(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183549
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】発光表示装置、発光表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20221206BHJP
【FI】
H01L33/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090917
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】足立 知樹
(72)【発明者】
【氏名】中村 功
(72)【発明者】
【氏名】森井 正明
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA32
5F142BA02
5F142BA22
5F142BA24
5F142CA03
5F142CB11
5F142CB12
5F142CC03
5F142CC04
5F142CC14
5F142CC26
5F142CG01
5F142DA01
5F142DA12
5F142DB02
5F142FA01
5F142GA04
(57)【要約】
【課題】信頼性を向上した発光表示装置を提供すること。
【解決手段】発光表示装置A1は、ケース10、複数のリード30、複数の半導体発光素子60、ワイヤ70、連結部材80を備える。ケース10は、厚さ方向から視て8の字を構成するように配置された複数の貫通孔20を有する。複数のリード30は、厚さ方向を向くリード主面301を有する。複数のリード30は、共通リード40と、複数の個別リード50(51~58)と、を含む。複数の半導体発光素子60はそれぞれ、複数の貫通孔20に配置され、複数のリード30(40,51~57)のリード主面301に搭載されている。連結部材80は、隣り合う個別リード56,57を連結する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向を向くケース主面と、前記ケース主面から前記厚さ方向に貫通し、前記厚さ方向から視て8の字を構成するように配置された複数の貫通孔と、を有するケースと、
前記厚さ方向を向くリード主面を有し、第1リードと、前記第1リードの隣に配置された第2リードと、を含む複数のリードと、
前記複数の貫通孔に配置され、前記リード主面に搭載された複数の半導体発光素子と、
前記第1リードと前記第2リードとを連結する連結部材と、
前記複数のリード、および前記連結部材を覆う封止樹脂と、
を備えた、発光表示装置。
【請求項2】
前記第1リードは、前記半導体発光素子が前記リード主面に搭載されるものである、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項3】
前記第1リードは、前記ケースの中央に形成され、8の字の中央の前記貫通孔に配置された前記半導体発光素子が搭載されたリードである、請求項1または請求項2に記載の発光表示装置。
【請求項4】
前記連結部材は、前記第1リードの主面と前記第2リードの主面とに亘って設けられている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発光表示装置。
【請求項5】
前記複数の半導体発光素子に接続された複数のワイヤを備える、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発光表示装置。
【請求項6】
前記複数のリードは、
前記複数の半導体発光素子の各々が実装された複数の個別リードと、
前記複数のワイヤが接続された共通リードと、
を含み、
前記第1リード及び前記第2リードは前記個別リードである、
請求項5に記載の発光表示装置。
【請求項7】
前記複数のリードは、
前記複数の半導体発光素子の各々が実装された複数の個別リードと、
前記複数のワイヤが接続された共通リードと、
を含み、
前記第1リードまたは前記第2リードの一方は前記共通リードであり、他方は前記個別リードである、
請求項5に記載の発光表示装置。
【請求項8】
前記複数のリードは、
複数の前記半導体発光素子が実装された共通リードと、
前記複数のワイヤがそれぞれ接続された複数の個別リードと、
を含み、
前記第1リード及び前記第2リードは前記個別リードである、
請求項5に記載の発光表示装置。
【請求項9】
前記複数のリードは、
複数の前記半導体発光素子が実装された共通リードと、
前記複数のワイヤがそれぞれ接続された複数の個別リードと、
を含み、
前記第1リードまたは前記第2リードの一方は前記共通リードであり、他方は前記個別リードである、
請求項5に記載の発光表示装置。
【請求項10】
前記ケースは、前記連結部材を収容する収容凹部を有する、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の発光表示装置。
【請求項11】
前記収容凹部には、前記連結部材と前記封止樹脂とが収容されている、請求項10に記載の発光表示装置。
【請求項12】
前記ケース主面は、前記厚さ方向から視て長方形状に形成され、
前記ケースは、前記ケース主面の1つの第1角部に、前記8の字を構成する前記複数の貫通孔と異なる貫通孔を有し、
前記連結部材は、前記第1角部と対角の第2角部に配置されている、
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の発光表示装置。
【請求項13】
前記ケースは、前記厚さ方向と直交する横方向において互いに反対方向を向く第1ケース側面および第2ケース側面と、前記厚さ方向および前記横方向と直交する縦方向において互いに反対方向を向く第3ケース側面および第4ケース側面とを有し、
前記第1角部は、前記第2ケース側面と前記第4ケース側面とによって形成され、
前記第2角部は、前記第1ケース側面と前記第3ケース側面とによって形成される、
請求項12に記載の発光表示装置。
【請求項14】
前記第1リードは、前記第2角部から前記第1ケース側面に沿って前記ケースの中央まで延びる延出部と、前記延出部の先端から前記横方向に前記ケースの中央まで延びる接続部と、を有し、
前記半導体発光素子は、前記接続部の先端に搭載されている、
請求項13に記載の発光表示装置。
【請求項15】
前記連結部材は、紫外線硬化樹脂である、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の発光表示装置。
【請求項16】
前記封止樹脂は、熱硬化樹脂である、請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の発光表示装置。
【請求項17】
複数のリードを用意する工程と、
複数のリードのうち第1リードと第2リードとを連結する工程と、
ケースを取り付ける工程と、
封止樹脂で封止する工程と、
