(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183792
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】フレキシブルプリント配線板、配線板組立体、及び、ヒータ付き構造体
(51)【国際特許分類】
H05K 1/16 20060101AFI20221206BHJP
H05B 6/04 20060101ALI20221206BHJP
H01F 17/00 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
H05K1/16 B
H05B6/04 321
H01F17/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091277
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小池 伴幸
(72)【発明者】
【氏名】保坂 真樹
【テーマコード(参考)】
3K059
4E351
5E070
【Fターム(参考)】
3K059AB22
3K059AD01
3K059CD52
3K059CD72
4E351AA04
4E351AA16
4E351BB15
4E351BB25
4E351BB31
4E351BB33
4E351BB46
4E351CC06
4E351CC18
4E351GG08
5E070AA01
5E070AB01
5E070CB02
5E070CB14
(57)【要約】
【課題】接続信頼性を向上させることができるフレキシブルプリント配線板を提供する。
【解決手段】フレキシブルプリント配線板1は、配線パターン20が第1の主面10aに形成された基材10を備え、コイル回路23は、第1の領域R
1に形成された第1のループ部23a,23bと、第2の領域R
2に形成された第2のループ部23c,23dと、を含み、ヒータ回路24は、第2の領域R
2に設けられており、配線パターン20は、第1の領域R
1に形成された第1の接続部21と、第2の領域R
2に形成された第2の接続部25と、を含み、第1の領域R
1は、第1の開口12と、第1の接続部21が設けられていると共に、第1の開口12内に突出している突出片13と、を有し、第2の領域R
2は、第1の接続部21を第2の接続部25に対向させるように、突出片13を挿入可能な第2の開口16を有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱体と、
コイル回路を含む配線パターンと、
前記配線パターンが片側の主面に形成された基材と、を備え、
前記基材は、
第1の領域と、
第1の折り畳み線を介して前記第1の領域に隣り合う第2の領域と、を含み、
前記コイル回路は、
前記第1の領域に形成された環状の第1のループ部と、
前記第2の領域に形成された環状の第2のループ部と、を含み、
前記発熱体は、前記第1又は第2の領域に設けられており、
前記配線パターンは、
前記第1の領域に形成された第1の接続部と、
前記第2の領域に形成された第2の接続部と、を含み、
前記第1の領域は、
第1の開口と、
前記第1の接続部が設けられていると共に、前記第1の開口内に突出している突出片と、を有し、
前記第2の領域は、前記第1の接続部を前記第2の接続部に対向させるように、前記突出片を挿入可能な第2の開口を有しているフレキシブルプリント配線板。
【請求項2】
請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板であって、
前記配線パターンは、前記発熱体を構成するヒータ回路を含み、
前記ヒータ回路は、前記第1又は第2のループ部の内側に配置されているフレキシブルプリント配線板。
【請求項3】
請求項2に記載のフレキシブルプリント配線板であって、
前記第1及び第2のループ部は、前記第1の折り畳み線に沿って前記基材を折り畳んだ場合に、相互に重なるように、前記第1及び前記第2の領域にそれぞれ配置されており、
前記ヒータ回路は、前記基材を前記第1の折り畳み線に沿って折り畳んだ場合に、平面視において、前記第1及び第2のループ部の内側に位置するように、前記第1又は前記第2の領域に配置されているフレキシブルプリント配線板。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント配線板であって、
前記第1の領域は、前記第1の開口が形成された本体部を有し、
前記突出片は、第2の折り畳み線を介して前記本体部に接続されており、
前記突出片は、前記基材を前記第1の折り畳み線に沿って折り畳むと共に、前記突出片を前記第2の折り畳み線に沿って折り畳んだ場合に、前記第1の接続部が前記第2の接続部に対向するように、前記第2の折り畳み線に沿って折り畳まれて前記第2の開口に挿入されているフレキシブルプリント配線板。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント配線板であって、
前記突出片は、前記第1の接続部を前記第2の接続部に向かって露出させる第3の開口を有しているフレキシブルプリント配線板。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント配線板を備える配線板組立体であって、
前記基材は、前記第1の折り畳み線に沿って折り畳まれており、
前記突出片は、前記第1の接続部が前記第2の接続部に対向するように、前記第2の開口に挿入されている配線板組立体。
