(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183760
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】吐出装置、および手洗い装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/18 20060101AFI20221206BHJP
A47K 1/04 20060101ALI20221206BHJP
E03C 1/05 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
A61L2/18 ZAB
A47K1/04 C
E03C1/05
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091240
(22)【出願日】2021-05-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年7月14日テレビ放送(株式会社テレビ東京、番組名「ガイアの夜明け」内)で発表
(71)【出願人】
【識別番号】517039483
【氏名又は名称】WOTA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】川島 一徳
(72)【発明者】
【氏名】須摩 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】山田 諒
【テーマコード(参考)】
2D060
4C058
【Fターム(参考)】
2D060BA03
2D060BC30
2D060BD01
2D060BD03
2D060CA04
2D060CA05
2D060CA07
2D060CD03
4C058AA29
4C058BB07
4C058EE26
4C058JJ06
4C058JJ24
(57)【要約】
【課題】外部の装置と通信する通信手段を備えつつ、洗練された外観を維持可能な吐出装置を提供する。
【解決するための手段】本発明の吐出装置は、液体を排出するポンプと、ポンプが排出した液体を流す管と、管に接続され、管を流れる液体を吐出する吐出部と、管を収容し、開口部に吐出部が配置されるケースと、ケース内に設けられ、無線信号を送信、又は受信するアンテナと、を具備する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を排出するポンプと、
前記ポンプが排出した液体を流す管と、
前記管に接続され、前記管を流れる液体を吐出する吐出部と、
前記管を収容し、開口部に前記吐出部が配置されるノズルと、
前記ノズル内に設けられ、無線信号を送信、又は受信するアンテナと、
を具備する、吐出装置
【請求項2】
前記アンテナは、前記管の延びる方向に沿って配置されている、請求項1に記載の吐出装置。
【請求項3】
前記ノズルは、樹脂材料により形成される、請求項1又は2に記載の吐出装置。
【請求項4】
前記ポンプは、金属製の筐体に収容されるタンクから水を排出する、請求項1から3のいずれか1項に記載の吐出装置。
【請求項5】
前記ポンプは、金属製の筐体に収容されるタンクから薬剤を排出する、請求項1から3のいずれか1項に記載の吐出装置。
【請求項6】
液体を排出するポンプと、
前記ポンプが排出した液体を流す管と、
前記管に接続され、前記管を流れる液体を吐出する吐出部と、
手洗い槽と、
管を収容し、前記手洗い槽の上方に形成される開口部に前記吐出部が配置されるノズルと、
前記ノズル内に設けられ、無線信号を送信、又は受信するアンテナと、
前記ポンプに液体を供給するタンクと、
前記手洗い槽からの排水を循環させて浄化する循環ユニットと、
を具備する手洗い装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吐出装置、および手洗い装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水栓に取り付けられた浄水器等に通信手段を設け、浄水器内の状態を無線通信により外部に送信する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、水栓に取り付けられた浄水器の内部に、浄水カートリッジが設けられ、浄水カートリッジの使用状況を近距離無線通信により外部と通信を行う浄水器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先行文献1のように浄水器が水栓の外部に取り付けられている場合、浄水器そのものに通信手段を設ければよいため、水栓に通信手段を設ける必要はない。一方、浄水機構が外部から視認できない位置に設けられている場合、通信手段をどこに設けるかで吐出装置の外観は変わってしまう。
【0006】
本開示では、外部の装置と通信する通信手段を備えつつ、洗練された外観を維持可能な吐出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、液体を排出するポンプと、ポンプが排出した液体を流す管と、管に接続され、管を流れる液体を吐出する吐出部と、管を収容し、開口部に吐出部が配置されるケースと、ケース内に設けられ、無線信号を送信、又は受信するアンテナと、を具備する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の吐出装置は、外部の装置と通信する通信手段を備えつつ、洗練された外観を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の吐出装置が搭載される手洗い装置のブロック図である。
【
図2】本発明の吐出装置が搭載される手洗い装置の外観斜視図である。
【
図3】
図1に示す手洗い装置の背面からの外観斜視図である。
【
図5】
図1に示す手洗い装置の各ユニットを説明するブロック図である。
【
図8】
図2に示す外付けモジュールの正面図である。
【
図9】循環ユニットにおける制御処理を示す説明図である。
【
図10】手洗いインジケータの制御処理を示す説明図である。
【
図11】手洗いインジケータの表示態様を説明する図である。
【
図12】変形例に係る吐出装置が搭載される手洗い装置のブロック図である。
【
図13】
図13に示す手洗い装置の各ユニットを説明するブロック図である。
【
図15】その他の変形例に係る吐出装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0011】
<概要>
本実施形態に係る手洗い装置1は、手を洗った後の排水を浄化して循環させることで、水道からの水の供給を受けずに清潔な手洗いを実現する。本実施形態に係る吐出装置は、この種の手洗い装置1の一部として用いられる。吐出装置は、手洗い装置1のタンクに貯留された液体を吐出する。吐出装置が吐出する液体としては、水又は薬剤が挙げられる。吐出装置の内部には、手洗い装置1が外部の装置と通信するためのアンテナが設けられている。
本実施形態では、吐出装置の一例として、皮膚の衛生を保つための薬剤を吐出するディスペンサを例に挙げる。以下の説明では、まず手洗い装置1の構成について説明した後に、ディスペンサが有するアンテナの機能について詳述する。
【0012】
<全体構成>
本実施形態に係る手洗い装置1の全体構成について説明する。
【0013】
手洗い装置1は、屋内、屋外など様々な場所に設置されうる。手洗い装置1は、屋内として、例えば、建物の入り口付近、建物に入居している事業者のオフィススペース、店舗の入り口付近等に設置される。例えば、建物が宿泊用、運動用、娯楽用などの施設であり、施設を利用するためのチェックインを要する場合に、チェックインを行う場所などに設置される。例えば、チェックインのために、利用者が、共用されている筆記具で所定の事項を記入する前後などにおいて、手洗い装置1で手洗いを行うこと等が想定される。
【0014】
手洗い装置1は、手を洗う利用者が携行する物を殺菌する機能を有する。手洗い装置1が殺菌する物としては、スマートフォン、タブレット端末等が挙げられる。なお、手洗い装置1は、これら以外のものを殺菌してもよい。手洗い装置1による物の殺菌は、例えば飲食店を訪れた人が、入店時などおいて手を洗う際に、手を洗う動作と同時に行われる。
【0015】
図1は、本実施形態の手洗い装置1の機能構成を表すブロック図である。
図1に示すように、手洗い装置1は、制御部60と、UV殺菌装置80と、循環ユニット6と、薬剤ユニット5と、を備えている。
【0016】
制御部60は、手洗い装置1の各ユニットを制御する機能を有する。
