(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183818
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】電気機器収納用箱と電気装置の設置構造及び電気機器収納用箱と電気装置を電柱に設置する方法
(51)【国際特許分類】
H02B 3/00 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
H02B3/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091308
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】船橋 達治
(72)【発明者】
【氏名】水越 隆
(57)【要約】
【課題】電気機器収納用箱と電気装置の転倒防止を容易に行えるようにすること。
【解決手段】電柱4から電線を引き込む電気機器収納用箱1と、電気機器収納用箱1と電気的に接続される電気装置2を備え、電気機器収納用箱1が転倒しないように電柱4で支えるとともに、電気装置2が転倒しないように電柱4で支えることを特徴とする電気機器収納用箱1と電気装置2の設置構造とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電柱から電線を引き込む電気機器収納用箱と、電気機器収納用箱と電気的に接続される電気装置を備え、
電気機器収納用箱が転倒しないように電柱で支えるとともに、電気装置が転倒しないように電柱で支えることを特徴とする電気機器収納用箱と電気装置の設置構造。
【請求項2】
電気機器収納用箱及び電気装置は、平面視で、電気機器収納用箱の重心と電柱の中心を結ぶ線と、電気装置の重心と電柱の中心を結ぶ線と、がなす角度が0度より大きく360度より小さくなるような位置に設置されている請求項1に記載の電柱への設置構造。
【請求項3】
電気機器収納用箱の底面の高さが電気装置の底面の高さと異なるように配置されている請求項1又は2に記載の電柱への設置構造。
【請求項4】
電気機器収納用箱と電気装置の間に電柱が位置する請求項1から3の何れかに記載の電柱への設置構造。
【請求項5】
電気機器収納用箱を載置する取付台が電柱に固定された請求項1から4の何れかに記載の電柱への設置構造。
【請求項6】
電気機器収納用箱を載置する取付台と、電気装置を載置する取付台とが、電柱を挟むように固定された請求項1から5の何れかに記載の電柱への設置構造。
【請求項7】
電気機器収納用箱と電気装置を電柱に設置する方法であって、
電柱を挟むように電柱に取付台を固定するステップと、
取付台の上に、電柱から電線を引き込む電気機器収納用箱と、電気機器収納用箱と電気的に接続される電気装置と、を載置するステップと、
電気機器収納用箱及び電気装置が転倒しないように電柱で支えるステップと、
を備える電気機器収納用箱と電気装置を電柱に設置する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器収納用箱と電気装置の設置構造及び電気機器収納用箱と電気装置を電柱に設置する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用充電装置や高圧受電設備等を配置する場合、それぞれに対して、基礎工事を行った上で、配線のために地面の掘削作業を行うことなどが行われていた。しかし、このような作業は現地での作業に手間がかかるという問題があった。それに対して、特許文献1に記載の技術では、車両用充電装置と高圧受電設備をあらかじめ基台上に配置するものとしており、設置に伴う各種作業を軽減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
しかしながら、この方法であっても、車両用充電装置などが転倒することを抑制するために、基台を地面にアンカーボルトで固定する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、電気機器収納用箱と電気装置の転倒防止を容易に行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、電柱から電線を引き込む電気機器収納用箱と、電気機器収納用箱と電気的に接続される電気装置を備え、電気機器収納用箱が転倒しないように電柱で支えるとともに、電気装置が転倒しないように電柱で支えることを特徴とする電気機器収納用箱と電気装置の設置構造とする。
