(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183882
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
F24F 11/86 20180101AFI20221206BHJP
F24F 11/64 20180101ALI20221206BHJP
F24F 11/74 20180101ALI20221206BHJP
F24F 11/79 20180101ALI20221206BHJP
F24F 110/20 20180101ALN20221206BHJP
【FI】
F24F11/86
F24F11/64
F24F11/74
F24F11/79
F24F110:20
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091398
(22)【出願日】2021-05-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】高木 元輝
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB03
3L260BA61
3L260CA13
3L260CB62
3L260FA02
3L260FA07
3L260FA08
3L260FB04
3L260FC16
(57)【要約】
【課題】洗浄運転に要する時間を短縮する。
【解決手段】A室の室内機での洗浄運転の要求があったとき、冷房運転時における圧縮機の上限周波数よりも高い周波数で圧縮機を作動させて洗浄運転を実行する(S17)。上限周波数よりも高い周波数で圧縮機を作動させることが禁止されている場合(S14:NO)及びA室の湿度が所定値以上の場合(S15:NO)には、上限周波数以下の周波数で圧縮機を作動させて洗浄運転を実行する(S16)。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機を含む室外機と、
前記室外機に冷媒配管を介して接続されており、室内熱交換器を含む室内機と、
制御部とを備え、
前記制御部は、
前記室内熱交換器を蒸発器として機能させて前記室内熱交換器を洗浄することを含む洗浄運転と、前記室内熱交換器を蒸発器として機能させて空調を行う冷房運転とを実行可能であり、
前記冷房運転時における前記圧縮機の上限周波数を記憶する記憶部を含んでおり、
前記洗浄運転時には、前記上限周波数よりも高い周波数で前記圧縮機を作動させる空気調和機。
【請求項2】
前記冷媒回路には、第1室内機及び第2室内機を含む複数の前記室内機が接続されている請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記制御部は、2台以上の前記室内機で前記洗浄運転中又は前記冷房運転中であり、そのうちの1台以上の前記室内機で前記洗浄運転中であるときに、前記上限周波数よりも高い周波数で前記圧縮機を作動させる請求項2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1室内機で前記洗浄運転中であり前記第2室内機で前記冷房運転中であるときに、前記第2室内機から吹き出される風量をユーザに指示された風量よりも少なくする請求項2又は3に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1室内機で前記洗浄運転中であり前記第2室内機で前記冷房運転中であるときにおける、前記室外機から前記第2室内機の前記室内熱交換器への冷媒供給が遮断される室内温度の閾値温度を、前記第1室内機での前記洗浄運転が実行されていないときにおける前記閾値温度よりも高くする請求項2又は3の空気調和機。
【請求項6】
前記制御部は、前記室内機が設置された場所の湿度が所定値以下であるときに、前記洗浄運転時に前記上限周波数よりも高い周波数で前記圧縮機を作動させる請求項1~5のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記制御部は、前記室内熱交換器を凝縮器として機能させて空調を行う暖房運転をさらに実行可能であり、
前記室内機での前記洗浄運転の終了後に、前記室内機が設置された場所の室温が基準値以上となるように前記暖房運転を実行する請求項1~6のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項8】
前記洗浄運転時における冷媒の蒸発温度は、前記冷房運転時における冷媒の蒸発温度よりも低い請求項1~7のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項9】
前記室内機は、空気の吹出口を開閉可能なフラップを含んでおり、
前記制御部は、前記洗浄運転中に前記フラップを水平位置又は最大風量位置とする請求項1~8のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項10】
前記室内機は、空気の吹出口を開閉可能なフラップを含んでおり、
前記制御部は、前記洗浄運転中に前記フラップの姿勢変更を禁止する請求項1~9のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項11】
前記制御部は、前記室内機が設置された場所の湿度が所定値以上であるときに、当該室内機の前記洗浄運転時に前記上限周波数以下の周波数で圧縮機を作動させる請求項1~10のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項12】
前記制御部は、前記第1室内機で前記洗浄運転中であり前記第2室内機で前記冷房運転中であるときに、所定条件が満たされると、前記上限周波数以下の周波数で前記圧縮機を作動させる請求項2~5のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項13】
前記記憶部が、2以上の上限周波数候補を記憶しているとき、前記制御部は、前記2以上の上限周波数候補から選択された一の前記上限周波数候補を前記上限周波数として前記記憶部に記憶させる請求項1~12のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項14】
前記記憶部が、前記上限周波数候補として、一以上の第1種の上限周波数候補と、一以上の第2種の上限周波数候補とを記憶しており、
前記一以上の第1種の上限周波数候補の中での最小値が、前記一以上の第2種の上限周波数候補の中での最小値よりも小さいとき、
前記制御部は、
前記一以上の第1種の上限周波数候補の中での前記最小値を前記上限周波数として前記記憶部に記憶させ、
前記洗浄運転時には、前記上限周波数よりも高く、前記一以上の第2種の上限周波数候補の中での前記最小値以下の周波数で前記圧縮機を作動させる請求項13に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、室内熱交換器を蒸発器として機能させ、室内熱交換器の表面に結露した水分で室内熱交換器を洗浄する洗浄運転が可能な空気調和機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
