(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183901
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】バッグ
(51)【国際特許分類】
A45C 13/20 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
A45C13/20
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091423
(22)【出願日】2021-05-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】521237251
【氏名又は名称】株式会社イフス
(74)【代理人】
【識別番号】100164013
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 隆一
(72)【発明者】
【氏名】百々 彰彦
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045CE00
3B045LA10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】バッグの盗難と、バッグの収納物の盗難を同時に防止するバッグを提供する。
【解決手段】バッグ本体10の収納口18に取り付けられ、閉塞位置P1と開放位置P2との間でスライダー53を移動させるファスナー50と、バッグ本体10の閉塞位置P1側の端部と、ストラップ30の第1端部31とを着脱可能に連結するとともに、バッグ本体と第1端部とを連結した状態で施錠可能なロック部60と、を備える。ストラップは、第1端部をバッグ本体から離脱させた状態で、固定対象物Fに巻回可能であるとともに、固定対象物と第1端部との間の部分に閉塞位置にあるスライダーを係止可能である。ロック部は、ストラップを固定対象物に巻回し、かつ、ストラップにスライダーを係止させた状態で、ストラップの第1端部とバッグ本体とを連結および施錠可能である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に収納空間を有するとともに、前記収納空間に連通する収納口が形成されたバッグ本体と、
前記収納口に取り付けられ、閉塞位置と開放位置との間でスライダーを移動させることにより、前記収納口を閉塞状態と開放状態とに切り換えるファスナーと、
一方の端部である第1端部と、他方の端部である第2端部とが、前記バッグ本体に取り付けられているストラップと、
前記バッグ本体の前記閉塞位置側の端部と、前記ストラップの前記第1端部とを着脱可能に連結するとともに、前記バッグ本体と前記第1端部とを連結した状態で施錠可能なロック部と、
を備え、
前記ストラップは、前記第1端部を前記バッグ本体から離脱させた状態で、固定対象物に巻回可能であるとともに、前記固定対象物と前記第1端部との間の部分に前記閉塞位置にある前記スライダーを係止可能であり、
前記ロック部は、前記ストラップを前記固定対象物に巻回し、かつ、前記ストラップに前記スライダーに係止させた状態で、前記ストラップの前記第1端部と前記バッグ本体とを連結および施錠可能である、
バッグ。
【請求項2】
前記ストラップは、
前記係止されたスライダーが前記固定対象物側に移動することを阻止する当接部を有する、
請求項1に記載のバッグ。
【請求項3】
前記スライダーは、
引き手を有し、
前記引き手は、
前記ストラップの前記第1端部側を挿通可能な挿通部が形成されている、
請求項1または請求項2に記載のバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッグに関する。より詳細には、バッグ自体の盗難を防止できるとともに、バッグに収納された収納物の盗難も同時に防止することができるバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な用途に対応したバッグが提案されている。例えば、スポーツバッグは、シューズ、ウェア、タオルなどの物品を収納できるように構成されている。
【0003】
このようなスポーツバッグは、スポーツ中はロッカーなどに保管しておくこともできるが、ロッカーが用意されていない場合や、休憩中などに物品が必要になる場合には、ロッカーなどに保管せずに使用者の近くに置いておきたいという要望がある。
【0004】
しかしながら、スポーツ中は、使用者の目がスポーツバッグに十分に届かない状態になりがちであり、使用者が目を離した隙にバッグごと持ち去されたり、バッグの収納口が開けられて収納物が持ち去られるおそれがある。
