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特開2022-183846電子機器及びその制御方法及びプログラム及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183846
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】電子機器及びその制御方法及びプログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20221206BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20221206BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20221206BHJP
   G03B 35/08 20210101ALI20221206BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20221206BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20221206BHJP
【FI】
H04N5/232 930
H04N5/225 400
H04N5/232 939
H04N5/232 160
G03B15/00 W
G03B15/00 U
G03B35/08
G03B17/02
G03B17/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091347
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】木全 一誠
【テーマコード(参考)】
2H059
2H100
2H102
5C122
【Fターム(参考)】
2H059AA08
2H059CA00
2H100AA11
2H100CC07
2H102AA02
2H102AA03
2H102AA34
2H102AA71
2H102BA05
2H102BA12
2H102BB06
2H102BB08
2H102CA03
2H102CA04
2H102CA11
5C122EA47
5C122EA61
5C122FA03
5C122FA04
5C122FB02
5C122FK24
5C122FK28
5C122FK37
5C122FK40
5C122FK41
5C122FL03
5C122HB01
5C122HB05
(57)【要約】
【課題】 画像を隅々まで確認することができる、かつ、ユーザーの混乱を招かないように拡大表示を行える。
【解決手段】 第1の光学系を介して撮影された第1画像と、第2の光学系を介して撮影され前記第1画像に対して視差のある第2画像と、が並んだ第3画像を取得する取得手段と、
ユーザー操作に応じて、前記第3画像のうち所定の処理を適用する対象範囲を設定する設定手段と、を有し、
前記設定手段は、前記対象範囲が少なくとも前記第1画像もしくは前記第2画像の一部を含むように、前記対象範囲を設定することを特徴とする。
【選択図】 図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光学系を介して撮影された第1画像と、第2の光学系を介して撮影され前記第1画像に対して視差のある第2画像と、が並んだ第3画像を取得する取得手段と、
ユーザー操作に応じて、前記第3画像のうち所定の処理を適用する対象範囲を設定する設定手段と、を有し、
前記設定手段は、前記対象範囲が少なくとも前記第1画像もしくは前記第2画像の一部を含むように、前記対象範囲を設定することを特徴とする撮像制御装置。
【請求項2】
前記第1画像と前記第2画像は円形で表示することを特徴とする請求項1に記載の撮像制御装置。
【請求項3】
前記対象範囲を示すアイテムの位置指定を受け付ける第1の受付手段と、
前記対象範囲を拡大するための拡大指示を受け付ける第2の受付手段と
前記第3画像と前記アイテムを表示する表示手段と、をさらに有し、
前記設定手段は、
ユーザーによる前記位置指定が行われたことに応じて、前記アイテムの位置を指定された位置に変更し、
ユーザーによる前記拡大指示が行われた場合は、前記アイテムの示す前記対象範囲に基づいて前記第3画像を拡大するように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像制御装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記対象範囲が前記第1画像もしくは前記第2画像のうち少なくとも1画素分を含むように制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
【請求項5】
前記設定手段は、前記対象範囲の少なくとも半分以上に前記第1画像もしくは前記第2画像のいずれかの画像を含むように制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
【請求項6】
前記設定手段は、前記第1画像が左側、前記第2画像が右側となるように前記第3画像を表示し、
前記第1画像に対して前記対象範囲を示すアイテムが移動可能な第1領域と、前記第2画像に対して前記アイテムが移動可能な第2領域において、
前記アイテムの右端が前記第1領域の右端に到達した状態で前記アイテムの位置指定が行われた場合は、前記第2領域へと前記アイテムの位置を変更し、
前記アイテムの左端が前記第2領域の左端に到達した状態で前記アイテムの位置指定が行われた場合は、前記第1領域へと前記アイテムの位置を変更するように制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
【請求項7】
前記設定手段は、前記第3画像が拡大され、かつ、前記アイテムの端部が前記第1領域の右端もしくは前記第2領域の左端のいずれかに到達した状態で、前記アイテムの位置指定が行われた場合は、前記アイテムの位置を変更しないように制御することを特徴とする請求項6に記載の撮像制御装置。
【請求項8】
前記第1領域と前記第2領域は矩形領域であることを特徴とする請求項6または7に記載の撮像制御装置。
【請求項9】
表示手段の表示面に対するタッチ操作を検知可能なタッチ検知手段をさらに有し、
前記設定手段は、
前記タッチ検知手段へのタッチ位置が、前記第1領域の外、もしくは、前記第1領域の端部から所定の領域内である場合は、前記第1領域の内かつ前記第1領域の端部を含むように前記対象範囲を設定し、
前記タッチ検知手段へのタッチ位置が、前記第2領域の外、もしくは、前記第2領域の端部から所定の領域内である場合は、前記第2領域の内かつ前記第2領域の端部を含むように前記対象範囲を設定するように制御することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
【請求項10】
前記所定の領域は、前記アイテムの横方向の大きさの半分の領域であることを特徴とする請求項9に記載の撮像制御装置。
【請求項11】
第1の光学系を介して撮影された第1画像と、第2の光学系を介して撮影され前記第1画像に対して視差のある第2画像と、が並んだ第3画像を取得する取得ステップと、
ユーザー操作に応じて、前記第3画像のうち所定の処理を適用する対象範囲を設定する設定ステップと、を有する撮像制御装置の制御方法であって、
前記設定ステップは、前記対象範囲が少なくとも前記第1画像もしくは前記第2画像の一部を含むように、前記対象範囲を設定することを特徴とする撮像制御装置の制御方法。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1乃至10のいずれか1項に記載された電子機器の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1乃至10のいずれか1項に記載された電子機器の各手段として機能させるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及びその制御方法及びプログラム及び記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、2つのレンズ光学系を有したデジタルカメラが知られている。2つの光学系が同じ方向を撮像するように配置されていれば、それぞれ取得した2つの視差のある画像から、180度の範囲を撮像した画像(半天球の画像)や立体視が可能な画像を作成することができる。2つの光学系が正反対の方向を撮像するように配置されていれば、それぞれ取得した2つの画像から、360度の範囲の画像(全天球の画像)を作成することができる。このような広範囲の画角を撮影するために魚眼レンズを用いる場合、円形の画像として取得される。
【0003】
このような2つの光学系を有するデジタルカメラで2つの視差のある画像を撮影する場合、ユーザーは2つのライブビュー画像を確認しながら撮影を行うことになる。通常の、1つの光学系を有するデジタルカメラでは、ユーザーが1つのライブビュー画像を拡大表示して細かく確認することができる。
【0004】
特許文献1では、2つの光学系で取得した2つのライブビュー画像を1画面に表示可能であることが開示されている。この2つのライブビュー画像のいずれかの表示領域で、ユーザーがピンチアウト操作(拡大指示)を行ったことに応じて、ライブビュー画像を拡大表示することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-108114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された拡大指示は、指示に応じてどの領域が拡大されるかをユーザーが事前に認識することができない。また、矩形の画面に画像が円形に表示され、画像以外の領域のみが拡大表示された場合、拡大画像を見ても元の画像のどの領域が拡大されたかをユーザーが認識できない可能性がある。
【0007】
そこで本発明は、画像を隅々まで確認することができる、かつ、ユーザーの混乱を招かないように拡大表示を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、
第1の光学系を介して撮影された第1画像と、第2の光学系を介して撮影され前記第1画像に対して視差のある第2画像と、が並んだ第3画像を取得する取得手段と、
ユーザー操作に応じて、前記第3画像のうち所定の処理を適用する対象範囲を設定する設定手段と、を有し、
前記設定手段は、前記対象範囲が少なくとも前記第1画像もしくは前記第2画像の一部を含むように、前記対象範囲を設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像を隅々まで確認することができる、かつ、ユーザーの混乱を招かないように拡大表示を行える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】デジタルカメラ100の外観図である。
図2】デジタルカメラ100のハードウェア構成例を示す概略ブロック図である。
図3】レンズユニットの構成の一例を示す模式図である。
図4】2眼レンズ(VR180用レンズ)装着時のカメラの表示モードの切り替え処理と、タッチダウン操作時の制御処理のフローチャートである。
図5】本実施形態による2眼レンズ(VR180度用レンズ)装着時のカメラのライブビュー表示の一例を示す図である。
図6】2眼レンズ装着時のカメラの拡大枠の移動に関する制御フローチャートである。
図7】2眼レンズ装着時のカメラのライブビューの左右境界を説明するための図である。
図8】2眼レンズ装着時のカメラの拡大処理と撮影操作のフローチャートである。
図9】2眼レンズ装着時のカメラの拡大操作を説明するための図である。
図10】タッチダウン時の拡大枠の移動・表示位置の算出方法に関する制御フローチャートである。
図11】方向指示が行われた際の拡大枠の移動・表示位置の算出方法に関する制御フローチャートである。
図12】2眼レンズ装着時のカメラの撮像部で取得された光学像の物理座標系の一例を示す図である。
図13】2眼レンズ装着時のカメラの撮像部で取得された光学像の物理座標系を論理座標系に変換した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。本実施形態では、電子機器がデジタルカメラ(撮像装置)である場合を例にして説明する。
【0012】
本実施形態にかかるデジタルカメラ100は、左右方向に所定の視差を有する左画像と右画像とを1つの画像に並べて配置された2眼画像を取得し、表示部に表示することができる。また、デジタルカメラ100は、表示部に表示された画像のうち、対象範囲に対して所定の画像処理を適用可能である。所定の画像処理は、例えば、拡大処理であって、以下の説明では拡大処理の場合について詳細に説明する。デジタルカメラ100は、拡大指示に応じて対象範囲を拡大した拡大画像を表示部に表示する。なお、所定の画像処理は拡大処理に限らない。例えば、対象範囲内の輝度分布や色度分布などを検出して、ヒストグラムや波形モニタを生成する処理であってもよいし、対象範囲にコントラスト強調処理などのフィルタ処理を適用する処理であってもよい。本実施形態では拡大指示は押下可能な物理部材である拡大ボタン78の押下によって指示が行われたとしたが、タッチパネル70aへのピンチインで拡大指示、ピンチアウトで拡大表示の解除としてもよい。
【0013】
本実施形態にかかるデジタルカメラ100は、2眼画像に対象範囲を示すアイテムを、2眼画像に合わせて表示する。アイテムは、例えば、対象範囲を示す枠状のインジケーターや、対象範囲に合成される半透過の色画像などである。デジタルカメラ100は、ユーザー操作に応じてアイテムの表示位置(すなわちアイテムの示す対象範囲)を変更可能である。デジタルカメラ100は、2眼画像を表示している場合に、当該アイテムを左画像と右画像とにまたがらない位置に表示する。すなわち、対象範囲は、左画像と右画像との両方を含まないように決定される。言い換えれば、対象範囲は、左画像と右画像との一方のみを含むように設定されるといえる。
【0014】
デジタルカメラ100は、アイテムの表示位置(対象範囲の位置)を変更するユーザー操作があったとしても、アイテムが示す対象範囲が左画像と右画像とにまたがらないように、アイテムの表示を制御する。
【0015】
図1(a)、(b)に本発明を適用可能な装置の一例としてのデジタルカメラ100の外観図を示す。図1(a)はデジタルカメラ100の前面斜視図であり、図1(b)はデジタルカメラ100の背面斜視図である。図1において、表示部28は画像や各種情報を表示する、カメラ背面に設けられた表示部である。タッチパネル70aは、表示部28の表示面(操作面)に対するタッチ操作を検知可能なタッチ検知手段である。ファインダー外表示部43は、カメラ上面に設けられた表示部であり、シャッター速度や絞りをはじめとするカメラの様々な設定値が表示される。