洗浄運転によって室内熱交換器を効果的に洗浄するには、室内熱交換器の表面に付着する水分量を所定量以上確保する必要がある。しかし、室内熱交換器の表面に必要な水分量が付着するまでに、長時間を要することがある。
【0005】
本開示の目的は、洗浄運転に要する時間を短縮できる空気調和機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る空調室内機は、圧縮機を含む室外機と、前記室外機に冷媒配管を介して接続されており、室内熱交換器を含む室内機と、制御部とを備えている。前記制御部は、前記室内熱交換器を蒸発器として機能させて前記室内熱交換器を洗浄することを含む洗浄運転と、前記室内熱交換器を蒸発器として機能させて空調を行う冷房運転とを実行可能であり、前記冷房運転時における前記圧縮機の上限周波数を記憶する記憶部を含んでおり、前記洗浄運転時には、前記上限周波数よりも高い周波数で前記圧縮機を作動させる。
【0007】
これにより、洗浄運転時に圧縮機が上限周波数よりも高い周波数で作動するので、必要な量の水が室内熱交換器の表面に短時間で結露又は着霜して、洗浄運転に要する時間を短縮できる。
【0008】
前記冷媒回路には、第1室内機及び第2室内機を含む複数の前記室内機が接続されていてよい。これにより、マルチ型空気調和機への適用が可能となる。
【0009】
前記制御部は、2台以上の前記室内機で前記洗浄運転中又は前記冷房運転中であり、そのうちの1台以上の前記室内機で前記洗浄運転中であるときに、前記上限周波数よりも高い周波数で前記圧縮機を作動させてよい。これにより、マルチ型空気調和機において他の室内機が冷房運転時にも、洗浄運転に要する時間を短縮できる。
【0010】
前記制御部は、前記第1室内機で前記洗浄運転中であり前記第2室内機で前記冷房運転中であるときに、前記第2室内機から吹き出される風量をユーザに指示された風量よりも少なくしてよい。これにより、第1室内機の室内熱交換器の温度がさらに低下するので、必要な量の水分をより早期に確保しやすくなる。
【0011】
前記制御部は、前記第1室内機で前記洗浄運転中であり前記第2室内機で前記冷房運転中であるときにおける、前記室外機から前記第2室内機の前記室内熱交換器への冷媒供給が遮断される室内温度の閾値温度を、前記第1室内機での前記洗浄運転が実行されていないときにおける前記閾値温度よりも高くしてよい。これにより、第1室内機の室内熱交換器の温度が低下するので、必要な量の水分をより早期に確保しやすくなる。
【0012】
前記制御部は、前記室内機が設置された場所の湿度が所定値以下であるときに、前記洗浄運転時に前記上限周波数よりも高い周波数で前記圧縮機を作動させてよい。これにより、湿度が低い場合において、室内熱交換器に結露又は着霜する水分量を確保しやすくなる。
【0013】
前記制御部は、前記室内熱交換器を凝縮器として機能させて空調を行う暖房運転をさらに実行可能であり、前記室内機での前記洗浄運転の終了後に、前記室内機が設置された場所の室温が基準値以上となるように前記暖房運転を実行してよい。これにより、洗浄運転で低下した室温を上昇させることができる。
【0014】
前記洗浄運転時における冷媒の蒸発温度が、前記冷房運転時における冷媒の蒸発温度よりも低くてよい。これにより、室内熱交換器に結露又は着霜する水分量を確保しやすくなる。
【0015】
前記室内機は、空気の吹出口を開閉可能なフラップを含んでおり、前記制御部は、前記洗浄運転中に前記フラップを水平位置又は最大風量位置としてよい。これにより、フラップからの結露水の滴下を抑制できる。
【0016】
前記室内機は、空気の吹出口を開閉可能なフラップを含んでおり、前記制御部は、前記洗浄運転中に前記フラップの姿勢変更を禁止してよい。これにより、フラップからの結露水の滴下を抑制できる。
【0017】
前記制御部は、前記室内機が設置された場所の湿度が所定値以上であるときに、当該室内機の前記洗浄運転時に前記上限周波数以下の周波数で圧縮機を作動させてよい。これにより、室内熱交換器に結露又は着霜する水分量を確保できることが見込まれる場合に、圧縮機の作動周波数を下げることで、冷媒音や露飛びを抑制できる。
【0018】
前記制御部は、前記第1室内機で前記洗浄運転中であり前記第2室内機で前記冷房運転中であるときに、前記上限周波数以下の周波数で前記圧縮機を作動させてよい。これにより、第2室内機が設置された場所での冷媒音を低減できる。
【0019】
前記記憶部が、2以上の上限周波数候補を記憶しているとき、前記制御部は、前記2以上の上限周波数候補から選択された一の前記上限周波数候補を前記上限周波数として前記記憶部に記憶させてよい。これにより、上限周波数として複数の上限周波数候補の中から適切なものを選択することができる。
【0020】
前記記憶部が、前記上限周波数候補として、一以上の第1種の上限周波数候補と、一以上の第2種の上限周波数候補とを記憶しており、前記一以上の第1種の上限周波数候補の中での最小値が、前記一以上の第2種の上限周波数候補の中での最小値よりも小さいとき、前記制御部は、前記一以上の第1種の上限周波数候補の中での前記最小値を前記上限周波数として前記記憶部に記憶させ、前記洗浄運転時には、前記上限周波数よりも高く、前記一以上の第2種の上限周波数候補の中での前記最小値以下の周波数で前記圧縮機を作動させてよい。上限周波数候補として性質の異なる2種類がある場合、冷房運転時には圧縮機周波数を両方の種類のすべての上限周波数候補以下としつつ、洗浄運転時には圧縮機周波数を第1種の上限周波数候補の最小値を超えるが第2種の上限周波数候補の最小値以下とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本開示の一実施形態に係るマルチ型空気調和機の構成図である。
【
図2】
図1に示す室内機の斜め下方から見た外観図である。
【
図3】
図1に示すマルチ型空気調和機のブロック図である。
【
図5】
図1に示すマルチ型空気調和機において、室内機での洗浄運転の要求があったときの動作を説明するフローチャートである。
【
図6】
図1に示すマルチ型空気調和機において、上限周波数を超える周波数での洗浄運転中の動作を説明するフローチャートである。
【
図7】
図1に示すマルチ型空気調和機において、
図6の洗浄運転終了後の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(全体構造)
以下、本開示の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1には、本開示の一実施形態に係るマルチ型空気調和機1の構成図が示されている。マルチ型空気調和機1は、
図1に示すように、室外機10と、3つの室内機20A、20B、20Cとを含んでおり、各室内機20A、20B、20Cが、冷媒が通過する冷媒配管を介して室外機10接続されている。室内機20Aは、A室熱交換器24A及びA室ファン25Aを有している。室内機20Bは、B室熱交換器24B及びB室ファン25Bを有している。室内機20Cは、C室熱交換器24C及びC室ファン25Cを有している。なお、本実施形態では、室内機を3台としているが、室内機の台数は2台以上の任意の数とすることができる。また、以下の説明において、室内機20Aが設置された部屋をA室、20Bが設置された部屋をB室、20Cが設置された部屋をC室と称することとする。
