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特開2022-183877情報処理装置、情報処理プログラム、および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183877
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理プログラム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/00 20120101AFI20221206BHJP
【FI】
G06Q40/00 420
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091390
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉仲 祐史
(72)【発明者】
【氏名】奥村 祐司
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB64
(57)【要約】      (修正有)
【課題】仕掛計上後も、原材料の数量を管理、照会できる仕組みを構築することで監査時の指摘に対して仕掛中の在庫であることを明示する業務支援装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】業務支援装置は、原材料勘定から仕掛品勘定への振り替わりが発生する在庫移動の場合に、原材料の移動データを移動データ記憶部に登録する第1処理と、通常在庫データ記憶部に登録されている原材料の在庫数を原材料の移動数に基づいて減算更新する第2処理と、移動数に基づく原材料の仕掛在庫データを仕掛在庫データ記憶部に登録するるか又は仕掛在庫データ記憶部に登録されている原材料の在庫数を移動数に基づいて加算更新する第3処理と、移動数と原材料の在庫評価単価との積を製造別に集計した仕掛金額データを仕掛金額データ記憶部に登録するか又は仕掛金額データ記憶部に登録されている製造の仕掛金額を集計結果に基づいて加算更新する第4処理と、を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える情報処理装置であって、
原材料勘定で計上される原材料の在庫を管理するための通常在庫データ記憶部と、
仕掛品勘定で計上される原材料の在庫を管理するための仕掛在庫データ記憶部と、
原材料の移動に関する情報を管理するための移動データ記憶部と、
仕掛金額を管理するための仕掛金額データ記憶部と、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
原材料勘定から仕掛品勘定への振り替わりが発生する在庫移動の場合は、
1)当該移動の対象となる原材料の使用場所への移動に関する移動データを前記移動データ記憶部に登録する第1処理と、
2)前記通常在庫データ記憶部に登録されている当該原材料の在庫数を当該原材料の移動数に基づいて減算更新する第2処理と、
3)当該移動数に基づく当該原材料の仕掛在庫データを前記仕掛在庫データ記憶部に登録する、または、前記仕掛在庫データ記憶部に登録されている当該原材料の在庫数を当該移動数に基づいて加算更新する第3処理と、
4)当該移動数と当該原材料の在庫評価単価との積を製造別に集計し、当該集計結果を当該製造の仕掛金額とする仕掛金額データを前記仕掛金額データ記憶部に登録する、または、前記仕掛金額データ記憶部に登録されている当該製造の仕掛金額を当該集計結果に基づいて加算更新する第4処理と、
を実行する移動入力手段
を備えること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第3処理は、
前記移動の対象となる原材料の在庫が前記仕掛在庫データ記憶部に登録されているときは、当該登録されている当該原材料の在庫数を当該原材料の移動数に基づいて加算更新し、当該原材料の在庫が前記仕掛在庫データ記憶部に登録されていないときは、当該移動数に基づく当該原材料の仕掛在庫データを前記仕掛在庫データ記憶部に登録する、
という処理であること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第4処理は、
前記移動の対象となる原材料の移動数と当該原材料の在庫評価単価との積を製造別に集計し、当該製造の仕掛金額が前記仕掛金額データ記憶部に登録されているときは、当該登録されている仕掛金額を当該集計結果に基づいて加算更新し、当該製造の仕掛金額が前記仕掛金額データ記憶部に登録されていないときは、当該集計結果を当該製造の仕掛金額とする仕掛金額データを前記仕掛金額データ記憶部に登録する、
という処理であること、
を特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記移動入力手段は、
仕掛品勘定が維持される在庫移動の場合は、
1)当該移動の対象となった原材料の使用場所からの移動に関する移動データを前記移動データ記憶部に登録する第5処理と、
2)前記仕掛在庫データ記憶部に登録されている当該原材料の在庫数を当該原材料の移動数に基づいて減算更新する第6処理と、
を実行すること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記移動入力手段は、
