(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183555
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】二酸化炭素固定装置及び二酸化炭素固定方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/18 20060101AFI20221206BHJP
B01D 53/14 20060101ALI20221206BHJP
C25B 1/16 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
B01D53/18 110
B01D53/14 220
C25B1/16
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090928
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】521234434
【氏名又は名称】環境工学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】反町 健司
【テーマコード(参考)】
4D020
4K021
【Fターム(参考)】
4D020AA03
4D020BA01
4D020BA02
4D020BA07
4D020BA08
4D020BB03
4D020BC03
4D020CB02
4D020CC02
4D020CC05
4D020CD10
4D020DB20
4K021AA01
4K021AA03
4K021AB01
4K021BA03
4K021BC01
4K021CA09
4K021DC03
4K021DC15
(57)【要約】
【課題】 二酸化炭素固定における反応効率の向上、及び、連続運転が可能な二酸化炭素固定装置を提供する。
【解決手段】 本発明の二酸化炭素固定装置1は、反応塔11、バブル状ガス供給装置12、及び、水流生成装置13を含み、反応塔11の上方に排気孔110が設けられ、排気孔110には、開閉弁1101Aが配置され、反応塔11の排気孔110の下方に反応薬供給孔111が設けられ、反応塔11は、反応薬供給孔111の下方に反応液RSを貯留可能であり、反応塔11の底部に排出孔112が設けられ、排出孔112には、ろ過装置1120が配置され、バブル状ガス供給装置12は、反応液RS中に配置可能なように、反応塔11内部において反応薬供給孔111の下方に配置され、水流生成装置13は、反応液RS中に配置可能なように、かつ、バブル状ガス供給装置12の上方に位置するように、反応塔11内部において反応薬供給孔111の下方に配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応塔、バブル状ガス供給装置、及び、水流生成装置を含み、
前記反応塔の上方に排気孔が設けられ、
前記排気孔には、開閉弁が配置され、
前記反応塔の前記排気孔の下方に反応薬供給孔が設けられ、
前記反応塔は、前記反応薬供給孔の下方に反応液を貯留可能であり、
前記反応塔の底部に排出孔が設けられ、
前記排出孔には、ろ過装置が配置され、
前記バブル状ガス供給装置は、前記反応液中に配置可能なように、前記反応塔内部において前記反応薬供給孔の下方に配置され、
前記水流生成装置は、前記反応液中に配置可能なように、かつ、前記バブル状ガス供給装置の上方に位置するように、前記反応塔内部において前記反応薬供給孔の下方に配置され、
前記反応薬供給孔から、水酸化ナトリウム及び塩化カルシウムが前記反応液中に供給可能であり、
前記バブル状ガス供給装置は、二酸化炭素含有ガスをバブル状で前記反応液中に供給可能であり、
前記開閉弁が閉じることにより、前記排気孔が閉塞し、前記バブル状ガス供給装置による前記ガス供給により前記反応塔内部が加圧状態となり、
前記水流生成装置は、前記反応液において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能であり、
前記反応液において、二酸化炭素、水酸化ナトリウム及び塩化カルシウムが反応して、炭酸カルシウム及び塩化ナトリウムが生成し、
前記炭酸カルシウムは前記ろ過装置により捕捉され、
前記塩化ナトリウムは、塩化ナトリウム水溶液として前記ろ過装置を通過して、前記排出孔から排出される、
一段階反応型二酸化炭素固定装置。
【請求項2】
さらに、電気分解装置を含み、
前記電気分解装置は、前記排出孔から排出された塩化ナトリウム水溶液を電気分解して水酸化ナトリウム水溶液を生成し、
前記水酸化ナトリウム水溶液は、前記反応薬供給孔から、前記反応液中に供給される、
請求項1記載の一段階反応型二酸化炭素固定装置。
【請求項3】
第1反応塔、第2反応塔、バブル状ガス供給装置、第1水流生成装置、第2水流生成装置、及び、流路を含み、
前記第1反応塔の上方に排気孔が設けられ、
前記排気孔には、第1開閉弁が配置され、
前記第1反応塔の前記排気孔の下方に第1反応薬供給孔が設けられ、
前記第1反応塔は、前記第1反応薬供給孔の下方に第1反応液を貯留可能であり、
前記第1反応塔の底部に第1排出孔が設けられ、
前記第1排出孔は、前記流路の一端と連結し、
前記バブル状ガス供給装置は、前記第1反応液中に配置可能なように、前記第1反応塔内部において前記第1反応薬供給孔の下方に配置され、
前記第1水流生成装置は、前記第1反応液中に配置可能なように、かつ、前記バブル状ガス供給装置の上方に位置するように、前記第1反応塔内部において前記第1反応薬供給孔の下方に配置され、
前記第1反応薬供給孔から、水酸化ナトリウムが前記第1反応液中に供給可能であり、
前記バブル状ガス供給装置は、二酸化炭素含有ガスをバブル状で前記第1反応液中に供給可能であり、
前記第1開閉弁が閉じることにより、前記排気孔が閉塞し、前記バブル状ガス供給装置による前記ガス供給により前記第1反応塔内部が加圧状態となり、
前記第1水流生成装置は、前記第1反応液において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能であり、
前記第1反応液において、二酸化炭素が吸収され、
前記第2反応塔には、第1反応液供給孔が設けられ、
前記第1反応液供給孔は、前記流路の他端と連結し、
前記第2反応塔には、第2反応薬供給孔が設けられ、
前記第2反応塔は、前記第2反応薬供給孔の下方に第2反応液を貯留可能であり、
前記第2反応塔の底部に第2排出孔が設けられ、
前記第2排出孔には、ろ過装置が配置され、
前記第2水流生成装置は、前記第2反応液中に配置可能なように、前記第2反応塔内部において前記第2反応薬供給孔の下方に配置され、
前記第2反応塔内部に、前記第1反応液供給孔から二酸化炭素を吸収した前記第1反応液が供給され、
前記第2反応薬供給孔から塩化カルシウムが前記二酸化炭素を吸収した前記第1反応液に供給されて前記第2反応液となり、
前記第2水流生成装置は、前記第2反応液において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能であり、
前記第2反応液において炭酸カルシウム及び塩化ナトリウムが生成し、
前記炭酸カルシウムは前記ろ過装置により捕捉され、
前記塩化ナトリウムは、塩化ナトリウム水溶液として前記ろ過装置を通過して、前記第2排出孔から排出される、
二段階反応型二酸化炭素固定装置。
【請求項4】
さらに、濃度センサー、制御部、及び、第2開閉弁を含み、
前記濃度センサーは、前記第1反応液中に配置可能なように、前記第1反応塔内部に配置され、
前記第2開閉弁は、前記流路に配置され、
前記濃度センサーにより、前記第1反応液の反応薬の濃度が測定されて、測定結果が前記制御部に送信され、
前記制御部は、前記測定結果に応じて、前記第2開閉弁の開閉を制御する、
請求項3記載の二段階反応型二酸化炭素固定装置。
【請求項5】
前記第1反応塔が複数であり、
前記第2反応塔において、複数の前記第1反応液供給孔が設けられ、
複数の前記流路により、複数の前記第1反応塔の前記第1排出孔及び複数の前記第1反応液供給孔が連結している、
請求項3又は4記載の二段階反応型二酸化炭素固定装置。
【請求項6】
さらに、電気分解装置を含み、
前記電気分解装置は、前記第2排出孔から排出された塩化ナトリウム水溶液を電気分解して水酸化ナトリウム水溶液を生成し、
前記水酸化ナトリウム水溶液は、前記第1反応薬供給孔から、前記第1反応液中に供給される、
請求項3から5のいずれか一項に記載の二段階反応型二酸化炭素固定装置。
【請求項7】
反応工程、バブル状ガス供給工程、及び、水流生成工程を含み、
前記反応工程は、反応塔を用いて実施され、
前記バブル状ガス供給工程は、バブル状ガス供給装置を用いて実施され、
前記水流生成工程は、水流生成装置を用いて実施され、
前記反応塔の上方に排気孔が設けられ、
前記排気孔には、開閉弁が配置され、
前記反応塔の前記排気孔の下方に反応薬供給孔が設けられ、
前記反応塔は、前記反応薬供給孔の下方に反応液を貯留可能であり、
前記反応塔の底部に排出孔が設けられ、
前記排出孔には、ろ過装置が配置され、
前記バブル状ガス供給装置は、前記反応液中に配置可能なように、前記反応塔内部において前記反応薬供給孔の下方に配置され、
前記水流生成装置は、前記反応液中に配置可能なように、かつ、前記バブル状ガス供給装置の上方に位置するように、前記反応塔内部において前記反応薬供給孔の下方に配置され、
