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特開2022-183900掃除機と、掃除機から塵埃を回収する回収装置と、を備えた清掃具セット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183900
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】掃除機と、掃除機から塵埃を回収する回収装置と、を備えた清掃具セット
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/00 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
A47L9/00 Z
A47L9/00 104
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091422
(22)【出願日】2021-05-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100157808
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 耕平
(72)【発明者】
【氏名】難波 康二
(72)【発明者】
【氏名】水野 陽章
(72)【発明者】
【氏名】赤瀬 美樹
(72)【発明者】
【氏名】藤田 孝一
【テーマコード(参考)】
3B006
【Fターム(参考)】
3B006GA02
3B006GA03
3B006MA03
(57)【要約】
【課題】掃除機の吸引ファンの回転音を抑制しつつ、掃除機から塵埃を回収する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】本出願の回収装置は、掃除機内の塵埃を吸引する吸引力を発生する吸引源と、吸引源により吸引された塵埃が流れる塵埃流路と、を収容している筐体を有している。筐体は、掃除機が回収装置に接続された状態において、掃除機の吸引ファンが配置されたファン室に形成された排気口に連通する開口部を有しており、排気口から漏れ出た吸引ファンの回転音は、開口部を通じて筐体内を伝播する。この間において、回転音は減衰し、騒音として知覚されにくくなる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機を接続可能に構成された回収装置であって、
前記掃除機は、塵埃を吸引するための吸引気流を生じさせる羽根部を有している吸引ファンを収容しているとともに前記吸引気流が排気される排気口が形成されたファン室と、前記吸引気流が前記ファン室へ流れることを許容するとともに前記吸引気流に含まれる塵埃を捕捉するフィルタ部を収容している貯塵室と、を有しており、
前記回収装置は、
前記掃除機を接続可能に構成されているとともに、前記掃除機が接続された状態で前記排気口に対向する開口部が形成されている筐体と、
前記掃除機が前記筐体に接続された状態で前記貯塵室と連通するように構成された塵埃流路と、
前記筐体内に設けられて、前記掃除機が前記筐体に接続された状態で作動することによって、前記貯塵室及び前記ファン室内の空気及び前記貯塵室内の塵埃を前記塵埃流路に吸い出す吸引源と、を備え、
前記筐体は、前記掃除機が前記筐体に接続された状態で前記吸引源が作動することによって、前記ファン室内の空気が吸い出されることによって生ずる前記羽根部の回転音が前記開口部を通じて前記筐体内で伝播することを許容するように構成されている、回収装置。
【請求項2】
前記塵埃流路は、前記筐体の前記開口部と上下方向に並ぶように前記筐体上に開口している、請求項1に記載の回収装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の回収装置に接続可能な掃除機であって、
塵埃を吸引するための吸引気流を生じさせる羽根部を有している吸引ファンを収容しているとともに前記吸引気流を排気する排気口が形成されたファン室と、
前記吸引気流が前記ファン室へ流れることを許容するとともに前記吸引気流に含まれる塵埃を捕捉するフィルタ部を収容している貯塵室と、を備え、
前記貯塵室は、前記掃除機が前記回収装置に接続された状態において、前記回収装置の前記塵埃流路に連通するように構成され、
前記排気口は、前記掃除機が前記回収装置に接続された状態において、前記ファン室を前記回収装置の前記開口部に連通させるように形成されている、掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除機から塵埃を回収する回収装置及び回収装置に接続可能な掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、図9に示すようなスティック型の掃除機300が開示されている。掃除機300は、掃除機本体310と、掃除機本体310から下方に延設された吸引管320と、を備えている。吸引管320の下端には、塵埃を吸い込む吸込ノズル330が接続されている。
【0003】
掃除機本体310の筐体311は、薄板状のフィルタ部315により、ファン室316と、ファン室316の下側の貯塵室317と、に区画されている。フィルタ部315は、塵埃を捕捉する一方で、空気の通過を許容するように構成されている。したがって、空気は、ファン室316と貯塵室317との間で行き来可能である。
【0004】
ファン室316には、吸込ノズル330を通じて塵埃を吸引する吸引力を発生させる吸引ファン312が配置されている。吸引ファン312は、モータ313と、モータ313によって回転駆動される羽根部314と、を備えている。羽根部314は、モータ313により回転されたときに、図9の矢印で示す上向きの吸引気流を生じさせるように構成されている。吸引気流は、ファン室316に設けられた排気口301から排気される。
【0005】
貯塵室317には、フィルタ部315により捕捉された塵埃が貯留される。貯塵室317内の塵埃を排出するために、筐体311の後壁318に開口した排塵口319が設けられている。
【0006】