仕掛品勘定から原材料勘定への振り替わりが発生する在庫移動の場合は、
1)当該移動の対象となる原材料の保管場所への移動に関する移動データを前記移動データ記憶部に登録する第7処理と、
2)前記通常在庫データ記憶部に登録されている当該原材料の在庫数を当該原材料の移動数に基づいて加算更新する第8処理と、
3)前記仕掛在庫データ記憶部に登録されている当該原材料の在庫数を当該移動数に基づいて減算更新する第9処理と、
4)当該移動数と当該原材料の在庫評価単価との積を製造別に集計し、前記仕掛金額データ記憶部に登録されている当該製造の仕掛金額を当該集計結果に基づいて減算更新する第10処理と、
を実行すること、
を特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
原材料勘定で計上される原材料の在庫を管理するための通常在庫データ記憶部と、仕掛品勘定で計上される原材料の在庫を管理するための仕掛在庫データ記憶部と、原材料の移動に関する情報を管理するための移動データ記憶部と、仕掛金額を管理するための仕掛金額データ記憶部と、にアクセス可能な情報処理装置が備えるコンピュータを、
原材料勘定から仕掛品勘定への振り替わりが発生する在庫移動の場合は、
1)当該移動の対象となる原材料の使用場所への移動に関する移動データを前記移動データ記憶部に登録する第1処理と、
2)前記通常在庫データ記憶部に登録されている当該原材料の在庫数を当該原材料の移動数に基づいて減算更新する第2処理と、
3)当該移動数に基づく当該原材料の仕掛在庫データを前記仕掛在庫データ記憶部に登録する、または、前記仕掛在庫データ記憶部に登録されている当該原材料の在庫数を当該移動数に基づいて加算更新する第3処理と、
4)当該移動数と当該原材料の在庫評価単価との積を製造別に集計し、当該集計結果を当該製造の仕掛金額とする仕掛金額データを前記仕掛金額データ記憶部に登録する、または、前記仕掛金額データ記憶部に登録されている当該製造の仕掛金額を当該集計結果に基づいて加算更新する第4処理と、
を実行する移動入力手段
として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項7】
原材料勘定で計上される原材料の在庫を管理するための通常在庫データ記憶部と、仕掛品勘定で計上される原材料の在庫を管理するための仕掛在庫データ記憶部と、原材料の移動に関する情報を管理するための移動データ記憶部と、仕掛金額を管理するための仕掛金額データ記憶部と、にアクセス可能な情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
移動入力手段が、
原材料勘定から仕掛品勘定への振り替わりが発生する在庫移動の場合は、
1)当該移動の対象となる原材料の使用場所への移動に関する移動データを前記移動データ記憶部に登録する第1処理を実行する工程と、
2)前記通常在庫データ記憶部に登録されている当該原材料の在庫数を当該原材料の移動数に基づいて減算更新する第2処理を実行する工程と、
3)当該移動数に基づく当該原材料の仕掛在庫データを前記仕掛在庫データ記憶部に登録する、または、前記仕掛在庫データ記憶部に登録されている当該原材料の在庫数を当該移動数に基づいて加算更新する第3処理を実行する工程と、
4)当該移動数と当該原材料の在庫評価単価との積を製造別に集計し、当該集計結果を当該製造の仕掛金額とする仕掛金額データを前記仕掛金額データ記憶部に登録する、または、前記仕掛金額データ記憶部に登録されている当該製造の仕掛金額を当該集計結果に基づいて加算更新する第4処理を実行する工程と、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理プログラム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な企業活動として、自社で保有する「在庫」の有り高、および入庫・出庫情報を、システム上に登録して管理する場合、決算期末若しくは月次決算時点において保有しているその棚卸資産は、会計処理上、「商品」あるいは「製品」といった勘定で表現される。製造業においては、これらに加えて、製造で使用する「原材料」、製造過程にある未完成品を指す「仕掛品」といった勘定が使用され、その棚卸高を用いて、製造原価報告書(損益計算書の添付資料)が作成される。
【0003】
基本的な勘定の流れとしては、売上原価対立法に従うと、
(1)原材料を仕入 原材料/買掛金
(2)製造工程で原材料を使用 仕掛品/原材料
(3)製品が完成 製品 /仕掛品
というような仕訳が起票されることになる。
【0004】