【請求項7】
請求項6に記載の配線板組立体であって、
前記第1の領域は、前記第1の開口が形成された本体部を有し、
前記突出片は、第2の折り畳み線を介して前記本体部に接続されており、
前記突出片は、前記第1の接続部が前記第2の接続部に対向するように、前記第2の折り畳み線に沿って折り畳まれて前記第2の開口に挿入されている配線板組立体。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の配線板組立体であって、
前記配線板組立体は、前記第1及び第2の接続部の間に介在し、前記第1及び第2の接続部を電気的に接続する接続部材をさらに備える配線板組立体。
【請求項9】
請求項8に記載の配線板組立体であって、
前記配線板組立体は、前記接続部材を覆う樹脂部材をさらに備える配線板組立体。
【請求項10】
請求項6~9のいずれか一項に記載の配線板組立体と、
接着剤を介して前記配線板組立体が貼り付けられている被加熱体と、を備えるヒータ付き構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルプリント配線板、配線板組立体、及び、ヒータ付き構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コイル基板は、絶縁層上に形成された複数のシングルコイルと、絶縁層を貫通する貫通孔の内部に埋設された複数の導体柱と、を備える1枚のフレキシブル基板を折り畳むことで形成される(例えば、特許文献1参照)。このコイル基板では、複数のシングルコイルが絶縁層を介して積層されていると共に、複数の導体柱が相互に接続するように積層されている。これにより、最上層のシングルコイルと最下層のシングルコイルとが、複数の導体柱を介して電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなコイル基板に発熱体を設けると、導体柱及び絶縁層が発熱体により加熱される。この場合、導体柱の熱膨張率と絶縁層の熱膨張率との間に差があるため、絶縁層に埋設された導体柱に応力が集中し、導体柱にクラックが発生して接続信頼性が低下してしまう場合がある、という問題がある。
【0005】
本発明の目的は、接続信頼性を向上させることができるフレキシブルプリント配線板、配線板組立体、及び、ヒータ付き構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明に係るフレキシブルプリント配線板は、発熱体と、コイル回路を含む配線パターンと、前記配線パターンが片側の主面に形成された基材と、を備え、前記基材は、第1の領域と、第1の折り畳み線を介して前記第1の領域に隣り合う第2の領域と、を含み、前記コイル回路は、前記第1の領域に形成された環状の第1のループ部と、前記第2の領域に形成された環状の第2のループ部と、を含み、前記発熱体は、前記第1又は第2の領域に設けられており、前記配線パターンは、前記第1の領域に形成された第1の接続部と、前記第2の領域に形成された第2の接続部と、を含み、前記第1の領域は、第1の開口と、前記第1の接続部が設けられていると共に、前記第1の開口内に突出している突出片と、を有し、前記第2の領域は、前記第1の接続部を前記第2の接続部に対向させるように、前記突出片を挿入可能な第2の開口を有しているフレキシブルプリント配線板である。
【0007】
[2]上記発明において、前記配線パターンは、前記発熱体を構成するヒータ回路を含み、前記ヒータ回路は、前記第1又は第2のループ部の内側に配置されていてもよい。
【0008】
[3]上記発明において、前記第1及び第2のループ部は、前記第1の折り畳み線に沿って前記基材を折り畳んだ場合に、相互に重なるように、前記第1及び前記第2の領域にそれぞれ配置されており、前記ヒータ回路は、前記基材を前記第1の折り畳み線に沿って折り畳んだ場合に、平面視において、前記第1及び第2のループ部の内側に位置するように、前記第1又は前記第2の領域に配置されていてもよい。
【0009】
[4]上記発明において、前記第1の領域は、前記第1の開口が形成された本体部を有し、前記突出片は、第2の折り畳み線を介して前記本体部に接続されており、前記突出片は、前記基材を前記第1の折り畳み線に沿って折り畳むと共に、前記突出片を前記第2の折り畳み線に沿って折り畳んだ場合に、前記第1の接続部が前記第2の接続部に対向するように、前記第2の折り畳み線に沿って折り畳まれて前記第2の開口に挿入されていてもよい。
【0010】
[5]上記発明において、前記突出片は、前記第1の接続部を前記第2の接続部に向かって露出させる第3の開口を有していてもよい。
【0011】
[6]本発明に係る配線板組立体は、上記のフレキシブルプリント配線板を備える配線板組立体であって、前記基材は、前記第1の折り畳み線に沿って折り畳まれており、前記突出片は、前記第1の接続部が前記第2の接続部に対向するように、前記第2の開口に挿入されている配線板組立体である。
【0012】
[7]上記発明において、前記第1の領域は、前記第1の開口が形成された本体部を有し、前記突出片は、第2の折り畳み線を介して前記本体部に接続されており、前記突出片は、前記第1の接続部が前記第2の接続部に対向するように、前記第2の折り畳み線に沿って折り畳まれて前記第2の開口に挿入されていてもよい。
【0013】
[8]上記発明において、前記配線板組立体は、前記第1及び第2の接続部の間に介在し、前記第1及び第2の接続部を電気的に接続する接続部材をさらに備えていてもよい。