特許文献1では、図10に示す回収装置400が、貯塵室317内の塵埃を回収するために用いられる。回収装置400は、排塵口319に接続されて、貯塵室317内の塵埃を吸い出すように構成されている。
【0007】
回収装置400は、矩形箱状の筐体410を有しており、この筐体410の前壁411で掃除機300を保持する。回収装置400の筐体410の内部には、掃除機300の貯塵室317内の塵埃を吸い出す吸引力を発生する吸引源420が配置されている。吸引源420は、掃除機300の貯塵室317から吸い出された塵埃を貯留する回収室440上に配置されており、回収室440内の空気を吸い出すように構成されている。回収室440には、塵埃流路430の一端部が接続されており、塵埃流路430の他端部は、筐体410の前壁上で開口している。
【0008】
掃除機300が回収装置400に接続されると、回収装置400の塵埃流路430は、掃除機300の貯塵室317と連通する。この状態で回収装置400の吸引源420が作動すると、吸引源420の吸引力は、塵埃流路430を通じて、掃除機300の貯塵室317内の塵埃に作用する。貯塵室317内の塵埃は、この吸引力により、排塵口319及び塵埃流路430を順次通過して回収室440内に流入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平3-267032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
フィルタ部315は、空気の通過を許容するので、回収装置400の吸引源420が貯塵室317内の空気を塵埃とともに吸い出せば、貯塵室317の上側のファン室316内の空気は、貯塵室317に吸引される。ファン室316から貯塵室317への空気の吸引に伴って、ファン室316の排気口301を通じて外気がファン室316に流入する。
【0011】
このとき、ファン室316内のモータ313のトルクがゼロの状態であれば(たとえば、モータ313に電力供給がなされていない場合)、ファン室316に流入した外気の流れによって、羽根部314が回転する。羽根部314の回転音は、排気口301を通じて筐体311の外に漏れ出るので、使用者は、この回転音を騒音として知覚し得る。
【0012】
本発明は、掃除機から回収装置への塵埃の回収時における騒音を抑制しつつ、掃除機から塵埃を回収する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示における回収装置は、掃除機を接続可能に構成されている。掃除機は、塵埃を吸引するための吸引気流を生じさせる羽根部を有している吸引ファンを収容しているとともに吸引気流が排気される排気口が形成されたファン室と、吸引気流がファン室へ流れることを許容するとともに吸引気流に含まれる塵埃を捕捉するフィルタ部を収容している貯塵室と、を有している。回収装置は、掃除機を接続可能に構成されているとともに、掃除機が接続された状態で排気口に対向する開口部が形成されている筐体と、掃除機が筐体に接続された状態で貯塵室と連通するように構成された塵埃流路と、筐体内に設けられて、掃除機が前記筐体に接続された状態で作動することによって、貯塵室及びファン室内の空気及び貯塵室内の塵埃を塵埃流路に吸い出す吸引源と、を備えている。筐体は、掃除機が筐体に接続された状態で吸引源が作動することによって、ファン室内の空気が吸い出されることによって生ずる羽根部の回転音が開口部を通じて筐体内で伝播することを許容するように構成されている。
【0014】
本開示における掃除機は、上述の回収装置に接続可能に構成されている。掃除機は、塵埃を吸引するための吸引気流を生じさせる羽根部を有している吸引ファンを収容しているとともに吸引気流を排気する排気口が形成されたファン室と、吸引気流がファン室へ流れることを許容するとともに吸引気流に含まれる塵埃を捕捉するフィルタ部を収容している貯塵室と、を備えている。貯塵室は、掃除機が回収装置に接続された状態において、回収装置の塵埃流路に連通するように構成されている。排気口は、掃除機が回収装置に接続された状態において、ファン室を回収装置の開口部に連通させるように形成されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、掃除機から回収装置への塵埃の回収時における騒音を抑制しつつ、掃除機から塵埃を回収することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】掃除機の概略的な断面図
図2】掃除機の正面図
図3】貯塵室の周囲の掃除機の断面図
図4】掃除機及び回収装置の断面図
図5】掃除機及び回収装置を上から見た断面図
図6】回収装置の側面図
図7】回収装置の正面図
図8】貯塵室の周囲の掃除機の断面図
図9】従来の掃除機の概略的な断面図
図10】従来の回収装置の概略的な斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明するが、当業者の理解を容易にするために、例えば、既によく知られた事項の詳細説明、又は、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0018】
(掃除機の全体的な構造)
図1は、スティック型の掃除機100の概略的な断面図である。図2は、掃除機100の正面図である。図1及び図2を参照して、掃除機100を説明する。
【0019】
掃除機100は、床面上の塵埃を吸い込む吸込ノズル130と、吸込ノズル130に対して前後方向に傾動可能に吸込ノズル130に取り付けられた掃除機本体110と、掃除機本体110の上端112から上方に延設された把持部140と、を備えている。図1及び図2に示す掃除機本体110及び把持部140は、吸込ノズル130に対して直立した姿勢をとっており、この直立姿勢より前方には傾動しない。掃除機100の使用時においては、掃除機本体110及び把持部140は、吸込ノズル130に対して後方に傾動した姿勢で使用者によって保持される。
【0020】
