(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183883
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】情報処理サーバ、および、仮想空間提供システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20221206BHJP
【FI】
G06Q30/06 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091399
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】名塚 一郎
(72)【発明者】
【氏名】稲地 隆志
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB66
(57)【要約】
【課題】仮想空間での活動において、現実との繋がりを感じられやすくすることを可能とした情報処理サーバおよび仮想空間提供システムを提供する。
【解決手段】情報処理サーバ30は、第1空間RS1を模した構造物の配置を有する仮想空間内に、第1空間RS1内での販売員の位置に応じて第1アバターの位置を設定するとともに、第2空間RS2内の顧客に対応する第2アバターの位置を設定する。そして、仮想空間の画像と、第1空間RS1の状況を示す表示とを表示させるための表示データを顧客端末21に送信する。さらに、情報処理サーバ30は、顧客が選択した商品を購入予定の商品として登録する登録処理、および、登録処理によって登録された商品についての決済処理を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品が販売される空間である第1空間に位置する装置から出力される第1情報であって、前記第1空間内の販売員の位置を特定可能な情報である位置特定情報を少なくとも含む前記第1情報を受信する第1受信部と、
前記第1空間を模した構造物の配置を有する仮想空間内に、前記位置特定情報に基づき前記第1空間内での前記販売員の位置に応じて第1のオブジェクトである第1アバターの位置を設定するとともに、前記第1空間とは異なる第2空間内の顧客に対応する第2のオブジェクトである第2アバターの位置を設定する仮想空間生成部と、
前記顧客に操作される表示端末から出力される第2情報であって、前記顧客が選択した商品を示す選択商品情報を少なくとも含む前記第2情報を受信する第2受信部と、
前記選択商品情報が示す商品を購入予定の商品として登録する登録処理、および、前記登録処理によって登録された商品についての決済処理を行う購入処理部と、
前記仮想空間の画像と、前記第1情報に基づく前記第1空間の状況を示す表示とを表示させるための表示データを生成する表示データ生成部と、
前記表示データを前記表示端末に送信する送信部と、
を備える情報処理サーバ。
【請求項2】
前記第1空間とは異なる第3空間内の顧客に操作される表示端末から出力される第3情報を受信する第3受信部をさらに備え、
前記仮想空間生成部は、前記仮想空間内に、前記第3空間内の顧客に対応する第3のオブジェクトである第3アバターの位置を設定し、
前記表示データ生成部は、前記第2空間内の顧客に操作される表示端末のための前記表示データと、前記第3空間内の顧客に操作される表示端末のための前記表示データとを生成し、
前記送信部は、各表示端末のための前記表示データを、各表示端末に送信し、
前記購入処理部は、前記第2情報が含む前記選択商品情報に基づき前記登録処理によって登録された商品の代金の少なくとも一部の支払者を前記第3空間内の顧客として、前記決済処理を進める
請求項1に記載の情報処理サーバ。
【請求項3】
前記第1空間とは異なる第3空間内の顧客に操作される表示端末から出力される第3情報であって、当該顧客が選択した商品を示す選択商品情報を少なくとも含む前記第3情報を受信する第3受信部と、
前記第2空間内の顧客と前記第3空間内の顧客とを含むグループを設定するとともに、前記グループ内の顧客における商品の代金の支払比率を設定するグループ設定部と、をさらに備え、
前記仮想空間生成部は、前記仮想空間内に、前記第3空間内の顧客に対応する第3のオブジェクトである第3アバターの位置を設定し、
前記表示データ生成部は、前記第2空間内の顧客に操作される表示端末のための前記表示データと、前記第3空間内の顧客に操作される表示端末のための前記表示データとを生成し、
前記送信部は、各表示端末のための前記表示データを、各表示端末に送信し、
前記購入処理部は、前記登録処理において、前記グループ内の顧客に操作される前記表示端末からの前記選択商品情報が示す商品を、前記グループによる購入予定の商品として登録し、前記グループによる購入予定の商品として登録された商品についての前記決済処理において、前記第2空間内の顧客と前記第3空間内の顧客との支払額を前記支払比率に従って設定する
請求項1に記載の情報処理サーバ。
【請求項4】
前記支払比率は、前記購入処理部が前記グループによる購入予定の商品を登録するよりも前に設定される
請求項3に記載の情報処理サーバ。
【請求項5】
前記支払比率は、前記購入処理部が前記グループによる購入予定の商品を登録した後に設定される
請求項3に記載の情報処理サーバ。
【請求項6】
前記購入処理部は、前記第2情報が含む前記選択商品情報に基づき前記登録処理によって登録された商品の代金の全額の支払者を前記第3空間内の顧客として、前記決済処理を進める
請求項2に記載の情報処理サーバ。
【請求項7】
購入を希望する商品の選択と商品の代金の支払とのうちで認められる権限を顧客ごとに設定し、互いに異なる権限を有する複数の顧客を含む集団であるファミリーを設定するファミリー設定部をさらに備え、
前記第2空間内の顧客と前記第3空間内の顧客とを含む前記ファミリーが設定されるとともに、前記第2空間内の顧客には前記商品の選択の権限のみが設定され、前記第3空間内の顧客には前記商品の代金の支払の権限が設定され、
前記購入処理部は、前記商品の選択の権限を有する顧客が操作する前記表示端末から前記選択商品情報を受けたときに、前記登録処理を行い、前記登録処理によって登録された商品の代金の支払者を、前記商品を選択した顧客と同一の前記ファミリー内において前記商品の代金の支払の権限を有する顧客として、前記決済処理を進める
請求項2または6に記載の情報処理サーバ。
【請求項8】
前記第1空間の状況を示す表示は、前記第1空間での前記販売員の映像、前記第1空間に位置する商品の映像、および、前記第1空間での前記販売員の作業状況を示す表示の少なくとも1つを含む
請求項1~7のいずれか一項に記載の情報処理サーバ。
【請求項9】
商品が販売される空間である第1空間で第1情報を取得する第1取得部であって、前記第1空間内の販売員の位置を特定可能な情報である位置特定情報を少なくとも含む前記第1情報を取得する前記第1取得部と、
前記第1空間を模した構造物の配置を有する仮想空間内に、前記位置特定情報に基づき前記第1空間内での前記販売員の位置に応じて第1のオブジェクトである第1アバターの位置を設定するとともに、前記第1空間とは異なる第2空間内の顧客に対応する第2のオブジェクトである第2アバターの位置を設定する仮想空間生成部と、
前記第2空間で表示端末を顧客が操作することに基づき第2情報を取得する第2取得部であって、前記顧客が選択した商品を示す選択商品情報を少なくとも含む前記第2情報を取得する前記第2取得部と、
前記選択商品情報が示す商品を購入予定の商品として登録する登録処理、および、前記登録処理によって登録された商品についての決済処理を行う購入処理部と、
前記仮想空間の画像と、前記第1情報に基づく前記第1空間の状況を示す表示とを前記表示端末に表示させるための表示データを生成する表示データ生成部と、
を備える仮想空間提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想現実を利用したショッピングに用いられる情報処理サーバ、および、仮想空間提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、仮想現実を利用したコミュニケーションのためのシステムの開発が進められている。こうしたシステムの用途は、ゲームに留まらず、ショッピングにまで広がっている。例えば、特許文献1,2には、仮想空間内のアバターを利用して、商品の販売員と顧客とが意思疎通を行うことのできるシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-205661号公報
【特許文献2】特開2012-8638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仮想現実を利用したショッピングは、仮想空間内での進行を前提としているゲームとは異なり、本来は現実空間で行われる活動の代替を目的としている。現実空間での活動を仮想空間の活動で代替できれば、交通手段や時間の制約あるいは外出の制限等の理由で、現実空間での活動の場に行くことが困難であるユーザにとって、利便性が高い。
【0005】
しかしながら、現実空間の活動の代替のために用いるには、従来の仮想空間のシステムには不十分な点が多い。まず、仮想空間の活動では、現実との繋がりが感じられ難い。例えば、対面での会話や実物の商品の観察で得られる感覚のように、現実空間での活動で視覚や聴覚を通じて得られる感覚が、仮想空間での活動では損なわれてしまう。それゆえ、仮想空間の活動では、現実との繋がりが感じられ難くなっている。
【0006】
また、現実空間では、複数人で買い物する場合、商品の代金の支払者や支払比率等の決済形式を様々に設定することができる。一方、従来のオンラインショッピングにおける決済のシステムを仮想空間のシステムに単に流用しただけでは、仮想空間を通じたショッピングにおいてこうした様々な決済形式に対応することは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための情報処理サーバは、商品が販売される空間である第1空間に位置する装置から出力される第1情報であって、前記第1空間内の販売員の位置を特定可能な情報である位置特定情報を少なくとも含む前記第1情報を受信する第1受信部と、前記第1空間を模した構造物の配置を有する仮想空間内に、前記位置特定情報に基づき前記第1空間内での前記販売員の位置に応じて第1のオブジェクトである第1アバターの位置を設定するとともに、前記第1空間とは異なる第2空間内の顧客に対応する第2のオブジェクトである第2アバターの位置を設定する仮想空間生成部と、前記顧客に操作される表示端末から出力される第2情報であって、前記顧客が選択した商品を示す選択商品情報を少なくとも含む前記第2情報を受信する第2受信部と、前記選択商品情報が示す商品を購入予定の商品として登録する登録処理、および、前記登録処理によって登録された商品についての決済処理を行う購入処理部と、前記仮想空間の画像と、前記第1情報に基づく前記第1空間の状況を示す表示とを表示させるための表示データを生成する表示データ生成部と、前記表示データを前記表示端末に送信する送信部と、を備える。
【0008】
上記課題を解決する仮想空間提供システムは、商品が販売される空間である第1空間で第1情報を取得する第1取得部であって、前記第1空間内の販売員の位置を特定可能な情報である位置特定情報を少なくとも含む前記第1情報を取得する前記第1取得部と、前記第1空間を模した構造物の配置を有する仮想空間内に、前記位置特定情報に基づき前記第1空間内での前記販売員の位置に応じて第1のオブジェクトである第1アバターの位置を設定するとともに、前記第1空間とは異なる第2空間内の顧客に対応する第2のオブジェクトである第2アバターの位置を設定する仮想空間生成部と、前記第2空間で表示端末を顧客が操作することに基づき第2情報を取得する第2取得部であって、前記顧客が選択した商品を示す選択商品情報を少なくとも含む前記第2情報を取得する前記第2取得部と、前記選択商品情報が示す商品を購入予定の商品として登録する登録処理、および、前記登録処理によって登録された商品についての決済処理を行う購入処理部と、前記仮想空間の画像と、前記第1情報に基づく前記第1空間の状況を示す表示とを前記表示端末に表示させるための表示データを生成する表示データ生成部と、を備える。
【0009】
上記構成によれば、表示端末に、仮想空間の画像と、第1空間の状況を示す表示とが表示される。したがって、仮想空間の画像のみが表示される場合と比較して、第2空間内の顧客は、仮想空間での活動において、現実との繋がりを感じやすくなる。それゆえ、顧客の購買意欲の向上も可能である。
【0010】
上記構成において、前記第1空間とは異なる第3空間内の顧客に操作される表示端末から出力される第3情報を受信する第3受信部をさらに備え、前記仮想空間生成部は、前記仮想空間内に、前記第3空間内の顧客に対応する第3のオブジェクトである第3アバターの位置を設定し、前記表示データ生成部は、前記第2空間内の顧客に操作される表示端末のための前記表示データと、前記第3空間内の顧客に操作される表示端末のための前記表示データとを生成し、前記送信部は、各表示端末のための前記表示データを、各表示端末に送信し、前記購入処理部は、前記第2情報が含む前記選択商品情報に基づき前記登録処理によって登録された商品の代金の少なくとも一部の支払者を前記第3空間内の顧客として、前記決済処理を進めてもよい。
【0011】
上記構成によれば、商品の代金を複数の顧客で分担して支払うことや、商品の選択者とは異なる顧客が支払いを行うことが可能である。したがって、仮想空間を通じた商品の購入において、現実空間にて可能な決済形式と同様の決済形式を利用することができる。
【0012】
上記構成において、前記第1空間とは異なる第3空間内の顧客に操作される表示端末から出力される第3情報であって、当該顧客が選択した商品を示す選択商品情報を少なくとも含む前記第3情報を受信する第3受信部と、前記第2空間内の顧客と前記第3空間内の顧客とを含むグループを設定するとともに、前記グループ内の顧客における商品の代金の支払比率を設定するグループ設定部と、をさらに備え、前記仮想空間生成部は、前記仮想空間内に、前記第3空間内の顧客に対応する第3のオブジェクトである第3アバターの位置を設定し、前記表示データ生成部は、前記第2空間内の顧客に操作される表示端末のための前記表示データと、前記第3空間内の顧客に操作される表示端末のための前記表示データとを生成し、前記送信部は、各表示端末のための前記表示データを、各表示端末に送信し、前記購入処理部は、前記登録処理において、前記グループ内の顧客に操作される前記表示端末からの前記選択商品情報が示す商品を、前記グループによる購入予定の商品として登録し、前記グループによる購入予定の商品として登録された商品についての前記決済処理において、前記第2空間内の顧客と前記第3空間内の顧客との支払額を前記支払比率に従って設定してもよい。