【0007】
また、電気機器収納用箱及び電気装置は、平面視で、電気機器収納用箱の重心と電柱の中心を結ぶ線と、電気装置の重心と電柱の中心を結ぶ線と、がなす角度が0度より大きく360度より小さくなるような位置に設置されている構成とすることが好ましい。
【0008】
また、電気機器収納用箱の底面の高さが電気装置の底面の高さと異なるように配置されている構成とすることが好ましい。
【0009】
また、電気機器収納用箱と電気装置の間に電柱が位置する構成とすることが好ましい。
【0010】
また、電気機器収納用箱を載置する取付台が電柱に固定された構成とすることが好ましい。
【0011】
また、電気機器収納用箱を載置する取付台と、電気装置を載置する取付台とが、電柱を挟むように固定された構成とすることが好ましい。
【0012】
また、電気機器収納用箱と電気装置を電柱に設置する方法であって、電柱を挟むように電柱に取付台を固定するステップと、取付台の上に、電柱から電線を引き込む電気機器収納用箱と、電気機器収納用箱と電気的に接続される電気装置と、を載置するステップと、電気機器収納用箱及び電気装置が転倒しないように電柱で支えるステップと、を備える電気機器収納用箱と電気装置を電柱に設置する方法とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明を用いれば、電気機器収納用箱と電気装置の転倒防止を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】電柱に電気機器収納用箱及び電気装置を設置した例を示す図である。
【
図2】
図1に示す例の電気機器収納用箱などを側面から見た図である。
【
図3】
図1に示す例の電気機器収納用箱などの斜視図である。ただし、電線は省略している。
【
図4】
図1に示す例の電気機器収納用箱などの平面図である。ただし、電線は省略している。
【
図5】
図1に示す取付台と電柱の分解斜視図である。
【
図6】
図1に示す例とは異なる形態の取付台と電柱の分解斜視図である。
【
図7】取付台を地表面に接するように配置した例を示す図である。
【
図8】電気機器収納用箱を載置する取付台と電気装置を載置する取付台の高さを異なるようにした例を示す図である。
【
図9】電気機器収納用箱と電気装置の向きを同じにした例を示す図である。
【
図10】電柱を中心に異なる三方に電気機器収納用箱と電気装置を配置した例を示す図である。
【
図12】
図10に示す例で使用される取付台と電柱の分解図である。
【
図13】
図10に示す例の取付台を一つ取り除いた状態を示す図である。
【
図15】電柱を中心に異なる四方に電気機器収納用箱と電気装置を配置した例を示す図である。
【
図17】
図15に示す例で使用される取付台と電柱の分解図である。
【
図18】
図15に示す例の取付台を二つ取り除いた状態を示す図である。
【
図20】二つの開口を備えた取付台と電柱の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に発明を実施するための形態を示す。
図1乃至
図4に示されていることから理解されるように、本実施形態では、電柱4から電線41を引き込む電気機器収納用箱1と、電気機器収納用箱1と電気的に接続される電気装置2の設置構造において、電気機器収納用箱1が転倒しないように電柱4で支えるとともに、電気装置2が転倒しないように電柱4で支えている。このため、電気機器収納用箱1と電気装置2の転倒防止を容易に行える。
【0016】
電気機器収納用箱1及び電気装置2の位置関係としては、平面視で、電気機器収納用箱1の重心と電柱4の中心を結ぶ線と、電気装置2の重心と電柱4の中心を結ぶ線と、がなす角度が0度より大きく360度より小さくなるような位置に設置するのが好ましい。このようにすれば、電気機器収納用箱1を支える力の向きと、電気装置2を支える力の向きが異なる方向となるため、電柱4を傾けるように働く力の大きさを抑制することができる。
【0017】
実施形態の電柱4への設置構造は、電気機器収納用箱1と電気装置2を電柱4で支えるためのものであり、電柱4に取り付ける取付台5、電気機器収納用箱1、電気装置2を備えている。取付台5は必須ではないが、電気機器収納用箱1を載置する取付台5が電柱4に固定された構成とすれば、電気機器収納用箱1を設置する高さに関わらず、電気機器収納用箱1を下から支えることができる。なお、電気機器収納用箱1を載置する取付台5と、電気装置2を載置する取付台5とが、電柱4を挟むように固定されるのが好ましい。