吸込ノズル130は、塵埃を吸い込むための幅広の吸込空間131を形成するように、掃除機本体110よりも幅広のノズルケース132を備えている。吸込空間131は、ノズルケース132の前側部分において、床面に向けて開口している。この開口部分の後側では、吸込空間131は、ノズルケース132の底部134により閉じられている。吸込空間131には、回転式の掻取ブラシ133が配置されており、掻取ブラシ133は、吸込空間131の開口を通じて床面に接触可能にノズルケース132から露出している。
【0021】
掃除機本体110は、上下方向に細長い筐体111を有している。筐体111の下端は、掃除機本体110の前後方向の傾動を許容するように、ノズルケース132の後部に取り付けられている。筐体111の上部は、筐体111の上端112に向けて細くなっており、上端112から把持部140が上方に延設されている。把持部140は、使用者により握持される太さを有している棒状の部分である。把持部140には、図2に示すように、使用者によって操作される操作部141(操作ボタン)が設けられている。
【0022】
筐体111は、床面上の塵埃を吸い上げるとともに吸い上げた塵埃を貯留するための様々な部品を内蔵するように構成されている。詳細には、筐体111の下部の内部には、図1に示すように、上下方向に延設された吸引管113が配置されている。また、吸引管113の上側には、貯塵室152が設けられており、貯塵室152には、塵埃を捕捉する一方で空気の通過を許容するフィルタ部115が配置されている。貯塵室152の上側には、貯塵室152と連通したファン室153が設けられており、ファン室153には、床面上の塵埃を吸い上げる吸引力を発生させて、上向きの吸引気流を生じさせる吸引ファン116が配置されている。吸引ファン116の上側には、吸引ファン116に電力を供給するバッテリ117が配置されている。
【0023】
ファン室153内の吸引ファン116は、モータ161と、モータ161により回転されて上向きの吸引気流を生じさせるように形成された羽根部162と、を備えている。吸引ファン116のモータ161は、操作部141に対する操作に応じて、作動したり、停止したりするように構成されている。なお、吸引ファン116が停止しているときは、バッテリ117から吸引ファン116への電力供給がなされておらず、このとき、吸引ファン116のモータ161のトルクはゼロの状態になっている。すなわち、吸引ファン116が停止しているときには、吸引ファン116の羽根部162は、自由に回転可能になる。
【0024】
吸引ファン116が収容されたファン室153は、図2に示すように、筐体111の前壁において開口した排気口151を有しており、吸引ファン116が発生させた吸引気流は、排気口151を通じて排気される。
【0025】
吸引ファン116により吸い上げられた塵埃を捕捉して、塵埃がファン室153に流れることを防止するために、ファン室153の下側の貯塵室152内には、フィルタ部115が設けられている。フィルタ部115は、下向きに開口した容器の形状を有している。フィルタ部115は、吸引ファン116が生じさせた吸引気流の通過を許容する一方で、吸引気流に含まれている塵埃を捕捉するメッシュフィルタ118と、メッシュフィルタ118の容器形状を保持するように構成された保持フレーム119と、を有している。メッシュフィルタ118により囲まれた空間内には、吸引ファン116の吸引力により吸い上げられた塵埃が貯留される。塵埃は、メッシュフィルタ118により捕捉されるので、メッシュフィルタ118を通過してファン室153に向けて流れる吸引気流は、塵埃をほとんど含まない。
【0026】
フィルタ部115が収容された貯塵室152は、図3に示すように、筐体111の前壁において開口した排塵口124を有しており、貯塵室152内でフィルタ部115により捕捉された塵埃は、排塵口124を通じて排出され得る。排塵口124は、蓋体121により開閉される。図1及び図2に示す蓋体121は、直立しており、排塵口124を閉じる閉姿勢になっている。一方、図3に示す蓋体121は、閉姿勢の状態から所定の角度(90°以下の回動角度)だけ下方に回動しており、排塵口124を開く開姿勢になっている。
【0027】
筐体111の下部に内蔵された吸引管113は、筐体111内で固定されており、掃除機本体110が直立姿勢(図1に示す姿勢)から後方に傾動すると、筐体111とともに後方に傾動する。掃除機本体110が直立姿勢にあるときには、吸引管113の下端は、ノズルケース132の底部134に当接した状態になっている。すなわち、掃除機本体110が直立姿勢にあるときにおいて、吸引管113の下端は、ノズルケース132の底部134によって閉じられている。掃除機本体110が直立姿勢から後方に傾動すると、吸引管113の下端は、図1の矢印Aで示す方向に移動する。この結果、吸引管113の内部空間は、ノズルケース132の吸込空間131に連通した状態になる。
【0028】
吸引管113の上端には、吸引ファン116が作動していないときにおいて吸引管113の上端を塞ぐ逆止弁114が取り付けられている。詳細には、逆止弁114の後端部分のみが吸引管113に固定されており、残りの部分は、吸引ファン116の吸引力を受けて吸引管113の上端から離れた状態になることを許容されている。逆止弁114は、例えば、薄いゴム板から構成されていてもよい。この場合、吸引ファン116が作動すると、逆止弁114は、吸引ファン116の上向きの吸引力により上向きに湾曲変形し、吸引管113の上端の開口を開放することができる。
【0029】
(回収装置の全体的な構造)
貯塵室152に貯留された塵埃は、図4に示す回収装置200により回収され得る。回収装置200は、掃除機100を接続可能に構成されている。詳細には、回収装置200は、筐体210と、前部において筐体210が据え付けられているとともに、後部において掃除機100が載置される台座板220と、を備えている。回収装置200の筐体210内には、掃除機100から回収された塵埃が流入するように一端部が筐体210の外側に開口した塵埃流路230が設けられている。塵埃流路230の他端部は、掃除機100から回収された塵埃が貯留される回収室240に接続されており、回収室240の下側には、吸引源250が配置されている。吸引源250は、筐体210内において制御部260に電気的に接続されており、制御部260の制御下で動作する。詳細には、吸引源250は、制御部260の制御下で、吸引力を発生させて、掃除機100の貯塵室152内の塵埃を回収するための回収気流が生ずるように構成されている。