【0013】
上記構成によれば、グループ内の顧客によって選択された商品の代金が、グループ内の顧客によって分担して支払われる。したがって、仮想空間を通じた商品の購入においても、現実空間での商品の購入と同様に、商品を共同で購入することができる。これにより、現実空間での活動により近い活動を、仮想空間にて行うことができる。
【0014】
上記構成において、前記支払比率は、前記購入処理部が前記グループによる購入予定の商品を登録するよりも前に設定されてもよい。
上記構成によれば、予め支払比率が設定されているため、顧客による商品の選択から決済までを円滑に進めることができる。
【0015】
上記構成において、前記支払比率は、前記購入処理部が前記グループによる購入予定の商品を登録した後に設定されてもよい。
上記構成によれば、商品を共同購入するかや支払比率を、顧客が商品を選択した後に決めることができる。したがって、決済形式をより柔軟に選択することができる。
【0016】
上記構成において、前記購入処理部は、前記第2情報が含む前記選択商品情報に基づき前記登録処理によって登録された商品の代金の全額の支払者を前記第3空間内の顧客として、前記決済処理を進めてもよい。
【0017】
上記構成によれば、商品の代金が、当該商品を選択した顧客とは異なる顧客によって支払われる。したがって、仮想空間を通じた商品の購入においても、現実空間での商品の購入と同様に、商品の選択と支払とについての役割分担が可能である。これにより、現実空間での活動により近い活動を、仮想空間にて行うことができる。
【0018】
上記構成において、購入を希望する商品の選択と商品の代金の支払とのうちで認められる権限を顧客ごとに設定し、互いに異なる権限を有する複数の顧客を含む集団であるファミリーを設定するファミリー設定部をさらに備え、前記第2空間内の顧客と前記第3空間内の顧客とを含む前記ファミリーが設定されるとともに、前記第2空間内の顧客には前記商品の選択の権限のみが設定され、前記第3空間内の顧客には前記商品の代金の支払の権限が設定され、前記購入処理部は、前記商品の選択の権限を有する顧客が操作する前記表示端末から前記選択商品情報を受けたときに、前記登録処理を行い、前記登録処理によって登録された商品の代金の支払者を、前記商品を選択した顧客と同一の前記ファミリー内において前記商品の代金の支払の権限を有する顧客として、前記決済処理を進めてもよい。
【0019】
上記構成によれば、顧客ユーザの役割分担が権限の設定として情報処理サーバによって管理され、それに沿って登録処理および決済処理が進められる。したがって、役割分担に沿った商品の購入が円滑に進められる。また、顧客ユーザの権限を制限することで、仮想空間での顧客ユーザの行動を管理することもできるため、親子での利用にも適している。
【0020】
上記構成において、前記第1空間の状況を示す表示は、前記第1空間での前記販売員の映像、前記第1空間に位置する商品の映像、および、前記第1空間での前記販売員の作業状況を示す表示の少なくとも1つを含んでもよい。
【0021】
上記構成によれば、第1空間内の画像や販売員の状況が表示端末に表示されるため、顧客は、仮想空間での活動において、現実との繋がりを感じやすくなる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、仮想空間での活動において、現実との繋がりを感じられやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1実施形態の仮想空間提供システムの全体構成を示すブロック図。
【
図2】第1実施形態の仮想空間提供システムが生成する仮想空間の一例を示す図。
【
図3】第1実施形態の仮想空間提供システムの基本機能における処理の流れを示すシーケンス図。
【
図4】第1実施形態の仮想空間提供システムにおける表示端末の画面の一例を示す図。
【
図5】第1実施形態の仮想空間提供システムの会話機能における処理の流れを示すシーケンス図。
【
図6】第1実施形態の仮想空間提供システムにおける表示端末の画面の一例を示す図。
【
図7】第1実施形態の仮想空間提供システムにおける表示端末の画面の一例を示す図。
【
図8】第1実施形態の仮想空間提供システムの接客状況表示機能における処理の流れを示すフローチャート。
【
図9】第1実施形態の仮想空間提供システムにおける表示端末の画面の一例を示す図。
【
図10】第1実施形態の仮想空間提供システムの室内撮影機能における処理の流れを示すシーケンス図。
【
図11】第1実施形態の仮想空間提供システムにおける表示端末の画面の一例を示す図。
【
図12】第1実施形態の仮想空間提供システムの試用機能における処理の流れを示すシーケンス図。
【
図13】第1実施形態の仮想空間提供システムにおける表示端末の画面の一例を示す図。
【
図14】第1実施形態の仮想空間提供システムの商品購入機能における処理の流れを示すシーケンス図。
【
図15】第1実施形態の仮想空間提供システムの商品購入機能における処理の流れの変形例を示すシーケンス図。
【
図16】第2実施形態の情報処理サーバの構成を示すブロック図。
【
図17】第2実施形態の仮想空間提供システムの商品購入機能における処理の流れを示すシーケンス図。
【
図18】第2実施形態の仮想空間提供システムの商品購入機能における処理の流れの変形例を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1実施形態)
図1~
図15を参照して、情報処理サーバおよび仮想空間提供システムの第1実施形態を説明する。
【0025】
[仮想空間提供システムの全体構成]
図1を参照して、仮想空間提供システム100の全体構成を説明する。まず、仮想空間提供システム100を利用するユーザおよびユーザが存在する空間について説明する。
【0026】
第1空間RS1は、商品が販売される現実の空間である。第1空間RS1は、例えば、店舗、ショールーム、展示会の会場、各種の催事の会場であり、第1空間RS1には、商品もしくは商品の見本が陳列されている。第1空間RS1には、販売員ユーザP1が位置する。販売員ユーザP1は、商品の販売員であり、第1空間RS1を実際に訪れた顧客に対し商品の販売業務を行っている。
【0027】
第2空間RS2および第3空間RS3は、第1空間RS1とは異なる現実の空間である。第2空間RS2には、顧客ユーザP2が位置し、第3空間RS3には、顧客ユーザP3が位置する。顧客ユーザP2,P3は、仮想空間提供システム100を利用した商品の購入を予定する人物である。第2空間RS2および第3空間RS3は、任意の空間であり、例えば、顧客ユーザP2,P3の自宅内の空間等であればよい。なお、第2空間RS2と第3空間RS3とは、互いに異なる空間であってもよいし、同一の空間であってもよい。
【0028】
仮想空間提供システム100においては、第1空間RS1を模した仮想空間である仮想店舗に、販売員ユーザP1に対応するアバターと、顧客ユーザP2に対応するアバターと、顧客ユーザP3に対応するアバターとが配置される。そして、これらのアバターを利用して、ユーザP1,P2,P3間で、商品の売買に関するコミュニケーションが行われる。第1実施形態では、顧客ユーザP2と顧客ユーザP3とが、購入する商品の選択や支払を共同で行う。
【0029】
続いて、仮想空間提供システム100の構成を説明する。
図1が示すように、仮想空間提供システム100は、情報処理サーバ30と、第1空間RS1に位置する第1装置10と、第2空間RS2に位置する第2装置20と、第3空間RS3に位置する第3装置25とを備える。第1装置10は、位置情報収集装置11と、販売員端末12と、撮影装置13とを含む。第2装置20は、顧客端末21を含む。第3装置25は、顧客端末26を含む。
【0030】
第1装置10、第2装置20、第3装置25の各々と情報処理サーバ30とは、ネットワークNWを通じて、相互にデータの送信および受信を行う。第1装置10、第2装置20、第3装置25が含む各装置と情報処理サーバ30との通信に利用されるネットワークNWは、インターネット等の汎用通信回線であってもよいし、各装置の通信のための専用通信回線であってもよい。また、ネットワークNWは、独立した複数のネットワークを含んでいてもよいし、共通した1つのネットワークであってもよい。
【0031】
位置情報収集装置11は、第1空間RS1における販売員ユーザP1の位置を特定可能な情報である位置特定情報Ipを取得する。位置情報収集装置11は、位置特定情報Ipを情報処理サーバ30に送信する。
【0032】
位置特定情報Ipに基づき特定される位置は、第1空間RS1内の基準位置に対する相対的な位置であってもよいし、緯度および経度を利用した絶対的な位置であってもよい。位置情報収集装置11は、販売員ユーザP1の位置を所望の方式にて検出可能な機器を含む。位置の検出方式に応じて、位置情報収集装置11を構成する各機器は、第1空間RS1内の所定位置に配置されていてもよいし、販売員ユーザP1に携帯されていてもよい。
【0033】
例えば、位置情報収集装置11はカメラを含み、当該カメラによって撮影された画像の解析によって販売員ユーザP1の位置が特定されてもよい。販売員ユーザP1の識別は、販売員ユーザP1の顔の識別や、予め販売員ユーザP1に装着させたマーカーの識別等によって行われればよい。
【0034】
また例えば、位置情報収集装置11は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信に対応した発信機と受信機とを含み、販売員ユーザP1が携帯する発信機からの電波を受信機が受信したその受信状況から、販売員ユーザP1の位置が特定されてもよい。
【0035】
なお、位置特定情報Ipは、販売員ユーザP1の位置に加えて向きを特定可能な情報であってもよい。この場合、位置情報収集装置11は、モーションセンサや、ヘッドトラッキングやフェイストラッキングのシステムを構成する機器を含んでいてもよい。
【0036】
位置情報収集装置11が収集した情報に基づく販売員ユーザP1の位置の特定は、位置情報収集装置11にて行われてもよいし、情報処理サーバ30にて行われてもよい。すなわち、位置特定情報Ipは、販売員ユーザP1の位置の特定結果を示す情報であってもよいし、位置特定情報Ipを用いた演算によって販売員ユーザP1の位置を特定可能とする情報であってもよい。
【0037】
販売員端末12は、販売員ユーザP1が、顧客ユーザP2,P3との会話のために利用する装置である。販売員ユーザP1と顧客ユーザP2,P3との会話は、文字、音声、および、動画のいずれかによって行われる。販売員端末12は、会話手段に応じた機器を含んでいればよい。すなわち、販売員端末12は、文字の入力と表示、音声の入力と出力、および、動画の撮影と表示の少なくとも1つが可能な装置であればよい。例えば、販売員端末12は、ヘッドセット、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、ビデオ通話のための装置等である。
【0038】
販売員端末12には、販売員ユーザP1の発言を示す情報である第1会話情報Ic1が入力される。販売員端末12は、第1会話情報Ic1を情報処理サーバ30に送信する。第1会話情報Ic1は、会話手段に応じた、文字、音声、動画のいずれかのデータから構成される。
【0039】
撮影装置13は、第1空間RS1内の画像を撮影する。撮影装置13は動画を撮影可能であることが好ましい。撮影装置13は、例えば、第1空間RS1内の所定位置に固定されたカメラを含む。カメラは、例えば、商品を撮影可能な位置に配置される。あるいは、撮影装置13は第1空間RS1内を移動可能であって、かつ、撮影装置13の動きの遠隔操作が可能であってもよい。遠隔操作が可能な撮影装置13の一例は、テレプレゼンスロボットである。
【0040】
撮影装置13は、第1空間RS1内の撮影データからなる撮影情報Ivを生成して、撮影情報Ivを情報処理サーバ30に送信する。また、撮影装置13の遠隔操作が可能である場合には、撮影装置13は、情報処理サーバ30からの指示を受けて、撮影位置や撮影方向を変更する。
【0041】
第1装置10が出力する情報、言い換えれば、位置情報収集装置11、販売員端末12、撮影装置13の各々が出力する情報は、第1空間RS1の状況を示す情報である第1情報If1である。すなわち、第1情報If1には、位置特定情報Ip、第1会話情報Ic1、および、撮影情報Ivが含まれる。仮想空間提供システム100において、第1装置10は、第1空間RS1で第1情報If1を取得する第1取得部として機能する。
なお、1つの装置が、位置情報収集装置11、販売員端末12、および、撮影装置13の2以上の装置を兼ねていてもよい。
【0042】
第2装置20に含まれる顧客端末21は、画像を表示する表示部を備えた表示端末である。顧客端末21は、顧客ユーザP2に操作される。顧客端末21は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。顧客端末21は、情報処理サーバ30から受信した表示データに基づく画像を表示する。顧客端末21の表示内容には、仮想空間の画像と、第1空間RS1の状況を示す表示である第1状況表示とが含まれる。
【0043】
また、顧客端末21には、仮想空間に対する顧客ユーザP2の指示を示す情報である指示情報Isが入力される。指示情報Isは、顧客ユーザP2に対応するアバターの移動を指示する情報を含む。指示情報Isは、顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される。
【0044】
さらに、顧客端末21には、顧客ユーザP2の発言を示す情報である第2会話情報Ic2が入力される。第2会話情報Ic2は、販売員ユーザP1と顧客ユーザP2との会話手段に応じた、文字、音声、動画のいずれかのデータから構成される。顧客端末21は、会話手段に応じた、文字の入力と表示、音声の入力と出力、動画の撮影と表示の機能を有している。第2会話情報Ic2は、顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される。
【0045】
また、顧客端末21に対する顧客ユーザP2の操作に応じて、顧客端末21から情報処理サーバ30へ、第1空間RS1の画像の要求、商品の試用の要求、決済の要求等の各種の要求が送られる。撮影装置13の遠隔操作が可能である場合、第1空間RS1の画像の要求に際して、顧客端末21には、撮影装置13の動きの指示を示す情報である操作情報Ioが入力され、操作情報Ioは、顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される。
