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特開2022-183775発光ダイオード素子基板およびその製造方法
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  • 特開-発光ダイオード素子基板およびその製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183775
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】発光ダイオード素子基板およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/22 20100101AFI20221206BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20221206BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
H01L33/22
G09F9/30 338
G09F9/33
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091256
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 悟
【テーマコード(参考)】
5C094
5F241
【Fターム(参考)】
5C094AA05
5C094AA31
5C094AA43
5C094AA44
5C094BA25
5C094CA19
5C094DA13
5C094DB01
5C094EB10
5C094FB14
5C094FB15
5C094GB10
5F241AA21
5F241CA40
5F241CA65
5F241CA73
5F241CA74
5F241CA76
5F241CA88
5F241CA98
5F241CB21
5F241CB33
5F241FF01
(57)【要約】
【課題】低コスト且つ高精細化への対応が可能であり、個々のLED(発光ダイオード)素子と駆動回路との良好な接続信頼性を備えた発光ダイオード素子基板とその製造方法を提供する。
【解決手段】サファイア基板1上に化合物半導体結晶層をエピタキシャル成長させ、発光ダイオード素子をサファイア基板上に二次元的に配置した発光ダイオード素子基板であって、サファイア基板と、前記サファイア基板上に形成された、化合物半導体結晶層をエピタキシャル成長可能とするバッファー層2と、前記バッファー層の表面を二次元的に配置された画素に区画する、無機材料6からなる隔壁7と、前記隔壁によって区画された各画素の内部において、前記バッファー層上に形成された複数の化合物半導体結晶層の積層体からなる発光ダイオード素子8と、を備えていることを特徴とする発光ダイオード素子基板20。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サファイア基板上に化合物半導体結晶層をエピタキシャル成長させ、発光ダイオード素子をサファイア基板上に二次元的に配置した発光ダイオード素子基板であって、
サファイア基板と、
前記サファイア基板上に形成された、化合物半導体結晶層をエピタキシャル成長可能とするバッファー層と、
前記バッファー層の表面を二次元的に配置された画素に区画する、無機材料からなる隔壁と、
前記隔壁によって区画された各画素の内部において、前記バッファー層上に形成された複数の化合物半導体結晶層の積層体からなる発光ダイオード素子と、を備えていることを特徴とする発光ダイオード素子基板。
【請求項2】
前記バッファー層がAlN層であり、前記複数の化合物半導体結晶層の積層体が、n型GaN層と、InGaN層と、p型GaN層からなる積層体であることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード素子基板。
【請求項3】
サファイア基板上に化合物半導体薄膜をエピタキシャル成長させ、発光ダイオード素子を形成することによって作製される発光ダイオード素子基板の製造方法であって、
サファイア基板上に良質な化合物半導体結晶層を形成可能とするバッファー層を備えたサファイア基板のバッファー層の表面に樹脂層を形成する工程と、
前記樹脂層に、型押し加工用の型を押圧することによって凹部を備えた樹脂パターンを形成する工程と、
前記凹部に無機材料を充填する工程と、
前記樹脂パターンを除去後、前記無機材料を熱処理することで、前記樹脂パターン以下の厚みを備え、底部にバッファー層が露出した隔壁を形成する工程と、
有機金属化学気相エピタキシー法により、化合物半導体結晶層からなる、少なくとも、n型化合物半導体結晶層と、化合物半導体結晶層からなる発光層と、p型化合物半導体結晶層を備えた発光ダイオード素子層を、少なくとも前記隔壁の内部に形成する工程と、
前記隔壁の内部以外に形成された前記発光ダイオード素子層を除去する工程と、
前記隔壁の内部に形成された前記発光ダイオード素子層の表面に透明電極を形成する工程と、
前記隔壁の内部に形成された前記発光ダイオード素子層と前記隔壁に跨った部位に、n型層の上面を露出させる深さの穴を形成した後、n型層と接続可能とする電極を形成する工程と、
を備えていることを特徴とする発光ダイオード素子基板の製造方法。
