(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183851
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】搬送システムおよび処理システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20221206BHJP
B65G 59/06 20060101ALI20221206BHJP
B65G 57/30 20060101ALI20221206BHJP
B65G 60/00 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B65G59/06
B65G57/30
B65G60/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091352
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 史朗
(72)【発明者】
【氏名】赤羽 賢俊
(72)【発明者】
【氏名】倉田 茂
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昇悟
【テーマコード(参考)】
3F029
3F030
5F131
【Fターム(参考)】
3F029BA09
3F029BA14
3F029CB02
3F029CB15
3F030AA04
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5F131AA03
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5F131DD85
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5F131GA22
5F131GA32
(57)【要約】
【課題】作業者の負担を抑えながら、複数のトレイを搬入・搬出することが可能な搬送システムを提供すること。
【解決手段】搬送システム1は、空トレイ供給用の第1台車3と、複数の空トレイ15Aのうちの最も下段の空トレイ15Aを第1トレイ載置位置60Bに搬送する第1トレイ搬送機構6を含む分離機構5と、空トレイ15Aを第1トレイ載置位置60Bからワーク搭載位置101Aに搬送するための第2トレイ搬送機構7と、ワーク搭載位置101Aに搬送された空トレイ15Aに表示パネル100を載置するワーク移載機構8と、実トレイ15Bをワーク搭載位置101Aから実トレイ排出位置101Bに搬送する第3トレイ搬送機構10を含み、実トレイ15Bを実トレイ排出位置101Bに載置されていた実トレイ15Bの下段に積み重ねる積み重ね機構9と、複数の実トレイ15Bが移し替えられる空トレイ排出用の第2台車4と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークが載置されていない複数の空トレイが積み重ねられた空トレイ供給用の第1台車と、
前記第1台車から前記複数の空トレイが移し替えられる空トレイ供給位置で前記複数の空トレイのうちの前記最も下段の空トレイを第1トレイ載置位置に搬送する第1トレイ搬送機構を含む分離機構と、
前記分離機構によって分離された前記空トレイを前記第1トレイ載置位置からワーク搭載位置に搬送するための第2トレイ搬送機構と、
前記ワーク搭載位置に搬送された前記空トレイにワークを載置するワーク移載機構と、
前記ワーク移載機構によってワークが載置された実トレイを前記ワーク搭載位置から実トレイ排出位置に搬送する第3トレイ搬送機構を含み、前記第3トレイ搬送機構によって搬送されてくる実トレイを前記実トレイ排出位置に載置されていた実トレイの下段に積み重ねる積み重ね機構と、
前記積み重ね機構によって積み重ねられた複数の前記実トレイが前記実トレイ排出位置から移し替えられる空トレイ排出用の第2台車と、
を有することを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送システムにおいて、
前記第1台車には、積み重ねられた前記複数の空トレイを下方から支持する第1コンベアが設けられ、
前記第1トレイ搬送機構には、前記第1コンベアと接続される第2コンベアが設けられ、
前記第2台車には、積み重ねられた前記複数の実トレイを下方から支持する第3コンベアが設けられ、
前記第3トレイ搬送機構には、前記第3コンベアと接続される第4コンベアが設けられていることを特徴とする搬送システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の搬送システムにおいて、
前記第1トレイ搬送機構による前記空トレイの搬送方向、および前記第3トレイ搬送機構による前記実トレイの搬送方向はいずれも第1方向に沿う方向であり、
前記第2トレイ搬送機構による搬送方向は、前記第1方向に対して交差する第2方向であることを特徴とする搬送システム。
【請求項4】
請求項3に記載の搬送システムにおいて、
前記第2台車を用いた実トレイ搬出機構が前記第2方向に沿って複数配置されていることを特徴とする搬送システム。
【請求項5】
請求項4に記載の搬送システムにおいて、
前記ワーク移載機構は、スカラロボットであることを特徴とする搬送システム。
【請求項6】
請求項4または5に記載の搬送システムにおいて、
前記複数の実トレイ搬出機構のうちの第1搬出機構と、前記複数の実トレイ搬出機構のうち、前記第1搬出機構とは別の第2搬出機構とでは、前記ワーク移載機構が前記ワークを載置する際の前記ワーク搭載位置が前記第1方向でずれており、
前記第1搬出機構では、前記ワーク搭載位置に搬送された前記空トレイに前記ワーク移載機構が前記ワークを載置し、
前記第2搬出機構では、前記第3トレイ搬送機構によって、前記第2トレイ搬送機構が搬送してきた空トレイを前記ワーク搭載位置まで前記第1方向に沿って搬送した後、前記実トレイ排出位置に搬送することを特徴とする搬送システム。
【請求項7】
請求項4から6までの何れか一項に記載の搬送システムにおいて、
前記複数の実トレイ搬出機構は各々、前記ワークを検査したときの結果に対応していることを特徴とする搬送システム。
【請求項8】
ワークが載置された複数の実トレイが積み重ねられた実トレイ供給用の第1台車と、
前記第1台車から前記複数の実トレイが移し替えられる実トレイ供給位置で前記複数の実トレイのうちの前記最も下段の実トレイを第1トレイ載置位置に搬送する第1トレイ搬送機構を含む分離機構と、
前記分離機構によって分離された前記実トレイをワーク取り出し位置に搬送する第2トレイ搬送機構と、
前記ワーク取り出し位置で実トレイからワークを取り出すワーク移載機構と、
前記ワーク移載機構によってワークが取り出された空トレイを空トレイ排出位置に搬送する第3トレイ搬送機構を含み、前記第3トレイ搬送機構によって搬送されてくる空トレイを前記空トレイ排出位置に載置されていた空トレイの下段に積み重ねる積み重ね機構と、
前記積み重ね機構によって積み重ねられた複数の前記空トレイが前記空トレイ排出位置から移し替えられる空トレイ排出用の第2台車と、
を有することを特徴とする搬送システム。
【請求項9】
請求項8に記載の搬送システムにおいて、
前記第1台車には、多段に積み上げられた前記複数の実トレイを下方から支持する第1コンベアが設けられ、
前記第1トレイ搬送機構には、前記第1コンベアと接続される第2コンベアが設けられ、
前記第2台車には、多段に積み上げられた前記複数の空トレイを下方から支持する第3コンベアが設けられ、
前記第3トレイ搬送機構には、前記第3コンベアと接続される第4コンベアが設けられていることを特徴とする搬送システム。
【請求項10】
請求項8または9に記載の搬送システムにおいて、
前記第2トレイ搬送機構は、前記ワーク取り出し位置で前記ワークが取り出された前記空トレイを前記第3トレイ搬送機構との空トレイ載置位置まで搬送することを特徴とする搬送システム。
【請求項11】
請求項8から10までの何れか一項に記載の搬送システムにおいて、
前記第1トレイ搬送機構による前記実トレイの搬送方向、および前記第3トレイ搬送機構による前記空トレイの搬送方向はいずれも第1方向に沿う方向であり、
前記第2トレイ搬送機構による前記実トレイの搬送方向は、前記第1方向に対して交差する第2方向であることを特徴とする搬送システム。
【請求項12】
請求項8から11までの何れか一項に記載の搬送システムにおいて、
前記ワーク移載機構は、スカラロボットであることを特徴とする搬送システム。
【請求項13】
請求項1から7までの何れか一項に記載の搬送システム、および請求項8から12までの何れか一項に記載の搬送システムを備えた処理システムであって、
前記実トレイ供給位置から前記実トレイ排出位置までワークが搬送されるまでの間にワークの検査を行う検査装置を備えることを特徴とする処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネル等の表示パネルを搬送する搬送システム、および搬送システムを備えた処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯機器等で使用される液晶表示装置の組立ラインに組み込まれる搬送システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の搬送システムは、表示パネルが収容されたトレイを積み重ねた状態で搬入する搬入コンベアと、トレイが載置される第1トレイステージおよび第2トレイステージと、第1トレイステージおよび第2トレイステージに載置されたトレイから表示パネルを取り出す第1ロボットと、空になったトレイを積み重ねた状態で排出する排出コンベアと、搬入コンベアから第1トレイステージおよび第2トレイステージにトレイを渡すとともに、第1トレイステージおよび第2トレイステージから排出コンベアにトレイを渡す第2ロボットとを備える。