【0046】
また、顧客端末21には、顧客ユーザP2が購入を希望する商品として選択した商品を示す選択商品情報Igが入力される。選択商品情報Igは、顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される。
【0047】
なお、仮想空間提供システム100における顧客端末21の機能は、例えば、顧客端末21にインストールされたアプリケーションソフトウェアによって具体化される。こうしたアプリケーションソフトウェアの具体例は、仮想店舗でのショッピングアプリである。
【0048】
第2装置20が出力する情報、言い換えれば、顧客端末21が出力する情報は、第2情報If2である。すなわち、第2情報If2には、指示情報Is、第2会話情報Ic2、操作情報Io、および、選択商品情報Igが含まれる。仮想空間提供システム100において、第2装置20は、第2空間RS2で第2情報If2を取得する第2取得部として機能する。
【0049】
第3装置25に含まれる顧客端末26は、操作者が顧客ユーザP3であることを除き、顧客端末21と同様の構成を有する表示端末である。すなわち、顧客端末26は、情報処理サーバ30から受信した表示データに基づく画像を表示する。また、顧客端末26には、仮想空間に対する顧客ユーザP3の指示を示す指示情報Is、顧客ユーザP3の発言を示す第3会話情報Ic3、撮影装置13の動きの指示を示す操作情報Io、顧客ユーザP3が購入を希望する商品として選択した商品を示す選択商品情報Igが入力可能であり、入力された情報は、情報処理サーバ30に送られる。
【0050】
第3装置25が出力する情報、言い換えれば、顧客端末26が出力する情報は、第3情報If3である。仮想空間提供システム100において、第3装置25は、第3空間RS3で第3情報If3を取得する第3取得部として機能する。
【0051】
情報処理サーバ30は、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを備えている。
通信部31は、ネットワークNWを通じて、情報処理サーバ30と、第1装置10、第2装置20、第3装置25が含む各装置との接続処理を実行し、接続した装置間でデータの送信および受信を行う。通信部31は、第1装置10から第1情報If1を受信する第1受信部、第2装置20から第2情報If2を受信する第2受信部、および、第3装置25から第3情報If3を受信する第3受信部として機能する。また、通信部31は、顧客端末21,26への表示データの送信、および、撮影装置13への動きの指示の送信を行う送信部として機能する。
【0052】
制御部32は、CPU、および、RAM等の揮発性メモリを含む構成を有する。制御部32は、記憶部33に記憶されたプログラムやデータに基づいて、通信部31による処理の制御、記憶部33における情報の読み出しや書き込み、各種の演算処理等、情報処理サーバ30が備える各部の制御を行う。制御部32は、仮想空間提供システム100において、仮想空間生成部32a、会話処理部32b、接客状況判定部32c、撮影指示部32d、試用実行部32e、表示データ生成部32f、グループ設定部32g、および、購入処理部32hとして機能する。
【0053】
仮想空間生成部32aは、第1空間RS1を模した構造物の配置を有する1つの仮想空間内に、第1アバターA1、第2アバターA2、第3アバターA3を含むオブジェクトの位置を設定する。第1アバターA1は、販売員ユーザP1に対応するアバターであり、第2アバターA2は、顧客ユーザP2に対応するアバターであり、第3アバターA3は、顧客ユーザP3に対応するアバターである。これにより、アバターA1,A2,A3を構成要素に含む仮想空間VSが生成される。
図2は、仮想空間VSの一例を示す。仮想空間VSの構成要素には商品Gdを示すオブジェクトも含まれる。
【0054】
仮想空間生成部32aは、第1情報If1に含まれる位置特定情報Ipに基づいて、第1アバターA1の位置を変更する。また、仮想空間生成部32aは、第2情報If2に含まれる指示情報Isに基づいて、第2アバターA2の位置を変更し、第3情報If3に含まれる指示情報Isに基づいて、第3アバターA3の位置を変更する。すなわち、仮想空間生成部32aは、位置特定情報Ipに基づいて第1アバターA1を移動させ、各指示情報Isに基づいて第2アバターA2および第3アバターA3を移動させる。
【0055】
会話処理部32bは、第1情報If1、第2情報If2、第3情報If3に含まれる各会話情報Ic1,Ic2,Ic3を用いて、販売員ユーザP1と顧客ユーザP2,P3との会話を成立させる処理である会話実行処理を行う。
【0056】
また、会話処理部32bは、アバター間の距離に応じて会話の可否を決定する会話可否決定処理を行う。さらに、会話処理部32bは、会話手段が音声または動画である場合、アバター間の距離に応じて会話の音量を調整する会話音量調整処理を行う。
【0057】
接客状況判定部32cは、第1情報If1を用いて、販売員ユーザP1が、第1空間RS1において、第1空間RS1を実際に訪れている顧客の接客中であるか否かを判定する。販売員ユーザP1が接客中であると判定された場合、接客状況判定部32cは、第1アバターA1が接客中であることを示す表示を、顧客端末21,26への表示データの表示内容に含めさせる。
【0058】
撮影指示部32dは、顧客端末21,26からの要求に応じて、撮影装置13に対する指示を出力する。撮影装置13に対する指示には、撮影装置13が生成した撮影情報Ivの送信の指示が含まれる。また、撮影装置13の遠隔操作が可能である場合、撮影装置13に対する指示には、操作情報Ioに基づいた撮影装置13の動きの指示が含まれる。
【0059】
試用実行部32eは、顧客端末21,26からの要求に応じて、第2アバターA2や第3アバターA3に商品を試用させる処理を行う。商品の試用には、例えば、衣服やアクセサリーである商品の試着や、乗り物である商品の試乗が含まれる。
【0060】
表示データ生成部32fは、顧客端末21,26における表示内容を規定する表示データを生成する。表示データは、仮想空間VSの画像と、第1空間RS1の状況を示す表示である第1状況表示とを、顧客端末21,26に表示させるためのデータである。第1状況表示は、その時点における第1空間RS1の状況を示す表示であって、販売員ユーザP1や商品の画像といった第1空間RS1内の画像、および、販売員ユーザP1の接客状況といった作業状況を示す表示を含む。
【0061】
グループ設定部32gは、購入する商品の選択や支払を共同で行う顧客ユーザの集団であるグループを設定する。グループ設定部32gは、グループに関する情報を、グループデータ33bとして、記憶部33に記憶させる。
【0062】
購入処理部32hは、第2情報If2もしくは第3情報If3に含まれる選択商品情報Igが示す商品を、顧客ユーザP2,P3による購入予定の商品として登録する登録処理を行う。購入予定として登録された商品は、ショッピングカートに入れられている商品として管理される。
【0063】
また、購入処理部32hは、上記登録処理によって登録された商品、すなわち、ショッピングカートに入れられている商品についての決済処理を行う。
登録処理および決済処理において、購入処理部32hは、グループデータ33bを参照し、グループデータ33bに登録されている条件に従って、処理を進める。
【0064】
記憶部33は、不揮発性メモリを含む構成を有し、制御部32が実行する処理に必要なプログラムやデータを記憶している。具体的には、記憶部33は、仮想空間VSの生成に用いられるデータである仮想空間データ33a、および、上述のグループデータ33bを格納している。
【0065】
仮想空間データ33aは、第1空間RS1を模した構造物の配置を有する基礎空間のデータと、仮想空間VS内で移動するオブジェクトのデータとを含む。
基礎空間は、商品等の展示物、展示物の陳列台や棚、柱、壁等の固定されたオブジェクトを含む仮想空間である。基礎空間は、第1空間RS1の人物の移動経路を再現可能に、第1空間RS1を模していればよく、第1空間RS1と基礎空間との構造物の配置は完全に一致していなくてよい。例えば、基礎空間は、第1空間RS1と一致した間取り、すなわち第1空間RS1と一致した通路の配置を有していればよく、基礎空間における展示物の配置は第1空間RS1と完全に一致していなくてもよい。
【0066】
基礎空間のデータは、例えば、基礎空間に対して設定される三次元直交座標系の情報、上述の固定されたオブジェクトの位置情報、基礎空間の位置と第1空間RS1の位置とを対応付けるデータ、基礎空間の描画のためのデータを含む。また、オブジェクトのデータは、アバターA1,A2,A3の描画のためのデータを含む。
【0067】
グループデータ33bは、グループごとの情報として、グループに属する顧客ユーザのユーザ情報、および、決済条件を含む。ユーザ情報は、ID等の顧客ユーザの識別情報を含む。また、ユーザ情報は、顧客ユーザの氏名や連絡先、クレジットカード番号等の決済手段に関する情報を含んでもよい。決済条件は、決済処理に際して購入処理部32hに参照される。決済条件は、グループに属する顧客ユーザにおける商品の代金の支払比率を含む。また、決済条件は、決済処理の進行の条件として、1人の顧客ユーザから決済処理の進行の指示があったとき、グループ内の他の顧客ユーザの承認を得ることを含んでいてもよい。
【0068】
グループデータ33bは、さらに、グループごとの情報として、選択条件を含んでいてもよい。選択条件は、登録処理に際して購入処理部32hに参照される。選択条件は、例えば、登録処理の進行の条件として、1人の顧客ユーザが商品を選択したとき、その商品の登録について、グループ内の他の顧客ユーザの承認を得ることを含んでいてもよい。
【0069】
グループデータ33bは、さらに、グループごとの情報として、クーポン情報を含んでいてもよい。例えば、グループで商品を購入する際に利用できるクーポンが仮想店舗の運営者等から提供され、このクーポンの番号等が、グループで使用可能なクーポン情報としてグループデータ33bに含まれてもよい。
【0070】
グループデータ33bは、さらに、グループごとの情報として、顧客ユーザの権限に関する情報を含んでいてもよい。例えば、決済処理の進行の指示等、仮想店舗への入店から決済までの間に生じる顧客端末21,26に対する操作の一部を、グループ内の特定の顧客ユーザにのみ認めるように、権限が設定される。
【0071】
なお、制御部32における各部の機能は、複数のCPUや、RAM等からなるメモリ等の各種のハードウェアと、これらを機能させるソフトウェアとによって各別に具体化されてもよく、あるいは、共通する1つのハードウェアに複数の機能を与えるソフトウェアによって具体化されてもよい。こうしたソフトウェアは、仮想空間提供プログラムとして、記憶部33に記憶されている。
【0072】
[仮想空間提供システムの動作]
図3~
図15を参照して、仮想空間提供システム100の動作を説明する。仮想空間提供システム100の機能には、基本機能、会話機能、接客状況表示機能、室内撮影機能、試用機能、商品購入機能が含まれる。以下、各機能における仮想空間提供システム100の動作を順に説明する。なお、基本機能、会話機能、接客状況表示機能、室内撮影機能、試用機能については、顧客端末21,26はいずれも同様の動作を行うため、以下では、顧客端末21の動作を中心に説明する。
【0073】
<基本機能>
基本機能は、仮想空間VSにおけるアバターA1,A2,A3の配置と移動、および、こうした仮想空間VSの顧客端末21,26への表示の機能である。
【0074】
図3が示すように、位置情報収集装置11は、位置特定情報Ipを取得して、情報処理サーバ30に送信する(ステップS10)。位置特定情報Ipを受信すると、情報処理サーバ30の仮想空間生成部32aは、仮想空間データ33aを用いて、位置特定情報Ipに基づき特定される第1空間RS1の位置に対応する仮想空間VSの位置に、第1アバターA1の位置を設定する(ステップS11)。
【0075】
これにより、第1空間RS1での構造物に対する販売員ユーザP1の位置関係と、仮想空間VSでの構造物に対する第1アバターA1の位置関係とが対応するように、第1アバターA1の位置が設定される。ステップS10およびステップS11の処理が所定の間隔で繰り返されることにより、第1空間RS1での販売員ユーザP1の移動に従って、仮想空間VS内での第1アバターA1の位置が変化する。
【0076】
一方、顧客ユーザP2が、仮想店舗の表示を要求する所定の操作を顧客端末21に対して行うと、仮想空間VSの表示の要求が顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される(ステップS12)。所定の操作は、例えば、仮想店舗でのショッピングアプリを顧客端末21で起動することによって表示される画面の所定領域を選択する操作である。
【0077】
顧客端末21からの要求を受けると、情報処理サーバ30の仮想空間生成部32aは、仮想空間データ33aを用いて、仮想空間VS内の所定の位置に、第2アバターA2の位置を設定する(ステップS13)。所定の位置は、例えば、仮想店舗の入口に対応する位置である。
【0078】
情報処理サーバ30の表示データ生成部32fは、仮想空間データ33aおよび仮想空間生成部32aが設定したアバターA1,A2の位置情報を用いて、表示データを生成する。表示データは、通信部31から、顧客端末21に送信される(ステップS14)。
【0079】
表示データを受信すると、顧客端末21は、表示データに基づいた画像を表示部に表示する。これにより、顧客端末21に、基本画面200が表示される(ステップS15)。すなわち、基本機能にてステップS14の処理で生成される表示データは、基本画面200を表示させるデータである。
図4は、顧客端末21に表示される基本画面200の一例を示す。基本画面200は、顧客ユーザP2が、第2アバターA2を移動させることにより仮想空間VS内の商品を見て回るための画面である。
【0080】
基本画面200に対して顧客ユーザP2が各種の操作を行うことにより、顧客端末21に指示情報Isが入力され、指示情報Isが顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される(ステップS16)。具体的には、例えば基本画面200でのドラッグにより、第2アバターA2の移動方向と移動量とを指示する情報が指示情報Isとして顧客端末21に入力される。
【0081】
指示情報Isを受信すると、情報処理サーバ30の仮想空間生成部32aは、指示情報Isに従って、仮想空間VSの構成を変更する(ステップS17)。具体的には、仮想空間生成部32aは、指示情報Isに従って、第2アバターA2の位置を変更する。