【0023】
室外機10は、圧縮機11と、四路切換弁12と、室外熱交換器13と、室外ファン15と、アキュムレータ16と、3つの電動膨脹弁EVA、EVB、EVCとを含んでいる。四路切換弁12の4つのポートの1つが圧縮機11の吐出側に接続され、別の1つが室外熱交換器13の一端に接続され、さらに別の1つがアキュムレータ16の一端に接続され、さらに別の1つが3つの冷媒配管接続部18A、18B、18Cを介して3つのA室熱交換器24A、B室熱交換器24B及びC室熱交換器24Cの一端に接続されている。室外熱交換器13の他端は、3つの電動膨脹弁EVA、EVB、EVCの一端に接続されている。3つの電動膨脹弁EVA、EVB、EVCの他端は、それぞれ、3つの冷媒配管接続部17A、17B、17Cを介して、A室熱交換器24A、B室熱交換器24B及びC室熱交換器24Cの他端に接続されている。アキュムレータ16の他端は、圧縮機11の吸入側に接続されている。A室熱交換器24A、B室熱交換器24B、C室熱交換器24Cの近傍には、A室ファン25A、B室ファン25B、C室ファン25Cがそれぞれ配置されている。A室ファン25Aは、A室ファンモータ26A(
図3参照)によって駆動される。B室ファン25B、C室ファン25Cも、それぞれ図示しない室内ファンモータによって駆動される。
【0024】
圧縮機11と、四路切換弁12と、室外熱交換器13と、電動膨脹弁EVA、EVB、EVCと、A室熱交換器24A、B室熱交換器24B及びC室熱交換器24Cと、アキュムレータ16とが、冷媒配管によって接続されて冷媒回路3が形成されている。この冷媒回路3には、冷媒として例えば微燃性のR32が用いられている。
【0025】
圧縮機11の吐出側には、吐出管温度センサ31が配置されている。また、室外熱交換器13には室外熱交換器温度を検出する室外熱交換器温度センサ32が配置されていると共に、室外熱交換器13の近傍には室外温度を検出する室外温度センサ33が配置されている。
【0026】
A室熱交換器24Aには、室内熱交換器温度を検出するA室熱交換器温度センサ45Aが配置され、A室熱交換器24Aの近傍には、室内温度を検出するA室温度センサ46A及び室内湿度を検出するA室湿度センサ47Aが配置されている。B室熱交換器24Bには、室内熱交換器温度を検出するB室熱交換器温度センサ45Bが配置され、B室熱交換器24Bの近傍には、室内温度を検出するB室温度センサ46B及び室内湿度を検出するB室湿度センサ47Bが配置されている。また、C室熱交換器24Cには、室内熱交換器温度を検出するC室熱交換器温度センサ45Cが配置され、C室熱交換器24Cの近傍には、室内温度を検出するC室温度センサ46C及び室内湿度を検出するC室湿度センサ47Cが配置されている。
【0027】
図2は、室内機20Aを斜め下方から見た斜視図である。室内機20Aは、天井カセットタイプ(天井埋め込み型)の室内機である。なお、本実施形態において、3つの室内機20A、20B、20Cはすべて天井カセットタイプの室内機であるが、一部又は全部が壁掛型や床置き型の室内機であってもよい。
【0028】
室内機20Aは、
図2に示すように、ケーシング本体101と、ケーシング本体101の下側に取り付けられた矩形状のパネル102と、パネル102に着脱可能に取り付けられたグリル103とを含んでいる。なお、
図2では図示省略しているが、パネル102の表面には、発光ダイオード(LED)を有しており、光や文字、図形などによってユーザへの報知を行うA室表示部28A(
図3参照)が設けられている。
【0029】
パネル102の長手方向の一方に、パネル102の短辺に沿って吹出口110が設けられている。また、パネル102には、フラップ120が取り付けられている。フラップ120は、A室フラップ駆動モータ27A(
図3参照)によって駆動されることで所定角度範囲内でパネル102に対して回転可能であり、これによって吹出口110を開閉できる。
図3は、フラップ120により吹出口110が閉じられた状態を示す。
【0030】
ケーシング本体101の側壁からは、ドレンソケット107が突出している。ドレンソケット107には外部からドレンホース(図示せず)が接続される。さらに、ケーシング本体101の側壁からは、配管接続部105、106が突出している。配管接続部105、106には、外部から冷媒配管(図示せず)が接続される。ケーシング本体101からは、吊り金具111~113が側方に突出している。また、ケーシング本体101の近傍には、電装品部108が配置されている。
【0031】
(制御系統)
次に、マルチ型空気調和機1の制御系統について説明する。
図3は、本実施形態に係る空気調和機1のブロック図である。なお、本実施形態において3台の室内機20A、20B、20Cは同じ構造を有しているため、ここでは室内機20Aを中心に説明することとする。また、
図3において室内機20B、20Cの図示を簡略化している。
【0032】
室外機10は、演算装置と記憶装置とを含むマイクロコンピュータ及び入出力回路などからなる室外制御部51を含んでいる。室内機20A、20B、20Cは、それぞれ、演算装置と記憶装置とを含むマイクロコンピュータ及び入出力回路などからなる室内制御部52A、52B、52Cを含んでいる。室外制御部51と室内制御部52Aとは通信線LAによって接続され、室外制御部51と室内制御部52Bとは通信線LBによって接続され、室外制御部51と室内制御部52Cとは通信線LCによって接続されている。室外制御部51と3つの室内制御部52A、52B、52Cとが通信線LA、LB、LCを介して通信を行うことによって、室外制御部51及び室内制御部52A、52B、52Cがマルチ型空気調和機1の制御部50として動作する。
【0033】
室外制御部51には、吐出管温度センサ31、室外熱交換器温度センサ32、及び、室外温度センサ33からの温度検出信号が供給される。また、室外制御部51は、圧縮機11、四路切換弁12、室外ファンモータ14、及び、電動膨脹弁EVA、EVB、EVCなどを制御する。
【0034】
室内制御部52Aには、A室熱交換器温度センサ45A、A室温度センサ46A及びA室湿度センサ47Aからの検出信号が供給される。また、室内制御部52Aは、A室ファンモータ26A、A室フラップ駆動モータ27A、A室表示部28A及びA室通信ユニット29Aなどを制御する。A室通信ユニット29Aは、ユーザによる操作可能な図示しないリモートコントローラ(以下、「リモコン」と言う)との間で無線通信を行う。制御部50は、リモコンからの指令を受けて空気調和機1の動作を制御する。空気調和機1の一部であるリモコンは液晶表示ユニット又は発光ダイオード(LED)を有しており、光や文字、図形などによってユーザへの報知を行うことができる。なお、リモコンは、液晶表示ユニット又は発光ダイオードに加えて又はこれらに代えて、音でユーザに報知するスピーカを有していてもよい。以下において、A室表示部28A及びA室のリモコンのスピーカ等をまとめて報知部と称することがある。また、空気調和機用の制御アプリケーションがインストールされたスマートフォンなどの携帯端末を、空気調和機1の一部であるリモコンとして用いることも可能である。この場合には、携帯端末を報知部として機能させることができる。
【0035】