【0030】
筐体210は、掃除機100が接続されたときにおいて、図4に示すように、掃除機本体110に当接する後壁214を有している上部212と、上部212よりも前後方向において小さく形成された下部211と、を有している。
【0031】
上部212は、図5に示すように、平面視において略矩形状の内部空間を後壁214とともに形成する前壁217、右壁218及び左壁219を含んでいる。後壁214、前壁217、右壁218及び左壁219によって囲まれた略矩形状の内部空間は、図4に示すように、上壁部272によって、上側から閉じられている。上部212の内部空間には、塵埃流路230、回収室240及び吸引源250が収容されている。上部212が後壁214に当接した状態において、塵埃流路230は、掃除機100の貯塵室152に連通する。下部211は、上部212の後壁214に対して前方に窪んでおり、下部211の後方には、吸込ノズル130を収容するための収容空間213が形成されている。下部211内には、制御部260が配置されている。
【0032】
前壁231と右壁232とにより形成される上部212の角隅部には、図6に示すように、吸気口234と、排気口235と、が形成されている。吸気口234は、外気を筐体210内に流入させるために設けられている。排気口235は、吸引源250が発生させた回収気流を排気するために設けられており、吸引源250に対応する高さ位置に形成されている。吸気口234及び排気口235は、多数の小孔から構成されている。なお、吸気口234及び排気口235は、前壁231と左壁233とにより形成される上部212の角隅部にも形成されている。
【0033】
上部212の後壁214は、掃除機本体110と接続可能に形成されている。詳細には、後壁214には、図5に示すように、掃除機本体110の前側部分と相補的な凹溝部215が設けられている。凹溝部215は、図7に示すように、上下方向に延設されている。凹溝部215には、直立姿勢の掃除機本体110の前側部分が嵌め込まれる。この状態において、掃除機本体110は、凹溝部215の幅方向に位置決めされる。
【0034】
凹溝部215内において、後壁214には、図7に示すように、矩形状の開口部236が形成されている。開口部236は、上述の吸気口234から流入した外気を筐体210から流出させるために設けられている。
【0035】
開口部236は、掃除機本体110が直立姿勢になった状態で掃除機100が台座板220上に載置されて、掃除機本体110の前側部分が凹溝部215に嵌め込まれたときに、図2に示す排気口151と前後方向に重なり合う位置に形成されている。すなわち、開口部236は、図4に示すように、掃除機100が回収装置200に接続されたときに、掃除機100の排気口151に対向する。開口部236は、排気口151よりも広い開口領域を有しており、掃除機100が回収装置200に接続されたとき、排気口151全体は、開口部236に重なる。
【0036】
開口部236の下側では、塵埃流路230の一端部が矩形状の回収口216として開口している。すなわち、回収口216及び開口部236は、後壁214上で上下方向に並んで形成されている。回収口216は、掃除機本体110が直立姿勢になった状態で掃除機100が台座板220上に載置されて、掃除機本体110の前側部分が凹溝部215に嵌め込まれたときに、図3及び図8に示す排塵口124と前後方向に重なり合う位置に形成されている。すなわち、回収口216は、図8に示すように、掃除機100が回収装置200に接続されたときに、掃除機100の排塵口124に対向する。回収口216は、掃除機100の蓋体121が開姿勢になったときにおいて回収口216内に入り込む大きさを有している。
【0037】
開口部236の上側には、一対の小孔が形成されており、図7に示すように、これら小孔を通じて後壁214の外面からそれぞれ突出した一対の検出片261が設けられている。これらの検出片261は、掃除機本体110が凹溝部215に嵌め込まれたことを検出するために利用される。
【0038】
検出片261は、後壁214から突出する方向に付勢されており、掃除機本体110が凹溝部215に嵌め込まれると、掃除機本体110によって小孔内に押し込まれて小孔内に没入した状態になる。検出片261が小孔内に没入した状態であるか否かを検出するとともに、小孔内への検出片261の没入が検出されたときに起動信号を生成するように構成された信号生成部262が筐体210内に配置されている。信号生成部262は、図4に示す制御部260に電気的に接続されている。
【0039】
塵埃流路230は、図4に示すように、筐体210の上部212内に配置されて、上述の回収口216から上方に延設されている。回収口216とは反対側の塵埃流路230の端部は、回収室240に接続されている。回収口216は、上述の如く、回収装置200に接続された掃除機100の排塵口124と対向するので、掃除機100の蓋体121が排塵口124を開くと、塵埃流路230は、排塵口124及び貯塵室152に繋がる。
【0040】
回収室240は、図5に示すように、平面視において矩形状の空間を形成するように構成されており、後壁241と、前壁242と、右壁243と、左壁244と、底壁245と、を含んでいる。また、回収室240は、図4に示すように、底壁245と対向配置された上壁248を含んでいる。
【0041】
回収室240の後壁241は、図5に示すように、筐体210の後壁214から前方に離間した位置で立設されており、これらの後壁241,214間の空間において、塵埃流路230が延設されている。回収室240の後壁241には、開口が形成されており、塵埃流路230の上端(回収口216とは反対側の塵埃流路230の端部)は、後壁241の開口に接続されている。
【0042】