前記反応薬供給孔から、水酸化ナトリウム及び塩化カルシウムが前記反応液中に供給可能であり、
前記バブル状ガス供給装置は、二酸化炭素含有ガスをバブル状で前記反応液中に供給可能であり、
前記開閉弁が閉じることにより、前記排気孔が閉塞し、前記バブル状ガス供給装置による前記ガス供給により前記反応塔内部が加圧状態となり、
前記水流生成装置は、前記反応液において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能であり、
前記反応液において、二酸化炭素、水酸化ナトリウム及び塩化カルシウムが反応して、炭酸カルシウム及び塩化ナトリウムが生成し、
前記炭酸カルシウムは前記ろ過装置により捕捉され、
前記塩化ナトリウムは、塩化ナトリウム水溶液として前記ろ過装置を通過して、前記排出孔から排出される、
一段階反応型二酸化炭素固定方法。
【請求項8】
さらに、電気分解工程を含み、
前記電気分解工程は、電気分解装置を用いて実施され、
前記電気分解装置は、前記排出孔から排出された塩化ナトリウム水溶液を電気分解して水酸化ナトリウム水溶液を生成し、
前記水酸化ナトリウム水溶液は、前記反応薬供給孔から、前記反応液中に供給される、
請求項7記載の一段階反応型二酸化炭素固定方法。
【請求項9】
第1反応工程、第2反応工程、バブル状ガス供給工程、第1水流生成工程、及び、第2水流生成工程を含み、
前記第1反応工程は、第1反応塔を用いて実施され、
前記第2反応工程は、第2反応塔を用いて実施され、
前記バブル状ガス供給工程は、バブル状ガス供給装置を用いて実施され、
前記第1水流生成工程は、第1水流生成装置を用いて実施され、
前記第2水流生成工程は、第2水流生成装置を用いて実施され、
前記第1反応塔の上方に排気孔が設けられ、
前記排気孔には、第1開閉弁が配置され、
前記第1反応塔の前記排気孔の下方に第1反応薬供給孔が設けられ、
前記第1反応塔は、前記第1反応薬供給孔の下方に第1反応液を貯留可能であり、
前記第1反応塔の底部に第1排出孔が設けられ、
前記第1排出孔は、流路の一端と連結し、
前記バブル状ガス供給装置は、前記第1反応液中に配置可能なように、前記第1反応塔内部において前記第1反応薬供給孔の下方に配置され、
前記第1水流生成装置は、前記第1反応液中に配置可能なように、かつ、前記バブル状ガス供給装置の上方に位置するように、前記第1反応塔内部において前記第1反応薬供給孔の下方に配置され、
前記第1反応薬供給孔から、水酸化ナトリウムが前記第1反応液中に供給可能であり、
前記バブル状ガス供給装置は、二酸化炭素含有ガスをバブル状で前記第1反応液中に供給可能であり、
前記第1開閉弁が閉じることにより、前記排気孔が閉塞し、前記バブル状ガス供給装置による前記ガス供給により前記第1反応塔内部が加圧状態となり、
前記第1水流生成装置は、前記第1反応液において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能であり、
前記第1反応液において、二酸化炭素が吸収され、
前記第2反応塔には、第1反応液供給孔が設けられ、
前記第1反応液供給孔は、前記流路の他端と連結し、
前記第2反応塔には、第2反応薬供給孔が設けられ、
前記第2反応塔は、前記第2反応薬供給孔の下方に第2反応液を貯留可能であり、
前記第2反応塔の底部に第2排出孔が設けられ、
前記第2排出孔には、ろ過装置が配置され、
前記第2水流生成装置は、前記第2反応液中に配置可能なように、前記第2反応塔内部において前記第2反応薬供給孔の下方に配置され、
前記第2反応塔内部に、前記第1反応液供給孔から二酸化炭素を吸収した前記第1反応液が供給され、
前記第2反応薬供給孔から塩化カルシウムが前記二酸化炭素を吸収した前記第1反応液に供給されて前記第2反応液となり、
前記第2水流生成装置は、前記第2反応液において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能であり、
前記第2反応液において炭酸カルシウム及び塩化ナトリウムが生成し、
前記炭酸カルシウムは前記ろ過装置により捕捉され、
前記塩化ナトリウムは、塩化ナトリウム水溶液として前記ろ過装置を通過して、前記第2排出孔から排出される、
二段階反応型二酸化炭素固定方法。
【請求項10】
さらに、濃度測定工程、及び、制御工程を含み、
前記濃度測定工程は、濃度センサーを用いて実施され、
前記制御工程は、制御部を用いて実施され、
前記濃度センサーは、前記第1反応液中に配置可能なように、前記第1反応塔内部に配置され、
第2開閉弁は、前記流路に配置され、
前記濃度センサーにより、前記第1反応液の反応薬の濃度が測定されて、測定結果が前記制御部に送信され、
前記制御部は、前記測定結果に応じて、前記第2開閉弁の開閉を制御する、
請求項9記載の二段階反応型二酸化炭素固定方法。
【請求項11】
前記第1反応塔が複数であり、
前記第2反応塔において、複数の前記第1反応液供給孔が設けられ、
複数の前記流路により、複数の前記第1反応塔の前記第1排出孔及び複数の前記第1反応液供給孔が連結している、
請求項9又は10記載の二段階反応型二酸化炭素固定方法。
【請求項12】
さらに、電気分解工程を含み、
前記電気分解工程は、電気分解装置を用いて実施され、
前記電気分解装置は、前記第2排出孔から排出された塩化ナトリウム水溶液を電気分解して水酸化ナトリウム水溶液を生成し、
前記水酸化ナトリウム水溶液は、前記第1反応薬供給孔から、前記第1反応液中に供給される、
請求項9から11のいずれか一項に記載の二段階反応型二酸化炭素固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素固定装置及び二酸化炭素固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、水酸化ナトリウム及び塩化カルシウムを含む混合液と二酸化炭素を含む気体とを接触させるための接触手段を含む二酸化炭素固定装置が記載されている。しかし、二酸化炭素固定における反応効率のさらなる向上が求められている。
【0003】
また、従来の二酸化炭素固定装置は、反応を行い、停止操作をした後に、反応生成物を取り出すという、バッチ法による二酸化炭素固定を行う必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、二酸化炭素固定における反応効率の向上、及び、連続運転が可能な二酸化炭素固定装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の一段階反応型二酸化炭素固定装置は、反応塔、バブル状ガス供給装置、及び、水流生成装置を含み、
前記反応塔の上方に排気孔が設けられ、
前記排気孔には、開閉弁が配置され、
前記反応塔の前記排気孔の下方に反応薬供給孔が設けられ、
前記反応塔は、前記反応薬供給孔の下方に反応液を貯留可能であり、
前記反応塔の底部に排出孔が設けられ、
前記排出孔には、ろ過装置が配置され、
前記バブル状ガス供給装置は、前記反応液中に配置可能なように、前記反応塔内部において前記反応薬供給孔の下方に配置され、
前記水流生成装置は、前記反応液中に配置可能なように、かつ、前記バブル状ガス供給装置の上方に位置するように、前記反応塔内部において前記反応薬供給孔の下方に配置され、
前記反応薬供給孔から、水酸化ナトリウム及び塩化カルシウムが前記反応液中に供給可能であり、
前記バブル状ガス供給装置は、二酸化炭素含有ガスをバブル状で前記反応液中に供給可能であり、
前記開閉弁が閉じることにより、前記排気孔が閉塞し、前記バブル状ガス供給装置による前記ガス供給により前記反応塔内部が加圧状態となり、
前記水流生成装置は、前記反応液において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能であり、
前記反応液において、二酸化炭素、水酸化ナトリウム及び塩化カルシウムが反応して、炭酸カルシウム及び塩化ナトリウムが生成し、
前記炭酸カルシウムは前記ろ過装置により捕捉され、
前記塩化ナトリウムは、塩化ナトリウム水溶液として前記ろ過装置を通過して、前記排出孔から排出される。
【0007】
本発明の二段階反応型二酸化炭素固定装置は、第1反応塔、第2反応塔、バブル状ガス供給装置、第1水流生成装置、第2水流生成装置、及び、流路を含み、
前記第1反応塔の上方に排気孔が設けられ、
前記排気孔には、第1開閉弁が配置され、
前記第1反応塔の前記排気孔の下方に第1反応薬供給孔が設けられ、
前記第1反応塔は、前記第1反応薬供給孔の下方に第1反応液を貯留可能であり、
前記第1反応塔の底部に第1排出孔が設けられ、
前記第1排出孔は、前記流路の一端と連結し、
前記バブル状ガス供給装置は、前記第1反応液中に配置可能なように、前記第1反応塔内部において前記第1反応薬供給孔の下方に配置され、
前記第1水流生成装置は、前記第1反応液中に配置可能なように、かつ、前記バブル状ガス供給装置の上方に位置するように、前記第1反応塔内部において前記第1反応薬供給孔の下方に配置され、
前記第1反応薬供給孔から、水酸化ナトリウムが前記第1反応液中に供給可能であり、
前記バブル状ガス供給装置は、二酸化炭素含有ガスをバブル状で前記第1反応液中に供給可能であり、
前記第1開閉弁が閉じることにより、前記排気孔が閉塞し、前記バブル状ガス供給装置による前記ガス供給により前記第1反応塔内部が加圧状態となり、
