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特開2022-183868海底地盤の根固め構造および根固め方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183868
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】海底地盤の根固め構造および根固め方法
(51)【国際特許分類】
   E02B 3/08 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
E02B3/08 301
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091376
(22)【出願日】2021-05-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】501204525
【氏名又は名称】国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000201490
【氏名又は名称】前田工繊株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 高二朗
(72)【発明者】
【氏名】石坂 修
【テーマコード(参考)】
2D118
【Fターム(参考)】
2D118AA05
2D118AA06
2D118BA01
2D118BA07
2D118BA14
2D118GA52
(57)【要約】
【課題】袋詰ユニットの周面間の隙間を簡易に解消できて、土砂の吸出しと洗掘を効果的に抑制しつつ、根固め構造体の耐力(強靭化)の向上を図ること。
【解決手段】複数の袋詰ユニット10と繊維製の間詰緩衝材30を併用し、海底地盤に先行敷設した複数の袋詰ユニット10の間に形成される隙間S内に間詰緩衝材30を間詰めし、これらの部材10,30の間を連結材50で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体60を形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海底地盤の根固め構造であって、
袋体に中詰材を封入した複数の袋詰ユニットと繊維製の間詰緩衝材を併用し、
海底地盤に複数の袋詰ユニットを互いに隣接させて敷設し、
前記複数の袋詰ユニットの周面間に形成される隙間内に間詰緩衝材を間詰めし、
前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成したことを特徴とする、
海底地盤の根固め構造。
【請求項2】
海底地盤に海洋構造物が設けてあり、海洋構造物の周囲に敷設した袋詰ユニットと海洋構造物の外周面との間に形成される隙間内に間詰緩衝材を間詰めし、前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成したことを特徴とする、請求項1に記載の海底地盤の根固め構造。
【請求項3】
下位の隙間の真上に袋詰ユニットが位置するように、複数の袋詰ユニットを段積みし、段積みした前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および段積みした隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成したことを特徴とする、請求項1または2に記載の海底地盤の根固め構造。
【請求項4】
間詰緩衝材が可撓性および通水性を有する繊維製の編地で構成されていることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一項に記載の海底地盤の根固め構造。
【請求項5】
前記間詰緩衝材がラッセル網であることを特徴とする、請求項4に記載の海底地盤の根固め構造。
【請求項6】
袋体に中詰材を封入した複数の袋詰ユニットと繊維製の間詰緩衝材を併用した海底地盤の根固め方法であって、
海底地盤に複数の袋詰ユニットを互いに隣接させて敷設し、
前記複数の袋詰ユニットの周面間に形成される隙間内に間詰緩衝材を間詰めし、
前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成し、
隙間内に間詰めした間詰緩衝材により水流を減速しつつ、土砂の吸出しを防止すると共に、一体構造の根固め構造体を通じて一部の袋詰ユニットの変位を拘束したことを特徴とする、
海底地盤の根固め方法。
【請求項7】
海底地盤に海洋構造物が設けてあり、海洋構造物の周囲に敷設した袋詰ユニットと海洋構造物の外周面との間に形成される隙間内に間詰緩衝材を間詰めし、前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結したことを特徴とする、請求項6に記載の海底地盤の根固め方法。
【請求項8】
間詰緩衝材が可撓性および通水性を有する繊維製の編地で構成されていることを特徴とする、請求項6または7に記載の海底地盤の根固め方法。
【請求項9】
方形の編地または帯状の編地を前記隙間内に間詰めして間詰緩衝材を形成したことを特徴とする、請求項6乃至8の何れか一項に記載の海底地盤の根固め方法。