【0018】
電気機器収納用箱1は、分電盤、配電盤、高圧受電設備など、電柱4から電線41を引き込み、負荷へ給電するものである。電気機器収納用箱1が、分電盤や配電盤などの場合には、電柱4に設置される柱上変圧器から電気機器収納用箱1に電線41を引き込み、電気機器収納用箱1から出線して負荷へ給電する。
【0019】
また、電気装置2が発電機の場合には、発電機で発電された電気を分電盤や配電盤などの電気機器収納用箱1へ引き込み、電気機器収納用箱1から出線した電線41の接続先の負荷へ給電することができる。なお、電気機器収納用箱1が高圧受電設備などの場合には、電柱4上の配電線41から高圧ケーブルを引き込み、変圧した後に電気機器収納用箱1から出線して負荷へ給電することができる。
【0020】
電気機器収納用箱1は電気装置2と電気的に接続されるが、電気装置2は、電気機器収納用箱1から給電若しくは電気機器収納用箱1へ給電することで、電気機器収納用箱1と電気的に接続されるものである。また、電気装置2は、車両用充電装置、空調機、蓄電池、発電機など、一般的に屋外に設置されるものが例示できる。
【0021】
例えば、電気装置2が車両用充電装置、空調機、蓄電池の場合には、電気機器収納用箱1の負荷として電気的に接続されるものであるため、電気機器収納用箱1から給電される。また、太陽光発電装置や風力発電装置などの再生可能エネルギーにより発電を行う発電機の場合には、電気機器収納用箱1の電源として電気的に接続されるものであるため、別途電気機器収納用箱1に接続される負荷へ給電することができる。
【0022】
また、電柱4に固定する取付台5は、電気機器収納用箱1や電気装置2を載置するためのものである。取付台5に載置された電気機器収納用箱1と電気装置2が転倒しないように、取付金具にて、電柱4と固定するのが好ましい。取付金具の構造はいかなるものであっても構わないが、例えば、電柱4の全周を囲む取付バンド32と、電気機器収納用箱1や電気装置2に固定される金具本体31とで取付金具を形成すればよい。
【0023】
取付金具を用いる場合は、例えば、電気機器収納用箱1や電気装置2の背面若しくは側面に金具本体31をネジ又は溶接などにより固定した後、電気機器収納用箱1や電気装置2を取付台5に載置し、金具本体31に取付バンド32を通した上で電柱4を囲み、締め付けることにより取付金具を介して電気機器収納用箱1や電気装置2を電柱4に固定すればよい。
【0024】
なお、電気機器収納用箱1と電気装置2を電柱4に設置する方法は、電柱4を挟むように電柱4に取付台5を固定するステップと、取付台5の上に、電柱4から電線41を引き込む電気機器収納用箱1と、電気機器収納用箱1と電気的に接続される電気装置2と、を載置するステップと、電気機器収納用箱1及び電気装置2が転倒しないように電柱で支えるステップと、を備えるようにするのが好ましい。
【0025】
ここで、電気機器収納用箱1と電気装置2の配置などの具体的な例を幾つか説明する。なお、この説明では電気装置2が車両用充電装置であるものとして説明を行う。
【0026】
図1に示す例では、電気機器収納用箱1と電気装置2の間に電柱4が位置するように構成している。より具体的には、電気機器収納用箱1及び電気装置2である車両用充電装置を、電柱4を中心に対向する位置に設置している。この例では、取付台5は電気機器収納用箱1及び電気装置2のそれぞれに対して別途設けている。実施形態における取付台5は、電柱4の一部を内部に位置させることが可能な切欠部51を備えている。この切欠部51は、取付台5を電柱4へ固定する場合に、電柱4の一部を内部に位置させる。
【0027】
取付台5は、電線41を通過させることが可能な開口52を備えることが好ましい。このような開口52を備えていれば、取付台5に載置された電気機器収納用箱1や電気装置2の底面から内部に向けて電線41を入れるような場合に、開口52を利用することができ、配線作業がしやすくなる。
【0028】
図5に示す例では、取付台5の電柱4側とは反対側の端面から電柱4側へ向けて凹ませるように開口52を形成し、取付台5を略U字形状としている。なお、取付台5はこのような形状に限る必要は無く、
図6に示すことから理解されるように、取付台5に電線41を通過させることが可能な開口52を設けないようにしても良い。