前記第1水流生成装置は、前記第1反応液において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能であり、
前記第1反応液において、二酸化炭素が吸収され、
前記第2反応塔には、第1反応液供給孔が設けられ、
前記第1反応液供給孔は、前記流路の他端と連結し、
前記第2反応塔には、第2反応薬供給孔が設けられ、
前記第2反応塔は、前記第2反応薬供給孔の下方に第2反応液を貯留可能であり、
前記第2反応塔の底部に第2排出孔が設けられ、
前記第2排出孔には、ろ過装置が配置され、
前記第2水流生成装置は、前記第2反応液中に配置可能なように、前記第2反応塔内部において前記第2反応薬供給孔の下方に配置され、
前記第2反応塔内部に、前記第1反応液供給孔から二酸化炭素を吸収した前記第1反応液が供給され、
前記第2反応薬供給孔から塩化カルシウムが前記二酸化炭素を吸収した前記第1反応液に供給されて前記第2反応液となり、
前記第2水流生成装置は、前記第2反応液において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能であり、
前記第2反応液において炭酸カルシウム及び塩化ナトリウムが生成し、
前記炭酸カルシウムは前記ろ過装置により捕捉され、
前記塩化ナトリウムは、塩化ナトリウム水溶液として前記ろ過装置を通過して、前記第2排出孔から排出される。
【0008】
本発明の一段階反応型二酸化炭素固定方法は、反応工程、バブル状ガス供給工程、及び、水流生成工程を含み、
前記反応工程は、反応塔を用いて実施され、
前記バブル状ガス供給工程は、バブル状ガス供給装置を用いて実施され、
前記水流生成工程は、水流生成装置を用いて実施され、
前記反応塔の上方に排気孔が設けられ、
前記排気孔には、開閉弁が配置され、
前記反応塔の前記排気孔の下方に反応薬供給孔が設けられ、
前記反応塔は、前記反応薬供給孔の下方に反応液を貯留可能であり、
前記反応塔の底部に排出孔が設けられ、
前記排出孔には、ろ過装置が配置され、
前記バブル状ガス供給装置は、前記反応液中に配置可能なように、前記反応塔内部において前記反応薬供給孔の下方に配置され、
前記水流生成装置は、前記反応液中に配置可能なように、かつ、前記バブル状ガス供給装置の上方に位置するように、前記反応塔内部において前記反応薬供給孔の下方に配置され、
前記反応薬供給孔から、水酸化ナトリウム及び塩化カルシウムが前記反応液中に供給可能であり、
前記バブル状ガス供給装置は、二酸化炭素含有ガスをバブル状で前記反応液中に供給可能であり、
前記開閉弁が閉じることにより、前記排気孔が閉塞し、前記バブル状ガス供給装置による前記ガス供給により前記反応塔内部が加圧状態となり、
前記水流生成装置は、前記反応液において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能であり、
前記反応液において、二酸化炭素、水酸化ナトリウム及び塩化カルシウムが反応して、炭酸カルシウム及び塩化ナトリウムが生成し、
前記炭酸カルシウムは前記ろ過装置により捕捉され、
前記塩化ナトリウムは、塩化ナトリウム水溶液として前記ろ過装置を通過して、前記排出孔から排出される。
【0009】
本発明の二段階反応型二酸化炭素固定方法は、第1反応工程、第2反応工程、バブル状ガス供給工程、第1水流生成工程、及び、第2水流生成工程を含み、
前記第1反応工程は、第1反応塔を用いて実施され、
前記第2反応工程は、第2反応塔を用いて実施され、
前記バブル状ガス供給工程は、バブル状ガス供給装置を用いて実施され、
前記第1水流生成工程は、第1水流生成装置を用いて実施され、
前記第2水流生成工程は、第2水流生成装置を用いて実施され、
前記第1反応塔の上方に排気孔が設けられ、
前記排気孔には、第1開閉弁が配置され、
前記第1反応塔の前記排気孔の下方に第1反応薬供給孔が設けられ、
前記第1反応塔は、前記第1反応薬供給孔の下方に第1反応液を貯留可能であり、
前記第1反応塔の底部に第1排出孔が設けられ、
前記第1排出孔は、流路の一端と連結し、
前記バブル状ガス供給装置は、前記第1反応液中に配置可能なように、前記第1反応塔内部において前記第1反応薬供給孔の下方に配置され、
前記第1水流生成装置は、前記第1反応液中に配置可能なように、かつ、前記バブル状ガス供給装置の上方に位置するように、前記第1反応塔内部において前記第1反応薬供給孔の下方に配置され、
前記第1反応薬供給孔から、水酸化ナトリウムが前記第1反応液中に供給可能であり、
前記バブル状ガス供給装置は、二酸化炭素含有ガスをバブル状で前記第1反応液中に供給可能であり、
前記第1開閉弁が閉じることにより、前記排気孔が閉塞し、前記バブル状ガス供給装置による前記ガス供給により前記第1反応塔内部が加圧状態となり、
前記第1水流生成装置は、前記第1反応液において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能であり、
前記第1反応液において、二酸化炭素が吸収され、
前記第2反応塔には、第1反応液供給孔が設けられ、
前記第1反応液供給孔は、前記流路の他端と連結し、
前記第2反応塔には、第2反応薬供給孔が設けられ、
前記第2反応塔は、前記第2反応薬供給孔の下方に第2反応液を貯留可能であり、
前記第2反応塔の底部に第2排出孔が設けられ、
前記第2排出孔には、ろ過装置が配置され、
前記第2水流生成装置は、前記第2反応液中に配置可能なように、前記第2反応塔内部において前記第2反応薬供給孔の下方に配置され、
前記第2反応塔内部に、前記第1反応液供給孔から二酸化炭素を吸収した前記第1反応液が供給され、
前記第2反応薬供給孔から塩化カルシウムが前記二酸化炭素を吸収した前記第1反応液に供給されて前記第2反応液となり、
前記第2水流生成装置は、前記第2反応液において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能であり、
前記第2反応液において炭酸カルシウム及び塩化ナトリウムが生成し、
前記炭酸カルシウムは前記ろ過装置により捕捉され、
前記塩化ナトリウムは、塩化ナトリウム水溶液として前記ろ過装置を通過して、前記第2排出孔から排出される。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、二酸化炭素固定における反応効率の向上、及び、連続運転が可能な二酸化炭素固定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態1の二酸化炭素固定装置の一例を示す模式断面図である。
【
図2】
図2は、水流生成装置の一例を示す概略図であり、(A)が正面図、(B)が上面図である。
【
図3】
図3は、実施形態1の二酸化炭素固定方法における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態1の変形例の二酸化炭素固定装置の一例を示す模式断面図である。
【
図5】
図5は、実施形態2の二酸化炭素固定装置の一例を示す模式断面図である。
【
図6】
図6は、実施形態2の変形例2の二酸化炭素固定装置の一例を示す模式断面図である。
【
図7】
図7は、参考例1における、水酸化ナトリウム水溶液との接触後の二酸化炭素濃度を示すグラフである。
【
図8】
図8は、参考例1における、水酸化ナトリウム水溶液との接触後の二酸化炭素濃度を示すグラフである。
【
図9】
図9は、参考例2における、水への吸収後の気体の体積を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一段階反応型二酸化炭素固定装置は、例えば、さらに、電気分解装置を含み、前記電気分解装置は、前記排出孔から排出された塩化ナトリウム水溶液を電気分解して水酸化ナトリウム水溶液を生成し、前記水酸化ナトリウム水溶液は、前記反応薬供給孔から、前記反応液中に供給される、という形態であってもよい。
【0013】
本発明の二段階反応型二酸化炭素固定装置は、例えば、さらに、濃度センサー、制御部、及び、第2開閉弁を含み、前記濃度センサーは、前記第1反応液中に配置可能なように、前記第1反応塔内部に配置され、前記第2開閉弁は、前記流路に配置され、前記濃度センサーにより、前記第1反応液の反応薬の濃度が測定されて、測定結果が前記制御部に送信され、前記制御部は、前記測定結果に応じて、前記第2開閉弁の開閉を制御する、という形態であってもよい。
【0014】
本発明の二段階反応型二酸化炭素固定装置は、例えば、前記第1反応塔が複数であり、前記第2反応塔において、複数の前記第1反応液供給孔が設けられ、複数の前記流路により、複数の前記第1反応塔の前記第1排出孔及び複数の前記第1反応液供給孔が連結している、という形態であってもよい。
【0015】
本発明の二段階反応型二酸化炭素固定装置は、例えば、さらに、電気分解装置を含み、前記電気分解装置は、前記第2排出孔から排出された塩化ナトリウム水溶液を電気分解して水酸化ナトリウム水溶液を生成し、前記水酸化ナトリウム水溶液は、前記第1反応薬供給孔から、前記第1反応液中に供給される、という形態であってもよい。
【0016】
本発明の一段階反応型二酸化炭素固定方法は、例えば、さらに、電気分解工程を含み、前記電気分解工程は、電気分解装置を用いて実施され、前記電気分解装置は、前記排出孔から排出された塩化ナトリウム水溶液を電気分解して水酸化ナトリウム水溶液を生成し、前記水酸化ナトリウム水溶液は、前記反応薬供給孔から、前記反応液中に供給される、という形態であってもよい。
【0017】