【0003】
特許文献1に記載の搬送システムにおいて、作業者は、積み重ねられた複数のトレイを、手作業によって搬入コンベアに搬入する。また、作業者は、積み重ねられた複数のトレイを、手作業によって排出コンベアから搬出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の搬送システムにおいて、作業者の手作業によって、複数のトレイが搬入・搬出される場合、作業者の負担が大きいという問題がある。また、トレイに表示パネルが収容されている場合、作業者が、搬入・搬出する際に、トレイを誤って倒してしまうと、収容されていた表示パネルが破損するという問題がある。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、作業者の負担を抑えながら、複数のトレイを搬入・搬出することが可能な搬送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明に係る搬送システムは、ワークが載置されていない複数の空トレイが積み重ねられた空トレイ供給用の第1台車と、前記第1台車から前記複数の空トレイが移し替えられる空トレイ供給位置で前記複数の空トレイのうちの前記最も下段の空トレイを第1トレイ載置位置に搬送する第1トレイ搬送機構を含む分離機構と、前記分離機構によって分離された前記空トレイを前記第1トレイ載置位置からワーク搭載位置に搬送するための第2トレイ搬送機構と、前記ワーク搭載位置に搬送された前記空トレイにワークを載置するワーク移載機構と、前記ワーク移載機構によってワークが載置された実トレイを前記ワーク搭載位置から実トレイ排出位置に搬送する第3トレイ搬送機構を含み、前記第3トレイ搬送機構によって搬送されてくる実トレイを前記実トレイ排出位置に載置されていた実トレイの下段に積み重ねる積み重ね機構と、前記積み重ね機構によって積み重ねられた複数の前記実トレイが前記実トレイ排出位置から移し替えられる空トレイ排出用の第2台車と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明では、空トレイ供給用の第1台車を用いて、ワークが載置されていない複数の空
トレイが搬送システムに搬入される。また、実トレイ排出用の第2台車を用いて、ワークが載置された複数の実トレイが搬送システムから搬出される。したがって、手作業によって、複数のトレイが搬入・搬出されないので、搬送システムに複数のトレイを搬入・搬出する際の作業者の負担を軽減することができる。
【0009】
分離機構は、空トレイ供給位置で複数の空トレイのうちの最も下段の空トレイを第1トレイ載置位置に搬送する。積み重ね機構は、第3トレイ搬送機構によって搬送されてくる実トレイを実トレイ排出位置に載置されていた実トレイの下段に積み重ねる。ここで、分離機構が複数の空トレイのうち最も上段に配置された空トレイを分離する場合には、分離された空トレイを高さ方向に移動させるトレイ搬送機構が必要となる。この場合には、トレイの枚数に応じて、トレイの高さが変化するので、トレイの高さに応じて、トレイ搬送機構のタクトタイムが異なってしまう。同様に、分積み重ね機構が、実トレイを複数の実トレイのうち最も上段に積み重ねる場合には、実トレイを高さ方向に移動させるトレイ搬送機構が必要となる。この場合には、トレイの枚数に応じて、トレイの高さが変化するので、トレイの高さに応じて、トレイ搬送機構のタクトタイムが異なってしまう。しかしながら、本発明では、複数の空トレイのうち最も下段の空トレイを第1トレイ載置位置に搬送するとともに、実トレイを実トレイ排出位置に載置されていた実トレイの下段に積み重ねる。このため、搬送システムは、トレイの枚数に関わらず、一定のサイクルでトレイの分離およびトレイの積み重ねを行うことが可能である。よって、搬送システムのタクトタイムを短縮することが可能となる。また、分離された空トレイを高さ方向に移動させるトレイ搬送機構および実トレイを高さ方向に移動させるトレイ搬送機構が不要となる。
【0010】
本発明において、前記第1台車には、積み重ねられた前記複数の空トレイを下方から支持する第1コンベアが設けられ、前記第1トレイ搬送機構には、前記第1コンベアと接続される第2コンベアが設けられ、前記第2台車には、積み重ねられた前記複数の実トレイを下方から支持する第3コンベアが設けられ、前記第3トレイ搬送機構には、前記第3コンベアと接続される第4コンベアが設けられていることが好ましい。このように構成すれば、第1台車から第1トレイ搬送機構に、空トレイを搬入する際、空トレイを搬入しやすい。また、第3トレイ搬送機構から第2台車に、実トレイを排出する際、実トレイを排出しやすい。
【0011】
本発明において、前記第1トレイ搬送機構による前記空トレイの搬送方向、および前記第3トレイ搬送機構による前記実トレイの搬送方向はいずれも第1方向に沿う方向であり、前記第2トレイ搬送機構による搬送方向は、前記第1方向に対して交差する第2方向であることが好ましい。このように構成すれば、第1トレイ搬送機構に空トレイを供給するための第1台車、および第3トレイ搬送機構から排出される実トレイを受け取る第2台車を移動させる際に、作業者は、搬送システムに対して、第1台車および第2台車を同一方向から移動させることが可能となる。
【0012】
本発明において、前記第2台車を用いた実トレイ搬出機構が前記第2方向に沿って複数配置されていることが好ましい。この場合、前記複数の実トレイ搬出機構は各々、前記ワークを検査したときの結果に対応していることが好ましい。したがって、ワーク移載機構がワークの検査結果に基づいて、ワークを移動させる場合、第2台車を用いた実トレイ搬出機構が複数配置されていれば、検査結果に対応した第2台車を配置することが可能となる。これにより、搬送システムは、検査結果が異なる複数のワークを同時に搬送することが可能となる。
【0013】
本発明において、前記ワーク移載機構は、スカラロボットである態様を採用することができる。
【0014】
本発明において、前記複数の実トレイ搬出機構のうちの第1搬出機構と、前記複数の実トレイ搬出機構のうち、前記第1搬出機構とは別の第2搬出機構とでは、前記ワーク移載機構が前記ワークを載置する際の前記ワーク搭載位置が前記第1方向でずれており、前記第1搬出機構では、前記ワーク搭載位置に搬送された前記空トレイに前記ワーク移載機構が前記ワークを載置し、前記第2搬出機構では、前記第3トレイ搬送機構によって、前記第2トレイ搬送機構が搬送してきた空トレイを前記ワーク搭載位置まで前記第1方向に沿って搬送した後、前記実トレイ排出位置に搬送することが好ましい。ここで、第1搬出機構と第2搬出機構とが第2方向に配列された実トレイ搬出機構の場合、ワーク移載機構の移動範囲は、第2方向に大きくなる必要があり、ワーク移載機構が大型化する。しかしながら、本発明では、第2搬出機構では、第3トレイ搬送機構によって、第2トレイ搬送機構が搬送してきた空トレイを前記ワーク搭載位置まで第1方向に沿って搬送するので、第1搬出機構とは第2搬出機構とでは、ワーク移載機構がワークを載置する際のワーク搭載位置が第1方向でずれている。これにより、第2搬出機構の第3トレイ搬送機構が空トレイを前記ワーク搭載位置まで第1方向に沿って搬送しない場合と比較して、ワーク移載機構の第2方向の移動範囲は、小さくなる。この結果、搬送システムが複数の実トレイ搬出機構を備えた場合であっても、ワーク移載機構が大型化することを抑制することができる。
【0015】
発明に係る搬送システムは、ワークが載置された複数の実トレイが積み重ねられた実トレイ供給用の第1台車と、前記第1台車から前記複数の実トレイが移し替えられる実トレイ供給位置で前記複数の実トレイのうちの前記最も下段の実トレイを第1トレイ載置位置に搬送する第1トレイ搬送機構を含む分離機構と、前記分離機構によって分離された前記実トレイをワーク取り出し位置に搬送する第2トレイ搬送機構と、前記ワーク取り出し位置で実トレイからワークを取り出すワーク移載機構と、前記ワーク移載機構によってワークが取り出された空トレイを空トレイ排出位置に搬送する第3トレイ搬送機構を含み、前記第3トレイ搬送機構によって搬送されてくる空トレイを前記空トレイ排出位置に載置されていた空トレイの下段に積み重ねる積み重ね機構と、前記積み重ね機構によって積み重ねられた複数の前記空トレイが前記空トレイ排出位置から移し替えられる空トレイ排出用の第2台車と、を有することを特徴とする。
【0016】
本発明では、実トレイ供給用の第1台車を用いて、ワークが載置された複数の実トレイが搬送システムに搬入される。また、空トレイ排出用の第2台車を用いて、ワークが載置されていない複数の空トレイが搬送システムから搬出される。したがって、手作業によって、複数のトレイが搬入・搬出されないので、搬送システムに複数のトレイを搬入・搬出する際の作業者の負担を軽減することができる。
【0017】
分離機構は、実トレイ供給位置で複数の実トレイのうちの最も下段の実トレイを第1トレイ載置位置に搬送する。積み重ね機構は、第3トレイ搬送機構によって搬送されてくる空トレイを空トレイ排出位置に載置されていた空トレイの下段に積み重ねる。ここで、分離機構が複数の実トレイのうち最も上段に配置された実トレイを分離する場合には、分離された実トレイを高さ方向に移動させるトレイ搬送機構が必要となる。この場合には、トレイの枚数に応じて、トレイの高さが変化するので、トレイの高さに応じて、トレイ搬送機構のタクトタイムが異なってしまう。同様に、分積み重ね機構が、空トレイを複数の空トレイのうち最も上段に積み重ねる場合には、空トレイを高さ方向に移動させるトレイ搬送機構が必要となる。この場合には、トレイの枚数に応じて、トレイの高さが変化するので、トレイの高さに応じて、トレイ搬送機構のタクトタイムが異なってしまう。しかしながら、本発明では、複数の実トレイのうち最も下段の実トレイを第1トレイ載置位置に搬送するとともに、空トレイを空トレイ排出位置に載置されていた空トレイの下段に積み重ねる。このため、搬送システムは、トレイの枚数に関わらず、一定のサイクルでトレイの分離およびトレイの積み重ねを行うことが可能である。よって、搬送システムのタクトタ