一方、上記の(2)のステップにおける「仕掛品の計上(原材料の消失)」についてのタイミングやその基準は、原材料の特徴や会社毎の判断、商習慣により異なっていることが実情であり、例えば、(A)製造目的で購入した時点、(B)手元の原材料を製造現場へ持ち込んだ時点、(C)実際に製造工程で消費された時点といったケースが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-106283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上記の(A)や(B)のように、製造工程で消費する以前に仕掛金を計上(原材料が消失)する場合、監査上の指摘が入ることがある。すなわち、原材料が消費される前のため、「原材料の現物」は、まだ実地に存在する一方で、帳簿上(システム管理上)では既に原材料は消失していることになっており、監査法人が実地棚卸に立ち会うようなシーンにおいて、「帳簿と乖離している」と判断されかねない、という課題がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、仕掛計上後も、原材料の数量をシステム上で管理、照会できる仕組みを構築することで、監査時の指摘に対して「仕掛中の在庫であること」を明示することを可能とする情報処理装置、情報処理プログラム、および情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、制御部を備える情報処理装置であって、原材料勘定で計上される原材料の在庫を管理するための通常在庫データ記憶部と、仕掛品勘定で計上される原材料の在庫を管理するための仕掛在庫データ記憶部と、原材料の移動に関する情報を管理するための移動データ記憶部と、仕掛金額を管理するための仕掛金額データ記憶部と、にアクセス可能であり、前記制御部は、原材料勘定から仕掛品勘定への振り替わりが発生する在庫移動の場合は、1)当該移動の対象となる原材料の使用場所への移動に関する移動データを前記移動データ記憶部に登録する第1処理と、2)前記通常在庫データ記憶部に登録されている当該原材料の在庫数を当該原材料の移動数に基づいて減算更新する第2処理と、3)当該移動数に基づく当該原材料の仕掛在庫データを前記仕掛在庫データ記憶部に登録する、または、前記仕掛在庫データ記憶部に登録されている当該原材料の在庫数を当該移動数に基づいて加算更新する第3処理と、4)当該移動数と当該原材料の在庫評価単価との積を製造別に集計し、当該集計結果を当該製造の仕掛金額とする仕掛金額データを前記仕掛金額データ記憶部に登録する、または、前記仕掛金額データ記憶部に登録されている当該製造の仕掛金額を当該集計結果に基づいて加算更新する第4処理と、を実行する移動入力手段を備えること、を特徴とする。
【0009】
なお、本発明に係る情報処理装置において、前記第3処理は、前記移動の対象となる原材料の在庫が前記仕掛在庫データ記憶部に登録されているときは、当該登録されている当該原材料の在庫数を当該原材料の移動数に基づいて加算更新し、当該原材料の在庫が前記仕掛在庫データ記憶部に登録されていないときは、当該移動数に基づく当該原材料の仕掛在庫データを前記仕掛在庫データ記憶部に登録する、という処理であること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る情報処理装置において、前記第4処理は、前記移動の対象となる原材料の移動数と当該原材料の在庫評価単価との積を製造別に集計し、当該製造の仕掛金額が前記仕掛金額データ記憶部に登録されているときは、当該登録されている仕掛金額を当該集計結果に基づいて加算更新し、当該製造の仕掛金額が前記仕掛金額データ記憶部に登録されていないときは、当該集計結果を当該製造の仕掛金額とする仕掛金額データを前記仕掛金額データ記憶部に登録する、という処理であること、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る情報処理装置において、前記移動入力手段は、仕掛品勘定が維持される在庫移動の場合は、1)当該移動の対象となった原材料の使用場所からの移動に関する移動データを前記移動データ記憶部に登録する第5処理と、2)前記仕掛在庫データ記憶部に登録されている当該原材料の在庫数を当該原材料の移動数に基づいて減算更新する第6処理と、を実行すること、を特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る情報処理装置において、前記移動入力手段は、仕掛品勘定から原材料勘定への振り替わりが発生する在庫移動の場合は、1)当該移動の対象となる原材料の保管場所への移動に関する移動データを前記移動データ記憶部に登録する第7処理と、2)前記通常在庫データ記憶部に登録されている当該原材料の在庫数を当該原材料の移動数に基づいて加算更新する第8処理と、3)前記仕掛在庫データ記憶部に登録されている当該原材料の在庫数を当該移動数に基づいて減算更新する第9処理と、4)当該移動数と当該原材料の在庫評価単価との積を製造別に集計し、前記仕掛金額データ記憶部に登録されている当該製造の仕掛金額を当該集計結果に基づいて減算更新する第10処理と、を実行すること、を特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る情報処理プログラムは、原材料勘定で計上される原材料の在庫を管理するための通常在庫データ記憶部と、仕掛品勘定で計上される原材料の在庫を管理するための仕掛在庫データ記憶部と、原材料の移動に関する情報を管理するための移動データ記憶部と、仕掛金額を管理するための仕掛金額データ記憶部と、にアクセス可能な情報処理装置が備えるコンピュータを、原材料勘定から仕掛品勘定への振り替わりが発生する在庫移動の場合は、1)当該移動の対象となる原材料の使用場所への移動に関する移動データを前記移動データ記憶部に登録する第1処理と、2)前記通常在庫データ記憶部に登録されている当該原材料の在庫数を当該原材料の移動数に基づいて減算更新する第2処理と、3)当該移動数に基づく当該原材料の仕掛在庫データを前記仕掛在庫データ記憶部に登録する、または、前記仕掛在庫データ記憶部に登録されている当該原材料の在庫数を当該移動数に基づいて加算更新する第3処理と、4)当該移動数と当該原材料の在庫評価単価との積を製造別に集計し、当該集計結果を当該製造の仕掛金額とする仕掛金額データを前記仕掛金額データ記憶部に登録する、または、前記仕掛金額データ記憶部に登録されている当該製造の仕掛金額を当該集計結果に基づいて加算更新する第4処理と、を実行する移動入力手段として機能させる。