【0082】
表示データ生成部32fは、仮想空間生成部32aが変更した情報を用いて表示データを生成し、表示データは、通信部31から、顧客端末21に送信される(ステップS18)。
【0083】
顧客端末21が表示データに基づいた画像を表示部に表示することにより、基本画面200にて指示情報Isに応じた変更が反映される(ステップS19)。具体的には、第2アバターA2の位置が移動する。
【0084】
以上のように、顧客端末21の操作に基づき仮想空間VSに第2アバターA2の位置が設定され、仮想空間VSの画像が顧客端末21に表示される。同様に、顧客端末26の操作に基づき仮想空間VSに第3アバターA3の位置が設定され、仮想空間VSの画像が顧客端末26に表示される。
【0085】
図4を参照して、基本画面200の詳細を説明する。
図4は、顧客端末21に表示される基本画面の一例を示す。基本画面200は、仮想空間VSの画像が表示される仮想領域210と、各種の設定変更や機能利用のための操作を受け付ける操作領域220とを含む。仮想領域210の画像は、第2アバターA2の背後等、第2アバターA2の周囲に設定された視点から仮想空間VSを見た画像であってもよいし、第2アバターA2の視点から仮想空間VSを見た画像であってもよい。また、これらの視点が切り替え可能であってもよい。設定された視点からの視野範囲に第1アバターA1や第3アバターA3が位置する場合には、仮想領域210の画像には、これらのアバターA1,A3が含まれる。
【0086】
仮想領域210内の商品Gdが位置する箇所には、商品に関する情報を示す商品表示211が位置する。商品に関する情報は、例えば、商品の説明や商品の購入者からの評価である。なお、商品表示211は、商品Gdの位置する箇所を選択したときに表示されてもよい。商品表示211は、仮想空間VSの構成要素であってもよい。あるいは、商品表示211は、仮想空間VSの構成要素でなくてもよく、仮想空間VSの画像内の特定の箇所に商品表示211が表示されるように、表示データが構成されていてもよい。商品表示211の描画に要するデータは、予め記憶部33に記憶されている。なお、商品Gdが目立ちやすいように、商品Gdの色や輪郭が強調されていてもよいし、点滅や動き等の視覚効果が商品Gdに付されていてもよい。商品Gdを目立たせるためのこうした演出効果は、第2アバターA2が商品Gdに近づいたときに発現してもよい。
【0087】
また、仮想領域210内の任意の箇所を選択することにより、当該箇所の拡大表示が可能であってもよい。仮想空間VSの広い範囲を表示させて第2アバターA2の移動のための操作を行い、拡大表示にて商品Gdを選択する操作を行えば、各操作を効率よく行うことができる。こうした表示の切り替えは、顧客端末21が表示データからデータを生成することにより、情報処理サーバ30との情報の授受を行わずに顧客端末21にて行われてもよい。あるいは、表示の切り替えを指示する情報が指示情報Isに含まれて顧客端末21から情報処理サーバ30に送られ、指示情報Isに従った変更が反映された表示データを情報処理サーバ30から顧客端末21が受信することに基づいて、表示が切り換えられてもよい。
【0088】
なお、販売員端末12が画像の表示機能を有する場合、販売員端末12にも仮想空間VSの画像が表示可能であってもよい。すなわち、販売員端末12からの要求に応じて、情報処理サーバ30は、仮想空間VSの画像を表示させるためのデータを販売員端末12に送信してもよい。
【0089】
<会話機能>
会話機能は、販売員ユーザP1と顧客ユーザP2,P3との会話を実現する機能である。例えば、顧客ユーザP2,P3が、商品について販売員ユーザP1に質問したい場合に利用される。まず、販売員ユーザP1と顧客ユーザP2とが会話する場合を例として、会話機能における仮想空間提供システム100の基本動作を説明する。
【0090】
図5が示すように、顧客ユーザP2が、第1アバターA1に会話を要求する所定の操作を顧客端末21に対して行うと、選択された第1アバターA1を対象とする会話の要求が顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される(ステップS20)。所定の操作は、例えば、基本画面200に表示される第1アバターA1および会話の開始を指示する領域を選択する操作である。第1アバターA1の選択によって、基本画面200には、第1アバターA1に対応する販売員ユーザP1の紹介が表示されてもよい。
【0091】
顧客端末21からの要求を受けると、情報処理サーバ30の会話処理部32bは、通信部31を介して、対象となっている第1アバターA1に対応する販売員ユーザP1の販売員端末12を呼び出す(ステップS21)。これにより、販売員端末12では音声や振動で着信の通知が行われる。なお、第1アバターA1と販売員端末12との対応付けは情報処理サーバ30にて予め行われればよい。
【0092】
販売員ユーザP1が、呼び出しに応答する操作を販売員端末12にて行うと(ステップS22)、顧客端末21、販売員端末12、情報処理サーバ30の各々で会話実行処理が行われる(ステップS23,S24,S25)。
【0093】
すなわち、販売員端末12に入力された第1会話情報Ic1は、情報処理サーバ30を介して顧客端末21に送信され、第1会話情報Ic1に基づく出力が顧客端末21で行われる。また、顧客端末21に入力された第2会話情報Ic2は、情報処理サーバ30を介して販売員端末12に送信され、第2会話情報Ic2に基づく出力が販売員端末12で行われる。これにより、一方の端末に、文字、音声、動画のいずれかで入力された発言が、他方の端末で出力され、販売員ユーザP1と顧客ユーザP2との会話が成立する。
【0094】
このように、会話処理部32bによる会話実行処理には、販売員端末12から受けた第1会話情報Ic1の顧客端末21への送信、および、顧客端末21から受けた第2会話情報Ic2の販売員端末12への送信を、通信部31に指示する処理が含まれる。
【0095】
販売員ユーザP1と顧客ユーザP2との会話の成立までには、会話対象の第1アバターA1の選択、第1アバターA1がいる領域への第2アバターA2の移動といった、アバターA1,A2に対する顧客ユーザP2の操作が生じる。また、販売員ユーザP1と顧客ユーザP2との会話中には、第1アバターA1や第2アバターA2が発話していることを示す表示が顧客端末21に表示されることが好ましい。このように、販売員ユーザP1と顧客ユーザP2との会話には、会話に関わる操作あるいは表示について、第1アバターA1および第2アバターA2が介在する。
【0096】
なお、会話の開始形態は、顧客端末21からの要求を受けて情報処理サーバ30が販売員端末12を呼び出す形態に限られない。例えば、会話の時刻や順番の予約を顧客端末21から情報処理サーバ30が受け付け、予約に従って、顧客端末21、販売員端末12、情報処理サーバ30の各々で会話実行処理が開始されてもよい。
【0097】
具体的には、情報処理サーバ30の記憶部33は、予約者および予約時間を含むテーブル等から構成される予約データを記憶しており、予約データに基づく情報が情報処理サーバ30から顧客端末21に送信されることに基づき、顧客端末21にて販売員ユーザP1との会話の予約状況が確認可能とされる。顧客ユーザP2が予約状況にて空いている時間を指定すると予約の要求が顧客端末21から情報処理サーバ30に送られ、会話処理部32bは、顧客ユーザP2による販売員ユーザP1との会話の予約として、指定された時間の予約を予約データに登録する。そして、予約データにおける予約に従って、会話が開始される。このように、会話の予約が可能であれば、顧客ユーザP2が販売員ユーザP1と会話したいと思ったときに、販売員ユーザP1が接客中等であって直ぐに対応できない場合であっても、その後に会話できる時間を予め確保できる。したがって、顧客ユーザP2にとって利便性が高められる。
【0098】
また、販売員端末12からの要求を受けて情報処理サーバ30が顧客端末21を呼び出すことに基づき、会話が開始されてもよい。また、会話手段は顧客端末21や販売員端末12にて選択可能であってもよい。
【0099】
図6および
図7は、会話手段が動画である場合に、会話実行処理の実施中に顧客端末21に表示される会話画面201の一例を示す。会話画面201は、上述した仮想領域210および操作領域220に加えて、販売員端末12が撮影した会話中の販売員ユーザP1の映像が表示される映像領域230を含む。映像領域230に表示される映像は、第1空間RS1の状況を示す表示である第1状況表示300の一例である。この場合、第1状況表示300は、第1情報If1のうちの第1会話情報Ic1に基づく第1空間RS1の状況を示す。第1会話情報Ic1は動画データから構成される。
【0100】
会話中に販売員ユーザP1の映像が表示されることにより、顧客ユーザP2は、仮想空間VSを通したコミュニケーションの最中でありながら、対面での会話に近い感覚を得ることができる。したがって、仮想空間VSでの活動において、現実との繋がりが感じられやすくなる。
【0101】
図6が示すように、会話画面201では、仮想領域210を主として、仮想領域210の一部に映像領域230が重ねられるように、仮想領域210と映像領域230とが配置されてもよい。反対に、
図7が示すように、映像領域230を主として、映像領域230の一部に仮想領域210が重ねられるように、仮想領域210と映像領域230とが配置されてもよい。また、仮想領域210と映像領域230とのいずれを主とするかが選択可能であってもよい。
【0102】
いずれの場合であれ、仮想領域210と映像領域230とは、1つの画面に同時に表示される。すなわち、会話実行処理が行われている間、情報処理サーバ30の表示データ生成部32fは、会話画面201を表示させる表示データとして、仮想領域210と映像領域230とを1つの画面に表示させるデータを生成し、通信部31を介して顧客端末21に送信する。この場合、第1会話情報Ic1は、会話処理部32bの指示に基づき、表示データに含められて、顧客端末21に送信される。
【0103】
仮想領域210と映像領域230とが1つの画面に同時に表示されることにより、顧客ユーザP2は、仮想空間VSで買い物をしている感覚と、現実空間での会話に近い感覚とを一緒に得ることができる。それゆえ、これらの感覚の融合により、仮想空間VSでの活動で得られる感覚として、現実空間での体験により近い感覚を得ることができる。したがって、現実との繋がりがより感じられやすくなる。
【0104】
なお、会話手段が動画である場合、販売員端末12には、顧客端末21が撮影した顧客ユーザP2の映像のみが表示されてもよいし、顧客ユーザP2の映像と仮想空間VSの画像とが表示されてもよい。
【0105】
続いて、会話処理部32bによる会話可否決定処理について説明する。会話機能においては、第1アバターA1と第2アバターA2との間の距離に応じて会話の可否が決定されてもよい。この場合、先の
図5のステップS20の処理による顧客端末21からの会話の要求を受けると、会話処理部32bは、会話可否決定処理を行う。
【0106】
会話決定処理において、会話処理部32bは、仮想空間VSにおける第1アバターA1と第2アバターA2との間の距離Lが、所定の閾値以下であるかを判定する。所定の閾値は、第1空間RS1内での距離に換算した場合に、2人の人物間で会話が可能である距離に設定される。そして、距離Lが閾値以下である場合、会話処理部32bは、会話を許可することを決定し、会話可否決定処理を終了する。会話が許可される場合、会話処理部32bは、先の
図5のステップS21以降の処理を進める。
【0107】
距離Lが閾値を超えている場合、会話処理部32bは、会話を許可しないことを決定し、会話可否決定処理を終了する。会話が許可されない場合、会話処理部32bは、通信部31を介して、顧客端末21に、アバター間の距離が遠いために会話ができないことを通知し、こうした通知が顧客端末21に表示される。
【0108】
上記構成によれば、顧客ユーザP2が販売員ユーザP1に話しかけたい場合には、第2アバターA2を第1アバターA1に近づける必要がある。また、顧客ユーザP2が販売員ユーザP1から話しかけられることを避けたい場合には、第2アバターA2を第1アバターA1から遠ざければよい。このように、現実の店舗で顧客と販売員との間の距離が会話の可否に影響を及ぼすことと同様に、アバター間の距離が会話の可否に影響を及ぼす。そのため、顧客ユーザP2は、仮想空間VSでの活動において、現実空間での体験により近い感覚を得ることができる。
【0109】
次に、会話処理部32bによる会話音量調整処理について説明する。会話手段が音声または動画である場合、会話機能においては、第1アバターA1と第2アバターA2との間の距離に応じて会話の音量が調整されてもよい。この場合、会話処理部32bは、会話実行処理に先立ち、会話音量調整処理を行う。
【0110】
会話音量調整処理では、会話処理部32bは、第1アバターA1と第2アバターA2との間の距離Lに応じた会話音量を設定する。詳細には、会話処理部32bは、距離Lが大きいほど、会話音量を小さく設定する。
【0111】
その後、会話処理部32bは、設定した会話音量で会話実行処理を進める。すなわち、会話処理部32bは、設定した会話音量での音声の出力の指示と共に、第1会話情報Ic1を、通信部31を介して顧客端末21に送信する。この場合、第1会話情報Ic1は、音声データから構成されるか、動画データの一部として音声データを含む。これにより、顧客端末21では、第1会話情報Ic1に基づき、設定された会話音量で販売員ユーザP1の発言が出力される。
【0112】
上記構成によれば、現実の店舗で顧客と販売員との間の距離が会話の音量に影響を及ぼすことと同様に、アバター間の距離が会話の音量に影響を及ぼす。そのため、顧客ユーザP2は、仮想空間VSでの活動において、現実空間での体験により近い感覚を得ることができる。
【0113】
会話音量調整処理を、会話実行処理を開始した後にも所定の間隔で実施する、あるいは、第1会話情報Ic1を顧客端末21へ送信する機会ごとに実施することにより、会話中にアバター間の距離Lが変化すると、その変化に伴って会話音量が変化する。これにより、顧客ユーザP2は、現実空間での体験により近い感覚を得ることができる。
【0114】
なお、販売員端末12における会話音量は、顧客端末21と同様に第1アバターA1と第2アバターA2との間の距離Lに応じて変更されてもよいし、一定であってもよい。
また、上述した販売員ユーザP1と顧客ユーザP2との会話と同様に、顧客ユーザP2と顧客ユーザP3との会話が可能であればよい。この場合、顧客端末21に入力された第2会話情報Ic2が、情報処理サーバ30を介して顧客端末26に送信され、また、顧客端末26に入力された第3会話情報Ic3は、情報処理サーバ30を介して顧客端末21に送信される。