制御部60は、プロセッサがストレージに記憶されるプログラムを読み出してメモリ上に展開し、展開したプログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。プロセッサは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。ストレージは、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。メモリは、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0017】
UV殺菌装置80は、洗浄水で手を洗う者の物に対して紫外線を照射して、物の表面を殺菌処理する機能を有する。UV殺菌装置80の構成については後述する。
【0018】
循環ユニット6は、ユーザが手を洗った排水を浄化して循環させる機能を有する。循環ユニット6の構成については後述する。
【0019】
薬剤ユニット5は、手洗い装置1を利用するユーザに対して皮膚の衛生を保つための薬剤を吐出する機能を有する。皮膚の衛生を保つための薬剤としては、皮膚を洗浄するための洗浄料(例えば石鹸水などの洗剤)、および殺菌作用のある液体又はハンドローション等(例えばアルコール等の成分を含む消毒薬等)が含まれる。薬剤ユニット5は、薬剤を吐出するディスペンサ14を有する。ディスペンサ14は、内部にアンテナ56を有する。
アンテナ56は、手洗い装置1が電波を送信するため、又は外部から到来する電波を受信するための装置である。薬剤ユニット5、ディスペンサ14、およびアンテナ56の構成については後述する。
【0020】
図2、
図3は、本実施形態の手洗い装置1の外観斜視図である。
図4は、手洗い装置1の上面図である。なお、以下の説明において、手洗い装置1を使用するユーザが立つ側を手洗い装置1の前面といい、その反対側を手洗い装置の背面という。
図2に示すように、手洗い装置1は、筐体2と、外付けモジュール7と、を備えている。
【0021】
<筐体2の構成>
筐体2は、円筒形状をなしている。筐体2は、例えばステンレスや鋼を材質とした金属性のドラム缶を加工して構成される。筐体2の上部には、天板10が設けられている。天板10の中央部には、天板10を貫く設置穴が形成されている。
【0022】
筐体2の外周面には、筐体2の内部に設けられている循環ユニット6にアクセスするための扉3が設けられている。手洗い装置1の管理者は、扉3を開いた状態で、循環ユニット6のメンテナンスを行うことができる。
循環ユニット6は、構成のすべてが筐体2の内部に設けられているわけではなく、少なくとも一部が、外付けモジュール7の一部として、筐体2の外部に配置されている。
【0023】
図3に示すように、筐体2の背面には、横方向に延びるハンドル4が設けられている。
筐体2の下面には、車輪19が複数設けられている。ユーザは、ハンドル4を把持した状態で車輪19を動かすことで筐体2を移動させることができる。
【0024】
図4に示すように、筐体2には、手洗い槽11が設けられている。手洗い槽11は、筐体2の一部に設けられ、上面視で円形状をなす鉢状を呈している。図示の例では、手洗い槽11は筐体2に設けられた天板10の設置穴に嵌め込まれるように配置されている。
【0025】
手洗い槽11の底部には、槽内に吐水された洗浄水を排水する排水口17が形成されている。
手洗い槽11の内周面には、槽内の洗浄水が所定の水位を超えた際に排水を行って、天板10上に洗浄水があふれ出るのを防ぐためのオーバーフロー穴18が形成されている。
【0026】
筐体2には、水栓12が設けられている。水栓12の先端部には、洗浄水を吐水する吐水口13が形成されている。水栓12には、赤外線センサ23(
図5参照)が設けられている。
赤外線センサ23は、水栓12の先端部に吐水口13と並んで設けられている。赤外線センサ23により、物体が検知されると、水栓12の吐水口13から洗浄水が吐水される。
なお、水栓12に設けられる赤外線センサ23の位置は、先端部に限られず、任意に変更することができる。
【0027】
図2に示すように、水栓12の基部は、天板10に取り付けられている。水栓12は、基部から先端部に向かうに従って、上方に向けて延びるとともに、中央部が湾曲して、先端部に位置する吐水口13が下方を向くように構成されている。
【0028】
図2に示すように、筐体2の上面には、ユーザの手洗い時間の目安を表示する表示灯である手洗いインジケータ15が設けられている。手洗いインジケータ15は、筐体2の天板10における上面に配置されている。
手洗いインジケータ15は、天板10の上面における手洗い槽11の外側に配置され、手洗い槽11の上端縁に、手洗い槽11を囲むように形成されている。
【0029】
手洗いインジケータ15は、例えば、複数のLEDライトにより構成されている。複数のLEDライトは、例えば、手洗い槽11の上端縁に周方向に間隔をあけて配置されている。
本実施形態では、30個のLEDライトにより、手洗いインジケータ15が構成されている。
【0030】
<薬剤ユニット5の構成>
図5は、手洗い装置1の各ユニットを説明するブロック図である。
図5に示すように、薬剤ユニット5は、薬剤タンク50と、ディスペンサ14と、を備えている。ディスペンサ14は、薬剤ポンプ51、赤外線センサ52、ノズル53、およびアンテナ56を備えている。
薬剤タンク50および薬剤ポンプ51は、筐体2の内部に設けられている。
赤外線センサ52およびアンテナ56は、ノズル53の内部に設けられている。
【0031】
薬剤タンク50は、薬剤を貯留するためのタンクである。薬剤タンク50には、水位センサが配置されている。水位センサは、薬剤タンク50内に貯留されている薬剤の水位を検知する。薬剤の水位が所定値を下回ると、薬剤が補給される。
【0032】
薬剤ポンプ51は、薬剤タンク50の後段に配置されている。薬剤ポンプ51は、制御部60の制御により稼働され、薬剤タンク50内で貯留されている薬剤を、ディスペンサ14のノズル53へ送出する。
【0033】
具体的には、制御部60は、ディスペンサ14の赤外線センサ52による物体の検知に応じ、薬剤ポンプ51を稼働させる。例えば、制御部60は、赤外線センサ52により物体が検知されている間、薬剤ポンプ51を稼働させる。制御部60は、赤外線センサ52により物体が検知されなくなると、薬剤ポンプ51を停止させる。
【0034】
図6は、ディスペンサ14の外観図を表す。
図7は、ディスペンサ14の断面図を表す。
図6、
図7では、説明のためにディスペンサ14のうち、筐体2の内部に位置する部分の構成も図示している。
図6、
図7に示すように、ノズル53は、その内部に薬剤の流路を備えるパイプ状の部材である。ノズル53は、筐体2の天板10から上方に向かう基部53Aと、基部53Aの上端から水平方向に延びる腕部53Bと、を備えている。
【0035】
基部53Aの下方には、水平方向の外側に向けて突出するフランジ53Eが形成されている。基部53Aのうち、フランジ53Eの下方に位置する部分には、天板10に設けられた取付穴に挿入される。ノズル53が取付穴に挿入された際に、フランジ53Eの下面は天板10の上面に接触する。
【0036】
腕部53Bの先端には、開口が形成されている。開口には吐出部54が配置されている。吐出部54は、ノズル53の内部に収容された管55を流れた薬剤を、手洗い槽11の内側に向けて吐出する部分である。
【0037】
ノズル53は、アッパーケース53Cとボトムケース53Dが組み合わされることで形成される。アッパーケース53Cは、ノズル53の上側を構成する部材であり、ボトムケース53Dはノズル53の下側を構成する部材である。
アッパーケース53Cおよびボトムケース53Dは、合成樹脂材料により形成されている。
【0038】
図7に示すように、ノズル53の内部には、管55と、アンテナ56と、が収容されている。また、ノズル53の先端近傍には、手洗い槽11内に接近する手指を検知可能な位置に赤外線センサ52が設けられている。
【0039】
管55は、その一端部が薬剤ポンプ51に接続され、他端部が吐出部54に接続されている。薬剤ポンプ51は、筐体2の内部の、ノズル53の下方の位置に配置されている。
管55は、薬剤ポンプ51が送出した薬剤をその内部に流す。管55は、ノズル53の形状に沿うように、ノズル53の内部に薬剤の流路を形成する。
【0040】
アンテナ56は、管55の延伸される方向に沿って、ノズル53内に配置されている。アンテナ56は、ノズル53のアッパーケース53Cのうち、基部53Aの一部を構成する部分の内側に配置されている。アンテナ56は、各種の情報に関する無線信号を、外部の情報処理装置に送信、又は当該情報処理装置から受信する。