【0014】
[9]上記発明において、前記配線板組立体は、前記接続部材を覆う樹脂部材をさらに備えていてもよい。
【0015】
[10]本発明に係るヒータ付き構造体は、上記の配線板組立体と、接着剤を介して前記配線板組立体が貼り付けられている被加熱体と、を備えるヒータ付き構造体である。
【発明の効果】
【0016】
本発明であれば、基材を第1の折り畳み予定線に沿って折り畳んだ場合に、突出片を第2の開口に挿入することにより、第1及び第2の接続部を対向させることができる。これにより、基材の片側の主面に設けられた第1及び第2の接続部同士を電気的に接続することができるため、第1及び第2の接続部間の接続信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態における配線板組立体の一例を示す展開図である。
【
図3】
図3は、
図1のフレキシブルプリント配線板を折り畳むことで形成された配線板組立体の一例を示す平面図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施形態におけるヒータ付き構造体の一例を示す断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の第1実施形態におけるフレキシブルプリント配線板の変形例を示す平面図である。
【
図7】
図7は、本発明の第2実施形態における配線板組立体の一例を示す展開図である。
【
図8】
図8は、
図7のフレキシブルプリント配線板を折り畳むことで形成された配線板組立体の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
≪第1実施形態≫
図1は、第1実施形態における配線板組立体100の一例を示す展開図であり、
図2は、
図1のII-II線に沿った断面図である。
図3は、
図1のフレキシブルプリント配線板1を折り畳むことで形成された配線板組立体100の一例を示す平面図であり、
図4は、
図3のIV-IV線に沿った断面図である。なお、
図1及び
図3には、配線パターン20の理解を容易にするために、カバーレイ30を図示していない。
【0020】
図3及び
図4に示すように、配線板組立体100は、第1の折り畳み線L
1及び第2の折り畳み線L
2に沿って折り畳まれたフレキシブルプリント基板1と、フレキシブルプリント配線板1の第2の主面10b同士を接着する接着部材2と、フレキシブルプリント基板1の第1の接続部21と第2の接続部25とを電気的に接続する接続部材3と、第2の接続部25、及び、接続部材2を覆う樹脂部材4と、を備えている。なお、
図4において、第1及び第2の折り畳み線L
1,L
2が幅を有している例を図示しているが、第1及び第2の折り畳み線L
1,L
2が幅を有していなくてもよい。
【0021】
この配線板組立体100におけるフレキシブルプリント配線板1は、
図1及び
図2に示すように、基材10と、基材10の第1の主面10aに形成された配線パターン20と、配線パターン20を覆うカバーレイ30と、を備えている。
【0022】
基材10は、可撓性を有する矩形の樹脂フィルムである。この基材10は、樹脂材料等の電気絶縁性を有する材料から構成されている。特に限定されないが、この基材10を構成する材料としては、例えば、ポリイミド(PI)、液晶ポリマ(LCP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、及び、アラミド等を例示することができる。
【0023】
図1及び
図2に示すように、基材10は、第1の領域R
1と、第1の折り畳み線L
1を介して第1の領域R
1に隣り合う第2の領域R
2と、を有している。この基材10は、
図3及び
図4を参照しながら後述するように、第2の主面10b同士を合わせるように第1の折り畳み線L
1に沿って折り畳まれる。このように折り畳まれたフレキシブルプリント配線板1において、第1及び第2の領域R
1,R
2は相互に積層される。
【0024】
図1及び
図2に示すように、基材10の第1の領域R
1は、第1の本体部11と、第1の開口12と、突出片13と、を有している。
【0025】
図1に示すように、本実施形態における第1の本体部11は、矩形の環状の形状を有している部分であり、第1の領域R
1の外周部分を構成している。この第1の本体部11は、第1の折り畳み線L
1において第2の領域R
2と接続されている。
【0026】
第1の本体部11の内側に、第1の開口12が設けられている。この第1の開口12は、基材10を厚さ方向(図中のZ方向)に貫通している。本実施形態における第1の開口12は、矩形の平面形状を有している。なお、第1の開口12の平面形状は矩形に限定されず、矩形以外の多角形や、円等であってもよい。
【0027】
第1の開口12は、
図4に示すように、基材10が第1の折り畳み線L
1に沿って折り畳まれた場合に、基材10を介してヒータ部24と対向する位置に配置されている。また、この場合に、第1の開口12は、平面視において、コイル回路23の内側に位置するように配置されている。
【0028】
また、基材10が第1の折り畳み線L
1に沿って折り畳まれた場合に、ヒータ回路24は、平面視において、第1の開口12の内側に位置するように配置されている。すなわち、ヒータ回路24は、基材10が第1の折り畳み線L
1に沿って折り畳まれた場合に、基材10を介して第1の開口12と対向している。これにより、ヒータ回路24から生じる熱が、第1の開口12側に伝わり難くなるため、後述する