を備えた、発光表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記第1リードと前記第2リードとを連結する工程は、紫外線硬化樹脂を前記第1リードと前記第2リードとに亘って配置する工程と、紫外線を照射して前記紫外線硬化樹脂を硬化する工程と、を含む、請求項17に記載の発光表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光表示装置、発光表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光表示装置は、7セグメントによって数字等を表示可能に構成されている(例えば、特許文献1参照)。発光表示装置は、リードにダイボンディングおよびワイヤボンディングされた発光素子(LEDチップ)と、各セグメントに対応する導光部が形成された反射ケースと、導光部に充填された透光性樹脂と、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような発光表示装置では、ワイヤの断線が生じるおそれがある。このため、信頼性の向上が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様である発光表示装置は、厚さ方向を向くケース主面と、前記ケース主面から前記厚さ方向に貫通し、前記厚さ方向から視て8の字を構成するように配置された複数の貫通孔と、を有するケースと、前記厚さ方向を向くリード主面を有し、第1リードと、前記第1リードの隣に配置された第2リードと、を含む複数のリードと、前記複数の貫通孔に配置され、前記リード主面に搭載された複数の半導体発光素子と、前記第1リードと前記第2リードとを連結する連結部材と、前記複数のリード、および前記連結部材を覆う封止樹脂と、を備えた。
【0006】
また、本開示の別の一態様である発光表示装置の製造方法は、複数のリードを用意する工程と、複数のリードのうち第1リードと第2リードとを連結する工程と、ケースを取り付ける工程と、封止樹脂で封止する工程と、を備えた。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、信頼性を向上した発光表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態の発光表示装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施形態の発光表示装置の平面図である。
【
図3】
図3は、リード、半導体発光素子、およびワイヤを示す平面図である。
【
図4】
図4は、一実施形態の発光表示装置の底面図である。
【
図5】
図5は、裏面樹脂を除いた発光表示装置を示す底面図である。
【
図10】
図10は、発光表示装置の製造工程を示す平面図である。
【
図11】
図11は、発光表示装置の製造工程を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、発光表示装置の製造工程を示す平面図である。
【
図13】
図13は、発光表示装置の製造工程を示す平面図である。
【
図14】
図14は、発光表示装置の製造工程を示す断面図である。
【
図15】
図15は、発光表示装置の製造工程を示す断面図である。
【
図16】
図16は、変更例の発光表示装置を示す平面図である。
【
図17】
図17は、変更例の発光表示装置を示す平面図である。
【
図18】
図18は、変更例の発光表示装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態及び変更例について図面を参照して説明する。以下に示す実施形態及び変更例は、技術的思想を具体化するための構成や方法を例示するものであって、各構成部品の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに限定するものではない。以下の各実施形態及び変更例は、種々の変更を加えることができる。また、以下の実施形態及び変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0010】
本明細書において、「部材Aが部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bとが物理的に直接的に接続される場合、並びに、部材A及び部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合を含む。
【0011】
同様に、「部材Cが部材Aと部材Bとの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cとが直接的に接続される場合、並びに、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cとが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合を含む。
【0012】
(一実施形態)
図1から
図9は、本実施形態の発光表示装置A1を示す。本実施形態の発光表示装置A1は、配線基板に表面実装されるものである。本実施形態の発光表示装置A1は、0から9までの1桁の数字と1つの点とを表示可能に構成されている。
【0013】
図1から
図9に示すように、発光表示装置A1は、ケース10、複数のリード30、複数の半導体発光素子60、複数のワイヤ70、連結部材80、封止樹脂90を有している。なお、
図3は、複数のリード30、複数の半導体発光素子60、複数のワイヤ70、および連結部材80を実線で示し、ケース10を二点鎖線で示している。
図5は、理解の便宜上、封止樹脂90を省略している。
【0014】
[ケース]
図1、
図2に示すように、発光表示装置A1は、概略直方体状に形成されている。ケース10は、発光表示装置A1の厚さ方向Zを向くケース主面101と、ケース主面101と反対方向を向くケース裏面102とを有している。また、ケース10は、ケース主面101と平行な方向を向く複数の第1ケース側面103から第4ケース側面106を有している。以降の説明において、厚さ方向Zと直交する方向のうちの互いに直交する方向を「横方向X」「縦方向Y」とする。第1ケース側面103と第2ケース側面104は、横方向Xにおいて互いに反対方向を向く。第3ケース側面105と第4ケース側面106は、縦方向Y方向において互いに反対方向を向く。
【0015】
ケース10は、白色の合成樹脂製である。ケース10の構成材料は、たとえばポリフタルアミド(PPA)、または液晶ポリマー(LCP)である。なお、ケース10の構成材料は、これらに限定されず、機械的強度が高く、かつ耐熱性に優れた材料であればよい。ケース10のケース主面101には、たとえば黒色のフィルム(図示略)が貼り付けられている。なお、ケース主面101に対して印刷により黒色の膜が形成されていてもよい。フィルムと膜の色は、黒色以外であってもよい。
【0016】
図7から