【0014】
また、本発明に係る情報処理方法は、原材料勘定で計上される原材料の在庫を管理するための通常在庫データ記憶部と、仕掛品勘定で計上される原材料の在庫を管理するための仕掛在庫データ記憶部と、原材料の移動に関する情報を管理するための移動データ記憶部と、仕掛金額を管理するための仕掛金額データ記憶部と、にアクセス可能な情報処理装置で実行される情報処理方法であって、移動入力手段が、原材料勘定から仕掛品勘定への振り替わりが発生する在庫移動の場合は、1)当該移動の対象となる原材料の使用場所への移動に関する移動データを前記移動データ記憶部に登録する第1処理を実行する工程と、2)前記通常在庫データ記憶部に登録されている当該原材料の在庫数を当該原材料の移動数に基づいて減算更新する第2処理を実行する工程と、3)当該移動数に基づく当該原材料の仕掛在庫データを前記仕掛在庫データ記憶部に登録する、または、前記仕掛在庫データ記憶部に登録されている当該原材料の在庫数を当該移動数に基づいて加算更新する第3処理を実行する工程と、4)当該移動数と当該原材料の在庫評価単価との積を製造別に集計し、当該集計結果を当該製造の仕掛金額とする仕掛金額データを前記仕掛金額データ記憶部に登録する、または、前記仕掛金額データ記憶部に登録されている当該製造の仕掛金額を当該集計結果に基づいて加算更新する第4処理を実行する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、仕掛計上後も、原材料の数量をシステム上で管理、照会できる仕組みを構築することで、監査時の指摘に対して「仕掛中の在庫であること」を明示することが可能となる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施形態にかかる業務支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態にかかる業務支援装置における仕掛在庫データに対する入庫に用いる移動入力画面の一例を示す図である。
図3図3は、本実施形態にかかる業務支援装置における仕掛在庫データに対する入庫処理の一例を説明するための図である。
図4図4は、本実施形態にかかる業務支援装置において仕掛在庫データに対する仕掛計上に用いる仕入入力画面の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態にかかる業務支援装置における仕掛在庫データに対する仕掛計上の一例を説明するための図である。
図6図6は、本実施形態にかかる業務支援装置において仕掛在庫データに対する仕掛在庫調整に用いる移動入力画面の一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態にかかる業務支援装置において仕掛在庫データに対する仕掛在庫調整の一例を説明するための図である。
図8図8は、本実施形態にかかる業務支援装置における仕掛在庫データに対する仕掛戻し処理に用いる移動入力画面の一例を示す図である。
図9図9は、本実施形態にかかる業務支援装置における仕掛在庫データに対する仕掛戻し処理の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る情報処理装置、情報処理プログラム、および情報処理方法の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0018】
[1.構成]
本実施形態に係る業務支援装置(本発明に係る情報処理装置を含む)の構成の一例について、図1等を参照して説明する。図1は、本実施形態にかかる業務支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
業務支援装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、業務支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置を基に構築したものであってもよい。
【0020】
業務支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。業務支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0021】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、業務支援装置100とサーバ装置200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ装置200に格納されてもよい。
