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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183852
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】搬送システムおよび処理システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20221206BHJP
   B65G 59/02 20060101ALI20221206BHJP
   B65G 57/03 20060101ALI20221206BHJP
   B65G 57/10 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B65G59/02 Z
B65G57/03 E
B65G57/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091353
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 史朗
(72)【発明者】
【氏名】赤羽 賢俊
(72)【発明者】
【氏名】倉田 茂
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昇悟
【テーマコード(参考)】
3F029
3F030
5F131
【Fターム(参考)】
3F029BA09
3F029BA14
3F029CA52
3F030AA04
3F030AA08
3F030AB04
3F030BA02
5F131AA03
5F131AA12
5F131AA32
5F131CA09
5F131CA52
5F131DA02
5F131DA05
5F131DA42
5F131DC23
5F131DD12
5F131DD34
5F131DD45
5F131DD57
5F131DD74
5F131DD82
5F131DD85
5F131GA03
5F131GA22
5F131GA32
(57)【要約】
【課題】作業者の負担を抑えながら、複数のトレイを搬入・搬出することが可能な搬送システムを提供すること。
【解決手段】搬送システム1は、表示パネル100が載置されていない複数の空トレイ20Aが積み重ねられた空トレイ供給用の第1台車9と、複数の空トレイ20Aの高さ位置を調整可能な第1リフト3と、表示パネル100が載置された複数の実トレイ20Bが積み重ねられた実トレイ排出用の第2台車10と、複数の実トレイ20Bの高さ位置を調整可能な第2リフト4と、空トレイ供給位置9Aで停止している第1台車9上の複数の空トレイ20Aのうち、最も上段の空トレイ20Aを、実トレイ排出位置10Aで停止している第2台車10上の複数の実トレイ20B上に積み重ねるために搬送する第1トレイ搬送機構5と、第1トレイ搬送機構5によって搬送された空トレイ20Aに表示パネル100を載置するワーク移載機構6と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークが載置されていない複数の空トレイが積み重ねられた空トレイ供給用の第1台車と、
前記複数の空トレイの高さ位置を調整可能な第1リフトと、
ワークが載置された複数の実トレイが積み重ねられた実トレイ排出用の第2台車と、
前記複数の実トレイの高さ位置を調整可能な第2リフトと、
空トレイ供給位置で停止している前記第1台車上の前記複数の空トレイのうち、最も上段の空トレイを、実トレイ排出位置で停止している前記第2台車上の前記複数の実トレイ上に積み重ねるために搬送する第1トレイ搬送機構と、
前記第1トレイ搬送機構によって搬送された空トレイにワークを載置するワーク移載機構と、
を有することを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送システムにおいて、
前記空トレイ供給位置への前記第1台車の移動方向、前記空トレイ供給位置からの前記第1台車の移動方向、前記実トレイ排出位置への前記第2台車の移動方向、および前記実トレイ排出位置からの前記第2台車の移動方向はいずれも、第1方向に沿う方向であり、
前記空トレイ供給位置および前記実トレイ排出位置の配列方向は、前記第1方向に対して交差する第2方向であることを特徴とする搬送システム。
【請求項3】
請求項2に記載の搬送システムにおいて、
前記第2台車を用いた実トレイ排出機構が前記第2方向に沿って複数配置されていることを特徴とする搬送システム。
【請求項4】
請求項3に記載の搬送システムにおいて、
前記ワーク移載機構は、スカラロボットであることを特徴とする搬送システム。
【請求項5】
請求項3または4に記載の搬送システムにおいて、
前記複数の実トレイ排出機構のうちの第1排出機構と、前記複数の実トレイ排出機構のうち、前記第1排出機構とは別の第2排出機構とでは、前記ワーク移載機構が前記ワークを載置する際の前記空トレイの位置が前記第1方向でずれており、
前記第1排出機構では、前記実トレイ排出位置で停止している前記第2台車上の前記複数の実トレイ上に積み重ねられた前記空トレイに前記ワーク移載機構が前記ワークを載置し、
前記第2排出機構では、第2トレイ搬送機構によって、前記第1トレイ搬送機構が搬送してきた空トレイを前記ワーク移載機構が前記ワークを載置する位置まで前記第1方向に沿って搬送した後、前記実トレイ排出位置で停止している前記第2台車上の前記複数の実トレイ上に積み重ねることを特徴とする搬送システム。
【請求項6】
請求項3から5までの何れか一項に記載の搬送システムにおいて、
前記複数の実トレイ排出機構は各々、前記ワークを検査したときの結果に対応していることを特徴とする搬送システム。
【請求項7】
ワークが載置された複数の実トレイが積み重ねられた実トレイ供給用の第1台車と、
前記複数の実トレイの高さ位置を調整可能な第1リフトと、
ワークが載置されていない複数の空トレイが積み重ねられた空トレイ排出用の第2台車と、
前記複数の空トレイの高さ位置を調整可能な第2リフトと、
実トレイ供給位置で停止している前記第1台車上の前記複数の実トレイのうち、最も上
段の実トレイをワーク取り出し位置に搬送するとともに、前記ワーク取り出し位置で前記ワークが取り出された空トレイを空トレイ排出位置で停止している前記第2台車上の前記複数の空トレイ上に積み重ねるために搬送するトレイ搬送機構と、
前記ワーク取り出し位置で実トレイからワークを取り上げるワーク移載機構と、
を有することを特徴とする搬送システム。
【請求項8】
請求項7に記載の搬送システムにおいて、
前記実トレイ供給位置への前記第1台車の移動方向、前記実トレイ供給位置からの前記第1台車の移動方向、前記空トレイ排出位置への前記第2台車の移動方向、および前記空トレイ排出位置からの前記第2台車の移動方向はいずれも、第1方向に沿う方向であり、
前記実トレイ供給位置および空トレイ排出位置の配列方向は、前記第1方向に対して交差する第2方向であることを特徴とする搬送システム。
【請求項9】
請求項7または8に記載の搬送システムにおいて、
前記ワーク移載機構は、スカラロボットであることを特徴とする搬送システム。
【請求項10】
請求項1から6までの何れか一項に記載の搬送システム、および請求項7から9までの何れか一項に記載の搬送システムを備えた処理システムであって、
前記実トレイ供給位置から前記実トレイ排出位置までワークが搬送されるまでの間にワークの検査を行う検査装置を備えることを特徴とする処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネル等の表示パネルを搬送する搬送システム、および搬送システムを備えた処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯機器等で使用される液晶表示装置の組立ラインに組み込まれる搬送システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の搬送システムは、表示パネルが収容されたトレイを積み重ねた状態で搬入する搬入コンベアと、トレイが載置される第1トレイステージおよび第2トレイステージと、第1トレイステージおよび第2トレイステージに載置されたトレイから表示パネルを取り出す第1ロボットと、空になったトレイを積み重ねた状態で排出する排出コンベアと、搬入コンベアから第1トレイステージおよび第2トレイステージにトレイを渡すとともに、第1トレイステージおよび第2トレイステージから排出コンベアにトレイを渡す第2ロボットとを備える。
【0003】
