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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183593
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 5/307 20150101AFI20221206BHJP
【FI】
H01Q5/307
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091000
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 翔
(57)【要約】
【課題】大型化することなく共振周波数の低域化を図ることができるアンテナ装置を提供する。
【解決手段】アンテナ装置は、給電点に接続されるヘリカル形状の第1導体エレメントと、無給電の第2導体エレメントと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電点に接続されるヘリカル形状の第1導体エレメントと、
無給電の第2導体エレメントと、
を備える、アンテナ装置。
【請求項2】
面状の第3導体エレメントを備え、
前記第3導体エレメントは前記第1導体エレメントに接続される、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記ヘリカル形状の軸方向から見て、前記第2導体エレメントの外形は前記第1導体エレメントの外形内に収まる、請求項1又は請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記ヘリカル形状の軸方向から見て、前記第2導体エレメントの外形の少なくとも一部は前記第1導体エレメントの外形の外側に位置する、請求項1又は請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記第1導体エレメントと前記第2導体エレメントとの位置関係が調整可能である、請求項1~4のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記第2導体エレメントの大きさが調整可能である、請求項1~5のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記第2導体エレメントに給電を行った場合に得られる電圧定在波比の各ピーク周波数が低域にシフトした電圧定在波比の複数のピーク周波数と、前記複数のピーク周波数以外の電圧定在波比のピーク周波数と、を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイポールアンテナ装置は、アンテナ長が1/2波長になる周波数で受信電波が強くなる。モノポールアンテナ装置は、アンテナ長が1/4波長になる周波数で受信電波が強くなる。
【0003】
したがって、例えば放送系メディア等の低い周波数の電波を受信する場合、理想的には数百m~数mのアンテナ長が必要となる。しかしながら、アンテナ長が長いアンテナ装置は、例えば車両に搭載する場合のように設置場所に制約がある場合に採用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-110496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ヘリカルアンテナ装置は、ダイポールアンテナ装置、モノポールアンテナ装置に比べて小型化を図ることができる。しかしながら、ヘリカルアンテナ装置単体では、受信電波が強くなる周波数の低域化が不十分である場合がある。
【0006】
なお、特許文献1は、共振周波数を補正することができるアンテナ装置を開示している。特許文献1で開示されているアンテナ装置は、共振周波数を極狭い範囲で補正しており、共振周波数を実質的に低域化していない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みて、大型化することなく共振周波数の低域化を図ることができるアンテナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るアンテナ装置は、給電点に接続されるヘリカル形状の第1導体エレメントと、無給電の第2導体エレメントと、を備える構成(第1の構成)である。
【0009】
上記第1の構成のアンテナ装置において、面状の第3導体エレメントを備え、前記第3導体エレメントは前記第1導体エレメントに接続される構成(第2の構成)であってもよい。
【0010】
上記第1又は第2の構成のアンテナ装置において、前記ヘリカル形状の軸方向から見て、前記第2導体エレメントの外形は前記第1導体エレメントの外形内に収まる構成(第3の構成)であってもよい。
【0011】
上記第1又は第2の構成のアンテナ装置において、前記ヘリカル形状の軸方向から見て、前記第2導体エレメントの外形の少なくとも一部は前記第1導体エレメントの外形の外側に位置する構成(第4の構成)であってもよい。
【0012】
上記第1~第4いずれかの構成のアンテナ装置において、前記第1導体エレメントと前記第2導体エレメントとの位置関係が調整可能である構成(第5の構成)であってもよい。
【0013】
上記第1~第5いずれかの構成のアンテナ装置において、前記第2導体エレメントの大きさが調整可能である構成(第6の構成)であってもよい。
【0014】
上記第1~第6いずれかの構成のアンテナ装置において、前記第2導体エレメントに給電を行った場合に得られる電圧定在波比の各ピーク周波数が低域にシフトした電圧定在波比の複数のピーク周波数と、前記複数のピーク周波数以外の電圧定在波比のピーク周波数と、を有する構成(第7の構成)であってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のアンテナ装置によると、大型化することなく共振周波数の低域化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態に係るアンテナ装置の概略構成を示す図