【0022】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0023】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0024】
記憶部106(通常在庫データ記憶部、仕掛在庫データ記憶部、移動データ記憶部、および仕掛金額データ記憶部の一例)には、通常在庫データ106a、在庫評価単価データ106b、仕掛在庫データ106c、移動データ106d、仕掛金額データ106e、および仕入データ106f等が格納される。
【0025】
通常在庫データ106aは、原材料勘定で計上される原材料の在庫を管理するデータである。本実施形態では、通常在庫データ106aは、倉庫コード、倉庫名、商品コード、商品名、および在庫数等を含む。
【0026】
在庫評価単価データ106bは、原材料の評価単価を管理するデータである。本実施形態では、在庫評価単価データ106bは、会計月度、商品コード、商品名、および評価単価等を含む。
【0027】
仕掛在庫データ106cは、仕掛品勘定で計上される原材料の在庫を管理するためのデータである。本実施形態では、仕掛在庫データ106cは、製造番号、倉庫コード、倉庫名、商品コード、商品名、および在庫数等を含む。
【0028】
移動データ106dは、原材料の移動に関する情報を管理するためのデータである。本実施形態では、移動データ106dは、移動伝票番号、移動日、行番号、移動元倉庫、移動先倉庫、商品コード、移動数、および製造番号等を含む。
【0029】
仕掛金額データ106eは、仕掛金額を管理するためのデータである。本実施形態では、仕掛金額データ106eは、製造番号、会計月度、発生金額等を含む。
【0030】
仕入データ106fは、原材料の仕入に関する情報を管理するためのデータである。本実施形態では、仕入データ106fは、仕入伝票番号、仕入日、行番号、入庫倉庫、商品コード、仕入単価、仕入数、仕入金額、製造番号等を含む。
【0031】
図1に戻り、制御部102は、業務支援装置100を統括的に制御するCPU等のプロセッサ(コンピュータの一例)である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0032】
制御部102は、機能概念的に、移動入力部(移動入力手段の一例)102a等を備える。なお、制御部102は、後述する[2-1-2.製造目的で購入した時点で仕掛計上を行うケース]に記載の処理を行う仕入入力部や、通常在庫データ106aおよび/または仕掛在庫データ106cを参照して在庫照会を行う在庫照会部を備えてもよい。
【0033】
移動入力部102aは、原材料勘定から仕掛品勘定への振り替わりが発生する在庫移動の場合、第1処理、第2処理、第3処理、および第4処理を実行する。
【0034】
ここで、第1処理は、移動の対象となる原材料の製造現場(製造ライン)等の使用場所への移動に関する移動データ106dを記憶部106に登録する処理である。第2処理は、記憶部106に記憶される通常在庫データ106aに登録されている当該原材料の在庫数を当該原材料の移動数に基づいて減算更新する処理である。
【0035】
第3処理は、当該移動数に基づく当該原材料の仕掛在庫データ106cを記憶部106に新規登録(登録の一例)するか、または、記憶部106に記憶される仕掛在庫データ106cに登録されている当該原材料の在庫数を当該移動数に基づいて加算更新(例えば、既存レコードに対する上書き)する処理である。
【0036】
具体的には、第3処理は、移動の対象となる原材料の在庫が仕掛在庫データ106cに登録されているときは、当該登録されている当該原材料の在庫数を、当該原材料の移動数に基づいて加算更新する。一方、第3処理は、当該原材料の在庫が仕掛在庫データ106cに登録されていないときは、当該移動数に基づく当該原材料の仕掛在庫データ106cを記憶部106に登録(保存)する。
【0037】
第4処理は、当該移動数と当該原材料の在庫評価単価との積を製造別に集計し、当該集計結果を当該製造の仕掛金額とする仕掛金額データ106eを記憶部106に新規登録(登録の一例)するか、または、記憶部106に記憶される仕掛金額データ106eに登録されている当該製造の仕掛金額を当該集計結果に基づいて加算更新(例えば、既存レコードに対する上書き)する処理である。
【0038】
具体的には、第4処理は、移動の対象となる原材料の移動数と当該原材料の在庫評価単価との積を製造別に集計し、当該製造の仕掛金額が仕掛金額データ106eに登録されているときは、当該登録されている仕掛金額を当該集計結果に基づいて加算更新する。一方、第4処理は、当該製造の仕掛金額が仕掛金額データ106eに登録されていないときは、当該集計結果を当該製造の仕掛金額とする仕掛金額データ106eを記憶部106に登録(保存)する。
【0039】
また、移動入力部102aは、仕掛品勘定が維持される在庫移動の場合、第5処理、および第6処理を実行する。
【0040】
ここで、第5処理は、移動の対象となった原材料の使用場所からの移動に関する移動データ106dを記憶部106に登録する処理である。また、第6処理は、仕掛在庫データ106cに登録されている当該原材料の在庫数を当該原材料の移動数に基づいて減算更新する処理である。