【0016】
シャッターボタン61は撮影指示を行うための操作部である。モード切替スイッチ60は各種モードを切り替えるための操作部である。端子カバー40は外部機器との接続ケーブルとデジタルカメラ100とを接続する接続ケーブル等のコネクタ(不図示)を保護するカバーである。メイン電子ダイヤル71は操作部70に含まれる回転操作部材であり、このメイン電子ダイヤル71を回すことで、シャッター速度や絞りなどの設定値の変更等が行える。電源スイッチ72はデジタルカメラ100の電源のON及びOFFを切り替える操作部材である。
【0017】
サブ電子ダイヤル73は操作部70に含まれ、操作部70に含まれる回転操作部材であり、選択枠の移動や画像送りなどを行える。十字キー74は操作部70に含まれ、上、下、左、右部分をそれぞれ押し込み可能な十字キー(4方向キー)である。十字キー74の押した部分に応じた操作が可能である。SETボタン75は操作部70に含まれ、押しボタンであり、主に選択項目の決定などに用いられる。動画ボタン76は、動画撮影(記録)の開始、停止の指示に用いられる。
【0018】
拡大ボタン78は操作部70に含まれ、撮影モードのライブビュー表示において拡大モードのON、OFFを行うための操作ボタンである。拡大モードをONとしてからメイン電子ダイヤル71を操作することにより、LV画像の拡大、縮小を行える。再生モードにおいては再生画像を拡大し、拡大率を増加させるための拡大ボタンとして機能する。再生ボタン79は操作部70に含まれ、撮影モードと再生モードとを切り替える操作ボタンである。撮影モード中に再生ボタン79を押下することで再生モードに移行し、記録媒体200に記録された画像のうち最新の画像を表示部28に表示させることができる。
【0019】
メニューボタン81は、操作部70に含まれ、メニューボタン81が押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部28に表示される。ユーザーは、表示部28に表示されたメニュー画面と、十字キー74やSETボタン75を用いて直感的に各種設定を行うことができる。
【0020】
マルチコントローラ82は、360度方向へ倒すことで上下左右等の8方向キー指示に利用できる。また、押し込むことで割り当てられた機能発動に使用することができる。表示モード切替ボタン83は、表示部28もしくはEVF29に表示するライブビュー画像や撮影情報表示などの情報について、複数の異なる表示モードを切り替えるための操作部材である。表示モード切替ボタン83を押下するたびに表示モードが切り替わり、ユーザー所望の表示モードで、撮影を行ったり再生している画像の情報について視認することができる。
【0021】
通信端子10はデジタルカメラ100がレンズ側(着脱可能)と通信を行う為の通信端子である。
【0022】
接眼部16は、接眼ファインダー(覗き込み型のファインダー)の接眼部であり、ユーザーは、接眼部16を介して内部のEVF29に表示された映像を視認することができる。接眼検知部57は接眼部16に撮影者が接眼しているか否かを検知する接眼検知センサーである。蓋202は記録媒体200を格納したスロットの蓋である。グリップ部90は、ユーザーがデジタルカメラ100を構えた際に右手で握りやすい形状とした保持部である。グリップ部90を右手の小指、薬指、中指で握ってデジタルカメラを保持した状態で、右手の人差指で操作可能な位置にシャッターボタン61、メイン電子ダイヤル71が配置されている。また、同じ状態で、右手の親指で操作可能な位置に、サブ電子ダイヤル73が配置されている。
【0023】
図2は、本実施形態によるデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。図2において、レンズユニット150は、交換可能な撮影レンズを搭載するレンズユニットである。レンズ103は通常、複数枚のレンズから構成されるが、ここでは簡略して一枚のレンズのみで示している。通信端子6はレンズユニット150がデジタルカメラ100側と通信を行う為の通信端子であり、通信端子10はデジタルカメラ100がレンズユニット150側と通信を行う為の通信端子である。レンズユニット150は、この通信端子6,10を介してシステム制御部50と通信し、内部のレンズシステム制御回路4によって絞り駆動回路2を介して絞り1の制御を行い、AF駆動回路3を介して、レンズ103の位置を変位させることで焦点を合わせる。また、通信端子6、10を介して、デジタルカメラ100に装着されるレンズユニット150の種別を識別する。
【0024】
シャッター101は、システム制御部50の制御で撮像部22の露光時間を自由に制御できるフォーカルプレーンシャッターである。
【0025】
撮像部22は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子である。撮像部22は、システム制御部50にデフォーカス量情報を出力する撮像面位相差センサーを有していてもよい。A/D変換器23は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。
【0026】
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行う。画像処理部24により得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部24では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理を行う。
【0027】
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、メモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28、EVF29に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
【0028】
また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器19は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28、EVF29に供給する。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器19を介して表示部28、EVF29により表示される。表示部28、EVF29は、LCDや有機EL等の表示器上に、D/A変換器19からのアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換器23によって一度A/D変換されメモリ32に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器19においてアナログ変換し、表示部28またはEVF29に逐次転送して表示することで、ライブビュー表示(LV表示)を行える。以下、ライブビューで表示される画像をライブビュー画像(LV画像)と称する。
【0029】
ファインダー外液晶表示部43には、ファインダー外表示部駆動回路44を介して、シャッター速度や絞りをはじめとするカメラの様々な設定値が表示される。
【0030】
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
【0031】
システム制御部50は、少なくとも1つのプロセッサーまたは回路からなる制御部であり、デジタルカメラ100全体を制御する。前述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。システムメモリ52には、例えばRAMが用いられ、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等が展開される。また、システム制御部50はメモリ32、D/A変換器19、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。
【0032】
システムタイマー53は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
【0033】
操作部70はシステム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。モード切替スイッチ60は操作部70に含まれる操作部材であり、システム制御部50の動作モードを静止画撮影モード、動画撮影モード、再生モード等のいずれかに切り替える。静止画撮影モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、絞り優先モード(Avモード)、シャッター速度優先モード(Tvモード)、プログラムAEモード(Pモード)、がある。また、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、カスタムモード等がある。モード切替スイッチ60より、ユーザーは、これらのモードのいずれかに直接切り替えることができる。あるいは、モード切替スイッチ60で撮影モードの一覧画面に一旦切り換えた後に、表示された複数のモードのいずれかを選択し、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
【0034】
第1シャッタースイッチ62は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の撮影準備動作を開始する。
【0035】
第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200に撮像された画像を画像ファイルとして書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
【0036】
操作部70は、ユーザーからの操作を受け付ける入力部としての各種操作部材(受付手段)である。操作部70には、少なくとも以下の操作部が含まれる。シャッターボタン61、メイン電子ダイヤル71、電源スイッチ72、サブ電子ダイヤル73、十字キー74、SETボタン75、動画ボタン76、AFロックボタン77、拡大ボタン78、再生ボタン79、メニューボタン81、マルチコントローラ82。その他の操作部材70bは、ブロック図において個別に記載していない操作部材をまとめて表したものである。
【0037】
電源制御部80は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。
【0038】
記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
【0039】
通信部54は、無線または有線ケーブルによって接続し、映像信号や音声信号の送受信を行う。通信部54は無線LAN(Local Area Network)やインターネットとも接続可能である。また、通信部54は、Bluetooth(登録商標)やBluetooth Low Energyでも外部機器と通信可能である。通信部54は撮像部22で撮像した画像(LV画像を含む)や、記録媒体200に記録された画像を送信可能であり、また、外部機器から画像やその他の各種情報を受信することができる。
【0040】
姿勢検知部55は重力方向に対するデジタルカメラ100の姿勢を検知する。姿勢検知部55で検知された姿勢に基づいて、撮像部22で撮影された画像が、デジタルカメラ100を横に構えて撮影された画像であるか、縦に構えて撮影された画像であるかを判別可能である。システム制御部50は、姿勢検知部55で検知された姿勢に応じた向き情報を撮像部22で撮像された画像の画像ファイルに付加したり、画像を回転して記録したりすることが可能である。姿勢検知部55としては、加速度センサーやジャイロセンサーなどを用いることができる。姿勢検知部55である、加速度センサーやジャイロセンサーを用いて、デジタルカメラ100の動き(パン、チルト、持ち上げ、静止しているか否か等)を検知することも可能である。
【0041】
接眼検知部57はファインダーの接眼部16に対する目(物体)の接近(接眼)および離反(離眼)を検知する(接近検知)、接眼検知センサーである。システム制御部50は、接眼検知部57で検知された状態に応じて、表示部28とEVF29の表示(表示状態)/非表示(非表示状態)を切り替える。より具体的には、少なくとも撮影待機状態で、かつ、表示先の切替が自動切替である場合において、非接眼中は表示先を表示部28として表示をオンとし、EVF29は非表示とする。また、接眼中は表示先をEVF29として表示をオンとし、表示部29は非表示とする。
【0042】
接眼検知部57は、例えば赤外線近接センサーを用いることができ、EVF29を内蔵するファインダーの接眼部16への何らかの物体の接近を検知することができる。物体が接近した場合は、接眼検知部57の投光部(図示せず)から投光した赤外線が反射して赤外線近接センサーの受光部(図示せず)に受光される。受光された赤外線の量によって、物体が接眼部16からどの距離まで近づいているか(接眼距離)も判別することができる。このように、接眼検知部57は、接眼部16への物体の近接距離を検知する接眼検知を行う。
【0043】
非接眼状態(非接近状態)から、接眼部16に対して所定距離以内に近づく物体が検出された場合に、接眼されたと検出するものとする。接眼状態(接近状態)から、接近を検知していた物体が所定距離以上離れた場合に、離眼されたと検出するものとする。接眼を検出する閾値と、離眼を検出する閾値は例えばヒステリシスを設けるなどして異なっていてもよい。また、接眼を検出した後は、離眼を検出するまでは接眼状態であるものとする。離眼を検出した後は、接眼を検出するまでは非接眼状態であるものとする。なお、赤外線近接センサーは一例であって、接眼検知部57には、接眼とみなせる目や物体の接近を検知できるものであれば他のセンサーを採用してもよい。
【0044】
タッチパネル70aと表示部28とは一体的に構成することができる。例えば、タッチパネル70aは光の透過率が表示部28の表示を妨げないように構成され、表示部28の表示面の上層に取り付けられる。そして、タッチパネル70aにおける入力座標と、表示部28の表示画面上の表示座標とを対応付ける。これにより、恰もユーザーが表示部28上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を提供できる。システム制御部50はタッチパネル70aへの以下の操作、あるいは状態を検出できる。
