(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183897
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】掃除機及び掃除機と掃除機から塵埃を回収する回収装置とを備えた清掃具セット
(51)【国際特許分類】
A47L 9/00 20060101AFI20221206BHJP
A47L 5/24 20060101ALI20221206BHJP
A47L 9/10 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
A47L9/00 104
A47L5/24 A
A47L9/10 C
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091419
(22)【出願日】2021-05-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100157808
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 耕平
(72)【発明者】
【氏名】藤原 祐児
(72)【発明者】
【氏名】水野 陽章
(72)【発明者】
【氏名】堀部 勇
(72)【発明者】
【氏名】赤瀬 美樹
【テーマコード(参考)】
3B006
3B062
【Fターム(参考)】
3B006MA03
3B062AF01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】回収装置に回収される塵埃の落下を防ぐ構造を有する掃除機を提供する。
【解決手段】掃除機100は、塵埃を吸引する吸引力を発生する吸塵源116と、吸塵源116により吸引された塵埃を貯留する貯塵空間を形成している貯塵部115と、掃除機100が回収装置200に接続された状態において、回収装置200内において塵埃が溜められる回収室240に貯塵空間を連通可能に形成された連通路120と、連通路120を開閉する蓋体121と、を備えている。蓋体121は、回収装置200と掃除機100との間に塵埃が落下しないように、塵埃を受け止める姿勢で連通路120を開放する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵埃を回収する回収室を有する回収装置を接続可能に構成された掃除機であって、
塵埃を吸引する吸引力を発生する吸塵源と、
前記吸塵源により吸引された塵埃を貯留する貯塵空間を有する貯塵部と、
前記掃除機が前記回収装置に接続された状態において、前記貯塵空間を前記回収装置の前記回収室に連通可能に形成された連通路と、
前記連通路を開閉する蓋体と、を備え、
前記蓋体は、前記回収装置と前記掃除機との間に塵埃が落下しないように、塵埃を受け止める姿勢で前記連通路を開放する、掃除機。
【請求項2】
前記蓋体は、前記連通路を閉じる閉姿勢から下方に回動して前記連通路を開放する開姿勢に姿勢変更可能に構成されており、
前記掃除機は、前記蓋体が前記閉姿勢から前記開姿勢に向けて回動する際に、前記蓋体が所定の角度だけ回動して斜め上向きに傾斜した姿勢になった位置で前記蓋体を停止させるストッパ部を更に備えている、請求項1に記載の掃除機。
【請求項3】
前記蓋体は、前記連通路を閉じる閉姿勢と前記連通路を開放する開姿勢との間で回動可能に構成されており、
前記掃除機は、前記蓋体を前記閉姿勢に向けて付勢する付勢部材を更に備えている、請求項1に記載の掃除機。
【請求項4】
前記連通路を形成しているとともに前記吸塵源及び前記貯塵部が収容された筐体と、
前記吸塵源の吸引力により塵埃を吸い込む吸込ノズルと、を更に備え、
前記筐体は、直立姿勢から使用者の操作によって後方に傾動可能に前記吸込ノズルに取り付けられており、
前記蓋体は、前記筐体の前壁に開口した前記連通路を開閉するように設けられている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の掃除機。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の掃除機に取り付け可能に構成された回収装置であって、
塵埃を回収する回収室と、
一端部が前記回収室に接続されるとともに、前記回収装置に前記掃除機が取り付けられた状態において前記連通路に連通する塵埃流路と、
前記回収装置に前記掃除機が取り付けられた状態において、前記蓋体が前記連通路を開放する開姿勢になるように前記蓋体に吸引力を作用させるとともに、前記蓋体が前記開姿勢になった状態で、前記連通路及び前記塵埃流路を通じて、塵埃を前記回収室内に吸引するように構成された吸引源と、を備え、
前記蓋体は、前記開姿勢になったときに、前記塵埃流路に入り込むように形成されている、回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除機及び掃除機から塵埃を回収する回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スティック型の掃除機が開示されている。この掃除機は、掃除機本体と、掃除機本体から下方に延設された吸引管と、吸引管の下端に接続された吸込ノズルと、掃除機本体から上方に延設された棒状の把持部と、を備えている。把持部は、使用者により握持可能に構成されており、使用者が把持部を握持して掃除機を前方に移動すると、吸込ノズルは、床面上で移動するように構成されている。吸込ノズルの内部には、塵埃を吸い込むための吸込空間が形成されている。掃除機本体は、吸込ノズルを通じて塵埃を吸い込むとともに、吸い込んだ塵埃を貯留するように構成されている。