イムを短縮することが可能となる。また、分離された実トレイを高さ方向に移動させるトレイ搬送機構および空トレイを高さ方向に移動させるトレイ搬送機構が不要となる。
【0018】
本発明において、前記第1台車には、多段に積み上げられた前記複数の実トレイを下方から支持する第1コンベアが設けられ、前記第1トレイ搬送機構には、前記第1コンベアと接続される第2コンベアが設けられ、前記第2台車には、多段に積み上げられた前記複数の空トレイを下方から支持する第3コンベアが設けられ、前記第3トレイ搬送機構には、前記第3コンベアと接続される第4コンベアが設けられていることが好ましい。このように構成すれば、第1台車から第1トレイ搬送機構に、実トレイを搬入する際、実トレイを搬入しやすい。また、第3トレイ搬送機構から第2台車に、空トレイを排出する際、空トレイを排出しやすい。
【0019】
本発明において、前記第2トレイ搬送機構は、前記ワーク取り出し位置で前記ワークが取り出された前記空トレイを前記第3トレイ搬送機構との空トレイ載置位置まで搬送することが好ましい。このように構成すれば、ワーク取り出し位置から空トレイ載置位置まで、空トレイを搬送する機構を別途設ける必要がない。
【0020】
本発明において、前記第1トレイ搬送機構による前記実トレイの搬送方向、および前記第3トレイ搬送機構による前記空トレイの搬送方向はいずれも第1方向に沿う方向であり、前記第2トレイ搬送機構による前記実トレイの搬送方向は、前記第1方向に対して交差する第2方向であることが好ましい。このように構成すれば、第1トレイ搬送機構に実トレイを供給するための第1台車、および第3トレイ搬送機構から排出される空トレイを受け取る第2台車を移動させる際に、作業者は、搬送システムに対して、第1台車および第2台車を同一方向から移動させることが可能となる。
【0021】
本発明において、前記ワーク移載機構は、スカラロボットである態様を採用することができる。
【0022】
本発明に係る処理システムは、上記に記載の搬送システムを備えた処理システムであって、前記実トレイ供給位置から前記実トレイ排出位置までワークが搬送されるまでの間にワークの検査を行う検査装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、第1台車および第2台車によって、複数のトレイを搬入・搬出することが可能であるので、作業者の負担を抑えることが可能となる。また、複数のトレイを搬入・搬出する際に、トレイを誤って倒してしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施形態にかかる搬送システムの平面図である。
【
図3】
図1のA-A方向から搬送システムを示す正面図である。
【
図4】第1トレイ搬送機構、第3トレイ搬送機構の側面図である。
【
図10】本発明の第2実施形態にかかる搬送システムの平面図である。
【
図12】
図10のA-A方向から搬送システムを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態を説明する。以下の説明では、ワークが表示パネル100である場合を中心に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる搬送システムの平面図である。
図2は、搬送システムの正面図である。
図3は、
図1のA-A方向から搬送システムを示す正面図である。
図4は、第1トレイ搬送機構および第3トレイ搬送機構の側面図であり、
図4(a)は、第1トレイ搬送機構を示す図であり、
図4(b)は、第3トレイ搬送機構を示す図である。
図5は、分離部および積み重ね部の側面図であり、
図5(a)は、分離部を示す図であり、
図5(b)は、積み重ね部を示す図である。
【0026】
(搬送システムの全体構成)
図1に示す本形態の搬送システム1は、携帯機器等で使用される小型の液晶ディスプレイの製造ラインに組み込まれて使用される。前工程で検査されたワークである表示パネル100が搬入機構16によって搬入されると、搬送システム1は、搬入された表示パネル100の検査結果に基づいて、トレイ15に搬送する。表示パネル100は、液晶パネルや有機ELパネル等である。表示パネル100は、矩形状に形成されている。本形態において、前工程は、表示パネル100の点灯検査の工程であり、表示パネル100は、点灯検査の検査結果に基づいて、良品、不良品、再検査品の何れかに分類される。
【0027】
図1~
図3に示すように、搬送システム1は、本体部2と、表示パネル100が載置されていない複数の空トレイ15Aが積み重ねられた第1台車3と、表示パネル100が載置された複数の実トレイ15Bが積み重ねられた第2台車4とを備える。第1台車3および第2台車4は、所定の移動方向に沿って、本体部2から搬出されるとともに、本体部2に搬入される。本形態では、第2台車4として、第2台車4A、第2台車4B、および第2台車4Cが設けられている。
【0028】
ここで、図において、互いに直交する方向をX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向とする。第1台車3および第2台車4の移動方向をX軸方向とし、第1台車3および第2台車4が本体部2から搬出される方向をX1方向とし、第1台車3および第2台車4が本体部2に搬入される方向をX2方向とする。第1台車3および第2台車4はY軸方向に配列されている。Z軸方向において、上方をZ1方向とし、下方をZ2方向とする。
【0029】
本体部2は、複数の空トレイ15Aのうちの最も下段の空トレイ15Aを搬送する第1トレイ搬送機構6を含む分離機構5と、分離機構5によって分離された空トレイ15Aを搬送する第2トレイ搬送機構7と、第2トレイ搬送機構7によって搬送された空トレイ15Aに表示パネル100を載置するワーク移載機構8と、ワーク移載機構8によって表示パネル100が載置された実トレイ15Bを搬送する第3トレイ搬送機構10を含み、第3トレイ搬送機構10によって搬送された実トレイ15Bを積み重ねる積み重ね機構9と、を備える。本形態では、積み重ね機構9として、第3トレイ搬送機構10Aを含む積み重ね機構9A、第3トレイ搬送機構10Bを含む積み重ね機構9B、第3トレイ搬送機構10Cを含む積み重ね機構9Cが設けられている。
【0030】
ここで、第2台車4、積み重ね機構9は、実トレイ搬出機構11を構成する。本形態では、複数の実トレイ搬出機構11が設けられている。より具体的には、実トレイ搬出機構11は、第1搬出機構11Aと、第2搬出機構11Bと、を備える。第1搬出機構11Aは、第2台車4A、積み重ね機構9A、第2台車4B、および積み重ね機構9Bで構成される。第2搬出機構11Bは、第2台車4C、および積み重ね機構9Cで構成される。
【0031】
本形態のトレイ15としての、空トレイ15Aおよび実トレイ15Bは、同一のトレイで構成される。空トレイ15Aおよび実トレイ15Bは、略長方形の平板状に形成されている。空トレイ15Aおよび実トレイ15Bの上面には、表示パネル100が収容される凹部が形成されている。
【0032】
(搬入機構)
図1~
図3に示すように、搬入機構16は、前工程で検査された表示パネル100を搬送システム1に搬送する。搬入機構16は、表示パネル100が載置されるステージ161と、ステージ161をX軸方向に往復移動させる駆動部162とを備える。ステージ161の外形形状は、四角形状である。駆動部162は、電動シリンダなどからなり、X軸方向に延在する。搬入機構16は、X2方向の端部でステージ161に載置された表示パネル100を、X1方向の端部に搬送する。
【0033】
(第1台車)
図1、
図2に示すように、第1台車3は、複数の空トレイ15Aを本体部2に搬入するために用いられる。第1台車3は、所定の位置に停止されると、本体部2と連結する連結部を備える。第1台車3を本体部2から移動させる場合を除いて、連結部が本体部2と連結することにより、第1台車3は本体部2に固定されている。また、第1台車3は、積み重ねられた複数の空トレイ15Aを下方から支持する第1コンベア31を備える。第1コンベア31は、複数のローラ311を備える。
【0034】
(分離機構)
図1、
図2に示すように、分離機構5は、第1台車3から複数の空トレイ15Aが移し替えられる空トレイ供給位置60Aで複数の空トレイ15Aのうちの最も下段の空トレイ15Aを第1トレイ載置位置60Bに搬送する第1トレイ搬送機構6を備える。分離機構5は、空トレイ供給位置60Aで複数の空トレイ15Aのうちの最も下段の空トレイ15Aを分離する分離部51を備える。
【0035】
第1トレイ搬送機構6は、第1コンベア31と接続される第2コンベア61と、第1トレイ載置位置60Bに搬送された空トレイ15Aを支持するリフト部65とを備える。第2コンベア61において、X1方向の端部は空トレイ供給位置60Aであり、X2方向の端部は第1トレイ載置位置60Bである。第2コンベア61は、X軸方向に延在し、複数のローラ62を備える。隣り合うローラ62の間には、隙間が形成されている。第2コンベア61は、不図示の駆動源によりローラ62を回転させることによって、空トレイ15Aを空トレイ供給位置60Aから第1トレイ載置位置60Bに搬送する。第2コンベア61は、複数の空トレイ15Aの位置を規制するガイド部63を備える。ガイド部63は、空トレイ供給位置60Aにおいて、複数の空トレイ15AのX2方向の側に当接して、複数の空トレイ15AのX軸方向の位置を規制する。また、ローラ62上において、ガイド部63のZ2方向の端部と、ローラ62との間には、隙間Sが形成されている。隙間Sは、1枚の空トレイ15AがX軸方向に通過することが可能な大きさである。