【0041】
<アンテナ56による通信>
アンテナ56は、例えば、少なくともいずれかの通信規格に則った電波を受信可能なアンテナである。また、アンテナ56は、少なくともいずれかの通信規格に則った電波を送信可能なアンテナである。
【0042】
例えば、アンテナ56は、回線事業者が提供する通信サービスに対応していてもよい。このとき、例えば、手洗い装置1の制御部60により実現される通信機能は、回線事業者が提供する通信サービスに対応している。これにより、手洗い装置1は、アンテナ56を介して、回線事業者が提供するネットワークに接続可能となる。
【0043】
また、例えば、アンテナ56は、Wi-Fi(登録商標)などの無線LANに対応していてもよい。このとき、例えば、手洗い装置1の制御部60により実現される通信機能は、無線LANに対応した通信処理を実施する。これにより、手洗い装置1は、アンテナ56を介して、無線LANにより形成されるネットワークに接続可能となる。
【0044】
また、例えば、アンテナ56は、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy)などの近距離無線通信技術に対応していてもよい。このとき、例えば、手洗い装置1の制御部60により実現される通信機能は、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy)などの近距離無線通信に対応した通信処理を実施する。これにより、手洗い装置1は、アンテナ56を介して、近距離無線通信に対応した携行品(スマートフォン、スマートウォッチ等の通信デバイス)と通信接続することが可能となる。
【0045】
また、例えば、アンテナ56は、NFC(Near Field Communication)などの近距離無線通信技術に対応していてもよい。このとき、例えば、手洗い装置1の制御部60により実現される通信機能は、NFCなどの近距離無線通信に対応した通信処理を実施する。これにより、手洗い装置1は、アンテナ56を介して、近距離無線通信に対応した携行品からデータを読み出すことが可能となる。
手洗い装置1がアンテナ56により送信するデータ、または、受信するデータとしては、例えば以下のデータが挙げられる。
・手洗いに関するデータ
・メンテナンスに関するデータ
・携行品から入力されるデータ
・携行品へ送信するデータ
【0046】
手洗いに関するデータは、例えば、以下のデータを含む。
【0047】
(ア)手洗い装置1の利用履歴についてのデータ
(1)手洗い装置1を利用した日時
(2)手洗い装置1の作動に関する情報
(イ)監視装置から取得される手洗い装置1を監視して得られるデータ
(ウ)検知されたデータに基づいて作成される各種の集計データ
(エ)その他のデータ
監視装置は、手洗い装置1の周辺を監視する装置である。監視装置は、手洗い装置1の周辺を監視可能な位置に設置される。例えば、監視装置は、手洗い装置1を設置する空間(建物のロビー、入口など)に配置されるカメラ等であることとしてもよい。手洗い装置1が、不特定の利用者により利用される空間に設置される場合に、監視装置は、当該空間に予め設置される監視カメラ等であるとしてもよく、手洗い装置1の設置個所にあわせて設置する装置であってもよい。監視装置は、カメラ等の撮像装置、又は人感センサ、又は赤外線センサ等のセンサにより実現される。監視装置は、取得した監視データ、例えば、画像データ又はセンサデータを手洗い装置1へ送信する。
【0048】
メンテナンスに関するデータは、例えば、以下のデータを含む。
【0049】
(ア)手洗い装置を構成する各種ハードウェアを駆動させるためのパラメータ
・ポンプの駆動に関するパラメータ
(1)ポンプの駆動値(電圧、電流)、積算駆動時間、ポンプのメンテナンス記録
(2)ポンプの耐用年数
【0050】
・タンクの動作制御に関するパラメータ
(1)タンクの容量、材質、耐用年数
(2)タンクの容量の変動
(3)タンクの積算駆動時間、メンテナンス記録
【0051】
・バルブの動作制御に関するパラメータ
(1)バルブの駆動値(電圧、電流)、積算駆動時間、動作時間/タイミング
(2)バルブの耐用年数
【0052】
・フィルタの動作制御に関するパラメータ
(1)フィルタの洗浄能力
(2)フィルタの耐用可能回数
【0053】
・UV殺菌装置の動作制御に関するパラメータ
(1)光源およびモータの駆動値(電圧、電流)、積算駆動時間、殺菌装置のメンテナンス記録
(2)光源およびモータの耐用年数
【0054】
(イ)センシング結果
・水中をセンシング可能な各種センサのセンシング結果(例えば、以下の各項目がセンサによりセンシング可能)
(1)流量、圧力、水位、温度
(2)pH、電気伝導度、酸化還元電位、アルカリ度、イオン濃度、硬度
(3)濁度、色度、粘度、溶存酸素
(4)臭気、アンモニア態窒素・硝酸態窒素・亜硝酸態窒素・全窒素・残留塩素・全リン・全有機炭素・全無機炭素・全トリハロメタン
(5)微生物センサの検知結果、化学的酸素要求量、生物学的酸素要求量、
(6)シアン、水銀、油分、界面活性剤
(7)光学センサの検知結果、TDS(Total Dissolved Solids)センサの検知結果
(8)質量分析結果、微粒子、ゼータ電位、表面電位
【0055】
・画像データ
(1)手洗いの監視画像データ
(2)タンクの監視画像データ
(3)フィルタの監視画像データ
(4)配管の監視画像データ
【0056】
(ウ)その他の情報
・環境の情報
(1)天候、大気圧、温度、湿度
(2)環境の位置を示す情報(設置場所、施設名称)
(3)設置された自治体に関する情報(経済対策、災害対策、衛生対策)
【0057】
・利用者のデータ
(1)利用者の属性(性別、国籍、居住地、職業)
(2)利用者の利用履歴(手洗い時間、頻度)
・管理者のデータ
(1)管理者の属性(性別、国籍、居住地、業界、連絡先)
(2)管理者の管理履歴(メンテナンス履歴、消耗品購入履歴)
(3)管理者の管理体制(作業標準、作業予定)
【0058】
ユーザの携行品から入力されるデータは、例えば、手洗い装置1を利用した際にユーザから入力されるデータを含む。ユーザから入力されるデータは、例えば、以下のデータを含む。
・利用者の属性(性別、国籍、居住地、職業)
・利用者からの手洗い装置1に対する評価等のデータ
具体的には、アンテナ56は、例えば、NFCなどの近距離無線通信に則り、ディスペンサ14に近接されたスマートフォンから送信される、ユーザについての情報を受信する。
ユーザの携行品へ送信するデータは、例えば、ユーザに手洗い装置1の存在を知らせ、利用を促すためのデータを含む。
【0059】
具体的には、アンテナ56は、例えば、Bluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy)などの近距離無線通信に則り、ユーザが携帯するユーザ端末100に手洗い装置1の存在を知らせるデータを送信する。
より具体的には、アンテナ56は、所定範囲まで到達可能であり、手洗い装置1を識別するための情報を含むビーコン信号を送信する。ユーザ端末100は、アンテナ56により送信されたビーコン信号を受信する機能を有する。また、ユーザ端末100には、例えば、手洗い装置1を利用するためのアプリケーションが記憶されている。
【0060】
ユーザ端末100は、当該ビーコン信号の到達範囲内に進入すると、ビーコン信号を受信する。ユーザ端末100は、ビーコン信号を受信すると、ビーコン信号と対応するアプリケーション、すなわち手洗い装置1を利用するためのアプリケーションを起動させる。ユーザ端末100は、アプリケーションにより実現される機能により、例えば、外部のサーバにアクセスし、サーバに対し、ビーコン信号と対応する手洗い装置1の存在を伝える情報、手洗い装置1の利用を促す旨の情報を要求する。サーバは、この要求により、ユーザ端末100を使用するユーザの位置を把握する。サーバは、手洗い装置1の存在を伝える情報、手洗い装置1の利用を促す旨の情報を要求されると、要求された情報を、要求元のユーザ端末100へ送信する。ユーザ端末100は、手洗い装置1の存在を伝える情報、手洗い装置1の利用を促す旨の情報を受信し、受信した情報をディスプレイに表示する。
【0061】
<循環ユニット6の構成>
図5に示すように、筐体2の内部には、薬剤を供給する薬剤ユニット5、洗浄水を浄化して循環させる循環ユニット6が設けられている。薬剤ユニット5および循環ユニット6は、制御部60により制御される。
【0062】