図9に示すように、ケース10は、ケース裏面102から厚さ方向Zに凹む収容凹部11を有している。詳述すると、ケース10は、ケース主面101の側に設けられた板状の本体部12と、本体部12からケース主面101と反対側に向けて延びる枠状の壁部13とを有している。この本体部12および壁部13は、収容凹部11を形成する。本体部12において、ケース主面101と反対側の面は収容凹部11の底面111であり、壁部13の内側面は収容凹部11の内周面112である。収容凹部11の底面111は、ケース主面101に対して平行である。
【0017】
[ケースの貫通孔]
ケース10は、複数の貫通孔20を有している。
図7、
図8に示すように、貫通孔20は、厚さ方向Zにおいて、ケース主面101から収容凹部11の底面111まで、ケース10(本体部12)を貫通している。
【0018】
図2、
図6に示すように、複数の貫通孔20は、第1貫通孔21~第8貫通孔28を含む。第1貫通孔21~第7貫通孔27は、8の字(デジット)を形成する。第1貫通孔21~第7貫通孔27のそれぞれには、厚さ方向Zにおいて第1貫通孔21~第7貫通孔27と重なるように半導体発光素子61~67が配置されている。これにより、第1貫通孔21~第7貫通孔27及び第1貫通孔21~第7貫通孔27に対応する半導体発光素子61~67によって、発光表示装置A1の7つのセグメントからなるデジットを構成している。第8貫通孔28には、厚さ方向Zにおいて第8貫通孔28と重なるように半導体発光素子68が配置されている。これにより、第8貫通孔28及び第8貫通孔28に対応する半導体発光素子68によって、小数点(デシマルポイント)を構成している。
【0019】
図2に示すように、第1貫通孔21は、横方向Xに沿って延びている。第1貫通孔21は、ケース主面において、略台形状に開口している。第1貫通孔21は、ケース10のうちの第3ケース側面105側かつケース10の横方向Xの中央部に対して第2ケース側面104寄りとなるように配置されている。
【0020】
第2貫通孔22は、縦方向Yにおいて第3ケース側面105から第4ケース側面106に向かうにつれて第2ケース側面104から第1ケース側面103に向けて傾斜するように延びている。第2貫通孔22は、ケース10の縦方向Yの中央部よりも第3ケース側面105側となり、かつケース10の横方向Xの中央部よりも第2ケース側面104側となるように配置されている。第2貫通孔22は、第1貫通孔21と隣り合うように配置されている。
【0021】
第3貫通孔23は、縦方向Yにおいて第3ケース側面105から第4ケース側面106に向かうにつれて第2ケース側面104から第1ケース側面103に向けて傾斜するように延びている。第3貫通孔23は、縦方向Yにおいて第2貫通孔22と隣り合うように配置されている。第3貫通孔23が延びる方向は、第2貫通孔22が延びる方向と一致している。第3貫通孔23は、ケース10の縦方向Yの中央部よりも第4ケース側面106側となり、かつケース10の横方向Xの中央部よりも第2ケース側面104側となるように配置されている。
【0022】
第4貫通孔24は、横方向Xに沿って延びている。第4貫通孔24は、ケース10のケース主面101において、略台形状に開口している。第4貫通孔24は、ケース10のうちの第4ケース側面106側かつケース10の横方向Xの中央部に対して第1ケース側面103寄りとなるように配置されている。第4貫通孔24は、第3貫通孔23と隣り合うように配置されている。
【0023】
第5貫通孔25は、縦方向Yにおいて第3ケース側面105から第4ケース側面106に向かうにつれて第2ケース側面104から第1ケース側面103に向けて傾斜するように延びている。第5貫通孔25が延びる方向は、第3貫通孔23が延びる方向と平行である。横方向Xからみて、第5貫通孔25は、第3貫通孔23と対向している。第5貫通孔25は、ケース10の縦方向Yの中央部よりも第4ケース側面106側となり、かつケース10の横方向Xの中央部よりも第1ケース側面103側となるように配置されている。第5貫通孔25は、第4貫通孔24と隣り合うように配置されている。
【0024】
第6貫通孔26は、縦方向Yにおいて第3ケース側面105から第4ケース側面106に向かうにつれて第2ケース側面104から第1ケース側面103に向けて傾斜するように延びている。第6貫通孔26が延びる方向は、第2貫通孔22が延びる方向と平行である。横方向Xからみて、第6貫通孔26は、第2貫通孔22と対向している。第6貫通孔26は、ケース10の縦方向Yの中央部よりも第3ケース側面105側となり、かつケース10の横方向Xの中央部よりも第1ケース側面103側となるように配置されている。第6貫通孔26は、縦方向Yにおいて第5貫通孔25と隣り合うように配置されている。
【0025】
第7貫通孔27は、横方向Xに沿って延びている。第7貫通孔27は、第2貫通孔22、第3貫通孔23、第5貫通孔25、及び第6貫通孔26と隣り合うように配置されている。第7貫通孔27は、ケース10の縦方向Yの中央部かつ横方向Xの中央部に配置されている。
【0026】
第8貫通孔28は、横方向Xにおいてケース10の第2ケース側面104と隣り合うように配置されている。第8貫通孔28は、ケース10の縦方向Yの中央部よりも第4ケース側面106側に配置されている。横方向Xからみて、第8貫通孔28は、第4貫通孔24と重なるように配置されている。第8貫通孔28は、ケース10のケース主面101において、円形状に開口している。
【0027】
図6に示すように、第1貫通孔21~第7貫通孔27は、収容凹部11の底面111において、長方形状に開口している。
図2に示すように、第8貫通孔28は、ケース主面101において、円形状に開口している。
図2、
図6に示すように、第8貫通孔28は、ケース主面101の側の第1収容部281と、底面111の側の第2収容部282とを有している。第1収容部281は、ケース主面101に開口している。第2収容部282は、第1収容部281よりも大きい内径を有している。
【0028】
図6に示すように、ケース10には、収容凹部11の底面111に支持凹部151~157が形成されている。
図6、
図7に示すように、支持凹部151は、貫通孔21,22,27,26に囲まれた底面111からケース10のケース主面101に向けて凹んでいる。支持凹部152は、貫通孔27,23,24,25に囲まれた底面111からケース10のケース主面101に向けて凹んでいる。
図8、
図9に示すように,支持凹部153、157は、底面111からケース10のケース主面101に向けて凹んでいる。また、
図8に示すように、支持凹部156は、底面111からケース10のケース主面101に向けて凹んでいる。なお、
図6に示す支持凹部154,155は、支持凹部153,156、等と同様に、底面111からケース10のケース主面101に向けて凹んでいる。
【0029】
[リード]
図7から
図9に示すように、複数のリード30は、厚さ方向Zを向くリード主面301と、リード主面301と反対側のリード裏面302とを有している。リード主面301は、ケース10のケース主面101と同じ方向を向き、収容凹部11の底面111と対向する。なお、リード主面301は、ケース10の収容凹部11に収容された複数のリード30について、収容凹部11の底面111と対向する部分について示すものである。この部分は、後述するパッド部41(第1共通パッド411から第8共通パッド418)と、第1個別パッド51aから第8個別パッド58aの主面に対応するものである。