図2】第1実施形態に係るアンテナ装置の電圧定在波比特性を示す図
図3】第2実施形態に係るアンテナ装置の概略構成を示す図
図4】第3実施形態に係るアンテナ装置の概略構成を示す図
図5】第4実施形態に係るアンテナ装置の概略構成を示す図
図6】第5実施形態に係るアンテナ装置の概略構成を示す図
図7】第6実施形態に係るアンテナ装置の概略構成を示す図
図8】第7実施形態に係るアンテナ装置の概略構成を示す図
図9】第6実施形態に係るアンテナ装置の第1変形例を示す図
図10】第6実施形態に係るアンテナ装置の第2変形例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は、第1実施形態に係るアンテナ装置の概略構成を示す図である。図1に示すアンテナ装置は、ヘリカル形状の第1導体エレメント1と、ヘリカル形状の第2導体エレメント2と、面状(板状)の第3導体エレメント3と、を備える。
【0019】
第1導体エレメント1及び第3導体エレメント3と、第2導体エレメント2とは非接触である。
【0020】
第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸と第2導体エレメント2におけるヘリカル形状の軸とは同一である。なお、本明細書において、同一とは完全な同一のみを意味するのではなく、製造の際に不可避的に生じる誤差を含む実質的な同一を意味する。第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸と第2導体エレメント2におけるヘリカル形状の軸とを同一にすることにより、同一でない場合に比べてアンテナ装置の小型化を図ることができる。
【0021】
また、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の径の長さと第2導体エレメント2におけるヘリカル形状の径の長さとは同一であり、且つ、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状のピッチの長さと第2導体エレメント2におけるヘリカル形状のピッチの長さとは同一である。第1導体エレメント1におけるヘリカル形状のピッチの長さと第2導体エレメント2におけるヘリカル形状のピッチの長さとを同一にすることで、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の径の長さと第2導体エレメント2におけるヘリカル形状の径の長さとは同一にしても第1導体エレメント1と第2導体エレメント2とを非接触にすることが容易になる。
【0022】
第1導体エレメント1の一端は給電点4に接続される。一方、第2導体エレメント2には給電しない。また、第2導体エレメント2は、グラウンド電位等の固定電位に接続されておらず、オープン電位である。
【0023】
第1導体エレメント1の他端は第3導体エレメント3に接続される。第3導体エレメント3は、面状であるため、アンテナ装置の容量を増加させる。
【0024】
図1に示すアンテナ装置は、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸方向から見て、第2導体エレメント2の外形が第1導体エレメント1の外形内に収まるので、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の径方向の小型化を図ることができる。
【0025】
図2は、図1に示すアンテナ装置の電圧定在波比(VSWR:Voltage Standing Wave Ratio)特性を示す図である。
【0026】
図2において、図1に示すアンテナ装置の電圧定在波比特性を太い実線で示し、比較例に係るアンテナ装置の電圧定在波比特性を細い実線で示す。比較例に係るアンテナ装置は、第2導体エレメント2に給電する点で図1に示すアンテナ装置と異なり、それ以外の点で図1に示すアンテナ装置と同一である。
【0027】
図1に示すアンテナ装置は、比較例に係るアンテナ装置の電圧定在波比の各ピーク周波数PK11、PK12が低域にシフトした複数のピーク周波数PK1、PK3と、それ以外のピーク周波数PK2と、を有する。図1に示すアンテナ装置は、電圧定在波比のピーク周波数PK2を有するため、比較例に係るアンテナ装置と比較して、良好な電気的性能を得ることができる周波数帯域を拡張することができる。
【0028】
なお、図1に示すアンテナ装置において、比較例に係るアンテナ装置の電圧定在波比の各ピーク周波数PK11、PK12が低域にシフトして複数のピーク周波数PK1、PK3が得られるのは、ヘリカル形状の第1導体エレメント1と無給電の第2導体エレメント2とが容量結合するためであると推測される。
【0029】
図3は、第2実施形態に係るアンテナ装置の概略構成を示す図である。図3に示すアンテナ装置は、ヘリカル形状の第1導体エレメント1と、線状の第2導体エレメント2と、を備える。
【0030】
線状の第2導体エレメント2は、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸上に位置する。第1導体エレメント1と、第2導体エレメント2とは非接触である。
【0031】
第1導体エレメント1の一端は給電点4に接続される。一方、第2導体エレメント2には給電しない。また、第2導体エレメント2は、グラウンド電位等の固定電位に接続されておらず、オープン電位である。
【0032】
図3に示すアンテナ装置は、図1に示すアンテナ装置と同様に、給電点4に接続されるヘリカル形状の第1導体エレメント1と、無給電の第2導体エレメント2と、を備えるので、大型化することなく共振周波数の低域化を図ることができる。
【0033】