本実施形態に係るマルチ型空気調和機1において、制御部50は、各室内機において、冷房運転及び暖房運転を含む空調運転、A室ファン25A、B室ファン25B及びC室ファン25Cを回転させる送風運転のほか、後述する洗浄運転を実行できる。
【0036】
本実施形態に係るマルチ型空気調和機1において、室内機20Aで冷房運転を行う場合、室外制御部51は、四路切換弁12を
図1に示す点線の位置に切り換えて、圧縮機11の運転を開始する。このとき、室外制御部51は、電動膨脹弁EVAを所定の開度に開く一方で、電動膨脹弁EVB、EVCは閉じた状態とする。そして、圧縮機11から吐出した高温高圧のガス冷媒は、室外制御部51が室外ファン15を回転させることで、凝縮器として機能する室外熱交換器13において室外空気との熱交換により凝縮して液冷媒となる。次に、室外熱交換器13からの液冷媒は、電動膨脹弁EVAで減圧された後、A室熱交換器24Aに到達する。室内制御部52AがA室ファン25Aを運転することで、減圧された液冷媒は、蒸発器として機能するA室熱交換器24Aにおいて室内空気との熱交換により蒸発してガス冷媒となり、圧縮機11の吸入側に戻る。また、室内制御部52Aがフラップ120を吹出口110が開く位置に移動させることにより、A室熱交換器24Aによって冷やされた空気が吹出口110から排出される。
【0037】
一方、室内機20Aで暖房運転を行う場合、室外制御部51は、四路切換弁2を
図1に示す実線の位置に切り換えて、圧縮機11の運転を開始する。このとき、室外制御部51は、すべての電動膨脹弁EVA、EVB、EVCをそれぞれ所定の開度に開く。したがって、室内機20Aで暖房運転を行うと、それ以外の室内機20B、20Cにも高温冷媒が流れ込む。これは暖房運転を実行しない室内機20B、20C及びその前後の冷媒配管内に冷媒が滞留しないようにするためである。そして、圧縮機11から吐出した高温高圧のガス冷媒は、室内制御部52AがA室ファン25Aを運転することで、凝縮器として機能するA室熱交換器24Aで室内空気との熱交換により凝縮して液冷媒となる。次に、A室熱交換器24A、B室熱交換器24B及びC室熱交換器24Cからの冷媒は、電動膨脹弁EVA、EVB、EVCで減圧された後、室外熱交換器13に到達する。室外制御部51が室外ファン15を回転させることで、減圧された冷媒は、蒸発器として機能する室外熱交換器13において室外空気との熱交換により蒸発してガス冷媒となり、圧縮機11の吸入側に戻る。また、室内制御部52Aがフラップ120を吹出口110が開く位置に移動させることにより、A室熱交換器24Aによって暖められた空気が吹出口110から排出される。
【0038】
制御部50による室外機10及び室内機20A、20B、20Cの制御内容は、リモコンからの指令によって変更される。ユーザは、リモコンを操作することで、暖房運転と冷房運転の選択、運転開始、運転停止、室内温度及び風量の設定、洗浄運転の開始と停止をマルチ型空気調和機1に対して要求できる。ユーザはリモコンを操作することによって、風量を固定モードとするか自動モードとするかを選択できる。固定モードでは、複数段階(例えば「強風」、「弱風」、「微風」の3段階)の中からユーザが選択した段階に風量が固定される。自動モードでは、複数段階の風量から設定温度と室温との差に応じて自動的に最適な風量が選択される。また、ユーザはリモコンを操作することによって、フラップ120の姿勢(位置)を変更することができる。本実施形態において、フラップ120は、室内機の停止状態では吹出口110を閉じる位置にあり、空調運転中及び洗浄運転中には、吹出口110の開く程度が異なる複数の姿勢(水平位置、最大風量位置を含む)のいずれかにある。後述するように室内機のフラップ120の姿勢は洗浄運転中には水平位置又は最大風量位置に固定されるが、空調運転中にはリモコンの操作で変更可能となっている。
【0039】
本実施形態において、室外制御部51には、記憶部51aが含まれている。記憶部51aには、冷房運転時における圧縮機11の上限周波数が記憶されている。例えば室内機20Aでの冷房運転時に、圧縮機11の周波数は、A室の室温、室外温度、設定温度及び風量によって変化する。冷房運転時において、制御部50は、記憶部51aに記憶された上限周波数を超えた周波数で圧縮機11を作動させることはない。
【0040】
本実施形態において、制御部50は、記憶部51aに記憶された複数の上限周波数候補から一の上限周波数候補を選択し、選択された一の上限周波数候補を、冷房運転時における圧縮機11の上限周波数として記憶部51aに記憶させる。本実施形態において、上限周波数候補には、第1種と第2種とがある。第1種の上限周波数候補は、本実施形態では製品保護に関しないものであって、例えば、室内機の露耐力を超えないように室内熱交換器の温度を一定値以上とするためのもの(室内熱交換器に付着する水分がファンからの風によって室内機の外に吹き出される露飛びの防止が目的)、冷媒が配管を通過するときに発生する音を抑制するためのもの(異音の回避が目的)、騒音に対するユーザからの要請があったときに音の発生を抑制するためのもの(騒音回避が目的)、起動時に冷媒が配管を通過するときに発生する音を起動から一定時間内において抑制するためのもの(起動時の異音回避が目的)がある。第2種の上限周波数候補は、本実施形態では製品保護に関するものであって、例えば、現在の電流値を制限して電装品を保護するためのもの(電装品の保護が目的)、現在の吐出管温度を制限して圧縮機を保護するためのもの(圧縮機の保護が目的)、高圧と低圧の比を一定値以下とするためのもの(圧縮機の保護が目的)、圧縮機の低回転時の信頼性確保のためのもの(圧縮機の保護が目的)、圧縮機の圧力が設計圧力を逸脱するのを防止するためのもの(圧縮機の保護が目的)、現在の電装品温度が所定値を超えないようにするためのもの(電装品の保護が目的)、室外温度に比例するもの(異常電圧時などの電流値で保護できない場合での電装品の保護が目的)、起動時の圧縮機信頼性を確保するためのもの(圧縮機の保護が目的)などがある。
【0041】
各上限周波数候補は、室内機の能力等に応じた固定値であってもいいし、空気調和機1に関する種々の条件等に基づいて演算によって求められる可変値であってもよい。上限周波数候補が制御部50での演算によって求められる場合、記憶部51aには最新の上限周波数候補が上書き保存される。一例として、室外温度に比例するように上限周波数候補が定められる場合、定期的に室外温度が検知され、検知された室外温度をパラメータとして上限周波数候補が算出されて記憶部51aに上書きされる。
【0042】
本実施形態において、制御部50は、1以上の第1種の上限周波数候補及び1以上の第2種の上限周波数候補の中での最小値を上限周波数として記憶部51aに記憶させる。1以上の第1種の上限周波数候補の中での最小値が1以上の第2種の上限周波数候補の中での最小値よりも小さいとき、制御部50は、1以上の第1種の上限周波数候補の中での最小値を、上限周波数として記憶部51aに記憶させることになる。以下の説明では、記憶部51aが、1以上の第1種の上限周波数候補の中での最小値を上限周波数として記憶している場合(1以上の第2種の上限周波数候補の中での最小値が上限周波数よりも大きい)について説明する。なお、上限周波数候補に可変値が含まれる場合、冷房運転中及び洗浄運転中においても、記憶部51aに記憶される上限周波数が変更されることがある。
