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  • 特開-風車施工用架台 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183884
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】風車施工用架台
(51)【国際特許分類】
   F03D 13/10 20160101AFI20221206BHJP
   F03D 80/00 20160101ALI20221206BHJP
   E04G 21/16 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
F03D13/10
F03D80/00
E04G21/16
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091402
(22)【出願日】2021-05-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000204000
【氏名又は名称】太平電業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120237
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 良規
(72)【発明者】
【氏名】水上 魁
(72)【発明者】
【氏名】落合 孝之
【テーマコード(参考)】
2E174
3H178
【Fターム(参考)】
2E174BA03
2E174CA03
2E174CA09
2E174CA14
2E174EA03
3H178AA03
3H178AA22
3H178AA43
3H178BB77
3H178CC23
3H178DD67X
3H178DD70X
(57)【要約】
【課題】風車施工用架台の前方に張り出した、風車の部品の吊り上げに用いられる梁の撓みを抑制することができる風車施工用架台を提供する。
【解決手段】架台本体から張り出し、風車の部品の吊り上げに用いられる梁を支持する伸縮可能な方杖を備え、方杖の上端部が、梁に対して、梁の張り出し方向にスライド可能に取り付けられた風車施工用架台とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風車の施工に用いられる風車施工用架台であって、
架台本体と、
前記架台本体から張り出し、前記風車の部品の吊り上げに用いられる梁と、
前記梁を支持する伸縮可能な方杖と、
を備え、
前記方杖の上端部は、前記梁に対して、前記梁の張り出し方向にスライド可能に取り付けられていることを特徴とする風車施工用架台。
【請求項2】
請求項1に記載の風車施工用架台であって、
前記梁上を移動し、前記風車の部品を吊り上げる吊り上げ装置を備え、
前記方杖の上端部は、前記吊り上げ装置の下方までスライドして前記梁に固定されることを特徴とする風車施工用架台。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の風車施工用架台であって、
前記梁はH鋼であり、
前記H鋼の下側フランジの上面を走行するチルタンクと、
前記方杖の上端部が取り付けられ、前記H鋼の下側フランジの下面をスライドするスライドベースと、
前記チルタンクと前記スライドベースを接続する接続部と、
を備えることを特徴とする風車施工用架台。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の風車施工用架台であって、
前記梁を撓ませる力が働いた場合に前記方杖を伸張させる方杖伸張手段を備えることを特徴とする風車施工用架台。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の風車施工用架台であって、
前記架台本体の柱を、前記梁の張り出し方向から支持する支持材を備え、
前記支持材の下端部は前記架台本体の基礎に固定され、
前記支持材の上端部は前記柱に固定されることを特徴とする風車施工用架台。
【請求項6】
請求項5に記載の風車施工用架台であって、
前記支持材は伸縮可能であり、