回収室240の前壁242は、筐体210の前壁231から後方に離間した位置で立設されている。回収室240の右壁243は、筐体210の右壁232から左方に離間した位置で立設されている。回収室240の左壁244は、筐体210の左壁233から右方に離間した位置で立設されている。また、回収室240の上壁248は、図4に示すように、筐体210の上壁部272から下方に離間した位置に設けられている。したがって、回収室240の周囲には空間が形成されている。当該空間には、図4及び図5において矢印で示すように、吸気口234を通じて外気が流入する。また、この空間に流入した外気は、開口部236から流出する。すなわち、回収室240及び筐体210により、吸気口234を上流端とするとともに開口部236を下流端とする吸気流路246が形成される。
【0043】
回収室240の底壁245には、円形の開口部が形成されており、図5に示すように、この開口部に除塵フィルタ247が取り付けられている。除塵フィルタ247は、塵埃を捕捉する一方で、空気の通過を許容するように構成されている。除塵フィルタ247の下側に、図4に示す吸引源250が配置されており、吸引源250は、除塵フィルタ247を通じて、回収室240内の空気を吸い込むように構成されている。吸引源250の吸引力は、掃除機100が回収装置200に接続されているとき、回収室240及び塵埃流路230を通じて掃除機100の蓋体121に作用する。吸引源250は、蓋体121を閉姿勢から開姿勢へ傾動させるとともに、貯塵室152内の塵埃を吸引する大きさの吸引力が得られるように構成されている。たとえば、吸引源250は、ファンと、モータと、から構成されていてもよい。
【0044】
(清掃作業時における掃除機の動作の説明)
掃除機100は、清掃作業時において、吸込ノズル130に対して掃除機本体110及び把持部140が後方に傾斜した姿勢で、使用者に保持される。吸込ノズル130に対して掃除機本体110及び把持部140が後方に傾斜した姿勢にすることで、吸込ノズル130を押しながら前方に移動させやすくなる。この状態において、吸引管113の内部空間は、吸込ノズル130の吸込空間131と連通している。
【0045】
使用者が、その後、操作部141を操作して、吸引ファン116を作動させると、吸引ファン116は、上向きの吸引力を発生させる。この吸引力により、逆止弁114は、上向きに湾曲変形する。この結果、吸引管113の上端が開かれる。
【0046】
吸引管113の上端が開かれると、吸引ファン116の吸引力は、吸込ノズル130の吸込空間131を通じて塵埃を吸引する吸引気流を生じさせる。吸引気流は、吸込ノズル130及び吸引管113を通過し、貯塵室152に流入する。床面上の塵埃は、吸引気流に乗って貯塵室152に流入し、貯塵室152に配置されたフィルタ部115により捕捉される。フィルタ部115により捕捉された塵埃は、貯塵室152内で貯留される。一方、吸引気流は、フィルタ部115を通過し、排気口124から排気される。
【0047】
清掃作業が終了すると、使用者は、操作部141を操作して、吸引ファン116を停止させる。この結果、吸引ファン116の吸引力はなくなるので、逆止弁114は復元し、吸引管113の上端を閉じる。したがって、フィルタ部115により捕捉された塵埃は、吸引管113内に落下することなく、貯塵室152内に留められる。
【0048】
(塵埃の回収時における回収装置の動作の説明)
使用者は、貯塵室152に貯まった塵埃を回収するために、回収装置200に掃除機100を取り付ける。詳細には、使用者は、回収装置200の台座板220上に掃除機100を設置し、掃除機本体110及び把持部140を直立姿勢にする。直立姿勢になった掃除機本体110が、回収装置200の凹溝部215に嵌め込まれると、掃除機100の蓋体121は、回収装置200の回収口216に前後方向に対向する。また、掃除機100のファン室153は、排気口151を通じて、回収装置200の吸気流路246に連通する。この状態において、回収装置200の検出片261は、掃除機本体110によって前方に押されており、検出片261は、後壁214の小孔内に没入する。
【0049】
検出片261が小孔内に没入したことは、信号生成部262により検出される。信号生成部262は、小孔内への検出片261の没入の検出に応じて、起動信号を生成する。起動信号は、信号生成部262から制御部260へ伝達され、制御部260は、起動信号の受信に応じて、吸引源250を所定期間作動させる。
【0050】
吸引源250が作動すると、吸引源250の吸引力は、回収室240及び塵埃流路230を通じて、回収口216に対向している蓋体121に作用する。蓋体121は、吸引源250の吸引力を受けて、図8に示すように、排塵口124を閉じる閉姿勢から下方に傾動して、排塵口124を開く開姿勢になる。
【0051】
蓋体121が下方に回動すると、排塵口124が開放された状態になる。この結果、掃除機100の貯塵室152は、塵埃流路230を通じて、回収室240の内部空間に連通した状態になる。貯塵室152は、ファン室153とも連通しており、ファン室153は、排気口151を通じて吸気流路246と連通しているので、塵埃流路230は、貯塵室152、ファン室153及び吸気流路246と連通した状態になる。したがって、吸引源250の吸引力は、回収室240、塵埃流路230、貯塵室152、ファン室153及び吸気流路246を通じて、吸気流路246の吸気口234に作用する。この結果、図4及び図5の矢印で示すように、外気が吸気口234を通じて吸気流路246に吸入され、吸気流路246内では、吸気口234から開口部236に向かう回収気流が生ずる。
【0052】
開口部236は掃除機100の排気口151に対向しているので、吸気流路246内の回収気流は、排気口151を通じて、掃除機100のファン室153に吸引される。このとき、ファン室153内の吸引ファン116には電力供給がなされていないので、吸引ファン116のモータ161のトルクはゼロの状態になっている。したがって、吸引ファン116の羽根部162は、ファン室153を通過する回収気流により回転し得る。吸引ファン116の羽根部162の回転により、吸引ファン116から回転音が発生し得る。ファン室153には排気口151が形成されているので、回転音は、排気口151を通じて、掃除機100の筐体111の外に漏れ出やすい。この音漏れを抑制するために、排気口151には、吸気流路246の開口部236が繋げられている。すなわち、排気口151から漏れ出た回転音は、筐体210内で形成された吸気流路246内の空気を伝播し、吸気流路246の吸気口234を通じて、回収装置200の筐体210から放出される。回転音は、筐体210内を伝播している間に減衰するので、吸気口234を通じて放出された回転音のノイズレベルは低くなる。