特許文献1に記載の搬送システムにおいて、作業者は、積み重ねられた複数のトレイを、手作業によって搬入コンベアに搬入する。また、作業者は、積み重ねられた複数のトレイを、手作業によって排出コンベアから搬出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-127332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の搬送システムにおいて、作業者の手作業によって、複数のトレイが搬入・搬出される場合、作業者の負担が大きいという問題がある。また、トレイに表示パネルが収容されている場合、作業者が、搬入・搬出する際に、トレイを誤って倒してしまうと、収容されていた表示パネルが破損するという問題がある。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、作業者の負担を抑えながら、複数のトレイを搬入・搬出することが可能な搬送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明に係る搬送システムは、ワークが載置されていない複数の空トレイが積み重ねられた空トレイ供給用の第1台車と、前記複数の空トレイの高さ位置を調整可能な第1リフトと、前記ワークが載置された複数の実トレイが積み重ねられた実トレイ排出用の第2台車と、前記複数の実トレイの高さ位置を調整可能な第2リフトと、空トレイ供給位置で停止している前記第1台車上の前記複数の空トレイのうち、最も上段の空トレイを、実トレイ排出位置で停止している前記第2台車上の前記複数の実トレイ上に積み重ねるために搬送する第1トレイ搬送機構と、前記第1トレイ搬送機構によって搬送された空トレイに前記ワークを載置するワーク移載機構と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明では、空トレイ供給用の第1台車を用いて、ワークが載置されていない複数の空トレイが搬送システムに搬入される。また、実トレイ排出用の第2台車を用いて、ワークが載置された複数の実トレイが搬送システムから搬出される。そして、搬送システムは、第1台車によって搬入された空トレイにワークを載置するとともに、ワークが載置された
実トレイを第2台車に搬送する。したがって、搬送システムは、第1台車上にトレイが積み重ねられた状態から空トレイを搬送するとともに、ワークが載置された実トレイを第2台車上に積み重ねるので、搬送システムに複数のトレイを搬入・搬出する際の作業者の負担を軽減することができる。また、第1トレイ搬送機構は、第1台車上の複数の空トレイのうち、最も上段の空トレイを、実トレイ第2台車上の複数の実トレイ上に積み重ねるために搬送するので、第1台車と第2台車を共通とすることが可能となる。
【0009】
本発明において、前記空トレイ供給位置への前記第1台車の移動方向、前記空トレイ供給位置からの前記第1台車の移動方向、前記実トレイ排出位置への前記第2台車の移動方向、および前記実トレイ排出位置からの前記第2台車の移動方向はいずれも、第1方向に沿う方向であり、前記空トレイ供給位置および前記実トレイ排出位置の配列方向は、前記第1方向に対して交差する第2方向であることが好ましい。このように構成すれば、第1台車および第2台車を移動させる際に、作業者は、搬送システムに対して、同一方向から移動させることが可能となる。
【0010】
本発明において、前記第2台車を用いた実トレイ排出機構が前記第2方向に沿って複数配置されていることが好ましい。また、この場合、本発明において、前記複数の実トレイ排出機構は各々、前記ワークを検査したときの結果に対応していることが好ましい。したがって、ワーク移載機構がワークの検査結果に基づいて、ワークを移動させる場合、第2台車を用いた実トレイ排出機構が複数配置されていれば、検査結果に対応した第2台車を配置することが可能となる。これにより、搬送システムは、検査結果が異なる複数のワークを同時に搬送することが可能となる。
【0011】
本発明において、前記ワーク移載機構は、スカラロボットである態様を採用することができる。
【0012】
本発明において、前記複数の実トレイ排出機構のうちの第1排出機構と、前記複数の実トレイ排出機構のうち、前記第1排出機構とは別の第2排出機構とでは、前記ワーク移載機構が前記ワークを載置する際の前記空トレイの位置が前記第1方向でずれており、前記第1排出機構では、前記実トレイ排出位置で停止している前記第2台車上の前記複数の実トレイ上に積み重ねられた前記空トレイに前記ワーク移載機構が前記ワークを載置し、前記第2排出機構では、第2トレイ搬送機構によって、前記第1トレイ搬送機構が搬送してきた空トレイを前記ワーク移載機構が前記ワークを載置する位置まで前記第1方向に沿って搬送した後、前記実トレイ排出位置で停止している前記第2台車上の前記複数の実トレイ上に積み重ねることが好ましい。ここで、第1排出機構と第2排出機構とが第2方向に配列された実トレイ排出機構の場合、ワーク移載機構の移動範囲は、第2方向に大きくなる必要があり、ワーク移載機構が大型化する。しかしながら、本発明では、第2排出機構では、第2トレイ搬送機構によって、第1トレイ搬送機構が搬送してきた空トレイをワーク移載機構がワークを載置する位置まで第1方向に沿って搬送するので、第1排出機構とは第2排出機構とでは、ワーク移載機構がワークを載置する際の空トレイの位置が第1方向でずれている。これにより、第2排出機構が第2トレイ搬送機構を備えない場合と比較して、ワーク移載機構の第2方向の移動範囲は、小さくなる。この結果、搬送システムが複数の実トレイ排出機構を備えた場合であっても、ワーク移載機構が大型化することを抑制することができる。
【0013】
本発明に係る搬送システムは、ワークが載置された複数の実トレイが積み重ねられた実トレイ供給用の第1台車と、前記複数の実トレイの高さ位置を調整可能な第1リフトと、ワークが載置されていない複数の空トレイが積み重ねられた空トレイ排出用の第2台車と、前記複数の空トレイの高さ位置を調整可能な第2リフトと、実トレイ供給位置で停止している前記第1台車上の前記複数の実トレイのうち、最も上段の実トレイをワーク取り出
し位置に搬送するとともに、前記ワーク取り出し位置で前記ワークが取り出された空トレイを空トレイ排出位置で停止している前記第2台車上の前記複数の空トレイ上に積み重ねるために搬送するトレイ搬送機構と、前記ワーク取り出し位置で実トレイからワークを取り上げるワーク移載機構と、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明では、実トレイ供給用の第1台車を用いて、ワークが載置された複数の実トレイが搬送システムに搬入される。また、空トレイ排出用の第2台車を用いて、ワークが載置されていない複数の空トレイが搬送システムから搬出される。そして、搬送システムは、第1台車によって搬入された実トレイをワーク取り出し位置に搬送するとともに、ワーク取り出し位置でワークが取り出された空トレイを第2台車に搬送する。したがって、搬送システムは、第1台車上にトレイが積み重ねられた状態から実トレイを搬送するとともに、ワークが取り出された空トレイを第2台車上に積み重ねるので、搬送システムに複数のトレイを搬入・搬出する際の作業者の負担を軽減することができる。また、第1トレイ搬送機構は、第1台車上の複数の空トレイのうち、最も上段の空トレイを、実トレイ第2台車上の複数の実トレイ上に積み重ねるために搬送するので、第1台車と第2台車を共通とすることが可能となる。
【0015】
本発明において、前記実トレイ供給位置への前記第1台車の移動方向、前記実トレイ供給位置からの前記第1台車の移動方向、前記空トレイ排出位置への前記第2台車の移動方向、および前記空トレイ排出位置からの前記第2台車の移動方向はいずれも、第1方向に沿う方向であり、前記実トレイ供給位置および空トレイ排出位置の配列方向は、前記第1方向に対して交差する第2方向であることが好ましい。このように構成すれば、第1台車および第2台車を移動させる際に、作業者は、搬送システムに対して、同一方向から移動させることが可能となる。
【0016】
本発明において、前記ワーク移載機構は、スカラロボットである態様を採用することができる。
【0017】
本発明に係る処理システムは、上記に記載の搬送システムを備えた処理システムであって、前記実トレイ供給位置から前記実トレイ排出位置までワークが搬送されるまでの間にワークの検査を行う検査装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、第1台車および第2台車によって、複数のトレイを搬入・搬出することが可能であるので、作業者の負担を抑えることが可能となる。また、複数のトレイを搬入・搬出する際に、トレイを誤って倒してしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施形態にかかる搬送システムの平面図である。
図2】搬送システムの正面図である。
図3】搬送システムの側面図である。
図4】分離機構および段積み機構を示す図であり、図4(a)は、分離機構を示す図であり、図4(b)は、段積み機構を示す図である。
図5】本発明の第2実施形態にかかる搬送システムの平面図である。
図6】搬送システムの正面図である。
図7】搬送システムの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態を説明する。以下の説明では、ワー
クが表示パネル100である場合を中心に説明する。図1は、本発明の第1実施形態にかかる搬送システムの平面図である。図2は、搬送システムの正面図である。図3は、搬送システムの側面図である。図4は、分離機構および段積み機構を示す図であり、図4(a)は、分離機構を示す図であり、図4(b)は、段積み機構を示す図である。
【0021】