本発明の二段階反応型二酸化炭素固定方法は、例えば、さらに、濃度測定工程、及び、制御工程を含み、前記濃度測定工程は、濃度センサーを用いて実施され、前記制御工程は、制御部を用いて実施され、前記濃度センサーは、前記第1反応液中に配置可能なように、前記第1反応塔内部に配置され、第2開閉弁は、前記流路に配置され、前記濃度センサーにより、前記第1反応液の反応薬の濃度が測定されて、測定結果が前記制御部に送信され、前記制御部は、前記測定結果に応じて、前記第2開閉弁の開閉を制御する、という形態であってもよい。
【0018】
本発明の二段階反応型二酸化炭素固定方法は、例えば、前記第1反応塔が複数であり、前記第2反応塔において、複数の前記第1反応液供給孔が設けられ、複数の前記流路により、複数の前記第1反応塔の前記第1排出孔及び複数の前記第1反応液供給孔が連結している、という形態であってもよい。
【0019】
本発明の二段階反応型二酸化炭素固定方法は、例えば、さらに、電気分解工程を含み、前記電気分解工程は、電気分解装置を用いて実施され、前記電気分解装置は、前記第2排出孔から排出された塩化ナトリウム水溶液を電気分解して水酸化ナトリウム水溶液を生成し、前記水酸化ナトリウム水溶液は、前記第1反応薬供給孔から、前記第1反応液中に供給される、という形態であってもよい。
【0020】
本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態には限定されない。なお、以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用できる。さらに、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。本明細書で使用する用語は、特に言及しない限り、当該技術分野で通常用いられる意味で用いることができる。
【0021】
[実施形態1]
(一段階反応型二酸化炭素固定装置)
図1は、本実施形態の一段階反応型の二酸化炭素固定装置1を横方向から見た場合の一例を示す模式断面図である。なお、
図1において、二酸化炭素固定装置1の内部を透視的に図示している。
図1に示すように、二酸化炭素固定装置1は、反応塔11、バブル状ガス供給装置12、及び、水流生成装置13を含む。二酸化炭素固定装置1に含まれる各構成の大きさ、及び形成材料等は、特に制限されず、適宜設定することができる。
【0022】
二酸化炭素固定装置1は、後述するように、各構成を上下方向に設けることにより、例えば、反応塔11を高さ方向により長い構造とすることができる。このため、反応液RSに加わる圧力が増加し、後述する二酸化炭素含有ガスの反応液RSへの溶解度を増加させ、また、二酸化炭素含有ガスと反応液RSとの接触時間を増加させることにより、反応効率を向上することができる。
【0023】
反応塔11の形成材料は、二酸化炭素固定反応を行うことができればよく、特に制限されず、例えば、固形のものでもよいし、シート状の材料とこれを支持するフレームとを組合わせたもの等でもよい。後者の場合、前記シート状の材料は、強度を有し、大量の気体を処理する反応が可能であり、且つ溶液反応が可能であることが好ましい。後者の場合、例えば、反応塔11として、農業用等のビニールハウスを利用して、二酸化炭素の固定を行うことも可能である。この場合、例えば、後述するように、水酸化ナトリウム及び塩化カルシウムを、ミストや液滴の状態で、反応塔11内に供給してもよい。
【0024】
二酸化炭素固定装置1において、反応塔11の上方に排気孔110が設けられている。
図1において、排気孔110から、反応塔11内の空気を排気している。
【0025】
排気孔110には、開閉弁1101Aが配置されている。開閉弁1101Aは、排気孔110を開閉できればよく、特に制限されず、例えば、電磁弁があげられる。開閉弁1101Aが閉じることにより、排気孔110が閉塞する。そして、後述するバブル状ガス供給装置12によるガス供給により、反応塔11内部が加圧状態となる。反応塔11内部が加圧状態となることにより、前記二酸化炭素含有ガスのガス分圧が増加し、後述する二酸化炭素含有ガスと反応液RSとの反応効率を向上することができる。さらに、前記二酸化炭素含有ガスのガス分圧が増加することにより、反応液RSの量を減らした状態や、反応薬の濃度を低減させた状態であっても、反応を進行させることができる。これにより、例えば、反応液RSや反応生成物の処理、及び、後述する電気分解における再利用等を、容易にすることができる。
【0026】
開閉弁1101Aは、例えば、排気孔110を開または閉の状態にすることができてもよいし、排気孔110を開く度合いを調節することにより、排気孔110を通るガスの流量を制御し、反応塔11内部の加圧状態を制御可能でもよい。
【0027】
前記加圧状態における圧力は、例えば、反応塔11内の水面の高さ、ポンプの力、及び排気孔110の開閉状態等により決定される。前記圧力は、例えば、以下の法則に従う。パスカルの原理より、密閉された容器内で一点に受けた圧力は流体のすべてに伝わる。ドルトンの法則によれば、ガス濃度はそのガスの分圧に比例する。さらに、ヘンリーの法則によれば、気体の溶解度はその気体の圧力に比例する。前記加圧状態における圧力は、特に制限されず、例えば、1気圧を超える圧力である。
【0028】
なお、二酸化炭素固定装置1において、後述する排出孔112にも開閉弁1101Bが設けられている。この点以外は、開閉弁1101Bは、開閉弁1101Aと同様である。開閉弁1101Bは、例えば、排出孔112を開または閉の状態にすることができてもよいし、排出孔112を開く度合いを調節することにより、排出孔112を通る反応液RSの流量を制御し、反応塔11内部の加圧状態を制御可能でもよい。
【0029】
排気孔110は、さらに、ミストトラッパー1102を含む。ミストトラッパー1102により、化学物質を含むミストの装置外への拡散を防止することができる。
【0030】
二酸化炭素固定装置1において、反応塔11の排気孔110の下方に反応薬供給孔111が設けられている。反応薬供給孔111から、水酸化ナトリウム(NaOH)及び塩化カルシウム(CaCl
2)が反応液RS中に供給可能である。
図1において、反応塔11は、反応薬供給孔111の下方に反応液RSを貯留している。
【0031】
反応薬供給孔111は、例えば、固体または水溶液として、水酸化ナトリウム及び塩化カルシウムを反応液RS中に供給することができる。反応薬供給孔111は、例えば、水酸化ナトリウム及び塩化カルシウムを混合した状態で供給してもよいし、それぞれ別に供給してもよい。
【0032】
反応薬供給孔111が、前記水溶液として、水酸化ナトリウム及び塩化カルシウムを反応液RS中に供給する場合、例えば、前記水溶液をミスト状にして供給してもよい。これにより、例えば、反応塔11内において、反応液RSと前記二酸化炭素含有ガスとの反応系に加えて、前記ミスト状の水溶液と前記二酸化炭素含有ガスとの反応系を含むことができる。この場合、例えば、反応塔11内部が加圧状態となることにより、各反応系の反応を促進することができる。
【0033】
反応薬供給孔111から、水酸化ナトリウム及び塩化カルシウムが供給されることにより、反応液RSは、水酸化ナトリウム及び塩化カルシウムを含む水溶液になる。前記供給後の反応液RSにおける水酸化ナトリウムの濃度は、特に制限されず、例えば、0.01N以上、及び0.05N以上、ならびに、0.2N以下、0.2N未満、及び0.1N以下である。なお、前記濃度の単位「N」は、規定度を示し、水酸化ナトリウムの場合、0.01Nは、0.01mol/Lである。前記供給後の反応液RSにおける塩化カルシウムの濃度は、特に制限されず、例えば、0.005mol/L以上、及び0.05mol/L以上、ならびに、0.5mol/L以下、0.5mol/L未満、及び0.1mol/L以下である。
【0034】
前記供給される水酸化ナトリウム及び塩化カルシウムとして、例えば、海水を電気分解した水溶液を用いてもよい。前記海水を電気分解した水溶液は、例えば、後述する変形例における電気分解装置14を用いて生成されてもよい。
【0035】
バブル状ガス供給装置12は、反応液RS中に配置可能なように、反応塔11内部において反応薬供給孔111の下方に配置されている。
図1において、バブル状ガス供給装置12は、二酸化炭素含有ガス(CO
2)をバブル状で反応液RS中に供給している。前記「バブル状」におけるバブルの大きさ等は、特に制限されない。バブル状ガス供給装置12が、前記二酸化炭素含有ガスをバブル状で反応液RS中に供給することにより、例えば、反応面積が増加し、前記二酸化炭素含有ガスと反応液RSとの反応効率を向上することができる。
【0036】
図1において、バブル状ガス供給装置12は、水平方向に細長い円筒形状(パイプ状)であり、図に示すように、円筒形状の表面に設けられた細かい孔から二酸化炭素含有ガスを放出することにより、前記二酸化炭素含有ガスをバブル状で反応液RS中に供給することができる。バブル状ガス供給装置12は、二酸化炭素含有ガスをバブル状で反応液RS中に供給できればよく、その形状等は特に制限されない。バブル状ガス供給装置12は、例えば、板状でもよい。また、バブル状ガス供給装置12は、前記二酸化炭素含有ガスと反応液RS中とを攪拌する等によりバブル(マイクロバブル)を形成し、このバブルを反応液RS中に供給するものでもよい。具体的には、例えば、マイクロバブルフォーマー、及びバブルフォーマー等があげられる。