【0003】
詳細には、掃除機本体は、矩形箱状の筐体を備えており、筐体内には、塵埃を吸引するための吸引力を発生する吸塵源と、吸塵源の吸引力により筐体内に流入した塵埃を貯留する貯塵部と、が配置されている。筐体の後壁には、貯塵部に貯まった塵埃を排出するための排出口が形成されている。また、排出口を開いたり閉じたりするための蓋体が、筐体に取り付けられている。
【0004】
蓋体は、排出口の上端に設けられた回動軸部回りに回動可能に筐体に取り付けられている。蓋体は、回動軸部から垂れ下がった状態で排出口を閉じる。この状態から蓋体が上方に回動すると、排出口が開放される。
【0005】
特許文献1では、掃除機の貯塵部に貯まった塵埃を回収するために回収装置が用いられる。回収装置は、矩形箱状の筐体を有しており、この筐体の前壁で掃除機を保持する。筐体の内部には、掃除機の貯塵部内の塵埃を吸い出す吸引力を発生する吸引源と、吸引源の吸引力により掃除機から回収された塵埃が溜められる回収室と、回収室から延設された塵埃流路と、が配置されている。
【0006】
塵埃流路の先端は、筐体の前壁において、回収口として開口している。回収口は、回収装置に取り付けられた掃除機の排出口と前後方向において重なり合う高さ位置に形成されている。
【0007】
回収装置の筐体の前壁には、回収口を取り囲むとともに前方に突出した環状の突出部が設けられている。この突出部は、掃除機の排出口を取り囲む環状の突出部に嵌合される。
【0008】
掃除機が回収装置に取り付けられた状態で回収装置の吸引源が作動すると、吸引源の吸引力は、塵埃流路を通じて、掃除機の蓋体に作用する。蓋体は、吸引源の吸引力により、回動軸部から垂れ下がった状態から回動軸部回りに上方に回動する。この結果、掃除機の排出口が開放され、吸引源の吸引力は、貯塵部内の塵埃に作用する。貯塵部内の塵埃は、この吸引力により、排出口、回収口及び塵埃流路を順次通過して回収室内に流入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
掃除機が回収装置に取り付けられたときに、掃除機本体及び回収装置の環状の突出部が互いに嵌合していない状態になっていることが想定される。この場合、掃除機本体の排出口から回収装置の回収口に向けて移動する塵埃の一部が、回収装置と掃除機本体との間の空間に落下し得る。
【0011】
本発明は、回収装置に回収される塵埃の落下を防ぐ構造を有する掃除機及び掃除機から塵埃を回収する回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示における掃除機は、塵埃を回収する回収室を有する回収装置を接続可能に構成されている。掃除機は、塵埃を吸引する吸引力を発生する吸塵源と、吸塵源により吸引された塵埃を貯留する貯塵空間を有する貯塵部と、掃除機が回収装置に接続された状態において、貯塵空間を回収装置の回収室に連通可能に形成された連通路と、連通路を開閉する蓋体と、を備えている。蓋体は、回収装置と掃除機との間に塵埃が落下しないように、塵埃を受け止める姿勢で連通路を開放する。
【0013】
本開示における回収装置は、上述の掃除機を取り付け可能に構成されている。回収装置は、塵埃を回収する回収室と、一端部が回収室に接続されるとともに、回収装置に掃除機が取り付けられた状態において連通路に連通する塵埃流路と、回収装置に掃除機が取り付けられた状態において、蓋体が連通路を開放する開姿勢になるように蓋体に吸引力を作用させるとともに、蓋体が開姿勢になった状態で、連通路及び塵埃流路を通じて、塵埃を回収室内に吸引するように構成された吸引源と、を備えている。蓋体は、開姿勢になったときに、塵埃流路に入り込むことを許容するように形成されている。
【発明の効果】
【0014】
掃除機が回収装置に取り付けられたときに、掃除機から回収装置に向けて排出される塵埃が落下することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明するが、当業者の理解を容易にするために、例えば、既によく知られた事項の詳細説明、又は、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0017】
(掃除機の全体的な構造)
図1は、スティック型の掃除機100の概略的な断面図である。
図2は、掃除機100の正面図である。
図1及び
図2を参照して、掃除機100を説明する。
【0018】
掃除機100は、床面上の塵埃を吸い込む吸込ノズル130と、吸込ノズル130に対して前後方向に傾動可能に吸込ノズル130に取り付けられた掃除機本体110と、掃除機本体110の上端112から上方に延設された把持部140と、を備えている。
図1及び