【0036】
図1、
図2、
図4(a)に示すように、リフト部65は、Z軸方向において、第2コンベア61の第1トレイ載置位置60Bと重なる。リフト部65は、空トレイ15Aを支持する支持部66と、支持部66をZ軸方向に移動させる駆動部67とを備える。支持部66は、空トレイ15AのY軸方向の両側に挟むように配置されている。支持部66は、複数の板部分68を備える。板部分68は、Z軸方向において、隣り合うローラ62の間に位置する。駆動部67は、エアシリンダなどからなる。第2コンベア61が空トレイ15Aを搬送する際、リフト部65は、板部分68の先端をローラ62よりZ2方向に位置させている。そして、第1トレイ載置位置60Bに空トレイ15Aが搬送されると、リフト部65は、駆動部67によって板部分68の先端をZ1方向に移動させる。これにより、
板部分68の先端は、ローラ62よりZ1方向に移動するので、空トレイ15Aは、リフト部65によって持ち上げられる。また、空トレイ15Aがリフト部65によって持ち上げられる際、板部分68の先端は、空トレイ15Aの下面に設けられた溝部と係合する。これにより、リフト部65によって持ち上げられた空トレイ15Aは、X軸方向に位置決めがされている。
【0037】
図1、
図2、
図5(a)に示すように、分離部51は、複数の空トレイ15Aを保持する保持部52と、複数の空トレイ15Aを下方から支持するリフト部53とを備える。保持部52は、複数の空トレイ15Aを保持する一対の保持部材54と、保持部材54をY軸方向に移動させる一対の駆動部55とを備える。
【0038】
保持部材54は、第1コンベア31よりZ1方向に位置する。保持部材54は、空トレイ15AのY軸方向における端部と当接する当接部56と、当接部56のZ2方向の側の端部から突出する支持爪部57と、を備える。当接部56は、樹脂や硬質ゴムなどからなり、Z軸方向に長い直方体である。当接部56のZ軸方向の長さは、トレイ15を4~6枚の重ねた際のZ軸方向の長さと同程度である。支持爪部57は、空トレイ15Aの下面を支持する。
【0039】
駆動部55は、エアシリンダなどからなる。駆動部55は、保持部材54をY軸方向に移動させることにより、保持部材54は、空トレイ15AのY軸方向の両端において、当接部56が空トレイ15Aの鍔部15aと当接する間隔から、空トレイ15Aの鍔部15aと当接しない間隔となるように移動する。当接部56が空トレイ15Aの鍔部15aと当接することにより、保持部52は、空トレイ15Aを保持する。支持爪部57は、保持部52が空トレイ15Aを保持した際、空トレイ15Aの鍔部15aとZ軸方向において重なる。
【0040】
リフト部53は、空トレイ15AのZ2方向の側に配置されている。リフト部53は、空トレイ15Aを下方から支持する支持部58と、支持部58をZ軸方向に移動させる駆動部59とを備える。支持部58は、複数の板部分58aを備える。板部分58aは、Z軸方向に延在する。板部分58aは、Z軸方向において、隣り合うローラ62の間の隙間と重なる。駆動部59は、エアシリンダなどからなる。リフト部53は、駆動部59によって板部分58aをZ1方向に移動させることによって、板部分58aは、隙間をZ軸方向に通過して、ローラ62よりZ1方向に移動する。これにより、複数の空トレイ15Aは、リフト部53によって持ち上げられる。
【0041】
(第2トレイ搬送機構)
第2トレイ搬送機構7は、分離機構5によって分離された空トレイ15Aを、第1トレイ載置位置60Bから第3トレイ搬送機構10に搬送する。より具体的には、第2トレイ搬送機構7は、第1トレイ載置位置60Bにおいて、リフト部65によって持ち上げられた空トレイ15Aを第3トレイ搬送機構10に搬送する。
【0042】
図1~
図3に示すように、第2トレイ搬送機構7は、空トレイ15Aを把持する保持部71と、保持部71を移動させる駆動部72とを備える。駆動部72は、保持部71を上下方向に移動させるZ軸駆動部721と、Z軸駆動部721を介して保持部71をY方向に移動させるY軸駆動部722とを備える。Z軸駆動部721およびY軸駆動部722は電動シリンダなどからなる。Z軸駆動部721およびY軸駆動部722により保持部71を移動させることにより、第2トレイ搬送機構7は、分離機構5が分離した空トレイ15Aをリフト部65の支持部66から受け取り、第3トレイ搬送機構10に搬送する。
【0043】
(ワーク移載機構)
ワーク移載機構8は、スカラロボットである。
図1~
図3に示すように、ワーク移載機構8は、第2トレイ搬送機構7のX2方向の側に配置されている。ワーク移載機構8は、表示パネル100を保持する保持部81と、保持部81を移動させるアーム本体部82とを備える。ワーク移載機構8は、表示パネル100の検査結果に基づいて、ワーク搭載位置101Aに搬送された空トレイ15Aに表示パネル100を載置する。
【0044】
(積み重ね機構)
図1、
図3に示すように、積み重ね機構9は、第3トレイ搬送機構10によって搬送されてくる実トレイ15Bを実トレイ排出位置101Bに載置されていた実トレイ15Bの下段に積み重ねる。積み重ね機構9は、ワーク移載機構8によって表示パネル100が載置された実トレイ15Bを搬送する第3トレイ搬送機構10と、実トレイ15Bを実トレイ排出位置101Bに載置されていた実トレイ15Bの下段に積み重ねる積み重ね部91とを備える。
【0045】
第3トレイ搬送機構10は、第4コンベア101と、ワーク搭載位置101Aに搬送された空トレイ15Aを支持するリフト部105とを備える。第4コンベア101において、X2方向の端部はワーク搭載位置101Aであり、X1方向の端部は実トレイ排出位置101Bである。第4コンベア101は、X軸方向に延在し、複数のローラ102を備える。隣り合うローラ102の間には、隙間が形成されている。第4コンベア101は、不図示の駆動源によりローラ102を回転させることによって、実トレイ15Bをワーク搭載位置101Aから実トレイ排出位置101Bに搬送する。第4コンベア101は、ガイド部103とストッパー部104とを備える。ガイド部103は、実トレイ排出位置101Bにおいて、複数の実トレイ15BのX2方向の側に当接して、複数の実トレイ15BのX軸方向の位置を規制する。また、ローラ62上において、ガイド部63のZ2方向の端部と、ローラ62との間には、隙間Sが形成されている。隙間Sは、1枚の空トレイ15AがX軸方向に通過することが可能な大きさである。
【0046】
ストッパー部104は、実トレイ排出位置101Bにおいて、複数の実トレイ15BのX1方向の側に当接して、搬送された実トレイ15BのX軸方向の位置を規制する。ストッパー部104は、駆動部109により、Z軸方向に移動する。複数の実トレイ15Bが第2台車4に移し替えられる際、ローラは、ローラ102よりZ2方向に移動する。
【0047】
図1、
図2、
図4(b)に示すように、リフト部105は、Z軸方向において、第3トレイ搬送機構10のワーク搭載位置101Aと重なる。リフト部105は、空トレイ15Aを支持する支持部106と、支持部106をZ軸方向に移動させる駆動部107とを備える。支持部106は、空トレイ15AのY軸方向の両側に挟むように配置されている。支持部106は、複数の板部分108を備える。板部分68は、Z軸方向において、隣り合うローラ102の間に位置する。駆動部107は、エアシリンダなどからなる。
【0048】
第2トレイ搬送機構7によってワーク搭載位置101Aに空トレイ15Aが載置される際、リフト部105は、板部分108の先端をローラ102よりZ1方向に位置させている。そして、空トレイ15Aは、板部分108の先端に載置される。この際、板部分108の先端は、空トレイ15Aの下面に設けられた溝部と係合する。これにより、第2トレイ搬送機構7によって載置された空トレイ15Aは、X軸方向に位置決めがされている。
【0049】
ここで、第3トレイ搬送機構10Cは、第3トレイ搬送機構10Aおよび第3トレイ搬送機構10Bとは形状が異なる。より具体的には、第3トレイ搬送機構10Cの第4コンベア101は、第3トレイ搬送機構10Aおよび第3トレイ搬送機構10Bの第4コンベア101より、X2方向に延びている。したがって、第1搬出機構11Aを構成する第3トレイ搬送機構10Aおよび第3トレイ搬送機構10Bのワーク搭載位置101Aと、第
2搬出機構11Bを構成する第3トレイ搬送機構10Cのワーク搭載位置101Aは、X軸方向にずれている。
【0050】
また、第3トレイ搬送機構10Cの支持部106は、第3トレイ搬送機構10Aおよび第3トレイ搬送機構10Bの支持部106より、X2方向に延びている。第3トレイ搬送機構10Bの支持部106は、X1方向の側に形成された第1部分106Aと、X2方向の側に形成された第2部分106Bを備える。第1部分106Aは、Y軸方向において、第3トレイ搬送機構10Aおよび第3トレイ搬送機構10Bのワーク搭載位置101Aと重なる。第2部分106Bは、Z軸方向において、第3トレイ搬送機構10Cのワーク搭載位置101Aと重なる。第3トレイ搬送機構10Cでは、第2トレイ搬送機構7によって空トレイ15Aが載置される際、支持部106の第1部分106Aに空トレイ15Aが載置される。その後、第3トレイ搬送機構10Cのリフト部105は、板部分108の先端をローラ102よりZ2方向に退避させてから、第3トレイ搬送機構10Cの第4コンベア101は、空トレイ15Aをワーク搭載位置101Aに搬送する。そして、第3トレイ搬送機構10Cのリフト部105は、板部分108の先端をローラ102よりZ1方向に移動させて、支持部106の第2部分106Bで空トレイ15Aを持ち上げる。
【0051】
図1、
図2、