また、図3に示すアンテナ装置は、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸方向から見て、第2導体エレメント2の外形が第1導体エレメント1の外形内に収まるので、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の径方向の小型化を図ることができる。
【0034】
図4は、第3実施形態に係るアンテナ装置の概略構成を示す図である。図4に示すアンテナ装置は、ヘリカル形状の第1導体エレメント1と、閉ループ形状の第2導体エレメント2と、を備える。
【0035】
閉ループ形状の第2導体エレメント2は、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸方向から見て第1導体エレメント1の外形内に位置する部分と、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸方向から見て第1導体エレメント1の外形の外側に位置する部分と、を有する。第1導体エレメント1と、第2導体エレメント2とは非接触である。
【0036】
第1導体エレメント1の一端は給電点4に接続される。一方、第2導体エレメント2には給電しない。また、第2導体エレメント2は、グラウンド電位等の固定電位に接続されておらず、オープン電位である。
【0037】
図4に示すアンテナ装置は、図1に示すアンテナ装置と同様に、給電点4に接続されるヘリカル形状の第1導体エレメント1と、無給電の第2導体エレメント2と、を備えるので、大型化することなく共振周波数の低域化を図ることができる。
【0038】
また、図4に示すアンテナ装置は、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸方向から見て、第2導体エレメント2の外形の一部が第1導体エレメント1の外形の外側に位置するので、第2導体エレメント2の形状設計の自由度が高い。
【0039】
図5は、第4実施形態に係るアンテナ装置の概略構成を示す図である。図5に示すアンテナ装置は、ヘリカル形状の第1導体エレメント1と、開ループ形状の第2導体エレメント2と、を備える。
【0040】
開ループ形状の第2導体エレメント2は、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸方向から見て第1導体エレメント1の外形内に位置する部分と、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸方向から見て第1導体エレメント1の外形の外側に位置する部分と、を有する。第1導体エレメント1と、第2導体エレメント2とは非接触である。
【0041】
第1導体エレメント1の一端は給電点4に接続される。一方、第2導体エレメント2には給電しない。また、第2導体エレメント2は、グラウンド電位等の固定電位に接続されておらず、オープン電位である。
【0042】
図5に示すアンテナ装置は、図1に示すアンテナ装置と同様に、給電点4に接続されるヘリカル形状の第1導体エレメント1と、無給電の第2導体エレメント2と、を備えるので、大型化することなく共振周波数の低域化を図ることができる。
【0043】
また、図5に示すアンテナ装置は、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸方向から見て、第2導体エレメント2の外形の一部が第1導体エレメント1の外形の外側に位置するので、第2導体エレメント2の形状設計の自由度が高い。また、第2導体エレメント2が開ループ形状であるため閉ループ形状である場合と比べて、アンテナ装置の製造が容易になる。
【0044】
図6は、第5実施形態に係るアンテナ装置の概略構成を示す図である。図6に示すアンテナ装置は、ヘリカル形状の第1導体エレメント1と、ヘリカル形状であって端部が軸方向に沿って折り返された第2導体エレメント2と、を備える。
【0045】
ヘリカル形状であって端部が軸方向に沿って折り返された第2導体エレメント2は、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸方向から見て第1導体エレメント1の外形内に位置する部分と、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸方向から見て第1導体エレメント1の外形の外側に位置する部分と、を有する。第1導体エレメント1と、第2導体エレメント2とは非接触である。
【0046】
第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸と第2導体エレメント2におけるヘリカル形状の軸とは同一である。第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の径の長さと第2導体エレメント2におけるヘリカル形状の径の長さとは同一であり、且つ、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状のピッチの長さと第2導体エレメント2におけるヘリカル形状のピッチの長さとは同一である。
【0047】
第1導体エレメント1の一端は給電点4に接続される。一方、第2導体エレメント2には給電しない。また、第2導体エレメント2は、グラウンド電位等の固定電位に接続されておらず、オープン電位である。
【0048】
図6に示すアンテナ装置は、図1に示すアンテナ装置と同様に、給電点4に接続されるヘリカル形状の第1導体エレメント1と、無給電の第2導体エレメント2と、を備えるので、大型化することなく共振周波数の低域化を図ることができる。
【0049】
また、図6に示すアンテナ装置は、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸方向から見て、第2導体エレメント2の外形の一部が第1導体エレメント1の外形の外側に位置するので、第2導体エレメント2の形状設計の自由度が高い。また、図6に示すアンテナ装置は、第1~第4実施形態に比べて、第2導体エレメント2の長さを長くすることが容易である。
【0050】