(搬送システムの全体構成)
図1に示す本形態の搬送システム1は、携帯機器等で使用される小型の液晶ディスプレイの製造ラインに組み込まれて使用される。前工程で検査されたワークである表示パネル100が搬入機構11によって搬入されると、搬送システム1は、搬入された表示パネル100の検査結果に基づいて、トレイ20に搬送する。表示パネル100は、液晶パネルや有機ELパネル等である。表示パネル100は、矩形状に形成されている。本形態において、前工程は、表示パネル100の点灯検査の工程であり、表示パネル100は、点灯検査の検査結果に基づいて、良品、不良品、再検査品の何れかに分類される。
【0022】
図1図3に示すように、搬送システム1は、本体部2と、表示パネル100が載置されていない複数の空トレイ20Aが積み重ねられた第1台車9と、表示パネル100が載置された複数の実トレイ20Bが積み重ねられた第2台車10とを備える。第1台車9および第2台車10は、所定の移動方向に沿って、本体部2から搬出されるとともに、本体部2に搬入される。本形態では、第2台車10として、第2台車101、第2台車102、および第2台車103が設けられている。
【0023】
ここで、図において、互いに直交する方向をX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向とする。第1台車9および第2台車10の移動方向をX軸方向とし、第1台車9および第2台車10が本体部2から搬出される方向をX1方向とし、第1台車9および第2台車10が本体部2に搬入される方向をX2方向とする。第1台車9および第2台車10はY軸方向に配列されている。Z軸方向において、上方をZ1方向とし、下方をZ2方向とする。
【0024】
本体部2は、第1台車9に載置された複数の空トレイ20Aの高さ位置を調整可能な第1リフト3と、第2台車10に載置される複数の実トレイ20Bの高さ位置を調整可能な第2リフト4と、空トレイ供給位置9Aで停止している第1台車9上の複数の空トレイ20Aを、実トレイ排出位置10Aで停止している第2台車10に搬送する第1トレイ搬送機構5と、第1トレイ搬送機構5によって搬送された空トレイ20Aに表示パネル100を載置するワーク移載機構6と、を備える。本形態では、第2リフト4として、第2リフト4A、第2リフト4B、第2リフト4Cが設けられている。
【0025】
本体部2は、第1リフト3上の複数の空トレイ20Aから、最も上段の空トレイ20Aを分離するための分離機構7と、ワーク移載機構6によって表示パネル100が載置された実トレイ20Bを第2リフト4上の複数の実トレイ20Bに積み重ねる段積み機構8とを備える。段積み機構8は、第2台車101に実トレイ20Bを積み重ねる段積み機構8Aと、第2台車102に実トレイ20Bを積み重ねる段積み機構8Bと、第2台車103に実トレイ20Bを積み重ねる段積み機構8Cと、を備える。
【0026】
ここで、第2台車10、第2リフト4および段積み機構8は、実トレイ排出機構16を構成する。本形態では、複数の実トレイ排出機構16が設けられている。より具体的には、実トレイ排出機構16は、第1排出機構16Aと、第2排出機構16Bと、を備える。第1排出機構16Aは、第2台車101、第2リフト4A、段積み機構8A、第2台車102、第2リフト4Aおよび段積み機構8Bで構成される。第2排出機構16Bは、第2台車103、第2リフト4Cおよび段積み機構8Cで構成される。また、第2排出機構16Bは、第2トレイ搬送機構15を備える。
【0027】
本形態のトレイ20としての、空トレイ20Aおよび実トレイ20Bは、同一のトレイで構成される。空トレイ20Aおよび実トレイ20Bは、略長方形の平板状に形成されている。空トレイ20Aおよび実トレイ20Bの上面には、表示パネル100が収容される凹部が形成されている。
【0028】
(搬入機構)
図1図2に示すように、搬入機構11は、前工程で検査された表示パネル100を搬送システム1に搬送する。搬入機構11は、表示パネル100が載置されるステージ12と、ステージ12をX軸方向に往復移動させる駆動部13とを備える。ステージ12の外形形状は、四角形状である。駆動部13は、電動シリンダなどからなり、X軸方向に延在する。搬入機構11は、X2方向の端部でステージ12に載置された表示パネル100を、X1方向の端部に搬送する。
【0029】
(第1台車)
図1図3に示すように、第1台車9は、複数の空トレイ20Aを本体部2に搬入するために用いられる。第1台車9は、複数の空トレイ20Aが載置される載置部91を備える。載置部91は、3つの支持部材911を備える。支持部材911は、X軸方向に延在し、Y軸方向に離れて配置されている。第1台車9は、空トレイ供給位置9Aに停止されると、本体部2と連結する連結部を備える。第1台車9を本体部2から移動させる場合を除いて、連結部が本体部2と連結することにより、第1台車9は本体部2に固定されている。
【0030】
(第1リフト)
第1リフト3は、空トレイ供給位置9Aにおいて、第1台車9の載置部91とZ軸方向で重なる。第1リフト3は、複数の空トレイ20Aが載置されるステージ31と、ステージ31をZ軸方向に移動させるリフト部32とを備える。ステージ31は、ステージ41は、2つ設けられ、Z軸方向から見た場合に、3つの支持部材911の間にそれぞれ位置する。リフト部32は、第1台車9の載置部91よりZ2方向に位置する。第1リフト3は、リフト部32により、ステージ31をZ軸方向に移動させることによって、ステージ31は、支持部材911の間を通過して、Z軸方向に往復移動する。
【0031】
本形態では、第1台車9が空トレイ供給位置9Aに位置する際、ステージ31は、支持部材911よりZ2方向に位置する。第1台車9が空トレイ供給位置9Aにセットされると、第1リフト3は、リフト部32によりステージ31を支持部材911の下方から上方に移動させる。これにより、第1台車9に載置されていた複数の空トレイ20Aは、ステージ31に移動するとともに、上方に持ち上げられる。
【0032】
(分離機構7)
分離機構7は、第1リフト3によって持ち上げられた複数の空トレイ20Aから、最も上段の空トレイ20Aを分離する。図2図3に示すように、分離機構7は、第1リフト3よりZ1方向に配置されており、Z軸方向で第1リフト3と重なる。図1図4(a)に示すように、分離機構7は、最も上段の空トレイ20Aを分離するとともに分離した空トレイ20AをZ1方向に移動させる分離部70を備える。また、分離機構7は、分離部70によってZ1方向に移動された空トレイ20Aを支持する支持部71と、支持部71によって支持された空トレイ20Aの角部に当接する位置決め部材72と、を備える。
【0033】
分離部70は、最も上段の空トレイ20Aを分離するための分離爪73と、分離爪73をY軸方向に移動させる駆動部74と、連結部材75aを介して駆動部74をZ軸方向に移動させる駆動部75と、分離された空トレイ20Aを保持する保持部76と、を備える。
【0034】
分離爪73は、最も上段の空トレイ20AのY軸方向の両側に挟むように配置されている。駆動部74は、エアシリンダなどからなる。駆動部74が、分離爪73をY軸方向に移動させることにより、分離爪73は、最も上段の空トレイ20AのY軸方向の両端において、最も上段の空トレイ20Aを保持する間隔から、上段の空トレイ20Aを保持しない間隔となるように移動する。保持部76は、連結部材75aに固定され、空トレイ20AのY軸方向の両側に挟むように配置されている。分離爪73が空トレイ20Aを保持する間隔に移動した後、保持部76は、空トレイ20Aの上方に位置して、吸着部76aによって分離された空トレイ20Aの上面を保持する。
【0035】
駆動部75は、電動シリンダなどからなる。駆動部75は、駆動部74をZ軸方向に移動させることにより、分離爪73をZ軸方向に移動させる。したがって、駆動部75は、分離爪73が最も上段の空トレイ20Aを保持する状態において、分離爪73をZ1方向に移動させることにより、複数の空トレイ20Aから、最も上段の空トレイ20Aを分離する。この際、保持部76は、分離された空トレイ20Aの上面を保持した状態で、分離爪73とともに、駆動部75により、Z1方向に移動する。
【0036】
支持部71は、分離部70によってZ1方向に移動された空トレイ20Aの下面を支持する支持部材77と、支持部材77を移動させる駆動部78とを備える。支持部材77は、空トレイ20AのX軸方向の両側に挟むように配置された第1支持部材77aと、空トレイ20AのY軸方向の両側に挟むように配置された第2支持部材77bと、を備える。駆動部78は、エアシリンダなどからなる。駆動部78は、第1支持部材77aをX軸方向に移動させる第1駆動部78aと、第2支持部材77bをY軸方向に移動させる第2駆動部78bと、を備える。第1駆動部78aおよび第2駆動部78bが、第1支持部材77aおよび第2支持部材77bをそれぞれ移動させることにより、第1支持部材77aおよび第2支持部材77bは、それぞれ、空トレイ20Aの下面を支持する間隔から、空トレイ20Aの下面を支持しない間隔となるように移動する。
【0037】