【請求項10】
前記間詰緩衝材がラッセル網であることを特徴とする、請求項6乃至9の何れか一項に記載の海底地盤の根固め方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海底地盤または海洋構造物の周囲の海底地盤の洗掘を防止する海底地盤の根固め技術に関し、特に袋詰ユニットと繊維製の間詰緩衝材を併用した海底地盤の根固め構造および根固め方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、海底地盤または海洋構造物の周囲の海底地盤の洗掘が予想される現場では、洗掘防止手段として透水性を有する複数の袋詰ユニットを敷設することが知られている(特許文献1,2)。
【0003】
袋詰ユニットは、編地を巾着袋状の袋体に天然石等の中詰材を封入して製作した重量構造物であり、平面形状が略円形を呈している(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭64-19623号公報(第3図)
【特許文献2】特開2014-169625号公報(図3
【特許文献3】特開平11-131447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
袋詰ユニットを用いた従来の根固め技術にはつぎのように問題点を内包している。
<1>図8(A)を参照して説明すると、袋詰ユニットaの平面形状が略円形を呈するため、護岸構造物や柱状構造物等の各種の海洋構造物bの周囲に袋詰ユニットaを敷設すると、両部材a,bの周面間に隙間Sが生じ、この隙間Sを通じて海洋構造物bの周囲の海底地盤に洗掘が生じ易い。
<2>海洋構造物bから離れた位置で、同一平面上に3つの袋詰ユニットaを突き合せて敷設した箇所では、図8(B)に示すように袋詰ユニットaの周面間に平面形状が略三角形の隙間Sができ、同一平面上に4つの袋詰ユニットaを突き合せて敷設した箇所では、図8(C)に示すように、袋詰ユニットaの周面間に平面形状が略菱形の隙間Sが形成される。
袋詰ユニットaの間に形成されたこれらの隙間Sは海底地盤の洗掘を誘発する。
<3>袋詰ユニットaを積み重ねて隙間Sの上口部を塞いでも、間隙Sは内部に残ったままである。
袋詰ユニットaは透水性を有することから、内部に残存した間隙Sを通じて海底の土砂が吸い出され易くなって、袋詰ユニットaの積み重ねによる洗掘防止効果が低い。
<4>海底地盤上に複数の袋詰ユニットaを平置きまたは段積みした一般の洗掘防止構造においても、既述した隙間Sを通じた土砂の吸出しや洗掘の問題を内包している。
【0006】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは少なくともつぎのひとつの海底地盤の根固め構造および根固め方法を提供することにある。
<1>袋詰ユニットの周面間の隙間を簡易に解消できて、土砂の吸出しと洗掘を効果的に抑制できること。
<2>複数の袋詰ユニットに一体性を持たせて、根固め構造体の耐力(強靭化)の向上を図ること。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、海底地盤の根固め構造であって、袋体に中詰材を封入した複数の袋詰ユニットと繊維製の間詰緩衝材を併用し、海底地盤に複数の袋詰ユニットを互いに隣接させて敷設し、前記複数の袋詰ユニットの周面間に形成される隙間内に間詰緩衝材を間詰めし、前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成した。
本発明の他の形態において、海底地盤に海洋構造物が設けてあり、海洋構造物の周囲に敷設した袋詰ユニットと海洋構造物の外周面との間に形成される隙間内に間詰緩衝材を間詰めし、前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成した。
本発明の他の形態において、下位の隙間の真上に袋詰ユニットが位置するように、複数の袋詰ユニットを段積みし、段積みした前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および段積みした隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成した。
本発明の他の形態において、間詰緩衝材が可撓性および通水性を有する繊維製の編地で構成されている。
本発明の他の形態において、前記間詰緩衝材がラッセル網である。
本発明は、袋体に中詰材を封入した複数の袋詰ユニットと繊維製の間詰緩衝材を併用海底地盤の根固め方法であって、海底地盤に複数の袋詰ユニットを互いに隣接させて敷設し、前記複数の袋詰ユニットの周面間に形成される隙間内に間詰緩衝材を間詰めし、前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成し、隙間内に間詰めした間詰緩衝材により水流を減速しつつ、土砂の吸出しを防止すると共に、一体構造の根固め構造体を通じて一部の袋詰ユニットの変位を拘束するようにした。