【0030】
図2、
図3に示すように、複数のリード30は、1つの共通リード40と複数の個別リード50とを有している。本実施形態において、各個別リード50にはそれぞれ半導体発光素子60が搭載されている。各半導体発光素子60は、ワイヤ70によって共通リード40に接続されている。共通リード40および複数の個別リード50は、複数の半導体発光素子60に対して個別に電力を供給する、つまり複数の半導体発光素子60を個別に駆動するための導電部材である。
【0031】
[共通リード]
共通リード40は、パッド部41と端子部42,43を有している。パッド部41は、厚さ方向Zにおいて板状である。パッド部41は、複数の共通パッド411~418を有している。複数の共通パッド411~418は、一体的に形成されている。本実施形態の共通リード40は、第1共通パッド411から第8共通パッド418を有している。
【0032】
第7共通パッド417は、横方向Xおよび縦方向Yにおいて、ケース10の中央に配置されている。第7共通パッド417は、縦方向Yに延びている。第7共通パッド417は、ケース10の第1ケース側面103の側を向く端辺417aを有している。端辺417aは、第7貫通孔27の長さ方向と交差する方向に延びている。端辺417aは、縦方向Yに延びている。
【0033】
第1共通パッド411は、横方向Xにおいてケース10の中央に配置されている。第1共通パッド411は、第7共通パッド417のケース10の第3ケース側面105の側の端部から縦方向Yにおいて、ケース10の第3ケース側面105に向けて延びている。第1共通パッド411において、ケース10の第2ケース側面104の側の端辺411aは、縦方向Yに沿って延びている。第1共通パッド411は、端子部42に接続されている。
【0034】
第2共通パッド412は、第7共通パッド417のケース10の第3ケース側面105の側の端部から、ケース10の第2ケース側面104に向けて延びている。第2共通パッド412は、ケース10の第3ケース側面105の側を向く端辺412aを有している。端辺412aは、第2貫通孔22の長さ方向と交差する方向に延びている。
【0035】
第3共通パッド413は、第7共通パッド417のケース10の第4ケース側面106の側の端部から、ケース10の第2ケース側面104に向けて延びている。第3共通パッド413は、ケース10の第4ケース側面106の側を向く端辺413aを有している。端辺413aは、第3貫通孔23の長さ方向と交差する方向に延びている。
【0036】
本実施形態において、第2共通パッド412の先端は、第3共通パッド413の先端と接続されている。これにより、第2共通パッド412と第3共通パッド413と第7共通パッド417は、厚さ方向Zから視て概略四角形状(平行四辺形状)のパッド部を構成している。
【0037】
第4共通パッド414は、横方向Xにおいてケース10の中央に配置されている。第4共通パッド414は、第7共通パッド417から縦方向Yにおいて、ケース10の第4ケース側面106に向けて延びている。第4共通パッド414において、ケース10の第1ケース側面103の側の端辺414aは、縦方向Yに沿って延びている。第4共通パッド414は、端子部43に接続されている。つまり、2つの端子部42,43は、第1共通パッド411、第7共通パッド417、および第4共通パッド414により接続されている。
【0038】
第5共通パッド415は、第7共通パッド417のケース10の第4ケース側面106の側の端部から、ケース10の第1ケース側面103に向けて延びている。第5共通パッド415において、ケース10の第4ケース側面106の側の端辺415aは、第5貫通孔25の長さ方向に対して交差する方向に延びている。
【0039】
第6共通パッド416は、第7共通パッド417のケース10の第3ケース側面105の側の端部から、ケース10の第1ケース側面103に向けて延びている。第6共通パッド416において、ケース10の第3ケース側面105の側の端辺416aは、第6貫通孔26の長さ方向に対して交差する方向に延びている。
【0040】
第8共通パッド418は、第3共通パッド413の先端、つまりケース10の第2ケース側面104の側の端部から、ケース10の第4ケース側面106に向けて延びている。第8共通パッド418の先端の端辺418aは、横方向Xに沿って延びている。
【0041】
[個別リード]
個別リード50は、第1個別リード51から第8個別リード58を含む。
第1個別リード51は、第1個別パッド51aと端子部51bとを一体的に有している。第2個別リード52は、第2個別パッド52aと端子部52bとを一体的に有している。第3個別リード53は、第3個別パッド53aと端子部53bとを一体的に有している。第4個別リード54は、第4個別パッド54aと端子部54bとを一体的に有している。第5個別リード55は、第5個別パッド55aと端子部55bとを一体的に有している。第6個別リード56は、第6個別パッド56aと端子部56bとを一体的に有している。第7個別リード57は、第7個別パッド57aと端子部57bとを一体的に有している。第8個別リード58は、第8個別パッド58aと端子部58bとを一体的に有している。
【0042】
第1個別パッド51aと第2個別パッド52aは、第1共通パッド411からケース10の第2ケース側面104に向けて配列されている。第1個別パッド51aは、第1共通パッド411に対して、横方向Xに離れて配置されている。第2個別パッド52aは、第1個別パッド51aに対して、横方向Xに離れて配置されている。端子部51bは、第1個別パッド51aから縦方向Yに延びている。端子部51bは、第2個別パッド52aから縦方向Yに延びている。
【0043】
第1個別パッド51aは、縦方向Yに延びている。第1個別パッド51aは、縦方向Yに沿って延びる端辺51aaを有している。端辺51aaは、第1共通パッド411の端辺411aと対向している。端辺51aaは、第1貫通孔21の長さ方向に対して交差する方向に延びている。また、端辺51aaは、縦方向Yに沿って延びている。
【0044】
第2個別パッド52aは、ケース10の第2ケース側面104に沿って延びている。第2個別パッド52aの先端の端辺52aaは、第2共通パッド412の端辺412aと対向している。端辺52aaは、第2貫通孔22の長さ方向に対して交差する方向に延びている。
【0045】
第3個別パッド53aと第8個別パッド58aは、第4共通パッド414からケース10の第2ケース側面104に向けて配列されている。第3個別パッド53aは、第4共通パッド414に対して横方向Xに離れて配置されている。第8個別パッド58aは、第3個別パッド53aに対して、横方向Xに離れて配置されている。端子部51bは、第3個別パッド53aから縦方向Yに延びている。端子部51bは、第8個別パッド58aから縦方向Yに延びている。