・タッチパネル70aにタッチしていなかった指やペンが新たにタッチパネル70aにタッチしたこと。すなわち、タッチの開始(以下、タッチダウン(Touch-Down)と称する)。
・タッチパネル70aを指やペンでタッチしている状態であること(以下、タッチオン(Touch-On)と称する)。
・タッチパネル70aを指やペンでタッチしたまま移動していること(以下、タッチムーブ(Touch-Move)と称する)。
・タッチパネル70aへタッチしていた指やペンを離したこと。すなわち、タッチの終了(以下、タッチアップ(Touch-Up)と称する)。
・タッチパネル70aに何もタッチしていない状態(以下、タッチオフ(Touch-Off)と称する)。
【0045】
タッチダウンが検出されると、同時にタッチオンであることも検出される。タッチダウンの後、タッチアップが検出されない限りは、通常はタッチオンが検出され続ける。タッチムーブが検出されるのもタッチオンが検出されている状態である。タッチオンが検出されていても、タッチ位置が移動していなければタッチムーブは検出されない。タッチしていた全ての指やペンがタッチアップしたことが検出された後は、タッチオフとなる。
【0046】
これらの操作・状態や、タッチパネル70a上に指やペンがタッチしている位置座標は内部バスを通じてシステム制御部50に通知され、システム制御部50は通知情報に基づいてタッチパネル70a上にどのような操作(タッチ操作)が行なわれたかを判定する。タッチムーブについてはタッチパネル70a上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル70a上の垂直成分・水平成分毎に判定できる。
【0047】
所定距離以上をタッチムーブしたことが検出された場合はスライド操作が行なわれたと判定するものとする。タッチパネル上に指をタッチしたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作をフリックと呼ぶ。フリックは、言い換えればタッチパネル70a上を指ではじくように素早くなぞる操作である。所定距離以上を、所定速度以上でタッチムーブしたことが検出され、そのままタッチアップが検出されるとフリックが行なわれたと判定できる(スライド操作に続いてフリックがあったものと判定できる)。
【0048】
更に、複数箇所(例えば2点)を共にタッチして(マルチタッチして)、互いのタッチ位置を近づけるタッチ操作をピンチイン、互いのタッチ位置を遠ざけるタッチ操作をピンチアウトと称する。ピンチアウトとピンチインを総称してピンチ操作(あるいは単にピンチ)と称する。タッチパネル70aは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサー方式等、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものを用いても良い。方式によって、タッチパネルに対する接触があったことでタッチがあったと検出する方式や、タッチパネルに対する指やペンの接近があったことでタッチがあったと検出する方式ものがあるが、いずれの方式でもよい。
【0049】
図3は、レンズユニット300の構成の一例を示す模式図である。図3では、レンズユニット300をデジタルカメラ100に装着した状態を示している。なお、図3に示すデジタルカメラ100のうち図2で説明した構成と同一の構成は、同一符号を付して適宜、説明を省略する。
【0050】
レンズユニット300は、デジタルカメラ100に着脱可能な交換レンズの一種である。レンズユニット300は、左像および右像で視差がある光学像を取得することが可能な2眼レンズである。レンズユニット300は、2つの光学系(撮影レンズ)を有し、それぞれ180度の広視野角であって、前方半球の範囲を撮影できる。具体的に、レンズユニット300の2つの光学系は、それぞれ左右方向(水平角度、方位角、ヨー角)180度、上下方向(垂直角度、仰俯角、ピッチ角)180度の視野分(画角分)に含まれる被写体の光学像を入力できる。
【0051】
レンズユニット300は、複数のレンズと反射ミラー等を有する右眼光学系301R、複数のレンズと反射ミラー等を有する左眼光学系301L、レンズシステム制御回路303を有する。右眼光学系301Rは第1の光学系の一例に対応し、左眼光学系301Lは第2の光学系の一例に対応する。右眼光学系301Rおよび左眼光学系301Lはそれぞれ被写体側に位置する各レンズ302R、302Lが同じ方向を向いており、各光軸が平行である。また、それぞれの光学系はいわゆる魚眼レンズであり、撮像部22(センサー)にはそれぞれ円形の光学像が結像する。左眼光学系301Lを介して入力された光学像(左像)と、右目光学系301Rを介して入力された光学像(右像)は、1つの撮像部22の撮像面に結像し、撮像部22は、各光学像を含む画像を取得する。
【0052】
本実施形態のレンズユニット300は、2眼立体視が可能なVR画像のフォーマットであるいわゆるVR180のための画像を撮影するためのVR180用レンズである。VR180用レンズは、右眼光学系301Rおよび左眼光学系301Lがそれぞれ180度の範囲を捉えることが可能な魚眼レンズを有する。なお、VR180用レンズは、右眼光学系301Rおよび左眼光学系301LがそれぞれVR180としての2眼VR表示が可能な映像が取得できればよく、180度の範囲よりも狭い160度程度の広視野角の範囲を捉えることが可能なレンズであってもよい。VR180用レンズは、右眼光学系301Rを介して形成される右像(第一像)と、右像とは視差を有する左眼光学系301Lを介して形成される左像(第二像)とを、装着したカメラの1つまたは2つの撮像素子上に形成することができる。本実施形態にかかるデジタルカメラ100では、右像と左像とを1つの撮像素子(センサー)上に結像し、右像に対応する画像と、左像に対応する画像とが左右に並んだ1つの画像(2眼画像)が生成されるとする。このときの2眼画像には、右像に対応する画像と左像に対応する画像と、光学像が形成されない領域(斜線部分)とが含まれる。
【0053】
また、レンズユニット300は、レンズマウント部304と、デジタルカメラ100のカメラマウント部305とを介して、デジタルカメラ100に装着される。これにより、デジタルカメラ100の通信端子10と、レンズユニット300の通信端子306とを介して、デジタルカメラ100のシステム制御部50とレンズユニット300のレンズシステム制御回路303とが電気的に接続される。
【0054】
本実施形態では、右眼光学系301Rを介して形成される右像と、右像とは視差を有する左眼光学系301Lを介して形成される左像とは、並んでデジタルカメラ100の撮像部22に結像される。すなわち、右眼光学系301Rおよび左眼光学系301Lにより形成される2つの光学像が1つの撮像素子上に形成される。撮像部22は、結像された被写体像(光信号)をアナログ電気信号に変換して、2眼画像の画像データを取得する。このように、レンズユニット300を用いることで、右眼光学系301Rと左眼光学系301Lとの2つの箇所(光学系)から視差がある2つの画像を同時に(セットで)取得することができる。また、取得された画像を左眼用の画像と右眼用の画像とに分けてVR表示することで、ユーザーは180度の範囲の立体的なVR画像、いわゆるVR180を視聴することができる。
【0055】
従来、通常の1眼レンズでは、レンズに入射された映像は光軸中心を中心として点対称に反転してセンサーに入力される。デジタルカメラ100のような撮像装置は、センサーの読み取り順や、読み取られた画像の反転処理などを行うことにより、違和感のない(反転していない)画像を生成することを行う。一方、2眼レンズでは、上下は点対称に反転してセンサーに入力されるが、左右は反転せずに左眼光学系を介して取得したものは左側、右眼光学系を介して取得したものは右側で、センサーに入力される。そのため、従来通りに反転処理を行うと、デジタルカメラ100における左右と、反転処理後の画像の左右が逆に、すなわち左眼光学系を介して取得したものは右側に、右眼光学系を介して取得したものは左側に表示されることとなる。
【0056】
ここで、VR画像とは、後述するVR表示することができる画像である。VR画像には、全方位カメラ(全天球カメラ)で撮影した全方位画像(全天球画像)や、表示部に一度で表示できる表示範囲より広い映像範囲(有効映像範囲)を持つパノラマ画像等が含まれる。また、VR画像は、静止画に限られず、動画、ライブ画像(カメラからほぼリアルタイムで取得した画像)も含まれる。VR画像は、最大で、左右方向360度、上下方向360度の視野分の映像範囲(有効映像範囲)を持つ。また、VR画像には、左右方向360度未満、上下方向360度未満であっても、通常のカメラで撮影可能な画角よりも広範な画角、あるいは、表示部に一度で表示できる表示範囲より広い映像範囲を持つ画像も含まれる。前述したレンズユニット300を用いてデジタルカメラ100で撮影される画像は、VR画像の一種である。VR画像は、例えば、表示装置(VR画像を表示できる表示装置)の表示モードを「VRビュー」に設定することでVR表示することができる。360度の画角を有するVR画像をVR表示させて、ユーザーが表示装置の姿勢を左右方向(水平回転方向)に変化させることで、左右方向に継ぎ目のない全方位の映像を観賞することができる。
【0057】
ここで、VR表示(VRビュー)とは、VR画像のうち、表示装置の姿勢に応じた視野範囲の映像を表示する、表示範囲を変更可能な表示方法(表示モード)である。VR表示には、VR画像を仮想球体にマッピングする変形(歪曲補正が施される変形)を行って1つの画像を表示する「1眼VR表示(1眼VRビュー)」がある。また、VR表示には、左眼用のVR画像と右眼用のVR画像とをそれぞれ仮想球体にマッピングする変形を行って左右の領域に並べて表示する「2眼VR表示(2眼VRビュー)」がある。互いに視差のある左眼用のVR画像と右眼用のVR画像を用いて「2眼VR表示」を行うことで立体視することが可能である。
【0058】
何れのVR表示であっても、例えば、ユーザーがHMD(ヘッドマウントディスプレイ)等の表示装置を装着した場合、ユーザーの顔の向きに応じた視野範囲の映像が表示される。例えば、VR画像のうち、ある時点で左右方向に0度(特定の方位、例えば北)、上下方向に90度(天頂から90度、すなわち水平)を中心とした視野範囲の映像を表示しているとする。この状態から表示装置の姿勢を表裏反転させる(例えば、表示面を南向きから北向きに変更する)と、同じVR画像のうち、左右方向に180度(逆の方位、例えば南)、上下方向に90度を中心とした視野範囲の映像に、表示範囲が変更される。すなわち、ユーザーがHMDを装着した状態で、顔を北から南に向く(すなわち後ろを向く)ことで、HMDに表示される映像も北の映像から南の映像に変更される。
【0059】
なお、本実施形態のレンズユニット300を用いて撮影したVR画像は、前方180度の範囲を撮影したVR180の画像であり、後方180度の範囲の映像は存在しない。このようなVR180の画像をVR表示させて、映像が存在しない側に表示装置の姿勢を変更した場合にはブランク領域が表示される。
【0060】
このようにVR画像をVR表示することによって、ユーザーは視覚的にあたかもVR画像内(VR空間内)にいるような感覚になる。なお、VR画像の表示方法は表示装置の姿勢を変更する方法に限られない。例えば、タッチパネルや方向ボタン等を介したユーザー操作に応じて、表示範囲を移動(スクロール)させてもよい。また、VR表示時(表示モード「VRビュー」時)において、姿勢変化による表示範囲の変更に加え、タッチパネルでのタッチムーブ、マウス等でのドラッグ操作、方向ボタンの押下等に応じて表示範囲を変更してもよい。なお、VRゴーグル(ヘッドマウントアダプタ)に装着されたスマートフォンはHMDの一種である。
【0061】
前述したように構成されるデジタルカメラ100おいてレンズユニット300を介して撮影される2眼画像は、右眼光学系および左眼光学系を介して撮像部22に入力された右像と左像とを含む画像である。また、デジタルカメラ100を使用しているユーザーは、ライブビュー画像や記録画像の細部を確認するために、画像の一部を拡大して表示することがある。拡大を行うときに、画像の拡大対象を範囲の中心位置を、一意に画像全体の中心位置とすることがある。
【0062】
2眼画像の部分を確認するため、2眼画像の部分を拡大する場合、右像もしくは左像の一部のみを表示することが望ましい。拡大を行うときに、画像の拡大対象を範囲の中心位置を、一意に画像全体の中心位置としてしまうと、拡大画像に右像と左像の両方の部分が含まれてしまうと、ユーザーは拡大画像が元の画像のどの部分を表示しいているのかが直感的にわかりづらい。具体的には、右像の左端部分が拡大画像の右側に、左像の右端部分が拡大画像の左側に並んだ画像となり、撮影対象の視野に対して左右の位置関係が異なる拡大画像となってしまう。
【0063】
そこで、本実施形態では、レンズユニット300のような2眼レンズで撮影する場合に適したライブビュー拡大処理を行うデジタルカメラ100の処理について図4のフローチャートを参照して説明する。
【0064】
図4は、デジタルカメラ100の撮影モードにおける処理の一例を示すフローチャートである。図4のフローチャートは、システム制御部50が不揮発性メモリ219に記録されたプログラムをシステムメモリ52に展開して実行することにより実現する。また、図4のフローチャートは、デジタルカメラ100の電源がオンにされ、撮影待機状態である場合に開始される。図4の制御フローチャートを開始する際に、システム制御部50は、制御変数等を初期化して、処理を開始する。
【0065】
また、図4の制御フローチャートを実行した場合の、表示部28の表示例について図5を用いて説明する。なお、図5に示す表示例の詳細については、図4の制御フローチャートの説明をした後で説明を行う。
【0066】
S401では、システム制御部50は、不揮発性メモリ56に格納するフラグ(N)から前回使用していた表示モードを取得し、前回使用していた表示モードに基づき表示部28にライブビュー画像や撮影に関する情報表示を行う。前回使用していた表示モードとは、例えば、電源オンによってフローが開始された場合は、その前に電源をオフにした時点で使用されていた表示モードである。もしくは、再生モードなど撮影モード以外のモードから撮影モードに移行されたことにより、フローが開始された場合は、前回撮影モードで処理を行っていたタイミングで使用されていた表示モードである。
【0067】
S402では、システム制御部50は、表示モード切替ボタン83が押されたか否かを判定する。押された場合はS403へ進み、そうでない場合はS412へ進む。
【0068】