本発明の他の形態において、海底地盤に海洋構造物が設けてあり、海洋構造物の周囲に敷設した袋詰ユニットと海洋構造物の外周面との間に形成される隙間内に間詰緩衝材を間詰めし、前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で連結した。
本発明の他の形態において、間詰緩衝材が可撓性および通水性を有する繊維製の編地で構成されている。
本発明の他の形態において、方形の編地または帯状の編地を前記隙間内に間詰めして間詰緩衝材を形成した。
本発明の他の形態において、前記間詰緩衝材がラッセル網である。
【発明の効果】
【0008】
本発明は少なくとも次のひとつの効果を得ることができる。
<1>袋詰ユニットの周面間に形成される隙間に間詰緩衝材を間詰めすることで、洗掘の誘発要因である隙間を簡易に解消することができる。
隙間に間詰めした繊維製の間詰緩衝材が波力の減衰作用と土砂の吸出し防止作用を発揮して、隙間に起因した海底地盤の洗掘を効果的に抑制することができる。
<2>複数の袋詰ユニットに一体性を付与できるので、複数の袋詰ユニットを一体化していない根固め構造と比べて、根固め構造体の耐力(強靭化)が著しく向上する。
したがって、大きな波力を受けても一部の袋詰ユニットの転動(変位)を抑制できて、洗掘防止効果を長期間に亘って持続することができる。
<3>海洋構造物の周囲の海底地盤に複数の袋詰ユニットを平置きしたり、または複数の袋詰ユニットを段積みしたりする根固め工だけでなく、一般の海底地盤の洗掘防止工としても適用が可能である。
<4>間詰緩衝材の装填作業を行うにあたり、専用の機材を用いる必要がなく、作業員(潜水夫)の手作業で以て短時間の間に行うことができる。
<5>隙間の間詰材として編地製の間詰緩衝材を使用するので、間詰緩衝材の間詰作業中または間詰後において、袋詰ユニットの袋体が損傷を受ける心配がない。
<6>間詰緩衝材が編地製であるため、間詰緩衝材が海洋物構造物の周面に繰り返し衝当しても海洋物構造物の周面に損傷を及ぼす心配がない。
<7>根固め構造体を構成する袋詰ユニットが間詰緩衝材を介して連続性を有している。
そのため、根固め構造体の周縁部のみに生じる洗掘を利用して、根固め構造体の周縁部に位置する袋詰ユニットで海底地盤を拘束させて、洗掘の連鎖を確実に阻止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】袋詰ユニットと間詰緩衝材を併用した根固め構造のモデル図
図2図1におけるII-IIの矢視図
図3】袋詰ユニットの説明図で、(A)は一部を破断した袋詰ユニットの斜視図、(B)は袋詰ユニットを構成する袋体の側面図
図4】帯状編地を折り込んで形成する間詰緩衝材の製作例の説明図
図5】間詰緩衝材の製作例の説明図で、(A)は三角柱状の間詰緩衝材を製作した形態の説明図、(B)は四角柱状の間詰緩衝材を製作した形態の説明図
図6】根固め構造体の周縁部の洗掘が連鎖しない根固め構造のモデル図
図7】複数の袋詰ユニットを段積みした形態の根固め構造のモデル図
図8】本発明が前提とする袋詰ユニットを用いた根固め構造の平面モデル図で、(A)は海洋構造物と袋詰ユニット間に形成される隙間の説明図、(B)は袋詰ユニットの周面間に形成される略三角形の隙間の説明図、(C)は袋詰ユニットの周面間に形成される略菱形の隙間の説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しながら本発明について説明する。
【0011】
<1>根固め手段
本例では海底41に設けた海洋構造物40の周囲を根固めする形態について説明するが、海洋構造物40が存在しない海底41の洗掘防止工としても適用が可能である。
【0012】
本発明において、海洋構造物40とは、各種の護岸構造物や橋脚等の柱状構造物等を含み、海底41に設けた既設構造物を意味する。
【0013】
海洋構造物40の周囲を根固めするため、海洋構造物40の周囲の海底41に複数の袋詰ユニット10が敷設してあると共に、袋詰ユニット10の周面間に形成される隙間S内に間詰緩衝材30が間詰めしてある。
図1,2を参照して、根固め構造に使用する袋詰ユニット10と間詰緩衝材30について説明する。
【0014】
<2>袋詰ユニット
図3に例示した袋詰ユニット10について説明すると、本例の袋詰ユニット10は、袋体20と、袋体20に収容した中詰材25とよりなる。
【0015】
<1.1>袋体
袋体20は、中詰材25を充填するメッシュ状の袋本体21と、袋本体21の開口部24の近くの位置に周回して取り付けた複数のロープ材とを具備する。
【0016】
<1.1.1>袋本体
袋本体21は開口部24を有する有底袋である。
袋本体21は、可撓性および通水性を有するメッシュ(編地)構造を呈する繊維製の編地からなる。
編地の無駄を減らすため、中詰材25の収容量(例えば1m~4m)に応じて製作した袋本体21を使用し、袋本体21は中詰材25の収容量に対応した必要最小面積の編地を用いて製作する。
【0017】
袋本体21の編地の編糸としては、例えばポリエステル繊維糸、ポリアミド繊維糸、ポリアクリル繊維糸等の合成繊維糸、又は綿糸、麻糸等の天然繊維糸等を単独又は混繊して使用できる。実用上はポリエステル等の合成繊維糸を二重に編成したラッセル網を使用できる。
【0018】
この編地は複数の束糸22で囲まれた六角形または菱形形の網目23を有する。