【0046】
第3個別パッド53aは、縦方向Yに延びている。第3個別パッド53aの先端の端辺53aaは、第3共通パッド413の端辺413aと対向している。端辺53aaは、第3貫通孔23の長さ方向に対して交差する方向に延びている。
【0047】
第8個別パッド58aは、ケース10の第2ケース側面104と第4ケース側面106とが交差する角部に配置されている。第8個別パッド58aは、ケース10の第2ケース側面104に沿って延びている。第8個別パッド58aの先端の端辺58aaは、第8共通パッド418の端辺418aと対向している。端辺58aaは、横方向Xに延びている。厚さ方向Zから視て、第8貫通孔28は、第8共通パッド418および第8個別パッド58aと重なるように形成されている。
【0048】
第4個別パッド54aと第5個別パッド55aは、第4共通パッド414からケース10の第1ケース側面103に向けて配列されている。第4個別パッド54aは、第4共通パッド414に対して横方向Xに離れて配置されている。第5個別パッド55aは、第4個別パッド54aに対して、横方向Xに離れて配置されている。端子部51bは、第4個別パッド54aから縦方向Yに延びている。端子部51bは、第5個別パッド55aから縦方向Yに延びている。
【0049】
第4個別パッド54aは、縦方向Yに延びている。第4個別パッド54aは、縦方向Yに沿って延びる端辺54aaを有している。端辺54aaは、第4共通パッド414の端辺414aと対向している。端辺54aaは、第4貫通孔24の長さ方向に対して交差する方向に延びている。また、端辺54aaは、縦方向Yに沿って延びている。
【0050】
第5個別パッド55aは、ケース10の第1ケース側面103に沿って延びている。第5個別パッド55aの先端の端辺55aaは、第5共通パッド415の端辺415aと対向している。端辺55aaは、第5貫通孔25の長さ方向に対して交差する方向に延びている。
【0051】
第6個別パッド56aと第7個別パッド57aは、第1共通パッド411からケース10の第1ケース側面103に向けて配列されている。第6個別パッド56aは、第1共通パッド411に対して横方向Xに離れて配置されている。第7個別パッド57aは、第6個別パッド56aに対して、横方向Xに離れて配置されている。端子部51bは、第6個別パッド56aから縦方向Yに延びている。端子部51bは、第7個別パッド57aから縦方向Yに延びている。
【0052】
第6個別パッド56aは、縦方向Yに延びている。第6個別パッド56aの先端の端辺56aaは、第6共通パッド416の端辺416aと対向している。端辺56aaは、第6貫通孔26の長さ方向に対して交差する方向に延びている。
【0053】
第7個別パッド57aは、延出部571と接続部572とを有している。延出部571は、ケース10の第1ケース側面103と第3ケース側面105とが交差する第2角部10c2から、ケース10の第1ケース側面103に沿って、縦方向Yにおけるケース10の中央まで延びている。接続部572は、延出部571の先端から横方向Xに延びている。接続部572は、横方向Xにおけるケース10の中央まで延びている。つまり、第7個別パッド57aは、ケース10の第1ケース側面103と第3ケース側面105とが交差する角部から、横方向Xおよび縦方向Yにおけるケース10の中央まで延びている。第2角部10c2は、デシマルポイントを構成する第8貫通孔28が配置されている角部、つまりケース10の第2ケース側面104と第4ケース側面106とが交差する第1角部10c1に対して、対角に位置している。接続部572の先端の端辺57aaは、第7共通パッド417の端辺417aと対向している。端辺57aaは、第7貫通孔27の長さ方向と交差する方向に延びている。また、端辺57aaは、縦方向Yに沿って延びている。
【0054】
図7~
図9に示すように、複数のリード30は、リード主面301をケース10の収容凹部11の底面111と平行とするように配置されている。リード主面301の一部は、図示しない接着材により、収容凹部11の底面111に接着されている。これにより、複数のリード30は、ケース10に支持されている。複数のリード30は、図示しない配線基板に接続される。したがって、複数のリード30は、ケース10を支持するといえる。
【0055】
図7に示すように、共通リード40の端子部42,43および個別リード51~58の端子部51b~58bの各々は、収容凹部11内において、厚さ方向Zに延びている。さらに、各端子部42,43,51b~58bの各々は、ケース10の外側に向けて曲げられている。
【0056】
[連結部材]
図2、
図3、
図9に示すように、連結部材80は、リード30のリード主面301に設けられている。本実施形態の連結部材80は、第6個別リード56と第7個別リード57とを連結する。連結部材80は、第6個別リード56と第7個別リード57との間に亘って配置された第1連結部81と、第6個別リード56と第7個別リード57との間に配置された第2連結部82と、を有している。第6個別リード56は第2リードに相当し、第7個別リード57は第1リードに相当する。
【0057】
図9に示すように、連結部材80は、ケース10の収容凹部11の底面111から厚さ方向Zに凹む支持凹部153に収容されている。したがって、連結部材80は、ケース10と干渉しない。つまり、連結部材80は、厚さ方向Zにおいて、ケース10の収容凹部11の底面111と重ならない位置に配置されている。
【0058】
連結部材80は、たとえば接着材である。この接着材としては、硬化時間の短いものを用いることが好ましく、たとえば紫外線(UV)硬化樹脂を含む接着材である。UV硬化樹脂を含む接着材は、たとえば熱により硬化する接着材とくらべ、その硬化時間が短い。
【0059】
[半導体発光素子、ワイヤ]
図7から
図9に示すように、半導体発光素子60は、リード30のリード主面301に搭載されている。半導体発光素子60は、厚さ方向Zにおいて、互いに反対側を向く素子主面601および素子裏面602を有している。素子主面601には、アノード電極が形成されている。素子裏面602には、カソード電極が形成されている。半導体発光素子60の素子裏面602は、導電性接合材SDによってリード30に接続されている。導電性接合材SDは、たとえばはんだ、Agペースト、等である。
【0060】
本実施形態の複数のリード30は、共通リード40と個別リード51~58とを有している。本実施形態において、半導体発光素子60は、個別リード51~58に搭載されている。つまり、複数の半導体発光素子60は、個別リード51~58に搭載された半導体発光素子61~68を有している。そして、複数のワイヤ70は、半導体発光素子61~68にそれぞれ接続されたワイヤ71~78を有している。ワイヤ70(71~78)は、たとえば金(Au)、Cu、アルミニウム(Al)、またはそれらの合金から構成されている。
【0061】
図2、