【0053】
吸引ファン116を通過した回収気流は、吸引ファン116の下側のフィルタ部115を通過する。このとき、回収気流は、貯塵室152内の塵埃を排塵口124から流出させる。排塵口124から流出した塵埃は、回収気流に乗って、回収口216を通じて塵埃流路230に流入する。その後、塵埃は、塵埃流路230を流れて、回収室240内に流入する。回収室240内において、塵埃は、除塵フィルタ247により捕捉される一方で、回収気流は、除塵フィルタ247を通過する。回収気流は、その後、排気口235を通じて排気される。
【0054】
上述の実施形態では、吸気流路246の一端部を構成している吸気口234は、筐体210の前壁231側の角隅部に形成されている。代替的に、吸気口234から放出される回転音のノイズレベルを十分に低減できる長さを吸気流路246が有する限り、吸気口234は、筐体210における他の部分に形成されていてもよい。
【0055】
上述の実施形態では、回収装置200は、スティック型の掃除機100から塵埃を回収するように構成されている。代替的に、回収装置200は、キャニスター型の掃除機100から塵埃を回収するように構成されていてもよい。この場合、回収装置200の開口部236及び回収口216は、キャニスター型の掃除機100の排気口151及び排塵口124の位置に合わせて設けられる。
【0056】
(効果等)
上述の実施形態に係る回収装置200及び掃除機100は、以下の特徴を有しているとともに、以下の効果を奏する。
【0057】
上述の実施形態に係る一の局面に係る回収装置は、掃除機を接続可能に構成されている。掃除機は、塵埃を吸引するための吸引気流を生じさせる羽根部を有している吸引ファンを収容しているとともに吸引気流が排気される排気口が形成されたファン室と、吸引気流がファン室へ流れることを許容するとともに吸引気流に含まれる塵埃を捕捉するフィルタ部を収容している貯塵室と、を有している。回収装置は、掃除機を接続可能に構成されているとともに、掃除機が接続された状態で排気口に対向する開口部が形成されている筐体と、掃除機が筐体に接続された状態で貯塵室と連通するように構成された塵埃流路と、筐体内に設けられて、掃除機が前記筐体に接続された状態で作動することによって、貯塵室及びファン室内の空気及び貯塵室内の塵埃を塵埃流路に吸い出す吸引源と、を備えている。筐体は、掃除機が筐体に接続された状態で吸引源が作動することによって、ファン室内の空気が吸い出されることによって生ずる羽根部の回転音が開口部を通じて筐体内で伝播することを許容するように構成されている。
【0058】
上述の構成によれば、掃除機が回収装置に接続されると、回収装置の塵埃流路は、掃除機の貯塵室に連通する。この状態で、回収装置の吸引源が吸引力を発生させると、この吸引力は、塵埃流路を通じて貯塵室に作用する。貯塵室内の塵埃は、貯塵室内の空気とともに塵埃流路に流入する。貯塵室内の空気が、塵埃流路に吸い出されると、貯塵室内のフィルタ部は、空気の通過を許容するので、ファン室の空気は、貯塵室に流入する。ファン室から貯塵室へ向かう空気の流れは、ファン室内の吸引ファンの羽根部を回転させ得る。羽根部の回転音は、排気口から漏れ出ることもあるが、排気口は、回収装置の筐体に設けられた開口部に連通しているので、排気口から漏れ出た回転音は、回収装置の筐体内を伝播する。回転音は、排気口から漏れ出るのではなく、筐体内で伝播するので、筐体内で籠った状態になり得る。このため、使用者は、回転音を知覚しにくい。
【0059】
上述の構成において、塵埃流路は、筐体の開口部と上下方向に並ぶように筐体上に開口していてもよい。
【0060】
上下方向に長い掃除機(いわゆる、スティック型の掃除機)では、ファン室及び貯塵室を上下に並べて形成し得る。上述の構成によれば、上下方向に並んだファン室及び貯塵室にそれぞれ連通するように、筐体の開口部及び塵埃流路の回収口は、上下方向に並んで筐体に開口している。
【0061】
上述の実施形態に係る他の局面に係る掃除機は、掃除機は、塵埃を吸引するための吸引気流を生じさせる羽根部を有している吸引ファンを収容しているとともに吸引気流を排気する排気口が形成されたファン室と、吸引気流がファン室へ流れることを許容するとともに吸引気流に含まれる塵埃を捕捉するフィルタ部を収容している貯塵室と、を備えている。貯塵室は、掃除機が回収装置に接続された状態において、回収装置の塵埃流路に連通するように構成されている。排気口は、掃除機が回収装置に接続された状態において、ファン室を回収装置の開口部に連通させるように形成されている。
【産業上の利用可能性】
【0062】
上述の実施形態の回収装置及び掃除機は、清掃作業に用いられる装置に好適に利用される。
【符号の説明】
【0063】
100 掃除機
111 筐体
115 フィルタ部
116 吸引ファン
151 排気口
152 貯塵室
153 ファン室
162 羽根部
200 回収装置
210 筐体
216 回収口
230 塵埃流路
235 排気口
236 開口部
250 吸引源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機を接続可能に構成された回収装置であって、
前記掃除機は、塵埃を吸引するための吸引気流を生じさせる羽根部を有している吸引ファンを収容しているとともに前記吸引気流が排気される排気口が形成されたファン室と、前記吸引気流が前記ファン室へ流れることを許容するとともに前記吸引気流に含まれる塵埃を捕捉するフィルタ部を収容している貯塵室と、を有しており、
前記回収装置は、