【0005】
また、例えば、公園などでジョギングを行う場合には、シューズ、ウェア、タオル、飲料などの物品をスポーツバッグに収納して公園まで携行したいという要望がある。その一方で、ジョギング中はできるだけ軽装が望ましいため、携行してきたスポーツバッグをスタート地点等に置いておきたいという要望がある。
【0006】
しかしながら、ジョギングのスタート地点にスポーツバッグを置いておくと、使用者がジョギングを行っている間にバッグごと持ち去されたり、バッグの収納口が開けられて収納物が持ち去られるおそれがある。このため、従来はスポーツバッグの携行を断念して、携行する物品を減らしたり、最小限の物品を収納した小型のバッグを背負ってジョギングを行う必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、従来、内容物および保管箱自体の盗難を防止する保管箱として、携帯可能な貴重品保管箱が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この保管箱は、係留索により柱や重量家具等に係留し、かつ係留索により保管箱の錠止を同時に行うように構成されている。
【0009】
しかしながら、上記従来の保管箱は、盗難防止構造として係留索が別途設けられているため、盗難防止構造が複雑になるとともに、重量が増大するものであった。このため、係留索を用いた同様の盗難防止構造を様々な形態のバッグに適用することは困難であった。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、バッグの盗難と、バッグの収納物の盗難を同時に防止するとともに、盗難防止構造を簡易な構造にすることにより、盗難防止構造を備えた様々な形態のバッグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のバッグは、
内部に収納空間を有するとともに、前記収納空間に連通する収納口が形成されたバッグ本体と、
前記収納口に取り付けられ、閉塞位置と開放位置との間でスライダーを移動させることにより、前記収納口を閉塞状態と開放状態とに切り換えるファスナーと、
一方の端部である第1端部と、他方の端部である第2端部とが、前記バッグ本体に取り付けられているストラップと、
前記バッグ本体の前記閉塞位置側の端部と、前記ストラップの前記第1端部とを着脱可能に連結するとともに、前記バッグ本体と前記第1端部とを連結した状態で施錠可能なロック部と、
を備え、
前記ストラップは、前記第1端部を前記バッグ本体から離脱させた状態で、固定対象物に巻回可能であるとともに、前記固定対象物と前記第1端部との間の部分に前記閉塞位置にある前記スライダーを係止可能であり、
前記ロック部は、前記ストラップを前記固定対象物に巻回し、かつ、前記ストラップに前記スライダーに係止させた状態で、前記ストラップの前記第1端部と前記バッグ本体とを連結および施錠可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明のバッグによれば、バッグの盗難と、バッグの収納物の盗難を同時に防止することができる。また、盗難防止構造を簡易な構造にすることができ、盗難防止構造を備えた様々な形態のバッグを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係るバッグの正面斜視図である。
【
図2】
図2は、バッグを固定対象物に係留する状態を示す正面斜視図である。
【
図3】
図3は、バッグを固定対象物に係留する状態を示す正面斜視図である。
【
図4】
図4は、バッグを固定対象物に係留する状態を示す正面斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の第2実施形態に係るバッグの正面斜視図である。
【
図6】
図6は、バッグを固定対象物に係留する状態を示す正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態にかかるバッグは、
内部に収納空間を有するとともに、前記収納空間に連通する収納口が形成されたバッグ本体と、
前記収納口に取り付けられ、閉塞位置と開放位置との間でスライダーを移動させることにより、前記収納口を閉塞状態と開放状態とに切り換えるファスナーと、
一方の端部である第1端部と、他方の端部である第2端部とが、前記バッグ本体に取り付けられているストラップと、
前記バッグ本体の前記閉塞位置側の端部と、前記ストラップの前記第1端部とを着脱可能に連結するとともに、前記バッグ本体と前記第1端部とを連結した状態で施錠可能なロック部と、