【0037】
前記二酸化炭素含有ガスは、特に制限されず、例えば、燃焼排ガス、室内空気、及び大気等があげられる。前記二酸化炭素含有ガスにおける二酸化炭素の濃度は、特に制限されず、0を超えて100%以下である。
【0038】
水流生成装置13は、水流生成部(図中、羽部131A及び131B)が、反応液RS中に配置可能なように、かつ、バブル状ガス供給装置12の上方に位置するように、反応塔11内部において反応薬供給孔111の下方に配置されている。
【0039】
水流生成装置13は、反応液RSにおいて、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能である。
図1において、水流生成装置13は、スクリューであり、図中、矢印で示すように軸が回転することに伴い、羽部131A及び131Bが回転し、反応液RSにおいて、水流を生成している。なお、
図1に示すように、反応塔11に、スクリューである水流生成装置13の軸受113が設けられていることが好ましい。前記スクリューは、例えば、回転方向を交互に変更することができる。前記水流は、例えば、重力に逆らう方向の水流により加圧効果がより得られることから、上向きの水流であることが好ましい。
【0040】
水流生成装置13は、前記水流を生成可能であればよく、前記羽部を含むスクリューのほか、例えば、
図2((A):正面図、(B):上面図)に示すように、軸と、前記軸に接続された複数の板状構造とを含み、それぞれの前記板状構造の平面部が前記軸の回転方向に略垂直となるように前記複数の板状構造が配置され、前記軸の回転に伴う前記板状構造の回転により水流を生成可能なものでもよい。なお、
図2において、前記軸と前記板状構造との接続部については図示を省略している。この場合、例えば、前記板状構造の配置角度の調整等により、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能とすることができる。
【0041】
水流生成装置13が、反応液RSにおいて、前記水流を生成することにより、例えば、反応面積が増加し、前記二酸化炭素含有ガスと反応液RSとの反応効率を向上することができる。さらに、後述する反応生成物である炭酸カルシウムがバブル状ガス供給装置12に沈着することを防ぐことができる。このため、前記沈着による反応の中断を防ぐことができ、連続運転を可能にすることができる。
【0042】
そして、反応液RSにおいて、二酸化炭素、水酸化ナトリウム及び塩化カルシウムが反応して、炭酸カルシウム(CaCO3)及び塩化ナトリウム(NaCl)が生成する。
【0043】
二酸化炭素固定装置1において、反応塔11の底部に排出孔112が設けられている。排出孔112には、ろ過装置1120が配置されている。ろ過装置1120は、例えば、フィルターである。ろ過装置1120により、前記生成した前記炭酸カルシウムが捕捉される。一方、前記生成した前記塩化ナトリウムは、塩化ナトリウム水溶液としてろ過装置1120を通過して、排出孔112から排出される。
図1において、排出孔112から塩化ナトリウム水溶液を排出している。ろ過装置1120により前記生成した前記炭酸カルシウムが捕捉され、前記生成した前記塩化ナトリウムが排出孔112から排出されることにより、前記反応生成物を分離するための反応の中断を防ぐことができ、連続運転を可能にすることができる。
【0044】
(一段階反応型二酸化炭素固定方法)
本実施形態の一段階反応型二酸化炭素固定方法は、反応工程、バブル状ガス供給工程、及び、水流生成工程を含む。前記反応工程は、反応塔を用いて実施される。前記バブル状ガス供給工程は、バブル状ガス供給装置を用いて実施される。前記水流生成工程は、水流生成装置を用いて実施される。前記反応塔の上方に排気孔が設けられ、前記排気孔には、開閉弁が配置され、前記反応塔の前記排気孔の下方に反応薬供給孔が設けられ、前記反応塔は、前記反応薬供給孔の下方に反応液を貯留可能であり、前記反応塔の底部に排出孔が設けられ、前記排出孔には、ろ過装置が配置され、前記バブル状ガス供給装置は、前記反応液中に配置可能なように、前記反応塔内部において前記反応薬供給孔の下方に配置され、前記水流生成装置は、前記反応液中に配置可能なように、かつ、前記バブル状ガス供給装置の上方に位置するように、前記反応塔内部において前記反応薬供給孔の下方に配置され、前記反応薬供給孔から、水酸化ナトリウム及び塩化カルシウムが前記反応液中に供給可能であり、前記バブル状ガス供給装置は、二酸化炭素含有ガスをバブル状で前記反応液中に供給可能であり、前記開閉弁が閉じることにより、前記排気孔が閉塞し、前記バブル状ガス供給装置による前記ガス供給により前記反応塔内部が加圧状態となり、前記水流生成装置は、前記反応液において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能であり、前記反応液において、二酸化炭素、水酸化ナトリウム及び塩化カルシウムが反応して、炭酸カルシウム及び塩化ナトリウムが生成し、前記炭酸カルシウムは前記ろ過装置により捕捉され、前記塩化ナトリウムは、塩化ナトリウム水溶液として前記ろ過装置を通過して、前記排出孔から排出される。本実施形態の一段階反応型二酸化炭素固定方法において、その他の構成及び条件は、特に制限されない。
【0045】
本実施形態の二酸化炭素固定方法について、
図3(A)を用いて説明する。
図3(A)は、前記二酸化炭素固定方法の一例を示すフローチャートである。本実施形態の二酸化炭素固定方法は、例えば、
図1の二酸化炭素固定装置1を用いて、次のように実施できる。なお、本実施形態の二酸化炭素固定方法は、
図1の二酸化炭素固定装置1の使用には限定されない。
図3(A)のフローチャートは、各工程の処理の順番の一例であり、本発明はこの順番に限定されず、各工程は、二酸化炭素の固定反応を行うことができる範囲で、同時に行ってもよいし、前後させてもよい。
【0046】
反応工程(S101)は、反応塔11を用いて実施される。反応工程(S101)は、例えば、反応薬供給孔111から、水酸化ナトリウム及び塩化カルシウムが反応液RS中に供給される、反応液供給工程を含む。反応工程(S101)は、例えば、開閉弁1101Aが閉じることにより、排気孔110が閉塞する、排気口閉塞工程を含む。
【0047】
バブル状ガス供給工程(S102)は、バブル状ガス供給装置12を用いて実施される。バブル状ガス供給工程(S102)は、例えば、バブル状ガス供給装置12により、二酸化炭素含有ガスをバブル状で反応液RS中に供給する。
【0048】
前記排気口閉塞工程およびバブル状ガス供給工程(S102)により、例えば、反応塔11内部が加圧状態となる。
【0049】
水流生成工程(S103)は、水流生成装置13を用いて実施される。水流生成工程(S103)は、例えば、反応液RSにおいて、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成する工程を含む。
【0050】
そして、反応液RSにおいて、二酸化炭素、水酸化ナトリウム及び塩化カルシウムが反応して、炭酸カルシウム及び塩化ナトリウムが生成し、前記炭酸カルシウムはろ過装置1120により捕捉され、前記塩化ナトリウムは、塩化ナトリウム水溶液としてろ過装置1120を通過して、排出孔112から排出され、終了する(END)。
【0051】
本実施形態の二酸化炭素固定方法は、例えば、さらに、電気分解工程を含み、前記電気分解工程は、後述する電気分解装置14を用いて実施されてもよい。前記電気分解工程は、例えば、排出孔112から排出された塩化ナトリウム水溶液を電気分解して水酸化ナトリウム水溶液を生成する工程を含む。そして、例えば、前記反応工程(S101)において、前記水酸化ナトリウム水溶液が、反応薬供給孔111から、反応液RS中に供給される。
【0052】
(変形例)
本変形例の二酸化炭素の固定装置1は、
図4に示すように、さらに、電気分解装置14を含む。この点以外は、実施形態1の二酸化炭素固定装置1と同様である。
【0053】
電気分解装置14は、排出孔112から排出された塩化ナトリウム水溶液を電気分解して水酸化ナトリウム水溶液を生成する。そして、前記水酸化ナトリウム水溶液は、反応薬供給孔111から、反応液RS中に供給される。
【0054】
電気分解装置14は、前記塩化ナトリウム水溶液を電気分解して水酸化ナトリウム水溶液を生成できればよく、条件等は、特に制限されない。電気分解装置14による電気分解において、例えば、前記塩化ナトリウム水溶液に電圧をかけることで、陰極で還元反応、陽極で酸化反応を起こし、前記混合液中の塩化ナトリウムを化学分解することができる。そして、陽極付近において塩素(Cl2)が生じ、陰極付近において水素(H2)が生じ、水酸化ナトリウム水溶液を生成することができる。
【0055】
[実施形態2]
(二段階反応型二酸化炭素固定装置)
図5は、本実施形態の二段階反応型の二酸化炭素固定装置2を横方向から見た場合の一例を示す模式断面図である。なお、
図5において、二酸化炭素の固定装置2の内部を透視的に図示している。
図5に示すように、二酸化炭素の固定装置2は、第1反応塔11A、第2反応塔11B、バブル状ガス供給装置12、第1水流生成装置13A、第2水流生成装置13B、及び、流路15を含む。二酸化炭素固定装置2に含まれる各構成の大きさ、及び形成材料等は、特に制限されず、適宜設定することができる。
【0056】