位置決め部材72は、駆動部79により、支持部71によって支持された空トレイ20Aの角部に当接する位置から当接しない位置に移動する。位置決め部材72は、空トレイ20Aの角部に当接することにより、支持部71に対して空トレイ20Aの位置決めを行う。
【0038】
(第2台車)
第2台車10は、複数の実トレイ20Bを本体部2から搬出するために用いられる。第2台車10は、第1台車9と同一の構成であるので、同一符号を付して、説明を省略する。第2台車10は、実トレイ排出位置10Aに停止されると、本体部2と連結する連結部を備える。第2台車10を本体部2から移動させる場合を除いて、連結部が本体部2と連結することにより、第2台車10は本体部2に固定されている。
【0039】
本形態では、図1図3に示すように、第2台車10として、第2台車101、第2台車102、および第2台車103が設けられている。Y1方向に沿って、第2台車101、第2台車102、および第2台車103の順で、配置されている。第2台車101には、前工程で「良品」と判断された表示パネル100が収容された実トレイ20Bが載置される。第2台車102には、前工程で「不良品」と判断された表示パネル100が収容された実トレイ20Bが載置される。第2台車103には、前工程で「再検査品」と判断された表示パネル100が収容された実トレイ20Bが載置される。
【0040】
(第2リフト)
図1図3に示すように、第2リフト4は、実トレイ排出位置10Aにおいて、第2台
車10の載置部91とZ軸方向で重なる。第2リフト4は、複数の実トレイ20Bが載置されるステージ41と、ステージ41をZ軸方向に移動させるリフト部42とを備える。ステージ41は、2つ設けられ、Z軸方向から見た場合に、3つの支持部材911の間にそれぞれ位置する。リフト部32は、第2台車10の載置部91よりZ2方向に位置する。第2リフト4は、リフト部42により、ステージ41をZ軸方向に移動させることによって、ステージ41は、支持部材911の間を通過して、Z軸方向に往復移動する。
【0041】
本形態では、第2台車10が実トレイ排出位置10Aにセットされる際、ステージ41は、支持部材911よりZ2方向に位置する。第2台車10が実トレイ排出位置10Aにセットされると、第2リフト4は、リフト部42によりステージ41を支持部材911の下方から上方に移動させる。そして、段積み機構8により、実トレイ20Bがステージ41に積み重ねられる。その後、ステージ41に所定枚数の実トレイ20Bが積み重ねられると、第2リフト4は、リフト部42によってステージ41を、支持部材911よりZ2方向に移動させる。これにより、ステージ41に載置されていた複数の実トレイ20Bは、第2台車10の載置部91に載置される。
【0042】
本形態では、第2リフト4として、第2リフト4A、第2リフト4B、第2リフト4Cが設けられている。第2リフト4Aは、第2台車101に対応する位置に、第2リフト4Bは、第2台車102に対応する位置に、第2リフト4Cは、第2台車103に対応する位置に、それぞれ配置されている。
【0043】
(段積み機構)
段積み機構8は、空トレイ20Aを受け取るとともに、ワーク移載機構6によって表示パネル100が空トレイ20Aに載置された実トレイ20Bを第2リフト4上の複数の実トレイ20Bの上に積み重ねる。図1図3図4(b)に示すように、段積み機構8は、第2リフト4よりZ1方向に配置されており、Z軸方向で第2リフト4と重なる。段積み機構8は、空トレイ20A(実トレイ20B)を受け取るための第1トレイ受け部81と、空トレイ20A(実トレイ20B)を受け取るとともに実トレイ20Bを積み重ねるための第2トレイ受け部82とを備える。
【0044】
第1トレイ受け部81は、空トレイ20A(実トレイ20B)を受け取る受け部材83と、受け部材83をX軸方向に移動させる駆動部84とを備える。受け部材83は、空トレイ20A(実トレイ20B)のX軸方向の両側に挟むように配置されている。駆動部84は、エアシリンダなどからなる。駆動部84が、受け部材83をX軸方向に移動させることにより、受け部材83は、空トレイ20A(実トレイ20B)のX軸方向の両端において、空トレイ20A(実トレイ20B)の下面を受ける間隔から、空トレイ20A(実トレイ20B)を受けない間隔となるように移動する。
【0045】
第2トレイ受け部82は、空トレイ20A(実トレイ20B)を受け取る受け部材85と、受け部材85をY軸方向に移動させる駆動部86と、連結部材87aを介して駆動部86をZ軸方向に移動させる駆動部87とを備える。受け部材85は、空トレイ20A(実トレイ20B)のY軸方向の両側に挟むように配置されている。駆動部86は、エアシリンダなどからなる。駆動部86が、受け部材85をY軸方向に移動させることにより、受け部材85は、空トレイ20A(実トレイ20B)のY軸方向の両端において、空トレイ20A(実トレイ20B)の下面を受ける間隔から、空トレイ20A(実トレイ20B)を受けない間隔となるように移動する。なお、受け部材85が空トレイ20A(実トレイ20B)の下面を受けるY軸方向の間隔は、第2リフト4のステージ41のY軸方向の幅より広い。
【0046】
駆動部87は、電動シリンダなどからなる。駆動部87は、駆動部86をZ軸方向に移
動させることにより、受け部材85をZ軸方向に移動させる。したがって、駆動部87は、実トレイ20Bを受けた状態において、受け部材85をZ2方向に移動させることにより、第2リフト4上の複数の実トレイ20Bの上に実トレイ20Bを積み重ねる。
【0047】
本形態では、段積み機構8として、段積み機構8A、段積み機構8B、段積み機構8Cが設けられている。段積み機構8Aは、第2リフト4Aに対応する位置に、段積み機構8Bは、第2リフト4Bに対応する位置に、段積み機構8Cは、第2リフト4Cに対応する位置に、それぞれ配置されている。なお、段積み機構8Cは、後述するように、実トレイ20Bを受け取るとともに、受け取った実トレイ20Bを第2リフト4C上の複数の実トレイ20Bの上に積み重ねる。
【0048】
(第2トレイ搬送機構)
図1図3に示すように、第2トレイ搬送機構15は、第2台車103のY1方向の側に、配置されている。第2トレイ搬送機構15は、トレイ20が載置されるステージ151と、ステージ151をX軸方向に往復移動させる駆動部152とを備える。ステージ151は、段積み機構8CよりZ1方向に位置する。駆動部152は、ステージ151がZ軸方向で段積み機構8Cと重なる第1位置15Aから、重ならない第2位置15Bとなるように、ステージ151を移動させる。
【0049】
(第1トレイ搬送機構)
図1図2図3に示すように、第1トレイ搬送機構5は、空トレイ20Aを把持する保持部51と、保持部51を移動させる駆動部52とを備える。駆動部52は、保持部51を上下方向に移動させるZ軸駆動部521と、Z軸駆動部521を介して保持部51をY方向に移動させるY軸駆動部522とを備える。Z軸駆動部521およびY軸駆動部522は電動シリンダなどからなる。Z軸駆動部521およびY軸駆動部522により保持部51を移動させることにより、第1トレイ搬送機構5は、分離機構7が分離した空トレイ20Aを分離機構7の支持部71から受け取り、段積み機構8の受け部材83,85または第2トレイ搬送機構15のステージ151に空トレイ20Aを載置する。ここで、第1トレイ搬送機構5が空トレイ20Aを受け渡す際、分離機構7の支持部71のZ軸方向の位置と、段積み機構8の受け部材83,85のZ軸方向の位置とは、略同じ高さに位置する。よって、分離機構7の支持部71のZ軸方向の位置と、段積み機構8の受け部材83,85のZ軸方向の位置とが略同じ高さ位置であるので、第1トレイ搬送機構5は、保持部51をZ軸方向に大きく動かす必要がない。
【0050】
(ワーク移載機構)
ワーク移載機構6は、スカラロボットである。図1図3に示すように、ワーク移載機構6は、第1トレイ搬送機構5のX2方向の側に配置されている。ワーク移載機構6は、表示パネル100を保持する保持部61と、保持部61を移動させるアーム本体部62とを備える。保持部61は、複数の吸着部611を備える。吸着部611が表示パネル100を吸着することにより、保持部61は表示パネル100を把持する。ワーク移載機構6は、表示パネル100の検査結果に基づいて、段積み機構8に載置された空トレイ20A、または第2トレイ搬送機構15に載置された空トレイ20Aに、ステージ12に載置された表示パネル100を移動させる。
【0051】
(搬送システムの動作)
次に、搬送システム1の動作について説明する。最初に、作業員によって複数の空トレイ20Aが載置された第1台車9が本体部2の空トレイ供給位置9Aにセットされる。同様に、作業員によって複数の実トレイ20Bを載置するための第2台車10が本体部2の実トレイ排出位置10Aにセットされる。
【0052】
第1台車9が空トレイ供給位置9Aにセットされると、連結部が本体部2と連結することにより、第1台車9は本体部2に固定される。第1台車9が本体部2に固定された後、第1リフト3は、第1台車9に載置された複数の空トレイ20AをZ1方向に持ち上げる。
【0053】
第2台車10が実トレイ排出位置10Aにセットされると、連結部が本体部2と連結することにより、第2台車10は本体部2に固定される。第2台車10が本体部2に固定された後、第2リフト4は、第2台車10の載置部91よりZ1方向にステージ41を移動させる。