を備え、
前記ストラップは、前記第1端部を前記バッグ本体から離脱させた状態で、固定対象物に巻回可能であるとともに、前記固定対象物と前記第1端部との間の部分に前記閉塞位置にある前記スライダーを係止可能であり、
前記ロック部は、前記ストラップを前記固定対象物に巻回し、かつ、前記ストラップに前記スライダーに係止させた状態で、前記ストラップの前記第1端部と前記バッグ本体とを連結および施錠可能である(第1の構成)。
【0015】
上記構成によれば、バッグ本体とストラップの第1端部は、ロック部によって着脱可能かつ施錠可能に連結されている。
ストラップの第1端部をバッグ本体から離脱させた状態で、ストラップを固定対象物に巻回させるとともに、固定対象物と第1端部との間の部分に閉塞位置にあるスライダーを係止させる。
その状態で、ロック部によりストラップの第1端部とバッグ本体とを連結し、施錠することにより、バッグを固定対象物に対して施錠状態で係留することができる。
また、スライダーは、ストラップの第1端部と固定対象物との間の部分に係止されているため、スライダーの位置を閉塞位置に保持することができる。
これにより、バッグを固定対象物に係留した状態において、スライダーを閉塞位置から開放位置に移動させることを阻止することができ、バッグの盗難と、バッグの収納口が開けられることによる収納物の盗難を同時に防止することができる。
また、バッグに設けられているストラップを利用した盗難防止構造であるため、盗難防止構造を簡易な構造にすることができる。このため、様々な用途や形態のバッグに盗難防止構造を適用することができる。
【0016】
上記第1の構成において、
前記ストラップは、
前記係止されたスライダーが前記固定対象物側に移動することを阻止する当接部を有してもよい(第2の構成)。
【0017】
上記構成によれば、ストラップに設けられた当接部により、ストラップに係止されたスライダーの移動がより確実に阻止される。
よって、バッグの収納口が開けられることによる収納物の盗難をより確実に防止することができる。
【0018】
上記第1または第2の構成において、
前記スライダーは、
引き手を有し、
前記引き手は、
前記ストラップの前記第1端部側を挿通可能な挿通部が形成されていてもよい(第3の構成)。
【0019】
上記構成によれば、スライダーの引き手に設けられた挿通部に、ストラップの第1端部側を挿通させることにより、ストラップにスライダーに係止させることができる。
これにより、ストラップにスライダーを容易かつ確実に係止させて、スライダーの移動を阻止することができる。
【0020】
[実施形態1]
以下、図面を参照し、本発明の実施形態に係るバッグ100について詳しく説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るバッグ100の正面斜視図である。
【0021】
以下の図では、矢印Uはバッグ100の上方向、矢印Dは下方向を示し、矢印Rはバッグ100の右方向、矢印Lは左方向を示す。また、バッグ100の正面は紙面手前側、バッグ100の後面は紙面奥側とする。
【0022】
以下の図では同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0023】
[全体の構成]
まずバッグ100の全体の構成について説明する。本実施形態に係るバッグ100は、バッグ本体10およびストラップ30を有している。本実施形態のバッグ本体10は、正面視で略長方形であり、前後方向の厚みが薄い形状を有しているが、バッグ本体の形状はこれに限定されない。バッグ本体は、例えば、スポーツバッグのように略筒形や略箱型であってもよく、いわゆるボディバッグのように人体の体型に沿うような形状を有していてもよい。また、バッグ本体の大きさも限定されず、ボストンバッグのように比較的大型のものから、ポーチのように比較的小型のものであってもよい。バッグ本体10の材質も限定されず、布、合成樹脂、天然皮革、あるいは合成皮革などであってもよい。
【0024】
本実施形態のストラップ30は、厚みに対して幅が広いベルト状であるが、本発明におけるストラップの形状はこれに限定されない。ストラップ30は、例えば、紐状であってもよい。また、ストラップ30の材質も限定されず、布、合成樹脂、天然皮革、あるいは合成皮革などであってもよい。
【0025】
