(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183579
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】充電装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
H02J7/00 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090980
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古川 昌幹
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503FA01
(57)【要約】
【課題】充電対象が載置される載置面上の液体を排水するための技術を提供する。
【解決手段】充電装置は、充電対象が載置される載置面を含む筐体を備える。前記載置面は、第1の方向に沿って傾斜しており、前記載置面の前記第1の方向における低い側の端部には、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って延びる流路面が形成されており、前記流路面は、前記第2の方向に沿って傾斜しており、前記流路面の前記第2の方向における低い側の端部には、前記筐体の外部へと連通する排水口が形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電対象が載置される載置面を含む筐体を備え、
前記載置面は、第1の方向に沿って傾斜しており、
前記載置面の前記第1の方向における低い側の端部には、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って延びる流路面が形成されており、
前記流路面は、前記第2の方向に沿って傾斜しており、
前記流路面の前記第2の方向における低い側の端部には、前記筐体の外部へと連通する排水口が形成されている、充電装置。
【請求項2】
前記第1の方向は、前記筐体の前後方向であり、
前記第2の方向は、前記筐体の左右方向であり、
前記排水口は、前記筐体の前記左右方向における側面に形成されている、請求項1に記載の充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、充電対象を充電するための充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、PDA端末を充電可能なグレードル装置が開示されている。グレードル装置の上面には、PDA端末を載置するための載置部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、液体(例えば、飲み物)がグレードル装置に付着する場合がある。載置部に液体が溜まると、載置部に載置されたPDA端末が濡れる等の支障が生じ得る。
【0005】
本明細書では、充電対象が載置される載置面上の液体を排水するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示する充電装置は、充電対象が載置される載置面を含む筐体を備える。前記載置面は、第1の方向に沿って傾斜しており、前記載置面の前記第1の方向における低い側の端部には、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って延びる流路面が形成されており、前記流路面は、前記第2の方向に沿って傾斜しており、前記流路面の前記第2の方向における低い側の端部には、前記筐体の外部へと連通する排水口が形成されている。
【0007】
このような構成によれば、載置面上の液体は、載置面の第1の方向における低い側の端部、流路面の第2の方向における低い側の端部の順に流れ、最終的に、排水口から筐体の外側へと流れ出る。以上より、充電対象が載置される載置面上の液体を排水することができる。
【0008】
前記第1の方向は、前記筐体の前後方向であり、前記第2の方向は、前記筐体の左右方向であり、前記排水口は、前記筐体の前記左右方向における側面に形成されていてもよい。
【0009】
一般的に、筐体の前方の面が目立つ。例えば、前方の面に排水口を形成すると、当該排水口から流れ出る液体が目立つ。上記の構成によれば、排水口が前方の面ではなく、左右の側面に形成されるので、排水口から流れ出る液体が目立つことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施例)
(充電装置10の構成:
図1~
図3)
図1~
図3を参照して、第1実施例の充電装置10について説明する。充電装置10は、携帯端末(図示省略)のバッテリ100、200(
図2参照)を充電するための装置である。携帯端末は、情報コード(例えばバーコード)に記録されているデータ、電子タグ(例えばRFID)に記憶されているデータ等を読み取るための装置である。なお、変形例では、携帯端末は、スマートフォン、タブレットPC、ノートPC等であってもよい。
【0012】
各図には、XYZ座標系が定義されている。X方向、Y方向、Z方向は、それぞれ、充電装置10の左右方向、前後方向、高さ方向を示す。充電装置10は、底面10aを下側にして、所定の台(例えば机)の上に載置される。
【0013】
充電装置10は、筐体12を備え、筐体12には、4個の載置部14が設けられている。なお、