S403では、システム制御部50は、システムメモリ52を参照し、表示モードを示すフラグNが5(N=5)であるか否かを判定する。N=5である場合はS404へ進み、そうでない場合はS405へ進む。
【0069】
S404では、システム制御部50は、通信端子6,10を介して装着されたレンズが2眼レンズ(すなわちVR180用レンズ)であるか否かを判定する。2眼レンズである場合はS406へ進み、そうでない(すなわち通常の1眼レンズもしくはレンズ装着なしである)場合はS408へ進む。2眼レンズは、左側、右側それぞれレンズを備えたレンズであり、それぞれのレンズが、レンズが配置されている側、すなわち被写体側の範囲のうち少なくとも180度の範囲を捉えることが可能な広角魚眼レンズである。左眼光学系301Lおよび右眼光学系301Rを通して撮像した左像および右像のデータを、一つもしくは二つの撮像素子で撮像することが可能である。
【0070】
S405では、S403においてNoと判定されたことから、システム制御部50は、表示モードを示すフラグNを1インクリメント(N=N+1)し、システムメモリ52に格納する。
【0071】
S406では、システム制御部50は、フラグNを6(N=6)とし、システムメモリ52に格納する。
【0072】
S407では、システム制御部50は、N=6の場合、表示部28に、2眼レンズ専用の表示モードを表示する。このときの表示例を図5(f)に示す。図5(f)については後段で詳細に説明する。
【0073】
S408では、S404においてNoと判定されたことから、システム制御部50は、フラグNを1(N=1)とし、システムメモリ52に格納する。
【0074】
S409では、システム制御部50は、システムメモリ52に格納されるフラグNの数値に従い、表示部28に対応する表示モードで、ライブビュー画像や情報表示を行う。表示部28に表示する表示モードに対応する表示例を、図5(a)~(e)に示す。S404においてNoと判定された場合にも本ステップに到達することから、2眼レンズが装着されていない場合、すなわち1眼レンズの装着もしくはレンズの装着がない場合にも表示される。
【0075】
図5(a)~(f)を用いて、表示部28に表示するLV画像と情報表示について説明する。図5(a)~(f)には、デジタルカメラ100に2眼レンズ(VR180用レンズ)が装着されている状態の2つのLV画像の表示がされるが、1眼レンズの場合は1つのLV画像が表示され、それ以外の表示は同様である。1眼レンズ装着の場合は、図4を用いて前述したように、図5(f)に示す表示モードには遷移しない。ユーザーにより表示モードの切替操作(本実施形態では表示モード切替ボタン83の押下)が行われるたびに、表示部28に表示する情報を異ならせるようにする。具体的には、図4において前述した表示モードを示すフラグNの数字に応じて、図5(a)~(f)の表示を行う。なお、本実施形態では表示部28に表示するLV画像は円周魚眼表示であるが、これに限らず円周魚眼表示のLV画像に対して正距円筒変換処理を行い、正距円筒表示としてもよい。
【0076】
図5(a)に、フラグN=1のとき、すなわちデジタルカメラ100の電源をオンし、撮影待機状態において表示部28にLV画像を表示する際の表示モードを示す。2つのLV画像(LV500R,LV500L)を左右に並べて表示するとともに、情報表示501a~501cを表示部28に表示する。このとき左右に並べた2つのLV画像をサイドバイサイド画像と呼ぶ。情報表示501a~501cは撮影情報を示し、ユーザーが撮影を行う際に必要不可欠であると想定する最低限の情報表示である。図5(a)に示す状態で表示モード切替ボタン83を押下すると、図5(b)に遷移する。
【0077】
図5(b)に、フラグN=2のときの表示モードを示す。図5(b)では、LV500R,LV500L、情報表示501a~501cに加えて、情報表示502a,502bを表示する。情報表示502a,502bは情報表示501a~501c同様に撮影情報を示し、撮影に関する様々な情報(例えば現在設定されている設定値や挿入されている記録媒体200の種類)を表示する。情報表示501a~501cよりも情報量が増えるため、ユーザーは多くの撮影情報を視認することができる。一方でLV画像の視認性が低下する場合もある。図5(b)に示す状態で表示モード切替ボタン83を押下すると、図5(c)に遷移する。
【0078】
図5(c)に、フラグN=3のときの表示モードを示す。図5(c)では、LV500R,LV500L、情報表示501a~501c、502a,502bに加えて、現在撮影しているLV画像のヒストグラムである情報表示503を表示する。情報表示503は、横軸に明るさ、縦軸に画素数を積み上げたグラフであり、現在撮影しているLV画像がどれくらいの明るさをもっているのか、露出レベルの傾向やLV画像全体の階調を確認する目安になるものである。ユーザーによっては、撮影時に情報表示503を確認したいと考える場合があるため、表示を行う。一方でLV画像の比較的大きな領域に重畳表示されるため、視認性は落ちる。図5(c)に示す状態で表示モード切替ボタン83を押下すると、図5(d)に遷移する。
【0079】
図5(d)は、フラグN=4のときの表示モードを示す。図5(d)の表示モードでは、情報表示情報表示501a~501c、502a,502b、503のすべてを非表示にし、LV500R,LV500Lのみを表示する。このような表示にすることで、ユーザーは様々な撮影情報を煩わしく感じることなく、LV画像のみを視認しながら撮影を行うことができる。図5(d)に示す状態で表示モード切替ボタン83を押下すると、図5(e)に遷移する。
【0080】
図5(e)は、フラグN=5のときの表示モードを示す。図5(e)の表示モードでは、LV画像は表示されず、撮影に関する情報表示のみが表のような形態で表示される。図5(e)に示す状態で表示モード切替ボタン83を押下すると、2眼レンズが装着されている場合は図5(f)に遷移し、1眼レンズが装着もしくはレンズが装着されていない場合は図5(a)に遷移する。
【0081】
図5(f)は、フラグN=6のときの表示モードを示す(図4のS407)。つまり、デジタルカメラ100に2眼レンズが装着されている場合にのみ遷移する表示モードである。このとき表示部28には、LV500R,LV500Lと情報表示505、506、LV画像に重畳して拡大枠511とフォーカスガイド512、マジックウインドウ513が表示される。情報表示505はLV500Rが右眼光学系301Rによって撮像されたLV画像であることを示しており、右(right)を意味する“R”と表示する。情報表示506はLV500Lが左眼光学系301Lによって撮像されたLV画像であることを示しており、左(left)を意味する“L”と表示する。
【0082】
そもそもデジタルカメラ100に示すような光学系の場合、撮像素子(撮像部22)で撮像される画像は、上下が逆さになった状態で撮像される。この上下逆さになった画像の上下を180度反転させて表示部28もしくはEVF29に表示する。このような構造であることを踏まえて、図3に示すような2つの光学系を有したレンズ(2眼レンズ)を用いて撮影を行うことを考える。前述したように、左右の光学系で撮像されて撮像部22に入力された2つのLV画像を反転処理を行うことなく表示部28に表示すると、上下反転したLV画像が表示されることになり、ユーザーは使い勝手が悪い。そのため1眼レンズを装着した場合と同様に、撮像部22に入力された2つのLV画像に対して反転処理を行う。
【0083】
しかし、反転処理を行ったとしても、表示部28に表示される2つのLV画像は、左領域に右眼光学系301Rを介して取得したLV画像(右像)が、右領域に左眼光学系301Lを介して取得したLV画像(左像)が表示される。特に、本実施形態では1つの撮像素子(撮像部22)で撮像を行っているため、1つの撮像素子上で2つのLV画像の境界を特定し、左右のLV画像を入れ替える処理は、システム制御部50での処理負荷が高くなってしまう。そのため、撮像部22に入ってきたLV画像を上下に180度反転させ、左右の入れ替えを行うことなく表示部28に表示を行う。
【0084】
2つのLV画像が表示部28に表示される場合、ユーザーは左領域に表示されるLV画像は左眼光学系301Lによって撮像されたもので、右領域に表示されるLV画像は右眼光学系301Rによって撮像されたものだと考えるのが一般的である。つまり、情報表示505、506の表示がなければ、ユーザーは左右のLV画像が左右反転していることを理解することができない可能性が高く、撮影時に左右反転していることを認識していないと、ユーザーが混乱する場合が生じる。そのため、情報表示505、506を表示することで、ユーザーが、それぞれのLV画像が左右どちらの光学系によって撮像されたものであるかを明確に視認できるようにする。
【0085】
LV画像に重畳表示する拡大枠511はユーザーによる拡大指示(図8のS801似て後述)が行われた場合にLV画像の拡大する領域を示す枠表示である。フォーカスガイド512は、焦点検出領域を示す枠と、焦点検出領域が重畳表示された位置の被写体でのフォーカスの合焦度合いを指標や色などの情報で表示するインジケーターである。本実施形態では、焦点検出領域の上または下に表示される3つの指標によってフォーカスの合焦度合いを表現する。図5(f)のフォーカスガイド512からは、焦点検出領域が表示される位置の被写体に対して非合焦であり、かつ、後ピン(被写体よりも後ろにピントが合焦していて被写体に合焦していない)状態であることがわかる。また、合焦状態でない場合、フォーカスガイドは白色で表示する。この3つの指標が2つの指標になると合焦状態であることを示し、フォーカスガイドは緑色で表示する。
【0086】
マジックウインドウ513は、表示部28に表示する、ユーザーが視点を動かす前に初めに表示される範囲を示すインジケーターである。これは、LV500RとLV500Lから1つの180度画像(半天球画像)を生成し、ブラウザやヘッドマウントディスプレイ(HMD)で再生した際に、ユーザーが視点を動かす前に初めに表示される範囲を示す。LV画像にマジックウインドウ513を表示することで、再生時に最初に表示される、すなわち視聴者が一番初めに目にする範囲を撮影時に視認することができ、ユーザー所望の構図や被写体を、より効果的に撮影することができる。
【0087】
マジックウインドウ513は180度画像を作成した際にのみ必要になるインジケーターであり、2眼レンズを装着して撮影する際にユーザーが特に必要になると想定される特有のインジケーターである。そのため、図5(f)に示す表示モードは1眼レンズ装着時には表示しない。また、マジックウインドウ513の表示位置は固定であるため、ユーザーがマジックウインドウ513の範囲を確認できれば、以降の撮影時に常に表示されることは必ずしも必要ではない。
【0088】
なお、本実施形態では拡大枠511とフォーカスガイド512は2つのLV画像のうち、1つのLV画像にのみ重畳表示し、マジックウインドウ513は2つのLV画像の両方に重畳表示する。拡大枠511は拡大する位置を示すため、1つのみを表示するのが最適であるが、フォーカスガイド512は1つのみでなく2つのLV画像の両方に表示するようにしてもよい。
【0089】
S410では、S404と同様に、システム制御部50は、通信端子6,10を介して装着されるレンズが2眼レンズであるか否かを判定する。2眼レンズである場合はS411へ進み、そうでない場合はS412へ進む。
【0090】
S411では、システム制御部50は、通信端子6、10を介して取得したレンズ情報から、左像と右像の中心、大きさを算出する。このときの算出方法については、図12を用いて説明する。
【0091】
図12は、本実施形態によるデジタルカメラ100の撮像部22(撮像素子)に結像される光学像の物理的な座標系1200を示す図である。座標系1200は、撮像部22をレンズユニット300側から見た場合に対応する。
【0092】
本実施形態では、左眼光学系301Lにより形成される円形光学像1201Rと、右眼光学系301Rにより形成される円形光学像1201Lが1つの撮像素子上に形成される。また、撮像部22は、結像された被写体像をアナログ電気信号に変換し、図13の論理座標系500が形成される。
【0093】
システム制御部50は、通信端子6,10を介して装着されたレンズから以下に示すような情報を取得することができる。例えば、撮像素子1200の中心線1210と円形光学像1201Rの中心位置との距離1203R、および、撮像素子1200の中心線1210と円形光学像1201Lの中心位置との距離1203Lが取得できる。また、光学像1201Rの半径1204R、光学像1201Lの半径1204Lを取得することができる。
【0094】
これら取得したレンズ情報から、図13に示すような2つの光学系を介して取得される2つのLV画像(左像と右像)の中心と大きさを算出することができる。
【0095】
次に、タッチパネル70aへのタッチダウン操作があった場合の処理について説明する。デジタルカメラ100のシステム制御部50は、画像表示中にタッチパネル70aへのタッチダウンがあったことに応じて、画像中にフォーカス制御に関するアイテムおよび拡大範囲を示すアイテムを表示する。システム制御部50は、デジタルカメラ100に接続されたレンズユニットが2眼レンズでない(従来の一眼レンズである)場合、タッチダウンに応じた位置に、合焦の程度を示すフォーカスガイドもしくはオートフォーカスの対象領域を示すAF枠を表示する。また、システム制御部50は、デジタルカメラ100に接続されたレンズユニットが2眼レンズである場合、タッチダウンに応じて、合焦の程度を示すフォーカスガイドを、左像を表示する領域、および右像を表示する領域のいずれかの中央に配置する。さらに、システム制御部50は、拡大範囲を示す拡大枠をタッチダウンに応じた位置に表示する。システム制御部50は、デジタルカメラ100に接続されたレンズユニットが2眼レンズである場合、拡大枠が左像と右像の光学像が形成されている領域を含む(左像と右像を含まない斜線部分のみを含まない)ように表示する。
【0096】
S412では、システム制御部50は、タッチパネル70aへのタッチダウン操作があったか否かを判定する。タッチダウン操作があった場合、タッチダウン位置(タッチ位置)を示す座標(xt、xy)を記憶して、処理はS413へ進み、そうでない場合は図6のS601へ進む。
【0097】
S413では、S404と同様に、システム制御部50は、通信端子6,10を介して装着されるレンズが2眼レンズであるか否かを判定する。2眼レンズである場合はS414へ進み、そうでない場合はS423へ進む。
【0098】