網目23はその展開形状が四角形または六角形を呈していて、全体が均一である。
網目23は中詰材25が抜け出ない寸法に設定してあり、網目寸法は、例えば25~100mmである。
【0019】
<1.1.2>袋本体が具備するロープ材
少なくとも口絞りロープ26と無端構造の吊りロープ27の2本のロープ材が袋本体21の開口部24の近くに周回して取り付けてある。
袋本体21の開口部24から底部へ向けて口絞りロープ26、吊りロープ27の順序で取り付けてある。
【0020】
袋本体21の開口部24を開閉するための口絞りロープ26は吊りロープ27の上方に位置する。
口絞りロープ26を吊りロープ27の上方に位置させたのは、吊りロープ27の影響を受けずに袋本体21の開口部24を閉じるためと、開口部24を囲んだ編地の収束箇所が袋本体21の上方へ出っ張るのを回避するためである。
【0021】
<1.2>中詰材
中詰材25は、例えば玉石等の自然骨材、コンクリートガラ、各種廃棄物の焼成体等を使用できる。
根固工に使用する場合、直径150mm程度の中詰材25を使用するが、中詰材25の大きさは使途に応じて適宜選択する。
【0022】
<2>袋詰ユニットの製作方法
袋詰ユニット10の製作方法は公知であるが、以下に袋詰ユニット10の製作方法について簡単に説明する。
【0023】
すり鉢を呈する型枠を準備し、型枠内に袋本体21を収容する。
バックホウ等を用いて袋本体21に所定量の中詰材25を投入する。
型枠内にセットしたまま、口絞りロープ26を絞り込んで袋本体21の開口部24を閉じ、解けないように口絞りロープ26の引き出し部分を結んでおく。
つぎに袋本体21の網目に挿通した吊りロープ27の途中を袋本体21の複数箇所(例えば6箇所)からループ状に引出し、引き出した吊りロープ27の複数個所をバックホウ等に付設したフックに吊り掛ける。
吊りロープ27を吊上げて型枠から取り出すことで袋詰ユニット10の製作を完了する。
【0024】
<3>間詰緩衝材
後述するように、複数の袋詰ユニット10を敷設したときに袋詰ユニット10の周面間に隙間Sが形成される。
本発明では隙間Sを埋め尽くす間詰材として、繊維製の間詰緩衝材30を使用する。
【0025】
<3.1>間詰緩衝材の構成
間詰緩衝材30は可撓性および通水性を有するメッシュ構造を呈する繊維製の編地からなる。
間詰緩衝材30の素材としては、例えば編糸を一重又は二重以上に編成した編地(例えばラッセル網、無結節網等)を使用できる。
洗堀時の追随性を可能にするために間詰緩衝材30の素材には、既述した袋本体21と同一の素材で同一強度の編地を使用するとよい。
間詰緩衝材30の編地の全体形状は方形を呈する定形編地でもよいし、帯状を呈する編地でもよい。
【0026】
<3.2>間詰材に編地を使用した理由
例えば、袋詰ユニット10で使用する自然石等の中詰材25を隙間Sの間詰材として使用することが考えられる。
間詰材として中詰材25を使用した場合には、中詰材25を海上から投入するための専用機材を必要とすることや、投入した中詰材25を目標位置の隙間に向けて精度よく落下させることが技術的に難しいことや、中詰材25の落下によって袋本体21が損傷する問題や、間詰めに多くの時間を要するといった問題が生じる。
仮に隙間内に中詰材25を投入できたとしても、中詰材25の間の空隙を通じて海底土砂が吸い出される等の多くの問題点を内包している。
【0027】
本発明ではこれらの問題を解消するために、水中での取扱性に優れ、特別な専用機材を使用しないで、隙間S内に簡易に設置できる間詰材として、編地製の間詰緩衝材30を使用することとした。
【0028】
水中で使用することで間詰緩衝材30は、つぎの複数の特性を発揮する。
〔特性1〕洗掘防止作用:間詰緩衝材30による波力の減衰作用と間詰緩衝材30による土砂の捕捉作用に起因した土砂の吸出し抑制効果に基づき海底41の洗掘を効果的に防止できる。
〔特性2〕設置容易性:隙間Sの立体形状が様々な形状に変化していても、作業員(潜水夫)による間詰作業によって間詰緩衝材30を隙間内へ簡単に設置できる。
〔特性3〕追従性:敷設後において、袋詰ユニット10が多少変位して隙間Sの形状が多少変化した場合でも、間詰緩衝材30が隙間Sの変形に追従する。
〔特性4〕耐衝撃性:間詰緩衝材30に巨大な波力が作用しても間詰緩衝材30が破壊され難い。
〔特性5〕耐腐食性:間詰緩衝材30の編地が腐食せず、腐食による機能喪失がない。
【0029】
<3.3>袋詰ユニットと間詰緩衝材の組合せを採用した理由
従来の洗掘防止技術として、海底に複数の袋詰ユニットを敷設する方法が知られているが、この洗掘防止工が袋詰ユニットの周面間に生じる隙間を通じて海底地盤に洗掘が生じ易い問題を有していることは既述したとおりである。
【0030】
さらに従来の他の洗掘防止技術として、海底に吸出防止用シートを敷設する方法と、海底に石礫製のフィルター層を形成する捨石洗掘防止方法が知られている。
前者の対策工では、水があらゆる方向に揺れ動き続ける海中において、吸出防止用シートを展開して海底にきれいに敷設することが難しいうえに、施工に多くの時間と労力を要するといった問題がある。