【0043】
また、記憶部51aには、洗浄運転時に上限周波数を超える周波数で圧縮機11を作動させるのを許容することを示す許容情報又は禁止することを示す禁止情報が記憶されている。許容情報が記憶されている場合、制御部50は、洗浄運転時に上限周波数を超えた周波数で圧縮機11を作動させることができる。一方、禁止情報が記憶されている場合、制御部50は、洗浄運転時に上限周波数以下の周波数でしか圧縮機11を作動させない。制御部50は、ユーザのリモコン操作に基づいて、記憶部51aに記憶された許容情報を禁止情報に変更し、禁止情報を許容情報に変更することができる。
【0044】
(洗浄運転)
次に、本実施形態においてマルチ型空気調和機1が実行する洗浄運転の詳細について、
図4をさらに参照しつつ説明する。なお、以下の説明は、すべての室内機が運転を停止した状態で1台の室内機20Aに対して洗浄運転が要求され、洗浄運転が終了するまで他の室内機20B、20Cに対して空調運転及び洗浄運転が要求されないことを前提としている。
【0045】
まず、室内機20Aのリモコンが操作されて、室内機20Aに対して洗浄運転が要求されると、ステップS1において、制御部50は、洗浄運転の蒸発器フェーズを実行する。詳細には、四路切換弁12を
図1に示す点線の位置に切り換えて圧縮機11の運転を開始する。また、制御部50は、A室ファンモータ26Aを駆動してA室ファン25Aを所定回転数で回転させ、A室フラップ駆動モータ27Aを駆動してフラップ120を吹出口110が開く位置に移動させる。なお、このとき吹出口110を閉じる位置にフラップ120を位置させてもよい。このとき、制御部50は、電動膨脹弁EVAを所定の開度に開く一方で、電動膨脹弁EVB、EVCは閉じた状態とする。これによって、冷房運転時と同様に、A室熱交換器24Aが蒸発器として機能し、洗浄運転の蒸発器フェーズが開始する。A室熱交換器24Aの温度が0℃よりも高く露点温度以下になると、A室熱交換器24Aの表面に空気中の水分が結露し始める。この結露水によってA室熱交換器24Aの表面に付着した汚れを洗浄できる。なお、このときA室熱交換器24Aの温度が氷点以下となるようにして、A室熱交換器24Aの表面に空気中の水分を着霜させてもよい。本実施形態において、蒸発器フェーズの長さは、所定時間としている。蒸発器フェーズの長さは、制御部50が環境条件(A室の室内温度と湿度、室外温度のうちの1つ以上)から計算して求めた、洗浄に必要な量の水分がA室熱交換器24A上に結露又は着霜するまでの時間であってもよい。蒸発器フェーズが終わると、制御部50は、圧縮機11の運転を停止させる。
【0046】
本実施形態において、洗浄運転の蒸発器フェーズを実行可能な室温には、下限温度(例えば10℃)が設定されており、制御部50は、室温が下限温度未満では蒸発器フェーズを開始せず、蒸発器フェーズを実行中の場合には中断する。これは、室温が非常に低い場合には空気中の水蒸気量が非常に少なく、A室熱交換器24Aの表面に付着させることができる水分量も非常に少なくなるため、十分な洗浄効果が発揮できないと考えられるからである。また、冷房運転を実行可能な室温にも下限温度が設けられている。本実施形態において、洗浄運転の蒸発器フェーズを実行可能な室温の下限温度は、冷房運転を実行可能な室温の下限温度よりも低い。
【0047】
また、本実施形態において、A室熱交換器24Aの表面への水分の付着を促進するために、同じ環境条件(室温、湿度、室外温度)及び運転条件(設定温度、風量)で比較した際に、洗浄運転の蒸発器フェーズにおける冷媒の蒸発温度は、冷房運転時における冷媒の蒸発温度よりも低い。また、洗浄運転の蒸発器フェーズにおける冷媒の蒸発温度の下限値は、冷房運転時における冷媒の蒸発温度の下限値よりも低い。
【0048】
次に、ステップS2において、制御部50は、洗浄運転の送風フェーズを実行する。詳細には、ステップS1から引き続いて、A室ファンモータ26Aを駆動してA室ファン25Aを回転させる。そして、フラップ120の位置をステップS1時と同じ位置に維持する。送風フェーズでは、圧縮機11が停止しているため、A室熱交換器24Aの温度が蒸発器フェーズにおけるA室熱交換器24Aの温度よりも上昇している。そして、通常、A室熱交換器24Aの温度は露点温度を超える。A室ファン25Aを回転させることによって、A室熱交換器24A上に結露した水分の蒸発を促進できる。本実施形態において、A室ファン25Aの回転数及び送風時間(送風フェーズの長さ)は、一定値に固定されている。なお、送風フェーズでは、A室熱交換器24Aの温度が蒸発器フェーズにおけるA室熱交換器24Aの温度よりも上昇していれば、圧縮機11を停止させなくてもよい。
【0049】
ステップS3において、制御部50は、洗浄運転の凝縮器フェーズを実行する。詳細には、四路切換弁12を
図1に示す実線の位置に切り換えて圧縮機11の運転を開始する。また、制御部50は、ステップS2から引き続いて、A室ファンモータ26Aを駆動してA室ファン25Aを所定回転数で回転させ、そして、フラップ120の位置をステップS1時と同じ位置に維持する。このとき、制御部50は、すべての電動膨脹弁EVA、EVB、EVCをそれぞれ所定の開度に開く。これによって、暖房運転時と同様に、A室熱交換器24Aが凝縮器として機能し、洗浄運転の凝縮器フェーズが開始する。凝縮器フェーズにおいては、A室熱交換器24Aの温度が送風フェーズにおけるA室熱交換器24Aの温度よりも上昇している。そのため、A室熱交換器24Aの表面に残っている水分の蒸発をより一層促進できる。凝縮器フェーズの長さは、所定時間であってよい。凝縮器フェーズが終わると、制御部50は、圧縮機11及びA室ファン25Aを停止させ、A室フラップ駆動モータ27Aを駆動してフラップ120を吹出口110が閉じる位置に移動させる。なお、凝縮器フェーズは、例えばステップS2の送風フェーズを十分に長くした場合には省略できる。
【0050】
(洗浄運転要求時の動作)
次に、本実施形態に係るマルチ型空気調和機1において、A室に設置された室内機20Aでの洗浄運転が要求されたときの動作を、
図5のフローチャートをさらに参照して説明する。以下の各ステップは制御部50によって実行される。
【0051】
室内機20Aでの洗浄運転が要求されると、ステップS11において、制御部50は、B室及びC室に設置された室内機20B、20Cの少なくともいずれかが空調運転中であるかを判断する。洗浄運転が要求された時点で、室内機20Aは空調運転を実行していてもよいし、いずれの運転も実行していなくてもよい。以下の説明においては室内機20B、20Cが洗浄運転中又は送風運転中である場合を省略している。
【0052】
この条件を満たす場合(S11:YES)、ステップS12に進む。制御部50は、ステップS12において、室内機20B、20Cの少なくともいずれかが暖房運転中であるかを判断する。
【0053】
この条件を満たす場合(S12:YES)、ステップS13に進む。以下では、室内機20Cは休止状態で運転されておらず、室内機20Bだけが暖房運転中であると仮定して説明する。制御部50は、ステップS13において、室内機20Bでの暖房運転を継続する。また、制御部50は、A室の室内機20Aの報知部を用いて表示又は音声によって、「他室とのバッティングにより洗浄運転を行えません」という旨をユーザに報知する。