S414では、システム制御部50は、S412において行われたタッチパネル70aへのタッチダウン操作のタッチ位置(ダッチダウン位置)が、2眼画像の左側の領域(領域701L)内であるか否かを判定する。図7は、2眼画像が表示された表示例を示す模式図である。タッチ位置が左領域内(領域701L内)である場合はS415へ進み、タッチ位置が右領域内(領域701R内)である場合はS417へ進む。ライン705は左右の光学系でそれぞれ撮像されたライブビュー画像(LV700RとLV700L)のちょうど境界となるラインである。なお、本実施形態ではライン705は、撮像部22を左右に2分割した場合の中心線である。
【0099】
S415では、システム制御部50は、フォーカスガイドを左領域の中央に表示する。このとき既にLV画像に重畳して左領域もしくは右領域のLV画像のいずれかにフォーカスガイドが表示されている場合は、左領域の中央(左領域に示す右眼光学系301Rで撮像したLV画像の中央)に表示を移動する。フォーカスガイドとは、焦点検出領域を示す枠と焦点検出領域での合焦度合いを互いの表示位置の関係によって示す複数の指標とで構成される。指標の表示位置関係によって、焦点検出領域の表示位置で合焦しているか、どの程度非合焦であるか、非合焦である場合に、焦点検出領域の被写体に対して前後どちら側に非合焦であるかをユーザーが視認することができる。なお、フォーカスガイドはこの表示形態に限らず、例えば、色などにより合焦の程度を示してもよい。
【0100】
S416では、システム制御部50は、タッチ操作による拡大枠の位置算出処理(左領域)を行う。この処理については、図10(a)を用いて後述する。
【0101】
S417では、S414においてNoと判定されたことから、システム制御部50は、フォーカスガイドを右領域の中央(右領域に示す右眼光学系301Lで撮像したLV画像の中央)に表示する。このとき既にLV画像に重畳してフォーカスガイドが表示されている場合は、右領域の中央に表示を移動する。このときの表示例を図5(f)のガイド512に示す。
【0102】
S418では、システム制御部50は、タッチ操作による拡大枠の位置算出処理(右領域)を行う。この処理については、図10(b)を用いて後述する。
【0103】
図10(a)(b)は、図4のS416、S418に示すステップでの処理である。ユーザーによってタッチパネル70aへのタッチダウン操作が行われた場合に、拡大枠の位置を算出する制御フローチャートである。ユーザーによって行われたタッチダウン位置が左右領域のうち、特定の範囲内であるか否かを判定し、特定の範囲内であればタッチダウン位置に拡大枠の表示を移動し、特定の範囲外であればタッチダウン位置から最も近い特定の範囲内に拡大枠の表示を移動する。ここでの特定の範囲とは、左像もしくは右像の表示範囲が含まれる範囲内とする。XminL,XmaxL,YminL,YmaxLは左領域において、拡大枠の中心が移動可能な範囲の閾値を示す座標である。XminR,XmaxR,YminR,YmaxRは右領域において、拡大枠の中心が移動可能な範囲の閾値を示す座標である。この座標系の詳細については、図13を用いて説明する。
【0104】
図10(a)を用いて、タッチ位置(S412において行われたタッチダウンの位置)が左領域である場合の算出処理を説明する。ここでいう左領域とは、図13の領域13010Lの領域を指す。なお、領域1301Lと図7の領域701Lと同じ領域である。
【0105】
S1001では、システム制御部50は、タッチ位置がXminL(図13に示す)よりも左であるか否かを判定する。XminLよりも左である場合は、S1002へ進み、そうでない場合はS1003へ進む。
【0106】
S1002では、システム制御部50は、拡大枠の中心のX座標をX=XminLとし、システムメモリ52に格納する。
【0107】
S1003では、システム制御部50は、タッチ位置(S412において行われたタッチダウンの位置)がXmaxLよりも右であるか否かを判定する。XmaxLよりも右である場合はS1004へ進み、そうでない場合はS1005へ進む。
【0108】
S1004では、システム制御部50は、拡大枠の中心のX座標をX=XmaxLとし、システムメモリ52に格納する。
【0109】
S1005では、システム制御部50は、拡大枠の中心のX座標をタッチ位置のX=xtとし、システムメモリ52に格納する。
【0110】
S1006では、システム制御部50は、タッチ位置がYminLよりも上であるか否かを判定する。YminLよりも上である場合はS1007へ進み、そうでない場合はS1008へ進む。
【0111】
S1007では、システム制御部50は、拡大枠の中心のY座標をY=YminLとし、システムメモリ52に格納する。
【0112】
S1008では、システム制御部50は、タッチ位置がYmaxLより下であるか否かを判定する。YmaxLよりも下である場合はS1009へ進み、そうでない場合はS1010へ進む。
【0113】
S1009では、システム制御部50は、拡大枠の中心のY座標をY=YmaxLとし、システムメモリ52に代入する。
【0114】
S1010では、システム制御部50は、拡大枠の中心のY座標をタッチ位置のY=ytとし、システムメモリ62に格納する。
【0115】
S1011では、システム制御部50は、拡大枠をシステムメモリ52に格納されるX,Yの値に従って移動する。このとき、拡大枠の縦横に対する中心が、格納されるX,Yの値になるように表示位置を移動する。
【0116】
同様に、図10(b)を用いて、タッチ位置(S412において行われたタッチダウンの位置)が右領域である場合の算出処理を説明する。ここでいう右領域とは、図13の領域1310Rの領域を指す。なお、領域1301Rと図7の領域701Rと同じ領域である。
【0117】
S1021では、システム制御部50は、タッチ位置がXminR(図13に示す)よりも左であるか否かを判定する。XminRよりも左である場合は、S1022へ進み、そうでない場合はS1023へ進む。
【0118】
S1022では、システム制御部50は、拡大枠の中心のX座標をX=XminRとし、システムメモリ52に格納する。
【0119】
S1023では、システム制御部50は、タッチ位置がXmaxR(図13に示す)よりも右であるか否かを判定する。XmaxRよりも右である場合はS1024へ進み、そうでない場合はS1025へ進む。
【0120】
S1024では、システム制御部50は、拡大枠の中心のX座標をX=XmaxRとし、システムメモリ52に格納する。
【0121】
S1025では、システム制御部50は、拡大枠の中心のX座標をタッチ位置のX=xtとし、システムメモリ52に格納する。
【0122】
S1026では、システム制御部50は、タッチ位置がYminR(図13に示す)よりも上であるか否かを判定する。YminRよりも上である場合はS1027へ進み、そうでない場合はS1028へ進む。
【0123】
S1027では、システム制御部50は、拡大枠の中心のY座標をY=YminRとし、システムメモリ52に格納する。
【0124】
S1028では、システム制御部50は、タッチ位置がYmaxR(図13に示す)より下であるか否かを判定する。YmaxRよりも下である場合はS1029へ進み、そうでない場合はS1030へ進む。
【0125】
S1029では、システム制御部50は、拡大枠の中心のY座標をY=YmaxRとし、システムメモリ52に代入する。
【0126】
S1030では、システム制御部50は、拡大枠の中心のY座標をタッチ位置のY=ytとし、システムメモリ52に格納する。
【0127】
S1031では、システム制御部50は、拡大枠をシステムメモリ52に格納されるX,Yの値に従って移動する。このとき、拡大枠の縦横に対する中心が、格納されるX,Yの値になるように表示位置を移動する。
【0128】
以上述べたような制御を行うことで、ユーザーによるタッチ操作が行われたことに応じた拡大枠の移動が、左像もしくは右像が表示されていない(光学像が形成されていない)領域に行われることがない。すなわち、たとえユーザーによるタッチ操作(タッチダウン)が光学像の形成されていない領域(図13の領域1311)に行われたとしても、拡大枠に含まれる対象範囲全てが光学像の形成されていない領域になることがない。このとき拡大枠は、少なくとも、左像もしくは右像の表示されている領域(図13の円形領域1301Lもしくは1301R)の一部を含むように移動する。これにより、ユーザーが拡大指示を行った場合に、少なくとも左像もしくは右像の一部が含まれる拡大表示が表示部28に行われる。左像もしくは右像が全く含まれない(光学像が形成されていない領域1311)部分の拡大表示のみが表示部28に行われることがないため、ユーザーの混乱を招くことや操作性が悪いと感じることを低減することができる。
【0129】
次に、デジタルカメラ100に装着されるレンズが2眼レンズでない(1眼レンズである)場合にタッチダウンに応じて実行される制御について説明する。
【0130】
S419では、システム制御部50は、不揮発性メモリ56を参照し、フォーカスモードの設定がオートフォーカスモード(AFモード)であるかマニュアルフォーカスモード(MFモード)であるかを判定する。MFモードである場合はS420へ進み、AFモードである場合はS421へ進む。MFモードの場合にフォーカスガイドの表示設定がONの場合は、MF操作でのピント合わせ補助のためにフォーカスガイドを表示する。
【0131】
S420では、システム制御部50は、フォーカスガイドの表示をS412においてユーザーによって指定されたタッチ位置に表示を移動する。
【0132】
S421では、システム制御部50は、合焦位置を示すAF枠(オートフォーカス枠)をS412においてユーザーによって指定されたタッチ位置に表示する
S422では、システム制御部50は、拡大枠をS412において行われたタッチ位置に表示する。
【0133】
すなわち、デジタルカメラ100に装着されるレンズが2眼レンズでない(1眼レンズである)場合は、フォーカスモードの設定内容にかかわらず、拡大枠やフォーカスガイドを、ユーザーのタッチ位置に表示する。また、拡大枠は、AF枠やフォーカスガイドの焦点検出領域と連動して表示する。一方で2眼レンズが装着される場合は、拡大枠の表示位置はフォーカスガイドの焦点検出領域とは連動しない。
【0134】
本実施形態では、2眼レンズが装着される場合のフォーカスガイドの表示位置は左右のLV画像の表示領域に中央に固定される。そのため、フォーカスガイドの表示位置と拡大枠の表示位置が連動してしまうと、LV画像の中央のみしか拡大することができず、ユーザーにとっては使い勝手が悪い。また、2眼レンズでは2つのLV画像が表示部28に表示されるため、1つ1つのLV画像が1眼レンズ装着時のLV画像と比較して半分以下の大きさになってしまう。そのため、1眼レンズ装着時よりもさらに多くの回数、ユーザーがLV画像を拡大して、より詳細に確認する可能性が高い。そのため、ユーザー所望の位置を自由に確認できるように、拡大枠(すなわちLV画像の拡大範囲)はフォーカスガイドに連動しない。
【0135】
なお、フォーカスガイドが中央固定でない場合であっても2眼レンズが装着されているときは、フォーカスガイドと拡大枠とを連動しないようにする。ユーザーはフォーカスガイドを用いてより厳密なピント調整を行うが、合焦させたい位置とは異なる位置を拡大してより詳細に確認したいと考える場合が想定できる。例えば、後述するマジックウインドウの範囲内や、円周魚眼表示のLV画像の円周に近い領域を拡大して確認したい場合には、フォーカスガイドと拡大枠の位置を連動させないほうがユーザーにとっては操作性がよい。
【0136】
図6は、本実施形態による方向指示が可能な操作部材への操作が行われた際の、デジタルカメラ100の表示制御についての制御フローチャートである。
【0137】
デジタルカメラ100のシステム制御部50は、2眼画像と拡大枠などのアイテムとを表示中に方向指示を受け付けたことに応じて画像中のアイテムの位置を移動する。システム制御部50は、デジタルカメラ100に接続されたレンズユニットが2眼レンズでない(従来の一眼レンズである)場合、方向指示に応じてフォーカスガイドもしくはAF枠、および拡大枠を移動させる。
【0138】
また、システム制御部50は、デジタルカメラ100に接続されたレンズユニットが2眼レンズである場合、方向指示に応じて、拡大枠を移動する。なお、フォーカスガイドは移動させない。さらに、システム制御部50は、拡大枠が左像と右像との両方を含まないように、拡大枠が表示部の右領域に表示され、境界の近傍にある状態で、左方向への指示を受け付けたことに応じて、拡大枠の表示位置を左領域に移動する。システム制御部50は、拡大枠が左像と右像との両方を含まないように、拡大枠が表示部の左領域に表示され、境界の近傍にある状態で、右方向への指示を受け付けたことに応じて、拡大枠の表示位置を右領域に移動する。
【0139】
S601では、システム制御部50は、操作部70のうちマルチ(MC)コントローラ82もしくは十字キー74による方向指示が行われたか否かを判定する。指示された場合はS602へ進み、そうでない場合はS610へ進む。
【0140】
S602では、S411と同様に、システム制御部50は、通信端子6,10を介して装着されたレンズの種類を取得し、2眼レンズであるか否かを判定する。2眼レンズである場合はS607へ進み、そうでない場合はS603へ進む。
【0141】
S603では、S421と同様に、システム制御部50は、現在のカメラのフォーカスモードがAFモードであるかMFモードであるかを判定する。AFモードである場合はS604へ進み、MFモードである場合はS605へ進む。なお、MFモードの場合に、MFピント合わせ補助のためのフォーカスガイドの表示設定がONである場合は、表示部28に表示するLV画像のいずれかにフォーカスガイドを表示する。S410において前述したようなタッチパネル70aへのタッチダウン操作が行われていなければ、フォーカスガイドは右領域のLV画像に重畳表示する。
【0142】
S604では、システム制御部50は、表示部28に表示されているAF枠を、S601において指示された方向へ移動する。
【0143】
S605では、システム制御部50は、表示部28に表示されているフォーカスガイドを、S601において指示された方向へ移動する。ユーザー設定によりフォーカスガイドの表示設定がOFFになっている場合は、本ステップをスキップする。このとき、フォーカスガイド全体を移動させるが、フォーカスガイド全体ではなく焦点検出領域のみを移動させてもよい。
【0144】
S606では、システム制御部50は、表示部28に表示の拡大枠を、S604もしくは605において移動したAF枠もしくはフォーカスガイドの焦点検出領域を示す枠の位置へ連動して移動する。
【0145】