【0029】
実施形態の取付台5は、切欠部51の左右に他の取付台5と接触可能な接続面53を備えている。隣り合う取付台5の接続面53同士を接触させて取付台5同士を接続すれば、互いの取付台5が水平方向にずれることを抑制しやすくなる。
【0030】
図4及び
図5に示す例においては、電柱4に対して、平面視で同形状の二つの取付台5を電柱4に固定しており、切欠部51の左右に位置する接続面53の双方が互いに接触するようにしているため、切欠部51の左右に位置する接続面53のなす角度は180度となっている。なお、一つの取付台5には、電気機器収納用箱1が載置されており、もう一つの取付台5には電気装置2が載置されている。また、2つの取付台5により電柱4の全周を覆うような構成となっている。
【0031】
このような取付台5を電柱4に固定する際には、先ず、既設の電柱4の両側から取付台5を電柱4の径方向に移動させて、双方の取付台5の切欠部51に電柱4の一部を嵌めるようにして電柱4を挟み込む。そして、これらの取付台5の接続面53を接続させた状態で、取付台5を電柱4に固定すればよい。
【0032】
なお、電柱4に対して取付台5を固定する構造について特に限定するものではないが、取付台5同士で固定し合うことで、電柱4に対して固定されるものとしてもよいし、各取付台5が取付バンドなどの取付金具を用いて電柱4に固定されるものとしてもよい。複数の取付台5を電柱4に固定する際に、複数の取付台5を一体で固定するものであってもよい。
【0033】
また、
図2に示すことから理解されるように、取付台5については、地表面より少し高い位置で電柱4に対して取付台5を固定することが例示できる。こうすることにより、取付台5の下方を電気機器収納用箱1及び電気装置2の配線空間として利用することができる。このように使用する場合、取付台5に配線を挿通する開口52を設けることが好ましい。
【0034】
また、
図7に示すことから理解されるように、取付台5を地表面に接するように設けてもよい。取付台5を地表面に設置することにより、電気機器収納用箱1や電気装置2から取付台5にかかる荷重を考慮する必要がなくなるため、取付台5の電柱4への固定構造を簡略化することができる。この場合、取付台5に開口52を設け、地表面と電気機器収納用箱1又は電気装置2との間の取付台5の高さ分を、電気機器収納用箱1や電気装置2に続く電線41の収納空間として利用するのが好ましい。
【0035】
また、
図8に示すことから理解されるように、電気機器収納用箱1を載置する取付台5の高さと電気装置2を載置する取付台5の高さを異ならせてもよい。電気機器収納用箱1と電気装置2のうち、重量の大きいものを低い位置に設置するものとしてもよいし、電気装置2が車両用充電装置などの操作を要するものの場合には、それら電気装置2を低い位置に設置するものとしてもよい。このようなことが可能となるため、電気機器収納用箱1の底面の高さが電気装置2の底面の高さと異なるように配置するのが好ましい。
【0036】
ところで、実施形態においては、それぞれの取付台5を取付バンド32などの取付金具を用いて固定するものとしている。また、
図8に示す例では取付台5の電柱4とは反対側の端部に脚部54を設けているが、このような形態が必須というわけでは無い。しかし、取付台5に脚部54を設ければ、取付台5を地表面より少し高い位置で電柱4に対して固定しても、電気機器収納用箱1や電気装置2の荷重を脚部54側に分散することができるため、取付台5の電柱4への固定構造を簡略化することができる。
【0037】
ところで、
図1などに示す例では、電気機器収納用箱1と電気装置2の向きは、電気機器収納用箱1と電気装置2の背面を電柱4に向けて設置するものであったが、設置場所の広さやレイアウトを考慮して、電気機器収納用箱1と電気装置2の側面を電柱4に向けて配置するものであってもよい(
図9参照)。電気機器収納用箱1と電気装置2の向きを同一方向にすることにより、メンテナンス時など、電気機器収納用箱1と電気装置2への作業をより効率よく行うことができる。
【0038】
これまでの例では、1つの電柱4に、2つの取付台5を固定しているが、1つの電柱4に取り付ける取付台5の個数は2つに限る必要は無い。
図10から
図12に示すことから理解されるように、電柱4に対して取付台5を3つ固定するようにしても良い。