図5に示すように、被加熱体202を第1の開口12とは反対側に配置した場合に、当該被加熱体202を効率よく加熱することができる。
【0029】
図1に示すように、第1の開口12内に、L字型の平面形状を有する突出片13が設けられている。この突出片13は、第2の折り畳み線L
2を介して第1の本体部11に接続されていると共に、第1の本体部11から第1の開口12内に突出している。なお、突出片13の平面形状はL字型に限定されない。例えば、直線状の平面形状を有していてもよいし、或いは、L字型のように屈曲部分を1か所のみ有しているのではなく、2か所以上の屈曲部分を有する平面形状を有していてもよい。
【0030】
この突出片13は、
図3及び
図4に示すように、基材10が第1の折り畳み線L
1に沿って折り畳まれた場合に、第2の折り畳み線L
2に沿って折り畳まれ、第2の領域R
2の第2の開口16に挿入される。これにより、突出片13に設けられた第1の接続部21は、第2の接続部25と対向する。
【0031】
なお、本実施形態では、突出片13を1本の第2の折り畳み線L2で1回折り畳む場合を例示しているがこれに限定されない。突出片13に、2本以上の第2の折り畳み線L2が形成されていてもよい。すなわち、突出片13が複数個所で折り畳まれることにより、第1の接続部21と第2の接続部25とが第3の開口14を介することなく直接対向してもよい。
【0032】
また、この突出片13は、第1の折り畳み線L
1に沿って折り畳まれた場合に、第2の開口16と重なるような位置に形成されている。つまり、本実施形態の第2の折り畳み線L
2が、
図1に示すように、第1の折り畳み線L
1に対して第2の開口16と略線対称となるような位置に配置されている。
【0033】
この突出片13は、根元部13aと、先端部13bと、を有している。根元部13aは、第2の折り畳み線L2を介して第1の本体部11と接続されており、第1の本体部11から、-X方向に向かって、第1の折り畳み線L1から離れるように突出している。
【0034】
先端部13bは、根元部13aと接続されており、根元部13aから+Y方向に向かって突出している。一方で、先端部13bは、第1の本体部11とは離間しており、先端部13bと第1本体部11との間に空隙が形成されている。
【0035】
図2に示すように、この先端部13bに第3の開口14が形成されている。この第3の開口14は、基材10を厚さ方向に貫通しており、配線パターン20の第1の接続部21と重なる位置に配置されている。また、第3の開口14の幅は、第1の接続部21の幅よりも小さくなっている。
【0036】
この第3の開口14は、基材10から第1の接続部21を露出させている。
図4に示すように、突出片13を第2の折り畳み線L
2に沿って折り畳み、第2の開口16に挿入した場合、この第3の開口14は、第1の接続部21を第2の接続部25に向かって露出させる。
【0037】
図1及び
図2に示すように、第2の領域R
2は、第2の本体部15と、第2の開口16と、を有している。本実施形態における第2の本体部11は、矩形の形状を有している部分であり、第1の折り畳み線L
1において第1の領域R
1と接続されている。
【0038】
この第2の本体部15に、第2の開口16が設けられている。この第2の開口16は、基材10を厚さ方向に貫通している。本実施形態における第2の開口16は、矩形の平面形状を有している。なお、第2の開口16の平面形状は矩形に限定されず、矩形以外の多角形や、円等であってもよい。
【0039】
図1及び
図2に示すように、本実施形態における第2の開口16は、第2の接続部25と隣り合うように第2の接続部25の近傍に配置されている。また、この第2の開口16は、第2の接続部25とヒータ回路24との間に配置されている。
【0040】
また、第2の開口16は、
図3及び
図4に示すように、基材10を第1の折り畳み線L
1に沿って折り畳んだ場合に、平面視において、コイル回路23の内側に位置するように配置されている。
【0041】
第2の開口16は、第1の接続部21を第2の接続部25に対向させるように突出片13を挿入可能な開口である。具体的には、基材10を第1の折り畳み線L1に沿って折り畳んだ場合に、突出片13の一部と第2の開口16とが平面視において重複するような位置に第2の開口16を配置する。
【0042】
すなわち、まず、基材10を第1の折り畳み線L1に沿って折り畳む。このとき、第2の開口16は、突出片13の一部と対向する。次に、基材10を第1の折り畳み線L1に沿って折り畳んだ状態で、突出片13を第2の折り畳み線L2に沿って折り畳むことにより、突出片13が開口に挿入され、第1の接続部21と第2の接続部25とが対向する。
【0043】
また、本実施形態では、
図1及び
図3に示すように、第2の折り畳み線L
2の延在方向(図中のY方向)である第1の方向において、第2の開口16の長さは、突出片13の長さよりも若干大きくなっている。これにより、第2の開口16に突出片13を容易に挿入できる。なお、第1の方向における第2の開口16の長さは、突出片13の挿入が可能であれば、突出片13の長さ以下であってもよい。
【0044】
図1に示すように、基材10は、第1の折り畳み線L
1上に、複数(本例では2個)の第4の開口17を有している。第4の開口は、基材10を厚さ方向に貫通する貫通孔であり、基材10を第1の折り畳み線L
1に沿って折り畳みやすくするために設けられている。
【0045】