図3に示すように、半導体発光素子61~68はそれぞれ、貫通孔21~28内に配置されている。半導体発光素子61~68はそれぞれ、個別リード51~58の個別パッド51a~58aに搭載されている。つまり、各半導体発光素子61~68はそれぞれ、個別リード51~58と電気的に接合されている。ワイヤ71~78の第1端701はそれぞれ、半導体発光素子61~68に接続されている。ワイヤ71~78の第2端702はそれぞれ、共通パッド411~418に接続されている。ワイヤ71~77はそれぞれ、貫通孔21~27の長さ方向に延びている。ワイヤ78は、縦方向Yに延びている。
【0062】
[封止樹脂]
図1、
図7、
図8に示すように、封止樹脂90は、透光樹脂91と裏面樹脂92とを含む。透光樹脂91は、貫通孔20に収容されている。
図7、
図8に示すように、透光樹脂91は、半導体発光素子60とワイヤ70とを覆っている。透光樹脂91は、透光性を有する。また、透光樹脂91は、電気絶縁性を有する。透光樹脂91は、たとえば熱硬化性を有する合成樹脂である。透光樹脂91は、たとえば赤色に着色されている。なお、透光樹脂91の色は、適宜変更されてもよい。なお、透光樹脂91は、たとえば赤色の蛍光体を含んでいてもよい。
【0063】
図7から
図9に示すように、裏面樹脂92は、ケース10の収容凹部11に収容されている。裏面樹脂92は、電気絶縁性を有する。裏面樹脂92は、たとえば熱硬化性を有する合成樹脂である。裏面樹脂92は、複数のリード30と、ケース10の収容凹部11の底面111と内周面112とを覆う。
【0064】
ケース10は、収容凹部11の底面111から厚さ方向Zに凹む複数の支持凹部151~157を有している。裏面樹脂92は、これらの支持凹部151~157にも収容される。したがって、
図9に示すように、第6個別リード56と第7個別リード57とを連結する連結部材80は、裏面樹脂92により覆われる。
【0065】
本実施形態において、裏面樹脂92は、透光樹脂91と同じ材料により構成されている。つまり、裏面樹脂92は、透光性を有する合成樹脂である。裏面樹脂92は、たとえば赤色に着色されている。なお、裏面樹脂92の色は、適宜変更されてもよい。なお、裏面樹脂92は、たとえば赤色の蛍光体を含んでいてもよい。
【0066】
[発光表示装置の製造方法]
図10から
図15を参照して、上記の発光表示装置A1の製造方法を説明する。
図10に示すように、発光表示装置A1の製造方法は、リードフレームF10を用意する工程を備えている。リードフレームF10は、一対のサイドレールF11,F12と、サイドレールF11,F12の間に接続された複数のリード30とを有している。なお、
図10には、2つの発光表示装置A1のリード30が示されている。リード30は、1つの共通リード40と8つの個別リード51~58とを含む。共通リード40は、一対のサイドレールF11,F12に接続されている。個別リード51~58は、一対のサイドレールF11,F12のいずれか一方のサイドレールに接続されている。サイドレールF11には、第1個別リード51、第2個別リード52、第6個別リード56、および第7個別リード57が接続されている。サイドレールF12には、第3個別リード53、第4個別リード54、第5個別リード55、および第8個別リード58が接続されている。
【0067】
図11に示すように、発光表示装置A1の製造方法は、複数のリード30を折曲げる工程を備えている。複数のリード30は、共通リード40のパッド部41、および個別リード51~58の個別パッド51a~58aに対して、端子部42,43,51b~58bが直角を成すように、共通リード40および個別リード51~58を折曲げる。
【0068】
図12に示すように、発光表示装置A1の製造方法は、連結部材80を配置する工程を備えている。
連結部材80は、たとえば紫外線(UV)硬化樹脂である。連結部材80を構成する樹脂材料を、第6個別リード56および第7個別リード57に跨るように配置し、紫外線を照射して樹脂材料を硬化させる。UV硬化樹脂は、紫外線の照射によって短時間で硬化する。したがって、連結部材80は、個別リード56,57のリード主面301において、配置した位置にて硬化させることができる。また、連結部材80は、第6個別リード56および第7個別リード57の間から抜け落ち難く、第6個別リード56および第7個別リード57を連結できる。
【0069】
図13に示すように、発光表示装置A1の製造方法は、半導体発光素子60(61~68)を搭載する工程を備えている。たとえば、個別リード51~58について、半導体発光素子61~68を搭載する位置に、導電性接合材SD(
図8参照)を配置する。そして、導電性接合材SDにより半導体発光素子61~68を個別リード51~58に接合する。
【0070】
また、発光表示装置A1の製造方法は、ワイヤ70(71~78)を接続する工程を備えている。たとえば、半導体発光素子60にワイヤ70の第1端を接続し、ワイヤ70の第2端を第1共通パッド411に接続する。同様に、半導体発光素子61~68にワイヤ71~78の第1端を接続し、ワイヤ71~78の第2端を共通パッド411~418に接続する。なお、共通パッド411~418にワイヤ71~78の第1端を接続し、半導体発光素子61~68にワイヤ71~78の第2端を接続してもよい。
【0071】
図14に示すように、発光表示装置A1の製造方法は、ケース10にリードフレームF10を固定する工程を備えている。先ず、載置台B10の上に、ケース10を配置する。このとき、ケース10のケース主面101を、載置台B10の上面B11に接触させる。つぎに、リードフレームF10をケース10の収容凹部11に配置し、リードフレームF10のリード主面301を、ケース10の収容凹部11の底面111に接着する。これにより、ケース10にリードフレームF10が固定される。
【0072】
図15に示すように、発光表示装置A1の製造方法は、封止樹脂90(透光樹脂91および裏面樹脂92)をケース10に収容する工程を備えている。樹脂材を、ケース10のケース裏面102の側から収容凹部11に向けて注入する。樹脂材は、透光性を有し、所定色(たとえば赤色)に着色されている。樹脂材としては、粘度の低い合成樹脂材を用いることができる。これにより、樹脂材は、貫通孔20に充填される。このように貫通孔20に充填された樹脂材は、半導体発光素子60およびワイヤ70を覆う。また、樹脂材は、ケース10の支持凹部151~157に充填される。さらに、樹脂材は、ケース10の収容凹部11に収容され、収容凹部11内のリードフレームF10を覆う。そして、加熱することによりケース10に収容した樹脂材を硬化させる。このように硬化した樹脂材は、透光樹脂91および裏面樹脂92を構成する。
【0073】
発光表示装置A1の製造方法は、複数のリード30(40,51~58)の端子部42,43,51b~58bを切断してサイドレールF11,F12を除去する工程を備える。さらに、発光表示装置A1の製造方法は、複数のリード30(40,51~58)の端子部42,43,51b~58bを折曲げる工程を備える。以上の工程を経て、発光表示装置A1が製造される。
【0074】
(作用)
次に、本実施形態の発光表示装置A1の作用を説明する。