図1に示すように、バッグ本体10は、第1側面部11、第2側面部12、上面部13、底面部14、第1端面部15、および第2端面部16を有している。第1側面部11および第2側面部12は、それぞれバッグ本体10の前面と後面を構成している。上面部13、底面部14、第1端面部15、および第2端面部16は、第1側面部11および第2側面部12の間に配置されており、それぞれバッグ本体10の上面、底面、右側面、および左側面を構成している。第1側面部11、第2側面部12、上面部13、底面部14、第1端面部15、および第2端面部16によって構成される内部空間には、物品を収納するための収納空間(図示せず)が構成されている。上面部13には、収納口18が形成されている。収納口18は、収納空間に連通しており、収納口18を介して、収納空間に物品を収納したり、収納空間に収納された物品を取り出すことができる。
【0026】
収納口18には、ファスナー50が取り付けられている。ファスナー50は、いわゆるスライドファスナーであり、エレメント51およびスライダー53を有している。エレメント51は、収納口18に沿って取り付けられている。閉塞位置P1と開放位置P2との間でスライダー53を移動させることにより、エレメント51をかみ合わせた状態と、エレメント51のかみ合わせを解除した状態とに切り換えることができる。本実施形態では、閉塞位置P1は、バッグ本体10の第1端面部15側に位置しており、開放位置P2は、バッグ本体10の第2端面部16側に位置している。スライダー53を閉塞位置P1に移動させ、エレメント51をかみ合わせた状態にすることにより、収納口18を閉塞状態にすることができる。スライダー53を開放位置P2に移動させ、エレメント51のかみ合わせを解除した状態にすることにより、収納口18を開放状態にすることができる。
【0027】
スライダー53には、使用者がスライダー53を移動させる際に把持する引き手55が設けられている。引き手55には挿通部57が形成されている。挿通部57は、貫通孔であり、後述するストラップ30の第1端部31側を挿通させることが可能である。
【0028】
バッグ本体10には、ストラップ30を取り付けるための第1取付部21および第2取付部22が設けられている。第1取付部21は、バッグ本体10の第1端面部15に固定されている。第1取付部21には、ダイヤル錠60が取り付けられている。ダイヤル錠60は、本発明のロック部に相当する。第2取付部22は、バッグ本体10の第2端面部16に固定されている。第2取付部22には、固定リング24が取り付けられている。
【0029】
ストラップ30は、使用者が肩に掛けたり、手で把持する部分である。バッグがいわゆるボディバッグである場合は、ストラップ30は使用者の肩から斜め掛けしたり、腰に巻くものであってもよい。ストラップ30は、一方の端部である第1端部31と、他方の端部である第2端部32とが、バッグ本体10に取り付けられている。ストラップ30の第1端部31には、第1ストラップリング33が取り付けられている。ストラップ30の第2端部32には、第2ストラップリング34が取り付けられている。
【0030】
ストラップ30の第1端部31は、第1ストラップリング33がダイヤル錠60に取り付けられることにより、バッグ本体10の第1側面部11に取り付けられている。ストラップ30の第2端部32は、第2ストラップリング34が固定リング24に連結されることにより、バッグ本体10の第2側面部12に取り付けられている。
【0031】
ダイヤル錠60は、バッグ本体10の第1端面部15と、ストラップ30の第1端部31とを着脱可能に連結している。第1端面部15は、本発明におけるバッグ本体の閉塞位置側の端部に相当する。ダイヤル錠60は、施錠と解錠が可能である。ダイヤル錠60は、ダイヤル錠本体61およびシャックル63を有している。シャックル63の端部は、
図1に示すように、ダイヤル錠本体61に差し込んだ状態と、
図2に示すように、ダイヤル錠本体61から引き抜いた状態にすることが可能である。
【0032】
図2に示すように、ダイヤル錠本体61からシャックル63を引き抜いた状態では、ダイヤル錠60は解錠されて状態になっている。
図1に示すように、ダイヤル錠本体61にシャックル63の端部を差し込んだ状態でダイヤル錠本体61のダイヤル位置をランダムな位置にすることにより、施錠した状態にすることができる。施錠した状態においてダイヤル位置を所定の位置に合わせることにより解錠状態に切り替えて、シャックル63の端部をダイヤル錠本体61から引き抜いた状態にすることが可能である。なお、本発明のロック部は、ダイヤル錠に限定されず、鍵によって施錠と解錠を切り換えるものであってもよく、他の手段によって施錠と解錠を切り換えるものであってもよい。
【0033】
[固定対象物にバッグを係留する動作]
次に、バッグ100を固定対象物Fに係留する場合について説明する。
図2から