図5に示すように、循環ユニット6は、吐水ユニット20、排水ユニット30、浄化ユニット40を少なくとも含んでいる。
【0063】
吐水ユニット20は、循環ユニット6において、浄化ユニット40で浄化された水を、水栓12の吐水口13から吐水する機能を有する。
【0064】
吐水ユニット20は、吐水ポンプ21と、UV殺菌部22と、赤外線センサ23と、を主に備えている。
【0065】
吐水ポンプ21は、浄化ユニット40に設けられる貯水タンク46の後段に配置されている。吐水ポンプ21は、制御部60の制御により稼働され、貯水タンク46で貯留されている水を、UV殺菌部22へ送出する。
具体的には、制御部60は、赤外線センサ23による物体の検知に応じ、吐水ポンプ21を稼働させる。例えば、制御部60は、赤外線センサ23により物体が検知されている間、吐水ポンプ21を稼働させる。制御部60は、赤外線センサ23により物体が検知されなくなると、吐水ポンプ21を停止させる。
【0066】
UV殺菌部22は、吐水ポンプ21と水栓12との間に配置されている。UV殺菌部22は、吐水ポンプ21から送出される水に対して、紫外線を照射することで、当該水に対する殺菌処理を行う。UV殺菌部22を通過した水は、洗浄水として水栓12の吐水口13から吐水される。
吐水ポンプ21とUV殺菌部22との間には、吐水ポンプ21から送出される水中の空気を抜くためのエアベント72が設けられている。
【0067】
排水ユニット30は、循環ユニット6において、水栓12から手洗い槽11へ向けて吐水された洗浄水を排水する機能を有する。
【0068】
排水ユニット30は、トラップ35と、静電容量センサ31と、排水ポンプ32とを主に備えている。
トラップ35は、手洗い槽11から洗浄水を排水する配管に設けられている。トラップ35は、例えば、悪臭、又はガス等が逆流するのを防ぎ、かつ、排水口17から入り込んだ異物が浄化ユニット40へ到達するのを防ぐ。
【0069】
排水ポンプ32は、トラップ35の後段に配置されている。排水ポンプ32は、制御部60の制御により稼働され、トラップ35を通過した水を、浄化ユニット40に設けられる前処理フィルタ41へ送出する。
具体的には、制御部60は、静電容量センサ31による水の検知に応じ、排水ポンプ32を稼働させる。例えば、制御部60は、静電容量センサ31により水が検知されている間、排水ポンプ32を稼働させる。制御部60は、静電容量センサ31により水が検知されなくなると、排水ポンプ32を停止させる。
【0070】
静電容量センサ31は、トラップ35と排水ポンプ32との間に配置されている。静電容量センサ31は、排水管内の静電容量を検知する。これにより、手洗い槽11から排水され、トラップ35を介して供給された水が検知される。なお、水の供給を検知するためのセンサは、静電容量センサ31に限定されない。その他のセンシング結果を参照して水の供給を検知してもよい。
【0071】
排水ポンプ32と、浄化ユニット40との間には、排水ポンプ32から送出される水中の空気を抜くためのエアベント70が設けられている。
【0072】
浄化ユニット40は、循環ユニット6において、排水ユニット30から供給される水を浄化する機能を有する。
【0073】
浄化ユニット40は、前処理フィルタ41と、逆浸透膜42と、後処理フィルタ43と、中間タンク44と、排水タンク45と、貯水タンク46と、膜ろ過ポンプ47と、を主に備えている。
【0074】
前処理フィルタ41は、排水ポンプ32の後段に配置されている。前処理フィルタ41は、排水ポンプ32から送出される水に対し、固形分、水質汚濁成分、低分子化合物界面活性剤、又は炭酸成分(洗剤成分)等を除去する前処理を施す。
【0075】
本実施形態では、前処理フィルタ41として、活性炭フィルタが採用されているがこれに限らない。例えば、糸巻きフィルタ、セディメントフィルタ、MF(精密ろ過膜)、UF(限外ろ過膜)、NF(ナノろ過膜)、セラミックフィルタ、イオン交換フィルタ、金属膜、のうち、少なくともいずれかを選択しても良い。本実施形態では、前処理フィルタ41は、外付けモジュール7の一部として筐体2の外部に配置されている。
【0076】
前処理フィルタ41の前段には圧力センサ33が配置されている。圧力センサ33は、前処理フィルタ41に供給される水の圧力を検知する。
【0077】
前処理フィルタ41の後段には流量センサ34が配置されている。流量センサ34は、前処理フィルタ41で前処理が施された水の流量を検知する。
【0078】
中間タンク44は、前処理フィルタ41の後段に配置されている。中間タンク44は、供給される水を貯留するためのタンクである。中間タンク44には、前処理フィルタ41で前処理が施された水と、逆浸透膜42で分離されて二方電磁弁74を通過した濃縮水とが流入する。中間タンク44は、2つの系統から流入する水を貯留する。
中間タンク44には、水位センサが配置されている。水位センサは、中間タンク44内に貯留されている水の水位を検知する。
【0079】
膜ろ過ポンプ47は、中間タンク44と、逆浸透膜42との間に配置されている。
膜ろ過ポンプ47は、制御部60の制御により稼働され、中間タンク44で貯留される水を、予め設定された圧力へ昇圧し、逆浸透膜42へ供給する。なお、予め設定した圧力とは、例えば、少なくとも浸透圧よりも高い圧力である。
【0080】
逆浸透膜42は、膜ろ過ポンプ47により、高圧に昇圧されて供給された水を、溶存成分が除去された透過水と、溶存成分が濃縮された濃縮水とに分離する。逆浸透膜42は、例えば、スパイラル型の逆浸透膜により実現される。
【0081】
逆浸透膜42により分離された濃縮水は、二方電磁弁74が開いている場合は、二方電磁弁74および圧力調整弁73を介して中間タンク44へ排出される。また、逆浸透膜42により分離した濃縮水は、二方電磁弁75が開いている場合は、二方電磁弁75を介して排水タンク45へ排出される。また、逆浸透膜42により分離された透過水は、後処理フィルタ43へ排出される。
【0082】
二方電磁弁74は、電磁コイルの電磁力により弁を開閉するデバイスである。二方電磁弁74は、通常の状態において弁が開いており、制御部60からの信号に応じて弁を閉じる構造をしている。
【0083】
圧力調整弁73は、中間タンク44へ供給される濃縮水の流量又は圧力を調整する。
【0084】
二方電磁弁75は、電磁コイルの電磁力により弁を開閉するデバイスである。二方電磁弁75は、通常の状態において弁が閉じており、制御部60からの信号に応じて弁を開く構造をしている。
【0085】
逆浸透膜42の前段には、センサ部61が配置されている。図示の例では、センサ部61は、圧力センサ、流量センサ、およびEC/温度センサを有している。
【0086】
圧力センサは、逆浸透膜42に供給される水の圧力を検知する。
【0087】
流量センサは、逆浸透膜42に供給される水の流量を検知する。
【0088】
EC/温度センサは、逆浸透膜42に供給される水の電気伝導度、および温度を検知する。
なお、センサ部61は、上記のセンサの他に、以下に列挙する少なくともいずれかをセンシングするセンサを有してもよい。
(1)pH、酸化還元電位、アルカリ度、イオン濃度、硬度
(2)濁度、色度、粘度、溶存酸素
(3)臭気、アンモニア態窒素・硝酸態窒素・亜硝酸態窒素・全窒素・残留塩素・全リン・全有機炭素・全無機炭素・全トリハロメタン
(4)微生物センサの検知結果、化学的酸素要求量、生物学的酸素要求量、
(5)シアン、水銀、油分、界面活性剤
(6)光学センサの検知結果、TDS(Total Dissolved Solids)センサの検知結果
(7)質量分析結果、微粒子、ゼータ電位、表面電位
【0089】
膜ろ過ポンプ47と、センサ部61との間には、膜ろ過ポンプ47から送出される水中の空気を抜くためのエアベント71が設けられている。
【0090】
後処理フィルタ43は、逆浸透膜42の後段に配置されている。後処理フィルタ43は、逆浸透膜42から排出される透過水に対し、逆浸透膜42で濾過しきれなかった不純物を除去する後処理を施す。
【0091】
本実施形態では、後処理フィルタ43として、活性炭フィルタが採用されているがこれに限らない。例えば、糸巻きフィルタ、セディメントフィルタ、MF(精密ろ過膜)、UF(限外ろ過膜)、NF(ナノろ過膜)、セラミックフィルタ、イオン交換フィルタ、金属膜、のうち、少なくともいずれかを選択しても良い。本実施形態では、後処理フィルタ43は、外付けモジュール7の一部として筐体2の外部に配置されている。
【0092】
後処理フィルタ43の前段には、センサ部62が配置されている。図示の例では、センサ部62は、圧力センサ、流量センサ、およびEC/温度センサを有している。