発光表示装置A1は、ケース10と、複数のリード30と、複数の半導体発光素子60と、連結部材80と、封止樹脂90と、を備える。ケース10は、厚さ方向Zを向くケース主面101と、ケース主面101から厚さ方向Zに貫通し、厚さ方向Zから視て8の字を構成するように配置された複数の貫通孔20と、を有する。複数のリード30は、厚さ方向Zを向くリード主面301を有する。複数のリード30は、共通リード40と、複数の個別リード51~58と、を含む。複数の半導体発光素子60(61~67)はそれぞれ、複数の貫通孔20(21~27)に配置され、複数の個別リード50(51~57)に搭載されている。複数の半導体発光素子60にはワイヤ70の第1端701が接続され、ワイヤ70の第2端702は、共通リード40に接続されている。
【0075】
この発光表示装置A1において、半導体発光素子60は、共通リード40と個別リード50(51~57)との間に加えられる電圧によって発光する。したがって、発光表示装置A1は、発光させる半導体発光素子60を適宜選択することにより、0から9までの1桁の数字を表示する。
【0076】
また、発光表示装置A1のケース10は、円形状の貫通孔20(28)と、貫通孔20(28)に配置された半導体発光素子60(68)とを有している。半導体発光素子60(68)は、個別リード50(58)に搭載されている。半導体発光素子60(68)にはワイヤ70の第1端701が接続され、ワイヤ70の第2端702は、共通リード40に接続されている。半導体発光素子60(68)は、共通リード40と個別リード50(58)との間に加えられる電圧によって発光する。したがって、発光表示装置A1は、半導体発光素子60(68)を発光させることにより、小数点(デシマルポイント)を表示する。
【0077】
本実施形態の発光表示装置A1は、個別リード56と個別リード57とを連結する連結部材80を有している。この連結部材80には、個別リード57に搭載された半導体発光素子67に接続されたワイヤ77の断線等を抑制する。これにより、発光表示装置A1の信頼性を向上できる。これについて詳述する。
【0078】
上述したように、半導体発光素子60(61~68)は、個別リード50(51~58)に搭載されている。ワイヤ70(71~78)の第1端701は、半導体発光素子60(61~68)に接続され、ワイヤ70(71~78)の第2端702は、共通リード40に接続されている。したがって、ワイヤ70(71~78)は、共通リード40と個別リード50(51~58)との間に亘って接続されている。
【0079】
図2、
図3に示すように、共通リード40は、ケース10の第3ケース側面105の内側から、ケース10の第4ケース側面106の内側まで、延びている。これに対し、個別リード51~58は、ケース10の第3ケース側面105と第4ケース側面106のいずれか一方の側面の内側から、縦方向Yにおいてケース10の途中まで延びている。このため、隣り合うリード間、つまり共通リード40および個別リード50(51~58)の間の間隔が変化する場合がある。たとえば、発光表示装置A1の使用環境温度が変化すると、その温度変化により封止樹脂90が膨張・収縮し、共通リード40と個別リード50(51~58)との間、個別リード50間の間隔が変化する。また、発光表示装置A1に加わる振動などにより、共通リード40および個別リード50(51~58)の間隔が変化する。なお、振動については、この発光表示装置A1を製造する工程において、搬送等による振動についても同様である。これらの間隔の変化により、ワイヤ70(71~78)や半導体発光素子60(61~68)に応力が加わる。このような応力は、ワイヤ70(71~78)の断線等の要因となる。
【0080】
本実施形態の連結部材80は、第6個別リード56の第6個別パッド56aと、第7個別リード57の第7個別パッド57aとを連結する。このように2つの個別リード56,57を連結することにより、個別リード56,57の位置ずれを抑制できる、つまり共通リード40と個別リード56,57との間隔の変化を抑制できる。したがって、個別リード56,57に搭載された半導体発光素子66,67、個別リード56,57と共通リード40との間に接続されたワイヤ76,77に対する応力が抑制され、断線等の発生を抑制できる。
【0081】
また、本実施形態において、第7個別リード57の第7個別パッド57aは、ケース10の中央に配置された第7貫通孔27に配置された半導体発光素子60を発光させるためのものである。この第7個別パッド57aは、ケース10の第1ケース側面103と第3ケース側面105とが成す第2角部10c2から、ケース10の中央まで延びている。したがって、この第7個別パッド57aは、他の個別パッド51a~56a,58aよりも長い。このため、半導体発光素子60が搭載された先端部における位置ずれが他の個別パッド51a~56a,58aよりも生じ易い。つまり、第7個別パッド57aに搭載された半導体発光素子60と、その半導体発光素子60と第7共通パッド417とを接続するワイヤ70は、上記した応力の影響を受け易い素子およびワイヤといえる。
【0082】
そして、連結部材80は、第7個別リード57(第7個別パッド57a)を、影響の少ない第6個別リード56(第6個別パッド56a)と連結する。これにより、第7個別パッド57aに搭載された半導体発光素子60と、その半導体発光素子60と第7共通パッド417とを接続するワイヤ70に対する応力の影響を低減できる。
【0083】
(効果)
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)発光表示装置A1は、ケース10と、複数のリード30と、複数の半導体発光素子60と、連結部材80と、封止樹脂90と、を備える。ケース10は、厚さ方向Zを向くケース主面101と、ケース主面101から厚さ方向Zに貫通し、厚さ方向Zから視て8の字を構成するように配置された複数の貫通孔20と、を有する。複数のリード30は、厚さ方向Zを向くリード主面301を有する。複数のリード30は、共通リード40と、複数の個別リード51~58と、を含む。複数の半導体発光素子60はそれぞれ、複数の貫通孔20に配置され、複数の個別リード50(51~58)に搭載されている。複数の半導体発光素子60にはワイヤ70の第1端701が接続され、ワイヤ70の第2端702は、共通リード40に接続されている。発光表示装置A1は、個別リード56と個別リード57とを連結する連結部材80を有している。この連結部材80は、個別リード57に搭載された半導体発光素子60に接続されたワイヤ70の断線等を抑制する。これにより、発光表示装置A1の信頼性を向上できる。
【0084】
(2)連結部材80は、個別リード56,57のリード主面301に設けられている。ケース10は、収容凹部11の底面111から厚さ方向Zに凹む支持凹部153を有している。連結部材80は、支持凹部153に収容される。これにより、複数のリード30(40,41~58)のリード主面301を、収容凹部11の底面111に対して接した状態とすることができる。このため、リード主面301を収容凹部11の底面111に容易に接着できる。