【請求項4】
前記バッファー層がAlN層であり、前記化合物半導体結晶層からなる、前記n型化合物半導体結晶層と、前記化合物半導体結晶層からなる発光層と、前記p型化合物半導体結晶層が、それぞれ、n型GaN層と、InGaN層と、p型GaN層であることを特徴とする請求項3に記載の発光ダイオード素子基板の製造方法。
【請求項5】
前記型が、ナノインプリント用モールドであることを特徴とする請求項3または4に記載の発光ダイオード素子基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロLED表示装置とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、2μmから50μm程度のサイズの発光ダイオード(LED)チップをマトリクス状に配列したマイクロLEDと呼ばれる表示装置が提案されている。このマイクロLED表示装置においては、表示単位である画素1つに対し、LEDチップ1つを割り当て、その各々を個別駆動して表示を行う。このため、液晶表示装置に比べて構造が簡単であり、かつ、表示品質が明るく、色再現性もよいとされている。
【0003】
このマイクロLED表示装置の画素数は、1画素に1個のマイクロLEDチップが必要であるため、例えば、フルHD(High Difinition)仕様の場合、1920×1080(約200万画素)、4K仕様の場合、3840×2160(約800万画素)である。
【0004】
例えば、表示装置の画面となる基板上に数百万個を超える数のマイクロLEDチップの1つ1つを実装するため、1つのマイクロLEDチップを載置する時間の早さとその載置する位置の精度は非常に高いものが必要で、現状の半導体実装用装置の仕様であっても対応が難しい。
【0005】
このようなマイクロLED表示装置の製造に関する問題点に関連する先行技術としては、例えば特許文献1には、パレット上に所望の配列で整列が行われた複数のLEDチップに対し、前記LEDチップのそれぞれが前記配列に従い適宜な間隙をもって貫通する穴部が設けられ且つ前記LEDチップと略面一となるガイドマスクを被着し、この状態で吸着面側にメッシュシートが取付けられた吸着ヘッドで前記複数のLEDチップの前記パレット上の全てを同時に吸着し、前記基板上に同時にダイボンドを行うことを特徴とするLED表示装置の製造方法が提案されている。
【0006】
この技術は、多数のLEDチップを一括して基板上にダイボンドすることを可能とする優れた技術であるが、あくまで個片化したLEDチップを使用して、それをダイボンドすることにより基板上に実装する手法である。そのため、微細化への対応には従来と同様に限界があり、また、個々のLEDチップと駆動回路とは、個別にワイヤボンディングなどにより数百万箇所以上の接続が必要となるため、実装したLEDチップ全体の接続信頼性を高くすることは非常に難しい問題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11-338385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の事情に鑑み、本発明は、低コスト且つ高精細化への対応が可能であり、個々のLED(発光ダイオード)素子と駆動回路との良好な接続信頼性を備えた発光ダイオード素子基板とその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決する手段として、本発明の請求項1に記載の発明は、サファイア基板
上に化合物半導体結晶層をエピタキシャル成長させ、発光ダイオード素子をサファイア基板上に二次元的に配置した発光ダイオード素子基板であって、
サファイア基板と、
前記サファイア基板上に形成された、化合物半導体結晶層をエピタキシャル成長可能とするバッファー層と、
前記バッファー層の表面を二次元的に配置された画素に区画する、無機材料からなる隔壁と、
前記隔壁によって区画された各画素の内部において、前記バッファー層上に形成された複数の化合物半導体結晶層の積層体からなる発光ダイオード素子と、を備えていることを特徴とする発光ダイオード素子基板である。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、前記バッファー層がAlN層であり、前記複数の化合物半導体結晶層の積層体が、n型GaN層と、InGaN層と、p型GaN層からなる積層体であることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード素子基板である。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、サファイア基板上に化合物半導体薄膜をエピタキシャル成長させ、発光ダイオード素子を形成することによって作製される発光ダイオード素子基板の製造方法であって、
サファイア基板上に良質な化合物半導体結晶層を形成可能とするバッファー層を備えたサファイア基板のバッファー層の表面に樹脂層を形成する工程と、
前記樹脂層に、型押し加工用の型を押圧することによって凹部を備えた樹脂パターンを形成する工程と、
前記凹部に無機材料を充填する工程と、
前記樹脂パターンを除去後、前記無機材料を熱処理することで、前記樹脂パターン以下の厚みを備え、底部にバッファー層が露出した隔壁を形成する工程と、