前記掃除機を接続可能に構成されているとともに、前記掃除機が接続された状態で前記排気口に対向する開口部が形成されている筐体と、
前記掃除機が前記筐体に接続された状態で前記貯塵室と連通するように構成された塵埃流路と、
前記筐体内に設けられて、前記掃除機が前記筐体に接続された状態で作動することによって、前記貯塵室及び前記ファン室内の空気及び前記貯塵室内の塵埃を前記塵埃流路に吸い出す吸引源と、を備え、
前記筐体には、前記吸引源が塵埃を前記塵埃流路に吸い出しているときに前記筐体及び前記掃除機の外にある外気が流入する吸気口が形成されているとともに、前記吸気口から流入した外気が前記開口部に向けて流れる吸気流路が形成されており、
前記筐体は、前記掃除機が前記筐体に接続された状態で前記吸引源が作動することによって、前記ファン室内の空気が吸い出されることによって生ずる前記羽根部の回転音が前記開口部を通じて前記筐体内で伝播することを許容するように構成されている、回収装置。
【請求項2】
前記塵埃流路は、前記筐体の前記開口部と上下方向に並ぶように前記筐体上に開口している、請求項1に記載の回収装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の回収装置に接続可能な掃除機であって、
塵埃を吸引するための吸引気流を生じさせる羽根部を有している吸引ファンを収容しているとともに前記吸引気流を排気する排気口が形成されたファン室と、
前記吸引気流が前記ファン室へ流れることを許容するとともに前記吸引気流に含まれる塵埃を捕捉するフィルタ部を収容している貯塵室と、を備え、
前記貯塵室は、前記掃除機が前記回収装置に接続された状態において、前記回収装置の前記塵埃流路に連通するように構成され、
前記排気口は、前記掃除機が前記回収装置に接続された状態において、前記ファン室を前記回収装置の前記開口部に連通させるように形成されている、掃除機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本開示における回収装置は、掃除機を接続可能に構成されている。掃除機は、塵埃を吸引するための吸引気流を生じさせる羽根部を有している吸引ファンを収容しているとともに吸引気流が排気される排気口が形成されたファン室と、吸引気流がファン室へ流れることを許容するとともに吸引気流に含まれる塵埃を捕捉するフィルタ部を収容している貯塵室と、を有している。回収装置は、掃除機を接続可能に構成されているとともに、掃除機が接続された状態で排気口に対向する開口部が形成されている筐体と、掃除機が筐体に接続された状態で貯塵室と連通するように構成された塵埃流路と、筐体内に設けられて、掃除機が筐体に接続された状態で作動することによって、貯塵室及びファン室内の空気及び貯塵室内の塵埃を塵埃流路に吸い出す吸引源と、を備えている。筐体には、吸引源が塵埃を塵埃流路に吸い出しているときに筐体及び掃除機の外にある外気が流入する吸気口が形成されているとともに、吸気口から流入した外気が開口部に向けて流れる吸気流路が形成されている。筐体は、掃除機が筐体に接続された状態で吸引源が作動することによって、ファン室内の空気が吸い出されることによって生ずる羽根部の回転音が開口部を通じて筐体内で伝播することを許容するように構成されている。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機と、
前記掃除機を接続可能に構成された回収装置を備え、
前記掃除機は、塵埃を吸引するための吸引気流を生じさせる羽根部を有している吸引ファンを収容しているとともに前記吸引気流が排気される第1排気口が形成されたファン室と、前記吸引気流が前記ファン室へ流れることを許容するとともに前記吸引気流に含まれる塵埃を捕捉するフィルタ部を収容している貯塵室と、を有しており、
前記回収装置は、
前記掃除機を接続可能に構成されているとともに、前記掃除機が接続された状態で前記第1排気口に対向する開口部が形成されている筐体と、
前記掃除機が前記筐体に接続された状態で前記貯塵室と連通するように構成された塵埃流路と、
前記筐体内に設けられて、前記掃除機が前記筐体に接続された状態で作動することによって、前記貯塵室及び前記ファン室内の空気及び前記貯塵室内の塵埃を前記塵埃流路に吸い出す吸引源と、を備え、
前記筐体には、前記吸引源が塵埃を前記塵埃流路に吸い出しているときに前記筐体及び前記掃除機の外にある外気が流入する吸気口と、前記吸引源から吹き出された空気が前記筐体及び前記掃除機の外にある外気中に流出する第2排気口と、前記吸気口から流入した外気が前記開口部に向けて流れる吸気流路と、が形成されており、
前記筐体は、前記掃除機が前記筐体に接続された状態で前記吸引源が作動することによって、前記ファン室内の空気が吸い出されることによって生ずる前記羽根部の回転音が前記開口部を通じて前記筐体内で伝播することを許容するように構成されている、清掃具セット
【請求項2】
前記塵埃流路は、前記筐体の前記開口部と上下方向に並ぶように前記筐体上に開口している、請求項1に記載の清掃具セット
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、掃除機と、掃除機から塵埃を回収する回収装置と、を備えた清掃具セットに関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本開示における清掃具セットは、掃除機と、掃除機を接続可能に構成された回収装置と、を備えている。掃除機は、塵埃を吸引するための吸引気流を生じさせる羽根部を有している吸引ファンを収容しているとともに吸引気流が排気される第1排気口が形成されたファン室と、吸引気流がファン室へ流れることを許容するとともに吸引気流に含まれる塵埃を捕捉するフィルタ部を収容している貯塵室と、を有している。回収装置は、掃除機を接続可能に構成されているとともに、掃除機が接続された状態で第1排気口に対向する開口部が形成されている筐体と、掃除機が筐体に接続された状態で貯塵室と連通するように構成された塵埃流路と、筐体内に設けられて、掃除機が筐体に接続された状態で作動することによって、貯塵室及びファン室内の空気及び貯塵室内の塵埃を塵埃流路に吸い出す吸引源と、を備えている。筐体には、吸引源が塵埃を塵埃流路に吸い出しているときに筐体及び掃除機の外にある外気が流入する吸気口と、前記吸引源から吹き出された空気が前記筐体及び前記掃除機の外にある外気中に流出する第2排気口と、が形成されているとともに、吸気口から流入した外気が開口部に向けて流れる吸気流路が形成されている。筐体は、掃除機が筐体に接続された状態で吸引源が作動することによって、ファン室内の空気が吸い出されることによって生ずる羽根部の回転音が開口部を通じて筐体内で伝播することを許容するように構成されている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