図1及び
図2に示すように、基材10の第1の主面10aには、配線パターン20が形成されている。配線パターン20は、第2の主面10bには形成されておらず、第1の主面10aのみに形成されている。この配線パターン20は、金属又はカーボン等の導電性材料から構成されている。この配線パターン20を構成する金属としては、例えば、銅、銀、金を例示することができる。
【0046】
基材10に配線パターン20を形成する方法としては、特に限定されないが、サブトラクティブ法やセミアディティブ法等の方法を例示することができる。或いは、導電性粒子を含む導電性ペーストを基材10上に印刷し、当該導電性ペーストを硬化させることにより、配線パターン20を形成してもよい。
【0047】
図1に示すように、配線パターン20は、第1の接続部21と、第1の接続配線22と、コイル回路23と、ヒータ回路24と、第2の接続部25と、を有している。第1の接続部21と、第1の接続配線22と、コイル回路23と、ヒータ回路24と、第2の接続部25と、は一体的に形成されている。なお、本実施形態におけるヒータ回路24は、本発明における「発熱体」の一例に相当する。
【0048】
第1の接続部21は、配線パターン20の一端を構成している矩形の平面形状を有するパッドである。
図2に示すように、この第1の接続部21は、突出片13の先端部13bにおいて、第3の開口14を覆うように配置されている。
【0049】
図3及び
図4に示すように、基材10を第1の折り畳み線L
1を介して折り畳んだ際に、この第1の接続部21は、第3の開口14を介して、基材10から第2の接続部25に向かって露出しており、第2の接続部25に対向している。
【0050】
本実施形態では、第1及び第2の折り畳み線L
1,L
2が、いずれも第1の方向(図中のY方向)に延在しており、相互に平行となっている。また、本実施形態における第1の接続部21は、第1の方向に垂直な第2の方向(図中のX方向)に沿って第1の接続部21を投影した場合に第2の接続部25と重なるように配置されている。このような場合、
図3及び
図4に示す距離D
1から距離D
2を減算した値が距離D
3と等しくなっていれば(D
1-D
2=D
3)、第1及び第2の接続部21,25を対向させることができる。なお、
図1及び
図2に示すように、距離D
1は第1及び第2の折り畳み線L
1,L
2間の距離であり、距離D
2は第2の折り畳み線L
2から第1の接続部21までの距離であり、距離D
3は第1の折り畳み線L
1から第2の接続部25までの距離である。また、距離D
1~D
3は、いずれも、第2の方向における距離である。
【0051】
なお、第1及び第2の接続部21,25を対向させるための条件は、上記の例に限定されない。上記の例以外の条件であっても、突出片13の形状と、第1及び第2の折り畳み線L1,L2の位置及び延在方向と、第1及び第2の接続部21,25の位置等を適切に設計することで、第1及び第2の接続部21,25を対向させることができる。
【0052】
図1に示すように、第1の接続部21に、第1の接続配線22を介してコイル回路23が接続されている。第1の接続配線22は、突出片13から第1の本体部11に亘って形成されており、第1の接続部21と、コイル回路23の一端とを接続している。
【0053】
コイル回路23は、外部からの電磁波を受信するためのループアンテナである。このコイル回路23は、受信した電磁波による電磁誘導を利用して誘導電流を発生させ、発生した誘導電流をヒータ回路に供給する。
図1に示すように、コイル回路23は、複数(本例では2つ)の第1のループ部23a,23bと、複数(本例では2つ)の第2のループ部23c,23dと、を有している。
【0054】
図1に示すように、第1のループ部23aは、第1の領域R
1に形成されており、基材10の第1の領域R
1の第1の開口12の縁に沿った矩形の環状の形状を有している。第1の領域R
1において、この第1のループ部23aの外側に第1のループ部23bが設けられている。第1のループ部23bは、第1のループ部23aに実質的に平行に延在する矩形の環状の形状を有していると共に、第1のループ部23aと接続されている。
【0055】
第2のループ部23cは、第2の領域R2に形成されており、基材10の第2の領域R2の外縁に沿った矩形の環状の形状を有している。この第2のループ部23cは、第1のループ部23bと接続されている。第2の領域R2において、この第2のループ部23cの内側に第2のループ部23dが設けられている。
【0056】
第2のループ部23dは、第1の部分23d1と、第2の部分23d2と、から構成された環状の形状を有している。本実施形態では、第1及び第2の部分23d1,23d2の間に、ヒータ回路24が介在している。
【0057】
第1の部分23d1は、第2のループ部23cに実質的に平行に延在するL字型の形状を有していると共に、第2のループ部23cとヒータ回路24との間に介在している。第2の部分23d2は、第2のループ部23cに実質的に平行に延在するL字型の形状を有していると共に、ヒータ回路24と第2の接続部25との間に介在している。
【0058】
すなわち、第1及び第2のループ部23a~23dは、一本の配線からなる矩形の渦巻形状を形成している。
図4に示すように、第1及び第2のループ部23a~23dは、第1の折り畳み線L
1に沿って基材10を折り畳んだ場合に、相互に重なっている。また、このとき、第1及び第2のループ部23a~23dは、相互に実質的に同軸状に位置している。