後者の対策工は、海上から石礫を投入しながら海底に均一厚のフィルター層を形成する作業に多くの時間と労力を要する問題と、フィルター層の層厚を管理するメンテナンス作業を定期的に行う必要であるといった問題を内包している。
【0031】
本発明では、このような従来の洗掘防止技術である袋詰ユニットの敷設工のみによる隙間の問題を解消しつつ、吸出防止用シートの敷設工や捨石洗掘防止工が内包する施工性の問題を解消するために、袋詰ユニット10と間詰緩衝材30の組合せを採用したものである。
本発明では、袋詰ユニットのみの敷設工による隙間に編地を間詰して隙間の影響を解消し、さらに施工性に問題がある吸出防止用シートの敷設と捨石作業を省略しながら、袋詰ユニット10と間詰緩衝材30とを組合せるだけで、海底41の洗掘を確実に防止することができる。
【0032】
[根固め方法]
つぎに複数の袋詰ユニット10と間詰緩衝材30を併用した根固め方法について説明する。
【0033】
<1>袋詰ユニットの敷設工
海洋構造物40の周囲の海底41に複数の袋詰ユニット10を平置きして敷設する。
海洋構造物40が橋脚等の円形断面を呈する場合は、海洋構造物40の周囲に同心円状に敷設する。
海洋構造物40と袋詰ユニット10の周面間、および隣り合う複数の袋詰ユニット10の周面間には隙間Sが形成される。
【0034】
<2>間詰緩衝材の装填工
つぎに既述した繊維編地製の間詰緩衝材30を隙間S内に装填する。
間詰緩衝材30を構成する編地が適度の可撓性を有しているので、編地を変形させながら押し込むことで、隙間Sの全域に亘って装填することができる。
水深が深い現場では、間詰緩衝材30の装填作業を潜水夫が手作業で行う。
間詰緩衝材30の装填作業を行うにあたり、専用の機材を用いる必要がなく、作業員(潜水夫)の手作業で短時間の間に簡易に行うことができる。
【0035】
<2.1>間詰緩衝材の装填例
図4,5を参照して間詰緩衝材30の装填例について説明する。
【0036】
図4は海底41に間隔を隔てて複数のガイド杭42を打設し、これら複数のガイド杭42の間に間詰緩衝材30を構成する帯状編地31を巻き掛けて塊体状に形成した形態を示す。ガイド杭42は間詰緩衝材30と共にそのまま残置してもよいし、撤去して回収してもよい。
【0037】
図5は間詰緩衝材30を構成する帯状編地31を隙間に収容可能な形状に巻き取り、巻き取った帯状編地31を紐体や被覆シート等の拘束材33で拘束した形態を示している。
【0038】
図5(A)は間詰緩衝材30を三角柱体に形成した形態を示し、同図(B)は四角柱体に形成した形態を示している。
予め立体形状を呈する間詰緩衝材30を製作しておき、これらを海中に投入して隙間S内に押し込め、隙間S内で拘束材33を撤去して間詰緩衝材30のみを隙間S内に残置する。
【0039】
間詰緩衝材30の全体形状は、以上に例示した形状に限定されるものではなく、隙間Sの空間形状に適合するように種々の立体形状を適用することが可能である。
【0040】
<3>連結材による一体構造化
海底41に複数の袋詰ユニット10を敷設しつつ、袋詰ユニット10の周面間に形成された空隙S内に間詰緩衝材30を装填しただけでは、台風の通過時等に間詰緩衝材30が流出して消失したり、一部の袋詰ユニット10が転動して移動したりする恐れがある。
【0041】
そこで連結材50を使用して、袋詰ユニット10と間詰緩衝材30の間を連通したり、隣り合う複数の袋詰ユニット10と間詰緩衝材30の間を連結材50で連結したりすることで一体構造の根固め構造体60を構築する。
【0042】
一体構造とは、袋詰ユニット10または間詰緩衝材30の個別変位を拘束しつつ、隣り合う袋詰ユニット10が離隔不能な状態を意味する。
【0043】
連結材50はロープ材に限定されず、公知の結束テープ材、連結バンド材、面ファスナーストラップ、連結金具等の公知の連結要素を使用できる。
【0044】
<4>根固め構造体の洗掘防止作用
既述したように、根固め構造体60を構成する複数の袋詰ユニット10の隙間S内に繊維製の間詰緩衝材30を装填して空隙を解消した。
したがって、隙間S内に装填した間詰緩衝材30が水流を減速しつつ、浮遊土砂を捕捉して土砂の吸出しを抑止するので、隙間Sに起因した海底41の洗掘を効果的に防止できる。
経時的に隙間S内に海底41の土砂が捕集されて堆積することで、間詰緩衝材30による洗掘防止効果が高くなる。
【0045】
さらに、海底41に敷設した複数の複数の袋詰ユニット10と、隙間S内に装填した複数の間詰緩衝材30が一体構造を呈するので、大きな波力を受けても一部の袋詰ユニット10の転動(変位)を抑制できて、洗掘防止効果を長期間に亘って持続することができる。
すなわち、海底41に敷設した複数の袋詰ユニット10を、連結材50を介して離隔不能に連結しているので、一体化しない単なる複数の袋詰ユニット10の集合体と比べて、根固め構造体60の耐力(強靭化)が著しく向上する。
【0046】
袋詰ユニット10が連続性を有していなければ、海底41の洗掘が連鎖して生じるが、袋詰ユニット10が連続性を有していることで、根固め構造体60の周縁部の洗掘が連鎖しない。
【0047】
図6を参照して根固め構造体60の周縁部の洗掘が連鎖しないことについて説明する。
根固め構造体60の最外周端に位置する袋詰ユニット10と海底41との境界部では洗掘が生じ、この洗掘に伴い根固め構造体60の周縁部に位置する袋詰ユニット10が洗堀されて深くなった海底41に沿って垂れ下がる。