吸引ファン116が収容されたファン室153は、図2に示すように、筐体111の前壁において開口した第1排気口151を有しており、吸引ファン116が発生させた吸引気流は、第1排気口151を通じて排気される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
前壁231と右壁232とにより形成される上部212の角隅部には、図6に示すように、吸気口234と、第2排気口235と、が形成されている。吸気口234は、外気を筐体210内に流入させるために設けられている。第2排気口235は、吸引源250が発生させた回収気流を排気するために設けられており、吸引源250に対応する高さ位置に形成されている。吸気口234及び第2排気口235は、多数の小孔から構成されている。なお、吸気口234及び第2排気口235は、前壁231と左壁233とにより形成される上部212の角隅部にも形成されている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
開口部236は、掃除機本体110が直立姿勢になった状態で掃除機100が台座板220上に載置されて、掃除機本体110の前側部分が凹溝部215に嵌め込まれたときに、図2に示す第1排気口151と前後方向に重なり合う位置に形成されている。すなわち、開口部236は、図4に示すように、掃除機100が回収装置200に接続されたときに、掃除機100の第1排気口151に対向する。開口部236は、第1排気口151よりも広い開口領域を有しており、掃除機100が回収装置200に接続されたとき、第1排気口151全体は、開口部236に重なる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
(塵埃の回収時における回収装置の動作の説明)
使用者は、貯塵室152に貯まった塵埃を回収するために、回収装置200に掃除機100を取り付ける。詳細には、使用者は、回収装置200の台座板220上に掃除機100を設置し、掃除機本体110及び把持部140を直立姿勢にする。直立姿勢になった掃除機本体110が、回収装置200の凹溝部215に嵌め込まれると、掃除機100の蓋体121は、回収装置200の回収口216に前後方向に対向する。また、掃除機100のファン室153は、第1排気口151を通じて、回収装置200の吸気流路246に連通する。この状態において、回収装置200の検出片261は、掃除機本体110によって前方に押されており、検出片261は、後壁214の小孔内に没入する。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
蓋体121が下方に回動すると、排塵口124が開放された状態になる。この結果、掃除機100の貯塵室152は、塵埃流路230を通じて、回収室240の内部空間に連通した状態になる。貯塵室152は、ファン室153とも連通しており、ファン室153は、第1排気口151を通じて吸気流路246と連通しているので、塵埃流路230は、貯塵室152、ファン室153及び吸気流路246と連通した状態になる。したがって、吸引源250の吸引力は、回収室240、塵埃流路230、貯塵室152、ファン室153及び吸気流路246を通じて、吸気流路246の吸気口234に作用する。この結果、図4及び図5の矢印で示すように、外気が吸気口234を通じて吸気流路246に吸入され、吸気流路246内では、吸気口234から開口部236に向かう回収気流が生ずる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
開口部236は掃除機100の第1排気口151に対向しているので、吸気流路246内の回収気流は、第1排気口151を通じて、掃除機100のファン室153に吸引される。このとき、ファン室153内の吸引ファン116には電力供給がなされていないので、吸引ファン116のモータ161のトルクはゼロの状態になっている。したがって、吸引ファン116の羽根部162は、ファン室153を通過する回収気流により回転し得る。吸引ファン116の羽根部162の回転により、吸引ファン116から回転音が発生し得る。ファン室153には第1排気口151が形成されているので、回転音は、第1排気口151を通じて、掃除機100の筐体111の外に漏れ出やすい。この音漏れを抑制するために、第1排気口151には、吸気流路246の開口部236が繋げられている。すなわち、第1排気口151から漏れ出た回転音は、筐体210内で形成された吸気流路246内の空気を伝播し、吸気流路246の吸気口234を通じて、回収装置200の筐体210から放出される。回転音は、筐体210内を伝播している間に減衰するので、吸気口234を通じて放出された回転音のノイズレベルは低くなる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
吸引ファン116を通過した回収気流は、吸引ファン116の下側のフィルタ部115を通過する。このとき、回収気流は、貯塵室152内の塵埃を排塵口124から流出させる。排塵口124から流出した塵埃は、回収気流に乗って、回収口216を通じて塵埃流路230に流入する。その後、塵埃は、塵埃流路230を流れて、回収室240内に流入する。回収室240内において、塵埃は、除塵フィルタ247により捕捉される一方で、回収気流は、除塵フィルタ247を通過する。回収気流は、その後、第2排気口235を通じて排気される。