【0059】
つまり、基材10を第1の折り畳み線L1に沿って折り畳むことにより、コイル回路23の巻き数を増やすことができるため、発電効率を向上させることができる。なお、コイル回路23の巻き数は上記に特に限定されず、第1及び第2のループ部23a~23dの形状も上記に特に限定されない。
【0060】
ヒータ回路24は、抵抗加熱により発熱する回路である。このヒータ回路24の抵抗率は、コイル回路23の抵抗率よりも大きくなっている。ヒータ回路24の抵抗率をコイル回路23の抵抗率よりも大きくするためには、ヒータ回路24の配線の断面積を、コイル回路23の配線の断面積よりも小さくすればよい。
【0061】
例えば、本実施形態では、ヒータ回路24における配線幅W2が、コイル回路23における配線幅W1よりも細くなっていることで(W2<W1)、ヒータ回路24の断面積を小さくしている。或いは、ヒータ回路24における配線高さH2を、コイル回路23における配線高さH1よりも低くすることで(H2<H1)、ヒータ回路24の断面積を小さくしてもよい。なお、本実施形態では、ヒータ回路24及びコイル回路23を、同一材料により一体的に形成しているため、断面積によって抵抗率を調節しているが、これに限定されない。例えば、ヒータ回路24を構成する材料を、コイル回路23を構成する材料よりも高抵抗の材料としてもよい。
【0062】
図1に示すように、このヒータ回路24は、コイル回路23の第2のループ部23c、23dの内側に形成されている。このヒータ回路24は、
図3及び
図4に示すように、基材10を第1の折り畳み線L
1に沿って折り畳んだ場合に、平面視において第1及び第2のループ部23a~23dの内側に位置するように、第2の領域R
2に配置されている。
【0063】
このヒータ回路24は、±Y方向に繰り返し折り返されて蛇行する複数(本例では2つ)の蛇行部24a,24bを有している。蛇行部24aは、第2のループ部23dの第1の部分23d1と接続されており、第1の部分23d1から図中の-X方向に延在している。蛇行部24bは、蛇行部24aと接続されており、蛇行部24aとは反対の+X方向に延在している。この蛇行部24bは、第2のループ部23dの第2の部分23d2と接続されている。
【0064】
図6は、第1実施形態におけるフレキシブルプリント配線板の変形例を示す平面図である。なお、
図1及び
図3と同様に、
図6には、配線パターン20の理解を容易にするために、カバーレイ30を図示していない。上記の実施形態では、ヒータ回路24は第2の領域R
2に設けられているが、これに限定されず、
図6に示す変形例におけるフレキシブルプリント配線板1Bのように、ヒータ回路24は第1の領域R
2に設けられていてもよい。
【0065】
図1に示す第1実施形態では、第1の開口12が第1のループ部23a,23bの内側の領域の略全域に形成されているが、この変形例では、第1の開口12Bが、突出片13の近傍の領域にのみ形成されている。そして、第1の開口12Bと隣り合うように、ヒータ回路24Bが形成されている。このヒータ回路24Bは、第1のループ部23a内に形成されている。また、特に図示しないが、ヒータ回路が、第1の領域R
1と第2の領域R
2の両方に形成されていてもよい。
【0066】
また、この変形例では、第2の開口16Bが、第2のループ部23c,23dの内側の領域の略全域に形成されている。これにより、基材10を第1の折り畳み線L1に沿って折り畳んだ場合に、ヒータ回路24Bが、平面視において、第2の開口16Bの内側に配置される。このため、ヒータ回路24Bから生じる熱が、第2の開口16B側に伝わり難くなるため、被加熱体202を第2の開口16Bとは反対側に配置した場合に、当該被加熱体202を効率よく加熱することができる。
【0067】
図1に戻り、第2の部分23d
2に、第2の接続部分25が接続されている。第2の接続部分25は、配線パターン20の他端を構成している矩形の平面形状を有するパッドである。
図4に示すように、基材10を第1の折り畳み線L
1に沿って折り畳んだ場合に、この第2の接続部25は、接続部材3を介して、配線パターン20の一端を構成する第1の接続部21と電気的に接続される。
【0068】
図2に示すように、カバーレイ30は、配線パターン20を保護するための層である。カバーレイ30は、基材10の第1の開口12と、第2の開口14と、第4の開口17と、配線パターン20の第2の接続部25と、を除く部分を覆うように基材10上に形成されている。第1の接続部21は、カバーレイ30により覆われている。このカバーレイ30は、可撓性を有すると共に長尺の帯形状を有するフィルムから構成されている。カバーレイ30は、樹脂材料等の電気絶縁性を有する材料から構成されている。
【0069】
カバーレイ30は、保護層31と接着層32からなる二層構造を有している。保護層31は、配線パターン20を保護するための層である。保護層31は、可撓性を有すると共に長尺の帯形状を有するフィルムから構成されている。この保護層31は、樹脂材料等の電気絶縁性を有する材料から構成されている。特に限定されないが、この保護層31を構成する材料としては、ポリイミド(PI)、液晶ポリマ(LCP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、及び、アラミド等を例示することができる。
【0070】
接着層32は、保護層31を基材10の上面に接着するための層である。接着層32は、例えば、エポキシ系接着剤やアクリル系接着剤から構成されている。