S607では、システム制御部50は、現在表示されている拡大枠が左領域に表示されているか否かを判定する。左領域である場合はS608へ進み、そうでない場合すなわち右領域に表示されている場合はS609へ進む。このとき、拡大枠全体が左領域に表示されているか否かを判定する。つまり、拡大枠の中心位置の座標が、少なくとも領域1310Lにあるか否かを判定する。
【0146】
S608では、システム制御部50は、方向指示による拡大枠の位置算出処理(左領域)を行う。この処理については、図11(a)を用いて後述する。
【0147】
S609では、システム制御部50は、方向指示による拡大枠の位置算出処理(右領域)を行う。この処理については、図11(b)を用いて後述する。
【0148】
図11(a)(b)は、図6のS608、S609に示すステップでの処理である。ユーザーによってMC82もしくは十字キー74への方向指示が行われた場合に表示する拡大枠の位置を算出する制御フローチャートである。既に表示されている拡大枠の表示位置(拡大枠の中心座標)が左右領域のうち、特定の範囲よりも内側にあるか否かを判定する。特定の範囲よりも内側である場合は、ユーザーの指示に応じて指示が行われた方向に1ステップだけ拡大枠を移動する。拡大枠の中心座標が左右領域のうち、特定の範囲の境界上にある場合は、行われた指示の方向によって、拡大枠を移動させないようにしたり一方の光学像から他方の光学像へ(例えば左像から右像)と拡大枠をジャンプしたりするように制御する。ここでの特定の範囲とは、図10で前述した特定の範囲と同じものであり、左像もしくは右像の表示範囲が含まれる矩形の範囲内とする。このときに判定に用いる座標系については、図13を用いて説明する。
【0149】
図11(a)を用いて、拡大枠の移動指示(方向指示)が行われる前に表示されていた拡大枠の表示領域が左領域である場合の算出処理を説明する。ここでいう左領域とは、図13の領域1310Lの領域を指す。
【0150】
S1101では、システム制御部50は、右方向指示であるか否かを判定する。本ステップでの指示とは図6のS601においてユーザーによって行われた、MC82もしくは十字キー74への方向指示のことを指す。右方向指示である場合はS1102へ進み、そうでない場合はS1104へ進む。
【0151】
S1102では、システム制御部50は、指示前の拡大枠の中心のX座標がX=XmaxLであるか否かを判定する。そうである場合はS1103へ進み、そうでない場合はS1106へ進む。
【0152】
S1103では、システム制御部50は、拡大枠の中心のX座標をX=XminRとなるように拡大枠を移動する。
【0153】
S1104では、システム制御部50は、左方向指示であるか否かを判定する。左方向指示である場合はS1105へ進み、そうでない場合はS1108へ進む。
【0154】
S1105では、システム制御部50は、指示前の拡大枠の中心のX座標がX=XminLであるか否かを判定する。そうである場合はS1107へ進み、そうでない場合はS1106へ進む。
【0155】
S1106では、システム制御部50は、拡大枠の表示位置を指示方向に移動する。このとき、1回の方向指示に応じて表示位置が移動する移動量は、表示部28の1画素分であるとする。
【0156】
S1107では、システム制御部50は、拡大枠を移動しない。S1105においてYesと判定されたことより、ユーザーによる方向指示が行われる前に表示される拡大枠の左辺が図13に示す矩形1302Lに内接していることがわかる。このような状態で左方向への指示が行われたことに応じて、左方向へ1画素分だけ拡大枠を移動してしまうと、拡大枠が示す拡大範囲(拡大する対象範囲)に光学像が形成されていない領域(領域1311)が含まれることになる。このような制御を行うと、表示部28に表示される拡大表示に左像もしくは右像以外の部分が多く表示されてしまい、ユーザーは使い勝手が悪いと感じてしまう可能性がある。そのため、左像が表示される円形領域1301Lに接する矩形1302Lの外に拡大枠が移動しない(拡大枠が示す拡大範囲が矩形1302Lの範囲外を含まない)ようにする。
【0157】
S1108では、システム制御部50は、上方向指示であるか否かを判定する上方向指示である場合はS1109へ進み、そうでない場合はS1111へ進む。
【0158】
S1109では、システム制御部50は、指示前の拡大枠の中心のY座標がY=YminLであるか否かを判定する。そうである場合はS1110へ進み、そうでない場合はS1112へ進む。
【0159】
S1110では、システム制御部50は、拡大枠を移動しない。ユーザーによる方向指示が行われる前に表示される拡大枠の上辺が図13に示す矩形1302Lに内接していることがわかる。このような状態で上方向への指示が行われたことに応じて、上方向へ1画素分だけ拡大枠を移動してしまうと、拡大枠が示す拡大範囲(拡大する対象範囲)に光学像が形成されていない領域(領域1311)が含まれることになる。S1107でも述べたように、このような状態だとユーザーは使い勝手が悪いと感じてしまう可能性があるため、拡大枠が示す拡大範囲が矩形1302Lの範囲外を含まないようにする。
【0160】
S1111では、システム制御部50は、指示前の拡大枠の中心のY座標がY=YmaxLであるか否かを判定する。そうである場合はS1113へ進み、そうでない場合はS1112へ進む。
【0161】
S1112では、S11106と同様に、システム制御部50は、拡大枠の表示位置を指示方向に移動する。このとき、1回の方向指示に応じて表示位置が移動する移動量は、表示部28の1画素分であるとする。
【0162】
S1113では、システム制御部50は、拡大枠を移動しない。S1111においてYesと判定されたことから、ユーザーによる方向指示が行われる前に表示される拡大枠の下辺が図13に示す矩形1302Lに内接していることがわかる。このような状態で下方向への指示が行われたことに応じて、下方向へ1画素分だけ拡大枠を移動してしまうと、拡大枠が示す拡大範囲(拡大する対象範囲)に光学像が形成されていない領域(領域1311)が含まれることになる。S1107、S1110でも述べたように、このような状態だとユーザーは使い勝手が悪いと感じてしまう可能性があるため、拡大枠が示す拡大範囲が矩形1302Lの範囲外を含まないようにする。
【0163】
同様に、図11(b)を用いて、拡大枠の移動指示(方向指示)が行われる前に表示されていた拡大枠の表示領域が右領域である場合の算出処理を説明する。ここでいう右領域とは、図13の領域1310Rの領域を指す。
【0164】
S1121では、システム制御部50は、右方向指示であるか否かを判定する。本ステップでの指示とは図6のS601においてユーザーによって行われた、MC82もしくは十字キー74への方向指示のことを指す。右方向指示である場合はS1122へ進み、そうでない場合はS1124へ進む。
【0165】
S1122では、システム制御部50は、指示前の拡大枠の中心のX座標がX=XmaxRであるか否かを判定する。そうである場合はS1123へ進み、そうでない場合はS1126へ進む。
【0166】
S1123では、システム制御部50は、拡大枠を移動しない。S1107で述べたように、ユーザー指示に従って左方向へ1画素分だけ拡大枠を移動してしまうと、拡大枠が示す拡大範囲(拡大する対象範囲)に光学像が形成されていない領域(領域1311)が含まれることになる。このような状態だとユーザーは使い勝手が悪いと感じてしまう可能性がある。そのため、右像が表示される円形領域1301Rに接する矩形1302Rに範囲外に拡大枠が移動しない(拡大枠が示す拡大範囲が矩形1302Rの範囲外を含まない)ようにする。
【0167】
S1124では、システム制御部50は、左方向指示であるか否かを判定する。左方向指示である場合はS1125へ進み、そうでない場合はS1128へ進む。
【0168】
S1125では、システム制御部50は、指示前の拡大枠の中心のX座標がX=XminRであるか否かを判定する。そうである場合はS1127へ進み、そうでない場合はS1126へ進む。
【0169】
S1126では、システム制御部50は、拡大枠の表示位置を指示方向に移動する。このとき、1回の方向指示に応じて表示位置が移動する移動量は、表示部28の1画素分であるとする。
【0170】
S1127では、システム制御部50は、X=XminLに拡大枠を移動する。このとき拡大枠の中心のX座標がX=XminLとなるように移動する。
【0171】
S1128では、システム制御部50は、上方向指示であるか否かを判定する上方向指示である場合はS1129へ進み、そうでない場合はS1131へ進む。
【0172】
S1129では、システム制御部50は、指示前の拡大枠の中心のY座標がY=YminRであるか否かを判定する。そうである場合はS1130へ進み、そうでない場合はS1132へ進む。
【0173】
S1130では、システム制御部50は、拡大枠を移動しない。S1110で述べたように、ユーザー指示に応じて上方向へ1画素分だけ拡大枠を移動してしまうと、拡大枠が示す拡大範囲(拡大する対象範囲)に光学像が形成されていない領域(領域1311)が含まれることになる。このような状態だとユーザーは使い勝手が悪いと感じてしまう可能性があるため、拡大枠が示す拡大範囲が矩形1302Rの範囲外を含まないようにする。
【0174】
S1131では、システム制御部50は、指示前の拡大枠の中心のY座標がY=YmaxRであるか否かを判定する。そうである場合はS1133へ進み、そうでない場合はS1132へ進む。
【0175】
S1132では、S1126と同様に、システム制御部50は、拡大枠の表示位置を指示方向に移動する。このとき、1回の方向指示に応じて表示位置が移動する移動量は、表示部28の1画素分であるとする。
【0176】
S1133では、システム制御部50は、拡大枠を移動しない。S1113で述べたように、ユーザー指示に応じて下方向へ1ステップ分だけ拡大枠を移動してしまうと、拡大枠が示す拡大範囲(拡大する対象範囲)に光学像が形成されていない領域(領域1311)が含まれることになる。このような状態だとユーザーは使い勝手が悪いと感じてしまう可能性があるため、拡大枠が示す拡大範囲が矩形1302Rの範囲外を含まないようにする。
【0177】
本実施形態では、拡大枠の示す拡大範囲内に、左像もしくは右像が含まれる割合が少なくとも拡大枠の大きさの半分以上(50%以上)とし、斜線部分(領域1311)が含まれる割合が拡大枠の大きさの半分(50%)以下となるように制御する。しかし、拡大枠の示す拡大範囲内に左像もしくは右像が1画素分でも含まれていればよく、拡大範囲内のすべてが光学像の形成されていない領域、すなわち斜線部分(領域1311)とならないようにすればよい。つまり、本実施形態では拡大枠の移動可能とした矩形の領域1302L,1302Rは、必ずしも円形領域1301L,1301Rに外接することや矩形であること、またこのような領域を設ける(算出する)必要はない。例えば、タッチ操作や移動操作が行われた場合に、現在の拡大枠内に含まれる対象範囲の判定を行う。タッチ操作が行われた場合は、図4のS418、S416(図10(a)(b))において、行われたタッチ操作の位置が拡大枠の中心となるように移動した際に拡大枠に含まれる対象範囲内に左像/右像の光学像が形成されている部分が含まれているかを判定する。移動操作(方向指示)が行われた場合、図6のS608,S609(図11(a)(b))において、移動後の拡大枠に含まれる対象範囲内に左像/右像の光学像が形成されている部分が含まれているかを判定する。移動前の拡大枠に含まれる対象範囲内に左像/右像の光学像が1画素分のみ含んでいるか否かを判定するようにしてもよい。表示・移動後の拡大枠の対象範囲内に1画素分でも含まれていれば拡大枠を移動可能とし、含まれていなければ拡大枠を移動しないようにする。
【0178】
以上が、MC82や十字キー74などによる方向指示が入力された場合の拡大枠およびフォーカスガイドなどのアイテムの移動制御のフローである。
【0179】
次に、拡大枠およびフォーカスガイドなどのアイテムの表示位置を所定の位置に戻すための操作が実行された場合の制御について説明する。システム制御部50は、所定の操作(MC82の押し込み、もしくはSETボタン75の押下など)を受け付けたことに応じて、拡大枠およびフォーカスガイドなどのアイテムを所定の位置に表示する。2眼画像を表示している場合は、システム制御部50は、所定の操作を受け付けたことに応じて、所定の操作を受け付ける前にアイテムが表示されている右領域および左領域のいずれかの中央にアイテムを表示する。一方で、2眼画像を表示していない場合は、システム制御部50は、所定の操作を受け付けたことに応じて、アイテムを画面の中央に表示する。これにより、表示している画像が2眼画像か否かに応じて、アイテムの表示位置を好適に制御することが可能となる。
【0180】
S610では、システム制御部50は、MC82の中央押し込み(上下左右の移動操作ではない)もしくはSETボタン75の押下が行われたか否かを判定する。押し込みや押下が行われた場合はS611へ進み、押下されない場合は図8のS801へ進む。本ステップでのMC82の押し込みやSETボタン75の押下は、現在表示する拡大枠を、表示している領域のLV画像の中央に移動させる(戻す)中央移動指示であると言える。
【0181】
S611では、S411と同様に、システム制御部50は、通信端子6,10を介して装着されたレンズの種類を取得し、2眼レンズであるか否かを判定する。2眼レンズである場合はS616へ進み、そうでない場合はS612へ進む。
【0182】
S612では、S421と同様に、システム制御部50は、現在のカメラのフォーカスモードがAFモードであるかMFモードであるかを判定する。AFモードである場合はS613へ進み、MFモードである場合はS614へ進む。
【0183】
S613では、システム制御部50は、AF枠を表示部28に表示されるLV画像の中央へ移動する。
【0184】
S614では、システム制御部50は、フォーカスガイド枠を表示部28に表示されるLV画像の中央へ移動する。
【0185】
S615では、システム制御部50は、AF枠もしくはフォーカスガイドの焦点検出領域の位置に連動して、拡大枠を表示部28に表示されるLV画像の中央へ移動する。
【0186】
S616では、システム制御部50は、拡大枠が右領域のLV画像に表示されているか否かを判定する。すなわち、拡大枠が図7の領域701R内に表示されているか否かを判定する。そうである場合はS618へ進み、そうでない場合はS617へ進む。
【0187】
S617では、S616においてNoと判定されたことから、システム制御部50は、拡大枠を左領域に表示するLV画像の中央へと表示位置を移動する。すなわち、図7の領域701Lに表示するLV画像の中央へ移動する。
【0188】