【0115】
<接客状況表示機能>
接客状況表示機能は、販売員ユーザP1の第1空間RS1での接客状況が第1アバターA1の表示に反映される機能である。販売員ユーザP1は、第1空間RS1を実際に訪れた顧客に対しても接客を行っているため、販売員ユーザP1が第1空間RS1で接客中であるとき、販売員ユーザP1は、仮想空間VSを通じた顧客ユーザP2,P3からの会話の要求に応えることができない。接客状況表示機能により、仮想空間VSで第1アバターA1を利用した販売員ユーザP1による接客が可能か否かを、顧客ユーザP2,P3は容易に把握することができる。
【0116】
図8は、接客状況表示機能における情報処理サーバ30の処理の手順を示す。まず、ステップS50の処理として、情報処理サーバ30の通信部31は、第1装置10から、販売員ユーザP1の接客状況を判定可能な情報である判定用情報Ijを受信する。判定用情報Ijを受信すると、情報処理サーバ30の接客状況判定部32cは、ステップS51の処理として、判定用情報Ijに基づき、第1空間RS1で販売員ユーザP1が接客中か否かを判定する。
【0117】
例えば、位置情報収集装置11がカメラを含み、位置特定情報Ipを用いた販売員ユーザP1の位置の特定の際に、撮影された画像の解析によって販売員ユーザP1が識別される場合、同様の画像の解析によって、販売員ユーザP1から所定の範囲内に他の人物が位置するかが判定される。この場合、位置情報収集装置11から出力される情報が、判定用情報Ijとして機能する。判定用情報Ijは、第1情報If1に含まれる。上記所定の範囲は、販売員ユーザP1と他の人物とが会話しているときに、他の人物が位置すると想定される範囲に設定される。接客状況判定部32cは、販売員ユーザP1から所定の範囲内に他の人物が位置するとき、販売員ユーザP1が接客中であると判定する。
【0118】
販売員ユーザP1が接客中であると判定される場合(ステップS51で肯定判定)、ステップS52の処理にて、表示データ生成部32fは、第1アバターA1が接客中であることを示す接客中表示を含む基本画面200を表示させる表示データを生成する。この表示データに基づく基本画面200が顧客端末21,26にて表示されることにより、接客中表示が仮想空間VSの画像と共に顧客端末21,26に表示される。
【0119】
販売員ユーザP1が接客中でないと判定される場合(ステップS51で否定判定)、ステップS53の処理にて、表示データ生成部32fは、接客中表示を含まない基本画面200を表示させる表示データを生成する。
【0120】
図9は、顧客端末21に表示される、接客中表示212を含む基本画面200の一例を示す。
図9では、アバターA1,A2,A3とは異なる第4アバターA4が第1アバターA1の付近に配置され、第1アバターA1と第4アバターA4との間にこれらが会話中であることを示す表示が付されている。こうした第1アバターA1が第4アバターA4と会話中であることを示す表示が、接客中表示212である。
【0121】
接客中表示212は、上記例に限らず、第1アバターA1に接客中であることを示す札を付すことや、第1アバターA1の色を変化させること等であってもよい。接客中表示212は、第1アバターA1に関連付けられて表示されればよい。接客中表示212は、第1アバターA1が接客中であることを示すとともに、販売員ユーザP1が第1空間RS1において接客中であることを示す機能を有する。接客中表示212は、仮想空間VSの構成要素であってもよいし、あるいは、接客中表示212は、仮想空間VSの構成要素ではなく、第1アバターA1の付近に接客中表示212が表示されるように、表示データが構成されていてもよい。接客中表示212の描画に要するデータは、予め記憶部33に記憶されている。
【0122】
接客中表示212によって、顧客ユーザP2,P3は、第1アバターA1に対応する販売員ユーザP1が、会話の要求に応えられない状態であることを容易に把握できる。そのため、第1アバターA1に話しかけるタイミングの調整等が可能であり、仮想空間VSでの活動を効率よく進めることができる。
【0123】
そして、接客中表示212によって、仮想空間VS内で、第1空間RS1での顧客ユーザP2の接客状況が示されるため、第1アバターA1が、仮想空間VS内でのみ接客を行うキャラクターではなく、現実空間の店舗で実際に接客を行っている販売員の分身であることを、顧客ユーザP2,P3が感じ取りやすい。したがって、仮想空間VSでの活動において、現実との繋がりが感じられやすくなる。
また、仮想空間VSの画像と接客中表示212とが、1つの画面に同時に表示されるため、仮想空間VSでの活動と現実との繋がりがより感じられやすくなる。
【0124】
接客中表示212は、第1空間RS1の状況を示す表示である第1状況表示300の一例であり、かつ、販売員ユーザP1の作業状況を示す表示である。この場合、第1状況表示300は、判定用情報Ijに基づく第1空間RS1の状況を示す。
【0125】
なお、販売員ユーザP1が接客中か否かの判定は、位置情報収集装置11が出力した情報に限らず、第1装置10に含まれるいずれかの装置が出力した情報に基づき行われればよい。言い換えれば、判定用情報Ijは、第1装置10が出力した情報であれば、位置情報収集装置11が出力した情報でなくてもよい。
【0126】
例えば、販売員ユーザP1は、第1空間RS1で接客を開始するとき、販売員端末12に対して所定の操作を行う。これにより、販売員端末12から情報処理サーバ30へ、販売員ユーザP1が接客中であることを示す情報が判定用情報Ijとして送信される。当該情報を受信することに基づき、接客状況判定部32cは、販売員ユーザP1が接客中であると判定する。
【0127】
また、販売員ユーザP1が第1空間RS1を訪れた顧客への対応を行っている場合に限らず、例えば販売員ユーザP1が電話中であるときも、接客状況判定部32cは、販売員ユーザP1が接客中であると判定し、接客中表示212の表示が行われてもよい。例えば、販売員ユーザP1は、電話に応答するときに、販売員端末12に対して所定の操作を行う。これにより、販売員端末12から情報処理サーバ30へ判定用情報Ijが送信され、接客状況判定部32cは、販売員ユーザP1が接客中であると判定する。
【0128】
また、接客中に限らず、販売員ユーザP1が第1空間RS1での作業のために仮想空間VSを通じた会話の要求に応えられないときに、第1状況表示300として、販売員ユーザP1が会話の要求に応えられない状態であることを示す表示が、顧客端末21に表示されてもよい。こうした表示も、販売員ユーザP1の作業状況を示す表示に含まれる。
【0129】
<室内撮影機能>
室内撮影機能は、商品の画像等、第1空間RS1内の画像を撮影して顧客端末21,26に表示する機能である。室内撮影機能は、例えば、顧客ユーザP2,P3が商品の実物の色や形状を確認したい場合に利用される。以下では、顧客ユーザP2が室内撮影機能を利用する場合を例に、仮想空間提供システム100の動作を説明する。
【0130】
図10が示すように、顧客ユーザP2が、第1空間RS1内の撮影を要求する所定の操作を顧客端末21に対して行うと、撮影の要求が顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される(ステップS60)。所定の操作は、例えば、基本画面200に表示される撮影を指示する領域を選択する操作である。
【0131】
顧客端末21からの要求を受けると、情報処理サーバ30の撮影指示部32dは、撮影装置13に対する撮影の指示を出力する。撮影の指示は、通信部31から撮影装置13に送られる(ステップS61)。撮影の指示を受けると、撮影装置13は撮影処理を行う(ステップS62)。撮影処理には、第1空間RS1内の撮影により撮影情報Ivを生成して、撮影情報Ivを情報処理サーバ30に送信する処理が含まれる。
【0132】
撮影装置13の遠隔操作が可能である場合、顧客端末21には操作情報Ioが入力され、操作情報Ioが顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される。この場合、撮影指示部32dは、操作情報Ioに従った動きの指示を含む撮影の指示を出力する。そして、撮影装置13の撮影処理には、情報処理サーバ30からの指示に従った位置や向きの変更が含まれる。
【0133】
例えば、顧客端末21に表示されている仮想空間VSの画像中に、撮影装置13の位置を示す表示が含まれ、この表示に対するドラッグ等の操作により、撮影装置13の移動方向と移動量を指示する情報が、操作情報Ioとして顧客端末21に入力される。撮影装置13の位置は、例えば、位置情報収集装置11が撮影した画像の解析によって販売員ユーザP1の位置が特定される場合、同様の画像の解析によって特定されてもよい。あるいは、撮影装置13が、自身の位置情報を取得して情報処理サーバ30に送信する機能を有し、撮影装置13からの位置情報に基づいて、撮影装置13の位置が特定され、顧客端末21での表示に反映されてもよい。
【0134】
情報処理サーバ30が撮影装置13から撮影情報Ivを受信すると、情報処理サーバ30の表示データ生成部32fは、撮影装置13が撮影した画像を含む観察画面202を表示させるための表示データを生成する。表示データは、通信部31から、顧客端末21に送信される(ステップS63)。
【0135】
表示データを受信すると、顧客端末21は、表示データに基づいた画像を表示部に表示する。これにより、顧客端末21に、観察画面202が表示される(ステップS64)。
図11は、顧客端末21に表示される観察画面202の一例を示す。観察画面202は、仮想領域210および操作領域220に加えて、撮影装置13が撮影した画像が表示される撮影領域240を含む。撮影領域240に表示される画像は、第1空間RS1の状況を示す表示である第1状況表示300の一例である。この場合、第1状況表示300は、第1情報If1のうちの撮影情報Ivに基づく第1空間RS1の状況を示す。
【0136】
観察画面202では、
図11が示すように、仮想領域210を主として、仮想領域210の一部に撮影領域240が重ねられるように、仮想領域210と撮影領域240とが配置されてもよい。あるいは、撮影領域240を主として、撮影領域240の一部に仮想領域210が重ねられるように、仮想領域210と撮影領域240とが配置されてもよい。また、仮想領域210と撮影領域240とのいずれを主とするかが選択可能であってもよい。いずれの場合であれ、仮想領域210と撮影領域240とは、1つの画面に同時に表示される。すなわち、観察画面202の表示のための表示データは、仮想領域210と撮影領域240とを1つの画面に表示させるデータである。
【0137】
撮影装置13が撮影した画像が顧客端末21に表示されることによって、顧客ユーザP2は、商品の色や形状を確認できる。そのため、顧客ユーザP2は、こうした商品の外観を参考にしながら、購入する商品を選択することができる。したがって、商品の適切な選択が可能であるとともに、現実空間で商品を見て選ぶことに近い感覚を得ることができる。それゆえ、仮想空間VSでの活動において、現実との繋がりが感じられやすくなる。
【0138】
さらに、撮影装置13の遠隔操作が可能であれば、撮影領域240に表示される画像に顧客ユーザP2の意志がより強く反映される。したがって、顧客ユーザP2の意図に沿って商品の選択を進めやすくなり、顧客ユーザP2は、現実空間での商品の選択により近い感覚を得ることができる。
【0139】
また、仮想領域210と撮影領域240とが1つの画面に同時に表示されることにより、顧客ユーザP2は、仮想空間VSで買い物をしている感覚と、現実空間で商品を選んでいる感覚とを一緒に得ることができる。それゆえ、これらの感覚の融合により、仮想空間VSでの活動で得られる感覚として、現実空間での体験により近い感覚を得ることができる。したがって、現実との繋がりがより感じられやすくなる。
【0140】
なお、撮影装置13の遠隔操作が可能な場合には、撮影装置13の使用の予約が可能であってもよい。これにより、顧客ユーザP2にとって利便性が高められる。具体的には、情報処理サーバ30の記憶部33は、予約者および予約時間を含むテーブル等から構成される予約データを記憶しており、予約データに基づく情報が情報処理サーバ30から顧客端末21に送信されることに基づき、顧客端末21にて撮影装置13の使用の予約状況が確認可能とされる。顧客ユーザP2が予約状況にて空いている時間を指定すると予約の要求が顧客端末21から情報処理サーバ30に送られ、撮影指示部32dは、顧客ユーザP2による撮影装置13の使用の予約として、指定された時間の予約を予約データに登録する。そして、予約データにおける予約に従って、撮影装置13の使用が開始される。
【0141】
<試用機能>
試用機能は、仮想的に商品の試用を行う機能である。以下では、顧客ユーザP2が試用機能を利用する場合を例に、仮想空間提供システム100の動作を説明する。
【0142】
図12が示すように、顧客ユーザP2が、商品の試用を要求する所定の操作を顧客端末21に対して行うと、試用の要求が顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される(ステップS70)。所定の操作は、例えば、基本画面200に表示される商品およびその試用を指示する領域を選択する操作である。
【0143】
顧客端末21からの要求を受けると、情報処理サーバ30の試用実行部32eは、試用処理を行う(ステップS71)。試用処理は、例えば、商品が衣服やアクセサリーであれば、顧客ユーザP2に対応する第2アバターA2に商品を装着させたデータを生成する処理であり、商品が乗り物であれば商品に第2アバターA2を乗せたデータを生成する処理である。その他、試用処理は、第2アバターA2に商品を持たせたデータを生成する処理であってもよく、要は、選択された商品を第2アバターA2に試用させたデータを生成する処理であればよい。
【0144】
続いて、情報処理サーバ30の表示データ生成部32fは、試用実行部32eが生成したデータを用いて、第2アバターA2が商品を試用している画像を含む試用画面203を表示させるための表示データを生成する(ステップS72)。
表示データを受信すると、顧客端末21は、表示データに基づいた画像を表示部に表示する。これにより、顧客端末21に、試用画面203が表示される(ステップS73)。
【0145】
図13は、顧客端末21に表示される試用画面203の一例を示す。試用画面203は、操作領域220と、商品Gdを試用している第2アバターA2が表示される試用領域250とを含む。
【0146】