図7は、第6実施形態に係るアンテナ装置の概略構成を示す図である。図7に示すアンテナ装置は、ヘリカル形状の第1導体エレメント1と、線状の第2導体エレメント2と、を備える。
【0051】
線状の第2導体エレメント2は、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸方向に平行に延びる。なお、本明細書において、平行とは完全な平行のみを意味するのではなく、製造の際に不可避的に生じる誤差を含む実質的な平行を意味する。線状の第2導体エレメント2は、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸方向から見て第1導体エレメント1の外形の外側に位置する。第1導体エレメント1と、第2導体エレメント2とは非接触である。
【0052】
第1導体エレメント1の一端は給電点4に接続される。一方、第2導体エレメント2には給電しない。また、第2導体エレメント2は、グラウンド電位等の固定電位に接続されておらず、オープン電位である。
【0053】
図7に示すアンテナ装置は、図1に示すアンテナ装置と同様に、給電点4に接続されるヘリカル形状の第1導体エレメント1と、無給電の第2導体エレメント2と、を備えるので、大型化することなく共振周波数の低域化を図ることができる。
【0054】
また、図7に示すアンテナ装置は、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸方向から見て、第2導体エレメント2が第1導体エレメント1の外形の外側に位置するので、第2導体エレメント2の形状設計の自由度が高い。また、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸方向から見て、第2導体エレメント2の全てが第1導体エレメント1の外形の外側に位置するため、アンテナ装置の製造が容易になる。
【0055】
図8は、第7実施形態に係るアンテナ装置の概略構成を示す図である。図8に示すアンテナ装置は、ヘリカル形状の第1導体エレメント1と、面状の第2導体エレメント2と、を備える。
【0056】
面状の第2導体エレメント2は、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸方向に平行に延びる。面状の第2導体エレメント2は、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸方向から見て第1導体エレメント1の外形の外側に位置する。第1導体エレメント1と、第2導体エレメント2とは非接触である。
【0057】
第1導体エレメント1の一端は給電点4に接続される。一方、第2導体エレメント2には給電しない。また、第2導体エレメント2は、グラウンド電位等の固定電位に接続されておらず、オープン電位である。
【0058】
図8に示すアンテナ装置は、図1に示すアンテナ装置と同様に、給電点4に接続されるヘリカル形状の第1導体エレメント1と、無給電の第2導体エレメント2と、を備えるので、大型化することなく共振周波数の低域化を図ることができる。
【0059】
また、図8に示すアンテナ装置は、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸方向から見て、第2導体エレメント2が第1導体エレメント1の外形の外側に位置するので、第2導体エレメント2の形状設計の自由度が高い。また、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸方向から見て、第2導体エレメント2の全てが第1導体エレメント1の外形の外側に位置するため、アンテナ装置の製造が容易になる。
【0060】
上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【0061】
例えば、上述した第1実施形態に係るアンテナ装置は第3導体エレメント3を備える構成であるが、上述した第1実施形態に係るアンテナ装置から第3導体エレメント3を取り除いてもよい。逆に、上述した第2~第7実施形態に係るアンテナ装置において、第3導体エレメント3を追加してもよい。
【0062】
また、第1導体エレメント1と第2導体エレメント2との位置関係が調整可能であるようにしてもよい。これにより、アンテナ装置の共振周波数の調整が可能となる。例えば、上述した第6実施形態に係るアンテナ装置において、図9に示す支持部材5及び駆動装置6を追加するとよい。支持部材5は第2導体エレメント2を支持する誘電体部材である。駆動装置6は、支持部材5を第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の径方向(R方向)に移動させる。なお、図9中のAX方向は、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸方向である。
【0063】
また、第2導体エレメント2の大きさが調整可能であるようにしてもよい。これにより、アンテナ装置の共振周波数の調整が可能となる。例えば、上述した第6実施形態に係るアンテナ装置において、図10に示す支持部材5A及び5B並びに駆動装置6を追加するとよい。支持部材5Aはサブエレメント2Aを支持する誘電体部材であり、支持部材5Bはサブエレメント2Bを支持する誘電体部材である。第2導体エレメント2は、サブエレメント2A及び2Bによって構成される。駆動装置6は、支持部材5Bを支持部材5Aに対して第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の軸方向(AX方向)に移動させる。なお、図10中のR方向は、第1導体エレメント1におけるヘリカル形状の径方向である。
【符号の説明】
【0064】
1 第1導体エレメント
2 第2導体エレメント
2A、2B サブエレメント
3 第3導体エレメント
4 給電点
5、5A、5B 支持部材
6 駆動装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10