図2に示す掃除機本体110及び把持部140は、吸込ノズル130に対して直立した姿勢にされており、この直立姿勢より前方には傾動しない。掃除機100の使用時においては、掃除機本体110及び把持部140は、吸込ノズル130に対して後方に傾動した姿勢で使用者によって保持される。
【0019】
吸込ノズル130は、塵埃を吸い込むための幅広の吸込空間131を形成するように、掃除機本体110よりも幅広のノズルケース132を備えている。ノズルケース132は、幅方向に広くなっており、直立姿勢にある掃除機本体110及び把持部140が左右方向に傾動しにくい状態で、掃除機本体110及び把持部140を支持することができる。すなわち、直立している掃除機本体110及び把持部140が外力を受けない限り、吸込ノズル130は、掃除機本体110及び把持部140の直立姿勢を保ったまま、掃除機本体110及び把持部140を支持することができる。
【0020】
ノズルケース132の内部空間は、床面上の塵埃を吸い込むための吸込空間131として機能する。吸込空間131は、ノズルケース132の前側部分において、床面に向けて開口している。この開口部分の後側では、吸込空間131は、ノズルケース132の底部134により閉じられている。吸込空間131には、回転式の掻取ブラシ133が配置されており、掻取ブラシ133は、吸込空間131の開口を通じて床面に接触可能にノズルケース132から露出している。
【0021】
掃除機本体110は、上下方向に細長い筐体111を有している。筐体111の下端は、掃除機本体110の前後方向の傾動が許容されるように、ノズルケース132の後部に取り付けられている。筐体111の上部は、筐体111の上端112に向けて細くなっており、上端112から把持部140が上方に延設されている。把持部140は、使用者により握持される太さを有している棒状の部分である。把持部140には、
図2に示すように、使用者によって操作される操作部141(操作ボタン)が設けられている。
【0022】
筐体111の内部には、床面上に塵埃を吸い上げるとともに吸い上げた塵埃を貯留するための様々な部品が配置されている。筐体111の下部の内部には、
図1に示すように、上下方向に延設された吸引管113が配置されており、吸引管113の上端には、逆止弁114が取り付けられている。逆止弁114の上側には、貯塵部115と、貯塵部115の上側に設けられた吸塵源116と、が設けられている。加えて、吸塵源116の上側において、吸塵源116へ電力を供給するためのバッテリ117が配置されている。吸塵源116は、操作部141に対する操作に応じて、バッテリ117からの電力を受けて上向きの吸引力を発生させるように構成されている。たとえば、吸塵源116は、ファンと、モータと、から構成されていてもよい。
【0023】
吸引管113は、筐体111内で固定されており、掃除機本体110が直立姿勢(
図1に示す姿勢)から後方に傾動すると、筐体111とともに後方に傾動する。掃除機本体110が直立姿勢にあるときには、吸引管113の下端は、ノズルケース132の底部134に当接した状態になっている。すなわち、掃除機本体110が直立姿勢にあるときにおいて、吸引管113の下端は、ノズルケース132の底部134によって閉じられている。掃除機本体110が直立姿勢から後方に傾動すると、吸引管113の下端は、
図1の矢印Aで示す方向に移動する。この結果、吸引管113の内部空間は、ノズルケース132の吸込空間131に連通した状態になる。
【0024】
吸引管113の上端には、吸塵源116が作動していないときにおいて吸引管113の上端を塞ぐ逆止弁114が取り付けられている。詳細には、逆止弁114の後端部分のみが吸引管113に固定されており、残りの部分は、上向きの外力を受けて吸引管113の上端から離れた状態になることを許容されている。逆止弁114は、例えば、薄いゴム板から構成されていてもよい。この場合、吸塵源116が作動すると、逆止弁114は、吸塵源116の上向きの吸引力により上向きに湾曲変形し、吸引管113の上端の開口を開放することができる。
【0025】
上向きに湾曲変形した逆止弁114と干渉しないように、貯塵部115は、逆止弁114から上側に離間した位置において筐体111内で固定されている。貯塵部115は、吸塵源116への塵埃の流入を防ぐために設けられている。
【0026】
貯塵部115は、下向きに開口した容器の形状を有しており、貯塵部115の内部空間は、塵埃を貯留するための貯塵空間として利用される。詳細には、貯塵部115は、
図3に示すように、貯塵部115の周面及び上面を形成するメッシュフィルタ118と、メッシュフィルタ118を保持するように構成された保持フレーム119と、を有している。メッシュフィルタ118は、空気の通過を許容する一方で、空気に含まれている塵埃を捕捉する。この結果、メッシュフィルタ118により囲まれた貯塵空間内には、吸塵源116の吸引力により吸い上げられた塵埃が貯留される。
【0027】
貯塵部115は、逆止弁114との干渉を回避するために、逆止弁114から上側に離間した位置に配置されている。このため、
図1及び
図4に示すように、貯塵部115と逆止弁114との間の空間は、貯塵部115内に貯留された塵埃を排出するために利用される連通路120として機能する。
