロック機能を有しないキャスターやローラを用いてもよい。また、後部側の移動用車輪49a自体をブレーキ機能付きの車輪として移動、停止を簡易に切り替え得るようにしてもよい。さらに、本体固定や地震時に倒れないように家屋や建物設備に連結する倒伏防止機構を設けるようにしてもよい。
【0017】
図において、本体機枠33と突設枠34に案内部材としての複数の案内ローラ39,40,41,42が取り付けられており、これらの案内部材にワイヤ43が掛け回されている。案内ローラ39,40は、それぞれ本体機枠33の上部横杆33a及び本体機枠の下端側となる基台枠30の連結アーム30cに取り付けられ、ワイヤ43を縦長方向に調帯移動させる。案内ローラ41,42は、突設枠34の隅部内側34bと、突設枠34の突設端下部に取り付けられており、案内ローラ39,40に掛け回されたワイヤ43の先端を案内ローラ42を介して突設枠34の突設端34cから鉛直方向に向けて上下移動可能に案内する。
【0018】
上下動装置50はワイヤ43の一端側を上下駆動させる装置であり、実施形態において、上下動装置50は、本体機枠33に取り付けられた手動式ロック機能付きのワイヤ巻き取り機45と、ワイヤ巻き取り機の駆動力を伝達するワイヤ43と、を含む。実施形態のワイヤ巻き取り機45は機台46に回動自在に支持された図示しないドラムとハンドル48とを含む。ワイヤ巻き取り機45は逆転防止用の係止爪等のロック装置を有している。そして、各案内ローラ39,40,41,42を掛け回して一端をローラ42から垂下させたワイヤ43をワイヤ巻き取り機45において巻き取り、巻き戻し自在に巻き付けた状態で、ハンドル48を回動操作することによりワイヤ43の一端をローラ42と地面Gとの間で直線状に移動させる。ワイヤ43は、ワイヤ巻き取り機の駆動力を伝達する索条であり、実施形態において金属ワイヤが用いられているが、金属ワイヤに限ることなく、繊維、紐、合成樹脂プラスチック材、これらの複合材料等で構成したものでもよい。案内ローラ構成もこの実施形態のみに限られるものではない。例えば、突設枠の隅部内側のローラ41と、突設枠の突設端下部側のローラ42のみとして、ワイヤ巻き取り機45からローラ41、ローラ42の順での掛け回し構成でワイヤを案内させるようにすることもできる。
【0019】
水容器2は、図3,4に示すように例えば透明プラスチック容器で形成され、実施形態においては円筒形で一端面側中央に水の出し入れ口としての給水口21を有すると共に他端側は容器の底部を形成している。なお、実施形態の容器の胴部には周面から外方に突出した補強用のリブ部が複数設けられている。水容器形状は、リブ部を有しないものもある。さらに円筒のほか立方体状、四角柱状、六角柱状、その他の形状のものがある。水を充満すると約12kg程度あるいはそれ以上の重量となる。
【0020】
支持体10は、水容器2に対して着脱自在に装着され水容器を反転状態にしてリフトの上下動装置38に着脱自在に連結させる着脱連結部を含む。実施形態において、支持体10は上下動装置38のワイヤ43に着脱自在に連結する第2着脱連結部を含む。
【0021】
支持体10は、水容器の外形形状に1か所又は複数個所で係合し係合部分を介して水容器全体を吊下げ可能とするように水容器に装着される支持具手段であり、好ましくは、水容器全体を包んだ状態として、その一部あるいは複数部、又は一端ないしは複数端を吊り上げた状態で水容器全体を吊支可能とする水容器への袋装置で構成される。例えば、紐、綱、布、ロープ、ベルト、チェーン、プラスチック、アルミニウム等の複合素材の索体を連結し、編みつけ、組み合わせて袋としての機能を有するようにしたもの、水容器の給水口21部分を露出させてそれ以外の部分を被覆するような布状袋体、これら索体、袋体の組合せによるもの、等を用いることができる。また、複数の硬質成型プラスチック等を組み合わせて袋樹あるいはケース収容体として構成してもよい。支持体の材質は強度を保持できる範囲で繊維、プラスチック合成樹脂、軽金属、金属、竹、木等を選択してよい。また、これらを水容器の外形部分に係着させるものとしては、索体の一部をコードストッパや、口締め紐等で絞った状態で止めたり、バッグクローザー形式の止め部材やバックル装置等を用いるようにすることができる。また、雌雄のループの結合、離脱により着脱を実現する面ファスナ形式の着脱機構を用いることができる。このように、支持体10は、水容器2の外郭を包むように装着されるネット状袋装置を含む袋装置38として構成されるのが好ましい。そして、後述するように支持体10を吊支する第1着脱部56としてフック体56が好適に用いられる。