垂れ下がった袋詰ユニット10の重量は、根固め構造体60により支えられ、根固め構造体60は一体性を有したままである。
垂れ下がった袋詰ユニット10が根固め構造体60の内方向に向けて変形する際に、内側の海底地盤を拘束するので、それ以上の洗掘を防止できる。
【0048】
<5>袋詰ユニットを段積みした形態
図7を参照して複数の袋詰ユニット10を段積みした形態について説明する。
複数の袋詰ユニット10を段積みする場合も、既述した形態と同様に、袋詰ユニット10間に形成される隙間S内に間詰緩衝材30を装填した後に、連結材50を用いて上下に位置する袋詰ユニット10間の連結と、袋詰ユニット10と間詰緩衝材30との間を離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体60を形成することができる。
複数の袋詰ユニット10を段積みする場合、下位の隙間Sの真上に袋詰ユニット10を位置させると、下位の間隙Sに装填した間詰緩衝材30の封止性能が高くなって、洗掘防止効果がより高くなる。
【0049】
本例における作用効果は、既述した実施例と同様に、袋詰ユニット10間に形成される隙間Sを間詰緩衝材30で封止できるので、海底41の洗掘を効果的に防止できるだけでなく、段積みした複数の袋詰ユニット10と間詰緩衝材30を一塊の固め構造体60として形成できるので、根固め構造体60の耐力(強靭化)がさらに向上する。
【符号の説明】
【0050】
10・・・袋詰ユニット
20・・・袋体
21・・・袋本体
22・・・束糸
23・・・網目
24・・・開口部
25・・・中詰材
26・・・口絞りロープ
27・・・吊りロープ
25・・・中詰材
30・・・間詰緩衝材
40・・・海洋構造物
41・・・海底
42・・・ガイド杭
50・・・連結材
60・・・根固め構造体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-09-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海底地盤の根固め構造であって、
袋体に中詰材を封入した複数の袋詰ユニットと繊維製の間詰緩衝材を併用し、
海底地盤に複数の袋詰ユニットを互いに隣接させて敷設し、
前記複数の袋詰ユニットの周面間に形成される隙間内に土砂の吸出し抑制機能を有する間詰緩衝材を塊体状にして間詰めし、
前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成したことを特徴とする、
海底地盤の根固め構造。
【請求項2】
海底地盤に海洋構造物が設けてあり、海洋構造物の周囲に敷設した袋詰ユニットと海洋構造物の外周面との間に形成される隙間内に前記間詰緩衝材を塊体状にして間詰めし、前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成したことを特徴とする、請求項1に記載の海底地盤の根固め構造。
【請求項3】
下位の隙間の真上に袋詰ユニットが位置するように、複数の袋詰ユニットを段積みし、段積みした前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および段積みした隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成したことを特徴とする、請求項1または2に記載の海底地盤の根固め構造。
【請求項4】
前記間詰緩衝材が可撓性および通水性を有する繊維製の編地で構成されていることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一項に記載の海底地盤の根固め構造。
【請求項5】
前記間詰緩衝材がラッセル網であることを特徴とする、請求項4に記載の海底地盤の根固め構造。
【請求項6】
袋体に中詰材を封入した複数の袋詰ユニットと繊維製の間詰緩衝材を併用した海底地盤の根固め方法であって、
海底地盤に複数の袋詰ユニットを互いに隣接させて敷設し、
前記複数の袋詰ユニットの周面間に形成される隙間内に土砂の吸出し抑制機能を有する間詰緩衝材を塊体状にして間詰めし、
前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成し、
隙間内に間詰めした間詰緩衝材により水流を減速しつつ、土砂の吸出しを防止すると共に、一体構造の根固め構造体を通じて一部の袋詰ユニットの変位を拘束したことを特徴とする、
海底地盤の根固め方法。
【請求項7】
海底地盤に海洋構造物が設けてあり、海洋構造物の周囲に敷設した袋詰ユニットと海洋構造物の外周面との間に形成される隙間内に前記間詰緩衝材を塊体状にして間詰めし、前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結したことを特徴とする、請求項6に記載の海底地盤の根固め方法。
【請求項8】
下位の隙間の真上に袋詰ユニットが位置するように、複数の袋詰ユニットを段積みし、段積みした前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および段積みした隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成したことを特徴とする、請求項6または7に記載の海底地盤の根固め方法。