図1では、4個の載置部14のうちの1個に符号を付し、残りの載置部の符号は、省略されている。なお、変形例では、載置部14の個数は、4個に限らず、例えば、1個、5個等であってもよい。
【0014】
載置部14は、第1の載置部16と、第2の載置部18と、を含む。第1の載置部16は、第1のバッテリ100が載置される部位である(
図2参照)。第1の載置部16は、前側の載置面16aと、後側の載置面16dと、を含む。前側の載置面16aには、第1のバッテリ100の端子(図示省略)に接続される端子16bが露出している。
【0015】
第1のバッテリ100は、前側の載置面16aと後側の載置面16dの双方に跨るように載置部16に載置される。この際に、第1のバッテリ100の端子が端子16bに接続される。これにより、第1のバッテリ100が充電される。
【0016】
第2の載置部18は、第1のバッテリ100よりも小さい第2のバッテリ200が載置される部位である(
図2参照)。第2の載置部18は、凹部の底面である載置面18aを含む。載置面18aには、第2のバッテリ200の端子(図示省略)に接続される端子18bが露出している。
【0017】
第2のバッテリ200は、第2の載置部18の凹部に収容されるように載置部18に載置される。この際に、第2のバッテリ200の端子が端子18bに接続される。これにより、第2のバッテリ200が充電される。
【0018】
図2に示すように、第1の載置部16の前側の載置面16aは、y軸方向に沿って傾斜している。具体的には、前側の載置面16aのうちのy軸の負方向(即ち前側)の端部は、載置面16aのうちのy軸の正方向(即ち後側)の端部よりも低い。後側の載置面16dも、前側の載置面16aと同様に、y軸方向に沿って傾斜している。
【0019】
前側の載置面16aのうちの低い側の端部には、流路溝16eが形成されている。流路溝16eは、x軸方向に沿って傾斜している。例えば、
図1の4個の載置部14のうちの、前左側の載置部14(即ち符号14が付されている載置部14)では、流路溝16eのうちのx軸の負方向の端部が、流路溝16eのうちのx軸の正方向の端部よりも低い。また、例えば、
図1の4個の載置部14のうちの、前右側の載置部14では、流路溝16eのうちのx軸の正方向の端部が、流路溝16eのうちのx軸の負方向の端部よりも低い。即ち、流路溝16eは、筐体12の外側に向かうにつれて低くなるように傾斜している。
【0020】
流路溝16eのx軸方向における低い側の端部には、排水口16cが形成されている。排水口16cは、筐体12のx軸方向における側面に形成されている切り欠き(別言すれば、スリット)である。排水口16cは、流路溝16eと筐体12の外側の空間とを連通する。
【0021】
また、
図2に示すように、第2の載置部18の載置面18aも、第1の載置部16の前側の載置面16aと同様に、y軸方向に沿って傾斜している。また、載置面18aのうちの低い側の端部にも、前側の載置面16aと同様に、流路溝18eが形成されている。例えば、
図1の4個の載置部14のうちの、前左側の載置部14(即ち符号14が付されている載置部14)では、流路溝18eのうちのx軸の負方向の端部が、流路溝18eのうちのx軸の正方向の端部よりも低い。即ち、流路溝18eも、第1の載置部16の流路溝16eと同様に、筐体12の外側に向かうにつれて低くなるように傾斜している。流路溝18eのx軸方向における低い側の端部にも、流路溝16eと同様に、排水口18cが形成されている。
【0022】
例えば、液体(例えば、飲み物)が第1の載置部16の前側の載置面16aにかかる場合がある。
図3の矢印は、載置面16a上にかかった液体の流れを示す。
図3に示すように、載置面16a上にかかった液体は、載置面16aのy軸方向における低い側の端部、流路溝16eのx軸方向における低い側の端部の順に流れ、最終的に、排水口16cから筐体12の外側へと流れ出る。以上より、第1のバッテリ100が載置される載置面16a上の液体を排水することができる。
【0023】
また、図示は省略するが、第2の載置部18についても、第1の載置部16と同様に、載置面18a上にかかった液体は、載置面18a、流路溝18eの順に流れ、排水口18cから筐体12の外側へと流れ出る。
【0024】
また、一般的に、筐体12の前方の面が目立つ。例えば、前方の面に排水口を形成すると、当該排水口から流れ出る液体が目立つ。本実施例の構成によれば、排水口16c、18cが前方の面(即ちy軸負方向の正面)ではなく、左右の側面(即ちx軸方向の両面)に形成されるので、排水口16c、18cから流れ出る液体が目立つことを抑制することができる。
【0025】
また、例えば、
図4に示すように、バッテリを載置する載置部としての凹部910を含む比較例の充電装置900が想定される。この比較例では、凹部910の底面が、漏斗状に形成されており、排水口910cが漏斗状の底面の中心に形成されている。この比較例では、排水口910cから流れ出る液体は、充電装置900の底から充電装置900の外側へと流れ出る。しかし、この比較例では、液体が流れ出る箇所が制御されず、例えば、充電装置900の底の周辺の全体から液体が流れ出る可能性がある。これに対して、本実施例の構成によれば、液体が流れ出る箇所を、排水口16c、18cが形成されている箇所、即ち、x軸方向における側面の周辺に制御することができる。
【0026】
また、本実施例では、第1のバッテリ100は、傾斜した載置面16a上に載置される。本実施例の充電装置10は、第1のバッテリ100の載置面が水平な比較例と比較して、充電装置10のy軸方向におけるサイズを低減することができる。さらに、サイズを低減する目的で傾斜させた載置面16aを、液体を排水するための流路としても利用することができる。