図4は、バッグ100を固定対象物Fに係留する状態を示す正面斜視図である。
【0034】
図2に示すように、まず、ダイヤル錠60を解錠し、ダイヤル錠本体61からシャックル63の端部を引き抜いた状態にして、ストラップ30の第1端部31に取り付けた第1ストラップリング33をダイヤル錠60から取り外す。
【0035】
ストラップ30の第1端部31をダイヤル錠60から取り外した状態で、ストラップ30を固定対象物Fに巻回する。固定対象物Fは特に限定されないが、例えば屋外であれば鉄柱やフェンスの支柱など、固定された柱状物等が好ましい。
【0036】
図3に示すように、ストラップ30を固定対象物Fに巻回した状態で、ストラップ30の第1端部31をスライダー53の引き手55に形成された挿通部57に挿通させる。挿通部57は、ストラップ30の第1端部31に設けられた第1ストラップリング33を挿通させることができるように、貫通孔の大きさが設定されている。
【0037】
そして、ストラップ30の第1端部31を挿通部57に挿通させた状態で、第1ストラップリング33をダイヤル錠60に連結する。
【0038】
図4は、第1ストラップリング33をダイヤル錠60に連結し、ダイヤル錠60を施錠した状態を示している。この状態では、ストラップ30が固定対象物Fに巻回され、第1ストラップリング33がダイヤル錠60に連結されて施錠されているため、バッグ100自体の盗難を防止することができる。
【0039】
また、スライダー53の引き手55の挿通部57にストラップ30の第1端部31側が挿通されており、スライダー53の引き手55がストラップ30に係止されているため、スライダー53の移動がストラップ30や固定対象物Fによって阻止される。このため、固定対象物Fにストラップ30が巻回された状態では、スライダー53を移動させて収納口18を開放状態にすることが阻止される。
【0040】
これにより、バッグ100を固定対象物Fに係留した状態において、スライダー53を閉塞位置P1から開放位置P2に移動させることを阻止することができ、バッグ100の盗難と、バッグ100の収納口18が開けられることによる収納物の盗難を同時に防止することができる。
【0041】
[固定対象物からバッグを取り外す動作]
次に、バッグ100を固定対象物Fに係留した状態から取り外す場合について説明する。この場合、まず
図4に示したように、バッグ100が固定対象物Fに係留された状態において、ダイヤル錠60を解錠し、ダイヤル錠本体61からシャックル63の端部を引き抜いた状態にして、ストラップ30の第1端部31に取り付けた第1ストラップリング33をダイヤル錠60から取り外す。
【0042】
そして、
図3に示したように、ストラップ30の第1端部31を挿通部57から引き抜いた状態とする。
【0043】
続いて、
図2に示したように、ストラップ30を固定対象物Fから外し、
図1に示したように、ストラップ30の第1端部31に取り付けた第1ストラップリング33をダイヤル錠60に再度取り付けて、ダイヤル錠60を施錠する。これにより、バッグ100を固定対象物Fから取り外すことができる。
【0044】
[実施形態1の効果]
以上説明した本実施形態に係るバッグ100によれば、バッグ本体10とストラップ30の第1端部31は、ダイヤル錠60によって着脱可能かつ施錠可能に連結されている。
ストラップ30の第1端部31をバッグ本体10から離脱させた状態で、ストラップ30を固定対象物Fに巻回させるとともに、固定対象物Fと第1端部31との間の部分に閉塞位置P1にあるスライダー53の引き手55を挿通させる。
その状態で、ダイヤル錠60によりストラップ30の第1端部31とバッグ本体10とを連結し、施錠することにより、バッグ100を固定対象物Fに対して施錠状態で係留することができる。
また、スライダー53の引き手55は、ストラップ30の第1端部31と固定対象物Fとの間の部分に挿通されているため、スライダー53の位置を閉塞位置P1に保持することができる。
これにより、バッグ100を固定対象物Fに係留した状態において、スライダー53を閉塞位置P1から開放位置P2に移動させることを阻止することができ、バッグ100の盗難と、バッグ100の収納口18が開けられることによる収納物の盗難を同時に防止することができる。
また、本実施形態の盗難防止構造は、バッグ100に設けられているストラップ30を利用するものであるため、盗難防止構造を簡易な構造にすることができる。このため、様々な用途や形態のバッグ100に盗難防止構造を適用することができる。
【0045】
[実施形態2]