図4に示すように、筐体111の前壁は、連通路120に開口するように排出口124が形成されている。排出口124は、筐体111が直立姿勢にあるとき前方を向く。排出口124を開閉するために、蓋体121が筐体111に取り付けられている。
【0028】
筐体111の前壁には、排出口124の下側において、略水平な軸回りに回転可能な回動軸部123が設けられており、蓋体121は、回動軸部123回りに上下に回動するように構成されている。
図1に示す蓋体121は、直立した姿勢をとっており、排出口124を閉じる閉姿勢になっている。このとき、回動軸部123は、蓋体121の下端に位置している。一方、
図4に示す蓋体121は、閉姿勢の状態から所定の角度(90°以下の回動角度)だけ下方に回動している。蓋体121が、
図4に示す姿勢をとっているとき、蓋体121は、回動軸部123から上向きに傾斜した状態になっており、排出口124から離れている。すなわち、蓋体121は、排出口124を開放する開姿勢になっている。
【0029】
回動軸部123には、蓋体121を閉姿勢に向けて付勢する付勢部材150が設けられていてもよい。たとえば、付勢部材150は、蓋体121を上向きの回動方向に付勢するように回動軸部123に巻き付けられたトルクばねにより構成されてもよい。
【0030】
蓋体121には、断面V字状に凹設された切欠部125が設けられている。一方、筐体111の前壁には、切欠部125内に突出したストッパ部126が設けられている。ストッパ部126は、蓋体121が閉姿勢から所定の角度だけ下方に回動すると、蓋体121に当接する。
【0031】
詳細には、切欠部125は、蓋体121が下方に回動するとストッパ部126に接近する下縁面127と、蓋体121が下方に回動するとストッパ部126から離れる上縁面128と、を有している。下縁面127は、下方に回動している蓋体121が水平な姿勢になる前に、ストッパ部126に当接するように構成されている。この結果、蓋体121は、回動軸部123から上向きに傾斜した開姿勢で筐体111により保持され、
図4の開姿勢を越えて下方には回動しない。なお、上縁面128は、蓋体121が閉姿勢になることを妨げないように形成されており、蓋体121が閉姿勢になったときにおいてストッパ部126から離れていてもよい。
【0032】
(回収装置の全体的な構造)
貯塵部115に貯留された塵埃は、
図5に示す回収装置200により回収され得る。回収装置200は、筐体210と、前部において筐体210が据え付けられているとともに、後部において掃除機100が載置される台座板220と、を備えている。回収装置200の筐体210内には、掃除機100から回収された塵埃が流入するように一端部が筐体210の外側に開口した塵埃流路230が設けられている。塵埃流路230の他端部は、回収室240に接続されており、回収室240の下側には、吸引源250と、が配置されている。吸引源250は、筐体210内において制御部260に電気的に接続されており、制御部260の制御下で動作する。
【0033】
筐体210は、塵埃流路230、回収室240及び吸引源250が収容された上部212と、制御部260が収容された下部211と、を有している。上部212は、塵埃流路230が掃除機100の連通路120に連通するように、掃除機100が取り付けられたときにおいて掃除機本体110に当接する部分である。掃除機本体110から前方に突出した吸込ノズル130との干渉を避けるために、筐体210の下部211は、上部212よりも前後方向において小さくなっており、下部211の後方には、吸込ノズル130を収容するための収容空間213が形成されている。
【0034】
筐体210の上部212は、掃除機本体110と接続可能に形成された後壁214を含んでいる。詳細には、後壁214には、
図6に示すように、掃除機本体110の前側部分と相補的な凹溝部215が設けられている。凹溝部215は、
図7に示すように、上下方向に延設されている。凹溝部215には、直立姿勢の掃除機本体110の前側部分が嵌め込まれる。
【0035】
凹溝部215内において、
図7に示すように、後壁214の上部には一対の小孔が形成されており、これらの小孔を通じて後壁214の外面からそれぞれ突出した一対の検出片261が設けられている。これらの検出片261は、掃除機本体110が凹溝部215に嵌め込まれたことを検出するために利用される。
【0036】
検出片261は、後壁214から突出する方向に付勢されており、掃除機本体110が凹溝部215に嵌め込まれると、掃除機本体110によって小孔内に押し込まれて小孔内に没入した状態になる。検出片261が小孔内に没入した状態であるか否かを検出するとともに、小孔内への検出片261の没入が検出されたときに起動信号を生成するように構成された信号生成部262が筐体210内に配置されている。信号生成部262は、
図5に示す制御部260に電気的に接続されている。
【0037】
塵埃流路230は、
図5に示すように、筐体210の上部212内に配置されて、上下方向に延設されている。塵埃流路230の上端(他端)は、回収室240に接続されている。塵埃流路230の下端(一端)は、
図7に示すように、凹溝部215内において後壁214に開口した回収口216を形成している。
【0038】