試用領域250の背景は、仮想空間VSの画像であってもよいし、仮想空間VSとは異なる画像であってもよい。また、顧客端末21が撮影機能を有している場合、試用領域250の背景は、顧客端末21が撮影した第2空間RS2の画像であってもよい。すなわち、試用機能は、拡張現実(AR:Augmented Reality)を利用していてもよい。
【0147】
第2アバターA2が商品Gdを試用している画像が表示されることにより、顧客ユーザP2は、自分が商品を使用した場合の様子や、複数の商品を組み合わせて使用したときのバランス等をイメージしやすい。また、乗り物等のように現実空間の店舗では試用が難しい商品であっても、商品を第2アバターA2に試用させることで、商品の使用のイメージを容易に得ることができる。また、ARが使用される場合には、商品Gdを第2空間RS2で使用したときの様子をイメージしやすい。したがって、購入する商品の選択について的確な判断が可能である。なお、ARが使用される場合には、第2アバターA2は表示されず、商品Gdのみが表示されてもよい。
【0148】
<商品購入機能>
商品購入機能は、仮想空間VSを通じた商品の選択と決済を実現する機能である。以下では、2人の顧客ユーザP2,P3がグループを形成して共同で商品の購入を進める場合について、仮想空間提供システム100の動作を説明する。以下の説明では、ユーザおよび端末の区別のために、顧客ユーザP2を第1の顧客ユーザP2、顧客ユーザP3を第2の顧客ユーザP3、顧客端末21を第1の顧客端末21、顧客端末26を第2の顧客端末26と称する場合がある。
【0149】
まず、商品の選択よりも前にグループデータ33bが作成されている場合を説明する。具体的には、2人の顧客ユーザP2,P3が、1つのグループを構成するように、グループデータ33bが作成されており、グループデータ33bにて、決済条件として、第1の顧客ユーザP2と第2の顧客ユーザP3との商品の代金の支払比率が設定されている。こうした形態は、例えば、第1の顧客ユーザP2と第2の顧客ユーザP3とが友人であって、共同で使用する商品を共同で購入するために仮想店舗を利用する場合等に適用されることが想定される。
【0150】
情報処理サーバ30のグループ設定部32gによるグループデータ33bの作成、すなわちグループの設定は、例えば、顧客端末21,26へのアプリケーションソフトウェアのインストール等に伴う顧客ユーザP2,P3の仮想空間提供システム100の利用登録時や、アバターA2,A3を用いた仮想店舗への入店時等、商品の選択前の任意のタイミングで行われればよい。
【0151】
図14が示すように、第1の顧客ユーザP2が、購入を希望する商品を選択する所定の操作を第1の顧客端末21に対して行うと、当該商品を示す選択商品情報Igが第1の顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される(ステップS80)。所定の操作は、例えば、基本画面200に表示される商品を選択する操作であってもよいし、会話機能や室内撮影機能や試用機能の利用中に、第1の顧客端末21に表示されている商品を選択する操作であってもよい。
【0152】
選択商品情報Igを受信すると、情報処理サーバ30の購入処理部32hは、登録処理を行う(ステップS81)。これにより、選択商品情報Igが示す商品が、第1の顧客ユーザP2が属するグループによる購入予定の商品として登録され、当該商品がショッピングカートに入れられたことが、第1の顧客端末21に通知される。
【0153】
同様に、第2の顧客ユーザP3が、購入を希望する商品を選択する所定の操作を第2の顧客端末26に対して行うと、当該商品を示す選択商品情報Igが第2の顧客端末26から情報処理サーバ30に送信される(ステップS82)。選択商品情報Igを受信すると、情報処理サーバ30の購入処理部32hは、登録処理を行う(ステップS83)。これにより、選択商品情報Igが示す商品が、第2の顧客ユーザP3が属するグループによる購入予定の商品として登録され、当該商品がショッピングカートに入れられたことが、第2の顧客端末26に通知される。
【0154】
なお、ショッピングカートは、グループ内において共有されていてもよいし、顧客ユーザごとに管理されていてもよい。すなわち、第1の顧客ユーザP2が選択した商品が入るショッピングカートと、第2の顧客ユーザP3が選択した商品が入るショッピングカートとは、共通であってもよいし、別々であってもよい。ショッピングカートが共通であると、グループによる購入予定の商品のすべてを容易に把握できる。
【0155】
また、ショッピングカートへの商品の追加が、グループ内の各顧客ユーザに通知されてもよい。すなわち、第1の顧客端末21からの選択商品情報Igに基づく購入予定商品の登録は、第1の顧客端末21に加えて第2の顧客端末26にも通知され、第2の顧客端末26からの選択商品情報Igに基づく購入予定商品の登録は、第2の顧客端末26に加えて第1の顧客端末21にも通知されてもよい。
【0156】
上述の登録処理に際して、購入処理部32hは、グループデータ33bを参照し、顧客ユーザP2,P3のグループの情報として、選択条件が設定されているかを確認する。選択条件が設定されている場合、購入処理部32hは、選択条件に従って、登録処理を進める。
【0157】
例えば、選択条件として、購入予定の商品の登録に際しグループ内の顧客ユーザの承認を得ることが設定されている場合、購入処理部32hは、第1の顧客端末21から選択商品情報Igを受けたとき、当該選択商品情報Igが示す商品を購入予定の商品に追加することの承認の要求を、通信部31を介して第2の顧客端末26に送る。第2の顧客端末26にて、第2の顧客ユーザP3が、当該商品のショッピングカートへの追加を承認する操作を行うと、承認の通知が第2の顧客端末26から情報処理サーバ30に送られ、これに基づき、購入処理部32hは、当該商品について登録処理を行う。その結果、選択商品情報Igが示す商品が、購入予定の商品として登録される。同様に、購入処理部32hは、第2の顧客端末26から選択商品情報Igを受けたときには、当該選択商品情報Igが示す商品を購入予定の商品に追加することの承認の要求を、通信部31を介して第1の顧客端末21に送り、承認が得られた後に、登録処理を進める。
【0158】
なお、第1の顧客ユーザP2と第2の顧客ユーザP3との商品の選択の順番は任意である。また、商品の選択は、第1の顧客ユーザP2と第2の顧客ユーザP3との少なくとも一方が行えばよい。
【0159】
商品の選択が完了した後、第1の顧客ユーザP2が、決済を要求する所定の操作を第1の顧客端末21に対して行うと、決済の要求が第1の顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される(ステップS84)。所定の操作は、例えば、ショッピングカート内の商品が表示されている画面において、決済の進行を指示する領域を選択する操作である。
【0160】
なお、決済の要求は、第2の顧客ユーザP3の操作に基づき、第2の顧客端末26から行われてもよい。あるいは、グループデータ33bにおいて決済処理の進行の指示の権限を特定の顧客ユーザのみが有するように設定されている場合には、当該権限を有する顧客ユーザによる決済の要求のみが、情報処理サーバ30にて受け付けられる。
【0161】
決済の要求を受けると、情報処理サーバ30の購入処理部32hは、決済処理の一部として、決済設定処理を行う(ステップS85)。詳細には、購入処理部32hは、グループデータ33bを参照し、顧客ユーザP2,P3のグループの情報として設定されている決済条件に従って、各顧客ユーザP2,P3の支払額を決定する。具体的には、購入処理部32hは、顧客ユーザP2,P3のグループにおける購入予定の商品として登録されている商品の合計額を算出する。そして、購入処理部32hは、決済条件にて定められている商品の代金の支払比率に従って、各顧客ユーザP2,P3の代金の支払額を算出する。例えば、決済条件にて顧客ユーザP2,P3の代金の支払比率が50%ずつに定められている場合、代金の合計額の半額が、各顧客ユーザP2,P3の支払額とされる。
【0162】
決済設定処理により、支払額が決定すると、支払額を含めた決済内容を示す決済データが、情報処理サーバ30から顧客端末21,26に送られる。第1の顧客端末21に送信される決済データは、第1の顧客ユーザP2の支払額を含むデータであり、第2の顧客端末26に送信される決済データは、第2の顧客ユーザP3の支払額を含むデータである。
【0163】
なお、グループデータ33bに使用可能なクーポン情報が含まれている場合には、購入処理部32hは、クーポンを適用して各顧客ユーザP2,P3の支払額を算出する。
また、グループデータ33bにおいて、決済条件として、決済処理の進行に際しグループ内の顧客ユーザの承認を得ることが設定されている場合、購入処理部32hは、第1の顧客端末21から決済の要求を受けたとき、決済処理の進行の承認の要求を、通信部31を介して第2の顧客端末26に送る。第2の顧客端末26にて、第2の顧客ユーザP3が、決済処理の進行を承認する操作を行うと、承認の通知が第2の顧客端末26から情報処理サーバ30に送られ、これに基づき、購入処理部32hは、各顧客ユーザP2,P3の支払額を決定する上述の処理を進める。
【0164】
第1の顧客端末21が決済データを受信すると、第1の顧客端末21には、決済データに基づく決済内容が表示される。第1の顧客ユーザP2が、決済内容を承認する操作を第1の顧客端末21に対して行うと、承認の通知が第1の顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される(ステップS86)。
【0165】
同様に、第2の顧客端末26が決済データを受信すると、第2の顧客端末26には、決済データに基づく決済内容が表示される。第2の顧客ユーザP3が、決済内容を承認する操作を第2の顧客端末26に対して行うと、承認の通知が第2の顧客端末26から情報処理サーバ30に送信される(ステップS87)。
【0166】
第1の顧客端末21および第2の顧客端末26から決済内容の承認の通知を受信すると、情報処理サーバ30の購入処理部32hは、決済処理の一部として、決済実行処理を行う(ステップS88)。すなわち、購入処理部32hは、顧客ユーザP2,P3ごとに、クレジットカード等の公知の決済手段を利用して、必要に応じて外部のサーバと通信をしつつ、決済データに沿った内容で決済を実行する。決済手段は、予めグループデータ33bに含められて登録されていてもよいし、決済内容の承認の前に各顧客端末21,26に入力されてもよい。決済が完了した商品は、宅配便等の利用によって、顧客ユーザP2,P3に届けられる。
【0167】
次に、商品の選択の後にグループデータ33bが作成される場合を説明する。この場合、購入を希望する商品の選択の時点においては、顧客ユーザP2,P3を含むグループは設定されていない。以下では、第1の顧客ユーザP2が商品を選択した後に、第2の顧客ユーザP3がグループに参加することによりグループが設定される例を説明するが、第2の顧客ユーザP3が商品を選択した後に、第1の顧客ユーザP2がグループに参加することも同様に可能である。
【0168】
図15が示すように、第1の顧客ユーザP2が、購入を希望する商品を選択する所定の操作を第1の顧客端末21に対して行うと、当該商品を示す選択商品情報Igが第1の顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される(ステップS90)。
【0169】
選択商品情報Igを受信すると、情報処理サーバ30の購入処理部32hは、登録処理を行う(ステップS91)。これにより、選択商品情報Igが示す商品が、第1の顧客ユーザP2による購入予定の商品として登録され、当該商品がショッピングカートに入れられたことが、第1の顧客端末21に通知される。
【0170】
商品の選択が完了した後、第1の顧客ユーザP2が、決済の要求と共に、グループでの購入を希望する所定の操作を第1の顧客端末21に対して行うと、決済の要求とグループ設定の要求とが第1の顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される(ステップS92)。
【0171】
決済の要求およびグループ設定の要求を受けると、情報処理サーバ30のグループ設定部32gは、グループ募集処理を行う(ステップS93)。具体的には、グループ設定部32gは、第1の顧客ユーザP2と商品を共同で購入するグループへの参加を呼び掛ける通知を、第1の顧客ユーザP2による購入予定の商品として登録されている商品の情報と共に、通信部31を介して第2の顧客端末26に送信する。
【0172】
なお、グループへの参加を呼び掛ける通知の送信先は、第1の顧客ユーザP2によって指定可能であってもよい。例えば、第1の顧客ユーザP2が第2の顧客ユーザP3と共に仮想店舗に来店し、商品を選ぶ中で第2の顧客ユーザP3との共同購入を希望する状況になった場合には、グループへの参加の呼び掛け先を第2の顧客ユーザP3に限定すればよい。また例えば、第1の顧客ユーザP2が1人で仮想店舗に来店し、商品を選ぶ中で共同購入による割引等を知って共同購入を希望する状況になった場合には、グループへの参加の呼び掛け先を、仮想店舗を利用中の顧客ユーザのすべてとしてもよい。
【0173】
グループへの参加を呼び掛ける通知を受けて、第2の顧客ユーザP3が、グループへの参加を希望する操作を第2の顧客端末26に対して行うと、第2の顧客ユーザP3の参加を示す通知が第2の顧客端末26から情報処理サーバ30に送信される(ステップS94)。
【0174】
参加の通知を受けると、情報処理サーバ30のグループ設定部32gは、グループデータ33bを作成する(ステップS95)。詳細には、グループ設定部32gは、必要に応じて顧客端末21,26と通信を行いつつ、グループを構成する顧客ユーザP2,P3のユーザ情報とともに、商品の代金の支払比率を含む決済条件、クーポン情報等を、グループデータ33bとして登録する。
【0175】
グループデータ33bが作成されると、情報処理サーバ30の購入処理部32hは、決済処理の一部として、決済設定処理を行う(ステップS96)。すなわち、購入処理部32hは、設定された決済条件における代金の支払比率やクーポン情報に従って、各顧客ユーザP2,P3の支払額を決定する。支払額が決定すると、支払額を含めた決済内容を示す決済データが、情報処理サーバ30から顧客端末21,26に送られる。第1の顧客端末21に送信される決済データは、第1の顧客ユーザP2の支払額を含むデータであり、第2の顧客端末26に送信される決済データは、第2の顧客ユーザP3の支払額を含むデータである。
【0176】