【0093】
圧力センサは、後処理フィルタ43に供給される透過水の圧力を検知する。
【0094】
流量センサは、後処理フィルタ43に供給される透過水の流量を検知する。
【0095】
EC/温度センサは、後処理フィルタ43に供給される透過水の電気伝導度、および温度を検知する。
なお、センサ部62は、上記のセンサの他に、センサ部61で示した(1)~(7)の少なくともいずれかをセンシングするセンサを有してもよい。
【0096】
排水タンク45(第2タンク)は、二方電磁弁75の後段に配置されている。
排水タンク45は、供給される排水を貯留するためのタンクである。排水タンク45は、浄化ユニット40から取り外し、扉3から取り出し可能となっている。
排水タンク45には、逆浸透膜42で分離されて二方電磁弁75を通過した濃縮水が流入する。排水タンク45は、流入する濃縮水を貯留する。
【0097】
排水タンク45には、水位センサが配置されている。水位センサは、排水タンク45内に貯留されている排水の水位を検知する。
貯水タンク46(第3タンク)は、後処理フィルタ43の後段に配置されている。貯水タンク46は、供給される水を貯留するためのタンクである。
【0098】
貯水タンク46には、後処理フィルタ43で後処理が施された水が流入する。貯水タンク46に流入する水には、次亜塩素酸水が添加されている。貯水タンク46は、流入する、次亜塩素酸水が添加された水を貯留する。
貯水タンク46には、水位センサが配置されている。水位センサは、貯水タンク46内に貯留されている水の水位を検知する。
【0099】
浄化ユニット40は、塩素タンク67と塩素ポンプ68とを備えている。
塩素タンク67は、次亜塩素酸水を貯留するためのタンクである。次亜塩素酸水は、例えば、塩素タンク67に給水された水に、次亜塩素酸タブレットが溶かされることで生成される。また、次亜塩素酸水は、塩素タンク67に給水された水に食塩が溶かされ、食塩水が電気分解されることで生成されてもよい。
なお、食塩水に対して電気分解を行って、次亜塩素酸水を生成する電気分解ユニットを、塩素タンク67の下流側に別途設けてもよい。
【0100】
塩素タンク67には、水位センサが配置されている。水位センサは、塩素タンク67内に貯留されている次亜塩素酸水の水位を検知する。
塩素ポンプ68は、塩素タンク67の後段に配置されている。塩素ポンプ68は、制御部60の制御により稼働され、塩素タンク67で貯留される次亜塩素酸水を、後処理フィルタ43で後処理が施された水に添加する。
【0101】
<外付けモジュール7の構成>
図8は、
図2に示す外付けモジュール7の正面図である。
図8に示すように、外付けモジュール7は、前処理フィルタ41、後処理フィルタ43を有している。
【0102】
前処理フィルタ41および後処理フィルタ43は、筐体2の外部に並べて配置されている。より具体的には、前処理フィルタ41および後処理フィルタ43は、筐体2の外部に水平方向に並べて配置されている。
前処理フィルタ41は、取付部8に取り外し可能に取り付けられている。後処理フィルタ43は、取付部9に取り外し可能に取り付けられている。
【0103】
前処理フィルタ41、および後処理フィルタ43は、透過性を備え、内部が視認可能な容器に格納されている。このため、前処理フィルタ41での水に対する前処理と、後処理フィルタ43での水に対する後処理は外部から視認可能となっている。
前処理フィルタ41での前処理では濁った水が目視で確認できる。また、後処理フィルタ43での後処理では清潔な水に浄化されることが目視で確認できる。
【0104】
<UV殺菌装置80の構成>
図5に示すUV殺菌装置は、制御部60により制御される。
UV殺菌装置80(殺菌装置)は、洗浄水で手を洗う者の物に対して紫外線を照射して、物の表面を殺菌処理する機能を有する。ユーザの携行品としては、例えば、(1)眼鏡、腕時計などユーザの身体に装着する物品、(2)鍵、カードなどユーザが手で把持して他の物品又は装置に対して使用する物品(例えば、扉を施錠又は開錠するために使用する鍵、決済装置と通信するための通信チップが内蔵されたカードなど)、(3)スマートフォンなどユーザが手で操作する機器、などが挙げられる。
本実施形態では、携行品として、ユーザが携行するスマートフォンを例に挙げて説明する。
【0105】
UV殺菌装置80は、筐体2の内部に設けられている。
図2に示すように、天板10には、UV殺菌装置80の挿入口88Aへ繋がる孔が形成されている。孔は、手洗い槽11を挟んで、外付けモジュール7と反対側の位置に形成されている。ここで、UV殺菌装置80は、図示するように上方に開口しているものの他に、側方など他の方向に開口させることとしてもよい。
【0106】
ユーザは、挿入口81からスマートフォンを挿入する。
UV殺菌装置80は、挿入口81からスマートフォンが挿入され、UV殺菌装置80内の台座(図示せず)に載置されると、台座を下降させ、スマートフォンをUV殺菌装置80の内部へ引き込む。
UV殺菌装置80内において台座が所定位置まで下降されると、蓋(図示せず)を閉める。UV殺菌装置80は、蓋が閉められると、紫外線の光源(ランプ)を点灯させる。
【0107】
このとき、光源は、スマートフォンが特に汚れていそうな所定の領域、例えば、ホームボタン近傍、又はディスプレイ中央領域へ、指向性を持たせて紫外線を照射しても構わない。所定の位置は、スマートフォンの一般的な操作例に基づき、統計的に設定されてもよい。
【0108】
また、所定の位置は、挿入されたスマートフォンの操作ログに基づいて設定されてもよい。このように、特に汚れている領域に紫外線を集中して照射することで、殺菌に要する時間を短縮することが可能となる。
【0109】
例えば、手洗い装置1が、ユーザの携行品(例えば、スマートフォンなど通信機能を有する機器)と通信することにより、当該携行品に関する情報、又は、ユーザに関する情報を取得することとしてもよい。
【0110】
具体的には、(1)手洗い装置1に、スマートフォン等と近距離無線通信(ICチップ等を用いたNFC、高速無線通信規格など)等により通信する通信部を設ける場合、ユーザが手洗い装置1でUV殺菌装置80によりスマートフォンを殺菌する前に、まず、手洗い装置1の所定の位置にスマートフォンを置く。これにより、手洗い装置1に、スマートフォンが所定の情報を送信する。
【0111】
ここで、当該所定の情報には、スマートフォンの機種の情報、スマートフォンのユーザの属性に関する情報(例えば、ユーザが従業員等である場合の従業員コード、ユーザが一般消費者である場合のユーザの年齢層、店舗等が提供するサービスに登録している場合の会員番号の情報、決済処理をする際に用いられる情報(決済アプリケーションのユーザ識別情報、クレジットカードの情報など)、スマートフォンをユーザが操作した操作ログ(タッチスクリーンに接触した座標、アプリケーションの操作履歴など)等の情報が含まれる。これらのように、スマートフォンから情報を手洗い装置1に提供する範囲をユーザが設定できることとしてもよい)等を手洗い装置1へ読み取らせることとしてもよい。
【0112】
また、(2)手洗い装置1が、外部のサーバ等により管理され、当該外部のサーバ等と通信可能であるとする。手洗い装置1に、手洗い装置1を識別する情報を含むQRコード(登録商標)等の二次元コード(例えば、手洗い装置1の識別情報を含むURL)を貼り付ける、又は、画面に表示させておく。ユーザのスマートフォンで当該二次元コードを読み取り、当該スマートフォンが手洗い装置1の識別情報を含む情報を外部のサーバ等と通信することにより、当該外部のサーバ等が手洗い装置1にスマートフォンの機種の情報等を送信することとしてもよい。
【0113】
また、(3)手洗い装置1が、スマートフォン等に表示される二次元コード(スマートフォンの機種の情報などを含む)を読み取る読み取り部(光学式のスキャナ等)を有する場合、ユーザがスマートフォンの画面に二次元コードを表示させて手洗い装置1に読み取らせることとしてもよい。
【0114】
以上のように手洗い装置1とスマートフォンが無線通信する例について説明したが、(4)手洗い装置1とスマートフォン等を直接接続することとしてもよい。