【0054】
次に、第1リフト3により複数の空トレイ20Aが持ち上げられると、分離機構7は、駆動部74によって、分離爪73を最も上段の空トレイ20Aを保持する間隔に移動させる。その後、分離機構7は、保持部76を空トレイ20Aの上方に位置させて、吸着部76aによって最も上段の空トレイ20Aの上面を保持する。その後、分離機構7は、分離爪73および保持部76をZ1方向に移動させる。これにより、最も上段の空トレイ20Aは、複数の空トレイ20Aから分離される。分離された空トレイ20Aは、支持部71の位置までZ1方向に移動する。
【0055】
分離された空トレイ20Aが支持部71の位置まで移動した後、分離機構7は、第1支持部材77aおよび第2支持部材77bを、それぞれ、空トレイ20Aの下面を支持する間隔に移動させる。さらに、分離機構7は、吸着部76aによる空トレイ20Aの保持を解除して、保持部76を空トレイ20Aの外側に退避させる。そして、分離機構7は、空トレイ20Aを保持しない間隔に、分離爪73を移動させてから、分離爪73および保持部76をZ2方向に移動させる。
【0056】
分離爪73および保持部76がZ2方向に移動した後、支持部71に支持された空トレイ20Aは、位置決め部材72が空トレイ20Aの角部に当接することにより、支持部71に対して位置決めされる。その後、位置決め部材72は、空トレイ20Aの角部に当接しない位置に退避する。位置決め部材72が退避した後、第1トレイ搬送機構5は、分離機構7の支持部71から空トレイ20Aを受け取る。
【0057】
第1トレイ搬送機構5は、受け取った空トレイ20Aを、段積み機構8A、段積み機構8Bまたは第2トレイ搬送機構15に載置する。ここで、第1トレイ搬送機構5が第2トレイ搬送機構15に空トレイ20Aを載置する際、第2トレイ搬送機構15のステージ151は第1位置15Aに位置する。また、第2トレイ搬送機構15は、ステージ151に空トレイ20Aが載置された後、ステージ151を第1位置15Aから第2位置15Bに移動させる。なお、段積み機構8Aに空トレイ20Aが載置される際、段積み機構8Aは、トレイ20の下面を受ける間隔となるように、第1トレイ受け部81の受け部材83および第2トレイ受け部82の受け部材85を移動させている。同様に、段積み機構8Bに空トレイ20Aが載置される際、段積み機構8Bは、トレイ20の下面を受ける間隔となるように、第1トレイ受け部81の受け部材83および第2トレイ受け部82受け部材85を移動させている。
【0058】
第1トレイ搬送機構5が分離機構7の支持部71から空トレイ20Aを受け取った後、分離機構7は、第1支持部材77aおよび第2支持部材77bを、それぞれ、空トレイ20Aの下面を支持しない間隔となるように移動させる。その後、分離機構7は、分離部70によって、再度最も上段の空トレイ20Aを分離する。
【0059】
ここで、第1リフト3に載置された空トレイ20Aが第1トレイ搬送機構5により全て搬送されると、トレイ検知センサによって、空トレイ20Aが無くなったことが検知され
る。トレイ検知センサが、空トレイ20Aが無くなったことを検知した後、第1リフト3は、ステージ31を第1台車9の載置部91よりZ2方向に移動させる。ステージ31が第1台車9の載置部91よりZ2方向に移動した後、連結部と本体部2と連結が解除される。その後、作業員は、空になった第1台車9を本体部2から移動させて、複数の空トレイ20Aが載置された別の第1台車9を空トレイ供給位置9Aにセットする。
【0060】
次に、ワーク移載機構6は、表示パネル100の検査結果に基づいて、ステージ12に載置された表示パネル100を、空トレイ20Aに移動させる。具体的には、表示パネル100の検査結果が「良品」である場合には、ワーク移載機構6は、表示パネル100を、ステージ12から段積み機構8Aに載置された空トレイ20Aに移動させる。表示パネル100の検査結果が「不良品」である場合には、ワーク移載機構6は、表示パネル100を、ステージ12から段積み機構8Bに載置された空トレイ20Aに移動させる。表示パネル100の検査結果が「再検査品」である場合には、ワーク移載機構6は、表示パネル100を、ステージ12から第2位置15Bに位置するステージ151に載置された空トレイ20Aに移動させる。ここで、ワーク移載機構6が、ステージ12から表示パネル100を移動させた後、搬入機構11は、ステージ12を搬入機構11のX2方向の端部まで移動させる。ステージ12が搬入機構11のX2方向の端部まで移動した後、ステージ12には次の表示パネル100が載置される。そして、再度、搬入機構11は、ステージ12を搬入機構11のX1方向の端部まで移動させて、表示パネル100を搬送する。
【0061】
段積み機構8Aに載置された空トレイ20Aに、表示パネル100が移動された後、段積み機構8Aは、第2リフト4Aのステージ41に表示パネル100が載置された実トレイ20Bを載置する。具体的には、段積み機構8Aは、受け部材83をトレイ20の下面を受けない間隔となるように移動させた後、受け部材85が第2リフト4Aのステージ41よりZ2方向に位置するまで、受け部材85を、Z2方向に移動させる。これにより、実トレイ20Bは、第2リフト4Aのステージ41に載置される。実トレイ20Bが第2リフト4Aのステージ41に載置された後、段積み機構8Aは、受け部材85をトレイ20の下面を受けない間隔となるように移動させてから、受け部材85を、Z1方向に移動させる。その後、段積み機構8Aは、受け部材83および受け部材85を、トレイ20の下面を受ける間隔となるように移動させる。その後、再度、第1トレイ搬送機構5は、分離機構7の分離部70から空トレイ20Aを受け取り、空トレイ20Aを段積み機構8Aに載置する。その後、再度、ワーク移載機構6は、「良品」の表示パネル100を、段積み機構8Aに載置された空トレイ20Aに移動させる。その後、再度、段積み機構8Aは、第2リフト4Aのステージ41に載置された実トレイ20Bの上に、実トレイ20Bを載置する。
【0062】
段積み機構8Bに載置された空トレイ20Aに、表示パネル100が移動された後、段積み機構8Bは、第2リフト4Bのステージ41に表示パネル100が載置された実トレイ20Bを載置する。具体的には、段積み機構8Bは、受け部材83をトレイ20の下面を受けない間隔となるように移動させた後、受け部材85が第2リフト4Bのステージ41よりZ2方向に位置するまで、受け部材85を、Z2方向に移動させる。これにより、実トレイ20Bは、第2リフト4Bのステージ41に載置される。実トレイ20Bが第2リフト4Bのステージ41に載置された後、段積み機構8Bは、受け部材85をトレイ20の下面を受けない間隔となるように移動させてから、受け部材85を、Z1方向に移動させる。その後、段積み機構8Bは、受け部材83および受け部材85を、トレイ20の下面を受ける間隔となるように移動させる。その後、再度、第1トレイ搬送機構5は、分離機構7の分離部70から空トレイ20Aを受け取り、空トレイ20Aを段積み機構8Bに載置する。その後、再度、ワーク移載機構6は、「不良品」の表示パネル100を、段積み機構8Bに載置された空トレイ20Aに移動させる。その後、再度、段積み機構8Bは、第2リフト4Bのステージ41に載置された実トレイ20Bの上に、実トレイ20B
を載置する。
【0063】
ステージ151に載置された空トレイ20Aに、表示パネル100が移動された後、第2トレイ搬送機構15は、ステージ151を第2位置15Bから第1位置15Aに移動させる。ステージ151が第1位置15Aに移動した後、第1トレイ搬送機構5は、ステージ151から実トレイ20Bを受け取る。第1トレイ搬送機構5がステージ151から実トレイ20Bを受け取った後、第2トレイ搬送機構15は、ステージ151を第1位置15Aから第2位置15Bに移動させる。ステージ151が第2位置15Bに移動した後、第1トレイ搬送機構5は、受け取った実トレイ20Bを、段積み機構8Cに載置する。このとき、段積み機構8Cは、トレイ20の下面を受ける間隔となるように、第1トレイ受け部81の受け部材83および第2トレイ受け部82の受け部材85を移動させている。
【0064】
段積み機構8Cに実トレイ20Bが載置された後、段積み機構8Cは、第2リフト4Cのステージ41に実トレイ20Bを載置する。具体的には、段積み機構8Cは、受け部材83をトレイ20の下面を受けない間隔となるように移動させた後、受け部材85が第2リフト4Cのステージ41よりZ2方向に位置するまで、受け部材85を、Z2方向に移動させる。これにより、実トレイ20Bは、第2リフト4Cのステージ41に載置される。実トレイ20Bが第2リフト4Cのステージ41に載置された後、段積み機構8Cは、受け部材85をトレイ20の下面を受けない間隔となるように移動させてから、受け部材85を、Z1方向に移動させる。その後、段積み機構8Cは、受け部材83および受け部材85を、トレイ20の下面を受ける間隔となるように移動させる。その後、再度、第2トレイ搬送機構15は、ステージ151を第2位置15Bから第1位置15Aに移動させるとともに、第1トレイ搬送機構5は、分離機構7の分離部70から空トレイ20Aを受け取り、空トレイ20Aをステージ151に載置する。ステージ151に空トレイ20Aが載置された後、第2トレイ搬送機構15は、ステージ151を第1位置15Aから第2位置15Bに移動させる。その後、再度、ワーク移載機構6は、「再検査品」の表示パネル100を、ステージ151に載置された空トレイ20Aに移動させる。その後、上記の動作を繰り返して、段積み機構8Cは、第2リフト4Cのステージ41に載置された実トレイ20Bの上に、実トレイ20Bを載置する。