回収口216は、掃除機本体110が直立姿勢になった状態で掃除機100が台座板220上に載置されて、掃除機本体110の前側部分が凹溝部215に嵌め込まれたときに、
図4に示す排出口124と前後方向に重なり合う位置に形成されている。すなわち、回収口216は、掃除機100が回収装置200に取り付けられたときに、掃除機100の排出口124に対向する。回収口216は、掃除機100の蓋体121が
図4の開姿勢になったときにおいて、蓋体121が回収口216内に入り込むような大きさを有している。
【0039】
回収室240は、塵埃流路230を通じて貯塵部115から流入した塵埃を回収するために設けられている。回収室240は、回収室240の内部の空気が回収室240の下側の吸引源250により吸い出されることが許容されるように構成されている。回収室240は、掃除機100に設けられた貯塵部115の容積よりも大きな容積を有している。
【0040】
吸引源250は、回収室240内の空気を吸い込むように構成されている。吸引源250の吸引力は、掃除機100が回収装置200に取り付けられているとき、回収室240及び塵埃流路230を通じて掃除機100の蓋体121に作用する。吸引源250は、蓋体121の付勢部材150の付勢力に打ち勝ち、蓋体121を閉姿勢から開姿勢へ傾動させるとともに、貯塵部115内の塵埃を吸引する大きさの吸引力が得られるように構成されている。たとえば、吸引源250は、ファンと、モータと、から構成されていてもよい。
【0041】
(清掃作業時における掃除機の動作の説明)
掃除機100は、清掃作業時において、吸込ノズル130に対して掃除機本体110及び把持部140が後方に傾斜した姿勢で、使用者に保持される。吸込ノズル130に対して掃除機本体110及び把持部140が後方に傾斜した姿勢にすることで、吸込ノズル130を押しながら前方に移動させやすくなる。この状態において、吸引管113の内部空間は、吸込ノズル130の吸込空間131と連通している。
【0042】
使用者が、その後、操作部141を操作して、吸塵源116を作動させると、吸塵源116は、上向きの吸引力を発生させる。この吸引力により、逆止弁114は、上向きに湾曲変形する。この結果、吸引管113の上端が開かれる。
【0043】
吸引管113の上端が開かれると、吸塵源116の吸引力は、吸込ノズル130の吸込空間131に作用し、床面上の塵埃は、吸込空間131内に吸い込まれる。塵埃は、その後、吸引管113を通過し、貯塵部115内に流入する。貯塵部115は、塵埃を捕捉し、捕捉した塵埃を貯留する。
【0044】
使用者が吸込ノズル130を前方に移動させているときに、吸込ノズル130が障害物に接触し、掃除機100が衝撃を受けることがある。蓋体121は、付勢部材150によって排出口124を閉じる方向に付勢されており、掃除機100が衝撃力を受けた場合でも、排出口124は開きにくい。仮に、蓋体121が衝撃力により回動して、排出口124が一時的に開かれたとしても、吸込ノズル130に対して掃除機本体110が後方に傾斜した状態では、排出口124は、斜め上方に開口した状態になっている。したがって、貯塵部115内の塵埃は、排出口124から落下しにくい。
【0045】
清掃作業が終了すると、使用者は、操作部141を操作して、吸塵源116を停止させる。この結果、吸塵源116の吸引力はなくなるので、逆止弁114は復元し、吸引管113の上端を閉じる。したがって、貯塵部115内の塵埃は、貯塵部115から落下しても、連通路120内に留められる。
【0046】
(塵埃の回収時における回収装置の動作の説明)
使用者は、掃除機100の貯塵部115に貯まった塵埃を回収するために、回収装置200に掃除機100を取り付ける。詳細には、使用者は、回収装置200の台座板220上に掃除機100を設置し、掃除機本体110及び把持部140を直立姿勢にする。直立姿勢になった掃除機本体110が、回収装置200の凹溝部215に嵌め込まれると、掃除機100の蓋体121は、回収装置200の回収口216に前後方向に対向する。また、回収装置200の凹溝部215に嵌め込まれた掃除機本体110によって、回収装置200の検出片261は、前方に押されて後壁214の小孔内に没入する。
【0047】
検出片261が小孔内に没入したことは、信号生成部262により検出される。信号生成部262は、小孔内への検出片261の没入の検出に応じて、起動信号を生成する。起動信号は、信号生成部262から制御部260へ伝達され、制御部260は、起動信号の受信に応じて、吸引源250を所定期間作動させる。
【0048】
吸引源250が作動すると、吸引源250の吸引力は、回収室240及び塵埃流路230を通じて、回収口216に対向している蓋体121に作用する。蓋体121は、吸引源250の吸引力を受けて、
図8に示すように、排出口124を閉じる閉姿勢から下方に傾動して、排出口124を開く開姿勢になる。このとき、蓋体121の上端部分は、回収口216を通じて、塵埃流路230の下端部に入り込んでいる。
【0049】