前記柱が前記梁の張り出し方向に倒れる力が働いた場合に前記支持材を伸張させる支持材伸張手段を備えることを特徴とする風車施工用架台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風車等の施工に用いられる風車施工用架台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、図2図4図6図8図10図12に示されているように、ジャッキ用支柱の最上段の上部に2本のレールが、その先端がジャッキ用支柱の正面側から突出するように水平に設置され、更に、そのレール上を移動可能なジャッキ装置を有する架台が開示されている。この架台では、ジャッキ装置が風車の部品(タワーを構成するマスト(タワー部材)、発電機(ナセル)、羽根(ブレード))を、下方の部品から順に吊り上げてジャッキ用支柱内に引き込み、風車を組み立てていく。ジャッキ用支柱は複数段で構成されており、風車の組み立ての進捗に合わせて段を増やすことによりジャッキ用支柱の高さが調整される。
【0003】
すなわち、特許文献1の風車施工用架台(ジャッキ用支柱)は、上部に前方に張り出した梁(レール)を有しており、その梁上で吊り上げ装置(ジャッキ装置)が風車の部品を吊り上げる。風車施工用架台によれば、大型クレーンを使用することなく、風力発電用の風車を構築することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6228774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の風車施工用架台では、前方に張り出した梁上で風車の部材等を吊り上げた場合に梁が下方に撓む恐れがある。
【0006】
本発明は、こうした事情を鑑み、風車施工用架台の前方に張り出した、風車の部品の吊り上げに用いられる梁の撓みを抑制することができる風車施工用架台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、風車の施工に用いられる風車施工用架台であって、架台本体と、前記架台本体から張り出し、前記風車の部品の吊り上げに用いられる梁と、前記梁を支持する伸縮可能な方杖と、を備え、前記方杖の上端部は、前記梁に対して、前記梁の張り出し方向にスライド可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の風車施工用架台であって、前記梁上を移動し、前記風車の部品を吊り上げる吊り上げ装置を備え、前記方杖の上端部は、前記吊り上げ装置の下方までスライドして前記梁に固定されることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の風車施工用架台であって、前記梁はH鋼であり、前記H鋼の下側フランジの上面を走行するチルタンクと、前記方杖の上端部が取り付けられ、前記H鋼の下側フランジの下面をスライドするスライドベースと、前記チルタンクと前記スライドベースを接続する接続部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の風車施工用架台であって、前記梁を撓ませる力が働いた場合に前記方杖を伸張させる方杖伸張手段を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の風車施工用架台であって、前記架台本体の柱を、前記梁の張り出し方向から支持する支持材を備え、前記支持材の下端部は前記架台本体の基礎に固定され、前記支持材の上端部は前記柱に固定されることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の風車施工用架台であって、前記支持材は伸縮可能であり、前記柱が前記梁の張り出し方向に倒れる力が働いた場合に前記支持材を伸張させる支持材伸張手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、架台本体から張り出し、風車の部品の吊り上げに用いられる梁を支持する方杖が、梁に対して上端部が梁の張り出し方向にスライド可能に取り付けられていることから、吊り上げを行う際に方杖の上端部を張り出し方向に移動させて梁を支持することができ、物を吊り上げた際の梁の撓みを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態に係る風車施工用架台1の一例を示す側面図である。
図2】(A)は、本実施形態に係る上部ブレース10の取り付け状態を示す一部拡大正面図であり、(B)は、本実施形態に係る上部ブレース10の取り付け状態を示す一部拡大側面図である。
図3】(A)は、本実施形態に係る風車施工用架台1における上部ブレースの上端部の一例を示す背面図であり、(B)は、本実施形態に係る風車施工用架台1における上部ブレースの上端部の一例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の風力発電用の風車を施工する際に用いられる風車施工用架台1について説明する。
【0017】