図5(b)に示すように、積み重ね部91は、複数の実トレイ15Bを保持する保持部92と、複数の実トレイ15Bを下方から支持するリフト部93とを備える。保持部92は、複数の実トレイ15Bを保持する一対の保持部材94と、保持部材94をY軸方向に移動させる一対の駆動部95とを備える。
【0052】
保持部材94は、第4コンベア101よりZ1方向に位置する。保持部材94は、実トレイ15BのY軸方向における端部と当接する当接部96と、当接部96のZ2方向の側の端部から突出する支持爪部97と、を備える。当接部96は、樹脂や硬質ゴムなどからなり、Z軸方向に長い直方体である。当接部96のZ軸方向の長さは、トレイ15を4~6枚の重ねた際のZ軸方向の長さと同程度である。支持爪部97は、実トレイ15Bの下面を支持する。
【0053】
駆動部95は、エアシリンダなどからなる。駆動部95は、保持部材94をY軸方向に移動させることにより、保持部材94は、実トレイ15BのY軸方向の両端において、当接部96が実トレイ15Bの鍔部15aと当接する間隔から、実トレイ15Bの鍔部15aと当接しない間隔となるように移動する。当接部96が実トレイ15Bの鍔部15aと当接することにより、保持部92は、実トレイ15Bを保持する。支持爪部97は、保持部92が実トレイ15Bを保持した際、実トレイ15Bの鍔部15aとZ軸方向において重なる。
【0054】
リフト部93は、実トレイ15BのZ2方向の側に配置されている。リフト部93は、実トレイ15Bを下方から支持する支持部98と、支持部98をZ軸方向に移動させる駆動部99とを備える。支持部98は、複数の板部分98aを備える。板部分98aは、Z軸方向に延在する。板部分98aは、Z軸方向において、隣り合うローラ102の間の隙間と重なる。駆動部99は、エアシリンダなどからなる。リフト部93は、駆動部99によって板部分98aをZ1方向に移動させることによって、板部分98aは、隙間をZ軸方向に通過して、ローラ102よりZ1方向に移動する。これにより、複数の実トレイ15Bは、リフト部93によって持ち上げられる。
【0055】
(第2台車)
図1、
図3に示すように、第2台車4は、複数の実トレイ15Bを本体部2から搬出するために用いられる。第2台車4は、所定の位置に停止されると、本体部2と連結する連結部を備える。第2台車4を本体部2から移動させる場合を除いて、連結部が本体部2と
連結することにより、第2台車4は本体部2に固定されている。また、第2台車4は、積み重ねられた複数の実トレイ15Bを下方から支持する第3コンベア41を備える。第3コンベア41は、第4コンベア101と接続される。第3コンベア41は、複数のローラ411を備える。なお、本形態では、第1台車3と第2台車4とは、共通化されている。
【0056】
本形態では、第2台車4として、第2台車4A、第2台車4B、および第2台車4Cが設けられている。Y1方向に沿って、第2台車4A、第2台車4B、および第2台車4Cの順で、配置されている。第2台車4Aには、前工程で「良品」と判断された表示パネル100が収容された実トレイ15Bが載置される。第2台車4Bには、前工程で「不良品」と判断された表示パネル100が収容された実トレイ15Bが載置される。第2台車4Cには、前工程で「再検査品」と判断された表示パネル100が収容された実トレイ15Bが載置される。
【0057】
(搬送システムの動作)
次に、搬送システム1の動作について説明する。
図6は、分離部の動作を説明する図である。
図7は、分離部の動作を説明する図である。
図8は、積み重ね部の動作を説明する図である。
図9は、積み重ね部の動作を説明する図である。なお、
図6および
図7は、Y1方向の側の分離部を示している。
図8および
図9は、Y1方向の側の積み重ね部を示している。
【0058】
最初に、作業員によって複数の空トレイ15Aが載置された第1台車3が本体部2にセットされる。同様に、作業員によって複数の実トレイ15Bを載置するための第2台車4が本体部2にセットされる。第1台車3が本体部2に固定されると、作業者は、複数の空トレイ15AをX2方向に押すことにより、複数の空トレイ15Aは、本体部2に供給される。
【0059】
第1コンベア31から第2コンベア61に複数の空トレイ15Aが供給されると、第2コンベア61に設けられたセンサが複数の空トレイ15Aの供給を検知する。これにより、第2コンベア61のローラ62は回転を開始し、第2コンベア61は、複数の空トレイ15Aを空トレイ供給位置60Aまで搬送する。複数の空トレイ15Aが空トレイ供給位置60Aまで搬送されたことをセンサが検知すると、第2コンベア61は、複数の空トレイ15Aの搬送を停止する。
【0060】
その後、分離部51は、空トレイ供給位置60Aまで搬送された複数の空トレイ15Aのうちの最も下段の空トレイ15Aを分離する。まず、
図6(a)に示すように、複数の空トレイ15Aが空トレイ供給位置60Aまで搬送された際、支持部58は、ローラ62よりZ2方向に位置する。保持部52は、複数の空トレイ15Aと当接しない位置に位置する。
【0061】
図6(b)に示すように、駆動部59が支持部58をZ1方向に移動させると、複数の空トレイ15Aは、リフト部53によって持ち上げられる。この際、支持爪部57は、Y軸方向において、最も下段の空トレイ15Aの鍔部15aと下から2番目の空トレイ15Aの鍔部15aとの間に位置する。
【0062】
次に、
図6(c)に示すように、駆動部55が、保持部52を空トレイ15Aの方向に移動させると、当接部56は、下から2番目より上の空トレイ15Aの鍔部15aに当接する。当接部56が下から2番目より上の空トレイ15Aの鍔部15aに当接するので、保持部52は、複数の空トレイ15Aを保持する。この際、支持爪部57は、下から2番目の空トレイ15Aの鍔部15aの底面を支持する。
図6(d)に示すように、保持部52が複数の空トレイ15Aを保持した後、駆動部59は、支持部58をZ2方向に移動さ
せる。これにより、複数の空トレイ15Aのうちの最も下段の空トレイ15Aが分離される。そして、
図6(e)に示すように、支持部58がローラ62よりZ2方向に移動すると、空トレイ15Aは、支持部58から第2コンベア61に載置される。
【0063】
その後、
図7(f)に示すように、第2コンベア61は、空トレイ15Aを空トレイ供給位置60Aから第1トレイ載置位置60Bに搬送する。空トレイ15Aが搬送された後、
図7(g)に示すように、駆動部59は、支持部58が複数の空トレイ15Aの下面と当接するまで、支持部58をZ1方向に移動させる。その後、
図7(h)に示すように、駆動部55は、保持部52を空トレイ15Aと当接しないしない位置に移動させる。これにより、支持部58には、複数の空トレイ15Aが載置される。
【0064】
次に、
図7(i)に示すように、駆動部59は、支持部58をZ2方向に移動させる。この際、支持爪部57は、Y軸方向において、最も下段の空トレイ15Aの鍔部15aと下から2番目の空トレイ15Aの鍔部15aとの間に位置する。分離部51は、空トレイ15Aが無くなるまで、
図6(c)から
図7(i)までの動作を繰り返す。不図示のトレイ検知器が、トレイ15が無くなったことを検知すると、ランプ等を点灯させることにより、作業者にトレイ15が無くなったことを知らせる。
【0065】
次に、第2コンベア61により、空トレイ15Aが第1トレイ載置位置60Bに搬送されると、リフト部65は、支持部66をZ1方向に移動させる。これにより、空トレイ15Aは、リフト部65によって持ち上げられる。リフト部65によって空トレイ15Aが持ち上げられた後、第2トレイ搬送機構7は、リフト部65によって持ち上げられた空トレイ15Aを、第3トレイ搬送機構10A、第3トレイ搬送機構10Bおよび第3トレイ搬送機構10Cの支持部106に搬送する。この際、第3トレイ搬送機構10A、第3トレイ搬送機構10Bおよび第3トレイ搬送機構10Cの支持部106の先端は、ローラ102よりZ1方向に位置している。また、第2トレイ搬送機構7によって空トレイ15Aが搬送された後、リフト部65は、支持部66をローラ62よりZ2方向に移動させる。
【0066】
ここで、支持部106の第1部分106Aに空トレイ15Aが載置された後、第3トレイ搬送機構10Cは、リフト部105によって、板部分108の先端をローラ102よりZ2方向に退避させて、空トレイ15Aを第3トレイ搬送機構10Cの第4コンベア101に載置する。その後、第3トレイ搬送機構10Cの第4コンベア101は、空トレイ15Aをワーク搭載位置101Aに搬送する。そして、第3トレイ搬送機構10Cは、リフト部105によって、板部分108の先端をローラ102よりZ1方向に移動させて、支持部106の第2部分106Bで空トレイ15Aを持ち上げる。
【0067】
次に、ワーク移載機構8は、表示パネル100の検査結果に基づいて、ステージ161に載置された表示パネル100を、ワーク搭載位置101Aに載置された空トレイ15Aに移動させる。具体的には、表示パネル100の検査結果が「良品」である場合には、ワーク移載機構8は、表示パネル100を、ステージ161から第3トレイ搬送機構10Aの支持部106に支持された空トレイ15Aに移動させる。表示パネル100の検査結果が「不良品」である場合には、ワーク移載機構8は、表示パネル100を、ステージ161から第3トレイ搬送機構10Bの支持部106に支持された空トレイ15Aに移動させる。表示パネル100の検査結果が「再検査品」である場合には、ワーク移載機構8は、表示パネル100を、ステージ161から第3トレイ搬送機構10Cの支持部106に支持された空トレイ15Aに移動させる。
【0068】
ワーク移載機構8によって空トレイ15Aに表示パネル100が載置された後、各第3トレイ搬送機構10は、リフト部105によって、板部分108の先端をローラ102よりZ2方向に移動させて、ローラ102上に表示パネル100が載置された実トレイ15