蓋体121が下方に回動すると、排出口124が開放された状態になる。この結果、貯塵部115の貯塵空間は、連通路120、回収口216及び塵埃流路230を通じて、回収室240に連通した状態になる。したがって、貯塵部115内に貯留された塵埃は、吸引源250の吸引力により、連通路120、回収口216及び塵埃流路230を順次通過し、回収室240内に流入する。この結果、塵埃は、回収室240に回収される。
【0050】
掃除機本体110の上部が凹溝部215に嵌め込まれて検出片261を押圧した状態であるにも関わらず、掃除機本体110の下部が回収装置200の後壁214から離れた状態で、掃除機100が回収装置200に取り付けられることが想定される。このように掃除機本体110が回収装置200に対して斜めに取り付けられた場合、
図9に示すように、回収口216及び排出口124の周囲において、掃除機100の筐体111の前側部分と回収装置200の後壁214との間に空間が生じうる。また、排出口124が斜め下方に開口した状態になり、貯塵部115から連通路120に落下した塵埃は、重力作用により、排出口124から零れ出ることが想定される。
【0051】
重力作用により排出口124から零れ落ちた塵埃は、蓋体121により受け止められる。すなわち、蓋体121は、排出口124から下方に回動した開姿勢の状態で保持されている。このため、蓋体121は、蓋体121が開姿勢になったときには、掃除機100の筐体111の前側部分と回収装置200の後壁214との間の空間において、排出口124の下側で回収装置200に向けて突出する。したがって、塵埃が排出口124から零れ落ちても、蓋体121によって受け止められる。
【0052】
このとき、掃除機100の蓋体121は、回収装置200の回収口216を通じて回収装置200の内部に入り込んでいる。したがって、塵埃は、蓋体121により落下を防止されつつ、掃除機100の排出口124から回収装置200の回収口216に移動し、回収装置200に流入することができる。
【0053】
回収装置200の吸引源250は、所定時間だけ作動した後に停止する。このとき、蓋体121上に塵埃が残存していることも生じうる。蓋体121上に塵埃が残存していても、蓋体121は、回動軸部123から上方に傾斜した姿勢になっているので、塵埃は、回動軸部123側に滑り落ちる。したがって、塵埃が蓋体121の先端側から零れ落ちることが防止される。塵埃が回動軸部123側に滑り落ちている間、付勢部材150の付勢力により、蓋体121は、回動軸部120回りに上向きに回動し、排出口124を閉じる。したがって、蓋体121上に残存した塵埃は、排出口124を通じて、貯塵部115と逆止弁114との間の連通路120に戻され得る。
【0054】
なお、上述の実施形態では、蓋体121は、開姿勢になったときに、斜め上方に傾斜した状態で掃除機100の筐体111から突出している。代替的に、蓋体121は、開姿勢になったときに、略水平な姿勢で掃除機100の筐体111から突出していてもよい。
【0055】
また、上述の実施形態では、蓋体121は、上下に回動することにより、閉姿勢になったり、開姿勢になったりする。代替的に、蓋体121は、掃除機100の筐体111から取り外し可能に、且つ、開姿勢及び閉姿勢の2つの姿勢で掃除機100の筐体111に取り付け可能に構成されていてもよい。この場合、回収装置200への塵埃の回収時には、使用者は、閉姿勢の蓋体121を掃除機100の筐体111から一旦取り外し、その後、蓋体121を開姿勢で掃除機100の筐体111に取り付けることができる。この状態で、使用者が、掃除機100を回収装置200に取り付けて回収装置200を作動させれば、掃除機100から回収装置200へ流れる塵埃の落下を防止しつつ、塵埃を回収装置200に回収させることができる。その後、使用者が、掃除機100を使用する場合には、掃除機100の筐体111から開姿勢の蓋体121は、一旦取り外され、閉姿勢で掃除機100の筐体111に取り付けられ得る。この結果、排出口124が蓋体121により閉じられた状態で、使用者は、掃除機100を使用することができる。
【0056】
また、上述の実施形態では、掃除機本体110は、直立姿勢から使用者の操作により後方に傾動可能に吸込ノズル130に取り付けられている。代替的に、掃除機本体110は、後方に傾動できなくてもよい。この場合、掃除機100は、掃除機本体110が直立姿勢となった状態のまま使用され得る。
【0057】
上述の実施形態では、掃除機本体110は、直立姿勢から前方には傾動しないが、開姿勢の蓋体121が上斜めに傾斜した姿勢が維持される範囲において、掃除機本体110の前方への傾斜が許容されていてもよい。
【0058】
(効果等)
上述の実施形態に係る掃除機100及び回収装置200は、以下の特徴を有しているとともに、以下の効果を奏する。
【0059】
上述の実施形態に係る一の局面に係る掃除機は、塵埃を回収する回収室を有する回収装置を接続可能に構成されている。掃除機は、塵埃を吸引する吸引力を発生する吸塵源と、吸塵源により吸引された塵埃を貯留する貯塵空間を有する貯塵部と、掃除機が回収装置に接続された状態において、貯塵空間を回収装置の回収室に連通可能に形成された連通路と、連通路を開閉する蓋体と、を備えている。蓋体は、回収装置と掃除機との間に塵埃が落下しないように、塵埃を受け止める姿勢で連通路を開放する。
【0060】