【0022】
図1,3,5,6において、支持体10は、例えば布製の紐を編み結びして下端側に締め紐11を締め込み弛緩自在に開閉する口締め部12を形成した紐組みのネット状袋体から構成されている。したがって、例えば水容器2が非力者にとっては12kg程度の重量物でも図4(b)に示すように横倒し状態とした水容器2の底部側から口締め部12をあてがって包むように装着し、その後、口締め紐を締め込んで結びつけるだけで水容器2を反転吊支可能状態とさせることができる。口締め部12を小さくして締め込んだ状態でコードストッパや、バックル装置、ファスナ装置等の任意の緩み止め手段36により締め込んだ状態をロック保持する。支持体の水容器への装着に際しては、水容器を横倒しの他、一部着地させた状態で傾けて上下左右等いずれからも装着可能である。また、水容器を反転状態で載置し得る受台を予め用意し、反転状態の水容器の上から被せるようにして袋装置38を装着してもよい。支持体10は、水容器2を梱包状あるいは包装状に係着離脱可能に係着する装置として構成してもよい。
【0023】
この場合、水容器の底部側となる口締め部12の他端側に適宜の吊支端13が形成されるから、この部分が着脱吊支機構60の第2着脱部72とされる。なお、第2着脱部は、水容器2の底部に吊下げ可能な提げ手部を容器に一体に取り付けたものとしてもよい。この場合、提げ手部が支持体10を構成する。
【0024】
着脱吊支機構60は、水容器2を上下反転状態で支持する支持体10に着脱自在に係合しつつ吊支する着脱吊支手段であり、第1着脱部56と、第2着脱部72と、を含む。
【0025】
図1,2,5において、第1着脱部56は、リフト20の駆動装置としてのワイヤ巻き取り機45に駆動されて少なくともウォーターサーバ3の上面高さより高い位置と地面Gとの間を上下移動するリフト20側の着脱部であり、実施形態において、案内ローラ42から垂下するワイヤ43の下端部に取り付けられたフック体58で構成されている。実施形態ではばね付勢された図示しないロックアームが取り付けられ係着後は容易に離脱しないようになっている。ワイヤ巻き取り機45のハンドル48を回動操作すると第1着脱部56としてのフック体58が上下動する。
【0026】
第2着脱部72は、前述したように、上下反転状態で水容器2を支持する支持体10に取り付けられ第1着脱部56に着脱接続される水容器2側の着脱部である。この実施形態では第1着脱部56としてのフック体58で第2着脱部72としての支持体10の吊支端13を引っ掛けることにより水容器2を上下反転吊支している。
【0027】
第1着脱部56及び第2着脱部72は、リフト支持側と、反転した水容器と、を着脱自在に連結させればよく、例えば、第2着脱部72側にフック体を取り付けて第1着脱部56側にリングやループ部材、その他これに着脱係合する部材を設けてもよい。双方をフック体どうしで着脱接続させるようにしてもよい。また、着脱自在構成は、フック体とリングやループ方式にかぎることなく、任意の構成を採用することができる。例えば、雌雄嵌合方式、挿し込み固定方式、その他任意の方法を採用することができる。
【0028】
次に、本実施形態の接続補助装置1を用いて水容器をウォーターサーバ上面に搭載するに際しては、図2に示すようにワイヤ巻き取り機45のハンドル48を操作して突設枠34の突設端34cからワイヤ43を下降移動させ、着脱吊支機構60の第1着脱部56としてのフック体58を地面G近くまで下降させる。一方、図4に示すように水容器2を床に置いて例えば横倒しにして袋装置38を底面側から装着したり、また通常の据え置き姿勢で水容器の上面側から被せて装着したり、さらには、適宜傾きを与えたり動かしたりしながら支持体10としての袋装置38を水容器2の外表面に装着し一端側を結着しつつ他端側に吊支端13を形成させる。そして、図2の状態の接続補助装置1を水容器の近くに移動させ、ワイヤ下端の第1着脱部56としてのフック体58を水容器2側の第2着脱部としての吊支端13に引っ掛けて開口をロックする。