【0054】
ステップS12の条件に該当しない場合(S12:NO)、ステップS14に進む。上述のように本実施形態ではA室以外の室内機が洗浄運転中又は送風運転中である場合を省略しているので、この場合は、室内機20B及び室内機20Cの一方又は両方が冷房運転をしていることになる。以下では、室内機20Cは休止状態で運転されておらず、室内機20Bだけが冷房運転中であると仮定して説明する。ステップS14において、制御部50は、許容情報及び禁止情報のどちらが記憶部51aに記憶されているかを判断する。そして、許容情報が記憶されている場合(S14:YES)、ステップS15に進む。ステップS15において、制御部50は、A室湿度センサ47Aが検知した湿度が所定値以下であるかを判断する。そして、この条件を満たす場合(S15:YES)、ステップS17に進む。
【0055】
ステップS17において、制御部50は、室内機20Aでの洗浄運転を開始する。ステップS17で開始される洗浄運転の蒸発器フェーズでの圧縮機11の周波数は、記憶部51aに記憶された冷房運転時における圧縮機11の上限周波数よりも高く、1以上の第2種の上限周波数候補の中での最小値以下となる。また、制御部50は、室内機20Aのフラップ120を水平位置又は最大風量位置に移動させる。さらに、制御部50は、この時点でA室温度センサ46Aが検出した室温を記憶部51aに記憶させる。制御部50は、室内機20Bで実行している冷房運転を中断することなく継続させる。この後、室内機20Aでの洗浄運転は、
図4で説明した送風フェーズ(S2)、凝縮器フェーズ(S3)へと順次移行する。なお、室内機20Aでの洗浄運転の凝縮器フェーズが開始する時点でB室の冷房運転が終了していなかった場合は、事前に設定された一方を実行し、他方を実行しない。
【0056】
ステップS14の判断に戻って、禁止情報が記憶されている場合(S14:NO)、ステップS16に進む。ステップS16において、制御部50は、室内機20Aでの洗浄運転を開始する。ステップS16で開始される洗浄運転の蒸発器フェーズでの圧縮機11の周波数は、記憶部51aに記憶された冷房運転時における圧縮機11の上限周波数以下となる。このとき、制御部50は、室内機20Aのフラップ120を所定位置に移動させる。さらに、制御部50は、室内機20Bで実行している冷房運転を中断することなく継続させる。また、ステップS15の条件に該当しない場合も(S15:NO)、ステップS16の処理が行われる。
【0057】
ステップS11の条件に該当しない場合(S11:NO)、ステップS12を経由せずにステップS14に進む。以下の処理は、室内機20Bでの冷房運転を継続させる点がない以外は、ステップS12を経由してステップS14に進んだ場合と同じである。
【0058】
(A室洗浄運転中の動作)
次に、本実施形態に係るマルチ型空気調和機1において、上限周波数を超える周波数で圧縮機11を作動させる洗浄運転の蒸発器フェーズ中における動作(S17)を、
図6のフローチャートをさらに参照して説明する。以下の各ステップは制御部50によって実行される。なお、以下の説明ではステップS17の開始時に室内機20Bが冷房運転しているが、室内機20Cは冷房運転していないと仮定している。
【0059】
まず、ステップS31において、制御部50は、室内機20Bにおける風量設定が固定モードであるか又は自動モードであるかを判断する。固定モードである場合(S31:YES)、ステップS33に進む。自動モードである場合(S31:NO)、ステップS32において、制御部50は、設定温度とB室温度センサ46Bが検知した室温に基づいて、最適な風量の段階(「強風」、「弱風」、「微風」のいずれか)を導出する。ステップS33において、制御部50は、ユーザが室内機20Bに設定した固定モードでの風量、又は、ステップS32で導出された自動モードでの風量を1段階少なくする。なお、
図6のフローチャートにおいてステップS33を2回目以降に実行する場合、固定モードであれば、ユーザが前回のステップS33よりも後にリモコンを操作して風量を下げたときだけ、自動モードであれば、ステップS33の直前に導出(S32)された風量がそれより前に導出された風量よりも少なくなったときだけ、さらに風量を少なくする。
【0060】
続いて、ステップS34において、制御部50は、室内機20Bのサーモオフ温度を取得する。ここで「サーモオフ温度」とは、室内機20Aでの洗浄運転がされておらず室内機20Bが冷房運転しているときに、室外機10から室内機20BのB室熱交換器24Bへの冷媒供給が遮断される(電動膨脹弁EVBが閉じる)室内温度の閾値温度を意味する。サーモオフ温度は、設定温度よりも所定温度(例えば1℃)低い値であってよい。そして、ステップS35において、制御部50は、B室温度センサ46Bで検知したB室の室温が、サーモオフ温度よりも所定温度(例えば2℃)高い温度以下であるかを判断する。
【0061】
この条件に該当する場合(S35:YES)、ステップS36において、制御部50は、電動膨脹弁EVBを閉じる。この条件に該当しない場合(S35:NO)、ステップS36を経ることなくステップS37に進む。ステップS37において、制御部50は、電動膨脹弁EVBが閉じているかを判断する。閉じている場合(S37:YES)、ステップS38において、制御部50は、B室温度センサ46Bで検知したB室の室温が、サーモオン温度以上であるかを判断する。ここで、「サーモオン温度」とは、室外機10から室内機20BのB室熱交換器24Bへの冷媒供給が開始される(電動膨脹弁EVBが開く)室内温度の閾値温度を意味する。サーモオン温度は、サーモオフ温度よりも所定温度(例えば4℃)高い値であってよい。
【0062】
この条件に該当する場合(S38:YES)、ステップS39において、制御部50は、電動膨脹弁EVBを開く。この条件に該当しない場合(S38:NO)、ステップS39を経ることなくステップS40に進む。また、ステップS37において電動膨脹弁EVBが開いている場合(S37:NO)も、ステップS40に進む。
【0063】
ステップS40において、制御部50は、リモコンから室内機20Aのフラップ120の姿勢を変更する指示があったかを判断する。そして、指示があった場合(S40:YES)、ステップS41に進む。ステップS41において、制御部50は、リモコンから受信したフラップ120の姿勢変更指示を無効化する。詳細には、制御部50は、姿勢変更指示を受信した際に、そのときの室内機20Aが洗浄運転中であり且つ記憶部51aが許容情報を記憶していることを確認すると、当該姿勢変更指示を受信した際にA室フラップ駆動モータ27Aモータへの駆動命令を出力しない。ステップS41が終了すると、ステップS31に戻る。フラップ120の姿勢変更指示がなかった場合(S40:YES)、ステップS41を経ることなくステップS31に戻る。
【0064】
図6に示す処理は蒸発器フェーズが終了するまで継続される。送風フェーズになると、ステップS33で低減された室内機20Bの風量は元に戻され、室内機20Bのサーモオフに係る室内温度の閾値温度(S35)は通常に戻される。また、蒸発器フェーズが終了して所定時間が経過すると、室内機20Aのフラップ120の姿勢を変更することが可能となる。