【0041】
さらに、移動入力部102aは、仕掛品勘定から原材料勘定への振り替わりが発生する在庫移動の場合、第7処理、第8処理、第9処理、および第10処理を実行する。
【0042】
ここで、第7処理は、当該移動の対象となる原材料の倉庫等の保管場所への移動に関する移動データ106dを記憶部106に登録する処理である。第8処理は、記憶部106に記憶される通常在庫データ106aに登録されている当該原材料の在庫数を当該原材料の移動数に基づいて加算更新する処理である。
【0043】
第9処理は、記憶部106に記憶される仕掛在庫データ106cに登録されている当該原材料の在庫数を当該移動数に基づいて減算更新する処理である。第10処理は、当該移動数と当該原材料の在庫評価単価との積を製造別に集計し、記憶部106に記憶される仕掛金額データ106eに登録されている当該製造の仕掛金額を当該集計結果に基づいて減算更新する処理である。
【0044】
[2.処理]
ここでは、業務支援装置100で実行される機能の一例を説明する。
【0045】
[2-1.仕掛在庫データへの入庫機能]
まず、仕掛在庫データ106cに対する入庫機能の一例について説明する。
【0046】
本実施形態にかかる業務支援装置100は、記憶部106において、通常在庫データ106aとは別に、仕掛在庫データ106cを記憶する。そして、本実施形態にかかる業務支援装置100は、原材料の在庫を仕掛計上するタイミングで、通常在庫データ106aから在庫が出庫されるだけでなく、仕掛在庫データ106cに在庫を入庫する処理を同時に実行する仕組みを構築する。
【0047】
従来は、原材料を仕掛工程へ投入するタイミングで、会計上の資産振替が発生するが、それと同時に、販売管理上の原材料勘定が消失するような動きがとられており、製造ラインでまだ消費されずに残っている原材料等の在庫数量が見えなくなっている。そこで、本実施形態では、原材料を仕掛工程に投入するタイミングで、別途定義した仕掛在庫データ106cを作成することにより、現物在庫の数量管理および受払管理を可能としている。すなわち、本実施形態にかかる業務支援装置100では、従来の在庫管理とは別に、仕掛勘定にあたる現物在庫を管理する仕組みを構築する。これにより、現地に存在する在庫をシステム上でより正確に管理することが可能となるので、監査法人の実地棚卸等で指定があった際にも情報を開示することが可能となる。
【0048】
[2-1-1.手元の原材料を製造現場へ持ち込んだ時点で仕掛計上を行うケース]
図2および図3を用いて、様々な用途でしようされる原材料をある程度まとめて購入して在庫ストックしておき、製造で必要となった際に、必要な分だけ払出すケースについて説明する。図2は、本実施形態にかかる業務支援装置における仕掛在庫データに対する入庫に用いる移動入力画面の一例を示す図である。図3は、本実施形態にかかる業務支援装置における仕掛在庫データに対する入庫処理の一例を説明するための図である。
【0049】
例えば、本ケースは、ある程度決まった仕様の製品を日々量産するようなメーカで採用されるケースが多い。具体的には、本ケースは、共通して日々使用される原材料を都度購入するのではなく、安全在庫等を加味しながらまとめて購入してストックする原材料をイメージしたケースである。
【0050】
ストックされている時点での原材料の在庫は、原材料勘定であり、製造現場に払出された時点で仕掛品勘定へ振り替わる。そのため、本実施形態にかかる業務支援装置100では、各原材料倉庫で保管されている原材料を製造で使用する為に、原材料を製造ラインに移動させる際、製造番号を指定することで、仕掛計上の対象を明確にする。
【0051】
本実施形態では、移動入力部102aが、図2に示すように、出力装置114に対して、移動入力画面を表示する。ここで、オペレータは、移動入力画面において、移動区分として「2:仕掛計上」を選択する。これにより、移動入力部102aは、更新するデータを決定する。また、オペレータは、移動入力画面において、移動日、移動元倉庫、移動先倉庫、商品コード、移動数、製造番号等を入力可能である。
【0052】
そして、移動入力部102aは、図3に示すように、移動入力画面において入力される情報を用いて、移動データ106dを生成して、記憶部106に登録する第1処理を実行する。また、移動入力部102aは、図3に示すように、移動入力画面において入力される情報を用いて、通常在庫データ106aに登録されている原材料の在庫数を当該原材料の移動数に基づいて減算更新する第2処理を実行する。通常在庫データ106aに残った在庫については、会計上、原材料勘定であり続けるものとする。
【0053】
また、移動入力部102aは、図3に示すように、移動入力画面において入力される情報を用いて、原材料の移動数に基づく当該原材料の仕掛在庫データ106cを記憶部106に登録するか、若しくは、記憶部106に既に記憶されている仕掛在庫データ106cに登録されている当該原材料の移動数を加算更新する第3処理を実行する。従来は、仕掛在庫の管理を行っていなかったため、通常在庫データ106aでしか帳簿在庫の数量を把握することができなかった。しかし、本実施形態によれば、仕掛在庫データ106cを照会すれば、製造現場に持ち込まれた現物の在庫の数量を把握可能となる。
【0054】