実施形態2のバッグ100Aは、ストラップ30に当接部70が設けられている点が実施形態1に係るバッグ100と異なっている。以下の説明において、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態1と異なる構成についてのみ説明する。
【0046】
図5は、本発明の第2実施形態に係るバッグ100Aの正面斜視図である。
図6は、バッグ100Aを固定対象物Fに係留する状態を示す正面斜視図である。
図5および
図6に示すように、ストラップ30には、当接部70が設けられている。当接部70は、ストラップ30に挿通されたスライダー53が固定対象物F側に移動することを阻止する部材である。
【0047】
当接部70は、ストラップ30の第1端部31に取り付けた第1ストラップリング33付近に設けられている。当接部70の大きさは、スライダー53の引き手55に形成された挿通部57を通過できない大きさに設定されている。当接部70は、ストラップ30に対して移動できないように固定されている。
【0048】
当接部70の形状や素材は限定されるものではないが、例えば、合成樹脂製の板状体で形成することができる。また、当接部70は、引き手55に形成された挿通部57を通過できない大きさであればよいため、例えば突起状の形状であってもよい。
[実施形態2の効果]
以上説明した本実施形態に係るバッグ100Aによれば、ストラップ30に設けられた当接部70により、ストラップ30に係止されたスライダー55の移動がより確実に阻止される。
よって、バッグ100の収納口18が開けられることによる収納物の盗難をより確実に防止することができる。
【0049】
[変形例]
本発明に係るバッグは、上記説明した本実施形態に限定されない。例えば本実施形態では、ストラップ30にスライダー53を係止する手段として、引き手55に形成した挿通部57にストラップ30を挿通させることとしたが、これに限定されない。例えば、挿通部57は貫通孔でなくてもよく、ストラップ30が着脱可能に係止できるものであればよい。
【0050】
また、本実施形態では、ストラップ30と引き手55を直接係止することとしたが、他の部材を介して係止するようにしてもよい。
【0051】
固定対象物Fにストラップ30を巻回する場合、本実施形態では、固定対象物Fにストラップ30を1回巻き付けるようにしたが、これに限定されない。例えば、ストラップ30の長さによっては複数回巻き付けてもよく、他の巻き付け方を行ってもよい。
【0052】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0053】
100 バッグ
10 バッグ本体
15 第1端面部(閉塞位置側の端部)
16 第2端面部
18 収納口
30 ストラップ
31 第1端部
32 第2端部
50 ファスナー
53 スライダー
60 ダイヤル錠(ロック部)
P1 閉塞位置
P2 開放位置
【手続補正書】
【提出日】2021-09-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に収納空間を有するとともに、前記収納空間に連通する収納口が形成されたバッグ本体と、
前記収納口に取り付けられ、閉塞位置と開放位置との間でスライダーを移動させることにより、前記収納口を閉塞状態と開放状態とに切り換えるファスナーと、
一方の端部である第1端部と、他方の端部である第2端部とが、前記バッグ本体に取り付けられているストラップと、
前記バッグ本体の前記閉塞位置側の端部と、前記ストラップの前記第1端部とを着脱可能に連結するとともに、前記バッグ本体と前記第1端部とを連結した状態で施錠可能なロック部と、
を備え、
前記ストラップの前記第1端部には、前記ストラップの幅よりも開口部の幅が広いストラップリングが取り付けられており、
前記スライダーには、前記ストラップリング、および前記ストラップの前記第1端部側を挿通可能な挿通部が形成された引き手が直接連結され、
前記ロック部は、前記ストラップリングを連結した状態と、前記ストラップリングを取り外した状態と、に切り替えることができる環状のシャックルを有し、
前記ストラップは、前記ストラップリングを前記シャックルから取り外した状態で、固定対象物に巻回可能であるとともに、前記固定対象物と前記第1端部との間の部分に前記閉塞位置にある前記スライダーの前記挿通部を挿通可能であり、
前記ロック部は、前記ストラップを前記固定対象物に巻回し、かつ、前記ストラップに前記スライダーの前記挿通部を挿通させた状態で、前記ストラップリングと前記シャックルとを連結および施錠可能である、
バッグ。
【請求項2】
前記ストラップは、
前記係止されたスライダーが前記固定対象物側に移動することを阻止する当接部を有する、
請求項1に記載のバッグ。