Bを載置する。実トレイ15Bがローラ102上に載置されると、第4コンベア101は、ローラ102を回転させることによって、実トレイ15Bをワーク搭載位置101Aから実トレイ排出位置101Bに搬送する。実トレイ15Bがワーク搭載位置101Aから実トレイ排出位置101Bに搬送された後、第3トレイ搬送機構10は、次の空トレイ15Aが載置できるように、リフト部105によって、板部分108の先端をローラ102よりZ1方向に移動させる。
【0069】
実トレイ15Bがワーク搭載位置101Aから実トレイ排出位置101Bに搬送されると、積み重ね部91は、実トレイ15Bを積み重ねる。まず、
図8(a)に示すように、実トレイ15Bが実トレイ排出位置101Bまで搬送される前、支持部98は、ローラ102よりZ2方向に位置する。保持部92は、実トレイ15Bと当接しない位置に位置する。また、ストッパー部104は、ローラ102よりZ1方向に位置している。そして、
図8(b)に示すように、実トレイ15Bは、ワーク搭載位置101Aから実トレイ排出位置101Bに搬送される。
【0070】
図8(c)に示すように、駆動部99が支持部98をZ1方向に移動させると、実トレイ15Bは、リフト部93によって持ち上げられる。この際、支持爪部97は、Y軸方向において、実トレイ15Bの鍔部15aよりZ2方向に位置する。
【0071】
次に、
図8(d)に示すように、駆動部95が、保持部92を実トレイ15Bの方向に移動させると、当接部96は実トレイ15Bの鍔部15aに当接する。当接部96が実トレイ15Bの鍔部15aに当接するので、保持部92は、実トレイ15Bを保持する。この際、支持爪部97は、実トレイ15Bの鍔部15aの底面を支持する。その後、
図8(e)に示すように、駆動部99は、支持部98をローラ102よりZ2方向に移動させる。そして、
図8(f)に示すように、次の実トレイ15Bが実トレイ排出位置101Bまで搬送される。
【0072】
次の実トレイ15Bが実トレイ排出位置101Bまで搬送されると、
図9(g)に示すように、次の実トレイ15Bは、リフト部93によって持ち上げられる。実トレイ15Bがリフト部93によって持ち上げられると、次の実トレイ15Bは、保持部92が保持する実トレイ15Bの下方から積み重ねる。その後、
図9(h)に示すように、駆動部95は、保持部92を実トレイ15Bと当接しないしない位置に移動させる。これにより、支持部98には、複数の実トレイ15Bが載置される。
【0073】
次に、
図9(i)に示すように、駆動部99は、支持部98をZ1方向に移動させる。この際、支持爪部57は、Y軸方向において、最も下段の実トレイ15Bの鍔部15aよりZ2方向に位置する。そして、
図9(j)に示すように、駆動部95が、保持部92を実トレイ15Bの方向に移動させると、当接部96は実トレイ15Bの鍔部15aに当接する。当接部96が実トレイ15Bの鍔部15aに当接するので、保持部92は、実トレイ15Bを保持する。その後、
図9(k)に示すように、駆動部99は、支持部98をローラ102よりZ2方向に移動させる。積み重ね部91は、実トレイ15Bが所定枚数(例えば50枚)まで、
図8(f)から
図9(k)までの動作を繰り返す。積み重ね部91により所定枚数の実トレイ15Bが積み重ねられると、トレイ検知センサによって、所定枚数に達したことが検知される。トレイ検知センサが所定枚数に達したことを検知した後、
図9(l)に示すように、駆動部95が、保持部92を実トレイ15Bと当接しないしない位置に移動させた後、駆動部99が支持部98をローラ102よりZ2方向に移動させる。これにより、複数の実トレイ15Bは、支持部98から第4コンベア101に載置される。
【0074】
複数の実トレイ15Bが第4コンベア101に移動した後、ストッパー部104は、ロ
ーラ102よりZ2方向に移動する。その後、第4コンベア101は、ローラ102を回転させることによって、複数の実トレイ15Bを第2台車4の第3コンベア41に移し替える。
【0075】
第2台車4に複数の実トレイ15Bが移し替えられた後、第2台車4の連結部と本体部2と連結が解除される。その後、作業員は、所定枚数が積み重なった実トレイ15Bが載置された第2台車4を本体部2から移動させて、別の第2台車4を本体部2にセットする。
【0076】
(作用効果)
本形態では、空トレイ供給用の第1台車3を用いて、表示パネル100が載置されていない複数の空トレイ15Aが搬送システム1に搬入される。また、実トレイ排出用の第2台車4を用いて、表示パネル100が載置された複数の実トレイ15Bが搬送システム1から搬出される。したがって、作業者の手作業によって、複数のトレイ15が搬送システム1に搬入・搬出されないので、作業者の負担を軽減することができる。
【0077】
分離機構5は、空トレイ供給位置60Aで複数の空トレイ15Aのうちの最も下段の空トレイ15Aを第1トレイ載置位置60Bに搬送する。積み重ね機構9は、第3トレイ搬送機構10によって搬送されてくる実トレイ15Bを実トレイ排出位置101Bに載置されていた実トレイ15Bの下段に積み重ねる。ここで、分離機構5が複数の空トレイ15Aのうち最も上段に配置された空トレイ15Aを分離する場合には、分離された空トレイ15Aを高さ方向に移動させるトレイ搬送機構が必要となる。この場合には、トレイの枚数に応じて、トレイの高さが変化するので、トレイの高さに応じて、トレイ搬送機構のタクトタイムが異なってしまう。同様に、分積み重ね機構9が、実トレイ15Bを複数の実トレイ15Bのうち最も上段に積み重ねる場合には、実トレイ15Bを高さ方向に移動させるトレイ搬送機構が必要となる。この場合には、トレイの枚数に応じて、トレイの高さが変化するので、トレイの高さに応じて、トレイ搬送機構のタクトタイムが異なってしまう。しかしながら、本形態の搬送システム1は、複数の空トレイ15Aのうち最も下段の空トレイ15Aを第1トレイ載置位置60Bに搬送するとともに、実トレイ15Bを実トレイ排出位置101Bに載置されていた実トレイ15Bの下段に積み重ねる。このため、搬送システム1は、トレイの枚数に関わらず、一定のサイクルでトレイの分離およびトレイの積み重ねを行うことが可能である。よって、搬送システム1のタクトタイムを短縮することが可能となる。また、分離された空トレイ15Aを高さ方向に移動させるトレイ搬送機構および実トレイ15Bを高さ方向に移動させるトレイ搬送機構が不要となる。
【0078】
本形態では、第1トレイ搬送機構6による空トレイ15Aの搬送方向、および第3トレイ搬送機構10による実トレイ15Bの搬送方向はいずれもX軸方向である。したがって、第1トレイ搬送機構6に空トレイ15Aを供給するための第1台車3と、第3トレイ搬送機構10から複数の実トレイ15Bが移し替えられる第2台車4と配列方向を、本体部2に対して同一の方向とすることができる。これにより、第1台車3および第2台車4を移動させる際に、作業者の作業エリアをX1方向の側に限定することができる。
【0079】
本形態では、第2台車4を用いた実トレイ搬出機構11がY軸方向に沿って複数配置されている。また、複数の実トレイ搬出機構11は、各々、表示パネル100の検視したときの結果に対応している。より具体的には、第2台車4Aおよび第2台車4Bを用いた第1搬出機構11Aと、第2台車4Cを用いた第2搬出機構11Bとが、Y軸方向に沿って複数配置されている。第1搬出機構11Aは、表示パネル100の検査結果が「良品」と「不良品」に対応し、第2搬出機構11Bは、表示パネル100の検査結果が「再検査品」に対応している。これにより、搬送システム1は、検査結果が異なる複数の表示パネル100を同時に搬送することが可能となる。
【0080】
本形態において、第2搬出機構11Bでは、第3トレイ搬送機構10Cによって、第2トレイ搬送機構7が搬送してきた空トレイ15Aをワーク搭載位置101Aまで搬送するので、第1搬出機構11Aと第2搬出機構11Bとでは、ワーク移載機構8が表示パネル100を載置する際の空トレイ15Aの位置がX軸方向でずれている。これにより、第2搬出機構11Bが第3トレイ搬送機構10Cによって空トレイ15Aをワーク搭載位置101Aまで搬送しない場合と比較して、ワーク移載機構8のY軸方向の移動範囲は、小さくなる。この結果、搬送システム1が複数の実トレイ搬出機構11を備えた場合であっても、ワーク移載機構8が大型化することを抑制することができる。
【0081】
本形態では、第1台車3の第1コンベア31と第1トレイ搬送機構6の第2コンベア61とが接続する。したがって、第1台車3から第1トレイ搬送機構6に、空トレイ15Aを搬入する際、空トレイ15Aを搬入しやすい。また、第2台車4の第3コンベア41と第3トレイ搬送機構10の第4コンベア101とが接続する。したがって、第3トレイ搬送機構10から第2台車4に、実トレイ15Bを排出する際、実トレイ15Bを排出しやすい。
【0082】
(第2実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態では、第1実施形態と同様な構成には、第1実施形態と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0083】
図10は、本発明の第2実施形態にかかる搬送システムの平面図である。
図11は、搬送システムの正面図である。
図12は、
図10のA-A方向から搬送システムを示す正面図である。
【0084】
(搬送システムの全体構成)
図10に示す本形態の搬送システム1は、表示パネル100を検査するための検査装置17に、表示パネル100を供給する。本形態では、第1台車3には、表示パネル100が載置された複数の実トレイ15Bが積み重ねられる。第2台車4には、表示パネル100が載置されていない複数の空トレイ15Aが積み重ねられる。
【0085】
図10~
図12に示すように、搬送システム1は、本体部2と、表示パネル100が載置された複数の実トレイ15Bが積み重ねられた第1台車3と、表示パネル100が載置されていない複数の空トレイ15Aが積み重ねられた第2台車4とを備える。第1台車3および第2台車4は、所定の移動方向に沿って、本体部2から排出されるとともに、本体部2に搬入される。