【0071】
なお、カバーレイ30を形成する方法は、特に上記に限定されない。例えば、カバーレイ30として、感光性カバーレイ材料からなるドライフィルムを用いて形成してもよいし、或いは、液状の感光性カバーレイ材料を露光及び現像することで、カバーレイ30を形成してもよい。或いは、液状のカバーレイインクを印刷することで、カバーレイ30を形成してもよい。
【0072】
或いは、カバーレイ30をソルダレジストで構成してもよい。具体的には、感光性レジスト材料からなるドライフィルムを用いてカバーレイ30を形成してもよい。或いは、液状の感光性レジスト材料を露光及び現像することで、カバーレイ30を形成してもよい。或いは、液状のソルダレジストインクを印刷することで、カバーレイ30を形成してもよい。
【0073】
以上のようなフレキシブルプリント配線板1を以下のように折り畳むことによって、配線板組立体100は形成されている。まず、基材10の第1の本体部11の第2の主面10bに枠状に接着部材2を塗布する。この接着部材2としては、接着剤を用いることができる。接着剤としては、アクリル樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、ポリエステル樹脂系接着剤等を用いることができる。
【0074】
次に、フレキシブルプリント配線板1を、第1の折り畳み線L
1に沿って山折りする(
図1において、紙面奥側に第1及び第2の領域R
1,R
2を押すことによりフレキシブルプリント配線板1を折り畳む)。このとき、接着部材2が、第1の本体部11の第2の主面10bと、第2の本体部15の第2の主面10bと、の間に介在し、第2の主面10b同士を接着する。これにより、接着部材2は、フレキシブルプリント配線板1を折り畳まれた状態に固定している。
【0075】
次いで、フレキシブルプリント配線板1を、第2の折り畳み線L
2に沿って山折りする(
図1において、紙面奥側に突出片13を押すことによりフレキシブルプリント配線板1を折り畳む)。これにより、第1及び第2の接続部21,25が対向する。
【0076】
そして、接続部材3を、相互に対向している第1の接続部21と第2の接続部25の間に介在させる。第1の接続部21と第2の接続部25とは、この接続部材3を介して電気的に接続される。この接続部材3は、導電性を有する材料から構成されている。導電性を有する材料としては、例えば、半田等を用いることができる。
【0077】
この接続部材3の周囲に樹脂材料を塗布して硬化させることにより、接続部材3及び第2の接続部25の周囲を樹脂部材4によって覆う。この樹脂部材4は、接続部材3及び第2の接続部25を保護している。この樹脂部材4としては、熱硬化性樹脂又はUV硬化性樹脂などを用いることができる。熱硬化性樹脂又はUV硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等を例示することができる。
【0078】
このようにして組み立てられた配線板組立体100には、
図4に示すように、第1及び第2のループ部23a~23dが積層されたコイル回路23と、コイル回路23の内側に形成されたヒータ回路24と、が形成される。
【0079】
この配線体組立体100では、コイル回路23が外部から電磁波を受信して誘導電力を発生させる。つまり、配線体組立体100に外部から電源ケーブルを接続したり、外部の金属電極と接触させたりすることなく、配線体組立体100に電力を伝送する非接触送電を行うことができる。このコイル回路23では、フレキシブルプリント配線板1を折り畳んだ状態において、第1のループ部23a,23bにおける誘導電流の流れる向きと、第2のループ部23c,23dにおける誘導電流の流れる向きと、が同一方向となる。
【0080】
また、ヒータ回路24における抵抗率が、コイル回路23における抵抗率よりも大きくなっているので、コイル回路23から供給された誘導電流によりヒータ回路24が発熱する。このように、本実施形態の配線体組立体100は、非接触で供給された電力により発熱する加熱装置として機能する。
【0081】
なお、配線板組立体100を被加熱体に直接接着する場合には、被加熱体との接着面においてカバーレイ30を省略してもよい。
図5は、第1実施形態におけるヒータ付き構造体200の一例を示す断面図である。このヒータ付き構造体200では、被加熱体202との接着面においてカバーレイ30が省略されており、当該接着面は、接着剤201を介して被加熱体202に貼り付けられている。
【0082】
以上のように、本実施形態であれば、基材10の第1の主面10aのみに形成された第1及び第2の接続部21,25の位置が、基材10を折り曲げた段階で、平面視において相互に対向するように設計されている。このため、フレキシブルプリント配線板1に、基材10を貫通する導体柱やバイアホールを設けることなく、第1及び第2の接続部21,25を電気的に接続することができる。よって、第1及び第2の接続部21,25間の接続部分が、ヒータ回路24の発熱により温度変化しても、当該接続部分に応力が集中することがなく、接続信頼性を向上させることができる。
【0083】
また、本実施形態では、配線パターン20は片面のみに形成されるため、配線パターンを両面に形成する場合に比べて、フレキシブルプリント配線板1の製造コストを低減することができる。
【0084】
また、本実施形態では、バイアホールを設ける必要が無いため、当該バイアホールを形成するためのめっき工程が不要である。よって、配線パターン20の厚さを薄くすることができるため、微細な回路形成が可能となる。