【請求項9】
前記間詰緩衝材が可撓性および通水性を有する繊維製の編地で構成されていることを特徴とする、請求項6乃至8の何れか一項に記載の海底地盤の根固め方法。
【請求項10】
前記間詰緩衝材がラッセル網であることを特徴とする、請求項6乃至9の何れか一項に記載の海底地盤の根固め方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明は、海底地盤の根固め構造であって、袋体に中詰材を封入した複数の袋詰ユニットと繊維製の間詰緩衝材を併用し、海底地盤に複数の袋詰ユニットを互いに隣接させて敷設し、前記複数の袋詰ユニットの周面間に形成される隙間内に土砂の吸出し抑制機能を有する間詰緩衝材を塊体状にして間詰めし、前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成した。
本発明の他の形態において、海底地盤に海洋構造物が設けてあり、海洋構造物の周囲に敷設した袋詰ユニットと海洋構造物の外周面との間に形成される隙間内に前記間詰緩衝材を塊体状にして間詰めし、前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成した。
本発明の他の形態において、下位の隙間の真上に袋詰ユニットが位置するように、複数の袋詰ユニットを段積みし、段積みした前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および段積みした隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成した。
本発明の他の形態において、前記間詰緩衝材が可撓性および通水性を有する繊維製の編地で構成されている。
本発明の他の形態において、前記間詰緩衝材がラッセル網である。
本発明は、袋体に中詰材を封入した複数の袋詰ユニットと繊維製の間詰緩衝材を併用海底地盤の根固め方法であって、海底地盤に複数の袋詰ユニットを互いに隣接させて敷設し、前記複数の袋詰ユニットの周面間に形成される隙間内に土砂の吸出し抑制機能を有する間詰緩衝材を塊体状にして間詰めし、前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成し、隙間内に間詰めした間詰緩衝材により水流を減速しつつ、土砂の吸出しを防止すると共に、一体構造の根固め構造体を通じて一部の袋詰ユニットの変位を拘束するようにした。
本発明の他の形態において、海底地盤に海洋構造物が設けてあり、海洋構造物の周囲に敷設した袋詰ユニットと海洋構造物の外周面との間に形成される隙間内に前記間詰緩衝材を塊体状にして間詰めし、前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を離隔不能に連結材で連結した。
本発明の他の形態において、下位の隙間の真上に袋詰ユニットが位置するように、複数の袋詰ユニットを段積みし、段積みした前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および段積みした隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成した。
本発明の他の形態において、前記間詰緩衝材が可撓性および通水性を有する繊維製の編地で構成されている
発明の他の形態において、前記間詰緩衝材がラッセル網である。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海底地盤の根固め構造であって、
繊維製の編地からなる袋体に中詰材を封入した複数の袋詰ユニットと繊維製の編地からなる間詰緩衝材を併用し、
海底地盤に複数の袋詰ユニットを互いに隣接させて敷設し、
前記複数の袋詰ユニットの周面間に形成される隙間内に土砂の吸出し抑制機能を有する前記間詰緩衝材を塊体状にして間詰めし、
前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成したことを特徴とする、
海底地盤の根固め構造。
【請求項2】
海底地盤に海洋構造物が設けてあり、海洋構造物の周囲に敷設した袋詰ユニットと海洋構造物の外周面との間に形成される隙間内に前記間詰緩衝材を塊体状にして間詰めし、前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成したことを特徴とする、請求項1に記載の海底地盤の根固め構造。
【請求項3】
下位の隙間の真上に袋詰ユニットが位置するように、複数の袋詰ユニットを段積みし、段積みした前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および段積みした隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成したことを特徴とする、請求項1または2に記載の海底地盤の根固め構造。
【請求項4】