【0065】
次に、段積み機構8(段積み機構8A~8C)により所定枚数(例えば、50枚)の実トレイ20Bが第2リフト4(第2リフト4A~4C)のステージ41に積み重ねられると、トレイ検知センサによって、所定枚数に達したことが検知される。トレイ検知センサが所定枚数に達したことを検知した後、第2リフト4は、ステージ41を第2台車10(第2台車10A~10C)の載置部91よりZ2方向に移動させる。これにより、ステージ41に載置されていた複数の実トレイ20Bは、第2台車10の載置部91に載置される。ステージ41が第2台車10の載置部91よりZ2方向に移動した後、連結部と本体部2と連結が解除される。その後、作業員は、所定枚数が積み重なった実トレイ20Bが載置された第2台車10を本体部2から移動させて、別の第2台車10を実トレイ排出位置10Aにセットする。
【0066】
(作用効果)
本形態では、空トレイ供給用の第1台車9を用いて、表示パネル100が載置されていない複数の空トレイ20Aが搬送システム1に搬入される。また、実トレイ排出用の第2台車10を用いて、表示パネル100が載置された複数の実トレイ20Bが搬送システム1から搬出される。そして、搬送システムは、第1台車9によって搬入された空トレイ20Aに表示パネル100を載置するとともに、表示パネル100が載置された実トレイ20Bを第2台車10に搬送する。したがって、搬送システム1は、第1台車9上にトレイ20が積み重ねられた状態から空トレイ20Aを搬送するとともに、表示パネル100が載置された実トレイ20Bを第2台車10上に積み重ねるので、搬送システム1に複数の
トレイ20を搬入・搬出する際の作業者の負担を軽減することができる。また、第1トレイ搬送機構5は、空トレイ供給位置9Aで停止している第1台車9上の複数の空トレイ20Aのうち、最も上段の空トレイ20Aを、実トレイ排出位置10Aで停止している第2台車10上の複数の実トレイ20B上に積み重ねるために搬送する。すなわち、第1台車9に積み重ねられた複数の空トレイ20Aは、最も上段の空トレイ20Aから搬送されるとともに、第2台車10に積み重ねられた複数の実トレイ20Bは、最も上段に実トレイ20Bが積み重ねられる。したがって、第1台車9と第2台車10を共通とすることが可能となる。
【0067】
本形態では、空トレイ供給位置9Aに対する第1台車の移動方向、および実トレイ排出位置10Aに対する第2台車10の移動方向はいずれも、X軸方向に沿う方向であり、空トレイ供給位置9Aおよび実トレイ排出位置10Aの配列方向は、Y軸方向である。したがって、第1台車9および第2台車10を移動させる際に、作業者の作業エリアをX1方向の側に限定することができる。
【0068】
本形態では、第2台車10を用いた実トレイ排出機構16がY軸方向に沿って複数配置されている。また、複数の実トレイ排出機構16は、各々、表示パネル100の検視したときの結果に対応している。より具体的には、第2台車101および第2台車102を用いた第1排出機構16Aと、第2台車103を用いた第2排出機構16Bとが、Y軸方向に沿って複数配置されている。第1排出機構16Aは、表示パネル100の検査結果が「良品」と「不良品」に対応し、第2排出機構16Bは、表示パネル100の検査結果が「再検査品」に対応している。これにより、搬送システム1は、検査結果が異なる複数の表示パネル100を同時に搬送することが可能となる。
【0069】
本形態において、第2排出機構16Bでは、第2トレイ搬送機構15によって、第1トレイ搬送機構5が搬送してきた空トレイ20Aをワーク移載機構6が表示パネル100を載置する第2位置15BまでX軸方向に沿って搬送するので、第1排出機構16Aと第2排出機構16Bとでは、ワーク移載機構6が表示パネル100を載置する際の空トレイ20Aの位置がX軸方向でずれている。これにより、第2排出機構16Bが第2トレイ搬送機構15を備えない場合と比較して、ワーク移載機構6のY軸方向の移動範囲は、小さくなる。この結果、搬送システム1が複数の実トレイ排出機構16を備えた場合であっても、ワーク移載機構6が大型化することを抑制することができる。
【0070】
(第2実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態では、第1実施形態と同様な構成には、第1実施形態と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0071】
図5は、本発明の第2実施形態にかかる搬送システムの平面図である。図6は、搬送システムの正面図である。図7は、搬送システムの側面図である。
【0072】
(搬送システムの全体構成)
図5に示す本形態の搬送システム1は、表示パネル100を検査するための検査装置17に、表示パネル100を供給する。本形態では、第1台車9には、表示パネル100が載置された複数の実トレイ20Bが積み重ねられる。第2台車10には、表示パネル100が載置されていない複数の空トレイ20Aが積み重ねられる。
【0073】
図4図7に示すように、搬送システム1は、本体部2と、表示パネル100が載置された複数の実トレイ20Bが積み重ねられた第1台車9と、表示パネル100が載置されていない複数の空トレイ20Aが積み重ねられた第2台車10とを備える。第1台車9お
よび第2台車10は、所定の移動方向に沿って、本体部2から搬出されるとともに、本体部2に搬入される。
【0074】
本体部2は、第1台車9に載置された複数の実トレイ20Bの高さ位置を調整可能な第1リフト3と、第2台車10に載置される複数の空トレイ20Aの高さ位置を調整可能な第2リフト4と、実トレイ供給位置9Bで停止している第1台車9上の複数の実トレイ20Bのうち、最も上段の実トレイ20Bをワーク取り出し位置19Aに搬送するとともに、ワーク取り出し位置19Aで表示パネル100が取り出された空トレイ20Aを空トレイ排出位置10Bで停止している第2台車10上に搬送する第1トレイ搬送機構5と、ワーク取り出し位置19Aで実トレイ20Bから表示パネル100を取り上げ、検査装置17に表示パネル100を搬送するワーク移載機構6と、ワーク取り出し位置19Aに位置する載置部19と、を備える。
【0075】
本体部2は、第1リフト3上の複数の実トレイ20Bから、最も上段の実トレイ20Bを分離するための分離機構7と、ワーク移載機構6によって表示パネル100が取り出された空トレイ20Aを第2リフト4上の複数の空トレイ20Aに積み重ねる段積み機構8とを備える。
【0076】
(検査装置)
検査装置17は、表示パネル100の点灯検査等を実施する。図5図6に示すように、検査装置17は、検査部に表示パネル100を搬送するための搬送部171を備える。本形態では、搬送部171は、2つ設けられている。搬送部171は、表示パネル100が載置されるステージ172と、ステージ172をX軸方向に往復移動させる駆動部173とを備える。駆動部173は、電動シリンダなどからなり、X軸方向に延在する。ワーク移載機構6によって表示パネル100がステージ172に載置されると、搬送部171は、ステージ172をX2方向に移動させて、表示パネル100を搬送する。
【0077】
(第1台車)
第1台車9は、複数の実トレイ20Bを本体部2に搬入するために用いられる。図4に示すように、第1台車9は、実トレイ供給位置9Bに停止されると、本体部2と連結する連結部を備える。第1台車9を本体部2から移動させる場合を除いて、連結部が本体部2と連結することにより、第1台車9は本体部2に固定されている。
【0078】
(第1リフト)
図5図7に示すように、第1リフト3は、実トレイ供給位置9Bにおいて、第1台車9の載置部91とZ軸方向で重なる。第1台車9が実トレイ供給位置9Bにセットされると、第1リフト3は、リフト部32によりステージ31を3つの支持部材911の下方から上方に移動させる。これにより、第1台車9に載置されていた複数の実トレイ20Bは、ステージ31に移動するとともに、上方に持ち上げられる。
【0079】
(分離機構7)
分離機構7は、第1リフト3によって持ち上げられた複数の実トレイ20Bから、最も上段の実トレイ20Bを分離する。図5図7に示すように、分離機構7は、第1リフト3よりZ1方向に配置されており、Z軸方向で第1リフト3と重なる。分離機構7は、最も上段の実トレイ20Bを分離するとともに分離した実トレイ20BをZ1方向に移動させる分離部70を備える。また、分離機構7は、分離部70によってZ1方向に移動された実トレイ20Bを支持する支持部71を備える。
【0080】
分離部70は、最も上段の実トレイ20Bを分離するための分離爪73と、分離爪73をY軸方向に移動させる駆動部74と、連結部材75aを介して駆動部74をZ軸方向に
移動させる駆動部75と、分離された実トレイ20Bを保持する保持部76と、を備える。