二酸化炭素固定装置2において、第1反応塔11Aの上方に排気孔110が設けられている。
図5において、排気孔110から、第1反応塔11A内の空気を排気している。
【0057】
排気孔110には、第1開閉弁1101Aが配置されている。第1開閉弁1101Aは、実施形態1の開閉弁1101Aと同様である。第1開閉弁1101Aが閉じることにより、排気孔110が閉塞する。そして、バブル状ガス供給装置12によるガス供給により第1反応塔11A内部が加圧状態となる。第1反応塔11A内部が加圧状態となることにより、二酸化炭素含有ガスと後述する第1反応液RS1との反応効率を向上することができる。
【0058】
二酸化炭素固定装置2において、第1反応塔11Aの排気孔110の下方に第1反応薬供給孔111Aが設けられている。第1反応薬供給孔111Aから、水酸化ナトリウム(NaOH)が第1反応液RS1中に供給可能である。第1反応薬供給孔111Aは、実施形態1の反応薬供給孔111と同様である。前記供給後の第1反応液RS1における水酸化ナトリウムの濃度は、例えば、0.2Nを超える高濃度とすることもできる。
図5において、第1反応塔11Aは、第1反応薬供給孔111Aの下方に第1反応液RS1を貯留している。
【0059】
バブル状ガス供給装置12は、第1反応液RS1中に配置可能なように、第1反応塔11A内部において第1反応薬供給孔111Aの下方に配置されている。
図5において、バブル状ガス供給装置12は、二酸化炭素(CO
2)含有ガスをバブル状で第1反応液RS1に供給している。バブル状ガス供給装置12が、前記二酸化炭素含有ガスをバブル状で第1反応液RS1中に供給することにより、前記二酸化炭素含有ガスと第1反応液RS1との反応効率を向上することができる。
【0060】
第1水流生成装置13Aは、第1反応液RS1中に配置可能なように、かつ、バブル状ガス供給装置12の上方に位置するように、第1反応塔11A内部において第1反応薬供給孔111Aの下方に配置されている。第1水流生成装置13Aは、実施形態1の水流生成装置13と同様である。
【0061】
第1水流生成装置13Aは、第1反応液RS1において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能である。第1水流生成装置13Aが、第1反応液RS1において、前記水流を生成することにより、前記二酸化炭素含有ガスと第1反応液RS1との反応効率を向上することができる。
【0062】
そして、第1反応液RS1において、二酸化炭素が吸収される。
【0063】
二酸化炭素固定装置2において、第1反応塔11Aの底部に第1排出孔112Aが設けられている。第1排出孔112Aは、流路15の一端と連結している。流路15は、配管ということもでき、特に制限されず、例えば、パイプ、ホース等があげられる。
【0064】
二酸化炭素固定装置2において、第2反応塔11Bには、第1反応液供給孔16が設けられている。第1反応液供給孔16は、流路15の他端と連結している。第2反応塔11B内部に、第1反応液供給孔16から二酸化炭素を吸収した第1反応液RS1が供給される。
【0065】
二酸化炭素固定装置2において、第2反応塔11Bには、第2反応薬供給孔111Bが設けられている。この点以外は、第2反応薬供給孔111Bは、実施形態1の反応薬供給孔111と同様である。第2反応薬供給孔111Bから塩化カルシウム(CaCl
2)が前記二酸化炭素を吸収した第1反応液RS1に供給されて第2反応液RS2となる。
図5において、第2反応塔11Bは、第2反応薬供給孔111Bの下方に第2反応液RS2を貯留している。
【0066】
第2水流生成装置13Bは、第2反応液RS2中に配置可能なように、第2反応塔11B内部において第2反応薬供給孔111Bの下方に配置されている。この点以外は、第2水流生成装置13Bは、実施形態1の水流生成装置13と同様である。
【0067】
第2水流生成装置13Bは、第2反応液RS2において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能である。第2水流生成装置13Bが、第2反応液RS2において、前記水流を生成することにより、反応生成物である炭酸カルシウムがバブル状ガス供給装置12に沈着することを防ぐことができる。
【0068】
そして、第2反応液RS2において炭酸カルシウム(CaCO3)及び塩化ナトリウム(NaCl)が生成する。
【0069】
二酸化炭素固定装置2において、第2反応塔11Bの底部に第2排出孔112Bが設けられている。この点以外は、第2排出孔112Bは、実施形態1の排出孔112と同様である。第2排出孔112Bには、ろ過装置1120が配置されている。ろ過装置1120により、前記生成した前記炭酸カルシウムが捕捉される。一方、前記生成した前記塩化ナトリウムは、塩化ナトリウム水溶液としてろ過装置1120を通過して、第2排出孔112Bから排出される。
図5において、第2排出孔112Bから塩化ナトリウム水溶液を排出している。
【0070】
二酸化炭素固定装置2は、
図5に示すように、さらに、濃度センサー17、制御部(図示せず)、及び、第2開閉弁1101Cを含んでもよい。
【0071】
濃度センサー17は、第1応液RS1中に配置可能なように、第1反応塔11A内部に配置される。濃度センサー17により、第1応液RS1の反応薬の濃度が測定されて、測定結果が前記制御部に送信される。濃度センサー17は、前記反応薬の濃度を測定できればよく、特に制限されない。前記反応薬の濃度の測定において、例えば、炭酸イオン(CO3
2-)、及び水酸化物イオン(OH-)の濃度を測定してもよい。前記制御部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。
【0072】
第2開閉弁1101Cは、流路15に配置される。この点以外は、第2開閉弁1101Cは、実施形態1の開閉弁1101Aと同様である。前記制御部は、前記測定結果に応じて、第2開閉弁1101Cの開閉を制御する。前記測定結果に応じて、第2開閉弁1101Cの開閉を制御することにより、二酸化炭素含有ガスと後述する第1反応液RS1との反応の進行に応じて、第2反応塔11B内部に、第1反応液供給孔16から二酸化炭素を吸収した第1反応液RS1を供給することができる。
【0073】
前記制御部は、例えば、二酸化炭素固定装置1の各部の制御を行うことができ、例えば、第2反応薬供給孔111Bの開閉等の制御を行ってもよい。
【0074】
(二段階反応型二酸化炭素固定方法)
本実施形態の二段階反応型二酸化炭素固定方法は、第1反応工程、第2反応工程、バブル状ガス供給工程、第1水流生成工程、及び、第2水流生成工程を含み、前記第1反応工程は、第1反応塔を用いて実施され、前記第2反応工程は、第2反応塔を用いて実施され、前記バブル状ガス供給工程は、バブル状ガス供給装置を用いて実施され、前記第1水流生成工程は、第1水流生成装置を用いて実施され、前記第2水流生成工程は、第2水流生成装置を用いて実施され、前記第1反応塔の上方に排気孔が設けられ、前記排気孔には、第1開閉弁が配置され、前記第1反応塔の前記排気孔の下方に第1反応薬供給孔が設けられ、前記第1反応塔は、前記第1反応薬供給孔の下方に第1反応液を貯留可能であり、前記第1反応塔の底部に第1排出孔が設けられ、前記第1排出孔は、流路の一端と連結し、前記バブル状ガス供給装置は、前記第1反応液中に配置可能なように、前記第1反応塔内部において前記第1反応薬供給孔の下方に配置され、前記第1水流生成装置は、前記第1反応液中に配置可能なように、かつ、前記バブル状ガス供給装置の上方に位置するように、前記第1反応塔内部において前記第1反応薬供給孔の下方に配置され、前記第1反応薬供給孔から、水酸化ナトリウムが前記第1反応液中に供給可能であり、前記バブル状ガス供給装置は、二酸化炭素含有ガスをバブル状で前記第1反応液中に供給可能であり、前記第1開閉弁が閉じることにより、前記排気孔が閉塞し、前記バブル状ガス供給装置による前記ガス供給により前記第1反応塔内部が加圧状態となり、前記第1水流生成装置は、前記第1反応液において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能であり、前記第1反応液において、二酸化炭素が吸収され、前記第2反応塔には、第1反応液供給孔が設けられ、前記第1反応液供給孔は、前記流路の他端と連結し、前記第2反応塔には、第2反応薬供給孔が設けられ、前記第2反応塔は、前記第2反応薬供給孔の下方に第2反応液を貯留可能であり、前記第2反応塔の底部に第2排出孔が設けられ、前記第2排出孔には、ろ過装置が配置され、前記第2水流生成装置は、前記第2反応液中に配置可能なように、前記第2反応塔内部において前記第2反応薬供給孔の下方に配置され、前記第2反応塔内部に、前記第1反応液供給孔から二酸化炭素を吸収した前記第1反応液が供給され、前記第2反応薬供給孔から塩化カルシウムが前記二酸化炭素を吸収した前記第1反応液に供給されて前記第2反応液となり、前記第2水流生成装置は、前記第2反応液において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能であり、前記第2反応液において炭酸カルシウム及び塩化ナトリウムが生成し、前記炭酸カルシウムは前記ろ過装置により捕捉され、前記塩化ナトリウムは、塩化ナトリウム水溶液として前記ろ過装置を通過して、前記第2排出孔から排出される。本実施形態の一段階反応型二酸化炭素固定方法において、その他の構成及び条件は、特に制限されない。