風車施工用架台1は、地面に敷かれた架台マット4の上に配置されたガーダ5上に構築される。これにより、風車施工用架台1や風車又は風車の部品の荷重を広く地面に分散する。風車施工用架台1は、下部架台2と、上部架台3と、を有する。上部架台3は、下部架台2の上部に設けられたジャッキ(図示しない)により持ち上げられる。すなわち、上部架台3は下部架台2からせり上がる構造となっている。なお、以下、下部架台2と上部架台3の組み合わせを架台本体という。
【0018】
上部架台3の最上部には、2本の最上部梁6が風車施工用架台1の前方方向(図1において左方向)に張り出して設けられている。また、2本の最上部梁6の上面にはレール(図示しない)が設けられている。風車の部品Tを吊り上げる吊り上げ装置7は、この2本のレール上を移動する。
【0019】
吊り上げ装置7は最上部梁6の張り出し部分に移動し、ワイヤーWを用いて風車の部品Tを吊り上げる。なお、吊点Hは最上部梁6における吊り上げ装置7が部品Tを吊り上げる位置を示す。
【0020】
上部架台3の支柱3Aには最上部梁6を支持する上部ブレース(方杖)10が、最上部梁6毎に設けられている。また、下部架台2の支柱2Aには風車施工用架台1を支持する下部ブレース(やらず)50が設けられている。下部ブレース50は、吊り上げ装置7による吊り上げ作業を妨げない範囲で、下部架台2の正面方向に位置する一又は複数の支柱2Aに設けることができる。
【0021】
次に、図2を用いて、上部ブレース10の動作について説明する。なお、上部ブレース10は伸縮構造(例えば管の二重構造)をしており、油圧装置(図示しない)により伸縮するようになっている。
【0022】
図2(A)に示すように、吊り上げ装置7が部品Tを吊り上げる際には、上部ブレース10を伸張させつつ、上端部を最上部梁6に沿ってその先端方向にスライドさせて固定することにより、荷重を架台本体に分散して、最上部梁6の先端が下方に撓むことを抑制する。なお、上部ブレース10を固定する位置は吊り上げ装置の下方であり、例えば、吊点Hに対応する位置(吊点H又はその近傍を含む)とすることが好ましい。
【0023】
また、図2(B)に示すように、油圧装置は最上部梁6の先端の下方への撓み量に応じて上部ブレース10を伸張させる力を増大させて、撓み量を減少させて水平を維持する。なお、監視装置(図示しない)により撓み量を監視し、撓み量に応じて上部ブレース10を伸張させるように油圧装置を制御する制御装置を設けることとしても良い。
【0024】
次に、上部ブレース10の上端部のスライド構造について説明する。図3(A)、(B)に示すように、上部ブレース10が支持する最上部梁6は、H鋼が用いられており、ウェブ6A、上側フランジ6B及び下側フランジ6Cを有する。
【0025】
上部ブレース10の上端部は、ガイド11、スライドベース12、チルタンク13、ボルト14A、15A、ナット14B、15Bにより最上部梁6にスライド可能に取り付けられている。上部ブレース10の上端部には平たい突起部が形成されており、また、スライドベース12の底面にはこの突起部を挟持する挟持部が形成されている。突起部及び挟持部にはボルト孔が形成されており、挟持部が突起部を挟持した状態で、ボルト孔にボルト15Aを挿通させてナット15Bで固定することにより、上部ブレース10の上端部とスライドベース12が回動可動に接続される。これにより、上部ブレース10の上端部をスライドさせた際にスライドベース12と上部ブレース10の取付角度を可変とすることができる。
【0026】
スライドベース12の両側端部には正面視L字状のガイド11が立設している。ガイド11は、垂直部11Aと水平部11Bを有し、垂直部11Aの底面にはボルト孔が形成されている。また、スライドベース12における、垂直部11Aの底面に形成されたボルト孔に相当する位置にもボルト孔が形成されており、両ボルト孔の位置合わせをした上でボルト14Aを挿通させてナット14Bで固定することにより、スライドベース12にガイド11が取り付けられる。
【0027】
ガイド11の水平部11Bは、最上部梁6のウェブ6A方向に伸びており、水平部11Bの下面にはチルタンク13が、最上部梁6の下側フランジ6C上を走行するように固定されている。ガイド11は、チルタンク13が横方向にずれて脱輪することを防止する。
【0028】