【0086】
本体部2は、第1台車3から複数の実トレイ15Bが移し替えられる実トレイ供給位置60Cで複数の実トレイ15Bのうちの最も下段の実トレイ15Bを搬送する第1トレイ搬送機構6を含む分離機構5と、分離機構5によって分離された実トレイ15Bをワーク取り出し位置19Aに搬送する第2トレイ搬送機構7と、ワーク取り出し位置19Aで実トレイ15Bから表示パネル100を取り出すワーク移載機構8と、ワーク移載機構8によって表示パネル100が取り出された空トレイ15Aを搬送する第3トレイ搬送機構10を含み、第3トレイ搬送機構10によって搬送された空トレイ15Aを積み重ねる積み重ね機構9と、ワーク取り出し位置19Aに位置する載置部19と、を備える。
を備える。
【0087】
(検査装置)
検査装置17は、表示パネル100の点灯検査等を実施する。
図10~
図12に示すよ
うに、検査装置17は、検査部に表示パネル100を搬送するための搬送部171を備える。本形態では、搬送部171は、2つ設けられている。搬送部171は、表示パネル100が載置されるステージ172と、ステージ172をX軸方向に往復移動させる駆動部173とを備える。駆動部173は、電動シリンダなどからなり、X軸方向に延在する。ワーク移載機構8によって表示パネル100がステージ172に載置されると、搬送部171は、ステージ172をX2方向に移動させて、表示パネル100を搬送する。
【0088】
(第1台車)
第1台車3は、複数の実トレイ15Bを本体部2に搬入するために用いられる。
図10、
図11に示すように、第1台車3は、所定の位置に停止されると、本体部2と連結する連結部を備える。第1台車3を本体部2から移動させる場合を除いて、連結部が本体部2と連結することにより、第1台車3は本体部2に固定されている。
【0089】
(分離機構)
図10、
図11に示すように、分離機構5は、第1台車3から複数の実トレイ15Bが移し替えられる実トレイ供給位置60Cで複数の実トレイ15Bのうちの最も下段の実トレイ15Bを第1トレイ載置位置60Dに搬送する第1トレイ搬送機構6を備える。分離機構5は、実トレイ供給位置60Cで複数の実トレイ15Bのうちの最も下段の実トレイ15Bを分離する分離部51を備える。
【0090】
第1トレイ搬送機構6は、第1コンベア31と接続される第2コンベア61と、第1トレイ載置位置60Dに搬送された実トレイ15Bを支持するリフト部65とを備える。第2コンベア61において、X1方向の端部は実トレイ供給位置60Cであり、X2方向の端部は第1トレイ載置位置60Dである。第2コンベア61は、X軸方向に延在し、複数のローラ62を備える。隣り合うローラ62の間には、隙間が形成されている。第2コンベア61は、不図示の駆動源によりローラ62を回転させることによって、実トレイ15Bを実トレイ供給位置60Cから第1トレイ載置位置60Dに搬送する。第2コンベア61は、複数の実トレイ15Bの位置を規制するガイド部63を備える。ガイド部63は、実トレイ供給位置60Cにおいて、複数の実トレイ15BのX2方向の側に当接して、複数の実トレイ15BのX軸方向の位置を規制する。また、ローラ62上において、ガイド部63のZ2方向の端部と、ローラ62との間には、隙間Sが形成されている。隙間Sは、1枚の実トレイ15BがX軸方向に通過することが可能な大きさである。
【0091】
リフト部65は、Z軸方向において、第2コンベア61の第1トレイ載置位置60Dと重なる。リフト部65は、実トレイ15Bを支持する支持部66と、支持部66をZ軸方向に移動させる駆動部67とを備える。支持部66は、実トレイ15BのZ2方向の側に配置されている。支持部66は、複数の板部分68を備える。板部分68は、Z軸方向に延在する。板部分68は、Z軸方向において、隣り合うローラ62の間の隙間と重なる。駆動部67は、エアシリンダなどからなる。第2コンベア61が実トレイ15Bを搬送する際、リフト部65は、板部分68の先端をローラ62よりZ2方向に位置させている。そして、第1トレイ載置位置60Dに実トレイ15Bが搬送されると、リフト部65は、駆動部67によって板部分68をZ1方向に移動させる。これにより、板部分68の先端は、隙間をZ軸方向に通過して、ローラ62よりZ1方向に移動するので、実トレイ15Bは、リフト部65によって持ち上げられる。また、実トレイ15Bがリフト部65によって持ち上げられる際、実トレイ15Bは、板部分68の先端によって、X軸方向に位置決めがされている。
【0092】
分離部51は、第1実施形態と同一の構成である。本形態では、分離部51は、実トレイ供給位置60Cで複数の実トレイ15Bのうちの最も下段の実トレイ15Bを分離する。
【0093】
(載置部)
図10、
図11に示すように、載置部19は、Y軸方向において、分離機構5と積み重ね機構9との間に配置されている。載置部19は、実トレイ15Bが載置されるステージ191と、ステージ191に載置された実トレイ15Bの角部に当接する位置決め部材192と、を備える。位置決め部材192は、駆動部193により、ステージ191に載置された実トレイ15Bの角部に当接する位置から当接しない位置に移動する。位置決め部材192は、実トレイ15Bの角部に当接することにより、ステージ191に対して実トレイ15Bの位置決めを行う。
【0094】
(第2トレイ搬送機構)
図10~
図12に示すように、第2トレイ搬送機構7は、分離機構5によって分離された実トレイ15Bをワーク取り出し位置19Aに搬送するとともに、ワーク移載機構8によって表示パネル100が取り出された空トレイ15Aを積み重ね機構9に搬送する。
【0095】
(ワーク移載機構)
ワーク移載機構8は、スカラロボットである。
図10~
図12に示すように、ワーク移載機構8は、第2トレイ搬送機構7のX1方向の側に配置されている。ワーク移載機構8は、表示パネル100を保持する保持部81と、保持部81を移動させるアーム本体部82とを備える。ワーク移載機構8は、載置部19のステージ191に載置された表示パネル100を、搬送部171のステージ172に移動させる。
【0096】
(積み重ね機構)
積み重ね機構9は、第3トレイ搬送機構10によって搬送されてくる空トレイ15Aを空トレイ排出位置101Dに載置されていた空トレイ15Aの下段に積み重ねる。
図10、
図12に示すように、積み重ね機構9は、ワーク移載機構8によって表示パネル100が取り出された空トレイ15Aを搬送する第3トレイ搬送機構10と、空トレイ15Aを空トレイ排出位置101Dに載置されていた空トレイ15Aの下段に積み重ねる積み重ね部91とを備える。
【0097】
第3トレイ搬送機構10は、第4コンベア101と、空トレイ載置位置101Cに搬送された空トレイ15Aを支持するリフト部105とを備える。第4コンベア101において、X2方向の端部は空トレイ載置位置101Cであり、X1方向の端部は空トレイ排出位置101Dである。第4コンベア101は、X軸方向に延在し、複数のローラ102を備える。隣り合うローラ102の間には、隙間が形成されている。第4コンベア101は、不図示の駆動源によりローラ102を回転させることによって、空トレイ15Aを空トレイ載置位置101Cから空トレイ排出位置101Dに搬送する。第4コンベア101は、ガイド部103とストッパー部104とを備える。ガイド部103は、空トレイ排出位置101Dにおいて、複数の空トレイ15AのX2方向の側に当接して、複数の空トレイ15AのX軸方向の位置を規制する。また、ローラ62上において、ガイド部63のZ2方向の端部と、ローラ62との間には、隙間Sが形成されている。隙間Sは、空トレイ15AがX軸方向に通過することが可能な大きさである。
【0098】
ストッパー部104は、空トレイ排出位置101Dにおいて、複数の空トレイ15AのX1方向の側に当接して、搬送された空トレイ15AのX軸方向の位置を規制する。ストッパー部104は、駆動部109により、Z軸方向に移動する。複数の空トレイ15Aが第2台車4に移し替えられる際、ローラは、ローラ102よりZ2方向に移動する。
【0099】
リフト部105は、Z軸方向において、第3トレイ搬送機構10の空トレイ載置位置101Cと重なる。リフト部105は、空トレイ15Aを支持する支持部106と、支持部
106をZ軸方向に移動させる駆動部107とを備える。支持部106は、空トレイ15AのZ2方向の側に配置されている。支持部106は、複数の板部分108を備える。板部分108は、Z軸方向に延在する。板部分108は、Z軸方向において、隣り合うローラ102の間の隙間と重なる。駆動部107は、エアシリンダなどからなる。駆動部107が支持部106をZ軸方向に移動させることによって、板部分108は、隣り合うローラ102の間の隙間をZ軸方向に通過する。
【0100】
第2トレイ搬送機構7によって空トレイ載置位置101Cに空トレイ15Aが載置される際、リフト部105は、板部分108の先端をローラ102よりZ1方向に位置させている。そして、空トレイ15Aは、板部分108の先端に載置される。この際、空トレイ15Aは、板部分108の先端によって、X軸方向に位置決めがされている。
【0101】
積み重ね部91は、第1実施形態と同一の構成である。本形態では、積み重ね部91は、第3トレイ搬送機構10によって搬送されてくる空トレイ15Aを空トレイ排出位置101Dに載置されていた空トレイ15Aの下段に積み重ねる。
【0102】
(第2台車)
第2台車4は、複数の空トレイ15Aを本体部2から搬出するために用いられる。
図10、
図12に示すように、第2台車4は、所定の位置に停止されると、本体部2と連結する連結部を備える。第2台車4を本体部2から移動させる場合を除いて、連結部が本体部2と連結することにより、第2台車4は本体部2に固定されている。