有機金属化学気相エピタキシー法により、化合物半導体結晶層からなる、少なくとも、n型化合物半導体結晶層と、化合物半導体結晶層からなる発光層と、p型化合物半導体結晶層を備えた発光ダイオード素子層を、少なくとも前記隔壁の内部に形成する工程と、
前記隔壁の内部以外に形成された前記発光ダイオード素子層を除去する工程と、
前記隔壁の内部に形成された前記発光ダイオード素子層の表面に透明電極を形成する工程と、
前記隔壁の内部に形成された前記発光ダイオード素子層と前記隔壁に跨った部位に、n型層の上面を露出させる深さの穴を形成した後、n型層と接続可能とする電極を形成する工程と、
を備えていることを特徴とする発光ダイオード素子基板の製造方法である。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、前記バッファー層がAlN層であり、前記化合物半導体結晶層からなる、前記n型化合物半導体結晶層と、前記化合物半導体結晶層からなる発光層と、前記p型化合物半導体結晶層が、それぞれ、n型GaN層と、InGaN層と、p型GaN層であることを特徴とする請求項3に記載の発光ダイオード素子基板の製造方法である。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、前記型が、ナノインプリント用モールドであることを特徴とする請求項3または4に記載の発光ダイオード素子基板の製造方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の発光ダイオード素子基板によれば、サファイア基板上にバッファー層が形成された基板上に、表示装置の画素となる領域を区画する隔壁が形成されており、その隔壁の内部にバッファー層上に、発光ダイオード素子が形成され、二次元的に配置された構成となっている。そのため、1つ1つの発光ダイオードチップを実装する必要がなく、一括形
成することができる。また、発光ダイオードチップより隔壁により区画される領域のサイズを小さくできるため、微細化に対応することができる。また、各発光ダイオード素子に給電する配線との接続には1つ1つの発光ダイオード素子に対して接続する必要がないため、実装時間が大幅に短縮可能となり生産性が向上する。
【0015】
本発明の発光ダイオード素子基板の製造方法によれば、マイクロLED表示装置となる発光ダイオード素子基板の発光ダイオードの配置精度が高く、生産性の高い製造プロセスを提供することが可能となる。また、本発明の発光ダイオード素子基板を用いることで、高い表示性能の表示装置が提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の発光ダイオード素子基板の製造方法を示したフロー図。
図2】本発明の発光ダイオード素子基板の製造方法を示したフロー図。
図3】本発明の発光ダイオード素子基板の断面図。
図4】本発明の発光ダイオード素子の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<発光ダイオード基板の製造方法>
本発明の発光ダイオード基板の製造方法について、図を用いて説明する。
【0018】
本発明の発光ダイオード基板の製造方法は、少なくとも下記の工程1~工程8を備えている。
工程1:サファイア基板1にバッファー層2および樹脂層3を形成する。
工程2:工程1で形成した樹脂層3に凹部11を有する樹脂パターン5を形成する。
工程3:工程2で形成した凹部11に無機材料6を充填する。
工程4:樹脂層3を除去する。
工程5:導体層と半導体層8をそれぞれ成膜する。
工程6:半導体層8をパターニングして発光素子8Aとする。
工程7:発光素子8Aに対する給電配線の形成(1)
工程8:発光素子8Aに対する給電配線の形成(2)
工程1を図1(a)~(c)を用いて説明する。
まず、サファイア基板1は、加工する側の面を適宜な方法でクリーニングしたものを準備する(図1(a))。次にサファイア基板1のクリーニングした面にバッファー層を形成する(図1(b))。バッファー層2はAlNを500℃~600℃で低温堆積して形成する。低温堆積する方法としては有機金属化学気相エピタキシー(MOVPE)法、有機金属気相体積(MOCVD)法を用いる。また、バッファー層2の材質としては、AlNのほかにGaNを用いることも可能である。
【0019】
次に、バッファー層2の表面に、樹脂層3を形成する(図1(c))。樹脂層3は樹脂塗液を用いて膜厚0.1mm~1.0mmとなるように以下の手順で形成した。
【0020】
ロールコータやスクリーン印刷機などの塗布装置を用いて樹脂塗液をサファイア基板1のバッファー層2上に塗布する。その後、クリーンオーブンなどの乾燥手段を用いて樹脂塗液中の溶剤分を揮発、乾燥させる。
【0021】
また、上記樹脂塗液をバッファー層2に熱圧着可能なように調製されたドライフィルム状にして、ラミネーター装置、プレス機等を用いて、樹脂層3を形成することも可能である。
【0022】
工程2を図1(d)および(e)を用いて説明する。
まず、工程1で形成した樹脂層3を、モールド型4を用いて熱圧プレス加工する(図1(d))。このプレス加工により樹脂層3の一部が凹部11となる(図1(e))。
【0023】
工程3を、図2(f)を用いて説明する。