また、移動入力部102aは、記憶部106に記憶される在庫評価単価データ106bに基づいて、原材料の移動数と当該原材料の在庫評価単価との積を製造(製造番号)別に集計し、当該集計結果を当該製造の仕掛金額とする仕掛金額データ106eを生成し、当該仕掛金額データ106eを記憶部106に登録する第4処理を実行する。または、移動入力部102aは、記憶部106に記憶されている仕掛金額データ106eを、当該集計結果に基づいて加算更新する第4処理を実行する。
【0055】
[2-1-2.製造目的で購入した時点で仕掛計上を行うケース]
図4および図5を用いて、今回の製造で使用することのみを目的として仕入れるケースについて説明する。図4は、本実施形態にかかる業務支援装置において仕掛在庫データに対する仕掛計上に用いる仕入入力画面の一例を示す図である。図5は、本実施形態にかかる業務支援装置における仕掛在庫データに対する仕掛計上の一例を説明するための図である。
【0056】
ここで想定しているケースは、製造以外の目的(例えば、在庫としてストック、消耗品として使用)で使用されることが無い観点で、仕入時点でその仕入金額を、直接、仕掛品勘定へ計上する運用である。例えば、本ケースは、顧客要求に基づく個別仕様を起こして製造するようなメーカで採用されるケースが多く、在庫をストックせず、その時々の仕様に応じて購入する原材料をイメージしたケースである。
【0057】
入荷したばかりの原材料の在庫は、当然、現物として残っているはずであるが、上記の運用上、原材料勘定の管理は行わないため、従来の在庫情報は、システム管理の範囲ではなかった。そこで、本実施形態では、仕入入力部は、図4に示すように、出力装置114に対して、仕入入力画面を表示する。ここで、オペレータは、仕入入力画面において、移動区分として「2:仕掛計上」を選択する。これにより、仕入入力部は、仕入区分により更新されるデータを決定する。また、オペレータは、仕入入力画面において、仕入日、入庫倉庫、商品コード、仕入数、製造番号等をそれぞれ入力可能である。
【0058】
そして、仕入入力部は、図5に示すように、仕入入力画面において入力された情報に基づいて、仕入データ106fを生成する。次いで、仕入入力部は、仕入データ106fに基づいて、仕掛金額データ106eおよび仕掛在庫データ106cを生成する。仕掛金額データ106eにおいて、発生金額は、各商品の各製造番号に対して仕入金額の集計結果により更新される。また、仕掛在庫データ106cに存在する在庫は、会計上、仕掛品勘定に相当する情報(仕掛金額データ106eの内訳情報)である。
【0059】
[2-2.仕掛在庫データからの出庫機能]
次に、仕掛在庫データ106cからの出庫機能の一例について説明する。
【0060】
一度、仕掛在庫データ106cに入庫された在庫は、いずれ製造工程で消費されることになる。そのため、本実施形態にかかる業務支援装置100では、現物在庫の消費に応じて仕掛在庫データ106cを任意に調整することを可能とする仕組みを構築する。
【0061】
[2-2-1.仕掛計上した原材料が実際に製造工程で消費されるケース]
図6および図7を用いて、現物在庫の消費に応じて仕掛在庫データ106cを更新するケースについて説明する。図6は、本実施形態にかかる業務支援装置において仕掛在庫データに対する仕掛在庫調整に用いる移動入力画面の一例を示す図である。図7は、本実施形態にかかる業務支援装置において仕掛在庫データに対する仕掛在庫調整の一例を説明するための図である。
【0062】
消費されることで原材料の現物在庫は消失するが、会計処理上は、仕掛品勘定であることは変わりない。すなわち、製品が完成したタイミングで、製品または仕掛品の振替が行われている。そのため、本実施形態にかかる業務支援装置100では、仕掛金額データ106eを更新せず、あくまで、仕掛在庫データ106c上の在庫数のみを更新する。ここでは、原材料が消費されるケースにおける処理内容について説明するが、例えば、仕掛中の原材料の次の工程のラインへ移動させた場合等、原材料の保管場所を変更する場合も、仕掛品勘定の額はそのまま変化しない。
【0063】
本実施形態では、移動入力部102aは、図6に示すように、出力装置114に対して、移動入力画面を表示する。ここで、オペレータは、移動入力画面において、移動区分として「3:仕掛在庫調整」を選択する。これにより、移動入力部102aは、移動区分により更新されるデータを決定する。また、オペレータは、移動入力画面において、移動日、移動元倉庫、商品コード、移動数、製造番号等を入力可能である。
【0064】
そして、移動入力部102aは、図7に示すように、移動入力画面において入力された情報に基づいて、移動の対象となった現在の使用場所からの移動に関する移動データ106dを生成し、当該生成した移動データ106dを記憶部106に登録する第5処理を実行する。また、移動入力部102aは、図7に示すように、移動データ106dに基づいて、記憶部106に記憶される仕掛在庫データ106cに登録されている原材料の在庫数を、当該原材料の移動数に基づいて減算更新する第6処理を実行する。
【0065】
[2-2-2.仕掛計上した原材料の残処理]
図8および図9を用いて、仕掛計上した原材料の残処理について説明する。図8は、本実施形態にかかる業務支援装置における仕掛在庫データに対する仕掛戻し処理に用いる移動入力画面の一例を示す図である。図9は、本実施形態にかかる業務支援装置における仕掛在庫データに対する仕掛戻し処理の一例を説明するための図である。