【0085】
(3)連結部材80は、個別リード56,57のリード主面301に設けられている。したがって、たとえば製造工程において複数のリード30を有するリードフレームF10をリード裏面302から支持する場合、リードフレームの傾きを防止できる。また、リード裏面302にてリードフレームF10を支持することにより、リード主面301に対して半導体発光素子60の搭載やワイヤ70の接続を容易に行うことができる。
【0086】
(4)連結部材80は、紫外線硬化樹脂を含む接着材である。紫外線硬化樹脂を含む接着材は、たとえば熱により硬化する接着材とくらべ、その硬化時間が短い。したがって、容易に、短時間で連結部材80により隣り合うリード(第6個別リード56と第7個別リード57)を連結できる。また、リード主面301における連結部材80の広がりを抑制できる。また、隣り合うリード(第6個別リード56および第7個別リード57)の間から落ちることを抑制できる。
【0087】
(5)ケース10は、収容凹部11の底面111からケース主面101に向けて凹む支持凹部151~157を有している。裏面樹脂92は、ケース10の収容凹部11に収容される。さらに、裏面樹脂92は、これらの支持凹部151~157にも収容されている。裏面樹脂92は、収容凹部11の内周面112と、支持凹部151~157の内面とに密着する。収容凹部11の内周面112と支持凹部151~157の内面とによりケース10と裏面樹脂92との間の接触面積を、収容凹部11のみの場合とくらべて大きくすることで、ケース10から裏面樹脂92が離れることを抑制できる。また、裏面樹脂92は、複数のリード30を覆うように収容凹部11に収容される。したがって、ケース10から複数のリード30が離れることを抑制できる。
【0088】
(変更例)
上記実施形態は例えば以下のように変更できる。上記実施形態と以下の各変更例は、技術的な矛盾が生じない限り、互いに組み合せることができる。なお、以下の変更例において、上記実施形態と共通する部分については、上記実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0089】
・連結部材80を複数の箇所に設けるようにしてもよい。
図16に示すように、連結部材80a,80bは、第7個別リード57と共通リード40とを連結する。また、連結部材80cは、第6個別リードと共通リード40とを連結する。連結部材80dは、第1個別リード51と共通リード40とを連結する。連結部材80eは、第1個別リード51と第2個別リード52とを連結する。連結部材80fは、第5個別リード55と第4個別リード54とを連結する。連結部材80gは、第4個別リード54と共通リード40とを連結する。連結部材80hは、共通リード40と第3個別リード53とを連結する。なお、図示しないが、第8個別リード58について、共通リード40と第3個別リード53との少なくとも何れか一方に連結するようにしてもよい。
【0090】
・
図17に示す発光表示装置A2は、共通リード40に複数の半導体発光素子60(61~68)が搭載されている。詳述すると、各半導体発光素子61~68はそれぞれ、共通リード40の共通パッド411~418に搭載されている。つまり、各半導体発光素子61~68は、1つの共通リード40と電気的に接合されている。ワイヤ71~78の第1端701はそれぞれ、半導体発光素子61~68に接続されている。ワイヤ71~78の第2端702はそれぞれ、個別リード51~58の個別パッド51a~58aに接続されている。
【0091】
半導体発光素子61~68は、ワイヤ71~78が接続された素子主面にアノード電極が形成され、素子裏面にカソード電極が形成されている。なお、素子主面にカソード電極が形成され、素子裏面にアノード電極が形成された半導体発光素子が用いられてもよい。また、半導体発光素子61~68にワイヤ71~78の第2端702が接続され、個別パッド51a~58aにワイヤ71~78の第1端701が接続されてもよい。
【0092】
・
図18に示す発光表示装置A3は、ケース10の収容凹部11に配置された裏面樹脂92の表面を、別の樹脂93により覆うようにしてもよい。この樹脂93は、たとえば遮光性と電気絶縁性とを有する。樹脂93は、たとえば黒色に着色されている。なお、樹脂93は、複数の樹脂層から形成されてもよく、複数の樹脂層は構成材料が異なっていてもよく同じであってもよい。
【0093】
・各貫通孔20の形状は、適宜変更されてもよい。たとえば、貫通孔20(21~28)は、ケース10のケース主面101において、長方形状、六角形状、楕円形状、等の形状にて開口するように形成されてもよい。
【0094】
・連結部材80として、たとえば熱硬化樹脂を用いてもよい。
・貫通孔20(21~28)に注入する透光樹脂91と、収容凹部11に注入する裏面樹脂92とを異なる材料としてもよい。貫通孔20(21~28)において、2種類以上の樹脂により透光樹脂91構成してもよい。また、貫通孔20(21~28)に対して2段階以上の段階で注入するようにしてもよい。
【0095】
・発光表示装置について、複数桁の数字を表示可能な構成としてもよい。
・配線基板の部品穴に接続端子が挿入されて配線基板に実装される構成としてもよい。
以上の説明は単に例示である。本開示の技術を説明する目的のために列挙された構成要素および方法(製造プロセス)以外に、より多くの考えられる組み合わせおよび置換が可能であることを当業者は認識し得る。本開示は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲内に含まれるすべての代替、変形、および変更を包含することが意図される。
【符号の説明】
【0096】
A1~A3 発光表示装置
10 ケース
101 ケース主面
102 ケース裏面
103 第1ケース側面
104 第2ケース側面
105 第3ケース側面
106 第4ケース側面
10c1 第1角部
10c2 第2角部
111 底面
112 内周面
11 収容凹部
12 本体部
13 壁部
151~157 支持凹部
20 貫通孔
21~28 第1~第8貫通孔
281 第1収容部
282 第2収容部
30 リード
301 リード主面
302 リード裏面
40 共通リード
41 パッド部
42 端子部
43 端子部
411~418 第1~第8共通パッド
411a~418a 端辺
50 個別リード
51~58 第1~第8個別リード
51a~58a 第1~第8個別パッド
51aa~58aa 端辺
51b~58b 端子部
571 延出部
572 接続部
60 半導体発光素子
601 素子主面
602 素子裏面
61~68 第1~第8半導体発光素子
70 ワイヤ
701 第1端
702 第2端
71~78 第1~第8ワイヤ
80 連結部材
81 第1連結部
82 第2連結部
80a~80h 連結部材
90 封止樹脂
91 透光樹脂
92 裏面樹脂
93 樹脂
B10 載置台
B11 上面
F10 リードフレーム
F11 サイドレール
F12 サイドレール
SD 導電性接合材
X 横方向
Y 縦方向
Z 厚さ方向