第1の顧客ユーザP2が、決済内容を承認する操作を第1の顧客端末21に対して行うと、承認の通知が第1の顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される(ステップS97)。同様に、第2の顧客ユーザP3が、決済内容を承認する操作を第2の顧客端末26に対して行うと、承認の通知が第2の顧客端末26から情報処理サーバ30に送信される(ステップS98)。
【0177】
第1の顧客端末21および第2の顧客端末26から決済内容の承認の通知を受信すると、情報処理サーバ30の購入処理部32hは、決済処理の一部として、決済実行処理を行う(ステップS99)。これにより、決済データに沿った内容で決済が実行される。
【0178】
以上のように、本実施形態では、グループ内の顧客ユーザP2,P3が、商品の代金を所望の比率で分担して支払うことができる。したがって、仮想空間VSでのショッピングであっても、現実空間でのショッピングと同様に、商品を共同で購入することができる。これにより、現実空間での活動により近い活動を、仮想空間VSにて行うことができる。また、商品の選択や決済に際しての条件を設定することもできるため、共同での商品の購入を円滑に進めることができる。
【0179】
なお、グループデータ33bの一部が、商品の選択の前に作成され、グループデータ33bの残部が、商品の選択の後に作成されてもよい。例えば、グループを構成する顧客ユーザP2,P3のユーザ情報の登録は、顧客ユーザP2,P3による商品の選択の前に行われ、グループ内の顧客ユーザP2,P3における支払比率の設定は、商品の選択の後に行われてもよい。
【0180】
また、本実施形態において、購入処理部32hによる決済処理は、グループ内の一の顧客ユーザP2が選択した商品の代金の一部の支払者を、同グループ内の他の顧客ユーザP3として進められる処理とも捉えられる。
【0181】
以上説明したように、第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)顧客端末21,26に、仮想空間VSの画像と、第1空間RS1の状況を示す第1状況表示300とが表示される。したがって、仮想空間VSの画像のみが表示されて第1状況表示300が表示されない場合と比較して、顧客ユーザP2,P3が、仮想空間VSでの活動において、現実との繋がりを感じやすくなる。これにより、顧客ユーザP2,P3が第1空間RS1に行くことが困難である場合にも、仮想空間VSでの活動によって第1空間RS1での活動に近い感覚を得ることができる。それゆえ、顧客ユーザP2,P3の購買意欲の向上も可能である。
【0182】
(2)グループを構成する顧客ユーザP2,P3の各々が商品を選択可能であり、グループ内で選択された商品の代金が、顧客ユーザP2,P3によって所望の比率で分担して支払われる。したがって、仮想空間VSでのショッピングであっても、現実空間でのショッピングと同様に、商品を共同で購入することができる。これにより、現実空間での活動により近い活動を、仮想空間VSにて行うことができる。
【0183】
(3)グループにおける顧客ユーザP2,P3の支払比率が、グループによる購入予定の商品を購入処理部32hが登録するよりも前に設定される形態であれば、予め支払比率が設定されているため、商品の選択から決済までを円滑に進めることができる。
【0184】
(4)グループにおける顧客ユーザP2,P3の支払比率が、購入予定の商品を購入処理部32hが登録した後に設定される形態であれば、商品を共同購入するかや支払比率を、商品を選択した後に決めることができる。したがって、決済形式をより柔軟に選択することができる。
【0185】
(5)第1会話情報Ic1が動画データからなり、第1状況表示300が第1会話情報Ic1に基づく会話中の販売員ユーザP1の映像の表示を含む。これによれば、顧客ユーザP2,P3は、仮想空間VSを通した販売員ユーザP1との会話において、対面での会話に近い感覚を得ることができる。したがって、仮想空間VSでの活動において、現実との繋がりが感じられやすくなる。
【0186】
(6)第1状況表示300が、販売員ユーザP1が第1空間RS1において接客中であることを示す接客中表示212を含む。これによれば、顧客ユーザP2,P3は、販売員ユーザP1が、会話の要求に応えられる状況か否かを容易に把握できるため、第1アバターA1に話しかけるタイミングの調整等が可能であり、仮想空間VSでの活動を効率よく進めることができる。また、第1アバターA1が、仮想空間VS内でのみ接客を行うキャラクターではなく、現実空間の店舗で実際に接客を行っている販売員の分身であることを、顧客ユーザP2,P3が感じ取りやすい。したがって、仮想空間VSでの活動において、現実との繋がりが感じられやすくなる。
【0187】
(7)第1状況表示300が、撮影情報Ivに基づく第1空間RS1内の画像を含む。これによれば、顧客ユーザP2,P3は、商品の色や形状を確認して、購入する商品を選択することができる。したがって、商品の適切な選択が可能であるとともに、現実空間で商品を見て選ぶことに近い感覚を得ることができる。それゆえ、仮想空間VSでの活動において、現実との繋がりが感じられやすくなる。
【0188】
(第2実施形態)
図16~
図18を参照して、情報処理サーバおよび仮想空間提供システムの第2実施形態を説明する。第2実施形態では、仮想空間提供システムの商品購入機能に関する構成が、第1実施形態と異なる。以下では、第2実施形態と第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0189】
[情報処理サーバの構成]
第2実施形態では、商品の選択と支払について互いに異なる権限を有する顧客ユーザを含む集団であるファミリーが設定される。
図16が示すように、第2実施形態の情報処理サーバ30は、第1実施形態のグループ設定部32gに代えて、ファミリー設定部32iを備え、かつ、グループデータ33bに代えて、ファミリーデータ33cを記憶している。なお、図示を省略しているが、第2実施形態の仮想空間提供システムにおいて、第1装置10、第2装置20、および、第3装置25は、第1実施形態と同様の構成を有する。
【0190】
ファミリー設定部32iは、ファミリーに関する情報を、ファミリーデータ33cとして、記憶部33に記憶させる。
ファミリーデータ33cは、ファミリーごとの情報として、ファミリーに属する顧客ユーザのユーザ情報、および、権限設定を含む。ユーザ情報は、ID等の顧客ユーザの識別情報を含む。また、ユーザ情報は、顧客ユーザの氏名や連絡先、クレジットカード番号等の決済手段に関する情報を含んでもよい。権限設定は、顧客ユーザごとの設定であって、購入を希望する商品の選択と、商品の代金の支払とのうち、可能な権限を示す。すなわち、ファミリーに含まれる顧客ユーザには、商品の選択のみが可能な顧客ユーザと、商品の代金の支払のみが可能な顧客ユーザと、商品の選択と支払との双方が可能な顧客ユーザとが含まれ得る。
【0191】
ファミリーデータ33cは、さらに、ファミリーごとの情報として、選択条件を含んでいてもよい。選択条件は、登録処理に際して購入処理部32hに参照される。選択条件は、例えば、商品の選択の権限のみを有する顧客ユーザが商品を選択したとき、その商品の購入予定の商品としての登録について、支払の権限を有する顧客ユーザからの承認を得ることを含んでいてもよい。
【0192】
また、選択条件は、商品の選択の権限のみを有する顧客ユーザが選択できる商品の種類や金額の範囲や、商品の選択の権限のみを有する顧客ユーザが選択できる商品の合計額の上限を含んでいてもよい。
【0193】
[仮想空間提供システムの動作]
第2実施形態の仮想空間提供システムにおける商品購入機能について、2人の顧客ユーザP2,P3がファミリーを形成して商品の購入を進める場合を説明する。なお、商品購入機能以外の機能については、第2実施形態の仮想空間提供システムは、第1実施形態と同様の構成を有する。以下の説明では、ユーザおよび端末の区別のために、顧客ユーザP2を第1の顧客ユーザP2、顧客ユーザP3を第2の顧客ユーザP3、顧客端末21を第1の顧客端末21、顧客端末26を第2の顧客端末26と称する場合がある。
【0194】
ファミリーデータ33cは、商品の選択よりも前に作成されている。具体的には、2人の顧客ユーザP2,P3が、1つのファミリーを構成するように、ファミリーデータ33cが作成されている。そして、ファミリーデータ33cにて、第1の顧客ユーザP2には商品の選択のみが認められ、第2の顧客ユーザP3には商品の選択と支払の双方、もしくは支払のみが認められるように、権限設定が為されている。こうした形態は、例えば、第1の顧客ユーザP2と第2の顧客ユーザP3とが親子であって、子である第1の顧客ユーザP2が選んだ商品の代金を、親である第2の顧客ユーザP3が支払う場合等に適用されることが想定される。
【0195】
情報処理サーバ30のファミリー設定部32iによるファミリーデータ33cの作成、すなわちファミリーの設定は、例えば、顧客端末21,26へのアプリケーションソフトウェアのインストール等に伴う顧客ユーザP2,P3の仮想空間提供システムの利用登録時や、アバターA2,A3を用いた仮想店舗への入店時等、商品の選択前の任意のタイミングで行われればよい。
【0196】
図17が示すように、第1の顧客ユーザP2が、購入を希望する商品を選択する所定の操作を第1の顧客端末21に対して行うと、当該商品を示す選択商品情報Igが第1の顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される(ステップS30)。
【0197】
選択商品情報Igを受信すると、情報処理サーバ30の購入処理部32hは、登録処理を行う(ステップS31)。これにより、選択商品情報Igが示す商品が、第1の顧客ユーザP2が属するファミリーによる購入予定の商品として登録され、当該商品がショッピングカートに入れられたことが、第1の顧客端末21に通知される。
【0198】
なお、ショッピングカートは、ファミリー内において共有されていてもよいし、顧客ユーザごとに管理されていてもよい。また、ショッピングカートへの商品の追加が、ファミリー内の支払の権限を有する顧客ユーザに通知されてもよい。すなわち、第1の顧客端末21からの選択商品情報Igに基づく購入予定商品の登録は、第1の顧客端末21に加えて第2の顧客端末26にも通知されてもよい。
【0199】
上述の登録処理に際して、購入処理部32hは、ファミリーデータ33cを参照し、顧客ユーザP2,P3のファミリーの情報として、選択条件が設定されているかを確認する。選択条件が設定されている場合、購入処理部32hは、選択条件に従って、登録処理を進める。
【0200】
例えば、選択条件として、購入予定の商品の登録に際し支払の権限を有する顧客ユーザの承認を得ることが設定されている場合、購入処理部32hは、第1の顧客端末21から選択商品情報Igを受けたとき、当該選択商品情報Igが示す商品を購入予定の商品に追加することの承認の要求を、通信部31を介して第2の顧客端末26に送る。第2の顧客端末26にて、第2の顧客ユーザP3が、当該商品のショッピングカートへの追加を承認する操作を行うと、承認の通知が第2の顧客端末26から情報処理サーバ30に送られ、これに基づき、購入処理部32hは、当該商品について登録処理を行う。その結果、選択商品情報Igが示す商品が、購入予定の商品として登録される。承認が得られない場合には、購入処理部32hは、登録処理を行わず、当該商品の購入について第2の顧客ユーザP3の承認が得られないことを、通信部31を介して第1の顧客端末21に通知する。
【0201】
また、選択条件として、選択可能な商品の種類や金額の範囲が定められている場合、購入処理部32hは、第1の顧客端末21から選択商品情報Igを受けたとき、当該選択商品情報Igが示す商品が、選択条件において選択可能とされている商品であるかを確認する。選択商品情報Igが示す商品が、選択可能な商品である場合には、購入処理部32hは、当該商品について登録処理を行う。一方、選択商品情報Igが示す商品が、選択可能な商品でない場合には、購入処理部32hは、登録処理を行わず、当該商品が購入できない商品であることを、通信部31を介して第1の顧客端末21に通知する。選択商品情報Igが示す商品が選択可能な商品でない場合、支払の権限を有する第2の顧客ユーザP3の顧客端末26にも、第1の顧客ユーザP2が選択しようとした商品が購入の認められていない商品であることが通知されてもよい。
【0202】
また、選択条件として、選択可能な商品の合計額の上限が定められている場合、購入処理部32hは、第1の顧客端末21から選択商品情報Igを受けたとき、既に購入予定の商品として登録されている商品と上記選択商品情報Igが示す商品との合計額が、選択可能な商品の合計額の上限以下であるかを確認する。合計額が上限以下である場合には、購入処理部32hは、選択商品情報Igが示す商品の登録処理を行う。一方、合計額が上限を超える場合、購入処理部32hは、登録処理を行わず、合計額が上限を超えるため商品が購入できないことを、通信部31を介して第1の顧客端末21に通知する。合計額が上限を超える場合、支払の権限を有する第2の顧客ユーザP3の顧客端末26にも、第1の顧客ユーザP2が選択しようとした商品によって購入予定の商品の合計額が設定された上限を超えることが通知されてもよい。
【0203】
なお、第2の顧客ユーザP3が、商品の選択と支払の双方の権限を有している場合には、第2の顧客ユーザP3も、第2の顧客端末26を操作して商品を選択することができる。
【0204】
商品の選択が完了した後、第1の顧客ユーザP2が、支払を依頼する所定の操作を第1の顧客端末21に対して行うと、支払の依頼の要求が第1の顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される(ステップS32)。所定の操作は、例えば、ショッピングカート内の商品が表示されている画面において、支払の依頼を指示する領域を選択する操作である。
【0205】
支払の依頼の要求を受けると、情報処理サーバ30の購入処理部32hは、決済処理の一部として、支払依頼処理を行う(ステップS33)。詳細には、購入処理部32hは、ファミリーデータ33cを参照し、顧客ユーザP2,P3のファミリーにおいて支払の権限が設定されている顧客ユーザを支払者として特定する。そして、購入処理部32hは、支払者の端末、すなわち、第2の顧客ユーザP3の顧客端末26に、通信部31を介して決済データを送信し、支払を依頼する。決済データは、顧客ユーザP2,P3のファミリーによる購入予定の商品として登録されている商品の合計額である支払額を含めた決済内容を示す。
【0206】