【0065】
(A室洗浄運転終了後の動作)
次に、本実施形態に係るマルチ型空気調和機1において、ステップS17の洗浄運転が終了した後における動作を、
図7のフローチャートをさらに参照して説明する。以下の各ステップは制御部50によって実行される。なお、以下で説明する処理は、洗浄運転の凝縮器フェーズの終了後に実行されるが、蒸発器フェーズの終了直後に開始してもよいし、送風フェーズの終了直後に開始してもよい。
【0066】
ステップS51において、制御部50は、室内機20Bでの冷房運転が終了したかを、この条件が満たされるまで繰り返して判断する。終了した場合は(S51:YES)、ステップS52に進む。ステップS52において、制御部50は、この時点でA室温度センサ46Aによって検知された室温が、洗浄運転開始時に記憶部51aに記憶させたA室の室温よりも低いかを判断する。そしてこの条件を満たす場合(S52:YES)、ステップS53に進んで制御部50は室内機20Aの暖房運転を開始する。
【0067】
ステップS54において、制御部50は、この時点でA室温度センサ46Aによって検知された室温が、洗浄運転開始時に記憶部51aに記憶させたA室の室温以上であるかを、この条件が満たされるまで繰り返して判断する。そしてこの条件が満たされた場合(S54:YES)、ステップS55に進んで制御部50は室内機20Aの暖房運転を終了する。
【0068】
(実施形態の効果)
上述のように、本実施形態では、所定の条件を満たした洗浄運転時(S17)に、冷房運転時の上限周波数よりも高い周波数で圧縮機11を作動させるので、上限周波数以下の周波数で圧縮機11を作動させた場合よりも、洗浄運転中の室内機20AのA室熱交換器24Aの温度を露点温度よりも大幅に低い温度とすることができる。そのため、洗浄運転に必要な量の水分が短時間でA室熱交換器24Aに結露又は着霜するので、洗浄運転に要する時間を短縮できる。また、マルチ型空気調和機1において他の室内機が冷房運転時にも、洗浄運転に要する時間を短縮できる。
【0069】
また、本実施形態では、室内機20Aでの洗浄運転中に室内機20Bから吹き出される風量を固定モードでユーザに指示された風量及び自動モードで導出された風量よりも少なくするので(S33)、風量を少なくしない場合よりも、室内機20AのA室熱交換器24Aの温度を低下させることができる。そのため、室内機20AのA室熱交換器24Aにおいて洗浄運転に必要な量の水分をさらに早期に確保しやすくなる。また、室内機20Aでの洗浄運転中にB室の室温が過度に低下するのを抑制できる。
【0070】
さらに、本実施形態では、電動膨脹弁EVBが閉じる閾値温度を通常のサーモオフ温度よりも高くしているので(S35)、閾値温度が通常のサーモオフ温度と同じ場合よりも、室内機20AのA室熱交換器24Aの温度を低下させることができる。そのため、室内機20AのA室熱交換器24Aにおいて必要な量の水分をさらに早期に確保しやすくなる。
【0071】
また、A室湿度センサ47Aが検知した湿度が所定値以下であっても(S15)、洗浄運転時(S17)の圧縮機周波数を冷房運転時の上限周波数よりも高くすることによって、A室熱交換器24Aに結露又は着霜する水分量を確保しやすくなる。
【0072】
加えて、本実施形態では、室内機20Aでの洗浄運転の終了後に暖房運転を行って、A室の室温が洗浄運転の開始時の室温以上となるようにしているので(S53,S54,S55)、洗浄運転時に高い周波数で圧縮機11を作動させてA室の室温が大幅に低下したとしても、すぐに室温を回復させることができる。
【0073】
さらに、本実施形態では、洗浄運転時における冷媒の蒸発温度を、冷房運転時における冷媒の蒸発温度よりも低くするので、室内機20Aの洗浄運転時にA室熱交換器24Aに結露又は着霜する水分量を確保しやすくなる。
【0074】
また、本実施形態では、洗浄運転中にフラップ120を水平位置又は最大風量位置とする。フラップ120を水平位置に維持すると、フラップ120から水滴が落下しにくくなる。フラップ120を最大風量位置に維持すると、フラップ120付近を通過する空気の流れが乱されにくくなってフラップ120が低温となっても水滴が付きにくい。このように、本実施形態では、フラップ120からの結露水の滴下を抑制できる。
【0075】
そして、本実施形態では、洗浄運転中にフラップ120の姿勢変更を禁止しているので(S41)、フラップ120からの結露水の滴下を抑制できる。
【0076】
さらに、本実施形態では、室内機20Aで洗浄運転中であり室内機20Bで冷房運転中であったとしても、A室湿度センサ47Aが検知した湿度が所定値よりも高ければ(S15)、洗浄運転時(S16)の圧縮機周波数を冷房運転時の上限周波数以下とする。このように、A室熱交換器24Aに付着する水分量を確保できることが見込まれる場合に、冷媒音や露飛びを抑制できる。
【0077】
また、本実施形態では、室内機20Aで洗浄運転中であり室内機20Bで冷房運転中であったとしても、上限周波数を超える周波数での作動が禁止されているなどの所定の条件が満たされると、上限周波数以下の周波数で圧縮機11を作動させるので(S14)、室内機20Bが設置された場所での冷媒音を低減できる。
【0078】
また、本実施形態では、複数の上限周波数候補から適切なもの(通常は最小値)を上限周波数として選択することができる。
【0079】
さらに、本実施形態では、一以上の第1種の上限周波数候補の中での最小値が一以上の第2種の上限周波数候補の中での最小値よりも小さいときに、一以上の第1種の上限周波数候補の中での最小値を上限周波数とするので、冷房運転時(S17)には圧縮機周波数を両方の種類の上限周波数候補以下とすることができる。そして、洗浄運転時には圧縮機周波数を第1種の上限周波数候補の最小値を超えるが第2種の上限周波数候補の最小値以下とするので、製品保護を図りつつ洗浄運転に要する時間を短縮できる。
【0080】
(変形例)
上述した実施形態ではマルチ型空気調和機を例に本開示の空気調和機について説明したが、本開示の空気調和機はマルチ型だけでなく、1台の室外機と1台の室内機が冷媒配管で接続されたペア型にも適用できる。その場合、上述した実施形態において、他室の室内機に関する判断及び処理を省略すればよい。また、本開示の空気調和機は、マルチ型空気調和機において、2台以上の室内機において洗浄運転を実行する場合にも適用可能である。上述した本実施形態では複数の上限周波数候補から上限周波数が選択されたが、記憶部51aは複数の上限周波数候補を記憶せず、一の上限周波数を記憶するものであってもよい。
【0081】
また、別の変形例として、上述した実施形態において、
図5に示した室内機20Aでの洗浄運転が要求されたときの動作をステップS14から実行し、ステップS11、12、13を省略してもよい。その場合、B室の室内機20Bが暖房運転中であれば、ステップS16、17において暖房運転を停止させる。さらに別の変形例として、ステップS14、15、16を省略してもよい。
【0082】