【0066】
製造で消費されることを前提として原材料勘定から仕掛品勘定へ振替えられた原材料が、結局すべてが消費されずに残ってしまい、本来の目的以外の目的で使用したい場合に、原材料勘定に戻すケースの処理を想定している。2-2-1のケースとは異なり、会計上の数字に影響がある処理であり、戻した原材料の評価金額分を仕掛品勘定から原材料勘定へ振替える。そして、原材料勘定へ戻った原材料は、再び、別の製造番号へ仕掛計上可能となる。
【0067】
本実施形態では、移動入力部102aは、図8に示すように、出力装置114に対して、移動入力画面を表示する。ここで、オペレータは、移動入力画面において、移動区分として「4:仕掛戻し処理」を選択する。これにより、移動入力部102aは、移動区分により更新されるデータを決定する。また、オペレータは、移動入力画面において、移動日、移動元倉庫、移動先倉庫、商品コード、移動数、製造番号等を入力可能である。
【0068】
そして、移動入力部102aは、図9に示すように、移動入力画面において入力された情報に基づいて、移動の対象となる原材料の保管場所への移動に関する移動データ106dを生成し、記憶部106に登録する第7処理を実行する。また、移動入力部102aは、図9に示すように、記憶部106に記憶されている通常在庫データ106aに登録されている原材料の在庫数を、当該現在の移動数に基づいて加算更新する第8処理を実行する。
【0069】
また、移動入力部102aは、図9に示すように、記憶部106に記憶されている仕掛在庫データ106cに登録されている当該原材料の在庫数を、当該原材料の移動数に基づいて減算更新する第9処理を実行する。さらに、移動入力部102aは、図9に示すように、在庫評価単価データ106bに基づいて、当該移動数と当該原材料の在庫評価単価との積を製造(製造番号)別に集計し、記憶部106に記憶される仕掛金額データ106eに登録されている当該製造の仕掛金額を当該集計結果に基づいて減算更新する第10処理を実行する。仕掛金額データ106eに登録されている発生金額は、各商品の製造番号に対しての在庫評価単価と移動数の積の集計結果で更新される戻し分の金額を、元金額から控除した残りの金額である。
【0070】
本実施形態にかかる業務支援装置100によれば、現地に存在する在庫をシステム上でより正確に管理することが可能となるので、監査法人の実地棚卸等で指定があった際にも情報を開示することが可能となる。
【0071】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0072】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0073】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0074】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0075】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0076】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0077】
また、業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0078】
例えば、業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0079】
また、このコンピュータプログラムは、業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0080】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0081】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0082】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0083】
また、業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、業務支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0084】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、特に、大型機械メーカをはじめとする、工期の長い個別受注製造を行っている業種または業界において有用である。
【符号の説明】
【0086】
100 業務支援装置
102 制御部
102a 移動入力部
106 記憶部
106a 通常在庫データ
106b 在庫評価単価データ
106c 仕掛在庫データ
106d 移動データ
106e 仕掛金額データ
106f 仕入データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ装置
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9