上述の構成によれば、掃除機が回収装置に接続された状態において、蓋体が連通路を開くと、貯塵空間は、回収装置の回収室に連通する。この結果、貯塵空間の塵埃を、連通路を通じて回収装置へ排出することが許容される。このとき、蓋体は、塵埃を受け止める姿勢で連通路を開放しているので、塵埃が掃除機と回収装置との間に落下することが抑制される。
【0061】
上述の構成において、蓋体は、連通路を閉じる閉姿勢から下方に回動して連通路を開放する開姿勢に姿勢変更可能に構成されていてもよい。掃除機は、蓋体が閉姿勢から開姿勢に向けて回動する際に、蓋体が所定の角度だけ回動して斜め上向きに傾斜した姿勢になった位置で蓋体を停止させるストッパ部を更に備えていてもよい。
【0062】
上述の構成によれば、蓋体の回動は、蓋体が連通路を閉じる閉姿勢から所定の角度だけ下方に回動すると、ストッパ部により停止される。このとき、蓋体は、斜め上向きに傾斜した姿勢になっているので、回収装置への塵埃の回収が終わった後に蓋体上に塵埃が残存していても、塵埃は、掃除機側に戻され、蓋体の先端から零れ落ちにくくなる。
【0063】
上述の構成において、蓋体は、連通路を閉じる閉姿勢と連通路を開放する開姿勢との間で回動可能に構成されていてもよい。掃除機は、蓋体を閉姿勢に向けて付勢する付勢部材を更に備えていてもよい。
【0064】
上述の構成によれば、蓋体は、付勢部材により、閉姿勢に付勢されているので、蓋体は、不必要に開姿勢になりにくくなる。したがって、たとえば、掃除機が回収装置に取り付けられていない状態において、連通路が開放されることが抑制される。
【0065】
上述の構成において、掃除機は、連通路を形成しているとともに吸塵源及び貯塵部が収容された筐体と、吸塵源の吸引力により塵埃を吸い込む吸込ノズルと、を更に備えていてもよい。筐体は、直立姿勢から使用者の操作によって後方に傾動可能に吸込ノズルに取り付けられていてもよい。蓋体は、筐体の前壁に開口した連通路を開閉するように設けられていてもよい。
【0066】
上述の構成によれば、使用者は、吸込ノズルに対して筐体を後方に傾動させて、吸込ノズルを押し出しながら清掃作業を行うことができる。このとき、筐体の後方への傾動により、筐体の前壁に開口した連通路は斜め上方に開口した状態になっており、連通路の開口部分を閉じている蓋体に対して、閉姿勢を維持する方向に重力が作用する。このため、清掃作業時において、蓋体は開きにくくなっている。
【0067】
上述の実施形態に係る一の局面に係る回収装置は、上述の掃除機を取り付け可能に構成されている。回収装置は、回収装置は、塵埃を回収する回収室と、一端部が回収室に接続されるとともに、回収装置に掃除機が取り付けられた状態において連通路に連通する塵埃流路と、回収装置に掃除機が取り付けられた状態において、蓋体が連通路を開放する開姿勢になるように蓋体に吸引力を作用させるとともに、蓋体が開姿勢になった状態で、連通路及び塵埃流路を通じて、塵埃を回収室内に吸引するように構成された吸引源と、を備えている。蓋体は、開姿勢になったときに、塵埃流路に入り込むように形成されている。
【0068】
上述の構成によれば、掃除機が回収装置に取り付けられた状態において、吸引源が吸引力を蓋体に作用させて蓋体を開姿勢にすると、回収装置の塵埃流路は、連通路に連通する。この状態で、吸引源の吸引力は、塵埃流路及び連通路を通じて、貯塵部内の塵埃に作用し得る。このため、貯塵空間内の塵埃は、連通路及び塵埃流路を通じて回収装置の回収室に流入する。このとき、蓋体は、塵埃流路に入り込んだ状態になっているので、塵埃は、蓋体により落下を防止されつつ塵埃流路の他端部に向かって移動し得る。
【産業上の利用可能性】
【0069】
上述の実施形態の掃除機及び回収装置は、清掃作業に用いられる装置に好適に利用される。
【符号の説明】
【0070】
100 掃除機
111 筐体
115 貯塵部
116 吸塵源
120 連通路
121 蓋体
126 ストッパ部
130 吸込ノズル
150 付勢部材
200 回収装置
210 筐体
213 空間
230 塵埃流路
240 回収室
250 吸引源
【手続補正書】
【提出日】2022-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵埃を回収する回収室を有する回収装置を接続可能に構成された掃除機であって、
塵埃を吸引する吸引力を発生する吸塵源と、
前記吸塵源により吸引された塵埃を貯留する貯塵空間を有する貯塵部と、
前記掃除機が前記回収装置に接続された状態において、前記貯塵空間が前記回収装置の前記回収室に連通可能になるように連通路を形成しているとともに、前記吸塵源及び前記貯塵部が収容された筐体と、
前記吸塵源の吸引力により塵埃を吸い込む吸込ノズルと、
前記連通路を開閉する蓋体と、を備え、
前記筐体は、直立姿勢から使用者の操作によって後方に傾動可能に前記吸込ノズルに取り付けられており、
前記連通路は、前記筐体の前壁に開口しており、
前記蓋体は、前記回収装置と前記掃除機との間に塵埃が落下しないように、塵埃を受け止める姿勢で前記連通路を開放する、掃除機。
【請求項2】
前記蓋体は、前記連通路を閉じる閉姿勢から下方に回動して前記連通路を開放する開姿勢に姿勢変更可能に構成されており、