また、さらに別の変形例として、室内機20Aでの洗浄運転の要求があった時点でのA室の室温を記憶部51aに記憶するのではなく、所定温度が記憶部51aに予め記憶されていてもよい。その場合、ステップS52では、この時点でA室温度センサ46Aによって検知された室温が、記憶部51aに記憶させた所定温度よりも低いかを判断し、ステップS54では、この時点でA室温度センサ46Aによって検知された室温が、記憶部51aに記憶させた所定温度以上かを繰り返して判断する。さらに別の変形例として、記憶部51aが何らかの温度を記憶しているのではなく、A室の室温が洗浄運転終了時点の室温よりも所定温度高い温度となるまで暖房運転を実行してもよい。その場合、ステップS52を省略し、ステップS54では、この時点でA室温度センサ46Aによって検知された室温が、洗浄運転終了時点の室温に所定温度を加えた温度以上かを繰り返して判断する。また、上述した複数の変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【0083】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0084】
3 冷媒回路
10 室外機
11 圧縮機
12 四路切換弁
13 室外熱交換器
16 アキュムレータ
17A、17B、17C 冷媒配管接続部
18A、18B、18C 冷媒配管接続部
20A、20B、20C 室内機
24A A室熱交換器
24B B室熱交換器
24C C室熱交換器
25A A室ファン
25B B室ファン
25C C室ファン
31 吐出管温度センサ
32 室外熱交換器温度センサ
33 室外温度センサ
45A A室熱交換器温度センサ
45B B室熱交換器温度センサ
45C C室熱交換器温度センサ
46A A室温度センサ
46B B室温度センサ
46C C室温度センサ
EVA、EVB、EVC 電動膨脹弁
【手続補正書】
【提出日】2022-02-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機を含む室外機と、
前記室外機に冷媒配管を介して接続されており、室内熱交換器を含む室内機と、
制御部とを備え、
前記制御部は、
前記室内熱交換器を蒸発器として機能させて前記室内熱交換器を洗浄することを含む洗浄運転と、前記室内熱交換器を蒸発器として機能させて空調を行う冷房運転とを実行可能であり、
前記冷房運転時における前記圧縮機の上限周波数を記憶する記憶部を含んでおり、
前記洗浄運転時には、前記上限周波数よりも高い周波数で前記圧縮機を作動させる空気調和機。
【請求項2】
第1室内機及び第2室内機を含む複数の前記室内機が、前記冷媒配管を介して前記室外機に接続されており、前記制御部は、各室内機で前記洗浄運転又は前記冷房運転を実行可能である請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記制御部は、2台以上の前記室内機で前記洗浄運転中又は前記冷房運転中であり、そのうちの1台以上の前記室内機で前記洗浄運転中であるときに、前記上限周波数よりも高い周波数で前記圧縮機を作動させる請求項2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1室内機で前記洗浄運転中であり前記第2室内機で前記冷房運転中であるときに、前記第2室内機から吹き出される風量をユーザに指示された風量よりも少なくする請求項2又は3に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1室内機で前記洗浄運転中であり前記第2室内機で前記冷房運転中であるときにおける、前記室外機から前記第2室内機の前記室内熱交換器への冷媒供給が遮断される室内温度の閾値温度を、前記第1室内機での前記洗浄運転が実行されていないときにおける前記閾値温度よりも高くする請求項2又は3の空気調和機。
【請求項6】
前記制御部は、前記室内機が設置された場所の湿度が所定値以下であるときに、前記洗浄運転時に前記上限周波数よりも高い周波数で前記圧縮機を作動させる請求項1~5のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記制御部は、前記室内熱交換器を凝縮器として機能させて空調を行う暖房運転をさらに実行可能であり、
前記室内機での前記洗浄運転の終了後に、前記室内機が設置された場所の室温が基準値以上となるように前記暖房運転を実行する請求項1~6のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項8】
前記洗浄運転時における冷媒の蒸発温度は、前記冷房運転時における冷媒の蒸発温度よりも低い請求項1~7のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項9】
前記室内機は、空気の吹出口を開閉可能なフラップを含んでおり、
前記制御部は、前記洗浄運転中に前記フラップを水平位置又は最大風量位置とする請求項1~8のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項10】
前記室内機は、空気の吹出口を開閉可能なフラップを含んでおり、
前記制御部は、前記洗浄運転中に前記フラップの姿勢変更を禁止する請求項1~9のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項11】
前記制御部は、前記室内機が設置された場所の湿度が所定値以上であるときに、当該室内機の前記洗浄運転時に前記上限周波数以下の周波数で圧縮機を作動させる請求項1~10のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項12】
前記制御部は、前記第1室内機で前記洗浄運転中であり前記第2室内機で前記冷房運転中であるときに、所定条件が満たされると、前記上限周波数以下の周波数で前記圧縮機を作動させる請求項2~5のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項13】
前記記憶部が、2以上の上限周波数候補を記憶しているとき、前記制御部は、前記2以上の上限周波数候補から選択された一の前記上限周波数候補を前記上限周波数として前記記憶部に記憶させる請求項1~12のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項14】
前記記憶部が、前記上限周波数候補として、一以上の第1種の上限周波数候補と、一以上の第2種の上限周波数候補とを記憶しており、
前記一以上の第1種の上限周波数候補の中での最小値が、前記一以上の第2種の上限周波数候補の中での最小値よりも小さいとき、
前記制御部は、
前記一以上の第1種の上限周波数候補の中での前記最小値を前記上限周波数として前記記憶部に記憶させ、
前記洗浄運転時には、前記上限周波数よりも高く、前記一以上の第2種の上限周波数候補の中での前記最小値以下の周波数で前記圧縮機を作動させる請求項13に記載の空気調和機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
第1室内機及び第2室内機を含む複数の前記室内機が、前記冷媒配管を介して前記室外機に接続されており、前記制御部は、各室内機で前記洗浄運転又は前記冷房運転を実行可能であってよい。これにより、マルチ型空気調和機への適用が可能となる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】