なお、上部ブレース10の上端部をスライドさせる場合には、ボルト14Aとナット14Bの締め付ける力を弱める(上部ブレース10の上端部とスライドベース12の接続をフリーにする)ことにより、ガイド11に固定されているチルタンク13の車輪と下側フランジ6Cの摩擦力及び下側フランジ6Cとスライドベース12の摩擦力が弱まり、上部ブレース10の上部のスライドが可能となる。一方、上部ブレース10の上端部を最上部梁6に固定する(スライドさせない)場合には、ボルト14Aとナット14Bの締め付ける力を強めることにより、ガイド11に固定されているチルタンク13の車輪と下側フランジ6Cの摩擦力及び下側フランジ6Cとスライドベース12の摩擦力が高まり、上部ブレース10の上部が最上部梁6に固定することができる。このとき、チルタンク13の車輪をロックすることで、上部ブレース10の上端部と最上部梁6の固定をより強固にすることとしても良い。
【0029】
また、上部ブレース10の上端部を最上部梁6に固定する方法として、スライドベース12と最上部梁6を直接接合(例えば、ピン接合やボルト接合)することにより固定することとしてもよい。また、この方法は、上述した方法と組み合わせてもよい。
【0030】
一方で、上部ブレース10の下端部は、支柱3Aに取り付けられる。上部ブレース10の下端部も上部ブレース10の上端部のスライドに応じて支柱3Aとの取付角度を可変とするためにボルト・ナットにより回動可能に取り付けることとする。
【0031】
次に、下部ブレース50について説明する。図1等に示すように、下部ブレース50の上端部は支柱2Aに取り付けられ、下部ブレース50の下端部はガーダ5に取り付けられる。また、下部ブレース50も上部ブレース10と同様に伸縮構造をしており、油圧装置(図示しない)により伸縮するようになっている。更に、油圧装置は、吊り上げ装置7が部品Tを吊り上げることにより、下部ブレース50を縮めようとする力(架台本体が前方に転倒する力)に応じて下部ブレース50の伸張させる力を増大させ、風車施工用架台の転倒を防ぐ。なお、監視装置(図示しない)により下部ブレース50を縮めようとする力を監視し、その力の大きさに応じて上部ブレース10を伸張させるように油圧装置を制御する制御装置を設けることとしても良い。
【0032】
以上説明したように、本実施形態の風車施工用架台1は、架台本体から張り出し、部品T(「風車の部品」の一例)の吊り上げに用いられる最上部梁6(「梁」の一例)と、最上部梁6を支持する伸縮可能な上部ブレース10(「方杖」の一例)と、を備え、上部ブレース10の上端部は、最上部梁6に対して、最上部梁6の張り出し方向にスライド可能に取り付けられている。
【0033】
したがって、本実施形態の風車施工用架台1によれば、架台本体から張り出し、部品Tの吊り上げに用いられる最上部梁6を支持する上部ブレース10が、最上部梁6に対して上端部が最上部梁6の張り出し方向にスライド可能に取り付けられていることから、吊り上げを行う際に上部ブレース10の上端部を張り出し方向に移動させて最上部梁6を支持することができ、部品Tを吊り上げた際の最上部梁6の撓みを抑制できる。また、上部ブレース10の上端部を後方(図1において右方)にスライドさせて架台本体側に引き寄せることで、上部ブレース10が上部架台3を下部架台2からせり上げる際に干渉したり、風車の施工時に風車の部品(例えば、ナセルやブレード等)と干渉したりすることを回避できる。
【0034】
また、本実施形態の風車施工用架台1は、最上部梁6上を移動し、風車の部品Tを吊り上げる吊り上げ装置7(「吊り上げ装置」の一例)を備え、上部ブレース10の上端部は、吊り上げ装置7の下方で最上部梁6に対して固定される。これにより、最上部梁6において部品Tの荷重が大きく掛かる部分を上部ブレース10で支持することができ、最上部梁6の撓みを抑制できる。
【0035】
さらに、本実施形態の風車施工用架台1の最上部梁6はH鋼であり、H鋼の下側フランジ6Cの上面を走行するチルタンク13と、上部ブレース10の上端部が取り付けられ、H鋼の下側フランジ6Cの下面をスライドするスライドベース12と、チルタンク13とスライドベース12を接続するガイド(「接続部」の一例)と、を備える。これにより、上部ブレース10の上端部を最上部梁6に対して滑らかに安定してスライドさせることができる。
【0036】
さらにまた、本実施形態の風車施工用架台1は、最上部梁6を撓ませる力が働いた場合に上部ブレース10を伸張させる油圧装置(「方杖伸張手段」の一例)を備える。これにより、最上部梁6を撓ませる力が働いた場合であっても、撓み量を減少させ水平を維持することができる。
【0037】
さらにまた、本実施形態の風車施工用架台1は、架台本体の支柱2Aを、最上部梁6の張り出し方向から支持する下部ブレース50(「支持材」の一例)を備え、下部ブレース50の下端部はガーダ(「架台本体の基礎」の一例)に固定され、下部ブレース50の上端部は支柱2Aに固定される。これにより、部品Tを吊り上げた際に架台本体が前方に転倒する力が働いた場合であっても転倒を防ぐことができる。
【0038】