【0027】
(対応関係)
第1のバッテリ100及び第2のバッテリ200が、「充電対象」の一例である。充電装置10、筐体12が、それぞれ、「充電装置」、「筐体」の一例である。第1の載置部16の前側の載置面16a及び第2の載置部18の載置面18aが、「載置面」の一例である。第1の載置部16の流路溝16eの底面及び第2の載置部18の流路溝18eの底面が、「流路面」の一例である。第1の載置部16の排水口16c及び第2の載置部18の排水口18cが、「排水口」の一例である。y軸方向、x軸方向が、それぞれ、「第1の方向」、「第2の方向」の一例である。
【0028】
(第2実施例)
(充電装置300の構成:
図5)
第2実施例の充電装置300の筐体312には、左側の2個の載置部314と、右側の2個の載置部14と、が設けられている。本実施例では、第1実施例と同様の構成に同一の符号を付す。
図5では、左側の2個の載置部314のうちの前側の載置部314に符号を付し、残りの載置部の符号は省略されている。
【0029】
左側の載置部314は、第1のバッテリ100が載置される第1の載置部316と、第2のバッテリ200が載置される第2の載置部318と、を含む。第1の載置部316は、排水口16cが形成されていない点と、流路溝316eの傾斜の方向が反対である点を除いて、第1実施例の第1の載置部16と同様である。流路溝316eのうちのx軸の正方向の端部が、流路溝316eのうちのx軸の負方向の端部よりも低い。
【0030】
左側の第1の載置部316と右側の第1の載置部16の間の壁320に、載置部316と載置部16とを連通する連通溝322が形成されている。これにより、第1の載置部316にかかった液体は、第1の載置部316の流路溝316eから、連通溝322を介して、第1の載置部16の流路溝16eへと流れ、第1の載置部16の排水口16cから筐体312の外側へと流れ出る。
【0031】
また、第2の載置部318は、排水口18cが形成されていない点と、流路溝318eの傾斜の方向が反対である点を除いて、第1実施例の第2の載置部18と同様である。さらに、左側の第2の載置部318と右側の第2の載置部18の間の壁321に、載置部318と載置部18とを連通する連通溝324が形成されている。第2の載置部318でも、第1の載置部316と同様に、第2の載置部318にかかった液体は、第2の載置部318の流路溝318eから、連通溝324を介して、第2の載置部18の流路溝18eへと流れ、第2の載置部18の排水口18cから筐体312の外側へと流れ出る。
【0032】
本実施例でも、第1実施例と同様に、バッテリ(例えば100)が載置される載置面(例えば第1の載置部316の載置面)上の液体を排水することができる。また、排水口16c、18cが、筐体312の右側の側面に集約されるので、排水口16c、18cから流れ出る液体が目立つことを抑制することができる。
【0033】
(対応関係)
充電装置300、筐体312が、それぞれ、「充電装置」、「筐体」の一例である。第1の載置部316の載置面が、「載置面」の一例である。第1の載置部316の流路溝316eの底面が、「流路面」の一例である。
図5における第1の載置部16の排水口16cが、「排水口」の一例である。y軸方向、x軸方向が、それぞれ、「第1の方向」、「第2の方向」の一例である。
【0034】
以上、本明細書で開示する技術の具体例を説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例を採用してもよい。
【0035】
(変形例1)流路溝16eが延びる方向は、x軸方向(即ち左右方向)に限らず、例えば、x軸方向から所定の角度だけ傾いた直線であってもよい。一般的に言えば、「る第2の方向」は、「第1の方向」と直交していなくてもよく、交差していればよい。
【0036】
(変形例2)「充電対象」は、バッテリ100に限らず、例えば、携帯端末そのものであってもよい。
【0037】
(変形例3)第1の載置部16には、流路溝16eが形成されていなくてもよく、代わりに、載置面16aのうちの低い側の端部が、x軸方向に傾斜していている傾斜面であってもよい。当該傾斜面が、載置面16aのうちの傾斜面以外の面とシームレスにつながっていてもよい。本変形例では、上記の傾斜面が、「流路面」の一例である。
【0038】
(変形例4)「排水口」は、側面の切り欠きである排水口16cに限らず、流路溝16eの底面から筐体12の外側を連通するトンネルであってもよい。
【0039】
(変形例5)「排水口」の形成箇所は、筐体12の左右方向の側面に限らず、例えば、筐体12の上下方向の側面であってもよい。
【0040】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0041】
10 :充電装置
10a :底面
12 :筐体
14 :載置部
16 :第1の載置部
16a :載置面
16b :端子
16c :排水口
16d :載置面
16e :流路溝
18 :第2の載置部
18a :載置面
18b :端子
18c :排水口
18e :流路溝
100 :第1のバッテリ
200 :第2のバッテリ
300 :充電装置
312 :筐体
314 :載置部
316 :第1の載置部
316e :流路溝
318 :第2の載置部
318e :流路溝
320 :壁
321 :壁
322 :連通溝
324 :連通溝