その状態で、ワイヤ巻き取り機45のハンドル操作により図1のように反転吊支状態の水容器2をウォーターサーバの上面より高位に上昇移動させる。この状態で、接続補助装置1を移動させてウォーターサーバ3に近接移動させ、さらに、基台枠30のコ字内側の空隙内にウォーターサーバ3が収容されて突設枠34の突設端34cを通る垂線上にウォーターサーバの取水口が位置するように位置を調整する。この状態で、図6(a),(b)に示すようにワイヤ巻き取り機45のハンドル48を操作して下降移動させ水容器2とウォーターサーバ3の給水受口4と水容器給水口21とを接続させて水供給ルートを開く。これによって、ウォーターサーバ3上への水容器搭載の補助作業を軽作業で簡単かつ短時間に完了することが可能となる。なお、本体機枠33側と基台枠30上面側とに倒伏自在に設けられた台板37は、基台枠30の上面側を覆蓋した状態でその上面に予備の水容器や使用済み等の水容器の運搬用としてリフト20を用いることができる。
【0029】
上記実施形態中の上下動装置50は、手動のワイヤ巻き取り機を用いるようにしているが、これに限ることなくモータ、油圧機構、その他の動力駆動としてもよい。また、駆動力伝達をワイヤのみに依らしめているが、全部又は一部にラック・ピニオン機構、ギヤ連結機構、その他の動力伝達機構を用いてもよい。
【0030】
以上説明した、実施形態のウォーターサーバへの水容器の接続補助装置では、ウォーターサーバへ給水する水容器2をウォーターサーバ3へ接続する際の接続補助装置1であり、ウォーターサーバ3へ給水する水容器2の給水口を下方に向けて反転した状態で水容器を支持する支持体10と、支持体に係合しつつ反転状態の水容器2を上下駆動させるリフト20と、支持体10を着脱自在に吊支する着脱吊支機構60と、を含む構成とすることにより、非力な人にとっては重量物である水容器を軽作業で簡単かつ短時間でウォーターサーバ上面に水容器を搭載させることが可能である。
【0031】
また、着脱吊支機構60は、リフト20の上下動装置50に駆動されて少なくともウォーターサーバ3の高さより高い位置と地面Gとの間を上下移動する第1着脱部56と、水容器2に取り付けられ水容器を反転させた状態で第1着脱部56と着脱接続される第2着脱部72と、を含むことにより、リフト20の駆動装置を操作して第1着脱部を床面付近まで下降させ、その状態で水容器に装着された支持体に連結する第2着脱部を第1着脱部に係着させるだけで水容器の反転支持を準備を完了させ、以後、ハンドル操作等による支持体の上昇とウォーターサーバ上面への反転水容器の給水口の位置合わせ調整のみで水容器のウォーターサーバ上への搭載を完了でき、軽作業かつ簡易操作により短時間に作業を終了させることができる。
【0032】
また、第1及び/又は第2着脱部は、フック体を含むことにより、フックとループ体との係着操作のみでワンタッチでリフトによる駆動装置と反転吊支した水容器を連結することができる。
【0033】
また、支持体10は、水容器2自体の外郭形状の複数個所に係合しつつ水容器に対して着脱自在に装着されることにより、例えば紐、帯紐、布、プラスチック、アルミニウム複合素材等の編成、組合せ等により袋状の収容体を形成して床面上等で簡単に水容器の反転支持準備を行うことができる。
【0034】
さらに、支持体10は、水容器の外郭を包むように装着されるネット状袋装置(38)であることにより、簡単な構成で軽量、低コストの支持体を形成することが可能である。
【0035】
本発明のウォーターサーバへの水容器の接続補助装置は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変された形態を用いるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明のウォーターサーバへの水容器の接続補助装置は、5kg以上程度の水容器のウォーターサーバへの接続補助に用いて有効に利用できる。
【符号の説明】
【0037】
1 ウォーターサーバへの接続補助装置
2 水容器
3 ウォーターサーバ
10 支持体
13 吊支端
20 リフト
30 基台枠
33 本体機枠
34 突設枠
34c 突設端
30a、30b 基台アーム
39,40,41,42 案内ローラ
43 ワイヤ
45 ワイヤ巻き取り機
48 ハンドル
50 上下動装置
56 第1着脱部
58 フック体
60 着脱吊支機構
72 第2着脱部