手洗い装置1は、スマートフォンの機種の情報に基づいて、UV殺菌装置80がスマートフォンに対し紫外線を照射する範囲を決定することとしてもよい。例えば、スマートフォンにおいてホームボタンが配置されている位置(スマートフォンの機種により、スマートフォンのサイズ、ホームボタンの位置が規定される)、ユーザが縦持ちでスマートフォンを操作する際の画面の下部から中央に該当する領域(ユーザが縦持ちでスマートフォンを操作する場合に、指が頻繁に接触する範囲)、ユーザが横持ちでスマートフォンを操作する際の画面の左側及び右側付近に該当する領域に対し、その他の領域と比較して優先して紫外線を照射することとしてもよい。例えば、手洗い装置1は、UV殺菌装置80による殺菌を行う時間(紫外線照射の時間)を、手洗いの時間と連動させて一定時間内とする場合に、当該一定時間内においてUV殺菌装置80により優先的に照射する範囲を上記のように決定することとしてもよい。
【0115】
また、手洗い装置1は、ユーザの属性の情報に基づいて、手洗いの時間、UV殺菌装置80による殺菌の時間を決定することとしてもよい。例えば、手洗い装置1が設置される施設の従業員等の関係者が手洗い装置1を利用する場合、当該関係者の情報を手洗い装置1に読み取らせることにより、関係者の属性に応じた手洗いの時間、UV殺菌装置80による殺菌の時間を設定することとしてもよい。ユーザによっては、人との接触が多いと想定される職種など、特に、手洗い及び携行品の殺菌が必要となる場合がありうる。これにより、手洗い装置1は、従業員等が手洗い装置1で手洗い及び携行品の殺菌を行った時刻のログを、外部のサーバ等へ送信する。当該外部のサーバ等において、施設の入退室管理をしている場合、ユーザが手洗い装置1で手洗い等を行った履歴に基づいて、入退室を制御することとしてもよい。例えば、ユーザが手洗い装置1で手洗い等をしていない場合においても入室できる部屋もあれば、手洗い等をしていない場合に入室できない部屋もあり得る。これにより、施設の管理者は、ユーザが手洗い装置1で手洗い等を行った履歴に基づき入退室を規制することができる。
【0116】
UV殺菌装置80は、予め設定された期間、UVライトを点灯させると、UVライトを消灯させる。予め設定された期間は、例えば、一般に推奨される手洗い時間と対応している。
UV殺菌装置80は、UVライトを消灯させると、蓋を開き、台座を所定の位置まで上昇させる。所定の位置とは、挿入口81からスマートフォンの一部がユーザにより接触可能に突出する位置を表す。
これにより、ユーザは、スマートフォンを殺菌しつつ、UV殺菌装置80に触れずに、スマートフォンの挿入及び取り出しが可能となる。
手洗い装置1は、UV殺菌装置80に携行品が設置されたことに応答して、吐水口13から吐出させることとしてもよい。これにより、ユーザがUV殺菌装置80で携行品を殺菌し忘れることを抑止することができうる。
【0117】
<手洗い装置1の制御処理>
次に、手洗い装置1の制御処理について説明する。
図9は、手洗い装置1の制御処理を示す説明図である。
【0118】
(吐水ユニット20の吐水処理)
まず、吐水ユニット20における水栓12からの吐水処理について説明する。
図9Aに示すように、制御部60は、吐水ポンプ21をOFFとする(ステップS11)。
【0119】
制御部60は、赤外線センサ23により、物体が検知されたか否かを判断する(ステップS12)。ユーザは、手洗い装置1を利用する場合、手洗い槽11に手を差し出し、水栓12の先端部に配置されている赤外線センサ23に手指を検知させる。
【0120】
制御部60は、赤外線センサ23による手指の検知に応じ(ステップS12のYES)、吐水ポンプ21を稼働させる(ステップS13)。
吐水ポンプ21は、貯水タンク46に貯留されている水を、UV殺菌部22を通過させる。UV殺菌部22は、吐水ポンプ21から送出される水に対して、紫外線を照射することで、当該水に対する殺菌処理を行う。UV殺菌部22を通過した水は、洗浄水として水栓12の吐水口13から吐水される。
一方、ステップS12において、赤外線センサ23により手指が検知されない場合(ステップS12のNO)、吐水ポンプ21は稼働しない(ステップS11)。
【0121】
制御部60は、赤外線センサ23により、物体が検知されたか否かを判断する(ステップS14)。ユーザは、手洗い装置1を終了させる場合、又は、薬剤をディスペンサ14に吐出させる場合、水栓12の先端部に配置されている赤外線センサ23から手指を離間させる。
制御部60は、赤外線センサ23による手指の非検知に応じ(ステップS14のNO)、吐水ポンプ21を停止させる(ステップS11)。
【0122】
一方、ステップS14において、赤外線センサ23により手指が非検知とならない場合(ステップS14のYES)、制御部60は、吐水ポンプ21を継続して稼働させる(ステップS13)。
吐水ユニット20は、これらの処理を繰り返し、水栓12から洗浄水を吐水する。
制御部60は、赤外線センサ23により手指を検知している時間を計測することにより、一定時間にわたって手指を検知している場合に、水の吐出を停止させることとしてもよい。
【0123】
(排水ユニット30の排水処理)
次に、排水ユニット30における排水処理について説明する。
図9Bに示すように、手洗い槽11からの排水がない状態では、排水ポンプ32は停止している(ステップS21)。
そして、手洗い槽11に向けて水栓12から吐水された洗浄水が、手洗い槽11の排水口17から排水されると、静電容量センサ31が排水を検知する(ステップS22)。
【0124】
制御部60は、静電容量センサ31が排水を検知する(ステップS22のYES)と、排水ポンプ32を稼働させる(ステップS23)。
一方、静電容量センサ31が、排水を検知しない場合(ステップS22のNO)には、制御部60は、排水ポンプ32を稼働させない(ステップS21)。
【0125】
ステップS23において、排水ポンプ32は、排水を前処理フィルタ41へ送出する。前処理フィルタ41で前処理が施された水は、中間タンク44へ流入し、中間タンク44で貯留される。圧力センサ33は、前処理フィルタ41へ送出された水の圧力を検知する。流量センサ34は、前処理フィルタ41で前処理が施された水の流量を検知する。
【0126】
そして、ステップS23の後に、排水口17から流れ込む排水がなくなったことを静電容量センサ31が検知すると(ステップS24のNO)、制御部60は、排水ポンプ32を停止する(ステップS21)。
一方、ステップS24において、排水口17から継続して排水が流れ込んでいることを静電容量センサ31が検知する(ステップS24のYES)と、制御部60は、継続して排水ポンプ32を稼働させる(ステップS23)。
【0127】
排水ユニット30は、これらの処理を繰り返し、手洗い槽11の排水口17から排出される水を、前処理フィルタ41へ供給する。
【0128】
(浄化ユニット40の制御処理)
次に、浄化ユニット40における洗浄処理について説明する。
図9Cに示すように、最初、膜ろ過ポンプ47は停止している(ステップS31)。
【0129】
制御部60は、排水ポンプ32が稼働されているか否かを判断する(ステップS32)。
排水ポンプ32が稼働している場合(ステップS32のYES)、制御部60は、膜ろ過ポンプ47を稼働させる(ステップS33)。これにより、中間タンク44で貯留されている水が、膜ろ過ポンプ47により、高圧で逆浸透膜42に供給される。
【0130】
一方、排水ポンプ32が稼働していない場合には(ステップS32のNO)、制御部60は、膜ろ過ポンプ47を稼働させないままとする(ステップS31)。
【0131】
ステップS33において、逆浸透膜42に供給された水は、逆浸透膜42において、濃縮水と透過水とに分離される。透過水は、後処理フィルタ43に供給される。
濃縮水は、二方電磁弁74を経て中間タンク44に流入する。なお、二方電磁弁75は、閉じた状態となっているため、濃縮水が排水タンク45に流入することはない。
【0132】
後処理フィルタ43では、透過水に対して後処理が施される。そして、後処理フィルタ43で後処理が施された透過水は、次亜塩素酸水が添加されて貯水タンク46に流入する。
【0133】
ステップS33の後に、制御部60は、逆浸透膜42の前段に配置されるセンサ部61のEC/温度センサにより検知された電気伝導度が所定の値未満であるか否かを判断する(ステップS34)。
EC/温度センサで検知される電気伝導度が所定値未満である場合(S34のYES)、制御部60は、排水ポンプ32が稼働しているか否かを判断する(ステップS35)。排水ポンプ32が稼働している場合(ステップS35のYES)、制御部60は、継続して膜ろ過ポンプ47を稼働させる(ステップS33)。
【0134】
一方、ステップS34において、EC/温度センサで検知される電気伝導度が所定値以上になった場合には(ステップS34のNO)、制御部60は、二方電磁弁74および二方電磁弁75をONにする(ステップS36)。これにより、二方電磁弁74が閉じられ、かつ、二方電磁弁75が開かれる。
【0135】