まず、凹部11を充填する無機材料6としては、500℃~800℃の範囲の加熱により焼結する組成物を用いた。本実施例で用いた組成物はSiO-B-RO系やSiO-B-RO系のガラスフリットを、バインダー樹脂と溶剤とを混合して得られたものである。なお、Rはアルカリ金属、Rはアルカリ土類金属を示す。
【0024】
次に、無機材料6を凹部11に充填する方法としては、図示しないスクリーン印刷装置によって、上記のガラスフリットインキを凹部11の上に塗布した後、図示しないオーブンで溶剤分を揮発させ、半固化させた状態でその表面を、図示しない研磨装置で研磨する。
こうすることで、無機材料6を充填した面には無機材料6と樹脂パターン5が露出する。この無機材料6の凹部11への充填にスクリーン印刷装置を用いたが、これに限定されるものではなく、ディスペンサ装置を用いるなど適宜な装置で形成可能である。
【0025】
工程4を、図2(g)を用いて説明する。
工程3で形成した無機材料6を隔壁7とするため、樹脂パターン5を除去する。
【0026】
樹脂パターン5の除去は、無機材料6と樹脂パターン5が露出したサファイア基板1を酸化性雰囲気中(例えば空気中)で500℃~800℃に設定した図示しない加熱炉で、加熱処理することにより、樹脂パターン5をガス化させて除去することができる。この処理は、同時に、無機材料6の焼結を進ませることができて、隔壁7とすることができる。
【0027】
こうして、樹脂パターン5を除去された部分は谷状となり、その底部にはバッファー層2が露出した開口部15となる。
【0028】
工程5を、図2(h)を用いて説明する。
工程5は発光素子8Aとなる化合物半導体結晶物が積層した化合物半導体層8を形成する。まず、化合物半導体層8を形成するにあたり、工程4で加工されたサファイア基板1を図示しない有機金属化学気相エピタキシー装置に装着した後、まず1000℃程度に加熱し、熱クリーニングを行う。
【0029】
次に、透明導電材料を全面成膜する。透明導電材料としてはITO(インジウム-錫酸化物)この透明導電材料層は発光素子8Aの片方の導体となるので、成膜後、フォトリソグラフィ法で透明導電材料の配線パターンを形成する。
【0030】
次に透明導電材料の配線パターンを絶縁するため、サファイア基板1に直接形成したバッファー層2と同じ方法でバッファー層となる材料を全面成膜したのち、開口部15の底面部の導体パターン10の上にあるバッファー層材料を除去する。除去にはレーザ加工装置でアブレーション処理をする。この除去はレーザ以外にもドライエッチングなどの方法を用いることが可能である。
こうして、第2バッファー層2Aを形成する。
【0031】
次にサファイア基板1の温度を500℃~600℃にした後、n型層、発光層、p型層となる化合物半導体材料をエピタキシャル成長させて積層構造を形成する。
【0032】
ここで、p型化合物半導体単結晶層、発光層となる化合物半導体単結晶層、n型化合物半導体単結晶層からなる化合物半導体材料層8が形成される。p型化合物半導体単結晶層
としてはp型GaN層、発光層としてはInGaN層、n型化合物半導体単結晶層としてはn型GaN層を用いる。
【0033】
工程6を、図2(i)を用いて説明する。
工程6は開口部15の外側の隔壁7の頭頂部に形成された化合物半導体材料層8などを除去する。
【0034】
この除去には、図示しない研磨装置を用いることで、開口部15の外側の隔壁7の頭頂部に形成された化合物半導体材料層8が除去され、それまでつながっていた化合物半導体材料層8が孤立したパターンとなる。また、工程3で形成した第2バッファー層であって、隔壁7の頭頂部の導体パーン上の部分も除去されるので、発光素子8Aの片側の電極が露出する。
【0035】
工程7を、図3を用いて説明する。
工程7は孤立した化合物半導体材料層8に給電するための2本目の導体パターンを形成する。まず、工程3で使用したものと同じ透明導電材料を全面成膜する。次に、全面形成した透明導電材料について、工程6で作成した発光素子8Aの片側の電極と、2本目の導体パターンとなる配線パターン、および、図示しない表示装置の駆動回路と各発光素子8Aを電気的に接続する導体パターンとなるように透明導電材料をエッチング法により形成する。
【0036】
以上に説明したように、サファイア基板1上に、発光ダイオード素子として機能する発光ダイオード素子層8が二次元的に配置された発光ダイオード素子基板20が得られる。
【0037】
<発光ダイオード素子基板>
図4に示す本願発明の製造方法により得られた発光ダイオード素子基板を図示しない画像表示ユニットの駆動回路を接続し、画像表示動作信号を駆動回路に送り込むことで、画像表示をすることができる。
【0038】
上記説明した、本発明の発光ダイオード素子基板の製造方法によれば、発光ダイオード表示装置を数百万個以上のLEDチップを1つ1つ実装して形成していた従来の製造方法に比べてLEDチップを一括して形成できるため生産性が高くできる。また、フォトリソグラフィの加工精度でLEDチップを整列、位置決めができるので、メカニカルな載置に比べても高い精度が得られる。
【符号の説明】
【0039】
1・・・サファイア基板
2、2A・・・バッファー層
3・・・樹脂層
4・・・モールド型
5・・・樹脂パターン
6・・・無機材料
7・・・隔壁
8・・・化合物半導体材料層
9・・・導体パターン
10・・・導体パターン
11・・・凹部
12・・・n型層
13・・・発光層
14・・・p型層
15・・・開口部
図1
図2
図3
図4