S618では、S616においてYesと判定されたことから、システム制御部50は、拡大枠を右領域に表示するLV画像の中央へと表示位置を移動する。すなわち、図7の領域701Rに表示するLV画像の中央へ移動する。
【0189】
以上が、拡大枠およびフォーカスガイドなどのアイテムの表示位置を所定の位置に戻すための操作が実行された場合の制御を示すフローである。
【0190】
図13は、図4のS410においてYesと判定、すなわち、2眼カメラが装着されていると判定された場合に開始される。図12に示すようなレンズ情報を用いて2つのLV画像(左像と右像)の中心と大きさを算出することで、撮像部22で撮像される、2つのLV画像と余白(斜線)領域とからなる1つの光学像のうち、2つのLV画像が表示される位置を決定することができる。
【0191】
図4図6で説明したように拡大枠を移動させる場合に、2つのLV画像上で拡大枠を移動する際に、余白部分にまで拡大枠を移動可能にすると、拡大実行時に拡大表示されるものにLV画像が全く含まれないものになることがある。もしくは、拡大表示されたもののほとんどが余白領域でありLV画像が少ししか含まれないものになる場合があり、ユーザーの混乱を招く可能性が高い。そのため、2つのLV画像の表示領域である円形領域が接する矩形領域(領域1302L,1302R)を算出し、ユーザーによる拡大枠の移動指示が行われた場合に、算出した矩形領域内でのみ移動可能にする。
【0192】
まず、システム制御部50は、図12に示す取得したレンズ情報から、矩形領域1302L、1302Rの中心位置を計算する。矩形領域1302L、1302Rは、円形領域1301L、1301Rの外接矩形である。円形領域1301L、1301Rは、右眼光学系301Rにより形成される円形光学像1201Lと、左眼光学系301Lにより形成される円形光学像1201Rとを、論理座標1300上に変換した領域である。システム制御部50は、通信端子6,10を介して装着されたレンズから、光学像の物理座標系1200の中心位置と円形光学像1201L、1201Rとの距離1203L、1203Rをそれぞれ取得する。
【0193】
矩形領域1302L、1302Rの中心位置1304L、1304Rを、光学像の論理座標系1300の中心位置1303、物理座標系と論理座標系の大きさの比率から決まる変換係数k、距離1203L、1203Rを用いると、下記のような式で表せる。
【0194】
1304L=1303-(1203L÷k)
1304R=1303-(1203R÷k)
次に、システム制御部50は、レンズ情報から、矩形領域1302L、1302Rの大きさを計算する。図12に示すように、レンズ情報から円形光学像1201L、1201Rの半径1204L、1204Rを取得する。矩形領域1302L、1302Rの大きさを、物理座標系と論理座標系の大きさの比率から決まる変換係数k、半径1204L、1204Rを用いると下記のような式で表せる。
1302Lの大きさ=(1204L÷k)×2
1302Rの大きさ=(1204R÷k)×2
【0195】
距離1203L、1203R、半径1204L、1204Rはレンズの種類によって決まり、光学像の物理座標系を論理座標系に変換するための変換係数kは撮像素子の種類によって決まる。このように計算することによって、レンズの種別や撮像素子が変化したとしても、矩形領域1302L、1302Rの中心位置、大きさを求めることができる。
【0196】
矩形領域1302L、1302Rの中心位置と大きさ、拡大枠の大きさから、図10(a)(b)において前述した、拡大枠の移動制限を行う際の座標を決定することができる。
【0197】
矩形領域1302Lと拡大枠の大きさから、XminL,XmaxL,YminL,YmaxLを求めることができる。
【0198】
XminL、XmaxLは横軸(X軸)方向の座標であり、拡大枠の中心座標がXminL、XmaxLに到達した場合には、矩形1302Lの左右の辺の内側に接する状態であることを示す座標である。拡大枠の中心座標がXminL、XmaxLに到達した状態で、拡大枠から見て中心位置1304Lとは反対方向への移動指示が行われると、拡大枠の移動に制限もしくは他方のLV画像(矩形領域)へジャンプするように制御する。
【0199】
XminLは矩形1302Lの左辺に拡大枠の左辺が接する状態のときの拡大枠の中心位置である。すなわち、XminLは、矩形1302Lの左辺のX座標から、矩形1302Lの内部かつ中心位置1304L側に、拡大枠の横方向(X軸方向)の半分の大きさ分を引いた値となる。
【0200】
XmaxLは矩形1302Lの右辺に拡大枠の右辺が接する状態のときの拡大枠の中心位置である。すなわち、XmaxLは、矩形1302Lの右辺のX座標から、矩形1302Lの内部かつ中心位置1304L側に、拡大枠の横方向(X軸方向)の半分の大きさ分を引いた値となる。
【0201】
YminL、YmaxLは縦軸(Y軸)方向の座標であり、拡大枠の中心座標がYminL、YmaxLに到達した場合には、矩形1302Lの上下の辺の内側に接する状態であることを示す座標である。拡大枠の中心座標がYminL、YmaxLに到達した状態で、拡大枠から見て中心位置1304Lとは反対方向への移動指示が行われると、拡大枠の移動に制限を行う。
【0202】
YminLは矩形1302Lの上辺に拡大枠の上辺が接する状態のときの拡大枠の中心位置である。すなわち、YminLは、矩形1302Lの上辺のY座標から、矩形1302Lの内部かつ中心位置1304L側に、拡大枠の縦方向(Y軸方向)の半分の大きさ分を引いた値となる。
【0203】
YmaxLは矩形1302Lの下辺に拡大枠の下辺が接する状態のときの拡大枠の中心位置である。すなわち、XmaxLは、矩形1302Lの下辺のY座標から、矩形1302Lの内部かつ中心位置1304L側に、拡大枠の縦方向(Y軸方向)の半分の大きさ分を引いた値となる。
【0204】
同様に、矩形領域1302Rと拡大枠の大きさから、XminR,XmaxR,YminR,YmaxRを求めることができる。矩形領域1302Lの場合と異なり、ライン1305を中心に鏡対称となっている。
【0205】
XminR,XmaxRはXminL、XmaxLと同様に、横軸(X軸)方向の座標であり、拡大枠の中心座標がXminR、XmaxRに到達した場合には、矩形1302Lの左右の辺の内側に接する状態であることを示す座標である。拡大枠の中心座標がXminR、XmaxRに到達した状態で、拡大枠から見て中心位置1304Lとは反対方向への移動指示が行われると、拡大枠の移動に制限もしくは他方のLV画像(矩形領域)へジャンプするように制御する。
【0206】
XminRは矩形1302Rの左辺に拡大枠の左辺が接する状態、XmaxRは矩形1302Rの右辺に拡大枠の右辺が接する状態のときの拡大枠の中心位置である。XminRは、矩形1302Rの左辺のX座標から、矩形1302Rの内部かつ中心位置1304R側に、XmaxRは、矩形1302Rの右辺のX座標から矩形1302Rの内部かつ中心位置1304R側に、拡大枠の横方向の半分の大きさ分を引いた値となる。
【0207】
YminR、YmaxRはYminL、YmaxLと同様に、縦軸(Y軸)方向の座標であり、拡大枠の中心座標がYminR、YmaxRに到達した場合には、矩形1302Lの上下の辺の内側に接する状態であることを示す座標である。拡大枠の中心座標がYminR、YmaxRに到達した状態で、拡大枠から見て中心位置1304Rとは反対方向への移動指示が行われると、拡大枠の移動に制限を行う。
【0208】
YminRは矩形1302Rの上辺に拡大枠の上辺が接する状態、YmaxRは矩形1302Rの下辺に拡大枠の下辺が接する状態のときの拡大枠の中心位置である。YminRは、矩形1302Rの上辺のY座標から、矩形1302Rの内部かつ中心位置1304R側に、YmaxRは、矩形1302Rの下辺のY座標から矩形1302Rの内部かつ中心位置1304R側に、拡大枠の縦方向の半分の大きさ分を引いた値となる。
【0209】
XminLとXminR、XmaxLとXmaxR、YminLとYminR、YmaxLとYmaxRは、取得するレンズ情報、すなわち中心位置1304L、1304Rや円形領域1301L、1301Rの値によって変化する。たとえ2眼レンズであっても、製造時のパラメーターなどによって異なるレンズ情報となる場合がある。そのため、必ずしもXminLとXminR、XmaxLとXmaxR、YminLとYminR、YmaxLとYmaxRが一致するわけではない。つまり、左右の光学系それぞれのレンズ情報から、それぞれの矩形領域1302L、1302Rの中心位置、大きさを求め、拡大枠の表示位置において異なる制御を行うX座標、Y座標を算出する。
【0210】
効果
前述したように、タッチ操作による位置指定やMC82や十字キー74による方向指示(移動指示)が行われた際に、拡大領域を示す拡大枠の中心座標が、円形で表示するLV画像に内接する矩形領域外に移動しないように制御する。すなわち、ユーザーによる指示が行われたとしても、拡大枠の中心座標は、円形領域1301L、1301Rに接する矩形領域1302L、1302R以外の領域には移動しない。このような制御により、ユーザーが拡大指示を行った際に、LV画像が表示されていない領域が拡大表示されることがなく、ユーザーが混乱する可能性を低減できる。さらには、拡大表示により、LV画像の隅々までより詳細に確認することができる。
【0211】
次に、拡大ボタン78が押下された場合に実行される拡大処理および拡大率の変更処理について説明する。
【0212】
図8は、本実施形態による表示部28に表示するLV画像の拡大操作と撮影操作に関する制御フローチャートである。図8の制御フローチャートを実行した場合の、表示部28の表示例について図9を用いて説明する。なお、図9に示す表示例の詳細については、図8の制御フローチャートの説明をした後で説明を行う。
【0213】
S801では、システム制御部50は、拡大ボタン78が押下されたか否かを判定する。押下された場合はS802へ進み、そうでない場合はS819へ進む。本実施形態ではユーザーによる拡大指示は拡大ボタン78の押下としたが、これに限らず、例えばタッチパネル70aへのピンチインで拡大表示、ピンチアウトで拡大表示の解除、とすることも可能である。
【0214】
S802では、S411と同様に、システム制御部50は、通信端子6,10を介して装着されたレンズの種類を取得し、2眼レンズであるか否かを判定する。2眼レンズである場合はS803へ進み、そうでない場合はS812へ進む。
【0215】
S803では、システム制御部50は、拡大枠が表示されている位置のLV画像を6倍に拡大し、表示部28に表示する。拡大処理を実行する前に表示される拡大枠の大きさは、6倍の拡大率で拡大処理を実行した場合に、拡大画像が全て表示部28に表示されるように予め設定されているとする。このときの拡大率6倍は、表示部28に表示するLV画像を拡大しない(等倍の)状態を基準とした拡大率である。このときの表示例を図9(c)(d)に示す。
【0216】
S804では、システム制御部50は、拡大位置(拡大している領域)の移動操作が行われたか否かを判定する。拡大位置の移動操作が行われた場合はS805へ進み、そうでない場合はS806へ進む。拡大位置の移動操作は、図6の制御フローチャートを用いて説明したように、MC82や十字キー74の方向キーによる方向指示であるとする。なお、タッチパネル70aに対する操作より行うこともできる。
【0217】
S805では、システム制御部50は、S804の拡大位置の移動操作に基づいて、表示部28に表示する2つのLV画像の表示領域の左右のうち、現在拡大している領域内でのみ、拡大位置を移動する。言い換えれば、拡大処理の対象の領域が、左右の領域のいずれかにおいてライン705に接している状態で、さらに拡大位置の中心をライン705に近づくような移動操作が行われたとしても、当該移動操作を無効として拡大位置を移動しない。
【0218】
S607~S614で示したように、LV画像が等倍の状態での拡大枠の移動は、ユーザーが表示部28に表示される拡大枠を視認可能なため、拡大枠を表示する領域から他方の領域へ移動できるようにしてもユーザーが拡大枠を見失うことはない。これに対して、拡大画像を表示している状態から、拡大位置が領域間をまたがるように移動してしまうと、拡大画像がどの位置を表示しているかが直感的にわかりづらい。
【0219】
右領域のLV画像の左端(拡大位置の左辺がライン705に接している状態)をより詳細に確認したいと考えている場合を想定する。右領域のLV画像の左端の領域を拡大表示して確認している状態で、ユーザーが意図せず拡大枠の移動操作を行ったことにより、拡大表示される領域が左領域のLV画像の右端のLV画像になってしまうと、ユーザーの混乱を招く可能性がある。そのため、拡大画像を表示している状態では、ユーザーによる拡大位置の移動指示が行われた場合に、拡大位置が各LV画像の端部である場合は、左右の領域を超えて拡大位置が移動しないようにする。
【0220】
S806では、システム制御部50は、左右切替操作が行われた否かを判定する。左右切替操作が行われた場合はS807へ進み、そうでない場合はS808へ進む。左右切替操作とは、左右に並ぶ2つの画像のうち、一方の画像から他方の画像への切り替え操作のことを言う。左右切替操作とは、具体的には、左右切替機能を有するボタン(例えばINFOボタン(不図示))の押下とする。
【0221】
S807では、システム制御部50は、拡大位置を、左右切替機能を有するボタンが押下される前に拡大位置が設定されている領域から、もう一方の領域に移動し、拡大表示を行う。このとき、左右切替機能を有するボタンが押下される前の拡大位置が設定された領域における拡大位置の相対的な位置が、他方の領域に移動したあとにも維持されるように、拡大位置を移動する。例えば、右領域のLV画像を拡大している場合に、右領域のLV画像の中央から拡大位置までの距離を算出する。ユーザーによって左右切替操作が行われたことに応じて、算出したLV画像中央から拡大位置までの距離を、反対領域(ここでは左領域)のLV画像の中央からの距離に適用し、拡大位置として表示部28に表示する。このような制御にすることで、ユーザーが左右に表示されるLV画像の同じ位置を左右の両方とも確認したいと考えた場合に、より手番が少なく簡単に左右のLV画像の左右切替を行うことができ、撮影時に時間を要することがない。
【0222】
S808では、システム制御部50は、拡大ボタン78が押されたか否かを判定する。押された場合はS809へ進み、そうでない場合はS804へ戻る。
【0223】
S809では、システム制御部50は、システムメモリ52を参照し、表示部28に表示されるLV画像の拡大率が15倍であるか否かを判定する。15倍である場合はS810へ進み、そうでない場合はS811へ進む。
【0224】
S810では、システム制御部50は、LV画像の拡大状態を解除し、拡大しない(等倍の)LV画像を表示部28に表示する。このときの表示例を図9(a)(b)に示す。