二方電磁弁74が閉じられ、かつ、二方電磁弁75が開かれることにより、逆浸透膜42で分離された濃縮水は、二方電磁弁75を経て排水タンク45に流入する。すなわち、制御部60は、EC/温度センサで検知される電気伝導度の変化に基づき、濃縮水における不純物の量を判断している。不純物が多いと判断された濃縮水は、排水タンク45へ排出されるようになっている。
【0136】
排水タンク45で貯留されている濃縮水の水位が所定値に達すると、例えば、手洗い装置1の管42A理者へアラートが出される。管42A理者は、アラートを確認すると、排水タンク45に貯留されている水を廃棄する。
【0137】
制御部60は、ステップS36の処理を所定の時間継続し(ステップS37)、所定時間の経過後に、二方電磁弁74、75をOFFとする。これにより、二方電磁弁74は開かれ、二方電磁弁75は閉じられる。
このように、二方電磁弁74は開かれ、二方電磁弁75は閉じられることにより、逆浸透膜42で分離された濃縮水は、二方電磁弁74を経て中間タンク44に流入する。そして、制御部60は、膜ろ過ポンプ47を停止させる(ステップS31)
【0138】
ステップS35において、排水ポンプ32が停止している場合(ステップS35のNO)、制御部60は、所定時間の経過後(ステップS38)に、膜ろ過ポンプ47を停止させる(ステップS31)。
【0139】
浄化ユニット40は、これらの処理を繰り返し、排水ユニット30により排水された水を浄化して貯水タンク46に貯留する。
【0140】
(手洗いインジケータ15の制御処理、及び表示態様)
次に、手洗いインジケータ15の表示態様、及び制御処理について説明する。
図10は、手洗いインジケータ15の制御処理を示す説明図である。
図11は、手洗いインジケータ15の表示態様を説明する図である。
【0141】
図10に示すように、手洗い装置1の未使用時において、手洗いインジケータ15を構成するLEDライトは消灯している(ステップS41)。
次に、制御部60は、ディスペンサ14が稼働したか否かを判断する(ステップS42)。手洗い装置1を使用するユーザが、ディスペンサ14の下方に手をかざすと、ディスペンサ14の赤外線センサ52が手指を検知する。制御部60は、赤外線センサ52により手指が検知されると、薬剤ポンプ51を稼働させ、ディスペンサ14から薬剤を吐出させる。
ディスペンサ14が稼働した場合(ステップS42のYES)、制御部60は、手洗いインジケータ15を点灯させる(ステップS43~ステップS44)。
【0142】
具体的には、制御部60は、手洗いインジケータ15を構成する30個のLEDライトを、
図11Aで示すように、上面視で水栓12の基部近傍に位置するLEDライトから、時計回りに順番に点灯させる。このとき、制御部60は、例えば、1~2秒程度ですべてのLEDライトが点灯するようにする(
図10のステップS43)。
【0143】
そして、
図11Bに示すように、すべてのLEDライトが点灯すると(
図10のステップS44)、制御部60は、その後の所定時間、点灯状態を維持する。所定時間が経過すると、制御部60は、
図11Cに示すように、水栓12の基部近傍に位置するLEDライトから、時計回りに順番にLEDライトを消灯させる(
図10のステップS45)。
このとき、制御部60は、例えば、30~40秒程度ですべてのLEDライトが消灯するようにする。
【0144】
手洗い装置1は、赤外線センサ23でユーザの手指を検出し、吐水口13から水を吐出させることに応答して、手洗いインジケータ15を上記のように時間経過とともに順に消灯させることとしてもよい。これにより、吐水口13からの水の吐出とともに手洗いインジケータ15の点灯状態が変化するため、ユーザに対し、水の吐出から手洗いを完了させるまでの時間を認識させうる。
また、手洗い装置1は、赤外線センサ23によりユーザの手指を検出しない場合に、手洗い装置1の周囲のユーザに対し、手洗いを促すよう、手洗いインジケータ15に所定の点灯をさせる(所定の色で発光させるなど)等により通知することとしてもよい。
【0145】
そして、
図11Dに示すように、すべてのLEDライトが消灯すると(
図10のステップS45)、最初の状態に戻る(ステップS41)。
手洗いインジケータ15が、順番に点灯し、順番に消灯していくまでの一連の時間は、一般に推奨される手洗い時間、例えば、40秒程度に設定されている。これにより、手洗い装置1は、充分な洗浄効果を期待できる手洗い時間の目安をユーザに提示することができる。
【0146】
以上説明したように、ディスペンサ14のノズル53の内部にアンテナ56が設けられている。これにより、ディスペンサ14が、外部の装置と通信する通信手段を備えつつ、洗練された外観を維持することができる。
【0147】
また、アンテナ56は、ノズル53の内部に流路を形成する管55の延びる方向に沿って配置されている。このため、ノズル53の内部の空間を可能な限り有効に利用して、アンテナ56が収容されることにより、ノズル53が極端に大きくなるのを抑制することができる。
【0148】
また、ノズル53は、樹脂材料により形成されている。このため、ノズル53の内部に収容されたアンテナ56が電波を円滑に送受信することができる。
【0149】
また、薬剤ポンプ51は、金属製の筐体2に収容される薬剤タンク50から薬剤を排出する。このため、仮に筐体2の内部にアンテナ56が収容されている場合と異なり、金属製の筐体2によりアンテナ56の外部との電波の送受信が阻害されることを抑えることができる。
【0150】
また、手洗い装置1がノズル53の内部にアンテナ56が収容されたディスペンサ14を備えているので、手洗い装置1の運用に関する各種のデータを外部の装置と通信する通信手段を備えつつ、手洗い装置1が洗練された外観を維持することができる。
【0151】
<変形例>
次に、本発明に係る吐出装置の変形例について説明する。なお、上記実施形態と同様の構成については同一の符号をふり、その説明を省略する。
この変形例では、水を吐出する吐出装置の構成について説明する。
図12は、変形例に係る吐出装置140が搭載される手洗い装置1Bのブロック図である。
手洗い装置1Bでは、循環ユニット6が、アンテナ143を有する吐出装置140を備えている。吐出装置140と、薬剤ユニット5とで、異なる規格に対応したアンテナがそれぞれ設けられていてもよい。
【0152】
図13は、手洗い装置1Bの各ユニットを説明するブロック図である。
図13に示すように、循環ユニット6のうち、吐水ユニット20は、UV殺菌部22および吐出装置140を備えている。
【0153】
吐出装置140は、吐水ポンプ21、赤外線センサ23、および水栓(ノズル12)を備えている。
吐水ポンプはUV殺菌部22の後段に配置され、貯水タンク46の水を水栓12に向けて送出する。
【0154】
図14は、吐出装置140の断面図である。
図14に示すように、水栓12には、赤外線センサ23、管141、吐出部142、およびアンテナ143が設けられている。水栓12は、合成樹脂材料により形成されている。
【0155】
赤外線センサ23は、水栓12の先端に配置されている。
管141は、
図15に図示しない吐水ポンプ21に接続され、吐水ポンプ21が送出した水を内部に流す。
【0156】
吐出部142は、水栓12の先端に設けられ、管141を流下した水を手洗い槽11の内側に吐出する。
アンテナ143はノズル内に設けられ、無線信号を送信、又は受信する。アンテナ143は、管141の延伸される方向に沿って配置されている。アンテナ143は、上記実施形態と同様に、各種の情報に関する無線信号を、外部の情報処理装置に送信、又は当該情報処理装置から受信する。
【0157】
アンテナ143は、例えば、少なくともいずれかの通信規格に則った電波を受信可能なアンテナである。また、アンテナ143は、少なくともいずれかの通信規格に則った電波を送信可能なアンテナである。
例えば、アンテナ143は、回線事業者が提供する通信サービスに対応していてもよい。このとき、例えば、手洗い装置1の制御部60により実現される通信機能は、回線事業者が提供する通信サービスに対応している。これにより、手洗い装置1は、アンテナ143を介して、回線事業者が提供するネットワークに接続可能となる。
【0158】
また、例えば、アンテナ143は、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy)などの近距離無線通信技術に対応していてもよい。このとき、例えば、手洗い装置1の制御部60により実現される通信機能は、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy)などの近距離無線通信に対応した通信処理を実施する。これにより、手洗い装置1は、アンテナ143を介して、近距離無線通信に対応した携行品(スマートフォン、スマートウォッチ等の通信デバイス)と通信接続することが可能となる。