【0075】
本実施形態の二酸化炭素固定方法について、
図3(B)を用いて説明する。
図3(B)は、前記二酸化炭素固定方法の一例を示すフローチャートである。本実施形態の二酸化炭素固定方法は、例えば、
図5の二酸化炭素固定装置2を用いて、次のように実施できる。なお、本実施形態の二酸化炭素固定方法は、
図5の二酸化炭素固定装置2の使用には限定されない。
図3(B)のフローチャートは、各工程の処理の順番の一例であり、本発明はこの順番に限定されず、各工程は、二酸化炭素の固定反応を行うことができる範囲で、同時に行ってもよいし、前後させてもよい。
【0076】
第1反応工程(S201A)は、第1反応塔11Aを用いて実施される。第1反応工程(S201A)は、例えば、第1反応薬供給孔111Aから、水酸化ナトリウムが第1反応液RS1中に供給される、第1反応液供給工程を含む。第1反応工程(S201A)は、例えば、第1開閉弁1101Aが閉じることにより、排気孔110が閉塞する、排気口閉塞工程を含む。
【0077】
バブル状ガス供給工程(S202)は、バブル状ガス供給装置12を用いて実施される。バブル状ガス供給工程(S202)は、例えば、バブル状ガス供給装置12により、二酸化炭素含有ガスをバブル状で第1反応液RS1中に供給する。
【0078】
前記排気口閉塞工程およびバブル状ガス供給工程(S202)により、例えば、第1反応塔11A内部が加圧状態となる。
【0079】
第1水流生成工程(S203A)は、第1水流生成装置13Aを用いて実施される。第1水流生成工程(S203A)は、例えば、第1反応液RS1において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成する工程を含む。
【0080】
そして、第1反応液RS1において、二酸化炭素が吸収される。
【0081】
第2反応工程(S201B)は、第2反応塔11Bを用いて実施される。第2反応工程(S201B)は、例えば、第2反応塔11B内部に、第1反応液供給孔16から二酸化炭素を吸収した第1反応液RS1が供給される、第1反応液供給工程を含む。第2反応工程(S201B)は、例えば、第2反応薬供給孔111Bから塩化カルシウムが前記二酸化炭素を吸収した第1反応液RS1に供給されて第2反応液RS2となる、第2反応薬供給工程を含む。
【0082】
第2水流生成工程(S203B)は、第2水流生成装置13Bを用いて実施される。第2水流生成工程(S203B)は、例えば、第2反応液RS2において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成する工程を含む。
【0083】
そして、第2反応液RS2において炭酸カルシウム(CaCO3)及び塩化ナトリウム(NaCl)が生成する。また、ろ過装置1120により、前記生成した前記炭酸カルシウムが捕捉される。一方、前記生成した前記塩化ナトリウムは、塩化ナトリウム水溶液としてろ過装置1120を通過して、第2排出孔112Bから排出され、終了する(END)。
【0084】
本実施形態の二酸化炭素固定方法は、例えば、さらに、濃度測定工程、及び、制御工程を含み、前記濃度測定工程は、濃度センサー17を用いて実施され、前記制御工程は、制御部を用いて実施されてもよい。前記濃度測定工程は、例えば、濃度センサー17により、第1反応液RS1の反応薬の濃度が測定されて、測定結果が前記制御部に送信される。前記制御工程は、例えば、前記測定結果に応じて、第2開閉弁1101Cの開閉を制御する。
【0085】
本実施形態の二酸化炭素固定方法は、例えば、さらに、電気分解工程を含み、前記電気分解工程は、後述する電気分解装置を用いて実施されてもよい。前記電気分解工程は、例えば、第2排出孔112Bから排出された塩化ナトリウム水溶液を電気分解して水酸化ナトリウム水溶液を生成する工程を含む。そして、例えば、第1反応工程(S201A)において、前記水酸化ナトリウム水溶液が、第1反応薬供給孔111Aから、第1反応液RS1中に供給される。
【0086】
(変形例1)
本変形例の二酸化炭素固定装置2は、実施形態1の二酸化炭素固定装置1の変形例と同様に、さらに、電気分解装置を含む。この点以外は、実施形態2の二酸化炭素固定装置2と同様である。
【0087】
前記電気分解装置は、第2排出孔112Bから排出された塩化ナトリウム水溶液を電気分解して水酸化ナトリウム水溶液を生成する。そして、前記水酸化ナトリウム水溶液は、第1反応薬供給孔111Aから、第1反応液RS1中に供給される。
【0088】
(変形例2)
本変形例の二酸化炭素固定装置2は、
図6に示すように、第1反応塔11Aが2つである。そして、第2反応塔11Bにおいて、2つの第1反応液供給孔16が設けられ、2つの流路15により、2つの第1反応塔11Aの第1排出孔112A及び2つの第1反応液供給孔16が連結している。なお、
図6において、第1反応塔11A、第1反応液供給孔16、流路15、第1排出孔112A、及び第1反応液供給孔16がそれぞれ2つである場合を例示しているが、これには制限されず、3つ以上の複数でもよい。
【0089】
本変形例の二酸化炭素固定装置2によれば、例えば、稼働する反応塔11Aを切り替える等により、連続反応方式を実施しやすくすることができる。
【0090】
つぎに、本発明の参考例について説明する。ただし、本発明は、下記参考例により制限されない。市販の試薬は、特に示さない限り、それらのプロトコルに基づいて使用した。
【0091】
[参考例1]
水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液と、二酸化炭素(CO2)含有ガスとを接触させ、二酸化炭素を固定できることを確認した。
【0092】
水酸化ナトリウム水溶液として、1Nの水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬工業社製)を蒸留水で希釈し、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を作製した。
【0093】
4Lのガラス製ボトル(市販のもの)に、3Lの0.1Nの前記水酸化ナトリウム水溶液を入れ、蓋(前記ボトルに付属のもの;プラスチック製)をした。前記水溶液に、空気をバブリングすることにより接触させた。前記バブリングは、水槽生物用のバブリング装置(製品名:ブクブク(セットに含まれるエアポンプ、ホース、及びエアストーンを組立てたもの)、コトブキ工芸株式会社製)を用いて、前記ボトルの蓋に開けた穴から前記ホースを前記水溶液中に通すことにより行った。前記バブリングの条件は、20cm3/秒で、2分間、3分間及び4分間とした。そして、前記接触後に、それぞれ、二酸化炭素濃度を測定した。前記二酸化炭素濃度の測定は、前記ボトルの蓋に気体の排出口を設け、二酸化炭素検出器(XP-3140、COSMO製)を用いて、前記排出口における気体中の二酸化炭素濃度を測定した。
【0094】
この結果を、
図7に示す。
図7は、前記接触後の前記二酸化炭素濃度を示すグラフである。
図7において、縦軸は、二酸化炭素濃度(PPM)を示し、横軸は、左から、2分間、3分間及び4分間の前記接触後を示す。なお、前記二酸化炭素濃度の値は、合計4サンプルの測定値の平均値とした。
図7に示すように、2分間、3分間及び4分間の前記接触後において、別途計測した空気中の二酸化炭素濃度(700±33PPM)と比較して、二酸化炭素濃度が減少していた。また、2分間の接触により、二酸化炭素濃度はほぼプラトーに達していた。
【0095】
つぎに、前記バブリングに代えて、スクリュー(DIGITAL HOMOGENEIZER(井内社製)に、羽部として、1個のフッ素樹脂(PTFE)3枚羽根スクリュー型撹拌羽根(アズワン社製、型番:NR2680)を取り付けたもの)を用いて、2分間、490rpm及び1005rpmの条件で、前記接触を行った。
【0096】
この結果を、
図8に示す。
図8は、前記接触後の前記二酸化炭素濃度を示すグラフである。
図8において、縦軸は、二酸化炭素濃度(PPM)を示し、横軸は、左から、490rpm、及び1005rpmの条件を示す。なお、前記二酸化炭素濃度の値は、合計3または4サンプルの測定値の平均値とした。
図8に示すように、490rpm、及び1005rpmの条件において、別途計測した空気中の二酸化炭素濃度(847±23PPM)と比較して、二酸化炭素濃度が減少していた。
【0097】
以上のように、水酸化ナトリウム水溶液と、二酸化炭素含有ガスとを接触させ、二酸化炭素を固定できることを確認できた。
【0098】
[参考例2]
水と、二酸化炭素(CO2)含有ガスとを接触させ、水が二酸化炭素を吸収することを確認した。
【0099】
100mLのメスシリンダーに、70mLの100%の二酸化炭素を入れた。約5℃の水で満たされたポリバケツ内に、前記メスシリンダーを倒立した状態で入れ、5時間、放置することにより、前記メスシリンダー内の前記二酸化炭素を前記水に吸収させた。その後、前記メスシリンダー内に残存する気体の体積を測定した。また、比較例として、前記二酸化炭素に代えて空気を前記メスシリンダーに入れ、同様に実験を行った。
【0100】
この結果を、
図9に示す。
図9は、前記吸収後の前記メスシリンダー内に残存する気体の体積を示すグラフである。
図9において、縦軸は、体積(mL)を示し、横軸は、左から、空気(Air)(比較例)、及び二酸化炭素(CO