第2の顧客端末26が決済データを受信すると、第2の顧客端末26には、決済データに基づく決済内容が表示される。第2の顧客ユーザP3が、決済内容を承認する操作を第2の顧客端末26に対して行うと、承認の通知が第2の顧客端末26から情報処理サーバ30に送信される(ステップS34)。
【0207】
第2の顧客端末26から決済内容の承認の通知を受信すると、情報処理サーバ30の購入処理部32hは、決済処理の一部として、決済実行処理を行う(ステップS35)。すなわち、購入処理部32hは、第2の顧客ユーザP3を支払者として、必要に応じて外部のサーバと通信をしつつ、決済データに沿った内容で決済を実行する。
第2の顧客ユーザP3による承認が得られない場合には、購入処理部32hは、決済実行処理を行わず、当該商品の購入について第2の顧客ユーザP3の承認が得られないことを、通信部31を介して第1の顧客端末21に通知する。
【0208】
なお、第1の顧客ユーザP2が支払を依頼することに代えて、第2の顧客ユーザP3による決済の要求が可能であってもよい。この場合、上記ステップS32,S33に代えて、以下の処理が行われる。すなわち、第2の顧客端末26から決済の要求が情報処理サーバ30に送られ、購入処理部32hは、通信部31を介して、決済データを第2の顧客端末26に送信する。決済データは、顧客ユーザP2,P3のファミリーによる購入予定の商品として登録されている商品の合計額である支払額を含めた決済内容を示す。
【0209】
また、第2の顧客ユーザP3からの指示に基づいて、第1の顧客ユーザP2が決済の要求を行ってもよい。この場合、上記ステップS32,S33に代えて、以下の処理が行われる。すなわち、第2の顧客端末26から、情報処理サーバ30を介して、第1の顧客端末21に、決済の要求の指示が送られる。これに基づき、第1の顧客ユーザP2が所定の操作を行うことで、第1の顧客端末21から決済の要求が情報処理サーバ30に送られ、購入処理部32hは、通信部31を介して、決済データを第2の顧客端末26に送信する。
【0210】
なお、商品の選択よりも前にファミリーデータ33cが作成されていない場合であっても、商品を選択した顧客ユーザとは異なる顧客ユーザが、当該商品の支払をしてもよい。こうした形態について、
図18を参照して説明する。
【0211】
図18が示すように、第1の顧客ユーザP2が、購入を希望する商品を選択する所定の操作を第1の顧客端末21に対して行うと、当該商品を示す選択商品情報Igが第1の顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される(ステップS40)。
【0212】
選択商品情報Igを受信すると、情報処理サーバ30の購入処理部32hは、登録処理を行う(ステップS41)。これにより、選択商品情報Igが示す商品が、第1の顧客ユーザP2による購入予定の商品として登録され、当該商品がショッピングカートに入れられたことが、第1の顧客端末21に通知される。
【0213】
商品の選択が完了した後、第1の顧客ユーザP2が、他の顧客ユーザに支払を依頼する所定の操作を第1の顧客端末21に対して行うと、支払の依頼の要求が第1の顧客端末21から情報処理サーバ30に送信される(ステップS42)。
【0214】
支払の依頼の要求を受けると、情報処理サーバ30の購入処理部32hは、支払者設定処理を行う(ステップS43)。具体的には、購入処理部32hは、第1の顧客ユーザP2が選択した商品の代金の支払を呼び掛ける通知を、第1の顧客ユーザP2による購入予定の商品として登録されている商品の情報と共に、通信部31を介して第2の顧客端末26に送信する。なお、支払を呼び掛ける通知の送信先は、第1の顧客ユーザP2によって指定可能であればよい。
【0215】
支払を呼び掛ける通知を受けて、第2の顧客ユーザP3が、支払を受諾する操作を第2の顧客端末26に対して行うと、支払の受諾を示す通知が第2の顧客端末26から情報処理サーバ30に送信される(ステップS44)。
【0216】
支払の受諾の通知を受けると、情報処理サーバ30の購入処理部32hは、決済処理の一部として、支払依頼処理を行う(ステップS45)。すなわち、購入処理部32hは、第2の顧客ユーザP3の顧客端末26に、通信部31を介して決済データを送信し、支払を依頼する。決済データは、第1の顧客ユーザP2による購入予定の商品として登録されている商品の代金である請求額を含めた決済内容を示す。
【0217】
第2の顧客ユーザP3が、決済内容を承認する操作を第2の顧客端末26に対して行うと、承認の通知が第2の顧客端末26から情報処理サーバ30に送信される(ステップS46)。
【0218】
第2の顧客端末26から決済内容の承認の通知を受信すると、情報処理サーバ30の購入処理部32hは、決済処理の一部として、決済実行処理を行う(ステップS47)。すなわち、購入処理部32hは、第2の顧客ユーザP3を支払者として、必要に応じて外部のサーバと通信をしつつ、決済データに沿った内容で決済を実行する。
【0219】
以上のように、第2実施形態では、商品を選択した顧客ユーザとは異なる顧客ユーザによる商品の代金の支払が可能である。したがって、仮想空間VSでのショッピングであっても、現実空間でのショッピングと同様に、商品の選択と支払とについての役割分担が可能である。これにより、現実空間での活動により近い活動を、仮想空間VSにて行うことができる。
【0220】
また、商品の選択について、選択可能な商品の種類、金額、合計額等の条件を設定することもできるため、商品の選択者と支払者とが異なっていても、支払者に対して想定外の商品の代金の支払が要求されることを抑えることができる。
【0221】
以上説明したように、第2実施形態によれば、第1実施形態の(1),(5)~(7)の効果に加えて、以下の効果が得られる。
(8)商品の代金の支払者が、商品を選択した顧客ユーザP2とは異なる顧客ユーザP3に設定されて、決済処理が進められる。したがって、仮想空間VSでのショッピングであっても、現実空間でのショッピングと同様に、商品の選択と支払とについての役割分担が可能である。これにより、現実空間での活動により近い活動を、仮想空間VSにて行うことができる。
【0222】
(9)購入を希望する商品の選択と商品の代金の支払とのうちで認められる権限が顧客ユーザP2,P3ごとに設定され、互いに異なる権限を有する複数の顧客ユーザP2,P3を含む集団であるファミリーが設定される。そして、商品の選択の権限を有する顧客ユーザP2が選択した商品の代金の支払者が、顧客ユーザP2と同一のファミリー内において商品の代金の支払の権限を有する顧客ユーザP3に設定されて、決済処理が進められる。これにより、顧客ユーザP2,P3の役割分担が情報処理サーバ30によって管理され、それに沿って登録処理および決済処理が進められるため、役割分担に沿った商品の購入が円滑に進められる。また、顧客ユーザP2,P3が親子である場合には、親による子の権限の制限も可能であるため、仮想空間VSでのショッピングにおける子の行動の管理も可能となる。したがって、顧客ユーザの利便性が高められる。
【0223】
[変形例]
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・第1実施形態におけるグループ、および、第2実施形態におけるファミリーは、3人以上の顧客ユーザを含んでいてもよい。仮想空間VSには、各顧客ユーザに対応するアバターが配置され、各顧客ユーザは、ユーザごとの表示端末を操作することで、仮想空間VSを通じた商品の購入を進めることができる。なお、第1実施形態では、グループを構成する少なくとも1人の顧客ユーザについて、支払比率が0%に設定されてもよい。また、第2実施形態では、ファミリーに、同一の権限を有する複数の顧客ユーザが含まれてもよい。
【0224】
・第1実施形態において、顧客ユーザが選択した商品について、グループによる購入予定の商品として登録するか、単独の顧客ユーザによる購入予定の商品として登録するかを、選択できてもよい。購入処理部32hは、決済処理において、グループによる購入予定の商品として登録されている商品については、支払比率に従って各顧客ユーザの支払額を設定し、単独の顧客ユーザによる購入予定の商品として登録されている商品については、その全額を当該顧客ユーザの支払額とする。
【0225】
・グループまたはファミリーを構成する顧客ユーザのうち、特定の顧客ユーザのアバターの移動に従って、他の顧客ユーザのアバターが移動するように、仮想空間VS内でのアバターの位置が設定されてもよい。言い換えれば、顧客ユーザのアバターの移動は、そのすべてが顧客ユーザによる表示端末の操作に基づくものでなくてもよい。
【0226】
・第1実施形態と第2実施形態とが組み合わされてもよい。例えば、ファミリーに、支払の権限を有する複数の顧客ユーザが含まれ、これらの複数の顧客ユーザにおける支払比率が設定され、ファミリーでの購入予定の商品として登録されている商品について、支払比率に従って、支払の権限を有する各顧客ユーザの支払額が設定されてもよい。
【0227】
・グループまたはファミリーが形成されず、単独の顧客ユーザが選択した商品が、当該顧客ユーザによる購入予定の商品として登録され、この商品についての決済処理が、当該顧客ユーザを支払者として進められてもよい。
【0228】
・仮想空間VSの画像と第1状況表示300とは、顧客端末21,26において1つの画面に表示されなくてもよい。例えば、仮想領域210と、第1状況表示300である、販売員ユーザP1の映像が表示される映像領域230や撮影装置13が撮影した画像が表示される撮影領域240とが、切り替えて表示されてもよい。こうした構成であっても、仮想空間VSの画像のみが表示されて第1状況表示300が表示されない形態と比べると、顧客ユーザP2,P3には、現実との繋がりが感じられやすくなる。
【0229】
・仮想空間提供システムは、上記各実施形態で説明した機能のすべてを備えていなくてもよい。仮想空間提供システムは、第1空間RS1を模した仮想空間VSの画像と少なくとも1つの第1状況表示300とを顧客端末21,26に表示させるシステムであって、顧客ユーザP2,P3が顧客端末21,26を操作することで、仮想空間VSを通じた商品の購入を進めることができるシステムであればよい。
【0230】
・情報処理サーバ30の仮想空間生成部32aは、第1空間RS1を実際に訪れている顧客に対応するアバターを仮想空間VSに配置してもよい。顧客の位置は、例えば、位置情報収集装置11が撮影した画像の解析に基づき特定されて、仮想空間VS内のアバターの位置に反映される。こうした構成によれば、仮想空間VSでの、第1空間RS1の顧客に対応するアバターの数や位置によって、顧客ユーザP2,P3は、第1空間RS1での店舗の賑わいの程度や、人気のある商品等を知ることができる。
【0231】
・情報処理サーバ30の仮想空間生成部32aは、仮想空間VS内のアバターの数を所定の範囲内に制御してもよい。例えば、顧客に対応するアバターの数が少なすぎると、顧客ユーザP2,P3が賑わいを感じ難くなる一方で、顧客に対応するアバターの数が多すぎると、仮想空間VS内が混雑して顧客ユーザP2,P3はアバターの移動や商品の選択を行い難くなる。仮想空間VS内のアバターの数が一定程度に制御されれば、これらの問題の発生が抑えられる。例えば、仮想空間生成部32aは、第1空間RS1の顧客のうちの一部に対応するアバターを仮想空間VSに配置することで、仮想空間VS内のアバターの数を所定の範囲内にとどめてもよい。あるいは、仮想空間生成部32aは、第1空間RS1には存在しない顧客のアバターを仮想空間VSに配置することで、仮想空間VS内のアバターの数を所定の範囲内まで増加させてもよい。
【0232】
・基本画面200の表示後、仮想空間VS内でのアバターA1,A2,A3の移動に際し、情報処理サーバ30と顧客端末21,26との間では、アバターA1,A2,A3の位置情報のみが授受され、アバターA1,A2,A3の位置の変更を反映させた仮想空間VSの画像を生成する処理は、顧客端末21,26が行ってもよい。言い換えれば、情報処理サーバ30は、アバターA1,A2,A3の位置情報の変化を管理し、アバターA1,A2,A3の移動は顧客端末21,26で行われる。
【0233】
この場合、例えば、顧客端末21では、第1アバターA1の位置の移動は、位置特定情報Ipに基づいて情報処理サーバ30から顧客端末21に送信された第1アバターA1の変更後の位置を示す情報に基づいて行われ、第2アバターA2の位置の移動は、顧客端末21に入力された指示情報Isに基づいて行われる。この場合、表示データを生成する機能の一部を顧客端末21が担ってもよい。すなわち、情報処理サーバ30の制御部32および顧客端末21が表示データ生成部として機能してもよい。
【0234】
・1つの第1空間RS1に対し、複数の仮想空間VSが生成されてもよい。各仮想空間VSは、第1空間RS1を模した構造物の配置を有する。例えば、顧客ユーザが属するグループまたはファミリーごとに、当該グループまたはファミリー内の顧客ユーザに対応するアバターを含む仮想空間VSが生成されてもよい。これにより、グループまたはファミリーごとに仮想空間VS内での活動をゆったりと楽しむことができる。複数の仮想空間VSの各々には、同一の販売員ユーザのアバターが配置されてもよいし、複数の販売員ユーザが存在する場合、仮想空間VSごとに異なる販売員ユーザのアバターが配置されてもよい。なお、第1空間RS1に存在する接客担当者のすべてが販売員ユーザとして仮想空間VSのアバターに反映される必要はない。
【符号の説明】
【0235】
A1…第1アバター
A2…第2アバター
A3…第3アバター
Gd…商品
Ic1…第1会話情報
Ic2…第2会話情報
Ic3…第3会話情報
If1…第1情報
If2…第2情報
If3…第3情報
Ig…選択商品情報
Ij…判定用情報
Io…操作情報
Ip…位置特定情報
Is…指示情報
Iv…撮影情報
P1…販売員ユーザ
P2,P3…顧客ユーザ
RS1…第1空間
RS2…第2空間
RS3…第3空間
VS…仮想空間
10…第1装置
11…位置情報収集装置
12…販売員端末
13…撮影装置
20…第2装置
25…第3装置
21,26…顧客端末
30…情報処理サーバ
31…通信部
32…制御部
32a…仮想空間生成部
32b…会話処理部
32c…接客状況判定部
32d…撮影指示部
32e…試用実行部
32f…表示データ生成部
32g…グループ設定部
32h…購入処理部
32i…ファミリー設定部
33…記憶部
33a…仮想空間データ
33b…グループデータ
33c…ファミリーデータ
100…仮想空間提供システム
200…基本画面
201…会話画面
202…観察画面
203…試用画面
210…仮想領域
211…商品表示
212…接客中表示
220…操作領域
230…映像領域
240…撮影領域
250…試用領域
300…第1状況表示