【0081】
分離爪73は、最も上段の実トレイ20BのY軸方向の両側に挟むように配置されている。駆動部74は、エアシリンダなどからなる。駆動部74が、分離爪73をY軸方向に移動させることにより、分離爪73は、最も上段の実トレイ20BのY軸方向の両端において、最も上段の実トレイ20Bを保持する間隔から、上段の実トレイ20Bを保持しない間隔となるように移動する。保持部76は、連結部材75aに固定され、実トレイ20BのY軸方向の両側に挟むように配置されている。分離爪73が空トレイ20Aを保持する間隔に移動した後、保持部76は、実トレイ20Bの上方に位置して、吸着部76aによって分離された空トレイ20Aの上面を保持する。
【0082】
駆動部75は、電動シリンダなどからなる。駆動部75は、駆動部74をZ軸方向に移動させることにより、分離爪73をZ軸方向に移動させる。したがって、駆動部75は、分離爪73が最も上段の空トレイ20Aを保持する状態において、分離爪73をZ1方向に移動させることにより、複数の実トレイ20Bから、最も上段の実トレイ20Bを分離する。この際、保持部76は、分離された実トレイ20Bの上面を保持した状態で、分離爪73とともに、駆動部75により、Z1方向に移動する。
【0083】
支持部71は、分離部70によってZ1方向に移動された実トレイ20Bの下面を支持する支持部材77と、支持部材77を移動させる駆動部78とを備える。支持部材77は、実トレイ20BのX軸方向の両側に挟むように配置された第1支持部材77aと、実トレイ20BのY軸方向の両側に挟むように配置された第2支持部材77bと、を備える。駆動部78は、エアシリンダなどからなる。駆動部78は、第1支持部材77aをX軸方向に移動させる第1駆動部78aと、第2支持部材77bをY軸方向に移動させる第2駆動部78bと、を備える。第1駆動部78aおよび第2駆動部78bが、第1支持部材77aおよび第2支持部材77bをそれぞれ移動させることにより、第1支持部材77aおよび第2支持部材77bは、それぞれ、実トレイ20Bの下面を支持する間隔から、実トレイ20Bの下面を支持しない間隔となるように移動する。
【0084】
(載置部)
図5図6に示すように、載置部19は、Y軸方向において、分離機構7と段積み機構8との間に配置されている。載置部19は、実トレイ20Bが載置されるステージ191と、ステージ191に載置された実トレイ20Bの角部に当接する位置決め部材192と、を備える。位置決め部材192は、駆動部193により、ステージ191に載置された実トレイ20Bの角部に当接する位置から当接しない位置に移動する。位置決め部材192は、実トレイ20Bの角部に当接することにより、ステージ191に対して実トレイ20Bの位置決めを行う。
【0085】
(第2台車)
第2台車10は、複数の空トレイ20Aを本体部2から搬出するために用いられる。図5図7に示すように、第2台車10は、空トレイ排出位置10Bに停止されると、本体部2と連結する連結部を備える。第2台車10を本体部2から移動させる場合を除いて、連結部が本体部2と連結することにより、第2台車10は本体部2に固定されている。
【0086】
(第2リフト)
図5図7に示すように、第2リフト4は、空トレイ排出位置10Bにおいて、第2台車10の載置部91とZ軸方向で重なる。本形態では、第2台車10が空トレイ排出位置10Bにセットされる際、ステージ41は、支持部材911よりZ2方向に位置する。第2台車10が空トレイ排出位置10Bにセットされると、第2リフト4は、リフト部42
によりステージ41を支持部材911の下方から上方に移動させる。そして、段積み機構8により、空トレイ20Aがステージ41に積み重ねられる。その後、ステージ41に所定枚数の実トレイ20Bが積み重ねられると、第2リフト4は、リフト部42によってステージ41を、支持部材911よりZ2方向に移動させる。これにより、ステージ41に載置されていた複数の空トレイ20Aは、第2台車10の載置部91に載置される。
【0087】
(段積み機構)
段積み機構8は、空トレイ20Aを第2リフト4上の複数の空トレイ20Aの上に積み重ねる。図5図7に示すように、段積み機構8は、第2リフト4よりZ1方向に配置されており、Z軸方向で第2リフト4と重なる。段積み機構8は、空トレイ20Aを受け取るための第1トレイ受け部81と、空トレイ20Aを受け取るとともに空トレイ20Aを積み重ねるための第2トレイ受け部82とを備える。
【0088】
第1トレイ受け部81は、空トレイ20Aを受け取る受け部材83と、受け部材83をX軸方向に移動させる駆動部84とを備える。受け部材83は、空トレイ20AのX軸方向の両側に挟むように配置されている。駆動部84は、エアシリンダなどからなる。駆動部84が、受け部材83をX軸方向に移動させることにより、受け部材83は、空トレイ20AのX軸方向の両端において、空トレイ20Aの下面を受ける間隔から、空トレイ20Aを受けない間隔となるように移動する。
【0089】
第2トレイ受け部82は、空トレイ20Aを受け取る受け部材85と、受け部材85をY軸方向に移動させる駆動部86と、連結部材87aを介して駆動部86をZ軸方向に移動させる駆動部87とを備える。受け部材85は、空トレイ20AのY軸方向の両側に挟むように配置されている。駆動部86は、エアシリンダなどからなる。駆動部86が、受け部材85をY軸方向に移動させることにより、受け部材85は、空トレイ20AのY軸方向の両端において、空トレイ20Aの下面を受ける間隔から、空トレイ20Aを受けない間隔となるように移動する。なお、受け部材85が空トレイ20Aの下面を受けるY軸方向の間隔は、第2リフト4のステージ41のY軸方向の幅より広い。
【0090】
駆動部87は、電動シリンダなどからなる。駆動部87は、駆動部86をZ軸方向に移動させることにより、受け部材85をZ軸方向に移動させる。したがって、駆動部87は、空トレイ20Aを受けた状態において、受け部材85をZ2方向に移動させることにより、第2リフト4上の複数の空トレイ20Aの上に空トレイ20Aを積み重ねる。
【0091】
(第1トレイ搬送機構)
図5図7に示すように、第1トレイ搬送機構5は、実トレイ20Bを把持する保持部51と、保持部51を移動させる駆動部52とを備える。駆動部52は、保持部51を上下方向に移動させるZ軸駆動部521と、Z軸駆動部521を介して保持部51をY方向に移動させるY軸駆動部522とを備える。Z軸駆動部521およびY軸駆動部522は電動シリンダなどからなる。Z軸駆動部521およびY軸駆動部522により保持部51を移動させることにより、第1トレイ搬送機構5は、分離機構7が分離した実トレイ20Bを分離機構7の支持部71から受け取り、載置部19のステージ191に実トレイ20Bを載置する。また、Z軸駆動部521およびY軸駆動部522により保持部51を移動させることにより、第1トレイ搬送機構5は、ワーク移載機構6によって表示パネル100が取り出された空トレイ20Aを載置部19のステージ191から受け取り、段積み機構8の受け部材83,85に空トレイ20Aを載置する。ここで、第1トレイ搬送機構5が空トレイ20A(実トレイ20B)を受け渡す際、分離機構7の支持部71のZ軸方向の位置、載置部19のステージ191のZ軸方向の位置、および段積み機構8の受け部材83,85のZ軸方向の位置は、略同じ高さに位置する。よって、分離機構7の支持部71のZ軸方向の位置、載置部19のステージ191のZ軸方向の位置、および段積み機構
8の受け部材83,85のZ軸方向の位置が略同じ高さ位置であるので、第1トレイ搬送機構5は、保持部51をZ軸方向に大きく動かす必要がない。
【0092】
(ワーク移載機構)
ワーク移載機構6は、スカラロボットである。図5図7に示すように、ワーク移載機構6は、第1トレイ搬送機構5のX1方向の側に配置されている。ワーク移載機構6は、表示パネル100を保持する保持部51と、保持部51を移動させるアーム本体部62とを備える。ワーク移載機構6は、載置部19のステージ191に載置された表示パネル100を、搬送部171のステージ172に移動させる。
【0093】
(搬送システムの動作)
次に、搬送システム1の動作について説明する。最初に、作業員によって複数の実トレイ20Bが載置された第1台車9が本体部2の実トレイ供給位置9Bにセットされる。同様に、作業員によって複数の空トレイ20Aを載置するための第2台車10が本体部2の空トレイ排出位置10Bにセットされる。
【0094】
第1台車9が実トレイ供給位置9Bにセットされると、連結部が本体部2と連結することにより、第1台車9は本体部2に固定される。第1台車9が本体部2に固定された後、第1リフト3は、第1台車9に載置された複数の実トレイ20BをZ1方向に持ち上げる。
【0095】
第2台車10が空トレイ排出位置10Bにセットされると、連結部が本体部2と連結することにより、第2台車10は本体部2に固定される。第2台車10が本体部2に固定された後、第2リフト4は、第2台車10の載置部91よりZ1方向にステージ41を移動させる。
【0096】