【0225】
S811では、システム制御部50は、LV画像に重畳表示された拡大枠の表示位置でLV画像を15倍の拡大率で表示部28に拡大表示する。このときの拡大率15倍とは、拡大しない(等倍の)状態でのLV画像を基準とした拡大率である。表示例を図9(e)(f)に示す。
【0226】
S812では、S802においてNoと判定されたことから、システム制御部50は、LV画像に重畳表示された拡大枠の表示位置において、LV画像を6倍の拡大率で表示部28に拡大表示する。このときの拡大率6倍とは、拡大しない(等倍の)状態でのLV画像を基準とした拡大率である。
【0227】
S813では、S804と同様に、システム制御部50は、拡大位置の移動操作が行われたか否かを判定する。拡大位置の移動操作が行われた場合はS814へ進み、そうでない場合はS815へ進む。
【0228】
S814では、システム制御部50は、拡大位置の移動操作に基づいて、LV画像の表示領域内で拡大位置を移動する。本ステップではS802においてNoと判定されたことにより、デジタルカメラ010に装着されているレンズは1眼レンズもしくはレンズが装着されていないことがわかる。つまり、表示部28には1つのLV画像しか表示がされないため、S805のような左右領域の考慮を行うことなく、拡大位置の移動を行うことができる。
【0229】
S815では、S808と同様に、システム制御部50は、拡大ボタン78が押されたか否かを判定する。押された場合はS816へ進み、そうでない場合はS813へ戻る。
【0230】
S816では、システム制御部50は、システムメモリ52を参照し、現在のLV画像の拡大率が15倍か否かを判定する。15倍である場合はS817へ進み、そうでない場合はS818へ進む。
【0231】
S817では、S810と同様に、システム制御部50は、LV画像の拡大状態を解除し、拡大しない(等倍の)LV画像を表示部28に表示する。
【0232】
S818では、システム制御部50は、LV画像に重畳表示された拡大枠の表示位置でLV画像を15倍の拡大率で表示部28に拡大表示する。このときの拡大率15倍とは、拡大しない(等倍の)状態でのLV画像を基準とした拡大率である。
【0233】
S819では、システム制御部50は、第1シャッタースイッチ62がオンになったか否かを判定する。第1シャッタースイッチ62がオンになった場合は、S820へ進み、そうでない場合はS830へ進む。第1シャッタースイッチ62がオンとは、前述したようにシャッターボタン61が半押しされている状態を示す。すなわち、ユーザーは撮影を行おうとしていることが想定できる。
【0234】
S820では、S411と同様に、システム制御部50は、通信端子6,10を介して装着されたレンズの種類を取得し、2眼レンズであるか否かを判定する。2眼レンズである場合はS823へ進み、そうでない場合はS821へ進む。
【0235】
S821では、システム制御部50は、フォーカスモードがAFモードに設定されているか否かを判定する。AFモードに設定されている場合は、S822へ進み、そうでない場合(MFモードに設定されている場合)は、S823へ進む。AFモード/MFモードの切り替えは、設定メニュー画面やレンズユニット150の外部に備えられているスイッチなどで切り替えられる。
【0236】
S822では、システム制御部50は、AF枠位置に基づいてAF処理を行う。
【0237】
S823では、システム制御部50は、AEやAWB等のその他の撮影準備処理を行う。
【0238】
S824では、システム制御部50は、第2シャッタースイッチ64がオンになったか否かを判定する。第2シャッタースイッチ64がオン、すなわち、シャッターボタン61が全押しされた場合はS825へ進み、そうでない場合はS829へ進む。
【0239】
S825では、S411と同様に、システム制御部50は、通信端子6,10を介して装着されたレンズの種類を取得し、2眼レンズであるか否かを判定する。2眼レンズである場合はS826へ進み、そうでない場合はS827へ進む。
【0240】
S826では、システム制御部50は、2眼レンズで撮像された画像と2眼レンズ情報などを画像ファイルとして記録媒体200に記録するまでの一連の撮影処理を行う。
【0241】
S827では、システム制御部50は、撮像された画像と通常の(1眼の)レンズ情報などを画像ファイルとして記録媒体200に記録するまでの一連の撮影処理を行う。
【0242】
S828では、システム制御部50は、第1シャッタースイッチ62のオンが継続しているか否かを判定する。第1シャッタースイッチ62のオンが継続している場合は、S824へ戻り、そうでない場合はS830へ進む。
【0243】
S829では、システム制御部50は、前述した以外のその他の操作を検出したかどうかを判定する。その他の操作を検出した場合はS830へ進み、そうでない場合はS831へ進む。具体的には、メニューボタン81や再生ボタン79などの押下があったか否かを判定する。
【0244】
S830では、システム制御部50は、検出したその他の操作に対応したその他の処理の実行を開始する。メニューボタン81が押下された場合は設定メニュー画面を表示し、再生ボタン79が押下された場合は記録媒体200に保存される画像を表示部28に表示する。
【0245】
S831では、システム制御部50は、撮影待機状態が終了したか否かを判定する。例えば、電源OFFなどによって撮影待機状態が終了した場合は、図8の制御フローチャートを終了し、そうでない場合は、図4のS401へ戻る。
【0246】
図9(a)~(f)を用いて、ユーザーによって拡大指示が行われた際の、表示部28に表示するLV画像について説明する。
【0247】
図9(a)に、拡大倍率が等倍(すなわち拡大なし)であり、かつ、拡大枠が左領域、すなわち、右眼光学系301Rを介して撮像されたLV画像(LV900R)に重畳して表示される場合の表示例を示す。表示部28に、右眼光学系301Rを介して撮像されたLV900Rと、左眼光学系301Lを介して撮像されたLV900Lを表示する。前述したように、左領域に表示されるLV900Rは右眼光学系301Rで撮像されたものであり、右領域に表示されるLV900Lは左眼光学系301Lで撮像されたものである。左右反転していることをユーザーに報知するために、表示アイテム901、902を表示する。表示アイテム901は“R”と表示し、右(right)であることを示し、表示アイテム902は”L“とし、左(left)であることを示す。図9(a)に示す状態で、拡大ボタン78を1回押下すると、図9(c)に示す状態へと遷移し、左右切替ボタン(不図示)を1回押下するとLV900Rに重畳される拡大枠が、LV900Lの相対的に同じ位置に移動し図9(b)に示す状態へと遷移する。
【0248】
図9(b)は、拡大倍率が等倍(等倍、すなわち拡大なし)であり、かつ、拡大枠が右領域、すなわち、左眼光学系301Lによって撮像されたLV画像(LV900L)に重畳して表示される場合の表示例を示す。図9(b)では、拡大枠904がLV900Lに重畳して表示される。図9(b)に示す状態で、拡大ボタン78を1回押下すると図9(d)に示す状態に遷移し、左右切替ボタンを1回押下するとLV900Lに重畳表示される拡大枠がLV900Rの相対的に同じ位置に移動し図9(a)に示す状態へと遷移する。
【0249】
図9(c)は、LV900Rが拡大倍率6倍で拡大された場合の表示例である。表示部28に表示される拡大された画像が、どちらの光学系で撮像されたかを示す表示アイテム901を拡大されたLV画像であるLV910Rに重畳して表示する。
【0250】
図9(d)は、LV900Lが拡大倍率6倍で拡大された場合の表示例である。表示部28に表示される拡大された画像が、どちらの光学系で撮像されたかを示す表示アイテム902を拡大されたLV画像であるLV910Lに重畳して表示する。
【0251】
図9(e)は、LV900Rが拡大倍率等倍5で拡大表示された場合の表示例である。表示部28に表示される拡大された画像が、15倍に拡大されたLV920Rに重畳して、右眼光学系301Rで撮像されたLV画像を示す表示アイテム901を表示する。
【0252】
図9(f)は、LV900Lが拡大倍率等倍5で拡大表示された場合の表示例である。表示部29に表示される拡大された画像が、15倍に拡大されたLV920Lに重畳して、左眼光学系301Lで撮像されたLV画像を示す表示アイテム902を表示する。
【0253】
すなわち、図9(a)(b)は拡大倍率が等倍(すなわち拡大なし)の場合に、図9(c)(d)は拡大倍率が6倍の場合に、図9(e)(f)は拡大倍率が15倍の場合に表示部28に表示されるLV画像である。
【0254】
拡大ボタン78の1回の押下毎に、表示部28に表示のLV画像が等倍→6倍→等倍5→等倍の順に拡大倍率が変更される。また、左右切替ボタンの押下があると、拡大倍率が等倍の場合は、拡大枠をもう一方のLV画像に重畳表示するように切り替える。すなわち、拡大枠が左領域に表示のLV900Rに重畳表示されている場合は、右領域に表示のLV900Lに重畳表示するように表示領域を切り替える。拡大倍率が等倍以外の場合は、拡大位置を相対的に同じ位置となるもう一方のLV画像の領域に切り替える。このとき拡大倍率は変化しない。
【0255】
なお、表示モード切替の指示や拡大枠・拡大位置の移動指示、拡大指示などの操作は専用の機能を有した操作ボタンで指示を行うことを説明したが、様々な任意の機能を割り当てることができるボタンにそれぞれの機能を割り当てるようにしてもよい。
【0256】
以上述べたように、2つの光学系を有するレンズ(2眼レンズ)を装着し、撮像を行った場合、撮影中に、LV画像の拡大位置を示す拡大枠が光学像の形成されている領域を含む(光学像の形成されていない領域のみを含まない)ようにする。2つの光学系を介して撮像された2つのLV画像を表示部に左右に並べて表示し、光学像の形成されていない領域のみを含まないように、少なくとも光学像の形成されている(左像もしくは右像の)一部を含むように拡大枠の表示・移動を行う。これにより、ユーザーが拡大指示を行った際に、光学像の形成されていない領域のみが拡大表示されることを避けることができ、ユーザーが混乱することを低減することができる。
【0257】
また、2つのLV画像が等倍(拡大されていない)表示の場合には、タッチ操作による位置指定やMC82や十字キー74による方向指示(移動指示)が行われた際に、拡大枠の中心が、円形で表示するLV画像に内接する矩形領域外に移動しないように制御する。すなわち、ユーザーによる指示が行われたとしても、拡大枠の中心座標は、表示部28の領域1310から円形領域1301L、1301Rに接する矩形領域1302L、1302Rを除いた、余白(斜線)部分を示す領域1311には移動しない。このような制御により、ユーザーが拡大指示を行った際に、LV画像が表示されていない領域が拡大表示されることがなく、ユーザーが混乱する可能性を低減できる。さらには、拡大表示により、LV画像の隅々までより詳細に確認することができる。
【0258】
一方で、2つのLV画像のいずれかが拡大されている場合には、現在拡大している画像の境界側の端(左領域を拡大している場合は右端、右領域を拡大している場合は左端)に到達した状態で拡大位置の移動指示が行われても、指示方向への移動は行わない。つまり、現在の拡大位置をユーザーが視認しづらい状況での、領域(LV画像の境界)を越えての拡大位置の移動は行わない。これにより、意図しないLV画像の境界の乗り越えを低減することができ、ユーザーが混乱することを低減することができる。
【0259】
また、2つの光学系を有するレンズ(2眼レンズ)を装着している場合は、フォーカスガイドと拡大枠とを連動させない(非連動)とする。これにより、2眼レンズ装着時のように2つのLV画像が表示され、拡大していない状態でLV画像全体を細かく確認することが難しい場合には、合焦位置にかかわらずLV画像の拡大を行い、より詳細にLV画像を確認したいと考える可能性が高い。そのため、焦点検出領域を示す枠を有するフォーカスガイドの位置のみを拡大できるようにするのではなく、ユーザー所望の位置を拡大できるように、非連動とする。一方で、通常のレンズ(1眼レンズ)装着の場合は、フォーカスガイド・AF枠と拡大枠は主に連動し、フォーカスガイド・AF枠を移動させると拡大枠の位置もともに移動する。1眼レンズ装着時は1つのLV画像が表示されるのみであり、2つのLV画像が表示される場合よりもLV画像が表示部に大きく表示されるため、2眼レンズ装着時よりも、等倍の状態でLV画像をより詳細に確認がしやすい。
【0260】
なお、システム制御部50が行うものとして説明した上述の各種制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェア(例えば、複数のプロセッサーや回路)が処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0261】
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0262】
また、上述した実施形態においては、本発明をデジタルカメラ100に適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず2つの光学系で撮像した画像を表示できる撮像制御装置であれば適用可能である。すなわち、本発明はパーソナルコンピュータやPDA、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、ディスプレイを備えるプリンタ装置、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤー、ゲーム機、電子ブックリーダー、家電装置、車載装置、医療機器などに適用可能である。
【0263】
また、撮像装置本体に限らず、有線または無線通信を介して撮像装置(ネットワークカメラを含む)と通信し、撮像装置を遠隔で制御する制御装置にも本発明を適用可能である。撮像装置を遠隔で制御する装置としては、例えば、スマートフォンやタブレットPC、デスクトップPCなどの装置がある。制御装置側で行われた操作や制御装置側で行われた処理に基づいて、制御装置側から撮像装置に各種動作や設定を行わせるコマンドを通知することにより、撮像装置を遠隔から制御可能である。また、撮像装置で撮影したライブビュー画像を有線または無線通信を介して受信して制御装置側で表示できるようにしてもよい。
【0264】
(他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
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