【0103】
(搬送システムの動作)
次に、搬送システム1の動作について説明する。最初に、作業員によって複数の実トレイ15Bが載置された第1台車3が本体部2にセットされる。同様に、作業員によって複数の空トレイ15Aを載置するための第2台車4が本体部2にセットされる。第1台車3が本体部2に固定されると、作業者は、複数の実トレイ15BをX2方向に押すことにより、複数の実トレイ15Bは、本体部2に供給される。
【0104】
第1コンベア31から第2コンベア61に複数の実トレイ15Bが供給されると、第2コンベア61に設けられたセンサが複数の実トレイ15Bの供給を検知する。これにより、第2コンベア61のローラ62は回転を開始し、第2コンベア61は、複数の実トレイ15Bを実トレイ供給位置60Cまで搬送する。複数の実トレイ15Bが実トレイ供給位置60Cまで搬送されたことをセンサが検知すると、第2コンベア61は、複数の実トレイ15Bの搬送を停止する。
【0105】
その後、分離部51は、第1実施形態と同一の動作により、実トレイ供給位置60Cで複数の実トレイ15Bのうちの最も下段の実トレイ15Bを分離する。
【0106】
次に、第2コンベア61により、実トレイ15Bが第1トレイ載置位置60Dに搬送されると、リフト部65は、支持部66をZ1方向に移動させる。これにより、実トレイ15Bは、リフト部65によって持ち上げられる。リフト部65によって実トレイ15Bが持ち上げられた後、第2トレイ搬送機構7は、リフト部65によって持ち上げられた実トレイ15Bを受け取る。第2トレイ搬送機構7は、受け取った実トレイ15Bを、載置部19のステージ191に載置する。ステージ191に実トレイ15Bが載置されると、載置部19は、位置決め部材192を、実トレイ15Bの角部に当接させて、実トレイ15Bの位置決めを行う。実トレイ15Bの位置決めがされた後、第2トレイ搬送機構7が、保持部71をY2方向に移動させてから、ワーク移載機構8は、ステージ191に載置された実トレイ15Bから表示パネル100を、搬送部171のステージ172に移動させる。ステージ191に載置された実トレイ15Bから表示パネル100が移動した後、載
置部19は、位置決め部材192を、空トレイ15Aの角部に当接しない位置に退避させる。位置決め部材192が退避した後、第2トレイ搬送機構7は、載置部19のステージ191から空トレイ15Aを受け取り、受け取った空トレイ15Aを、第3トレイ搬送機構10の支持部106に搬送する。この際、第3トレイ搬送機構10の支持部106の先端は、ローラ102よりZ1方向に位置している。
【0107】
第2トレイ搬送機構7は、空トレイ15Aを、第3トレイ搬送機構10の支持部106に搬送した後、再度、第2トレイ搬送機構7のリフト部65から載置部19のステージ191に実トレイ15Bを搬送する。
【0108】
第2トレイ搬送機構7によって空トレイ15Aが支持部106に載置された後、第3トレイ搬送機構10は、リフト部105によって、板部分108の先端をローラ102よりZ2方向に移動させて、ローラ102上に空トレイ15Aを載置する。空トレイ15Aがローラ102上にされると、第4コンベア101は、ローラ102を回転させることによって、空トレイ15Aを空トレイ載置位置101Cから空トレイ排出位置101Dに搬送する。空トレイ15Aが空トレイ15Aを空トレイ載置位置101Cから空トレイ排出位置101Dに搬送された後、第3トレイ搬送機構10は、次の空トレイ15Aが載置できるように、リフト部105によって、板部分108の先端をローラ102よりZ1方向に移動させる。
【0109】
空トレイ15Aが空トレイ載置位置101Cから空トレイ排出位置101Dに搬送されると、積み重ね部91は、第1実施形態と同一の動作により、第3トレイ搬送機構10によって搬送されてくる空トレイ15Aを空トレイ排出位置101Dに載置されていた空トレイ15Aの下段に積み重ねる。
【0110】
積み重ね部91により所定枚数の空トレイ15Aが積み重ねられると、トレイ検知センサによって、所定枚数に達したことが検知される。トレイ検知センサが所定枚数に達したことを検知した後、駆動部99が支持部98をローラ102よりZ2方向に移動させる、これにより、複数の空トレイ15Aは、支持部98から第4コンベア101に移動する。
【0111】
複数の空トレイ15Aが第4コンベア101に移動した後、ストッパー部104は、ローラ102よりZ2方向に移動する。その後、第4コンベア101は、ローラ102を回転させることによって、複数の空トレイ15Aを第2台車4の第3コンベア41に移し替える。
【0112】
第2台車4に複数の空トレイ15Aが移し替えられた後、第2台車4の連結部と本体部2と連結が解除される。その後、作業員は、所定枚数が積み重なった空トレイ15Aが載置された第2台車4を本体部2から移動させて、別の第2台車4を本体部2にセットする。
【0113】
(作用効果)
本形態では、実トレイ排出用の第1台車3を用いて、表示パネル100が載置された複数の実トレイ15Bが搬送システム1に搬入される。また、空トレイ供給用の第2台車4を用いて、表示パネル100が載置されていない複数の空トレイ15Aが搬送システム1から搬出される。したがって、作業者の手作業によって、複数のトレイ15が搬送システム1に搬入・搬出されないので、作業者の負担を軽減することができる。
【0114】
本形態の搬送システム1は、複数の実トレイ15Bのうち最も下段の実トレイ15Bを第1トレイ載置位置60Dに搬送するとともに、空トレイ15Aを空トレイ排出位置101Dに載置されていた空トレイ15Aの下段に積み重ねる。このため、搬送システム1は
、トレイの枚数に関わらず、一定のサイクルでトレイの分離およびトレイの積み重ねを行うことが可能である。よって、搬送システム1のタクトタイムを短縮することが可能となる。また、分離された実トレイ15Bを高さ方向に移動させるトレイ搬送機構および空トレイ15Aを高さ方向に移動させるトレイ搬送機構が不要となる。
【0115】
本形態では、第1トレイ搬送機構6による実トレイ15Bの搬送方向、および第3トレイ搬送機構10による空トレイ15Aの搬送方向はいずれもX軸方向である。したがって、第1トレイ搬送機構6に実トレイ15Bを供給するための第1台車3と、第3トレイ搬送機構10から複数の空トレイ15Aが移し替えられる第2台車4と配列方向を、本体部2に対して同一の方向とすることができる。これにより、第1台車3および第2台車4を移動させる際に、作業者の作業エリアをX1方向の側に限定することができる。
【0116】
本形態では、第1台車3の第1コンベア31と第1トレイ搬送機構6の第2コンベア61とが接続する。したがって、第1台車3から第1トレイ搬送機構6に、実トレイ15Bを搬入する際、実トレイ15Bを搬入しやすい。また、第2台車4の第3コンベア41と第3トレイ搬送機構10の第4コンベア101とが接続する。したがって、第3トレイ搬送機構10から第2台車4に、空トレイ15Aを排出する際、空トレイ15Aを排出しやすい。
【0117】
本形態では、第2トレイ搬送機構7は、ワーク取り出し位置19Aで表示パネル100クが取り出された空トレイ15Aを第3トレイ搬送機構10との空トレイ載置位置101Cまで搬送する。したがって、ワーク取り出し位置19Aから空トレイ載置位置101Cまで、空トレイ15Aを搬送する機構を別途設ける必要がない。
【0118】
(処理システム)
第1実施形態に記載の搬送システム1および第2実施形態に記載の搬送システム1は、処理システムに同時に用いてもよい。より具体的には、表示パネル100の検査を行う検査装置の上流側に第2実施形態に記載の搬送システム1を配置し、表示パネル100の検査を行う検査装置の下流側に第1実施形態に記載の搬送システム1を配置した処理システムとすることができる。これにより、処理システムに複数のトレイを搬入・搬出する際に、第1台車3および第2台車4を持ち上げることができるので、作業者の負担を軽減することができる。
【符号の説明】
【0119】
1…搬送システム、2…本体部、3…第1台車、4、4A、4B、4C…第2台車、5…分離機構、6…第1トレイ搬送機構、7…第2トレイ搬送機構、7…分離機構、8…ワーク移載機構、9、9A、9B、9C…積み重ね機構、10、10A、10B、10C…第3トレイ搬送機構、11…実トレイ搬出機構、11A…第1搬出機構、11B…第2搬出機構、15…トレイ、15A…空トレイ、15B…実トレイ、15a…鍔部、16…搬入機構、17…検査装置、19…載置部、19A…ワーク取り出し位置、31…第1コンベア、41…第3コンベア、51…分離部、52…保持部、53…リフト部、54…保持部材、55…駆動部、56…当接部、57…支持爪部、58…支持部、58a…板部分、59…駆動部、60A…空トレイ供給位置、60B…第1トレイ載置位置、60C…実トレイ供給位置、60D…第1トレイ載置位置、61…第2コンベア、62…ローラ、63…ガイド部、65…リフト部、66…支持部、67…駆動部、68…板部分、71…保持部、72…駆動部、81…保持部、82…アーム本体部、91…積み重ね部、92…保持部、93…リフト部、94…保持部材、95…駆動部、96…当接部、97…支持爪部、98…支持部、98a…板部分、99…駆動部、100…表示パネル、101…第4コンベア、101A…ワーク搭載位置、101B…実トレイ排出位置、101C…空トレイ載置位置、101D…空トレイ排出位置、102…ローラ、103…ガイド部、104…スト
ッパー部、105…リフト部、106…支持部、106A…第1部分、106B…第2部分、107…駆動部、108…板部分、109…駆動部、161…ステージ、162…駆動部、171…搬送部、172…ステージ、173…駆動部、191…ステージ、192…位置決め部材、193…駆動部、311…ローラ、411…ローラ、721…Z軸駆動部、722…Y軸駆動部、S…隙間