次に、第1リフト3により複数の実トレイ20Bが持ち上げられると、分離機構7は、駆動部74によって、分離爪73を最も上段の実トレイ20Bを保持する間隔に移動させる。その後、分離機構7は、保持部76を実トレイ20Bの上方に位置させて、吸着部76aによって最も上段の実トレイ20Bの上面を保持する。その後、分離機構7は、分離爪73および保持部76をZ1方向に移動させる。これにより、最も上段の実トレイ20Bは、複数の実トレイ20Bから分離される。分離された空トレイ20Aは、支持部71の位置までZ1方向に移動する。
【0097】
分離された実トレイ20Bが支持部71の位置まで移動した後、分離機構7は、第1支持部材77aおよび第2支持部材77bを、それぞれ、実トレイ20Bの下面を支持する間隔に移動させる。さらに、分離機構7は、吸着部76aによる実トレイ20Bの保持を解除して、保持部76を空トレイ20Aの外側に退避させる。そして、分離機構7は、実トレイ20Bを保持しない間隔に、分離爪73を移動させてから、分離爪73および保持部76をZ2方向に移動させる。
【0098】
分離爪73および保持部76がZ2方向に移動した後、第1トレイ搬送機構5は、分離機構7の支持部71から実トレイ20Bを受け取る。第1トレイ搬送機構5は、受け取った実トレイ20Bを、載置部19のステージ191に載置する。ステージ191に実トレイ20Bが載置されると、載置部19は、位置決め部材192を、実トレイ20Bの角部に当接させて、実トレイ20Bの位置決めを行う。実トレイ20Bの位置決めがされた後、第1トレイ搬送機構5が、保持部51をY2方向に移動させてから、ワーク移載機構6は、ステージ191に載置された実トレイ20Bから表示パネル100を、搬送部171のステージ172に移動させる。ステージ191に載置された実トレイ20Bから表示パネル100が移動した後、載置部19は、位置決め部材192を、空トレイ20Aの角部
に当接しない位置に退避させる。位置決め部材192が退避した後、第1トレイ搬送機構5は、載置部19のステージ191から空トレイ20Aを受け取り、段積み機構8の受け部材83および受け部材85に載置する。なお、段積み機構8に空トレイ20Aが載置される際、段積み機構8は、トレイ20の下面を受ける間隔となるように、受け部材83および受け部材85を移動させている。
【0099】
第1トレイ搬送機構5が分離機構7の支持部71から実トレイ20Bを受け取った後、分離機構7は、第1支持部材77aおよび第2支持部材77bを、それぞれ、実トレイ20Bの下面を支持しない間隔となるように移動させる。その後、分離機構7は、分離部70によって、再度最も上段の実トレイ20Bを分離する。
【0100】
ここで、第1リフト3に載置された実トレイ20Bが第1トレイ搬送機構5により全て搬送されると、トレイ検知センサによって、実トレイ20Bが無くなったことが検知される。トレイ検知センサが、実トレイ20Bが無くなったことを検知した後、第1リフト3は、ステージ31を第1台車9の載置部91よりZ2方向に移動させる。ステージ31が第1台車9の載置部91よりZ2方向に移動した後、連結部と本体部2と連結が解除される。その後、作業員は、空になった第1台車9を本体部2から移動させて、複数の実トレイ20Bが載置された別の第1台車9を実トレイ供給位置9Bにセットする。
【0101】
段積み機構8の受け部材83および受け部材85に空トレイ20Aが載置された後、段積み機構8は、受け部材83をトレイ20の下面を受けない間隔となるように移動させる。そして、段積み機構8は、受け部材85が第2リフト4のステージ41よりZ2方向に位置するまで、受け部材85を、Z2方向に移動させる。これにより、空トレイ20Aは、第2リフト4のステージ41に載置される。空トレイ20Aが第2リフト4のステージ41に載置された後、段積み機構8は、受け部材85をトレイ20の下面を受けない間隔となるように移動させてから、受け部材85を、Z1方向に移動させる。その後、段積み機構8は、受け部材83および受け部材85を、トレイ20の下面を受ける間隔となるように移動させる。その後、再度、第1トレイ搬送機構5は、載置部19のステージ191から空トレイ20Aを受け取り、段積み機構8の受け部材83および受け部材85に空トレイ20Aを載置する。
【0102】
次に、段積み機構8により所定枚数(例えば、50枚)の空トレイ20Aが第2リフト4のステージ41に積み重ねられると、トレイ検知センサによって、所定枚数に達したことが検知される。トレイ検知センサが所定枚数に達したことを検知した後、第2リフト4は、ステージ41を第2台車10の載置部91よりZ2方向に移動させる。これにより、ステージ41に載置されていた複数の空トレイ20Aは、第2台車10の載置部91に載置される。ステージ41が第2台車10の載置部91よりZ2方向に移動した後、連結部と本体部2と連結が解除される。その後、作業員は、所定枚数が積み重なった空トレイ20Aが載置された第2台車10を本体部2から移動させて、別の第2台車10を空トレイ排出位置10Bにセットする。
【0103】
(作用効果)
本形態では、実トレイ供給用の第1台車9を用いて、表示パネル100が載置された複数の実トレイ20Bが搬送システム1に搬入される。また、空トレイ排出用の第2台車10を用いて、表示パネル100が載置されていない複数の空トレイ20Aが搬送システム1から搬出される。そして、搬送システム1は、第1台車9によって搬入された実トレイ20Bをワーク取り出し位置19Aに搬送するとともに、ワーク取り出し位置19Aで表示パネル100が取り出された空トレイ20Aを第2台車10に搬送する。したがって、搬送システム1は、第1台車9上にトレイ20が積み重ねられた状態から実トレイ20Bを搬送するとともに、表示パネル100が取り出された空トレイ20Aを第2台車10上
に積み重ねるので、搬送システム1に複数のトレイ20を搬入・搬出する際の作業者の負担を軽減することができる。第1トレイ搬送機構5は、実トレイ供給位置9Bで停止している第1台車9上の複数の実トレイ20Bのうち、最も上段の実トレイをワーク取り出し位置19Aに搬送するとともに、ワーク取り出し位置19Aで表示パネル100が取り出された空トレイ20Aを空トレイ排出位置10Bで停止している第2台車10上の複数の空トレイ20A上に積み重ねるために搬送する。すなわち、第1台車9に積み重ねられた複数の実トレイ20Bは、最も上段の実トレイ20Bから搬送されるとともに、第2台車10に積み重ねられた複数の空トレイ20Aは、最も上段に空トレイ20Aが積み重ねられる。したがって、第1台車9と第2台車10を共通とすることが可能となる。
【0104】
本形態では、実トレイ供給位置9Bに対する第1台車の移動方向、および空トレイ排出位置10Bに対する第2台車10の移動方向はいずれも、X軸方向に沿う方向であり、実トレイ供給位置9Bおよび空トレイ排出位置10Bの配列方向は、Y軸方向である。したがって、第1台車9および第2台車10を移動させる際に、作業者の作業エリアをX1方向の側に限定することができる。
【0105】
(処理システム)
第1実施形態に記載の搬送システム1および第2実施形態に記載の搬送システム1は、処理システムに同時に用いてもよい。より具体的には、表示パネル100の検査を行う検査装置の上流側に第2実施形態に記載の搬送システム1を配置し、表示パネル100の検査を行う検査装置の下流側に第1実施形態に記載の搬送システム1を配置した処理システムとすることができる。これにより、処理システムに複数のトレイを搬入・搬出する際に、第1台車9および第2台車10を持ち上げることができるので、作業者の負担を軽減することができる。
【符号の説明】
【0106】
1…搬送システム、2…本体部、3…第1リフト、4、4A、4B、4C…第2リフト、5…第1トレイ搬送機構、6…ワーク移載機構、7…分離機構、8、8A、8B、8C…段積み機構、9…第1台車、9A…空トレイ供給位置、9B…実トレイ供給位置、10、101、102、103…第2台車、10A…実トレイ排出位置、10B…空トレイ供給位置、11…搬入機構、12…ステージ、13…駆動部、15…第2トレイ搬送機構、15A…第1位置、15B…第2位置、16…実トレイ排出機構、16A…第1排出機構、16B…第2排出機構、16A…排出機構、16B…排出機構、17…検査装置、19…載置部、19A…ワーク取出し位置、20…トレイ、20A…空トレイ、20B…実トレイ、31…ステージ、32…リフト部、41…ステージ、42…リフト部、51…保持部、52…駆動部、61…保持部、62…アーム本体部、70…分離部、71…支持部、72…位置決め部材、73…分離爪、74…駆動部、75…駆動部、75a…連結部材、76…保持部、76a…吸着部、77…支持部材、77a…第1支持部材、77b…第2支持部材、78…駆動部、78a…第1駆動部、78b…第2駆動部、79…駆動部、81…第1トレイ受け部、82…第2トレイ受け部、83…受け部材、84…駆動部、85…受け部材、86…駆動部、87…駆動部、87a…連結部材、91…載置部、100…表示パネル、151…ステージ、152…駆動部、171…搬送部、172…ステージ、173…駆動部、191…ステージ、192…位置決め部材、193…駆動部、521…Z軸駆動部、522…Y軸駆動部、611…吸着部、911…支持部材

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7