前記間詰緩衝材が可撓性および通水性を有する繊維製の編地で構成されていることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一項に記載の海底地盤の根固め構造。
【請求項5】
前記間詰緩衝材がラッセル網であることを特徴とする、請求項4に記載の海底地盤の根固め構造。
【請求項6】
繊維製の編地からなる袋体に中詰材を封入した複数の袋詰ユニットと繊維製の編地からなる間詰緩衝材を併用した海底地盤の根固め方法であって、
海底地盤に複数の袋詰ユニットを互いに隣接させて敷設し、
前記複数の袋詰ユニットの周面間に形成される隙間内に土砂の吸出し抑制機能を有する前記間詰緩衝材を塊体状にして間詰めし、
前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成し、
隙間内に間詰めした間詰緩衝材により水流を減速しつつ、土砂の吸出しを防止すると共に、一体構造の根固め構造体を通じて一部の袋詰ユニットの変位を拘束したことを特徴とする、
海底地盤の根固め方法。
【請求項7】
海底地盤に海洋構造物が設けてあり、海洋構造物の周囲に敷設した袋詰ユニットと海洋構造物の外周面との間に形成される隙間内に前記間詰緩衝材を塊体状にして間詰めし、前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結したことを特徴とする、請求項6に記載の海底地盤の根固め方法。
【請求項8】
下位の隙間の真上に袋詰ユニットが位置するように、複数の袋詰ユニットを段積みし、段積みした前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および段積みした隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成したことを特徴とする、請求項6または7に記載の海底地盤の根固め方法。
【請求項9】
前記間詰緩衝材が可撓性および通水性を有する繊維製の編地で構成されていることを特徴とする、請求項6乃至8の何れか一項に記載の海底地盤の根固め方法。
【請求項10】
前記間詰緩衝材がラッセル網であることを特徴とする、請求項6乃至9の何れか一項に記載の海底地盤の根固め方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明は、海底地盤の根固め構造であって、繊維製の編地からなる袋体に中詰材を封入した複数の袋詰ユニットと繊維製の繊維製の編地からなる間詰緩衝材を併用し、海底地盤に複数の袋詰ユニットを互いに隣接させて敷設し、前記複数の袋詰ユニットの周面間に形成される隙間内に土砂の吸出し抑制機能を有する前記間詰緩衝材を塊体状にして間詰めし、前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成した。
本発明の他の形態において、海底地盤に海洋構造物が設けてあり、海洋構造物の周囲に敷設した袋詰ユニットと海洋構造物の外周面との間に形成される隙間内に前記間詰緩衝材を塊体状にして間詰めし、前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成した。
本発明の他の形態において、下位の隙間の真上に袋詰ユニットが位置するように、複数の袋詰ユニットを段積みし、段積みした前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および段積みした隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成した。
本発明の他の形態において、前記間詰緩衝材が可撓性および通水性を有する繊維製の編地で構成されている。
本発明の他の形態において、前記間詰緩衝材がラッセル網である。
本発明は、繊維製の編地からなる袋体に中詰材を封入した複数の袋詰ユニットと繊維製の編地からなる間詰緩衝材を併用海底地盤の根固め方法であって、海底地盤に複数の袋詰ユニットを互いに隣接させて敷設し、前記複数の袋詰ユニットの周面間に形成される隙間内に土砂の吸出し抑制機能を有する前記間詰緩衝材を塊体状にして間詰めし、前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成し、隙間内に間詰めした間詰緩衝材により水流を減速しつつ、土砂の吸出しを防止すると共に、一体構造の根固め構造体を通じて一部の袋詰ユニットの変位を拘束するようにした。
本発明の他の形態において、海底地盤に海洋構造物が設けてあり、海洋構造物の周囲に敷設した袋詰ユニットと海洋構造物の外周面との間に形成される隙間内に前記間詰緩衝材を塊体状にして間詰めし、前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および隣り合う複数の袋詰ユニットの間を離隔不能に連結材で連結した。
本発明の他の形態において、下位の隙間の真上に袋詰ユニットが位置するように、複数の袋詰ユニットを段積みし、段積みした前記袋詰ユニットと間詰緩衝材との間および段積みした隣り合う複数の袋詰ユニットの間を連結材で離隔不能に連結して一体構造の根固め構造体を形成した。
本発明の他の形態において、前記間詰緩衝材が可撓性および通水性を有する繊維製の編地で構成されている。
本発明の他の形態において、前記間詰緩衝材がラッセル網である。