2)の前記吸収後を示す。
図9に示すように、二酸化炭素は、当初の体積(70mL)から約半分の体積まで減少しており、水に溶けやすいことがわかった。一方、空気は、当初の体積から殆ど減少せず、水への吸収は見られなかった。
【0101】
以上のように、水と、二酸化炭素含有ガスとを接触させ、水が二酸化炭素を吸収することを確認できた。
【0102】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0103】
以上のように、本発明によれば、二酸化炭素固定における反応効率の向上、及び、連続運転が可能な二酸化炭素固定装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0104】
1、2 二酸化炭素固定装置
11 反応塔
11A 第1反応塔
11B 第2反応塔
110 排気孔
1101A 開閉弁、第1開閉弁
1101B 開閉弁
1101C 第2開閉弁
1102 ミストトラッパー
111 反応薬供給孔
111A 第1反応薬供給孔
111B 第2反応薬供給孔
112 排出孔
112A 第1排出孔
112B 第2排出孔
1120 ろ過装置
113 軸受
12 バブル状ガス供給装置
13 水流生成装置
13A 第1水流生成装置
13B 第2水流生成装置
131A、131B 羽部
14 電気分解装置
15 流路
16 第1反応液供給孔
17 濃度センサー
RS 反応液
RS1 第1反応液
RS2 第2反応液
【手続補正書】
【提出日】2022-11-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1反応塔、第2反応塔、バブル状ガス供給装置、第1水流生成装置、第2水流生成装置、及び、流路を含み、
前記第1反応塔の上方に排気孔が設けられ、
前記排気孔には、第1開閉弁が配置され、
前記第1反応塔の前記排気孔の下方に第1反応薬供給孔が設けられ、
前記第1反応塔は、前記第1反応薬供給孔の下方に第1反応液を貯留可能であり、
前記第1反応塔の底部に第1排出孔が設けられ、
前記第1排出孔は、前記流路の一端と連結し、
前記バブル状ガス供給装置は、前記第1反応液中に配置可能なように、前記第1反応塔内部において前記第1反応薬供給孔の下方に配置され、
前記第1水流生成装置は、前記第1反応液中に配置可能なように、かつ、前記バブル状ガス供給装置の上方に位置するように、前記第1反応塔内部において前記第1反応薬供給孔の下方に配置され、
前記第1反応薬供給孔から、水酸化ナトリウムが前記第1反応液中に供給可能であり、
前記バブル状ガス供給装置は、二酸化炭素含有ガスをバブル状で前記第1反応液中に供給可能であり、
前記第1開閉弁が閉じることにより、前記排気孔が閉塞し、前記バブル状ガス供給装置による前記ガス供給により前記第1反応塔内部が加圧状態となり、
前記第1水流生成装置は、前記第1反応液において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能であり、
前記第1反応液において、二酸化炭素が吸収され、
前記第2反応塔には、第1反応液供給孔が設けられ、
前記第1反応液供給孔は、前記流路の他端と連結し、
前記第2反応塔には、第2反応薬供給孔が設けられ、
前記第2反応塔は、前記第2反応薬供給孔の下方に第2反応液を貯留可能であり、
前記第2反応塔の底部に第2排出孔が設けられ、
前記第2排出孔には、ろ過装置が配置され、
前記第2水流生成装置は、前記第2反応液中に配置可能なように、前記第2反応塔内部において前記第2反応薬供給孔の下方に配置され、
前記第2反応塔内部に、前記第1反応液供給孔から二酸化炭素を吸収した前記第1反応液が供給され、
前記第2反応薬供給孔から塩化カルシウムが前記二酸化炭素を吸収した前記第1反応液に供給されて前記第2反応液となり、
前記第2水流生成装置は、前記第2反応液において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能であり、
前記第2反応液において炭酸カルシウム及び塩化ナトリウムが生成し、
前記炭酸カルシウムは前記ろ過装置により捕捉され、
前記塩化ナトリウムは、塩化ナトリウム水溶液として前記ろ過装置を通過して、前記第2排出孔から排出され、
前記第1反応塔が複数であり、
前記第2反応塔において、複数の前記第1反応液供給孔が設けられ、
複数の前記流路により、複数の前記第1反応塔の前記第1排出孔及び複数の前記第1反応液供給孔が連結している、
二段階反応型二酸化炭素固定装置。
【請求項2】
さらに、濃度センサー、制御部、及び、第2開閉弁を含み、
前記濃度センサーは、前記第1反応液中に配置可能なように、前記第1反応塔内部に配置され、
前記第2開閉弁は、前記流路に配置され、
前記濃度センサーにより、前記第1反応液の反応薬の濃度が測定されて、測定結果が前記制御部に送信され、
前記制御部は、前記測定結果に応じて、前記第2開閉弁の開閉を制御する、
請求項1記載の二段階反応型二酸化炭素固定装置。
【請求項3】
さらに、電気分解装置を含み、
前記電気分解装置は、前記第2排出孔から排出された塩化ナトリウム水溶液を電気分解して水酸化ナトリウム水溶液を生成し、
前記水酸化ナトリウム水溶液は、前記第1反応薬供給孔から、前記第1反応液中に供給される、
請求項1又は2に記載の二段階反応型二酸化炭素固定装置。
【請求項4】
第1反応工程、第2反応工程、バブル状ガス供給工程、第1水流生成工程、及び、第2水流生成工程を含み、
前記第1反応工程は、第1反応塔を用いて実施され、
前記第2反応工程は、第2反応塔を用いて実施され、
前記バブル状ガス供給工程は、バブル状ガス供給装置を用いて実施され、
前記第1水流生成工程は、第1水流生成装置を用いて実施され、
前記第2水流生成工程は、第2水流生成装置を用いて実施され、
前記第1反応塔の上方に排気孔が設けられ、
前記排気孔には、第1開閉弁が配置され、
前記第1反応塔の前記排気孔の下方に第1反応薬供給孔が設けられ、
前記第1反応塔は、前記第1反応薬供給孔の下方に第1反応液を貯留可能であり、
前記第1反応塔の底部に第1排出孔が設けられ、
前記第1排出孔は、流路の一端と連結し、
前記バブル状ガス供給装置は、前記第1反応液中に配置可能なように、前記第1反応塔内部において前記第1反応薬供給孔の下方に配置され、
前記第1水流生成装置は、前記第1反応液中に配置可能なように、かつ、前記バブル状ガス供給装置の上方に位置するように、前記第1反応塔内部において前記第1反応薬供給孔の下方に配置され、
前記第1反応薬供給孔から、水酸化ナトリウムが前記第1反応液中に供給可能であり、
前記バブル状ガス供給装置は、二酸化炭素含有ガスをバブル状で前記第1反応液中に供給可能であり、
前記第1開閉弁が閉じることにより、前記排気孔が閉塞し、前記バブル状ガス供給装置による前記ガス供給により前記第1反応塔内部が加圧状態となり、
前記第1水流生成装置は、前記第1反応液において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能であり、
前記第1反応液において、二酸化炭素が吸収され、
前記第2反応塔には、第1反応液供給孔が設けられ、
前記第1反応液供給孔は、前記流路の他端と連結し、
前記第2反応塔には、第2反応薬供給孔が設けられ、
前記第2反応塔は、前記第2反応薬供給孔の下方に第2反応液を貯留可能であり、
前記第2反応塔の底部に第2排出孔が設けられ、
前記第2排出孔には、ろ過装置が配置され、
前記第2水流生成装置は、前記第2反応液中に配置可能なように、前記第2反応塔内部において前記第2反応薬供給孔の下方に配置され、
前記第2反応塔内部に、前記第1反応液供給孔から二酸化炭素を吸収した前記第1反応液が供給され、
前記第2反応薬供給孔から塩化カルシウムが前記二酸化炭素を吸収した前記第1反応液に供給されて前記第2反応液となり、
前記第2水流生成装置は、前記第2反応液において、上方及び下方の少なくとも一方の水流を生成可能であり、
前記第2反応液において炭酸カルシウム及び塩化ナトリウムが生成し、
前記炭酸カルシウムは前記ろ過装置により捕捉され、
前記塩化ナトリウムは、塩化ナトリウム水溶液として前記ろ過装置を通過して、前記第2排出孔から排出され、
前記第1反応塔が複数であり、
前記第2反応塔において、複数の前記第1反応液供給孔が設けられ、
複数の前記流路により、複数の前記第1反応塔の前記第1排出孔及び複数の前記第1反応液供給孔が連結している、
二段階反応型二酸化炭素固定方法。
【請求項5】
さらに、濃度測定工程、及び、制御工程を含み、
前記濃度測定工程は、濃度センサーを用いて実施され、
前記制御工程は、制御部を用いて実施され、
前記濃度センサーは、前記第1反応液中に配置可能なように、前記第1反応塔内部に配置され、
第2開閉弁は、前記流路に配置され、
前記濃度センサーにより、前記第1反応液の反応薬の濃度が測定されて、測定結果が前記制御部に送信され、
前記制御部は、前記測定結果に応じて、前記第2開閉弁の開閉を制御する、
請求項4記載の二段階反応型二酸化炭素固定方法。
【請求項6】
さらに、電気分解工程を含み、
前記電気分解工程は、電気分解装置を用いて実施され、
前記電気分解装置は、前記第2排出孔から排出された塩化ナトリウム水溶液を電気分解して水酸化ナトリウム水溶液を生成し、
前記水酸化ナトリウム水溶液は、前記第1反応薬供給孔から、前記第1反応液中に供給される、
請求項4又は5に記載の二段階反応型二酸化炭素固定方法。