【0085】
また、本実施形態では、コイル回路23が無線で発電し、ヒータ回路24に電力を供給することができるため、配線板組立体100の外部から有線で電力を供給する必要がない。よって、外部からの有線との接続部分を形成する必要がないため、配線パターン20の設計自由度を向上できると共に、配線板組立体100を小型化及び薄型化することができる。
【0086】
また、本実施形態では、コイル回路23とヒータ回路24のように異なる機能を有する部分が配線パターン20として一体的に形成されている。つまり、従来のように、異なる部品同士を半田等で接続する必要が無いため、接続信頼性が向上する。
【0087】
また、本実施形態であれば、ヒータ回路24がコイル回路23の内側に位置するため、コイル回路23の内側のスペースを効率よく活用することができ、配線板組立体100を小型化及び薄型化することができる。
【0088】
同様に、第1及び第2の接続部21,25と第2の開口16もコイル回路23の内側に位置するため、第1及び第2の接続部21,25の接続部分もコイル回路23の内側に位置する。このため、フレキシブルプリント配線板1の基材10の外周部にコイル回路23を形成することで、コイル回路23の内径を大きくすることができ、ヒータを配置するスペースも大きくすることができる。
【0089】
≪第2実施形態≫
図7は、第2実施形態における配線板組立体100Cの一例を示す展開図であり、
図8は、
図7のフレキシブルプリント配線板1Cを折り畳むことで形成された配線板組立体100Cの一例を示す断面図である。
【0090】
本実施形態では、基材10Cが第2の折り返し線L2を有しておらず、突出片13を折り畳むことなく第1及び第2の接続部21,25を対向させる点で第1実施形態と相違するが、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。以下に、第2実施形態における基材10Cについてのみ説明し、第1実施形態と同様の構成である部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0091】
図7に示すように、フレキシブルプリント配線板1Cでは、第2の領域R
2において、第2の開口16Cが、第1の折り返し線L
1と第2の接続部25との間に配置されている。突出片13は、
図8に示すように、折り畳まれることなくこの第2の開口16Cに挿入される。
【0092】
また、
図7及び
図8において、距離D
3と距離D
4が等しくなっている(D
3=D
4)。距離D
3は、上記の通り、第1の折り畳み線L
1から第2の接続部25までの距離である。距離D
4は、第1の折り畳み線L
1から第1の接続部21までの距離である。また、距離D
3,D
4は、いずれも、第2の方向における距離である。
【0093】
よって、この第2実施形態では、
図8に示すように、突出片13が折り畳まれることなく第2の開口16Cに挿入されることで、第1及び第2の接続部21,25が相互に対向する。このため、本実施形態では、第1実施形態における第3の開口14を設けることなく、第1及び第2の接続部21,25を対向させることができる。また、本実施形態では、第2の接続部25及び接続部材3に加えて、第1の接続部21も樹脂部材4により覆われている。
【0094】
本実施形態における配線板組立体100Cおいても、第1実施形態と同様に、第1及び第2の接続部21,25の位置が、基材10を折り曲げた段階で、平面視において相互に対向するように設計されているので、接続信頼性を向上させることができる。
【0095】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。従って、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0096】
例えば、上記実施形態では、発熱体の一例として、配線のみから成るヒータ回路24を例示しているが、これに限定されない。例えば、発熱体として、蛇行部24a,24bの間にカーボン材料を介在させ、カーボン材料の抵抗加熱により発熱体を使用してもよい。或いは、発熱体は、ヒータ素子や、作動することで発熱を伴う素子であってもよい。作動することで発熱を伴う素子としては、例えば、LED(light emitting diode)等の発光素子を使用できる。
【0097】
また、基材10に、コイルを制御するためのコイル制御回路や、発熱体を制御するためのヒータ制御回路がさらに設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0098】
100,100B,100C…配線板組立体
1,1B,1C…フレキシブルプリント配線板
10…基材
10a…主面
11…第1の本体部
12,12B…第1の開口
13…突出片
13a…根元部
13b…先端部
14…第3の開口
15…第2の本体部
16,16B,16C…第2の開口
17…第4の開口
20…配線パターン
21…第1の接続部
22…第1の接続配線
23…コイル回路
23a,23b…第1のループ部
23c,23d…第2のループ部
24,24B…ヒータ回路
24a,24b…蛇行部
25…第2の接続部
30…カバーレイ
31…保護層
32…接着層
L1,L2…第1及び第2の折り畳み線
VL…仮想直線
2…接着部材
3…接続部材
4…樹脂部材
200…ヒータ付き構造体
201…接着剤
202…被加熱体