図10に示す例では、平面視において延びる方向が異なるように取り付けられた3つの取付台5に電気機器収納用箱1と電気装置2を3台設置する構造を示すものである。なお、取付台5の高さについては、先に記した例と同様、地表面に接するものであってもよいし、異なるものであってもよい。
【0039】
この例においても、取付台5は切欠部51と開口52を有している。
図8から
図10に示す例においては、電柱4に対して、平面視で略同形状の3つの取付台5で電柱4を囲うようにするため、切欠部51の左右両側に位置する接続面53のなす角度を120度としている。
【0040】
ところで、このような形態の取付台5を使用するに際して、3つの取付台5をセットにして使用する必要は無い。例えば、
図13及び
図14に示すことから理解されるように、2つの取付台5のみを使用して互いの取付台5の延びる方向のなす角度が120度となるようにしても良い。取付台5が120度の角度をなすように設置することにより、電気機器収納用箱1と電気装置2を一方側に寄せることができるため、壁近くに設置された電柱4などであっても、電気機器収納用箱1と電気装置2を設置することができる。もちろん、2つの取付台5を離して電柱4に固定してもよい。
【0041】
図15から
図17に示すことから理解されるように、一本の電柱4に対して取付台5を4つ固定するようにしても良い。
図15に示す例では、平面視において延びる方向が異なるように取り付けられた4つの取付台5に電気機器収納用箱1と電気装置2を4台設置する構造を示すものである。なお、取付台5の高さについては、先に記した例と同様、地表面に接するものであってもよいし、異なるものであってもよい。
【0042】
この例においても取付台5は切欠部51と開口52を有している。この例では、電柱4に対して、平面視で略同形状の4つの取付台5で電柱4を囲うようにするため、切欠部51の左右両側に位置する接続面53のなす角度が90度となっている。
【0043】
このような形態の取付台5の場合でも、4つをセットにして使用する必要は無い。例えば、
図18及び
図19に示すことから理解されるように、2つの取付台5のみを使用して互いの取付台5の延びる方向のなす角度が90度となるようにしても良い。取付台5が90度の角度をなすように設置することにより、電気機器収納用箱1と電気装置2を一方側に寄せることができるため、壁近くに設置された電柱4などであっても、電気機器収納用箱1と電気装置2を設置することができる。もちろん、2つの取付台5を離して電柱4に固定してもよい。
【0044】
上記した例では、取付台5の切欠部51の左右両側に位置する接続面53のなす角度が180度、120度、90度の場合を説明したが、その角度は、それらに限定されるものではなく、任意の角度とすることができる。例えば、取付台5の切欠部51の左右両側に位置する接続面53のなす角度を72度として、5つの取付台5で電柱4の全周を覆うものであってもよいし、60度として、6つの取付台5で電柱4の全周を覆うものであってもよい。また、同一形状の複数の取付台5で電柱4の全周を覆うことを想定する必要はなく、150度などの角度としてもよい。
【0045】
ここまでに説明した例では電気機器収納用箱1と電気装置2に対して、平面視で略同一形状の取付台5を複数個一本の電柱4に固定する例を説明したが、そのような例に限る必要は無く、例えば、サイズの異なる取付台5や切欠部51の左右の接続面53のなす角度が異なる取付台5などにしてもよい。この場合、載置する電気機器収納用箱1や電気装置2のサイズなどに対応させて取付台5の大きさや形状を定めるのが好ましい。
【0046】
また、これまでの例では、電気機器収納用箱1と電気装置2をそれぞれ別個の取付台5に載置するために複数の取付台5を設けているが、1つの取付台5に電気機器収納用箱1や電気装置2を複数台載置するようにしてもよい。例えば、
図20に示した例では、
図17に示す例の取付台5を繋げたような形状としている。この場合、平面視で同形状の取付台5を2つ用いて電柱4を挟むようにしているが、例えば
図17に示す例の取付台5を3つ繋げた形状の取付台5を一つと、
図17に示す例の取付台5を一つ組み合わせることで、電柱4の周囲を覆うようにしてもよい。勿論、このような例に限る必要は無く、さまざまな形状の取付台5とすることができる。
【0047】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 電気機器収納用箱
2 電気装置
4 電柱
5 取付台
41 電線