さらにまた、本実施形態の風車施工用架台1の下部ブレース50は伸縮可能であり、支柱2Aが前方(「最上部梁6の張り出し方向」の一例)に倒れる力が働いた場合に下部ブレース50を伸張させる油圧装置(「支持材伸張手段」の一例)を備える。これにより、支柱2Aが前方に倒れる力が働いた場合であっても、下部ブレース50がその力を押し返して支柱2Aの垂直を維持するため、架台本体の転倒を防ぐことができる。
【0039】
なお、本実施形態では、最上部梁6に上部ブレース10を設けることとしたが、最上部梁6に限らず、架台本体から張り出した梁について設けることとができる。
【0040】
また、本実施形態では、架台本体を下部架台2と上部架台3の二層構造としたが、架台本体は単層構造であっても3層構造以上であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 風車施工用架台
2 下部架台
2A 支柱
3 上部架台
3A 支柱
4 架台マット
5 ガーダ
6 最上部梁
6A ウェブ
6B 上側フランジ
6C 下側フランジ
7 吊り上げ装置
10 上部ブレース
11 ガイド
12 スライドベース
13 チルタンク
14A ボルト
14B ナット
15A ボルト
15B ナット
50 下部ブレース
H 吊点
T 風車の部品
W ワイヤー
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-07-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風車の施工に用いられる風車施工用架台であって、
架台本体と、
前記架台本体から張り出し、前記風車の部品の吊り上げに用いられる梁と、
前記梁を支持する伸縮可能な方杖と、
を備え、
前記方杖は側面視した場合に斜めに設けられており、前記方杖の上端部は、前記梁に対して、前記梁の張り出し方向にスライド可能に取り付けられ、前記方杖の下端部は、前記架台本体の柱に固定されており、
前記方杖の上端部が前記張り出し方向にスライドする場合には、前記方杖は前記側面視した場合の斜め状態で伸び、前記方杖の上端部が前記張り出し方向と反対方向にスライドする場合には、前記方杖は前記側面視した場合の斜め状態で縮むことを特徴とする風車施工用架台。
【請求項2】
請求項1に記載の風車施工用架台であって、
前記梁上を移動し、前記風車の部品を吊り上げる吊り上げ装置を備え、
前記方杖の上端部は、前記吊り上げ装置の下方までスライドして前記梁に固定されることを特徴とする風車施工用架台。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の風車施工用架台であって、
前記梁はH鋼であり、
前記H鋼の下側フランジの上面を走行するチルタンクと、
前記方杖の上端部が取り付けられ、前記H鋼の下側フランジの下面をスライドするスライドベースと、
前記チルタンクと前記スライドベースを接続する接続部と、
を備えることを特徴とする風車施工用架台。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の風車施工用架台であって、
前記梁を撓ませる力が働いた場合に前記方杖を伸張させる方杖伸張手段を備えることを特徴とする風車施工用架台。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の風車施工用架台であって、
前記架台本体の柱を、前記梁の張り出し方向から支持する支持材を備え、
前記支持材の下端部は前記架台本体の基礎に固定され、
前記支持材の上端部は前記柱に固定されることを特徴とする風車施工用架台。
【請求項6】
請求項5に記載の風車施工用架台であって、
前記支持材は伸縮可能であり、
前記柱が前記梁の張り出し方向に倒れる力が働いた場合に前記支持材を伸張させる支持材伸張手段を備えることを特徴とする風車施工用架台。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、風車の施工に用いられる風車施工用架台であって、架台本体と、前記架台本体から張り出し、前記風車の部品の吊り上げに用いられる梁と、前記梁を支持する伸縮可能な方杖と、を備え、前記方杖は側面視した場合に斜めに設けられており、前記方杖の上端部は、前記梁に対して、前記梁の張り出し方向にスライド可能に取り付けられ、前記方杖の下端部は、前記架台本体の柱に固定されており、前記方杖の上端部が前記張り出し方向にスライドする場合には、前記方杖は前記側面視した場合の斜め状態で伸び、前記方杖の上端部が前記張り出し方向と反対方向にスライドする場合には、前記方杖は前記側面視した場合の斜め状態で縮むことを特徴とする。