前記掃除機は、前記蓋体が前記閉姿勢から前記開姿勢に向けて回動する際に、前記蓋体が所定の角度だけ回動して斜め上向きに傾斜した姿勢になった位置で前記蓋体を停止させるストッパ部を更に備えている、請求項1に記載の掃除機。
【請求項3】
前記蓋体は、前記連通路を閉じる閉姿勢と前記連通路を開放する開姿勢との間で回動可能に構成されており、
前記掃除機は、前記蓋体を前記閉姿勢に向けて付勢する付勢部材を更に備えている、請求項1に記載の掃除機。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の掃除機に取り付け可能に構成された回収装置であって、
塵埃を回収する回収室と、
一端部が前記回収室に接続されるとともに、前記回収装置に前記掃除機が取り付けられた状態において前記連通路に連通する塵埃流路と、
前記回収装置に前記掃除機が取り付けられた状態において、前記蓋体が前記連通路を開放する開姿勢になるように前記蓋体に吸引力を作用させるとともに、前記蓋体が前記開姿勢になった状態で、前記連通路及び前記塵埃流路を通じて、塵埃を前記回収室内に吸引するように構成された吸引源と、を備え、
前記蓋体は、前記開姿勢になったときに、前記塵埃流路に入り込むように形成されている、回収装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本開示における掃除機は、塵埃を回収する回収室を有する回収装置を接続可能に構成されている。掃除機は、塵埃を吸引する吸引力を発生する吸塵源と、吸塵源により吸引された塵埃を貯留する貯塵空間を有する貯塵部と、掃除機が回収装置に接続された状態において、貯塵空間が回収装置の回収室に連通可能になるように連通路を形成しているとともに、吸塵源及び貯塵部が収容された筐体と、吸塵源の吸引力により塵埃を吸い込む吸込ノズルと、連通路を開閉する蓋体と、を備えている。筐体は、直立姿勢から使用者の操作によって後方に傾動可能に吸込ノズルに取り付けられている。連通路は、筐体の前壁に開口している。蓋体は、回収装置と掃除機との間に塵埃が落下しないように、塵埃を受け止める姿勢で連通路を開放する。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵埃を回収する回収室を有する回収装置を接続可能に構成された掃除機であって、
塵埃を吸引する吸引力を発生する吸塵源と、
前記吸塵源により吸引された塵埃を貯留する貯塵空間を有する貯塵部と、
前記掃除機が前記回収装置に接続された状態において、前記貯塵空間が前記回収装置の前記回収室に連通可能になるように連通路を形成しているとともに、前記吸塵源及び前記貯塵部が収容された筐体と、
前記吸塵源の吸引力により塵埃を吸い込む吸込ノズルと、
前記連通路を開閉する蓋体と、を備え、
前記筐体は、直立姿勢から使用者の操作によって後方に傾動可能に前記吸込ノズルに取り付けられており、
前記連通路は、前記筐体の前壁に開口しており、
前記蓋体は、前記回収装置と前記掃除機との間に塵埃が落下しないように、塵埃を受け止める姿勢で前記連通路を開放する、掃除機。
【請求項2】
前記蓋体は、前記連通路を閉じる閉姿勢から下方に回動して前記連通路を開放する開姿勢に姿勢変更可能に構成されており、
前記掃除機は、前記蓋体が前記閉姿勢から前記開姿勢に向けて回動する際に、前記蓋体が所定の角度だけ回動して斜め上向きに傾斜した姿勢になった位置で前記蓋体を停止させるストッパ部を更に備えている、請求項1に記載の掃除機。
【請求項3】
前記蓋体は、前記連通路を閉じる閉姿勢と前記連通路を開放する開姿勢との間で回動可能に構成されており、
前記掃除機は、前記蓋体を前記閉姿勢に向けて付勢する付勢部材を更に備えている、請求項1に記載の掃除機。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の掃除機と、
前記掃除機に取り付け可能に構成された回収装置と、を備え、
前記回収装置は、
塵埃を回収する回収室と、
一端部が前記回収室に接続されるとともに、前記回収装置に前記掃除機が取り付けられた状態において前記連通路に連通する塵埃流路と、
前記回収装置に前記掃除機が取り付けられた状態において、前記蓋体が前記連通路を開放する開姿勢になるように前記蓋体に吸引力を作用させるとともに、前記蓋体が前記開姿勢になった状態で、前記連通路及び前記塵埃流路を通じて、塵埃を前記回収室内に吸引するように構成された吸引源と、を有し、
前記蓋体は、前記開姿勢になったときに、前記塵埃流路に入り込むように形成されている、清掃具セット。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本開示における清掃具セットは、上述の掃除機と、掃除機を取り付け可能に構成された回収装置と、を備えている。回収装置は、塵埃を回収する回収室と、一端部が回収室に接続されるとともに、回収装置に掃除機が取り付けられた状態において連通路に連通する塵埃流路と、回収装置に掃除機が取り付けられた状態において、蓋体が連通路を開放する開姿勢になるように蓋体に吸引力を作用させるとともに、蓋体が開姿勢になった状態で、連通路及び塵埃流路を通じて、塵埃を回収室内に吸引するように構成された吸引源と、を有している。蓋体は、開姿勢になったときに、塵埃流路に入り込むことを許容するように形成されている。