【0159】
また、例えば、アンテナ143は、NFC(Near Field Communication)などの近距離無線通信技術に対応していてもよい。このとき、例えば、手洗い装置1の制御部60により実現される通信機能は、NFCなどの近距離無線通信に対応した通信処理を実施する。これにより、手洗い装置1は、アンテナ143を介して、近距離無線通信に対応した携行品からデータを読み出すことが可能となる。
手洗い装置1Bがアンテナ143により送信するデータ、または、受信するデータは、上記実施形態と同様である。
【0160】
<その他の変形例>
その他の変形例に係る吐出装置であるディスペンサ14Bについて説明する。
図15は、ディスペンサ14Bの断面図である。
ディスペンサ14Bでは、アンテナ56が、ノズル53のうち、腕部53Bの内部に収容されている。このように、アンテナ56の収容される位置は任意に変更することができる。
【0161】
また、ディスペンサ14Bにおけるノズル53の基部53Aの内側には、制御部60の通信機能を実現させる通信部60Bが収容されている。通信部60Bは、例えば、プロセッサ、メモリ、ストレージにより実現される。通信部60Bはアンテナ56と接続されている。
ストレージには、例えば、以下のデータが記憶されている。
・手洗いに関するデータ
・メンテナンスに関するデータ
・携行品から入力されるデータ
・携行品へ送信するデータ
【0162】
このように、ディスペンサ14Bでは、通信部60Bがノズル56の内側に収容されている。このため、手洗い装置1の筐体2内に配置する構成が減少することになり、筐体2内の空間に余裕を持たせることができる。
なお、ディスペンサ14Bと同様に、
図14に示す吐出装置140内に通信部60Bが設けられていてもよい。
【0163】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本開示には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。また、上記実施形態および変形例で説明した装置の構成は、技術的な矛盾が生じない限り、その一部を省略、または組み合わせ可能である。
【0164】
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0165】
(付記1)
液体を排出するポンプ51、21と、
ポンプ51、21が排出した液体を流す管55、141と、
管55、141に接続され、管55、141を流れる液体を吐出する吐出部54、142と、
管55、141を収容し、開口部に吐出部54、142が配置されるノズル53、12と、
ノズル53、12内に設けられ、無線信号を送信、又は受信するアンテナ56、143と、
を具備する、吐出装置14、140。
【0166】
(付記2)
アンテナ56、143は、管55、141の延びる方向に沿って配置されている、(付記1)に記載の吐出装置14、140。
【0167】
(付記3)
ノズル53、12は、樹脂材料により形成される、(付記1)又は(付記2)に記載の吐出装置14、140。
【0168】
(付記4)
ポンプ51、21は、金属製の筐体2に収容されるタンク46から水を排出する、(付記1)から(付記3)のいずれか1項に記載の吐出装置14、140。
【0169】
(付記5)
ポンプ51、21は、金属製の筐体2に収容されるタンク50から薬剤を排出する、(付記1)から(付記3)のいずれか1項に記載の吐出装置14、140。
【0170】
(付記6)
液体を排出するポンプ51、21と、
ポンプ51、21が排出した液体を流す管55、141と、
管55、141に接続され、管55、141を流れる液体を吐出する吐出部54、142と、
手洗い槽11と、
管55、141を収容し、手洗い槽11の上方に形成される開口部に吐出部54、142が配置されるノズル53、12と、
ノズル53、12内に設けられ、無線信号を送信、又は受信するアンテナ56、143と、
ポンプ51、21に液体を供給するタンク46、50と、
手洗い槽11からの排水を循環させて浄化する循環ユニット6と、
を具備する手洗い装置1、1B。
【符号の説明】
【0171】
1 手洗い装置、2 筐体87、3 扉、6 循環ユニット、11 手洗い槽、12 水栓、13 吐水口、14 ディスペンサ、15 手洗いインジケータ、20 吐水ユニット、21 吐水ポンプ、30 排水ユニット、32 排水ポンプ、40 浄化ユニット、41 前処理フィルタ、42 逆浸透膜、43 後処理フィルタ、44 中間タンク、45 排水タンク、46 貯水タンク、47 膜ろ過ポンプ、50 薬剤タンク、51 薬剤ポンプ、52 赤外線センサ、53 ノズル、54 吐出部、55 管、56 アンテナ、60 制御部、140 吐出装置、141 管、142 吐出部、143 アンテナ
【手続補正書】
【提出日】2021-11-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を排出するポンプと、
前記ポンプが排出した液体を流す管と、
前記管に接続され、前記管を流れる液体を吐出する吐出部と、
物体を検知し、前記吐出部から液体を吐出させるセンサと、
前記管を収容し、開口部に前記吐出部が配置されるノズルと、
前記ノズル内に設けられ、無線信号を外部の情報処理装置に送信し、外部の情報処理装置から発信される無線信号を受信するアンテナと、
を具備する、吐出装置
【請求項2】
前記アンテナは、前記管の延びる方向に沿って配置されている、請求項1に記載の吐出装置。
【請求項3】
前記ノズルは、樹脂材料により形成される、請求項1又は2に記載の吐出装置。
【請求項4】
前記ポンプは、金属製の筐体に収容されるタンクから水を排出する、請求項1から3のいずれか1項に記載の吐出装置。
【請求項5】
前記ポンプは、金属製の筐体に収容されるタンクから薬剤を排出する、請求項1から3のいずれか1項に記載の吐出装置。
【請求項6】
液体を排出するポンプと、
前記ポンプが排出した液体を流す管と、
前記管に接続され、前記管を流れる液体を吐出する吐出部と、
物体を検知し、前記吐出部から液体を吐出させるセンサと、
手洗い槽と、
管を収容し、前記手洗い槽の上方に形成される開口部に前記吐出部が配置されるノズルと、
前記ノズル内に設けられ、無線信号を外部の情報処理装置に送信し、外部の情報処理装置から発信される無線信号を受信するアンテナと、
前記ポンプに液体を供給するタンクと、
前記手洗い槽からの排水を循環させて浄化する循環ユニットと、
を具備する手洗い装置。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を排出するポンプと、
前記ポンプが排出した液体を流す管と、
前記管に接続され、前記管を流れる液体を吐出する吐出部と、
物体を検知し、前記吐出部から液体を吐出させるセンサと、
前記管を収容し、開口部に前記吐出部が配置されるノズルと、
前記ノズル内に設けられ、無線信号を外部の情報処理装置に送信し、外部の情報処理装置から発信される無線信号を受信するアンテナと、を具備し、
前記ノズルは樹脂材料により形成され、前記ポンプを収容する金属製の筐体の外部に取り付けられる、吐出装置。
【請求項2】
前記アンテナは、前記管の延びる方向に沿って配置されている、請求項1に記載の吐出装置。
【請求項3】
前記ポンプは、金属製の筐体に収容されるタンクから水を排出する、請求項1から2のいずれか1項に記載の吐出装置。
【請求項4】
前記ポンプは、金属製の筐体に収容されるタンクから薬剤を排出する、請求項1から2のいずれか1項に記載の吐出装置。
【請求項5】
液体を排出するポンプと、
前記ポンプが排出した液体を流す管と、
前記管に接続され、前記管を流れる液体を吐出する吐出部と、
物体を検知し、前記吐出部から液体を吐出させるセンサと、
手洗い槽と、
管を収容し、前記手洗い槽の上方に形成される開口部に前記吐出部が配置されるノズル
と、
前記ノズル内に設けられ、無線信号を外部の情報処理装置に送信し、外部の情報処理装
置から発信される無線信号を受信するアンテナと、
前記ポンプに液体を供給するタンクと、
前記手洗い槽からの排水を循環させて浄化する循環ユニットと、
前記ポンプおよび前記タンクを収容する金属製の筐体と、を具備し、
前記ノズルは、樹脂材料により形成されて前記筐体の外部に取り付けられる、手洗い装置。